説明

小型自律カバレッジロボット

【課題】筐体が長方形の前方部と半円形の後方部とを有し、清掃機構が壁の隅部または壁のへりに及ぶことによって、その長方形の部分が壁の隅部または壁のへりに接するように動くことができる自走式カバレッジロボットを提供する。
【解決手段】衝突に応じて、進行方向および進行方向と直角にまじわる方向に移動可能であるバンパーと、バンパー内に配置される近接センサと、バンパーの移動を検出する複数の衝突センサと、差動駆動される右および左駆動車輪を備える駆動システムと、駆動軸に平行な横軸に沿って配置されるフリーホイールと、ローラブラシを備える清掃アセンブリと、を備え、バンパーは、清掃アセンブリの3つの側面の周囲に配置され、清掃アセンブリは、フリーホイールの前方において、清掃面上で片持ち構造で保持され、近接センサと多方向衝突センサは、ロボットが駆動軸周りに回転する際に、筐体の側面に平行な壁を検出する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、床またはその他の表面を清掃するための自律型カバレッジロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
本米国特許出願は、米国特許法第119条(e)に基づく2007年5月17日出願の米国仮出願60/938,699、及び、2007年5月9日出願の米国仮出願60/917065に対する優先権を主張する。これらの先行する出願の開示は、本出願の開示の一部分とみなされ、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
米国の特許出願公開2003/0192144、2006/200281、及び2007/0016328、及び、さらに米国特許6,748,297及び6,883,201は参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0004】
自律型ロボットは、構造化されていない環境において、人間による連続した誘導なしで所望の作業を実行できるロボットである。多くの種類のロボットは、ある程度自律型である。異なるロボットは、異なる方式において自律型となりえる。自律型カバレッジロボットは、1つまたはそれ以上の作業を実行するための人間による連続した誘導なしで、作業表面をあちこち移動する。家庭、オフィスおよび/または消費者志向のロボット工学の分野において、真空掃除、床の洗浄、パトロール、芝刈りおよびその他の作業といった、家事の役割を果たす移動ロボットが広く採用されてきている。
【0005】
床を清掃する移動ロボットは、例えば、ジョーンズその他による(「ジョーンズ」)米国特許番号6,883,201に記載されており、これには、床をあちこち移動しつつ、ローラブラシ、電気掃除機、またはその他の洗浄機構を利用してごみを除去する自律型床洗浄ロボットが開示されている。ジョーンズは、3つの車輪で支持された概して円形の形状の要素を持つロボットで、特に障害物の周りを移動するために、自由に回転できるものを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下に開示されるのは、床、調理台、並びに、タイル、硬材、またはじゅうたんを敷いた床といった、その他の関連する表面を清掃するための小型移動ロボットである。このロボットは、壁のへりに沿って、または、壁の隅部において清掃することを容易にする、長方形の前方の形状の要素を持つ。1つの例において、ロボットは、円形の部分と長方形の部分の両方を含み、その長方形の部分内の清掃機構は、その長方形の部分の反対側の両方の角に隣接して配置される。その長所として、ロボットは、その清掃機構が壁の隅部または壁のへりに及ぶことによって、その長方形の部分が壁の隅部または壁のへりに接するように、動くことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、自律型カバレッジロボットは、前方部分と後方部分を含む筐体と、筐体によって保持される駆動システムを含む。筐体の前方部分は、実質的に長方形の輪郭を示す。ロボットは、筐体の前方部分に搭載された清掃部と、清掃部に隣接して配置されたごみ容器を含む。ごみ容器は、清掃部によって攪拌されたごみを受け取るように構成されている。ごみ容器の蓋は、前記筐体の下位部に枢動可能に取り付けられ、ごみ容器によって定められる開口部の閉鎖を規定する第一の閉じた位置と、ごみ容器の開口部の利用を可能とする第二の開いた位置との間を回転するように構成されている。ロボットは、筐体に取り付けられた本体と、本体の上部に配置された取っ手を含む。ごみ容器の蓋の解除装置は、ごみ容器の蓋の、その第一及び第二の位置の間での動きを制御するように構成されている。ごみ容器の蓋の解除装置は、実質的に取っ手の近くで作動可能とされている。
【0008】
本開示の本態様の実施は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、ごみ容器の蓋の解除装置は、ごみ容器の蓋をその第一の閉じた位置に固定する第一の固定位置と、ごみ容器の蓋が第二の開いた位置に移動することを可能にする第二の開放された位置との間を動くように構成される。ごみ容器の蓋の解除装置は、ばね式の外れ止めとすることができる。いくつかの例において、ごみ容器の蓋の解除装置は、取っ手に配置され、解除装置を作動させるように構成され、その結果取っ手を握りながらごみ容器の蓋の作動を可能にするように構成されたボタンを含む。いくつかの実施において、駆動システムは、右及び左の作動駆動される駆動車輪で、筐体の後方部分に回転可能に搭載されたものを含む。駆動システムは、その場で旋回するように、ロボットを動かすことができる。
【0009】
別の態様において、自律型カバレッジロボットは、前方部分と後方部分を持つ筐体と、筐体の後方部分によって保持される駆動システムを含む。駆動システムは、清掃表面上でロボットを動かすために構成されている。ロボットは、駆動システムと通信するコントローラを含む。コントローラは、ロボットがその場で旋回するように、動かすよう構成されている。ロボットは、筐体の前方部分に搭載された清掃部を含む。ロボットは、コントローラと通信する、複数の方向の動きを検出する衝突センサを含む。本体は、筐体に柔軟に取り付けられ、実質的に筐体を覆う。本体との接触は、検出のため、衝突センサに平行に伝達される。コントローラは、衝突センサから受信した信号に応じて、駆動方向を変更するように構成されている。衝突センサは、センサ基板と、センサ基板に隣接して置かれ、本体に結合されたセンサの覆いと、センサの覆いに格納されたエミッタ、及び、センサ基板に保持された少なくとも3つの検出器を含む。エミッタは、センサ基板に信号を放射し、検出器は、放射された信号を検出するように構成されている。センサの覆いの動きは、検出器の上での放射された信号の動きを引き起こす。いくつかの実施において、ロボットは、清掃部に隣接して配置され、清掃部によって攪拌されたごみを受け取るように構成されたごみ容器を含む。
【0010】
本開示の本態様の実施は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、衝突センサは、本体の、衝突センサ周りの、360°の動きを検出する。衝突センサは、お互いに対して長方形状に配置された4つの検出器を含むことが好ましい。センサの覆いは、それを通してエミッタがセンサ基板の上にその信号を放射する開口部を定める。エミッタは、赤外線エミッタを含み、検出器は赤外線検出器を含み、開口部は、センサ基板上に放射された信号の照準を合わせる。いくつかの例において、ロボットは、本体の移動を2つの方向に沿って制限する衝突ガイドを含む。衝突ガイドは、本体によって定められ、かつ、筺体に配置されたガイドピンを受けるように構成された2つの直交する溝を含む。いくつかの例において、前方部分は、実質的に長方形の輪郭を示す。いくつかの実施において、駆動システムは、対応する右及び左のモータで別々に駆動される、右及び左の駆動車輪を含む。
【0011】
更に別の態様において、自律型カバレッジロボットは、前方部分と後方部分を持つ筐体と、筐体の後方部分によって保持された駆動システムを含む。前方部分は、実質的に長方形の輪郭を示し、後方部分は、弓形の形状の輪郭を示す。駆動システムは、清掃表面上でロボットを動かすために構成され、対応する右及び左のモータによって別々に駆動される、右及び左の駆動車輪を含む。ロボットは、駆動システムと通信するコントローラを含む。コントローラは、その場で旋回するようにロボットを動かすために構成されている。ロボットは、筐体の前方部分に搭載された清掃部を含む。ロボットは、コントローラと通信する加速度計を含み、コントローラは、加速度計から受信した信号に応じて、駆動システムを制御する。いくつかの実施において、ロボットは、清掃部に隣接して配置され、清掃部によって攪拌されたごみを受け取るように構成されたごみ容器を含む。
【0012】
本開示の本態様の実施は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、前記コントローラは、急な速度の変化を示す、加速度計から受信した信号に応じて、ロボットの進行方向を変更する。コントローラは、ロボットの静止状態を示す、加速度計から受信した信号に応じて、ロボットの進行方向を変更する。コントローラは、最高速度を示す、加速度計から受信した信号に応じて、ロボットの走行速度を落とす。いくつかの例において、最高速度は約200mm/sから約400mm/sの間となる。
【0013】
本開示の上記態様の実施は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、清掃部は、筐体の前方エッジの実質的近くに回転可能に搭載された第一のローラブラシを含む。清掃部は、第一のローラブラシに実質的に平行に及びその後方に、回転可能に搭載された第二のローラブラシを含んでもよく、第一と第二のローラブラシは、反対向きに回転する。ごみ容器は、第一及び第二ローラブラシの後方で、かつ、駆動システムの前方に配置される。各ローラブラシは、ローラブラシの各末端から前記筺体の側面の広がりを越えて延びる右及び左末端ブラシを含み、各末端ブラシは、ローラブラシによって定められる長手方向の軸と、0°から90°の間の角度φをなして延びる。いくつかの実施において、清掃部は、実質的に筺体の前方エッジの近くに回転可能に搭載された前方ローラブラシと、実質的に筐体の右及び左側面のエッジそれぞれの近くに、前方ブラシに直交して回転可能に搭載された、右及び左側面ローラブラシと、を含む。ごみ容器は、前方ローラブラシの後方、かつ、実質的に右及び左のローラブラシの間かつ駆動システムの前方に配置される。
【0014】
別の態様において、自律型カバレッジロボットは、前方部分と後方部分を持つ筐体と、筐体の後方部分によって保持された駆動システムを含む。前方部分は、実質的に長方形の輪郭を示し、後方部分は、弓形の形状の輪郭を示す。駆動システムは、清掃表面上でロボットを動かすために構成され、対応する右及び左モータによって、別々に駆動される右及び左駆動車輪を含む。ロボットは、駆動システムと連通するコントローラを含む。コントローラは、その場で旋回するようにロボットを動かすために構成されている。ロボットは、筺体の前方部分に搭載され、筺体の前方エッジの実質的近くに回転可能に搭載された第一のローラブラシと、第一のローラブラシに実質的に平行かつ後方に回転可能に搭載された第二のローラブラシとを含む清掃部を含む。第一と第二のローラブラシは反対方向に回転する。ごみ容器は、清掃部の後方に配置され、清掃部によって攪拌されたごみを受け取るように構成されている。ごみ容器の蓋は、筺体の下部に枢動可能に取り付けられ、ごみ容器により定められる開口部の閉鎖を規定する第一の閉じた位置と、ごみ容器の開口部の利用を可能とする第二の開いた位置との間を回転するように構成されている。ロボットは、ごみ容器の蓋の第一と第二の位置の間の動きを制御するように構成されたごみ容器の蓋の解除装置を含む。取っ手は筐体に配置されている。ごみ容器の蓋の解除装置は、実質的に取っ手の近くから作動可能とされている。本体は、筐体に柔軟に取り付けられ、実質的に筐体を覆う。本体は、取っ手及び筐体に関して可動とされている。ロボットは、コントローラと通信し、複数の方向の動きを検出するように構成されている衝突センサを含む。本体との接触は、検出のため、衝突センサに平行に伝達される。コントローラは、衝突センサからの信号に応じて、ロボットの駆動方向を変更するように構成されている。
【0015】
本開示の本態様の実施は、以下の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、衝突センサは、センサ基板と、前記センサ基板に隣接して置かれ、本体に連結されているセンサの覆いと、センサの覆いに格納されたエミッタ、及び、センサ基板に保持された、少なくとも3つの検出器とを含む。エミッタは、センサ基板上に信号を放射し、検出器は放射された信号を検出する。さらに、センサの覆いの動きは、検出器上で、放射された信号の動きを引き起こす。
【0016】
いくつかの実施において、ロボットは、本体の動きを2つの方向に沿って制限するように構成された衝突ガイドを含む。衝突ガイドは、本体によって定められ、かつ、筐体に配置されたガイドピンを受けるように構成された2つの直交する溝を含むことがある。
【0017】
ロボットは、ごみ容器の蓋に配置された遊動輪を含むことがある。いくつかの例において、筐体の後方部分は、実質的に半円形の形状の輪郭を示し、かつ、遊動輪は、駆動車輪の前方の、実質的半円形の形状の後方部分の、半径の少なくとも三分の一の所に位置する。
【0018】
