対話型入力装置と、該装置のための照明組み立て品
各々が異なる出射角度を有しており、放射を対象領域内に向ける少なくとも2つの近接放射源(82a、82b)を有する対話型入力装置(20)用の照明組み立て品(82)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型入力装置と、該対話型入力装置のための照明組み立て品とに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが能動ポインタ(光、音、または他の信号を放射するポインタなど)、受動ポインタ(指、円筒、他の物体など)、またはたとえばマウスやトラックボールなどの他の適切な入力装置を使用してアプリケーションプログラムに入力できるようにする対話型入力装置が公知である。この対話型入力装置には、参照によってその内容が援用される本出願の譲受人であるカナダ、アルバータ州、カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡された特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8と特許文献9に開示されているようなポインタ入力を登録するためにアナログ抵抗技術またはマシン・ビジョン技術を採用しているタッチパネルを有するタッチ装置、ポインタ入力を登録するために電磁技術、容量技術、音声技術、または他の技術を採用しているタッチパネルを有しているタッチ装置、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップPC、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、および他の同様の装置が含まれるがこれらには限定されない。
【0003】
前述の援用されるMorrison等の特許文献5は、コンピュータ生成画像が表示されているタッチ表面とのポインタの相互作用を検出するマシン・ビジョンを用いているタッチ装置を開示している。長方形のベゼルつまり枠がタッチ表面を囲み、デジタルカメラを枠の角の位置で支持する。これらのデジタルカメラは、概ねタッチ表面全体を含んでおり見渡している重なった複数の視野を有している。これらのデジタルカメラは、タッチ表面を見渡している画像を異なる位置から取得し、画像データを生成する。デジタルカメラによって取得された画像データは、取得された画像データ内にポインタが存在するかどうかを判断するためにオンボードデジタルシグナルプロセッサによって処理される。取り込まれた画像データ内にポインタが存在すると判断されると、デジタルシグナルプロセッサはポインタの特徴データをマスタコントローラに送り、それに対して、マスタコントローラは、ポインタの特徴データを処理し、三角測量を使用してタッチ表面に対する、(x,y)座標で表されているポインタの位置を求める。ポインタ座標データは、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータに送られる。コンピュータはポインタ座標データを使用して、タッチ表面上に表示されているコンピュータが生成した画像を更新する。そのため、タッチ表面上へのポインタの接触は、書き込みや描画として記録したり、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりすることができる。
【0004】
Morrison等の特許文献9は、タッチ表面へのポインタ接触に応答して生成されたポインタ位置データがタッチ表面へ接触するのに使用されたポインタの種類に従って処理できるように、タッチ表面への接触に使用された受動ポインタを区別するタッチ装置と方法とを開示している。タッチ装置は、受動ポインタに接触させられるタッチ表面と、概ねタッチ表面に沿った視野を有している少なくとも1つの撮像装置を含んでいる。少なくとも1つのプロセッサが少なくとも1つの撮像装置と通信し、タッチ表面への接触に使用されたポインタの種類とポインタが接触したタッチ表面上の位置とを求めるために少なくとも1つの撮像装置によって取得された画像を分析する。求められたポインタの種類とポインタが接触したタッチ表面上の位置とが、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するためにコンピュータによって使用される。
【0005】
タッチ表面への接触に使用されたポインタの種類を判定するために、一実施形態では、さまざまなポインタを区別するために成長曲線法が採用される。この方法では、取得された各画像内の画素の各行に沿った合計を計算し、それによって、取得された画像の行の次元に等しい数の点を有している1次元プロファイルを生成することによって水平強度プロファイル(HIP)が構成される。次に、HIPから累積和を構成することによって、成長曲線がHIPから生成される。
【0006】
受動タッチ装置は、能動タッチ装置に対していくつかの利点があり、また非常に良好に動作するが、タッチ装置と共に能動ポインタと受動ポインタの両方を使用することによって、プロセッサ数とプロセッサ負荷の少なくとも一方が少ない、より直感的な入力様式が実現される。
【0007】
複数の入力様式を有しているカメラベースのタッチ装置が検討されてきた。たとえば、Ogawaの特許文献10は、ポインタまたは指を使用した座標入力を可能にするカメラベースの座標入力装置を開示している。座標入力装置は、表示画面の左上と右上の角に位置している1対のカメラを有している。各カメラの視野は、対角線方向に対向している表示画面の角まで表示画面に平行に延びている。複数の赤外線発光ダイオードが、各カメラの撮像レンズの近くに配置され、表示画面の周囲の領域を照明する。外形枠が表示画面の3つの辺に設けられている。幅の狭い再帰反射テープが外形枠上の表示画面の近くに配置されている。黒い非反射反射テープが、再帰反射テープに沿って、そして再帰反射テープに接触して外形フレームに取り付けられている。再帰反射テープは赤外線発光ダイオードからの光を反射して、反射光を強い白色信号として検知できるようにする。ユーザの指が表示画面の近くに位置すると、指は再帰反射テープの画像上に陰として現れる。
【0008】
2つのカメラからの複数の画像信号は制御回路に入力され、制御回路は再帰反射テープの白色の画像と外形枠との間の境界を検出する。境界に近い白色の画像の複数の画素の水平線が選択される。複数の画素からなる水平線は、ユーザの指が表示画面に接触している位置に関する情報を含んでいる。制御回路はタッチ位置の座標を求め、それから座標値はコンピュータに送信される。
【0009】
再帰反射ペン先を有しているペンが表示画面に接触すると、それから反射された光は白色信号として登録するのに十分に強い。結果として得られた画像は、再帰反射テープの画像からは区別されない。しかし、結果として得られた画像は、黒いテープの画像からは容易に区別される。この場合は、外形枠の境界に近い黒い画像の複数の画素からなる線が選択される。複数の画素の線の信号はペンが表示画面に接触した位置に関する情報を含んでいる。制御回路は、ペンのタッチ位置の座標値を求め、座標値はコンピュータに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許明細書第5,448,263号
【特許文献2】米国特許明細書第6,141,000号
【特許文献3】米国特許明細書第6,337,681号
【特許文献4】米国特許明細書第6,747,636号
【特許文献5】米国特許明細書第6,803,906号
【特許文献6】米国特許明細書第7,232,986号
【特許文献7】米国特許明細書第7,236,162号
【特許文献8】米国特許明細書第7,274,356号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0179001号
【特許文献10】米国特許明細書第7,202,860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献10は2つの受動ポインタ間の差を求めることができるが、特許文献10の装置には再帰反射テープによって反射された照明を隠す指を検出する場合に欠点がある。特許文献10の装置の寸法形状では再帰反射テープが最適に動作することができず、その結果、再帰反射テープの白色画像は、その長さにわたって強度が変化することがある。複数の発光ダイオードを互いに分離して配置し、各発光ダイオードには外形枠の一部を照明する役割を持たせることが考えられた。この場合、さまざまな発光ダイオードの出力は、発光ダイオードが外形フレームの近くの部分を照明する役割があるのか、遠くの部分を照明する役割があるのかによって調整された。理解されるように、対話型入力装置用の改良された照明構成が必要である。
【0012】
したがって、本発明の目的は、新規の対話型入力装置と、その装置のための新規の照明組み立て品とを少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、一態様において、各々が異なる出射角度を有し、放射を対象領域に向ける少なくとも2つの近接している放射源を有する照明組み立て品が提供される。
【0014】
一実施態様において、少なくとも2つの放射源は、対象領域の画像を取り込む対話型入力装置の撮像組み立て品に隣接して配置されている。少なくとも2つの放射源の各々は、撮像組み立て品の中心線の近くに配置されている。少なくとも2つの放射源は、撮像組み立て品上に配置されているボード上に取り付けられている。ボードは撮像組み立て品が覗く開口を内部に有している。放射源は開口の反対の側でボードに取り付けられている。狭い出射角度を有している放射源は撮像組み立て品の視野内に配置されている。シールドが、狭い出射角度を有している放射源からの迷光が撮像組み立て品に当たるのを防いでいる。
【0015】
他の実施態様において、レンズが複数の放射源の少なくとも1つに付属している。レンズは、照明が対象領域に入る前に、付属している放射源によって放射された照明の形を定める。レンズは、光軸から外れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成要素と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折部品とを実現するように形作られている。
【0016】
他の態様によれば、準ランベルト方向性パターン照明を放射する少なくとも1つの放射源と、選択された軸線に沿って発散する複数の照明光線を減少させるように放射源によって放射された照明の形を設定する、放射源に付属しているレンズとを有する照明組み立て品が提供される。
【0017】
さらに他の態様によれば、反射ベゼルによって少なくとも部分的に囲まれている対象領域の画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、各々が異なる出射角度を有しており、放射を対象領域に向ける少なくとも2つの放射源とを有する対話型入力装置が提供される。
【0018】
以降では、添付の図面を参照して実施形態をより完全に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】対話型入力装置の斜視図である。
【図2】図1の対話型入力装置の模式的な前部立面図である。
【図3】図1の対話型入力装置の一部を構成している撮像組み立て品のブロック図である。
【図4】図3の撮像組み立て品の一部を構成している2つの発光ダイオードを有している電流制御部・IR光源のブロック図である。
【図5】IR光源の側部立面図である。
【図6】IR光源の透視図である。
【図7】IR光源によって放射された照明の出射角度を示す模式図である。
【図8】図1の対話型入力装置の一部を構成しているベゼル部分の一部の前部立面図である。
【図9】図1の対話型入力装置の一部を構成しているデジタルシグナルプロセッサのブロック図である。
【図10a】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図10b】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図10c】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図11a】図10aの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図11b】図10bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図11c】図10cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図12】図1の対話型入力装置と共に使用されるペンツールの側部立面図である。
【図13】IR光源の発光ダイオードと共に使用されるレンズの側部立面図である。
【図14】図13のレンズの前部立面図である。
【図15】図13の線15に沿った断面図である。
【図16】図13の線16に沿った断面図である。
【図17】図13のレンズの等角図である。
【図18】図13のレンズが嵌められている発光ダイオードが放射した光の経路を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図1と2を参照すると、ユーザが「インク」などの入力をアプリケーションプログラムに対して行うことができるようにする対話型入力装置が図示されており、全体が参照番号20によって識別されている。本実施形態では、対話型入力装置20は、たとえばプラズマテレビ、液晶ディスプレイ(LCD)装置、フラットパネル表示装置、陰極線管などの表示ユニット(不図示)に接続され、表示ユニットの表示表面24を囲んでいる組み立て品22を有している。組み立て品22は表示表面24の近くの対象領域に移動させられたポインタを検出するためにマシン・ビジョンを使用し、少なくとも1つのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)ユニット26と複数の通信線28を通して通信する。通信線28は、シリアルバス、パラレルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)接続、または他の適切な有線接続で実現することができる。一方、DSPユニット26は、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータ30とUSBケーブル32を通して通信する。あるいは、DSPユニット26は、パラレルバス、RS−232接続、イーサネット(登録商標)接続などの他の有線接続を通してコンピュータ30と通信したり、たとえばBluetooth、WiFi、ZigBee、ANT、IEEE802.15.4、Z−Waveなどの適切な無線プロトコルを使用して無線接続を通してコンピュータ30と通信したりしてもよい。コンピュータ30はDSPユニット26を通して受信した組み立て品22の出力を処理し、表示表面24に表示された画像がポインタ動作を反映するように表示ユニットに出力される画像データを調整する。このようにして、組み立て品22、DSPユニット26、およびコンピュータ30は、表示表面24の近くのポインタ動作を書き込みや描画として記録したり、コンピュータ30によって実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりできるようにする。
