説明

封止装置および封止方法

【課題】 樹脂を破ることなく素子を封止する封止装置を提供する。
【解決手段】 有機エレクトロルミネッセンス表示素子70がガラス20の一主面20Aに配置され、紫外線効果樹脂80が有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を囲むように一主面20Aに塗布される。そして、周囲の圧力を大気圧よりも低い圧力に保持した状態でガラス30をガラス20に近づけてガラス30を紫外線硬化樹脂80に接触させる。その後、ガラス20,30間の距離を距離d1から距離d2へ短くしてガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力を略大気圧に設定する。そして、紫外線硬化樹脂80を紫外線により硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、素子を封止する封止装置および封止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)発光素子をマトリックス状等に配置して、発光させる素子を適宜選択して文字等を構成し、これにより情報等を表示するものである。
【0003】
この有機エレクトロルミネッセンス発光素子は、錫ドープ酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)などの透明電極(陽電極)上にテトラフェニルジアミン(TPD)などのホール輸送材料を蒸着等により薄膜とし、さらに、アルミキノリノール錯体(Alq3)などの蛍光物質を発光層として積層し、さらに、マグネシウム(Mg)などの仕事関数の小さい金属電極(陰電極)を形成した基本構成を有する素子で、10V前後の電圧で数100〜1000cd/cmときわめて高い輝度が得られることで注目されている。
【0004】
しかし、有機エレクトロルミネッセンス発光素子は、水分に極めて弱いという問題がある。たとえば、水分の影響により、発光層と電極層の間で剥離が生じたり、構成材料が変質してしまったりして、ダークスポットが生じたり、発光層が維持できなくなってしまうという問題が生じる。
【0005】
このような問題を解決するための一つの方法として、水分含有率が100ppm以下の不活性ガス雰囲気中で有機エレクトロルミネッセンス発光素子を封止する封止装置および封止方法が知られている(特許文献1)。
【0006】
この封止装置は、水分含有量が100ppmである窒素ガス雰囲気中において、有機エレクトロルミネッセン発光素子を基板上に配置し、その配置した有機エレクトロルミネッセンス発光素子を覆うようにシールド部材を配置し、シールド部材と基板とをカチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤で張り合わせることにより、有機エレクトロルミネッセンス発光素子を窒素ガス雰囲気中に封止するものである。
【特許文献1】特許第3288242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の封止装置において、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤によってシールド部材と基板とを接着させる場合、シールド部材を紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤に接触させた状態からシールド部材をさらに基板側に押し付けて紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を硬化させると、紫外線硬化型エポキシ樹脂の一部分が破れ、基板、シールド部材および紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤によって囲まれた領域に水分が入るという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、樹脂を破ることなく素子を封止する封止装置を提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、樹脂を破ることなく素子を封止する封止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、封止装置は、素子を第1および第2の基板間に封止する封止装置であって、塗布手段と、設定手段と、硬化手段とを備える。塗布手段は、第1の基板の一主面上に配置された素子を囲むように一主面に樹脂を塗布する。設定手段は、大気圧と異なる所定の圧力を有し、かつ、不活性ガスで満たされた雰囲気内において、樹脂が塗布された一主面に向かって第2の基板を移動させ、樹脂に第2の基板を接触させるとともに、第2の基板を一主面の法線方向に移動させて第1および第2の基板間の距離を所定の距離に設定する。硬化手段は、第1および第2の基板間の距離が所定の距離に設定された状態で樹脂を硬化させる。そして、所定の距離は、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域の圧力が略大気圧になる距離である。
【0011】
好ましくは、封止装置は、加熱処理手段をさらに備える。加熱処理手段は、素子を真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱処理する。そして、塗布手段は、加熱処理手段による加熱処理の後に樹脂を一主面に塗布する。
【0012】
好ましくは、所定の圧力は、大気圧よりも低い圧力である。
【0013】
好ましくは、設定手段は、接触手段と、移動手段とを含む。接触手段は、雰囲気内において、第2の基板を一主面に近づけて第2の基板を樹脂に接触させる。移動手段は、雰囲気内において、第1および第2の基板間の距離が所定の距離になるように第1および第2の基板を相互に近づける。
【0014】
好ましくは、設定手段は、加圧手段をさらに含む。加圧手段は、移動手段による第1または第2の基板の移動に連動して、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで加圧する。
【0015】
好ましくは、所定の圧力は、大気圧よりも高い圧力である。
【0016】
好ましくは、設定手段は、接触手段と、移動手段とを含む。接触手段は、雰囲気内において、第2の基板を一主面に近づけて第2の基板を樹脂に接触させる。移動手段は、雰囲気内において、第1および第2の基板間の距離が所定の距離になるように第1および第2の基板を相互に遠ざける。
【0017】
好ましくは、設定手段は、減圧手段をさらに含む。減圧手段は、移動手段による第1または第2の基板の移動に連動して、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで減圧する。
【0018】
好ましくは、樹脂は、紫外線硬化樹脂である。そして、硬化手段は、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する紫外線ランプである。
【0019】
好ましくは、素子は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
【0020】
好ましくは、不活性ガスの水分含有率は、100ppm以下である。
【0021】
また、この発明によれば、封止方法は、素子を第1および第2の基板間に封止する封止方法であって、第1の基板の一主面上に配置された素子を囲むように一主面に樹脂を塗布する第1のステップと、大気圧と異なる所定の圧力を有し、かつ、不活性ガスで満たされた雰囲気内において、樹脂が塗布された一主面に向かって第2の基板を移動させ、樹脂に第2の基板を接触させるとともに、第2の基板を一主面の法線方向に移動させて第1および第2の基板間の距離を所定の距離に設定する第2のステップと、第1および第2の基板間の距離が所定の距離に設定された状態で樹脂を硬化させる第3のステップとを備える。そして、所定の距離は、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域の圧力が略大気圧になる距離である。
