説明

小型情報端末向け注目語推定方式および検索方式

【課題】ユーザが画面中の検索したい語を、簡単な操作で精度良く提示できる小型情報端末向け注目語推定方式および検索方式を提供する。
【解決手段】文字抽出操作を起動するボタン1bと、文字抽出操作の起動により指定された範囲内の単語を抽出する表示中コンテンツ抽出部2と、文字抽出操作が起動される直前のスクロール方向を検知し、スクロール方向に応じた重みを提供するスクロール方向検知部3と、表示中コンテンツ抽出部2により抽出された単語に、スクロール方向検知部3から提供された重みを適用して、該単語に注目度を付ける注目度判定部4とを具備し、文字抽出操作の直前のスクロール方向に応じて、前記注目度を変える。前記注目度判定部4は、前記スクロール方向と文字抽出操作の起動により指定された範囲とに応じて、単語に注目度を付けることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型情報端末向け注目語推定方式および検索方式に関し、特に、携帯電話、PDA、カーナビ、テレビゲーム、STB(セットトップボックス)などの画面の解像度が低い端末を利用して例えばWeb ページの閲覧を行っている際に、ユーザがシステムに対して明示的にその語を指定することなく、システムがその語を高い確率で抽出できるようにする小型情報端末向け注目語推定方式および検索方式に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、PDA等の小型情報端末の画面はPC画面に比べて小さく、かつ解像度が低いのが一般的である。このような小型情報端末では、ユーザは、例えばPC向けのWeb ページを閲覧する場合に、小型情報端末の画面上にPC 向けのWeb ページの一部を切り取って表示し、縦横のスクロール操作によりWeb ページ全体を閲覧することができる。
【0003】
さて、ユーザは、閲覧中に検索したい語(意味のわからない語、関連する情報を知りたい語、など)を見つけた場合に、ユーザはその語で検索したいことをシステムに伝える必要がある。一般的には、ユーザは検索サイトにアクセスし、入力ボックスにその語を入力するが、携帯電話では、PC で行うよりもかなり手間がかかる操作となる問題がある。
【0004】
そこで、この問題を解消するための提案が種々なされている。
【0005】
下記の特許文献1では、Webページを検索するシステムにおいて、リンクなどによる関連づけがなされていなくとも、ウェブページの内容に関連するウェブページを検索することのできる装置を提供している。ウェブページ全体の文字情報に基づき、類似するウェブページを検索する手法の提案である。クエリとなるウェブページを指定するだけで、それに類似する内容のページを検索することができる。
【0006】
また、非特許文献1では、Webページを検索するシステムにおいて、タッチパネルとペンによる入力インタフェースを利用して、ユーザがペンのドラッグ操作で検索キーワードをなぞるように選択すると、システムがそのキーワードと周辺にある語の種別(企業、施設など)に応じた検索意図メニュー(地図を見たい、ニュースリリースが見たいなど)をユーザに提示する。
【0007】
また、非特許文献2では、キーボードもマウス(ポインタ)も使用しない、携帯電話上でのWeb検索システムを提示している。このシステムでは、ユーザが検索ボタンを押し続けると、画面の中心の円の半径が拡縮するインタフェースが起動する。そこで、ユーザはこのインタフェースを利用して、検索したい単語が円内に含まれるように操作すると、システムは検索語候補を特定し、画面中心からの距離等に応じてユーザが検索したい語を推定する。
【0008】
例えば、図6に示されているように、携帯電話の画面中に表示されたWebページのテキスト内で、ユーザが興味をもった語(例えば、「バリ島」)があると、ユーザはその語(「バリ島」)を検索するために、画面中の円を拡大させる検索ボタンを、その語が含まれるまで押し続けて円を拡大させる。語(「バリ島」)がこの円に含まれた時にユーザが検索ボタンを離すと、システムは円の中心座標と半径を基に、円に含まれているテキストを検索語候補として抽出し、その注目度を算出し、最終的に検索語を決定する。抽出されたテキストには円の中心からの距離に基づく注目度が付与され、図7に示されているように、注目度順に検索語候補が提示される。そこで、ユーザが、所望の検索語を選択すると、その検索語に関するデータが画面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−236221号公報「ウェブページ検索のための管理サーバ装置」
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】石谷康人、 鈴木優、 布目光生、 "連鎖検索と近傍検索に基づくWeb コンテンツへの効率的なアクセス方法、" 第6 回Web インテリジェンスとインタラクション研究会(SIG-WI2), pp. 31-36, 2006.