【0021】
組み立て品22は、表示ユニットに一体化されている、または取り付けられて、表示表面24を囲むフレーム組み立て品を有している。フレーム組み立て品は、3つのベゼル部分40〜44、4つのコーナー部品46、およびツールトレイ部分48を有している。ベゼル部分40、42は表示表面24の対向している側縁に沿って延びているのに対して、ベゼル部分44は表示表面24の上部縁に沿って延びている。ツールトレイ部分48は、表示表面24の下部縁に沿って延び、1つまたは2つ以上の作動しているペンツールPを支持する。表示表面24の左上の角と右上の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をベゼル部分44に結合している。表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をツールトレイ部分48に結合している。本実施形態では、表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、異なる位置から概ね表示表面24全体を見渡す2つの撮像組み立て品60を収容している。ベゼル部分40〜44は、それらの内側を向いた表面が2つの撮像組み立て品60から見えるように向きが設定されている。
【0022】
ここで、図3を参照すると、2つの撮像組み立て品60の一方がわかりやく示されている。図からわかるように、撮像組み立て品60は、BoowonによってBW25Bというモデル番号で製造されている種類の880nmレンズが取り付けられているMT9V022というモデル番号でMicronによって製造されている画像センサ70を有している。レンズはIR通過/可視光遮断フィルタをその上に有しており(不図示)、画像センサ70から表示表面24全体が見えるように視野が98度の画像センサ70を実現している。画像センサ70は、I2Cシリアルバスを通して複数の通信線28の1つを受け入れているコネクタ72に接続されている。画像センサ70は、画像センサ校正パラメータを記憶している電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)74だけではなく、クロック(CLK)受信部76、直列変換器78、および電流制御モジュール80にも接続されている。クロック受信部76と直列変換器78はコネクタ72にも接続されている。電流制御モジュール80は、対象領域を照明する複数のIR発光ダイオード(LED)または他の適切な1つまたは2つ以上の放射源と、付属している複数のレンズ組み立て品とを有している赤外線(IR)光源82だけではなく電源84とコネクタ72にも接続されている。
【0023】
クロック受信部76と直列変換器78は、低価格のケーブルを通したDSPユニット26との高速通信を可能にする低電圧差動信号方式(LDVS)を採用している。クロック受信部76は、タイミング情報をDSPユニット26から受信し、画像センサ70が画像フレームを取り込んで出力する速度を定めている複数のクロック信号を画像センサ70に送る。画像センサ70によって出力された各画像フレームは直列変換器78によってシリアル化されて、コネクタ72と複数の通信線28とを通してDSPユニット26に出力される。
【0024】
ここで、図4〜6を参照すると、電流制御モジュール80とIR光源82とがより分りやすく示されている。図からわかるように、電流制御モジュール80は、電源84とIR光源82とに接続されているリニア電源レギュレータ80aを有している。電源レギュレータ80aは、フィードバック電圧80bを、IR光源82に同じく接続されている電流制御部・オン/オフスイッチ80cから受け取る。
【0025】
本実施形態のIR光源82は1対の市販の赤外発光ダイオード(LED)82aと82bをそれぞれ有している。IR LED 82aと82bは、画像センサ70の上方に配置されている基板82cに取り付けられている。基板82cは、画像センサ70を周辺光と外部光源からの光とから遮るのを助け、また、対象領域とベゼル部分40〜44を遮られることなく見ることができるように画像センサ70が見通せる長方形の開口82dを内部に有している。各IRLEDは、画像センサの中心線の近くの画像センサ70の反対の側に配置されている。IR LED82aは広角ビームLEDで、約120°に等しい出射角度を有している。IR LED 82bは、狭角ビームLEDで、約26°に等しい出射角度を有している。狭角ビームIR LED 82bは、狭角ビームIR LED 82bを画像センサ70の前部に配置しているシールド82eに取り付けられている。シールド82eは狭角ビームIR LED 82bからの迷光が画像センサ70に直接当たるのを防いでいる。
【0026】
広ビームIR LED 82は、IR照明を対象領域のほぼ全体に放射する。狭角ビームIR LED 82bは、図7に示されているように、狭角ビームIR LED 82bによって放射されたIR照明が表示表面24の対向している対角線方向の角の位置において接触している2つのベゼル部分の複数の部分を向くように、狙いが定められている。このように、複数のベゼル部分が実質的に均等に照明されるように、IR光源82から最も遠いベゼル部分40〜44の部分が、追加の照明を受けている。
【0027】
図8は、ベゼル部分40〜44の1つのベゼル部分の内向きの表面100の一部を示している。図からわかるように、内向きの表面100は、概ね水平方向の複数の帯つまりバンドに分割されており、それらの各バンドは異なる光学的性質を有している。本実施形態では、ベゼル部分の内向きの表面100は2つバンド102と104とに分割されている。表示表面24に最も近いバンド102は再帰反射材料で構成されており、表示表面24から最も遠いバンド104は、赤外(IR)放射吸収材料で構成されている。再帰反射材料の性質を最大限に利用するために、ベゼル部分40〜44は、それらの内向きの表面が表示表面24に概ね垂直方向の平面内を延びるように向きが設定されている。
【0028】
ここで図9を参照すると、DSPユニット26が分りやく示されている。図からわかるように、DSPユニット26は、直並列変換器126を通してコネクタ122と124に接続されているビデオポートVPを有している、たとえばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPなどのコントローラ120を含んでいる。コントローラ120は、I2Cシリアルバススイッチ128を通して各コネクタ122、124にも接続されている。I2Cシリアルバススイッチ128はクロック130と132に接続されており、各々のクロックはコネクタ122、124のそれぞれ1つに接続されている。コントローラ120は、無線受信機138を介して外部アンテナ136と通信し、USBケーブル32を受け入れるUSBコネクタ140と通信し、また揮発性および不揮発性のメモリを有しているメモリ142と通信する。クロック130と132と直並列変換器126も低電圧差動信号方式(LDVS)を同様に採用している。
【0029】
対話型入力装置20は、たとえばユーザの指、円柱、または他の適切な物体などの受動ポインタだけではなく表示表面24の近くの2つの撮像組み立て品60の視野内に移動させた能動ペンツールPを検出することができる。説明を簡単にするために、受動ポインタを表示表面24の近くに移動させたときの、対話型入力装置20の動作を最初に説明する。
【0030】
動作時に、コントローラ120はクロック130と132が複数の通信線28を通して2つの撮像組み立て品60に送信されるクロック信号を出力するように条件を設定する。各撮像組み立て品60のクロック受信部76は対応する画像センサ70のフレームレートを設定するために複数のクロック信号を使用する。本実施形態では、コントローラ120は、各画像センサ70のフレームレートが所望の画像フレーム出力速度の2倍になるようにクロック信号を生成する。コントローラ120は、I2Cシリアルバスを通して各撮像組み立て品60の電流制御モジュール80にも信号を供給する。それに応答して、各電流制御モジュール80は、IR光源82がオンしオフするように、IR光源82を電源84に接続し、それからIR光源82を電源84から切断する。IR光源のオン/オフの切り換えのタイミングは、各画像センサ70によって取り込まれた以降の画像フレームの各対について、IR光源82がオンの時に1つの画像フレームが取り込まれ、IR光源82がオフの時に1つの画像フレームが取り込まれるように制御される。
【0031】
2つのIR光源82がオンの時には、2つのIR光源の4つのLEDは表示表面24にわたる対象領域に赤外照明を放射する。ベゼル部分40〜44のIR放射吸収バンド104に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て品60には戻らない。ベゼル部分40〜44の再帰反射バンド102に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て品60に戻る。前述のように、IR光源82のIR LEDの構成は、再帰反射バンド102がそれらの長さ全体にわたって概ね一様に照明されるように選択されている。その結果、ポインタが存在しない場合、各撮像組み立て品60の画像センサ70には、図10aに示されているように、IR放射吸収バンド104に該当している上側の暗い帯162と表示表面24に該当している下側の暗い帯164との間に位置している長さ方向にわたって実質的に一様な強度を有している明るい帯160が見える。ポインタが表示表面24の近くに移動し、2つのIR光源82から十分に離れていると、ポインタは再帰性反射バンド102から反射された赤外線照明を遮る。その結果、図10bに示されているように、ポインタは、取り込まれた画像フレーム内の明るい帯160を遮断している暗い領域166として現れる。
【0032】
前述したように、各撮像組み立て品60の画像センサ70によって出力される各画像フレームは、DSPユニット26に送信される。DSPユニット26が2つの撮像組み立て品60から画像フレームを受信すると、コントローラ120は画像フレーム内のポインタの存在を検出するために画像フレームを処理し、ポインタが存在する場合には、三角測量を使用してポインタの、表示表面24に対する位置を求める。ポインタの識別への不要な光の影響を低減するために、コントローラ120は、ポインタの存在を検出するために、画像フレーム内の光の強度ではなく画像フレーム内の光の不連続部分を計測する。一般に3つの不要な光、つまり、周辺光、表示ユニットからの光、および2つのIR光源82から放射され2つの撮像組み立て品60の近くの物体によって散乱した赤外照明が存在する。理解されるように、ポインタが撮像組み立て品60に近い場合、付属しているIR光源82によって放射された赤外線照明がポインタを直接照明し、その結果ポインタが画像フレーム内に取り込まれている再帰反射バンド102と同じほど、または再帰反射バンド102よりも明るくなることがある。その結果、ポインタは明るい帯160を中断している暗い領域として画像フレーム内に現れず、図10cに示されているように、明るい帯160と上側と下側の暗い帯162と164とを横切って延びている明るい領域168として現れることになる。
【0033】
コントローラ120は、対の撮像組み立て品60の各々の画像センサ70によって出力される連続している画像フレームを処理する。詳細には、1つの画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに保存する。次の画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに同様に保存する。利用可能な連続した画像フレームを使用して、コントローラ120は2つの画像フレームに減算処理を行い、差分画像フレームを構成する。2つの画像センサ70のフレームレートが十分に高い場合、連続している画像フレームの周辺光のレベルは通常、顕著に変化することはなく、その結果、周辺光はかなり相殺され、差分画像フレーム内には現れない。
【0034】
いったん差分画像フレームが生成されると、コントローラ120は差分画像フレームを処理し、ポインタが差分画像フレーム内に存在する確度を表わす複数の不連続性値を生成する。ポインタが表示表面24の近くに存在しない場合、複数の不連続性値は高い。ポインタが表示表面24の近くに存在している場合、複数の不連続性値のうちのいくつかが閾値未満になり、差分画像フレーム内のポインタの存在を容易に判断することができる。
【0035】
各差分画像フレームに対して不連続性値を生成するために、コントローラ120は差分画像内の明るい帯160の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対して垂直強度プロファイル(VIPretro)を計算し、差分画像内の上側の暗いバンド162の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対してVIPdarkを計算する。ベゼルの2つの線は以降で説明するように、対話型入力装置の起動時の校正中に実施されるベゼル探索手続きによって求められる。
【0036】
