説明

家電機器システムおよび無線設定方法

【課題】操作部の構成や設置場所によらず容易に家電機器同士が無線接続のための無線設定を行うことができる家電機器システムを得ること。
【解決手段】家電機器1と、家電機器2と、を備える家電機器システムであって、家電機器2は、ペアリングボタンにより無線設定処理の開始を指示する入力を受け付ける入力部24と、入力部24が無線設定処理の開始を指示する入力を受け付けた場合、無線設定要求を送信し、家電機器1との無線通信の無線設定処理を実施する無線設定部22と、を備え、家電機器1は、電源投入後に無線設定要求を受け付ける無線設定モードへ移行し、無線設定モードでは家電機器2から無線設定要求を受信すると家電機器2との無線通信の無線設定処理を実施し、家電機器2を通信相手として登録した後は無線設定モードを終了する無線設定部12、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能を有する家電機器で構成される家電機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を有する家電機器が増加している。例えば、下記特許文献1には、ホームネットワークに新たな空気調和機を追加する場合に、リモートコントローラ(以下、リモコンと略す)が情報端末から無線設定情報を取得して、リモコンが空気調和機無線設定情報を送信する技術が開示されている。また、消費電力を抑えたり誤動作を防止したりするために、空気調和機でお互いボタンを押したあと一定時間だけ無線設定モードに入ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術によれば、無線設定が煩雑であり、操作部が簡素なリモコンなどでは、リモコンを直接操作して無線設定を行うことが困難である、という問題があった。
【0005】
また、上記特許文献1に記載の技術では、情報端末を必要とし情報端末が存在しない場合には無線設定を行うことができない。さらに、双方でボタンを押して無線設定を行う場合、手の届かない場所や離れた場所等にある機器同士では容易に無線設定を行うことができない、という問題があった。なお、無線設定とは、機器同士が無線通信を行うための相互設定を指す。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作部の構成や設置場所によらず容易に家電機器同士が無線接続のための無線設定を行うことができる家電機器システムおよび無線設定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の家電機器と、前記第1の家電機器と無線通信を行う第2の家電機器と、を備える家電機器システムであって、前記第2の家電機器は、無線通信を行うために通信相手を登録する無線設定処理の開始を指示する入力を受け付ける入力部と、前記入力部が無線設定処理の開始を指示する入力を受け付けた場合、無線設定処理の開始を要求する無線設定要求を送信し、前記第1の家電機器に関する無線設定処理を実施する送信側無線設定部と、を備え、前記第1の家電機器は、電源投入後に無線設定要求を受け付ける無線設定モードへ移行し、無線設定モードでは前記第2の家電機器から無線設定要求を受信すると前記第2の家電機器に関する無線設定処理を実施し、前記第2の家電機器を通信相手として登録した後は無線設定モードを終了する受信側無線設定部、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な操作で容易に無線接続のための無線設定を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態1の家電機器システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1のペアリング手順の一例を示す図である。
【図3】図3は、室内機におけるペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、リモコンにおけるペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施の形態3の家電機器のペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施の形態3のリモコンにおけるペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施の形態4の家電機器システムの構成例を示す図である。
【図8】図8は、マスター装置とスレーブ装置を設定する場合の本実施の形態の家電機器システムの構成例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態5の家電機器システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる家電機器システムおよび無線設定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる家電機器システムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の家電機器システムは、家電機器1(第1の家電機器)と家電機器2(第2の家電機器)とで構成される。
【0012】
家電機器1は、例えば空気調和機の本体(室内機,室外機)等であり、ユーザからの入力を受け付ける入力部を備えていない、または入力部を備えていても高所に設定されているため入力が容易でない機器である。家電機器1は、無線通信のための所定の送受信処理を行う無線送受信部11と、無線接続のための無線設定を行う無線設定部(受信側無線設定部)12と、表示部13と、を備えている。
【0013】
家電機器2は、例えば空気調和機のリモコンであり、ユーザからの入力を受け付ける機能を有している。家電機器2は、無線通信のための所定の送受信処理を行う無線送受信部21と、無線接続のための無線設定を行う無線設定部(送信側無線設定部)22と、表示部23と、入力部(操作部)24と、を備えている。なお、ここでは無線設定とは、機器同士が無線通信を行うための相互設定を指し、以降はペアリングと表現する。
【0014】
例えば天井埋め込み式や壁掛け式の室内機(空気調和機の)の場合、デザイン上表面に操作部がでていない、もしくは原価低減のため設けていない、または手が届かないことがある。例えば、リモコンにペアリングボタンを設けておき、リモコンはペアリングボタンが押下された場合にペアリング要求を送信する。そして、室内機は、初めは常時どのリモコンからでもペアリング要求を受けつけるモードとしておき、1台のリモコンの登録を行った後はペアリング要求を受け付けないモードとすることにより無線設定を行うことができる。
