射出成形複合構造体及び該構造体を成形するための工具
構造体が、容器を形成するように一群のパネル上に射出成形される。これらのパネルは容器の空洞の周囲に少なくとも部分的に延びると共に該空洞を少なくとも部分的に画定する。容器を成形する工具が開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は包括的に複合構造体に関し、より詳細には、射出成形特徴部付きのカートンに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年12月28日に出願された米国仮特許出願第61/017,348号の利益を主張する。上記に参照として挙げた仮特許出願の内容全体は、全ての目的のため、その全体が本明細書に提示されているかのように参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0003】
概して、本開示の一態様は包括的に、容器であって、底部パネルと、該底部パネルから上向きに延びると共に該容器の空洞の周囲に少なくとも部分的に延びて該容器の該空洞を少なくとも部分的に画定する複数の側部パネルとを備える容器に関する。複数のマルチパートフランジが、複数の側部パネルの各側部パネルの上縁から外向きに延び、該マルチパートフランジの少なくとも1つは、各側部パネルの上縁から外向きに延びる下部フランジ部を含む。中間部が、下部フランジ部の外縁から上向きに延び、上部フランジ部が、該中間部から外向きに延びる。バンドが、上部フランジ部の上表面、及び下部フランジ部の上表面の双方に射出成形される。バンドは、上部フランジ部の縁から外向きに延びる細長い部分を含む。
【0004】
別の態様では、本開示は包括的に、射出成形特徴部を有する容器を形成するためのブランクに関する。ブランクは、底部パネルと、それぞれ底部パネルに接続されると共に該底部パネルから外向きに延びる複数のフラップとを含む。複数のフラップは、第1のフラップ、及び該第1のフラップに隣接する第2のフラップを含む。第1のフラップと第2のフラップとの間に間隙が画定される。間隙の少なくとも内側部分は底部パネルから遠くになるにつれて広くなる。第1のフラップは第1の隅部片(corner tab)を有し、第2のフラップは第2の隅部片を有する。第1の隅部片及び第2の隅部片は、ブランクの辺部における間隙の幅を狭めるように内向きに突出する。第1の隅部片及び第2の隅部片は、射出成形特徴部の形成を容易にする形状である。
【0005】
別の態様では、本開示は包括的に、容器を成形するための工具に関する。工具は、ブランクを受け入れるように動作可能であるキャビティを含む。キャビティは、容器の少なくとも1つの側壁を成形するための少なくとも1つの側壁、及び容器の少なくとも1つのフランジを成形するための少なくとも1つのフランジ壁を有する。コアが、キャビティに動作可能に接続される。コアは、キャビティに入って、容器になるようにブランクを少なくとも部分的に成形するように動作可能である。工具は、キャビティ及びコアから少なくとも部分的に形成される射出キャビティを含む。射出キャビティは、液体樹脂を受け取って該液体樹脂をブランクの周囲の少なくとも一部の周りに導く。射出キャビティは、高流量(advanced-flow)セクション及び低流量(delayed-flow)セクションを含む。高流量セクションは、低流量セクションよりも断面積が大きい。高流量セクションは、キャビティの少なくとも1つの側壁に隣接して位置し、低流量セクションは、高流量セクションから外向きにフランジ壁を超えて延びる。
【0006】
別の態様では、本開示は包括的に、射出成形特徴部を有する容器を成形する方法に関する。該方法は、ブランクを用意するステップ、成形工具にブランクを入れるステップを含む。工具は、高流量セクション及び低流量セクションを有する射出キャビティを含む。該方法は次いで、ブランクが工具内にある状態のまま工具を閉じるステップであって、閉じた工具内で三次元物品になるように該ブランクを成形する、工具を閉じるステップを含む。三次元物品は少なくとも1つの側壁及び該側壁から延びるフランジを有する。該方法は次いで、物品が閉じた工具内にある状態のまま該物品に射出成形特徴部を成形するステップを含む。射出成形特徴部を成形するステップは、高流量セクションにおいて樹脂が低流量セクションにおける樹脂よりも高い流量で流れるように、樹脂を射出キャビティに射出するステップを含む。高流量セクションは少なくとも1つの側壁に隣接し、低流量セクションは高流量セクションから外向きにフランジを超えて延びる。該方法は次いで、射出成形特徴部付きの物品を工具から取り出すステップを含む。
【0007】
当業者は、以下に挙げる図面を参照しながら種々のさらなる実施形態の以下の詳細な説明を読めば、それらの実施形態の上述の利点並びに他の利点及び利益が分かるであろう。
【0008】
一般的慣行に従い、以下に説明する図面の種々の特徴部は必ずしも原寸に比例して描かれていない。本開示の実施形態をより明確に例示するため、図面中の種々の特徴部及び要素の寸法は拡大又は縮小されているものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施形態の容器を形成するためのブランクの平面図である。
【図2】図1の拡大部分を示す図である。
【図3】図1の拡大部分を示す図である。
【図4】図1のブランクから成形された容器の上面図である。
【図5】図4の平面5−5に沿った断面図である。
【図6】図4の容器の隅部の底面図である。
【図7】図4の容器の隅部の内部の斜視図である。
【図8】容器になるように部分的に成形された、図1のブランクの上面図である。
【図9】容器から取り外された射出成形フレームの斜視図である。
【図10】容器を成形するための工具の概略図である。
【図11A】ブランクの一部が容器になるように成形されている、閉じた状態の工具の概略図である。
【図11B】容器がさらに成形された、図11Aと同様の図である。
【図12】成形工具のキャビティの斜視図である。
【図13】キャビティの上面図である。
【図13A】キャビティの拡大部分を示す図である。
【図14】キャビティの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面全体を通じて、対応する部品には対応する参照符号が付されている。
【0011】
図1は、構造体すなわち容器2(図4)を形成するためのブランク1を示す。容器2は、該容器の周囲に延びるバンド7を含む射出成形構造体すなわちフレーム5(図4)を有する。バンド7は、ブランク1の幾つかの部分と協働して容器2のフランジ8を形成し、容器の上面を形成する。図示の実施形態では、容器2は4つの隅部9、11、13、15を有する略直方体状であり、射出成形構造体5は容器の各隅部にそれぞれのストリップ17、19、21、23を有する。ブランク1は、図10乃至図14に少なくとも部分的に例示する成形工具151によって容器2になるように成形され得る。
【0012】
図1に示すように、ブランクは長手軸L1及び横軸L2を有する。図示の実施形態では、ブランク1は長手中心線CL及び横中心線CTを有する。一実施形態では、ブランク1は、横中心線CTを中心に対称であるが、他の形状とすることもできる。ブランク1は、底部パネル31及び4つの側部パネル又はフラップ33、35、37、39を備える。図示の実施形態では、側部パネル33、35、37、39は底部パネル31に折り曲げ可能につながっているが、ブランク1には、側部パネルを底部パネル31に折り曲げ可能につなぐ予成形された折り目はない。代替的に、本開示から逸脱しない限り、ブランク1は予成形された折り目を含むことができる。側部パネル33、35、37、39のそれぞれは、容器2のフランジ8になるように形成されるフランジ部分41、43、45、47を側部パネルのそれぞれの辺縁に含む。図1に示すように、フランジ部分41、43、45、47のそれぞれは、各側部パネル33、35、37、39の各両端に延びる線49、51、53、57によって画定される。線49、51、53、57は、予成形された折り目とすることができ、容器2の側部パネル33、35、37、39の上縁を示す境界線若しくは表示線とすることができるか、又は、容器になるようにブランク1が成形される際、成形工具151によって成形することができる。
【0013】