各画素列に対するVIPretroは、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の間の画素列内のN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Nの値は、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の画素行の数として求められ、再帰反射バンド102の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルの寄与はその画素がベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPretroの計算時に、画素列内のベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_retro_T(x)、Bi_retro_B(x)と端数成分Bf_retro_T(x)、Bf_retro_B(x)とに分解される。
【0037】
【数1】
【0038】
それから、画素列についてのVIPretroが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをして、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間で画素列に沿ったN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。
【0039】
【数2】
【0040】
ここで、N=(Bi_retro_B(x)−Bi_retro_T(x))、jは0からNの範囲にあり、Iは両ベゼルの線の間の位置xでの強度である。
【0041】
各画素列に対するVIPretroは、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間の画素列内のK個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Kの値は、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の画素行の数として求められ、IR放射吸収バンド104の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルへの寄与はその画素がベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPdarkの計算時に、画素列内のベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_dark_T(x)、Bi_dark_B(x)と端数成分Bf_dark_T(x)、Bf_dark_B(x)とに分解される。
【0042】
【数3】
【0043】
各画素列についてのVIPdarkが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをしてベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間で画素列に沿ったK個の画素の強度値Iを合計することによって同様に計算される。
【0044】
【数4】
【0045】
ここで、K=(Bi_dark_B(x)−Bi_dark_T(x))、jは0からNの範囲にある。
【0046】
2つのVIPは、対応する画素行の数(再帰反射領域についてはN、暗い領域についてはK)で除算することで実質的に正規化される。それから、各画素列についての不連続性値D(x)が、VIPretroとVIPdarkとの差を以下の式によって求めることによって計算される。
【0047】
【数5】
【0048】
図11aは、図10aの画像フレームの画素列について計算された正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、この画像フレームにはポインタが存在せず、したがって不連続性値D(x)は、画像フレームの全ての画素列に対して高いままである。図11bは、図10bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に減少している。図11cは、図10cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は同様に画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に減少している。
【0049】
各差分画像フレームの複数の画素列の不連続性値D(x)が一旦求められると、各画像フレームに対する結果のD(x)曲線は、D(x)曲線が、ポインタの存在を示す閾値未満に減少してかどうかが調べられ、減少している場合、ポインタの対向している側であるD(x)曲線の左と右のエッジが検出される。特に、各差分画像フレーム内で左と右のエッジの位置を求めるために、D(x)曲線の1次微分が勾配曲線∇D(x)を構成するために計算される。D(x)曲線がポインタの存在を示す閾値よりも減少している場合、結果の勾配曲線∇D(x)はD(x)曲線の傾斜によって構成されているエッジを表している負のピークと正のピークとが境界になっている領域を含むことになる。2つのピークとしたがって領域の2つの境界を検出するために、勾配曲線∇D(x)はエッジ検出器の対象となる。
【0050】
具体的には、閾値Tがまず勾配曲線∇D(x)に適用され、各位置xについて勾配曲線∇D(x)の絶対値が閾値よりも小さい場合に、以下のように、勾配曲線∇D(x)が零に設定される。
【0051】
|∇D(x)|<Tの場合、∇D(x)=0
閾値を適用する手続き後、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)はポインタの対向する側部を表わす負のスパイクと正のスパイクとを含んでおり、その他の部分は零である。それから、左と右のエッジは閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の2つの非零のスパイクからそれぞれ検出される。左のエッジを計算するために、重心距離CDleftが、以下の式に従って、ピクセル列Xleftから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクから計算される。
【0052】
【数6】
【0053】
ここで、xiは勾配曲線∇D(x)の左のスパイク内のi番目のピクセル列のピクセル列番号、iは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクの幅まで反復され、Xleftは、値が零(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。つぎに、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のエッジがXleft+CDleftと等しくなるように定められる。
【0054】
右のエッジを計算するために、重心距離CDrightが、以下の式に従って、ピクセル列Xrightから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクから計算される。
【0055】
【数7】
【0056】
ここで、xjは勾配曲線∇D(x)の右のスパイク内のj番目のピクセル列のピクセル列番号、jは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクの幅まで反復され、Xrightは、値が零(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。次に、閾値が適用された勾配曲線の右のエッジがXright+CDrightと等しくなるように定められる。
【0057】
閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左と右のエッジがいったん計算されると、識別された左と右のエッジの中間点が計算され、それによって差分画像フレーム内のポインタの位置が求められる。
【0058】
各差分画像フレーム内のポインタの位置が求められた後、コントローラ120は、Morrison等の米国特許明細書第6,803,906号に記載されているような公知の方法で三角測量を使用して表示表面24に対する、(x、y)座標でのポインタの位置を計算するために2つの差分画像フレーム内のポインタの2つの位置を使用する。計算されたポインタ座標は次にコントローラ120によってUSBケーブル32を通してコンピュータ30に送られる。コンピュータ30は受信したポインタ座標を処理し、必要な場合は表示表面24に表示されている画像がポインタの動作を反映するように、表示ユニットに出力される画像出力を更新する。このようにして、ポインタの表示表面24との相互動作を書き込みまたは描画として記録したり、コンピュータ30上で実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行の制御のために使用したりすることができる。
【0059】
対話型入力装置の起動時に実行されるベゼルを探す手続き中に、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)、Bdark_T(x)、およびBdark_B(x)を求めるために、各画像センサに対して校正手続きが実行される。各校正手続き中に、校正画像の対が対応する画像センサ70によって取り込まれる。対のうちの一方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオンの時に取り込まれ、対のうち他方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオフの時に取り込まれる。それから、2つの校正画像に対して校正差分画像を構成するように減算処理が行われ、周辺照明による偽像が取り除かれる。それから校正差分画像の対象の画素行(再帰反射バンド102を表わす明るい帯160を構成している画素行)が求められる。
【0060】
この処理時に、校正差分画像の水平方向の強度プロファイルを生成するために、校正差分画像の各画素行の画素値の合計が計算される。それから、勾配フィルタが水平強度プロファイルに適用される。勾配フィルタは、水平強度プロファイルの2次微分の絶対値を入力とし、16点ガウスフィルタを用いて結果を平滑化する。それから、最大面積を有している領域を検出するために、ピーク値の50%よりも大きい値を有しているデータの各領域が調べられる。それから、領域の中間点が中心ピクセル行と指定される。水平強度プロファイルの最初と最後の80個の画素行は、照明偽像と外部赤外光源の影響を減少させるために、この処理では使用されない。
【0061】
それから校正差分画像の各画素列が明るい帯160に該当する内部の画素を求めるために処理される。最初に、2つの画像センサ70の位置は未知であり、そのため任意の処理方向が選択される。本実施形態においては、校正差分画像の画素列が左から右へ処理される。各画素列の処理中に、画素列に対する画素データの小さいスライスが中心画素行の位置に基づいて取られる。本実施形態では、スライスは中心画素行を中心として100個の画素行を有している。各画像スライスは、強度と幅において再帰反射バンド102を近似するために使用されるガウスモデルとの相互相関が求められる。相互相関の結果によって、ベゼルの再帰反射バンド102を表わす校正差分画像の明るい帯160が特定される。この相関は、明るい帯160をさらに明確にし、雑音を低減するために、IR光源82がオンで取り込まれた校正画像と乗算される。
【0062】
その後、各画素列について、ピーク探索アルゴリズムが複数のピークの位置を求めるために結果として得られた画素列データに適用される。ピークが1つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と表示表面24内でのその反射との、画素列上での区別が不可能であるとみなされる。ピークが2つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と画素表面24内でのその反射とを画素列内で見ることができ、区別できるとみなされる。ピークが2つ見つかった各画素列について、再帰反射バンドを表わす明るい帯160の幅と表示表面24内の再帰反射バンド102の反射を表わす帯とが、検出された複数のピークを囲む立ち下がりと立ち上がりのエッジを見つけることによって求められる。画素列内の明るい帯160幅がわかると、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)を推定することができる。明るい帯160の幅から、上側の暗い帯162が明るい帯160のすぐ上方で、明るい帯の幅と概ね等しい幅を有するものとして求められる。ベゼルの線Bdark_B(x)はベゼルの線Bretro_T(x)と一致するので、ベゼルの線Bdark_T(x)も推定することができる。
【0063】
次に、最初の150個と最後の150個の画素列について画素列データの強度を調べることによって、ベゼルの最初と最後の画素列が求められる。閾値よりも小さい値を有する最初の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの始点であると判断され、閾値よりも小さい値を有する最後の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの終点であると判断される。
【0064】
ベゼルの始点と終点が見つかった後、明るい帯160の複数の画素が画素列ごとに互いに近接していることを確認する連続性チェックが実行される。このチェック時に、隣接している画素列内の明るい帯160の複数の画素が、画素間の距離がスパイクを示す閾値の距離を超えているかどうか判定するために比較される。検出された各スパイクについて、スパイク領域の対向している側の明るい帯160の複数の画素が補間され、補間された値がスパイクの複数の画素を置き換えるのに使用される。この処理は、画像センサの露出過多やベゼルの隠れが原因の、明るい帯160の中の隙間を埋めるだけではなく、誤って特定されたベゼルの点を平滑にする。
【0065】
次に、結果として得られた画像の右側と左側の明るい帯160の幅が調べられる。明るい帯の幅が最も狭い、結果として得られた画像の側は、画像センサ70から最も離れているベゼルの部分を表していると考えられる。次に、各画素列の中の明るい帯の複数の画素を求める手続きと前述の連続性チェックが再度実行される。この第2のパスでは、画像データが処理される方向は、画像センサ70のベゼルに対する位置に基づいている。画像センサ70に最も近いベゼルの一部を表している画像データが最初に処理される。その結果、第2のパスでは、前述のように、結果の画像の画素列は、表示表面24の左下の角の位置の画像センサ70については左から右へ、表示表面24の右下の角の位置の画像センサ70については右から左へと処理される。この第2のパスでは、ピーク検索アルゴリズムは、予測されたベゼル線Bretro_T(x)とBdark_B(x)とに対応しているピクセル列データを中心に実行される。
