説明

容量性差圧変換器を備えた汚染物質堆積制御バッフル

堆積制御バッフル(250)は、(付加的に)設けられる。その複数の孔が、汚染物質を内側キャパシタ(127a)および外側キャパシタ(127b)の膜(160)の領域へと導き、その差が汚染物質を無効とするようにする。可能な限り多くの汚染物質がダイヤフラム(160)に到達するのを防止する代わりに、上述したバッフルは、このような汚染物質が変換器の性能に与え得る影響を最小に抑えるように、所定のパターンで汚染物質をダイヤフラムへと導く。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、容量性圧力変換器に関し、更に詳細には、この容量性圧力変換器内の汚染物質の堆積制御に関する。
【0002】
図1Aは、従来技術の容量性圧力変換器100の側断面図を示している。便利に図示するために、図1Aは、本開示の他の図面と同様に、縮尺して示されてはいない。示されているように、変換器100は、ハウジング102、このハウジング102内に配置された容量性圧力センサー106、入口チューブ104、およびろ過機構108を有している。便利に図示するために、変換器100の細部の殆どが、図1Aでは省略されている。しかしながら、このようなセンサーは、良く知られており、例えば米国特許5,911,162号および6,105,436号と、米国特許出願09/394,804号および09/637,980号とに開示されている。
【0003】
簡単に説明すると、変換器100は、通常は、カップリング112によって、気体ライン110あるいは気体、即ち流体111の何らかの他の外部源に結合されている。運転中、センサー106は、気体111の圧力(即ち、外部源110内の圧力)を表す出力信号を発生させる。
【0004】
変換器100のような圧力変換器は、集積回路加工鋳造所で、例えば堆積チャンバへと運ばれる気体ライン中の流体の圧力を測定したり、または、堆積チャンバ中の圧力を測定したりするためなどに使用されることが多い。アルミニウムのエッチングのような集積回路加工で用いられるこうした処理の幾つかでは、大量の粒子あるいは汚染物質が発生する傾向がある。このような汚染物質がセンサー106中に入るのを防ぐことが一般に望ましい。汚染物質がセンサー106中に入るか、この中で堆積したときは、変換器100による圧力測定の精度に悪影響が出る。従って、従来技術の圧力変換器では、汚染物質がセンサー106にたどり着かないように様々の機構を使用してきた。このような従来技術のろ過機構は、一般には、入口チューブ104とセンサー106との間に配置されるもので、図1Aに概して参照符号108で示されている。
【0005】
図1Bは、センサー106(以下に説明するように部材127a、127b、および160を有している)とろ過機構108(以下に示説明するように部材140,150を有している)との両方を示す、特定の従来技術の圧力変換器100の更に詳しい図を示している。変換器100は、比較的薄い可撓性の導電ダイヤフラム160によって分離された下部ハウジング102aと上部ハウジング102bとを有している。下部ハウジング102aおよび上部ハウジング102bと、ダイヤフラム160とは、通常は、互いに溶接されている。上部ハウジング102bとダイヤフラム160とは、入口チューブ104中に開口している内部チャンバ130を規定している。ダイヤフラム160は、チャンバ120,130中の圧力差に応じて曲がるか反れるようにされている。
【0006】
変換器100は、チャンバ120内に配置されたセラミック電極122を有している。この電極122は、サポート124によってチャンバ120内で支持されている。内側導体127aと外側導体127bとが、電極122の底部に設けられている。図1Cは、内側および外側導体127a、127bの幾何学を示す電極122の底面図を示している。示されているように、内側導体127aは、円形である。外側導体127bは、環状で、内側導体127aを囲んでいる。内側導体127aの面積は、通常は、外側導体127bの面積と等しくなるように選択されている。導体127a、127bは、概して、互いに平行であり、ダイヤフラム160から離間されている。ダイヤフラム160と導体127a、127bとは、2つの可変キャパシタ128a、128bを形成している。更に詳細には、ダイヤフラム160と内側導体127aとは、内側静電容量Cinnerを特徴とする可変内側キャパシタ128aを形成している。同様に、ダイヤフラム160と外側導体127bとは、外側静電容量Couterを特徴とする可変外側キャパシタ128bを形成している。
【0007】
各可変キャパシタの静電容量は、部分的に、ダイヤフラムと、関連した導体との間の距離dによって決定される。更に詳細には、良く知られているように、C=Ae/dである。ここでCは、2つの互いに平行な導体プレートの間の静電容量であり、Aは、これらプレート間の共通領域であり、eは、真空の誘電率であり、eは、プレートを分離する材料の相対的な誘電率であり(真空の場合はe=1)、dは、プレート間の軸方向の距離である(即ち、プレートの法線の軸に沿って測定されるプレート間の距離)。
【0008】
ダイヤフラム160がチャンバ120,130間の差圧の変化に応じて曲がると、可変キャパシタ128a、128bの静電容量は変化して、差圧の兆候を表す。
【0009】
真空状態に近くなることがある基準圧力が、通常は、チャンバ120中で与えられる。入口チューブ104は、カップリング112を介して、気体111を収容する気体ライン110に接続されている。また、変換器100は、気体111の圧力を表す電気的な出力信号を与える。他の構成では、チャンバ120中へつながる第2の入口チューブが設けられ、第2の外部源に接続されていてよい。このような構成では、変換器100は、2つの外部源の間の差圧を表す信号を与える。変換器は、本明細書では、気体あるいは流体111の圧力を測定する点について説明されているが、差圧変換器としても使用可能であることが理解されるだろう。
