対局ゲーム観戦システム
【課題】
携帯端末において、対局ゲームを、臨場感を持たせて観戦させることが可能な対局ゲーム観戦システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
サーバと携帯端末とを有する対局ゲーム観戦システムであって、サーバは、対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを抽出して、それらを携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、携帯端末は、サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを受け取り、記憶部に記憶させる着手情報取得部と、記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
携帯端末において、対局ゲームを、臨場感を持たせて観戦させることが可能な対局ゲーム観戦システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
サーバと携帯端末とを有する対局ゲーム観戦システムであって、サーバは、対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを抽出して、それらを携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、携帯端末は、サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを受け取り、記憶部に記憶させる着手情報取得部と、記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、PHSなどの可搬型通信端末(以下、「携帯端末」という)において、囲碁、将棋、チェスなどの対局ゲームを、臨場感を持たせて観戦させることが可能な対局ゲーム観戦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の普及に伴い、囲碁、将棋、チェスなどのゲーム(以下、「対局ゲーム」という)を携帯端末を用いてどこでも楽しめるサービスが既に提供されており、その利用者も増加傾向にある。
【0003】
上述の対局ゲームにおいては、自らが相手と対局することによって楽しむことは勿論のこと、他人同士の対局を観戦することも醍醐味の一つである。特にこれらの対局ゲームにおいてプロ同士の対局はテレビ放送などもあることからもその人気がうかがい知れる。またプロ同士の対局のみならず、アマチュア同士の対局を観戦することも、その愛好者からしたら非常に興味深いものとなっている。
【0004】
特にインターネット上においてこれらの対局ゲームを提供しているウェブサイトでは、対局観戦用のモードを備えており、対局者が打った手の情報を、すぐに対局を観戦している観戦者のコンピュータ端末に送信することによって、リアルタイムで対局を観戦することが出来る。コンピュータ端末の場合には常時接続されていることが殆どであり、またバッテリー等の心配もないことから上述のようなリアルタイムの観戦を行えるシステムの構築も容易である。
【0005】
ところが携帯端末で対局ゲームの観戦を行うシステムを構築する場合には、携帯端末の通信方式の特性上、常時接続ではないので、対局者が打った手の情報を、すぐに対局を観戦している観戦者の携帯端末に送信することが出来ない。また、仮に上述のようなシステム構築を行えたとしても、携帯端末が通信を行う際に相当の電力を消費することから、常時接続を行うとすぐに携帯端末のバッテリーがなくなってしまい、長時間の対局の観戦を行うことが難しい。従って、対局が長時間に及ぶ場合もある、上述の対局ゲームについては、携帯端末での常時接続による観戦は、そもそも向いていない。
【0006】
そこで現在では、下記特許文献1や特許文献2に開示されているように、携帯端末から「更新」などの情報を取得する要求を受け取ってから、その間のお互いの打った手の情報をサーバから携帯端末に送信し、それを受け取った携帯端末において、打たれた手の情報を表示するシステムが用いられている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−29653号公報
【特許文献2】特開2002−177651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のようなシステムを用いることによって、携帯端末では対局ゲームの観戦を実現することが出来る。ところが打たれた手の情報が、すぐに携帯端末上で表示されたり、あるいは携帯端末に入力された観戦者の指示に基づいて、打った手の順番にそれを携帯端末で表示しているにすぎない。即ち、観戦者が「更新」を選択した時点までに、対局者A及び対局者Bが1手ずつ打っていたとしたら、その2手分の情報がまとめて携帯端末に送信され、2手が打たれた状態で画面が更新されたり(図3)、観戦者が所定のボタンを押下するタイミングで2手を順に表示して画面が更新されたりする(図4)。
【0009】
例えば図3の場合、携帯端末において図3(a)に示す画面が表示されており、この状態において、観戦者が所定の「更新」操作を行う。そうすると、サーバから携帯端末に対して、図3(a)の局面から「更新」操作が行われた間における局面の変化の情報、即ち、対局者の打った手の情報が送信される。ここでは白、黒が共に1手ずつ打ったとする。そうすると、その情報を受け取った携帯端末では、更新後の画面として、図3(b)に示すように、白、黒が共に1手ずつ打った後の画面が表示される。これによって、観戦者は白、黒がどのような手を打ったかを把握することが出来るが、同時に2手が打たれた状態の画面が表示されてしまう。
【0010】
あるいは図4の場合、携帯端末において図4(a)に示す画面が表示されており、この状態において、観戦者が所定の「更新」操作を行うと、サーバから携帯端末に対して、図4(a)の局面から「更新」操作が行われた間における局面の変化の情報が送信される。そして図3の場合と同様に、白、黒が共に1手ずつ打ったとすると、携帯端末ではまず白が1手打った状態の後の画面を表示し、その後、更に観戦者が所定の操作を行うことによって、黒が1手打った状態の画面が表示される。
【0011】
つまり現在の対局ゲームの観戦を実現するシステムでは、更新操作を行った場合、その間に打たれた手の情報を、纏めて更新後の画面で表示したり、観戦者が携帯端末を操作することによって、打った手の順に画面で表示したりする。
【0012】
一方、これら対局ゲームの観戦者にとって楽しみの一つとして、対局者がどのくらいの間隔で次の一手を打ったか、が極めて重要である。これは、観戦者がある手を打つ際に、どれくらいの時間考えていたか、を示す情報であり、これがあることによって、臨場感を得ることが出来るのである。
【0013】
しかし現在の対局ゲームの観戦を実現するシステムでは、更新操作後の手を纏めて表示したり、観戦者がボタンを押すことによって順に打たれた手が画面で表示されるに過ぎず、対局者が「どれだけの時間を考えて打った手か」を行う処理が存在しない。その為、観戦者としては臨場感に欠けてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明者は、対局ゲームにおいて、対局者が対局中に観戦を開始した場合、実際の対局における一手と一手の間の時間が経過してから、打たれた手を携帯端末の画面上で表示させることにより臨場感を出す、対局ゲーム観戦システムを発明した。
【0015】
請求項1の発明において、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、前記サーバは、対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記携帯端末は、前記サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
【0016】
本発明のように構成することで、従来のように更新する間における各対局者の手の情報が同時に表示されたり、観戦者が適宜、対局者の手の表示を更新する操作を行わずに、対局をあたかもリアルタイムで観戦しているかのごとく、対局ゲームの観戦が可能となる。即ち、対局者が打った手について、実際の対局において前の手からその手が打たれるまでの時間と同じ時間を経過しないと、観戦者の携帯端末においてもその手の表示が行われないこととなる。これによって観戦者はリアルタイムと同様に臨場感溢れる観戦が可能となる。
【0017】
請求項2の発明において、前記着手情報取得部は、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、2回目以降の着手情報取得要求として、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信する、対局ゲーム観戦システムである。
【0018】
携帯端末からの着手情報取得要求は、本発明のようなタイミングで行うことが効率的である。
【0019】