【非特許文献2】Daijiro Komaki, Kenji Ohnishi, Yuki Arase, Gen Hattori, Takahiro Hara, and Shojiro Nishio: "A Click-Search Interface for Web Browsing Using Cellular Phones", in Proceedings of International Wireless Internet Conference (WICON 2008) (CD-ROM), No. 4857 (Nov. 2008).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記した従来技術には、次のような課題がある。
【0012】
(1)特許文献1に記されているシステムでは、ユーザが指定できる最小単位はウェブページ全体であり、ウェブページの中のどのキーワードに注目したのかをユーザは指定で
きない課題がある。
【0013】
(2)非特許文献1に記されているシステムでは、ユーザが検索したい語の表示されている位置を厳密に指定する必要がある。また、横方向にドラッグする必要もあり、非常に煩雑な操作が必要となる。
【0014】
(3)非特許文献2に記されているシステムでは、円の中心からの距離でユーザの注目度を測定しており、操作は簡単であるが、それだけでは、円内のどの方向(上下左右)に着目したのかについては分からないため、ユーザが検索したい語の予測精度は下がる。
【0015】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが画面中の検索したい語を、簡単な操作で精度良く提示できる小型情報端末向け注目語推定方式および検索方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記した目的を達成するために、本発明は、表示画面上に表示されたコンテンツをスクロールする機能を少なくとも有し、該コンテンツの中から注目語を推定する小型情報端末向け注目語推定方式において、文字抽出操作を起動するボタンと、該文字抽出操作の起動により指定された範囲内の単語を抽出する表示中コンテンツ抽出部と、該文字抽出操作が起動される直前のスクロール方向を検知し、スクロール方向に応じた重みを提供するスクロール方向検知部と、前記表示中コンテンツ抽出部により抽出された単語に、前記スクロール方向検知部から提供された重みを適用して、該単語に注目度を付ける注目度判定部とを具備し、前記文字抽出操作の直前のスクロール方向に応じて、前記注目度を変えるようにした点に特徴がある。
【0017】
また、本発明は、前記注目度判定部は、前記スクロール方向検知部で検知されたスクロール方向と前記文字抽出操作の起動により指定された範囲とに応じて、前記単語に注目度を付けることができるようにした点に他の特徴がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画面上に表示されているテキストや画像等のコンテンツから、単語抽出操作を行う直前のスクロール方向に応じた重要度を語に付与し、ユーザが検索したい語を推定する。このため、例えば携帯電話上でPC向けのWebページを閲覧しているときに、気になる、検索したい語が見つかった場合において、ユーザが明示的にその語を指定しなくても、システムがその語を高確率で抽出することができるようになる。
【0019】
すなわち、 キーボードとマウス(ポインタ)を持たない端末でも、検索操作を起動するボタンさえあれば、単語の指定を簡単に行うことができる。また、 抽出した単語を検索語とすることで、Web 検索が文字入力なしでできる。さらに、非特許文献2に記載の装置に組み合わせることで、高精度に注目した単語を推定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の注目度判定部の注目度計算に係る、検索直前のスクロール方向と検索したい語の表示位置との予備調査データの一例を示す図である。
【図3】前記注目度計算の説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
【図6】従来システムの検索語探索方法の一例を示す図である。
【図7】従来システムの検索語候補の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。図1は、小型情報端末、例えば携帯電話、PDA、カーナビ、テレビゲーム、STB(セットトップボックス)などに搭載される本発明の注目語推定方式の一実施形態の概念図を示す。
【0022】
図において、本発明の注目語推定方式は、入出力部1、表示中コンテンツ抽出部2、スクロール方向検知部3、注目度判定部4、およびWeb検索部5からなる。6はWeb等のネットワークである。