【0010】
容量性圧力変換器は、単一導体および単一可変キャパシタのみを使用して形成され得る。しかしながら、このような変換器によって発生される出力信号は、ダイヤフラムの“平坦なシフト”に応じて変化するという望ましくない特徴を有している。この平坦なシフトは、気体111の圧力とは関係のない、変換器の周囲環境における温度変化などの要素によって生じる。変換器の様々の部品の様々の熱膨張率により、ダイヤフラムと電極との間の距離が変えられ得る。公知のように、変換器の精度および安定性は、変換器の2つの可変キャパシタを設けることと、これら2つのキャパシタの差の関数(例えば、CinnerマイナスCouterの関数)に係わる変換器の出力信号を発生させることとによって、改良され得る。気体111の圧力が増すとき、ダイヤフラム160が曲がるか撓み、この結果、ダイヤフラム160の中心部が、ダイヤフラムの外側部よりも電極122の近くへと移動する。これにより、内側および外側静電容量の両方が変化するが、内側静電容量が相当に変化する。内側および外側静電容量の間のデルタが、気体111の圧力のよい表示を与える。しかしながら、全ダイヤフラム160がダイヤフラムの法線の方向に、電極122の近くへあるいは遠くへ移動する場合(即ち、ダイヤフラム160が“平坦なシフト”を経験する場合)、内側および外側静電容量は同じ量だけ変化し(内側および外側導体の面積が等しい場合に限って)、出力信号(2つの静電容量の間の差に基づいた)は影響を受けない。かくして、2つの可変キャパシタを設けることで、有利に、ダイヤフラムの平坦なシフトに鈍感な変換器を得ることができる。
【0011】
上述されたように、汚染物質(例えばエッチングによるアルミニウムによって生じた)が、ガス111中に含まれていることが多い。このような汚染物質がダイヤフラム160上に堆積したときは、変換器100の精度に悪い影響を与える可能性がある。汚染物質の堆積によって起こる最も一般的な問題は、一般に、“ゼロシフト”と呼ばれている。変換器100によって発生される出力信号は、一般に、所定の最小値と所定の最大値との間の範囲内に収まる。例えば、1つのよくある選択は、0〜10ボルトに及ぶ変換器の出力信号をアナログ信号にすることである。ゼロボルトというのは、変換器によって検出可能な圧力の最小限値を表し、10ボルトとは、こ変換器によって検出可能な最大圧力値を表しており、これらの信号は、0〜10ボルトの間の圧力に応じて線形に変化する。通常は変換器内でチャンバ120,130の外部に配置される電子機器(図示されず)が、通常は、この出力信号を発生させる。変換器がゼロシフトを経験したときは、これは、気体111の圧力が検出可能な圧力の最小限値にある時のゼロボルトに等しい出力信号を発生しないだろう。むしろ、気体の圧力がこの最小限値にある時は、変換器は、非ゼロ出力信号を発生するだろう。汚染物質の堆積によって起こるゼロシフトおよび他の問題を減じようとする際に、従来技術の変換器は、汚染物質がダイヤフラム160上に堆積するのを防ぐように様々のフィルターを使用してきた。
【0012】
図示されている変換器100では、汚染物質のろ過機構108が、粒子トラップシステム140とバッフル150とを有している。トラップシステム140は、バッフル141を有しており、この上面図が、図2に示されている。バッフル141は、中央の円形の閉じた部分142と、この閉じた部分142を囲むように配置され、複数の開口144を形成している、複数の環状の領域とを有している。これら開口144は、バッフル141を中心として周方向に均等に離間され、径方向に異なる直径を有するように配置された一連の領域として形成されている。中央部142の直径は、入口チューブ104の直径よりも大きく、かくして、入口チューブ104からダイヤフラム160への直通通路をブロックする。よって、入口チューブ104内の汚染物質は、ダイヤフラム160まで直線通路に従って進むことは出来ず、代わりに、入口チューブ104の距離だけ移動した後に、入口チューブ104の長さ方向に対してほぼ垂直な方向に(この垂直方向は図1Bに矢印Lで概して示されている)移動し、環状チャンバ領域146中に入り、そして、周辺開口144の1つを通過する。周辺開口144は、比較的大きな粒子がこの開口を通過できないような大きさ(例えば、250ミクロン以上)にされている。トラップシステム140はまた、バッフル141とハウジング部材102aとの間に規定されたチャンバ146を有している。開口144を通過できなかった粒子は、チャンバ146内に集積されるか、捕捉される傾向がある。
【0013】
上述されたように、変換器100はまた、ダイヤフラム160も到達する可能性のある汚染物質の数を更に減じるためにバッフル150を有している。バッフル150は、米国特許6,443,015号に説明されている。図3は、バッフル150の上面図を示している。示されているように、バッフル150は、外周の周りに配置されて互いに均等に離間されたタブ152を備えた基本的に円形の金属プレートである。ハウジング部材102aは、バッフル150を図1Bに示された位置で支持するようにタブ152と接触するようになる段付き領域を有している。
【0014】