特定の例において、駆動車輪は、清掃部の後方9cm未満に配置される。ロボットは、筺体の後方部分の、実質的に、右及び左車輪の間に配置された、電源を含むことがある。電源は、ごみ容器の後方に隣接して配置される。清掃部は、第一と第二のローラブラシを駆動するように構成されたブラシモータを更に含む。いくつかの例において、ブラシモータは、筐体の実質的に近くに配置される。第一のローラブラシは、実質的に、筐体の後方エッジの近くに配置されることがある。
【0019】
本開示の実施は、次の特徴の1つまたはそれ以上を含んでもよい。いくつかの実施において、右及び左の駆動車輪は、筐体の後方部分に回転可能に搭載され、駆動システムは、その場で旋回するように、ロボットを動かすことができる。筐体の後方部分は弓形の形状の輪郭を示すことが好ましい。しかしながら、長方形や多角形といったその他の形状も可能である。いくつかの例において、筐体の後方部分は、実質的に半円の形状の輪郭を示し、右及び左駆動車輪の軸は、筺体の後方部分によって定められる中心軸の上又は後方に配置される。いくつかの実施において、筐体及び本体は、共に長さが23cm未満で、幅が19cm未満となる。
【0020】
いくつかの実施において、ロボットは、ロボットの優位側に保持された少なくとも1つの近接センサを含む。この少なくとも1つの近接センサは、実質的に本体の近くの障害物に反応する。コントローラは、少なくとも1つの近接センサから受け取った信号に応じて、駆動方向を変更するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施において、ロボットは、本体の前方部分に保持され、実質的に本体の前方のエッジに配置された、少なくとも1つのクリフセンサを含む。その少なくとも1つのクリフセンサは、ロボットの前方の潜在的な崖に反応する。駆動システムは、潜在的な崖を示している、クリフセンサから受信した信号に応じて駆動方向を変更する。いくつかの例において、右及び左クリフセンサは、ロボットの前方部分の右及び左角にそれぞれ配置されている。このことは、駆動車輪が崖のへりにそれ以上近づくことを避けるため、ロボットが前方のどちらかの角が崖のへりの上を進む時を検出することを可能にする。
【0022】
いくつかの実施において、ロボットは、ごみ容器の蓋に配置された遊動輪を含む。筐体の後方部分は、ロボットが、筐体の後方部分のどの部分も検出された障害物にあてることなく、その場で旋回することを可能にする、実質的に半円の形状の輪郭を示すことが好ましい。遊動輪は、駆動車輪の前方の、実質的半円形の形状の後方部分の、半径の少なくとも三分の一の所に置かれる。いくつかの例において、遊動輪は、静止状態検出器で、遊動輪の中または上に配置された磁石と、遊動輪が回転する時に磁石を検出するために、遊動輪に隣接して配置された磁石検出器とを含む。
【0023】
その他のより一般的な態様で、上記実施のいずれとも組み合わせられるものにおいて、自律型カバレッジロボットは、筐体と、筐体により保持された駆動システムを含む。駆動システムは、清掃表面上でロボットを動かすために構成されている。いくつかの例において、駆動システムは、右と左の別々に駆動される車輪を含む。しかしながら、スキッドステア方式のキャタピラーといった、その他のロボットの駆動手段も適用可能である。いくつかの例において、筐体は前方部分と後方部分を持ち、その前方部分は実質的に長方形の輪郭を示す。任意で、後方部分は弓形の形状とすることができる。
【0024】
いくつかの実施において、ロボットは、筐体の前方部分に搭載された清掃部を含む(例えば、筐体の前方エッジの実質的近くに)。ごみ容器は、清掃部に隣接して配置され、清掃部によって攪拌されたごみを受け取るように構成されている。いくつかの例において、ごみ容器箱の蓋は、枢動可能にロボットに取り付けられていて、ごみ容器によって定められる開口部の閉鎖を規定する第一の閉じた位置と、ごみ容器の開口部の利用を可能とする第二の開いた位置との間を回転するように構成されている。その他の例において、ごみ容器の蓋は、スライド可能にロボットに取り付けられていて、第一の閉じた位置と、第二の開いた位置との間でスライドする。
【0025】
いくつかの例において、本体は筐体に取り付けられている。本体は、筐体の外側と一致させることができる。いくつかの例において、本体は、筐体に柔軟に、または、移動可能に取り付けられる。ロボットは、そのロボットを運ぶための取っ手を含むことがある。取っ手は、本体または筐体に配置される。取っ手が筐体に配置される場合、本体は、取っ手及び/または筐体に対して移動可能とされる。ロボットは、ごみ容器の蓋の解除装置で、ごみ容器の蓋の第一と第二の位置の間の動きを制御するように構成されたものを含むことがある。ごみ容器の蓋の解除装置は、実質的に、取っ手の近くから作動できることが好ましい。しかしながら、ごみ容器の蓋の解除装置は、実質的にごみ容器の蓋の近くから作動できるようにすることができる。
【0026】
いくつかの実施において、ロボットは、複数の方向の動きを検出するように構成できる衝突センサを含む。いくつかの例において、本体との接触は、検出のために、衝突センサに平行に伝達される。本体は、衝突センサから受信した信号に応じて、ロボットの駆動方向を変更するように構成されたコントローラを含むことがある。いくつかの例において、ロボットは、コントローラと通信する加速度計を含み、コントローラは、その加速度センサから受信した信号に応じて、駆動システムを制御する。
【0027】
本開示の1つまたはそれ以上の実施の詳細は、添付の図面及び以下の解説において説明される。その他の特徴、目的、利点は、解説及び図面から、及び、請求項から明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、小型自律カバレッジロボットの上面斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されるロボットの底面斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されるロボットの上面図である。
【図4】図4は、図1に示されるロボットの底面図である。
【図5】図5は、図1に示される上面の分解部品配列図である。
【図6】図6は、図1に示されるロボットの正面図である。
【図7】図7は、図1に示されるロボットの背面図である。
【図8】図8は、図1に示されるロボットの左側面図であり、ごみ容器の蓋が開いた位置にある。
【図9】図9は、図1に示されるロボットの右側面図である。
【図10】図10は、小型自律カバレッジロボットの上面斜視図である。
【図11A】図11Aは、静止状態検出器の側面図である。
【図11B】図11Bは、小型自律カバレッジロボットの上面概略図である。
【図11C】図11Cは、小型自律カバレッジロボットの側面概略図である。
【図12A】図12Aは、壁に沿って走る小型自律カバレッジロボットの上面図である。
【図12B】図12Bは、壁に衝突する小型自律カバレッジロボットの上面図である。
【図13A】図13Aは、バンパーガイドの付いた小型自律カバレッジロボットの上面概略図である。
【図13B】図13Bは、衝突センサの側断面図である。
【図13C】図13Cは、バンパーガイドの付いた衝突センサシステムの上面概略図である。
【図13D】図13Dは、衝突センサシステムの透視図である。
【図14】図14は、図3の小型洗浄ロボットの輪郭の影付きの図である。
【図15】図15は、全方向センサの透視分解部品配列図である。
【図16】図16は、図15に示される全方向センサの側面図である。
【図17】図17は、小型自律カバレッジロボットの上面斜視図である。
【図18】図18は、図17に示すロボットの底面斜視図である。
【図19】図19は、図17に示すロボットの上面図である。
【図20】図20は、図17に示すロボットの底面図である。
【図21】図21は、図17に示す上面の分解部品配列図である。
【図22】図22は、図17に示すロボットの正面図である。
【図23】図23は、図17に示すロボットの後面図である。
【図24】図24は、図17に示すロボットの左側面図で、ごみ容器の蓋が開いた位置にある。
【図25】図25は、図17に示すロボットの右側面図である。
【図26】図26は、壁のへりにそってあちこち移動している長方形の形状を持つ小型清掃ロボットの斜位像である。
【図27】図27は、壁の隅部にぴったりはまって進む小型清掃ロボットの平面図である。
【図28】図28は、壁の隅部に進む円形ロボットの平面図で、円形ロボットが横切れない隙間を示している。
【図29−32】図29−32は、自律型カバレッジロボットの制御回路の概略図を集合的に提供する。
【図33】図33は、自律型カバレッジロボットの行動システムのソフトウエア構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1−3を参照すると、自律型カバレッジロボット100は、前方部分210と後方部分220を持つ筐体200を備えている。筐体200の前方部分210は、略長方形を定める。例示において、筐体200の後方部分220は、アーチ形の形状を定める(例えば、例示において、後方部分220は円形)が、後方部分220は、長方形、三角形、先の尖った、または波形といったような、しかしこれらに限定されない、その他の形状を定めても良い。
【0030】
図1から5を参照すると、ロボット100は、筐体200の輪郭に略沿った本体300を含んでいる。本体300は、筐体200の上で移動することができる。いくつかの例において、取っ手330は、本体300の上部に設置されるか、または定められる。その他の例において、取っ手330は、取り付け部332に固定されるか、または取り付け部332から延びている。取り付け部332は、筐体200の上部205に固定されている。取り付け部332は、着脱可能で、異なる配列の、若しくは異なる部品(例えば、異なる取っ手330かつ/またはセンサ)を運ぶ、その他の取り付け部332と取り換え可能となっている。本体300は、取り付け部332および筐体200に関して、移動する。例示において、本体300は、取り付け部332の下で浮いている。取り付け部332は、本体との接触による(例えば、本体300の下部303に沿った(図8参照))本体の動き(例えば2−4mmのバンパーの動作)に対し、360°にわたる変位の制限を与えるため、円形で、本体300の上部(305)で定められる開口部に関してずれた大きさであっても良い。ロボット100(筐体200と本体300を含めて)は、長さ23cm以下で、幅19cm以下の小型のフットプリントを持つ。
【0031】
図4および5を参照すると、ロボット100は、筐体200によって保持され、清掃表面上で、ロボットを動かすために構成された駆動システム400を含む。例示において、駆動システム400は、右と左の駆動車輪410と420とをそれぞれ含み、対応する右および左の駆動モータ412と422によって、それぞれ別々に駆動される。例示において、駆動モータ412と422は、それぞれ車輪410、420の上に取り付けられ、ロボット100の足跡を小型に維持することに役立つ。その他の実施において、駆動モータ412、422は、それぞれの駆動車輪410、420に隣接して取り付けられる(例えば、同軸で)。いくつかの例において、ロボットは、駆動車輪410、420とそれぞれの駆動モータ412、422との間に、ギアボックス414、424を含む。ギアボックス414、424および駆動モータ412、422は、ロボットをその最大速度約200mm/sから約400mm/s(もしできれば、306mm/s)および、その最大加速度500mm/sで推進するうように構成されている。いくつかの実施において、駆動車輪410、420の中心軸は、以下に記載する清掃部500の後方9cm未満内(もしできれば8cm)に配置される。ロボット100は、駆動システム400と通信するコントローラ450を含む。コントローラ450は、ロボット100がその場で旋回するように動かすように構成されている。
【0032】
従来型の円筒型ロボットで、駆動車輪がロボットの直径上に配置されているものの長所は、障害物があっても回転するのを妨げられないことにある。これにより、簡単で効果的な脱出戦略−ロボットの前方に障害物が検出されなくなるまでその場で回転すること、を可能にする。ロボットが円筒形でないか、車輪部の軸がロボットの直径上にない場合、ロボット上の垂直抗力および接線分力は、ロボットが物体に接触しながら回転するにつれて変化する。そのような従来型とは異なるロボットが任意の衝突から脱出できることを確実にするため、周囲からロボットに加えられる力とトルクは、ロボットの生成したロボットの動きを停止させる力およびトルクと結合してはならない。実際には、このことはロボットの形状が幅に関して一定であるべきであり(外力を受けたときの外殻のたわみの距離の範囲まで)、ロボットの車輪が横移動を可能とするものであることを意味する。特定の形状は、車輪への最大の横力(maximum lateral wheel forces)と、最大限許容可能な周囲の摩擦係数とに対する異なる要求条件を生じさせる。しかしながら、ここに開示されるロボット100は、いくつかの例において、隅部の中を完全に掃除可能とするため、長方形の前方部分210を持つ。
【0033】
再度、図4に示される例を参照すると、筐体200の後方部分220の略半円形の輪郭を定める円形の輪郭221は、筐体200の前方部分210まで伸び、中心軸223を持つ。駆動車輪410、420は、円形の輪郭221の中心軸223の上か、または中心軸223のほぼ近くに置かれる。この例示において、駆動車輪410、420は円形の輪郭221の中心軸223の少し後方に置かれる。駆動車輪410、420を円形の輪郭221の中心軸223の上または後方に置くことにより、ロボット100は、障害物に筐体200の後方部分220を引っ掛けることなくその場で回転することができる。
