説明

小便器洗浄装置

【課題】このような調整作業をせずとも人体検出や尿流検出の性能を確保すると共に、施工現場で簡単に自動設定することができる小便器洗浄装置を提供すること。
【解決手段】小便器の内側又は背面側に設けられたマイクロ波センサと、このマイクロ波センサからのセンサ出力信号を増幅する増幅部と、この増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から対象物検出周波数成分を抽出する対象物検出抽出部と、この対象物検出抽出部の出力に基づいて対象物検出を行う制御部とを備えた小便器洗浄装置において、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部の増幅率を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小便器を洗浄するための小便器洗浄装置に関し、特に、マイクロ波センサによって人体や尿流などの対象物の検出を行う小便器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小便器のボール部内を自動的に洗浄する小便器洗浄装置が広く用いられるようになってきている。この種の小便器洗浄装置として、たとえば、小便器の上部前面に赤外線センサ等の人体検出センサを設置し、この人体検出センサが一定時間以上使用者を検出した場合には、その後に使用者が離れたことを検出して、給水路に設けられた電磁弁を開閉することにより小便器のボール部内に一定量の洗浄水を流す小便器洗浄装置がある。
【0003】
人体検出センサとしては、赤外線を利用した赤外線センサが一般的であり、このセンサは安価なため、広く利用されている。しかしながら、この種の人体検出センサは、光の反射を利用しているため、人体検出センサの設置位置は光を妨げるものがない位置に限定されてしまう。また、人体検出センサ用の窓が汚れたりすると検出精度が劣化する。しかも、検出範囲を広くするには、光の出力を大きくし光を拡散しなければならないので、広範囲の検出は難しいといった問題点があった。
【0004】
そのため、近年、マイクロ波を利用したドップラーセンサ(以下、「マイクロ波センサ」とよぶ。)によって人体検出をする小便器洗浄装置が提案又は提供されてきている。このマイクロ波センサは、樹脂や陶器を透過できるマイクロ波を利用しているため、マイクロ波センサを小便器本体内部に隠蔽でき、見栄えが良く、悪戯もされにくい。しかも、人が近づいているのか遠ざかっているのかなども検出することができる。さらに、このマイクロ波センサによって、人体検出だけでなく、尿流や洗浄水の検出も行なうことができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−184153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、マイクロ波は樹脂や陶器を透過するときにその電力が多少減衰してしまう。この減衰量は、透過する樹脂や陶器によって異なる。陶器の種類での電力の減衰は、一般に±30%の幅がある。マイクロ波センサは、図9(a)に示すように、マイクロ波を陶器である小便器を通過させた後、物体に反射して、再度小便器を通過した反射マイクロ波によってマイクロ波センサのセンサ出力信号であるドップラ信号(人体や尿流などの動きを示す信号)を生成している。また、陶器は比誘電率が5程度であるため、反射率が6%程度である。また、陶器は平らではなく、多少凹凸が形成されているために、その凹凸によっても反射する。したがって、図9(b)に示すように、マイクロ波センサのマイクロ波が陶器の小便器によって反射されて、マイクロ波センサで受信されることになるため、これによってもドップラ信号が変化してしまう。このように、小便器の内壁面の裏面側に上記マイクロ波センサを搭載した場合、小便器の内壁の厚みや釉薬の種類などにより、マイクロ波が小便器を通過するときにその電力の減衰割合が変わる。
【0006】
その結果、マイクロ波センサを組み込む小便器の厚み等の状態によって、マイクロ波センサのセンサ出力信号であるドップラ信号(人体や尿流などの動きを示す信号)の大きさが変わってしまい、人体検出や尿流検出の感度が変わってしまう。
【0007】
このように人体検出や尿流検出の感度が変わってしまうと、人体検出や尿流検出すべき場合に検出できず、或いは人体や尿流がないときに誤って人体検出や尿流検出をしてしまう恐れがある。
【0008】
従来の小便器洗浄装置においては、マイクロ波センサごとに、所定の条件下で予め決められた範囲のドップラ信号となるように高精度に調整することによって、人体検出や尿流検出の性能を確保している。
【0009】
