容器、及び当該容器の回収装置
【課題】空き缶等の資源ごみを大量に回収可能であり、且つ消費電力を抑えた回収装置の提供。
【解決手段】本発明は、下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置である。そして、本発明の回収装置は、容器本体回収ボックスと、搬送手段とを備える。容器本体回収ボックスは、容器本体を積層状態で回収するボックスであり、搬送手段は、回収装置に備えた容器本体挿入口から、容器本体回収ボックスまで容器本体を搬送することを特徴とする。
【解決手段】本発明は、下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置である。そして、本発明の回収装置は、容器本体回収ボックスと、搬送手段とを備える。容器本体回収ボックスは、容器本体を積層状態で回収するボックスであり、搬送手段は、回収装置に備えた容器本体挿入口から、容器本体回収ボックスまで容器本体を搬送することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶飲料及びPETボトル等の容器及び、当該容器を回収する回収装置に関する。特に容器の蓋部と容器本体とを取りはずし可能とすることで、空の容器(例えば缶飲料)の回収を効率よく行うことが可能な容器及び、当該容器の回収装置である。
【背景技術】
【0002】
現在缶飲料として下記特許文献1に開示の缶飲料を回収する装置(以下回収装置)が知られている。当該缶飲料(以下空き缶)の回収装置は、回収の際に、できるだけ多くの空き缶を一度に回収するために、空き缶1個当たりの容積を小さくする必要がある。そのため、缶の上下方向又は、横方向からプレス機で圧力をかけて上下方向又は、側面を押し潰して回収可能な空き缶の個数を増加させている。ここで、回収可能な空き缶の個数を増加させるためには、空き缶を完全に押しつぶす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−303038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来技術に記載の缶飲料の回収装置は、空き缶を押しつぶすためのプレス機を備える必要があった。上記従来技術のプレス機で空き缶を完全に潰そうとする場合、空き缶の上下方向に押圧力を加えようとすると、缶の胴部が支えとなって、簡単に潰すことができない。又は空き缶の側面方向に押圧力を加えて空き缶を潰そうとすると、蓋部の強度のために簡単に潰すことができない。このように、空き缶を完全に潰すためには、非常に大きな押圧力が必要となり、このため、プレス機も大掛かりなものとなり、消費電力も増大するという問題があった。そのため、回収装置が大掛かりになり、電気代もかかるため、自動販売機の設置者が、自動販売機に隣接させて従来の空き缶回収装置を積極的に配置させることを好まなかった。
【0005】
一方、多くの空き缶を回収可能な回収装置を自動販売機に隣接させて設置させることができれば、空き缶等をごみとしてではなく、資源(以下資源ごみ)としてより多く回収できる。したがって、大掛かりなものでなく、消費電力も抑えた空き缶回収装置が要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するための本発明は、下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置である。そして、本発明の回収装置は、容器本体回収ボックスと、搬送手段とを備える。容器本体回収ボックスは、容器本体を積層状態で回収するボックスであり、搬送手段は、回収装置に備えた容器本体挿入口から、容器本体回収ボックスまで容器本体を搬送することを特徴とする。
【0007】
回収の際の回収箱の容量を一定とした場合、従来のように缶等を潰して回収するよりも、積層状態で回収する方が全体の回収量が多くなる。空き缶を潰した場合、その大きさが各空き缶によって異なるため、空き缶全体を回収したときに生じる隙間が全体として多くなる。一方、積層状態で空き缶を回収する際に生じる隙間は一定となり、全体として生じる隙間も潰したときと比較して小さくなるからである。本発明者らは以上の事実を初めて認識し本発明に到達した。
【0008】
上記の構成のように、容器本体の形状が、下方に向かうに従って先細に形成されていると、搬送手段が上記容器本体を容器本体回収ボックスまで搬送し、容器本体回収ボックスにて、容器本体が積層状態で回収することができる。従って、資源ごみである容器本体を従来より多く回収することが可能となる。
【0009】
上記の構成において、搬送手段が、容器本体を吸引するブロアと、搬送ホースとを更に備えることが望ましい。ここで、搬送ホースは、ブロアで吸引された容器本体を容器本体回収ボックスに導入するものである。この構成によれば、ブロアにより搬送ホース内に空気の循環が発生することで、缶等をより簡単に積層状態で回収することが可能となる。
【0010】
上記の構成において、容器本体回収ボックスが、容器本体を積層状態で回収可能な複数の領域に区切られ、搬送ホースが、回収ボックス内の一の領域に容器本体を導入し、搬送ホースを移動するホース移動手段を更に備えることが望ましい。容器本体回収ボックスの上端に枡目状のレールを配置する。そして、ホース移動手段は、当該レールに沿って搬送ホースを移動させる。回収ボックスを複数の領域に分けることで、より多くの缶等の資源ごみを回収可能となる。
【0011】
上記の構成において、容器本体挿入口の近傍で搬送ホースを一旦下方に屈曲させ、再度上方に屈曲させる。そして、当該屈曲させた谷となる部分に容器本体の残留物を回収する残留物回収手段を備えると、缶等を回収しながら、容器本体の残留物を上記残留物回収手段で回収することが可能となる。
【0012】
上記回収装置は外部から視認可能なように構成することができる。すなわち、回収装置の前面側から容器本体回収ボックスに回収された容器本体が視認可能なように、回収装置の少なくとも一部及び、容器本体回収ボックスの少なくとも一部を、透光性を有する部材から構成すると、容器本体が、容器本体回収ボックスに回収される様子が回収装置の外から視認できる。このように、外部から認識可能とすることにより、整列された状態で回収された資源ごみが認識できることで、資源ごみを回収しようというユーザの意識も高まることになる。
【0013】
上記の構成において、容器本体挿入口から容器本体回収ボックスに至るまでのいずれかの位置に、容器本体を一定の方向に揃える方向整列手段を備えると、容器本体を一定の方向で容器本体回収ボックスに積層した状態で回収させることが可能となる。容器本体回収ボックスにおいては、一定の方向で回収されればよく、容器本体の底部を下にした状態で回収されるだけではなく、容器本体の上部を下にした状態で回収しても構わない。
【0014】
上記の構成において、容器本体回収ボックスに容器本体以外の固形物が混入したか否か判断する判断手段を更に備える構成を採用する。そして、固形物が混入された場合に、ホース移動手段が搬送ホースを移動させることで、固形物が混入された場合に、容器本体が当該固形物の上に多層に積層して不安定になる事態を防ぐことができる。
【0015】
上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えた缶容器は容器本体に液密且つ離脱可能に嵌合される蓋部を備える。そして当該蓋部には飲み口が備わり、更に、蓋部周縁を破断可能な破断線を蓋部に備え、破断線が破断することで蓋部が離脱容易となることを特徴とする。上記破断線は、蓋部の一端縁近傍をまず破断し、続いて蓋部周縁を破断する構成を採用することができる。
【0016】
更に、上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えたボトル容器は、ボトル容器の蓋部と容器本体の境界付近に、当該蓋部と容器本体を分離可能な破断線を備える。そして、破断線が破断することで蓋部と、容器本体が離脱することを特徴とする。
【0017】
上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えた別の形態のボトル容器は、飲み口を備えるとともに、容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備える。そして、蓋部に、容器本体に嵌合するための嵌合部を備えたことを特徴とする。更に、容器本体と蓋部にネジ部を備え、当該容器本体と蓋部が螺着することが望ましい。
【0018】
上記の構成であれば、破断線を破断することで、簡単に蓋部と容器本体を離脱させることができるので、上記容器本体を回収装置で回収することが可能となる。更に、上記の構成において、破断線の破断を容易にするタブを蓋部に備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の回収装置によると、容器本体の形状を下方に向かうに従って先細に形成することで、当該容器本体を積層状態で回収することが可能となる。積層状態で回収することで、従来のように缶等を潰して回収する方法に比べて、缶を潰す装置が不要となることで、装置を小さく且つ、使用電力も抑えることができる。更に、回収容器の容量が同じであれば、積層状態で回収する方が、潰して回収するよりも多くの缶を回収することが可能となる。従って、本発明の回収装置を従来の自動販売機の隣に設置することで、より多くの資源ごみを回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能な缶容器の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能な缶容器の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能なボトル容器の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能なボトル容器の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る回収装置の正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回収装置の側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回収装置の上面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回収装置に備えた搬送ホースの移動機構を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回収装置の側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る回収装置の正面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る回収装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る回収装置の機能ブロック図である。
【図13】本発明の実施形態に係る回収装置の容器本体回収時の処理のフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係る回収装置の容器本体回収時の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(缶容器又はPETボトル)
以下に、本発明の缶容器又は、PET(poly−ethylene terephthalate)からなるボトル(以下PETボトル)の構成を説明する。図1は、本発明の缶容器100の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0022】
