説明

容器の開閉

【課題】比較的簡単で、効率的で、かつ、迅速に容器を開閉できる容器開閉器を提供する。
【解決手段】スライド可能なシャッター式閉鎖手段を有し、通過していく容器を開閉する装置は、シャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能な、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、開閉のために、容器から離れた位置から容器の近傍の位置までシャフトを双方向に動かす駆動装置と、シャフトの少なくとも一部にそってそのシャフトから外に向けて移動の軌道に入るように広がり、容器のシャッター式閉鎖手段と係合して、開位置から閉位置まで、または閉位置から開位置まで動かすようになっている拡張部とを備えている。自動分析装置用の試薬ソースは、開位置と閉位置との間でスライドするシャッター式閉鎖手段を有する容器を備えた試薬ソースと、容器を開閉する装置とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、スライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する容器の開閉に関する。特に、自動分析装置における試薬パックの開閉に関するものである。
【0002】
公知の診断分析装置には、オルソ−クリニカル・ダイアグノスティック・インコーポレーテッド(Ortho-Clinical Diagnostics, Inc.)が販売しているVitros(登録商標)ECi免疫診断分析装置のような免疫診断分析装置や臨床化学分析装置がある。この種の分析装置には、様々な検査を行うための試薬のソースがある。ほとんどの場合、試薬は、着脱可能な閉鎖手段を有する容器に保管されている。この容器は、蒸発を抑え、かつ、分析装置において安定に保管するために、試薬にアクセスする度に開閉される。例えば、図1に示すような試薬パック用容器が、オルソ−クリニカル・ダイアグノスティック・インコーポレーテッドが販売しているVitros(登録商標)ECi免疫診断分析装置で用いられている。図1に示した容器のシャッター式閉鎖手段は、そのシャッター式閉鎖手段の上に配置された開閉器により開閉される。稼働時には、この開閉器がシャッターの上に降下し、シャッターと係合して回転し、容器を開ける。この種の開閉器は、オルソ−クリニカル・ダイアグノスティック・インコーポレーテッドが2001年4月5日に発行した、発行番号SM3354−6、「Vitros ECi免疫診断装置用サービスマニュアル−試薬供給部(Service Manual for the Vitros ECi Immunodiagnostic System Reagent Supply) 」に記載されており、このサービスマニュアルは、言及することによりその全部が組み込まれる。この種の開閉器では、比較的構造が複雑であることに加え、試薬パック用容器が所定位置まで動かされ、完全に停止することが必要とされる。開閉器は、次に、停止した試薬パックと係合し、そのパックを開ける。次に、試薬パックは、試薬計量供給ステーションまで回され、ここで、試薬が試薬吸引プローブを用いて吸引される。試薬パックは、次に開閉器まで戻るよう回され、そこで開閉器がシャッター式閉鎖手段と係合して、試薬パックを閉じる。
【0003】
診断分析装置において、分析装置のスループット、つまり、一時間当たりに行われる検査の回数は、競争上、重要な優位性となる。しかし、分析装置は、その中で最も遅いシステムと同じ速さにしかならない。例えば、分析装置のインキュベータが毎時180回の検査を処理できても、試薬供給部が毎時90回の検査分の試薬しか供給できなければ、装置は、必然的に毎時90回の検査に制限される。
【0004】
前述した公知の開閉器では、開閉器がシャッター式オープナー/クロージャーに係合するには、試薬パックを停止させる必要があることから、試薬にアクセスする速さに限界がある(そしてそれ故に、分析装置のスループットに限界がある)。試薬計量供給プローブを洗浄する必要性その他のいろいろな要因のなかで、試薬パックを開けるのが遅いということが、試薬の計量供給全体の遅さの原因となっている。例えば、これらのパックを開閉するのに用いている現行の方法では、8秒かかる。非使い捨て型の試料計量システムを用いている現行のシステムでは、パックを開閉する8秒は、試薬計量プローブを洗浄している間にパックの開閉を行うことから、大したことはない。チップを使い捨てにする試薬計量供給システムの方が都合がよい場合、プローブが洗浄されなくなり、アッセイ処理を遅延させることなくパックを開閉するのに利用できる時間がなくなる。チップを使い捨てにする試薬計量供給システムの場合、パックの開閉は、スループット改善の障害となる。
【0005】
公知である他の開閉器には、容器開閉に関する米国特許第5,167,172号および第4,762,029号に記載されたものがある。
【0006】
上記した公知技術のいずれも、上記問題、特に比較的簡単で、効率的で、かつ、迅速な方法で容器を開閉するという問題の解決に適切に対処していない。このような理由から、比較的簡単で、効率的で、かつ、迅速に容器を開閉できる容器開閉器に対するニーズがある。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明は、容器を開閉するための時間を短縮することに関する前述の問題を解決する方法に向けられたものである。
【0008】
本発明の一態様は、通過していくスライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する容器を開閉するための装置に向けられている。この装置は、スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有し、いずれの方向の回転に対しても付勢されている回転可能なシャフトと、開閉のために、容器から離れた位置から容器の近傍の位置までシャフトを双方向に動かす駆動装置と、回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って、そのシャフトから外に向けて移動の軌道に入るように広がり、これにより、容器のシャッター式閉鎖手段と係合し、シャッター式閉鎖手段を開位置から閉位置まで、または閉位置から開位置まで動かす拡張部とを有する。