図2及び図3は、ブランク1の各部分の拡大図であり、図2は隣接し合う側部パネル33、35間の第1の隅部間隙51を示し、図3は隣接し合う側部パネル35、37間の第2の隅部間隙53を示す。側部パネル33、35は縁61、63付の各隅部片57、59を有する。図示の実施形態では、ブランク1が容器になるように成形される際、隅部片57が隅部片59に重なる。図3に示すように、側部パネル35は、隅部片59とは別に、該側部パネルの対向する長手方向端部に隅部片65を有し、側部パネル37は、隅部間隙53に隅部片67を有する。ブランク1が容器になるように成形される際、隅部片65が隅部片67に重なる。隅部片65は縁69を有し、隅部片67は縁71を有する。第1の隅部間隙51の隅部片57、59はそれぞれ、ブランク1の縁辺における第1の隅部間隙の幅を狭めるように内向きに突出している。第2の隅部間隙53の隅部片65、67はそれぞれ、ブランク1の縁辺における第2の隅部間隙の幅を狭めるように内向きに突出している。第1の隅部間隙51はさらに、隅部片57、59のそれぞれの縁61、63から内向きに延びる、フラップ33、35の縁73、75によって画定される。第2の隅部間隙53はさらに、隅部片65、67のそれぞれの縁69、71から内向きに延びる、フラップ35、37の縁77、79によって画定される。
【0014】
一実施形態では、隅部片59は、側部パネル35の対向する長手方向端部にある隅部片65の長さD2よりも短い長さD1を有する。さらに、隅部片67は、隅部間隙53を画定する隅部片65と同じ長さD2を有する形状である。一実施形態では、長さD2は長さD1の少なくとも約1.25倍であるが、本開示から逸脱しない限り、ブランクは他の構成としてもよい。
【0015】
図4に示すように、容器2は、側部パネル33、35、37、39が底部パネル31から上向きに延びて食品(不図示)を収容する空洞85を画定するようにブランク1から成形される。射出成形構造体5のストリップ17、19、21、23のそれぞれは、各側部パネル33、35、37、39間の各隅部間隙51、53を覆う。図5に示すように、側部パネルのうち側部パネル33について、容器2のフランジ8は、該側部パネルの上縁89から外向きに延びる下部フランジ部87、該下部フランジ部から上向きに延びる中間部91、及び該中間部から外向きに延びる上部フランジ部93を含む。図示の実施形態では、他の側部パネル35、37、39におけるフランジ8は、図5の部分断面図に示すのと実質的に同一の形状であるが、他の形状、配置及び/又は構成としてもよい。
【0016】
図5に示すように、フランジ8は、上部フランジ部93及び下部フランジ部87に重なる、射出成形構造体5のバンド7を含む。バンド7は、下部フランジ部87に重なると共に側部パネル33の上縁89及び中間部91に隣接する内側部95を含む。バンド7は、内側部95から延びると共に上部フランジ部93に重なる外側部97を含む。図示の実施形態では、外側部97は、上部フランジ部93の半径方向外縁99を超えて延びる細長い部分である。一実施形態では、バンド7の内側部95は該バンドの細長い外側部97よりも断面積が大きい。バンド7は、該バンドの内側部95及び外側部97間に実質的に一続きの平らな上面を含む。
【0017】
図6に示すように、隅部片65、67は重なると容器2の隅部11に保持部103を形成する。保持部103は、フランジ8の上部フランジ部93(外向きに延びる)を容器2の隅部9、11、13、15に含んでいるため、バンド7の外側部97(上部フランジ部93の外縁99を超えて延びる)の量が容器2のそれらの隅部において低減する。保持部103により、容器2の隅部9、11、13、15におけるバンド7の形成が容易となり、それらの隅部で容器の剛性が増す。
【0018】
図7に示すように、隅部11においてバンド7から下方に延びるストリップ19が第1の上部隅部107及び第2の上部隅部109を有する。第1の上部隅部107は第2の上部隅部109よりも曲率半径が大きい。同様に、隅部13におけるストリップ21はストリップ19と同様の形状である。以下に説明するように、第1の上部隅部107の曲率半径がより大きいことにより、ストリップ19を成形する射出成形材料の流れが容易となる。図示の実施形態では、容器2の隅部9、15のストリップ17、23は、第1の上部隅部108、及び、ストリップ19、21の第2の上部隅部109と同様の形状である第2の上部隅部110を有する。
【0019】
図8及び図9に示すように、射出成形構造体5(図9)はブランク1(図8)から分離している。図8に示すように、側部パネル33、35、37、39の縁辺は容器のフランジ8の形状を有する。隅部片57、59及び隅部片65、67のそれぞれは、隅部間隙51、53を拡げるように離されている。窪み111が辺の折り目113によって画定されており、辺の折り目113はブランク1の縁から内向きに離間している。辺の折り目113は、容器2の射出成形フレーム5の最も内側の縁114に対応する。隅部間隙53のそれぞれにおいて、辺の折り目113は、容器2の各隅部11、13における射出成形構造体のストリップ19、21のそれぞれの第1の上部隅部107及び第2の上部隅部109にそれぞれ対応する第1の上部隅部115及び第2の上部隅部117を有する。隅部間隙51のそれぞれにおいて、辺の折り目113は、ストリップ17、23の第1の上部隅部108及び第2の上部隅部110にそれぞれ対応する第1の上部隅部115及び第2の上部隅部117を有する。隅部間隙51、53のそれぞれにおいて、辺の折り目113の第1の上部隅部115は、辺の折り目の第2の上部隅部117よりも曲率半径が大きい。辺の折り目113、ブランク1及び/又は射出成形構造体5は他の形状、配置及び/又は構成としてもよい。
【0020】
図10は、容器2を成形するための成形工具151の一実施形態を示す。成形工具151はキャビティ153とコア155を備えており、キャビティ153及びコア155は、容器2の形状にブランク1を成形するように動作可能である。さらに、成形工具151は、容器2の射出成形構造体5を成形するようにブランク1の周囲に射出成形材料(例えば樹脂)を射出する射出キャビティ157を有する。本開示から逸脱しない限り、他の場合では、成形工具151以外の工具から容器2を成形することもできる。
【0021】
図示の実施形態では、キャビティ153はベース部159、及び該ベース部に可動に接続される関節部(articulated portion)161を有する。コア155はベース部163及び関節部165を有し、関節部165は該コアのベース部に可動に接続される。ばね167、169が各関節部161、165に接続される。コア155は、工具151がキャビティ153の形状にブランク1をプレス成形するように閉じられる際に該キャビティに入るように動作可能である。
【0022】
図12乃至図14に示すように、キャビティ153は、容器2の側壁33、35、37、39の形状に対応する4つの側壁171、173、175、177を有する。キャビティ153は、側壁171、173、175、177に対しほぼ垂直に延びると共にキャビティ153の周囲に延びるフランジ壁181を有する。フランジ壁181は、側部パネル33、35、37、39のフランジ部分41、43、45、47の形状を有する、容器2のフランジ8を形成する形状である。キャビティ153は、容器の隅部9、11、13、15を成形する形状である隅部183、185、187、189を有する。
【0023】
コア155及びキャビティ153を閉じると、射出キャビティ157が形成される。図11Aに示すように、射出キャビティは、射出成形構造体5のバンド7の内側部95を成形する高流量セクション191を側壁171、173、175、177に隣接して有する。低流量セクション193が高流量セクション191から横方向に外向きに位置すると共に、フランジ壁181から横方向に外向きに延びる。低流量セクション193は、射出成形構造体5のバンド7の外側部97を成形する。高流量セクション191は、低流量セクション193よりも断面積が大きく、そのため、射出成形材料(例えば樹脂)が低流量セクションにおける射出成形材料よりも高い流量でキャビティ153の周囲に流れる。高流量セクション191におけるより高い流量の射出成形材料により、キャビティ153のフランジ壁181に下部フランジ部87及び上部フランジ部93がしっかり押し当たることで、射出成形材料が下部フランジ部及び/又は上部フランジ部とキャビティのフランジ壁との間に流れないようにする。
【0024】