タブ152は、基本的に、バッフル150の周辺端部とハウジング部材102aとの間の、タブの長さによって決定される径方向の幅を有する複数の環状領域154を規定している(図1Bおよび図3に示されている)。バッフル150とハウジング部材102aとは、所定の汚染物質が入口チューブ104からダイヤフラム160まで移動する場合に通過する領域158を規定している。領域158は、環状であり、上方はバッフル150によって、下方はバッフル141か下方のハウジング部材102aかによって、区画されている(用語“上方”と“下方”とは、図1Bに関連しているが、変換器100の絶対的な方向を示唆するものでは全くない)。汚染物質は、周辺開口144を介して領域158中に入り、バッフル150の周辺端部とハウジング部材102aとの間の環状領域154(図1Bおよび図3に示されている)を介して領域158から出ることができる。
【0015】
領域158は、長さLと間隔gとを特徴とする。領域158の長さL(図1Bに示されている)は、環状領域154までの開口144間の距離である。領域154の間隔gは、バッフル150とハウジング部材102aとの間の距離である。領域158のアスペクト比が、長さL対間隔gの比率として規定されている。米国特許6,443,015号で教示されているように、アスペクト比は、10より大きいと好ましい。長さLは、少なくとも1cmであり、約1〜4cmの範囲内であると好ましい。間隔gは、約0.1cmに満たなく、0.025〜0.1cmの範囲内であると好ましい。
【0016】
チャンバ130中の圧力が比較的低いとき(例えば、0.02Torr未満である)は、チャンバ130中の材料の動きは、“分子流”を特徴とする。分子流では、チャンバ130中の分子が、変換器の固体表面に衝突するまで概して直線方向に移動する。これは、分子が変換器の1つの面から他の面へと直線通路に沿って移動しにくい代わりにはるかに互いから跳ね返りやすくなる、より密集した気体中での動きと対照をなしている。分子流の状況下では、領域158を通って移動する汚染物質が、バッフル150およびハウジング部材102aの表面と、環状領域154に到達しこれを通過する前で既に、何度も衝突することになりやすい。汚染物質の粒子が、領域158を通過し続けたり環状領域154を通過するよりむしろ、バッフル150かハウジング部材102aかの表面上に堆積するか溜まるようになる見込みが、汚染物質がバッフル150およびハウジング部材102aの表円と衝突する数の増加関数(increasing function)である。長さL対間隔gのアスペクト比を10より大きくなるように選択することで、領域158を移動する汚染物質が、領域158を通過し続けるか環状領域154を通過して、最終的にはダイヤフラム160に到達するよりもむしろ、バッフル150かハウジング部材102aかの表面上に堆積しやすくなるように確実にできる。
【0017】
トラップシステム140とバッフル150との使用は、ダイヤフラム160に到達する汚染物質の数を大きく減じるのと、対応したゼロシフトを減じるのとに効果的である。しかしながら、それでも、容量性圧力変換器のダイヤフラム上への汚染物質の堆積を更によく制御することができれば有利である。
【0018】
従来のろ過技術は、可能な限り多くの汚染物質が容量性圧力変換器のダイヤフラムへと達しないようにするか達する量を減じるように試みてきた。本発明は、異なるアプローチを取っている。汚染物質をなくす代わりに、本発明に関わって構成されたバッフルが、汚染物質が変換器の性能に与えかねない悪影響を最小限にするために汚染物質を所定のパターンでダイヤフラムの方へ導く。
【0019】
2つの可変キャパシタを有する変換器では、ダイヤフラム上の特定の導体近くに堆積した汚染物質が、この導体に関連した可変キャパシタの静電容量に対して、他の可変キャパシタに対するよりも、より強い悪影響を与えることが多い。変換器は、一般に、2つの可変キャパシタの静電容量間の差の関数に係わる出力信号を発生させる。かくして、汚染物質が出力信号に与える可能性のある悪影響は、汚染物質が両可変キャパシタに等しいかほぼ等しい影響を与えることを確実にすることによって、最小にされる。本発明に係わって構成されたバッフルにより、ダイヤフラム上の1つの導体の近くに堆積する汚染物質の量が、例えばダイヤフラム上の他の導体の近くに堆積する汚染物質の量とほぼ等しくなることを確実にするように、ダイヤフラム上に汚染物質が堆積可能でありこのダイヤフラムが構成可能なように制御を与える。
【0020】
本発明の他の課題および利点は、単に本発明の最も好ましい態様を示すことによって幾つかの実施形態が示されて説明されている以下の詳細な説明により、当業者には容易に明らかになるだろう。理解されるように、本発明は、他のおよび異なる実施形態にも対応可能であり、その幾つかの細部は、本発明から逸脱することなく、様々の点で改良可能である。従って、図面および説明は、本発明の範囲を制限するのではなく、事実上説明のためのものであり、本発明の応用範囲は、請求項に示されていると考えられる。
【0021】
図4Aは、本発明に係わって構成された容量性圧力変換器200の側断面図を示している。従来技術の圧力変換器100の図示されている(図1Bに)構成部品に加えて、変換器200はまた、内部チャンバ130内でダイヤフラム160とバッフル150との間に配置された堆積制御バッフル250を有している。圧力変換器200中に入る材料(例えば気体分子か粒子汚染物)は、気体ライン110を通って入り、ダイヤフラム160に接触する前に、トラップシステム140およびバッフル150を通過し、最後に堆積制御バッフル250を通る。以下に更に説明されるように、バッフル250は、圧力変換器200内のゼロシフトを制御するようにチャンバ130内の汚染物の流れの方向を変える。
【0022】
