説明

家畜害虫防除用の2−シアノベンゼンスルホンアミド

本発明は、式(I)[式中のR1〜R5は請求項1に定義されているとおりである]で表される2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物および/またはその農薬として有用な塩に関する。さらに、本発明は、家畜害虫を防除するための化合物Iおよび/またはその塩の使用;殺虫作用のある量の、少なくとも1種の一般式Iの化合物および/または少なくとも1種の農薬として有用なIの塩および少なくとも1種の不活性液体および/または固体の農学上許容される担体と、所望の場合は少なくとも1種の界面活性剤とを含む農薬組成物;そして、家畜害虫、その生息地、繁殖場所、餌供給源、植物、種子、土壌、区域、家畜害虫が成育しているまたは成育しているかも知れない物質または環境、または家畜害虫の攻撃または寄生から保護されるべき物質、植物、種子、土壌、表面もしくは空間と、殺虫剤として有効な量の少なくとも1種の一般式(I)で表される2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物および/または少なくとも1種の農薬として許容されるその塩とを接触させることを含んでなる家畜害虫の防除方法;にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物およびその農薬として有用な塩ならびにそのような化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、家畜害虫を防除するための2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物、その塩、またはそれらを含む組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
家畜害虫は生育中の作物や収穫された作物に壊滅的な打撃を与えまた木造住居や商業構造物を攻撃し、食料供給源や資産に多大な経済的損失を引き起こす。多数の殺虫剤が知られているが、目標とする害虫がそのような薬剤に対して耐性となる能力をもつことから、家畜害虫を防除するための新しい薬剤に対するニーズが常にある。特に、昆虫やダニのような家畜害虫は、効果的に防除するのが難しい。
【0003】
EP 0033984には、殺アブラムシ活性をもつ置換2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物が記載されている。このベンゼンスルホンアミド化合物は、好ましくはそのフェニル環の3位にフッ素原子または塩素原子をもっている。しかしながら、この化合物の殺虫活性は不満足なもので、アブラムシに対してのみ活性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、特に防除するのが難しい昆虫およびダニ(acaridae)に対して優れた殺虫活性を有している化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの課題は、一般式I
【化1】

【0006】
[式中、
R1は、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシまたはC1〜C4-ハロアルコキシであり;
R2は、水素、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキルまたはC1〜C4-アルコキシであり、この場合最後に記載した5つの基は不置換であってもよいし、部分的または完全にハロゲン化されていてもよいし、および/またはC1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C1〜C4-ハロアルコキシ、C1〜C4-ハロアルキルチオ、C1〜C4-アルコキシカルボニル、シアノ、アミノ、(C1〜C4-アルキル)アミノ、ジ-(C1〜C4-アルキル)アミノ、C3〜C8-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1、2、または3個の基をもっていてもよく、フェニルについては不置換であってもよいし、部分的または完全にハロゲン化されていてもよいし、および/またはC1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシからなる群から選択される1、2、または3個の基をもっていてもよく;および
R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C1〜C4-ハロアルコキシ、C1〜C4-ハロアルキルチオ、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、アミノ、(C1〜C4-アルキル)アミノ、ジ-(C1〜C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニルおよびジ-(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニルからなる群から選択される]
で表される2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物およびその農薬として有用な塩によって解決されることを見出した。式Iの化合物およびその農薬として許容される塩は、特に防除するのが難しい昆虫およびダニに対して高い殺虫活性をもっている。
【0007】
したがって、本発明は、一般式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物およびその農薬として有用な塩に関する。
【0008】
さらに、本発明は、
・家畜害虫を防除するための化合物Iおよび/またはその塩の使用;
・少なくとも1種の式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物および/または少なくとも1種のIの農薬として有用な塩および少なくとも1種の不活性液体および/または固体の農学上許容される担体を殺虫効果のある量含み、所望なら少なくとも1種の界面活性剤を含む農薬組成物;および
・家畜害虫、家畜害虫が成育しているまたは成育するかも知れないその生息地、その繁殖場所、その餌供給源、植物、種子、土壌、区域、物質または環境、あるいは家畜害虫の攻撃または寄生から保護されるべき材料、植物、種子、土壌、表面または空間と、殺虫剤として有効な量の一般式Iで表される少なくとも1種の2-シアノ-ベンゼンスルホンアミド化合物および/または少なくとも1種のその農薬として許容される塩とを接触させることを含んでなる家畜害虫の防除方法;
に関する。
【0009】
置換基R1〜R5の中では、一般式Iの化合物は1つまたは複数のキラル中心をもつことがあり、その場合それらは、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物として存在している。本発明は、純粋な鏡像異性体もしくはジアステレオマーまたはそれらの混合物のいずれをも提供する。
【0010】
本発明に従って使用するのに適している式Iの化合物の塩は、特に農薬として許容される塩である。それらは、慣用の方法、例えば本化合物と該当の陰イオンの酸を反応させることで生成させることができる。
【0011】
好適な農薬として有用な塩は、特に、陽イオンの塩または酸の酸付加塩であって、その陽イオンおよび陰イオンが有害な昆虫またはクモ類を防除するのに有用である本発明による化合物の作用に悪影響をもたないものである。つまり、好適な陽イオンは特にアルカリ金属好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウムのイオン、アルカリ土類金属好ましくはカルシウム、マグネシウムおよびバリウムのイオン、遷移金属好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄のイオン、ならびに所望なら1〜4個のC1〜C4-アルキル置換基および/または1個のフェニルもしくはベンジル置換基をもっていてもよいアンモニウムイオン好ましくはジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、さらにはホスホニウムイオン、スルホニウムイオン好ましくはトリ(C1〜C4-アルキル)スルホニウム、およびスルホキソニウムイオン好ましくはトリ(C1〜C4-アルキル)スルホキソニウムである。
【0012】
有用な酸付加塩の陰イオンは主として塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、燐酸二水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、ならびにC1〜C4-アルカン酸好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸および酪酸の陰イオンである。これらは、式Iの化合物と、対応する陰イオン好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸を反応させることで生成させることができる。
【0013】
上記可変部の定義の中で言及した有機部分構造は、用語ハロゲンのように、個々の基構成員を個別に掲載することに対する集合用語である。Cn〜Cmの添字は、いずれの場合も、基の中にあり得る炭素原子の数を示す。
【0014】
用語ハロゲンはいずれの場合もフッ素、臭素、塩素またはヨウ素を意味する。
【0015】
他の意味するところの例は以下のとおりである。
【0016】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルキル」ならびにアルキルアミノおよびジアルキルアミノのアルキル部分構造は、1〜4個の炭素原子を有する飽和、直鎖または分枝炭化水素基を意味する。すなわち例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルまたは1,1-ジメチルエチルである。
【0017】
本明細書で用いる用語「C1〜C6-アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する飽和、直鎖または分枝炭化水素基例えばC1〜C4-アルキルのところで言及した基ならびにn-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピルを意味する。
【0018】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-ハロアルキル」は、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和アルキル基においてその水素原子の一部または全部がフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された基を意味する。すなわち例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチルまたはノナフルオロブチルである。
【0019】
本明細書で用いる用語「C1〜C2-フルオロアルキル」は、1、2、3、4、または5個のフッ素原子をもつC1〜C2-アルキルを意味し、例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチルまたはペンタフルオロエチルである。
【0020】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルコキシ」は、酸素原子を介して結合される、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和アルキル基を意味する。すなわち例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ、n-ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシまたは1,1-ジメチルエトキシである。
【0021】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-ハロアルコキシ」は、フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で部分的または完全に置換されている上述したC1-C4-アルコキシ基を意味する。すなわち例えば、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、1(フルオロメチル)-2-フルオロエトキシ、1-(クロロメチル)-2-クロロエトキシ、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシまたはノナフルオロブトキシである。
【0022】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルキルチオ(C1〜C4-アルキルスルファニル:C1〜C4-アルキル-S-)」は、硫黄原子を介して結合される、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和アルキル基を意味する。すなわち例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオまたは1,1-ジメチルエチルチオである。
【0023】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルキルスルフィニル」((C1〜C4-アルキル-S(=O)-)は、アルキル基の結合のところにあるスルフィニル基の硫黄原子を介して結合される、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和炭化水素基を意味する。すなわち例えば、SO-CH3、SO-C2H5、n-プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニル、1,1-ジメチルエチルスルフィニル、n-ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニルまたは1-エチルプロピルスルフィニルである。
【0024】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルキルスルホニル」(C1〜C4-アルキル-S(=O)2-)は、アルキル基の結合のところにあるスルホニル基の硫黄原子を介して結合される、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和アルキル基を意味する。すなわち例えば、SO2-CH3、SO2-C2H5、n-プロピルスルホニル、SO2-CH(CH3)2、n-ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニルまたはSO2-C(CH3)3である。
【0025】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-ハロアルキルチオ」は、フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で部分的または完全に置換されている上述したC1〜C4-アルキルチオ基を意味する。すなわち例えば、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、ブロモジフルオロメチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2-クロロエチルチオ、2-ブロモエチルチオ、2-ヨードエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、2-フルオロプロピルチオ、3-フルオロプロピルチオ、2-クロロプロピルチオ、3-クロロプロピルチオ、2-ブロモプロピルチオ、3-ブロモプロピルチオ、2,2-ジフルオロプロピルチオ、2,3-ジフルオロプロピルチオ、2,3-ジクロロプロピルチオ、3,3,3-トリフルオロプロピルチオ、3,3,3-トリクロロプロピルチオ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルチオ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチルチオ、1-(クロロメチル)-2-クロロエチルチオ、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチルチオ、4-フルオロブチルチオ、4-クロロブチルチオ、4-ブロモブチルチオまたはノナフルオロブチルチオである。
