説明

対向車接近表示システム

【課題】 消費電力量を極めて少量に抑制することができるとともにシステム配置費用を極めて廉価にすることを目的とし、見通しの悪いカーブ等の道路の路側に配される対向車の存在を運転手に通知する対向車接近表示システムの提供。
【解決手段】 見通しの悪い道路に設けられる対向車の接近を表示する対向車接近表示システムであって、道路を移動する車両を検知するために、道路の上流側及び下流側に配される第1及び第2サーモヘッドからなるサーモ式センサと、前記サーモ式センサからの検知信号に基づいて対向車の存在を判断し、該対向車の車両台数及び/又は該対向車の大きさに応じる制御信号を発生させる制御手段と、前記制御信号に基づいて表示状態を変更する表示手段とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向車接近表示システムに関し、より詳しくは、消費電力量を極めて少量に抑制することができるとともにシステム配置費用を極めて廉価にすることを目的とし、見通しの悪いカーブ等の道路の路側に配される対向車の存在を運転手に通知する対向車接近表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
田舎等の都市から遠く離れた場所に於ける道路事情は、交通量等の要因等から極めて悪いのが現状である。特に、厳しい地形・地質・気象条件を有する地域では、道路整備に極めて膨大なコストがかかる問題を有している。このため、地形が厳しくコスト高となる中山間地域の比較的交通量の少ない補助的な幹線道路では、全国一律の規格(2車線歩道付き)の道路を採用せず、新たな発想による1.5車線的の道路が採用され整備が進められている。
このような道路の整備を行うのは、2車線改良区間、1車線改良区間及び局部改良区間の組み合わせにより道路を整備する方法を採用することによって、大幅なコストダウンと地域の求めるサービスレベルの早期達成を行うことができるからである。
【0003】
しかしながら、上記の如き道路整備を行うと、山間部の道路は1車線道路が多く存在することになり、交通事故の危険性を含んでいる。特に、山道等には、曲率の大きい見通しの悪いカーブが連続する場合が多く、運転手が対向車の存在の認知が遅れて、対向車と接触し大惨事になる場合が少なくなかった。
このような問題を解決するために、特許文献1に開示される発明が創出されている。この特許文献1に開示される発明は、通過する車両を検知する車両感知部を設けることによって、対向車を検知し路側帯に設けられるポール等の先端に表示部を設けて運転者に通知することができる発明である。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される発明は、運転者に対向車の存在を通知する表示器が路側表示ポール等の先端に設けられているため、複数の表示器を利用しなければ運転手に通知し難いという問題を有していた。このため、確実に運転手に通知するためには、上記の如き複数の表示器を設けなければならず、コスト高を招く結果となっていた。
【0005】
また、特許文献1に開示される発明の対向車接近表示装置、表示器や車両感知センサ等は、その駆動による電力消費の問題が考慮されていないため、これらの装置を設置するためには十分な電力供給源が必要になり、更なるコスト高となる問題を有していた。
特に、車両感知センサには通常超音波が使用されており、十分な電力を確保しなければ使用することができず、商用電源を使用しなければならない問題点を有していた。
【0006】
更に、特許文献1に開示される発明は、対向車の存在そのものを運転手に通知することはできるが、2台以上の対向車が存在する場合には、単に表示期間が延長されるだけであり、運転手にはその表示により、対向車が1台なのか2台なのか判断することができない問題点を有していた。
【0007】
つまり、上記する如き特許文献1に開示される発明を補助的な幹線道路に設置することは、補助的な幹線道路が整備される当初の目的である低コストで建設されるという最も重大な目的を達成することができないという事態を引き起こしていた。
【0008】
【特許文献1】特開平11−39591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、低コストで設置することができるとともに、対向車の種類や台数を明確に運転手に通知することができる対向車接近表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、見通しの悪い道路に設けられる対向車の接近を表示する対向車接近表示システムであって、道路を移動する車両を検知するために、道路の上流側及び下流側に配される第1及び第2サーモヘッドからなるサーモ式センサと、前記サーモ式センサからの検知信号に基づいて対向車の存在を判断し、該対向車の車両台数及び/又は該対向車の大きさに応じる制御信号を発生させる制御手段と、前記制御信号に基づいて表示状態を変更する表示手段とからなることを特徴とする対向車接近表示システムを提供する。