図1に示すように、本発明の缶容器100は、容器本体110と蓋部120を備える。ここで、図1(B)は、容器本体110を側面視した場合の図である。図1(B)に示すように、容器本体110は、側面の形状が下方に向かうに従って先細に形成される。容器本体110をこのように、先細に形成するのは、当該容器本体110を後述のように積層状態で回収するためである。従来のように空き缶等を上下又は側面方向に潰してから回収するよりも、本発明のように蓋部120と容器本体110に分けてから容器本体110を積層状態で回収する方が回収量は多くなることを本発明の発明者が初めて認識した。空き缶を潰した場合、その大きさが各空き缶によって異なるため、空き缶全体を回収したときに生じる隙間が全体として多くなる。一方、本発明のように積層状態で空き缶(容器本体110)を回収する際に生じる隙間は一定となり、全体として生じる隙間も、潰したときと比較して小さくなりその分回収量も多くなるのである。
【0023】
上記容器本体110は、側面と底面を別々に形成した後、円錐台状に形成した側面の下部開口端(開口縁部)に上記底面がかしめ固定されることになる。なお、容器本体110の上端開口部(上端周縁)は、そのままでもよいが、本実施例では直接口をつけても安全なような構成(例えば、容器本体110の開口端部を丸めてカール部111が成形される)がされている。後述のように容器本体110を積層状態で回収する際に、十分な高さまで積層できるように、上記構成(例えば上記カール部)は充分薄くすることが望ましい。更に、容器本体110の側面は円形状に形成する必要はなく、後述のように、容器本体同士を重ねることができるような(多層に積層可能な)形状であれば、その形状は任意である。
【0024】
上記のように形成した容器本体110に、内容物(例えば、コーヒ等の液体飲料)が充填された後、蓋部120が取り付けられることになる。本実施例では、当該蓋部120の外周縁を上記容器本体110のカール部111に巻き込むことによって、蓋部120と容器本体110を固定させる構成を採用する。なお、カール部111を形成しない場合は、蓋部120の外周縁を直接容器本体110の上端開口部にかしめ固定することになる。
【0025】
上記蓋部120には、公知のプルタブ(引っ張ることによって缶を開放(飲み口を形成)できるタブを言う。以下同じ。)を備える(以下この方式の缶をプルトップ式缶と称する)。
【0026】
このプルトップ式缶は、図1(A)に示すように、蓋部120に略ループ状の飲み口用破断線122が周囲に形成される蓋片部123を設け、この蓋片部123にその先端部126が上方から重なるようにプルタブ125を配置し、リベットからなる支点ピン127を介してプルタブ125を蓋部120に固着している。
【0027】
上記プルタブ125が蓋部120から離脱される方式を採用しても構わないが、本実施例では、蓋片部123を開けて飲み口を形成した場合でも、蓋片部123やプルタブ125が蓋部120から離脱されないSOT(Stey On Tab)式を採用する。この形式のものでは飲み口用破断線122が一部不連続となっており、飲み口を形成した場合でも蓋片部123が蓋部120に接続されたままとなる。なお、図1に示すプルタブ125には指引掛け孔128が形成される。
【0028】
このようなプルトップ式の缶を開ける際には、図1(C)に示すように、プルタブ125の後端部129と蓋部120との間に指先を挿入し、プルタブ125を引き上げる。すると、プルタブ125の先端部126が蓋片部123の支点ピン127近傍箇所に当接してこの箇所が破断される。更に、プルタブ125からの押し下げ力が加えられることで、飲み口用破断線122に沿って切り込み部分が拡大して蓋片部123が押し込まれ、飲み口が形成される。ユーザは上記飲み口から内容物であるコーヒー等を飲むことができる。
【0029】
更に、本発明の蓋部120は、上記容器本体110に取り外し可能に取り付けられている。例えば、図1(A)、に示すように、容器100から上記プルタブ125を取り外すことにより切取開口部が形成されるような(例えば、上記蓋部外周縁を破断するような)、直線又は、曲線状の蓋部取り外し用破断線130を蓋部120に設ける。当該蓋部取り外し用破断線130は、プルタブ125の先端部126から蓋部120外周縁までの例えば2本の直線又は曲線部分を破断するためのものである。このうち、1本が蓋部120の外周縁を完全に破断し、残りの1本が外周縁の直前までを破断する。このようにすることで、蓋部120の外周縁の一部が破断されても、プルタブ125が破断片131(図1(D)参照)を介して蓋部120と接続されたままであるので、プルタブ125を引くことで、蓋部120を容器本体110から剥がすことが可能となる。
【0030】
蓋部120と容器本体110とを離脱させるときは、図1(D)、(E)、(F)に示すように、まず、上記プルタブ125を蓋部120の縁部方向(蓋部取り外し用破断線130に沿って)に引くことにより、蓋部120の縁部までが破断され、蓋部120の外周縁の一部128が容器本体110から外れる。すなわち、容器本体110のカール部に巻き込まれている蓋部120の外周縁の当該カール部の巻き込みが一部はずれる。続いて、上記プルタブ125を左右どちらかの方向(蓋部120周囲に沿う方向)に引くことにより、容器本体110のカール部に巻き込まれている蓋部120の外周縁が外れ、蓋部120が容器本体110と離脱することになる。
【0031】
上記容器本体110と上記蓋部120とが離脱する構成は任意であり、例えば以下のような構成も考えられる。
【0032】
すなわち、図2に示すように、上記容器本体110の開口端部に公知の方法で蓋部をかしめ固定させる。そして、蓋部取り外し用破断線130をプルタブ125の先端部126から蓋部120内周縁までの直線又は曲線部分と、蓋部120の内周縁の部分とで構成し、両者を破断可能にする。
【0033】
蓋部120と容器本体110とを離脱させるときは、まず、上記プルタブ125を蓋部120の縁部方向(蓋部取り外し用破断線130に沿って)に引くことにより、蓋部120の内縁部までが破断される。続いて、上記プルタブ125を左右どちらかの方向(蓋部120の内周縁方向)又は、上方に引くことにより、蓋部取り外し用破断線130に沿って内周縁が破断され、容器本体110と蓋部120とが離脱することになる。
【0034】
その他の構成として、上記容器本体110の上端外周部に雄ネジを形成し、上記蓋部120内周部に上記雄ネジ部と着脱自在に螺合できる雌ネジを形成する。そして、容器本体110と蓋部120とを螺合することで、容器本体110から蓋部120を取り外す構成が採用できる。
【0035】
図3は上記容器本体110を備えたボトル容器200の概略模式図である。本実施例では、ボトル容器200はPETを使用して形成するが、取り外し可能な蓋部120が形成されるのであれば、その材質には特に限定されない。
【0036】
まず、下方に向かうに従って先細に形成された容器本体110の成型用金型を用いて、容器本体110を形成する。容器本体110の成型には、公知の射出成型機(図示しない)を用いることはいうまでもない。容器本体110の上端開口部を加工せずに蓋部120をかしめ固定する構成を採用してもよいが、本実施例では、上記容器本体110の上端開口部に直接口をつけても安全なような構成(例えば、上記上端開口部の外周に、端部に丸みをつけたフランジ220が形成される)がなされる。
【0037】
更に、上記容器本体110に蓋部120が離脱可能に装着される。例えば、蓋部120の成型用金型を別に作成し、上記公知の射出成型機を用いて、蓋部120を形成する。蓋部120の下方開口端には、容器本体110の上端開口端の内径と等しい外径の嵌合部230を備え、当該嵌合部230で上記容器本体110と嵌合させる。
【0038】
また、公知のPETボトルと同じように、当該蓋部120の上端開口端の外周部(飲み口に相当する)には、雄ネジが形成される。そして、上端開口部を液密に閉塞するためのキャップ201内周に、当該雄ネジに対応する雌ネジが形成される。
【0039】
そして、上記容器本体110に、蓋部120が装着される。このとき、上記蓋部120は、上記容器本体110に取り外し可能且つ、液密に装着されることになる。例えば、図3(B)に示すように、蓋部120の下方側開口端と容器本体110の上方側開口端とを液密のテープ210で接着固定する構成が採用できる。上記液密のテープ210を剥がすことで、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。更に、上記液密のテープ210の剥離を容易にするタブを設けて、当該タブを引っ張ることで、容器本体と蓋部が破断する構成を採用することもできる。
【0040】
上記容器本体110と上記蓋部120とが離脱する構成は任意であり、例えば以下のような構成も考えられる。
【0041】
例えば、図3(C)に示すように、容器本体110と、蓋部120を別々に成形し、容器本体110の開口部外周に雄ねじ240を一体成型する。更に、蓋部120の下方側開口部内周に、上記雄ねじ240に対応する雌ねじ250を一体成型する。そして、容器本体110にコーヒー等の内容物を充填後、蓋部120を上記ねじで嵌合する構成を採用する。上記蓋部120と容器本体110を捻り、上記雄雌ねじの嵌合が外れて、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。
【0042】
その他の構成として、図4に示すように容器本体に相当する部分が、下方に向かうに従って先細にしたボトル容器200(PETボトル)を公知の方法で形成する。当該ボトル容器200には、蓋部120と容器本体110に対応する部分(境界部分)に凹部状の破断線235(樹脂の厚みを薄くした部分)を一体成形する。図4(C)に示すように、PETボトルの蓋部120と容器本体110との境界を曲げることで、上記破断線235が破断し、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。なお、破断線235上に上記テープ210で接着固定してもよい。
(容器本体回収装置)
【0043】
次に、図面を参照して、本発明の缶容器100又はボトル容器200(以下単に容器と称する)を回収するための回収装置300を説明する。図5は、本発明の回収装置300の正面図、図6は側面図、図7は上面図である。更に、図8、図9は、後述の残留物廃棄手段を備えた場合の正面図及び、側面図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0044】
ユーザが本発明の回収装置300を利用して上記容器を捨てる(回収装置に回収させることを意味する)場合、容器を容器本体110と、蓋部120に分離して、上記容器本体110を図5に示す容器本体挿入口330に投入する。容器本体挿入口330は、容器本体110の底部から挿入しやすいような構成を採用する。例えば、図5に示すように、上記容器本体挿入口330の一部をゴムで形成し、容器本体110を挿入する際に、上記容器本体挿入口330のゴム部分に容器本体の底部を挿入し、挿入した容器本体110を押し込める構成を採用する。なお、上記容器本体110の挿入方向は一定の方向で挿入されるのであれば、容器本体110の上部から挿入される構成を採用してももちろん構わない。その場合には、容器本体110の上下を変更する公知の方向整列手段を上記容器本体挿入口330から後述の容器本体回収ボックス320に至るまでのいずれかの位置に備えてもよい。若しくは、容器本体110の上部を下にした状態で容器本体回収ボックス320内に容器本体110が積層される構成を採用しても構わない。