【0026】
本明細書で用いる用語「C1〜C4-アルコキシカルボニル」は、カルボニル基の炭素原子を介して結合される、(上述した)1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシ基を意味する。すなわち例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、1-メチルエトキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、1-メチルプロポキシカルボニル、2-メチルプロポキシカルボニルまたは1,1-ジメチルエトキシカルボニルである。
【0027】
本明細書で用いる用語「(C1〜C4-アルキルアミノ)カルボニル」は、例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、1-メチルエチルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、1-メチルプロピルアミノカルボニル、2-メチルプロピルアミノカルボニルまたは1,1-ジメチルエチルアミノカルボニルを意味する。
【0028】
本明細書で用いる用語「ジ-(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニル」は、例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル、N,N-ジエチルアミノカルボニル、N,N-ジ-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N,N-ジプロピルアミノカルボニル、N,N-ジブチルアミノカルボニル、N,N-ジ-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N,N-ジ-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N,N-ジ-(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-エチル-N-メチルアミノカルボニル、N-メチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-メチル-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-メチルアミノカルボニル、N-メチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-メチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-メチルアミノカルボニル、N-エチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-エチル-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-エチルアミノカルボニル、N-エチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-エチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-エチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-ブチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-(1-メチルプロピル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-(2-メチルプロピル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-ブチル-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルプロピル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニルまたはN-(1,1-ジメチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニルを意味する。
【0029】
本明細書で用いる用語「C2〜C6-アルケニル」は、2〜6個の炭素原子と任意の位置に二重結合1つを有する直鎖または分枝モノ不飽和炭化水素基を意味する。すなわち例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニルである。
【0030】
本明細書で用いる用語「C2〜C6-アルキニル」は、C-C三重結合を有し、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、例えばエチニル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-3-イル、n-ブタ-1-イン-4-イル、n-ブタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-3-イル、n-ペンタ-1-イン-4-イル、n-ペンタ-1-イン-5-イル、n-ペンタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-2-イン-4-イル、n-ペンタ-2-イン-5-イル、3-メチルブタ-1-イン-3-イル、3-メチルブタ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-1-イル、n-ヘキサ-1-イン-3-イル、n-ヘキサ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-5-イル、n-ヘキサ-1-イン-6-イル、n-ヘキサ-2-イン-1-イル、n-ヘキサ-2-イン-4-イル、n-ヘキサ-2-イン-5-イル、n-ヘキサ-2-イン-6-イル、n-ヘキサ-3-イン-1-イル、n-ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペンタ-1-イン-1-イル、3-メチルペンタ-1-イン-3-イル、3-メチルペンタ-1-イン-4-イル、3-メチルペンタ-1-イン-5-イル、4-メチルペンタ-1-イン-1-イル、4-メチルペンタ-2-イン-4-イル、4-メチルペンタ-2-イン-5-イルなどを意味する。
【0031】
本明細書で用いる用語「C3〜C8-シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する単環式炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ-ヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
一般式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物の中でも、好ましいのは、可変部R1およびR2が、互いに独立して且つ特に組み合せで、以下に示す意味をもつものである:
R1が、C1〜C2-アルキル特にメチル、またはC1〜C2-アルコキシ特にメトキシであり;
R2が、水素もしくは1〜4個の炭素原子を有する線状、環状または分枝鎖炭化水素基例えばC1〜C4-アルキル特にメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、シクロプロピル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル特に2-メトキシエチル、C1〜C4-アルキルチオ-C1〜C4-アルキル特に2-メチルチオエチル、C2〜C4-アルキニル特にプロパ-2-イン-1-イル(プロパルギル)である。最も好ましいのは、R2が、メチル、エチル、1-メチルエチルおよびプロパ-2-イン-1-イルから選択される化合物Iである。
【0033】
R1がC1〜C4-ハロアルコキシ好ましくはC1-ハロアルコキシ特にトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはクロロジフルオロメトキシである一般式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物も好ましい。この化合物では、R2は、上に示した意味もち、好ましくは水素もしくは1〜4個の炭素原子を有する線状、環状または分枝鎖炭化水素基例えばC1〜C4-アルキル特にメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、シクロプロピル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル特に2-メトキシエチル、C1〜C4-アルキルチオ-C1〜C4-アルキル特に2-メチルチオエチル、C2〜C4-アルキニル特にプロパ-2-イン-1-イル(プロパルギル)である。最も好ましいのは、R2が、メチル、エチル、1-メチルエチルおよびプロパ-2-イン-1-イルから選択される化合物Iである。
【0034】
本発明の好ましい実施形態は、可変部R1およびR2が上述した意味特に好ましいと記された意味をもち、且つ基R3、R4またはR5のうちの少なくとも1つが水素とは異なる一般式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物に関する。好ましくは基R3、R4およびR5のうちの1つまたは2つは水素を表す。これらの化合物のなかでも、好ましいのは、R3が水素とは異なり、好ましくはハロゲン特に塩素またはフッ素を表し、他の基R4およびR5が水素である化合物である。
【0035】
本発明のもう1つの好ましい実施形態は、可変部R1およびR2が上述した意味特に好ましいと記された意味をもち、且つ基R3、R4およびR5のそれぞれが水素を表す一般式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物に関する。
【0036】
本発明の式Iの好まし化合物の例には、以下の表A1〜A16に示されている化合物が含まれ、この場合R3、R4、R5は同表に定義されているとおりであり、またR1およびR2は表Aの行に示されている。
【0037】
表 A1:R3、R4およびR5のそれぞれが水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A2:R3が塩素であり、R4およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A3:R3がフッ素であり、R4およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A4:R3が臭素であり、R4およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A5:R3がヨウ素であり、R4およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A6:R3がCH3であり、R4およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A7:R4が塩素であり、R3およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A8:R4がフッ素であり、R3およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A9:R4が臭素であり、R3およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A10:R4がヨウ素であり、R3およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A11:R4がCH3であり、R3およびR5が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A12:R5が塩素であり、R3およびR4が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A13:R5がフッ素であり、R3およびR4が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A14:R5が臭素であり、R3およびR4が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A15:R5がヨウ素であり、R3およびR4が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
表 A16:R5がCH3であり、R3およびR4が水素であり、R1およびR2が表Aの1つの行に定義されているとおりである式Iの化合物
【0038】
表 A
【表A】


























式Iの2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物は、例えば、J. March, 4th edition 1992, p. 499に記載されている方法と同様にして、2-シアノベンゼンスルホニルハライドIIとアンモニアまたは第一級アミン(III)を反応させることにより調製することができる(図式Iを参照)。
【0039】
図式 1
【化2】

【0040】
図式1中、可変部R1〜R5は上記で定義したとおりであり、Yはハロゲン特に塩素または臭素である。スルホニルハライドII特にスルホニルクロリドとアミンIIIの反応は、通常溶媒の存在下で行われる。好適な溶媒は、反応条件下では不活性である極性溶媒、例えばC1〜C4-アルカノール(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノールまたはイソプロパノール)、ジアルキルエーテル(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたはメチルt-ブチルエーテル)、環状エーテル(例えばジオキサンまたはテトラヒドロフラン)、アセトニトリル、カルボキサミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN-メチルピロリドン)、水(但し、スルホニルハライドIIは、用いる反応条件下で、十分加水分解耐性があるとする)、またはこれらの混合物である。
【0041】
一般に、アミンIIIは、スルホニルハライドIIを基準にして少なくとも等モル量、好ましくは少なくとも2倍のモル過剰で用いて生成するハロゲン化水素を縛る。第一級アミンIIIをスルホニルハライドIIを基準にして最大6倍のモル過剰で用いるのが有利であると考えられる。
【0042】