【0022】
好ましくは、封止方法は、素子を真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱処理する第4のステップをさらに備える。そして、第1から第3のステップは、第4のステップの後に実行される。
【0023】
好ましくは、所定の圧力は、大気圧よりも低い圧力である。そして、第2のステップは、素子が配置され、かつ、樹脂が塗布された第1の基板と、第2の基板とを不活性ガス中に搬入する第1のサブステップと、搬入された第1および第2の基板の周囲を所定の圧力まで減圧する第2のサブステップと、一主面に向かって第2の基板を近づけて樹脂に第2の基板を接触させる第3のサブステップと、第1および第2の基板間の距離が所定の距離になるように第1および第2の基板を相互に近づける第4のサブステップとを含む。
【0024】
好ましくは、第2のステップは、第4のサブステップにおける第1または第2の基板の移動に連動して、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで加圧する第5のサブステップをさらに含む。
【0025】
好ましくは、所定の圧力は、大気圧よりも高い圧力である。そして、第2のステップは、素子が配置され、かつ、樹脂が塗布された第1の基板と、第2の基板とを不活性ガス中に搬入する第1のサブステップと、搬入された第1および第2の基板の周囲を所定の圧力まで加圧する第2のサブステップと、一主面に向かって第2の基板を近づけて樹脂に第2の基板を接触させる第3のサブステップと、第1および第2の基板間の距離が所定の距離になるように第1および第2の基板を相互に近づける第4のサブステップとを含む。
【0026】
好ましくは、第2のステップは、第4のサブステップにおける第1または第2の基板の移動に連動して、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで減圧する第5のサブステップをさらに含む。
【0027】
好ましくは、樹脂は、紫外線硬化樹脂である。そして、第3のステップは、紫外線を紫外線硬化樹脂に照射する。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、素子を2つの基板間に樹脂によって封止する場合、素子と第1および第2の基板とが配置された雰囲気の圧力を大気圧と異なる圧力に設定した状態で第2の基板を素子が配置された第1の基板に近づけて第2の基板を樹脂に接触させる。そして、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域内の圧力が略大気圧になるように第1の基板と第2の基板との距離を所定の距離に設定して樹脂を硬化させる。つまり、素子が封止される領域の圧力が最終的に略大気圧になるように第1および第2の基板間の距離を設定して素子を封止する。
【0029】
したがって、この発明によれば、第1および第2の基板と樹脂とによって囲まれた領域の内外に圧力差が殆ど発生しないので、樹脂が破れるのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0031】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による封止装置の概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による封止装置10は、洗浄ユニット1と、受付ユニット2と、搬送ユニット3と、塗布ユニット4と、貼合ユニット5と、ガス供給装置6と、ポンプ7〜9,11とを備える。
【0032】
洗浄ユニット1は、矢印12の方向から搬入されたガラスをプラズマによりクリーニングする。そして、洗浄ユニット1は、そのクリーニングしたガラスを受付ユニット2へ搬入する。また、洗浄ユニット1は、受付ユニット2から搬入されたガラスを封止装置10外へ搬出する。
【0033】
受付ユニット2は、洗浄ユニット1からガラスを受けると、ポンプ7によって所定の圧力まで減圧される。そして、受付ユニット2は、所定の圧力まで減圧されると、ガラスを搬送ユニット3へ搬出する。また、受付ユニット2は、搬送ユニット3からガラスを受けると、空気によって大気圧に戻される。そして、受付ユニット2は、大気圧に戻されると、ガラスを洗浄ユニット1へ搬出する。
【0034】
搬送ユニット3は、ポンプ8によって所定の圧力まで減圧されるとともに、ガス供給装置6から窒素(N)を受け、任意の圧力(大気圧および減圧の両方を含む。)に設定される。そして、搬送ユニット3は、受付ユニット2から搬入されたガラスを塗布ユニット4へ搬出するとともに、塗布ユニット4から搬入されたガラスを貼合ユニット5へ搬出する。さらに、搬送ユニット3は、貼合ユニット5から搬入されたガラスを受付ユニット2へ搬出する。
【0035】
塗布ユニット4は、ポンプ9によって所定の圧力まで減圧されるとともに、ガス供給装置6から窒素(N)を受け、任意の圧力(大気圧および減圧の両方を含む。)に設定される。そして、塗布ユニット4は、搬入されたガラスの一主面に後述する方法によって紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化樹脂のガラスへの塗布が終了すると、ガラスを搬送ユニット3へ搬出する。
【0036】
貼合ユニット5は、ポンプ11によって所定の圧力まで減圧されるとともに、ガス供給装置6から窒素(N)を受け、任意の圧力(大気圧および減圧の両方を含む。)に設定される。そして、貼合ユニット5は、後述する方法によって、有機エレクトロルミネッセンス表示素子を窒素ガス雰囲気中で2枚のガラス間に封止する。また、貼合ユニット5は、2枚のガラス間に封止した有機エレクトロルミネッセンス表示素子を搬送ユニット3へ搬出する。
【0037】
ガス供給装置6は、水分含有量が100ppm以下である窒素ガスを搬送ユニット3、塗布ユニット4および貼合ユニット5に独立に供給する。ポンプ7は、受付ユニット2に連結され、受付ユニット2内を所定の圧力まで減圧する。ポンプ8は、搬送ユニット3に連結され、搬送ユニット3内を所定の圧力まで減圧する。ポンプ9は、塗布ユニット4に連結され、塗布ユニット4内を所定の圧力まで減圧する。ポンプ11は、貼合ユニット5に連結され、貼合ユニット5内を所定の圧力まで減圧する。
【0038】
図2は、図1に示す塗布ユニット4の構成を示す概略図である。図2を参照して、塗布ユニット4は、チャンバ41と、ベアリング42と、支持部材42A,42Bと、台座部材43A,43Bと、筒部材44A,44Bと、レール部材45A,45Bと、支持台46A,46Bと、駆動部44,47A,47Bと、ペン部材43と、アーム部材45と、機構部46と、制御部47と、チューブ48と、タンク49とを含む。
【0039】
支持部材42A,42Bは、それぞれ、台座部材43A,43Bをチャンバ41に支持する。台座部材43A,43Bは、それぞれ、支持部材42A,42Bによってチャンバ41の底面41Aの近くに支持される。筒部材44A,44Bは、それぞれ、台座部材43A,43Bに固定される。
【0040】
レール部材45A,45Bは、略H字形状の断面形状を有し、一部分がそれぞれ筒部材44A,44Bと嵌合する。そしてベアリング42は、レール部材45A,45Bと筒部材44A,44Bとの間に配置される。これにより、レール部材45A,45Bは、それぞれ、駆動部47A,47Bによって紙面に垂直な方向に移動可能である。
【0041】
支持台46A,46Bは、それぞれ、レール部材45A,45Bに固定される。そして、支持台46A,46Bは、ガラス20を支持する。駆動部47A,47Bは、それぞれ、支持台46A,46Bをそれぞれ紙面に垂直な方向へ移動させる。ペン部材43は、紫外線硬化樹脂をガラス20の一主面20Aに塗布する。駆動部44は、アーム部材45の先端に固定され、ペン部材43による紫外線硬化樹脂の塗布を駆動する。
【0042】