請求項3の発明は、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、前記サーバは、各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記携帯端末は、前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記サーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
【0020】
上述の各発明は、本発明のように構成することでも実現できる。つまり、対局者が打った手について、実際の対局において前の手からその手が打たれるまでの時間と同じ時間を経過しないと、観戦者の携帯端末においてもその手の表示が行われないシステムが可能となる。これによって、観戦者はリアルタイムと同様に臨場感溢れる観戦が可能となる。
【0021】
請求項4の発明において、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムにおけるサーバであって、前記サーバは、各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記観戦制御部が前記着手情報と時間情報とを前記携帯端末に送信することにより、前記携帯端末において、前記着手情報について、各着手情報に対応する時間を観戦開始時から経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示させる、対局ゲーム観戦システムにおけるサーバである。
【0022】
上述の対局ゲーム観戦システムにおけるサーバは、本発明のように構成することで実現できる。
【0023】
請求項5の発明は、対局ゲーム観戦システムにおける、対局ゲームの観戦者が利用する携帯端末であって、前記携帯端末は、前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記対局ゲームの着手情報を時間情報と共に記憶するサーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末である。
【0024】
上述の対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末は、本発明のように構成することで実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によって、対局者が対局において打った手の情報(着手情報)を、定期的または不定期に更新することによって携帯端末で取得するものの、その表示をすぐに行わずに、対局者が打った状態と同じ時間だけ経過した時点で初めて表示させることによって、観戦者にとっても、対局者がどれだけ次の一手を打つまでに考えたかが分かるシステムとなり、臨場感を出した観戦が可能な、対局ゲーム観戦システムとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の対局ゲーム観戦システム1のシステム構成の一例を示す。対局ゲーム観戦システム1は、所定のサーバ2と観戦者が利用する携帯端末7とを用いて実行される。サーバ側のシステムでは、所定の処理が実行され、対局者が利用するコンピュータ端末また携帯端末(以下、「対局者端末6」という)と、観戦者が利用する携帯端末7との間で情報の送受信が可能である。
【0027】
対局ゲーム観戦システム1のサーバ側のシステムは、サーバ2で、本発明の処理を制御するソフトウェアプログラムやモジュールなどの処理が実行されることで実現される。このサーバ2には、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置と、情報を記憶するRAMやROMなどの記憶装置と、インターネットなどのネットワークを介して情報の送受信を行う通信装置などを備えている。サーバ2上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置における処理に用いる。当該サーバ2には、表示装置、キーボードやマウスなどの入力装置を備えていても良い。
【0028】
本発明における各機能(各手段)は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。また各機能は、一または複数のプログラムやモジュール、装置等により処理することも可能である。
【0029】
対局ゲーム観戦システム1におけるサーバ側のシステムは、対局制御部3と着手情報記憶部4と観戦制御部5とを有している。
【0030】
対局制御部3は、対局者端末6から対局ゲームにおいてどのような手を打ったかを示す情報(着手情報)を受け取ることによって、対局ゲームを対局者端末6同士の間で制御する。対局者端末6から受け取った着手情報は、着手情報記憶部4に記憶する。ここで対局ゲームとしては、囲碁、将棋、チェスなどの様々なゲームがあり、それらをインターネット上で実現するシステムであれば如何なるものであっても良い。
【0031】
着手情報記憶部4は、対局ゲームについて、各対局者の着手情報をその時間情報と共に記憶する。この際に着手情報は、どの対局であるかを識別する識別情報と更に対応づけて記憶されていると良い。この識別情報により、複数の対局が行われているときに、どの着手情報であるのかを識別することが出来る。
【0032】
観戦制御部5は、携帯端末7からの着手情報の取得要求を受け取ると、その着手情報を着手情報記憶部4から抽出して、当該携帯端末7に送信する。この際に、携帯端末7からはどの対局のどの着手情報の取得要求であるかを示す情報を併せて受け取っており、それに基づいて着手情報を抽出することとなる。
【0033】
対局の観戦者が利用する携帯端末7においては、少なくとも、対局ゲーム観戦システム1におけるサーバ側のシステムから着手情報を取得してその表示を行うことにより、対局の観戦を実現するアプリケーションプログラムを備えている。このアプリケーションプログラムを起動して、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2にアクセスすることで、対局における観戦を行うことが出来る。
【0034】
観戦者の携帯端末7においては、着手情報取得部8と記憶部9と観戦処理部10とを有している。
【0035】
着手情報取得部8は、観戦を開始する際に対局開始から観戦開始を行うまでの着手情報の取得要求、あるいは観戦を開始している場合には、所定の単位時間毎または任意のタイミングで、前回取得した着手情報からその時点までの着手情報の取得要求を、携帯端末7から対局ゲーム観戦システム1のサーバ2に送信することにより、サーバ2から着手情報と時間情報とを取得する。
【0036】
記憶部9は、着手情報取得部8において取得した着手情報と時間情報とを対応づけて記憶している。
【0037】
観戦処理部10は、観戦者が携帯端末7において所定の操作を行うことによって、サーバ2から取得した着手情報と時間情報とに基づいて、当該着手情報を時間情報に従って携帯端末7の表示装置に表示させる。つまり、観戦開始の時点から計時を開始し、1手目の着手情報に対応づけられた時間が到来すると、記憶部9に記憶する1手目の着手情報に基づいて、1手目を携帯端末7の表示装置で表示する。また2手目の着手情報に対応づけられた時間が到来すると、記憶部9に記憶する2手目の着手情報に基づいて、2手目を携帯端末7の表示装置で表示する。観戦処理部10は、このように観戦開始から計時した時間が到来すると、その対応する時間の着手情報を携帯端末7で表示することとなる。これを終局するまで反復することによって、携帯端末7において着手情報を所定のタイミングごとに取得していたとしても、対局者が次の一手を打つまでの時間と同じ時間が経たなければ、携帯端末7において表示されないこととなる。つまりその時間だけ、対局者が考えていたことが分かる。
【0038】
次に本発明の対局ゲーム観戦システム1の処理プロセスを説明する。また図2に、実際の対局の状況と、観戦者の携帯端末7における表示状況とを模式的に説明した模式図を示す。なお以下の説明では、対局ゲームの一例として囲碁の場合を説明するが、他の対局ゲームにおいても同様に処理が行われる。
【0039】
まず各対局者は所定の操作を行うことにより、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2にアクセスし、対局を開始する。即ち、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2を用いて囲碁の対局を開始する。そして対局者A及び対局者Bは互いにどのような一手を打つかを示す情報を、各々の対局者端末6から入力し、それをサーバ2に送信する。
【0040】
サーバ2の対局制御部3は、各対局者が打った手の情報を、各対局者端末6から受け取り、それを着手情報として、着手情報記憶部4に記憶させる。ここで着手情報には、対局開始からの時間を対応づけて記憶させる。この時間は、囲碁などの対局ゲームでは一般的に対局開始からの時間を計時しているので、その時間を用いればよい。なお時間情報としては、対局開始からの時間のほか、各手の間の時間などであっても良い。