【0034】
図2、4および5−9を参照すると、ロボット100は、筐体200の前方エッジ202の大体近くにある、筐体200の前方部分210に取り付けられた清掃部500を含む。この例示において、清掃部500は、回転可能に取り付けられた、お互いに大体平行な、第1と第2のローラブラシ510と520を含む。ローラブラシ510、520は、ローラブラシ510、520の中央部分とギアボックス532によって結合された清掃モータ530によって駆動される。清掃モータ530は、清掃部500を筐体200の前方部分210に限定するため、および、小型ロボットのフットプリントを比較的小さく維持することを助けるため、ローラブラシ510、520の上に置かれる。各ローラブラシ510、520は、ローラブラシ510、520の長手方向の端512、514、522、524それぞれに、端板540を含んでもよい。各端板540は、ローラブラシ510と520とによって定められる長手方向の軸513、523と0°から90°の角度φをなすように配置される(できれば45°)。端板540は、筐体200と本体300を超えて(例えば、それぞれ右側および左側のエッジ306、308を超えて)、ロボット100に隣接する目的物の上またはそれに沿って、ごみを攪拌するために伸びている(例えば、壁に接して清掃するため)。清掃部500のその他の実施については、ロボット100の別の実施とともに後で取り扱われる。
【0035】
図1−5、8、および10を参照すると、ロボット100は、清掃部500に隣接して配置され、清掃部500によって攪拌されたごみを受け取るように構成された、ごみ容器部600を含む。いくつかの例において、筐体200は、ごみ用の空間またはごみ容器610を定める(図10参照)。その他の例において、ごみ容器610は、筐体の下に配置され、清掃部500に攪拌されたごみを受け取るように置かれる。この例示において、ごみ容器610は、大体、清掃用部品500と駆動システム400との間に置かれる。特に、ごみ容器610は駆動車輪410、420の前方で、ローラブラシ510、520の後方となっている。
【0036】
ごみ用の空間/ごみ容器610は、筐体200によって定められ、従って、筐体200と一体的に形成されるのが好ましい。別の構成において、ロボット101は、ごみ用の空間/ごみ容器610としての役目を果たす、モジュール式の、着脱可能なカートリッジまたは袋で、利用者がカートリッジまたは袋を取り去り、空にすることで、ごみを除去できるものを含む場合がある。カートリッジまたは袋610は着脱可能に筐体200に取り付けられている。
【0037】
ごみ容器の蓋620は、枢動可能に、筐体200の下部203に取り付けられていて、ごみ容器610によって形成される開口部612の閉じた状態を定める第一の閉じた位置と、ごみ容器の開口部610の利用を可能とする開いた位置との間で、回転するように構成されている。いくつかの例において、ごみ容器の蓋620は、筐体200に対して、1つまたは複数の蝶番622によって、解放可能なように結合される。ごみ容器部600は、ごみ容器の蓋620のその第一の位置と第二の位置との間の動きを制御するように構成されているごみ容器の蓋の解放装置630を含んでいる。ごみ容器の蓋の解放装置630は、ごみ容器の蓋を第一の閉じた位置に固定する第一の固定位置と、ごみ容器の蓋620がその第二の開いた位置に移動することを可能にする第二の解放位置との間を動けるように構成されている(図8参照)。ごみ容器の蓋の解放装置630は、取っ手330の大体近くにおいて作動可能で、これにより、ごみ容器の蓋の解放装置630は、取っ手330を保持しながらの作動を可能とする。このことは、利用者が取っ手330を用いてロボット100を片手で持ち上げることを可能にし、ごみ容器の上にロボット100を保持することを可能にし、また、ごみ容器の蓋の解放装置630を、ごみ容器の蓋620を開放し、ごみ容器610の中身をごみ箱に移すために、取っ手330を保持している同じ手で作動させることを可能にする。いくつかの実施において、ごみ容器の蓋の解放装置630は、ばね式の外れ止め、または、外れ止めボタンで、下方に押すこと(例えば、ボタン)、または、上方に引っ張ることで(例えば、引き金)引きつけられるものとなっている。
【0038】
ロボット100は、駆動システム400および/またはコントローラ450と連通し、筐体200に着脱可能に取り付けられている電源160(例えば、電池)を含む。図2、4、5、および7−8に示される例において、電源160は、筐体200の後方部分220で定められる電源ソケット260に入れられる。いくつかの例では、電源160は、実質的にコントローラ450の下で、右および左の駆動車輪410、420の間に位置し、その一方で、ロボット100の重心を実質的に筐体200の中心または、実質的に、駆動車輪410、420で定められる第一の横軸415と、フリーホイール722(例えば、静止状態ホイール722)により定まる第二の横軸425の間に置くために十分なだけ、前方に伸びている(図4参照)。電源160の重量の位置が後ろ過ぎる場合、清掃部500上の重量が不十分となり、筐体200の前方部分210が上に軽く持ち上がることがある。比較的小さなフットプリントの小型ロボット100であるため、筐体200の上および内部の部品の配置は、機能を維持しつつロボット100の小型のサイズを達成するため、重要となっている。図5および8を参照すると、ごみ用の空間/ごみ容器610は、電源160の前方に配置されることを妨げる(例えば、電源160は、筐体200の後方部分210に限定されて配置される)。それにもかかわらず、電源160は、駆動車輪410と420の間で可能な限り前方に置かれ、ロボットの重心を駆動車輪410と420で定められる第一の横軸415の前方に置くために、実質的にごみ容器610に隣接する。重心を駆動車輪410、420の前方に置くことで、ロボット100が上または後方に持ち上がることはほとんどなくなる(例えば、境界を越える場合)。
【0039】
図1−11を参照すると、ロボット100は、ロボット100がその周囲/環境を知ることを可能にし、その周囲/環境について感知した認識に従って、所定の方法または行動で対処することを可能にするコントローラ450と通信するナビゲーションセンサシステム700を含む。行動制御についての解説は、Jones,Flyun & Seiger,Mobile Robots: Inspiration to Implementation second edition,1999, A K peters, Ltd.において、詳しく見い出すことができ、その本文は、参照することにより全体が本明細書に含まれるものとする。ナビゲーションシステム700は、1つまたは複数のクリフセンサ710、静止状態検出器720、近接センサ730、少なくとも1つの衝突センサ800、かつ/または、全方向受信機900を含む。ナビゲーションセンサシステム700からのインプットを使うことで、コントローラ450はロボット100によって実行されるコマンドを生成する。その結果として、ロボット100は、自律的な方法で表面を洗浄することができる。
【0040】
クリフセンサ710は、階段に遭遇した時といった、ロボット100が床または作業表面のエッジに遭遇した時に、感知するために用いることができる。エッジが検出された場合、ロボット100は、ロボットに、進行方向を変えるといったような行動を行わせるような反応をすることができる。図2、4、5、及び10に示す例において、ロボット100の本体300は、本体300の周囲に沿って、4つのクリフセンサ710を格納し、その中の2つのクリフセンサ710は、本体300の前方部分310の前方エッジ302に実質的に沿っていて(前方の外側の角または側面のエッジの近くが好ましい)、また、もう2つのクリフセンサ710は、本体300の後方部分320の後方エッジ304に実質的に沿っている(後方の外側の角または側面のエッジの近くが好ましい)(図4参照)。各クリフセンサ710は、信号を送信するエミッタ712と反射した信号を検出するように構成されている受信機714を持つ。いくつかの実施において、クリフセンサ1074は、センサを安定させ、保護する、取り付け装置の内部に設置されることもあり、その取り付け装置は、その底部の方に設置された窓の方向を向くようにセンサを配置する。取り付け装置と窓は、センサと共に、クリフセンサを構成する。クリフセンサ710の信頼性は、蓄積するほこりを減らすことで、高めることができる。いくつかの実施において、傾斜した成形物内に取り付けられたシールドで、帯電防止材料のような、ほこりが蓄積するのを防止する材料で構成されたものを含む取り付け装置の底に、窓は設置される。シールド部材と成形物は、結合されることもある。ほこりとごみの蓄積の削減を促進するため、シールドは、ごみをより容易にすべり落とすために傾斜部上に取り付けられることもある。いくつかの実施において、第一のクリフセンサ710が機能しなくなった場合に備え、床のエッジを検出する二次的なクリフセンサ710が既存のクリフセンサ710の後方に存在することもある。
【0041】
幅が一定の形状のロボットは、大体それらの形状の重心の場所において、回転することができる。幅が一定の形状とは、凸状の平面的な形状で、その幅は、その境界に接する対向する平行線の間の距離によって測ると、それらの2つの平行線の向きにかかわらず、同じになる。ある方向からの形状の幅は、その方向に直行する平行線間の垂直距離として定められる。ルーローの三角形は、幅が一定の形状の(円形の次に)最も簡単な例である。しかしながら、この例示において、ロボット100は、筐体200の前方部分210に長方形の形状を持ち、従って、幅が一定となるロボットではなく、このことによって、例えばキャニオニング状態における場合のように、様々な動きがとれない位置から脱出するために、ロボットがその場で回転することが妨げられる。キャニオニング状態は、ロボット100が、ロボット100の幅よりも少しだけ広い、狭い廊下(側壁のある)または厚板(横に断崖がある)を走行する場合に起こる。ロボット100が廊下または厚板の端に着くと、逆に走行して、廊下からバックして出るか、厚板を後退することによってのみ、脱出することができる。ロボット100がその場を回転すると(例えば180°回転すると)、ロボットの角の1つが壁にぶつかるか、崖から外れる。崖の場合、クリフセンサ710を実質的に本体300の後方のエッジ304、または、筐体200の後方のエッジ204に配置することは、ロボット100が、崖を後退することなく、知的に脱出することを可能にする。同様に、以下に説明される衝突センサ800は、後部の衝突を検出し、ロボット100を狭い廊下からバックして出ることを可能にする。
【0042】
図2、4、5及び11Aを参照すると、静止状態検出器720は、ロボット100が動いているか、静止しているかを示す。例示において、静止状態検出器720は、磁石724がホイール722に埋め込まれるか配置されている、静止状態状態ホイール722を含む。磁気受信機726(例えば、インダクタ)は、磁石724が通過するのを検出するため、ホイール722に隣接して置かれる。磁気受信機726は、コントローラ450に対して、いつ磁石724が磁気受信機726を通過したかを示す出力信号を提供する。コントローラ450は、磁気受信機726および静止状態ホイール722の円周からの出力信号に基づき、ロボット100がどれだけの速度で、どれだけ遠くまで移動しているかを判定するように構成されている。その他の実施において、静止状態検出器720は、少なくとも2つの異なる反射特性(例えば、白と黒)の円周面を持つ静止状態ホイール722を含む。静止状態エミッタおよび受信器の1対(例えば、赤外線)が静止状態ホイール722に隣接して置かれる。静止状態エミッタは、静止状態ホイール722の円周表面に信号を放射するように構成され、静止状態受信機は、静止状態ホイール722の円周表面からの反射信号を検出し、受信するように構成されている。静止状態検出器720は、反射状態と非反射状態を観測し、ロボットが移動しているかどうか、および、ことによると移動速度まで判定する。
【0043】
更に、ロボット100の小型の特性、及び、部品の緻密な配置のため、静止状態ホイール722は、安定して接地される第三の車輪としての役割を持つ。もし静止状態ホイール722が清掃部500の前方に置かれるならば、それは、ロボット100が曲がる場合に円弧に引き込む方向車輪というよりは、むしろ荷物運搬用の車輪であることが必要とされるであろう。しかしながら、隅部を完全に清掃できるようにするため、筐体200の前方部分210は長方形であることが必要で、このことによって静止状態ホイール722を清掃部500の前方に配置することはできなくなる(例えば、そのことにより、形状が長方形以外となる)。車輪は、筐体200の前方部分210を、清掃及びブラシの回転のため、適切な高さだけ持ち上げるために、駆動車輪410、420の前方である必要がある。
【0044】
再び図4を参照すると、静止状態ホイール722は、ごみ容器の蓋620に置かれ、清掃部500の後方で、駆動システム400と電源160の前方に位置する。静止状態ホイール/遊動輪722は、駆動車輪410と420の前方に位置し、円形の輪郭221の中心軸223の前方で、円形の輪郭221内に位置する。静止状態ホイール722をこの位置に置くことは、筐体200の前方部分210を支持し、安定させつつ、実質的にその回転方向を横切る方向に静止状態ホイール722を引きずることなく、ロボットが曲がることを可能にする。静止状態ホイール722は、中心軸223の半径の三分の一の所に置くのが好ましい。静止状態ホイール722及び電源160を前方に配置することは、清掃部500により妨げられる。結果として、清掃部500のサイズを小さくすることにより、静止状態ホイール722及び電源160は、より前方に置くことが可能となり、ロボット100の全体的な長さを減らすことが可能となる。