【0015】
しかし、上述の無線設定の方法では、室内機を複数台据え付けた場合にペアリング要求信号に一斉に反応してペアリングミスを起こす、または別の場所から来たペアリング要求信号に基づいて室内機がペアリングされるべきでないリモコンとペアリングされてしまうなど問題がある。
【0016】
また、室内機にPIN(Personal Identification Number)コードを設定して室内から見える位置にPINコードを表示し、リモコンをペアリング対象の室内機のPINコードをユーザが入力する方法もあるが、リモコンの操作部が簡素な場合は対応できないという問題がある。また、PINコードを室内機に表示するため、天井に設置された場合室内機の表面の文字を読めない問題や、デザイン上格好が悪くなる問題がある。
【0017】
そこで、本実施の形態では、室内機は電源投入から一定時間ペアリング要求を受け付けるペアリングモード(無線設定モード)に自動的に移行することにより、室内機に対する操作を行わずに容易にペアリングモードを開始できるようにする。また、配電盤が室内機の設置場所から遠い場所にある場合、電源投入からリモコンを操作することによりペアリング要求の送信までに時間がかかる。このような場合は、室内機は電源投入から所定の時間待機した後から一定時間だけペアリングモードに入る。この待機する所定の時間は、例えば室外機や室内機のスイッチにより決定しておいたり電源が再投入された回数等に基づいて決定したりしてもよい。
【0018】
図2は、家電機器1が空気調和機の室内機であり、家電機器2が空気調和機のリモコンである場合のペアリング手順の一例を示す図である。まず、図2(1)に示すように家電機器(室内機)1の電源が投入される(元電源ON)と上述のように家電機器1は即座にまたは所定の時間経過後にペアリングモードに入る。
【0019】
そして、図2(2)に示すように家電機器(リモコン)2の入力部24の操作によりペアリングボタン(図2のPで示したボタン)が押されると、図2(3)に示すように家電機器2の無線設定部22は無線送受信部21経由でペアリング要求を無線信号により送信する。家電機器1の無線設定部12は、無線送受信部11経由でペアリング要求を受信すると、図2(4)に示すようにペアリング要求を受け付けたことを示す応答であるACKを送信する。
【0020】
家電機器2の無線設定部22は、図2(5)に示すように無線送受信部21経由でACKを受信すると、受信したACKに格納されている家電機器2のID(IDentifier)を登録する(家電機器1に対するペアリング登録)とともに、図2(6)に示すようにペアリング登録が完了したことを通知するペアリング登録完了通知を無線送受信部21経由で送信する。家電機器1の無線設定部12は、無線送受信部11経由でペアリング登録完了通知を受信すると、図2(7)に示すように受信したペアリング登録完了通知に格納された家電機器2のIDを登録する(家電機器2に対するペアリング登録)。お互いのIDをペアリング登録した家電機器1,2は、以降無線通信が可能となる。
【0021】
なお、ここでは、リモコンが入力部24としてペアリングボタンを備え、ペアリングボタンが押されることによりペアリング要求を送信するようにしたが、入力部24の形態はこれに限定されずペアリング要求の送信指示を受け付けることができればよい。
【0022】
このように、本実施の形態では、リモコン(家電機器2)は、室内機(家電機器1)からのACKを受信してから室内機のIDを登録している。従来の安価なリモコンでは、一度登録が行われてしまうとペアリングモードを終了してしまうものがあり、その場合、室内機が通信エラー等によりペアリング要求を受信できなかった場合、リモコン側ではペアリングされていると認識して後続の処理を実行しても、室内機側が受け付けないことになる。上述のように、室内機がACKを送信し、リモコンがACKを受信してから室内機のIDを登録することにより、このような問題を避けることができる。
【0023】
図3および図4は、家電機器1が空気調和機の室内機であり、家電機器2が空気調和機のリモコンである場合のペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。図3は、室内機におけるペアリング処理手順の一例を示し、図4は、リモコンにおけるペアリング処理手順の一例を示している。
【0024】
室内機の電源が投入される(ステップS1)と、室内機(家電機器1)の無線設定部12は、モード切替を実施しペアリング要求を受け付けるペアリングモードへ移行する(ステップS2)。ステップS2の実施タイミングは電源投入から所定の時間経過した後に実施してもよい。
【0025】
室内機の無線設定部12は、ペアリング要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS3)、受信した場合は、自装置のID等ペアリングのために必要なペアリング情報を格納したACKを送信する(ステップS4)。また、無線設定部12は、ペアリング要求信号に格納された送信元のリモコン(家電機器2)のIDを記録する。そして、無線設定部12は、IDが記録されているリモコンからペアリング登録完了通知信号を受信したか否かを判断し(ステップS5)、受信した場合(ステップS5 Yes)は当該リモコンのIDを登録し(ステップS6)、ペアリングモードを終了する(ステップS7)。以降、室内機は、ペアリング要求を受け付けない(例えば、ペアリング要求を受信しても廃棄する)。
【0026】
ステップS3で、ペアリング要求信号を受信していないと判断した場合(ステップS3 No)、無線設定部12は、モード切替(ステップS2)の実施から一定時間が経過したか否かを判断し(ステップS8)、一定時間が経過していない場合(ステップS8 No)、ステップS3を繰り返す。モード切替(ステップS2)の実施から一定時間が経過した場合(ステップS8 Yes)、無線設定部12は、ペアリングが実施されなかったこと示すエラー表示を行うよう表示部13へ指示し、表示部13が指示に基づいて表示を行い(ステップS9)、ペアリングモードを終了する(ステップS7)。表示部13の表示方法に制約はないが、室内機の場合、例えばLED(Light Emitting Diode)の点灯や点滅等によりエラーを表示してもよいし、表示の代わりにブザー等の音声で通知してもよい。
【0027】