反応を補助塩基の存在下で行うのが有利であると考えられる。好適な補助塩基としては、有機塩基では例えば第三級アミン例えば脂肪族第三級アミン(例えばトリメチルアミノ、トリエチルアミノまたはジイソプロピルアミノ)、脂環式第三級アミン(例えばN-メチルピペリジン)または芳香族アミン(例えばピリジン、置換ピリジン例えば2,3,5-コリジン、2,4,6-コリジン、2,4-ルチジン、3,5-ルチジンまたは2,6-ルチジン)、無機塩基では例えばアルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩(例えば炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムならびに炭酸カルシウム)ならびにアルカリ金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウム)が挙げられる。補助塩基対スルホニルハライドIIのモル比は好ましくは1:1〜4:1、好ましくは1:1〜2:1である。反応が補助塩基の存在下で行われる場合は、第一級アミンIII対スルホニルハライドIIのモル比は通常1:1〜1.5:1である。
【0043】
反応は通常、0℃〜溶媒沸点、好ましくは0〜30℃の反応温度で行われる。
【0044】
スルホニルハライド化合物IIが市販されていない場合は、例えば、以下に記載する方法のどれかによって調製することができる。
【0045】
スルホニルクロリド化合物IIの調製は、例えば、図式2に示す反応順序に従って行うことができる。図式中、可変部R1、R3〜R5は、上記で定義したとおりである。
【0046】
図式 2
【化3】

【0047】
a) ベンズイソチアゾールIVのチオールVへの変換は、例えばLiebigs Ann. Chem. 1980, 768-778に記載されている方法と同様にして、不活性有機溶媒例えばエーテル(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン)中、またはアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール)中の、またはカルボキサミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN-メチルピロリドン)中、またはジメチルスルホキシド中、あるいは上記した溶媒の混合物中で、IVと、塩基例えばアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウム)、アルカリ金属水素化物(例えば水素化ナトリウムまたは水素化カリウム)、またはアルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)とを反応させ、そして酸性化してチオールVを得ることで行われる。ベンズイソチアゾールIVは、Liebig Ann. Chem 729, 146-151 (1969)に記載されている方法と同様にして調製することができる。このあと、
b)チオールVのスルホニルクロリドII(Y = Cl)への酸化は、例えば、Jerry March, 3rd edition, 1985, reaction 9-27, page 1087に記載されている方法と同様にして、水または水−溶媒混合物例えば水と酢酸の混合物中で、チオールVと、塩素とを反応させることで行われる。
【0048】
化合物II(この場合、Yは塩素であり、R4およびR5は水素である)は、図式3に示す反応順序によって調製することもできる。この場合可変部R1は上記した意味をもち、R3はH、Cl、Br、IまたはCNである。
【0049】
図式 3
【化4】

【0050】
c)チオシアナト化合物VIIの調製は、例えば、EP 945 449に、またはJerry March, 3rd edition, 1985, p. 476に、またはNeuere Methoden der organischen Chemie, Vol.1, 237 (1944)に、またはJ.L. Wood, Organic Reactions, vol. III, 240 (1946)に記載されている方法と同様にして、アニリンVIをチオシアノゲンでチオシアン化することで行われる。チオシアノゲンは通常、例えば、不活性溶媒中でチオシアン酸ナトリウムと臭素を反応させることで、in situで調製される。好適な溶媒としては、アルカノール(例えばメタノールまたはエタノール)またはカルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸またはイソ酪酸)およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、この不活性溶媒はメタノールであり、これに、安定化のために、少量の臭化ナトリウムを加えておいてもよい。
【0051】
d)VIIのアミノ基のジアゾニウム基への変換は、通常のジアゾ化を行いそのあとそのジアゾニウム基を水素、塩素、臭素またはヨウ素あるいはシアンに変換させることで行われる。好適なニトロソ化剤はニトロソニウムテトラ-フルオロボーレート、ニトロシルクロリド、ニトロシル硫酸、亜硝酸アルキル(例えば亜硝酸t-ブチル)、または亜硝酸の塩例えば亜硝酸ナトリウムである。得られたジアゾニウム塩の対応する、R3 = シアノ、塩素、臭素またはヨウ素である化合物VIIIへの変換は、VIIを、銅(I)塩例えばシアン化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)またはヨウ化銅(I)の溶液または懸濁液で、またはアルカリ金属塩の溶液で処理することで行うことができる(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg Thieme Verlag Stuttgart, Vol. 5/4, 4th edition 1960, p. 438 ffと比較されたい)。得られたジアゾニウム塩の対応する、R3 = Hである化合物VIIIへの変換は、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、亜スズ酸ナトリウム(sodium stannite)で処理することにより、または非水性媒体中で水素化トリブチルスズまたは(C2H5)3SnHもしくはホウ水素化ナトリウムで処理することにより行うことができる(例えば、Jerry March, 3rd edition, 1985, 646fと比較されたい)。
【0052】
e) チオシアネートVIIIの対応するチオール化合物IXへの還元は、硫酸の存在下で亜鉛で処理することで、またはナトリウムスルフィドで処理することで行われる。
【0053】
このあと、
f) 図式2のステップb)と同様にして、チオールIXを酸化してスルホニルクロリドIIを得る。
【0054】
さらに、ベンゼンスルホニルクロリドII(Y = Cl)は、図式4に示す反応順序により調製することもできる。この場合可変部R1、R3、R4およびR5は、上記で定義したとおりである。
【0055】
図式 4
【化5】

【0056】
(g) ニトロトルエンXのベンズアルドキシム化合物XIへの変換は、例えばWO 00/29394に記載されている方法と同様にして行われる。XのXIへの変換は、例えば、塩基の存在下でニトロ化合物Xと有機亜硝酸塩R-ONO[式中Rはアルキルである]を反応させることにより行われる。好適な亜硝酸塩はC2〜C8-アルキル亜硝酸塩例えば亜硝酸n-ブチルまたは亜硝酸(イソ)アミルである。好適な塩基は、アルカリ金属アルコキシド例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドまたはカリウムt-ブトキシド、アルカリ金属水酸化物例えばNaOHまたはKOH、または有機マグネシウム化合物例えば式R'MgX(R' = アルキル、X = ハロゲン)で表されるグリニャール試薬(Grignard reagent)である。この反応は通常不活性溶媒(好ましくは極性非プロトン性溶媒を含んでいるもの)中で行われる。好適な極性非プロトン性溶媒としては、カルボキサミド例えばN,N-ジアルキルホルムアミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド)、N,N-ジアルキルアセトアミド(例えばN,N-ジメチルアセトアミド)またはN-アルキルラクタム(例えばN-メチルピロリドン)あるいはこれらの混合物またはこれらの非極性溶媒例えばアルカン類、シクロアルカン類および芳香族溶媒(例えばトルエンおよびキシレン)との混合物が挙げられる。ナトリウム塩基を用いる場合は、適切ならばアルコール1〜10モル%を加えてもよい。化学量論比は、例えば以下のとおりである:塩基1〜4当量、R-ONO 1〜2当量;好ましくは塩基1.5〜2.5当量、R-ONO 1〜1.3当量;同じように好ましくは塩基1〜2当量、R-ONO 1〜1.3当量。反応は通常60℃〜室温、好ましくは-50℃〜-20℃、特に-35℃〜-25℃で行われる。
【0057】
(h) アルドキシムXIのニトリルXIIへの脱水は、例えば、Jerry March, 4th edition, 1992, 1038fに記載されている方法と同様にして、脱水剤例えば無水酢酸、オルトギ酸エチルとH+、(C6H5)3P-CCl4、クロロギ酸トリクロロメチル、シアノギ酸メチル(またはエチル)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理することにより行われる。
【0058】
(i) 化合物XIIのアニリンXIIIへの還元は、例えば、ニトロ化合物XIIと、酸性条件下で金属例えば鉄、亜鉛またはスズとを、またはSnCl2とを、あるいは錯体水素化物例えば水素化アルミニウムリチウムやナトリウムとを反応させることで行われる。還元は、希釈なしで、または溶媒もしくは希釈剤中で行うことができる。好適な溶媒は、選択された還元試薬にもよるが、例えば水、アルカノール例えばメタノール、エタノールおよびイソプロパノール、またはエーテル例えばジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランおよびエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0059】
化合物XIIのニトロ基は、触媒水素化によりアミノ基に変換することもできる(例えば、Houben Weyl, Vol. IV/1c, p. 506 ff、またはWO 00/29394を参照されたい)。適している触媒は、例えば白金触媒、またはパラジウム触媒であり、この場合その金属は、不活性担体例えば活性炭素、クレイ、セライト、シリカ、アルミナ、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などに担持されていてもよい。触媒の金属含量は、担体を基準にして1〜20重量%で変わりうる。一般には、ニトロ化合物XIIを基準にして、白金またはパラジウム0.001〜1重量%、好ましくは白金またはパラジウム0.01〜1重量%が用いられる。反応は通常溶媒なしか、または不活性溶媒または希釈剤中で行う。好適な溶媒または希釈剤としては、芳香族化合物(例えばベンゼン、トルエン、キシレン);カルボキサミド例えばN,N-ジアルキルホルムアミド(例えばN,N-ジメチルホルムアミド)、N,N-ジアルキルアセトアミド(例えばN,N-ジメチルアセトアミド)またはN-アルキルラクタム(例えばN-メチルピロリドン);テトラアルキル尿素(例えばテトラメチル尿素、テトラブチル尿素、N,N'-ジメチルプロピレン尿素およびN,N'-ジメチルエチレン尿素);アルカノール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、またはn-ブタノール);エーテル(例えばジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランおよびエチレングリコールジメチルエーテル);カルボン酸(例えば酢酸またはプロピオン酸);炭酸エステル(例えば酢酸エチル);が挙げられる。反応温度は通常20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。水素化は、大気圧の水素圧、または高圧水素圧の下で行うことができる。
【0060】
(k)化合物XIIIのアミノ基を対応するジアゾニウム基に変換しそのあとそのジアゾニウム塩を塩化銅(II)の存在下で二酸化硫黄と反応させることでスルホニルクロリドIIが得られる。ジアゾニウム塩は、図式3のステップd)で述べたようにして調製することもできる。好ましくは、亜硝酸アルキルとしては、亜硝酸ナトリウムを用いる。一般には、二酸化硫黄は、氷酢酸に溶解される。
【0061】
式XIIIの化合物は、前駆体としてo-ニトロアニリンを用いるWO 94/18980に記載の方法、またはイサチン前駆体を用いるWO 00/059868に記載の方法に従って調製することもできる。
【0062】
上記した経路により個々の化合物を得ることができない場合は、他の化合物Iを誘導体化することにより、あるいは説明した合成経路を慣用的に改変することにより調製することができる。
【0063】
反応混合物は慣用の方法、例えば水と混合し、その相を分離し、そして適切な場合は得られた粗生成物を、例えばアルミナまたはシリカゲルを用いたクロマトグラフィーで精製することにより後処理される。中間体と最終生成物とが無色あるいは薄茶色の粘稠な油状物で得られることもあるが、その場合、減圧下且つ適度に高い温度で、それらから揮発成分を除去して精製する。中間体と最終生成物とが固体で得られる場合、これらは再結晶または温浸により精製することができる。
【0064】
一般式Iの化合物はその活性が優れていることから、家畜害虫を防除するのに用いることができる。家畜害虫としては、有害な昆虫とダニが挙げられる。したがって、本発明はさらに、家畜害虫特に昆虫および/またはダニを防除するための農薬組成物を提供するものであり、該組成物は、一般式Iで表される少なくとも1種の化合物および/またはIの農薬として有用な少なくとも1種の塩、および農薬として許容される少なくとも1種の不活性液体および/または固体担体を、殺虫作用のある量含んでおり、所望の場合は少なくとも1種の界面活性剤を含んでいる。
【0065】
そのような組成物には、本発明による一般式Iの単一の活性化合物、または数種の活性化合物Iの混合物が入っていてもよい。本発明による組成物は、単一の異性体、または異性体の混合物を含む場合がある。
【0066】
2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物Iおよびこれを含む殺虫剤組成物は、家畜害虫を防除するのに有効な薬剤である。式Iの化合物で防除される家畜害虫(animal pests)としては、例えば下記のものが挙げられる。
【0067】