【0041】
例えば、対局開始後、3手目(黒2手、白1手)までの対局が図5に示す状態であったとする。例えば対局開始から48秒後に、黒が(e,16)の一手を打つと、その情報が対局者A(黒の碁石を打つ対局者)の対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「黒(e,16)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「黒(e,16)」を記憶させる。そして対局者Aが打った時間である48秒を時間情報として、当該着手情報に対応づけて記憶させる。そして対局開始から1分28秒後に、白が(j,17)の一手を打つと、その情報が対局者B(白の碁石を打つ対局者)の対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「白(j,17)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「白(j,17)」を、「1分28秒」の時間情報に対応づけて記憶させる。更に、対局開始から1分53秒後に、黒(対局者A)が(p,4)の一手を打つと、その情報が対局者Aの対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「黒(p,4)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「黒(p,4)」を、「1分53秒」の時間情報に対応づけて記憶させる。
【0042】
上述の対局開始後、3手目までの着手情報記憶部4を模式的に図6に示す。なお図6では図示していないが、対局毎の着手情報は、更に、対局を識別する情報と対応づけられている。つまり対局者Aと対局者Bとの対局であることを示す識別情報と対応づけられている。
【0043】
このように、対局者Aと対局者Bとの対局における着手情報は、観戦の有無とは関わらず、逐次、対局制御部3が対局者端末6から受け取り、それを着手情報記憶部4に記憶することとなる。例えば図11には、7手目までの着手情報が時間情報と共に逐次、記憶されている状態の着手情報記憶部4を模式的に示す。
【0044】
一方、対局者Aと対局者Bとの対局中に、観戦者が対局の観戦を希望した場合には、観戦者は携帯端末7において所定の操作をすることによって、観戦を希望する対局の一覧を表示し、その対局から、対局者Aと対局者Bとの対局の観戦を、観戦者が所定の操作により選択する。なお携帯端末7において、着手情報を自動的に取得する間隔(単位時間t)として、「2分」が選択されていたとする。単位時間は、任意に設定可能である。
【0045】
この選択によって、対局者Aと対局者Bとの対局の着手情報の取得要求を、携帯端末7の着手情報取得部8がサーバ2に送信する。この際に、対局者Aと対局者Bとの対局であることを示す識別情報が併せて送信されると良い。この取得要求が行われた時点が、対局開始から2分15秒の時点であったとする。
【0046】
この着手情報取得要求をサーバ2の観戦制御部5で受け取ると、観戦制御部5は当該識別情報に基づいて、当該対局における、対局開始(0秒)から着手情報取得要求を受け付けた時間(T1)までの着手情報を抽出し、時間情報と共に、観戦者の携帯端末7に送信する。つまり、対局開始から2分15秒までの着手情報を抽出して、携帯端末7に送信する。
【0047】
即ち、観戦要求を受け付けた時間(対局開始から2分15秒)において、図6のような着手情報の場合、1手目から3手目までの着手情報とその時間情報とを観戦制御部5が着手情報記憶部4から抽出し、観戦者の携帯端末7に送信する。
【0048】
これらの情報を観戦者の携帯端末7の着手情報取得部8で受け取ると、それを記憶部9に記憶させる。そして観戦者が携帯端末7において所定の操作を行うことによって、対局者Aと対局者Bの対局の観戦が開始される。なおこの状態において、携帯端末7の記憶部9には、対局開始からT1までの着手情報が記憶されているが、表示はまだ行われていない。この状態の携帯端末7の画面を図7に示す。
【0049】
そして上述の図7の状態になった時点で、あるいは観戦者が携帯端末7において観戦開始を指示する操作(ボタンの押下等)を行うことで、観戦処理部10において計時が開始される。そして記憶部9に記憶する着手情報に対応づけられた1手目の時間が到来すると、即ち、観戦開始から48秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から1手目の着手情報を抽出し、1手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図6の場合、黒を(e,16)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図8に示す。
【0050】
次に観戦開始から1分28秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から2手目の着手情報を抽出し、2手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図6の場合、白を(j,17)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図9に示す。
【0051】
更に観戦開始から1分53秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から3手目の着手情報を抽出し、3手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図7の場合、黒を(p,4)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図10に示す。
【0052】
このように観戦開始からの各着手情報の時間が到来すると、観戦処理部10は、記憶部9に記憶する着手情報を抽出し、各手について携帯端末7で表示を行う。
【0053】
一方、携帯端末7の着手情報取得部8は、観戦開始から予め定められた単位時間(上述の例では2分。対局開始から4分15秒(観戦開始から2分))が到来すると(図2におけるT2になると)、サーバ2に対して、新たな着手情報の取得要求を送信する。即ち、前回の取得要求で取得した着手情報の時点から、単位時間の間における着手情報の取得要求、つまり、T1からT2までの着手情報の取得要求を送信する(図2)。観戦開始から2分後(T1:対局開始から2分15秒)から4分後(T2:対局開始から4分15秒)までの、当該対局の着手情報の取得要求を送信することとなる。
【0054】
観戦制御部5は、携帯端末7から着手情報取得要求を受け取ると、T1からT2までの、当該対局の着手情報を着手情報記憶部4から抽出し、携帯端末7に送信することとなる。つまり、観戦開始から2分15秒(T1)から4分15秒(T2)までの、2分間に行われた着手情報を抽出し、携帯端末7に送信する。
【0055】
従って、着手情報記憶部4に記憶する着手情報が、図11に示すような場合には、4手目から6手目の着手情報をその時間情報と共に、観戦制御部5が携帯端末7に送信する。
【0056】
携帯端末7の着手情報取得部8は、4手目から6手目までの着手情報を取得すると、それを記憶部9に記憶させる。そして観戦処理部10において、4手目の時間、つまり観戦開始から2分41秒が到来すると、4手目の着手情報を記憶部9から抽出して、白を(d,5)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図12に示す。
【0057】
また5手目の時間、つまり観戦開始から3分17秒が到来すると、5手目の着手情報を記憶部9から抽出して、黒を(f,7)に表示する。この状態の画面を図13に示す。そして6手目の時間、つまり観戦開始から3分39秒が到来すると、6手目の着手情報を記憶部9から抽出して、白を(n,11)に表示する。この状態の画面を図14に示す。
【0058】
このように携帯端末7の着手情報取得部8は、観戦開始から所定の単位時間が経過する毎に、サーバ2に対して着手情報の取得要求を行うこととなる。この際に取得する着手情報は、i回目の取得要求においては、実際の対局における時間軸の、数1と数2の間の着手情報を取得することとなる。つまり、
(数1)
対局開始から1回目の取得要求までの時間T1+単位時間×(i−2)
(数2)
対局開始から1回目の取得要求までの時間T1+単位時間×(i−1)
の時間における着手情報を取得することとなる。なお数1において、1回目の取得要求(観戦開始時の取得要求)の場合には「0」として取り扱うこととなる。
【0059】
なお実際の処理としては、取得要求を行う際に、数1と数2による時間における着手情報の取得要求を着手情報取得部8がサーバ2に送信し、観戦制御部5がそれに基づいて、着手情報取得部8から当該時間における着手情報を抽出して携帯端末7に送信すればよい。この際には、1回目の取得要求を行い、それに対する着手情報を観戦制御部5が携帯端末7に送信する際に、時間T1の情報を送信し、それを着手情報取得部8で記憶することによって、時間軸の算出処理を行うことが出来る。