このようなマイクロ波センサの調整作業は、マイクロ波センサごとに行わなければならず、その作業が煩雑となる。しかも、この調整作業は、外界ノイズの影響を排除するために、電磁シールドした測定治具を用意して行わなければならなかった。また、施工現場での調整は困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、このような調整作業をせずとも人体検出や尿流検出の性能を確保すること、更に詳しくは小便器の厚みや釉薬の種類などにより、マイクロ波が小便器を通過するときにその電力の減衰割合を補正することができる小便器洗浄装置を提供することを目的とする。また、本発明は、施工現場で簡単に自動設定することができる小便器洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、対象物に電波を送信信号として送出し、その反射波である受信信号を受信する送受信部と、前記送信信号と前記受信信号とを混合した後、高周波成分を平滑することによってセンサ出力信号を生成する出力部とを備えたマイクロ波センサと、前記マイクロ波センサを小便器の内壁面の裏面側に設け前記小便器を透過させ送受信を行なう小便器洗浄装置において、前記センサ出力信号を増幅する増幅部と、前記増幅部によって増幅された前記センサ出力信号の交流電圧成分から対象物検出周波数成分を抽出する対象物検出抽出部と、前記対象物検出抽出部の出力に基づいて対象物検出を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、前記増幅部の増幅率を決定する増幅率設定手段を有し、前記増幅率設定手段によって前記増幅部の増幅率を設定することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記小便器として、陶器によって形成された小便器を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の小便器洗浄装置において、前記対象物検出部は、前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から人体検出周波数成分を抽出する人体検出周波数抽出部と、前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から尿流検出周波数成分を抽出する尿流検出周波数抽出部と有し、前記制御部は、前記人体検出周波数抽出部の出力に基づいて人体検出を行うと共に、前記尿流検出周波数抽出部の出力に基づいて尿流検出を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の交流電圧成分が人体検出及び尿流検出可能な電圧レベルでないときに、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記増幅率設定手段は、電源投入後所定期間内に、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記増幅部における増幅率を設定するための増幅率テーブルを記憶する記憶部を有し、前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を、前記記憶部に記憶した増幅率テーブルを参照して設定することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記小便器のボール部に洗浄水を吐水する吐水制御部を備え、前記増幅率設定手段は、前記吐水制御部により前記小便器のボール部に洗浄水を吐水している状態で、前記センサ出力信号の交流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1又は請求項2に記載の発明によれば、対象物に電波を送信信号として送出し、その反射波である受信信号を受信する送受信部と、前記送信信号と前記受信信号とを混合した後、高周波成分を平滑することによってセンサ出力信号を生成する出力部とを備えたマイクロ波センサと、前記マイクロ波センサを小便器の内壁面の裏面側に設け前記小便器を透過させ送受信を行なう小便器洗浄装置において、前記センサ出力信号を増幅する増幅部と、前記増幅部によって増幅された前記センサ出力信号の交流電圧成分から対象物検出周波数成分を抽出する対象物検出抽出部と、前記対象物検出抽出部の出力に基づいて対象物検出を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、前記増幅部の増幅率を決定する増幅率設定手段を有し、前記増幅率設定手段によって前記増幅部の増幅率を設定するので、マイクロ波センサを予め高精度で調整することなく、対象物検出の性能を確保することができる。しかも、トイレブースに設置した小便器洗浄装置において、設置されている小便器を厚み等が異なる小便器へ交換しなければならない場合であっても、マイクロ波センサからのセンサ出力信号の電圧レベルを動的に調整するために、対象物検出の性能を確保することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、前記対象物検出部は、前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から人体検出周波数成分を抽出する人体検出周波数抽出部と、前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から尿流検出周波数成分を抽出する尿流検出周波数抽出部と有し、前記制御部は、前記人体検出周波数抽出部の出力に基づいて人体検出を行うと共に、前記尿流検出周波数抽出部の出力に基づいて尿流検出を行うので、マイクロ波センサを予め高精度で調整することなく、人体や尿流などの対象物の検出性能の精度をより向上させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の交流電圧成分が人体検出及び尿流検出可能な電圧レベルでないときに、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定するので、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルが安定した状態で、増幅部の増幅率を決定することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、前記増幅率設定手段は、電源投入後所定期間内に、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定するので、電源投入直後に、小便器洗浄装置周辺を所定時間静止状態にすれば、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルが安定した状態で、増幅部の増幅率を決定することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、 