【0009】
本発明の別の態様では、自動分析装置用の試薬ソースが提供される。この試薬ソースは、開位置と閉位置との間でスライドするシャッター式閉鎖手段を有する容器を備えた試薬ソースと、容器を開閉する装置とを備えている。この装置は、スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有し、いずれの方向の回転に対しても付勢されている回転可能なシャフトと、開閉のために、容器から離れた位置から容器の近傍の位置までシャフトを双方向に動かす駆動装置と、回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿ってそのシャフトから外に向けて広がっている拡張部であって、容器が搬送されて拡張部を通り過ぎるときに、その容器のシャッター式閉鎖手段と係合するように配置されている拡張部と、開閉のために、前記容器を前記装置と係合させるように、かつ、前記装置を通過させるように搬送する二方向コンベアとを有する。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、自動分析装置が提供される。この自動分析装置は、標本供給ソースと、標本計量供給ステーションと、反応容器と、上記の試薬ソースと、標本の特性を測定する測定機器とを有する。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、容器および容器開閉器の組み合わせが提供される。この組み合わせには、スライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する容器と、容器を開閉する装置とが含まれている。装置は、スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する後退可能で回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿ってそのシャフトから外に向かって延びている拡張部であって、容器のシャッター式閉鎖手段と係合するようになっている拡張部とを有する。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、容器を開閉するための方法が提供される。この方法は、閉位置にあり、開位置へスライド可能であるか、開位置にあり、閉位置にスライド可能であるシャッター式閉鎖手段を有する容器を用意する段階と、容器を開閉する装置であって、スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有し、いずれの方向の回転に対しても付勢されている回転可能なシャフトと、開閉のために、容器から離れた位置から容器の近傍の位置までシャフトを双方向に動かす駆動装置と、回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って、そのシャフトから外に向かって延びて、中立位置において、コンベアの移動する軌道に入るように延びている拡張部とを有する装置を用意する段階と、容器を装置に向けて第1の方向に搬送する段階と、容器が装置を通り過ぎるときに拡張部をシャッター式閉鎖手段と係合させ、これにより拡張部が閉鎖手段を閉じた位置から開いた位置まで、または、開いた位置から閉じた位置までスライドさせる段階とを含む。
【0013】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の好ましい実施形態についての詳細な検討から、当業者には明らかであろう。
【0014】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
本発明は、図1に示した容器のような、スライド可能なシャッター式閉鎖手段がある容器を迅速かつ信頼性をもって開く、簡単な構造の開閉器を含む。この構造は、容器の位置により、容器を開けるのに必要な力、または閉じるのに必要な力を容器の運動を利用して得ることで、簡素化されている。
【0015】
概して、この開閉器は、回転可能であり、軸方向に平行移動できるシャフトを有する。シャフトの軸は、シャッターを開ける動作の移動方向にほぼ垂直である。ほとんどの場合、この方向は、容器の移動方向に垂直である。シャフトの少なくとも一部、好ましくは、容器に最も近いシャフトの端部に取り付けられている、または、そこから延びているのは、拡張部である。拡張部は、シャッター式閉鎖手段と係合し、シャッター式閉鎖手段を開くおよび/または閉じるのに必要な力を与える。拡張部は、へらまたはひれのような形に作ることができ、シャッター式閉鎖手段と係合するための比較的大きな表面積を有する、比較的平坦な拡張部であることがある。
【0016】
拡張部は、閉鎖手段と係合していないときは、中立位置にある。もっとも、このシャフトは回転可能であるので、拡張部は、閉鎖手段と係合したときに、中立位置から動いて離れることができる。拡張部を中立位置に戻すために、例えば、双方向に作用するねじりばねによる付勢力が与えられている。このねじりばねは、拡張部が中立位置から離れたときに、拡張部に力を加える。これにより、拡張部が、係合した後に毎回その適当な中立位置に戻って、次の容器の閉鎖手段と係合する適当な位置に揃うことが保証される。もちろん、装置は開くことも閉じることもできるので、拡張部が両方の方向に動く、すなわち、向きを変えること、そして、付勢力が、向きが変わったどちらの位置からでも拡張部を中立位置まで戻せることが必要である。
【0017】
前述したように、シャフトは軸方向に平行移動できる。つまり、シャフトは、その軸の長手方向に沿って動かすことができる。好ましい実施形態では、容器を開けないことが望ましい場合に、容器のシャッター式閉鎖手段から拡張部を遠ざけることができる。シャフトは、ソレノイド、サーボモータ、または、空気圧式もしくは油圧式駆動システムなどで与えられた、適当などのような力でも軸方向に動かす、すなわち、平行移動させることができる。
【0018】
この開閉器は、拡張部と係合できる閉鎖手段であって、開閉するための力を与える容器の移動に伴う拡張部と閉鎖手段との相互作用により開くまたは閉じる閉鎖手段を有する適当などのような容器でも利用することができる。好ましい実施形態では、容器の閉鎖手段がシャッター式の閉鎖手段であり、開口部を横切るように閉鎖手段をスライドさせることにより、容器の開口部が露出する。拡張部との係合を補助するように、閉鎖手段の表面から延びる突起が設けられている。