【0045】
上記のように、容器本体挿入口330より容器本体110が挿入されると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、開口部が底部よりも大きい上部を開口した円錐台形の容器本体110が、多数個積層された状態で回収される。なお、以下では簡単のために、上面視円形状の容器本体110を回収する処理について記載するが、上記容器本体110の上面視の形状は円形状だけでなく、積層可能な多角形状であっても構わない。
【0046】
即ち、図6に示すように、本実施の形態の回収装置300は、容器本体回収ボックス320と、当該容器本体回収ボックス320の上方に設けられる搬送ホース330と、当該搬送ホース330を容器本体回収ボックス320上の所定箇所(後述する)まで移動させるホース移動手段340と、上記搬送ホース330内に所定方向の空気の流れを発生させる空気循環手段370を備える。なお、上記搬送ホース330と空気循環手段370が、容器本体を搬送する搬送手段に相当する。
【0047】
容器本体回収ボックス320は、収容された容器本体110を回収するためのボックスである。図8に示すように、所定の大きさの容器本体回収ボックス320に対して、複数の区切板(図示せず)を用意する。当該区切板を用いて、上記容器本体回収ボックス320を複数の領域(例えば枡目形状)に区分けする。当該領域の大きさは、回収される容器本体110が積層状態で収容可能であればその数は任意である。本実施例では、縦横それぞれ4つの領域に区切り、合計16の領域に区分けした。上記のように区分けされた容器本体回収ボックス320の各領域に積層された状態で容器が回収されることになる。
【0048】
後述のように、上記容器本体回収ボックス320の各領域には空気循環手段370により、上下方向に空気の流れが発生する。したがって、容器本体回収ボックス320の底部付近には、上記空気の流れを逃がすために、一カ所若しくは複数個所の空気孔321が設けられる。更に、上記容器本体回収ボックス320を移動可能にするためのキャスタ323が所定個(例えば底部の4隅)に設けられる。なお、上記容器本体回収ボックス320(仕切り板を含む)は、ユーザがボックスの様子を視認可能なように、透明の部材(少なくとも一部を透光性を有する部材)で形成されることが望ましい。
【0049】
上記容器本体挿入口330から上記容器本体回収ボックス320の各領域まで容器本体110を搬送するのが、図6に示す搬送手段(搬送ホース330と空気循環手段370を備える)である。図6に示すように、上記搬送ホース330の内径は、容器本体110の外径(もちろん最大外径のことを示す)より大きいことが必要である。更に、空気循環手段370(ブロア)の電源オンから、直ぐに空気の流れが発生するように、搬送ホース330の内径はできるだけ小さいほうが望ましい。
【0050】
後述のように、搬送ホース330はホース移動手段340によって移動するため、本実施例では、形状を変化させ易い蛇腹状に上記搬送ホース330を形成する。
【0051】
上記容器本体回収ボックス320の各領域に上記搬送ホース330を移動させるのがホース移動手段340である。当該ホース移動手段340が上記搬送ホース330を上記容器本体回収ボックス320の各領域まで移動する方法は、例えば、クレーンゲーム機に用いられる方法を使用することができる。
【0052】
本実施例では、ホース移動手段340は公知のゲーム機に用いられる景品を把持するためのアームの移動機構を使用(適用)する。なお、本発明では上記アームに代えて搬送ホースが移動することはいうまでもない。
【0053】
ここで、ホース移動手段340は、搬送ホース330(図8には搬送ホースは図示せず)を支持する複数のホース支持体342(本実施例では3本で支持させる)を移動させるためのホース支持体移動モータ(図示せず)及び、上記ホース支持体342上に搬送ホース330を移動させるためのホース移動モータ(図示せず)とが備えられる。なお、ホース支持体342は、支持部材343で搬送ホース330の所定箇所を吊下げている。
【0054】
そして、上記ホース支持体342をスライド可能に支持する枠体(上部レール341)が上記容器本体回収ボックスの上方に設けられる。例えば、図8に示すように、上記容器本体回収ボックス320の上端の4辺(最も外側の辺を指す)の内、平行な2辺と平行に上部レール341を設ける。そして、当該上部レール341にホース支持体342がスライド可能に支持される構成(例えば、ホース支持体342の両端に駆動輪を設け、当該駆動輪を上部レール341に支持させる)を採用する。
【0055】
更に、上記容器本体回収ボックス320の上端には、上記ホース支持体342が容器本体回収ボックス320の各領域に確実に配置されるための下部レールが設けられる。当該下部レールは、上記容器本体回収ボックスの上端の枡目に設けられる枡目レール350を使用することができる。上記枡目レール350上に搬送ホース330の出口部分(容器の排出口に相当する)が配置されることになる。例えば、搬送ホース330の出口部分に出口支持体345(容器を排出可能なように、出口支持体345には搬送ホース330の出口部分に対応する孔346が形成される)を備える。そして、上記出口支持体345の下部にキャスタ347を設けて、当該キャスタ347で上記枡目レール350上を出口支持体345が移動する構成を採用する。
【0056】
平面的位置決め操作は、上記ホース支持体移動モータに連結される駆動伝達機構により行われる。まず、ホース支持体移動モータにより、ホース支持体342が、容器本体回収ボックス320上部に設けた上部レール341に沿って移動する。更に、上部レール341に直交する方向への移動は、上記ホース移動モータが、ホース支持体342に沿って上記搬送ホース330を移動させることで、搬送ホース330の出口部分の位置決めが成される。なお、上記搬送ホース330の移動機構の内、ベルト部材、プーリ等移動機構に通常設けられるその他の部品の説明と図示は省略している。
【0057】
上記搬送ホース330は上記枡目レール350上に安定に支持されるように構成される。例えば、上記容器本体回収ボックス320の各領域に対応する上記枡目レール350上の矩形状の各孔部を囲う各4隅に凹部351を設け、当該凹部351で搬送ホース330の出口部分に設けた出口支持体345のキャスタ347を一旦保持する構成を採用することができる。ここで、一定以上の力で上記搬送ホース330が移動すると、凹部351に保持されたキャスタ347が移動するように構成されている。なお、上記容器本体回収ボックス320に設けられる領域が一つのみであれば、上記搬送ホース330を移動させるホース移動手段340は不要であることはいうまでもない。
【0058】
上記搬送ホース330内に所定の方向の空気の流れを発生させるのが図6に示す空気循環手段370(ブロア)である。この空気循環手段370は、搬送ホース330の入り口(容器本体110の挿入口に相当する)から出口へ空気が循環するように構成されるのであれば、その循環方法は任意である。本実施例では、図6の矢印に示すように、ブロア370の空気排出口371を上記搬送ホース330の入り口付近に挿入する。そして、上記ブロア370の空気吸引口372を上記容器本体回収ボックス320の底部付近に挿入する。上記のように構成することで、搬送ホース330の入り口から出口方向及び、容器本体回収ボックス320の底部へと空気を循環させることが可能となる。なお、上記ブロア370、搬送ホース330、容器本体回収ボックス320間は、気密性を確保させた上で接続されていることは言うまでもない。更に、後述の残留物廃棄ボックス700近傍には、ブロア370、搬送ホース330、容器本体回収ボックス320との間の気密性を確保するために壁380を形成することが望ましい。
【0059】
図9に示すように、搬送ホース330入り口から上記容器本体回収ボックス320までの位置に、容器本体110中の残留物を捨てるための残留物廃棄手段を備える構成を採用することができる。この残留物廃棄手段は、容器本体に残った液体や固形物を回収ための手段である。例えば、搬送ホース330を一旦下方に屈曲させて、更に上方に屈曲させる(すなわち、搬送ホース330の当該屈曲部に谷部が形成される)。そして、当該屈曲部の谷部に残留物廃棄手段(例えば残留物廃棄ボックスへ700の導入路701)を接続する構成を採用することができる。
【0060】
更に図10には、蓋部120を回収するための蓋部回収ボックス800及び、蓋部投入口810が更に設けられる構成を採用される。容器から分離された蓋部120が、ユーザによって蓋部投入口810から投入されると、所定の傾斜を有する蓋部導入路820を介して、蓋部120が蓋部回収ボックス800に回収されるようになっている。
【0061】
次に、図11を用いて、本発明の回収装置300の制御系ハードウェアの構成を説明する。図11は、当該回収装置300における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0062】
回収装置300の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、HDD(Hard Disk Drive)904、各駆動部に対応するドライバ905を内部バス906によって接続している。上記CPU901は、例えば、RAM903を作業領域として利用し、上記ROM902、HDD904等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ905と操作部からのデータ、指示を授受し、上記図に示した各駆動部等の動作を制御する。
(容器本体回収時の処理1)
【0063】
次に本発明の回収装置300の容器本体回収時の処理について図面を参照しながら説明する。図12は、本発明の回収装置300の機能ブロック図、図13は、本発明の回収装置300の容器本体回収時の処理を示すフローチャートである。なお、図13に示すSは、ステップを意味する。
【0064】
まず、本発明の容器を捨てたいユーザは、容器の蓋部120に備えた破断線130を破断することで、容器本体110と蓋部120とを離脱させる。なお、ユーザは、容器本体110と蓋部120を離脱させてから容器本体110の内容物を飲食することも可能である。ユーザは、蓋部120と離脱させた容器本体110を回収装置300の上部に備えた容器本体挿入口310に挿入する。このとき、容器本体110は、その底部から挿入されることになる。
【0065】
上記のように、回収装置300の容器本体挿入口310に容器本体110が挿入されると、容器本体挿入口310に設けたセンサ(挿入検知手段1000)が、当該容器本体110の挿入を検知する(図13:S101)。挿入検知手段1000は、上記容器本体110が挿入された旨をブロア制御手段1010に通知する。これを受けて、ブロア制御手段1010は、ブロア370を作動させることで(図13:S102)、搬送ホース330内に空気の流れが発生する。
【0066】
上記のように、ブロア制御手段1010がブロア370を作動させ、空気の流れが発生すると、容器本体110が搬送ホース330を介して、容器本体回収ボックス320に回収されることになる。その際、容器本体110に残留物(飲み残しの液体や固形物等を称する)が存在すると、残留物廃棄ボックス700に回収されることになる。
【0067】
なお、上記搬送ホースは、容器本体回収ボックス320の一の領域上に配置されており、搬送された容器本体110は、搬送ホース330を介して所定時間内に容器本体回収ボックス320の当該一の領域内に回収される。
【0068】