【0045】
図11B−11Cに示す例は、小型の形態および移動の安定性を達成するするための、ロボット100の部品の配置を説明している。ここで、LD = 平面クリフ検出器710A、710Bの厚さ、CH = 清掃用先端500の前後の長さ、WB = ホイールベース、RD = 角のあるクリフ検出器710C、710Dの前後の長さ、WT = 車輪距離、そして、CR = 円形の半径(>車輪距離の二分の一)であり、墓石形のロボット100は、長さが、1)LD+CH+WB+CRで、2)1.4CR以下で、3)RD<1/2CR、WB>1/3CR、CGはWB以内となる。上記関係を満たす部品の配置によって、ロボットの重心105は、駆動車輪410、420の前方で、円形の半径CR以内に置かれる。図はさらに、重心165を持つ電源160と、重心517を持つブラシモータ515を含む、最も重たい部品の中の2つ配置について説明している。ブラシモータ515は、その重心517をできるだけ前方に配置し、電源160の重量を相殺するため、できるだけ前方に置かれる。同様に、電源160は、その重心165についてもできるだけ前方に配置するために、できるだけ前方に置かれる。しかしながら、一般に電源160が前方に位置することは、清掃部500とごみ容器610により妨げられる。
【0046】
図1、5、及び9を参照すると、近接センサ730は、障害物がロボット100に近いか、または、隣接していることを判定するために使うことができる。近接センサ730は、例えば、物体がロボット100から所定の距離以内にある場合に、信号を与える赤外線センサまたは超音波センサとすることができる。例示において、近接センサ730は、壁のような物体が、その側面に隣接している場合を検出するために、ロボット100の側面(例えば右側面)に配置されている。
【0047】
好適な実施において、図示されている通り、近接センサ730を持つロボット100の側面はロボット100の優位側の面であり、この事例においては主要な進行方向105に対して右側の側面となっている。いくつかの例において、壁近接センサ730は、有限の体積の交差が壁の想定される位置において生じるように視準の合された、エミッタと検出器の一対で構成される赤外線センサとなっている。この焦点位置は、駆動車輪410、420から、ロボットの前進方向に約3インチ前方となっている。壁検出の半径方向距離は、約0.75インチとなっている。近接センサ730は、壁伝い行動を実行するために利用することが可能であり、壁伝い行動の例は米国特許番号6,809,490に記載されていて、その内容全体は、参照することにより、全体が本明細書に含まれるものとする。
【0048】
いくつかの実施において、近接センサ730は、実質的に並行に置かれたエミッタと検出器を含む。エミッタは、実質的に検出器の検出領域と平行に突出した放射領域を持つ。近接センサ730は、検出された物体(例えば壁)との距離を判定するコントローラ450に、信号を与える。近接センサ730は、正確に検出するため、および、コントローラ450が物体距離を判定できるようにするために、調整される必要がある。近接センサ730を、隣接する物体の反射能(例えば、色や反射率)に対して調整するため、ロボット100は、その優位側を物体に衝突させ、反射特性を記録する。赤外線のエミッタと検出器の例では、コントローラ450は、壁であることが想定される物体と接触した瞬間に反射強度を記録する。本体300と近接センサ730との間の既知の調整距離における記録された反射強度に基づき、コントローラ450は、その後、壁伝いに走る間、壁との間の距離を判定することができる。コントローラ450は、駆動モータ412、422に対して、壁からある距離を走行するように、サーボ制御を適用することができ、従って、壁面追従する。ロボット100は、周期的に進路を壁の方にむけ、側面を壁に衝突させ、近接センサ730を再調整することができる。近接センサ730が壁がないことを感知した場合、ロボット100は、再び壁を認識した時に、近接センサ730を再調整することを決定することができる。
【0049】
ロボット100は、近接センサ730を使って、その優位側で、自発的に壁面追従することができる。ロボット100はその主要でない側面で(または、近接センサ730が存在しないか、機能していない場合は、優位側で)、受動的に壁面追従することができる。物体に衝突した後(例えば衝突センサ800で感知される)、ロボット100は物体を壁と仮定して、壁面追従するために方向を変えることができる。ロボット100は、本体300の前方の角を物体/壁にひっかけないように、方向を変える前に後退することができ、このようにして前方の衝突センサ800を再始動させる。方向を変えた後(例えば90°)、ロボット100は真っすぐに走り(例えば、壁に沿って)、壁をこするように少しだけ壁の方に曲がる。ロボット100は、以下に記載される全方向衝突センサ800を通して、側面の衝突を検出することで、壁をこすっていることを感知することができる。ロボット100は、衝突センサ800がロボット100の現在の壁を伝っている側面において、側面の衝突を検出しなくなるまで、一定期間、受動的に壁を伝い続けることができる。
【0050】
ロボット100は、本体300の平らな側面のため、及び、駆動車輪410、420が後方に配置されていることに幾らか起因して、受動的に壁面追従することができる。平らな側面は、ロボット100が壁に沿って走ることを可能にする(例えば、実質的に壁にそって平行に)。駆動車輪410、420が筺体200の後方部分220に位置することによって、ロボット100は、その筐体200の後方部分210の方向を、壁に沿って走るように、壁に向かって変えることが可能となる。図12Aを参照すると、壁30と接触して前方に移動するロボット100は、2つの力の影響を受ける。すなわち、壁に垂直な力、F、及び、壁の接線方向の力、Fである。これらの力は、ロボットの回転の自然な中心である、車輪間の中心点付近において反対のトルクを作り出す。トルクτを次のように表示することができる:
τ = rF(cosθ − μsinθ)
ここで、μは壁とロボットとの間の摩擦係数である。所定のμの値に対して、トルクが釣り合う臨界角θが存在する。θ < θの場合、方程式の右側の第一項目が大きく、ロボットは壁とそろう傾向がある。θ > θ の場合、第二項が大きく、ロボット100は進路を壁に向ける傾向がある。
【0051】
開示されているロボットの場合の墓石型のような、特定のロボットの形状は、有益なθの値を達成することができる。標準的な円筒形の場合、ロボットの壁への接近の角度にかかわらず、θ = π/2となることに注意する。従って、受動的に壁面追従することは、この構成では達成できない。受動的にうまく壁面追従するため、ロボットの回転の自然な軸と、壁との接点との間のずれは、ロボットの動きが壁に沿っている場合、できるだけ前方にするべきである。また、受動的な回復を可能にする最大の壁の段の高さを考慮することは重要で、ロボットの形状に影響を与える。
【0052】
いくつかの例において、ロボット100は半受動的に壁面追従する。ロボット100は、側面近接センサ730を持つ優位側で壁面追従する。衝突センサ800、または、近接センサ730によって、壁と仮定される物体を検出した後、ロボット100は、仮定された壁にその優位側を揃えるために曲がる。ロボット100は、壁に沿って走るように、少し壁の方に曲がりながら、壁に沿っての走行を開始する。ロボット100は、衝突センサ800または近接センサ730を通して、壁との接触を感知することによって壁との接触を維持し、コントローラ450は、サーボ制御を適用するか、または駆動モータ412、422が結果的に壁に沿って走行するような手段を与える。
【0053】
図12Bに示すように、いくつかの例において、ロボット100は、壁面追従を支援する、ロボットの前方の一つまたは両方の角に配置された接触要素180(例えばローラ、軸受け、軸受筒、又は柔らかい接触点)を含む。接触要素180は、少なくとも、ロボット100の優位側の、前方の角に配置されるのが好ましい。ロボット100が壁に沿って動く時、単に壁をこする代わりに、接触要素180によって壁に接触する。いくつかの実施において、接触要素180は、垂直軸に沿って付けられた側面ブラシで、本体300を越えて延びている。側面ブラシは、壁とロボットの本体300との間の緩衝となる空間を維持する。
【0054】
衝突センサ800は、ロボット100が物理的に物体に遭遇したと判断するために利用される。そのようなセンサは、静電容量またはロボット100内の物理的な変位等の物理的な性質を使って、物体に遭遇したと判断するために利用することができる。いくつかの実施において、衝突センサ800は、本体300の大体周辺に配置された接触センサを含む。好適な実施において、衝突センサ800は、筐体200上の本体300の動きを検出するように構成されている。図5、10及び13A−13Dを参照すると、ロボット100の本体300は、バンパーとして機能し、一つまたは複数の弾性要素309によって筐体200に弾性的に結合されている。弾性要素309は、バンパー型の本体300が少なくとも2つの方向に移動することを可能にする(3つの方向が好ましい)。いくつかの例において、衝突センサ800は、衝突センサ基盤810上で等間隔に間隔をあけられた、少なくとも3つの(4つが好ましい)検出器820(例えば、光検出器のような、光または赤外線検出器)を支える衝突センサ基盤810を含む。例示において、衝突センサ基盤810は、検出器820を保持するプリント回路基板となっている。プリント回路基板 − 衝突センサ基盤810は、コントローラ450と連通し、それを保持することもある。衝突センサ800は、衝突センサの覆い830で、衝突センサ基盤810上に位置し、衝突センサ基盤を覆う空洞832を定めるものを含む。衝突センサの覆い830は、信号842(例えば光線)を衝突センサの覆い830によって定められる、空洞832の壁を貫く開口部834を通して放射する、エミッタ840(例えば、光線または赤外線のエミッタ)を格納する。開口部834は、有向路を持つように、信号842を平行にする。衝突センサの覆い830が衝突センサ基盤810の上を移動するにつれて、信号842は検出器820の上を移動し、これによって対応する信号がコントローラ450に提供される(例えば、信号強度に比例する)。検出器信号に基づき、コントローラ450は、筐体200上の本体300の動く方向を判定するように構成されていて、オプションで、移動率を判定することができる。衝突センサ800は、衝突センサの覆い830の衝突センサ基盤810上の360度の動きを検出することができる。検出器820から受信した検出信号に応じて、駆動システム400かつ/またはコントローラ450は、ロボット100の走行方向を変更するように構成されている。
【0055】
図13A及び13Cに示す例において、衝突センサ800は、本体300を2つの移動方向に沿って導く衝突ガイド850を含んでいる。上述の通り、本体300は、本体が並進及び回転によってずらされることを可能にする、弾性要素309によって本体と結合されている。衝突ガイド850は、(筐体300に対して)バンパー300と共に移動する部材に形成され、(筐体200に対して)動かない筐体200の上の少なくとも1つのガイドピン854とかみ合される、直交する溝852とT字型に交差する形状か、または、直交するように構成される。その他の実施において、衝突ガイド850は、筐体200の一部分に形成され、ガイドピン854は、バンパー本体300に固定される。バンパー300がずれると、バンパーガイド850はバンパー300を、バンパーをそのまま平行移動させることを可能にするバンパーガイド850のアームに沿った領域に導く傾向があり、そうでなければ、回転成分を減らすか、回転を平行移動に導く傾向があり、衝突センサ800の検出を向上させる。
【0056】
図5、10及び13Dに示される例において、衝突センサ800は、衝突センサの覆い830とバンパー型の本体300との間に固定されるバンパー連結アーム850を含む。バンパー連結アーム850は、本体300の動きを衝突センサの覆い830に平行移動させる。衝突センサの覆い830は、衝突センサ基板710に固定することが可能で、衝突センサの覆い830が衝突センサ基板810に対して弾性たわみによって移動できるように弾性材によって構成される。その他の例において、衝突センサの覆い830は、衝突センサ基板710の上に位置し、衝突センサ基板810に対して自由に移動できるようにされている。
【0057】
ロボット100は、前方への走行方向を持ち、筐体200の前方部分202の上の、本体300の前方部分305に全方向受信機900を保持している。図1は、ロボット100の最も高い位置となる、ロボット100の上の全方向受信機900の位置の例を示している。全方向受信機900は、ロボット100がナビゲーションの無線ビーコン(図示せず)に接近している時に、感知するために利用することができる。例えば、全方向受信機900は信号を、放射強度を示す制御システムに中継することが可能で、ここで信号が強いことは、ナビゲーションの無線ビーコンに接近していることを意味する。
【0058】