一実施形態では、射出キャビティ157の高流量セクション191は、キャビティ153の隅部183、185、187、189のそれぞれに隅部領域195、197、199、201を有する。隅部領域195、197、199、201は、射出成形構造体5のストリップ17、19、21、23を成形する形状である。射出成形材料は、射出ポート205において、又はキャビティ153の、側壁171に隣接する一端でフランジ壁より下に位置するゲートバルブにおいて、射出キャビティ157に導入される。図示の実施形態では、射出ポート205は、キャビティ153の長手中心線LCに位置しているが、他の位置としてもよい。射出ポート205は、射出成形構造体5に欠陥部207を成形する。
【0025】
図4及び図7に示すように、射出成形材料は、射出ポート205を通じて導入されると、容器2の周囲に矢印A1、A2の方向に流れる。矢印A1は、射出成形材料が低流量セクション193の射出成形材料よりも高い流量で流れる高流量セクション191の概ねの位置を示すように、矢印A2よりも長くなっている。高流量セクション191における射出成形材料の流れは、射出成形材料のフローフロント215(図7に概略的に図示)を形成し、このフローフロント215は、低流量セクション193における射出成形材料のフローフロント217(図7に概略的に図示)の前にある。
【0026】
図12及び図13に示すように、射出ポート205から最も遠くに離れた、キャビティ153の隅部185、187は、ストリップ19、21の第1の上部隅部107を成形するカットアウト211を有する。カットアウト211は、隅部185、187での高流量セクション191における射出成形材料の流れを容易にする。図7に示すように、カットアウト211により、高流量セクション191での矢印A1の方向の流れが、容器の各隅部11、13のストリップ19、21を成形することが可能となる。カットアウト211により、高流量セクション191における射出成形材料のフローフロント215が、射出キャビティ157の低流量セクション193における射出成形材料のフローフロント217の前に滞留することが可能となる。
【0027】
容器2及び射出成形構造体5は、同一人に譲渡された2007年3月8日に出願の米国特許出願第11/715,718号(以下「‘718号出願」)’(全ての目的のため、その内容全体が本明細書に参照により援用される)に記載の容器及び射出成形構造体と同様の特性を有し得る。さらに、容器2及び射出成形構造体5は、‘718号出願に開示されているのと同様の方法、工具、装置等によって成形され得る。容器2及び射出成形構造体5は、‘718号出願に開示されているのと同様の材料から成形することができる。射出成形構造体5は、典型的には高分子材料から構成されるが、他の種の材料から構成することもできる。
【0028】
容器2及びブランク1は、2つ以上の層を含む積層から成形することができるが、代替的に、積層の代わりに、板紙、ボール紙、紙又は高分子シート等が挙げられるがこれらに限定されない単層の材料を用いることができる。本開示の例示的な実施形態によれば、積層は、ボール紙、板紙又は任意の他の適した材料の形態とすることができる基材によって支持されると共に該基材に固定される高分子フィルムを有し得る。代替的に、板紙及び高分子フィルムの代わりに任意の他の適した材料を用いることができるため、例えば本開示の基材は板紙等に限定されない。それにもかかわらず、例示的な実施形態によれば、基材は典型的にはクレーコート板紙である。明らかであるべき通り、板紙はより一般的に基材として特徴付けられることができ、適した基材として、クレーコーティング、着色剤、インディシア等を含み得るコーティングのような典型的な補足材料を有する又は有しない板紙を挙げることができる。さらに、容器2は、‘718号出願(全ての目的のため、その内容全体が本明細書に参照により援用される)に開示されている材料のような、他の材料、積層、基材等を含むことができる。容器2は、‘718号出願に記載されているマイクロ波相互作用材料等のマイクロ波エネルギー相互作用材料を含むことができる。本開示から逸脱しない限り、容器2は他のマイクロ波エネルギー相互作用材料又は他の材料を含んでいてもよい。
【0029】
本開示の例示的な実施形態によれば、ブランクは板紙、段ボール紙、又は少なくとも実質的に上述の各機能性を可能にするのに適した特性を有する他の材料から形成することができる。板紙は典型的には、普通の紙より重く、且つより硬質であるような厚さを有し、段ボール紙は典型的には、板紙より重く、且つより硬質であるような厚さを有する。一般的に、少なくとも板紙又はボール紙の側面(該板紙又はボール紙から組み立てられたカートンにおいて外側表面となる)は、クレーコーティング等でコーティングされる。クレーコーティングは、製品、広告、価格コード、及びその他の情報又は画像で、重ねて印刷することができる。その場合、ブランクはニスでコーティングして、ブランクの上に印刷されたいかなる情報も保護するようにしてもよい。また、ブランクは片側面又は両側面上を例えば水分バリア層でコーティングしてもよい。また、ブランクは1つ又は複数のシート様材料にラミネートすることができるか又は該材料でコーティングすることができる。
【0030】
上記の開示記載は、本開示の種々の実施形態を例示及び説明している。本開示の範囲から逸脱しない限り、上記構成において種々の変更を行うことができるため、上記記載に含まれるか又は添付の図面に示される全ての事項は、例示として解釈されるべきであって限定の意味で解釈されるべきではないことが意図される。さらに、本開示の範囲は、上述の実施形態の種々の変形、組合せ及び変更等を包含する。さらに、本開示は、該開示の選択された実施形態のみを示し説明しているが、種々の他の組合せ、変更及び環境での使用が可能であり、本明細書に明示される通りの、上記教示と同等の、且つ/又は関連技術の技能又は知識内での本発明の概念の範囲内の変更又は変形が可能である。さらに、各実施形態の幾つかの特徴及び特性は、選択的に入れ替えてもよく、且つ、本開示の範囲から逸脱しない限り、該開示の他の例示及び非例示の実施形態に適用してもよい。
【技術分野】
【0001】
本開示は包括的に複合構造体に関し、より詳細には、射出成形特徴部付きのカートンに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年12月28日に出願された米国仮特許出願第61/017,348号の利益を主張する。上記に参照として挙げた仮特許出願の内容全体は、全ての目的のため、その全体が本明細書に提示されているかのように参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0003】
概して、本開示の一態様は包括的に、容器であって、底部パネルと、該底部パネルから上向きに延びると共に該容器の空洞の周囲に少なくとも部分的に延びて該容器の該空洞を少なくとも部分的に画定する複数の側部パネルとを備える容器に関する。複数のマルチパートフランジが、複数の側部パネルの各側部パネルの上縁から外向きに延び、該マルチパートフランジの少なくとも1つは、各側部パネルの上縁から外向きに延びる下部フランジ部を含む。中間部が、下部フランジ部の外縁から上向きに延び、上部フランジ部が、該中間部から外向きに延びる。バンドが、上部フランジ部の上表面、及び下部フランジ部の上表面の双方に射出成形される。バンドは、上部フランジ部の縁から外向きに延びる細長い部分を含む。
【0004】
別の態様では、本開示は包括的に、射出成形特徴部を有する容器を形成するためのブランクに関する。ブランクは、底部パネルと、それぞれ底部パネルに接続されると共に該底部パネルから外向きに延びる複数のフラップとを含む。複数のフラップは、第1のフラップ、及び該第1のフラップに隣接する第2のフラップを含む。第1のフラップと第2のフラップとの間に間隙が画定される。間隙の少なくとも内側部分は底部パネルから遠くになるにつれて広くなる。第1のフラップは第1の隅部片(corner tab)を有し、第2のフラップは第2の隅部片を有する。第1の隅部片及び第2の隅部片は、ブランクの辺部における間隙の幅を狭めるように内向きに突出する。第1の隅部片及び第2の隅部片は、射出成形特徴部の形成を容易にする形状である。
【0005】
別の態様では、本開示は包括的に、容器を成形するための工具に関する。工具は、ブランクを受け入れるように動作可能であるキャビティを含む。キャビティは、容器の少なくとも1つの側壁を成形するための少なくとも1つの側壁、及び容器の少なくとも1つのフランジを成形するための少なくとも1つのフランジ壁を有する。コアが、キャビティに動作可能に接続される。コアは、キャビティに入って、容器になるようにブランクを少なくとも部分的に成形するように動作可能である。工具は、キャビティ及びコアから少なくとも部分的に形成される射出キャビティを含む。射出キャビティは、液体樹脂を受け取って該液体樹脂をブランクの周囲の少なくとも一部の周りに導く。射出キャビティは、高流量(advanced-flow)セクション及び低流量(delayed-flow)セクションを含む。高流量セクションは、低流量セクションよりも断面積が大きい。高流量セクションは、キャビティの少なくとも1つの側壁に隣接して位置し、低流量セクションは、高流量セクションから外向きにフランジ壁を超えて延びる。