【0019】
好ましい実施形態では、容器が図1に示したような試薬パックであることがあり、突起部は、開閉器の拡張部と接触するようにシャッター式閉鎖手段から垂直に延びているリブであることがある。リブは、容器が拡張部を通り過ぎる際に、付勢されている拡張部にリブが接触して、容器の移動方向により開いた状態または閉じた状態のいずれかへスライド式閉鎖部を動かすように、十分な時間接触するよう配置しなければならない。
【0020】
好ましい実施形態では、容器は試薬を診断分析装置において保持するのに容器が用いられる。試薬容器は、分析装置に配置し保管することができ、好ましくは、より安定した状態にするために冷蔵状態で保管される。好ましい実施形態では、容器がカルーセルに配置されている。このカルーセルは、容器を、本発明の開閉器を通過させて接触させることができ、さらに、試薬計量供給装置に通すことができる。もちろん、直線的な搬送システムを使用することもできる。
【0021】
次に、図面に示した、好ましいが、限定するものではない実施形態について述べる。図1は、前述したVitros(登録商標)ECi分析器のような診断分析装置で使用される公知の試薬パック容器10である。図1が示すように、容器には2つの試薬瓶11aおよび11bがあり、これらの試薬瓶は、それぞれ、開口部12aおよび12bを有する。フレーム13a、13bおよび13cは、試薬瓶を収容し、スライド可能なシャッターを支持するのに用いられている。縦方向の支持部13bは、反応ウェル(reaction wells)を保持するために、管状に構成することがある。スライドシャッター式閉鎖手段15は、試薬パック10の一番上に取り付けられている。図1の実施形態では、各開口部12aおよび12bに対して、それぞれ、スライド可能な二股型シャッターを1つだけ使用しており、このシャッターは、2つのセクション15aおよび15bを有している。シャッターは、ピン15cによって試薬パックに回転可能に固定されている。
【0022】
本発明による開閉器とともに改良した図1の試薬パックを図2に示した。図2は、カルーセルトレイ(図2において不図示)に3つ並べられた試薬パックの上面図である。試薬パックは、図1に示したものと同様であり、同じ参照番号は同じ特徴部を示している。図1の試薬パックと、図2に示したものとの間の1つの大きな違いは、付加リブ17aおよび17bを加えたことである。これらの付加リブにより、図2の実施形態に示した開閉器30がシャッター式閉鎖手段15に係合可能となる。好ましくは、もともとのリブ16aおよび16bは残し、本発明による開閉器がない診断分析装置で改良型試薬パックを使用できるようにする。
【0023】
パックは、図2に矢印で示すように、時計方向Bおよび反時計方向Aの両方に動くことができる。図2には、さらに2つの開閉器30が示されており、試薬パックの両側に1つずつ配置されている。これも図3に示すように、開閉器は軸方向に可動であるシャフト31を有し、このシャフト31は矢印Cで示す方向に動かすことができる。シャフト31は、図3に示すように、その軸回りに方向Dに回転することもできる。開閉器は、シャフトの軸から遠ざかるように広がっている拡張部32をさらに有している。拡張部は、リブ17aおよび17bと相互作用できる限りにおいて、所望のどのような形状または構成にすることもできる。好ましくは、拡張部は、パドルまたはブレードの形状をしている、つまり、その厚みに比べて大きくて平坦な表面領域を有する。
【0024】
開閉器は、拡張部32が試薬パックのリブと相互作用をすることができる限りにおいては、試薬パックの上にも、下にも取り付けることができる。好ましくは、開閉器は試薬パックの上に取り付ける。図3に示したように、開閉器は、ブラケットまたはジャーナル40を用いて試薬パックの上に取り付ける。このブラケットまたはジャーナルは、分析装置の適当な任意の部分に取り付けることができる。先に説明したように、シャフト31は、前述した、適するどのような駆動源によっても軸方向に平行移動可能であることがある。好ましい実施形態では、駆動源が、シャフト31の一番上に配置されたステッピングモータ34であることがある。モータは、拡張部32を昇降させて、試薬パックに接触させたり、接触させなかったりするように制御することができる。このような特徴は、試薬パックを開閉する必要はないが、試薬パックを回して開閉器のところを通過させる必要がある場合に有用である。
【0025】
これも既に説明したように、拡張部はシャフト31回りにいずれの方向にも回転することができるが、双方向に作用するねじりばね33による付勢力の作用により、そのように回転しないように付勢されている。拡張部に何の力も加わっていないときには、拡張部は中立位置32aにあり、試薬パックが移動する経路に入るように延びている。試薬パックが拡張部と係合すると、拡張部は、図2において仮想線で示した、偏向位置32bまたは32cへ動く。係合しなくなった後には、ばね33が拡張部を付勢して中立位置に戻す。
【0026】
図4は、臨床分析装置の試薬保管ユニットにある試薬パックを示している。試薬パック10(スライド可能シャッター式閉鎖手段は不図示)は、コンベア50に配置されている。コンベア50は、開閉器(図4において不図示)を通過するように試薬パックを回す。
【0027】
稼働時には、拡張部32は、コンベア50にある試薬パック10の移動する軌道に入るようにサーボモータによって下げられる。試薬パックが図2に示すように方向Bに移動すると、リブ16aが、中立位置32aにある拡張部32と接触する。接触すると、拡張部32は位置32bの方へ回転することで向きを変える、すなわち、移動する。付勢力のために、シャッター式開閉器もまた向きを変え、ピン15cの回りにシャッターを回転させる。コンベアが回転し続けると、拡張部は次にリブ17aと接触し、位置32bの方へさらに向きを変え、さらにシャッターをピン15c回りに回転させる。拡張部がリブ17bと係合しなくなった後、拡張部は中立位置に戻り、シャッター式閉鎖手段は、試薬パック10bで示すように、開いた位置にいる。次に、試薬が、図5に関連して後述する試薬計量供給プローブ100により、試薬パックから吸引される。