前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベル毎に前記増幅率を関連付けた増幅率テーブルを記憶する記憶部を有し、前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を、前記記憶部に記憶した増幅率テーブルを参照して設定するので、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じた増幅率を毎回演算することなく、記憶された予め決められた増幅率テーブルを参照して設定することで、制御部の処理負荷の増加を抑制することが可能となる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、前記小便器のボール部に洗浄水を吐水する吐水制御部を備え、前記増幅率設定手段は、前記吐水制御部により前記小便器のボール部に洗浄水を吐水している状態で、前記センサ出力信号の交流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を決定するので、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルのみに基づいてマイクロ波センサからのセンサ出力信号の電圧レベルを動的に調整するのに比べ、人体や尿流などの対象物の検出性能の精度をより向上させることができると共に施工現場で簡単に自動設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、発明の実施の形態の小便器洗浄装置1を、図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る小便器洗浄装置1の全体的な構成を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施形態における小便器洗浄装置1は、小便器2と、この小便器2に接続され、小便器2のボール部2a内空間を洗浄するための水(以下、「洗浄水」とする。)を供給する給水管3と、この給水管3の中途部に配置されて小便器2への洗浄水の供給及びその停止を行うための開閉弁である電磁弁4と、小便器2の内壁面の裏面側に設けられた収納領域に取り付けられ、センサ出力信号としてドップラ信号を出力するマイクロ波センサ5と、電磁弁4を制御して洗浄水の供給及び停止を行うと共に、マイクロ波センサ5の制御等を行う制御ユニット6とを備えている。また、小便器2のボール部2a空間内に流れる小便や洗浄水は、小便器2に連結された排水路7から排水される。なお、この小便器洗浄装置1は、トイレブースなどに設置される。
【0026】
このように構成された小便器洗浄装置1は、マイクロ波センサ5を用いて、制御ユニット6により人体検出(体動検出)や尿流検出を行う。そして、これらの検出結果に基づいて、電磁弁4を制御して洗浄水の供給を行ない、小便器2を洗浄するように動作する。すなわち、制御ユニット6は、人体や尿流を対象物としてその検出動作を行い、その検出状況に従って動作をする。
【0027】
なお、マイクロ波センサ5は、樹脂や陶器を透過できるマイクロ波を利用したドップラーセンサであり、上記の如く小便器の内壁面の裏面側に隠蔽できるため、見栄えが良く、悪戯もされにくい。
【0028】
ここで、このマイクロ波センサ5の構成について、図面を参照して、以下具体的に説明する。図2は、本発明の実施形態にかかるマイクロ波センサ5の概略構成を示す図である。
【0029】
マイクロ波センサ5は、送信信号Sig1として、例えば、10.525GHzの高周波信号を生成する信号生成器51と、この信号生成器51により生成された送信信号Sig1を電波であるマイクロ波として出力し、そのマイクロ波の反射波を受信して受信信号Sig2として出力する送受信部52と、送信信号Sig1と受信信号Sig2とを混合した後、混合した信号の高周波成分を平滑してセンサ出力信号を生成する出力部55とを備えている。
【0030】
送受信部52は、信号生成器51で生成された送信信号Sig1をマイクロ波の送信信号として送信する送信回路を有する送信手段53と、この送信手段53が送信したマイクロ波の反射波である受信信号を受信して受信信号Sig2として出力する受信回路を有する受信手段54とを有している。
【0031】
また、出力部55は、送信信号Sig1と受信信号Sig2とを混合し、この混合した信号Sig3をダイオードを介して出力する混合器であるミキサ56と、このミキサ56によって混合された信号Sig3に含まれる高周波成分を平滑してセンサ出力信号DECTを生成する高周波平滑部57とを有している。
【0032】
このマイクロ波センサ5は、マイクロ波によるドップラ効果を利用して以下の原理で対象物(人体や尿流)検出するために用いられる。すなわち、以下の式(1)を用いることにより、対象物の検出を行うことができる。