【0060】
なお取得要求についてはこれに限定されず、様々な方法を採用することが出来る。例えば、数1により算出し、それと単位時間の情報とを着手情報取得部8がサーバ2に送信することにより、観戦制御部5が、数1の時間から、数1の時間に単位時間を加算した時間までの着手情報を抽出するように構成することも出来る。また、これ以外の方法によっても行える。
【0061】
また携帯端末7の観戦処理部10は、記憶部9に記憶した着手情報のうち、所定の時間が経過した着手情報から順に終局するまで表示を行う。なお終局の際には、終局であることを示す情報が着手情報として含まれており、それに基づいて終局であることを判定した上で表示すればよい。
【0062】
このように、携帯端末7において表示を行うことによって、観戦者も対局者が考えている時間が分かる状態で表示が行われ、あたかもリアルタイムで観戦しているかのような臨場感を得ることが出来る。
【0063】
なお上述の実施例では、対局開始から2分15秒の時点で観戦者が観戦を開始した場合を説明したが、観戦者は、対局中であれば如何なる時点であっても観戦を開始することができる。例えば着手情報記憶部4に記憶している着手情報が図15に示すような場合では、対局開始から12分24秒後に観戦を開始した場合を示している。
【0064】
この場合、観戦制御部5は、対局開始から12分24秒までの着手情報、即ち、1手目から21手目までの着手情報を時間情報と共に携帯端末7に送信する。携帯端末7の着手情報取得部8は、1手目から21手目までの着手情報を時間情報に対応づけて記憶部9に記憶させる。そして観戦開始と共に計時を開始し、その時間情報に従って、各手を順に表示させる。
【0065】
そして観戦開始から単位時間を経過すると、つまり観戦開始から2分後、着手情報取得部8は、前回取得した、対局開始から12分24秒から、14分24秒までの間の新たな着手情報をサーバ2から取得する取得要求を送信する。そして観戦制御部5は、12分24秒から14分24秒までの観戦情報を着手情報記憶部4から抽出して、携帯端末7に送信する。この状態の着手情報記憶部4が、図16であったとすると、22手目から25手目までの着手情報を時間情報と共に携帯端末7に送信する。携帯端末7の着手情報取得部8は、1手目から21手目までの着手情報を時間情報に対応づけて記憶部9に記憶させる。
【0066】
一方、携帯端末7の記憶部9には、この時点(2回目の取得要求の時点:観戦開始から2分)において1手目から25手目までの着手情報が記憶されているものの、携帯端末7の観戦での時間軸は、2分しか経過していないので、3手目までしか表示されていないこととなる。つまり観戦開始が遅くなれば遅くなるほど、携帯端末7の記憶部9に記憶される着手情報は多くなるが、観戦における時間が経過されないと、その着手情報に基づく手が表示されない。しかしこのような技術的構成を備えることによって、実際の対局と同じ時間だけ観戦時間を要するので、臨場感が高まり、また観戦者も対局者と同様に思考をすることもでき、一層、観戦を楽しむことが出来る。
【0067】
またリアルタイム性を追求するならば、観戦開始時に(T1−t)時間進めた状態で観戦を開始できるように選択可能としても良い。このとき、次の(2回目の)取得要求の時点では、T1までの手順が表示されるようになる。この方法を用いれば、実際の対局より単位時間tだけ遅れた状態で対局を再現することが出来る。これはプロの対局など、対局時間が特に長時間に亘るものに対して有効な方法となる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
上述のように、対局者が対局において打った手の情報(着手情報)を、定期的または不定期に更新することによって携帯端末7で取得するものの、その表示をすぐに行わずに、対局者が打った状態と同じ時間だけ経過した時点で初めて表示させることによって、観戦者にとっても、対局者がどれだけ次の一手を打つまでに考えたかが分かるシステムとなる。これによって、臨場感を出した観戦が可能な、対局ゲーム観戦システム1が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の処理の概念図を模式的に示す図である。
【図3】従来の対局ゲームの観戦における表示方法を示す一例である。
【図4】従来の対局ゲームの観戦における表示方法を示す他の一例である。
【図5】対局開始後、3手目までが打たれた状態を模式的に示す図である。
【図6】3手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図7】対局開始時における携帯端末の画面の表示例である。
【図8】1手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図9】2手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図10】3手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図11】7手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図12】4手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図13】5手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図14】6手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図15】21手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図16】25手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1:対局ゲーム観戦システム
2:サーバ
3:対局制御部
4:着手情報記憶部
5:観戦制御部
6:対局者端末
7:携帯端末
8:着手情報取得部
9:記憶部
10:観戦処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、PHSなどの可搬型通信端末(以下、「携帯端末」という)において、囲碁、将棋、チェスなどの対局ゲームを、臨場感を持たせて観戦させることが可能な対局ゲーム観戦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の普及に伴い、囲碁、将棋、チェスなどのゲーム(以下、「対局ゲーム」という)を携帯端末を用いてどこでも楽しめるサービスが既に提供されており、その利用者も増加傾向にある。
【0003】
上述の対局ゲームにおいては、自らが相手と対局することによって楽しむことは勿論のこと、他人同士の対局を観戦することも醍醐味の一つである。特にこれらの対局ゲームにおいてプロ同士の対局はテレビ放送などもあることからもその人気がうかがい知れる。またプロ同士の対局のみならず、アマチュア同士の対局を観戦することも、その愛好者からしたら非常に興味深いものとなっている。
【0004】
特にインターネット上においてこれらの対局ゲームを提供しているウェブサイトでは、対局観戦用のモードを備えており、対局者が打った手の情報を、すぐに対局を観戦している観戦者のコンピュータ端末に送信することによって、リアルタイムで対局を観戦することが出来る。コンピュータ端末の場合には常時接続されていることが殆どであり、またバッテリー等の心配もないことから上述のようなリアルタイムの観戦を行えるシステムの構築も容易である。
【0005】
ところが携帯端末で対局ゲームの観戦を行うシステムを構築する場合には、携帯端末の通信方式の特性上、常時接続ではないので、対局者が打った手の情報を、すぐに対局を観戦している観戦者の携帯端末に送信することが出来ない。また、仮に上述のようなシステム構築を行えたとしても、携帯端末が通信を行う際に相当の電力を消費することから、常時接続を行うとすぐに携帯端末のバッテリーがなくなってしまい、長時間の対局の観戦を行うことが難しい。従って、対局が長時間に及ぶ場合もある、上述の対局ゲームについては、携帯端末での常時接続による観戦は、そもそも向いていない。
【0006】
そこで現在では、下記特許文献1や特許文献2に開示されているように、携帯端末から「更新」などの情報を取得する要求を受け取ってから、その間のお互いの打った手の情報をサーバから携帯端末に送信し、それを受け取った携帯端末において、打たれた手の情報を表示するシステムが用いられている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−29653号公報