【0028】
試薬パックの閉鎖は、開けるのとほとんど同じ方法で行われる。開いているパックが、図2に示すように方向Aにコンベア50で運ばれると、中立位置32aにある拡張部がリブ17bと接触する。試薬パックが動くにつれ、拡張部32は、シャフト31回りに回転することにより、位置32cの方へ向きを変える。シャッター式閉鎖手段もまた向きを変え、ピン15c回りに閉じ位置に向かって回転する。コンベアが方向Aに回り続けると、拡張部はリブ16に接触して、シャッター閉鎖手段を閉じ位置へ向けてさらに回転させる。拡張部32がリブ16と係合しなくなったら、拡張部32は中立位置32aに戻る。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態による試薬パック開閉器を使用できる好ましい臨床分析装置を示している。分析装置の種類は、2000年1月13日出願され、言及することにより組み込まれる米国特許出願第09/482,599号により詳細に記載されている。図5に示されているように、試薬パック10は、最初は装置の外にあるが、試薬ソースによって操作される部品である。試薬パック10は、アッセイを行うのに必要な試薬を入れるように構成されている。一般に、試薬は、一種類以上の抗原性成分または抗血清成分を含み、これらは、検体と化合して、反応容器にまたは反応容器と粘着するのに使用される。
【0030】
試薬ソースには、自動装填ステーション110がある。この自動装填ステーション110は、いずれかの適当な駆動機構によって、試薬パックを試薬供給サブステーション112との間で往復させる。適当な駆動機構とは、例えば、チェーンとスプロケット、ベルトとプーリー、歯車列、連結されたベルト機構(linked belt mechanism)、ポールリンク(pawl links)などの一連の駆動式メカニカルリンク(a driven series of mechanical links)などである。試薬ソースは、試薬供給部冷却器120をさらに有する。試薬供給部冷却器120は、試薬の機能上要件(通常、約3〜15℃、好ましくは約4〜10℃)にしたがって試薬供給サブステーションの内部を冷却する。このようにして試薬供給部冷却器120は、試薬および反応容器を適当な湿度および温度に維持する。
【0031】
試薬ソースにはさらに試薬計量アーム145があり、この試薬計量アーム145は、可動に取り付けられた試薬プローブ100を有する。試薬計量アーム145は、試薬プローブ100を所定位置に配置して、試薬または希釈剤を反応容器に分配できるように、軸回転することができる。試薬プローブ100は、試薬および/または希釈剤を吸引し、搬送し、そして反応容器に分配する。試薬プローブ100は、縦方向にも移動し、開いている試薬パック10に浸かり、また、反応容器(ウェル)の近くまで降下するように、普通は構成されている。これは、ステッピングモータ付き歯車列、ベルトとプーリーのアセンブリ、空気圧式または油圧式リフトなど、縦方向の運動を行わせるためのいずれかの公知の機構によって行う。ラック・アンド・ピニオン駆動部に接続した細かいステップ(少なくとも縦方向移動で390ステップ/cmであることが望ましい)のステッピングモータが縦方向の運動を調節するのに好ましい機構である。軸回転が必要である場合、細かいステップのステッピングモータ(普通、プローブまたはプローブアームを回転させるのに使用するシャフトの一回転当たり少なくとも約1720ステップであることが望ましい)もまた、回転させるシャフトの外径を備えた、すなわち外径に取り付けられたピニオンとともに好ましい。ステッピングモータの制御、そしてそれ故にプローブおよび機構の動きの制御は、当該技術において公知の技法で行われる。公知の技法とは、例えば、言及することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5,646,049号に記載されているものなどである。
【0032】
稼働時には、バルブ、ポンプ、管材などからなるフルイディクスシステム(fluidics system)に接続することで試薬プローブ100が流体を吸引し、分配する。試薬プローブ100は、減圧により充填され、減圧をやめることにより、または加圧することにより放出する。
【0033】
標本供給ソースは、標本が入れられ、適当な反応容器(好ましくは、不図示のウェル)に計量供給する。標本供給ソースは、バーコードを読み取るバーコード読取機200によりデータ処理システムに入力を行うこともできる。バーコードは、試験管などの患者の標本容器に配置することができる。標本供給ソースは、多くのサブシステムおよび部品をさらに有する。標本供給サブシステムは、上述したような標本識別データを入力するためのバーコード読取機200、標本トレーコンベヤ205、1つ以上の標本トレー輸送部210と、標本計量ステーションまで標本を移動させる位置決め装置215とを備えるサブシステムである。標本計量ステーションは、標本位置決め装置の近くにある(すなわち、後述するように、吻状部230が降下する位置にある)。
【0034】
標本トレーコンベヤ205は、容器を移動させるどのようなコンベヤシステムであってもよく、電気的または機械的に移動可能な磁気駆動装置を利用することができる。この磁気駆動装置は、標本トレー輸送部210の上にあるカルーセル220を前進させる。標本トレー輸送部210は、磁気駆動装置が引き付ける磁気部品または鉄部品を有している。代わりに、標本トレーコンベア205は、モータにより駆動されるチェーンとスプロケット機構、ポールリンク(pawl links)などの一連の駆動式メカニカルリンク(a driven series of mechanical links)、ベルト駆動装置などを備えることもできる。好ましい標本トレーコンベヤは、楕円形状の磁気駆動式トラックシステムである。このシステムでは、標本トレーが、好ましくは輸送部210の上にあるカルーセル220であり、輸送部210は、磁気に引き付けられる部分を有する。これにより、標本トレーの下の位置から楕円形トラックの外周に沿って磁場を回すことにより、標本トレーを楕円回りに移動させることができる。この構成では、歯車付きの部分によって標本トレーをそれ自体の中心軸回りに回転させることができるように、標本トレーの外周に歯車を形成することもできる。ここで、歯車付きの部分は、例えば、バーコード読取機200の近くにある(あるいは、楕円形トラックの外側に沿った他のいずれか適当な位置にある)位置決め装置215などである。