また、ステップS5でペアリング登録完了通知信号を受信しない場合(ステップS5 No)は、モード切替(ステップS2)から一定時間が経過したか否かを判断し(ステップS10)、一定時間が経過していない場合(ステップS10 No)はステップS5へ戻る。一定時間が経過した場合(ステップS10 Yes)、ステップS9へ進む。
【0028】
なお、ステップS10で一定時間が経過していない場合(ステップS10 No)、所定の再送周期毎にACKの再送を行うようにしてもよい。
【0029】
一方、リモコン(家電機器2)の電源が投入された後(ステップS11)、入力部24のペアリングボタンが押されることによりペアリング要求の送信指示が入力される(ステップS12)と、無線設定部22は、ペアリングモード(ペアリングの設定を行うモード)へ移行してペアリング要求信号を送信する(ステップS13)。
【0030】
そして、無線設定部22は、送信したペアリング要求信号に対応するACKを受信したか否かを判断し(ステップS14)、ACKを受信した場合(ステップS14 Yes)、受信したACKに格納された室内機のIDを登録する(ステップS15)。また、無線設定部22は、登録完了通知信号を送信し(ステップS16)、ペアリングモードを終了する(ステップS17)。
【0031】
ステップS14でACKを受信していない場合(ステップS14 No)、ペアリングモードへ移行してから一定時間が経過したか否かを判断し(ステップS18)、一定時間が経過していない場合(ステップS18 No)はステップS14へ戻る。一定時間が経過した場合(ステップS18 Yes)は、無線設定部22は、ペアリングが実施されなかったこと示すエラー表示を行うよう表示部23へ指示し、表示部23が指示に基づいて表示を行い(ステップS19)、ペアリングモードを終了する(ステップS17)。表示部23の表示方法に制約はないが、例えばリモコンの場合液晶画面等にエラーの内容を表示する。
【0032】
また、ステップS18で一定時間が経過していない場合(ステップS14 No)、所定の再送周期毎にペアリング要求信号の再送を行うようにしてもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、確実に無線設定を行うために家電機器2が登録完了通知信号を送信し、家電機器1は、家電機器2から登録完了通知信号を受信した後に、家電機器2をペアリング登録するようにしているが、家電機器2が登録完了通知信号を送信せず、家電機器1は、ステップS4の後にステップS6へ進むようにしてもよい。同様に、本実施の形態では、確実に無線設定を行うために家電機器1がペアリング要求に対する応答を送信し、家電機器2は、応答を受信した後に、家電機器1をペアリング登録しているが、家電機器1はペアリング要求を送信せず、家電機器2はペアリング要求送信後に家電機器1をペアリング登録するようにしてもよい。
【0034】
以上のように、本実施の形態では、家電機器1は電源投入後、所定の時間経過後(所定の時間として0時間も含む)にペアリングモードへ移行し、家電機器2は入力部24からペアリング要求(無線設定要求)の送信を指示された場合にペアリングモードへ移行する。そして、家電機器1および家電機器2は、それぞれ一定期間の間ペアリングモードを継続し、一定期間の間にペアリング処理が完了しない場合にはエラー表示を行ってペアリングモードを終了し、一定期間が経過する前にペアリング処理が完了した場合は完了後にペアリングモードを終了するようにした。そのため、無線設定処理(ペアリング処理)用に特別なインターフェースを設けなくても、電源投入(ブレーカー)操作のみの容易な操作で無線設定を実施することができる。従って、操作部の構成や設置場所によらず容易に家電機器同士が無線接続のための無線設定を行うことができる。また製造時にペアリングする場合も同様の効果が得られ歩留まり改善などの効果がある。また、PINコード等を表面に表示する必要もなく、デザイン上の制約もなくすことができる。
【0035】
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の家電機器システムについて説明する。本実施の形態の家電機器システムの構成、および家電機器1,2の構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0036】
本実施の形態では、実施の形態1で述べた手順でペアリング処理を行うこととするが、他の手順でペアリング処理を実施する場合に、本実施の形態の動作を適用してもよい。
【0037】
家電機器、例えば天井埋め込み式の空気調和機等ではペアリングボタン、ペアリングリセットボタン、解除ボタンを設けても容易に押すことができない。また原価低減のため室内機にペアリング用のインタフェース(操作部)がない場合もある。
【0038】
実施の形態1では、操作が容易でない家電機器についてもペアリング処理を容易に実施できる方法について説明したが、リモコンを新規に購入した、またはサービス部品と交換した場合や、ペアリングミスにより他のリモコンとペアリングしてしまった場合等には、そのままではリモコンと室内機の通信ができないため再度ペアリングを行う必要がある。
【0039】
しかし、1対1通信の機種である場合等では、ペアリングをリセット(ペアリング登録を解除)しないと再度ペアリングできない場合がある。また複数台登録できる機器同士では間違ってペアリングしてしまい、操作部で1台を指定してペアリング解除できない場合にもペアリングリセットが必要になる。
【0040】
このため、本実施の形態では、家電機器1,2が、ペアリングリセットを受け付ける機能を備える。ペアリングリセットを受け付ける方法としては、例えば、室内機(家電機器1)の電源投入後に一定時間内に、リモコン(家電機器2)のペアリングボタンを長押しすることで、ペアリングリセットを実施するようにする。具体的には、例えば以下のような手順でペアリングリセットを実施する。
【0041】
室内機は、実施の形態1と同様に、電源投入して所定の時間経過(0時間経過も含む)した後、ペアリングモードに移行するが、ペアリングモードではペアリングのリセットも受け付けることとする。リモコンでは、ペアリングボタンを長押しされると、無線設定部22が、室内機のペアリング登録を解除し、ペアリング登録の解除を通知する解除通知を送信する。なお、ここではリモコンは1台の室内機を登録する例を説明するが、リモコンが複数台の室内機を登録可能な場合は、全登録を解除するようにしてもよいし、室内機を指定するボタン等とペアリングボタンの長押しを組み合わせることで登録を解除する室内機を指定するようにしてもよい。
【0042】