図14−16は、全方向受信機900の透視図、側面図、断面図を示す。全方向受信機900は、筐体910、円錐反射器920及び放射受信機930を含む。筐体910は、上方部分912と内部空洞916を持つ。上方部分912は、内部空洞916への放射の伝達を可能にする。円錐反射器920は、筐体910の上方部分912に向けられる放射を内部空洞916に反射するするために、空洞916の上部表面に位置している。放射受信機930は、円錐反射器920の下の内部空洞916の内部に位置する。いくつかの実施において、全方向受信機900は、赤外線(IR)を受信するように構成されている。そのような場合、ガイド940(例えば、光ファイバー)は、円錐反射器920から反射される放射を導くことができ、それらを放射受信機930に向かわせることができる。
【0059】
コントローラ450は、ロボット100が方向設定および速度設定に従って推進するように構成することができる。ナビゲーションセンサシステム700から受信した信号は、ロボット100の指令された速度又は方向を変更するといった、制御システムが障害物を処理するためのコマンドを発行するために利用することができる。例えば、隣接する壁による近接センサ730からの信号は、制御システムに速度を落とすためのコマンドを発行させることができる。別の例においては、障害物と遭遇したことによる衝突センサ800からの衝突信号は、制御システムに方向を変更するためのコマンドを発行させることができる。その他の例において、ロボット100の速度設定は、接触センサに応じて低下させることが可能で、かつ/または、ロボット100の方向設定は、近接センサ730に応じて変更することが可能である。
【0060】
コントローラ450は、ロボット100の速度設定を調整するように構成されている第一の独立行動ルーチンと、ロボット100の方向設定を変更するように構成されている第二の独立行動ルーチンを含むことがあり、第一と第二の独立行動ルーチンは、同時に、また、お互いに独立して実行されるように構成されている。第一の独立行動ルーチンは、近接センサ730をポーリングするように構成されることがあり、第二の独立行動ルーチンは衝突センサ800をポーリングするように構成されることがある。ここで説明されるロボット100の実施において、行動ベースの制御は一部利用されるか、又は、全く利用されないことがあるが、行動ベースの制御は、ロボットを強固な(すなわち、立ち往生したり、機能しなくなったりすることがない)上に安全に制御する上で効果的である。
【0061】
図17−25は、自律型カバレッジロボット101の別の実施について示している。ロボット101は、前方部分210と後方部分220を持つ筺体200と、実質的に筐体200の外形に沿った、前方部分301と後方部分303を持つ本体300とを備える。筐体200の前方部分210は、実質的に長方形の形状を定め、後方部分220は、楕円形の形状を定める。本体300の前方部分301は、筐体200に対して柔軟に連結されている。取っ手330は、本体300の後方部分303の上方部分305に配置されるか、または定められる。
【0062】
構成例において、ロボット101の形状因子は、直径約15cm、高さ7.5cmであり、再充電する必要があるまでの約6時間、バッテリー電源で機能する。また、例えば、ロボット101は平均的な大きさの単一の部屋を約45分で、または、複数の小さな領域を、効果的に清掃することができる。
【0063】
図18、20及び21を参照すると、ロボット101は、上述の通り、筐体200に保持された駆動システム400を含む。示されている実施において、駆動モータ412、422は、それぞれの駆動車輪410及び420に隣接し、それらに沿って(例えば同軸で)配置されている。いくつかの例において、ロボットは、駆動車輪410、420及び、そのそれぞれの駆動モータ412、422との間に結合されるギヤボックス414、424を含む。ロボット101は、駆動システム400と連通するコントローラ450を含む。コントローラ450は、ロボット101がその場で旋回するように動かすように構成されている。
【0064】
ロボット101は、筐体200の前方部分210に取り付けられた清掃部500を含み、筐体200の前方エッジ202の実質的に近くに、前方エッジ202に実質的に並行に、回転可能に取り付けられた第一前方ローラブラシ510を含む。清掃部500は、それぞれ本体300の右側及び左側エッジ306、308の実質的に近くに、前方ローラブラシ510に対して直交して取り付けられた第二側面及び第三側面回転ブラシ550、560を含んでいる。回転ブラシ510、560は、ギヤボックス532によってローラブラシ510、550、560に結合された、清掃モータ530によって駆動される。清掃モータ530は、前方ローラブラシ510の後方で、側面ローラブラシ550、560の間に置かれる。
【0065】
好適な実施において、ロボット101は、1種類の清掃機構だけを含んでいる。例えば、図18のロボット101は、前方ローラブラシ510および側面ローラブラシ550、560として、毛ブラシを含んでいる。毛ブラシローラは、例えばアイロボットコーポレーションによって市販されているSCOOBA(登録商標)ロボットにて見いだすことのできるブラシローラと同じようなものとすることができ、また、それは、追加的な例として、ROOMBA(登録商標)ロボットにおいて使用されるR2またはR3ブラシタイプと同様なものとすることができる。一つの実施において、ブラシは、ブラシの周りにきつく巻き付く傾向のある長い髪や繊維状のものは、ブラシからごみを除去するために利用者によって要求される維持管理の頻度を最小にするために、拾い上げない。あるいは、ロボット101は、特に、真空および毛ブラシ両方といった、2つ以上の様々な清掃機構を含むことがある。
【0066】
いくつかの例において、前方ローラブラシ510と側面ローラブラシ550、560は作業面と平行な水平軸周囲を回転し、これによって水平な清掃部500を提供する。カバレッジロボット100の主要な作業幅は垂直の回転ブラシを含むことが可能なものであるが、真空、往復式のブラシ、回転ベルト部材、及びその他の既知の清掃手段に代るブラシは含まない。各ローラブラシ510、520、550、560は、回転の長手方向の軸を定める円筒形の本体を持つ。ブラシの毛は、円筒形の本体に放射状に取り付けられ、いくつかの例において、柔軟なフラップが円筒形の本体に沿って長手方向に取り付けられている。ローラブラシ510、520、550、560が回転するにつれて、ブラシの毛と柔軟なフラップは、作業面上においてごみを動かし、ロボット100のごみ容器610の方に向かって移動させる。真空装置一式を含む例において、ブラシ510、520、550、560はごみ、または、ほこりを清掃ロボット100の下の吸引路の方に導くことができる。湿式清掃ロボットの場合、ブラシ510、520、550、560は、みがきあげる機能を代わりにもつことができ、真空またはその他の集収装置は、みがきあげた後に廃液を収集する。
【0067】
例示において、ブラシ510、550、560といった清掃部500の有効な部品は、筐体200の前方部分210の前方の先端の角に向かって配置される。結果として、筐体200の長方形の前方部分210がカバーできる床の領域は最大化され、図27に示すように、カバーされない床の部分は最小化される。
【0068】
2つ以上の様々な清掃機構の組み合わせではなく(例えば、ローラブラシと真空の両方、または、特に、2つ以上の保存用の空間を必要とする、湿式清掃機構とドライクリーニング機構の両方といったような)、むしろ清掃部500といった、単一の清掃機構だけを含むことによって、ロボット101を別の方法と比べてより小型にすることができる。
【0069】
図18、20、21及び24を参照すると、ロボット101は、上述の通り、ごみ容器部600を含む。例示において、筐体200は、清掃部500と駆動システム400の間に位置する、ごみ室またはごみ容器610を定める。特定の例において、ごみ容器610は、駆動車輪410、420の前方で、前方ローラブラシ510の後方となる。前方ローラブラシ500と側面ローラブラシ550、560が床に反して回転するにつれて、それらはごみを攪拌し、ごみを、吸入溝、または、その他の適切な開口部でローラブラシ510、550、560からごみ室610に通じるものを通して、ロボット101内のごみ室/ごみ容器610の中に掃いて集める。
【0070】
例示において、ごみ容器の蓋620は、1つ以上の蝶番622(例えば、リビングルームの蝶番、留めくぎ及びソケット等)によって筐体200に着脱可能に結合されている。いくつかの実施において、ごみ容器の蓋の解除装置630は、取っ手330の実質的に近く、または、取っ手330において、作動可能で、これによって、取っ手330を保持しながらごみ容器の蓋の解除装置630を作動することが可能となる。その他の実施において、ごみ容器の蓋の解除装置630は、ごみ容器の蓋620の近く、または、その上で作動可能で、利用者は取っ手330を片手で保持し、別の手でごみ容器の蓋の解除装置630によってごみ容器の蓋620を開くことができる。いくつかの実施において、ごみ容器の蓋の解除装置630は、ばね式の外れ止め、または、外れ止めボタンで、下方に押すこと(例えば、ボタン)、または、上方に引っ張ることで(例えば、引き金)で引きつけられるものとなっている。
【0071】
例示において、ロボット101は、本体300の上方部分305に配置されるか、又は、それによって定められる取っ手330を含む。利用者は、ロボット101を持ち上げるために取っ手330を握り、手でそれを運ぶことができる。さらに、ロボット101は取っ手330に隣接する1つ以上のボタン632を含むことがある。ボタン632は、利用者の手が取っ手330を通してロボット101を握っている間に、片方の手で操作可能であることが好ましい。ごみ容器の蓋の解除装置630は、その閉じた位置においてごみ容器の蓋620を保持し、また、その開放位置に移動するようにごみ容器の蓋を開放するように制御するために操作できる。図24に示されるように、一つの例において、利用者がボタン632を操作すると、ごみ容器の蓋の解除装置630は自由になり、ごみ容器の蓋620は、蝶番622の周囲で回って開く。ごみ容器の蓋620がその開放位置にあると、ごみ室/ごみ容器610の中身は、ロボット101中から重力によって落ちる。ロボット101は、また、ごみ室610内のごみの重量がごみ容器の蓋620を回して開くのに十分でない場合に、ごみ容器の蓋620が開くことを確実にするために、例えば、ばねを含むことがある。
【0072】
ロボット101は、駆動システム400かつ/またはコントローラ450と連通し、筐体200に着脱可能に固定される電源160(例えば電池)を含む。図20及び21に示される例において、電源160は、筐体200の後方部分220によって定められる電源ソケット260に入れられる。電源カバー262は、電源ソケット260の中で、電源160を保持及び/またはカバーするために、着脱可能に筐体200に固定される。例示において、電源160は、駆動車輪410、420の後方で、筐体200の後部220に置かれる。この位置において、電源160の重量は、ロボット101の重心が実質的に筐体200の中心の周辺に位置するように、清掃部500の重量を相殺する。
【0073】
ロボット101の小型の寸法は、椅子、テーブル、ソファ、またはその他の家庭用品といった潜在的な障害物の下でロボット101が進むことを可能にし、これらの到達しづらい領域においてロボット101が床を清掃することを可能にする。加えて、ロボット101は、ソナー式距離計又は感光性ダイオードといった、直接頭上を走査する、その上面に配置された間隔センサを含むことがある。間隔センサがしきい距離、−例えば2フィート−、以内に物体の存在を検出した時、ロボット101は頭上の空間に障害物がなくなるまで動き続けることができる。従って、ロボット101は、家具の下で、例えば利用者の視界から消えて、どこにあるか分からなくなるといったことを避けることができる。
【0074】
駆動システム400がロボット101を床の上で推進する時、ごみをごみ室610の中に掃くことができるように、前方ローラブラシ510は駆動車輪410、420と同じ方向に、ロボット101が床の上を行き来する速度よりも早い速度で回転することが好ましい。加えて、側面ブラシ550、560もまた、同時にごみを内側に掃く。一つの例において、約600から1600RPMの間で回転する一方で、ブラシ510、550、560の毛は、車輪410、420の範囲を約0.015から0.025インチ下側に超えることがある。
【0075】
ロボット101の形成因子は、荷物運搬用の車輪またはその他の支持機構を除くことで、より小型にできる。前方ローラブラシ510の幅、及び、ロボット101の反対の側面に配置される側面ブラシ550、560のため、ロボット101は、ロボット101のバランスまたは安定性に大きな影響を与えることなく、駆動車輪410、420は別として、第3の荷物運搬用の車輪またはフリーホイールを省くことができる。あるいは、図18、20、及び22−25に示すように、ロボット101はさらに、筐体200の前方部分210の向かい合った角の先端に配置された、支持軸受490を含むことがある。支持軸受490は、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリオキシメチレンポリマーといった、滑らかな、かつ/または、自己潤滑性の材料の、単一の固い部材を含むことがあり、または、支持軸受490は、ローラベアリングまたはその他適切な機構で、ロボット101が床を横切る時に低い摩擦抵抗を与える一方で、ロボット101が傾いたり、または、バランスを失ったりすることを妨げるものを含むことがある。
【0076】
