説明

導水接続管構造

【課題】 水道の蛇口などに接続して水を導入するときなどに使用する導水接続管を提供する。
【解決手段】本発明の導水接続管構造は導水接続管50からなり、この導水接続管の内側表面には、単一渦巻き或いは複数本渦巻きに形成された螺旋状の筋状突隆部51が設けられている。筋状突隆部には材料反作用力が備わっており、導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されている。したがって、導水接続管が曲げられたときも、導水接続管が曲がったり平に潰されたりしないように曲げ力に抗することができ、水流のスムーズな移動を促進し、また、導水接続管の柔軟性を高めている。曲げ力が解除されたとき、曲がって変形している筋状突隆部の引張力が作用して即座に元の形に復帰するので、良好な柔軟性及び粘り力が維持される。そして、筋状突隆部は水流の水圧にも耐えることができるので、管状表面52の強度を高めることとなり、最高の使用状態が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導水接続管に関し、更に具体的に言うと、水道の蛇口などに接続して水を導入するときなどに使用する、所謂ホースと言われるような導水接続管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラスチック製の導水管10(図5参照)は、その内側表面が滑らかに形成されていることを特徴とする。実際の使用にあたっては、使用者自身が導水管10を動かして、伸ばしたり張ったりする。しかし、導水管10が大きく角度をつけて動かされ折れ曲がった場合には、導水管が詰まってしまい、水流が妨げられ水が止まってしまう。このように水流が急にふさがれてしまうと、導水管の一端部で接続されている水源からの水圧に抗して水がどっと噴き出してしまい、導水管10が水源の接続端部から外れてしまう。そうなれば、導水管10の一端部を水源の接続端部に再度接続し直さねばならず、これは使用時に非常に不便である。
【0003】
このような導水管10の不具合を解決するために、別の導水管20(図6参照)が提供されていて、この導水管20は、その内部表面の長手方向に全長に伸びて溝21及びリブ22が交互に多数本配置されている。この導水管20が折れ曲がった場合には、長手方向に長く形成された溝21及びリブ22により隙間が形成されていることにより、水流が途切れることなくスムーズに運ばれ易くする。
【0004】
しかし、この長手方向に長く形成された溝21及びリブ22は、導水管の一端部から他端部までむき出しの状態で延在しているので、リブ22同士が一緒にあわさった時に生ずる材料変形作用力が導水管20の全長にわたって広がり、これにより導水管20の硬化が進むと共に、その粘り力が低下してしまう。そのため、導水管20を巻き回して物置などに保管すると、縦長のリブ22の反作用の影響をすぐに受けてしまい、柔軟性がなくなり、保管場所を広く占めてしまうこととなる。
また、縦長の溝21及びリブ22が合わさったところに結合縁部23が形成され、これが導水管20に強度の弱い点を形成することになり、水流の圧力に耐えられなくなり、その結果、結合縁部23は記号Cのところに示すような亀裂があっと言う間にパッと開いてしまう。
【0005】
図7および図8に示すような別の導水管30,40は、それぞれその内部表面に長手方向斜めに複数のリブが配置されていて、水流を案内するためのダクト32,42がそれぞれ形成されている。
【0006】
しかしながら、図7に示すような導水管30は、主に垂直な固い管体に適用されるものであり、だいたいにおいて曲げたり折り畳むリスクのない直線状態に伸ばして使われる。
この導水管30,40のリブあるいは翼部31,41は、斜めに延在するストリップ状に型取られて形成され、AおよびBで印した分の長さが依然として材料変形作用力の問題をもたらし、導水管30、40の硬化が進むと共に、その粘り力が低下してしまう。したがって、このように内部に斜めに配置されたリブ或いは翼部31,41を設けた導水管30,40であっても、曲げて巻いた状態で保管されると、斜めに配置されたリブの反作用の影響をすぐに受けてしまい、柔軟性がなくなり、保管場所を広く取ってしまうこととなる。
更に、斜めに配設されたリブ或いは翼部31,41には窪みが形成され、ギザギザの結合縁部23を形成しているので、強度の弱い点となり、水流の圧力に耐えられなくなり、その結果、結合縁部43は記号Cのところに示すような亀裂があっと言う間に開いてしまう。
【0007】