解除通知を受信した室内機では、無線設定部12が、リモコンのペアリング登録を解除する。なお、複数のリモコンをペアリング登録可能な場合には、解除通知の送信元のリモコンのみを解除するようにしてもよいし、全登録を解除してもよい。
【0043】
なお、リモコンのペアリングボタンを用いずに、室内機の電源投入後、一定時間内に電源再起動された場合に、ペアリングリセットを行うようにしてもよい。例えば、室内機が電源投入後の起動時にフラグを+1するカウンタを備え、電源投入から一定時間後にフラグを0にする。この場合、電源投入から一定時間後経過するまでに再起動された場合、フラグは1以上となり、一定時間後経過した場合にはフラグは0となる。したがって、フラグが1の場合にペアリングリセットを行うようにすれば、一定時間内に電源再起動された場合に、ペアリングリセットを行うことになる。なお、この場合、室内機からリモコンへペアリング登録の解除を通知する解除通知を送信し、解除通知を受信したリモコンは送信元の室内機のペアリング登録を解除する。なお、室内機からのペアリング解除通知の送信は次回のリモコンからのアクセスがあった場合に行うようにしてもよい。
【0044】
室内機本体は天井に設定されている場合でも、ブレーカーなど電源は操作可能な場所に設置されていることが多いため、室内機自体の操作が困難な場合でも電源の投入を用いて容易にペアリングリセットを実施することができる。
【0045】
また、電源が再起動されるたびにペアリングリセットを実施してもよい。その場合、ペアリングリセットの後、ペアリング処理を再度実施する。または複数台登録可能な機種である場合には、ペアリングリセットせずにペアリングモードに入り、新たなリモコンからのペアリング要求を受け付けるようにしてもよい。
【0046】
以上のように、本実施の形態では、家電機器1,2がペアリングリセットを容易な操作で実施する機能を備えるようにした。そのため、リモコンを新規に購入した、またはサービス部品と交換した場合等に、ペアリングリセットを実施することができる。従って、操作部の構成や設置場所によらず容易に家電機器同士が無線接続のための無線設定(再設定)を行うことができる。
【0047】
実施の形態3.
図5は、本発明にかかる家電機器1の実施の形態3のペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の家電機器システムの構成、および家電機器1,2の構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0048】
マンションなど集合型住宅では空気調和機が初期据付である場合も多い。また事務所など店舗も同様である。設置する時期は同時であり、ペアリングも複数の部屋で同時に行う。この場合、隣の部屋までリモコンからの無線信号が到達し、室内機が誤って隣の部屋のリモコンとペアリングしてしまうことも想定される。この場合、意図しない操作で室内機の制御が変更されてしまう。この場合、ペアリングリセットを行い再設定する必要があり、非常に操作が煩雑となる。
【0049】
そのため、本実施の形態では、室内機(家電機器1)の無線設定部12は、ペアリングモードに移行してから一定時間の間に複数の家電機器からペアリング要求を受信した場合には、エラー表示を行うとともに、ペアリング登録の処理を途中で中止して無線設定の処理中のペアリング情報も破棄する。これにより複数台が一定時間内に同時登録されることを防ぎ、誤登録を防ぐ。
【0050】
図5を用いて本実施の形態のペアリング処理を説明する。室内機の無線設定部12は、実施の形態1と同様にステップS1〜ステップS3を実施し、ペアリング要求信号を受信した場合(ステップS3 Yes)、モード切替(ステップS2)から一定時間経過したか否かを判断する(ステップS21)。なお、ここではペアリング要求信号を受信した場合、当該ペアリング要求信号を保持しておくこととする。モード切替から一定時間経過していない場合(ステップS21 No)、ステップS3へ戻る。
【0051】
モード切替から一定時間経過した場合(ステップS21 Yes)、ペアリング要求信号を複数台から受信したか否かを判断する(ステップS22)。複数台から受信していない場合(ステップS22 No)、実施の形態1と同様にステップS4〜S7を実施する。複数台からペアリング要求信号を受信した場合(ステップS22 Yes)、ペアリング処理を中止し、エラー通知をペアリング要求信号の送信元へ送信し(ステップS23)、ステップS9へ進む。ステップS8,9は実施の形態1と同様である。
【0052】
なお、ここでは、室内機がペアリング要求信号を受信した場合、一定時間が経過するまで保持し、1台のみから受信した場合にペアリング登録を行うようにしたが、これに限らず、最初に受信したペアリング要求信号に基づいてペアリング登録を実施しモード切替えから一定時間が経過する前に他の機器からペアリング要求信号を受信しない場合は登録を続けるようにしてもよい。その場合、モード切替えから一定時間が経過する前に他の機器からペアリング要求信号を受信した場合、最初に受信したペアリング要求信号に基づくペアリング登録作業を中止して、ステップS23、ステップS8,ステップS7を実施する。
【0053】
図6は、本実施の形態のリモコンにおけるペアリング処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS11〜ステップS15は、実施の形態1と同様である。ステップS15の後、エラー通知を受信したか否かを判断する(ステップS31)。エラー通知を受信した場合(ステップS31 Yes)、ステップS19へ進む。
【0054】
エラー通知を受信していない場合(ステップS31 No)、モード切替えから一定時間経過しているか否かを判断し(ステップS32)、一定時間経過している場合(ステップS32 Yes)はステップS16へ進む。一定時間経過していない場合(ステップS32 No)、ステップS31へ戻る。ステップS18,19は実施の形態1と同様である。
【0055】
なお、ここでは、室内機(家電機器1)のペアリング処理について説明したが、リモコン(家電機器2)についても、同様に、複数台からペアリング要求信号の応答を受信した場合にペアリング登録処理を中止するようにしてもよい。
【0056】
以上のように、本実施の形態では、ペアリングモードに移行してから一定時間の間に複数の家電機器からペアリング要求を受信した場合には、エラー表示を行うとともに、ペアリング登録の処理を途中で中止するようにした。そのため、間違って登録される可能性のある機器を全て登録させないことにより誤登録を回避することできる。
【0057】
実施の形態4.
