説明

射出成形機ならびにこのための液圧駆動ユニット

【課題】射出成形機のための液圧駆動ユニットを提供する。
【解決手段】可塑化スクリュと、射出ユニットの動きと可塑化スクリュの射出ストロークや再追加圧ストロークのための駆動ユニットを有する射出ユニット、射出の際の金型閉鎖力を発生するための駆動ユニットを有する形状拘束ユニット、及び工作物突出し装置用の駆動ユニットとを有する射出成形機であって、この駆動ユニットの少なくとも1つが、液圧ポンプと、液圧シリンダと、液圧シリンダを制御するための1つ以上の制御弁とを有する液圧駆動ユニットであり、液圧駆動ユニットの作動液が電気流動学的液体であり、液圧シリンダ用の少なくとも1つの制御弁がER弁であって、このER弁が、電気流動学的液体用の少なくとも1つの貫流間隙2と、この貫流間隙を介して電気制御フィールドに印加するための平面コンデンサ配列Kとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文(上位概念部分、所謂おいて部分、プリアンブル部分)に記載した特徴を有する射出成形機、ならびに請求項11の前文に係る対応の工作機械用液圧駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
同一範疇の射出成形機は、このような機械タイプの通常の構成要素、すなわち、可塑化スクリュと、射出ユニットそれ自体の運動及び可塑化スクリュの射出及び再追加圧ストローク(Nachdruckhub)を発生するための駆動ユニットと、を有する射出ユニットを備える。さらに、通常、固定及び可動金型取付板が設けられ、この取付板にそれぞれの型半部が取り付けられる。必要な場合には、いわゆるスリープレート機械(Drei-Platten-Maschine)の場合、可動金型取付板を摺動させる形状拘束ユニット(インターロックユニット、相互係合ユニット)用の別の支持板が設けられる。後者は、可動金型取付板の型閉鎖及び型開放運動を発生するための、また射出の際にいわゆる金型閉鎖力を適用するための、駆動ユニットを備える。最後に、対応する駆動ユニットを有する工作物突出し装置が金型取付板に設けられる。
【0003】
射出成形機は、それらの駆動ユニットに関して、本来、液圧機械として構想され、かなり以前から、特定の駆動軸がサーボモータのような電気機械式駆動ユニットによって制御されている。同様に、いわゆる全電気式の機械がすでに一般的である。
【0004】
本発明は、駆動ユニットの少なくとも1つが液圧式に形成され、それに応じて、液圧ポンプ、液圧シリンダならびに1つ又は複数の制御弁が液圧シリンダを制御するために設けられる射出成形機に関する。
【0005】
公知の液圧駆動ユニットの場合、射出成形機のそれぞれ駆動すべきこれらの軸の運動速度は、比例サーボ弁又は制御ポンプを介して制御される。この場合、通常のゼロ・ワン弁は、30〜60msのスイッチオン又はスイッチオフ遅れを実現する。制御ポンプの動的特性は同様の時間範囲にある。より短い応答時間を有するサーボ弁が公知であるが、サーボ弁は非常に高価であり、15〜20msの範囲の応答時間では、同様に、射出成形機にとってまだ最適ではない。
【0006】
このような機械は、個々の軸の制御の動的特性によって機械の精密度及び応答速度が決定されるという事実によって際立っている。例えば、可塑化スクリュの場合に射出加圧から再追加圧に切り換える間の液圧アクチュエータの時間遅れは、不利である。スクリュ運動の動的特性は、金型内の圧力オーバシュートを回避するために、この切換点の近傍で大きく低減しなければならない。圧力オーバシュートは、型分離面の領域におけるいわゆる過剰射出又は「フラッシュ(Schwimmhaeute)」を引き起こし、射出成形材料それ自体を損傷し、その中に応力を引き起こし、この応力は、製造された製品の変形をその後もたらす可能性がある。一致する問題が、電磁射出成形機にも現れるが、この理由は、射出成形機で使用される電気回転駆動装置が避けがたい質量慣性モーメントを有し、したがって、同様に十分に急速にかつ動的に、2つの動作状態の間で切り換えることができないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の記述した問題を出発点として、本発明の課題は、特に射出成形機内で使用される弁の切換時間に関し駆動動的特性を劇的に改善できるように、少なくとも1つの液圧駆動ユニットを有する射出成形機を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、請求項1又は11の特徴部分に提示した特徴によって、
−液圧駆動ユニットの作動液が電気流動学的液体であり、
−液圧シリンダ用の少なくとも1つの制御弁が、
=電気流動学的液体用の少なくとも1つの貫流間隙と、