鱗翅目(レドプテラ)の昆虫、例えばアグロティス・イプシロン(Agrotis ypsilon、タマナヤガ)、アグロティス・セゲトゥム(Agrotis segetum、カブラヤガ)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルギレスチア・コンジュゲッラ(Argyresthia conjugella、リンゴヒメシンクイ)、アウトグラファ・ガンマ(Autographa gamma、ガンマキンウワバ)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana、トウヒシントメハマキ)、コリストネウラ・オッシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta、アワヨトウ)、シディア・ポモネッラ(Cydia pomonella、コドリンガ)、デンドロリムス・ピニ(Dendrolimus pini)、ディアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)、ディアトラエア・グランディオセッラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana、ミスジアオリンガ)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)、エウポエシリア・アンビゲッラ(Eupoecilia ambiguella、ブドウホソハマキ)、エヴェトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・スブテッラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メッロネッラ(Galleria mellonella、ハチノスツヅリガ)、グラフォリサ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラフォリサ・モレスタ(Grapholitha molesta、ナシヒメシンクイ)、ヘリオシス・アルミゲラ(Heliothis armigera、オオタバコガ)、ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens、害虫オオタバコガ)、ヘリオシス・ゼア(Heliothis zea)、ヘッルラ・ウンダリス(Hellula undalis、ハイマダラノメイガ)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea、アメリカシロヒトリ)、ヒポノメウタ・マリネッルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセッラ(Keiferia lycopersicella)、ラムディナ・フィスセッラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua、シロイチモンジヨトウ)、ロイコプテラ・コッフェーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテッラ(Leucoptera scitella)、リソコレティス・ブランカルデッラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana、ホソバヒメハマキ)、ロキソステジェ・スティクティカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar、マイマイガ)、リマントリア・モナチャ(Lymantria monacha、ノンネマイマイ)、リオネティア・クレルケッラ(Lyonetia clerkella、モモハモグリガ)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria、オビカレハ)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae、ヨトウガ)、オルギア・シュードツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis、ヨーロッパアワノメイガ)、パノリス・フランメア(Panolis flammea、マツキリガ)、ペクティノフォラ・ゴシピエッラ(Pectinophora gossypiella、ワタアカミムシ)、ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia、ニセタマナヤガ)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フソリマエア・オペルクレッラ(Phthorimaea operculella、ジャガイモキバガ)、フィロクニスティス・シトレッラ(Phyllocnistis citrella、ミカンハモグリガ)、ピエリス・ブラッシカエ(Pieris brassicae、オオモンシロチョウ)、プラシペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテッラ・キシロステッラ(Plutella xylostella、コナガ)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトロガ・セレアレッラ(Sitotroga cerealella、バクガ)、スパルガノシス・ピッレリアナ(Sparganothis pilleriana、テングハマキ)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リトゥラ(Spodoptera litura、ハスモンヨトウ)、タウマトポエア・ピチョカンパ(Thaumatopoea pityocampa、トルトリックス・ヴィリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni、イラクサギンウワバ)およびゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis)。
【0068】
甲虫(鞘翅類)、例えばアグリラス・シヌアトゥス(Agrilus sinuatus、アカバナガタマムシ)アグリオテス・リネアトゥス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスキュラス(Agriotes obscurus)、アムフィマッラス・ソルスティシャリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドラス・ディスパール(Anisandrus dispar)、 アンソノマス・グランディス(Anthonomus grandis、ワタミハナゾウムシ)、アンソノマス・ポモラム(Anthonomus pomorum、ナシハナゾウムシ)、 アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファガス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、 ブリトファガ・ウンダタ(Blitophaga undata)、ブルチュス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus、ソラマメゾウムシ)、ブルチュス・ピソラム(Bruchus pisorum、エンドウゾウムシ)、ブルチュス・レンティス(Bruchus lentis)、 ビクティスカス・ベチュラエ(Byctiscus betulae、ドロハマキチョッキリ)、 カッシーダ・ネブロサ(Cassida nebulosa、カメノコハムシ)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、 セウソリンチュス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、 セウソリンチュス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、 カエトクネマ・ティビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ヴェスペルティヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、ディアブロティカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ディアブロティカ-12-プンクタータ(Diabrotica 12-punctata)、 ディアブロティカ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera)、 エピラクナ・ヴァリヴェスティス(Epilachna varivestis、インゲンテントウ)、エピトリックス・ヒルティペンニス(Epitrix hirtipennis)、 エウティノボスラス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエティス(Hylobius abietis、マツアナアキゾウムシ)、 ヒペラ・ブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、 ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica、アルファルファタコゾウムシ)、 イプス・ティポグラフス(Ips typographus、ヤツバキクイムシ)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、 レマ・メラノプス(Lema melanopus)、 レプティノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata、コロラドハムシ)、リモニウス・カリフォルニクス(Limonius californicus)、 リソロプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus、イネミズゾウムシ)、 メラノトゥス・コミュニス(Melanotus communis)、 メリゲセス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンサ・ヒッポカスタニ(Melolontha hippocastani)、 メロロンサ・メロロンサ(Melolontha melolontha、ヨーロッパコフキコガネ)、 オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae、イネクビボソハムシ)、 オルティオリンチュス・スルカトゥス(Ortiorrhynchus sulcatus)、 オティオリンチュス・オヴァトゥス(Otiorrhynchus ovatus)、 ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、 フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、 フィロファガ(Phyllophaga sp.)、フィロペルサ・ホルティコラ(Phyllopertha horticola)、 フィロトレタ・ネモラム(Phyllotreta nemorum)、 フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata、キスジノミハムシ)、 ポピッリア・ジャポニカ(Popillia japonica、マメコガネ)、シトナ・リネアトゥス(Sitona lineatus)およびシトフィラス・グラナリア(Sitophilus granaria)。
【0069】
双翅類(ディプテラ)、例えばジクロモスリップス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、アエデス・アエギプティ(Aedes aegypti、ネッタイシマカ)、 アエデス・ヴェクサンス(Aedes vexans、ヤブカ)、 アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、セラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata、チチュウカイミバエ)、クリソミヤ・ベッツィアーナ(Chrysomya bezziana、ラセンウジバエ)、 クリソミヤ・ホミニヴォラックス(Chrysomya hominivorax)、 クリソミヤ・マセッラリア(Chrysomya macellaria)、 コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola、ソルガムタマバエ)、 コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、 クレックス・ピピエンス(Culex pipiens、アカイエカ)、 ダクス・ククルビタエ(Dacus cucurbitae、ウリミバエ)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae、オリーブミバエ)、ダシネウラ・ブラッシカエ(Dasineura brassicae)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis、ヒメイエバエ)、ガステロフィルス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis、ウマバエ)、 グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans、ツェツェバエ)、 ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans、ノサシバエ)、 ハプロディプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、 ヒレミア・プラチュラ(Hylemyia platura)、 ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、リリオミザ・サティヴァエ(Liriomyza sativae、トマトハモグリバエ)、リリオミヤザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii、マメハモグリバエ)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina、ヒツジキンバエ)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata、ヒロズキンバエ)、 リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マイェティオラ・デストルクタ(Mayetiola destructor、ヘシアンバエ)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica、イエバエ)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans、オオイエバエ)、エストラス・オヴィス(Oestrus ovis、ヒツジバエ)、オスシネッラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミヤ・ヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンティクア(Phorbia antiqua)、フォルビア・ブラッシカエ(Phorbia brassicae)、 フォルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、 ファゴレティス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、 ファゴレティス・ポモネッラ(Rhagoletis pomonella)、 タバナス・ボヴィナス(Tabanus bovines)、 ティピュラ・オレラセア(Tipula oleracea)およびティピュラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0070】
アザミウマ (総翅目)、たとえばフランクリニエッラ・フスカ(Frankliniella fusca)、 フランクリニエッラ・オキシデンタリス(Frankliniella occidentalis、ミカンキイロアザミウマ)、フランクリニエッラ・トリティシ(Frankliniella tritici)、シルトスリップス・シトリ(Scirtothrips citri)、スリップス・オリザエ(Thrips oryzae)、 スリップス・パルミ(Thrips palmi、ミナミキイロアザミウマ)およびスリップス・タバキ(Thrips tabaci、ネギアザミウマ)。
【0071】