【0066】
IR LED 82aと82bの前述の出射角度は例であって、当業者は出射角度を変更してもよいことを理解するであろう。さらに、1つまたは2つ以上のIR光源82が3つ以上のIR LEDを備えてもよい。IR LEDの数と構成を、表示表面24とそのためベゼルの大きさと寸法形状に応じて、特定の環境に合うように変えてもよい。
【0067】
たとえば、望むならば、IR光源82は、異なる出射角度のIR LEDを有する代わりに、各々が同じ出射角度を有しておりベゼルの対応している部分を照明する働きをする一連の、離れて位置している複数の表面実装IR LEDを撮像組み立て品60の近くに有していてもよい。これらのLEDの出力を、ベゼルの遠くの部分に対応しているIR LEDについては、ベゼルの近くの部分に対応しているIR LEDの出力に比べて増大させて、ベゼルを概ね均等に照明することができる。公知のように、市販の表面実装IR LEDは、半球内の全ての方向に光を放射する準ランベルト方向性パターンを有している。その結果、そのようなIR LEDによって放射される照明は、ベゼル全体を通過することになる。無駄な照明の量を減少させるために、表面実装IR LEDが用いられる場合、1つまたは2つ以上のIR LEDに図13から18に示しているような調整されたレンズ300を嵌めることができる。調整済みのレンズ300は、照明のz成分が減少して、より多くの照明がベゼルに当たるようにIR LEDの出力の形を定めるように構成されている(つまり扇状パターンの光放射)。これは、光軸に近い照明光線の屈折と光軸から外れている照明光線の全反射(TIR)とを利用することによって実現される。
【0068】
本実施形態の調整済みレンズ300は、たとえばPC、PMMA、Zeonorなどの成形されている、光学的に実質的に透明なプラスチックで作られている。レンズ300のボディ302は、IR LED306を受け入れる概ね半球形の凹部304を有している。IR LED306は、レンズ300の光軸の線上に中心が一致するように配置されている。レンズボディ302は、TIR構成部品と屈折構成部品とを実現するように構成されており、5つの光学的に能動的な表面を有している。レンズボディ302の屈折構成部品は同じ光軸を有している概ね放物線状の表面310と312とを有している。放物線状表面310は、凹部304を横断している。放物線状表面312は、レンズボディ302の遠方端部上に設けられている。IR LED306によって放射された光軸に近い照明光線は、レンズボディ302の放物線状表面310を通過し、レンズ300から出射して光軸に近い照明光線が光軸OAに概ね平行にz方向に進行するように放物線状表面312によって屈折させられる。
【0069】
レンズボディ302のTIR構成部品は、3つの表面320、322、および324を有している。IR LED 306から放射された光軸から外れた照明光線は、レンズボディ302の表面320を通過し、照明光線がレンズ300の遠方端部324から出射して、光軸OAに概ね平行にz方向に進行するようにレンズボディの表面322による全反射によって方向が変更される。表面322は、概ね回転放物線状である。表面324ばかりでなく表面310と312も概ね回転対称ではなく、偶数の次数の2次元多項式によって構成が表されている。
【0070】
図からわかるように、レンズ300から出射した照明は、垂直のz方向に平行にされており、光軸OAに沿って水平方向に発散している。レンズ構成は、所望のビーム形状となるように、両方の方向に、完全に平行にするか平行化の程度つまり発散の程度を制御するかを自由に設定することができる。その結果、レンズ300はベゼルの上を通過して表示表面24に向かう放射された照明の量を減少させて、ベゼルに照射される照明を増加させるように、照明を集中させる。
【0071】
当業者は、レンズ300の構成が、表示表面24と、したがってベゼルの大きさに依存して変わることを理解するであろう。望むならば、ベゼルの上を通過したり表示表面24に向けられたりしている複数のIR LEDから出射された光の量を減少させるために、レンズ300を、異なる出射角度を有する複数のIR LEDと共に使用してもよい。赤外線照明源を説明したが、当業者は他の照明源を使用してもよいことを理解するであろう。たとえば、照明源は白熱電球または他の適切な光源であってもよい。使用される照明源とは関係なく、出射した照明は、鏡状の表面や集光装置を使用してレンズに間接的に向けられてもよい。
【0072】
表示表面と相互作用するポインタを使用するのではなく、図12に示されている、ボディ200、ボディ200の一方の端部にあるペン先組み立て品202、およびボディ200の他方の端部にあるペン先組み立て品204を有するペンツールPを対話型入力装置20と共に使用することができる。ペンツールPが表示表面24の近く移動させられると、表示表面に対する、(x、y)座標でのその位置が受動ポインタを参照して前述したのと同じように計算される。しかし、ペンツールPが表示表面24に接触させられる方法に応じて、ペンツールPは表示表面24に対するペンツールの動作を解釈するために使用されるモード情報を出力してもよい。上記の種類の典型的なペンツールが、2008年5月9日に出願され、アルバータ州カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡されており、内容が参照によって本明細書に援用される「対話型入力装置とそのためのベゼル(Interactive Input System and Bezel Therefor)」という名称の、Hansen他の米国特許出願第12/118,545号に記載されている。
【0073】
前述の実施形態では、DSPユニット26は、ペンツールPが出力した変調された信号を受信するためにアンテナ136と無線受信機138とを有するものとして示されている。その代わりに、各撮像組み立て品60はペンツールPが出力する変調された信号を受信するためにアンテナと無線受信機を有していてもよい。この場合、2つの撮像組み立て品によって受信された変調された信号はDSPユニット26に画像フレームと共に送信される。ペンツールPは、ペンツールPによって出力された信号が有線接続を通して1つまたは2つ以上の撮像組み立て品60、DSPユニット26、または1つまたは2つ以上の撮像組み立て品に送信されるように、組み立て品22またはDSPユニット26につながれていてもよい。
【0074】
前述の実施形態においては、各ベゼル部分40〜44は、異なる反射特性、つまり再帰反射特性とIR放射吸収特性とを有する一対のバンドを有するものとして示されている。当業者は、バンドの順番を逆にしてもよいことを理解するであろう。また、異なる反射特性を有しているバンドを採用してもよい。たとえば、再帰性反射バンドを使用するのではなく、高反射材料から構成されているバンドを使用してもよい。あるいは、異なるまたは交番している反射特性を有している3つ以上のバンドを有しているベゼル部分を使用してもよい。たとえば、各ベゼル部分は2つまたは3つ以上の再帰性反射バンドと2つまたは3つ以上の放射吸収バンドとを交互に配置して有していてもよい。その代わりに、1つまたは2つ以上の再帰性反射バンドを高反射性バンドに置き換えてもよい。
【0075】
望むならば、表示表面自体によって反射され、それから2つの撮像組み立て品60の2つの画像センサ70に向けられる光の量を制御するために各ベゼル部分の傾きを調整することができる。
【0076】
フレーム組み立て品は、表示ユニットに取り付けられていると説明したが、当業者はフレーム組み立て品は他の構成を取ってもよいことを理解するであろう。たとえば、フレーム組み立て品はベゼル38と一体化されていてもよい。望むならば、組み立て品22は表示表面24を覆うそれ自体のパネルを有していてもよい。この場合、表示表面24上に表示された画像がパネルを通してはっきりと見えるように、パネルがかなり透明な材料で構成されていることが好ましい。組み立て品は、もちろん前面または背面投影装置と共に使用し、コンピュータ生成画像が投影される基板を囲むことができる。
【0077】
撮像組み立て品を表示表面の下部の角に隣接しているコーナー部品に収容されていると説明したが、当業者は撮像組み立て品が表示表面に対して異なる位置に配置されていてもよいことを理解するであろう。また、ツールトレイ部分は必要ではなく、ベゼル部分に置き換えてもよい。
【0078】
対話型入力装置20の動作を、表示表面24の近くに配置された1つのポインタまたはペンツールPを参照して説明したが、対話型入力装置20は、タッチ表面の近くの複数のポインタ/ペンツールの存在を、各ポインタが複数の画像センサによって取り込まれた画像フレーム内に現れるときに検出できてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0079】
好適な実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、さまざまな変形や修正が可能なことを当業者は理解することであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型入力装置と、該対話型入力装置のための照明組み立て品とに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが能動ポインタ(光、音、または他の信号を放射するポインタなど)、受動ポインタ(指、円筒、他の物体など)、またはたとえばマウスやトラックボールなどの他の適切な入力装置を使用してアプリケーションプログラムに入力できるようにする対話型入力装置が公知である。この対話型入力装置には、参照によってその内容が援用される本出願の譲受人であるカナダ、アルバータ州、カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡された特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8と特許文献9に開示されているようなポインタ入力を登録するためにアナログ抵抗技術またはマシン・ビジョン技術を採用しているタッチパネルを有するタッチ装置、ポインタ入力を登録するために電磁技術、容量技術、音声技術、または他の技術を採用しているタッチパネルを有しているタッチ装置、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップPC、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、および他の同様の装置が含まれるがこれらには限定されない。
【0003】
前述の援用されるMorrison等の特許文献5は、コンピュータ生成画像が表示されているタッチ表面とのポインタの相互作用を検出するマシン・ビジョンを用いているタッチ装置を開示している。長方形のベゼルつまり枠がタッチ表面を囲み、デジタルカメラを枠の角の位置で支持する。これらのデジタルカメラは、概ねタッチ表面全体を含んでおり見渡している重なった複数の視野を有している。これらのデジタルカメラは、タッチ表面を見渡している画像を異なる位置から取得し、画像データを生成する。デジタルカメラによって取得された画像データは、取得された画像データ内にポインタが存在するかどうかを判断するためにオンボードデジタルシグナルプロセッサによって処理される。取り込まれた画像データ内にポインタが存在すると判断されると、デジタルシグナルプロセッサはポインタの特徴データをマスタコントローラに送り、それに対して、マスタコントローラは、ポインタの特徴データを処理し、三角測量を使用してタッチ表面に対する、(x,y)座標で表されているポインタの位置を求める。ポインタ座標データは、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータに送られる。コンピュータはポインタ座標データを使用して、タッチ表面上に表示されているコンピュータが生成した画像を更新する。そのため、タッチ表面上へのポインタの接触は、書き込みや描画として記録したり、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりすることができる。
【0004】
Morrison等の特許文献9は、タッチ表面へのポインタ接触に応答して生成されたポインタ位置データがタッチ表面へ接触するのに使用されたポインタの種類に従って処理できるように、タッチ表面への接触に使用された受動ポインタを区別するタッチ装置と方法とを開示している。タッチ装置は、受動ポインタに接触させられるタッチ表面と、概ねタッチ表面に沿った視野を有している少なくとも1つの撮像装置を含んでいる。少なくとも1つのプロセッサが少なくとも1つの撮像装置と通信し、タッチ表面への接触に使用されたポインタの種類とポインタが接触したタッチ表面上の位置とを求めるために少なくとも1つの撮像装置によって取得された画像を分析する。求められたポインタの種類とポインタが接触したタッチ表面上の位置とが、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するためにコンピュータによって使用される。
【0005】
タッチ表面への接触に使用されたポインタの種類を判定するために、一実施形態では、さまざまなポインタを区別するために成長曲線法が採用される。この方法では、取得された各画像内の画素の各行に沿った合計を計算し、それによって、取得された画像の行の次元に等しい数の点を有している1次元プロファイルを生成することによって水平強度プロファイル(HIP)が構成される。次に、HIPから累積和を構成することによって、成長曲線がHIPから生成される。
【0006】
受動タッチ装置は、能動タッチ装置に対していくつかの利点があり、また非常に良好に動作するが、タッチ装置と共に能動ポインタと受動ポインタの両方を使用することによって、プロセッサ数とプロセッサ負荷の少なくとも一方が少ない、より直感的な入力様式が実現される。
【0007】
