説明

家電機器におけるリード線のコネクター固定構造

【課題】コネクターの凹部分と凸部分との不完全接続を防止でき、また、基板に固定後は容易には抜け出ることのない家電機器におけるリード線のコネクター固定構造を得る。
【解決手段】凸部体4aと凹部体4bとを結合することで接続されるリード線3のコネクター4の基盤1への固定構造において、前記コネクター4のケースを所定位置に係止する支持体を基板1に設け、この支持体は、コネクター4の幅方向と、接続方向である長さ方向との両方向からコネクター4のケースをそれぞれ挟み込む突片である縦リブ5,6で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば洗濯乾燥機などの家電機器におけるリード線のコネクター固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、洗濯乾燥機などの家電機器においては、機器を運転制御するための電源基板や制御基板を設置しており、これら基板には電子部品やリード線などが配設されている。
【0003】
このうちリード線は基板の箇所でコネクターによって接続される。コネクター4は、図4に示すように凸部体4aと凹部体4bとの別体からなり、凸部体4aを凹部体4bに挿入することで結合して接続される(例えば特許文献1参照)。
【0004】
そして、結合されたコネクターを基板の底部に固定する。この場合、基板底部から立ち上げたリブを固定部材としてコネクターを両側から挟みこんで、コネクターが移動しないようにしており、コネクターを挟む側は、コネクターから突出するリード線の邪魔にならないよう、接続方向と異ならせて接続方向に直交する方向の側としている。
【特許文献1】特開2004−63235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コネクターを支持する固定部材であるリブが、コネクターの接続方向とは異なる側のみに配置されるため、コネクターが基板から容易にぬけるおそれがある。また、コネクターの凸部分が凹部分に対して途中までしか挿入されないで完全には接続されず、不完全の場合でも、固定位置にコネクターを設置することができ、不完全接続のまま製品が完成することになる。
【0006】
その結果、製品には接触不良が発生し、正常に作動しないことになる。
【0007】
本発明は前記従来例の不都合を解消するものとして、コネクターの凹部分と凸部分との不完全接続を防止でき、また、基板に固定後は容易には抜け出ることのない家電機器におけるリード線のコネクター固定構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明は、凹部体と凸部体とを結合することで接続されるリード線のコネクターの基盤への固定構造において、前記コネクターのケースを所定位置に係止する支持体を基板に設け、この支持体は、コネクターの幅方向と、接続方向である長さ方向との両方向からコネクターのケースをそれぞれ挟み込む突片で構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように本発明の家電機器におけるリード線の固定構造は、コネクターのケースを幅方向だけでなく、長さ方向からも挟んで固定するから、リード線の接続方向でも固定され、接続されるリード線が接触不良となることを防止でき、また、コネクターの凹部体と凸部体との結合が不完全な状態で基板にセットされようとしても、基板への装着時に固定用の突片により押されて凸部分が凹部分に対してさらに押し込まれるから正常に結合されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造の実施形態を示す平面図、図2は同上縦断正面図、図3は本発明が実施される基板の平面図で、図3に示すように基板1には電子部品2やリード線3が配設される。
【0011】
リード線3はコネクター4の凸部体4aと凹部体4bとが結合することで接続され、凸部体4aと凹部体4bとが結合された状態で基板1に配設される。
【0012】
コネクター4を基板1に固定するための構造として、コネクター4の横幅方向を外側から押さえる固定部材として縦リブ5を、コネクター4の横幅方向の両側に複数(図示の例では両側にそれぞれ2個)、基板1の底部から突設する。
【0013】
本発明ではさらにコネクター4の接続方向である長さ方向、すなわち横幅方向と直交する方向にもコネクター4を接続方向から押さえる固定部材としての平面L字形の縦リブ6を複数(図示の例では両側にそれぞれ2個)、基板1から突設した。
【0014】
対向する縦リブ6,6間の間隔は、凸部体4aと凹部体4bとが正しく結合された状態のコネクター4の接続方向の長さに等しく形成するとともに、コネクター4からのリード線3の引き出しを妨げないようにコネクター4の角部近傍に位置するように配置する。
【0015】
また、接続方向の縦リブ6は、内側の上部を外側に広がるテーパー部7に形成しておく。
【0016】
これにより本発明ではコネクター4を基板1の所定位置に装着した状態では縦横の両方向から縦リブ5,6で押さえられ、移動が阻止され、抜け出ることがない。
【0017】
また、コネクター4の凸部体4aと凹部体4bとが正常に接続されず、不完全接続状態のまま基板1に取付けようとした場合は、縦リブ6の上部が外側に広がるテーパー部7に形成してあるから、縦リブ6,6の間に挿入することができるが、基板1の底部上まで押し込んだ状態では、縦リブ6,6の根元部で両側から押されて、正常の結合状態となる。よって、不完全接続状態のままで基板1に設置されることがない。
【0018】
正常な接続状態でコネクター4を装着しようとした場合は、テーパー部7の存在により縦リブ6,6間への挿入が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造の実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造の実施形態を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造の実施形態を示すコネクターを基板に固定した状態の平面図である。
【図4】コネクターの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 基板 2 電子部品
3 リード線 4 コネクター
4a 凸部体 4b 凹部体
5 縦リブ 6 縦リブ
7 テーパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部体と凸部体とを結合することで接続されるリード線のコネクターの基盤への固定構造において、前記コネクターのケースを所定位置に係止する支持体を基板に設け、この支持体は、コネクターの幅方向と、接続方向である長さ方向との両方向からコネクターのケースをそれぞれ挟み込む突片で構成することを特徴とする家電機器におけるリード線のコネクター固定構造。
【請求項2】
前記長さ方向で挟み込む突片は、上部分を外側に広がるテーパー部に形成したことを特徴とする請求項1記載の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造。
【請求項3】
前記長さ方向で挟み込む突片は、コネクターのケースに四隅に位置させて配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家電機器におけるリード線のコネクター固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−61967(P2010−61967A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225937(P2008−225937)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】