【0035】
標本計量サブシステムは、標本を吸引し、吻状部230を介して反応容器に分配する。吻状部およびそれに関連する計量アーム245は、前述した試薬計量アーム145と構造が同様であることが好ましい。それを使って標本を吸引し配分することができる使い捨てチップ(図示せず)は、好ましくは吻状部に装着されており、使用後に処分される。このチップは、好ましくは円錐形であり、円錐体の頂点が下に向けられている。適当なロボットコマンドを用いて、吻状部をチップに被せるように配置し、チップを押し付けて一時的に装着する(チップの中空部に吻状部を入れる)。便宜上、チップの供給はチップ供給カルーセル(図示せず)上に維持することができる。チップは、吻状部駆動装置を一番上まで移動させて、排出器スリーブ(図示せず)を作動させることにより、同じように取り外すことができる。一般に、使い捨てチップは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの熱可塑性材料を成型したものからなる。このようなチップにより、標本および個々の吻状端部が直接かつ繰り返し接触することが回避される。
【0036】
稼働時には、標本計量サブシステムは試薬計量システムと同様に機能する。標本カルーセル220に載せられた標本は、吻状部230が届く場所まで動かされる。使い捨てチップを吻状部に装着した後に、システムが吻状部を標本容器の真上まで旋回させる。次に、吻状部が、カルーセルにある管などの容器の中へと降ろされ、行おうとしているアッセイに十分である所定量の標本が吸引される。次に、不図示の外輪にあるウェルの上の位置まで吻状部が旋回され、標本が分配される。標本をウェルに分配するのは、試薬をウェルに分配する前であることが好ましい。このときに、吻状部を用いて、標本がウェルに適切に計量分配されることを確認することができる。これは、吻状部にセンサーを取り付けることにより行う。センサーは、例えば、標本計量アーム245にある光学センサーなどである。この(不図示の)センサーは、(不図示の)変換器およびデータ処理システム600とつながっている。センサーは、当該技術において公知なように、静電容量を使った圧力差により、あるいは反射エネルギーにより標本の高さを検出することが好ましい。光学センサーは、吻状部をその適切な位置に戻すのにも使用できる。標本を計量および測定した後に、前述したように試薬をウェルに分配することが好ましい。標本と試薬の混合は、部分的に混合させるのに充分な速度で標本の入っているウェルに試薬を分配して行う。
【0037】
アッセイによっては、標本の希釈が必要である。このような場合、標本はまず希釈容器に計量供給される。希釈容器は、普通、入れた試薬が付着するいかなる試薬その他の材料によっても処理されてないという点を除き、前述したウェルと実質的に同様であることが好ましい。つまり、希釈容器は、対象としている免疫化学反応については機能的に不活性である。吻状部230は、他のアッセイと同様に、標本を計量供給するのに用いられる。
【0038】
処理システムでは、標本、試薬、および(オプションとして)希釈剤が入っている反応ウェルを信号試薬(signal reagent)と混合し、インキュベータ300で培養する。標本検体(sample analyte)および試薬の反応における化学発光または他の妥当な信号の発生もこのシステムで読み取られる。ウェル洗浄アーム310およびウェル洗浄プローブ315は、ウェル洗浄サブシステムの主要な構成要素である。ウェル洗浄サブシステムの機能は、ウェルを洗浄し、標本および非結合試薬を除去することである(検体は、後に読み取られる信号を発現させる試薬とともに反応容器の壁に付着している)。インキュベータ300内では温度および湿度が、所定時間、行っているアッセイに適した温度に調節される。培養時間は、アッセイにより異なることがあり、データ処理システムにより管理される。
【0039】
ウェル洗浄サブシステムに戻って、適当に培養した後、ウェル洗浄プローブ315(試薬プローブ100と構造が同じであることが好ましい)を操作して、標本および非結合の試薬を反応ウェルから出すように吸引、分配し、次に洗浄液をウェルに分配し、再び吸引、配分する。このように、反応ウェル内では、この時点までに試薬と検体が反応し、ウェルに付着している。ウェル洗浄アームにより、未反応であり、および/または、洗浄しなければ標本の読み取りを妨げる可能性がある材料が除去されている。
【0040】
このような機器は、未測定の材料が反応容器に付着し、容器の中身がさらに処理される、または何らかの読み取りが行われるように構成することもできる。そのような場合、これらの材料を吸引して別の容器に分配しなければならないであろう。
【0041】
ウェル洗浄が完了すると、ウェル洗浄アーム310は、移動可能に取り付けられているウェル洗浄プローブ315を所定位置に関節式に連結し、標本および非結合試薬を吸引し、洗浄液を反応容器に分配する。普通、洗浄液は、ウェル洗浄プローブ315が反応ウェルから外に持ち上げられたら分配する。信号試薬サブシステムは、その主な構成要素として、信号試薬アーム410、信号試薬プローブ400、信号試薬(パック)420、および注入/汲み上げ装置(prime/pump assembly)415を備えている。信号試薬アーム410に移動可能に取り付けられている信号試薬プローブ400(既に説明した他のプローブと構造が同様であることが好ましい)は、信号試薬を信号試薬パック420から吸引し、運び、ウェルに分配する。信号試薬アーム410は、このために注入/汲み上げ装置415に取り付けられている。信号試薬は、反応した試薬/標本化合物(例えば、ルミノール誘導体(luminol derivatives))との化合により信号を生成する成分を含有する合成物である。ルミノメータ(luminometer)500は、光電子増倍管520と接続されている光ファイババンドル510から構成されており、光電子増倍管520は、さらにデータ処理システム600と接続されている。稼働時には、試薬およびオプションとして希釈剤が混ぜてある標本の上に光ファイババンドル510を配置する。試薬/標本化合物が反応して発生した化学発光信号は、光電子増倍管に送られる。光電子増倍管は、従来のデジタル技術により処理できるように、光信号を電気信号に変換する。ルミノメータ500を較正には、内蔵のレファレンス(図示せず)を用いることができる。