請求項2記載の発明は、前記サーモ式センサ、前記制御手段と前記表示手段が、太陽電池による電力供給源に接続され、該電力供給源が蓄電を行うための蓄電池に接続されていることを特徴とする請求項1記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項3記載の発明は、前記表示手段が発光部を有し、前記制御信号に基づく表示状態の変更が、前記発光部の点滅周期により変更されることを特徴とする請求項1又は2に記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項4記載の発明は、前記表示手段が複数の発光部を有し、該複数の発光部が文字を形成するように配置されていることを特徴とする請求項3記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項5記載の発明は、前記表示手段が、所定文字が書かれた文字板と、該文字板の頂上部に配置される少なくとも1つの発光部からなることを特徴とする請求項3記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項6記載の発明は、前記頂上部に2つ或いはそれ以上の発光部が設けられ、前記点滅が2つ或いはそれ以上の発光部の点滅パターンにより行われることを特徴とする請求項5記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項7記載の発明は、前記サーモ式センサ、前記制御手段と前記表示手段からなるシステムを、上流側及び下流側の運転手夫々に対向車の存在を表示するために、前記道路の上流側及び下流側に夫々設けることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の対向車接近表示システムを提供する。
請求項8記載の発明は、前記制御手段が、対向車側の車両の通行を検知する検知信号を生成するとともに、前記検知信号を他方の前記制御手段に送信することを特徴とする請求項7記載の対向車接近表示システムを提供する。
これらの発明を提供することによって、上記課題を悉く解決する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によって、サーモ式センサを利用することで消費電力を効果的に抑制することができるとともに、対向車に応じる制御信号を作成することで運転手は対向車の通過台数及び/又は種類を容易に認知することができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項2記載の発明によって、サーモ式センサ、制御手段と表示手段が太陽電池から供給される電力により動作されるので、商用電源を設置する必要が無いととともに、蓄電池が具備されているので、天候に左右されずに極めて効果的に電力供給を行うことができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項3記載の発明によって、表示手段の発光部の点滅周期により表示状態を変更することができるので、運転手に極めて効果的に対向車の台数や種類を通知することができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項4記載の発明によって、複数の発光部が文字を形成するように配置されているので、運転手に極めて効果的な通知を行うことができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項5記載の発明によって、頂上部に発光部が設けられるので、運転手に極めて効果的な通知を行うことができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項6記載の発明によって、2つ或いはそれ以上の発光部の点滅パターンにより表示を行うので、運転手に極めて効果的な通知を行うことができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項7記載の発明によって、上流側及び下流側の両側に対向車接近表示システムを設けることができるので、上流側及び下流側の運転手にお互いの対向車の有無を通知することができる対向車接近表示システムを提供することができる。
請求項8記載の発明によって、一方の制御手段から、他方の制御手段へ制御信号を送信することができるので、通過した車両を効果的に検知することができる対向車接近表示システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る対向車接近表示システム(1)は、見通しの悪い道路に設けられるシステムであり、このシステム(1)を利用することによって、車両を運転する運転手は、対向車の存在の有無をすれ違い(交差)や接触する前に予め認識することができる。
尚、見通しの悪い道路とは、運転手が対向車の存在を認識することが難しい又は容易ではない場所を指し示すが、特に限定されるものではない。尚、以下に本発明のシステム(1)の構成を説明するが、システム(1)を設置する場所はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る対向車接近表示システム(1)の概略構成図である。尚、図1では、一対の本システム(1)を狭隘区間に設置される場合を示しており、符号(A)を上流側とし、符合(B)を下流側として設定している。
対向車接近表示システム(1)は、サーモ式センサ(2)、制御手段(3)、表示手段(4)と電力供給源(5)を有している。
【0013】
サーモ式センサ(2)は、道路を通過する車両を検知するとともに、後述する制御手段(3)へ検知信号を送信する。
車両の通過を検知するセンサにサーモ式を採用することによって、絶えず発信してその反射を検知するような「Active」タイプの超音波式センサと異なり、「Passive」タイプのセンサを利用することになり、極めて消費電力を低減することができる。
【0014】