【0006】
別の態様では、本開示は包括的に、射出成形特徴部を有する容器を成形する方法に関する。該方法は、ブランクを用意するステップ、成形工具にブランクを入れるステップを含む。工具は、高流量セクション及び低流量セクションを有する射出キャビティを含む。該方法は次いで、ブランクが工具内にある状態のまま工具を閉じるステップであって、閉じた工具内で三次元物品になるように該ブランクを成形する、工具を閉じるステップを含む。三次元物品は少なくとも1つの側壁及び該側壁から延びるフランジを有する。該方法は次いで、物品が閉じた工具内にある状態のまま該物品に射出成形特徴部を成形するステップを含む。射出成形特徴部を成形するステップは、高流量セクションにおいて樹脂が低流量セクションにおける樹脂よりも高い流量で流れるように、樹脂を射出キャビティに射出するステップを含む。高流量セクションは少なくとも1つの側壁に隣接し、低流量セクションは高流量セクションから外向きにフランジを超えて延びる。該方法は次いで、射出成形特徴部付きの物品を工具から取り出すステップを含む。
【0007】
当業者は、以下に挙げる図面を参照しながら種々のさらなる実施形態の以下の詳細な説明を読めば、それらの実施形態の上述の利点並びに他の利点及び利益が分かるであろう。
【0008】
一般的慣行に従い、以下に説明する図面の種々の特徴部は必ずしも原寸に比例して描かれていない。本開示の実施形態をより明確に例示するため、図面中の種々の特徴部及び要素の寸法は拡大又は縮小されているものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施形態の容器を形成するためのブランクの平面図である。
【図2】図1の拡大部分を示す図である。
【図3】図1の拡大部分を示す図である。
【図4】図1のブランクから成形された容器の上面図である。
【図5】図4の平面5−5に沿った断面図である。
【図6】図4の容器の隅部の底面図である。
【図7】図4の容器の隅部の内部の斜視図である。
【図8】容器になるように部分的に成形された、図1のブランクの上面図である。
【図9】容器から取り外された射出成形フレームの斜視図である。
【図10】容器を成形するための工具の概略図である。
【図11A】ブランクの一部が容器になるように成形されている、閉じた状態の工具の概略図である。
【図11B】容器がさらに成形された、図11Aと同様の図である。
【図12】成形工具のキャビティの斜視図である。
【図13】キャビティの上面図である。
【図13A】キャビティの拡大部分を示す図である。
【図14】キャビティの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面全体を通じて、対応する部品には対応する参照符号が付されている。
【0011】
図1は、構造体すなわち容器2(図4)を形成するためのブランク1を示す。容器2は、該容器の周囲に延びるバンド7を含む射出成形構造体すなわちフレーム5(図4)を有する。バンド7は、ブランク1の幾つかの部分と協働して容器2のフランジ8を形成し、容器の上面を形成する。図示の実施形態では、容器2は4つの隅部9、11、13、15を有する略直方体状であり、射出成形構造体5は容器の各隅部にそれぞれのストリップ17、19、21、23を有する。ブランク1は、図10乃至図14に少なくとも部分的に例示する成形工具151によって容器2になるように成形され得る。
【0012】
図1に示すように、ブランクは長手軸L1及び横軸L2を有する。図示の実施形態では、ブランク1は長手中心線CL及び横中心線CTを有する。一実施形態では、ブランク1は、横中心線CTを中心に対称であるが、他の形状とすることもできる。ブランク1は、底部パネル31及び4つの側部パネル又はフラップ33、35、37、39を備える。図示の実施形態では、側部パネル33、35、37、39は底部パネル31に折り曲げ可能につながっているが、ブランク1には、側部パネルを底部パネル31に折り曲げ可能につなぐ予成形された折り目はない。代替的に、本開示から逸脱しない限り、ブランク1は予成形された折り目を含むことができる。側部パネル33、35、37、39のそれぞれは、容器2のフランジ8になるように形成されるフランジ部分41、43、45、47を側部パネルのそれぞれの辺縁に含む。図1に示すように、フランジ部分41、43、45、47のそれぞれは、各側部パネル33、35、37、39の各両端に延びる線49、51、53、57によって画定される。線49、51、53、57は、予成形された折り目とすることができ、容器2の側部パネル33、35、37、39の上縁を示す境界線若しくは表示線とすることができるか、又は、容器になるようにブランク1が成形される際、成形工具151によって成形することができる。
【0013】
図2及び図3は、ブランク1の各部分の拡大図であり、図2は隣接し合う側部パネル33、35間の第1の隅部間隙51を示し、図3は隣接し合う側部パネル35、37間の第2の隅部間隙53を示す。側部パネル33、35は縁61、63付の各隅部片57、59を有する。図示の実施形態では、ブランク1が容器になるように成形される際、隅部片57が隅部片59に重なる。図3に示すように、側部パネル35は、隅部片59とは別に、該側部パネルの対向する長手方向端部に隅部片65を有し、側部パネル37は、隅部間隙53に隅部片67を有する。ブランク1が容器になるように成形される際、隅部片65が隅部片67に重なる。隅部片65は縁69を有し、隅部片67は縁71を有する。第1の隅部間隙51の隅部片57、59はそれぞれ、ブランク1の縁辺における第1の隅部間隙の幅を狭めるように内向きに突出している。第2の隅部間隙53の隅部片65、67はそれぞれ、ブランク1の縁辺における第2の隅部間隙の幅を狭めるように内向きに突出している。第1の隅部間隙51はさらに、隅部片57、59のそれぞれの縁61、63から内向きに延びる、フラップ33、35の縁73、75によって画定される。第2の隅部間隙53はさらに、隅部片65、67のそれぞれの縁69、71から内向きに延びる、フラップ35、37の縁77、79によって画定される。
【0014】
一実施形態では、隅部片59は、側部パネル35の対向する長手方向端部にある隅部片65の長さD2よりも短い長さD1を有する。さらに、隅部片67は、隅部間隙53を画定する隅部片65と同じ長さD2を有する形状である。一実施形態では、長さD2は長さD1の少なくとも約1.25倍であるが、本開示から逸脱しない限り、ブランクは他の構成としてもよい。
【0015】
図4に示すように、容器2は、側部パネル33、35、37、39が底部パネル31から上向きに延びて食品(不図示)を収容する空洞85を画定するようにブランク1から成形される。射出成形構造体5のストリップ17、19、21、23のそれぞれは、各側部パネル33、35、37、39間の各隅部間隙51、53を覆う。図5に示すように、側部パネルのうち側部パネル33について、容器2のフランジ8は、該側部パネルの上縁89から外向きに延びる下部フランジ部87、該下部フランジ部から上向きに延びる中間部91、及び該中間部から外向きに延びる上部フランジ部93を含む。図示の実施形態では、他の側部パネル35、37、39におけるフランジ8は、図5の部分断面図に示すのと実質的に同一の形状であるが、他の形状、配置及び/又は構成としてもよい。
【0016】
図5に示すように、フランジ8は、上部フランジ部93及び下部フランジ部87に重なる、射出成形構造体5のバンド7を含む。バンド7は、下部フランジ部87に重なると共に側部パネル33の上縁89及び中間部91に隣接する内側部95を含む。バンド7は、内側部95から延びると共に上部フランジ部93に重なる外側部97を含む。図示の実施形態では、外側部97は、上部フランジ部93の半径方向外縁99を超えて延びる細長い部分である。一実施形態では、バンド7の内側部95は該バンドの細長い外側部97よりも断面積が大きい。バンド7は、該バンドの内側部95及び外側部97間に実質的に一続きの平らな上面を含む。
【0017】