図7は、本発明にかかる家電機器システムの実施の形態4の構成例を示す図である。本実施の形態の家電機器システムは、空気調和機を構成する。本実施の形態の家電機器システムは、実施の形態1の家電機器1と同様の構成を有する室内機1−1〜1−3と、室外機3(第3の家電機器)と、を備え、室外機3は、電源4に接続されている。なお、ここでは室内機が3台の例について説明するが室内機の数はこれに限定されない。また、室内機1−1〜1−3は、図7には図示しないが、実施の形態1で述べた家電機器2と同様の構成を有するリモコンにより操作される。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0058】
空気調和機では、図7の例のように、1台の室外機に対して複数の室内機が接続される場合がある。また、その逆に1台の室内機に複数の室外機が接続される構成もある。このような場合、ユニット(室内機,室外機)毎に別の電源を設けずに、電源が共通である場合が多い。図7の例では、室外機3が電源4に接続され、室外機3経由で室内機1−1〜1−3に電力が供給されている。
【0059】
このように複数のユニットの電源が共通である場合、実施の形態1で述べたように、電源投入後に所定の時間経過後にペアリングモードに入ると、全ユニットが一斉にペアリングモードに入ることになる。従って、複数台が一斉にペアリングモードに入ることにより誤登録が生じる可能性があり設定に時間がかかってしまう。
【0060】
このため、本実施の形態では、室外機3と室内機1−1〜1−3を接続する接続線31,32,33が室外機3に接続される順(接続される端子等の位置)に基づいて、接続線31,32,33毎にペアリングモードに移行する時刻を異なるようにする。例えば、接続線31,32,33が接続される室外機の端子等の順番(例えば端子の番号等、接続先を識別するための番号)がそれぞれ1番,2番,3番であった場合、この番号の順にペアリングモードに入るように室内機1−1〜1−3の所定の時間(ペアリングモードへ入るまでの待機時間)を設定する。
【0061】
例えば、室内機1−1は、電源投入後の一定の時間の後に2分間ペアリングモードに入ることとし、室内機1−2は、電源投入後の一定の時間+2分の後に2分間ペアリングモードに入ることとし、室内機1−3は、電源投入後の一定の時間+4(=2+2)分の後に2分間ペアリングモードに入るように設定する。このように、各室内機1−1〜1−3で2分ずつ互いに重複しないようにペアリングモードとなることで、誤設定を回避することができる。また、室外機3に繋いだ位置でペアリングモードに入る順番を決定するため、設置業者が設定を容易に目視でき間違えることがない。なお、ペアリングモードの継続時間は2分間に限らない。
【0062】
また、上述のように各室内機1−1〜1−3がペアリングモードに入る時間を設定するのではなく、室外機3に接続される順にリレーで時間をずらして電源をONすることで、上記と同様にペアリングモードの時間が重複しないようにしてもよい。
【0063】
また、各室内機1−1〜1−3が電源投入後にランダム時間後に、ペアリングモードへ移行するとともにペアリングモードへの移行を宣言し(ペアリングモードに移行したことを通知するモード通知を送信し)、各室内機1−1〜1−3は、他の機器からペアリングモードの宣言を受信した場合一定期間の間はペアリングモードへ移行しないCarrier Senseのような仕組みを設けることにより、ペアリングモードの時間が重複しないようにしてもよい。
【0064】
また、室外機3と室内機1−1〜1−3が優先接続により通信を行う場合、室外機3と室内機1−1〜1−3がそれぞれ通信を行うことにより各室内機1−1〜1−3がペアリングモードに入る時間を設定してもよい。また、室外機3の各通信ポートにそれぞれ室内機1−1〜1−3が接続されている場合、通信ポートの番号により各室内機1−1〜1−3がペアリングモードに入る時間を決定してもよい。
【0065】
また、室内機1−1〜1−3は、ペアリングモードに入っている間は、LEDやブザー等により外部の設置者や操作者に知らせることによりどの室内機1−1〜1−3がペアリングモードであるかを把握することができる。上述した各機器でペアリングモードが重複しないようにする動作以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1、2または3と同様である。
【0066】
室内機1−1〜1−3は、集中コントローラのようなインターフェースが豊かな機器と無線接続する場合は、集中コントローラからブロードキャストで同時にペアリングを行い、号機は後から指定できる。
【0067】
複数ある室内機1−1〜1−3のうち、ペアリングモードへ移行するまでの時間の設定ができないような廉価版機種が含まれる場合、廉価版機種では、他機器がペアリングモードである場合は一定時間自身のペアリング処理を停止する、またはペアリング要求信号を受け付けても応答しないように設定しておいてもよい。
【0068】
また、1つの室外機に接続される室内機が複数台である場合、これらの室内機のうち、外部とやり取りする代表装置や無線のアクセスポイントになるようなマスター装置と、マスター装置からの指示に基づいて動作するスレーブ装置と、を設定することがある。このような場合、ペアリングモードに入る順番を決定した方法と同様の方法でマスター装置を決定することができる。例えば、室外機3−1へ接続される接続線の順や、通信ポートの番号に基づいてマスター装置を決定する、または室内機1−1〜1−3が室外機3−1との通信によりマスター装置を決定する。
【0069】