複数の入力様式を有しているカメラベースのタッチ装置が検討されてきた。たとえば、Ogawaの特許文献10は、ポインタまたは指を使用した座標入力を可能にするカメラベースの座標入力装置を開示している。座標入力装置は、表示画面の左上と右上の角に位置している1対のカメラを有している。各カメラの視野は、対角線方向に対向している表示画面の角まで表示画面に平行に延びている。複数の赤外線発光ダイオードが、各カメラの撮像レンズの近くに配置され、表示画面の周囲の領域を照明する。外形枠が表示画面の3つの辺に設けられている。幅の狭い再帰反射テープが外形枠上の表示画面の近くに配置されている。黒い非反射反射テープが、再帰反射テープに沿って、そして再帰反射テープに接触して外形フレームに取り付けられている。再帰反射テープは赤外線発光ダイオードからの光を反射して、反射光を強い白色信号として検知できるようにする。ユーザの指が表示画面の近くに位置すると、指は再帰反射テープの画像上に陰として現れる。
【0008】
2つのカメラからの複数の画像信号は制御回路に入力され、制御回路は再帰反射テープの白色の画像と外形枠との間の境界を検出する。境界に近い白色の画像の複数の画素の水平線が選択される。複数の画素からなる水平線は、ユーザの指が表示画面に接触している位置に関する情報を含んでいる。制御回路はタッチ位置の座標を求め、それから座標値はコンピュータに送信される。
【0009】
再帰反射ペン先を有しているペンが表示画面に接触すると、それから反射された光は白色信号として登録するのに十分に強い。結果として得られた画像は、再帰反射テープの画像からは区別されない。しかし、結果として得られた画像は、黒いテープの画像からは容易に区別される。この場合は、外形枠の境界に近い黒い画像の複数の画素からなる線が選択される。複数の画素の線の信号はペンが表示画面に接触した位置に関する情報を含んでいる。制御回路は、ペンのタッチ位置の座標値を求め、座標値はコンピュータに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許明細書第5,448,263号
【特許文献2】米国特許明細書第6,141,000号
【特許文献3】米国特許明細書第6,337,681号
【特許文献4】米国特許明細書第6,747,636号
【特許文献5】米国特許明細書第6,803,906号
【特許文献6】米国特許明細書第7,232,986号
【特許文献7】米国特許明細書第7,236,162号
【特許文献8】米国特許明細書第7,274,356号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0179001号
【特許文献10】米国特許明細書第7,202,860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献10は2つの受動ポインタ間の差を求めることができるが、特許文献10の装置には再帰反射テープによって反射された照明を隠す指を検出する場合に欠点がある。特許文献10の装置の寸法形状では再帰反射テープが最適に動作することができず、その結果、再帰反射テープの白色画像は、その長さにわたって強度が変化することがある。複数の発光ダイオードを互いに分離して配置し、各発光ダイオードには外形枠の一部を照明する役割を持たせることが考えられた。この場合、さまざまな発光ダイオードの出力は、発光ダイオードが外形フレームの近くの部分を照明する役割があるのか、遠くの部分を照明する役割があるのかによって調整された。理解されるように、対話型入力装置用の改良された照明構成が必要である。
【0012】
したがって、本発明の目的は、新規の対話型入力装置と、その装置のための新規の照明組み立て品とを少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、一態様において、各々が異なる出射角度を有し、放射を対象領域に向ける少なくとも2つの近接している放射源を有する照明組み立て品が提供される。
【0014】
一実施態様において、少なくとも2つの放射源は、対象領域の画像を取り込む対話型入力装置の撮像組み立て品に隣接して配置されている。少なくとも2つの放射源の各々は、撮像組み立て品の中心線の近くに配置されている。少なくとも2つの放射源は、撮像組み立て品上に配置されているボード上に取り付けられている。ボードは撮像組み立て品が覗く開口を内部に有している。放射源は開口の反対の側でボードに取り付けられている。狭い出射角度を有している放射源は撮像組み立て品の視野内に配置されている。シールドが、狭い出射角度を有している放射源からの迷光が撮像組み立て品に当たるのを防いでいる。
【0015】
他の実施態様において、レンズが複数の放射源の少なくとも1つに付属している。レンズは、照明が対象領域に入る前に、付属している放射源によって放射された照明の形を定める。レンズは、光軸から外れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成要素と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折部品とを実現するように形作られている。
【0016】
他の態様によれば、準ランベルト方向性パターン照明を放射する少なくとも1つの放射源と、選択された軸線に沿って発散する複数の照明光線を減少させるように放射源によって放射された照明の形を設定する、放射源に付属しているレンズとを有する照明組み立て品が提供される。
【0017】
さらに他の態様によれば、反射ベゼルによって少なくとも部分的に囲まれている対象領域の画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、各々が異なる出射角度を有しており、放射を対象領域に向ける少なくとも2つの放射源とを有する対話型入力装置が提供される。
【0018】
以降では、添付の図面を参照して実施形態をより完全に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】対話型入力装置の斜視図である。
【図2】図1の対話型入力装置の模式的な前部立面図である。
【図3】図1の対話型入力装置の一部を構成している撮像組み立て品のブロック図である。
【図4】図3の撮像組み立て品の一部を構成している2つの発光ダイオードを有している電流制御部・IR光源のブロック図である。
【図5】IR光源の側部立面図である。
【図6】IR光源の透視図である。
【図7】IR光源によって放射された照明の出射角度を示す模式図である。
【図8】図1の対話型入力装置の一部を構成しているベゼル部分の一部の前部立面図である。
【図9】図1の対話型入力装置の一部を構成しているデジタルシグナルプロセッサのブロック図である。
【図10a】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図10b】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図10c】図3の撮像組み立て品によって取り込まれた画像フレームの図である。
【図11a】図10aの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図11b】図10bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図11c】図10cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のプロットである。
【図12】図1の対話型入力装置と共に使用されるペンツールの側部立面図である。
【図13】IR光源の発光ダイオードと共に使用されるレンズの側部立面図である。
【図14】図13のレンズの前部立面図である。
【図15】図13の線15に沿った断面図である。
【図16】図13の線16に沿った断面図である。
【図17】図13のレンズの等角図である。
【図18】図13のレンズが嵌められている発光ダイオードが放射した光の経路を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図1と2を参照すると、ユーザが「インク」などの入力をアプリケーションプログラムに対して行うことができるようにする対話型入力装置が図示されており、全体が参照番号20によって識別されている。本実施形態では、対話型入力装置20は、たとえばプラズマテレビ、液晶ディスプレイ(LCD)装置、フラットパネル表示装置、陰極線管などの表示ユニット(不図示)に接続され、表示ユニットの表示表面24を囲んでいる組み立て品22を有している。組み立て品22は表示表面24の近くの対象領域に移動させられたポインタを検出するためにマシン・ビジョンを使用し、少なくとも1つのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)ユニット26と複数の通信線28を通して通信する。通信線28は、シリアルバス、パラレルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)接続、または他の適切な有線接続で実現することができる。一方、DSPユニット26は、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータ30とUSBケーブル32を通して通信する。あるいは、DSPユニット26は、パラレルバス、RS−232接続、イーサネット(登録商標)接続などの他の有線接続を通してコンピュータ30と通信したり、たとえばBluetooth、WiFi、ZigBee、ANT、IEEE802.15.4、Z−Waveなどの適切な無線プロトコルを使用して無線接続を通してコンピュータ30と通信したりしてもよい。コンピュータ30はDSPユニット26を通して受信した組み立て品22の出力を処理し、表示表面24に表示された画像がポインタ動作を反映するように表示ユニットに出力される画像データを調整する。このようにして、組み立て品22、DSPユニット26、およびコンピュータ30は、表示表面24の近くのポインタ動作を書き込みや描画として記録したり、コンピュータ30によって実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりできるようにする。
【0021】
組み立て品22は、表示ユニットに一体化されている、または取り付けられて、表示表面24を囲むフレーム組み立て品を有している。フレーム組み立て品は、3つのベゼル部分40〜44、4つのコーナー部品46、およびツールトレイ部分48を有している。ベゼル部分40、42は表示表面24の対向している側縁に沿って延びているのに対して、ベゼル部分44は表示表面24の上部縁に沿って延びている。ツールトレイ部分48は、表示表面24の下部縁に沿って延び、1つまたは2つ以上の作動しているペンツールPを支持する。表示表面24の左上の角と右上の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をベゼル部分44に結合している。表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をツールトレイ部分48に結合している。本実施形態では、表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、異なる位置から概ね表示表面24全体を見渡す2つの撮像組み立て品60を収容している。ベゼル部分40〜44は、それらの内側を向いた表面が2つの撮像組み立て品60から見えるように向きが設定されている。
【0022】
ここで、図3を参照すると、2つの撮像組み立て品60の一方がわかりやく示されている。図からわかるように、撮像組み立て品60は、BoowonによってBW25Bというモデル番号で製造されている種類の880nmレンズが取り付けられているMT9V022というモデル番号でMicronによって製造されている画像センサ70を有している。レンズはIR通過/可視光遮断フィルタをその上に有しており(不図示)、画像センサ70から表示表面24全体が見えるように視野が98度の画像センサ70を実現している。画像センサ70は、I2Cシリアルバスを通して複数の通信線28の1つを受け入れているコネクタ72に接続されている。画像センサ70は、画像センサ校正パラメータを記憶している電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)74だけではなく、クロック(CLK)受信部76、直列変換器78、および電流制御モジュール80にも接続されている。クロック受信部76と直列変換器78はコネクタ72にも接続されている。電流制御モジュール80は、対象領域を照明する複数のIR発光ダイオード(LED)または他の適切な1つまたは2つ以上の放射源と、付属している複数のレンズ組み立て品とを有している赤外線(IR)光源82だけではなく電源84とコネクタ72にも接続されている。
【0023】
クロック受信部76と直列変換器78は、低価格のケーブルを通したDSPユニット26との高速通信を可能にする低電圧差動信号方式(LDVS)を採用している。クロック受信部76は、タイミング情報をDSPユニット26から受信し、画像センサ70が画像フレームを取り込んで出力する速度を定めている複数のクロック信号を画像センサ70に送る。画像センサ70によって出力された各画像フレームは直列変換器78によってシリアル化されて、コネクタ72と複数の通信線28とを通してDSPユニット26に出力される。
【0024】
ここで、図4〜6を参照すると、電流制御モジュール80とIR光源82とがより分りやすく示されている。図からわかるように、電流制御モジュール80は、電源84とIR光源82とに接続されているリニア電源レギュレータ80aを有している。電源レギュレータ80aは、フィードバック電圧80bを、IR光源82に同じく接続されている電流制御部・オン/オフスイッチ80cから受け取る。
【0025】
本実施形態のIR光源82は1対の市販の赤外発光ダイオード(LED)82aと82bをそれぞれ有している。IR LED 82aと82bは、画像センサ70の上方に配置されている基板82cに取り付けられている。基板82cは、画像センサ70を周辺光と外部光源からの光とから遮るのを助け、また、対象領域とベゼル部分40〜44を遮られることなく見ることができるように画像センサ70が見通せる長方形の開口82dを内部に有している。各IRLEDは、画像センサの中心線の近くの画像センサ70の反対の側に配置されている。IR LED82aは広角ビームLEDで、約120°に等しい出射角度を有している。IR LED 82bは、狭角ビームLEDで、約26°に等しい出射角度を有している。狭角ビームIR LED 82bは、狭角ビームIR LED 82bを画像センサ70の前部に配置しているシールド82eに取り付けられている。シールド82eは狭角ビームIR LED 82bからの迷光が画像センサ70に直接当たるのを防いでいる。