このサーモ式センサ(2)は、第1サーモヘッド(21)及び第2サーモヘッド(22)からなる。第1サーモヘッド(21)と第2サーモヘッド(22)は、車両の検知を行うことができる。第2サーモヘッド(22)は、車両の進行方向に沿って、第1サーモヘッド(21)よりも下流に配置される。第1サーモヘッド(21)及び第2サーモヘッド(22)は、夫々のサーモヘッドに対して、上流側及び下流側に配されることになる。例えば、図1では、上流側(A)に配される対向車接近表示システム(1)の第1サーモヘッド(21)は、第2サーモヘッド(22)よりも上流側(A)に配されており、下流側(B)に配される対向車接近表示システム(1’)の第1サーモヘッド(21’)は、第2サーモヘッド(22’)よりも下流側(B)に配されていることになる。
このように第1サーモヘッド(21)と第2サーモヘッド(22)を夫々上流側と下流側に配することによって、詳細は後述するが、夫々のヘッドセンサが車両の通過を検知することができるとともに、車両の進行方向を合わせて検知することができるようになり、確実に車両の通過を検知することができる。
尚、第1サーモヘッド(21)と第2サーモヘッド(22)が設けられる所定の間隔(d1)は、特に限定されるものではないが、後述する制御手段(3)が対向車の台数及び種類(大型、小型等)を判断するためにも、1〜7mに設定されることが好ましい。尚、この間隔(d1)は、後述する車両判別によって、適宜長さが変更される。
【0015】
制御手段(3)は、サーモ式センサ(2)から送信される検知信号に基づいて、対向車の存在を判断するとともに、対向車の車両台数及び/又は該対向車の大きさに応じる制御信号を発生させる。
検知信号は、上記の如き第1サーモヘッド(21)及び第2サーモヘッド(22)によるサーモ式センサ(2)から送られる信号である。例えば、第1サーモヘッド(21)が車両の通過を検知すると、第1サーモヘッド(21)からの検知信号として制御手段(3)がこの信号を受け取り、第2サーモヘッド(22)が車両の通過を検知すると、第2サーモヘッド(22)からの検知信号として制御手段(3)がこの信号を受け取る。
このように制御手段(3)は、サーモ式センサ(2)の各サーモヘッドより信号を受信することになり、受信した検知信号を基に対向車の台数や種類を判断することになる。
【0016】
この制御手段(3)が行う判断は、確実に対向車が存在することを検知することにある。
例えば、図1で示す上流側(A)にある対向車接近表示システム(1)により、上流側(A)から下流側(B)へ通過する車両を検知する場合であれば、先ず、第1サーモヘッド(21)が車両を検知し、次いで、第2サーモヘッド(22)がこの車両の通過を検知する。このように、先ず、第1サーモヘッド(21)からの検知信号を制御手段(3)が受け取り、次いで、第2サーモヘッド(22)からの検知信号を受け取ることになり、車両が上流側(A)から下流側(B)へ通過することを制御手段(3)が判断することができる。
この場合であれば、制御手段(3)が、第1サーモヘッド(21)からの検知信号を受信してから、所定時間内に第2サーモヘッド(22)からの検知信号を受信することで、対向車の進行方向を検知しその存在を判断することができる。もし、所定時間内に第2サーモヘッド(22)からの検知信号を受信しなければ、動物等の車両(対向車)でない他の移動物体が通過したことを判断することになる。このようにサーモ式センサのヘッドを2つ設けることによって、確実に車両の存在を検知することができ、動物等による誤報を防止することができる。
この場合、制御手段(3)は、1台の対向車の存在を検知し、第1制御信号を後述する表示手段(4)に送信することになる。
【0017】
また、この制御手段(3)は、検知信号に基づいて、複数の対向車の存在を検知することができる。
例えば、第1サーモヘッド(21)の検知信号を受信して所定時間内に、再度第1サーモヘッド(21)からの検知信号を受信する場合には、2台目の対向車が検知されることになる。尚、この2台目の対向車も、第2サーモヘッド(22)からの検知信号でその進行方向を確認する。また、後述する表示手段(4)が対向車の存在を表示している場合に、新たな対向車の存在を検知した際に、2台目の対向車が検知されることにしてもよい。
このように複数の対向車の存在が確認された場合に、制御手段(3)は、複数の対向車の存在を検知し、第2制御信号を後述する表示手段(4)に送信することになる。
【0018】
上記する第1及び第2サーモヘッド(21、22)を利用して車長を検知して車両の種類(大型又は小型)の判定を行う方法を説明する。
この第1方法では、図2(a)で示される如く、第1サーモヘッド(21)が検知することのできる領域である第1領域(211)を示し、第2サーモヘッド(22)が検知することのできる領域である第2領域(221)が設定されている。これらの領域を車両が通過することによって、上記の第1及び第2サーモヘッド(21,22)が車両を検知することになる。尚、この第1領域(211)及び第2領域(221)間の距離(L1)は、特に限定されず適宜調整される。尚、下記の具体的説明では、この距離(L1)が1mに設定されている場合を説明する。
【0019】
第1方法による車両の種類判断方法を具体的に説明する。
まず、第1領域(211)へ車両が通過する。尚、第1領域(211)自体は幅を有しているが、上流側の端部に於いて車両の通過を検知することとする。このとき、第1サーモヘッド(21)が車両の通過を制御手段(3)へ通知する(尚、これら領域の幅は、後述する検知領域の幅w(m)を利用して補正することができる)。
次に、第2領域(221)に車両が通過するので、第1領域(211)で検知される場合同様、第2サーモヘッド(22)がこれを検知して制御手段(3)へその通知を行う。
このとき、制御手段(3)は、第1及び第2サーモヘッド(21、22)の検知時刻のズレ(t1(s))から(数1)を利用して速度を算出することができる。