ブロア制御手段1010によるブロア370の作動から所定時間経過(容器本体110が容器本体回収ボックス320に回収されるのに十分な時間が経過)すると(図13:S103YES)、ブロア制御手段1010はブロア370の作動を停止する(図13:S104)。ブロアの作動が停止すると、判断手段1030が現在回収している容器本体回収ボックス320の一領域に容器本体110が所定量回収されたか否かを判断する(図13:S105)。
【0069】
例えば、搬送ホース330の出口部分から回収された容器本体110(最上段に回収されている容器本体110の底部又は上端部が計測される)までの距離を測定する容器センサ1020を搬送ホース330の出口付近に設ける。そして、上記判断手段1030は、上記容器センサ1020の測定した距離が予め定めた所定距離を超えると、当該領域内の容器本体110が所定量回収されたと判断する構成を採用することができる。
【0070】
上記領域内に容器本体110が所定量回収された場合(図13:S105YES)、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320内に空の領域があるか否かを判断する(図13:S106)。例えば、予め搬送ホース330の移動経路及び、移動方向を決定しておく。例えば、搬送ホース330が現在配置されている領域の情報と移動方向及び、次の領域への移動経路を関連付けて記憶手段1040に記憶させる。ここで、移動方向とは、移動経路を正逆どちらの方向に移動しているかを示す情報である。更に、搬送ホース330が最後に移動する領域(上記移動方向に対応して2カ所存在することになる)も記憶手段1040に記憶させる。
【0071】
判断手段1030は、搬送ホース移動制御手段1050から搬送ホース330の現在位置及び、移動方向を取得し、取得した現在位置から、次に移動可能な領域が存在するか否かを判断する。そして、判断手段1030は、次の領域への移動経路が存在する場合、容器本体回収ボックス320に空の領域があると判断する。
【0072】
上記のように、空の領域が存在する場合(図13:S106YES)、判断手段1030は、搬送ホース330を移動する旨を搬送ホース移動制御手段1050に通知する。これを受けて、搬送ホース移動制御手段1050は、搬送ホース330を現在の位置から次の位置まで移動させることになる(図13:S107)。
【0073】
一方、搬送ホース330の現在位置が、最後に移動する領域である場合、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320に、空の領域がないと判断する(図13:S106NO)。この場合、判断手段1030は、回収装置300の正面に備えた表示部に容器本体回収ボックス320の交換を促する旨を表示する(図13:S108)。
【0074】
一方、判断手段1030が現在回収している容器本体回収ボックス320の一領域に容器本体110が所定量回収されたか否かを判断した結果、容器本体110が所定量回収されていない場合には、回収装置300の処理を終了する(図13:S105NO→END)。
(容器本体回収時の処理2)
【0075】
上記容器本体回収時の処理1では、容器本体回収ボックス320の一領域(現在の位置)に容器本体が所定量回収された場合、搬送ホース330が次の位置の領域まで移動する構成を採用した。これに対して、容器本体110以外の固形物(残留物廃棄手段700で回収される固形物は除く)が容器本体挿入口310から挿入された場合に、搬送ホース330が次の位置の領域まで移動する構成を採用することもできる。図14において、ステップS201からS205は、図13のS101からS105と同じであるので説明を省略する。なお、容器本体が潰された状態で(例えばユーザによって潰される場合を想定している)、回収装置300に挿入された場合も上記固形物とする。
【0076】
上記の場合、ステップS205にて容器本体回収ボックス320の一の領域に容器本体110が所定量回収されたか否か判断した後に、以下のようにして上記容器本体110以外の固形物が挿入されたか否か判断する。
【0077】
まず、搬送ホース330の出口付近に備えた容器センサ1020が、搬送ホース330出口から最上段の容器本体110までの距離を計測する。当該距離は図示しない距離記憶手段に記憶させる(図14:S206)。上記距離記憶手段には、上記容器センサ1020が直前に計測した距離情報が蓄積されており、判断手段1030は、上記距離記憶手段に記憶された直前の距離と、今回計測した距離との差分から、容器本体110に上記固形物が挿入されたか否かを判断する(図14:S207)。ここで、予め定められた形状の容器本体110が積層されたのであれば、上記差分は所定の範囲内である。したがって、判断手段1030は、上記差分が所定の範囲内であるか否かによって、容器本体110に上記固形物が挿入されたと判断することが可能となる。
【0078】
ここで、容器本体110に固形物が挿入された場合、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320の領域に空の領域(次の領域)が存在するか否か判断し(図14:S208)、次の領域が存在すると(図14:S208YES)、搬送ホース330を次の領域に移動させる旨を搬送ホース移動制御手段1050に通知する(図14:S209)。上記通知の後、判断手段1030は、距離記憶手段に記憶された距離情報を消去することになる(図14:S210)。
【0079】
次の領域が存在しない場合(図14:S208NO)、判断手段1030は、回収装置300の表示部に容器本体回収ボックス320の交換を通知する旨を表示する(図14:S211)。この場合も、判断手段は、距離記憶手段に記憶された距離情報を消去することになる(図14:S212)。
【0080】
一方、上記距離記憶手段に記憶された直前の距離と、今回計測した距離との差分が所定の範囲内であれば、判断手段1030は、固形物は挿入されていないと判断し、処理を終了する(図14:S207NO→END)。
(その他)
【0081】
容器本体挿入口310に、容器本体110の底部からのみ挿入可能に構成することもできる。例えば、一対の半円形状部材を用意する。当該一対の半円形状部材の両端部同士を結合したときにできる円の内周を、容器本体110の上端周縁に設けたフランジ121の外円周よりも一回り小さな内周となるように構成する。上記のように構成すると、容器本体110の上部からの挿入は困難となり、ユーザは常に容器本体110の底部から容器本体を挿入することになる。
【0082】
そして、上記半円形状部材の両端部同士を所定の隙間を空けて離間できるように構成する。例えば、ソレノイド等による磁力を用いて上記両端部同士を離間させることができる。更に、上記半円状の部材同士が結合した円内に容器本体110が挿入されたか否か検知するセンサを容器本体挿入口に備える構成を採用する。当該センサが、容器本体110の挿入を検知すると、上記半円状の部材の両端部が離間することで容器本体110が搬送ホース330に搬送されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、容器本体の形状を下方に向かうに従って先細に形成することで、当該容器本体を積層状態で回収することが可能となる。積層状態で回収することで、従来のように缶等を潰して回収する方法に比べて、空き缶を潰す装置が不要となることで、装置を小さく且つ、消費電力も抑えることができる。更に、回収容器の容量が同じであれば、積層状態で回収する方が、潰して回収するよりも多くの缶を回収することが可能となる。従って、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0084】
100 容器
110 容器本体
120 蓋部
300 回収装置
310 容器本体挿入口
320 容器本体回収ボックス
330 搬送ホース
340 ホース移動手段
370 ブロア
700 残留物廃棄ボックス
800 蓋部回収ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶飲料及びPETボトル等の容器及び、当該容器を回収する回収装置に関する。特に容器の蓋部と容器本体とを取りはずし可能とすることで、空の容器(例えば缶飲料)の回収を効率よく行うことが可能な容器及び、当該容器の回収装置である。
【背景技術】
【0002】
現在缶飲料として下記特許文献1に開示の缶飲料を回収する装置(以下回収装置)が知られている。当該缶飲料(以下空き缶)の回収装置は、回収の際に、できるだけ多くの空き缶を一度に回収するために、空き缶1個当たりの容積を小さくする必要がある。そのため、缶の上下方向又は、横方向からプレス機で圧力をかけて上下方向又は、側面を押し潰して回収可能な空き缶の個数を増加させている。ここで、回収可能な空き缶の個数を増加させるためには、空き缶を完全に押しつぶす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−303038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来技術に記載の缶飲料の回収装置は、空き缶を押しつぶすためのプレス機を備える必要があった。上記従来技術のプレス機で空き缶を完全に潰そうとする場合、空き缶の上下方向に押圧力を加えようとすると、缶の胴部が支えとなって、簡単に潰すことができない。又は空き缶の側面方向に押圧力を加えて空き缶を潰そうとすると、蓋部の強度のために簡単に潰すことができない。このように、空き缶を完全に潰すためには、非常に大きな押圧力が必要となり、このため、プレス機も大掛かりなものとなり、消費電力も増大するという問題があった。そのため、回収装置が大掛かりになり、電気代もかかるため、自動販売機の設置者が、自動販売機に隣接させて従来の空き缶回収装置を積極的に配置させることを好まなかった。
【0005】
一方、多くの空き缶を回収可能な回収装置を自動販売機に隣接させて設置させることができれば、空き缶等をごみとしてではなく、資源(以下資源ごみ)としてより多く回収できる。したがって、大掛かりなものでなく、消費電力も抑えた空き缶回収装置が要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するための本発明は、下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置である。そして、本発明の回収装置は、容器本体回収ボックスと、搬送手段とを備える。容器本体回収ボックスは、容器本体を積層状態で回収するボックスであり、搬送手段は、回収装置に備えた容器本体挿入口から、容器本体回収ボックスまで容器本体を搬送することを特徴とする。
【0007】
回収の際の回収箱の容量を一定とした場合、従来のように缶等を潰して回収するよりも、積層状態で回収する方が全体の回収量が多くなる。空き缶を潰した場合、その大きさが各空き缶によって異なるため、空き缶全体を回収したときに生じる隙間が全体として多くなる。一方、積層状態で空き缶を回収する際に生じる隙間は一定となり、全体として生じる隙間も潰したときと比較して小さくなるからである。本発明者らは以上の事実を初めて認識し本発明に到達した。
【0008】
上記の構成のように、容器本体の形状が、下方に向かうに従って先細に形成されていると、搬送手段が上記容器本体を容器本体回収ボックスまで搬送し、容器本体回収ボックスにて、容器本体が積層状態で回収することができる。従って、資源ごみである容器本体を従来より多く回収することが可能となる。
【0009】