図8は、マスター装置とスレーブ装置を設定する場合の本実施の形態の家電機器システムの構成例を示す図である。本実施の形態の家電機器システムは、空気調和機を構成する。この家電機器システムは、実施の形態1の家電機器1と同様の構成を有する室内機1−1〜1−4と、室外機3−1,3−2と、を備え、室外機3−1,3−2は、それぞれ電源4−1,4−2に接続されている。なお、各室外機3−1,3−2に接続される室内機の数はこれに限定されない。また、室内機1−1〜1−3は、図7には図示しないが、実施の形態1で述べた家電機器2と同様の構成を有するリモコンにより操作される。
【0070】
図8の構成例では、室外機3−2に接続される室内機1−4は、1台であるため、室内機1−4がマスター装置(MASTER)となるが、室外機3−1に接続される室内機1−1〜1−3は、3台であるため、マスター装置を設定する必要がある。なお、ここでは、室内機1−1〜1−3は互いに同様の構成を有するとし、どの装置もマスター装置、スレーブ装置のいずれとしても動作できるとする。
【0071】
このような場合、ペアリングモードに入る順番を決定した方法と同様の方法でマスター装置を決定し、そして、マスター装置となった室内機は、実施の形態1、2または3と同様に外部の家電機器(リモコン等)との間でペアリング処理等を実施する。すなわち、マスター装置である室内機1−1が家電機器2(リモコン)からの各種設定要求を受け付け(図8(1))、室内機1−1が家電機器2へ設定を通知する(図8(2))。同様に、マスター装置である室内機1−4が家電機器2(リモコン)からの各種設定要求を受け付け(図2(3))、室内機1−4が家電機器2へ設定を通知する(図8(4))。
【0072】
以上のように、本実施の形態では、電源を共有する室内機1−1〜1−3が複数存在する場合、室内機1−1〜1−3がペアリングモードとなる時間が重複しないようにした。そのため、複数の室内機1−1〜1−3が同時にペアリングモードに移行することによる誤設定を避けることができる。
【0073】
実施の形態5.
図9は、本発明にかかる家電機器システムの実施の形態5の構成例を示す図である。本実施の形態の家電機器システムは、実施の形態1の家電機器1と同様の構成を有する空気調和機の室内機1−1〜1−2と、実施の形態1の家電機器1と同様の構成を有する高級機種である空気調和機の室内機5と、実施の形態1の家電機器2であるリモコンと、集中コントローラ6と、を備える。なお、ここでは室内機が3台の例について説明するが室内機の数はこれに限定されない。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0074】
空気調和機の無線では高級機種には集中管理ができるリモコンである集中コントローラ(多機能機器)が付属しており、廉価版には1対1の制御だけが行えるリモコン(限定機能機器)が付属している。高級機種の空気調和機と廉価版の空気調和機が近くに設置された場合等には、廉価版のリモコンは対応する空気調和機しか動作させることができないような仕組みがないと、意図しない空気調和機が勝手に操作されてしまうという問題が生じる。
【0075】
従って、本実施の形態では、廉価版のリモコンである家電機器2には、ペアリング処理時にペアリングの相手のIDを登録し、その機器以外と通信できないように設定する(アドホックでしか接続できないように設定する)。
【0076】
例えば、図9に示すように、家電機器2が室内機1−2をペアリング登録した場合、家電機器2の無線設定部22は、他の機器の通信を受け付けないようする(例えば、信号を受信してもペアリング登録されている機器からの送信信号でない場合は廃棄する)。
【0077】
また、誤登録してしまった場合や室内機のペアリング相手を別の廉価版の空気調和機のリモコンに設定しなおしたい場合は、ペアリング登録されているリモコンが空気調和機と相互通信してペアリング登録を解除しないと再度ペアリングできないようにしてもよい。
【0078】
また、室内機1−1〜1−2同士が、自身がペアリング登録されているID(家電機器2のID)が他の室内機1−1〜1−2が保持しているペアリング登録されているID(家電機器2のID)と同一でないかを確認し、同一である場合には、1つの室内機1−1〜1−2,5以外の登録を解除する等の対応を行うこともできる(例えば、最初にペアリング登録した時刻を室内機1−1〜1−2が記録しておき、最初にペアリング登録した室内機1−1〜1−2の登録のみを有効とし、他の室内機1−1〜1−2の登録は解除する等)。なお、室内機5と廉価版のリモコンである家電機器2がペアリングされてしまうと、当該家電機器2は室内機1−1〜1−2とペアリングできなくなってしまうため、室内機5は集中コントローラ6とのみペアリングするようにしておくことが望ましい。
【0079】
また、廉価版のリモコンである家電機器2には、再ペアリングするときは再ペアリングの相手の室内機1−1,1−2のIDを上書きすることにより、それまでペアリングされていた他の室内機1−1,1−2と通信できないようにしてもよい。この場合、それまでペアリングされていた他の室内機1−1,1−2は、家電機器2のIDをペアリング登録したままとなるため、例えば、室内機1−1,1−2は、家電機器2のから自分宛以外の送信信号を検出した場合に、当該家電機器2のペアリング登録を解除する。
【0080】