=貫流間隙を介して電気制御フィールドに印加するためのコンデンサ配列と、を有する電気流動学的(=ER)弁であることによって解決される。
【0009】
ER弁をベースとする液圧駆動ユニットの特別な利点は、弁の非常に高い動的特性であり、0〜100%の調整範囲に対して2〜4msの大きさ規模にある。この制御弁挙動をベースとして、さらになおはるかに動的に作動することができるこのように制御された液圧シリンダを用いて非常に正確な位置決めを行うことができる。全体として、関連の構成要素の小さな質量に伴う応答時間の著しい短縮により、通常の液圧式によっても、電気式射出成形機によっても達成されない駆動システムの全体の動的特性が達成される。特に射出側では、発明によって制約される性質によって、サーボ制御される射出成形機に対し少なくとも5倍速いことが可能な射出加圧・再追加圧・曲線移行が可能である。さらに、形状拘束ユニットの場合の位置決め精度は、高速用途の場合でも、コストが明らかにより低い匹敵する電気機械的な解決方法と同一である。この場合に有利なことは、ER弁をベースとする技術のため、このような高速用途を標準機械から構造的に導くことができることである。最終的に、システム全体は、液圧式射出成形機と匹敵する高いエネルギ密度を有する。
【0010】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの液圧ポンプに、圧力下にある電気流動学的液体用の作動液貯蔵器が付設される。作動液貯蔵器と結合された電気流動学的液体の供給により、供給側のポンプ・貯蔵器の組み合わせのため、高い負荷ピークが生じないことが達成される。ポンプは、実質的にベース負荷で作動することができ、作動液貯蔵器調整のそれぞれの負荷状態の揺動角の再調整によって一定の出力に調整することができる。したがって、モータを定格負荷で常に運転することができ、これによって、機械利用者のために、エネルギ供給者からの最適なエネルギ購入条件が達成される。
【0011】
別の好ましい実施形態によれば、本発明は、必要な場合には中央ユニットとして射出ユニットや形状拘束ユニットのすべての駆動ユニット用の1つ以上の液圧貯蔵器を有した1つ以上の液圧ポンプを、状態に適応させて分布させること、あるいは液圧貯蔵器を有した液圧ポンプを個々に又はサブグループで様々な駆動ユニットに分布させることを想定している。
【0012】
液圧シリンダは、二方向シリンダとして形成されることが好ましく、いわゆる、シリンダの「挟み込み運転(eingespannten Betrieb)」を可能にする。制御は、それぞれ、4つのER弁から成るH弁完全ブリッジを介して行うことができる。この構成は、構想として、電動機が正と負の動作電圧の間のIGBTブリッジの対角線に位置する電気式サーボ駆動装置と比較可能である。その限りでは、基本的な制御技術上の形態は、電気式サーボ駆動装置を有する公知の機械から本発明による機械に転用することができる。したがって、この新規の機械の制御技術上の構造が著しく容易になる。
【0013】
別の好ましい実施形態によれば、ER弁を液圧シリンダに一体化することができる。これによって、特にコンパクトな駆動ユニットが実現される。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態は、環状間隙弁としてのER弁の形成に関する。通常の間隙幅は、0.2〜1.0mmの範囲にあり、したがって、公差技術上、対応する公差要件が通常マイクロメータの範囲にあるサーボ弁の製造よりもはるかに簡単に支配可能である。ER弁の環状間隙の巧みな構成の場合、好ましくは並列接続の多くの個々の弁ユニットから成る弁群としてER弁を構成することによって、例えば好ましくは>0.5の開口比(Oeffnungsverhaeltnisse)が実現される。したがって、ER弁アクチュエータの寸法は、比較可能な当然はるかに緩慢な液圧弁の範囲にある。大きな開放比は、この関連で、接続されない弁の開放状態における低い流動抵抗にとって重要である。
【0015】
別の好ましい実施形態は、機械のそれぞれの数の軸の制御を担う少なくとも2つのER弁を1つの弁ブロックに統合することに関する。これによって、機械軸を制御するための構造的に有利な構造群が実現される。
【0016】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、以下の説明から理解され、添付図面を参照して実施例で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電気流動学的な個別の弁ユニットの概略縦断面図である。
【図2】電気流動学的弁の横断面図である。
【図3】二方向液圧シリンダの制御の液圧図である。
【図4】2つの異なる実施形態の射出成形機の斜視図である。
【図5】2つの異なる実施形態の射出成形機の斜視図である。