上記の構成において、搬送手段が、容器本体を吸引するブロアと、搬送ホースとを更に備えることが望ましい。ここで、搬送ホースは、ブロアで吸引された容器本体を容器本体回収ボックスに導入するものである。この構成によれば、ブロアにより搬送ホース内に空気の循環が発生することで、缶等をより簡単に積層状態で回収することが可能となる。
【0010】
上記の構成において、容器本体回収ボックスが、容器本体を積層状態で回収可能な複数の領域に区切られ、搬送ホースが、回収ボックス内の一の領域に容器本体を導入し、搬送ホースを移動するホース移動手段を更に備えることが望ましい。容器本体回収ボックスの上端に枡目状のレールを配置する。そして、ホース移動手段は、当該レールに沿って搬送ホースを移動させる。回収ボックスを複数の領域に分けることで、より多くの缶等の資源ごみを回収可能となる。
【0011】
上記の構成において、容器本体挿入口の近傍で搬送ホースを一旦下方に屈曲させ、再度上方に屈曲させる。そして、当該屈曲させた谷となる部分に容器本体の残留物を回収する残留物回収手段を備えると、缶等を回収しながら、容器本体の残留物を上記残留物回収手段で回収することが可能となる。
【0012】
上記回収装置は外部から視認可能なように構成することができる。すなわち、回収装置の前面側から容器本体回収ボックスに回収された容器本体が視認可能なように、回収装置の少なくとも一部及び、容器本体回収ボックスの少なくとも一部を、透光性を有する部材から構成すると、容器本体が、容器本体回収ボックスに回収される様子が回収装置の外から視認できる。このように、外部から認識可能とすることにより、整列された状態で回収された資源ごみが認識できることで、資源ごみを回収しようというユーザの意識も高まることになる。
【0013】
上記の構成において、容器本体挿入口から容器本体回収ボックスに至るまでのいずれかの位置に、容器本体を一定の方向に揃える方向整列手段を備えると、容器本体を一定の方向で容器本体回収ボックスに積層した状態で回収させることが可能となる。容器本体回収ボックスにおいては、一定の方向で回収されればよく、容器本体の底部を下にした状態で回収されるだけではなく、容器本体の上部を下にした状態で回収しても構わない。
【0014】
上記の構成において、容器本体回収ボックスに容器本体以外の固形物が混入したか否か判断する判断手段を更に備える構成を採用する。そして、固形物が混入された場合に、ホース移動手段が搬送ホースを移動させることで、固形物が混入された場合に、容器本体が当該固形物の上に多層に積層して不安定になる事態を防ぐことができる。
【0015】
上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えた缶容器は容器本体に液密且つ離脱可能に嵌合される蓋部を備える。そして当該蓋部には飲み口が備わり、更に、蓋部周縁を破断可能な破断線を蓋部に備え、破断線が破断することで蓋部が離脱容易となることを特徴とする。上記破断線は、蓋部の一端縁近傍をまず破断し、続いて蓋部周縁を破断する構成を採用することができる。
【0016】
更に、上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えたボトル容器は、ボトル容器の蓋部と容器本体の境界付近に、当該蓋部と容器本体を分離可能な破断線を備える。そして、破断線が破断することで蓋部と、容器本体が離脱することを特徴とする。
【0017】
上記の構成の回収装置で回収可能な容器本体を備えた別の形態のボトル容器は、飲み口を備えるとともに、容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備える。そして、蓋部に、容器本体に嵌合するための嵌合部を備えたことを特徴とする。更に、容器本体と蓋部にネジ部を備え、当該容器本体と蓋部が螺着することが望ましい。
【0018】
上記の構成であれば、破断線を破断することで、簡単に蓋部と容器本体を離脱させることができるので、上記容器本体を回収装置で回収することが可能となる。更に、上記の構成において、破断線の破断を容易にするタブを蓋部に備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の回収装置によると、容器本体の形状を下方に向かうに従って先細に形成することで、当該容器本体を積層状態で回収することが可能となる。積層状態で回収することで、従来のように缶等を潰して回収する方法に比べて、缶を潰す装置が不要となることで、装置を小さく且つ、使用電力も抑えることができる。更に、回収容器の容量が同じであれば、積層状態で回収する方が、潰して回収するよりも多くの缶を回収することが可能となる。従って、本発明の回収装置を従来の自動販売機の隣に設置することで、より多くの資源ごみを回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能な缶容器の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能な缶容器の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能なボトル容器の全体構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る回収装置で回収可能なボトル容器の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る回収装置の正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回収装置の側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回収装置の上面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回収装置に備えた搬送ホースの移動機構を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回収装置の側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る回収装置の正面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る回収装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る回収装置の機能ブロック図である。
【図13】本発明の実施形態に係る回収装置の容器本体回収時の処理のフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係る回収装置の容器本体回収時の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(缶容器又はPETボトル)
以下に、本発明の缶容器又は、PET(poly−ethylene terephthalate)からなるボトル(以下PETボトル)の構成を説明する。図1は、本発明の缶容器100の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0022】
図1に示すように、本発明の缶容器100は、容器本体110と蓋部120を備える。ここで、図1(B)は、容器本体110を側面視した場合の図である。図1(B)に示すように、容器本体110は、側面の形状が下方に向かうに従って先細に形成される。容器本体110をこのように、先細に形成するのは、当該容器本体110を後述のように積層状態で回収するためである。従来のように空き缶等を上下又は側面方向に潰してから回収するよりも、本発明のように蓋部120と容器本体110に分けてから容器本体110を積層状態で回収する方が回収量は多くなることを本発明の発明者が初めて認識した。空き缶を潰した場合、その大きさが各空き缶によって異なるため、空き缶全体を回収したときに生じる隙間が全体として多くなる。一方、本発明のように積層状態で空き缶(容器本体110)を回収する際に生じる隙間は一定となり、全体として生じる隙間も、潰したときと比較して小さくなりその分回収量も多くなるのである。
【0023】
上記容器本体110は、側面と底面を別々に形成した後、円錐台状に形成した側面の下部開口端(開口縁部)に上記底面がかしめ固定されることになる。なお、容器本体110の上端開口部(上端周縁)は、そのままでもよいが、本実施例では直接口をつけても安全なような構成(例えば、容器本体110の開口端部を丸めてカール部111が成形される)がされている。後述のように容器本体110を積層状態で回収する際に、十分な高さまで積層できるように、上記構成(例えば上記カール部)は充分薄くすることが望ましい。更に、容器本体110の側面は円形状に形成する必要はなく、後述のように、容器本体同士を重ねることができるような(多層に積層可能な)形状であれば、その形状は任意である。
【0024】
上記のように形成した容器本体110に、内容物(例えば、コーヒ等の液体飲料)が充填された後、蓋部120が取り付けられることになる。本実施例では、当該蓋部120の外周縁を上記容器本体110のカール部111に巻き込むことによって、蓋部120と容器本体110を固定させる構成を採用する。なお、カール部111を形成しない場合は、蓋部120の外周縁を直接容器本体110の上端開口部にかしめ固定することになる。
【0025】
上記蓋部120には、公知のプルタブ(引っ張ることによって缶を開放(飲み口を形成)できるタブを言う。以下同じ。)を備える(以下この方式の缶をプルトップ式缶と称する)。
【0026】
このプルトップ式缶は、図1(A)に示すように、蓋部120に略ループ状の飲み口用破断線122が周囲に形成される蓋片部123を設け、この蓋片部123にその先端部126が上方から重なるようにプルタブ125を配置し、リベットからなる支点ピン127を介してプルタブ125を蓋部120に固着している。
【0027】
上記プルタブ125が蓋部120から離脱される方式を採用しても構わないが、本実施例では、蓋片部123を開けて飲み口を形成した場合でも、蓋片部123やプルタブ125が蓋部120から離脱されないSOT(Stey On Tab)式を採用する。この形式のものでは飲み口用破断線122が一部不連続となっており、飲み口を形成した場合でも蓋片部123が蓋部120に接続されたままとなる。なお、図1に示すプルタブ125には指引掛け孔128が形成される。
【0028】
このようなプルトップ式の缶を開ける際には、図1(C)に示すように、プルタブ125の後端部129と蓋部120との間に指先を挿入し、プルタブ125を引き上げる。すると、プルタブ125の先端部126が蓋片部123の支点ピン127近傍箇所に当接してこの箇所が破断される。更に、プルタブ125からの押し下げ力が加えられることで、飲み口用破断線122に沿って切り込み部分が拡大して蓋片部123が押し込まれ、飲み口が形成される。ユーザは上記飲み口から内容物であるコーヒー等を飲むことができる。
【0029】
更に、本発明の蓋部120は、上記容器本体110に取り外し可能に取り付けられている。例えば、図1(A)、に示すように、容器100から上記プルタブ125を取り外すことにより切取開口部が形成されるような(例えば、上記蓋部外周縁を破断するような)、直線又は、曲線状の蓋部取り外し用破断線130を蓋部120に設ける。当該蓋部取り外し用破断線130は、プルタブ125の先端部126から蓋部120外周縁までの例えば2本の直線又は曲線部分を破断するためのものである。このうち、1本が蓋部120の外周縁を完全に破断し、残りの1本が外周縁の直前までを破断する。このようにすることで、蓋部120の外周縁の一部が破断されても、プルタブ125が破断片131(図1(D)参照)を介して蓋部120と接続されたままであるので、プルタブ125を引くことで、蓋部120を容器本体110から剥がすことが可能となる。