【特許文献2】特開2002−177651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のようなシステムを用いることによって、携帯端末では対局ゲームの観戦を実現することが出来る。ところが打たれた手の情報が、すぐに携帯端末上で表示されたり、あるいは携帯端末に入力された観戦者の指示に基づいて、打った手の順番にそれを携帯端末で表示しているにすぎない。即ち、観戦者が「更新」を選択した時点までに、対局者A及び対局者Bが1手ずつ打っていたとしたら、その2手分の情報がまとめて携帯端末に送信され、2手が打たれた状態で画面が更新されたり(図3)、観戦者が所定のボタンを押下するタイミングで2手を順に表示して画面が更新されたりする(図4)。
【0009】
例えば図3の場合、携帯端末において図3(a)に示す画面が表示されており、この状態において、観戦者が所定の「更新」操作を行う。そうすると、サーバから携帯端末に対して、図3(a)の局面から「更新」操作が行われた間における局面の変化の情報、即ち、対局者の打った手の情報が送信される。ここでは白、黒が共に1手ずつ打ったとする。そうすると、その情報を受け取った携帯端末では、更新後の画面として、図3(b)に示すように、白、黒が共に1手ずつ打った後の画面が表示される。これによって、観戦者は白、黒がどのような手を打ったかを把握することが出来るが、同時に2手が打たれた状態の画面が表示されてしまう。
【0010】
あるいは図4の場合、携帯端末において図4(a)に示す画面が表示されており、この状態において、観戦者が所定の「更新」操作を行うと、サーバから携帯端末に対して、図4(a)の局面から「更新」操作が行われた間における局面の変化の情報が送信される。そして図3の場合と同様に、白、黒が共に1手ずつ打ったとすると、携帯端末ではまず白が1手打った状態の後の画面を表示し、その後、更に観戦者が所定の操作を行うことによって、黒が1手打った状態の画面が表示される。
【0011】
つまり現在の対局ゲームの観戦を実現するシステムでは、更新操作を行った場合、その間に打たれた手の情報を、纏めて更新後の画面で表示したり、観戦者が携帯端末を操作することによって、打った手の順に画面で表示したりする。
【0012】
一方、これら対局ゲームの観戦者にとって楽しみの一つとして、対局者がどのくらいの間隔で次の一手を打ったか、が極めて重要である。これは、観戦者がある手を打つ際に、どれくらいの時間考えていたか、を示す情報であり、これがあることによって、臨場感を得ることが出来るのである。
【0013】
しかし現在の対局ゲームの観戦を実現するシステムでは、更新操作後の手を纏めて表示したり、観戦者がボタンを押すことによって順に打たれた手が画面で表示されるに過ぎず、対局者が「どれだけの時間を考えて打った手か」を行う処理が存在しない。その為、観戦者としては臨場感に欠けてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明者は、対局ゲームにおいて、対局者が対局中に観戦を開始した場合、実際の対局における一手と一手の間の時間が経過してから、打たれた手を携帯端末の画面上で表示させることにより臨場感を出す、対局ゲーム観戦システムを発明した。
【0015】
請求項1の発明において、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、前記サーバは、対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記携帯端末は、前記サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
【0016】
本発明のように構成することで、従来のように更新する間における各対局者の手の情報が同時に表示されたり、観戦者が適宜、対局者の手の表示を更新する操作を行わずに、対局をあたかもリアルタイムで観戦しているかのごとく、対局ゲームの観戦が可能となる。即ち、対局者が打った手について、実際の対局において前の手からその手が打たれるまでの時間と同じ時間を経過しないと、観戦者の携帯端末においてもその手の表示が行われないこととなる。これによって観戦者はリアルタイムと同様に臨場感溢れる観戦が可能となる。
【0017】
請求項2の発明において、前記着手情報取得部は、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、2回目以降の着手情報取得要求として、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信する、対局ゲーム観戦システムである。
【0018】
携帯端末からの着手情報取得要求は、本発明のようなタイミングで行うことが効率的である。
【0019】
請求項3の発明は、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、前記サーバは、各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記携帯端末は、前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記サーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、対局ゲーム観戦システムである。
【0020】
上述の各発明は、本発明のように構成することでも実現できる。つまり、対局者が打った手について、実際の対局において前の手からその手が打たれるまでの時間と同じ時間を経過しないと、観戦者の携帯端末においてもその手の表示が行われないシステムが可能となる。これによって、観戦者はリアルタイムと同様に臨場感溢れる観戦が可能となる。
【0021】
請求項4の発明において、対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムにおけるサーバであって、前記サーバは、各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、前記観戦制御部が前記着手情報と時間情報とを前記携帯端末に送信することにより、前記携帯端末において、前記着手情報について、各着手情報に対応する時間を観戦開始時から経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示させる、対局ゲーム観戦システムにおけるサーバである。
【0022】
上述の対局ゲーム観戦システムにおけるサーバは、本発明のように構成することで実現できる。
【0023】
請求項5の発明は、対局ゲーム観戦システムにおける、対局ゲームの観戦者が利用する携帯端末であって、前記携帯端末は、前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記対局ゲームの着手情報を時間情報と共に記憶するサーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末である。
【0024】
上述の対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末は、本発明のように構成することで実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によって、対局者が対局において打った手の情報(着手情報)を、定期的または不定期に更新することによって携帯端末で取得するものの、その表示をすぐに行わずに、対局者が打った状態と同じ時間だけ経過した時点で初めて表示させることによって、観戦者にとっても、対局者がどれだけ次の一手を打つまでに考えたかが分かるシステムとなり、臨場感を出した観戦が可能な、対局ゲーム観戦システムとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の対局ゲーム観戦システム1のシステム構成の一例を示す。対局ゲーム観戦システム1は、所定のサーバ2と観戦者が利用する携帯端末7とを用いて実行される。サーバ側のシステムでは、所定の処理が実行され、対局者が利用するコンピュータ端末また携帯端末(以下、「対局者端末6」という)と、観戦者が利用する携帯端末7との間で情報の送受信が可能である。
【0027】
対局ゲーム観戦システム1のサーバ側のシステムは、サーバ2で、本発明の処理を制御するソフトウェアプログラムやモジュールなどの処理が実行されることで実現される。このサーバ2には、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置と、情報を記憶するRAMやROMなどの記憶装置と、インターネットなどのネットワークを介して情報の送受信を行う通信装置などを備えている。サーバ2上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置における処理に用いる。当該サーバ2には、表示装置、キーボードやマウスなどの入力装置を備えていても良い。
【0028】
本発明における各機能(各手段)は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。また各機能は、一または複数のプログラムやモジュール、装置等により処理することも可能である。
【0029】
対局ゲーム観戦システム1におけるサーバ側のシステムは、対局制御部3と着手情報記憶部4と観戦制御部5とを有している。