(数1)
(速度)= 1 / (t1)
【0020】
次いで、車両は、第1領域(211)を過ぎ去る。このとき、車両が第1領域(211)から車両が抜け出ることになるので、第1サーモヘッド(21)は検知が終了する。つまり、車両の第1領域(211)を通過する通過時間(t2)が検知される。尚、この通過時間は、第2領域(221)の通過時間を利用することもできる。
また、この通過時間(t2(s))には、車両が第1領域又は第2領域(211、221)の幅の分だけ移動する移動時間(ホールドタイム)が付け加えられていることになるので、このホールドタイム(th(s))分を通過時間(t2(s))から引く。尚、このホールドタイム(th(s))は、適宜設定されることができ、これらの領域に従って予め設定される。
さらに、上記する如き、これら領域(211、221)の幅(w(m))の分だけ、求められた長さを取り除く必要があるので、下記(数2)の式によって算出されることとなる。
(数2)
車長 = ((t2)−(th)) × (1/(t1)) − w (m)
【0021】
上記する(数2)によって、通過する車両の車長を検知することができるので、所定値(x(m))を設定しておき、この所定値(x)を閾値として算出された車長と比較することによって、車両の種類(大型や小型)を判定することができる。
尚、このシステムに実装させる場合には、制御手段(3)内に、上記の如き、時間(th)及び距離(w)を予め設定しておき、第1及び第2サーモヘッド(21、22)からの通知を利用して、時間(t1、t2)を算出して、(数2)に入力し、この入力数値に応じて出力される出力値(車長)を求める。次に、この求められた出力値を閾値と比較し、その大小に応じて出力信号を出力するように実装することで実現できる。
尚、上記する初期設定により設定される数値は、使用者によって適宜変更することができるようにされることが好ましい。
【0022】
次に、第2方法について説明する。図2(b)は第2方法の一実施例を示している。この第2方法では、上記する如く、第1領域(211)及び第2領域(221)が夫々、上流側及び下流側に配されている。
この第2方法での車両の種類を判定する方法は、第1領域(211)及び第2領域(221)で同時に車両の通過を検知した場合には、大型車両であると判定する方法である。従って、この第1領域(211)と第2領域(221)との間隔(L2)は、少なくとも、小型車両と判断される車長よりも長く設けられることになる。このため、例えば、間隔(L2)を5mに設定すると、5m以上の車両を大型車両として認識することができる。具体的には、図2(b)で示される如く、間隔(L2)が5mであれば、大型車両は第1領域(211)及び第2領域(221)の夫々同時に存在することになるので、第1サーモヘッド(21)及び第2サーモヘッド(22)が同時に検知することになる。
しかしながら、小型車両は、図示の如く、第1領域(211)(又は第2領域(221))にしか存在していないことになり、第1サーモヘッド(21)又は第2サーモヘッド(22)のどちらかのみが車両の検知を行うことになる。
このようにして、第1サーモヘッド(21)(又は第2サーモヘッド(22))が車両を検知した場合に、第2サーモヘッド(22)(又は第1サーモヘッド(21))が車両を検知した場合には、通過する車両が大型車両であると判定することになる。また、第1(又は第2サーモヘッド(22))が車両を検知した場合に、第2サーモヘッド(22)(又は第1サーモヘッド(21))が車両を検知していない場合には、通過する車両が小型車両であると判定することになる。
尚、この場合、制御手段(3)は、車両の種類(大型車両であるか否か)を判定して、大型車両の通過が判断されると第3制御信号を送信する。
【0023】
また、制御手段(3)は、図1で示される如く、2つの対向車接近表示システム(1)が設置されている場合には、対向車に於ける車両の通過の完了を検知することができる。
下流側(B)から上流側(A)へ通過する車両がこのサーモ式センサ(2)の第1及び第2サーモヘッド(21,22)により検知される場合(下流側(B)にある第2サーモヘッド(22)からの検知信号が上流側(A)にある第1サーモヘッド(21)からの検知信号よりも早く送信された場合)には、この場合の検知信号(車両の通過により生成される検知信号)を車両の通過完了として捕らえることができる。
例えば、図1に於いて、対向車接近表示システム(1)の第1サーモヘッド(21)と第2サーモヘッド(22)により下流側(B)から上流側(A)へと通過する車両を検知したとすれば、この通過の検知信号を対向車接近表示システム(1’)の制御手段(3’)へ送信する。このようにして、下流側(B)からの車両が狭隘道路を通過完了したことを検知することができる。
この場合、制御手段(3)は、車両の通過完了を検知し、第4制御信号を他方の制御手段(3’)に送信することになる。
このように、一対の対向車接近表示システム(1)を設けることによって、極めて効率よく、上流側及び下流側に於ける夫々の対向車の存在を検知し、また、その車両の通過完了を検知することができる。
【0024】
表示手段(4)は、運転手に対向車の存在やその台数又はその種類を表示し通知する。
この表示手段(4)は、1又はそれ以上の発光部を有し、制御手段(3)からの制御信号に基づいて、この発光部の点滅を行うことで、表示状態を変更する。このように、発光部の点滅状態を変更させることによって、運転者に対向車の存在やその台数又はその種類(対向車の様子)を通知する。この発光部の点滅は、上記する第1、第2、第3及び第4制御信号に基づいて変更され、各制御信号に対応するように点滅周期が定められており、点滅周期によって、対向車の様子を運転手に通知する。