【0030】
蓋部120と容器本体110とを離脱させるときは、図1(D)、(E)、(F)に示すように、まず、上記プルタブ125を蓋部120の縁部方向(蓋部取り外し用破断線130に沿って)に引くことにより、蓋部120の縁部までが破断され、蓋部120の外周縁の一部128が容器本体110から外れる。すなわち、容器本体110のカール部に巻き込まれている蓋部120の外周縁の当該カール部の巻き込みが一部はずれる。続いて、上記プルタブ125を左右どちらかの方向(蓋部120周囲に沿う方向)に引くことにより、容器本体110のカール部に巻き込まれている蓋部120の外周縁が外れ、蓋部120が容器本体110と離脱することになる。
【0031】
上記容器本体110と上記蓋部120とが離脱する構成は任意であり、例えば以下のような構成も考えられる。
【0032】
すなわち、図2に示すように、上記容器本体110の開口端部に公知の方法で蓋部をかしめ固定させる。そして、蓋部取り外し用破断線130をプルタブ125の先端部126から蓋部120内周縁までの直線又は曲線部分と、蓋部120の内周縁の部分とで構成し、両者を破断可能にする。
【0033】
蓋部120と容器本体110とを離脱させるときは、まず、上記プルタブ125を蓋部120の縁部方向(蓋部取り外し用破断線130に沿って)に引くことにより、蓋部120の内縁部までが破断される。続いて、上記プルタブ125を左右どちらかの方向(蓋部120の内周縁方向)又は、上方に引くことにより、蓋部取り外し用破断線130に沿って内周縁が破断され、容器本体110と蓋部120とが離脱することになる。
【0034】
その他の構成として、上記容器本体110の上端外周部に雄ネジを形成し、上記蓋部120内周部に上記雄ネジ部と着脱自在に螺合できる雌ネジを形成する。そして、容器本体110と蓋部120とを螺合することで、容器本体110から蓋部120を取り外す構成が採用できる。
【0035】
図3は上記容器本体110を備えたボトル容器200の概略模式図である。本実施例では、ボトル容器200はPETを使用して形成するが、取り外し可能な蓋部120が形成されるのであれば、その材質には特に限定されない。
【0036】
まず、下方に向かうに従って先細に形成された容器本体110の成型用金型を用いて、容器本体110を形成する。容器本体110の成型には、公知の射出成型機(図示しない)を用いることはいうまでもない。容器本体110の上端開口部を加工せずに蓋部120をかしめ固定する構成を採用してもよいが、本実施例では、上記容器本体110の上端開口部に直接口をつけても安全なような構成(例えば、上記上端開口部の外周に、端部に丸みをつけたフランジ220が形成される)がなされる。
【0037】
更に、上記容器本体110に蓋部120が離脱可能に装着される。例えば、蓋部120の成型用金型を別に作成し、上記公知の射出成型機を用いて、蓋部120を形成する。蓋部120の下方開口端には、容器本体110の上端開口端の内径と等しい外径の嵌合部230を備え、当該嵌合部230で上記容器本体110と嵌合させる。
【0038】
また、公知のPETボトルと同じように、当該蓋部120の上端開口端の外周部(飲み口に相当する)には、雄ネジが形成される。そして、上端開口部を液密に閉塞するためのキャップ201内周に、当該雄ネジに対応する雌ネジが形成される。
【0039】
そして、上記容器本体110に、蓋部120が装着される。このとき、上記蓋部120は、上記容器本体110に取り外し可能且つ、液密に装着されることになる。例えば、図3(B)に示すように、蓋部120の下方側開口端と容器本体110の上方側開口端とを液密のテープ210で接着固定する構成が採用できる。上記液密のテープ210を剥がすことで、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。更に、上記液密のテープ210の剥離を容易にするタブを設けて、当該タブを引っ張ることで、容器本体と蓋部が破断する構成を採用することもできる。
【0040】
上記容器本体110と上記蓋部120とが離脱する構成は任意であり、例えば以下のような構成も考えられる。
【0041】
例えば、図3(C)に示すように、容器本体110と、蓋部120を別々に成形し、容器本体110の開口部外周に雄ねじ240を一体成型する。更に、蓋部120の下方側開口部内周に、上記雄ねじ240に対応する雌ねじ250を一体成型する。そして、容器本体110にコーヒー等の内容物を充填後、蓋部120を上記ねじで嵌合する構成を採用する。上記蓋部120と容器本体110を捻り、上記雄雌ねじの嵌合が外れて、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。
【0042】
その他の構成として、図4に示すように容器本体に相当する部分が、下方に向かうに従って先細にしたボトル容器200(PETボトル)を公知の方法で形成する。当該ボトル容器200には、蓋部120と容器本体110に対応する部分(境界部分)に凹部状の破断線235(樹脂の厚みを薄くした部分)を一体成形する。図4(C)に示すように、PETボトルの蓋部120と容器本体110との境界を曲げることで、上記破断線235が破断し、蓋部120と容器本体110が離脱することになる。なお、破断線235上に上記テープ210で接着固定してもよい。
(容器本体回収装置)
【0043】
次に、図面を参照して、本発明の缶容器100又はボトル容器200(以下単に容器と称する)を回収するための回収装置300を説明する。図5は、本発明の回収装置300の正面図、図6は側面図、図7は上面図である。更に、図8、図9は、後述の残留物廃棄手段を備えた場合の正面図及び、側面図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0044】
ユーザが本発明の回収装置300を利用して上記容器を捨てる(回収装置に回収させることを意味する)場合、容器を容器本体110と、蓋部120に分離して、上記容器本体110を図5に示す容器本体挿入口330に投入する。容器本体挿入口330は、容器本体110の底部から挿入しやすいような構成を採用する。例えば、図5に示すように、上記容器本体挿入口330の一部をゴムで形成し、容器本体110を挿入する際に、上記容器本体挿入口330のゴム部分に容器本体の底部を挿入し、挿入した容器本体110を押し込める構成を採用する。なお、上記容器本体110の挿入方向は一定の方向で挿入されるのであれば、容器本体110の上部から挿入される構成を採用してももちろん構わない。その場合には、容器本体110の上下を変更する公知の方向整列手段を上記容器本体挿入口330から後述の容器本体回収ボックス320に至るまでのいずれかの位置に備えてもよい。若しくは、容器本体110の上部を下にした状態で容器本体回収ボックス320内に容器本体110が積層される構成を採用しても構わない。
【0045】
上記のように、容器本体挿入口330より容器本体110が挿入されると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、開口部が底部よりも大きい上部を開口した円錐台形の容器本体110が、多数個積層された状態で回収される。なお、以下では簡単のために、上面視円形状の容器本体110を回収する処理について記載するが、上記容器本体110の上面視の形状は円形状だけでなく、積層可能な多角形状であっても構わない。
【0046】
即ち、図6に示すように、本実施の形態の回収装置300は、容器本体回収ボックス320と、当該容器本体回収ボックス320の上方に設けられる搬送ホース330と、当該搬送ホース330を容器本体回収ボックス320上の所定箇所(後述する)まで移動させるホース移動手段340と、上記搬送ホース330内に所定方向の空気の流れを発生させる空気循環手段370を備える。なお、上記搬送ホース330と空気循環手段370が、容器本体を搬送する搬送手段に相当する。
【0047】
容器本体回収ボックス320は、収容された容器本体110を回収するためのボックスである。図8に示すように、所定の大きさの容器本体回収ボックス320に対して、複数の区切板(図示せず)を用意する。当該区切板を用いて、上記容器本体回収ボックス320を複数の領域(例えば枡目形状)に区分けする。当該領域の大きさは、回収される容器本体110が積層状態で収容可能であればその数は任意である。本実施例では、縦横それぞれ4つの領域に区切り、合計16の領域に区分けした。上記のように区分けされた容器本体回収ボックス320の各領域に積層された状態で容器が回収されることになる。
【0048】
後述のように、上記容器本体回収ボックス320の各領域には空気循環手段370により、上下方向に空気の流れが発生する。したがって、容器本体回収ボックス320の底部付近には、上記空気の流れを逃がすために、一カ所若しくは複数個所の空気孔321が設けられる。更に、上記容器本体回収ボックス320を移動可能にするためのキャスタ323が所定個(例えば底部の4隅)に設けられる。なお、上記容器本体回収ボックス320(仕切り板を含む)は、ユーザがボックスの様子を視認可能なように、透明の部材(少なくとも一部を透光性を有する部材)で形成されることが望ましい。
【0049】
上記容器本体挿入口330から上記容器本体回収ボックス320の各領域まで容器本体110を搬送するのが、図6に示す搬送手段(搬送ホース330と空気循環手段370を備える)である。図6に示すように、上記搬送ホース330の内径は、容器本体110の外径(もちろん最大外径のことを示す)より大きいことが必要である。更に、空気循環手段370(ブロア)の電源オンから、直ぐに空気の流れが発生するように、搬送ホース330の内径はできるだけ小さいほうが望ましい。
【0050】
後述のように、搬送ホース330はホース移動手段340によって移動するため、本実施例では、形状を変化させ易い蛇腹状に上記搬送ホース330を形成する。
【0051】
上記容器本体回収ボックス320の各領域に上記搬送ホース330を移動させるのがホース移動手段340である。当該ホース移動手段340が上記搬送ホース330を上記容器本体回収ボックス320の各領域まで移動する方法は、例えば、クレーンゲーム機に用いられる方法を使用することができる。
【0052】
本実施例では、ホース移動手段340は公知のゲーム機に用いられる景品を把持するためのアームの移動機構を使用(適用)する。なお、本発明では上記アームに代えて搬送ホースが移動することはいうまでもない。
【0053】
ここで、ホース移動手段340は、搬送ホース330(図8には搬送ホースは図示せず)を支持する複数のホース支持体342(本実施例では3本で支持させる)を移動させるためのホース支持体移動モータ(図示せず)及び、上記ホース支持体342上に搬送ホース330を移動させるためのホース移動モータ(図示せず)とが備えられる。なお、ホース支持体342は、支持部材343で搬送ホース330の所定箇所を吊下げている。
【0054】
そして、上記ホース支持体342をスライド可能に支持する枠体(上部レール341)が上記容器本体回収ボックスの上方に設けられる。例えば、図8に示すように、上記容器本体回収ボックス320の上端の4辺(最も外側の辺を指す)の内、平行な2辺と平行に上部レール341を設ける。そして、当該上部レール341にホース支持体342がスライド可能に支持される構成(例えば、ホース支持体342の両端に駆動輪を設け、当該駆動輪を上部レール341に支持させる)を採用する。
【0055】