【0026】
広ビームIR LED 82は、IR照明を対象領域のほぼ全体に放射する。狭角ビームIR LED 82bは、図7に示されているように、狭角ビームIR LED 82bによって放射されたIR照明が表示表面24の対向している対角線方向の角の位置において接触している2つのベゼル部分の複数の部分を向くように、狙いが定められている。このように、複数のベゼル部分が実質的に均等に照明されるように、IR光源82から最も遠いベゼル部分40〜44の部分が、追加の照明を受けている。
【0027】
図8は、ベゼル部分40〜44の1つのベゼル部分の内向きの表面100の一部を示している。図からわかるように、内向きの表面100は、概ね水平方向の複数の帯つまりバンドに分割されており、それらの各バンドは異なる光学的性質を有している。本実施形態では、ベゼル部分の内向きの表面100は2つバンド102と104とに分割されている。表示表面24に最も近いバンド102は再帰反射材料で構成されており、表示表面24から最も遠いバンド104は、赤外(IR)放射吸収材料で構成されている。再帰反射材料の性質を最大限に利用するために、ベゼル部分40〜44は、それらの内向きの表面が表示表面24に概ね垂直方向の平面内を延びるように向きが設定されている。
【0028】
ここで図9を参照すると、DSPユニット26が分りやく示されている。図からわかるように、DSPユニット26は、直並列変換器126を通してコネクタ122と124に接続されているビデオポートVPを有している、たとえばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPなどのコントローラ120を含んでいる。コントローラ120は、I2Cシリアルバススイッチ128を通して各コネクタ122、124にも接続されている。I2Cシリアルバススイッチ128はクロック130と132に接続されており、各々のクロックはコネクタ122、124のそれぞれ1つに接続されている。コントローラ120は、無線受信機138を介して外部アンテナ136と通信し、USBケーブル32を受け入れるUSBコネクタ140と通信し、また揮発性および不揮発性のメモリを有しているメモリ142と通信する。クロック130と132と直並列変換器126も低電圧差動信号方式(LDVS)を同様に採用している。
【0029】
対話型入力装置20は、たとえばユーザの指、円柱、または他の適切な物体などの受動ポインタだけではなく表示表面24の近くの2つの撮像組み立て品60の視野内に移動させた能動ペンツールPを検出することができる。説明を簡単にするために、受動ポインタを表示表面24の近くに移動させたときの、対話型入力装置20の動作を最初に説明する。
【0030】
動作時に、コントローラ120はクロック130と132が複数の通信線28を通して2つの撮像組み立て品60に送信されるクロック信号を出力するように条件を設定する。各撮像組み立て品60のクロック受信部76は対応する画像センサ70のフレームレートを設定するために複数のクロック信号を使用する。本実施形態では、コントローラ120は、各画像センサ70のフレームレートが所望の画像フレーム出力速度の2倍になるようにクロック信号を生成する。コントローラ120は、I2Cシリアルバスを通して各撮像組み立て品60の電流制御モジュール80にも信号を供給する。それに応答して、各電流制御モジュール80は、IR光源82がオンしオフするように、IR光源82を電源84に接続し、それからIR光源82を電源84から切断する。IR光源のオン/オフの切り換えのタイミングは、各画像センサ70によって取り込まれた以降の画像フレームの各対について、IR光源82がオンの時に1つの画像フレームが取り込まれ、IR光源82がオフの時に1つの画像フレームが取り込まれるように制御される。
【0031】
2つのIR光源82がオンの時には、2つのIR光源の4つのLEDは表示表面24にわたる対象領域に赤外照明を放射する。ベゼル部分40〜44のIR放射吸収バンド104に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て品60には戻らない。ベゼル部分40〜44の再帰反射バンド102に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て品60に戻る。前述のように、IR光源82のIR LEDの構成は、再帰反射バンド102がそれらの長さ全体にわたって概ね一様に照明されるように選択されている。その結果、ポインタが存在しない場合、各撮像組み立て品60の画像センサ70には、図10aに示されているように、IR放射吸収バンド104に該当している上側の暗い帯162と表示表面24に該当している下側の暗い帯164との間に位置している長さ方向にわたって実質的に一様な強度を有している明るい帯160が見える。ポインタが表示表面24の近くに移動し、2つのIR光源82から十分に離れていると、ポインタは再帰性反射バンド102から反射された赤外線照明を遮る。その結果、図10bに示されているように、ポインタは、取り込まれた画像フレーム内の明るい帯160を遮断している暗い領域166として現れる。
【0032】
前述したように、各撮像組み立て品60の画像センサ70によって出力される各画像フレームは、DSPユニット26に送信される。DSPユニット26が2つの撮像組み立て品60から画像フレームを受信すると、コントローラ120は画像フレーム内のポインタの存在を検出するために画像フレームを処理し、ポインタが存在する場合には、三角測量を使用してポインタの、表示表面24に対する位置を求める。ポインタの識別への不要な光の影響を低減するために、コントローラ120は、ポインタの存在を検出するために、画像フレーム内の光の強度ではなく画像フレーム内の光の不連続部分を計測する。一般に3つの不要な光、つまり、周辺光、表示ユニットからの光、および2つのIR光源82から放射され2つの撮像組み立て品60の近くの物体によって散乱した赤外照明が存在する。理解されるように、ポインタが撮像組み立て品60に近い場合、付属しているIR光源82によって放射された赤外線照明がポインタを直接照明し、その結果ポインタが画像フレーム内に取り込まれている再帰反射バンド102と同じほど、または再帰反射バンド102よりも明るくなることがある。その結果、ポインタは明るい帯160を中断している暗い領域として画像フレーム内に現れず、図10cに示されているように、明るい帯160と上側と下側の暗い帯162と164とを横切って延びている明るい領域168として現れることになる。
【0033】
コントローラ120は、対の撮像組み立て品60の各々の画像センサ70によって出力される連続している画像フレームを処理する。詳細には、1つの画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに保存する。次の画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに同様に保存する。利用可能な連続した画像フレームを使用して、コントローラ120は2つの画像フレームに減算処理を行い、差分画像フレームを構成する。2つの画像センサ70のフレームレートが十分に高い場合、連続している画像フレームの周辺光のレベルは通常、顕著に変化することはなく、その結果、周辺光はかなり相殺され、差分画像フレーム内には現れない。
【0034】
いったん差分画像フレームが生成されると、コントローラ120は差分画像フレームを処理し、ポインタが差分画像フレーム内に存在する確度を表わす複数の不連続性値を生成する。ポインタが表示表面24の近くに存在しない場合、複数の不連続性値は高い。ポインタが表示表面24の近くに存在している場合、複数の不連続性値のうちのいくつかが閾値未満になり、差分画像フレーム内のポインタの存在を容易に判断することができる。
【0035】
各差分画像フレームに対して不連続性値を生成するために、コントローラ120は差分画像内の明るい帯160の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対して垂直強度プロファイル(VIPretro)を計算し、差分画像内の上側の暗いバンド162の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対してVIPdarkを計算する。ベゼルの2つの線は以降で説明するように、対話型入力装置の起動時の校正中に実施されるベゼル探索手続きによって求められる。
【0036】
各画素列に対するVIPretroは、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の間の画素列内のN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Nの値は、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の画素行の数として求められ、再帰反射バンド102の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルの寄与はその画素がベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPretroの計算時に、画素列内のベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_retro_T(x)、Bi_retro_B(x)と端数成分Bf_retro_T(x)、Bf_retro_B(x)とに分解される。
【0037】
【数1】
【0038】
それから、画素列についてのVIPretroが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをして、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間で画素列に沿ったN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。
【0039】
【数2】
【0040】
ここで、N=(Bi_retro_B(x)−Bi_retro_T(x))、jは0からNの範囲にあり、Iは両ベゼルの線の間の位置xでの強度である。
【0041】
各画素列に対するVIPretroは、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間の画素列内のK個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Kの値は、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の画素行の数として求められ、IR放射吸収バンド104の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルへの寄与はその画素がベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPdarkの計算時に、画素列内のベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_dark_T(x)、Bi_dark_B(x)と端数成分Bf_dark_T(x)、Bf_dark_B(x)とに分解される。
【0042】
【数3】
【0043】
各画素列についてのVIPdarkが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをしてベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間で画素列に沿ったK個の画素の強度値Iを合計することによって同様に計算される。
【0044】
【数4】
【0045】
ここで、K=(Bi_dark_B(x)−Bi_dark_T(x))、jは0からNの範囲にある。
【0046】
2つのVIPは、対応する画素行の数(再帰反射領域についてはN、暗い領域についてはK)で除算することで実質的に正規化される。それから、各画素列についての不連続性値D(x)が、VIPretroとVIPdarkとの差を以下の式によって求めることによって計算される。
【0047】
【数5】
【0048】
図11aは、図10aの画像フレームの画素列について計算された正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、この画像フレームにはポインタが存在せず、したがって不連続性値D(x)は、画像フレームの全ての画素列に対して高いままである。図11bは、図10bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に減少している。図11cは、図10cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は同様に画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に減少している。
【0049】
各差分画像フレームの複数の画素列の不連続性値D(x)が一旦求められると、各画像フレームに対する結果のD(x)曲線は、D(x)曲線が、ポインタの存在を示す閾値未満に減少してかどうかが調べられ、減少している場合、ポインタの対向している側であるD(x)曲線の左と右のエッジが検出される。特に、各差分画像フレーム内で左と右のエッジの位置を求めるために、D(x)曲線の1次微分が勾配曲線∇D(x)を構成するために計算される。D(x)曲線がポインタの存在を示す閾値よりも減少している場合、結果の勾配曲線∇D(x)はD(x)曲線の傾斜によって構成されているエッジを表している負のピークと正のピークとが境界になっている領域を含むことになる。2つのピークとしたがって領域の2つの境界を検出するために、勾配曲線∇D(x)はエッジ検出器の対象となる。
【0050】
具体的には、閾値Tがまず勾配曲線∇D(x)に適用され、各位置xについて勾配曲線∇D(x)の絶対値が閾値よりも小さい場合に、以下のように、勾配曲線∇D(x)が零に設定される。
【0051】
|∇D(x)|<Tの場合、∇D(x)=0