アリ、ミツバチ、スズメバチ、ハバチなどの膜翅類(膜翅目)、例えばアタリア・ロザエ(Athalia rosae、カブラハバチ)、 アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、 アッタ・セクスデンス(Atta sexdens、チャイロハキリアリ)、アッタ・テクサナ(Atta texana、ハキリアリ)、クレマトガスター種(Crematogaster spp、シロアゲアリの一種)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テストゥディネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis、イエヒメアリ)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata、アカカミアリ)、ソレノプシス・インヴィクタ(Solenopsis invicta、アカミカミアリ)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri、カミアリの一種)、ソレノプシス・キシローニ(Solenopsis xyloni、カミアリの一種)、ポゴノミルメックス・バルバトス(Pogonomyrmex barbatus、アカシュウカクアリ)、ポゴノミルメックス・カリホルニクス(Pogonomyrmex californicus、シュウカクアリの一種)、デイジイムチラ・オクシデンタリス(Dasymutilla occidentalis、アリモドキバチの一種)、ボンバス種(Bombus spp.、オオマルハナバチの一種)、ベスプラ・スクアモーサ(Vespula squamosa、スズメバチの一種)、パラベスプラ・ブルガリス(Paravespula vulgaris、スズメバチの一種)、パラベスプラ・ペンシルバニカ(Paravespula pennsylvanica、スズメバチの一種)、パラベスプラ・ゲルマニカ(Paravespula germanica、スズメバチの一種)、ドリコベスプラ・マクラタ(Dolichovespula maculata、カオシロムラスズメバチの一種)、ベスパ・クラブロ(Vespa crabro、モンスズメバチ)、ポリテス・ルビギノサ(Polistes rubiginosa、バラアシナガバチ)、カンポドンタス・フロリダナス(Campodontus floridanus)、およびリネピテウマ・フミル(Linepithema humile、アルゼンチンアリ)。
【0072】
異翅類(異翅目)、例えばアクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、 ブリッサス・ロイコプテラス(Blissus leucopterus)、 シルトペルティス・ノタトゥス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルクス・シングラトゥス(Dysdercus cingulatus、アカホシカメムシ)、ディスデルクス・インテルメディウス(Dysdercus intermedius)、エウリガスター・インテグリセップス(Eurygaster integriceps)、 エウスキストゥス・イムピクティヴェントリス(Euschistus impictiventris)、 レプトグロッサス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、 リグス・プラテンシス(Lygus pratensis、ミドリメクラカメムシ)、 ネザラ・ヴィリドュラ(Nezara viridula、ミナミアオカメムシ)、 ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、 ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)およびスヤンタ・ペルディトール(Thyanta perditor)。
【0073】
同翅類(同翅目)、例えばアシルソシフォン・オノブリチス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis、カラマツカサアブラムシ)、 アフィデュラ・ナストュルティイ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae、マメクロアブラムシ)、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi、イチゴネアブラムシ)、アフィス・ポミ(Aphis pomi、ナシアブラムシ)、アフィス・ゴシッピィー(Aphis gossypii、ワタアブラムシ)、アフィス・グロスラリエ(Aphis grossulariae、ハエアブラムシ)、アフィス・シュネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピレコラ(Aphis spiraecola、ユキヤナギアブラムシ)、アフィス・サムブシ(Aphis sambuci)、アシルトシホン・ピスム(Acyrthosiphon pisum、エンドウヒゲナガアブラムシ)、アウロコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani、ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、ベミシア・アルゲンチフォリ(Bemisia argentifolii、シルバーリーフコナジラミ)、ブラチカウドゥス・カルドュイ(Brachycaudus cardui)、ブラシカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi、ムギワラギクオマルアブラムシ)、ブラシカウズス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae、モモアブラムシ)、ブラシカウズス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola、ウメアブラムシ)、ブレビコリネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae、ダイコンアブラムシ)、キャピトホルス・ホルニ(Capitophorus horni、ホップアブラムシ)、セロシファ・ゴシッピイ(Cerosipha gossypii)、カエトシホン・フラゲエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、ムリプトマイズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアナエ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセアエ(Dreyfusia piceae)、ディサフィス・ラディコラ(Dysaphis radicola)、ディサウラコルサム・プセウドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ディサフィス・プランタギニア(Dysaphis plantaginea)、ディサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エムポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae、ジャガイモヒメヨコバイ)、ハイアロプテラス・プルニ(Hyalopterus pruni、モモコナフキアブラムシ)、ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae、チシャミドリアブラムシ)、マクロシファム・アヴェナエ(Macrosiphum avenae、ムギヒゲナガアブラムシ)、マクロシファム・エウフォルビアエ(Macrosiphum euphorbiae、チュウリップヒゲナガアブラムシ)、マクロシフォン・ロザエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ヴィシアエ(Megoura viciae)、マラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius、ススキアブラムシ)、メトポロフィウム・ディロダム(Metopolophium dirhodum、ムギウスイロアブラムシ)、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ミズス・アスカロニカス(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae、モモアカアブラムシ)、ミズス・バリアンス(Myzus varians、カワリコブアブラムシ)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri、レタスアブラムシ)、ニラパルヴァタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens、トビイロウンカ)、ペムフィガス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius、レタス根アブラムシ)、ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida、クロツノウンカ)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli、ホップイボアブラムシ)、 プシラ・マリ(Psylla mali、ワタキジラミ)、プシラ・ピリ(Psylla piri、ナシキジラミ)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、 ロパロシファム・マイディス(Rhopalosiphum maidis、トウモロコシアブラムシ)、ロパロシファム・パディ(Rhopalosiphum padi、ムギクビレアブラムシ)、ロパロシファム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum、リンゴクビレアブラムシ)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala、ハナマルアブラムシ)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali、リンゴマルアブラムシ)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum、ムギミドリアブラムシ)、スキゾネウラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae、オートムギアブラムシ)、ソガテッラ・フルシィフェラ(Sogatella furcifera、セジロウンカ)、トリアレウロデス・ヴァポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum、オンシツコナジラミ)、トキソプテラ・アウランチイ(Toxoptera aurantii、ダイダイクロアブラムシ)、およびヴィテウス・ヴィティフォリイ(Viteus vitifolii、ブドウネアブラムシ)。
【0074】
シロアリ (等翅目)、 たとえばカロテルメス・フラヴィコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラヴィペス(Leucotermes flavipes)、レティクリテルメス・フラヴィペス(Reticulitermes flavipes)、レティクリテルメス・ルシフガス(Reticulitermes lucifugus)およびテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis)。
【0075】
直翅類(直翅目)、 たとえばアチェタ・ドメスティカ(Acheta domestica、ヨーロッパイエコオロギ)、 ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis、トウヨウゴキブリ)、 ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica、チャバネゴキブリ)、 フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia、ヨーロッパクギヌキハサミムシ)、グリッロタルパ・グリッロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria、トノサマバッタ)、メラノプルス・ビヴィッタトゥス(Melanoplus bivittatus)、 メラノプルス・フェムル-ルブルム(Melanoplus femur-rubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipse)、 メラノプルス・スプレトゥス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテムファシアタ(Nomadacris septemfasciata、アカトビバッタ)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana、ワモンゴキブリ)、スキストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana、アメリカイナゴ)、 スキストセルカ・ペレグリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノトゥス・マロッカヌス(Stauronotus maroccanus)およびタキシネス・アシナモラス(Tachycines asynamorus)。
【0076】
例えばアラガシダエ(Argasidae、ヒメダニ)科、イクソディダエ(Ixodidae、マダニ)科およびサルコプチダエ(Sarcoptidae、ヒゼンダニ)科のクモ(ダニ目)のような蛛形類、例えばアムブリオッマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アムブリオッマ・ヴァリエガトゥム(Amblyomma variegatum、マダニ)、 アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボフィラス・アヌラトゥス(Boophilus annulatus)、ボフィラス・デコロラトゥス(Boophilus decoloratus)、ボフィラス・ミクロプラス(Boophilus microplus、オウシマダニ)、デルマセントル・シルヴァルム(Dermacentor silvarum)、ヒヤロッマ・トランカトゥム(Hyalomma truncatum)、イクソデス・リシナス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ルビクンダス(Ixodes rubicundus)、オルニソドラス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニスス・ガッリナエ(Dermanyssus gallinae、ワクモ)、プソロプテス・オヴィス(Psoroptes ovis、ヒツジキュウセンヒゼンダニ)、リピセファラス・アペンディクラトゥス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファラス・エヴェルツィ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei、ヒゼンダニ)、ならびにエリオフィダエ(Eriophyidae、フシダニ科)種例えばアクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali、リンゴサビダニ)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora、オレンジサビダニ)およびエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni、アオケシサビダニ);タルソネミダエ(Tarsonemidae、ホコリダニ科)種例えばフィトネムス・パリデゥス(Phytonemus pallidus、シクラメンホコリダニ)およびポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus、チャノホコリダニ);テヌイパルピダエ(Tenuipalpidae、ヒメハダニ科)種例えばブレビパルプス・フォエニシス(Brevipalpus phoenicis、ミナミヒメハダニ);テトラニチダエ(Tetranychidae、ハダニ科)種例えばテトラニチュス・シンナバリナス(Tetranychus cinnabarinus、ニセナミハダニ)、テトラニチュス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai、カンザワハダニ)、テトラニチュス・パシフィカス(Tetranychus pacificus、オウトウハダニ)、テトラニチュス・テラリウス(Tetranychus telarius、ダイズハダニ)、テトラニチュス・ウルティカエ(Tetranychus urticae、ナミハダニ)、パノニチュス・ウルミ(Panonychus ulmi、リンゴハダニ)、パノニチュス・シトリ(Panonychus citri、ミカンハダニ)、およびオリゴニチュス・プラテンシス(oligonychus pratensis、ドテシバハダニ)。