【図6】別の実施形態の射出成形機の部分斜視図である。
【図7】射出成形機の射出加圧挙動又は再追加圧挙動を説明するための時間圧力グラフである。
【図8】2つの軸を制御するためのER弁ブロックの部分的に取り除いた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して、電気流動学的に動作する弁ユニット1の機能方法について最初に説明する。出発点は、液圧媒体としての電気流動学的液体の使用である。このようなER液体は、印加された電場に依存してその流動学、すなわち、その流動特性を変える。切換え可能な弁機能を実現するために、今や、弁間隙(図1による実施例では、環状間隙2)が平面コンデンサ配列Kの形態で、中央の棒電極3と、この棒電極を囲む円筒状のハウジング4との間に置かれる。ER液体が等しいか又はより小さい動粘度を有する限り、従来の作動液に対応する特性を有する弁が接続されない場合、この環状間隙を通してER液体が流れる。
【0019】
電位Uを棒電極3に印加すると、このコンデンサ配列Kを通して環状間隙2を越えて、接地されたハウジング4に電場が形成され、この電場によってER液体の粘度が高められる。十分に高い粘着性では、環状間隙2を通した液体伝導が不可能になり、したがって、液圧液の流れは中断され、弁がすなわち「ロック」に切り換えられる。
【0020】
ER弁ユニット1を設計するための広範囲の仕様を回避するために、M. Zaunの論文「短い応答時間の駆動装置」、O+P 5/2005、2〜6ページが参照され、この論文では、電気流動学的液体をベースとするシリンダ駆動装置が詳細に記述されている。環状間隙2の間隙幅がほぼ0.2〜1mmの範囲にあることができることが単に確認される。電極3とハウジング4との間の電場の強さは、実際に3000〜5000V/mmの大きさにある。ER作動液として、例えば、Fludicon GmbH,Darmstadtの製品「RheOil」を使用することができる。
【0021】
図2は、多くの弁ユニット1をER弁5にグループ化することを示している。円筒状の外側ハウジング6には、軸方向に平行の多くの縦孔8を有する挿入体7が組み込まれる。挿入体7は、個々の弁ユニット1の外部電極又はアースを形成する。縦孔8に、高圧電極として形成されたそれぞれ1つの棒電極3が挿入され、この場合、棒電極3と縦孔8の内壁との間に環状間隙2が留まる。挿入体7の前端には、それぞれ1つの流動空間が留まり、この流動空間は、流入部9又は観測方向に流入部と面一の図2では認識できない流出口と結合している。ER弁5の図示した構造は、0.5の大きな開放比を有する。弁装置全体は、小さな流動抵抗及び簡単な構造を特徴とする。
【0022】
図3には、二方向シリンダ10として形成された液圧シリンダのH完全ブリッジ11を用いた制御が示されている。液圧液をタンク13から引く液圧ポンプ12を出発点として、平行に接続された弁5.1、5.2それぞれを介して、ピストン14の両側に位置する液圧シリンダ10の2つの動作空間15.1、15.2に液圧液が供給される。両方の動作空間は、さらに、再びそれぞれ1つのER弁5.3、5.4を介してタンク13と結合している。
【0023】
図3の矢印方向PLにシリンダを操作するために、弁5.2は開放したままであり、すなわち制御されず、これに対し、コンデンサ配列Kにより弁5.1に電圧が供給され、したがって弁をロックする。交互に、弁5.3が開放され、弁5.4が閉鎖される。この組合せでは、ピストン14が矢印方向PLに移動される。
【0024】
高動的な制御のため、僅か数ミリ秒以内に、弁5.1、5.4を正確に正反対に制御することができ、この結果、弁5.1と5.4が開放され、弁5.2と5.3が閉鎖される。次に、ピストン14は正反対の方向PRに進む。
【0025】
液圧回路で液圧媒体として使用される電気流動学的液体は、研磨性であってはならないであろう。電極3とハウジング4との間の電場を介した低い電気損失を実現するために、作動液はさらに絶縁性である。
【0026】
次に、図4〜図6で、ER弁が備えられかつ作動液としての電気流動学的液体により作動される射出成形機の様々な実施形態について説明する。図4には、通常の機械フレーム16を有する射出成形機が示され、機械フレームには機械構成要素用の対応する制御部を有する配電盤キャビネット17が格納されている。機械フレーム16の上に、一方で、可塑化シリンダ19を有する射出ユニット18、及び射出ユニット18の移動運動によって固定金型取付板20にドッキング可能な射出ノズル21が配置されている。射出ユニット18の外側の端部には、可塑化シリンダ19内の詳細に示していないスクリュの回転運動のための電気機械的又は液圧駆動装置22が示されている。
【0027】