更にまた、導水管40の翼部41は高さが管本体の中空部分の半径の1/3〜4/5なので、導水管中空内部の中心には小さな面積しか残らないため、その結果、導水管40が水道の蛇口のような水源端部にその一端部を取付ける前に、この一端部に配置されている翼部41を切り落として除いておかなければ、導水管40を水源端部の接続部に直接つなぐことができず、使用に不便であり、また、翼部41により水流も妨げられ、水の流れが遅くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、導水接続管の内面周囲に螺旋形状に突出した突隆部を密集させて配設し、突出した突隆部により発生する材料反作用力と管状表面が、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を形成することにより、導水接続管が折り曲げられた場合に、導水管内面に密接して螺旋状に形成された突隆部により、導水接続管がすぐに曲がったり折り畳まれたりしないように折曲力を持ちこたえることができるので、水流のスムーズな移送を促進し、且つ、導水接続管の弾性および耐性を高めることのできる導水接続管を提供することを第1の目的とする。
【0009】
本発明は、突隆部に材料反作用力が備えられ、導水接続管の管状内部表面周囲に螺旋状に配設されていることで、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を提供することで、水流の水圧に耐え、管状表面の強度を高めることにより、最高の使用状態を達成することのできる導水接続管を提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明の前記導水接続管構造は、導水接続管からなり、前記導水接続管の内側管状表面には、連続的に密着して環状に配置された螺旋状の筋状突隆部が形成されており、この筋状突隆部は、単一渦巻き、或いは、同時に複数本が螺旋状に巻かれた複数渦巻きで導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されていて、前記筋状突隆部に発生される材料反作用力と導水接続管の管状表面とが、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を有し、これにより、導水接続管が曲げられた状態にされたとき、導水接続管の内部に螺旋状に密着して配置された筋状突隆部は、前記導水接続管が簡単に曲がったり平らに押し潰されたりしないような抵抗力を備え、水流をスムーズに移送することができると共に、導水接続管の柔軟性を高め、また、曲げ力が解除されたとき、前記導水接続管の管状表面は、曲がって変形した筋状突隆部の引張力に作用されて、即座に元来の形状に復帰することができ、また更に、材料反作用力の備わった筋状突隆部が導水接続管の内側管状表面上に螺旋状に巻いて配置されていることで、水流の圧力に耐え且つ管状表面の強度を高めるよう相互反発し合いながらも接近して巻上げ支持する効果をもたらし、これにより、最高の使用状態を達成することができるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記請求項1に記載の導水接続管構造において、筋状突隆部は、単一渦巻き、或いは、同時に複数本が螺旋状に巻かれた複数渦巻きで作られ、導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されていて、内側表面から半円形に盛り上がっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の導水接続管は、その管状内部表面に密接して全体にびっしりと筋状突隆部を螺旋状に形成配設したことにより、筋状突隆部により発生する材料反作用力と管状表面とが、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を形成するので、導水接続管に力が加わって曲がったとしても持ちこたえて、導水管が平らに潰されるようなことがないので、水流が妨げられずスムーズに移送できるようになり、これにより導水接続管から水がほとばしり出るような事態が回避され、安全に使用できると共に、管状表面の強度を高めることができるので、導水接続管自体の寿命も高められ、経済的効果も増進することができる。
【0013】
また、導水接続管内部の筋山は、その管状表面に密接して形成されていることで、中央の水流経路が広く確保できるので、水流がスムーズに移送できると共に、水道の蛇口のような水源端部の接続部分に挿入できる充分な空間も確保できるため、導水接続管端部を蛇口の接続部分に直接且つ確実につなげることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の導水接続管の一部断面した部分斜視図、図2は、図1の導水接続管の更に別の一部断面部分斜視図、図3は複数の螺旋形突隆部を備えた本発明の別の実施例の導水接続管の一部断面部分斜視図、図4は、図3の実施例の導水接続管を曲げた状態で示す概略図である。
【実施例1】
【0015】
図1および図2を参照して、本発明の実施例を説明する。