上記を実現するために各室内機1−1,1−2,5は、ペアリング登録する際に登録相手のIDの他に種類(1対1通信のみを行う廉価版であるか集中コントローラであるか等)を区別する情報をIDとともに記録しておく。なお、この種類は、各機器が室内機1−1,1−2,5に通知してもよいし、またはIDに基づいて種類を判別することができるようにしておき室内機1−1,1−2,5がIDに基づいて種類を判別してもよい。そして、この種類に基づいて、廉価版リモコンを高級機種(室内機5)には登録できないようにするなどの機種に応じた制限を設けることでシステムの誤登録を回避できる。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1〜4と同様である。
【0081】
以上のように、本実施の形態では、1対1の制御だけを行う廉価版のリモコンである家電機器2では、ペアリング処理時にペアリングの相手のIDを登録し、その機器以外と通信できないように設定するようにした。そのため、高級機種と廉価版機種が混在する場合にも、誤登録を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0082】
1,2 家電機器
1−1〜1−4,5 室内機
3,3−1,3−2 室外機
4,4−1,4−2 電源
6 集中コントローラ
11,21 無線送受信部
12,22 無線設定部
13,23 表示部
24 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の家電機器と、前記第1の家電機器と無線通信を行う第2の家電機器と、を備える家電機器システムであって、
前記第2の家電機器は、
無線通信を行うために通信相手を登録する無線設定処理の開始を指示する入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が無線設定処理の開始を指示する入力を受け付けた場合、無線設定処理の開始を要求する無線設定要求を送信し、前記第1の家電機器に関する無線設定処理を実施する送信側無線設定部と、
を備え、
前記第1の家電機器は、
電源投入後に無線設定要求を受け付ける無線設定モードへ移行し、無線設定モードでは前記第2の家電機器から無線設定要求を受信すると前記第2の家電機器に関する無線設定処理を実施し、前記第2の家電機器を通信相手として登録した後は無線設定モードを終了する受信側無線設定部、
を備える、
ことを特徴とする家電機器システム。
【請求項2】
前記受信側無線設定部は、無線設定モードへ移行してから一定時間が経過しても無線設定要求を受信しない場合は、無線設定モードを終了する、ことを特徴とする請求項1に記載の家電機器システム。
【請求項3】
前記受信側無線設定部は、前記第2の家電機器から無線設定要求を受信すると当該無線設定要求に対する応答を前記第2の家電機器へ送信し、
前記送信側無線設定部は、前記第1の家電機器へ送信した無線設定要求に対する応答を受信した後に前記第1の家電機器に関する無線設定処理を実施する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の家電機器システム。
【請求項4】
前記送信側無線設定部は、前記入力部が前記無線設定処理の開始を指示する入力を受け付けてから一定時間が経過しても無線設定要求に対する応答を受信しない場合は、無線設定処理を中止する、ことを特徴とする請求項3に記載の家電機器システム。
【請求項5】
前記送信側無線設定部は、前記無線設定要求を送信してから所定の再送周期時間が経過しても無線設定要求に対する応答を受信しない場合、前記無線設定要求を再送する、 ことを特徴とする請求項3または4に記載の家電機器システム。
【請求項6】
前記送信側無線設定部は、前記第1の家電機器に関する無線設定処理を実施した場合、無線設定の完了を通知する無線設定完了通知を前記第1の家電機器へ送信し、
前記受信側無線設定部は、前記第2の家電機器から無線設定完了通知を受信した後に前記第2の家電機器に関する無線設定処理を実施する、ことを特徴とする請求項3、4または5に記載の家電機器システム。
【請求項7】
前記受信側無線設定部は、無線設定要求に対する応答を送信してから所定の再送周期時間が経過しても無線設定完了通知を受信しない場合は、当該応答を再送する、
ことを特徴とする請求項6に記載の家電機器システム。
【請求項8】
前記受信側無線設定部は、複数の前記第2の家電機器から無線設定要求を受信した場合には、前記第2の家電機器との無線設定処理を中止する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項9】
前記送信側無線設定部は、複数の前記第1の家電機器から無線設定要求を受信した場合には、前記第1の家電機器との無線設定処理を中止する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項10】
電源を共有する前記第1の家電機器を複数備え、
無線設定モードとなる時間帯が前記第1の家電機器間で互いに異なる、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項11】
電源を共有する前記第1の家電機器とそれぞれ接続する第3の家電機器、
をさらに備え、
前記第1の家電機器は、第3の家電機器と接続される接続位置に基づいて無線設定モードとなる時間帯を互いに異なるように設定される、
ことを特徴とする請求項10に記載の家電機器システム。
【請求項12】
電源を共有する前記第1の家電機器とそれぞれ有線通信を行う第3の家電機器、
をさらに備え、
前記第1の家電機器は、第3の家電機器と接続される通信ポートの位置に基づいて無線設定モードとなる時間帯を互いに異なるように設定される、
ことを特徴とする請求項10に記載の家電機器システム。
【請求項13】
電源を共有する前記第1の家電機器とそれぞれ有線通信を行う第3の家電機器、
をさらに備え、