【0033】
ν=(ΔF×c)/(2×FS) ・・・(1)
∵ΔF=FS−Fb=2×FS×ν/c
FS:送信信号Sig1の交流電圧成分の周波数(Hz)
Fd:受信信号Sig2の交流電圧成分の周波数(Hz)
ν:対象物の移動速度(m/s)
c:光速(300×106m/s)
【0034】
そして、マイクロ波センサ5と検出対象物(人体や尿等)の距離は、ΔFの振幅の大きさに反比例することから、このΔFの周波数スペクトルを解析することにより、人が近づいているのか、遠ざかっているのかの検知や小便器2内に尿が流れているか否かの検出が可能となる。
【0035】
本実施形態におけるマイクロ波センサ5は、出力部55によって、送信手段53が送信するマイクロ波の周波数FSと受信手段54が受信するマイクロ波の周波数Fbとの周波数差ΔFの信号を出力する。すなわち、送信信号Sig1と受信信号Sig2とを混合し、この混合した信号Sig3を出力に含まれる高周波成分を平滑することによってΔFの周波数成分を抽出したセンサ出力信号DECTを出力する。
【0036】
出力部55によって平滑する高周波成分は、検出対象の動きよりも大きい周波数成分であればよい。すなわち、人体検出のための周波数(0〜40Hz)と尿流検出のための周波数(80〜180Hz)よりも大きい周波数成分であればよく、ここでは10kHz以上の高周波成分を平滑するものとするが、マイクロ波の周波数帯(FS、Fd)以上を平滑するようにしてもよい。
【0037】
ここで、ミキサ56の出力信号Sig3は、図3(a)に示すように、マイクロ波の周波数信号(FS、Fd)が混合され、ミキサ56のダイオードによって半波整流された波形となる。また、高周波平滑部57から出力されるセンサ出力信号DECTは、図3(b)に示すように、出力信号Sig3の高周波成分が平滑されることによって生成された直流電圧成分(V1)に、高周波成分が除去された交流電圧成分が重畳した信号となっている。
【0038】
そして、この直流電圧成分(V1)の大きさがセンサ出力信号DECTの大きさと相関関係があることが、鋭意研究を重ねることによってわかった。すなわち、マイクロ波センサ5を組み込む小便器2の厚み等の状態によって、マイクロ波センサ5のセンサ出力信号DECTの大きさが変わってしまうが、直流電圧成分(V1)の大きさも同様にマイクロ波センサ5を組み込む小便器2の厚み等の状態によって変わってしまうのである。
【0039】
そこで、この直流電圧成分(V1)の大きさを計測し、その計測結果に基づいてセンサ出力信号DECTの増幅率を調整し、小便器2の厚み等によるセンサ出力信号DECTの変化を抑えるようにすることを思い至ったのである。
【0040】
本実施形態における小便器洗浄装置1は、このような原理を利用することによって、センサ出力信号DECTの増幅率を調整する作業をせずとも人体検出や尿流検出の性能を確保でき、また、施工現場で簡単に自動設定することができるように、制御ユニット6を以下のように構成している。図4は本発明の実施形態に係る制御ユニット6の機能構成を示す図である。
【0041】
制御ユニット6は、図4に示すように、マイクロコンピュータ61と、マイクロ波センサ5から出力されたセンサ出力信号を増幅する増幅回路を有する増幅部62と、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号の高域成分を低減させ、さらに増幅をするローパスフィルタ増幅回路63(以下、「LPF増幅回路63」とする。)と、LPF増幅回路63によって所定の処理を施されたセンサ出力信号の低域成分を低減し、さらに増幅をするハイパスフィルタ増幅回路64(以下、「HPF増幅回路64」とする。)とを備えている。
【0042】
ここで、増幅部62は、センサ出力信号の増幅率を変えることができるように可変抵抗が設けられており、この可変抵抗の抵抗値がマイクロコンピュータ61によって変更されることによって、センタ出力信号の増幅率を変える。
【0043】
LPF増幅回路63は、増幅部62から出力されたセンサ出力信号DECTの交流電圧成分のうち、対象物の検出(人体検出及び尿流検出)に必要な周波数を抽出するために、330Hzよりも高い周波数成分を減衰させるように構成されている。
【0044】
HPF増幅回路64は、LPF増幅回路63から出力されたセンサ出力信号の交流電圧成分のうち、尿流検出に必要な周波数を抽出するために、60Hzよりも低い周波数成分を減衰させるように構成されている。
【0045】
マイクロコンピュータ61は、CPU(中央処理装置)、ROMやRAMなどの記憶部、入出力ポート、タイマ、A/Dコンバータなどを内蔵しており、このCPUが内蔵の記憶部から動作用プログラムを読み出すことによって、尿流検出機能、人体検出機能、増幅率調整機能等を実行するようにしている。すなわち、尿流検出手段71、人体検出手段72、掃除検出手段73、増幅率調整手段74等として機能する。
【0046】
尿流検出手段71は、HPF増幅回路64によって所定処理が施されたセンサ出力信号DECTを入力し、ハイパスフィルタ演算処理を行って、尿流検出のために80Hz〜180以下の帯域の周波数信号を抽出する尿流検出周波数抽出部として機能すると共に、尿流検出周波数抽出部が上記の如く抽出し、出力する信号が所定の閾値信号を上回った時間が所定期間以上であるときに尿流を検出する尿流検出機能を有する。なお、尿流検出周波数抽出部は、LPF増幅回路63とHPF増幅回路64とを前段に設けずに、マイクロコンピュータ61による演算処理のみで尿流検出周波数を抽出するように構成してもよい。