図6に示すように、隅部片65、67は重なると容器2の隅部11に保持部103を形成する。保持部103は、フランジ8の上部フランジ部93(外向きに延びる)を容器2の隅部9、11、13、15に含んでいるため、バンド7の外側部97(上部フランジ部93の外縁99を超えて延びる)の量が容器2のそれらの隅部において低減する。保持部103により、容器2の隅部9、11、13、15におけるバンド7の形成が容易となり、それらの隅部で容器の剛性が増す。
【0018】
図7に示すように、隅部11においてバンド7から下方に延びるストリップ19が第1の上部隅部107及び第2の上部隅部109を有する。第1の上部隅部107は第2の上部隅部109よりも曲率半径が大きい。同様に、隅部13におけるストリップ21はストリップ19と同様の形状である。以下に説明するように、第1の上部隅部107の曲率半径がより大きいことにより、ストリップ19を成形する射出成形材料の流れが容易となる。図示の実施形態では、容器2の隅部9、15のストリップ17、23は、第1の上部隅部108、及び、ストリップ19、21の第2の上部隅部109と同様の形状である第2の上部隅部110を有する。
【0019】
図8及び図9に示すように、射出成形構造体5(図9)はブランク1(図8)から分離している。図8に示すように、側部パネル33、35、37、39の縁辺は容器のフランジ8の形状を有する。隅部片57、59及び隅部片65、67のそれぞれは、隅部間隙51、53を拡げるように離されている。窪み111が辺の折り目113によって画定されており、辺の折り目113はブランク1の縁から内向きに離間している。辺の折り目113は、容器2の射出成形フレーム5の最も内側の縁114に対応する。隅部間隙53のそれぞれにおいて、辺の折り目113は、容器2の各隅部11、13における射出成形構造体のストリップ19、21のそれぞれの第1の上部隅部107及び第2の上部隅部109にそれぞれ対応する第1の上部隅部115及び第2の上部隅部117を有する。隅部間隙51のそれぞれにおいて、辺の折り目113は、ストリップ17、23の第1の上部隅部108及び第2の上部隅部110にそれぞれ対応する第1の上部隅部115及び第2の上部隅部117を有する。隅部間隙51、53のそれぞれにおいて、辺の折り目113の第1の上部隅部115は、辺の折り目の第2の上部隅部117よりも曲率半径が大きい。辺の折り目113、ブランク1及び/又は射出成形構造体5は他の形状、配置及び/又は構成としてもよい。
【0020】
図10は、容器2を成形するための成形工具151の一実施形態を示す。成形工具151はキャビティ153とコア155を備えており、キャビティ153及びコア155は、容器2の形状にブランク1を成形するように動作可能である。さらに、成形工具151は、容器2の射出成形構造体5を成形するようにブランク1の周囲に射出成形材料(例えば樹脂)を射出する射出キャビティ157を有する。本開示から逸脱しない限り、他の場合では、成形工具151以外の工具から容器2を成形することもできる。
【0021】
図示の実施形態では、キャビティ153はベース部159、及び該ベース部に可動に接続される関節部(articulated portion)161を有する。コア155はベース部163及び関節部165を有し、関節部165は該コアのベース部に可動に接続される。ばね167、169が各関節部161、165に接続される。コア155は、工具151がキャビティ153の形状にブランク1をプレス成形するように閉じられる際に該キャビティに入るように動作可能である。
【0022】
図12乃至図14に示すように、キャビティ153は、容器2の側壁33、35、37、39の形状に対応する4つの側壁171、173、175、177を有する。キャビティ153は、側壁171、173、175、177に対しほぼ垂直に延びると共にキャビティ153の周囲に延びるフランジ壁181を有する。フランジ壁181は、側部パネル33、35、37、39のフランジ部分41、43、45、47の形状を有する、容器2のフランジ8を形成する形状である。キャビティ153は、容器の隅部9、11、13、15を成形する形状である隅部183、185、187、189を有する。
【0023】
コア155及びキャビティ153を閉じると、射出キャビティ157が形成される。図11Aに示すように、射出キャビティは、射出成形構造体5のバンド7の内側部95を成形する高流量セクション191を側壁171、173、175、177に隣接して有する。低流量セクション193が高流量セクション191から横方向に外向きに位置すると共に、フランジ壁181から横方向に外向きに延びる。低流量セクション193は、射出成形構造体5のバンド7の外側部97を成形する。高流量セクション191は、低流量セクション193よりも断面積が大きく、そのため、射出成形材料(例えば樹脂)が低流量セクションにおける射出成形材料よりも高い流量でキャビティ153の周囲に流れる。高流量セクション191におけるより高い流量の射出成形材料により、キャビティ153のフランジ壁181に下部フランジ部87及び上部フランジ部93がしっかり押し当たることで、射出成形材料が下部フランジ部及び/又は上部フランジ部とキャビティのフランジ壁との間に流れないようにする。
【0024】
一実施形態では、射出キャビティ157の高流量セクション191は、キャビティ153の隅部183、185、187、189のそれぞれに隅部領域195、197、199、201を有する。隅部領域195、197、199、201は、射出成形構造体5のストリップ17、19、21、23を成形する形状である。射出成形材料は、射出ポート205において、又はキャビティ153の、側壁171に隣接する一端でフランジ壁より下に位置するゲートバルブにおいて、射出キャビティ157に導入される。図示の実施形態では、射出ポート205は、キャビティ153の長手中心線LCに位置しているが、他の位置としてもよい。射出ポート205は、射出成形構造体5に欠陥部207を成形する。
【0025】
図4及び図7に示すように、射出成形材料は、射出ポート205を通じて導入されると、容器2の周囲に矢印A1、A2の方向に流れる。矢印A1は、射出成形材料が低流量セクション193の射出成形材料よりも高い流量で流れる高流量セクション191の概ねの位置を示すように、矢印A2よりも長くなっている。高流量セクション191における射出成形材料の流れは、射出成形材料のフローフロント215(図7に概略的に図示)を形成し、このフローフロント215は、低流量セクション193における射出成形材料のフローフロント217(図7に概略的に図示)の前にある。
【0026】
図12及び図13に示すように、射出ポート205から最も遠くに離れた、キャビティ153の隅部185、187は、ストリップ19、21の第1の上部隅部107を成形するカットアウト211を有する。カットアウト211は、隅部185、187での高流量セクション191における射出成形材料の流れを容易にする。図7に示すように、カットアウト211により、高流量セクション191での矢印A1の方向の流れが、容器の各隅部11、13のストリップ19、21を成形することが可能となる。カットアウト211により、高流量セクション191における射出成形材料のフローフロント215が、射出キャビティ157の低流量セクション193における射出成形材料のフローフロント217の前に滞留することが可能となる。
【0027】
容器2及び射出成形構造体5は、同一人に譲渡された2007年3月8日に出願の米国特許出願第11/715,718号(以下「‘718号出願」)’(全ての目的のため、その内容全体が本明細書に参照により援用される)に記載の容器及び射出成形構造体と同様の特性を有し得る。さらに、容器2及び射出成形構造体5は、‘718号出願に開示されているのと同様の方法、工具、装置等によって成形され得る。容器2及び射出成形構造体5は、‘718号出願に開示されているのと同様の材料から成形することができる。射出成形構造体5は、典型的には高分子材料から構成されるが、他の種の材料から構成することもできる。
【0028】