閾値を適用する手続き後、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)はポインタの対向する側部を表わす負のスパイクと正のスパイクとを含んでおり、その他の部分は零である。それから、左と右のエッジは閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の2つの非零のスパイクからそれぞれ検出される。左のエッジを計算するために、重心距離CDleftが、以下の式に従って、ピクセル列Xleftから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクから計算される。
【0052】
【数6】
【0053】
ここで、xiは勾配曲線∇D(x)の左のスパイク内のi番目のピクセル列のピクセル列番号、iは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクの幅まで反復され、Xleftは、値が零(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。つぎに、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のエッジがXleft+CDleftと等しくなるように定められる。
【0054】
右のエッジを計算するために、重心距離CDrightが、以下の式に従って、ピクセル列Xrightから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクから計算される。
【0055】
【数7】
【0056】
ここで、xjは勾配曲線∇D(x)の右のスパイク内のj番目のピクセル列のピクセル列番号、jは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクの幅まで反復され、Xrightは、値が零(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。次に、閾値が適用された勾配曲線の右のエッジがXright+CDrightと等しくなるように定められる。
【0057】
閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左と右のエッジがいったん計算されると、識別された左と右のエッジの中間点が計算され、それによって差分画像フレーム内のポインタの位置が求められる。
【0058】
各差分画像フレーム内のポインタの位置が求められた後、コントローラ120は、Morrison等の米国特許明細書第6,803,906号に記載されているような公知の方法で三角測量を使用して表示表面24に対する、(x、y)座標でのポインタの位置を計算するために2つの差分画像フレーム内のポインタの2つの位置を使用する。計算されたポインタ座標は次にコントローラ120によってUSBケーブル32を通してコンピュータ30に送られる。コンピュータ30は受信したポインタ座標を処理し、必要な場合は表示表面24に表示されている画像がポインタの動作を反映するように、表示ユニットに出力される画像出力を更新する。このようにして、ポインタの表示表面24との相互動作を書き込みまたは描画として記録したり、コンピュータ30上で実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行の制御のために使用したりすることができる。
【0059】
対話型入力装置の起動時に実行されるベゼルを探す手続き中に、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)、Bdark_T(x)、およびBdark_B(x)を求めるために、各画像センサに対して校正手続きが実行される。各校正手続き中に、校正画像の対が対応する画像センサ70によって取り込まれる。対のうちの一方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオンの時に取り込まれ、対のうち他方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオフの時に取り込まれる。それから、2つの校正画像に対して校正差分画像を構成するように減算処理が行われ、周辺照明による偽像が取り除かれる。それから校正差分画像の対象の画素行(再帰反射バンド102を表わす明るい帯160を構成している画素行)が求められる。
【0060】
この処理時に、校正差分画像の水平方向の強度プロファイルを生成するために、校正差分画像の各画素行の画素値の合計が計算される。それから、勾配フィルタが水平強度プロファイルに適用される。勾配フィルタは、水平強度プロファイルの2次微分の絶対値を入力とし、16点ガウスフィルタを用いて結果を平滑化する。それから、最大面積を有している領域を検出するために、ピーク値の50%よりも大きい値を有しているデータの各領域が調べられる。それから、領域の中間点が中心ピクセル行と指定される。水平強度プロファイルの最初と最後の80個の画素行は、照明偽像と外部赤外光源の影響を減少させるために、この処理では使用されない。
【0061】
それから校正差分画像の各画素列が明るい帯160に該当する内部の画素を求めるために処理される。最初に、2つの画像センサ70の位置は未知であり、そのため任意の処理方向が選択される。本実施形態においては、校正差分画像の画素列が左から右へ処理される。各画素列の処理中に、画素列に対する画素データの小さいスライスが中心画素行の位置に基づいて取られる。本実施形態では、スライスは中心画素行を中心として100個の画素行を有している。各画像スライスは、強度と幅において再帰反射バンド102を近似するために使用されるガウスモデルとの相互相関が求められる。相互相関の結果によって、ベゼルの再帰反射バンド102を表わす校正差分画像の明るい帯160が特定される。この相関は、明るい帯160をさらに明確にし、雑音を低減するために、IR光源82がオンで取り込まれた校正画像と乗算される。
【0062】
その後、各画素列について、ピーク探索アルゴリズムが複数のピークの位置を求めるために結果として得られた画素列データに適用される。ピークが1つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と表示表面24内でのその反射との、画素列上での区別が不可能であるとみなされる。ピークが2つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と画素表面24内でのその反射とを画素列内で見ることができ、区別できるとみなされる。ピークが2つ見つかった各画素列について、再帰反射バンドを表わす明るい帯160の幅と表示表面24内の再帰反射バンド102の反射を表わす帯とが、検出された複数のピークを囲む立ち下がりと立ち上がりのエッジを見つけることによって求められる。画素列内の明るい帯160幅がわかると、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)を推定することができる。明るい帯160の幅から、上側の暗い帯162が明るい帯160のすぐ上方で、明るい帯の幅と概ね等しい幅を有するものとして求められる。ベゼルの線Bdark_B(x)はベゼルの線Bretro_T(x)と一致するので、ベゼルの線Bdark_T(x)も推定することができる。
【0063】
次に、最初の150個と最後の150個の画素列について画素列データの強度を調べることによって、ベゼルの最初と最後の画素列が求められる。閾値よりも小さい値を有する最初の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの始点であると判断され、閾値よりも小さい値を有する最後の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの終点であると判断される。
【0064】
ベゼルの始点と終点が見つかった後、明るい帯160の複数の画素が画素列ごとに互いに近接していることを確認する連続性チェックが実行される。このチェック時に、隣接している画素列内の明るい帯160の複数の画素が、画素間の距離がスパイクを示す閾値の距離を超えているかどうか判定するために比較される。検出された各スパイクについて、スパイク領域の対向している側の明るい帯160の複数の画素が補間され、補間された値がスパイクの複数の画素を置き換えるのに使用される。この処理は、画像センサの露出過多やベゼルの隠れが原因の、明るい帯160の中の隙間を埋めるだけではなく、誤って特定されたベゼルの点を平滑にする。
【0065】
次に、結果として得られた画像の右側と左側の明るい帯160の幅が調べられる。明るい帯の幅が最も狭い、結果として得られた画像の側は、画像センサ70から最も離れているベゼルの部分を表していると考えられる。次に、各画素列の中の明るい帯の複数の画素を求める手続きと前述の連続性チェックが再度実行される。この第2のパスでは、画像データが処理される方向は、画像センサ70のベゼルに対する位置に基づいている。画像センサ70に最も近いベゼルの一部を表している画像データが最初に処理される。その結果、第2のパスでは、前述のように、結果の画像の画素列は、表示表面24の左下の角の位置の画像センサ70については左から右へ、表示表面24の右下の角の位置の画像センサ70については右から左へと処理される。この第2のパスでは、ピーク検索アルゴリズムは、予測されたベゼル線Bretro_T(x)とBdark_B(x)とに対応しているピクセル列データを中心に実行される。
【0066】
IR LED 82aと82bの前述の出射角度は例であって、当業者は出射角度を変更してもよいことを理解するであろう。さらに、1つまたは2つ以上のIR光源82が3つ以上のIR LEDを備えてもよい。IR LEDの数と構成を、表示表面24とそのためベゼルの大きさと寸法形状に応じて、特定の環境に合うように変えてもよい。
【0067】
たとえば、望むならば、IR光源82は、異なる出射角度のIR LEDを有する代わりに、各々が同じ出射角度を有しておりベゼルの対応している部分を照明する働きをする一連の、離れて位置している複数の表面実装IR LEDを撮像組み立て品60の近くに有していてもよい。これらのLEDの出力を、ベゼルの遠くの部分に対応しているIR LEDについては、ベゼルの近くの部分に対応しているIR LEDの出力に比べて増大させて、ベゼルを概ね均等に照明することができる。公知のように、市販の表面実装IR LEDは、半球内の全ての方向に光を放射する準ランベルト方向性パターンを有している。その結果、そのようなIR LEDによって放射される照明は、ベゼル全体を通過することになる。無駄な照明の量を減少させるために、表面実装IR LEDが用いられる場合、1つまたは2つ以上のIR LEDに図13から18に示しているような調整されたレンズ300を嵌めることができる。調整済みのレンズ300は、照明のz成分が減少して、より多くの照明がベゼルに当たるようにIR LEDの出力の形を定めるように構成されている(つまり扇状パターンの光放射)。これは、光軸に近い照明光線の屈折と光軸から外れている照明光線の全反射(TIR)とを利用することによって実現される。
【0068】
本実施形態の調整済みレンズ300は、たとえばPC、PMMA、Zeonorなどの成形されている、光学的に実質的に透明なプラスチックで作られている。レンズ300のボディ302は、IR LED306を受け入れる概ね半球形の凹部304を有している。IR LED306は、レンズ300の光軸の線上に中心が一致するように配置されている。レンズボディ302は、TIR構成部品と屈折構成部品とを実現するように構成されており、5つの光学的に能動的な表面を有している。レンズボディ302の屈折構成部品は同じ光軸を有している概ね放物線状の表面310と312とを有している。放物線状表面310は、凹部304を横断している。放物線状表面312は、レンズボディ302の遠方端部上に設けられている。IR LED306によって放射された光軸に近い照明光線は、レンズボディ302の放物線状表面310を通過し、レンズ300から出射して光軸に近い照明光線が光軸OAに概ね平行にz方向に進行するように放物線状表面312によって屈折させられる。
【0069】
レンズボディ302のTIR構成部品は、3つの表面320、322、および324を有している。IR LED 306から放射された光軸から外れた照明光線は、レンズボディ302の表面320を通過し、照明光線がレンズ300の遠方端部324から出射して、光軸OAに概ね平行にz方向に進行するようにレンズボディの表面322による全反射によって方向が変更される。表面322は、概ね回転放物線状である。表面324ばかりでなく表面310と312も概ね回転対称ではなく、偶数の次数の2次元多項式によって構成が表されている。
【0070】
図からわかるように、レンズ300から出射した照明は、垂直のz方向に平行にされており、光軸OAに沿って水平方向に発散している。レンズ構成は、所望のビーム形状となるように、両方の方向に、完全に平行にするか平行化の程度つまり発散の程度を制御するかを自由に設定することができる。その結果、レンズ300はベゼルの上を通過して表示表面24に向かう放射された照明の量を減少させて、ベゼルに照射される照明を増加させるように、照明を集中させる。
【0071】
当業者は、レンズ300の構成が、表示表面24と、したがってベゼルの大きさに依存して変わることを理解するであろう。望むならば、ベゼルの上を通過したり表示表面24に向けられたりしている複数のIR LEDから出射された光の量を減少させるために、レンズ300を、異なる出射角度を有する複数のIR LEDと共に使用してもよい。赤外線照明源を説明したが、当業者は他の照明源を使用してもよいことを理解するであろう。たとえば、照明源は白熱電球または他の適切な光源であってもよい。使用される照明源とは関係なく、出射した照明は、鏡状の表面や集光装置を使用してレンズに間接的に向けられてもよい。
【0072】