アーム部材45は、一方端が機構部46に取り付けられる。機構部46は、制御部47からの制御に従ってアーム部材45をx軸方向、y軸方向(紙面に垂直な方向)およびz軸方向へ移動させる。
【0043】
制御部47は、アーム部材45がx軸方向、y軸方向(紙面に垂直な方向)およびz軸方向へ移動するように機構部46を制御する。チューブ48は、一方端が駆動部44を介してペン部材43に連結され、他方端がタンク49に連結される。タンク49は、紫外線硬化樹脂を溜め、紫外線硬化樹脂をチューブ48を介してペン部材43に供給する。
【0044】
図3は、図1に示す貼合ユニット5の構成を示す概略図である。図3を参照して、貼合ユニット5は、チャンバ51と、ベアリング52と、アーム部材52A,52B,54と、台座部材53A,53Bと、筒部材54A,54Bと、レール部材55A,55Bと、支持台56A,56Bと、駆動部56,57A,57B,58と、チャック部53と、伸縮部材55,59A,59Bと、固定部材57と、顕微鏡58A,58Bと、窓59と、ランプユニット60とを含む。
【0045】
アーム部材52A,52Bは、チャンバ51を介してそれぞれ伸縮部材59A,59Bに連結される。ベアリング52、台座部材53A,53B、筒部材54A,54B、レール部材55A,55B、支持台56A,56Bおよび駆動部57A,57Bは、それぞれ、塗布ユニット4のベアリング42、台座部材43A,43B、筒部材44A,44B、レール部材45A,45B、支持台46A,46Bおよび駆動部47A,47Bと同じである。
【0046】
したがって、貼合ユニット5においても、レール部材55A,55Bおよび支持台56A,56Bは、紙面に垂直な方向へ移動可能である。
【0047】
チャック部53は、アーム部材54の先端に固定され、ガラス30を真空チャックによって保持する。アーム部材54は、その一方端にチャック部53が固定され、他方端がチャンバ51を介して伸縮部55に連結される。
【0048】
伸縮部55は、アーム部材54に連結され、駆動部56によってz軸方向へ伸縮される。駆動部56は、伸縮部55を駆動する。顕微鏡58A,58Bは、チャンバ51の上側に取り付けられ、窓(図示せず)を介してガラス20,30のアライメントマークを観察してガラス20,30の位置決めを行なう。
【0049】
伸縮部59A,59Bは、それぞれ、アーム部材52A,52Bに連結され、駆動部58によってz軸方向へ伸縮される。固定部材57は、伸縮部59A,59Bと連結される。駆動部58は、固定部材57に取り付けられ、伸縮部59A,59Bを駆動する。
【0050】
窓59は、石英ガラスからなり、チャンバ51の底部51Aに取り付けられる。そして、窓59は、ランプユニット60から出射された紫外線UVを透過する。ランプユニット60は、窓59に対向して配置される。そして、ランプユニット60は、紫外線ランプ61を含み、紫外線UVを窓59を介してガラス20,30に照射する。
【0051】
図4は、図1に示す封止装置10が封止の対象とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の断面構造図である。図4を参照して、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70は、基板71と、陽電極72と、正孔注入輸送層73と、発光層74と、電子注入輸送層75と、陰電極76とを含む。
【0052】
陽電極72は、基板1上に形成され、正孔注入輸送層73は、陽電極72上に形成され、発光層74は、正孔注入輸送層73上に形成され、電子注入輸送層75は、発光層74上に形成され、陰電極76は、電子注入輸送層75上に形成される。
【0053】
このように、陽電極72、正孔注入輸送層73、発光層74、電子注入輸送層75、および陰電極76は、基板71上に順次積層される。
【0054】
図5は、紫外線硬化樹脂の塗布方法を説明するための図である。図2および図5を参照して、複数の有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置されたガラス20が塗布ユニット4へ搬入されると、制御部47は、ペン部材43を有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの位置へ移動させるように機構部46を制御し、機構部46は、制御部47からの制御に従ってアーム部材45をx軸方向、y軸方向およびz軸方向へ移動させ、ペン部材43を有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの真上へ移動させる。
【0055】
そして、制御部47は、ペン部材43がガラス20の一主面20Aから所定の高さで有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの周囲を一周するように機構部46を制御し、機構部46は、ガラス20の一主面20Aから所定の高さでペン部材43が有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの周囲を一周するようにアーム部材45を移動させる。また、駆動部44は、チューブ48を介してタンク49からペン部材43に供給された紫外線硬化樹脂をペン部材43の先端から押し出し、紫外線硬化樹脂80をガラス20の一主面20Aの有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの周囲に塗布する。なお、紫外線硬化樹脂80は、好ましくは、カチオン硬化型の紫外線硬化樹脂からなる。
【0056】
その後、制御部47は、ペン部材43をガラス20の一主面20Aから所定の高さで有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Bの横へ移動させ、その後、ペン部材43がガラス20の一主面20Aから所定の高さで有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Bの周囲を一周するように機構部46を制御し、機構部46は、ペン部材43をガラス20の一主面20Aから所定の高さで有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Bの横へ移動させ、その後、ガラス20の一主面20Aから所定の高さでペン部材43が有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Aの周囲を一周するようにアーム部材45を移動させる。また、駆動部44は、紫外線硬化樹脂をペン部材43の先端から押し出し、紫外線硬化樹脂80をガラス20の一主面20Aの有機エレクトロルミネッセンス表示素子70Bの周囲に塗布する(図5の(a)参照)。この場合、紫外線硬化樹脂80の高さは、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70の全体の厚さよりも高い。
【0057】
上述した動作を繰返すことにより、塗布ユニット4は、ガラス20の一主面20Aに配置された複数の有機エレクトロルミネッセンス表示素子70の周囲に紫外線硬化樹脂80を塗布する(図5の(b)参照)。
【0058】
図6は、図2に示す貼合ユニット5における貼り合わせの基本原理を説明するための概略図である。図6を参照して、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70がガラス20の一主面20Aに配置され、紫外線硬化樹脂80が有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を囲むようにガラス20の一主面20Aに塗布されている。
【0059】
有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20が貼合ユニット5へ搬入されると、貼合ユニット5のチャンバ51内をポンプ11によって排気し、チャンバ51内の圧力を大気圧よりも低い−100kPaG以内まで減圧する。なお、この発明においては、圧力の単位として大気圧を”0”としたゲージ圧を使用し、圧力の単位を[PaG]と表記する。
【0060】