さらに、機械フレーム16の上に全体を23で示した形状拘束ユニットが配置され、このユニットは、水平のコラム24の上で固定金型取付板20に対し可動の金型取付板25を備える。金型取付板20、25の間に、両方の型半部を有する図面に詳細に示していない射出金型が固定されている。コラム24は、固定金型取付板20と反対側の可動金型取付板25の背面の支持板26に軸受されている。支持板26と可動金型取付板25との間に、液圧式に駆動されるニーレバー機構27が設けられ、それを用いて射出過程中に可動金型取付板25の開閉及び型の閉鎖が実施される。
【0028】
ニーレバー機構27は、図3を参照して詳細に説明したように、ER弁5を介して制御可能な液圧シリンダ10を介して操作可能である。電気流動学的作動液それ自体は、機械フレーム16の射出ユニット21の下方に取り付けられた液圧ポンプ12を介して提供され、この液圧ポンプに液圧貯蔵器28が付設される。
【0029】
さらに図4に示されているように、別のER弁5’が可動金型取付板20のより小さな液圧シリンダ36と連結され、この結果、そこで液圧式に制御される工作物用の突出し装置37を同様に操作することができる。図8から明らかなように、図4に示したER弁5、5’は、弁ブロック29に統合することができ、したがって、この弁ブロックは、射出成形機の2つの軸の液圧シリンダを操作するために(すなわち、図4のような例えば形状結合及び突出しストローク)設計される。このため、ER弁5が頭部側で組立ホルダ30に統合され、このホルダは、ER弁5の個々の構成要素の機械的な固定を引き受け、電極3の電源の絶縁を保証し、また流体導管31を収容する。
【0030】
図5に示した射出成形機の実施形態の場合、形状拘束ユニット23の領域の弁ブロック29の他に、このような別の弁ブロック32が射出ユニット18の領域に設けられ、このブロックを介して、射出ユニット18の運動のために液圧シリンダ33が、ならびに可塑化スクリュの射出運動及び復帰運動のために液圧駆動装置34が制御可能である。この場合、液圧貯蔵器28を有する液圧ポンプ12は、詳細に示していない作動液導管を介して、両方の弁ブロック29と32に電気流動学的作動液を供給する。
【0031】
図6に示した実施形態の場合、射出ユニットから切り離され、形状拘束ユニット23及び突出し装置37用の別個の液圧構造群35が設けられる。それに応じて、この液圧構造群35は、機械フレーム16の上にER弁ブロック29の傍に取り付けられ、固有の液圧貯蔵器28及び固有の液圧ポンプ12を備える。
【0032】
その他、図5と図6に示した射出成形機は、図4による実施形態に対応する。一致する構成要素には、同一の参照番号が付与され、繰り返しを避けるために図4の対応する説明が指摘される。
【0033】
図7は、最後に、スクリュ送り及びスクリュ復帰の例における電気流動学的な液圧構成要素を用いた射出成形機の駆動装置の実現の利点を明らかにしている。このように、このグラフでは、スクリュから発生された圧力は射出過程中に時間関係で記録される。このように、t=0から時点t=tまでの射出過程の際に、射出加圧はその最大基準値Pmaxまで上昇する。通常の比較的緩慢な駆動装置では、オーバシュートの危険性があり(図7の点線参照)、この結果、冒頭に記述した負の影響を有する最大の許容射出加圧を超過する。これに対し、急速ER弁を用いて、真っ直ぐな理想曲線を明らかにより良く達成することができる。この理想曲線では、非常に急速に、射出加圧を再追加圧値Pに下方制御することができる。点線の「実際の曲線」の場合、ここでも、オーバシュートのように同様に不都合であるアンダシュートを調整することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 弁
2 環状間隙
3 中央の棒電極
4 ハウジング
5 ER弁
5’ ER弁
5.1 弁
5.2 弁
5.3 ER弁
5.4 ER弁
6 外側ハウジング
7 挿入体
8 縦孔
9 流入部
10 二方向シリンダ
11 H完全ブリッジ
12 液圧ポンプ
13 タンク
14 ピストン
15.1 動作空間
15.2 動作空間
16 機械フレーム
17 配電盤キャビネット
18 射出ユニット
19 可塑化シリンダ
20 固定金型取付板
21 射出ノズル
22 電気機械的又は液圧駆動装置
23 形状拘束ユニット
24 コラム
25 可動金型取付板
26 支持板
27 ニーレバー機構
28 液圧貯蔵器
29 弁ブロック
30 組立ホルダ
31 流体導管
32 弁ブロック
33 液圧シリンダ
34 液圧駆動装置
35 液圧構造群
36 液圧シリンダ
37 突出し装置
K 平面コンデンサ配列
PL 矢印方向
max 最大基準値
再追加圧値
U 電位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 射出ユニット(18)の動きのためと可塑化スクリュの射出ストローク及び再追加圧ストロークのための可塑化スクリュ・駆動ユニット(34)を有する射出ユニット(18)と、