【0077】
シフォナプテラ(Siphonatera、隠翅目[ノミ目])、例えばキセノプシッラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopsis、ケオプスネズミノミ)、セラトフィッラス(Ceratophyllus、ニワトリノミ科)種。
【0078】
式Iの化合物は、好ましくは同翅目(Homoptera)および総翅目(Thysanoptera)の害虫を防除するのに用いられる。
【0079】
式Iの化合物はまた、好ましくは膜翅目(Hymenoptera)の害虫を防除するのにも用いられる。
【0080】
式(I)の化合物またはそれを含む殺虫剤組成物は、生育中の植物/作物と、殺虫剤として有効な量の式(I)の化合物とを接触させることで、その植物および作物を、家畜害虫特に昆虫またはダニによる攻撃または寄生から護るのに使用することができる。用語「作物」は、生育中の作物と収穫済みの作物の両方を意味する。
【0081】
家畜害虫(特に昆虫、ダニ)、植物、および/または植物が生育している土壌または水と、本発明化合物Iまたはそれが入っている組成物とは、当技術分野で知られているどの施用方法ででも接触させることができる。そういうことで、「接触」には、直接接触(本化合物/組成物を、直接家畜害虫特に昆虫および/またはダニ、および/または植物[典型的には植物の葉、茎または根]に施用すること)と間接接触(本化合物/組成物を、家畜害虫特に昆虫および/またはダニの、および/または植物の生息場所に施用すること)の両方が含まれる。
【0082】
さらに、標的害虫、その餌供給源、またはその生息場所と、殺虫剤として有効な量の式(I)の化合物とを接触させることで、家畜害虫特に昆虫またはダニを防除することもできる。そういうことで、施用は、害虫による生息場所、生育中の作物、または収穫済みの作物の感染の前でも後でも行うことができる。
【0083】
「生息場所(locus)」は、害虫または寄生虫が成育しているまたは成育するかも知れない生息地(habitat)、繁殖地、植物、種子、土壌、区域、材料、あるいは環境を意味する。
【0084】
本発明の方法で使用するのに適した有効量は、その特定の式I化合物、標的害虫、施用方法、施用時機、天候、家畜害虫生息地特に昆虫またはダニ生息地などにより変わるものである。作物植物の処理で使用するには、一般には、本発明の化合物Iおよび/または組成物の施用量は、1ヘクタール当たり約0.1g〜約4000g、望ましくは1ヘクタール当たり約25g〜約600g、より望ましくは1ヘクタール当たり約50g〜約500gであると考えられる。種子の処理で使用するには、典型的な施用量は、種子1キログラム当たり約1g〜約500g、望ましくは種子1キログラム当たり約2g〜約300g、より望ましくは種子1キログラム当たり約10g〜約200gである。材料の保護における通常の施用量は、例えば、処理される材料1立米当たり活性化合物約0.001g〜約2000g、望ましくは0.005g〜約1000gである。
【0085】
化合物Iまたはそれを含む殺虫剤組成物は、例えば溶液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、サスペンジョン、フロアブル剤(flowable concentrate、流動可能濃縮物)、粉、粒、ペースト、顆粒などの形態で使用することができる。使用形態は、その特定の目的によって決まるものである。いずれの場合も、本発明による化合物の微細で均一な分散を保証するものでなければならない。
【0086】
家畜害虫特に昆虫および/またはダニを防除するための殺虫剤組成物には、少なくとも1種の一般式Iの化合物または農薬として有用なIの塩と補助剤とが、殺虫剤組成物の調製で通常用いられる量、入っている。
【0087】
製剤は既知の方法、例えば本活性成分を溶媒および/または担体により、所望により乳化剤および分散剤を用いて増量することにより調製するが、水を希釈剤として用いる場合にはその他の有機溶媒を助剤溶媒として用いることもまた可能である。適した助剤としては本質的に芳香族化合物(例えばキシレン)、塩素化芳香族化合物(例えばクロロベンゼン)、パラフィン類(例えば鉱物油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン)、アミン類(例えばエタノールアミン、ジメチルホルムアミド)および水などの溶媒;天然鉱物粉末(例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク)、および合成鉱物粉末(例えば高分散シリカ、シリケート)などの担体;非イオン性およびアニオン性乳化剤(例えばポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)などの乳化剤、およびリグニン-サルファイト廃液およびメチルセルロースなどの分散剤;である。
【0088】
適した界面活性剤はリグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、脂肪族アルコールサルフェート、ならびに脂肪酸とそのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合体、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールまたはホルムアルデヒドとの縮合体、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪族アルコール/エチレンオキシド縮合体、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン-サルファイト廃液、およびメチルセルロースなどである。
【0089】
直接スプレー可能な溶液、エマルジョン、ペーストまたは油分散物の調製に適した物質は、ケロセンまたはディーゼル油などの中〜高沸点鉱油留分、さらにはコールタール油および植物起原、または動物起原の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、四塩化炭素、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、イソホロン、高極性溶媒例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水である。
【0090】
粉剤、散布剤および散剤は、本活性物質を固体担体と混合または同時粉砕することによって調製することができる。
【0091】
粒剤、例えば被覆粒剤、圧縮粒剤、含浸粒剤、および均質粒剤は本活性成分を固体担体に結合することによって調製できる。固体担体の例としては、鉱物粉末たとえばシリカ、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アッタクレー、石灰岩、石灰、チョーク、ボール粘土、レス、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、合成物質粉末、肥料例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、および植物起原の産物たとえば穀粉、樹皮粉、木粉および堅果粉、セルロース粉末ならびにその他の固体担体である。
【0092】
このような本発明の製剤または組成物には、1種または複数種の農学的に許容される不活性固体または液体担体と混ぜられた式Iの本発明化合物(またはその組み合せ)が含まれている。これらの組成物には、殺虫剤として有効な量のそのような化合物または化合物の複数が入っており、その量は、その特定の化合物、標的害虫、および使用方法によって変わるものである。
【0093】
一般には、本製剤は0.01〜95重量%の、好ましくは0.1〜90重量%の活性成分を含有する。本活性成分は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で用いられる。
【0094】
下記に製剤例を示す:
I.本発明の化合物5重量部を微粉カオリン95重量部と十分に混合する。これにより、活性成分5重量%を含有する粉剤を得る。
【0095】
II.本発明の化合物30重量部を予めパラフィン油8重量部を表面にスプレーしておいた微粉シリカゲル92重量部とよく混合する。これにより活性成分を23重量%含有する、接着性にすぐれた製剤を得る。
【0096】
III.本発明の化合物10重量部をキシレン90重量部、8〜10モルのエチレンオキシドと1モルのオレイン酸N-モノエタノールアミドの付加物6重量部、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート2重量部および40モルのエチレンオキシドと1モルのヒマシ油の付加物2重量部からなる混合物に溶解する(活性成分含有量9重量%)。
【0097】
IV.本発明の化合物20重量部をシクロヘキサノン60重量部、イソブタノール30重量部、エチレンオキシド7モルとイソオクチルフェノール1モルとの付加物5重量部およびエチレンオキシド40モルとヒマシ油1モルとの付加物5重量部からなる混合物中に溶解する(活性成分含有量16重量%)。
【0098】
V.本発明の化合物80重量部をナトリウムジイソブチルナフタレン-α-スルホネート3重量部、サルファイト廃液からのリグノスルホン酸のナトリウム塩10重量部、および微粉末シリカゲル7重量部の混合物と十分に混合し、この混合物をハンマーミルで粉砕する(活性成分含有量80重量%)。
【0099】
VI.本発明の化合物90重量部をN-メチル-α-ピロリドン10重量部と混合し、微小液滴の形で使用するのに適した溶液を得る(活性成分含有量90重量%)。
【0100】
VII.本発明の化合物20重量部をシクロヘキサノン40重量部、イソブタノール30重量部、エチレンオキシド7モルとイソオクチルフェノール1モルとの付加物20重量部、およびエチレンオキシド40モルとヒマシ油1モルとの付加物10重量部からなる混合物に溶解する。この溶液を100、000重量部の水に注ぎ、良好に分散させ、活性成分を0.02重量%含有する水性分散液を得る。
【0101】
VIII.20重量部の本発明の化合物をジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸ナトリウム3重量部、サルファイト廃液からのリグノスルホン酸のナトリウム塩17重量部、および微粉シリカゲル60重量部と混合し、混合物をハンマーミルで粉砕する。混合物を20、000重量部の水に良好に分散させ、0.1重量%の活性成分を含有するスプレー混合物を得る。
【0102】
本活性成分は、そのまま、製剤の形で、あるいはそれから調製される使用に際した形、例えば直接スプレー可能な溶液、粉末、懸濁液または分散液、エマルジョン、油分散液、ペースト、粉剤、散布用物質、または顆粒の形態で、スプレー、噴霧、散粉、散布または注液などの方法で用いることができる。使用に際しての形は、全面的に所期の目的に応じたものとなるが、いずれにせよ、これらは、本発明の活性成分のもっとも良好な分散が保証されることを意図するものである。
【0103】
水性の使用形は、乳剤(emulsion concentrate)、ペースト剤または水和性粉剤(スプレー可能なパウダー、油分散液)に水を加えることによって調製することができる。エマルジョン剤、ペースト剤または油分散液剤の調製には、本物質をそのまままたは油または溶媒に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤あるいは乳化剤などを用いて、水に均質化させることができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤あるいは乳化剤および、それが適当である場合には、溶媒あるいは油からなる濃縮物(concentrate)を調製することもでき、このような濃縮物は水で希釈するのに適している。
【0104】
そのまま使用可能な製品中での活性成分の濃度は、かなりの範囲で変わり得る。一般に、この濃度は0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0105】
本活性成分はまた微量散布法(UVL)でも良好に使用することができ、活性成分含有量が95重量%を越える製剤を施用することも可能であり、あるいは添加物なしの本活性成分でさえ施用することも可能である。
【0106】
本発明に従って使用されることになる組成物には、他の活性成分例えば他の殺虫剤、殺昆虫剤、除草剤、殺菌剤、その他の殺虫剤、あるいは殺細菌剤、肥料例えば硝酸アンモニウム、尿素、灰汁および過燐酸塩、植物有害物質ならびに植物生長調節剤、阻害剤(safener)および線虫駆除剤が入っていてもよい。これらのさらなる成分は、上述した組成物と、順次的に、または組み合せで用いてもよく、適切であれば、使用直前に加えることもできる(タンク混合)。例えば、植物には、他の活性成分で処理する前、または処理した後、本発明の組成物をスプレーすることもできる。
【0107】
これらの薬剤は、本発明に従って使用される薬剤と、重量比1:10〜10:1で用いられる。殺虫剤としての使用形にある化合物Iまたはそれを含む組成物と、他の殺虫剤とを混ぜると、多くの場合、より広い殺虫作用スペクトルが得られる:
本発明の化合物と共に使用できる殺虫剤のリストを下記に示すが、これは可能な組み合わせを例示するためのものであり、なんら限定を加えるものではない。
【0108】
有機燐酸エステル:アセフェート、アジンホス-メチル、クロロピリホス、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ダイスルフォトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
カーバメート系:アラニカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、インドキサカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
ピレスロイド系:ビフェントリン、シフルスリン、サイパーメスリン、デルタメスリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパスリン、フェンバレレート、シハロスリン、ラムダ-シハロスリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルスリン、トラロメスリン、ゼータ-サイパーメスリン;
節足動物成長調整剤:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイルウレア系:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクジソン拮抗物質:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;c)ジュベノイド:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン;