【0030】
対局制御部3は、対局者端末6から対局ゲームにおいてどのような手を打ったかを示す情報(着手情報)を受け取ることによって、対局ゲームを対局者端末6同士の間で制御する。対局者端末6から受け取った着手情報は、着手情報記憶部4に記憶する。ここで対局ゲームとしては、囲碁、将棋、チェスなどの様々なゲームがあり、それらをインターネット上で実現するシステムであれば如何なるものであっても良い。
【0031】
着手情報記憶部4は、対局ゲームについて、各対局者の着手情報をその時間情報と共に記憶する。この際に着手情報は、どの対局であるかを識別する識別情報と更に対応づけて記憶されていると良い。この識別情報により、複数の対局が行われているときに、どの着手情報であるのかを識別することが出来る。
【0032】
観戦制御部5は、携帯端末7からの着手情報の取得要求を受け取ると、その着手情報を着手情報記憶部4から抽出して、当該携帯端末7に送信する。この際に、携帯端末7からはどの対局のどの着手情報の取得要求であるかを示す情報を併せて受け取っており、それに基づいて着手情報を抽出することとなる。
【0033】
対局の観戦者が利用する携帯端末7においては、少なくとも、対局ゲーム観戦システム1におけるサーバ側のシステムから着手情報を取得してその表示を行うことにより、対局の観戦を実現するアプリケーションプログラムを備えている。このアプリケーションプログラムを起動して、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2にアクセスすることで、対局における観戦を行うことが出来る。
【0034】
観戦者の携帯端末7においては、着手情報取得部8と記憶部9と観戦処理部10とを有している。
【0035】
着手情報取得部8は、観戦を開始する際に対局開始から観戦開始を行うまでの着手情報の取得要求、あるいは観戦を開始している場合には、所定の単位時間毎または任意のタイミングで、前回取得した着手情報からその時点までの着手情報の取得要求を、携帯端末7から対局ゲーム観戦システム1のサーバ2に送信することにより、サーバ2から着手情報と時間情報とを取得する。
【0036】
記憶部9は、着手情報取得部8において取得した着手情報と時間情報とを対応づけて記憶している。
【0037】
観戦処理部10は、観戦者が携帯端末7において所定の操作を行うことによって、サーバ2から取得した着手情報と時間情報とに基づいて、当該着手情報を時間情報に従って携帯端末7の表示装置に表示させる。つまり、観戦開始の時点から計時を開始し、1手目の着手情報に対応づけられた時間が到来すると、記憶部9に記憶する1手目の着手情報に基づいて、1手目を携帯端末7の表示装置で表示する。また2手目の着手情報に対応づけられた時間が到来すると、記憶部9に記憶する2手目の着手情報に基づいて、2手目を携帯端末7の表示装置で表示する。観戦処理部10は、このように観戦開始から計時した時間が到来すると、その対応する時間の着手情報を携帯端末7で表示することとなる。これを終局するまで反復することによって、携帯端末7において着手情報を所定のタイミングごとに取得していたとしても、対局者が次の一手を打つまでの時間と同じ時間が経たなければ、携帯端末7において表示されないこととなる。つまりその時間だけ、対局者が考えていたことが分かる。
【0038】
次に本発明の対局ゲーム観戦システム1の処理プロセスを説明する。また図2に、実際の対局の状況と、観戦者の携帯端末7における表示状況とを模式的に説明した模式図を示す。なお以下の説明では、対局ゲームの一例として囲碁の場合を説明するが、他の対局ゲームにおいても同様に処理が行われる。
【0039】
まず各対局者は所定の操作を行うことにより、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2にアクセスし、対局を開始する。即ち、対局ゲーム観戦システム1のサーバ2を用いて囲碁の対局を開始する。そして対局者A及び対局者Bは互いにどのような一手を打つかを示す情報を、各々の対局者端末6から入力し、それをサーバ2に送信する。
【0040】
サーバ2の対局制御部3は、各対局者が打った手の情報を、各対局者端末6から受け取り、それを着手情報として、着手情報記憶部4に記憶させる。ここで着手情報には、対局開始からの時間を対応づけて記憶させる。この時間は、囲碁などの対局ゲームでは一般的に対局開始からの時間を計時しているので、その時間を用いればよい。なお時間情報としては、対局開始からの時間のほか、各手の間の時間などであっても良い。
【0041】
例えば、対局開始後、3手目(黒2手、白1手)までの対局が図5に示す状態であったとする。例えば対局開始から48秒後に、黒が(e,16)の一手を打つと、その情報が対局者A(黒の碁石を打つ対局者)の対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「黒(e,16)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「黒(e,16)」を記憶させる。そして対局者Aが打った時間である48秒を時間情報として、当該着手情報に対応づけて記憶させる。そして対局開始から1分28秒後に、白が(j,17)の一手を打つと、その情報が対局者B(白の碁石を打つ対局者)の対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「白(j,17)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「白(j,17)」を、「1分28秒」の時間情報に対応づけて記憶させる。更に、対局開始から1分53秒後に、黒(対局者A)が(p,4)の一手を打つと、その情報が対局者Aの対局者端末6から、サーバ2の対局制御部3に送信される。そして「黒(p,4)」の手の情報を受け取った対局制御部3は、着手情報記憶部4に、着手情報として「黒(p,4)」を、「1分53秒」の時間情報に対応づけて記憶させる。
【0042】
上述の対局開始後、3手目までの着手情報記憶部4を模式的に図6に示す。なお図6では図示していないが、対局毎の着手情報は、更に、対局を識別する情報と対応づけられている。つまり対局者Aと対局者Bとの対局であることを示す識別情報と対応づけられている。
【0043】
このように、対局者Aと対局者Bとの対局における着手情報は、観戦の有無とは関わらず、逐次、対局制御部3が対局者端末6から受け取り、それを着手情報記憶部4に記憶することとなる。例えば図11には、7手目までの着手情報が時間情報と共に逐次、記憶されている状態の着手情報記憶部4を模式的に示す。
【0044】
一方、対局者Aと対局者Bとの対局中に、観戦者が対局の観戦を希望した場合には、観戦者は携帯端末7において所定の操作をすることによって、観戦を希望する対局の一覧を表示し、その対局から、対局者Aと対局者Bとの対局の観戦を、観戦者が所定の操作により選択する。なお携帯端末7において、着手情報を自動的に取得する間隔(単位時間t)として、「2分」が選択されていたとする。単位時間は、任意に設定可能である。
【0045】
この選択によって、対局者Aと対局者Bとの対局の着手情報の取得要求を、携帯端末7の着手情報取得部8がサーバ2に送信する。この際に、対局者Aと対局者Bとの対局であることを示す識別情報が併せて送信されると良い。この取得要求が行われた時点が、対局開始から2分15秒の時点であったとする。
【0046】
この着手情報取得要求をサーバ2の観戦制御部5で受け取ると、観戦制御部5は当該識別情報に基づいて、当該対局における、対局開始(0秒)から着手情報取得要求を受け付けた時間(T1)までの着手情報を抽出し、時間情報と共に、観戦者の携帯端末7に送信する。つまり、対局開始から2分15秒までの着手情報を抽出して、携帯端末7に送信する。
【0047】
即ち、観戦要求を受け付けた時間(対局開始から2分15秒)において、図6のような着手情報の場合、1手目から3手目までの着手情報とその時間情報とを観戦制御部5が着手情報記憶部4から抽出し、観戦者の携帯端末7に送信する。
【0048】
これらの情報を観戦者の携帯端末7の着手情報取得部8で受け取ると、それを記憶部9に記憶させる。そして観戦者が携帯端末7において所定の操作を行うことによって、対局者Aと対局者Bの対局の観戦が開始される。なおこの状態において、携帯端末7の記憶部9には、対局開始からT1までの着手情報が記憶されているが、表示はまだ行われていない。この状態の携帯端末7の画面を図7に示す。
【0049】
そして上述の図7の状態になった時点で、あるいは観戦者が携帯端末7において観戦開始を指示する操作(ボタンの押下等)を行うことで、観戦処理部10において計時が開始される。そして記憶部9に記憶する着手情報に対応づけられた1手目の時間が到来すると、即ち、観戦開始から48秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から1手目の着手情報を抽出し、1手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図6の場合、黒を(e,16)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図8に示す。