そして、ガラス30を紫外線硬化樹脂80に接触させる。この場合、2枚のガラス20,30間の間隔d1は、紫外線硬化樹脂80の高さH1に等しく、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REGの圧力は、大気圧よりも低い−100kPaG以内である(図6の(a)参照)。
【0061】
その後、領域REG内の圧力が略大気圧になるように、2枚のガラス20,30間の間隔d1を間隔d2まで狭くする(図6の(b)参照)。間隔d1を間隔d2まで狭くすることによって、領域REGの体積が小さくなるため、領域REG内の圧力は高くなる。そして、この状態で紫外線硬化樹脂80を硬化させて有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する。
【0062】
このように、貼合ユニット5は、チャンバ51内を大気圧よりも低い減圧状態に保持したまま、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を囲み、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力が略大気圧になるように2枚のガラス20,30間の間隔を狭くして有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を窒素ガス雰囲気中で封止する。
【0063】
したがって、間隔d2は、領域REG内の圧力を略大気圧にするための間隔である。
【0064】
図7および図8は、それぞれ、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を2枚のガラス20,30で封止する動作を説明するための第1および第2の工程図である。図7を参照して、ガラス30が窒素ガスで満たされたチャンバ51内へ搬入され、顕微鏡58A,58B(図3参照)によってアライメントマークが観察されて位置合わせが終了すると、チャック部53は、ガラス30を吸引する。そして、駆動部56は、伸縮部55を収縮してアーム部材54を上方向(z軸の正方向)へ移動させる。その結果、ガラス30は、上方向(z軸の正方向)へ持ち上げられる。
【0065】
その後、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20が窒素ガスで満たされたチャンバ51内へ搬入され、顕微鏡58A,58B(図3参照)によってアライメントマークが観察されて位置合わせが完了する(図7の(a)参照)。
【0066】
そうすると、ポンプ11は、貼合ユニット5のチャンバ51内を排気し、チャンバ51内の圧力を大気圧よりも低い圧力まで減圧する。そして、駆動部56は、伸縮部55(図3参照)を伸ばし、アーム部材54をチャンバ51の底部51Aの方向(z軸の負方向)へ移動させ、ガラス30をガラス20に塗布された紫外線硬化樹脂80に接触させる(図7の(b)参照)。この状態において、2枚のガラス20,30間の間隔は、間隔d1である。
【0067】
その後、2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d2まで狭くする。この場合、2枚のガラス20,30間の間隔を狭くする方法として2つの方向がある。1つ目の方法は、図7の(b)に示す状態からアーム部材54をチャンバ51の底部51Aの方向へさらに移動させ、ガラス30をガラス20の一主面20Aにさらに近づける方法である。2つ目の方法は、図7の(b)に示す状態からアーム部材52A,52Bを上方向(z軸の正方向)へ移動させ、ガラス30をガラス20の一主面20Aにさらに近づける方法である。
【0068】
すなわち、2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d2まで狭くする方法は、2つのガラス20,30のいずれか一方を移動させて2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d2まで狭くする方法であればよい。
【0069】
なお、2つ目の方法でガラス30をガラス20の一主面20Aに近づける場合、駆動部58は、伸縮部59A,59Bを収縮してアーム部材52A,52Bを上方向(z軸の正方向)へ移動させる。
【0070】
ガラス30が紫外線硬化樹脂80に接触すると、上述した2つの方法のいずれかの方法によって2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d2まで狭くする(図8の(c)参照)。そして、ガス供給装置6は、2枚のガラス20,30間の間隔が狭くなり始めたら、窒素ガスをチャンバ51内へ供給し始める。
【0071】
これは、次の理由による。2枚のガラス20,30間の間隔が狭くなると、上述したように、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力は大気圧まで高くなるが、領域REG以外のチャンバ51内の圧力を減圧状態に保持すると、領域REG内の圧力の方が高くなり、領域REG内から領域REG外の方向へ圧力が印加され、紫外線硬化樹脂80が破れる虞があるからである。
【0072】
2枚のガラス20,30間の間隔が間隔d2になると、ランプユニット60の紫外線ランプ61が点灯され、紫外線ランプ61は、窓59を介して紫外線UVを紫外線硬化樹脂80に照射し、紫外線硬化樹脂80を硬化させる(図8の(d)参照)。そして、紫外線硬化樹脂80が硬化すると、一連の動作は終了する。
【0073】
図9は、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力のタイミングチャートである。図9において、曲線k1は、2枚のガラス20,30間の距離のタイミングチャートを示し、曲線k2は、紫外線硬化樹脂80および2枚のガラス20,30によって囲まれた領域REG内の圧力のタイミングチャートを示す。
【0074】
2枚のガラス20,30間の距離は、タイミングt1まで間隔d1に保持され、タイミングt1からタイミングt2までの間、徐々に減少し、タイミングt2以降、間隔d2に保持される。
【0075】
一方、領域REG内の圧力は、タイミングt1まで圧力P1(大気圧よりも低い減圧状態)に保持され、タイミングt1からタイミングt2までの間、徐々に増加し、タイミングt2以降、圧力P2(=略大気圧)に保持される。そして、ガス供給装置6は、タイミングt1からタイミングt2までの間、窒素ガスを貼合ユニット5のチャンバ51へ供給する。
【0076】
このように、領域REG内の圧力は、2枚のガラス20,30間の距離が短くなることに連動して徐々に高くなる。
【0077】
なお、図9においては、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力は、直線状に変化するように示されているが、この発明においては、これに限らず、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力は、曲線的に変化するようにしてもよい。
【0078】
図10は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する封止方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
【0079】
一連の動作が開始されると、塗布ユニット4は、上述した動作によって、ガラス20(第1のガラス)の一主面20Aに配置された有機エレクトロルミネッセンス表示素子70(EL素子)を囲むように窒素ガス雰囲気中で一主面20Aに紫外線硬化樹脂80を塗布する(ステップS10)。
【0080】
そして、搬送ユニット3は、受付ユニット2から受けたガラス30(第2のガラス)を貼合ユニット5へ搬出する。また、塗布ユニット4は、紫外線硬化樹脂80の塗布が終了すると、ガラス20を搬送ユニット3へ搬出し、搬送ユニット3は、塗布ユニット4からガラス20を受け、その受けたガラス20を貼合ユニット5へ搬出する(ステップS12)。
【0081】