図4Bは、変換器200の一部分の拡大図を示している。更に詳細には、図4Bは、電極122およびダイヤフラム160の拡大した側断面図を示している。図示されているように、ダイヤフラム160は、内側導体127aおよび外側導体127bに対する近さに応じて3つの異なる領域に分割されると考えられる。ダイヤフラム160の内側領域Iが、内側導体127aに近接している。ダイヤフラム160の中間領域Mが、外側導体127bに近接している。また、ダイヤフラム160の外側領域Oが、外側導体127bの外側に位置している。領域I,M、およびOの範囲を規定する際にはある程度の自由がある。図4Bでは、内側領域Iと中間領域Mとの境界線が、導体の一端から導体の法線の方向に延びた線によって決定されている。あるいは、領域IおよびMは、内側導体および外側導体の“下に位置する”として説明され、領域Oは、外側導体の周りに延びており下に位置してはいないとして説明され得る(用語“下に位置する”は、図4Aおよび図4Bに示された方向を参照していて、変換器の何らかの絶対的な方向を示唆してはいない)。しかしながら、これらの領域は、このような正確さをもって規定される必要がないことが理解されるだろう。内側領域Iおよび中間領域Mは、夫々に、内側および外側導体に単に近接していると考えられ、外側領域Oは、中間領域Mの外側に位置すると考えられる。または、外側領域Oは、ダイヤフラムのこの領域が内側および外側キャパシタの静電容量に大抵の場合は影響しないことから、ダイヤフラムの“活動領域”の外部に位置すると考えられ得る。
【0023】
内側領域I内の汚染物質の堆積は、内側キャパシタ128a(即ち、ダイヤフラム160と内側導体127aとによって規定されたキャパシタ)の静電容量に影響しやすい。中間領域M内の汚染物質の堆積は、外側キャパシタ128b(即ち、ダイヤフラム160と外側導体127bとによって規定されたキャパシタ)の静電容量に影響しやすい。外側領域O内の汚染物質の堆積は、可変キャパシタ128a、128bのいずれの静電容量にも大きな影響を与えない。内側領域I内の汚染物質の堆積により、内側キャパシタ128aの静電容量が増されるか減じられることがある。同様に、中間領域M内の汚染物質の堆積により、外側キャパシタ128bの静電容量が増されるか減じられることがある。堆積された汚染物質層の表面張力や汚染物質の堆積状況などの要因に応じて、汚染物質の堆積により、関連した可変キャパシタの静電容量が増されるか、減じられる。アルミニウムのエッチングのような所定のプロセスでは、静電容量を増す汚染物質の堆積を生じることがある。他のプロセスは、静電容量を減じる汚染物質の堆積を生じやすい。はっきりと指定されている場合を除き、以下の説明は、汚染物質が静電容量の増加を生じる多様性を有していることを想定している。
【0024】
図1Bに戻ると、従来技術の変換器100が汚染物質の豊富な環境で動作されるとき、バッフル150によって、ダイヤフラム160に到達しこれの上に堆積する汚染物質の大部分がダイヤフラムの外側領域O内に堆積されることを確実にしやすい。外側領域O内(即ち、活動領域の外部)に堆積された汚染物質は、領域IおよびM内の汚染物質の堆積だけでなく、可変キャパシタの静電容量にも影響を与えない。しかしながら、時間の経過と共に、バッフル150が、多くの汚染物質が中間領域Mに到達するのを許すようになり、外側キャパシタ128bの静電容量を増す。このとき、変換器100が、“負のゼロシフト”を経験する。変換器の出力信号は、内側静電容量マイナス外側静電容量の関数に従って発生されるので、外側キャパシタが人為的に増されると(即ち、汚染物質の堆積などの、気体111中の圧力変化以外の要因によって生じる変化)、所定の気体圧力に応じて変換器100によって発生された出力信号の値が減じられる傾向がある。気体111の圧力が変換器100によって測定可能な最小限度値にあるとき、並びに、変換器100によって発生される出力信号がゼロボルトであるとき、汚染物質によって誘発された外側静電容量の増加により、変換器100が、ゼロボルト以下の出力信号、即ち、“負のゼロシフトされた”出力信号を発生させる。
【0025】
負のゼロシフトは、変換器100の多くの使用者にとって潜在的に深刻な問題を表している。変換器100は、通常は、気体111の圧力を表すアナログ出力信号を生じる。アナログ出力信号は、一般に、予想される最小値以下の値を想定する(例えば、これは、ゼロボルトが予想される最小値である時に負の値を想定する)ことができ、また、予想される最大値を越える値を想定することもできる。しかしながら、変換器100の使用者の多くは、変換器の出力信号をアナログ−デジタルコンバータを介して読む。このコンバータは、予想される最小値以下の出力値を生じることができない。例えば、出力信号の予想される最小値がゼロボルトである時、多くのアナログ−デジタルコンバータは、負のアナログ出力信号(即ち、ゼロボルト以下の信号)をデジタルのゼロに変換するので、これによって、負のゼロシフトを見えないもの、あるいは検出できないものとして表現するだろう。
【0026】
上述されたように、変換器200では、バッフル250が、圧力変換器200内のゼロシフトを制御するように、チャンバ130中の汚染物質の流れを再方向付けする。バッフル250はゼロシフトをなくそうとする傾向があり、ゼロシフトが生じる程度まで、バッフル250は、ゼロシフトが“負のゼロシフト”の代わりに“正のゼロシフト”であるのを確実にする傾向がある。正のゼロシフト(例えば、気体111の圧力が検出可能な最小値である時に変換器の出力信号が予想される最小値以上であるようなシフト)が、一般に、変換器100の使用者によってより簡単に検出可能であり、再測定によって対処できることから、変換器200内に生じる所定のゼロシフトが確実に負より正になるようにすると有利である。
【0027】
