説明

容器

【課題】 箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆してなる容器において、スプーンが内容物に埋没しないように簡易確実に支持可能にするとともに、スプーンの形状性を向上すること。
【解決手段】 容器100であって、各折返し板13B、14Bのスプーン支持片31、41が折り目線c、dを中心として各側板13、14の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、当該折返し板のストッパ片32、42が上記折り目線c、dよりも貼付け部30、40に対する反対側で当該側板13、14の内面に係止されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に関する。
【背景技術】
【0002】
箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆してなる容器において、蓋を開いたときにスプーンが内容物に埋没していることを回避するため、特許文献1に記載の如く、箱体の相対する側壁の上側辺に該側壁の内面側に折り返される折返し板を連設し、この相対する折返し板のそれぞれにスプーンの両端部のそれぞれを引掛けるスリット状のスプーン引掛け部を切り込み形成したものがある。
【0003】
また、特許文献2に記載の容器では、箱体の1つの側壁の上側辺から内面側に折り返される折返し板から箱の内方側に切り落とされる舌片状のフックを設け、このフックにスプーンの柄に設けた孔を引掛けるものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-178800
【特許文献2】特開2007-55674
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の容器には以下の問題点がある。
(1)スプーン引掛け部が箱体の折返し板にスリット状をなすように切り込み形成したものであり、引掛け代は折返し板の板厚程度であって浅い。このため、スプーンの両端部にスプーン引掛け部に係合し得る引掛突部を設け、このスプーンの引掛突部をスプーン引掛け部のスリットに狙い合せて引掛け操作する必要があり、スプーンの引掛け操作性が悪い。
【0006】
(2)スプーンの引掛突部がスプーン引掛部に引掛かる引掛け代が浅いから、スプーンの引掛け状態が振動等で外れる可能性がある。
【0007】
(3)スプーンの先端側の計量カップの先端外面の最先端部に引掛突部を突設する必要があるから、計量カップが内容物をスムースにすくいとるための傾斜状すくい面をその先端外面の最先端部にまで連続形成できない。
【0008】
特許文献2に記載の容器には以下の問題点がある。
(4)スプーンの柄の孔を舌片状のフックに狙い合せて引掛け操作する必要があり、スプーンの引掛け操作性が悪い。
【0009】
(5)スプーンの柄の孔が引掛かる舌片状のフックが外力によりたわみ易く、スプーンの引掛け状態が振動等で外れる可能性がある。
【0010】
(6)スプーンの柄に孔を設ける必要がある。
【0011】
本発明の課題は、箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆してなる容器において、スプーンが内容物に埋没しないように簡易確実に支持可能にするとともに、スプーンの形状性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆可能にするものであり、箱体の相対する側壁の上側辺に該側壁の内面側に折り返される折返し板を連設し、この相対する折返し板のそれぞれにスプーンの両端部のそれぞれを支持するスプーン支持片を設けた容器であって、各折返し板は、各側壁の上側辺寄りに設けられる貼付け部が該側壁の内面に貼着され、各側壁の上側辺に対して貼付け部を挟む下縁側に折り目線を介して設けられるスプーン支持片が該側壁の内面に対し箱体の内方側に折り起こされて張り出し可能にされ、スプーン支持片の貼付け部に沿う折り目線上の一部において該スプーン支持片の側から該貼付け部の側に向かって凸状をなすストッパ片が延在されてなり、各折返し板のスプーン支持片が折り目線を中心として各側壁の内面に対し箱体の内方側に折り起こされて張り出された状態で、当該折返し板のストッパ片が上記折り目線よりも貼付け部に対する反対側で当該側壁の内面に係止されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
(a)相対する折返し板のスプーン支持片が折り目線を中心として各側壁の内面に対し箱体の内方側に折り起こされて張り出される。各スプーン支持片の張り出し長さは必要十分に設定でき、スプーンの両端部をそれらのスプーン支持片に単に上から載せ置くだけで、スプーンの両端部を内容物の上方に支持でき、スプーンが内容物に埋没しないように簡易に支持できる。
【0014】