【0042】
データ処理システム600は、システムとサブシステムの機能を協調させ、システム診断を実行し、機器を較正し、結果を記録し、結果を分析するために用いられる統合された回路列である。データ処理システム600にはマイクロプロセッサなど公知の処理装置が含まれ、任意の数の外部処理システムと電気的に接続されていてもよい。例えば、データ処理システム600はローカルエリアネットワークを介して他の分析機器に接続されていてもよい。これにより、多数の異なる検定について、テストが計画され、結果が集計されて報告されるが、そのうち幾つかの分析はここに述べる機器上で実行されるものではない。
【0043】
このように、上記した本発明の利点は、臨床分析機のための試薬パックの開閉に必要な時間が短縮されることである。例えば、実施形態によっては、試薬パックの開閉に必要であった約8秒のほとんどを削減して、試薬分配タイミングサイクルを28秒から20秒に短縮することができる。これにより、分析器のスループットスピードがかなり増す可能性が高まる。図面に関連して上述した好ましい実施形態では、本発明に係る開閉器で使用できる試薬パックを従来の開閉器を有する分析機にも使用することができる。したがって、旧型機に対する互換性は維持されている。
【0044】
本発明による開閉方法は、コンピュータが読み取ることができるプログラムコードを有し、当該技術で公知である方法で、分析機のコンピュータ・コントローラとつながっているコンピュータプログラムで実行することができる。
【0045】
本発明の化合物、構成、および処理にさまざまなに変更および変形できることは、当業者には明らかであろう。したがって、添付した特許請求の範囲及びその均等の範囲内にあることを条件として、本発明は、このような変更や変形をカバーすることが意図されている。
【0046】
上記に引用した全ての刊行物の開示内容は、各々に個別に言及して組み込む場合と同じ範囲で、その全体が言及することにより本明細書に組み込まれる。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) 容器を開閉する装置であって、該装置を通過していくスライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する、装置において、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向けて移動の軌道に入るように広がり、これにより、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合して、前記シャッター式閉鎖手段を開位置から閉位置まで、または閉位置から開位置まで動かすようになっている拡張部と、
を備える、装置。
【0048】
(2) 実施態様1記載の装置において、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備えている、装置。
【0049】
(3) 自動分析装置用の試薬ソースにおいて、
開位置と閉位置との間でスライドするシャッター式閉鎖手段を有する容器を備えた試薬ソースと、
前記容器を開閉する装置と、
を備え、
前記装置が、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向けて広がる拡張部であって、これにより、前記容器が搬送されて前記拡張部を通り過ぎるときに、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合するように配置される、前記拡張部と、
開閉のために、前記容器を前記装置と係合させるように、かつ、前記装置を通過するように搬送する二方向コンベアと、
を備えている、
試薬ソース。
【0050】
(4) 実施態様3記載の試薬ソースにおいて、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備える、試薬ソース。
(5) 実施態様3記載の試薬ソースにおいて、
前記容器を搬送するコンベアの動作が前記容器を開けるための力を与える、試薬ソース。
(6) 実施態様3記載の試薬ソースにおいて、
前記コンベアがターンテーブルであり、前記容器が前記ターンテーブルに配置されており、前記拡張部が、前記容器が移動する軌道に入るように延びる、試薬ソース。
【0051】
(7) 実施態様3記載の試薬ソースにおいて、
前記閉鎖手段が、前記拡張部と係合する突起部を備えている、試薬ソース。
(8) 実施態様7記載の試薬ソースにおいて、
前記突起部が、前記閉鎖手段から縦方向に延びるリブである、試薬ソース。
(9) 実施態様3記載の試薬ソースにおいて、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、開位置及び閉位置の間をスライドし、前記ピン回りに回転する、試薬ソース。
【0052】
(10) 実施態様9記載の試薬ソースにおいて、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、試薬ソース。
【0053】
(11) 自動分析装置において、
標本供給ソースと、
標本計量供給ステーションと、
反応容器と、
実施態様3記載の試薬ソースと、
前記標本の特性を測定する測定機器と、を備える、自動分析装置。
【0054】
(12) 実施態様11記載の自動分析装置において、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備える、自動分析装置。
(13) 実施態様11記載の自動分析装置において、
前記容器を搬送する前記コンベアの動作が前記容器を開くための力を与える、自動分析装置。
(14) 実施態様11記載の自動分析装置において、
前記コンベアがターンテーブルであり、前記容器が前記ターンテーブルに配置されており、前記拡張部が前記容器の移動する軌道に入るように延びている、自動分析装置。
【0055】
(15) 実施態様11記載の自動分析装置において、
前記閉鎖手段は、前記拡張部と係合する突起部を備えている、自動分析装置。