【0047】
人体検出手段72は、LPF増幅回路63によって所定の処理が施されたセンサ出力信号DECTを入力し、ローパスフィルタ演算処理を行って、人体検出のために40Hz以下の帯域の周波数信号を抽出する人体検出周波数抽出部として機能すると共に、人体検出周波数抽出部が上記の如く抽出し、出力する信号が所定の閾値信号を上回った時間が所定期間以上であるときに人体を検出する人体検出機能を有する。なお、人体検出周波数抽出部は、LPF増幅回路63を前段に設けずに、マイクロコンピュータ61による演算処理のみで人体検出周波数を抽出するように構成してもよい。
【0048】
掃除検出手段73は、増幅部62により増幅されたセンサ出力信号DECTを検波電圧として入力し、この検波電圧の交流電圧成分が所定の閾値信号を上回った時間が所定期間以上であるときに掃除動作を検出する掃除動作検出機能を有する。この掃除動作検出機能は、小便器2を掃除している状態を検出するものであり、掃除状態を検出している間は、上記人体検出手段72及び尿流検出手段71の動作は停止される。
【0049】
増幅率調整手段74は、増幅部62により増幅されたセンサ出力信号DECTを検波電圧として入力し、この検波電圧の直流電圧成分を抽出する直流成分抽出手段75と、直流成分抽出手段75により抽出した検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を決定する増幅率設定手段76とを有している。
【0050】
ところで、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルは、小便器の厚みや釉薬の種類などにより変わる。たとえば、マイクロ波が小便器を通過するときにその電力の減衰割合が所定値よりも低いときには、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルが上がり、減衰割合が所定値よりも高いときには、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルが下がる。
【0051】
そこで、増幅率設定手段は、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルが大きいときには、増幅部62の増幅率を上げる制御信号を増幅部62へ出力する一方、直流電圧成分の電圧レベルが小さいときには、増幅部62の増幅率を下げる制御信号を増幅部62へ出力する。
【0052】
また、マイクロコンピュータ61には、増幅部62における増幅率を設定するための増幅率テーブルを記憶する記憶部を有している。この増幅率テーブルには、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルを所定の範囲ごとに区切り、その範囲ごとに増幅率を関連付けたテーブルである。増幅率設定手段は、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルに応じた増幅率を、記憶部に記憶した増幅率テーブルを参照して設定する。
【0053】
このように記憶部に予め設定された増幅テーブルを用いて増幅率を設定するため、センサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルに応じた増幅率を毎回演算する必要がなく、マイクロコンピュータ61の処理負荷の増加を抑制することが可能となる。
【0054】
以上のように構成された小便器洗浄装置1における増幅率調整動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5は小便器洗浄装置1におけるマイクロコンピュータ61の増幅率調整手段74における増幅率調整動作のフローチャートである。
【0055】
図5に示すように、増幅率調整手段74は、人体検出手段72によって人体検出が行われるか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において、人体検出が行われていないと判定すると(ステップS10:Yes)、次に、増幅率調整手段74は、尿流検出手段71によって尿流検出が行われているか否かを判定する(ステップS11)。
【0056】
ステップS11において、尿流検出が行われていないと判定すると(ステップS11:Yes)、増幅率調整手段74は、電磁弁4が開弁制御されてから300秒以内であるか否かを判定する(ステップS12)。このように電磁弁4の状態を検出するのは、小便器2のボール部2a内に水分がついていると検波電圧が変化するためであり、小便器2のボール部2a内の水分がある程度取れるまで待つことによって、増幅率を調整するための検波電圧を正確検出する。なお、本実施形態においては、小便器2のボール部2a内に付着した水分がある程度取れる時間を電磁弁4が開弁制御されてから300秒としているが、目的を達することができる限り、これに限られない。
【0057】
ステップS10において人体検出をしていると判定した場合、ステップS11において尿流検出していると判定した場合、或いはステップS12において電磁弁4が開弁制御されてから300秒以内であると判定した場合には、ステップS10の処理に戻る。
【0058】
一方、ステップS12において、電磁弁4が開弁制御されてから300秒以上であると判定した場合、増幅率調整手段74は、増幅部62において増幅されたセンサ出力信号DECTを検波電圧として取り込む(ステップS13)。