容器2及びブランク1は、2つ以上の層を含む積層から成形することができるが、代替的に、積層の代わりに、板紙、ボール紙、紙又は高分子シート等が挙げられるがこれらに限定されない単層の材料を用いることができる。本開示の例示的な実施形態によれば、積層は、ボール紙、板紙又は任意の他の適した材料の形態とすることができる基材によって支持されると共に該基材に固定される高分子フィルムを有し得る。代替的に、板紙及び高分子フィルムの代わりに任意の他の適した材料を用いることができるため、例えば本開示の基材は板紙等に限定されない。それにもかかわらず、例示的な実施形態によれば、基材は典型的にはクレーコート板紙である。明らかであるべき通り、板紙はより一般的に基材として特徴付けられることができ、適した基材として、クレーコーティング、着色剤、インディシア等を含み得るコーティングのような典型的な補足材料を有する又は有しない板紙を挙げることができる。さらに、容器2は、‘718号出願(全ての目的のため、その内容全体が本明細書に参照により援用される)に開示されている材料のような、他の材料、積層、基材等を含むことができる。容器2は、‘718号出願に記載されているマイクロ波相互作用材料等のマイクロ波エネルギー相互作用材料を含むことができる。本開示から逸脱しない限り、容器2は他のマイクロ波エネルギー相互作用材料又は他の材料を含んでいてもよい。
【0029】
本開示の例示的な実施形態によれば、ブランクは板紙、段ボール紙、又は少なくとも実質的に上述の各機能性を可能にするのに適した特性を有する他の材料から形成することができる。板紙は典型的には、普通の紙より重く、且つより硬質であるような厚さを有し、段ボール紙は典型的には、板紙より重く、且つより硬質であるような厚さを有する。一般的に、少なくとも板紙又はボール紙の側面(該板紙又はボール紙から組み立てられたカートンにおいて外側表面となる)は、クレーコーティング等でコーティングされる。クレーコーティングは、製品、広告、価格コード、及びその他の情報又は画像で、重ねて印刷することができる。その場合、ブランクはニスでコーティングして、ブランクの上に印刷されたいかなる情報も保護するようにしてもよい。また、ブランクは片側面又は両側面上を例えば水分バリア層でコーティングしてもよい。また、ブランクは1つ又は複数のシート様材料にラミネートすることができるか又は該材料でコーティングすることができる。
【0030】
上記の開示記載は、本開示の種々の実施形態を例示及び説明している。本開示の範囲から逸脱しない限り、上記構成において種々の変更を行うことができるため、上記記載に含まれるか又は添付の図面に示される全ての事項は、例示として解釈されるべきであって限定の意味で解釈されるべきではないことが意図される。さらに、本開示の範囲は、上述の実施形態の種々の変形、組合せ及び変更等を包含する。さらに、本開示は、該開示の選択された実施形態のみを示し説明しているが、種々の他の組合せ、変更及び環境での使用が可能であり、本明細書に明示される通りの、上記教示と同等の、且つ/又は関連技術の技能又は知識内での本発明の概念の範囲内の変更又は変形が可能である。さらに、各実施形態の幾つかの特徴及び特性は、選択的に入れ替えてもよく、且つ、本開示の範囲から逸脱しない限り、該開示の他の例示及び非例示の実施形態に適用してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、
底部パネルと、
前記底部パネルから上向きに延びると共に該容器の空洞の周囲に少なくとも部分的に延びて該容器の該空洞を少なくとも部分的に画定する複数の側部パネルと、
複数のマルチパートフランジであって、該複数のマルチパートフランジの各マルチパートフランジはそれぞれ、前記複数の側部パネルの各側部パネルの上縁から外向きに延び、該マルチパートフランジのうちの少なくとも1つは、前記各側部パネルの前記上縁から外向きに延びる下部フランジ部、該下部フランジ部の外縁から上向きに延びる中間部、及び該中間部から外向きに延びる上部フランジ部を有する、複数のマルチパートフランジと、
バンドであって、以下の:
前記上部フランジ部の上表面、及び
前記下部フランジ部の上表面
の双方に射出成形されるバンドと、
を備え、
前記バンドは、前記上部フランジ部の縁から外向きに延びる細長い部分を含む、容器。
【請求項2】
前記細長い部分は前記バンドの外側部であり、該バンドは前記各側部パネルの前記上縁に隣接する内側部を含み、該内側部は前記外側部よりも断面積が大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記内側部は前記下部フランジ部の前記上表面より上にある、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記外側部は前記上部フランジ部の前記上表面より上にある、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記バンドは平らな上表面を含み、該バンドの該平らな上表面は該バンドの前記内側部の上表面及び該バンドの前記外側部の上表面を含む、請求項2に記載の容器。
【請求項6】
前記細長い部分は前記容器の外縁を含み、該容器の該外縁は該容器の周囲に延びる、請求項2に記載の容器。
【請求項7】
前記側部パネルは前記容器の細長い隅部を少なくとも部分的に画定し、該容器は、該容器の該隅部に沿って延びると共に該隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップをさらに含む、請求項2に記載の容器。
【請求項8】
前記射出成形ストリップは、前記容器の前記細長い隅部において、前記バンドの前記内側部から下向きに延びる、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記射出成形ストリップは、前記容器の前記細長い隅部において、前記側部パネルの内表面に隣接する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記容器の前記細長い隅部は、前記側部パネルのそれぞれの縁の少なくとも一部の間に画定される間隙を含み、該間隙を前記射出成形ストリップが覆う、請求項8に記載の容器。
【請求項11】
前記上部フランジ部は、前記容器の前記細長い隅部に保持部を含み、該保持部は前記側部パネルの隅部片が重なることによって形成される、請求項7に記載の容器。
【請求項12】
前記バンド及び前記射出成形ストリップは射出成形構造体を構成する、請求項9に記載の容器。
【請求項13】
射出成形特徴部を有する容器を形成するブランクであって、
底部パネルと、
それぞれ前記底部パネルに接続されると共に該底部パネルから外向きに延びる複数のフラップと、
を備えており、
前記複数のフラップは、第1のフラップ、及び該第1のフラップに隣接する第2のフラップを含み、
前記第1のフラップと前記第2のフラップとの間に間隙が画定され、
前記間隙の少なくとも内側部は前記底部パネルから遠くになるにつれて広くなり、
前記第1のフラップは第1の隅部片を有し、前記第2のフラップは第2の隅部片を有し、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は、該ブランクの辺部における前記間隙の幅を狭めるように内向きに突出し、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は、前記射出成形特徴部の形成を容易にする形状である、ブランク。
【請求項14】
前記第1の隅部片は前記ブランクの長手方向に第1の長さを有し、前記第2の隅部片は前記ブランクの横方向に第2の長さを有する、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記第1の長さ及び前記第2の長さはほぼ等しい、請求項14に記載のブランク。
【請求項16】
前記間隙が少なくとも部分的に維持される構成になるように前記ブランクが組み立てられると、前記第1の隅部片の少なくとも一部及び前記第2の隅部片の少なくとも一部が互いに対して重なる関係となるように、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は構成される、請求項13に記載のブランク。
【請求項17】
請求項13のブランクから組み立てられると共に、射出成形フレームを有する、構造体であって、
前記ブランクは、前記間隙が少なくとも部分的に維持されるように組み立てられ、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は互いに対して重なる関係にあり、
前記間隙を前記射出成形フレームの一部が覆う、構造体。
【請求項18】
容器を成形する工具であって、
ブランクを受け入れるように動作可能であるキャビティであって、前記容器の少なくとも1つの側壁を成形する少なくとも1つの側壁、及び前記容器の少なくとも1つのフランジを成形する少なくとも1つのフランジ壁を有する、キャビティと、
前記キャビティに動作可能に接続されるコアであって、該キャビティに入って、前記容器になるように前記ブランクを少なくとも部分的に成形するように動作可能である、コアと、