その他:アバメクチン、アセキノシル、アミトラズ、アザジラクチン、ビフェナゼート、カルタップ、クロルフェナピル、クロルジメホルム、シロマジン、ジアフェンチウロン、ジネトフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、フェナザキン、フィプロニル、フォルメタネート、フォルメタネート塩酸塩、ヒドラメチルノン、イマダクロプリド、インドキサカルブ、ピリダベン、ピメトロジン、スピノサド、硫黄、テブフェンピラド、チアメトキサム、およびチオシクラム。
【実施例】
【0109】
次に、本発明を、以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
【0110】
I. 合成の実施例
実施例 1:n-プロピル-(2-シアノ-3-メチル-フェニル)スルホンアミド
1.1:2-シアノ-3-メチル-フェニルスルホニルクロリド
室温にて、氷酢酸120mL中2-アミノ-6-メチルベンゾニトリル(例えば、WO 94/18980に従って調製した)11.6g(88ミリモル)溶液を最初に入れ、濃塩酸32.2gをゆっくりと加えた。この反応混合物を室温にて10分間撹拌し、次いで水20mL中亜硝酸ナトリウム6.4g(92ミリモル)溶液を5〜10℃にて滴下で加えた。この反応混合物を0℃にて1時間撹拌してジアゾニウム塩を得た。別の撹拌フラスコに、氷酢酸中飽和二酸化硫黄溶液を10℃にて調製し、水11mL中塩化銅(II) 5.5g溶液を加えた。このあと、前に調製したジアゾニウム塩反応混合物をこの銅塩溶液に滴下で加えた。得られた混合物を室温にてさらに45分間撹拌した。このあとこの反応混合物を氷冷水の中に注ぎ、その水相を、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥剤で乾燥し、そして濾過した。この濾液を真空中で濃縮して、融点75〜77℃を有する表題化合物16.4g(理論値の87%)を得た。
【0111】
1.2:n-プロピル-(2-シアノ-3-メチル-フェニル)スルホンアミド
室温にて、テトラ-ヒドロフラン10mL中2-シアノ-3-メチル-フェニルスルホニルクロリド1g(5ミリモル)溶液を、テトラヒドロフラン20mL中n-プロピルアミノ630mg(11ミリモル)溶液に加えた。この反応混合物を室温にて3時間撹拌し、そのあと水を加えた。これの水相を塩酸(10重量%濃度、水溶液)でpH = 3に酸性化し、次にジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濾過した。この濾液を真空中で濃縮して、融点74〜77℃を有する表題化合物850mg(理論値の85%)を得た。
【0112】
実施例 2:メチル-(2-シアノ-3-メトキシ-フェニル)スルホンアミド
2.1:2-アミノ-6-メトキシ-ベンゾニトリル
室温にて撹拌しながら、N,N-ジメチルホルムアミド250mL中2-アミノ-6-フルオロ-ベンゾニトリル(例えばUS 4,504,660に従って調製した)70g(0.5モル)溶液を最初に入れ、メタノール70mL中ナトリウムメトキシド30.6g(0.55モル)溶液を滴下で加えた。この混合物を次に撹拌下で5時間還流させた。反応の完結は、TLCにより追跡した。メタノール35mL中ナトリウムメトキシド25gをさらに加え、その反応混合物を撹拌しながらさらに4時間還流させた。この反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を水で摩砕し、吸出し、そして得られた固形物を酢酸エチル中に溶解させた。得られた溶液を真空中で濃縮した。得られた残留物を石油エーテルで摩砕し、石油エーテルを吸出して、融点143〜146℃を有する茶色の固形物48g(理論の63%)を得た。
【0113】
2.2:2-シアノ-3-メトキシ-フェニルスルホニルクロリド
室温にて撹拌しながら、濃塩酸10gを、氷酢酸32mL中2-アミノ-6-メトキシ-ベンゾニトリル4.0g(27ミリモル)溶液にゆっくりと加えた。この混合物を室温にて10分間撹拌した。次に水5mL中亜硝酸ナトリウム1.9g(27.3ミリモル)溶液を5〜10℃にて加え、この反応混合物を0℃にて1時間撹拌して、そのジアゾニウム塩を得た。別のフラスコに、氷酢酸68mL中飽和二酸化硫黄溶液を室温にて調製し、そして水4mL中塩化銅(II) 1.7g溶液を加えた。次に、前に調製したジアゾニウム塩反応混合物を、この銅塩溶液に素早く加えた。得られた混合物を室温にてさらに2.5時間撹拌した。次にこの反応混合物を氷冷水の中に注いだ。その水層を、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥剤で乾燥させ、吸引により濾過分離した。この濾液を真空中で濃縮して、融点96〜99℃を有する表題化合物5.3g(理論の85%)を得た。
【0114】
2.3:メチル-(2-シアノ-3-メトキシ-フェニル)スルホンアミド
室温にて、テトラヒドロフラン30mL中2-シアノ-3-メトキシ-フェニルスルホニルクロリド1.25g(5.4ミリモル)溶液を、テトラヒドロフラン20mL中メチルアミノ水溶液(40重量%)960mg(12ミリモル)溶液に加えた。この反応混合物を室温にて30分間撹拌し、そのあと水を加えた。この水相を、塩酸(10重量%濃度、水溶液)で、pH = 3に酸性化した。これの水相をこのあとジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。この濾液を真空中で濃縮し、得られた残留物をメチルt-ブチルエーテルで摩砕して、融点121〜128℃を有する表題化合物0.28g(理論の23%)を得た。
【0115】
実施例 3:エチル-(4-クロロ-2-シアノ-3-メチル-フェニル)スルホンアミド
3.1:5-クロロ-6-メチル-2-チオシアノ-ベンゾニトリル
2-メチル-3-シアノ-4-チオシアナトアニリン(EP 0945449に従って調製した)30g(190ミリモル)を氷酢酸160mLに溶解させ、濃塩酸63gを撹拌しながら滴下でゆっくりと加えた。この混合物を10分間撹拌し、次いで水23mL中亜硝酸ナトリウム11g(160ミリモル)溶液を5〜10℃にて滴下で加えて、そのジアゾニウム塩を得た。別のフラスコに、濃塩酸50mL中塩化銅(I)16g溶液を調製した。前に調製したジアゾニウム塩反応混合物をこのあとこの銅塩溶液に滴下で素早く加えた。得られた反応混合物を室温にて24時間撹拌した。この反応混合物をこのあと氷冷水の中に注ぎ、その水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、次いで蒸発させた。得られた粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル)により精製して、融点78〜80℃を有する表題化合物14.3g(理論の43%)を得た。
【0116】
3.2:4-クロロ-2-シアノ-3-メチル-フェニルスルホニルクロリド
メタノール20mL中5-クロロ-6-メチル-2-チオシアナトベンゾニトリル3.0g(21ミリモル)懸濁液を最初に入れ、温度を20〜35℃に保持しながら水8mL中ナトリウムスルフィド1.9g(14ミリモル)溶液を加えた。得られた黄色溶液を室温にて2日間撹拌した。この混合物を次に水で希釈し、そしてメチルt-ブチルエーテルで抽出した。この水相を濃塩酸を加えることによりpH 7に調節し、そのあとジクロロメタンで抽出した。この水相をこのあと、濃塩酸を加えることによりpH 1に調節し、次いでジクロロメタンで抽出した。これの有機層を乾燥させ、濾過し、次に濃縮した。得られた残留物を、氷酢酸20mL、ジクロロメタン5mL、および水18mLの混合物中に懸濁させ、次に塩素ガスの流れを、25〜45℃にて3時間に亘って導入した。この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、その有機層を氷冷水で洗った。この有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そのあとその溶液を濾過、濃縮して、融点69〜72℃を有する表題化合物1.3g(理論の36%)を得た。
【0117】
3.3:エチル-(4-クロロ-2-シアノ-3-メチル-フェニル)スルホンアミド
テトラヒドロフラン20mL中エチルアミノ(70重量%)770mg(12ミリモル)水溶液を最初に入れ、そしてテトラヒドロフラン10mL中3.2.からの4-クロロ-2-シアノ-3-メチルフェニルスルホニルクロリド1.3g(5.2ミリモル)溶液を室温にて滴下で加えた。この反応混合物を室温にて2時間撹拌し、水で希釈し、そして塩酸(10重量%濃度、水溶液)を加えることでpH 3に調節した。これの水相を、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空中で乾燥するまで蒸発させて、融点85〜90℃を有する茶色の固形物0.5g(理論の28%)を得た。
【0118】
以下の表1に掲載されているR4 = Hの式Iで表される化合物番号4〜191、および表2に掲載されているR5 = Hの式Iで表される化合物番号192および193を同様にして調製した。
【0119】
表 1
【化6】

【表1】






m.p.:融点;
c-C3H5:シクロプロピル;
n-C3H7:n-プロピル。
【0120】
一部の化合物を1H-NMRにより評価した。シグナルは、テトラメチルシランに対する化学シフト(ppm)により、その多重度により、そしてその積分(与えられた水素原子の相対数)により評価した。以下の記号が、シグナルの多重度を評価するのに使用されている:m = 多重項、t = 三重項、d = 二重項、およびs = 一重項。
【0121】
実施例 35:2.06 (t, 1H), 2.72 (s, 3H), 3.92 (m, 2H), 5,56 (t, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), CDCl3
実施例 38:2.66 (s, 3H), 3.67 (m, 2H), 5.12 (d, 1H), 5.21 (d, 1H), 5.30 (t, 1H), 5.74 (m, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.62 (t, 1H), 7.95 (d, 1H), CDCl3
実施例 43:4.04 (s, 3H), 4.13 (d, 2H), 6.15 (t, 1H), 7.30 (m, 1H), 7.72 (m, 2H), CDCl3
実施例 44:3.67 (m, 2H), 4.04 (s, 3H),5.11 (d, 1H), 5.23 (m, 2H), 5.76 (m, 1H), 7.23 (dd, 1H), 7.68 (m, 2H), CDCl3
実施例 53:2.07 ( m, 1H), 2.72 (s, 3H), 3.95 (m, 2H), 5.52 (t, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), CDCl3
実施例 99:2.05 ( s, 3H), 2.66 (t, 2H), 3.28 (q, 2H), 5.62 (t, 1H), 6.73 (t, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.77 (t, 1H), 7.99 (d, 1H), CDCl3
実施例 102:0.13 (m, 2H), 0.31 (m, 2H), 0.90 (m, 1H), 2.95 (t, 2H), 5.32 (t, 1H), 6.72 (t, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.77 (t, 1H), 8.00 (d, 1H), CDCl3
実施例 104:3.27 ( s, 3H), 3.33 (m, 2H), 3.43 (m, 2H), 5.56 (t, 1H), 6.75 (t, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.77 (t, 1H), 8.00 (d, 1H), CDCl3
実施例 145:2.65 (s, 3H), 3.15 (pt, 2H), 3.3 (s, 6H), 4.35 (t, 1H), 5.65 (t, 1H) 7.55 (d, 1H), 7.6 (t, 1H), 7.9 (d, 1H), CDCl3
【0122】
一部の化合物は、結合高性能液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS)により評価した。
【0123】
HPLCカラム:RP-18カラム(Merck KgaA社(ドイツ)のChromolith Speed ROD)
溶離:アセトニトリル + 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/水、比率5:95→95:5、40℃5分
MS::四重極(Quadrupol)エレクトロスプレーイオン化、80 V(陽極法[positiv modus])
【0124】
実施例 124:2.813分、m/z = 273 [M+Na]+
実施例 125:3.043分、m/z = 287 [M+Na]+
実施例 126:3.260分、m/z = 279 [M+H]+
実施例 127:2.486分、m/z = 237 [M+H]+
実施例 128:3.198分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 129:1.955分、m/z = 310 [M+H]+
実施例 130:3.244分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 131:3.438分、m/z = 281 [M+H]+
実施例 132:3.004分、m/z = 253 [M+H]+
実施例 133:3.483分、m/z = 303 [M+H]+
実施例 134:3.533分、m/z = 281 [M+H]+
実施例 135:2.091分、m/z = 324 [M+H]+
実施例 136:2.534分、m/z = 269 [M+H]+
実施例 137:3.154分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 138:3.413分、m/z = 303 [M+H]+
実施例 139:2.761分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 140:2.740分、m/z = 263 [M+H]+
実施例 141:2.802分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 142:2.596分、m/z = 269 [M+H]+
実施例 143:3.225分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 144:3.836分、m/z = 285 [M+H]+
実施例 146:3.430分、m/z = 281 [M+H]+
実施例 147:2.934分、m/z = 335 [M+Na]+
実施例 148:2.677分、m/z = 271 [M+H]+
実施例 149:2.989分、m/z = 253 [M+H]+
実施例 150:3.254分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 151:2.443分、m/z = 269 [M+H]+
実施例 152:2.481分、m/z = 269 [M+H]+
実施例 153:3.501分、m/z = 281 [M+H]+
実施例 154:2.750分、m/z = 285 [M+H]+
実施例 155:3.362分、m/z = 335 [M+Na]+