なお、搬送ユニット3は、窒素ガス雰囲気中でガラス20,30の搬入/搬出を行なう。また、ガラス20は、ガラス30が搬送ユニット3から貼合ユニット5へ搬出された後に搬送ユニット3から貼合ユニット5へ搬出されるが、ガラス30は、チャック部53によって吸引され、支持台56A,56Bの高さよりも上方向へ退避しているので、搬送ユニット3は、ガラス20を貼合ユニット5へ搬出することができる。
【0082】
ガラス20,30が貼合ユニット5へ搬入されると、ポンプ11は、貼合ユニット5のチャンバ51内を排気し、チャンバ51内の圧力を所定の圧力まで減圧する(ステップS14)。
【0083】
その後、上述した動作によって、ガラス30(第2のガラス)をガラス20(第1のガラス)の一主面20Aに向かって近づけ、ガラス30(第2のガラス)を紫外線硬化樹脂80に接触させる(ステップS16)。
【0084】
そして、上述した動作によって、ガラス30(第2のガラス)をガラス20(第1のガラス)の一主面20Aにさらに近づけ、ガラス30(第2のガラス)とガラス20(第1のガラス)との間の距離を所定の距離(=間隔d2)に設定するとともに(ステップS18)、ガス供給装置6は、ガラス30(第2のガラス)の移動に連動して、チャンバ51内へ窒素ガスを供給し、ガラス20(第1のガラス)およびガラス30(第2のガラス)と紫外線硬化樹脂80とによって囲まれた領域REG以外の領域の圧力を大気圧まで徐々に加圧する(ステップS20)。
【0085】
そうすると、ランプユニット60は、紫外線ランプ61によって紫外線UVを照射して紫外線硬化樹脂80を硬化させる(ステップS22)。これによって、一連の動作は終了する。
【0086】
有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する場合、2枚のガラス20,30間の間隔を最初に間隔d1に保持し、その後、間隔d2まで狭くするのは、2枚のガラス20,30が紫外線硬化樹脂80によって強固に接着されるようにするためである。そして、2枚のガラス20,30間の間隔が狭くなると、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の体積が減少し、領域REG内の圧力が高くなるので、領域REG内を最初、減圧状態に保持し、2枚のガラス20,30間の間隔を狭くした状態で略大気圧になるように2枚のガラス20,30間の間隔を設定するとともに、領域REG外の圧力も略大気圧に設定する。
【0087】
したがって、領域REG内から領域REG外へ圧力が印加されず、紫外線硬化樹脂80が破れることがない。
【0088】
図11は、実施の形態1による封止装置の他の概略図である。実施の形態1による封止装置は、図11に示す封止装置100であってもよい。図11を参照して、封止装置100は、図1に示す封止装置10に加熱ユニット110およびポンプ111を追加したものであり、その他は、封止装置10と同じである。
【0089】
加熱ユニット110は、搬送ユニット3から搬入された部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)を加熱処理し、加熱処理が終了すると、部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)を搬送ユニット3へ搬出する。この場合、加熱処理の条件は、80℃以上、部品の耐熱温度以下の温度範囲で、15分以上である。
【0090】
加熱ユニット110は、加熱処理を真空中または窒素ガス雰囲気中で行なう。真空中で加熱処理が行なわれる場合、ポンプ111は、加熱ユニット110内を排気する。また、窒素ガス雰囲気中で加熱処理が行なわれる場合、ガス供給装置6は、窒素ガスを加熱ユニット110へ供給する。なお、加熱ユニット110は、抵抗加熱またはランプ加熱によって加熱処理を行なう。
【0091】
このように、封止装置100は、部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)を真空中または窒素ガス雰囲気中で加熱処理して、部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)に含まれる水分を除去した後に、上述した動作によって有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する封止装置である。
【0092】
したがって、封止装置100を用いた場合の封止方法は、図10に示すフローチャートのステップS10の前に、部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)を加熱ユニット110によって加熱処理するステップを追加したフローチャートに従って実行される。
【0093】
封止装置100を用いた場合、水分含有量をさらに低減して有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を不活性ガス(窒素ガス)雰囲気中へ封止できる。
【0094】
[実施の形態2]
図12は、実施の形態2による封止装置の概略図である。図12を参照して、実施の形態2による封止装置10Aは、図1に示す封止装置10の貼合ユニット5を貼合ユニット5Aに代えたものであり、その他は、封止装置10と同じである。
【0095】
貼合ユニット5Aは、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20と、ガラス30とを大気圧よりも高い加圧状態で接触させ、その後、2枚のガラス20,30間の間隔を広くして2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力を略大気圧に設定して紫外線硬化樹脂80を硬化させ、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する。
【0096】
図13は、図12に示す貼合ユニット5Aの構成を示す概略図である。図13を参照して、貼合ユニット5Aは、図3に示す貼合ユニット5と同じ構成からなる。ただし、貼合ユニット5Aにおいては、駆動部56は、ガラス20の一主面20Aに塗布された紫外線硬化樹脂80にガラス30を接触させた後、アーム部材54が上方向(z軸の正方向)へ移動するように伸縮部材55を収縮させる。また、駆動部58は、ガラス20の一主面20Aに塗布された紫外線硬化樹脂80にガラス30を接触させた後、アーム部材52A,52Bがチャンバ51の底部51Aの方向へ移動するように伸縮部材59A,59Bを延伸させる。
【0097】
つまり、貼合ユニット5Aは、ガラス30を紫外線硬化樹脂80に接触させた後、ガラス20,30のいずれか一方をz軸方向に移動させて、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力が略大気圧になるように2枚のガラス20,30間の距離を所定の距離に設定する。
【0098】
図14は、図13に示す貼合ユニット5Aにおける貼り合わせの基本原理を説明するための概略図である。図14を参照して、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70がガラス20の一主面20Aに配置され、紫外線硬化樹脂80が有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を囲むようにガラス20の一主面20Aに塗布されている。
【0099】
有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20が貼合ユニット5Aへ搬入されると、ガス供給装置6は、貼合ユニット5Aのチャンバ51内へ窒素ガスを供給し、チャンバ51内の圧力を大気圧よりも高い100kPaG以内まで加圧する。
【0100】
そして、ガラス30を紫外線硬化樹脂80に接触させる。この場合、2枚のガラス20,30間の間隔d1は、紫外線硬化樹脂80の高さH1に等しく、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REGの圧力は、大気圧よりも高い100kPaG以内である(図14の(a)参照)。