更に、上記容器本体回収ボックス320の上端には、上記ホース支持体342が容器本体回収ボックス320の各領域に確実に配置されるための下部レールが設けられる。当該下部レールは、上記容器本体回収ボックスの上端の枡目に設けられる枡目レール350を使用することができる。上記枡目レール350上に搬送ホース330の出口部分(容器の排出口に相当する)が配置されることになる。例えば、搬送ホース330の出口部分に出口支持体345(容器を排出可能なように、出口支持体345には搬送ホース330の出口部分に対応する孔346が形成される)を備える。そして、上記出口支持体345の下部にキャスタ347を設けて、当該キャスタ347で上記枡目レール350上を出口支持体345が移動する構成を採用する。
【0056】
平面的位置決め操作は、上記ホース支持体移動モータに連結される駆動伝達機構により行われる。まず、ホース支持体移動モータにより、ホース支持体342が、容器本体回収ボックス320上部に設けた上部レール341に沿って移動する。更に、上部レール341に直交する方向への移動は、上記ホース移動モータが、ホース支持体342に沿って上記搬送ホース330を移動させることで、搬送ホース330の出口部分の位置決めが成される。なお、上記搬送ホース330の移動機構の内、ベルト部材、プーリ等移動機構に通常設けられるその他の部品の説明と図示は省略している。
【0057】
上記搬送ホース330は上記枡目レール350上に安定に支持されるように構成される。例えば、上記容器本体回収ボックス320の各領域に対応する上記枡目レール350上の矩形状の各孔部を囲う各4隅に凹部351を設け、当該凹部351で搬送ホース330の出口部分に設けた出口支持体345のキャスタ347を一旦保持する構成を採用することができる。ここで、一定以上の力で上記搬送ホース330が移動すると、凹部351に保持されたキャスタ347が移動するように構成されている。なお、上記容器本体回収ボックス320に設けられる領域が一つのみであれば、上記搬送ホース330を移動させるホース移動手段340は不要であることはいうまでもない。
【0058】
上記搬送ホース330内に所定の方向の空気の流れを発生させるのが図6に示す空気循環手段370(ブロア)である。この空気循環手段370は、搬送ホース330の入り口(容器本体110の挿入口に相当する)から出口へ空気が循環するように構成されるのであれば、その循環方法は任意である。本実施例では、図6の矢印に示すように、ブロア370の空気排出口371を上記搬送ホース330の入り口付近に挿入する。そして、上記ブロア370の空気吸引口372を上記容器本体回収ボックス320の底部付近に挿入する。上記のように構成することで、搬送ホース330の入り口から出口方向及び、容器本体回収ボックス320の底部へと空気を循環させることが可能となる。なお、上記ブロア370、搬送ホース330、容器本体回収ボックス320間は、気密性を確保させた上で接続されていることは言うまでもない。更に、後述の残留物廃棄ボックス700近傍には、ブロア370、搬送ホース330、容器本体回収ボックス320との間の気密性を確保するために壁380を形成することが望ましい。
【0059】
図9に示すように、搬送ホース330入り口から上記容器本体回収ボックス320までの位置に、容器本体110中の残留物を捨てるための残留物廃棄手段を備える構成を採用することができる。この残留物廃棄手段は、容器本体に残った液体や固形物を回収ための手段である。例えば、搬送ホース330を一旦下方に屈曲させて、更に上方に屈曲させる(すなわち、搬送ホース330の当該屈曲部に谷部が形成される)。そして、当該屈曲部の谷部に残留物廃棄手段(例えば残留物廃棄ボックスへ700の導入路701)を接続する構成を採用することができる。
【0060】
更に図10には、蓋部120を回収するための蓋部回収ボックス800及び、蓋部投入口810が更に設けられる構成を採用される。容器から分離された蓋部120が、ユーザによって蓋部投入口810から投入されると、所定の傾斜を有する蓋部導入路820を介して、蓋部120が蓋部回収ボックス800に回収されるようになっている。
【0061】
次に、図11を用いて、本発明の回収装置300の制御系ハードウェアの構成を説明する。図11は、当該回収装置300における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0062】
回収装置300の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、HDD(Hard Disk Drive)904、各駆動部に対応するドライバ905を内部バス906によって接続している。上記CPU901は、例えば、RAM903を作業領域として利用し、上記ROM902、HDD904等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ905と操作部からのデータ、指示を授受し、上記図に示した各駆動部等の動作を制御する。
(容器本体回収時の処理1)
【0063】
次に本発明の回収装置300の容器本体回収時の処理について図面を参照しながら説明する。図12は、本発明の回収装置300の機能ブロック図、図13は、本発明の回収装置300の容器本体回収時の処理を示すフローチャートである。なお、図13に示すSは、ステップを意味する。
【0064】
まず、本発明の容器を捨てたいユーザは、容器の蓋部120に備えた破断線130を破断することで、容器本体110と蓋部120とを離脱させる。なお、ユーザは、容器本体110と蓋部120を離脱させてから容器本体110の内容物を飲食することも可能である。ユーザは、蓋部120と離脱させた容器本体110を回収装置300の上部に備えた容器本体挿入口310に挿入する。このとき、容器本体110は、その底部から挿入されることになる。
【0065】
上記のように、回収装置300の容器本体挿入口310に容器本体110が挿入されると、容器本体挿入口310に設けたセンサ(挿入検知手段1000)が、当該容器本体110の挿入を検知する(図13:S101)。挿入検知手段1000は、上記容器本体110が挿入された旨をブロア制御手段1010に通知する。これを受けて、ブロア制御手段1010は、ブロア370を作動させることで(図13:S102)、搬送ホース330内に空気の流れが発生する。
【0066】
上記のように、ブロア制御手段1010がブロア370を作動させ、空気の流れが発生すると、容器本体110が搬送ホース330を介して、容器本体回収ボックス320に回収されることになる。その際、容器本体110に残留物(飲み残しの液体や固形物等を称する)が存在すると、残留物廃棄ボックス700に回収されることになる。
【0067】
なお、上記搬送ホースは、容器本体回収ボックス320の一の領域上に配置されており、搬送された容器本体110は、搬送ホース330を介して所定時間内に容器本体回収ボックス320の当該一の領域内に回収される。
【0068】
ブロア制御手段1010によるブロア370の作動から所定時間経過(容器本体110が容器本体回収ボックス320に回収されるのに十分な時間が経過)すると(図13:S103YES)、ブロア制御手段1010はブロア370の作動を停止する(図13:S104)。ブロアの作動が停止すると、判断手段1030が現在回収している容器本体回収ボックス320の一領域に容器本体110が所定量回収されたか否かを判断する(図13:S105)。
【0069】
例えば、搬送ホース330の出口部分から回収された容器本体110(最上段に回収されている容器本体110の底部又は上端部が計測される)までの距離を測定する容器センサ1020を搬送ホース330の出口付近に設ける。そして、上記判断手段1030は、上記容器センサ1020の測定した距離が予め定めた所定距離を超えると、当該領域内の容器本体110が所定量回収されたと判断する構成を採用することができる。
【0070】
上記領域内に容器本体110が所定量回収された場合(図13:S105YES)、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320内に空の領域があるか否かを判断する(図13:S106)。例えば、予め搬送ホース330の移動経路及び、移動方向を決定しておく。例えば、搬送ホース330が現在配置されている領域の情報と移動方向及び、次の領域への移動経路を関連付けて記憶手段1040に記憶させる。ここで、移動方向とは、移動経路を正逆どちらの方向に移動しているかを示す情報である。更に、搬送ホース330が最後に移動する領域(上記移動方向に対応して2カ所存在することになる)も記憶手段1040に記憶させる。
【0071】
判断手段1030は、搬送ホース移動制御手段1050から搬送ホース330の現在位置及び、移動方向を取得し、取得した現在位置から、次に移動可能な領域が存在するか否かを判断する。そして、判断手段1030は、次の領域への移動経路が存在する場合、容器本体回収ボックス320に空の領域があると判断する。
【0072】
上記のように、空の領域が存在する場合(図13:S106YES)、判断手段1030は、搬送ホース330を移動する旨を搬送ホース移動制御手段1050に通知する。これを受けて、搬送ホース移動制御手段1050は、搬送ホース330を現在の位置から次の位置まで移動させることになる(図13:S107)。
【0073】
一方、搬送ホース330の現在位置が、最後に移動する領域である場合、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320に、空の領域がないと判断する(図13:S106NO)。この場合、判断手段1030は、回収装置300の正面に備えた表示部に容器本体回収ボックス320の交換を促する旨を表示する(図13:S108)。
【0074】
一方、判断手段1030が現在回収している容器本体回収ボックス320の一領域に容器本体110が所定量回収されたか否かを判断した結果、容器本体110が所定量回収されていない場合には、回収装置300の処理を終了する(図13:S105NO→END)。
(容器本体回収時の処理2)
【0075】
上記容器本体回収時の処理1では、容器本体回収ボックス320の一領域(現在の位置)に容器本体が所定量回収された場合、搬送ホース330が次の位置の領域まで移動する構成を採用した。これに対して、容器本体110以外の固形物(残留物廃棄手段700で回収される固形物は除く)が容器本体挿入口310から挿入された場合に、搬送ホース330が次の位置の領域まで移動する構成を採用することもできる。図14において、ステップS201からS205は、図13のS101からS105と同じであるので説明を省略する。なお、容器本体が潰された状態で(例えばユーザによって潰される場合を想定している)、回収装置300に挿入された場合も上記固形物とする。
【0076】
上記の場合、ステップS205にて容器本体回収ボックス320の一の領域に容器本体110が所定量回収されたか否か判断した後に、以下のようにして上記容器本体110以外の固形物が挿入されたか否か判断する。
【0077】
まず、搬送ホース330の出口付近に備えた容器センサ1020が、搬送ホース330出口から最上段の容器本体110までの距離を計測する。当該距離は図示しない距離記憶手段に記憶させる(図14:S206)。上記距離記憶手段には、上記容器センサ1020が直前に計測した距離情報が蓄積されており、判断手段1030は、上記距離記憶手段に記憶された直前の距離と、今回計測した距離との差分から、容器本体110に上記固形物が挿入されたか否かを判断する(図14:S207)。ここで、予め定められた形状の容器本体110が積層されたのであれば、上記差分は所定の範囲内である。したがって、判断手段1030は、上記差分が所定の範囲内であるか否かによって、容器本体110に上記固形物が挿入されたと判断することが可能となる。