(b)各折返し板のスプーン支持片が箱体の内方側に折り起こされて張り出された状態で、当該折返し板のストッパ片が貼付け部に対する反対側で側壁の内面に係止され、スプーン支持片が折り起こされて張り出された状態をロックされる。各スプーン支持片の張り出し長さを必要十分に設定でき、かつその張り出し状態をロックできることから、スプーンの支持状態が振動等で外れることなく確実化できる。
【0015】
(c)スプーンは相対する折返し板のスプーン支持片の上に単に載せ置かれて支持されるものであり、支持されるための引掛突部等の格別の形態を備えることを必要とされず、その形状性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は実施例1の容器を示す斜視図である。
【図2】図2は容器の箱体に内容物とスプーンを収容した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は図2の箱体の内部を示す模式断面図である。
【図4】図4は容器の箱体を構成する厚紙の展開図である。
【図5】図5は図4のスプーン支持片が設けられる折返し板を示す拡大図である。
【図6】図6は実施例2の容器の箱体に内容物とスプーンを収容した状態を示す斜視図である。
【図7】図7は図6の箱体の内部を示す模式断面図である。
【図8】図8は容器の箱体を構成する厚紙の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例1)
図1に示す実施例1の容器100は、例えば粉体洗剤を内容物1とするものであり、図2、図3に示す如く、箱体10に内容物1とスプーン50を収容し、箱体10の開口を蓋20により被覆可能にする。容器100を開封した使用者は、スプーン50により内容物1をすくいとって計量し、小出しできる。
【0018】
箱体10は、紙だけ、又は紙を主材料としたプラスチックフィルムをラミネートされた厚紙の素材を折り曲げて組立てたものである。箱体10を構成する厚紙は、図4に示す如く、正面板11、背面板12、両側板13、14を互いに折曲げ可能に連設し、背面板12の一側に糊付フラップ15を連設し、それら各板11〜14の下側辺(箱体10の組立状態で下側になる辺を下側辺という)に箱体10の底10Aを形成するための底板11A〜14Aを折曲げ可能に連設し、それら各板11〜14の上側辺(箱体10の組立状態で上側になる辺を上側辺という)に各板11〜14の内面側に折り返されて貼着される折返し板11B〜14Bを折曲げ可能に連設している。
【0019】
蓋20は、紙だけ、又は紙を主材料としたプラスチックフィルムをラミネートされた厚紙の素材を折り曲げて組立てたものであり、前板21、後板22、両側板23、24、天板25を有する。蓋20は、箱体10の背面板12に接着されるヒンジ結合部(不図示)を後板22に備え、箱体10の開口を覆う。蓋20は、前板21の下縁中央部につまみ片26を突出させ、つまみ片26の裏面を箱体10の正面板11の外面に貼り付け、箱体10の開口を封止する。
【0020】
容器100は、箱体10の正面板11、背面板12、両側板13、14を側壁とし、相対する一組の側壁である両側板13、14の上側辺a、bに連設した折返し板13B、14Bのそれぞれに、スプーン50の両端部である柄51と計量カップ52の先端部のそれぞれを支持するスプーン支持片31、41を設ける。
【0021】
各折返し板13B、14Bは、図1〜図5に示す如く、各側板13、14の上側辺a、b寄りに設けられる貼付け部30、40が該側板13、14の内面に貼着される。そして、各側板13、14の上側辺a、bに対して貼付け部30、40を挟む下縁側に折り目線c、dを介して設けられるスプーン支持片31、41が該側板13、14の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出し可能にされる。更に、各スプーン支持片31、41の貼付け部30、40に沿う折り目線c、d上の一部において該スプーン支持片31、41の側から該スプーン支持片31、41と同一面をなして該貼付け部30、40の側に向かう凸状をなすストッパ片32、42が延在される。各折返し板13B、14Bにおいて、ストッパ片32、42は門型状切込線e、fにより貼付け部30、40の側から切離される。
【0022】
本実施例において、各折返し板13B、14Bは各側板13、14の上側辺a、bの両端部に対して箱体10の開口から底板13A、14Aの側に入るに従って僅かに縮幅化されているものの、各スプーン支持片31、41は箱体10の内部で相対する正面板11と背面板12の間隔の概ね全域に渡る広幅をなす。各スプーン支持片31、41はその広幅をなす幅方向の中央部にストッパ片32、42を設け、ストッパ片32、42を除く幅方向の両端部に折り目線c、dを設けている。
【0023】