【0050】
次に観戦開始から1分28秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から2手目の着手情報を抽出し、2手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図6の場合、白を(j,17)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図9に示す。
【0051】
更に観戦開始から1分53秒後になると、観戦処理部10は記憶部9から3手目の着手情報を抽出し、3手目を携帯端末7の表示装置で表示する。着手情報が図7の場合、黒を(p,4)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図10に示す。
【0052】
このように観戦開始からの各着手情報の時間が到来すると、観戦処理部10は、記憶部9に記憶する着手情報を抽出し、各手について携帯端末7で表示を行う。
【0053】
一方、携帯端末7の着手情報取得部8は、観戦開始から予め定められた単位時間(上述の例では2分。対局開始から4分15秒(観戦開始から2分))が到来すると(図2におけるT2になると)、サーバ2に対して、新たな着手情報の取得要求を送信する。即ち、前回の取得要求で取得した着手情報の時点から、単位時間の間における着手情報の取得要求、つまり、T1からT2までの着手情報の取得要求を送信する(図2)。観戦開始から2分後(T1:対局開始から2分15秒)から4分後(T2:対局開始から4分15秒)までの、当該対局の着手情報の取得要求を送信することとなる。
【0054】
観戦制御部5は、携帯端末7から着手情報取得要求を受け取ると、T1からT2までの、当該対局の着手情報を着手情報記憶部4から抽出し、携帯端末7に送信することとなる。つまり、観戦開始から2分15秒(T1)から4分15秒(T2)までの、2分間に行われた着手情報を抽出し、携帯端末7に送信する。
【0055】
従って、着手情報記憶部4に記憶する着手情報が、図11に示すような場合には、4手目から6手目の着手情報をその時間情報と共に、観戦制御部5が携帯端末7に送信する。
【0056】
携帯端末7の着手情報取得部8は、4手目から6手目までの着手情報を取得すると、それを記憶部9に記憶させる。そして観戦処理部10において、4手目の時間、つまり観戦開始から2分41秒が到来すると、4手目の着手情報を記憶部9から抽出して、白を(d,5)に表示する。この状態の携帯端末7の画面を図12に示す。
【0057】
また5手目の時間、つまり観戦開始から3分17秒が到来すると、5手目の着手情報を記憶部9から抽出して、黒を(f,7)に表示する。この状態の画面を図13に示す。そして6手目の時間、つまり観戦開始から3分39秒が到来すると、6手目の着手情報を記憶部9から抽出して、白を(n,11)に表示する。この状態の画面を図14に示す。
【0058】
このように携帯端末7の着手情報取得部8は、観戦開始から所定の単位時間が経過する毎に、サーバ2に対して着手情報の取得要求を行うこととなる。この際に取得する着手情報は、i回目の取得要求においては、実際の対局における時間軸の、数1と数2の間の着手情報を取得することとなる。つまり、
(数1)
対局開始から1回目の取得要求までの時間T1+単位時間×(i−2)
(数2)
対局開始から1回目の取得要求までの時間T1+単位時間×(i−1)
の時間における着手情報を取得することとなる。なお数1において、1回目の取得要求(観戦開始時の取得要求)の場合には「0」として取り扱うこととなる。
【0059】
なお実際の処理としては、取得要求を行う際に、数1と数2による時間における着手情報の取得要求を着手情報取得部8がサーバ2に送信し、観戦制御部5がそれに基づいて、着手情報取得部8から当該時間における着手情報を抽出して携帯端末7に送信すればよい。この際には、1回目の取得要求を行い、それに対する着手情報を観戦制御部5が携帯端末7に送信する際に、時間T1の情報を送信し、それを着手情報取得部8で記憶することによって、時間軸の算出処理を行うことが出来る。
【0060】
なお取得要求についてはこれに限定されず、様々な方法を採用することが出来る。例えば、数1により算出し、それと単位時間の情報とを着手情報取得部8がサーバ2に送信することにより、観戦制御部5が、数1の時間から、数1の時間に単位時間を加算した時間までの着手情報を抽出するように構成することも出来る。また、これ以外の方法によっても行える。
【0061】
また携帯端末7の観戦処理部10は、記憶部9に記憶した着手情報のうち、所定の時間が経過した着手情報から順に終局するまで表示を行う。なお終局の際には、終局であることを示す情報が着手情報として含まれており、それに基づいて終局であることを判定した上で表示すればよい。
【0062】
このように、携帯端末7において表示を行うことによって、観戦者も対局者が考えている時間が分かる状態で表示が行われ、あたかもリアルタイムで観戦しているかのような臨場感を得ることが出来る。
【0063】
なお上述の実施例では、対局開始から2分15秒の時点で観戦者が観戦を開始した場合を説明したが、観戦者は、対局中であれば如何なる時点であっても観戦を開始することができる。例えば着手情報記憶部4に記憶している着手情報が図15に示すような場合では、対局開始から12分24秒後に観戦を開始した場合を示している。
【0064】
この場合、観戦制御部5は、対局開始から12分24秒までの着手情報、即ち、1手目から21手目までの着手情報を時間情報と共に携帯端末7に送信する。携帯端末7の着手情報取得部8は、1手目から21手目までの着手情報を時間情報に対応づけて記憶部9に記憶させる。そして観戦開始と共に計時を開始し、その時間情報に従って、各手を順に表示させる。
【0065】
そして観戦開始から単位時間を経過すると、つまり観戦開始から2分後、着手情報取得部8は、前回取得した、対局開始から12分24秒から、14分24秒までの間の新たな着手情報をサーバ2から取得する取得要求を送信する。そして観戦制御部5は、12分24秒から14分24秒までの観戦情報を着手情報記憶部4から抽出して、携帯端末7に送信する。この状態の着手情報記憶部4が、図16であったとすると、22手目から25手目までの着手情報を時間情報と共に携帯端末7に送信する。携帯端末7の着手情報取得部8は、1手目から21手目までの着手情報を時間情報に対応づけて記憶部9に記憶させる。
【0066】
一方、携帯端末7の記憶部9には、この時点(2回目の取得要求の時点:観戦開始から2分)において1手目から25手目までの着手情報が記憶されているものの、携帯端末7の観戦での時間軸は、2分しか経過していないので、3手目までしか表示されていないこととなる。つまり観戦開始が遅くなれば遅くなるほど、携帯端末7の記憶部9に記憶される着手情報は多くなるが、観戦における時間が経過されないと、その着手情報に基づく手が表示されない。しかしこのような技術的構成を備えることによって、実際の対局と同じ時間だけ観戦時間を要するので、臨場感が高まり、また観戦者も対局者と同様に思考をすることもでき、一層、観戦を楽しむことが出来る。
【0067】
またリアルタイム性を追求するならば、観戦開始時に(T1−t)時間進めた状態で観戦を開始できるように選択可能としても良い。このとき、次の(2回目の)取得要求の時点では、T1までの手順が表示されるようになる。この方法を用いれば、実際の対局より単位時間tだけ遅れた状態で対局を再現することが出来る。これはプロの対局など、対局時間が特に長時間に亘るものに対して有効な方法となる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
上述のように、対局者が対局において打った手の情報(着手情報)を、定期的または不定期に更新することによって携帯端末7で取得するものの、その表示をすぐに行わずに、対局者が打った状態と同じ時間だけ経過した時点で初めて表示させることによって、観戦者にとっても、対局者がどれだけ次の一手を打つまでに考えたかが分かるシステムとなる。これによって、臨場感を出した観戦が可能な、対局ゲーム観戦システム1が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の処理の概念図を模式的に示す図である。
【図3】従来の対局ゲームの観戦における表示方法を示す一例である。
【図4】従来の対局ゲームの観戦における表示方法を示す他の一例である。
【図5】対局開始後、3手目までが打たれた状態を模式的に示す図である。
【図6】3手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図7】対局開始時における携帯端末の画面の表示例である。