【0101】
その後、領域REG内の圧力が略大気圧になるように、2枚のガラス20,30間の間隔d1を間隔d3まで広くする(図14の(b)参照)。間隔d1を間隔d3まで広くすることによって、領域REGの体積が大きくなるため、領域REG内の圧力は低くなる。そして、この状態で紫外線硬化樹脂80を硬化させて有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する。
【0102】
このように、貼合ユニット5Aは、チャンバ51内を大気圧よりも高い加圧状態に保持したまま、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を囲み、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力が略大気圧になるように2枚のガラス20,30間の間隔を広くして有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を窒素ガス雰囲気中で封止する。
【0103】
したがって、間隔d3は、領域REG内の圧力を略大気圧にするための所定の間隔である。
【0104】
図15は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を2枚のガラス20,30で封止する動作を説明するための一部の工程図である。なお、図15に示す工程図は、図8に示す工程図に対応するものである。
【0105】
図15を参照して、ガラス20,30が貼合ユニット5Aへ搬入され、ガラス30がガラス20に塗布された紫外線硬化樹脂80に接触するまでの工程は、図7に示す工程と同じである。
【0106】
ガラス30がガラス20に塗布された紫外線硬化樹脂80に接触した状態において、2枚のガラス20,30間の間隔は、間隔d1である。その後、2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d3まで広くする。この場合、2枚のガラス20,30間の間隔を広くする方法として2つの方向がある。1つ目の方法は、図7の(b)に示す状態からアーム部材54を上方向(z軸の正方向)へ移動させ、ガラス30をガラス20の一主面20Aから遠ざける方法である。2つ目の方法は、図7の(b)に示す状態からアーム部材52A,52Bをチャンバ51の底部51Aの方向へ移動させ、ガラス20をガラス30から遠ざける方法である。
【0107】
すなわち、2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d3まで広くする方法は、2つのガラス20,30のいずれか一方を移動させて2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d3まで広くする方法であればよい。
【0108】
なお、2つ目の方法でガラス20をガラス30から遠ざける場合、駆動部58は、伸縮部59A,59Bを延伸してアーム部材52A,52Bをチャンバ51の底部51Aの方向へ移動させる。
【0109】
ガラス30が紫外線硬化樹脂80に接触すると、上述した2つの方法のいずれかの方法によって2枚のガラス20,30間の間隔を間隔d1から間隔d3まで広くする(図15の(c−1)参照)。そして、ポンプ11は、2枚のガラス20,30間の間隔が広くなり始めたら、チャンバ51内を排気し始める。
【0110】
これは、次の理由による。2枚のガラス20,30間の間隔が広くなると、上述したように、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REGの圧力は大気圧まで低くなるが、領域REG以外のチャンバ51内の圧力を加圧状態に保持すると、領域REG外の圧力の方が高くなり、領域REG外から領域REG内の方向へ圧力が印加され、紫外線硬化樹脂80が破れる虞があるからである。
【0111】
2枚のガラス20,30間の間隔が間隔d3になると、ランプユニット60の紫外線ランプ61が点灯され、紫外線ランプ61は、窓59を介して紫外線UVを紫外線硬化樹脂80に照射し、紫外線硬化樹脂80を硬化させる(図15の(d−1)参照)。そして、紫外線硬化樹脂80が硬化すると、一連の動作は終了する。
【0112】
図16は、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力の実施の形態2におけるタイミングチャートである。図16において、曲線k3は、2枚のガラス20,30間の距離のタイミングチャートを示し、曲線k4は、紫外線硬化樹脂80および2枚のガラス20,30によって囲まれた領域REG内の圧力のタイミングチャートを示す。
【0113】
2枚のガラス20,30間の距離は、タイミングt3まで間隔d1に保持され、タイミングt3からタイミングt4までの間、徐々に長くなり、タイミングt4以降、間隔d3に保持される。
【0114】
一方、領域REG内の圧力は、タイミングt3まで圧力P3(大気圧よりも高い加圧状態)に保持され、タイミングt3からタイミングt4までの間、徐々に減少し、タイミングt4以降、圧力P1(=略大気圧)に保持される。そして、ポンプ11は、タイミングt3からタイミングt4までの間、貼合ユニット5Aのチャンバ51から窒素ガスを排気する。
【0115】
このように、領域REG内の圧力は、2枚のガラス20,30間の距離が長くなることに連動して徐々に低くなる。
【0116】
なお、図16においては、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力は、直線状に変化するように示されているが、この発明においては、これに限らず、2枚のガラス20,30間の距離および領域REG内の圧力は、曲線的に変化するようにしてもよい。
【0117】
図17は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する封止方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。図17に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS14,S18,S20をそれぞれステップS14A,S18A,S20Aに代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
【0118】
上述したステップS12の後、ガス供給装置6は、貼合ユニット5Aのチャンバ51内へ窒素ガスを供給し、チャンバ51内の圧力を所定の圧力まで加圧する(ステップS14A)。
【0119】
その後、上述したステップS16が実行され、ステップS16の後、ガラス30(第2のガラス)をガラス20(第1のガラス)の一主面20Aから遠ざけ、ガラス30(第2のガラス)とガラス20(第1のガラス)との間の距離を所定の距離(=間隔d3)に設定するとともに(ステップS18A)、ポンプ11は、ガラス30(第2のガラス)の移動に連動して、チャンバ51内を排気し、ガラス20(第1のガラス)およびガラス30(第2のガラス)と紫外線硬化樹脂80とによって囲まれた領域REG外の圧力を大気圧まで徐々に減圧する(ステップS20A)。
【0120】
そして、上述したステップS22が実行され、紫外線硬化樹脂80が硬化される。これによって、一連の動作は終了する。
【0121】
実施の形態2においては、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する場合、2枚のガラス20,30間の間隔を最初に間隔d1に保持し、その後、間隔を間隔d3まで広くするのは、2枚のガラス20,30が紫外線硬化樹脂80に接着していることを確認するようにするためである。そして、2枚のガラス20,30間の間隔が広くなると、2枚のガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の体積が増加し、領域REG内の圧力が低くなるので、領域REG内を最初、加圧状態に保持し、2枚のガラス20,30間の間隔を広くした状態で略大気圧になるように2枚のガラス20,30間の間隔を設定するとともに、領域REG外の圧力も略大気圧に設定する。