この表示手段(4)の発光部の点滅は、上記する如き、各制御信号を受信して、点滅が開始される。例えば、図3は、サーモヘッドが車両の通行を検知した後の表示手段の動作を示している。図3(a)は、反対車線側にあるサーモ式センサ(2)が車両の通過を検知してから所定時間(T1)経過後に表示手段(4)が点滅表示を開始する状態を示している。表示手段(4)の点滅は、所定時間(H3)の経過後終了するように設定した場合を示している。これらの所定時間(T1、H3)は使用者により適宜設定される。
尚、図3(a)では、昼間と夜間の場合を示しており、車両の通過間隔が夜間の方が長い場合を示している。
また、図3(b)では、1台目の車両通過を検知した後、2台目の車両を検知した場合の表示手段(4)の点滅の状態を示している。図3(b)で示される如く、1台目の車両の通過を表示手段(4)が表示している間に、2台目の車両の通過をサーモ式センサ(2)が検知し、その制御信号が表示手段(4)へ送信され、2台目の通過の点滅が表示される。
この図3(b)で示される如く、2台の車両の通過を示す点滅表示中(H4)には複数の車両が存在することを示す表示(点滅)が行われ、点滅表示期間(H4)以外の期間(H5、H6)の期間では、通常の車両通過表示がされていることになる。
尚、この図3では、サーモ式センサ(2)が車両の通過を検知してから、所定時間経過後に表示手段(4)が表示を行うように調整されている。
【0025】
この表示手段(4)は、図4(a)で示される如く、複数の発光部(41)を有し、この複数の発光部(41)が文字を形成するように配置されている。この第1実施例の表示手段(4)は、「対向車注意」と記されている文字が、複数の発光部(41)から形成されており、発光部(41)が点滅することによって、「対向車注意」の文字自体が点滅することになる。
尚、このように文字形状を有するように発光部(41)が配置されて表示手段(4)が設けられる場合には、発光部(41)にLED(light emitting diode:発光ダイオード)を採用することが好ましい。
【0026】
次に、表示手段(4)の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の表示手段(4)は、所定文字が書かれた文字板と、この文字板の頂上部に配置される少なくとも1つの発光部からなる。
図4(b)には、「対向車注意」と記載された文字板(42)が設けられるとともに、この文字板(42)の頂上部に2つの発光部(41’、41’’)が設けられている。この2つの発光部(41’、41’’)は、異なる発光色を有していてもよく、例えば、白色及び橙色を発光する発光部が設けられる。
この第2実施形態に於ける表示手段(4)は、上記する制御信号に応じて、2つの発光部を発光(点滅)させることによって、表示状態の変更が行われることになる。
これら2つの発光部(41’、41’’)を発光させる方法は、特に限定されず、車両の通過台数や通過車種等の制御信号(第1乃至第3制御信号)に応じて適宜設定される。例えば、1台の車両が通過する場合には、2つの発光部(41’、41’’)を交互に所定間隔(例えば1秒間毎に)点滅させ、2台以上の複数の車両が通過する場合であれば、左の発光部(41’)を2回点滅させ、右の発光部(41’’)を1回点滅させる点滅パターンを採用することができる。この点滅パターンは、特に限定されないが、これら2つの点滅パターンが、目視した場合に異なる点滅パターンであることが明確に運転手が把握することができなければならない。
この点滅パターンは、上記する以外に、例えば、左(41’)を3回、右(41’’)を1回等のように左右に設けられる発光部の点滅回数を異なるように設定するパターンや、左(41’)を2秒間点滅させ、右(41’’)を0.1秒間点滅させる等のように左右に設けられる発光部の点滅周期を異なるように設定するパターンや、上記する点滅回数や点滅周期を組み合わせる点滅パターンを採用することができる。
尚、頂上部に設けられる発光部(41)の数は、上記の如き2つが好ましいが、特に限定されず、運転手に見易いことが重要となるとともに、点滅パターンも運転手に見易いことが重要となる。
例えば、3つ以上の複数の発光部(41)が設けられた場合には、各発光部(41)毎に設定される点滅周期により点滅パターンを形成したり、複数の発光部(41)で一つの点滅周期を設定して点滅パターンを形成したりすることによって利用することができる。この場合も、複数設定される点滅パターンが、運転手に見易く識別し易いことが重要となる。
【0027】
次いで、表示手段(4)の第3実施形態について説明する。この第3実施形態の表示手段(4)は、「対向車注意」と「大型車注意」の文字が合わせて形成されている。
このように「大型車注意」と形成されることによって、上記制御手段(3)により通過する車両が大型車であった場合に、この表示を目立たせることによって、運転手に通知することができる。この図4(c)では、大型車両の通過を通知する場合には、「大型車注意」の上部に配置される発光部(41’)が発光し、対向車の通過を通知する場合には、「対向車注意」の上部に配置される発光部(41’’)が発光するように設定されている。
尚、この第3実施形態では、「大型車注意」や「対向車注意」を複数の発光部で形成し、上記する如き点滅パターンで点滅表示させることもできる。
【0028】
表示手段(4)が行う表示状態(発光部(41)の点滅表示)は、上記の如き、制御手段(3)からの制御信号によって、変更される。