折返し板13Bの貼付け部30に対し、スプーン支持片31とストッパ片32は折り目線cを回転中心として回転角度90度をこえて回転する。これにより、図1に示す如く、折返し板13Bのスプーン支持片31が折り目線cを回転中心として側板13の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、折返し板13Bのストッパ片32が上記折り目線cよりも貼付け部30に対する反対側の先端縁部で側板13の内面に係止される。このとき、貼付け部30における、ストッパ片32の両側に位置し、かつ折り目線c寄りとなる部分だけは側板13の内面に非貼着とされ、スプーン支持片31とストッパ片32の回転容易化を図ることができる。
【0024】
また、折返し板14Bの貼付け部40に対し、スプーン支持片41とストッパ片42は
折り目線dを回転中心として回転角度90度をこえて回転する。これにより、図1に示す如く、折返し板14Bのスプーン支持片41が折り目線dを回転中心として側板14の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、折返し板14Bのストッパ片42が上記折り目線dよりも貼付け部40に対する反対側の先端縁部で側板14の内面に係止される。このとき、貼付け部40における、ストッパ片42の両側に位置し、かつ折り目線d寄りとなる部分だけは側板14の内面に非貼着とされ、スプーン支持片41とストッパ片42の回転容易化を図ることができる。
【0025】
ストッパ片32、42の先端縁部は側板13、14の内面との摩擦力によって側板13、14の内面に係止される。側板13、14がコートボール紙からなるとき、ストッパ片32、42の先端縁部が係止する側板13、14の内面は、コートボール紙の裏面(滑らかでない面)とすることが、その係止を確実にする点で、好ましい。
【0026】
容器100にあっては、箱体10に内容物1とスプーン50を収容するとき、図2、図3に示す如く、スプーン50の柄51が一方の折返し板13Bのスプーン支持片31の上に載せ置かれて支持され、スプーン50の計量カップ52の先端部が他方の折返し板14Bのスプーン支持片42の上に載せ置かれて支持される。
【0027】
容器100では、図3に示す如く、一方の折返し板13Bのスプーン支持片31が他方の折返し板14Bの貼付け部40に対する間隔L1と、他方の折返し板14Bのスプーン支持片41が一方の折返し板13Bの貼付け部30に対する間隔L2のそれぞれを、スプーン50の全長Sより短く設定している。L1<S、L2<Sである。
【0028】
スプーン50は、図3に示す如く、柄51の先端側に計量カップ52を有しており、計量カップ52の先端外面が当該先端方向で該計量カップ52の下側の底部52Aから上側の口部52Bに向かう上向き勾配状の傾斜状すくい面53をなすものとしている。
【0029】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)相対する折返し板13B、14Bのスプーン支持片31、41が折り目線c、dを中心として各側板13、14の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出される。各スプーン支持片31、41の張り出し長さは必要十分に設定でき、スプーン50の両端部をそれらのスプーン支持片31、41に単に上から載せ置くだけで、スプーン50の両端部を内容物1の上方に支持でき、スプーン50が内容物1に埋没しないように簡易に支持できる。
【0030】
(b)各折返し板13B、14Bのスプーン支持片31、41が箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、当該折返し板13B、14Bのストッパ片32、42が貼付け部30、40に対する反対側で側板13、14の内面に係止され、スプーン支持片31、41が折り起こされて張り出された状態をロックされる。各スプーン支持片31、41の張り出し長さを必要十分に設定でき、かつその張り出し状態をロックできることから、スプーン50の支持状態が振動等で外れることなく確実化できる。
【0031】
(c)スプーン50は相対する折返し板13B、14Bのスプーン支持片31、41の上に単に載せ置かれて支持されるものであり、支持されるための引掛突部等の格別の形態を備えることを必要とされず、その形状性を向上できる。
【0032】
(d)一方の折返し板13Bのスプーン支持片31が他方の折返し板14Bの貼付け部40に対する間隔L1と、他方の折返し板14Bのスプーン支持片41が一方の折返し板13Bの貼付け部30に対する間隔L2のそれぞれが、スプーン50の全長Sより短く設定される。
【0033】
スプーン50の計量カップ52が他方の折返し板14Bの貼付け部40に突き当たるように、他方の折返し板14Bの側に偏って位置付けられたとしても、一方の折返し板13Bのスプーン支持片31が他方の折返し板14Bの貼付け部40に対する間隔L1がスプーン50の全長Sより短く設定されるから、スプーン50の一端である柄51の端部が一方のスプーン支持片31から脱落することなく、スプーン50を両方のスプーン支持片31、41により確実に支持できる。