【0078】
ここで、容器本体110に固形物が挿入された場合、判断手段1030は、容器本体回収ボックス320の領域に空の領域(次の領域)が存在するか否か判断し(図14:S208)、次の領域が存在すると(図14:S208YES)、搬送ホース330を次の領域に移動させる旨を搬送ホース移動制御手段1050に通知する(図14:S209)。上記通知の後、判断手段1030は、距離記憶手段に記憶された距離情報を消去することになる(図14:S210)。
【0079】
次の領域が存在しない場合(図14:S208NO)、判断手段1030は、回収装置300の表示部に容器本体回収ボックス320の交換を通知する旨を表示する(図14:S211)。この場合も、判断手段は、距離記憶手段に記憶された距離情報を消去することになる(図14:S212)。
【0080】
一方、上記距離記憶手段に記憶された直前の距離と、今回計測した距離との差分が所定の範囲内であれば、判断手段1030は、固形物は挿入されていないと判断し、処理を終了する(図14:S207NO→END)。
(その他)
【0081】
容器本体挿入口310に、容器本体110の底部からのみ挿入可能に構成することもできる。例えば、一対の半円形状部材を用意する。当該一対の半円形状部材の両端部同士を結合したときにできる円の内周を、容器本体110の上端周縁に設けたフランジ121の外円周よりも一回り小さな内周となるように構成する。上記のように構成すると、容器本体110の上部からの挿入は困難となり、ユーザは常に容器本体110の底部から容器本体を挿入することになる。
【0082】
そして、上記半円形状部材の両端部同士を所定の隙間を空けて離間できるように構成する。例えば、ソレノイド等による磁力を用いて上記両端部同士を離間させることができる。更に、上記半円状の部材同士が結合した円内に容器本体110が挿入されたか否か検知するセンサを容器本体挿入口に備える構成を採用する。当該センサが、容器本体110の挿入を検知すると、上記半円状の部材の両端部が離間することで容器本体110が搬送ホース330に搬送されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、容器本体の形状を下方に向かうに従って先細に形成することで、当該容器本体を積層状態で回収することが可能となる。積層状態で回収することで、従来のように缶等を潰して回収する方法に比べて、空き缶を潰す装置が不要となることで、装置を小さく且つ、消費電力も抑えることができる。更に、回収容器の容量が同じであれば、積層状態で回収する方が、潰して回収するよりも多くの缶を回収することが可能となる。従って、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0084】
100 容器
110 容器本体
120 蓋部
300 回収装置
310 容器本体挿入口
320 容器本体回収ボックス
330 搬送ホース
340 ホース移動手段
370 ブロア
700 残留物廃棄ボックス
800 蓋部回収ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置であって、
前記容器本体を積層状態で回収する容器本体回収ボックスと、
回収装置に備えた容器本体挿入口から、前記容器本体回収ボックスまで前記容器本体を搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする回収装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、
前記容器本体を吸引するブロアと、
前記ブロアで吸引された容器本体を前記容器本体回収ボックスに導入する搬送ホースとを備える請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記容器本体回収ボックスが、複数の領域に区切られ、当該複数の領域に前記容器本体を積層状態で回収し、
前記搬送ホースが、前記回収ボックス内の一の領域に前記容器本体を導入し、
前記容器本体回収ボックスの上端に枡目状のレールを配置し、当該レールに沿って前記搬送ホースを移動させるホース移動手段とを備える請求項2に記載の回収装置。
【請求項4】
前記容器本体挿入口の近傍で前記搬送ホースを下方に屈曲させ、当該屈曲させた部分に容器本体の残留物を回収する残留物回収手段を備えた請求項1から3いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項5】
前記回収装置の前面側から前記容器本体回収ボックスに回収された容器本体が視認可能なように、回収装置の少なくとも一部及び、容器本体回収ボックスの少なくとも一部を、透光性を有する部材から構成した、請求項1から4いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項6】
前記容器本体挿入口から前記容器本体回収ボックスに至るまでのいずれかの位置に、容器本体を一定の方向に揃える方向整列手段を更に備える請求項1から5いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項7】
前記容器本体回収ボックスに多層に積層可能な容器本体以外の固形物が混入したか否か判断する判断手段を更に備え、
前記固形物が混入された場合に、前記ホース移動手段が搬送ホースを移動させる、請求項1から6いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項8】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体と、
飲み口を備えるとともに、前記容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備え、
前記蓋部に、当該蓋部の周縁を破断可能な破断線を備え、当該破断線が破断することで前記蓋部が離脱容易となることを特徴とする缶容器。
【請求項9】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体を一体成型したボトル容器であって、
前記ボトル容器の蓋部と容器本体の境界付近に、当該蓋部と容器本体を分離可能な破断線を備え、当該破断線が破断することで前記蓋部と、容器本体が離脱することを特徴とするボトル容器。
【請求項10】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体と、
飲み口を備えるとともに、前記容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備え、
前記蓋部に、前記容器本体に嵌合するための嵌合部を備えたことを特徴とするボトル容器。
【請求項11】
前記容器本体と前記蓋部にネジ部を備え、
当該容器本体と蓋部が螺着する請求項10に記載のボトル容器。
【請求項12】
前記破断線の破断を容易にするタブを前記蓋部に備える、請求項8から11いずれか一項に記載の缶容器又はボトル容器。
【請求項1】
下方に向かうに従って先細に形成することで、多層に積層可能な容器本体を回収する回収装置であって、
前記容器本体を積層状態で回収する容器本体回収ボックスと、
回収装置に備えた容器本体挿入口から、前記容器本体回収ボックスまで前記容器本体を搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする回収装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、
前記容器本体を吸引するブロアと、
前記ブロアで吸引された容器本体を前記容器本体回収ボックスに導入する搬送ホースとを備える請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記容器本体回収ボックスが、複数の領域に区切られ、当該複数の領域に前記容器本体を積層状態で回収し、
前記搬送ホースが、前記回収ボックス内の一の領域に前記容器本体を導入し、
前記容器本体回収ボックスの上端に枡目状のレールを配置し、当該レールに沿って前記搬送ホースを移動させるホース移動手段とを備える請求項2に記載の回収装置。
【請求項4】
前記容器本体挿入口の近傍で前記搬送ホースを下方に屈曲させ、当該屈曲させた部分に容器本体の残留物を回収する残留物回収手段を備えた請求項1から3いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項5】
前記回収装置の前面側から前記容器本体回収ボックスに回収された容器本体が視認可能なように、回収装置の少なくとも一部及び、容器本体回収ボックスの少なくとも一部を、透光性を有する部材から構成した、請求項1から4いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項6】
前記容器本体挿入口から前記容器本体回収ボックスに至るまでのいずれかの位置に、容器本体を一定の方向に揃える方向整列手段を更に備える請求項1から5いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項7】
前記容器本体回収ボックスに多層に積層可能な容器本体以外の固形物が混入したか否か判断する判断手段を更に備え、
前記固形物が混入された場合に、前記ホース移動手段が搬送ホースを移動させる、請求項1から6いずれか一項に記載の回収装置。
【請求項8】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体と、
飲み口を備えるとともに、前記容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備え、
前記蓋部に、当該蓋部の周縁を破断可能な破断線を備え、当該破断線が破断することで前記蓋部が離脱容易となることを特徴とする缶容器。
【請求項9】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体を一体成型したボトル容器であって、
前記ボトル容器の蓋部と容器本体の境界付近に、当該蓋部と容器本体を分離可能な破断線を備え、当該破断線が破断することで前記蓋部と、容器本体が離脱することを特徴とするボトル容器。
【請求項10】
請求項1から7いずれか一項に記載の回収装置で回収可能な容器本体と、
飲み口を備えるとともに、前記容器本体に液密且つ離脱可能に取り付けられる蓋部とを備え、
前記蓋部に、前記容器本体に嵌合するための嵌合部を備えたことを特徴とするボトル容器。
【請求項11】
前記容器本体と前記蓋部にネジ部を備え、
当該容器本体と蓋部が螺着する請求項10に記載のボトル容器。
【請求項12】
前記破断線の破断を容易にするタブを前記蓋部に備える、請求項8から11いずれか一項に記載の缶容器又はボトル容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−42421(P2011−42421A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189903(P2009−189903)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(301033639)ビーエルデーオリエンタル株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(301033639)ビーエルデーオリエンタル株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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