(16) 実施態様15記載の自動分析装置において、
前記突起部は、前記閉鎖手段から縦方向に延びるリブである、自動分析装置。
(17) 実施態様11記載の自動分析装置において、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の少なくとも一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、開位置及び閉位置の間でスライドし、前記ピン回りに回転する、自動分析装置。
【0056】
(18) 実施態様17記載の自動分析装置において、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、自動分析装置。
【0057】
(19) 容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
スライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する容器と、
前記容器を開閉する装置と、
を備え、
前記装置が、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する後退可能で回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向かって延びており、これにより、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合するようになっている拡張部と、
を備えている、
容器および容器開閉器の組み合わせ。
【0058】
(20) 実施態様19記載の容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、前記開位置及び前記閉位置の間をスライドし、前記ピン回りに回転する、容器および容器開閉器の組み合わせ。
(21) 実施態様20記載の容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、容器および容器開閉器の組み合わせ。
【0059】
(22) 容器を開閉するための方法において、
閉位置にあり、開位置へスライド可能であるか、開位置にあり、閉位置にスライド可能であるシャッター式閉鎖手段を有する容器を用意する段階と、
前記容器を開閉する装置であって、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って、前記シャフトから外に向かって延びて、中立位置において、前記コンベアの移動する軌道に入るように延びている拡張部とを備えている装置を用意する段階と、
前記容器を前記装置に向けて第1の方向に搬送する段階と、
前記容器が前記装置を通り過ぎるときに前記拡張部を前記シャッター式閉鎖手段と係合させ、これより前記拡張部が前記閉鎖手段を閉じた位置から開いた位置まで、または、開いた位置から閉じた位置までスライドさせる段階と、を含む、方法。
(23) 実施態様22記載の方法において、
前記拡張部と前記シャフトは、前記シャッター式閉鎖手段と係合しながら、前記容器の移動方向に回転する、方法。
(24) 実施態様23記載の方法において、
前記拡張部および前記シャフトは、前記閉鎖手段から外れ、前記拡張部および前記シャフトは、外れた後に前記中立位置に回転して戻る、方法。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】当該技術分野において公知の試薬パック容器の斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による試薬パックと開閉器の概略上面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による開閉器の側面断面図である。
【図4】本発明とともに用いることができる試薬保管ユニットの斜視図であり、試薬パックを回すためのカルーセルを示している。
【図5】本発明とともに用いることができる診断分析装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を開閉する装置であって、該装置を通過していくスライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する、装置において、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向けて移動の軌道に入るように広がり、これにより、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合して、前記シャッター式閉鎖手段を開位置から閉位置まで、または閉位置から開位置まで動かすようになっている拡張部と、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備えている、装置。
【請求項3】
自動分析装置用の試薬ソースにおいて、
開位置と閉位置との間でスライドするシャッター式閉鎖手段を有する容器を備えた試薬ソースと、
前記容器を開閉する装置と、
を備え、
前記装置が、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向けて広がる拡張部であって、これにより、前記容器が搬送されて前記拡張部を通り過ぎるときに、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合するように配置される、前記拡張部と、
開閉のために、前記容器を前記装置と係合させるように、かつ、前記装置を通過するように搬送する二方向コンベアと、
を備えている、
試薬ソース。
【請求項4】
請求項3記載の試薬ソースにおいて、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備える、試薬ソース。
【請求項5】
請求項3記載の試薬ソースにおいて、
前記容器を搬送するコンベアの動作が前記容器を開けるための力を与える、試薬ソース。
【請求項6】
請求項3記載の試薬ソースにおいて、
前記コンベアがターンテーブルであり、前記容器が前記ターンテーブルに配置されており、前記拡張部が、前記容器が移動する軌道に入るように延びる、試薬ソース。
【請求項7】