【図8】1手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図9】2手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図10】3手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図11】7手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図12】4手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図13】5手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図14】6手目が打たれた状態の携帯端末の画面の表示例である。
【図15】21手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【図16】25手目までの着手情報記憶部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1:対局ゲーム観戦システム
2:サーバ
3:対局制御部
4:着手情報記憶部
5:観戦制御部
6:対局者端末
7:携帯端末
8:着手情報取得部
9:記憶部
10:観戦処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、
前記サーバは、
対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記携帯端末は、
前記サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システム。
【請求項2】
前記着手情報取得部は、
最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、
2回目以降の着手情報取得要求として、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の対局ゲーム観戦システム。
【請求項3】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、
前記サーバは、
各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、
前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記携帯端末は、
前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記サーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システム。
【請求項4】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムにおけるサーバであって、
前記サーバは、
各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、
前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記観戦制御部が前記着手情報と時間情報とを前記携帯端末に送信することにより、前記携帯端末において、前記着手情報について、各着手情報に対応する時間を観戦開始時から経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示させる、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システムにおけるサーバ。
【請求項5】
対局ゲーム観戦システムにおける、対局ゲームの観戦者が利用する携帯端末であって、
前記携帯端末は、
前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記対局ゲームの着手情報を時間情報と共に記憶するサーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、
を有することを特徴とする対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末。
【請求項1】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、
前記サーバは、
対局ゲームにおける着手情報をその時間情報と共に記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記携帯端末は、
前記サーバに対して着手情報の取得要求を送信して、それに対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記記憶部に記憶した着手情報について、所定の計時開始時点から、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システム。
【請求項2】
前記着手情報取得部は、
最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、
2回目以降の着手情報取得要求として、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の対局ゲーム観戦システム。
【請求項3】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムであって、前記対局ゲーム観戦システムはサーバと携帯端末とを有しており、
前記サーバは、
各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、
前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記携帯端末は、
前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記サーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、を有する、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システム。
【請求項4】
対局ゲームの観戦を観戦者の携帯端末において表示させる対局ゲーム観戦システムにおけるサーバであって、
前記サーバは、
各対局者による対局ゲームの開始と共に時間の計時を開始し、その対局ゲームにおける着手情報を前記対局者が利用する対局者端末から受け取り、その着手情報に対応する手が行われた時点の時間情報と共に、着手情報記憶部に記憶させる対局制御部と、
前記対局ゲームにおける着手情報と時間情報とを対応づけて記憶する着手情報記憶部と、
前記携帯端末から着手情報の取得要求を受け付け、その取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記着手情報記憶部から抽出して、それらを前記携帯端末に送信する観戦制御部と、を有しており、
前記観戦制御部が前記着手情報と時間情報とを前記携帯端末に送信することにより、前記携帯端末において、前記着手情報について、各着手情報に対応する時間を観戦開始時から経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示させる、
ことを特徴とする対局ゲーム観戦システムにおけるサーバ。
【請求項5】
対局ゲーム観戦システムにおける、対局ゲームの観戦者が利用する携帯端末であって、
前記携帯端末は、
前記対局の観戦開始が選択されることによって、前記対局ゲームの着手情報を時間情報と共に記憶するサーバに対して、最初の着手情報取得要求として、前記対局ゲームの対局開始時点から該着手情報取得要求の時点までの着手情報の取得要求を送信し、前記観戦開始後は所定の単位時間毎に、前記サーバに対して、前回取得した着手情報の時点から単位時間の間における着手情報の取得要求を送信し、それらの取得要求に対応する着手情報と時間情報とを前記サーバから受け取り、それらを記憶部に記憶させる着手情報取得部と、
前記対局ゲームの観戦開始時から時間の計時を開始し、前記記憶部に記憶した着手情報について、各着手情報に対応する時間を経過すると、その着手情報に対応する手を前記携帯端末で表示する観戦処理部と、
を有することを特徴とする対局ゲーム観戦システムにおける携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−237435(P2008−237435A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80597(P2007−80597)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(504173976)株式会社パンダネット (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(504173976)株式会社パンダネット (5)
【Fターム(参考)】
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