【0059】
その後、増幅率調整手段74における増幅率設定手段76は、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を決定する(ステップS14)。そして、増幅率設定手段76は、このように決定した増幅率となるように増幅部62へ制御信号を出力して、増幅部62の調整を行う(ステップS15)。すなわち、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルが大きいときには、増幅部62の増幅率を上げる制御信号を増幅部62へ出力する一方、直流電圧成分の電圧レベルが小さいときには、増幅部62の増幅率を下げる制御信号を増幅部62へ出力する。
【0060】
このように増幅率設定手段76によって、増幅部62の増幅率を調整することができるため、マイクロ波センサ5を予め高精度で調整することなく、対象物検出の性能を確保することができる。しかも、トイレに設置した小便器洗浄装置1において、設置されている小便器2を厚み等が異なる小便器2へ交換しなければならない場合であっても、マイクロ波センサ5からのセンサ出力信号DECTの電圧レベルを動的に調整するために、対象物検出の性能を確保することができる。
【0061】
上述において増幅率の決定時期を、対象物検出が行われておらず、かつ電磁弁4が開弁制御されてから300秒以上である場合としたが、電源投入後所定期間内としてもよい。たとえば、小便器洗浄装置1の電源投入直後のマイクロコンピュータ61における初期動作時に、増幅部62によって増幅された検波電圧であるセンサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルを検出し、増幅部62の増幅率を決定する。このように電源投入時に、小便器洗浄装置1周辺を所定時間静止状態にすれば、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルが安定した状態で、増幅部の増幅率を決定することができる。
【0062】
本第1実施形態においては、増幅部62の出力を検波電圧をとして取り込むこととしたが、図6に示すように、マイクロ波センサ5から出力されるセンサ出力信号DECTを検波電圧として取り込むようにしてもよい。すなわち、センサ出力信号DECTの直流電圧成分を直接的又は間接的に検出することができればどの部位から取り込んでもよい。
【0063】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における小便器洗浄装置1’について図面を参照して具体的に説明する。
第1実施形態における小便器洗浄装置1では、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに基づいて増幅部62の増幅率を調整することとしたが、本第2実施形態における小便器洗浄装置1’では、センサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルに加え、小便器2のボール部2aに洗浄水を吐水している状態で、センサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルも考慮して増幅部の増幅率を調整するものである。なお、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号を付するものとし、その説明を省略する。
【0064】
図7に示すように、マイクロコンピュータ61’は、CPU(中央処理装置)、ROMやRAMなどの記憶部、入出力ポート、タイマ、A/Dコンバータなどを内蔵しており、このCPUが内蔵の記憶部から動作用プログラムを読み出すことによって、尿流検出機能、人体検出機能、掃除検出機能、特定動作検出機能、増幅率調整機能等を実行するようにしている。すなわち、尿流検出手段71、人体検出手段72、掃除検出手段73(図示せず)、増幅率調整手段74’、特定動作検出手段77等として機能する。
【0065】
特定動作検出手段77は、小便器2のボール部2aに洗浄水を吐水する吐水制御手段としても機能し、さらにボール部2aに洗浄水を吐水している状態で、増幅部62で増幅されたセンサ出力信号DECTの交流電圧成分の電圧レベルを検出する。
【0066】
増幅率調整手段74’は、増幅部62から出力されるセンサ出力信号である検波電圧を入力し、この検波電圧の直流電圧成分を抽出する直流成分抽出手段75と、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベル及び交流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を決定する増幅率設定手段76’とを有している。
【0067】
増幅率設定手段76’は、上記直流電圧成分の電圧レベルが大きいとき或いは上記交流電圧成分が小さいときには、増幅部62の増幅率を上げ、直流電圧成分の電圧レベルが小さいとき或いは上記交流電圧成分が大きいときは、増幅部62の増幅率を下げるように制御する。
【0068】