図5は、図4Bに示されているように矢印5−5の方向に切断された、内側導体127aおよび外側導体127bとアラインメントされた堆積制御バッフル250の図を示している。便利に図示するために、バッフル250と内側および外側導体127a、127bとの間に配置されるダイヤフラム160が、図5には示されていない。示されているように、堆積制御バッフル250は、内側領域I、中間領域M、外側領域Oの3つの領域に分割されている。バッフル250の内側領域Iは、点線の円262の内側に位置している。バッフル250の中間領域Mは、点線の円264と262との間に位置している。バッフル250の外側領域Oは、点線の円264の外側に位置している。バッフル250の内側領域I、中間領域M、および外側領域O内に孔が形成されている(図5には示されていない)。
【0028】
バッフル250は、(a)バッフル250の内側領域Iの孔を通る汚染物質の大半がダイヤフラムの内側領域Iに堆積する傾向があり、(b)バッフル250の中間領域Mの孔を通る汚染物質の大半がダイヤフラムの中間領域Mに堆積する傾向があり、(c)バッフル250の外側領域Oの孔を通る汚染物質の大半がダイヤフラムの外側領域Oに堆積する傾向があるような形で、ダイヤフラム160の近くに配置されている。気体(分子流れを特徴とする低圧気体でさえ)の中の粒子のランダムな動きによって、バッフル250の内側領域Iの孔を通る汚染物質の一部は、内側領域Iの外部でダイヤフラムに堆積する。同様に、バッフル250の中間領域Mおよび外側領域Oを通る汚染物質の一部は、夫々に、ダイヤフラム160の中間領域Mおよび外側領域Oの外部でダイヤフラム160に堆積する。しかしながら、バッフル250の所定の粒子領域を通る粒子の大半がダイヤフラムの対応した領域内に堆積するため、バッフル250は、汚染物質がダイヤフラム上に堆積するときに汚染物質の堆積位置を制御する。
【0029】
従来のろ過技術は、全て、あるいは可能な限り多くの汚染物質がダイヤフラム160に到達するのを防ぐように試みた。堆積制御バッフル250は、違う戦略を用いていて、汚染物質を無くしたり捕捉することに頼る代わりに、堆積制御バッフル250が、ダイヤフラムの汚染物質が堆積すると予想されるところを制御するものである。堆積制御バッフル250は、従来技術では不可能であったレベルの制御を可能にする。
【0030】
堆積制御バッフル250の孔は、所望の作用を果すように様々なパターンに配置することができる。例えば、1つの構成では、バッフル250の内側領域Iの全ての孔の総面積が、バッフル250の中間領域Mの全ての孔の総面積と全く等しくなるように選択されている。理論上は、このような孔の面積の選択(および汚染物質の堆積の対応した釣り合い)により、変換器200がゼロシフトを経験することがないようにされる。これは、内側キャパシタ128aの静電容量の増加(バッフル250の内側領域Iを通る汚染物質の堆積によって起こる)が外側キャパシタ128bの静電容量の対応した増加(バッフルの中間領域Mを通る汚染物質の堆積によって起こる)と完全に一致されるためである。
【0031】
しかしながら、汚染物質の堆積の完全な釣り合いを果すのは難しいことがあることと、正のゼロシフトが負のゼロシフトよりも好ましいこととにより、バッフル250の内側領域Iの全ての孔の総面積を、バッフル250の中間領域Mの全ての孔の総面積よりも僅かに大きくすることが好ましい。このような項の面積の選択により、ゼロシフトを最小にしやすくなるが(ダイヤフラムの内側領域Iに到達する汚染物質の量はダイヤフラムの中間領域Mに到達する汚染物質の量とほぼ等しくなる)、また、生じるゼロシフトが確実に負よりも正となるようにする(即ち、ダイヤフラムの内側領域Iに到達する汚染物質の量がダイヤフラムの中間領域Mに到達する汚染物質の量よりも僅かに多いため)。
【0032】
また、バッフル250の外側領域Oに孔を形成することによって、汚染物質の一部をダイヤフラムの外側領域O(理論的にゼロシフトに最も影響が少ない場所)へと導くことが好ましい。理論上は、変換器200は、外側領域Oにバッフル250の全ての孔を形成することによって(かくしてダイヤフラムの外側領域Oへと全ての汚染物質を導くことによって)完全にゼロシフトをなくすことができる。しかしながら、バッフル250の外側領域Oを通る汚染物質の一部は、必然的に、外側領域O以外の領域にも堆積する。このような構造は、最終的にはゼロシフトを生じやすい。従って、最も好ましい実施形態では、バッフル250の全3つの領域I,M,およびOに孔が形成されている。1つの実施形態では、外側領域Oが、バッフル250の孔の総面積の40%の孔を有し、中間領域Mが、バッフル250の孔の総面積の29%の孔を有し、内側領域Iが、バッフルの孔の総面積の残り31%の孔を有している。このような数は相当に変えることができることが理解されるだろう。しかしながら、内側領域Iの孔の総面積が中間領域の孔の総面積よりも僅かに大きいと一般に好ましく、外側領域Oが孔の総面積の非ゼロ部分(non-zero portion)を有していると更に好ましい。あるいは、堆積制御バッフル250の孔の所望の構成が、I:Mの比率から、即ち、バッフル250の中間領域Mの孔の総面積に対するバッフル250の内側領域Iの孔の総面積の比率から、表されてもよい。このI:Mの比率は、ほぼ1であるが1よりも僅かに大きいと好ましい。また、バッフル250の外側領域Oは、バッフル250の孔の総面積の非ゼロ部分を有していると好ましい。
【0033】
図6Aは、図4Bに示されているような矢印5−5の方向に切断された、堆積制御バッフル250の1つの実施形態の図を示している。この実施形態では、バッフル250は、複数の孔252を有しており、これらの孔252は、同心円状のリング253,254,255,256、および257のように配置されている。これらの孔252は、所定のリングの全ての孔252がリングの形、あるいは環状の穿孔領域を形成するように成形されている。互いに近接した孔252は、バッフル250を通って径方向に(あるいはスポーク状に)延びたリブ258によって分離されている。これらリブ258は、孔252を形成するように穿孔されていない、バッフル250の一部分によって形成されている。