図21を参照すると、ロボット101は、ロボットがその周囲の状況/環境を認識することを可能にして、その感知した、その周囲の状況/環境に従って、所定の方法で反応するか、または、行動することを可能にするコントローラ450と通信する、ナビゲーションセンサシステム700を含む。例示において、ナビゲーションセンサシステム700は、1つ以上の衝突センサ800及び/又は静止状態検出器720を含む。ナビゲーションセンサシステム700からのインプットを使って、コントローラ450は、ロボット101によって実行されるコマンドを生成する。結果として、ロボット101は、自律的な方法で表面を清掃することができる。
【0077】
衝突センサ800は、ロボット100が物理的に物体に遭遇した場合を検出するために利用される。そのようなセンサは、静電容量またはロボット100内の物理的な変位等の物理的な性質を使って、物体に遭遇した時に判定するために利用することができる。図21に示される例において、衝突センサ800は、筐体200と本体300の前方部分301との間の、筐体200の前方部分210の周囲に配置された接触スイッチである。本体300の前方部分301は、柔軟に、または、スライド可能に、物体との接触が衝突センサ800に平行移動されるような方法で、筐体200に取り付けられる。好適な実施において、ロボットは筐体200の前方の角に配置された衝突センサ800を含み、その中の少なくとも一つの衝突センサは、各角の各側面に配置され、このようにして、ロボット100が衝突の方向及び/又は位置を判定することを可能にする。本体300の前方部分301は、実質的にバンパーの2つの端にある、バンパーの動きを感知するためのセンサ800を持つ、単一の機械的なバンパーとして作用する。本体300の前方部分301が圧縮された時、センサ事象の間の時間はロボット101が障害物と接触したおおよその角度を計算するために利用される。本体300の前方部分301が右側面から圧縮された時、右衝突センサは最初に衝突を検出し、バンパーのたわみ性及びバンパーの形状のため、次に左衝突センサが衝突を検出する。このように、衝突角度は、二つの衝突センサだけから概算される。
【0078】
ロボット101は小型で軽量な構造を持つことが好ましいので、ロボット101によって運ばれる運動量は、標準的なサイズのロボットよりも軽い。従って、ロボット101は、軽いタッチの、または、非接触型の衝突センサを含むことが好ましい。例えば、ロボット101は、少なくとも1つの水平軸に沿ったロボットの加速度を測定するための、1つ以上の加速度センサ458でコントローラ450と連通するもの(図21参照)を含むことがある。加速度が、予め決められた閾値を超えると、ロボット101は、衝突スイッチが反応したかのように反応することがある。結果として、ロボット101は、従来の接触スイッチ型のセンサを除くことができる。
【0079】
いくつかの例において、ロボット101は、静止状態検出器720として加速度センサ458を利用することができる。その利点として、静止状態検出の加速度計データを処理するのに、約30ヘルツの処理速度のみが必要とされる場合がある。例えば、ロボット101が床の上を動くにつれて、振動によって加速度センサ458は、特定の振幅形状の加速度を検出する。しかしながら、ロボットが通常状態または障害物によって妨害されているため、動きを止めると、加速度センサ458によって検出される振動の振幅がそれに応じて減少する。従って、ロボット101は、そのような加速度の減少に対して、例えば、静止状態回避行動によって反応することができる。衝突検出及び/又は静止状態検出を目的として単一の加速度センサ458を観測することによって、ロボット101は衝突スイッチ及び/又はその他の静止状態検出ハードウエアを除くことができ、従って、そのことは、より小さな空間をロボット101内に潜在的に必要とすることになる。
【0080】
図26−28を参照すると、ロボット100、101は、床からごみをごみ室/ごみ容器610内に収集しながら、タイル、硬材、またはじゅうたん地などの床の表面を進むことができる。ロボット100、101が隅部に向かって進むと、前方ローラブラシ510と端のブラシ540または側面ローラブラシ550、560は、それぞれ、隅部の側面と接触している領域を効果的に清掃することができる。これに対して、図28に示されるような、円形の輪郭のロボット10は、隅部9220に接近することはできるが、隅部9220で交差する壁9241、9242と接触して移動することはできない。結果として、円形の輪郭のロボット10は、隅部9290に隣接するくさび形の領域9290を効果的に清掃することはできない。図26に示されるように、ロボット100、101は、実質的に壁のへり9210に接触しながら、直線に沿って進むことができ、ここで壁9421は、床9250と交差する。ロボット100、101は、筐体200の前方部分210内に配置されるか、または、そこで機能している、1つ以上の衝突センサ800、1800を含むことが好ましい。ロボット100、101が壁9241を軽くたたくにつれて、ロボット100、101は、例えば、壁9241に実質的に平行に進むように、その方向を調整することができる。
【0081】
ロボット101の働きは、FREESCALETM QG8又はその他のマイクロコントローラで、ロボットのセンサからの入力を受信すること、及び、ロボット101のモータ又はその他の出力装置を操作するのに適した、マイクロコントローラ450によって制御されるのが好ましい。図29−32に示されるように、例えば、マイクロコントローラ450は、衝突センサ800からの入力を受信し、右と左の駆動車輪410、420に結合された駆動モータ412、422に制御信号を出力する。あるいは、マイクロプロセッサ、または、その他の制御回路を利用することができる。ロボット101は、行動ベースの制御ソフトウエアを実行するか、または、特に、単純な、単一スレッドの制御ループに従って動作する。
【0082】
筐体200の前方部分210の長方形の輪郭は、その角と、衝突センサまたはクリフセンサによっては検出されないかもしれない障害物との衝突を引き起こすかもしれず、そのような危険性なしに自由に回転できる円形の輪郭のロボットとは対照的に、ロボット101は、その場で回転する一方で、検出された衝突に対して、回転を中断し、逆方向に後退することで衝突に反応することが好ましい。結果として、ロボット101は、筐体200の前方部分210の角張った角にもかかわらず、脱出できないほど無理やり押し込まれたり、動けなくなったりすることはあまりない。あるいは、ロボット101は、例えば、ROOMBATM、または、SCOOBATMロボットと概して同様な制御ソフトウエアにしたがって行動することもできる。
【0083】
さらなる例に従って、ロボット100、101は、清掃サイクルの完了後、自動的に格納のための枠または基地局に戻ることができる。ロボット100、101は、また、搭載された電池を再充電するための電気的インターフェースを含む場合がある。さらに、枠または基地局は、ロボット100、101のホームポジションより低い所に位置する容器を含む場合がある。ロボット100、101が枠とインタフェースで連結し、ホームポジションで停止する時、ロボット100、101は、自動的にごみ容器の蓋の解除装置630を作動させ、ごみ室610から、ロボット100、101の下に位置する枠の容器の中にごみを取り除いて、からにすることができる。
【0084】
全方向受信機900を利用したロボットの実施において、基地局は全方向ビームエミッタと2つのナビゲーション用電磁場のエミッタを含むことがある。ロボット100は、ドッキング方向と揃えられた重なった電磁場の側面の境界の1つを検出して、それに沿って前進することで、基地局とドッキングするまで基地局に向かって移動することができる。ロボット100は、基地局の放射を全方向受信機900で検出することができ、少なくとも一つの電磁場の放射についての、電磁場の側面の外側の境界を検出するように移動することができる。ロボット100は、重ねられた電磁場の、揃えられた電磁場の側面の境界まで、電磁場の側面の境界に沿って前進することができる。揃えられた電磁場の側面の境界を検出した後、ロボット100は、揃えられた電磁場の側面の境界に沿って、基地局とドッキングするまで前進する。
【0085】
図33は、コントローラ450内の行動ソフトウエアアーキテクチャを示すブロック図である。行動ソフトウエアアーキテクチャは、目的指向の行動を含む。ロボット100、101は、コントローラ450内のアービタ1005によって実行される、いくつかの行動を持つ、制御及びソフトウエアアーキテクチャを利用する。アービタ1005は、各駆動モータ412、422と通信するモータドライブ1010の上で、コマンドを実行する。センサ事象に応じて、行動は、アービタ1005に入る。一つの実施において、全ての行動は、お互いに固定された相対的優先順位を持つ。アービタ1005(この場合)は、行動は動作を可能にする条件の完全なセットを持ち、かつ、その動作を可能にする条件を満たすものの中で最も高い優先順位を持つ行動を選択するという、動作を可能にする条件を認識している。図33に示される略図は、ロボット100、101の(固定の)優先順位の階層を必ずしも反映するものではない。優先順位が低下する順番に、一般に、行動は、脱出及び/又は回避行動(崖を回避したり、隅部から脱出するといった)及び作業行動(例えば、壁面追従する、はね返る、直線上を走行する)に分類される。一つの行動が裁定される一方で、もしあれば、ロボット100、101の動作が生じる。もし1つ以上の行動がアービタ1005にあれば、対応する要求条件が満足される限り、最も高い優先順位を持つ行動が実行される。例えば、崖回避行動1400は、崖検出センサによって崖が検出されない限り実行されないが、崖回避行動1400の実行は、動作を可能にする条件を同様に満たす、その他の行動の実行よりも優先される。
【0086】
反射行動は、それらの動作を可能にする条件または要因として、様々なセンサ及び事象の検出を持つが、一般に、一列の(任意の)状態としてではない。図33に示すように、それらは、クリフセンサ710、静止状態検出器720、側面近接センサ730、衝突センサ800、及び/又は全方向受信機900(例えば仮想的な壁の信号の検出のための(それについては、その代わりに、カバレッジのトリガと考えられる))といった障害物回避及び検出のセンサを含む。これらの種類のセンサは、動作を可能にする条件、及び、その行動が予測可能に作用することを助ける記録データ、及び、利用できる全ての情報 (例えば、1ビットの真/偽信号の変換、センサの集合からの強度差、または、時間差に基づく衝突または入射のありえる角度の記録、または、歴史的、平均化、頻度、又は分散情報)を生成することが可能な、フィルタ、コンディショニング、およびそれらのドライバによって監視され、調整される。
【0087】
実際の物理センサは、アーキテクチャにおいて、コンディショニング及びドライバによって合成されるバーチャルセンサとして表現することができる。追加のバーチャルセンサは、固有受容性の、又は、ロボット100、101において解釈される、モータの過電流、ロボット100、101の静止状態または動けない状態、電量分析による電池の充電状態、およびその他のバーチャルセンサ「バーチャルN」といった、検出可能または解釈された物理特性から合成される。
【0088】
いくつかの実施において、ロボット100は、優先順位が高いものから低い順に並べられた次の行動を含む:1)ユーザインターフェースグループ1100、2)工場テストグループ1200、3)リバースバンプフォローグループ1300、4)崖回避グループ1400、5)後方跳ね返り1500、6)バンプフォローグループ1600、7)跳ね返り1700、及び、8)走行1800。行動グループとは、1つの行動全体を実現するために共に働く行動のセットのことを言う。例えば、「ユーザインターフェースグループ」行動は、ロボットが静止している時にユーザインターフェースを処理する3つの行動のセットとなっている。
【0089】
ロボットは、図1と17における単一の清掃/電源ボタンで、利用者がロボット100と情報をやりとりすることを可能にする、ユーザインターフェース370を含むことがある。以下の、高い方から低い方に優先順位付けされている、ユーザインタフェースグループ行動1100の下位行動は、単一の清掃/電源ボタンとして実現されているユーザインターフェース370を実行する:1)ユーザオフ1110、2)ユーザスタート1120、及び3)ユーザは何も行わない1130。以下の、高い方から低い方に優先順位付けされている、工場テストグループ行動1200の下位行動は、品質管理を目的とした工場テストモードを実現する:1)工場テスト完了1210、2)工場テストを進める1220、及び3)工場テスト1230。
【0090】
以下、高い方から低い方に優先順位付けされている下位行動は、リバースバンプフォロー脱出行動1300を実現する:1)リバースバンプフォローエスケープスイング1310、2)リバースバンプフォローターンアウト1320、及び3)リバースバンプフォローアークイン1330。筐体200の前方部分210の長方形の形状のため、ロボット100がその中で回転するには狭すぎる空間に入ってしまうことがありえる(例えば、駐車スペースのような)。そのような制限領域は、キャニオンと呼ばれる。キャニオンという用語は、一般に、どのような狭く制限する原因に対しても引用される。同様に、崖がロボット100を狭いスペースに制限する場合、それは厚板と呼ばれる。これらの制限する障害からの脱出の戦略は同じなので、方向性のあるクリフセンサ及び衝突センサのデータは、以下の考察の基礎となる4つの方向性制限センサに統合される。4つのセンサは、前方左、前方右、後方左、及び後方右である。リバースバンプフォローアークイン1330がロボットを時計回りに回転させながら後方に駆動する場合には、リバースバンプフォローの方向は時計回りとなる。リバースバンプフォローアークイン1330がロボット100を反時計回りに回転させながら後方に駆動する場合には、リバースバンプフォローの方向は反時計回りとなる。