【0023】
前記入出力部1は、Webページ等のテキスト、写真データ、あるいはテキストと写真データの両方等を表示する表示画面1aと、文字抽出操作(例えば、検索操作)を起動するためのボタン1b(以下、「検索起動ボタン」と呼ぶ)と、注目語リストから1つを選択するボタン1c(以下、「選択ボタン」と呼ぶ)を少なくとも備えている。なお、検索起動ボタン1bと選択ボタン1cは、1つのボタンで共用してもよい。
【0024】
前記表示画面1aには、例えば、PC 向けのWeb ページの一部が切り取られたデータが表示される。Webページ全体は、縦横のスクロール操作により閲覧されることができる。前記検索起動ボタン1bは、該ボタンを押してから離すまでの時間を変えることで画面内の領域(円など)を拡大、または縮小することができる。また、現在の指定範囲全体を指定した範囲とすることもできる。前記表示画面1a、ボタン1b、1cの機能は、基本的に非特許文献2に示されているものと同様である。
【0025】
前記表示中コンテンツ抽出部2は、ユーザが指定した領域内に表示されている文字列を抽出し、該文字列から形態素解析ツール等を用いて単語を抽出する。この表示中コンテンツ抽出部2も非特許文献2のシステムに用いられているものと同様である。
【0026】
前記スクロール方向検知部3は、前記検索起動ボタン1aが押される直前のスクロール方向を検知する。このスクロール方向の検知は、検索起動ボタン1aが押される直前の1回のみのスクロール方向であってもよいし、スクロール履歴により数回分までのスクロール方向を平均したものであってもよい。
【0027】
前記注目度判定部4は、前記表示中コンテンツ抽出部2で抽出された単語に対して、前記スクロール方向検知部3で検知されたスクロール方向を適用して、スクロール方向にある単語の注目度を大きく判定する。以下に、該注目度判定部4の機能の一例を詳細に説明する。
【0028】
まず、本発明者は、ユーザが円を作る直前のスクロールしていた方向と目的の検索語の円内の位置の関係について予備調査を実施した。その結果を図2に示す。図2の表の各行はスクロール方向で、各列は円内における目的の検索語の位置である。表中の数字は該当したタスク数を示している。ここに、「タスク」とは、Web ページを閲覧中に、ある単語に注目して検索操作を行うことを意味する。
【0029】
上記の予備調査より、画面上の単語の中から検索語を決定する際に、ユーザはどの方向に対しても均等に意識しているわけではなく、直前までスクロールしていた方向に対する意識が強いことがわかる。例えば、スクロール方向が右方向の場合には右上と右下の語に意識が強く、左上と左下には意識が低いことが分かる。
【0030】
よって、検索語決定の際の注目度の計算において、スクロール方向による重みづけを行うことは有効である。また、前のスクロール方向と検索語の位置の関係については、左右方向では明確に表れているのが分かる。一方、上下方向については少々異なる傾向を示しており、スクロール方向により関係の強さが異なる。よって、スクロール方向に対して適応する注目度の付与方法が必要である。
【0031】
上記の予備調査の結果を踏まえた本実施形態による注目度の付与方法の一例を以下に説明する。直前のスクロール方向による重みS(w) を以下のように算出する。ここで、図3に示されているように、画面上の左上の座標値を(0,0)、右下の座標値を(1,1)として、右方向がx 軸正の方向、下方向がy 軸正の方向とする。また、語w の座標値を(xw,yw)とする。
【0032】
(1)直前にスクロールしていた方向が左の場合、画面上の左の座標値に位置する語ほど注目度を加算して、重みS(w) を以下のように算出する。
【0033】
S(w) = Sl(w) = 1−xw
【0034】
(2)直前にスクロールしていた方向が右の場合は、その逆として、重みS(w) を以下のように算出する。
【0035】
S(w)=Sr(w) = xw
【0036】
(3)直前にスクロールしていた方向が上の場合は、重みS(w) をy 軸方向にある程度分散させて、以下のように算出する。
【0037】
S(w)=Su(w) = (1-2α)×(1-yw)+α
【0038】
(4)直前にスクロールしていた方向が下の場合は、どの方向も一定の重みS(w)とする。
【0039】
S(w)=Sd(w) = β
【0040】
ここに、前記α、βは実験から求める定数とし、0≦α,β≦0.5とし、例えばα=0.2、β=0.25と設定することができる。
【0041】
なお、スクロール履歴を数回分まで参照してスクロール方向を平均する場合は、例えば次のような重み(dn)付きの方法が可能である。スクロール履歴を例えば3回分、「右、右、上」を参照するのであれば、重みS(w)を次式で求めることができる。