【0122】
したがって、領域REG外から領域REG内へ圧力が印加されず、紫外線硬化樹脂80が破れることがない。
【0123】
なお、実施の形態2による封止装置は、図12に示す封止装置10Aに図11に示す加熱ユニット110およびポンプ111を追加したものであってもよい。これによって、水分含有量をさらに低減して有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を不活性ガス(窒素ガス)雰囲気中で封止できる。
【0124】
図12に示す封止装置10Aに図11に示す加熱ユニット110およびポンプ111を追加した封止装置における封止方法は、図17に示すフローチャートのステップS10の前に、部品(=有機エレクトロルミネッセンス表示素子70)を加熱ユニット110によって加熱処理するステップを追加したフローチャートに従って実行される。
【0125】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0126】
なお、上記においては、ガラス20,30および有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を大気圧よりも低い圧力または大気圧よりも高い圧力の雰囲気中に配置してガラス30を有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20に近づけて紫外線硬化樹脂80に接触させ、その後、ガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力が略大気圧になるように2つのガラス20,30間の距離を調整した後に紫外線硬化樹脂80を硬化させて有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止すると説明したが、この発明は、一般的には、ガラス20,30および有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を大気圧と異なる圧力の雰囲気中に配置してガラス30を有機エレクトロルミネッセンス表示素子70が配置され、かつ、紫外線硬化樹脂80が塗布されたガラス20に近づけて紫外線硬化樹脂80に接触させ、その後、ガラス20,30および紫外線硬化樹脂80によって囲まれた領域REG内の圧力が略大気圧になるように2つのガラス20,30間の距離を調整した後に紫外線硬化樹脂80を硬化させて有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止する封止装置または封止方法であればよい。
【0127】
また、上記においては、不活性ガスとして水分含有量が100ppm以下の窒素ガスを用いると説明したが、この発明においては、これに限らず、水分含有量が100ppm以下のアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスが用いられればよい。
【0128】
さらに、この発明においては、不活性ガス中の水分含有量は、100ppm以下に限らず、1000ppm以下であればよい。
【0129】
さらに、上記においては、封止装置10,10A,100は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子70を封止すると説明したが、この発明においては、これに限らず、封止装置10,10A,100は、液晶表示素子等の有機エレクトロルミネッセンス表示素子70以外の表示素子を封止するようにしてもよい。
【0130】
この発明においては、塗布ユニット4は、「塗布手段」を構成する。また、アーム部材52A,52B,54、チャック部53、台座部材53A,53B、筒部材54A,54B、レール部材55A,55B、伸縮部55,59A,59B、支持台56A,56B、および駆動部56,58は、「設定手段」を構成する。
【0131】
さらに、紫外線ランプ61は、「硬化手段」を構成し、加熱ユニット110は、「加熱処理手段」を構成する。
【0132】
さらに、チャック部53、アーム部材54、伸縮部54および駆動部56は、「接触手段」を構成する。
【0133】
さらに、チャック部53、アーム部材54、伸縮部54および駆動部56、またはアーム部材52A,52B、台座部材53A,53B、筒部材54A,54B、レール部材55A,55B、伸縮部59A,59B、支持台56A,56Bおよび駆動部58は、「移動手段」を構成する。
【0134】
さらに、ポンプ11は、「減圧手段」を構成し、ガス供給装置6は、「加圧手段」を構成する。
【0135】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0136】
この発明は、樹脂を破ることなく素子を封止する封止装置に適用される。また、この発明は、樹脂を破ることなく素子を封止する封止方法に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】この発明の実施の形態1による封止装置の概略図である。
【図2】図1に示す塗布ユニットの構成を示す概略図である。
【図3】図1に示す貼合ユニットの構成を示す概略図である。
【図4】図1に示す封止装置が封止の対象とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の断面構造図である。
【図5】紫外線硬化樹脂の塗布方法を説明するための図である。
【図6】図2に示す貼合ユニットにおける貼り合わせの基本原理を説明するための概略図である。
【図7】有機エレクトロルミネッセンス表示素子を2枚のガラスで封止する動作を説明するための第1の工程図である。
【図8】有機エレクトロルミネッセンス表示素子を2枚のガラスで封止する動作を説明するための第2の工程図である。
【図9】2枚のガラス間の距離および領域内の圧力のタイミングチャートである。
【図10】有機エレクトロルミネッセンス表示素子を封止する封止方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
【図11】実施の形態1による封止装置の他の概略図である。
【図12】実施の形態2による封止装置の概略図である。
【図13】図12に示す貼合ユニットの構成を示す概略図である。
【図14】図13に示す貼合ユニットにおける貼り合わせの基本原理を説明するための概略図である。
【図15】有機エレクトロルミネッセンス表示素子を2枚のガラスで封止する動作を説明するための一部の工程図である。
【図16】2枚のガラス間の距離および領域内の圧力の実施の形態2におけるタイミングチャートである。
【図17】有機エレクトロルミネッセンス表示素子を封止する封止方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
【符号の説明】
【0138】
1 洗浄ユニット、2 受付ユニット、3 搬送ユニット、4 塗布ユニット、5,5A 貼合ユニット、6 ガス供給装置、7〜9,11,111 ポンプ、10,10A,100 封止装置、12 矢印、20,30 ガラス、20A 一主面、41,51 チャンバ、41A,51A 底部、42,52 ベアリング、42A,42B 支持部材、43 ペン部材、43A,43B,53A,53B 台座部材、44,47A,47B,56,57A,57B,58 駆動部、44A,44B,54A,54B 筒部材、45,52A,52B アーム部材、54A,45B,55A,55B レール部材、46 機構部、46A,46B,56A,56B 支持台、47 制御部、48 チューブ、49 タンク、53 チャック部、55,59A,59B 伸縮部材、57 固定部材、58A,58B 顕微鏡、59 窓、60 ランプユニット、61 紫外線ランプ、70,70A,70B 有機エレクトロルミネッセンス表示素子、71 基板、72 陽電極、73 正孔注入輸送層、74 発光層、75 電子注入輸送層、76 陰電極、80 紫外線硬化樹脂、110 加熱ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子を第1および第2の基板間に封止する封止装置であって、