第1制御信号が表示手段(4)に送信された場合には、表示手段(4)の発光部(41)が一定間隔で点滅表示が繰り返される。この場合、一定間隔とは、特に限定されないが、例えば、点滅周期が1秒間となるように設定される。
第2制御信号が表示手段(4)に送信された場合には、上記の一定間隔(第1制御信号を受信した場合の点滅周期)よりも、より短い間隔で点滅表示が繰り返される。この場合、第1制御信号を受信し点滅する場合の半分程度の周期が好ましい。第1制御信号を受信した場合の周期が、上記する如き1秒間であれば、約0.5秒間の周期を有するように設定される。尚、この第2制御信号を受信した場合の点滅は、第1制御信号を受信した場合と異なる周期で発光部(41)が点滅すれば特に限定されるものではないが、第2制御信号を受信して第1制御信号よりも早い周期で発光部(41)が点滅することによって、運転手により危険度が高い印象を与えることができ、より注意を促すことができる。
第3制御信号が表示手段(4)に送信された場合には、表示手段(4)の発光部(41)が、第1及び第2制御信号を受信した場合とは異なる周期で点滅させれば構わない。尚、上記する表示手段(3)の第3実施形態に記載される如く、「大型車注意」と記載された文字表示された文字板を発光させて表示してもよい。
第4制御信号が表示手段(4)に送信された場合には、上記第1乃至第3制御信号により点滅する発光部(41)の発光動作が停止される。
【0029】
表示手段(4)の表示する文字の大きさは、少なくとも20cm以上となるように形成されている。このように形成されることによって、車両を運転する運転手にも確実に且つ余裕を持って通知することができる。
【0030】
サーモ式センサ(2)、制御手段(3)と表示手段(4)の動作は、全て太陽電池による電力供給源(5)に接続されている。このように太陽電池を電力供給源とすることで、商用電源を使用する手間やその設置設備を必要とせず、また、電力使用による使用料金を支払う必要がない。
尚、太陽電池を生成する方法としては、ソーラーパネルを使用する方法を例示することができる。
また、この電力供給源は、蓄電を行うための蓄電池に接続されている。このように蓄電池に接続されることによって、天気の良い日の場合には、電力を蓄電することができ、曇りや雨の場合には、蓄電された電力を使用することができる。
以上が本発明に係る構成の説明である。
【0031】
本発明の対向車接近表示システム(1)を利用する場合の動作を説明する。
先ず、図5で示される如き自車線側と対向車線側に夫々設けられる場合を説明する。図5で示される区間では、上流側(A)及び下流側(B)の夫々に本システム(1)が設けられている。このように上流側(A)及び下流側(B)の夫々に本システム(1)を設けることによって、上流側(A)からの車両の運転手及び下流側からの車両の運転手夫々に対向車の通知を行うことができるからである。
尚、図5には、本システム(1)を設けるための概略構成図を示しており、支柱(6)が側道に設けられ、支柱(6)の頭部には支柱(6)と直角に設けられる支持棒(61)が配され、この支持棒(61)の左右端部には夫々第1サーモヘッド(21)及び第2サーモヘッド(22)が設けられている。これらのサーモヘッドは、上記の如く、上流側(A)に第1サーモヘッド(21)を、下流側(B)に第2サーモヘッド(22)を配置する。この図5で示されるシステム(1)は、サーモ式センサ(2)の検知信号を制御する制御部(23)、制御手段(3)、蓄電池(51)とこの蓄電池の電力を充放電する充放電制御部(52)が表示手段(4)である表示板の内部に実装されている。また、支柱(6)の頂上部にはソーラーパネル(53)が設けられている。さらに、表示手段(4)は、上記する第1実施形態の表示手段(4)が採用されており、表示手段(4)の文字部が複数の発光部(41)により形成されている(図4(a)参照)。また、対向車の存在を表示するために、第1周期(例えば、1秒周期)で点滅し、複数の対向車の存在を表示するために、第2周期(例えば、0.5秒周期)で点滅し、対向車が大型車両であれば、第3周期(例えば、1秒周期と0.5秒周期の組み合せ周期)で点滅するように設定されている。尚、これら第1乃至第3周期は、特に限定される点滅周期では無いが、いずれの周期とも重なる周期では無い。また、点滅する発光部(41)の発光する色彩を変更させて表示することもできるし、また、上記する如き周期と発光色との組み合せで、点滅パターンを設定することもできる。
また、図5に示される実施例では、自車線側に設けられる制御手段(3)と対向車線側に設けられる制御手段(3’)が双方向に信号(第1乃至第4制御信号)を送信することができるように接続されている。このように、検知した制御信号を他方の制御手段に送信することができるように接続することによって、車両を検知するサーモセンサ(2)と検知したことを表示する表示手段(4)を一体型に設けることができる。図5で示す場合であれば、上流側(A)に設けられる対向車接近表示システム(1)のサーモ式センサ(2)と制御手段(3)によって、下流側(B)に設けられる対向車接近表示システム(1’)の表示手段(4’)が表示されることになる。
【0032】
先ず、自車が上流側(A)から下流側(B)へ通過し、下流側(B)から上流側(A)へ1台の車両(対向車)が通過する場合を説明する。図6は、本システムを使用するフローチャートを示す。
対向車が、下流側(B)に設置される対向車接近表示システム(1’)の第1サーモヘッド(21’)に検知される(S1)。このとき、制御手段(3’)に第1サーモヘッド(21’)から検知信号を送信することになる。