【0042】
S(w)=d1×Su(w)+d2×Sr(w)+d3×Sr(w)
【0043】
ここに、d1〜d3は定数とし、d1>d2>d3、総和は1(すなわち、d1+d2+d3=1)である。上記の例ではスクロール履歴を3回分まで参照するとしたが、これに限定されるものではない。
【0044】
再び図1に戻って説明を続けると、前記Web検索部5は、前記注目度判定部4から入力された注目語を検索キーワードとしてWeb検索を行う。
【0045】
次に、図1の構成を有する本実施形態の動作を、図1を参照して説明する。初期状態として、入出力部1の表示画面1a上に、Webページ等のテキストを含むコンテンツが表示されているものとする。
【0046】
ユーザは、Web閲覧中に画面をスクロールして検索したい語を探索する。このスクロール方向は、スクロール方向検知部3により検知される。検索したい語が見つかるとスクロールは停止され、検索ボタン1bが押される。そうすると、画面上には、例えば画面中央を中心とする円などの領域が押されている時間だけ拡大表示され、検索したい語が該領域に含まれた時点で検索ボタン1bが離されると、表示中コンテンツ抽出部2は指定範囲内のコンテンツ中の単語を抽出する。
【0047】
次に、スクロール方向検知部3は、検索ボタン1bが押される直前のスクロール方向を検知する。このスクロール方向の検知は、前記したように、検索起動ボタン1aが押される直前の1回のみのスクロール方向であってもよいし、スクロール履歴により数回分までのスクロール方向を求め、これを平均したものであってもよい。
【0048】
次に、注目度判定部4は、前記表示中コンテンツ抽出部2で抽出されたコンテンツ中の単語のそれぞれの注目度を算出するに際して、前記スクロール方向検知部3で検知されたスクロール方向の重みS(w) を適用する。そして、該注目度を基に注目語リストを作成する。ここで、注目度=重みS(w)としてもよいし、非特許文献2に示されているものと組み合わせてもよい。例えば、注目度は単語の抽出領域中の位置、例えば円の中心からの距離に比例するとも考えられるから、前記注目度を、前記重みS(w)+抽出領域中の位置による重みD(w)としてもよい。さらに、単語の出現頻度に基づく重み、固有名詞に対する重みを加算してもよい。
【0049】
前記注目度判定部4で作成された注目語リスト(検索語候補)は、入出力部1の表示画面1aに表示され、ユーザに提示される。そこで、ユーザが、該注目語リストから注目語(検索語)を選択すると、該注目語のデータはWeb検索部5に送られる。Web検索部5は、該注目語のデータを受信すると、該注目語を検索語としてWeb検索を行い、検索結果(URLのリストなど)を入出力部1に伝送する。入出力部1は該検索結果を受信すると、URLリストなどの検索結果を表示画面1a上に表示するあるいは検索結果1位のコンテンツを表示する。
【0050】
以上により、ユーザは、例えば携帯電話上でPC 向けのWeb ページを閲覧しているときに、気になる検索したい語がスクロール後に見つかった場合において、ユーザが明示的にその語を指定しなくても、システムがその語を高確率で抽出することができるようになる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態を図4を参照して説明する。図4において、図1と同じ符号は、同一または同等物を示す。なお、この実施形態では、前記選択ボタン1cは不要である。
【0052】
この実施形態が第1実施形態(図1)と異なる所は、注目度判定部4が自動的に注目語(検索語)を設定し、該注目語のデータをWeb検索部5に送るようにした点である。該注目度判定部4は、前記したような方法で注目語の注目度を算出し、最も高い注目度の値をもつ注目語を選択し、Web検索部5に送る。Web検索部5は、該注目語を検索語としてWeb検索を行い、検索結果(URLのリストなど)を入出力部1に伝送する。この動作以外は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0053】
この実施形態によれば、ユーザは、注目語の選択をすることなく、自動的に所望の注目語の検索を高い確率で抽出することができるようになる。
【0054】
なお、第1実施形態のように、入出力部1の表示画面1a上に注目語リストを出してユーザに注目語を選択させるか、または第2実施形態のように、注目語リストを出さないで自動的に最も高い注目度の値をもつ注目語を選択するかの選択を、予めユーザが設定できるようにすることもできる。このようにすれば、予めユーザが前記第1、または第2実施形態の機能を選択するかの指示を行えば、その指示に従った動作をさせることができる。
【0055】
次に、本発明の第3実施形態を図5を参照して説明する。図5において、図1、4と同じ符号は、同一または同等物を示す。