前記第1の家電機器は、第3の家電機器との通信により自身が無線設定モードへ移行する時間を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の家電機器システム。
【請求項14】
無線設定モードとなる時間帯が前記第1の家電機器間で互いに異なるように、電源が投入される時間を前記第1の家電機器毎に決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の家電機器システム。
【請求項15】
前記第1の家電機器は、電源投入後にランダムが経過した後に無線設定モードへ移行するとともに、自身が無線設定モードであることを通知するモード通知を他の第1の家電機器へ送信し、他の第1の家電機器からモード通知を受信した場合は一定期間の間無線設定モードへ移行しない、ことを特徴とする請求項10に記載の家電機器システム。
【請求項16】
前記第2の家電機器として、複数の前記第1の家電を通信相手として登録できる多機能機器を含む場合に、
前記多機能機器の前記送信側無線設定部は、無線設定要求をブロードキャストにより送信する、
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項17】
前記第2の家電機器として、1対1通信を行う限定機能機器を含む場合に、
前記限定機能機器の前記送信側無線設定部は、通信相手として登録した前記第1の家電機器のみとの通信を許可し、他の前記第1の家電機器と新たに無線設定処理を行った場合には、無線設定処理に関する情報を上書きする、ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項18】
前記受信側無線設定部は、自身が通信相手として登録している前記第2の家電機器から他の前記第1の家電機器宛ての無線信号を受信した場合に、当該第2の家電機器の登録を解除する、ことを特徴とする請求項17に記載の家電機器システム。
【請求項19】
前記第2の家電機器として、限定機能機器と前記多機能機器と含み、
限定機能機器と前記多機能機器とを識別する種類を規定し、
前記受信側無線設定部は、前記第2の家電機器を登録する際に当該第2の家電機器に対応する種類を取得して保持し、前記第2の家電機器の種類が限定機能機器である場合に、自身が通信相手として登録している前記第2の家電機器から他の前記第1の家電機器宛ての無線信号を受信した場合に、当該第2の家電機器の登録を解除する、ことを特徴とする請求項18に記載の家電機器システム。
【請求項20】
前記第1の家電装置として、前記限定機能機器と無線通信を行う機器と前記多機能機器と無線通信を行う機器とを含む場合、
前記多機能機器と無線通信を行う機器の前記受信側無線設定部は、前記第2の家電機器の種類が限定機能機器である場合、当該第2の家電機器の無線設定処理を実施しない、ことを特徴とする請求項19に記載の家電機器システム。
【請求項21】
前記入力部は、無線設定の解除を指示する入力を受け付け、
前記送信側無線設定部は、前記入力部が無線設定の解除を指示する入力を受け付けた場合、通信相手として登録済みの前記第1の家電機器の登録を解除し、前記第1の家電機器へ無線設定の解除を通知する解除通知を送信し、
前記受信側無線設定部は、前記解除通知を受信すると、送信元の前記第2の家電機器の通信相手としての登録を解除する、
ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項22】
前記受信側無線設定部は、電源が投入されてから所定の時間内に電源が再投入された場合に、通信相手として登録済みの前記第2の家電機器の登録を解除し、前記第2の家電機器へ無線設定の解除を通知する解除通知を送信し、
前記送信側無線設定部は、前記解除通知を受信すると、送信元の前記第1の家電機器の通信相手としての登録を解除する、
ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項23】
前記受信側無線設定部は、前記解除通知を、前記再投入の後に前記第2の家電機器から無線アクセスがあった場合に送信する、
ことを特徴とする請求項22に記載の家電機器システム。
【請求項24】
前記第1の家電機器は、自身が無線設定モードであることをLEDまたはブザーを用いて外部へ通知する、ことを特徴とする請求項1〜23のいずれか1つに記載の家電機器システム。
【請求項25】
第1の家電機器と、前記第1の家電機器と無線通信を行う第2の家電機器と、を備える家電機器システムにおける無線設定方法であって、
前記第2の家電機器が、無線通信を行うために通信相手を登録する無線設定処理の開始を指示する入力を受け付ける入力ステップと、
前記第2の家電機器が、前記入力部が無線設定処理の開始を指示する入力を受け付けた場合、無線設定処理の開始を要求する無線設定要求を送信し、前記第1の家電機器に関する無線設定処理を実施する送信側無線設定ステップと、
前記第1の家電機器が、電源投入後に無線設定要求を受け付ける無線設定モードへ移行し、無線設定モードでは前記第2の家電機器から無線設定要求を受信すると前記第2の家電機器に関する無線設定処理を実施し、前記第2の家電機器を通信相手として登録した後は無線設定モードを終了する受信側無線設定処理ステップと、
を含む、ことを特徴とする無線設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−156691(P2012−156691A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12944(P2011−12944)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】