制御手段(3’)は、第1サーモヘッド(21’)からの検知信号を受信する(S2)。
この場合に於いて、対向車は1台であるので、次に、対向車が、第2サーモヘッド(22’)に検知される(S3)。このとき、制御手段(3’)に第2サーモヘッド(22’)から検知信号を送信することになる。
制御手段(3’)は、第2サーモヘッド(22’)からの検知信号を受信する(S4)。
このとき、制御手段(3’)は、第1サーモヘッド(21’)からの検知信号と第2サーモヘッド(22’)からの検知信号とを基にして、車両が対向車であるか否か(車両の進行方向)を判断する(S5)。
【0033】
制御手段(3’)が、対向車の存在を判断すると、上流側(A)の対向車接近表示システム(1)の制御手段(3)へ第1制御信号を送信する(S6)。
制御手段(3)は第1制御信号を受信すると、この信号を表示手段(4)へ送信する。
表示手段(4)が、この第1制御信号を受信すると、表示手段(4)の複数の発光部(41)が発光し、第1周期で点滅を繰り返す(S7)。
このとき、この発光部(41)は、1台の対向車の存在を示すための点滅周期(第1周期)で点滅する。この点滅周期により、発光部(41)は、例えば1秒間周期で点滅する。
上流側(A)の運転手は、表示手段(4)の発光部(41)が点滅していることを認識して、対向車の存在を確認して退避可能場所や回避場所に車両を移動させる。このようにして接触を回避することができる。
【0034】
対向車が通過した場合には、上流側(A)の対向車接近表示システム(1)の第2サーモヘッド(22)が車両(対向車)の通過を検知して、検知信号を制御手段(3)へ送信する。続いて、第1サーモヘッド(21)が、車両の通過を検知して、検知信号を制御手段(3)へ送信する。
これら第1及び第2サーモヘッド(21、22)からの検知信号により、車両の通過が制御手段(3)により判断される(S8)。
制御手段(3)が車両の通過を判断すると、第4制御信号が表示手段(4)へ送信される(S9)。
表示手段(4)が、第4制御信号を受信すると、表示手段(4)の発光部(41)の点滅が停止される(S10)。
上流側(A)の待機状態(対向車の通過を待機)の運転手は、発光部(41)の点滅が停止されるので、対向車が通過したことを判断することができる。
【0035】
次に、上記する場合の対向車が複数の場合(特に、対向車が2台存在する場合)を説明する。尚、この複数の車両を検知する方法は、特に限定されないが、この場合では、第1サーモヘッド(21’)が車両の存在(通過)を検知して、次の車両の存在を検知するまでの所要時間が所定期間以内であれば、制御手段(3’)が次の対向車の存在を判断することとする。
先ず、下流側(B)の対向車接近表示システム(1’)のサーモ式センサ(2’)と制御手段(3’)により、1台目の対向車が検知され、上流側(A)の対向車接近表示システム(1)の表示手段(4)の複数の発光部(41)が第2周期で点滅表示されている。
【0036】
そして、2台目の対向車が、1台目の対向車と同様に、先ず、第1サーモヘッド(21’)により検知される。このとき、対向車接近表示システム(1’)の制御手段(3’)に第1サーモヘッド(21’)からの検知信号を送信することになる。このとき、第1サーモヘッド(21’)が所定時間内に2度目の車両通過の検知をしているので、検知される車両は、2台目の対向車として検知されることになる。
尚、表示手段(4)の発光部(41)が第1周期で点滅している間に、第1サーモヘッド(21’)が(次の)車両を検知した場合には、この検知した車両を2台目の対向車として検知し、表示手段(4)の複数の発光部(41)は第2周期で点滅することになる。
制御手段(3’)は、第1サーモヘッド(21’)と第2サーモヘッド(22’)からの検知信号を受信する。このとき、制御手段(3’)は、第1サーモヘッド(21’)からの検知信号と第2サーモヘッド(22’)からの検知信号とを基にして、車両が対向車であるか否か(車両の進行方向)を判断する。
【0037】
制御手段(3’)が、対向車の存在を判断すると、2台目の対向車であると判断して、上流側(A)の対向車接近表示システム(1)の制御手段(3)へ、2台目の対向車の存在を通知するための第2制御信号を送信する。
制御手段(3)は第2制御信号を受信すると、この信号を表示手段(4)へ送信する。
表示手段(4)が、この第2制御信号を受信すると、表示手段(4)の複数の発光部(41)が、第1制御信号を受信して点滅していた周期(第1周期)とは異なる点滅周期(第2周期)で点滅を繰り返す。
このとき、この発光部(41)は、1台の対向車の存在を示すための点滅周期で点滅していたが、複数台(2台目)の対向車の存在を通知するため、初めの点滅周期よりも速い点滅周期で発光部(41)が点滅する。
上流側(A)の運転手は、表示手段(4)の発光部(41)が初めと異なる点滅周期で点滅していることを認識して、複数の対向車の存在を確認することができる。
【0038】
1台目の対向車が通過した場合には、上流側(A)の対向車接近表示システム(1)の第2サーモヘッド(22)が車両(対向車)の通過を検知して、検知信号を制御手段(3)へ送信する。続いて、第1サーモヘッド(21)が、車両の通過を検知して、検知信号を制御手段(3)へ送信する。
例えば、図2(b)では、1台の通過車両を検知している経過時間(H5)の期間は、第1周期で発光部(41)が点滅し、2台の通過車両を検知する経過時間(H4)では、第2周期で発光部(41)が点滅し、2台のうちの1台の車両の通過が確認された経過時間(H6)の期間では、第1周期で発光部(41)が点滅するようになる。