【0056】
この実施形態が、第1、第2実施形態と異なる所は、これらの実施形態では、入出力部1、表示中コンテンツ抽出部2、スクロール方向検知部3、注目度判定部4、およびWeb検索部5は、携帯電話などの小型情報端末内に設けられていたが、第3実施形態では、入出力部1、表示中コンテンツ抽出部2、スクロール方向検知部3を小型情報端末内に設け、注目度判定部4とWeb検索部5をWeb6に接続されたサーバ10内に設けた点である。なお、該サーバ10内に設けられた注目度判定部4とWeb検索部5の動作は、第1、第2実施形態と同様である。
【0057】
この実施形態によれば、注目度判定部4とWeb検索部5を携帯電話などの小型情報端末内に設けないので、小型情報端末内の処理が軽くなる。または、小型情報端末から注目度判定部4とWeb検索部5を削減した分、他の機能を追加できるようになる。
【0058】
以上のように、本発明によれば、小型情報端末の画面上に表示されている単語群を、高精度な優先順序を付けられた検索語候補として提示したり、あるいは提示することなく自動的に検索語候補として、検索することができるようになる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・入出力部、1a・・・表示画面、1b、1c・・・ボタン、2・・・表示中コンテンツ抽出部、3・・・スクロール方向検知部、4・・・注目度判定部、5・・・Web検索部、6・・・Web、10・・・サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上に表示されたコンテンツをスクロールする機能を少なくとも有し、該コンテンツの中から注目語を推定する小型情報端末向け注目語推定方式において、
文字抽出操作を起動するボタンと、
該文字抽出操作の起動により指定された範囲内の単語を抽出する表示中コンテンツ抽出部と、
該文字抽出操作が起動される直前のスクロール方向を検知し、スクロール方向に応じた重みを提供するスクロール方向検知部と、
前記表示中コンテンツ抽出部により抽出された単語に、前記スクロール方向検知部から提供された重みを適用して、該単語に注目度を付ける注目度判定部とを具備し、
前記文字抽出操作の直前のスクロール方向に応じて、前記注目度を変えることを特徴とする小型情報端末向け注目語推定方式。
【請求項2】
前記注目度判定部は、前記スクロール方向検知部で検知されたスクロール方向と前記文字抽出操作の起動により指定された範囲とに応じて、前記単語に注目度を付けることを特徴とする請求項1に記載の小型情報端末向け注目語推定方式。
【請求項3】
前記注目度判定部は、前記表示中コンテンツ抽出部で抽出された単語を注目度順に並べ替えて、前記表示画面上に提示されるように送出することを特徴とする請求項1または2に記載の小型情報端末向け注目語推定方式。
【請求項4】
前記注目度判定部は、前記表示中コンテンツ抽出部で抽出された単語のうち、最も注目度順位の高い単語を自動的に選択することを特徴とする請求項1または2に記載の小型情報端末向け注目語推定方式。
【請求項5】
前記注目度判定部を、前記表示中コンテンツ抽出部で抽出された単語を注目度順に並べ替えて前記表示画面上に提示させるようにするか、または前記表示中コンテンツ抽出部で抽出された単語のうち、最も注目度順位の高い単語を自動的に選択するようにするかの選択手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の小型情報端末向け注目語推定方式。
【請求項6】
請求項3の小型情報端末向け注目語推定方式で前記表示画面上に注目度順に並べ替えて提示された単語の中から選択された単語を検索語として検索を行い、検索結果を前記表示画面に送る単語検索部を具備したことを特徴とする小型情報端末向け注目語検索方式。
【請求項7】
請求項4の小型情報端末向け注目語推定方式で自動的に選択された最も注目度順位の高い単語を検索語として検索を行い、検索結果を前記表示画面に送る単語検索部を具備したことを特徴とする小型情報端末向け注目語検索方式。
【請求項8】
前記注目度判定部および単語検索部を、Webに接続されたサーバに設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の小型情報端末向け注目語検索方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−244126(P2010−244126A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89185(P2009−89185)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】