【0034】
図4Bに示された矢印5−5の方向に切断された図6Bは、バッフル250と内側および外側導体127a、127bとのアラインメントを示しており、これら導体は、平行線模様(cross-hatching)を有するように示されている。便利に図示するために、バッフル250と内側および外側導体127a、127bとの間に配置されるダイヤフラム160が、図6Bには示されていない。示されているように、内側の3つのリング253,254、および255が、内側導体127aの下に位置し、4つ目のリング256が、外側導体127bの下で揃えられ、最も外側のリング257は、外側導体127bの外側に配置されている。図4Bを参照すると、これらリング253,254、および255を通る汚染物質の大半は、ダイヤフラム160の内側領域Iに堆積し、リング256を通る汚染物質の殆どは、ダイヤフラム160の中間領域Mに堆積し、リング257を通る汚染物質の殆どは、ダイヤフラム160の外側領域Oに堆積することが、理解されるだろう。
【0035】
堆積制御バッフル250は、下部ハウジング102aの肩部148(図4Aに示されている)に溶接されていると好ましい。バッフル250は、バッフル250の外周に位置しているとともに互いに近接したリブ258の間で均等に離間されている場所259(そのうちの幾つかは図6Aに示されている)でスポット溶接されている。バッフル250とハウジング102とは、同じ金属(例えばインコネル(Inconel))で形成可能である。バッフル250とダイヤフラム160との間の間隔は、例えば、0.03cmである。バッフル250は、バッフル150,140と共に使用されることが好ましい。しかしながら、バッフル250はまた、汚染堆積物を制御するための唯一の機構として使用されてもよい。
【0036】
図6Aおよび図6Bに示されているバッフル構成の代替案は、Pall Corporation of East Hills, New YorkおよびMott Corporation of Farmington, Connecticutから市販されているもののような焼結した金属部材から堆積制御バッフル250を加工することである。このような部材は、メッシュ状であり、複数の非常に小さな孔を形成している。また、このような部材は、変換器200を図4Aで概して符号250で示されているように変換器200中に適合可能なように、ディスク形状に加工してもよい。このような部材の各単位面積は、他の単位面積とほぼ同じ孔の面積を規定している。内側導体127aの面積が外側導体127bの面積とほぼ等しいことから、このような焼結された金属部材を使用することで、内側導体127aの近く(か下に位置する)の孔の総面積が外側導体127bに近い(か下に位置する)孔の総面積と実質的に等しくなることを、基本的に保証することができる。かくして、このようなバッフルは、汚染物質をダイヤフラムへと通過させながらも変換器からのゼロシフトを減じるかなくす傾向がある。
【0037】
本明細書で示されている本発明の範囲から逸脱することなく上記の装置に所定の変更が成されるので、上記の説明に含まれているか添付図面に示されている全て事項は、制限的な意味でとらずに説明するためのものと解釈するべきである。例えば、本明細書では、変換器が内側導体と外側の環状導体とを、2つの可変キャパシタを形成するように使用するものだと説明している。本発明に従って構成された変換器では様々な形状の導体が使用でき、また、2つ以上の導体を使用することもできることが、理解されるだろう。更に、本発明に係われば、堆積制御バッフルは、特定の構成の導体に適合するように構成され得る。他の実施形態では、図5を参照すると、バッフル250の内側領域Iが、内側導体127aよりも大きな領域を有するとして示されており、同様に、バッフル250の中間領域Mが、外側導体127bよりも大きな領域を有するとして示されている。バッフル250の内側領域、中間領域、および外側領域の境界線は相当に自由に規定できることが理解されるだろう。例えば、バッフル250の内側領域Iと中間領域Mは、内側領域I全体が内側導体127aのちょうど下に位置し、中間領域M全体が外側導体127bのちょうど下に位置するように、導体127a、127bの夫々と同一の大きさをもつように規定できる。あるいは、図6Bによって示唆されているように、バッフル250の内側領域Iが、全体に内側導体127aの下に位置し、これよりも小さくあってよい。同様に、バッフル250の中間領域Mが、外側導体127bの下に全体に位置し、これよりも小さくあってよい。更なる他の実施形態では、1よりも僅かに小さいI:Mの比率を有するバッフルが、静電容量の増加を生じる汚染物質の話で説明されている。しかしながら、本発明に従って構成された変換器が、汚染堆積物が静電容量の減少を生じるような環境で使用されている場合は、堆積制御バッフルが1よりも僅かに小さいI:Mの比率を有することが望ましい(即ち内側領域Iの孔の総面積が中間領域Mの孔の総面積よりも僅かに小さいことが望ましい)。このような比率は、ゼロシフトと、ゼロシフトが起こる程度とを最小にする傾向があり、また、ゼロシフトが負よりも正となるように確実にする傾向がある。更なる他の実施形態では、堆積制御バッフル250が、内側領域I、中間領域M、および外側領域Oの孔を有するものとして規定されている。しかしながら、堆積制御バッフルは、内側領域I、中間領域M、および外側領域Oの3つの内2つのみで孔を形成する本発明の圧力変換器として構成および使用することもできる。例えば、このような堆積制御バッフルは、内側領域Iと外側領域Oで孔を形成し、中間領域Mでは孔を形成しないようにすることができる。