これら第1及び第2サーモヘッド(21、22)からの検知信号により、車両の通過が制御手段(3)により判断され、制御手段(3)が車両の通過を判断すると、第4制御信号が表示手段(4)へ送信される。
表示手段(4)が、第4制御信号を受信すると、表示手段(4)の発光部(41)の点滅(第2周期での点滅)が、対向車が1台の場合の点滅周期(第1周期)に変更される。
上流側(A)の待機状態の運転手は、発光部(41)の点滅が変更されるので、残り1台の対向車が存在することを判断することができる。
【0039】
1台の対向車が、大型車両である場合には、第1サーモヘッド(21)や第2サーモヘッド(22)の検知時間が通常の車両(普通乗用車や軽自動車)よりも長くなるので、大型車両である判断を行うことができる。
この場合、制御手段(3)が大型車両であることを判断すると、第3制御信号が表示手段(4)へ送信される。第3制御信号を受信した表示手段(4)は、大型車両であることを表示する周期である第3周期で複数の発光部(41)が点滅されることになる。
尚、大型車の通過を示す表示板(文字が記載された文字板)が設けられている場合には、発光させる等して目立たせることによって、運転手にその通知を行うことができる。
【0040】
次に、図7で示されるような山岳部等の湾曲した道路に設けられる場合を説明する。図8は、図7の平面図であり、1つの対向車接近システム(1)が設けられる場合を示している。
この図7及び図8で示される場合には、下流側(C)の退避場所(7)が設けられており、下流側(C)の回避場所(7)で停止する車両の運転手が、表示手段(4)の発光部(41)を目視することによって、対向車の存在を確認することができる。
尚、図8で示される如く、回避場所(7)に停車する車両から目視することができる位置に表示手段(4)が設けられるとともに、対向車の存在を検知することができる位置にサーモ式センサ(2)が設けられている。
このように、1つの対向車接近表示システム(1)を利用することによって、確実に事故を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る対向車接近表示システムの概略構成図である。
【図2】車両の種類を判定する実施例を示す。
【図3】表示手段が行う点滅動作を示す。
【図4】表示手段の実施例を示す。
【図5】本発明に係る対向車接近表示システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図6】本システムを使用するフローチャートである。
【図7】本システムを利用する一実施形態を示す。
【図8】図7の平面図を示す。
【符号の説明】
【0042】
1・・・・・対向車接近表示システム
2・・・・・サーモ式センサ
21・・・・第1サーモヘッド
22・・・・第2サーモヘッド
3・・・・・制御手段
4・・・・・表示手段
41・・・・発光部
5・・・・・電力供給源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
見通しの悪い道路に設けられる対向車の接近を表示する対向車接近表示システムであって、
道路を移動する車両を検知するために、道路の上流側及び下流側に配される第1及び第2サーモヘッドからなるサーモ式センサと、
前記サーモ式センサからの検知信号に基づいて対向車の存在を判断し、該対向車の車両台数及び/又は該対向車の大きさに応じる制御信号を発生させる制御手段と、
前記制御信号に基づいて表示状態を変更する表示手段とからなることを特徴とする対向車接近表示システム。
【請求項2】
前記サーモ式センサ、前記制御手段と前記表示手段が、太陽電池による電力供給源に接続され、該電力供給源が蓄電を行うための蓄電池に接続されていることを特徴とする請求項1記載の対向車接近表示システム。
【請求項3】
前記表示手段が発光部を有し、
前記制御信号に基づく表示状態の変更が、前記発光部の点滅周期により変更されることを特徴とする請求項1又は2に記載の対向車接近表示システム。
【請求項4】
前記表示手段が複数の発光部を有し、該複数の発光部が文字を形成するように配置されていることを特徴とする請求項3記載の対向車接近表示システム。
【請求項5】
前記表示手段が、所定文字が書かれた文字板と、該文字板の頂上部に配置される少なくとも1つの発光部からなることを特徴とする請求項3記載の対向車接近表示システム。
【請求項6】
前記頂上部に2つ或いはそれ以上の発光部が設けられ、前記点滅が2つ或いはそれ以上の発光部の点滅パターンにより行われることを特徴とする請求項5記載の対向車接近表示システム。
【請求項7】
前記サーモ式センサ、前記制御手段と前記表示手段からなるシステムを、上流側及び下流側の運転手夫々に対向車の存在を表示するために、前記道路の上流側及び下流側に夫々設けることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の対向車接近表示システム。
【請求項8】
前記制御手段が、対向車側の車両の通行を検知する検知信号を生成するとともに、前記検知信号を他方の前記制御手段に送信することを特徴とする請求項7記載の対向車接近表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−120002(P2006−120002A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308616(P2004−308616)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(597154966)学校法人高知工科大学 (141)
【出願人】(591039425)高知県 (51)
【Fターム(参考)】