前記キャビティ及び前記コアから少なくとも部分的に形成される射出キャビティであって、該射出キャビティは、液体樹脂を受け取って該液体樹脂を前記ブランクの周囲の少なくとも一部の周りに導き、該射出キャビティは、高流量セクション及び低流量セクションを含み、該高流量セクションは、該低流量セクションよりも断面積が大きく、該高流量セクションは、前記キャビティの少なくとも1つの側壁に隣接して位置し、該低流量セクションは、前記高流量セクションから外向きに前記フランジ壁を超えて延びる、射出キャビティと、
を備える、容器を成形する工具。
【請求項19】
前記高流量セクションは、前記低流量セクションよりも高い流量の樹脂の流れを可能にするように構成される、請求項18に記載の工具。
【請求項20】
前記射出キャビティは前記容器のフランジに射出成形バンドを成形し、前記低流量セクションは前記フランジの縁から外向きに延びる細長い部分を含む、請求項18に記載の工具。
【請求項21】
前記キャビティは前記高流量セクションの一部を形成する隅部を含み、該隅部は前記射出成形バンドから延びると共に前記容器の隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップを成形する、請求項20に記載の工具。
【請求項22】
前記隅部は、該隅部における前記高流量セクションへの樹脂の流れを容易にするカットアウトを含む、請求項21に記載の工具。
【請求項23】
前記射出キャビティに樹脂を流す射出ポートを含み、前記隅部は第1の隅部であり、前記キャビティは第2の隅部、第3の隅部及び第4の隅部をさらに含み、前記キャビティの前記第2の隅部は、前記容器の第2の隅部を画定し、該隅部における前記高流量セクションへの樹脂の流れを容易にするカットアウトを含む、請求項22に記載の工具。
【請求項24】
前記第1の隅部及び前記第2の隅部は共に、前記第3の隅部及び前記第4の隅部よりも前記射出ポートから遠くに離れて位置する、請求項23に記載の工具。
【請求項25】
射出成形特徴部を有する容器を成形する方法であって、
ブランクを用意するステップ、
高流量セクション及び低流量セクションを有する射出キャビティを含む成形工具に前記ブランクを入れるステップ、
次いで、前記ブランクが前記成形工具内にある状態のまま該成形工具を閉じるステップであって、前記閉じた成形工具内で三次元物品になるように該ブランクが成形され、該三次元物品は少なくとも1つの側壁及び該側壁から延びるフランジを有する、前記成形工具を閉じるステップ、
次いで、前記三次元物品が前記閉じた成形工具内にある状態のまま該三次元物品に射出成形特徴部を成形するステップであって、該成形するステップは、前記高流量セクションにおいて樹脂が前記低流量セクションにおける樹脂よりも高い流量で流れるように、樹脂を前記射出キャビティに射出するステップを含み、前記高流量セクションは前記少なくとも1つの側壁に隣接し、前記低流量セクションは前記高流量セクションから外向きに前記フランジを超えて延びる、射出成形特徴部を成形するステップ、及び
次いで、前記射出成形特徴部付きの前記三次元物品を前記成形工具から取り出すステップ、
を含む、方法。
【請求項26】
前記高流量セクションは、前記低流量セクションよりも高い流量の樹脂の流れを可能にするように構成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記射出成形特徴部を成形するステップは、前記容器のフランジに射出成形バンドを成形するステップを含み、前記低流量セクションは、前記フランジの縁から外向きに延びる細長い部分を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記三次元物品は隅部を含み、前記射出成形特徴部を成形するステップは、前記射出成形バンドから延びると共に前記三次元物品の隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップを前記射出キャビティの前記高流量セクションで成形するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記成形工具は、前記三次元物品の前記隅部での前記高流量セクションにおける樹脂の流れを容易にするカットアウトを有するキャビティを含み、該カットアウトへの樹脂の流れによって前記射出成形ストリップが成形される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記成形工具は前記射出キャビティに樹脂を流す射出ポートを含み、前記隅部は第1の隅部であり、前記三次元物品は第2の隅部、第3の隅部及び第4の隅部をさらに含み、前記カットアウトは第1のカットアウトであり、前記射出成形ストリップは第1の射出成形ストリップであり、前記キャビティは、前記射出成形特徴部の第2の射出成形ストリップを成形するように前記三次元物品の前記第2の隅部での前記高流量セクションにおける樹脂の流れを容易にする第2のカットアウトを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の隅部及び前記第2の隅部は共に、前記第3の隅部及び前記第4の隅部よりも前記射出ポートから遠くに離れて位置する、請求項30に記載の方法。
【請求項1】
容器であって、
底部パネルと、
前記底部パネルから上向きに延びると共に該容器の空洞の周囲に少なくとも部分的に延びて該容器の該空洞を少なくとも部分的に画定する複数の側部パネルと、
複数のマルチパートフランジであって、該複数のマルチパートフランジの各マルチパートフランジはそれぞれ、前記複数の側部パネルの各側部パネルの上縁から外向きに延び、該マルチパートフランジのうちの少なくとも1つは、前記各側部パネルの前記上縁から外向きに延びる下部フランジ部、該下部フランジ部の外縁から上向きに延びる中間部、及び該中間部から外向きに延びる上部フランジ部を有する、複数のマルチパートフランジと、
バンドであって、以下の:
前記上部フランジ部の上表面、及び
前記下部フランジ部の上表面
の双方に射出成形されるバンドと、
を備え、
前記バンドは、前記上部フランジ部の縁から外向きに延びる細長い部分を含む、容器。
【請求項2】
前記細長い部分は前記バンドの外側部であり、該バンドは前記各側部パネルの前記上縁に隣接する内側部を含み、該内側部は前記外側部よりも断面積が大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記内側部は前記下部フランジ部の前記上表面より上にある、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記外側部は前記上部フランジ部の前記上表面より上にある、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記バンドは平らな上表面を含み、該バンドの該平らな上表面は該バンドの前記内側部の上表面及び該バンドの前記外側部の上表面を含む、請求項2に記載の容器。
【請求項6】
前記細長い部分は前記容器の外縁を含み、該容器の該外縁は該容器の周囲に延びる、請求項2に記載の容器。
【請求項7】
前記側部パネルは前記容器の細長い隅部を少なくとも部分的に画定し、該容器は、該容器の該隅部に沿って延びると共に該隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップをさらに含む、請求項2に記載の容器。
【請求項8】
前記射出成形ストリップは、前記容器の前記細長い隅部において、前記バンドの前記内側部から下向きに延びる、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記射出成形ストリップは、前記容器の前記細長い隅部において、前記側部パネルの内表面に隣接する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記容器の前記細長い隅部は、前記側部パネルのそれぞれの縁の少なくとも一部の間に画定される間隙を含み、該間隙を前記射出成形ストリップが覆う、請求項8に記載の容器。
【請求項11】
前記上部フランジ部は、前記容器の前記細長い隅部に保持部を含み、該保持部は前記側部パネルの隅部片が重なることによって形成される、請求項7に記載の容器。
【請求項12】
前記バンド及び前記射出成形ストリップは射出成形構造体を構成する、請求項9に記載の容器。
【請求項13】
射出成形特徴部を有する容器を形成するブランクであって、
底部パネルと、
それぞれ前記底部パネルに接続されると共に該底部パネルから外向きに延びる複数のフラップと、