例えば、このようなバッフルは、(a)大半の汚染物質を、理論上は孔が可変キャパシタの静電容量に影響を僅かにしか、または全く及ぼさないダイヤフラムの外側領域Oに向かってバッフルを通過するように導き、(b)一部の汚染物質を、汚染物質の堆積から起こるゼロシフトが負よりも正となるように確実にするために、ダイヤフラムの内側領域Iに向かってバッフルを通過するようにくことができる。同様に、中間領域Mおよび外側領域Oのみで(内側領域Iを除く)孔を形成するバッフルが、バッフルを通る汚染物質が静電容量を上げるよりは下げるような種類である時に、汚染物質の堆積から起こるゼロシフトが負よりも正となることを確実にするために有用となり得る。また、内側領域Iおよび中間領域Mで孔を形成し、外側領域では孔を形成していないバッフルもまた、例えば変換器の活動領域の汚染物の堆積全てのバランスを取るのに有用となり得る。更なる他の例では、変換器は、導電性である、即ち、金属のダイヤフラム160として説明されている。しかしながら、ダイヤフラムそれ自体は導電性である必要がなく、代わりに、セラミックのような非導電性材料で形成されていてもよいことが理解されるだろう。そのような非導電性のダイヤフラムが使用される場合、導電性フィルムが、ダイヤフラム上に堆積され、可変キャパシタは、ダイヤフラム上の導電性フィルムと、ダイヤフラムに近接して配置された導体とによって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】従来技術の容量性圧力変換器の側断面図である。
【図1B】従来技術の容量性圧力変換器のより詳細な側断面図である。
【図1C】図1Bに示された電極の底部に溶着された導体のパターンを示している。
【図2】図1Bに示された従来技術のトラップシステムのバッフルの上面図である。
【図3】図1Bに示された変換器のバッフルの上面図である。
【図4A】本発明の容量性圧力変換器の側断面図である。
【図4B】図4Aに示された変換器の電極およびダイヤフラムの拡大された側断面図である。
【図5】電極上の導体とアラインメントされた本発明のバッフルを示している。
【図6A】本発明のバッフルの第1の実施形態を示している。
【図6B】本発明の圧力変換器の導体とアラインメントされた、図6Aに示されたバッフルを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)内部空間を規定しているハウジングと、
B)このハウジング内に配置され、前記内部空間を第1のチャンバと第2のチャンバとに分割し、これら第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力差に応じて曲がるダイヤフラムと、
C)前記第1のチャンバ内に配置された内側導体と、
D)前記第1のチャンバ内で前記内側導体の周りに配置された外側導体と、
E)前記第2のチャンバ内に配置された第1のバッフルとを具備し、
この第1のバッフルの内側領域は、前記内側導体の下に位置し、前記第1のバッフルの中間領域は、前記外側導体の下に位置し、前記第1のバッフルの外側領域は、前記内側導体と外側導体のいずれの下にも位置しておらず、また、前記第1のバッフルは、前記内側、中間、および外側領域のうち少なくとも2つに複数の孔を形成している、変換器。
【請求項2】
前記第1のバッフルは、前記内側、中間、および外側領域内の各々に複数の孔を形成している、請求項1の変換器。
【請求項3】
前記内側領域の全ての孔の総面積は、前記中間領域の全ての孔の総面積と実質的に等しい、請求項1の変換器。
【請求項4】
前記内側領域の全ての孔の総面積は、前記中間領域の全ての孔の総面積よりも大きい、請求項1の変換器。
【請求項5】
前記内側領域の全ての孔の総面積は、前記中間領域の全ての孔の総面積よりも小さい、請求項1の変換器。
【請求項6】
前記第1のバッフルの内側領域は、前記内側導体よりも大きい、請求項1の変換器。
【請求項7】
前記第1のバッフルの内側領域は、前記内側導体よりも小さい、請求項1の変換器。
【請求項8】
前記第1のバッフルの中間領域は、前記外側導体よりも小さい、請求項1の変換器。
【請求項9】
前記第1のバッフルの中間領域は、前記外側導体よりも大きい、請求項1の変換器。
【請求項10】
前記第1のバッフルの第1の単位面積は、第1のグループの孔を形成し、前記第1のバッフルの第2の単位面積は、第2のグループの孔を形成し、前記第1のグループの孔の総面積は、これら第1および第2の単位面積がどこに位置されているかに関わらず、前記第2のグループの孔の総面積と実質的に等しい、請求項1の変換器。
【請求項11】
前記第1のバッフルは、焼結された金属部材から形成されている、請求項1の変換器。
【請求項12】
前記第2のチャンバに開口を与える入口チューブを具備している、請求項1の変換器。
【請求項13】
前記開口と第1のバッフルとの間に配置された第2のバッフルを更に具備し、この第2のバッフルの中央領域は、孔を有さず、前記開口よりも大きくされており、この中央領域は、前記入口チューブに対して平行な方向へと開口を通って移動する粒子が第2のバッフルを通過する時は最初に中央領域に接触するようにするために配置されており、また、この第2のバッフルの周辺領域は、前記中央領域の周りに配置され、複数の孔を形成している、請求項12の変換器。
【請求項14】
前記第1のバッフルと第2のバッフルとの間に配置された第3のバッフルを更に具備し、この第3のバッフルの中央領域は、孔を形成しておらず、この第3のバッフルと前記ハウジングとの間には周辺開口が形成されており、また、この第3のバッフルは、前記第2のバッフルから間隔を空けて離間されており、また、第2のバッフルの前記周辺領域の孔は、前記間隔よりも少なくとも10倍長い距離だけ前記周辺開口から離されている、請求項13の変換器。