【0091】
リバースバンプフォローエスケープスイング行動1310は、ロボット100がキャニオンの存在を推定するのに十分な角度だけ進行するように、ロボット100をその場で回転させる。リバースバンプフォローエスケープスイング行動1310の起動は、リバースバンプフォローターンアウト行動1320の後に評価される。リバースバンプフォローエスケープスイング行動1310が作動可能にされた後、それは一度実行され、その後、リバースバンプフォローターンアウト行動1320によって作動可能にされるまで、それ自身を無効にする。リバースバンプフォローエスケープスイング行動1310の開始後、脱出角度は、120°から160°までの間の乱数として設定される。ロボット100は、その場でリバースバンプフォロー方向と反対の方向に、脱出角度を達成するまで回転する。その場で回転中に、後方に制限の原因が出現した場合、ロボット100はそれらを避けるため、前進する。前方の制限の原因に遭遇した場合、その場での回転は中断される。その場での回転の完了後、脱出の成功は、以下の順序で判定される。第一に、前方の制限の原因の検出によりその場での回転が中断された場合、その場での回転の角度の進行と、80°から120°の間の乱数を生成することにより算出される最少脱出角度とが比較される。角度の進行がこの量を超えない場合、リバースバンプフォローターンアウト行動1320と同様な操作が実行される。これは、ロボット100をリバースバンプフォローを継続するように導く方向に戻すために行われる。第二に、前方の制限の原因の検出によりその場での回転が中断された場合で、かつ、角度の進行が、上のように算出された最小脱出角度を超えているが、行動が開始される時に算出された脱出角度には及ばなかった場合、以下のことが行われる。リバースバンプフォローはキャンセルされ、その場での回転を止めた制限の原因が衝突であった場合には前方バンプフォローが始動させられる。これにより、ロボット100が、新しいキャニオンを検出すること及びリバースバンプフォローを再始動することなしに、窮地から抜ける道を発見する可能性を高める。第三に、行動の開始時点で算出された脱出角度が達成されることによって、その場での回転が完了した場合、リバースバンプフォローの起動は取り消される。
【0092】
リバースバンプフォローターンアウト行動1320は、障害物に向かって重ねて孤状に動く間に、前進できるように、ロボット100を障害物に向かわせるように試みる。ロボット100の場合、筐体200の長方形の前方部分210は、ある時点で、障害物にぶつかり、ロボット100がその場でさらに回転することを妨げると考えられるので、円形ロボットの場合のようにその場で回転することだけでは十分ではない。この問題を避けるため、ロボット100は、障害物からのスペースを維持するために、狭い円弧を辿る。後方バンパーが起動された結果として、リバースバンプフォローアークイン行動1330の中で実行される、円弧に沿って後退することが終了した後、リバースバンプフォローターンアウト行動1320が開始される。リバースバンプフォローターンアウト行動1320の最初の仕事は、バンパー300を後方の衝突から解放することである。このことは、バンパー300が解放されるまで、ロボット100を前方に駆動することで行なわれる。この過程において、前方の制限の原因は、以下のような方法で処理される。前方左の制限の原因は、ロボット100を時計回りに回転させる。前方右の制限の原因は、ロボット100を反時計回りに回転させる。バンパー300が解放された後、リバースバンプフォローアークイン行動1330の次の繰返しのためにロボット100に新しい方向を与えるため、ロボット100は、それが順方向に進まなければならない、制限されている任意の円弧の範囲と、角度の進行を算出しなければならない。ロボット100は、算出された角度の進行が達成されるまで、円弧に沿って進む。この間、ロボット100は、辿られている障害物に対してロボット100の反対側にある、前方制限センサ710、730、800(例えば、クリフセンサ710、近接センサ730、及び/又は衝突センサ800)に反応する。これが検出されると、ロボット100は、辿っている円弧と同じ回転方向に、その場で回転する。算出された角度の進行が達成されるか、又は、ロボット100の辿られている障害物と同じ側面の前方制限センサ710、730、800が反応すると、リバースバンプフォローターンアウト行動1320は終了する。この行動の後、リバースバンプフォロースイング行動1310を始動するかどうか決定するために、乱数発生器が利用される。リバースバンプフォロースイング行動1310を始動する確率は、最低でも20%となる。リバースバンプフォローターンアウト行動1320の角度の進行が2°から5°の間であった場合、確率は約50%にまで増加する。角度の進行が2°未満の場合、確率は約100%となる。
【0093】
リバースバンプフォローアークイン行動1330は、浅く始まりその行動の経過時間とともに次第にきつくなる円弧の上を後方に走ることによって、ロボット100の片方の側面を障害物に近づけたまま、前進するように試みる。リバースバンプフォローアークイン行動1330は、ロボット100がリバースバンプフォローモード1300にあって、かつ、その他のリバースバンプフォロー行動1310、1320のどれも起動されていない場合に実行される。円弧の上を移動する間、ロボット100は、ロボット100の障害物と反対の側面の前方制限センサ710、730、800(例えば、クリフセンサ710、近接センサ730、及び/又は衝突センサ800)に反応する。これは、辿られている円弧と反対の方向にその場で回転することによって行われる。リバースバンプフォローアークイン行動1330は、後方制限センサ710、800(例えば、クリフセンサ710及び/又は衝突センサ800)が反応した時か、又は、円弧が120°を超える角度の進行の状態となった時に終了する。
【0094】
崖回避グループ行動1400は、脱出行動のグループで、以下の、高い方から低い方に優先順位付けされている下位行動を含む:1)崖回避後方1410、及び、2)崖回避1420。図4を参照すると、好適な実施において、ロボット100は、前方右、前方左、後方右及び後方左のロボット100の端に位置する4つのクリフセンサ710を持つ。前方右及び前方左のクリフセンサ710A、710Bは、ロボット100の前方の角それぞれのうちのどちらでも、崖の上を移動することを検出する。駆動システム400が前方エッジの近くに設置されている清掃部500の後方に位置しているため、ロボット100は、ロボット100の感知できるほどの量が崖の境界の上を移動する前に、後退することができる。後方右及び後方左のクリフセンサ710C、710Dは、それぞれ右及び左の駆動車輪410、420のすぐ後方に置かれる。結果として、後方右及び後方左のクリフセンサ710C、710Dは、駆動車輪410、420が崖の境界の上を動く前に、後方に崖から落ちる角度で走ることを防ぐように、ロボット100の後方部分が崖の境界の上を動くことを検出する。もしロボット100が、筐体200の後方部分220の中央部分に沿ってのみ、後方クリフセンサ710を含んでいたならば、ロボット100は、後方に曲がって走り、崖の境界を検出する前に駆動車輪410、420を崖の境界の上に動かしてしまうかもしれない。
【0095】
崖回避後方行動1410は、後方クリフセンサ710C、710Dが起動されると、いつでも、実行される。崖回避1420よりも優先度が高いため、前方クリフセンサ710A、710Bもまた、この行動1410において取り扱われる。崖回避後方行動1410の開始時点で、時計回り、または、反時計回りの脱出方向が選択される。この決定は、以下の順序で行なわれる。1)前方左クリフセンサ710Bが反応した場合、時計回りに設定する。2)前方右クリフセンサ710Aが反応した場合、反時計回りに設定する。3)後方右クリフセンサ710Cが反応した場合、時計回りに設定する。4)後方左クリフセンサ710Dが反応した場合、反時計回りに設定する。方向が設定された後、ロボット100は、駆動車輪410、420に中心を置かれた円弧に沿って、指定された方向に回転する。移動する間、前方クリフセンサ710が監視され、以下のように移動方向を変更するために利用される。前方右クリフセンサ710Aが反応した場合、ロボット100はその場で反時計回りに回転する。前方左クリフセンサ710Bが反応した場合、ロボット100はその場で時計回りに回転する。ロボット100は、上述の通り、後方クリフセンサ710C、710Dの両方が反応しなくなるまで、移動を続ける。
【0096】
崖回避行動1420は、ロボット100のクリフセンサ710A、710Bだけを取り扱い、主としてロボットが前方に走行している時に実行される。崖回避行動1420の開始時点で、前方クリフセンサ710A、710Bのどちらが反応しているかに基づき、脱出方向が選択される。前方左クリフセンサ710Bだけが反応した場合、時計回りの脱出方向が選択される。前方右クリフセンサ710Aだけが反応した場合、反時計回りの脱出方向が選択される。前方クリフセンサ710A、710Bの両方が反応した場合、脱出方向は無作為に選択される。脱出角度は、25°から50°の間で無作為に選択される。崖回避行動1420は、前方クリフセンサ710A、710Bの両方が反応しなくなるまで、真っ直ぐに後退することで始まる。その後、ロボット100は、脱出角度に達するまで、その場で回転する。その場での回転一環として、クリフセンサ710A、710Bのどちらでも再度反応した場合、崖回避行動1420全体が再度開始され、従って、再度実行される。
【0097】
後方跳ね返り行動1500は、後方からバンパー300が起動された時に作動する。このことは、通常、跳ね返り行動1700の一部分として、バンパー300の前方部分を開放するために、ロボット100が後方に走行する時に起こる。ロボット100は、バンパー300が解放されるまで、前方に走行し、そして、まさに実行しようとしているその場での回転が、後方の衝突を再度始動させない可能性を減らすために、新たに5mm、前方に進み続ける。その場での回転の方向は、最初の後方でのバンパーの衝突の方向に基づいて決定される。衝突がロボット100の後方右側面で生じた場合、反時計回りが選択される。衝突がロボット100の後方左側面で生じた場合、時計回りが選択される。衝突が後方の中央部分であった場合、方向は無作為に選択される。脱出角度は、約10°から約200°の間から無作為に選択される。ロボット100は、脱出角度に達するまで、選択された方向に回転する。
【0098】
バンプフォローグループ1600は、以下の、優先順位が高い方から低い方の下位行動を含む:1.バンプフォローウォールアライン1610、2.バンプフォローアークイン1620。バンプフォローは、汚れていない、散らかった領域から脱出するために利用される。これはまた、床面積の至る所において均等にロボット100を分布させることを目的として、壁面追従させるために利用される。
【0099】
バンプフォローウォールアライン行動1610は、ロボット100の側面を、壁のような障害物に揃えるために設計されている。バンプフォローの方向が時計回りの場合、ロボットの左側面が壁を背にするようにすることを目的とする。その方向が反時計回りの場合、ロボットの右側面が壁を背にするようにすることを目的とする。バンプフォローが有効とされている時、バンプフォローウォールアライン行動1610は、前方の隆起が反応した時に始まる。バンパーの衝突の位置は、バンプフォローアークイン行動1620の新たな繰り返しの実行の前に、ロボット100がその場でどれだけ回転すべきかを決定するために利用される。バンパー300の障害物に近くにあるべきではない側面において、バンパー300が反応した場合、ロボット100は、その場での回転の目標を約25°から約45°の間に設定する。この、より大きい増加量は、配置処理の時間を節約する。障害物の近くにあるべき側面においてバンパー300が反応した場合、ロボット100は、バンパー300を障害物の方により近づける方向に回転する。この旋回の目的は、バンパー300が束縛されたままとなる傾向があるか、または、解除されているか、確かめることにある。解除される場合、ロボット100がまだ壁に対して非常に浅い角度とはなっていないことを意味し、約5°から約25°の間の、その場での回転の目標が選択される。そうでなければ、ロボット100は、恐らく、壁に対して非常に浅い角度となっているので、約1°から約5°の間の、その場での回転の目標が選択される。その場での回転の目標が5°以上に設定される場合、ロボット100は、バンパー300が解除されるまで後退する。ロボット100は、ロボット100の前方を障害物から離れるように回転させる方向に、目標の角度に達するまで、その場で回転する。その場で回転中にバンパー300が再度反応すると、ロボット100はそれを解除するのに十分なだけ後退する。
【0100】
バンプフォローアークイン行動1620は、バンプフォローモード1600が有効にされ、バンプフォローウォールアライン行動1610が機能していない時に実行される。ロボット100は、前方に進行するために、初めは、浅い円弧を前方に走る。時間が経過するにつれて、障害物と接触するようにロボット100を戻すために、円弧は次第にきつくなる。これにより、障害物は接近して追従されるようになり、このことはロボット100がそれからの逃げ道を見つけることを手助けする。バンプフォローモード1600が、散乱物を通り抜けて動くために選択された場合、ロボット100はバンパーの衝突無しで最大約100°の角度の進行の間、弧状に動き続けることができる。その時点で、バンプフォロー1600は、ロボット脱出により、終了したとみなされる。ロボット100をその場所の至る所において分布させるためにバンプフォローモード1600が選択された場合、壁の角を曲がることを可能にするため、バンパーの衝突無しで最大約210°まで、弧状に動き続けることができる。この時点で、壁は失われたものとみなされ、バンプフォロー行動1600は終了する。