本発明の導水接続管構造は円筒状の導水接続管50からなり、この導水接続管50の内側表面には、連続的に密着して環状に形成された螺旋状の筋状突隆部51が設けられている。この筋状突隆部51は、単一渦巻き、或いは、間隔をずらして同時に複数本が螺旋状に巻かれた複数渦巻き(図3参照)で作られ、導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されていて、内側表面から半円形状に盛り上がっている。
【0016】
このような構成により、筋状突隆部51は導水接続管50の内側表面周囲に螺旋状に密接して巻かれるので、筋状突隆部51と導水接続管50の管状表面52とによって発生される材料反作用力が、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を形成することができる。
【0017】
図4にあるように、導水接続管50が曲げられた状態にされたとき、導水接続管50の内部に螺旋状に密着して配置された筋状突隆部51は、そこに掛かった曲げ力に抗して耐えるので、導水接続管50が簡単に曲がったり、平らに押しつぶされたりすることがなく、これにより水流をスムーズに移送することができると共に、この構造により導水接続管50の柔軟性が高められる。
【0018】
また、曲げ力が解除されたとき、導水接続管50の管状表面52は、曲がって変形した筋状突隆部51の引張力に作用されて、即座に元の形に復帰する。
反対に、導水接続管50を使用しない場合、良好な柔軟性や粘り強さを維持していることで、保管するために簡単に小さくまとめて巻き上げることができる。
【0019】
このように、材料反作用力の備わった筋状突隆部51が管状表面52上に螺旋状に巻いて配置されていることで、水流の圧力に耐えると同時に管状表面の強度を高めるように、相互反発し合いながらも接近して巻上げ支持する効果をもたらし、これにより、最高の使用状態を達成することができる。
【0020】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができ、従って本発明明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の導水接続管の一部断面した部分斜視図。
【図2】図1の導水接続管の更に別の一部断面部分斜視図。
【図3】複数の螺旋形筋山を備えた本発明の別の実施例の導水接続管の一部断面部分斜視図。
【図4】図3の実施例の導水接続管を曲げた状態で示す概略図である。
【図5】従来の導水管の断面斜視図。
【図6】別の従来の導水管を示す断面斜視図。
【図7】更に別の第3の従来の導水管を示す断面斜視図。
【図8】また更に別の第4の従来の導水管を示す断面斜視図。
【符号の説明】
【0022】
50 導水接続管
51 筋状突隆部
52 管状表面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導水接続管構造において、
前記導水接続管構造は導水接続管からなり、
前記導水接続管の内側管状表面には、連続的に密着して環状に配置された螺旋状の筋状突隆部が形成されており、この筋状突隆部は、単一渦巻き、或いは、同時に複数本が螺旋状に巻かれた複数渦巻きで導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されていて、前記筋状突隆部に発生される材料反作用力と導水接続管の管状表面とが、相互反発し合いながらも接近支持することのできる弾性表面を有し、これにより、導水接続管が曲げられた状態にされたとき、導水接続管の内部に螺旋状に密着して配置された筋状突隆部は、前記導水接続管が簡単に曲がったり平らに押し潰されたりしないような抵抗力を備え、水流をスムーズに移送することができると共に、導水接続管の柔軟性を高め、また、曲げ力が解除されたとき、前記導水接続管の管状表面は、曲がって変形した筋状突隆部の引張力に作用されて、即座に元来の形状に復帰することができ、また更に、材料反作用力の備わった筋状突隆部が導水接続管の内側管状表面上に螺旋状に巻いて配置されていることで、水流の圧力に耐え且つ管状表面の強度を高めるよう相互反発し合いながらも接近して巻上げ支持する効果をもたらし、これにより、最高の使用状態を達成することができるようにしたことを特徴とする導水接続管。
【請求項2】
筋状突隆部は、単一渦巻き、或いは、同時に複数本が螺旋状に巻かれた複数渦巻きで作られ、導水接続管の内側表面に螺旋状に巻き回されて配置されていて、内側表面から半円形に盛り上がっていることを特徴とする請求項1記載の導水接続管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−97610(P2009−97610A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269063(P2007−269063)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(595075436)源美股▲ぶん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】