【請求項15】
前記内側導体は円形であり、前記外側導体は環状であり、前記内側および外側導体は、前記ダイヤフラムに対してほぼ平行に配置されている、請求項1の変換器。
【請求項16】
前記ダイヤフラムは、全体に金属から形成されている、請求項1の変換器。
【請求項17】
A)内部空間を規定しているハウジングと、
B)このハウジング内に配置され、前記内部空間を第1のチャンバと第2のチャンバとに分割し、これら第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力差に応じて曲がるダイヤフラムと、
C)前記第2のチャンバ中への開口を与える入口チューブと、
D)前記第1のチャンバ内に配置されていて、ダイヤフラムの少なくとも一部分と同様に、内側の静電容量によって特徴付けられている内側導体と、
E)前記第1のチャンバ内で前記内側導体の周りに配置されていて、ダイヤフラムの少なくとも一部分と同様に、外側の静電容量によって特徴付けられている外側導体と、
F)前記第2のチャンバ内に配置されている第1のバッフルであって、この第1のバッフルの内側領域は、前記内側導体の下に位置し、この第1のバッフルの中間領域は、前記外側導体の下に位置し、この第1のバッフルの外側領域は、前記内側導体と外側導体のいずれの下にも位置しておらず、また、前記内側、中間、および外側領域のうち少なくとも2つに複数の孔を形成している、第1のバッフルと、
G)前記開口と第1のバッフルとの間に配置されている第2のバッフルであって、この第2のバッフルの中央領域は、孔を形成せず、前記開口よりも大きくされており、この中央領域は、前記入口チューブに対して平行な方向へと開口を通って移動する粒子が第2のバッフルを通過する時に最初に中央領域に接触するようにするために配置されており、また、この第2のバッフルの周辺領域は、前記中央領域の周りに配置され、複数の孔を形成している、第2のバッフルと、
H)前記第1のバッフルと第2のバッフルとの間に配置された第3のバッフルであって、この第3のバッフルの中央領域は、孔を形成しておらず、この第3のバッフルと前記ハウジングとの間には周辺開口が形成されている、第3のバッフルと、を具備している変換器。
【請求項18】
前記第1のバッフルは、前記内側、中間、および外側領域内の各々に複数の孔を形成している、請求項17の変換器。
【請求項19】
A)内部空間を規定しているハウジングと、
B)このハウジング内に配置され、前記内部空間を第1のチャンバと第2のチャンバとに分割し、これら第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力差に応じて曲がるダイヤフラムと、
C)前記第1のチャンバ内に配置され、前記ダイヤフラムに対してほぼ平行であってこれから離間され、このダイヤフラムの内側部が近接している、内側導体と、
D)前記第1のチャンバ内に配置され、前記ダイヤフラムに対してほぼ平行であってこれから離間され、このダイヤフラムの外側部が周りに延びる形で位置した中間部が近接している、外側導体と、
E)前記第2のチャンバ内に配置された第1のバッフルとを具備し、
この第1のバッフルは、内側領域、中間領域、および外側領域を規定し、また、この第1のバッフルは、これら内側、中間、および外側領域のうち少なくとも2つに孔を形成しており、この第1のバッフルはまた、
i)前記ダイヤフラムに向かってこの第1のバッフルの内側領域の孔を通る分子の大半が、変換器のどこかに接触する前に、ダイヤフラムの内側部に接触し、
ii)前記ダイヤフラムに向かってこの第1のバッフルの中間領域の孔を通る分子の大半が、変換器のどこかに接触する前に、ダイヤフラムの中間部に接触し、
iii)前記ダイヤフラムに向かってこの第1のバッフルの外側領域を通る分子の大半が、変換器のどこかに接触する前に、ダイヤフラムの外側領域に接触する、ように配置されている、変換器。
【請求項20】
A)内部空間を規定しているハウジングと、
B)このハウジング内に配置され、前記内部空間を第1のチャンバと第2のチャンバとに分割し、これら第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力差に応じて曲がるダイヤフラムと、
C)前記第1のチャンバ内に配置された内側導体と、
D)前記第1のチャンバ内に配置された外側導体と、
E)前記第2のチャンバ内に配置された第1のバッフルとを具備し、
この第1のバッフルの第1の領域は、前記第1の導体に近接し、この第1のバッフルの第2の領域は、第2の導体に近接し、この第1のバッフルの第3の領域は、前記第1の導体と第2の導体のいずれの下にも位置しておらず、この第1のバッフルは、前記第1、第2、および第3の領域のうち少なくとも2つに孔を形成している、変換器。
【請求項21】
前記第1のバッフルは、前記内側、中間、および外側領域内の各々に複数の孔を形成している、請求項20の変換器。
【請求項22】
前記ダイヤフラムは、全体に金属から形成されている、請求項20の変換器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2007−502433(P2007−502433A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532930(P2006−532930)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/014639
【国際公開番号】WO2004/104543
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】