【0034】
スプーン50の柄51が一方の折返し板13Bの貼付け部30に突き当たるように、一方の折返し板13Bの側に偏って位置付けられたとしても、他方の折返し板14Bのスプーン支持片41が一方の折返し板13Bの貼付け部30に対する間隔L2がスプーン50の全長Sより短く設定されるから、スプーン50の他端である計量カップ52の端部が他方のスプーン支持片41から脱落することなく、スプーン50を両方のスプーン支持片31、41により確実に支持できる。
【0035】
(e)スプーン50は、前述(c)の如く、各スプーン支持片31、41に支持されるための引掛突部等の格別の形態を備えることを必要としない。従って、スプーン50の他端である計量カップ52の先端外面を当該先端方向で該計量カップ52の下側の底部52Aから上側の口部52Bに向かう上向き勾配状の傾斜状すくい面53にしたから、該スプーン50の他端を対応するスプーン支持片41の上に載せて支持できる。計量カップ52の先端外面が傾斜状すくい面53を備えることにより、計量カップ52は内容物1をスムースにすくいとりできる。
【0036】
(実施例2)
図6〜図8は実施例2の容器100を示すものである。実施例2の容器100が実施例1の容器100と異なる点は、各スプーン支持片31、41に相当するスプーン支持片131、141を箱体10の正面板11と背面板12の折返し板11B、12Bのそれぞれに設けたことにある。
【0037】
即ち、容器100は、箱体10の正面板11、背面板12、両側板13、14を側壁とし、相対する一組の側壁である正面板11、背面板12の上側辺a、bに連設した折返し板11B、12Bのそれぞれに、スプーン50の両端部である柄51と計量カップ52の先端部のそれぞれを支持するスプーン支持片131、141を設ける。
【0038】
各折返し板11B、12Bは、図6〜図8に示す如く、正面板11、背面板12の上側辺a、b寄りに設けられる貼付け部130、140が該正面板11、背面板12の内面に貼着される。そして、正面板11、背面板12の上側辺a、bに対して貼付け部130、140を挟む下縁側に折り目線c、dを介して設けられるスプーン支持片131、141が該正面板11、背面板12の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出し可能にされる。更に、各スプーン支持片131、141の貼付け部130、140に沿う折り目線c、d上の一部において該スプーン支持片131、141の側から該スプーン支持片131、141と同一面をなして該貼付け部130、140の側に向かう凸状をなすストッパ片132、142が延在される。各折返し板11B、12Bにおいて、ストッパ片132、142は門型状切込線e、fにより貼付け部130、140の側から切離される。
【0039】
本実施例において、各スプーン支持片131、141は箱体10の内部で相対する側板13と側板14の間隔の概ね全域に渡る広幅をなす。各スプーン支持片131、141はその広幅をなす幅方向の中央部にストッパ片132、142を設け、ストッパ片132、142を除く幅方向の両端部に折り目線c、dを設けている。
【0040】
折返し板11Bの貼付け部130に対し、スプーン支持片131とストッパ片132は折り目線cを回転中心として回転角度90度をこえて回転する。これにより、図7に示す如く、折返し板11Bのスプーン支持片131が折り目線cを回転中心として正面板11の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、折返し板11Bのストッパ片132が上記折り目線cよりも貼付け部130に対する反対側の先端縁部で正面板11の内面に係止される。このとき、貼付け部130における、ストッパ片132の両側に位置し、かつ折り目線c寄りとなる部分だけは正面板11の内面に非貼着とされ、スプーン支持片131とストッパ片132の回転容易化を図ることができる。
【0041】
また、折返し板12Bの貼付け部140に対し、スプーン支持片141とストッパ片142は折り目線dを回転中心として回転角度90度をこえて回転する。これにより、図7に示す如く、折返し板12Bのスプーン支持片141が折り目線dを回転中心として背面板12の内面に対し箱体10の内方側に折り起こされて張り出された状態で、折返し板12Bのストッパ片142が上記折り目線dよりも貼付け部140に対する反対側の先端縁部で背面板12の内面に係止される。このとき、貼付け部140における、ストッパ片142の両側に位置し、かつ折り目線d寄りとなる部分だけは背面板12の内面に非貼着とされ、スプーン支持片141とストッパ片142の回転容易化を図ることができる。
【0042】