また、マイクロコンピュータ61’には、増幅部62における増幅率を設定するための増幅率テーブルを記憶する記憶部を有している。この増幅率テーブルには、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルを所定の範囲ごとに区切り、その範囲ごとに増幅率を関連付けた第1増幅率テーブルと、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの交流電圧成分の電圧レベルを所定の範囲ごとに区切り、その範囲ごとに増幅率を関連付けた第2増幅率テーブルとからなる。増幅率設定手段76’は、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの直流電圧成分の電圧レベルに応じた増幅率を、記憶部に記憶した第1増幅率テーブルを参照して設定した後、増幅部62によって増幅されたセンサ出力信号DECTの交流電圧成分の電圧レベルに応じた増幅率を、記憶部に記憶した第2増幅率テーブルを参照して設定する。
【0069】
以上のように構成された小便器洗浄装置1’における増幅率調整動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。図8は小便器洗浄装置1’におけるマイクロコンピュータ61’ の増幅率調整手段74’における増幅率調整動作のフローチャートである。
【0070】
図8に示すように、増幅率調整手段74’は、人体検出手段72によって人体検出が行われるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、人体検出が行われていないと判定すると(ステップS20:Yes)、次に、増幅率調整手段74’は、尿流検出手段71によって尿流検出が行われているか否かを判定する(ステップS21)。
【0071】
ステップS20において人体検出をしていると判定した場合、或いはステップS21において尿流検出していると判定した場合には、ステップS20の処理に戻る。
【0072】
一方、ステップS21において、尿流検出が行われていないと判定すると(ステップS21:Yes)、増幅率調整手段74’は、増幅部62において増幅されたセンサ出力信号DECTを検波電圧として取り込む(ステップS22)。
【0073】
増幅率調整手段74’における増幅率設定手段76’は、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を決定する(ステップS23)。そして、増幅率設定手段76’は、このように決定した増幅率となるように増幅部62へ制御信号を出力して、増幅部62の調整を行う(ステップS24)。すなわち、この直流電圧成分の電圧レベルが大きいときには、増幅部62の増幅率を上げる制御信号を増幅部62へ出力する一方、直流電圧成分の電圧レベルが小さいときには、増幅部62の増幅率を下げる制御信号を増幅部62へ出力する。
【0074】
その後、特定動作検出手段77によって、小便器2のボール部2aに洗浄水を一定期間吐水(ステップS25)し、このようにボール部2aに洗浄水を吐水している状態で、増幅部62で増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分の電圧レベルを検出する(ステップS26)。
【0075】
増幅率調整手段74’における増幅率設定手段76’は、検波電圧の交流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を決定する(ステップS27)。そして、増幅率設定手段76’は、このように決定した増幅率となるように増幅部62へ制御信号を出力して、増幅部62の調整を行う(ステップS28)。すなわち、この交流電圧成分の電圧レベルが小さいときには、増幅部62の増幅率を上げる制御信号を増幅部62へ出力する一方、交流電圧成分の電圧レベルが大きいときには、増幅部62の増幅率を下げる制御信号を増幅部62へ出力する。
【0076】
このように本第2実施形態における小便器洗浄装置1’は、検波電圧の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率を調整し、その後検波電圧の交流電圧成分の電圧レベルに応じて、増幅部62の増幅率の微調整を行うようにしているから、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルのみに基づいてマイクロ波センサからのセンサ出力信号の電圧レベルを動的に調整するのに比べ、人体や尿流などの対象物の検出性能の精度をより向上させることができると共に施工現場で簡単に自動設定することが可能となる。
【0077】
なお、上述において増幅率の決定時期を、対象物検出が行われていない場合としたが、電源投入後所定期間内としてもよい。たとえば、小便器洗浄装置1’の電源投入後のマイクロコンピュータ61’における初期動作時に、増幅部62によって増幅された検波電圧であるセンサ出力信号DECTの直流電圧成分及び交流電圧成分の電圧レベルを検出し、増幅部62の増幅率を決定するようにしてもよい。このように電源投入時に、小便器洗浄装置1’周辺を所定時間静止状態にすれば、センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルが安定した状態で、増幅部の増幅率を決定することができる。
【0078】
また、本第2実施形態においては、増幅部62の出力を検波電圧をとして取り込むこととしたが、マイクロ波センサ5から出力されるセンサ出力信号DECTを検波電圧として取り込むようにしてもよい。すなわち、センサ出力信号DECTの直流電圧成分及び交流成分を直接的又は間接的に検出することができればよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係る小便器洗浄装置の全体的な構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係るマイクロ波センサの概略構成を示す図である。