− 固定金型取付板及び可動金型取付板(20、25)と、
− 前記可動金型取付板(25)の型閉鎖や型開放の動きを発生し射出の際の金型閉鎖力を発生するための駆動ユニット(10)を有する形状拘束ユニット(23)と、
− 工作物突出し装置(37)用の駆動ユニット(36)と、を有する射出成形機であって、
前記3種の駆動ユニット(10、34、36)の少なくとも1つが、液圧ポンプ(12)と、液圧シリンダ(10、34)と、前記液圧シリンダ(10、34)を制御するための1つ以上の制御弁(5)とを有する液圧駆動ユニットである射出成形機において、
− 前記液圧駆動ユニット(10、34、36)の作動液が電気流動学的液体であり、
− 液圧シリンダ(10、34、36)用の少なくとも1つの制御弁が電気流動学的(=ER)弁(5)であって、このER弁が、電気流動学的液体用の少なくとも1つの貫流間隙(2)と、この貫流間隙(2)を介して電気制御フィールドに印加するための平面コンデンサ配列(K)と、を有することを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
少なくとも1つの液圧ポンプ(12)に、圧力下にある電気流動学的液体用の作動液貯蔵器(28)が付設されていることを特徴とする、請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
必要な場合には、射出ユニット及び形状拘束ユニット(18、23)の複数の、好ましくはすべての駆動ユニット(10、34、36)用の液圧貯蔵器(28)を備えた中央液圧ポンプ(12)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の射出成形機。
【請求項4】
射出ユニット及び形状拘束ユニット(18、23)の、及び/又は突出し装置(37)の各々の駆動ユニット(10、34、36)に、個々に又はサブグループで、必要な場合には液圧貯蔵器(28)を有する別々の液圧ポンプ(12)が付設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記液圧シリンダ(10、34)が、二方向シリンダとして形成され、4つのER弁(5.1〜5.4)から成るH弁完全ブリッジ(11)を介してそれぞれ制御されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記ER弁が液圧シリンダに一体化されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記ER弁が環状間隙弁(5)として形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記環状間隙弁(5)が、電位を導く芯棒(3)と、環状間隙間隔で前記芯棒を囲む接地されたハウジング(4)とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記ER弁(5)が、好ましくは並列接続の多くの個別弁ユニット(1)から成る弁群として組み立てられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項10】
射出成形機のそれぞれ1つの駆動されるべき軸のための少なくとも2つのER弁(5)が、弁ブロック(29)内に統合されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項11】
液圧ポンプ(12)と、液圧シリンダ(10、34、36)と、液圧シリンダ(10、34)を制御するための1つ以上の制御弁(5)とを有する工作機械用、特に射出成形機用の液圧駆動ユニットにおいて、
− 前記液圧駆動ユニット(10、34、36)の作動液が電気流動学的液体であり、
− 液圧シリンダ用の少なくとも1つの制御弁が、電気流動学的(=ER)弁(5)であって、このER弁が、電気流動学的液体用の少なくとも1つの貫流間隙(2)と、この貫流間隙(2)を介して電気制御フィールドに印加するための平面コンデンサ配列(K)と、を有することを特徴とする液圧駆動ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−161919(P2011−161919A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21659(P2011−21659)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(509076753)スミトモ (エスエイチアイ) デマーク プラスチックス マシナリー ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】