請求項3記載の試薬ソースにおいて、
前記閉鎖手段が、前記拡張部と係合する突起部を備えている、試薬ソース。
【請求項8】
請求項7記載の試薬ソースにおいて、
前記突起部が、前記閉鎖手段から縦方向に延びるリブである、試薬ソース。
【請求項9】
請求項3記載の試薬ソースにおいて、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、開位置及び閉位置の間をスライドし、前記ピン回りに回転する、試薬ソース。
【請求項10】
請求項9記載の試薬ソースにおいて、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、試薬ソース。
【請求項11】
自動分析装置において、
標本供給ソースと、
標本計量供給ステーションと、
反応容器と、
請求項3記載の試薬ソースと、
前記標本の特性を測定する測定機器と、
を備える、自動分析装置。
【請求項12】
請求項11記載の自動分析装置において、
いずれの方向の回転に対しても前記シャフトを付勢するねじりばねをさらに備える、自動分析装置。
【請求項13】
請求項11記載の自動分析装置において、
前記容器を搬送する前記コンベアの動作が前記容器を開くための力を与える、自動分析装置。
【請求項14】
請求項11記載の自動分析装置において、
前記コンベアがターンテーブルであり、前記容器が前記ターンテーブルに配置されており、前記拡張部が前記容器の移動する軌道に入るように延びている、自動分析装置。
【請求項15】
請求項11記載の自動分析装置において、
前記閉鎖手段は、前記拡張部と係合する突起部を備えている、自動分析装置。
【請求項16】
請求項15記載の自動分析装置において、
前記突起部は、前記閉鎖手段から縦方向に延びるリブである、自動分析装置。
【請求項17】
請求項11記載の自動分析装置において、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の少なくとも一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、開位置及び閉位置の間でスライドし、前記ピン回りに回転する、自動分析装置。
【請求項18】
請求項17記載の自動分析装置において、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、自動分析装置。
【請求項19】
容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
スライド可能なシャッター式閉鎖手段を有する容器と、
前記容器を開閉する装置と、
を備え、
前記装置が、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する後退可能で回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って前記シャフトから外に向かって延びており、これにより、前記容器の前記シャッター式閉鎖手段と係合するようになっている拡張部と、
を備えている、
容器および容器開閉器の組み合わせ。
【請求項20】
請求項19記載の容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
前記閉鎖手段は、前記閉鎖手段の一部を固定するためのピンと、少なくとも1つの自由端とを有し、前記自由端は、前記開位置及び前記閉位置の間をスライドし、前記ピン回りに回転する、容器および容器開閉器の組み合わせ。
【請求項21】
請求項20記載の容器および容器開閉器の組み合わせにおいて、
前記容器は個別に2つの流体を保持するために2つのチャンバーを有し、前記容器の開口部は隣り合って並んでおり、前記閉鎖手段の一部を固定するための前記ピンは前記開口部の間に配置されており、前記少なくとも1つの自由端には、前記ピンの両側にある2つの自由端が含まれ、前記2つの自由端の各々は、前記容器の各々の開口部を塞ぐ、容器および容器開閉器の組み合わせ。
【請求項22】
容器を開閉するための方法において、
閉位置にあり、開位置へスライド可能であるか、開位置にあり、閉位置にスライド可能であるシャッター式閉鎖手段を有する容器を用意する段階と、
前記容器を開閉する装置であって、
前記スライド可能なシャッターの移動方向に垂直な軸を有する回転可能なシャフトであって、いずれの方向の回転に対しても付勢されているシャフトと、
開閉のために、前記容器から離れた位置から前記容器の近傍の位置まで前記シャフトを双方向に動かす駆動装置と、
前記回転可能なシャフトの少なくとも一部に沿って、前記シャフトから外に向かって延びて、中立位置において、前記コンベアの移動する軌道に入るように延びている拡張部とを備えている装置を用意する段階と、
前記容器を前記装置に向けて第1の方向に搬送する段階と、
前記容器が前記装置を通り過ぎるときに前記拡張部を前記シャッター式閉鎖手段と係合させ、これより前記拡張部が前記閉鎖手段を閉じた位置から開いた位置まで、または、開いた位置から閉じた位置までスライドさせる段階と、を含む、方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、
前記拡張部と前記シャフトは、前記シャッター式閉鎖手段と係合しながら、前記容器の移動方向に回転する、方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、
前記拡張部および前記シャフトは、前記閉鎖手段から外れ、前記拡張部および前記シャフトは、外れた後に前記中立位置に回転して戻る、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−284575(P2006−284575A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−91848(P2006−91848)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(501131014)オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Indigo Creek Drive, Rochester, NY 14626−5101, U.S.A.
【Fターム(参考)】