を備えており、
前記複数のフラップは、第1のフラップ、及び該第1のフラップに隣接する第2のフラップを含み、
前記第1のフラップと前記第2のフラップとの間に間隙が画定され、
前記間隙の少なくとも内側部は前記底部パネルから遠くになるにつれて広くなり、
前記第1のフラップは第1の隅部片を有し、前記第2のフラップは第2の隅部片を有し、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は、該ブランクの辺部における前記間隙の幅を狭めるように内向きに突出し、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は、前記射出成形特徴部の形成を容易にする形状である、ブランク。
【請求項14】
前記第1の隅部片は前記ブランクの長手方向に第1の長さを有し、前記第2の隅部片は前記ブランクの横方向に第2の長さを有する、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記第1の長さ及び前記第2の長さはほぼ等しい、請求項14に記載のブランク。
【請求項16】
前記間隙が少なくとも部分的に維持される構成になるように前記ブランクが組み立てられると、前記第1の隅部片の少なくとも一部及び前記第2の隅部片の少なくとも一部が互いに対して重なる関係となるように、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は構成される、請求項13に記載のブランク。
【請求項17】
請求項13のブランクから組み立てられると共に、射出成形フレームを有する、構造体であって、
前記ブランクは、前記間隙が少なくとも部分的に維持されるように組み立てられ、前記第1の隅部片及び前記第2の隅部片は互いに対して重なる関係にあり、
前記間隙を前記射出成形フレームの一部が覆う、構造体。
【請求項18】
容器を成形する工具であって、
ブランクを受け入れるように動作可能であるキャビティであって、前記容器の少なくとも1つの側壁を成形する少なくとも1つの側壁、及び前記容器の少なくとも1つのフランジを成形する少なくとも1つのフランジ壁を有する、キャビティと、
前記キャビティに動作可能に接続されるコアであって、該キャビティに入って、前記容器になるように前記ブランクを少なくとも部分的に成形するように動作可能である、コアと、
前記キャビティ及び前記コアから少なくとも部分的に形成される射出キャビティであって、該射出キャビティは、液体樹脂を受け取って該液体樹脂を前記ブランクの周囲の少なくとも一部の周りに導き、該射出キャビティは、高流量セクション及び低流量セクションを含み、該高流量セクションは、該低流量セクションよりも断面積が大きく、該高流量セクションは、前記キャビティの少なくとも1つの側壁に隣接して位置し、該低流量セクションは、前記高流量セクションから外向きに前記フランジ壁を超えて延びる、射出キャビティと、
を備える、容器を成形する工具。
【請求項19】
前記高流量セクションは、前記低流量セクションよりも高い流量の樹脂の流れを可能にするように構成される、請求項18に記載の工具。
【請求項20】
前記射出キャビティは前記容器のフランジに射出成形バンドを成形し、前記低流量セクションは前記フランジの縁から外向きに延びる細長い部分を含む、請求項18に記載の工具。
【請求項21】
前記キャビティは前記高流量セクションの一部を形成する隅部を含み、該隅部は前記射出成形バンドから延びると共に前記容器の隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップを成形する、請求項20に記載の工具。
【請求項22】
前記隅部は、該隅部における前記高流量セクションへの樹脂の流れを容易にするカットアウトを含む、請求項21に記載の工具。
【請求項23】
前記射出キャビティに樹脂を流す射出ポートを含み、前記隅部は第1の隅部であり、前記キャビティは第2の隅部、第3の隅部及び第4の隅部をさらに含み、前記キャビティの前記第2の隅部は、前記容器の第2の隅部を画定し、該隅部における前記高流量セクションへの樹脂の流れを容易にするカットアウトを含む、請求項22に記載の工具。
【請求項24】
前記第1の隅部及び前記第2の隅部は共に、前記第3の隅部及び前記第4の隅部よりも前記射出ポートから遠くに離れて位置する、請求項23に記載の工具。
【請求項25】
射出成形特徴部を有する容器を成形する方法であって、
ブランクを用意するステップ、
高流量セクション及び低流量セクションを有する射出キャビティを含む成形工具に前記ブランクを入れるステップ、
次いで、前記ブランクが前記成形工具内にある状態のまま該成形工具を閉じるステップであって、前記閉じた成形工具内で三次元物品になるように該ブランクが成形され、該三次元物品は少なくとも1つの側壁及び該側壁から延びるフランジを有する、前記成形工具を閉じるステップ、
次いで、前記三次元物品が前記閉じた成形工具内にある状態のまま該三次元物品に射出成形特徴部を成形するステップであって、該成形するステップは、前記高流量セクションにおいて樹脂が前記低流量セクションにおける樹脂よりも高い流量で流れるように、樹脂を前記射出キャビティに射出するステップを含み、前記高流量セクションは前記少なくとも1つの側壁に隣接し、前記低流量セクションは前記高流量セクションから外向きに前記フランジを超えて延びる、射出成形特徴部を成形するステップ、及び
次いで、前記射出成形特徴部付きの前記三次元物品を前記成形工具から取り出すステップ、
を含む、方法。
【請求項26】
前記高流量セクションは、前記低流量セクションよりも高い流量の樹脂の流れを可能にするように構成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記射出成形特徴部を成形するステップは、前記容器のフランジに射出成形バンドを成形するステップを含み、前記低流量セクションは、前記フランジの縁から外向きに延びる細長い部分を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記三次元物品は隅部を含み、前記射出成形特徴部を成形するステップは、前記射出成形バンドから延びると共に前記三次元物品の隅部を少なくとも部分的に画定する射出成形ストリップを前記射出キャビティの前記高流量セクションで成形するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記成形工具は、前記三次元物品の前記隅部での前記高流量セクションにおける樹脂の流れを容易にするカットアウトを有するキャビティを含み、該カットアウトへの樹脂の流れによって前記射出成形ストリップが成形される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記成形工具は前記射出キャビティに樹脂を流す射出ポートを含み、前記隅部は第1の隅部であり、前記三次元物品は第2の隅部、第3の隅部及び第4の隅部をさらに含み、前記カットアウトは第1のカットアウトであり、前記射出成形ストリップは第1の射出成形ストリップであり、前記キャビティは、前記射出成形特徴部の第2の射出成形ストリップを成形するように前記三次元物品の前記第2の隅部での前記高流量セクションにおける樹脂の流れを容易にする第2のカットアウトを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の隅部及び前記第2の隅部は共に、前記第3の隅部及び前記第4の隅部よりも前記射出ポートから遠くに離れて位置する、請求項30に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図14】
【公表番号】特表2011−508705(P2011−508705A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540920(P2010−540920)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/088408
【国際公開番号】WO2009/086501
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/088408
【国際公開番号】WO2009/086501
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】
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