【0101】
跳ね返り行動1700は、バンパー300が前方から起動された時に実行される。ロボット100は、バンパー300が解放されるまで、後退する。その後、まさに実行しようとしているその場での回転がバンパー300を前方から再度反応させる可能性を減らすために、約30mm後退を続ける。この大きな追加の間隔は、バンパー300の前方部分が長方形であり、その場で回転する時にバンパーの角が回って障害物と接触する可能性があるため、必要とされる。その場での回転の方向は、バンパー300の元の前方衝突の方向に基づいて決められる。衝突がロボット100の前方右側面から生じる場合、反時計回りが選択される。衝突がロボット100の前方左側面から生じる場合、時計回りが選択される。衝突が前方の中央部分の場合、方向は無作為に選択される。脱出角度は、約10°から約200°の間で無作為に選択される。ロボット100は、脱出角度に達するまで、選択された方向を回る。
【0102】
走行行動1800は、その他の行動が起動されていない時に実行される。ロボット100は、その他の行動を引き起こす事象に遭遇するまで、真っ直ぐに走る。
【0103】
ロボット100は、一般に反射行動とは考えられない並列処理である、同時処理2000の動作を持続する。記述された通り、フィルタとコンディショニング2400及びドライバ2500は、生の信号を解釈し、形式を変換することができる。これらの処理は、反射行動とはみなされず、モータ駆動またはその他の作動装置に対して直接に制御を行うことはない。
【0104】
いくつかの並列処理2000は、様々な行動の起動及び実行を支援するために重要である。これらの処理は、例えば、64ヘルツの周波数で評価されるソフトウエア有限状態機械である。1周期は、処理間隔として見なされる。
【0105】
いくつかの実施において、ロボット100は、キャニオンを特定することを支援する、キャニオン検出処理2100を含む。キャニオンは、4つの信号を監視することによって、宣言される。これらの信号のそれぞれは、処理間隔ごとに評価される。入力信号が真の場合、出力信号も真となる。入力信号が偽となる100の連続した処理間隔の後、出力信号は偽となる。4つの入力信号は、以下のように評価される:1)前方左クリフセンサ710Bが機能していて、前方右クリフセンサ710Aが機能していないか、または、後方左のクリフサンセ710Dが機能していて、後方右のクリフセンサが機能していない。2)前方右のクリフセンサ710Aが機能していて、前方左のクリフセンサ710Bが機能していないか、または、後方右のクリフセンサ710Cが機能していて、後方左のクリフセンサ710Dが機能していない。3)バンパー300は、ロボット100の前方左側面において押されている。4)バンパー300は、ロボット100の前方右側面において押されている。これらの信号の必要な処理の行なわれたものは、それぞれ以下のように名付けられる: 1)崖左拘束;2)崖右拘束;3)衝突左拘束;及び4)衝突右拘束。崖左拘束または衝突左拘束が真であると同時に、崖右拘束または衝突右拘束が真である時、キャニオンが検出される。キャニオンが検出されると、リバースバンプフォローグループ1300が有効にされる。
【0106】
いくつかの実施において、ロボット100は、前方進行処理2200を含む。前方進行処理2200において、各処理間隔で、ロボット100の前方進行は積算器に加算され、それと同時に1ミリメートルに対応する固定の距離の量が減算される。積算器が100ミリメートルに達すると、前方進行は、真と宣言される。積算器が200ミリメートルを超えることは許容されていない。前方進行が10秒間真となる時、リバースバンプフォローグループ1300はロボットが移動している過度に取り散らかされた環境からの脱出を可能とするために、リバースバンプフォローグループ1300を有効にする。
【0107】
いくつかの実施において、ロボット100は、リバースバンプフォローアークイン進行処理2300を含む。ロボット100がリバースバンプフォローモード1300にある間、リバースバンプフォローアークイン行動1330の各繰り返しの前方進行は、ローパスフィルタに送り込まれる。リバースバンプフォローの開始時点で、このフィルタは、60ミリメートルに初期化される。出力が50ミリメートルを下回った場合、進行中の円弧は、良くないものとみなされる。このことは、リバースバンプフォロー方向、すなわち、ロボット100の主要な障害物の仮定されている側面の切り替えを引き起こす。
【0108】
ここに記述されたものと組み合わせることのできる、その他のロボットの詳細及び特徴は、以下のこれとともに同時に出願された、「AUTONOMOUS COVER ROBOT」と表題を付けられ、整理番号______の割り当てられたものと、「AUTONOMUOUS COVERAGE ROBOT SENSING」と表題を付けられ、整理番号______の割り当てられた米国特許出願において見いだすことができる。ここで、上述の出願の全内容は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0109】
いくつかの実施について説明がなされた。それにもかかわらず、本開示の趣旨と範囲を逸脱することなく、様々な改変行うことができることが理解されるであろう。従って、その他の実施も、以下の特許請求の範囲内となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式カバレッジロボットであって、
前方エッジを有する長方形の前方部と、円形の輪郭を形成する円の半径によって規定される弓形の後方部と、を有する筐体と、
前記筐体の前方エッジおよび側面に沿って延びる長方形のバンパーであって、衝突に応じて、進行方向および進行方向と直角にまじわる方向に移動可能であるバンパーと、
前記筐体の側面に沿って前記バンパー内に配置される近接センサと、
前記バンパーに接続され、それぞれ前記バンパーの進行方向および進行方向と直角にまじわる方向の移動を検出する、複数の衝突センサと、
前記筐体の後方部に搭載され、実質的に前記円形の輪郭の直径上又はその後方の駆動軸に沿って、差動駆動される右および左駆動車輪を備える駆動システムと、
前記円形の輪郭内において、前記駆動軸に平行な横軸に沿って配置されるフリーホイールと、
前記筐体の前方部に搭載され、前記筐体の前方エッジに隣接して搭載されたローラブラシを備える清掃アセンブリと、を備え、
前記バンパーは、前記清掃アセンブリの3つの側面の周囲に配置され、
前記清掃アセンブリは、前記ロボットの前方の場所を掃除するために、前記フリーホイールの前方において、前記清掃面上で片持ち構造で保持され、
前記近接センサと前記多方向衝突センサは、それぞれ、前記ロボットが前記駆動軸周りに回転する際に、前記筐体の側面に平行な壁を検出すること、を特徴とする自走式カバレッジロボット。
【請求項2】
前記ロボットは、優先側を有し、一つの近接センサのみが、前記優先側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項3】
前記ロボットの前方部に配置される2つのクリフセンサをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項4】
前記2つのクリフセンサは、前記バンパーの左右のエッジにそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項5】
前記清掃アセンブリの後方に搭載され、前記駆動システムおよび前記清掃アセンブリに電力を供給する電源をさらに備え、
前記清掃アセンブリは、前記ローラブラシを回転するためのローラブラシモータを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項6】
前記電源は、前記右および左駆動車輪の間に配置されることを特徴とする請求項5に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項7】
前記清掃アセンブリにより撹拌されたゴミを受け入れるために、該清掃アセンブリの後方にあるごみ容器をさらに備え、
前記ロボットの重心であって、前記ごみ容器内のゴミの変化する質量、ローラブラシモータの質量および電源の質量を含む重心が、前記駆動軸とフリーホイールの間に位置すること、を特徴とする請求項5または6に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項8】
前記駆動システムは、前記右および左駆動車輪を駆動するための右および左駆動モータを備え、前記ロボットの重心は、前駆駆動軸の前方にあること、を特徴とする請求項7に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項9】
前記駆動軸は、前記清掃アセンブリの後方9cm以内にあることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項10】
前記駆動軸とフリーホイールの間にホイールベースが規定され、該ホイールベースは、前記円形の輪郭を規定する半径の3分の1以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項11】
前記複数の衝突センサは、前記バンパーの進行方向および進行方向と直角に交わる方向の移動を独立して検出し、前記複数の衝突センサの各々は、一方の方向については駆動せずに、他方の方向において駆動可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項12】
自走式カバレッジロボットであって、
前方エッジを有する長方形の前方部と、円形の輪郭を形成する円の半径によって規定される弓形の後方部と、を有する筐体と、
前記筐体の前方エッジおよび側面に沿って延びる長方形のバンパーであって、衝突に応じて移動可能であるバンパーと、
前記バンパー内に配置される近接センサと、
前記バンパーに接続され、それぞれ前記バンパーの進行方向および進行方向と直角に交わる方向の移動を検出する、複数の衝突センサと、
前記筐体の後方部を通る駆動軸に沿って差動駆動される右および左駆動車輪を備える駆動システムと、
前記駆動軸に平行な横軸に沿って配置されるフリーホイールと、
前記筐体の前方部に搭載され、前記バンパーの後方にあるローラブラシを備える清掃アセンブリと、を備え、
前記清掃アセンブリは、前記ロボットの前方の場所を掃除するために、前記フリーホイールの前方において、前記清掃面上で片持ち構造で保持され、前記近接センサと前記多方向衝突センサは、それぞれ前記筐体の側面に平行な壁を検出すること、を特徴とするロボット。
【請求項13】
前記ロボットは、優先側を有し、一つの近接センサのみが、前記優先側に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項14】
前記ロボットの前方部に配置される2つのクリフセンサをさらに備えることを特徴とする請求項12または13に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項15】
前記2つのクリフセンサは、前記バンパーの左右のエッジにそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項14に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項16】
前記清掃アセンブリの後方に保持され、前記駆動システムおよび前記清掃アセンブリに電力を供給する電源をさらに備え、
前記清掃アセンブリは、前記ローラブラシを回転するためのローラブラシモータを備えることを特徴とする請求項12から15のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項17】
前記電源は、前記右および左駆動車輪の間に配置されることを特徴とする請求項16に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項18】
前記バンパーは、衝突に応じて、進行方向および進行方向と直角に交わる方向に移動可能であることを特徴とする請求項12から17のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。
【請求項19】
前記複数の衝突センサは、前記バンパーの進行方向および進行方向と直角に交わる方向の移動を独立して検出し、前記複数の衝突センサの各々は、一方の方向については駆動せずに、他方の方向において駆動可能であることを特徴とする請求項12から18のいずれか一項に記載の自走式カバレッジロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−110725(P2012−110725A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−269540(P2011−269540)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2010−507685(P2010−507685)の分割
【原出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(502432084)アイロボット コーポレイション (40)
【Fターム(参考)】