実施例 156:3.116分、m/z = 321 [M+Na]+
実施例 157:1.740分、m/z = 282 [M+H]+
実施例 158:3.249分、m/z = 291 [M+H]+
実施例 159:2.985分、m/z = 265 [M+H]+
実施例 160:2.364分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 161:2.919分、m/z = 265 [M+H]+
実施例 162:2.644分、m/z = 301 [M+Na]+
実施例 163:2.177分、m/z = 255 [M+H]+
実施例 164:2.917分、m/z = 253 [M+H]+
実施例 165:2.570分、m/z = 239 [M+H]+
実施例 166:2.500分、m/z = 278 [M+H]+
実施例 167:3.314分、m/z = 282 [M+H]+
実施例 168:3.297分、m/z = 267 [M+H]+
実施例 169:2.259分、m/z = 243 [M+H]+
実施例 170:2.709分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 171:2.814分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 172:2.733分、m/z = 273 [M+H]+
実施例 173:2.729分、m/z = 273 [M+H]+
実施例 174:2.743分、m/z = 283 [M+H]+
実施例 175:2.187分、m/z = 269 [M+H]+
実施例 176:2.935分、m/z = 317 [M+H]+
実施例 177:3.090分、m/z = 253 [M+H]+
実施例 178:2.956分、m/z = 285 [M+H]+
【0125】
表 2
【化7】

【表2】

II. 害虫に対する作用例
式Iの化合物の害虫に対する作用を下記の実験で実証した。
【0126】
モモアカアブラムシ(Green Peach Aphid、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae))
本活性化合物を、50:50のアセトン:水および100ppmの界面活性剤Kinetic(登録商標)中に製剤化した。
【0127】
第二対葉期のトウガラシ(品種「California Wonder」)テスト植物体上に、寄生葉の切片を載せることによって、この植物体に約40匹の実験室で飼育したアブラムシを寄生させた。寄生葉切片は24時間後に除去した。この原型植物体の葉を濃度の異なるテスト化合物の溶液に浸し、そして乾燥させた。テスト植物体は、約25℃、相対湿度20〜40%の蛍光灯(24時間照射)下に保持した。チェック用植物体におけるアブラムシの致死率と比較しての、処理した植物体における致死率を、5日後に決定した。
【0128】
このテストでは、化合物番号1、2、3、5、12、23、29、30、31、33、37、38、39、40、41、42、43、45、46、47、48、49、50、52、53、54、および55が、300ppmで、未処理対照と比較して、85%超の致死率を示した。
【0129】
ワタアブラムシ(Cotton Aphid、アフィス・ゴシッピィー(Aphis gossypii))
本活性化合物を、50:50のアセトン:水および100ppmの界面活性剤Kinetic(登録商標)中に製剤化した。
【0130】
子葉期のワタ(品種「Delta Pine」、1ポット当たり1本の植物体)のテスト植物体を、主コロニーからの濃密寄生葉を各子葉上に置くことで寄生させた。アブラムシがホスト植物体に移動するのを一晩そのまま放置し、そしてアブラムシを移動させるのに使用した葉を取り除いた。この子葉をテスト溶液に浸し、そして乾燥させた。5日後、致死率測定を行った。
【0131】
このテストでは、化合物番号2、3、5、6、8、10、12、13、14、15、16、18、19、20、21、22、23、24、25、27、28、29、30、31、32、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、および55が、300ppmで、未処理対照と比較して、85%超の致死率を示した。
【0132】
マメクロアブラムシ(Bean Aphid、アフィス・ファバエ(Aphis fabae))
本活性化合物を、50:50のアセトン:水および100ppmの界面活性剤Kinetic(登録商標)中に製剤化した。
【0133】
メトロミックス[Metro mix]中で生育した第一対葉期のキンレンカ(品種「Mixed Jewel)のテスト植物体上に、寄生済み植物体のカット片を載せることによって、この植物体に約2〜30匹の実験室で飼育したアブラムシを寄生させた。寄生済み植物体カット片は、24時間後に除去した。それぞれの植物体をテスト溶液の中に浸して、葉、茎、出芽種子表面および周囲椀状表面を十分に濡らし、そしてフューム・フード中で乾燥させた。この処理した植物体を、蛍光灯連続照射のある25℃に保持した。アブラムシ致死率を、3日後測定した。
【0134】
このテストでは、化合物番号30、38、5、6、7、8、23、29、32、33、34、35、40、41、42、および45が、300ppmで、未処理対照と比較して、85%超の致死率を示した。
【0135】
シルバーリーフコナジラミ(Silverleaf whitefly、ベミシア・アルゲンチフォリ(Bemisia argentifolii))
本活性化合物を、50:50のアセトン:水および100ppmの界面活性剤Kinetic(登録商標)中に製剤化した。
【0136】
選択したワタの木を、子葉期まで生育させた(1ポット当たり1本の木)。この子葉をテスト溶液の中に浸してその葉を十分に濡らし、そして風通しのよい所に置いて乾燥させた。処理された苗木の各ポットをプラスチックカップの中に置き、10〜12匹のコナジラミ成虫(およそ3〜5日齢)を導入した。コナジラミは、アスピレーターと、障害型ピペット(barrier pipette)の先端部に連結された0.6cmの無毒Tygon(登録商標)チューブ(R-3603)とを使って捕集した。この捕集されたコナジラミを収容しているピペット先端部をこのあとそっと上記の処理された植物体が植わっている土壌の中に挿入し、ピペット先端部からコナジラミが這い出てくるのをそのままにし、摂食のために葉まで到達させた。プラスチックカップを、再使用可能なスクリーン製蓋(Tetko Inc社の150ミクロンメッシュポリエステルスクリーンPeCap)でカバーした。蛍光灯(24時間照射)に直接暴露されるのを避けることでカップの内部に熱が溜まるのを防ぎながら、テスト植物体を、約25℃、湿度20〜40%の保持室の中に保持した。致死率を、植物体の処理後3日で評価した。
【0137】
このテストでは、化合物番号5および42が、300ppmで、未処理対照と比較して、70%超の致死率を示した。
【0138】
ナミハダニ(2-spotted Spider Mite、テトラニチュス・ウルティカエ(Tetranychus urticae、OP-耐性系))
第一子葉が7〜12cmに伸びたライマメ[Sieva lima bean](品種「Henderson」)植物体のそれぞれに、主コロニー[main colony]から採ってきた寄生葉(約100匹のダニが付いている)の小片を載せることで各植物体を感染させた。これは、ダニが卵を産むためにテスト植物体の方へ移動するのを可能とするために、処理の前約2時間のときに行った。ダニを移動させるのに使用した葉片を取り除いた。この新規に寄生させた植物体をテスト溶液に浸し、そして乾燥させた。このテスト植物体を、25℃、相対湿度20〜40%の蛍光灯(24時間照射)下に保持した。5日後、1つの葉を取り出し、そして致死率測定を行った。
【0139】
このテストでは、化合物番号8および30が、300ppmで、未処理対照と比較して、75%超の致死率を示した。
【0140】
フロリダオオアリ(Florida Carpenter Ant、カンポノタス・フロリダヌス(Camponotus floridanus))
このテストはペトリ皿の中で行った。アリに水を与え、そのあと餌供給源を24時間絶って飢えさせた。20%蜂蜜/水の溶液でエサを調製した。活性成分のアセトン溶液を、活性成分の濃度が1重量%(w/w)に到達するまで加えた。キャップの中に入れたこの活性成分含有蜂蜜/水の溶液0.2mLを各皿に加えた。皿に蓋をし、22℃の水温に保持した。アリを、毎日、致死率について観察した。致死率は、10日後に測定した。
【0141】
このテストでは、化合物番号66、78および79が、未処理対照と比較して、85%超の致死率を示した。
【0142】
アルゼンチンアリ(Argentine Ants、リネピテウマ・フミル(Linepithema humile))
a)このテストはペトリ皿の中で行った。アリに水を与え、そのあと餌供給源を24時間絶って飢えさせた。20%蜂蜜/水の溶液でエサを調製した。活性成分のアセトン溶液を、活性成分の濃度が1重量%(w/w)に到達するまで加えた。キャップの中に入れたこの活性成分含有蜂蜜/水の溶液0.2mLを各皿に加えた。皿に蓋をし、22℃の水温に保持した。アリを、毎日、致死率について観察した。致死率は、10日後に測定した。
【0143】
このテストでは、化合物番号66、78および79が、未処理対照と比較して、100%の致死率を示した。
【0144】
b)テストを、上記a)と同じようにして行った。EP 33984に従う以下の化合物Iおよび化合物IIを比較例として使用した。アリを、致死率について、6日後観察した。結果を表3に示す。
【化8】

【0145】
表 3:アルゼンチンアリ(リネピテウマ・フミル)に対する生物作用性
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、
R1は、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシまたはC1〜C4-ハロアルコキシであり;
R2は、水素、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキルまたはC1〜C4-アルコキシであり、この場合最後に記載した5つの基は不置換であってもよいし、部分的または完全にハロゲン化されていてもよいし、および/またはC1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C1〜C4-ハロアルコキシ、C1〜C4-ハロアルキルチオ、C1〜C4-アルコキシカルボニル、シアノ、アミノ、(C1〜C4-アルキル)アミノ、ジ-(C1〜C4-アルキル)アミノ、C3〜C8-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1、2、または3個の基をもっていてもよく、フェニルについては不置換であってもよいし、部分的または完全にハロゲン化されていてもよいし、および/またはC1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシからなる群から選択される1、2、または3個の基をもっていてもよく;および
R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C1〜C4-ハロアルコキシ、C1〜C4-ハロアルキルチオ、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、アミノ、(C1〜C4-アルキル)アミノ、ジ-(C1〜C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニルおよびジ-(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニルからなる群から選択される]
で表される2-シアノベンゼンスルホンアミド化合物および/またはその農薬として有用な塩。
【請求項2】
前記式IにおいてR1がC1〜C2-アルキルまたはC1〜C2-アルコキシである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式IにおいてR1がメチルである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記式IにおいてR1がメトキシである請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
前記式IにおいてR1がC1〜C4-ハロアルコキシである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記式IにおいてR1がC1-ハロアルコキシ、特にジフルオロメトキシである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記式IにおいてR2が、水素、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルキルチオ-C1〜C4-アルキルおよびC2〜C4-アルキニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R2が、水素、メチル、エチル、1-メチルエチル、またはプロパ-2-イン-1-イルである請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
前記式Iにおいて、基R3、R4およびR5のうちの少なくとも1つが水素とは異なる、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R3がハロゲンである請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
前記式Iにおいて基R3、R4またはR5が水素である請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
殺虫効果のある量の、請求項1に記載の少なくとも1種の一般式Iの化合物および/または少なくとも1種のIの農薬として有用な塩および少なくとも1種の不活性液体および/または農学上許容される固体担体を含み、所望なら少なくとも1種の界面活性剤を含む農薬組成物。
【請求項13】
家畜害虫、家畜害虫が成育しているまたは成育する可能性のあるその生息地、その繁殖場所、その餌供給源、植物、種子、土壌、区域、物質または環境、あるいは家畜害虫の攻撃または寄生から保護されるべき材料、植物、種子、土壌、表面または空間と、殺虫剤として有効な量の少なくとも1種の一般式Iの2-シアノ-ベンゼンスルホンアミド化合物および/または少なくとも1種のその農薬として許容される塩とを接触させることを含んでなる家畜害虫の防除方法。
【請求項14】
前記家畜害虫が同翅目からのものである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記家畜害虫が膜翅目からのものである請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記家畜害虫が総翅目からのものである請求項13に記載の方法。
【請求項17】
作物と、殺虫剤として有効な量の請求項1に記載の少なくとも1種の一般式Iの2-シアノ-ベンゼンスルホンアミド化合物および/または少なくとも1種のその塩とを接触させることを含んでなる、家畜害虫による攻撃または寄生から作物を保護する方法。

【公表番号】特表2007−507459(P2007−507459A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530074(P2006−530074)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011004
【国際公開番号】WO2005/035486
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】