表示表面と相互作用するポインタを使用するのではなく、図12に示されている、ボディ200、ボディ200の一方の端部にあるペン先組み立て品202、およびボディ200の他方の端部にあるペン先組み立て品204を有するペンツールPを対話型入力装置20と共に使用することができる。ペンツールPが表示表面24の近く移動させられると、表示表面に対する、(x、y)座標でのその位置が受動ポインタを参照して前述したのと同じように計算される。しかし、ペンツールPが表示表面24に接触させられる方法に応じて、ペンツールPは表示表面24に対するペンツールの動作を解釈するために使用されるモード情報を出力してもよい。上記の種類の典型的なペンツールが、2008年5月9日に出願され、アルバータ州カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡されており、内容が参照によって本明細書に援用される「対話型入力装置とそのためのベゼル(Interactive Input System and Bezel Therefor)」という名称の、Hansen他の米国特許出願第12/118,545号に記載されている。
【0073】
前述の実施形態では、DSPユニット26は、ペンツールPが出力した変調された信号を受信するためにアンテナ136と無線受信機138とを有するものとして示されている。その代わりに、各撮像組み立て品60はペンツールPが出力する変調された信号を受信するためにアンテナと無線受信機を有していてもよい。この場合、2つの撮像組み立て品によって受信された変調された信号はDSPユニット26に画像フレームと共に送信される。ペンツールPは、ペンツールPによって出力された信号が有線接続を通して1つまたは2つ以上の撮像組み立て品60、DSPユニット26、または1つまたは2つ以上の撮像組み立て品に送信されるように、組み立て品22またはDSPユニット26につながれていてもよい。
【0074】
前述の実施形態においては、各ベゼル部分40〜44は、異なる反射特性、つまり再帰反射特性とIR放射吸収特性とを有する一対のバンドを有するものとして示されている。当業者は、バンドの順番を逆にしてもよいことを理解するであろう。また、異なる反射特性を有しているバンドを採用してもよい。たとえば、再帰性反射バンドを使用するのではなく、高反射材料から構成されているバンドを使用してもよい。あるいは、異なるまたは交番している反射特性を有している3つ以上のバンドを有しているベゼル部分を使用してもよい。たとえば、各ベゼル部分は2つまたは3つ以上の再帰性反射バンドと2つまたは3つ以上の放射吸収バンドとを交互に配置して有していてもよい。その代わりに、1つまたは2つ以上の再帰性反射バンドを高反射性バンドに置き換えてもよい。
【0075】
望むならば、表示表面自体によって反射され、それから2つの撮像組み立て品60の2つの画像センサ70に向けられる光の量を制御するために各ベゼル部分の傾きを調整することができる。
【0076】
フレーム組み立て品は、表示ユニットに取り付けられていると説明したが、当業者はフレーム組み立て品は他の構成を取ってもよいことを理解するであろう。たとえば、フレーム組み立て品はベゼル38と一体化されていてもよい。望むならば、組み立て品22は表示表面24を覆うそれ自体のパネルを有していてもよい。この場合、表示表面24上に表示された画像がパネルを通してはっきりと見えるように、パネルがかなり透明な材料で構成されていることが好ましい。組み立て品は、もちろん前面または背面投影装置と共に使用し、コンピュータ生成画像が投影される基板を囲むことができる。
【0077】
撮像組み立て品を表示表面の下部の角に隣接しているコーナー部品に収容されていると説明したが、当業者は撮像組み立て品が表示表面に対して異なる位置に配置されていてもよいことを理解するであろう。また、ツールトレイ部分は必要ではなく、ベゼル部分に置き換えてもよい。
【0078】
対話型入力装置20の動作を、表示表面24の近くに配置された1つのポインタまたはペンツールPを参照して説明したが、対話型入力装置20は、タッチ表面の近くの複数のポインタ/ペンツールの存在を、各ポインタが複数の画像センサによって取り込まれた画像フレーム内に現れるときに検出できてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0079】
好適な実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、さまざまな変形や修正が可能なことを当業者は理解することであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が異なる出射角度を有している、放射を対象領域内に向ける少なくとも2つの近接している放射源を有する、対話型入力装置用の照明組み立て品。
【請求項2】
前記の少なくとも2つの放射源は、前記対象領域の画像を取り込む前記対話型入力装置の撮像組み立て品に隣接して配置されている、請求項1に記載の照明組み立て品。
【請求項3】
前記の少なくとも2つの放射源の各々は、前記撮像組み立て品の中心線の近くに配置されている、請求項2に記載の照明組み立て品。
【請求項4】
前記の少なくとも2つの放射源は、前記撮像組み立て品上に配置されているボード上に取り付けられており、前記ボードは前記撮像組み立て品が見える開口を内部に有している、請求項3に記載の照明組み立て品。
【請求項5】
前記の少なくとも2つの放射源は前記開口の反対の側で前記ボードに取り付けられている、請求項4に記載の照明組み立て品。
【請求項6】
狭い出射角度を有している前記放射源は前記撮像組み立て品の視野内に配置されている、請求項5に記載の照明組み立て品。
【請求項7】
前記狭い出射角度を有している前記放射源からの迷光が前記撮像組み立て品に当たるのを防ぐシールドをさらに有する、請求項6に記載の照明組み立て品。
【請求項8】
前記対象領域はその複数の辺に沿って延びているベゼルを有しており、前記の少なくとも2つの放射源の出射角度は、前記ベゼルが、撮像された画像内で概ね均等に照明されるように見えるように選択される、請求項2から7のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項9】
前記対象領域は概ね長方形であり、前記撮像組み立て品は、前記対象領域の角に隣接して配置されており、狭い出射角度を有している前記放射源は前記対象領域の概ね対角線方向の反対側の角に向いている、請求項8に記載の照明組み立て品。
【請求項10】
前記の少なくとも2つの放射源の少なくとも1つに付属しているレンズをさらに有し、前記レンズは、前記照明が前記対象領域に入る前に、前記の付属している放射源によって放射された照明の形を定める、請求項1に記載の照明組み立て品。
【請求項11】
前記レンズは、光軸から離れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成部品と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折構成部品とを実現するように形作られている、請求項10に記載の照明組み立て品。
【請求項12】
前記反射構成部品は全反射構成部品である、請求項11に記載の照明組み立て品。
【請求項13】
前記レンズが各前記放射源に付属している、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項14】
前記屈折構成部品は前記レンズの前記光軸に沿って離れて位置する1対の概ね放物線状の表面を有している、請求項11から13のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項15】
準ランベルト方向性パターン照明を放射する少なくとも1つの放射源と、
前記放射源に付属しており、選択された軸線に沿って発散する複数の照明光線を減少させるように前記放射源によって放射された前記照明の形を定めるレンズと、
を有する照明組み立て品。
【請求項16】
前記レンズは、光軸から外れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成部品と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折構成部品を実現するように形作られている、請求項15に記載の照明組み立て品。
【請求項17】
前記屈折構成部品は前記レンズの前記光軸に沿って離れて位置する1対の概ね放物線状の表面を有している、請求項16に記載の照明組み立て品。
【請求項18】
前記反射構成部品は全反射構成部品である、請求項16または17に記載の照明組み立て品。
【請求項19】
複数の、離れて位置する放射源と、各前記放射源に付属しているレンズと、を有する、請求項15から18のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項20】
反射ベゼルによって少なくとも部分的に囲まれている対象領域の画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、
各々が異なる出射角度を有している、放射を前記対象領域内に向ける少なくとも2つの放射源と、
を有する対話型入力装置。
【請求項1】
各々が異なる出射角度を有している、放射を対象領域内に向ける少なくとも2つの近接している放射源を有する、対話型入力装置用の照明組み立て品。
【請求項2】
前記の少なくとも2つの放射源は、前記対象領域の画像を取り込む前記対話型入力装置の撮像組み立て品に隣接して配置されている、請求項1に記載の照明組み立て品。
【請求項3】
前記の少なくとも2つの放射源の各々は、前記撮像組み立て品の中心線の近くに配置されている、請求項2に記載の照明組み立て品。
【請求項4】
前記の少なくとも2つの放射源は、前記撮像組み立て品上に配置されているボード上に取り付けられており、前記ボードは前記撮像組み立て品が見える開口を内部に有している、請求項3に記載の照明組み立て品。
【請求項5】
前記の少なくとも2つの放射源は前記開口の反対の側で前記ボードに取り付けられている、請求項4に記載の照明組み立て品。
【請求項6】
狭い出射角度を有している前記放射源は前記撮像組み立て品の視野内に配置されている、請求項5に記載の照明組み立て品。
【請求項7】
前記狭い出射角度を有している前記放射源からの迷光が前記撮像組み立て品に当たるのを防ぐシールドをさらに有する、請求項6に記載の照明組み立て品。
【請求項8】
前記対象領域はその複数の辺に沿って延びているベゼルを有しており、前記の少なくとも2つの放射源の出射角度は、前記ベゼルが、撮像された画像内で概ね均等に照明されるように見えるように選択される、請求項2から7のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項9】
前記対象領域は概ね長方形であり、前記撮像組み立て品は、前記対象領域の角に隣接して配置されており、狭い出射角度を有している前記放射源は前記対象領域の概ね対角線方向の反対側の角に向いている、請求項8に記載の照明組み立て品。
【請求項10】
前記の少なくとも2つの放射源の少なくとも1つに付属しているレンズをさらに有し、前記レンズは、前記照明が前記対象領域に入る前に、前記の付属している放射源によって放射された照明の形を定める、請求項1に記載の照明組み立て品。
【請求項11】
前記レンズは、光軸から離れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成部品と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折構成部品とを実現するように形作られている、請求項10に記載の照明組み立て品。
【請求項12】
前記反射構成部品は全反射構成部品である、請求項11に記載の照明組み立て品。
【請求項13】
前記レンズが各前記放射源に付属している、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項14】
前記屈折構成部品は前記レンズの前記光軸に沿って離れて位置する1対の概ね放物線状の表面を有している、請求項11から13のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項15】
準ランベルト方向性パターン照明を放射する少なくとも1つの放射源と、
前記放射源に付属しており、選択された軸線に沿って発散する複数の照明光線を減少させるように前記放射源によって放射された前記照明の形を定めるレンズと、
を有する照明組み立て品。
【請求項16】
前記レンズは、光軸から外れている複数の照明光線の方向を変更する反射構成部品と、光軸に近い複数の照明光線の方向を変更する屈折構成部品を実現するように形作られている、請求項15に記載の照明組み立て品。
【請求項17】
前記屈折構成部品は前記レンズの前記光軸に沿って離れて位置する1対の概ね放物線状の表面を有している、請求項16に記載の照明組み立て品。
【請求項18】
前記反射構成部品は全反射構成部品である、請求項16または17に記載の照明組み立て品。
【請求項19】
複数の、離れて位置する放射源と、各前記放射源に付属しているレンズと、を有する、請求項15から18のいずれか1項に記載の照明組み立て品。
【請求項20】
反射ベゼルによって少なくとも部分的に囲まれている対象領域の画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、
各々が異なる出射角度を有している、放射を前記対象領域内に向ける少なくとも2つの放射源と、
を有する対話型入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2011−524034(P2011−524034A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507769(P2011−507769)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000642
【国際公開番号】WO2009/135320
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(592221263)スマート テクノロジーズ ユーエルシー (15)
【氏名又は名称原語表記】SMART TECHNOLOGIES ULC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000642
【国際公開番号】WO2009/135320
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(592221263)スマート テクノロジーズ ユーエルシー (15)
【氏名又は名称原語表記】SMART TECHNOLOGIES ULC
【Fターム(参考)】
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