【図3】図2のマイクロ波センサにおける信号波形を示す図である。
【図4】第1実施形態における小便器洗浄装置の制御ユニットを示す図である。
【図5】図4の制御ユニットにおける増幅率調整のフローチャートである。
【図6】第1実施形態における小便器洗浄装置の別の制御ユニットを示す図である。
【図7】第2実施形態における小便器洗浄装置の制御ユニットを示す図である。
【図8】図7の制御ユニットにおける増幅率調整のフローチャートである。
【図9】マイクロ波センサから出力されるマイクロ波の陶器での影響を説明するための図である。
【符号の説明】
【0080】
1,1’ 小便器洗浄装置
2 小便器
2a 小便器
4 電磁弁
5 マイクロ波センサ、
6 制御ユニット
7 排水路
8 内壁
51 信号生成器
52 送受信部
53 送信手段
54 受信手段
55 出力部
56 ミキサ
57 高周波平滑部
71 尿流検出手段
72 人体検出手段
73 掃除検出手段
74,74’ 増幅率調整手段
75 直流成分抽出手段
76,76’ 増幅率設定手段
77 特定動作検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に電波を送信信号として送出し、その反射波である受信信号を受信する送受信部と、前記送信信号と前記受信信号とを混合した後、高周波成分を平滑することによってセンサ出力信号を生成する出力部とを備えたマイクロ波センサと、前記マイクロ波センサを小便器の内壁面の裏面側に設け前記小便器を透過させ送受信を行なう小便器洗浄装置において、
前記センサ出力信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部によって増幅された前記センサ出力信号の交流電圧成分から対象物検出周波数成分を抽出する対象物検出抽出部と、
前記対象物検出抽出部の出力に基づいて対象物検出を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じて、前記増幅部の増幅率を決定する増幅率設定手段を有し、前記増幅率設定手段によって前記増幅部の増幅率を設定する小便器洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の小便器洗浄装置において、
前記小便器として、陶器によって形成された小便器を備えたことを特徴とする小便器洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の小便器洗浄装置において、
前記対象物検出部は、
前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から人体検出周波数成分を抽出する人体検出周波数抽出部と、
前記増幅部によって増幅されたセンサ出力信号の交流電圧成分から尿流検出周波数成分を抽出する尿流検出周波数抽出部と有し、
前記制御部は、前記人体検出周波数抽出部の出力に基づいて人体検出を行うと共に、前記尿流検出周波数抽出部の出力に基づいて尿流検出を行う小便器洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の小便器洗浄装置において、
前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の交流電圧成分が人体検出及び尿流検出可能な電圧レベルでないときに、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定する小便器洗浄装置。
【請求項5】
請求項3に記載の小便器洗浄装置において、
前記増幅率設定手段は、電源投入後所定期間内に、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルを検出し、前記増幅部の増幅率を決定する小便器洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の小便器洗浄装置において、
前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベル毎に前記増幅率を関連付けた増幅率テーブルを記憶する記憶部を有し、
前記増幅率設定手段は、前記センサ出力信号の直流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を、前記記憶部に記憶した増幅率テーブルを参照して設定することを特徴とする小便器洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の小便器洗浄装置において、
前記小便器のボール部に洗浄水を吐水する吐水制御部を備え、
前記増幅率設定手段は、前記吐水制御部により前記小便器のボール部に洗浄水を吐水している状態で、前記センサ出力信号の交流電圧成分の電圧レベルに応じた前記増幅率を決定する小便器洗浄装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−169875(P2007−169875A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364205(P2005−364205)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】