ストッパ片132、142の先端縁部は正面板11、背面板12の内面との摩擦力によって正面板11、背面板12の内面に係止される。正面板11、背面板12がコートボール紙からなるとき、ストッパ片132、142の先端縁部が係止する正面板11、背面板12の内面は、コートボール紙の裏面(滑らかでない面)とすることが、その係止を確実にする点で、好ましい。
【0043】
容器100にあっては、箱体10に内容物1とスプーン50を収容するとき、図7に示す如く、スプーン50の柄51が一方の折返し板11Bのスプーン支持片131の上に載せ置かれて支持され、スプーン50の計量カップ52の先端部が他方の折返し板12Bのスプーン支持片142の上に載せ置かれて支持される。
【0044】
容器100では、図7に示す如く、一方の折返し板11Bのスプーン支持片131が他方の折返し板12Bの貼付け部140に対する間隔L1と、他方の折返し板12Bのスプーン支持片141が一方の折返し板11Bの貼付け部130に対する間隔L2のそれぞれを、スプーン50の全長Sより短く設定している。L1<S、L2<Sである。
【0045】
本実施例によれば、実施例1におけると同様の作用効果を奏する。
尚、実施例2の容器100にあっては、使用者が箱体10の平面視の短手方向で相対する正面板11、背面板12を手指で掴んで把持力を加えたとき、スプーン支持片131、141に支持してあるスプーン50がこの把持力に対する突っ張りになる。把持力による箱体10のゆがみを防止できる。紙容器100(箱体10と蓋20が紙製の容器)においてメリットが大きい。
【0046】
また、容器100にあっては、箱体10に作用する振動により、スプーン支持片131、141の上で回転するスプーン50の柄51及び計量カップ52がそれらのスプーン支持片131、141からそれらの間隔内に脱落することのないように、折返し板11Bにおいてストッパ片132の形成によって開いた穴に柄51の端部を突込んでスプーン50がスプーン支持片131、141の上で回転しづらくすることが考えられる(図6)。スプーン50の柄51、計量カップ52が支持されるスプーン支持片131、141の一部(中央部)を更に折り曲げて段差を作ることにより、スプーン50のスプーン支持片131、141に対する回転を抑えることも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆してなる容器において、スプーンが内容物に埋没しないように簡易確実に支持可能にするとともに、スプーンの形状性を向上することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 内容物
10 箱体
11 正面板(側壁)
12 背面板(側壁)
13、14 側板(側壁)
11B、12B、13B、14B 折返し板
20 蓋
30、40、130、140 貼付け部
31、41、131、141 スプーン支持片
32、42、132、142 ストッパ片
50 スプーン
100 容器
a、b 上側辺
c、d 折り目線
L1、L2 間隔
S 全長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体に内容物とスプーンを収容し、該箱体の開口を蓋により被覆可能にするものであり、
箱体の相対する側壁の上側辺に該側壁の内面側に折り返される折返し板を連設し、この相対する折返し板のそれぞれにスプーンの両端部のそれぞれを支持するスプーン支持片を設けた容器であって、
各折返し板は、各側壁の上側辺寄りに設けられる貼付け部が該側壁の内面に貼着され、各側壁の上側辺に対して貼付け部を挟む下縁側に折り目線を介して設けられるスプーン支持片が該側壁の内面に対し箱体の内方側に折り起こされて張り出し可能にされ、スプーン支持片の貼付け部に沿う折り目線上の一部において該スプーン支持片の側から該貼付け部の側に向かって凸状をなすストッパ片が延在されてなり、
各折返し板のスプーン支持片が折り目線を中心として各側壁の内面に対し箱体の内方側に折り起こされて張り出された状態で、当該折返し板のストッパ片が上記折り目線よりも貼付け部に対する反対側で当該側壁の内面に係止される容器。
【請求項2】
一方の折返し板のスプーン支持片が他方の折返し板の貼付け部に対する間隔と、他方の折返し板のスプーン支持片が一方の折返し板の貼付け部に対する間隔のそれぞれが、スプーンの全長より短く設定される請求項1に記載の容器。
【請求項3】
スプーンが柄の先端側に計量カップを有してなり、計量カップの先端外面が当該先端方向で該計量カップの下側の底部から上側の口部に向かう上向き勾配状の傾斜状すくい面をなす請求項1又は2に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−208677(P2010−208677A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58403(P2009−58403)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】