前記第1の基板の一主面上に配置された前記素子を囲むように前記一主面に樹脂を塗布する塗布手段と、
大気圧と異なる所定の圧力を有し、かつ、不活性ガスで満たされた雰囲気内において、前記樹脂が塗布された前記一主面に向かって前記第2の基板を移動させ、前記樹脂に前記第2の基板を接触させるとともに、前記第2の基板を前記一主面の法線方向に移動させて前記第1および第2の基板間の距離を所定の距離に設定する設定手段と、
前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離に設定された状態で前記樹脂を硬化させる硬化手段とを備え、
前記所定の距離は、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域の圧力が略大気圧になる距離である、封止装置。
【請求項2】
前記素子を真空中または前記不活性ガス雰囲気中で加熱処理する加熱処理手段をさらに備え、
前記塗布手段は、前記加熱処理手段による加熱処理の後に前記樹脂を前記一主面に塗布する、請求項1に記載の封止装置。
【請求項3】
前記所定の圧力は、前記大気圧よりも低い圧力である、請求項1または請求項2に記載の封止装置。
【請求項4】
前記設定手段は、
前記雰囲気内において、前記第2の基板を前記一主面に近づけて前記第2の基板を前記樹脂に接触させる接触手段と、
前記雰囲気内において、前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離になるように前記第1および第2の基板を相互に近づける移動手段とを含む、請求項3に記載の封止装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記移動手段による前記第1または第2の基板の移動に連動して、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を前記略大気圧まで加圧する加圧手段をさらに含む、請求項4に記載の封止装置。
【請求項6】
前記所定の圧力は、前記大気圧よりも高い圧力である、請求項1または請求項2に記載の封止装置。
【請求項7】
前記設定手段は、
前記雰囲気内において、前記第2の基板を前記一主面に近づけて前記第2の基板を前記樹脂に接触させる接触手段と、
前記雰囲気内において、前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離になるように前記第1および第2の基板を相互に遠ざける移動手段とを含む、請求項6に記載の封止装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記移動手段による前記第1または第2の基板の移動に連動して、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を前記略大気圧まで減圧する減圧手段をさらに含む、請求項7に記載の封止装置。
【請求項9】
前記樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、
前記硬化手段は、前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する紫外線ランプである、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の封止装置。
【請求項10】
前記素子は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の封止装置。
【請求項11】
前記不活性ガスの水分含有率は、100ppm以下である、請求項10に記載の封止装置。
【請求項12】
素子を第1および第2の基板間に封止する封止方法であって、
前記第1の基板の一主面上に配置された前記素子を囲むように前記一主面に樹脂を塗布する第1のステップと、
大気圧と異なる所定の圧力を有し、かつ、不活性ガスで満たされた雰囲気内において、前記樹脂が塗布された前記一主面に向かって前記第2の基板を移動させ、前記樹脂に前記第2の基板を接触させるとともに、前記第2の基板を前記一主面の法線方向に移動させて前記第1および第2の基板間の距離を所定の距離に設定する第2のステップと、
前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離に設定された状態で前記樹脂を硬化させる第3のステップとを備え、
前記所定の距離は、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域の圧力が略大気圧になる距離である、封止方法。
【請求項13】
前記素子を真空中または前記不活性ガス雰囲気中で加熱処理する第4のステップをさらに備え、
前記第1から第3のステップは、前記第4のステップの後に実行される、請求項12に記載の封止方法。
【請求項14】
前記所定の圧力は、前記大気圧よりも低い圧力であり、
前記第2のステップは、
前記素子が配置され、かつ、前記樹脂が塗布された前記第1の基板と、前記第2の基板とを前記不活性ガス中に搬入する第1のサブステップと、
前記搬入された前記第1および第2の基板の周囲を前記所定の圧力まで減圧する第2のサブステップと、
前記一主面に向かって前記第2の基板を近づけて前記樹脂に前記第2の基板を接触させる第3のサブステップと、
前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離になるように前記第1および第2の基板を相互に近づける第4のサブステップとを含む、請求項12または請求項13に記載の封止方法。
【請求項15】
前記第2のステップは、前記第4のサブステップにおける前記第1または第2の基板の移動に連動して、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで加圧する第5のサブステップをさらに含む、請求項14に記載の封止方法。
【請求項16】
前記所定の圧力は、前記大気圧よりも高い圧力であり、
前記第2のステップは、
前記素子が配置され、かつ、前記樹脂が塗布された前記第1の基板と、前記第2の基板とを前記不活性ガス中に搬入する第1のサブステップと、
前記搬入された前記第1および第2の基板の周囲を前記所定の圧力まで加圧する第2のサブステップと、
前記一主面に向かって前記第2の基板を近づけて前記樹脂に前記第2の基板を接触させる第3のサブステップと、
前記第1および第2の基板間の距離が前記所定の距離になるように前記第1および第2の基板を相互に近づける第4のサブステップとを含む、請求項12または請求項13に記載の封止方法。
【請求項17】
前記第2のステップは、前記第4のサブステップにおける前記第1または第2の基板の移動に連動して、前記第1および第2の基板と前記樹脂とによって囲まれた領域以外の領域の圧力を略大気圧まで減圧する第5のサブステップをさらに含む、請求項16に記載の封止方法。
【請求項18】
前記樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、
前記第3のステップは、紫外線を前記紫外線硬化樹脂に照射する、請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の封止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−18900(P2007−18900A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199708(P2005−199708)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(396025872)株式会社大日本科研 (9)
【出願人】(592041306)株式会社美和製作所 (5)
【Fターム(参考)】