説明

小脳由来成長因子、及びそれに関連する利用

【課題】
脊椎動物の分化組織の秩序ある空間構成の形成及び維持に幅広く関わるものであり、試験管内及び生体内の両方において様々な脊椎動物組織のアレイを作成及び/又は維持するために用いることが可能で新規なerbBレセプタ・リガンド族(たんぱく質)を提供する。
【解決手段】
本発明は、「小脳由来成長因子」又は「CDGF」と呼称する新規なerbBレセプタ・リガンドの発見に関し、このたんぱく質は、明らかに、脊椎動物の分化組織の秩序ある空間構成の形成及び維持に幅広く関わるものであり、また、試験管内及び生体内の両方において様々な脊椎動物組織のアレイを作成及び/又は維持するために用いることができるものである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離された及び/又は組換え体であるCDGFポリペプチド。
【請求項2】
配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すアミノ酸配列又はその一部分に対して少なくとも70パーセント相同のCDGFアミノ酸配列を含むと共に、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項3】
配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すEGF様ドメインに相当するEGF様ドメインを含むと共に、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項4】
哺乳類のCDGF遺伝子に対して緊縮条件下で交雑する核酸により符号化されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項5】
配列同定番号第2番、第4番又は第7番のいずれかの示すCDGFたんぱく質に特異的な抗体に対して交差反応性のアミノ酸配列を含むと共に、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項6】
erbBレセプタに特異的に結合する、請求項1又は4のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項7】
erbBレセプタがerbB4である、請求項2、3、5又は6のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項8】
erbB型レセプタを発現する細胞の細胞活性を変更する、請求項2、3、5又は6のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項9】
前記細胞の増殖、分化、細胞対細胞の接触及び生存率のうち少なくとも一つを変更する、請求項8に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項10】
前記erbB型レセプタの媒介する細胞内シグナル形質導入経路を刺激する、請求項8に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項11】
前記erbB型レセプタの媒介する細胞内シグナル形質導入経路に拮抗する、請求項8に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項12】
前記erbB型レセプタのリン酸化を誘発する、請求項2、3、5又は6のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項13】
可溶性、かつ約78乃至83kDの分子重量を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項14】
可溶性、かつ約31乃至36kDの分子重量を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のCDGFポリペプチド。
【請求項15】
前記CDGF遺伝子がヒトCDGF遺伝子である、請求項4に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項16】
前記ヒトCDGF遺伝子が、配列同定番号第6番の示すコーディング配列を含む、請求項15に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項17】
配列同定番号第1番、第5番及び第6番のいずれかの表す核酸配列に緊縮条件下で交雑する核酸により符号化される、請求項4に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項18】
配列同定番号第1番のヌクレオチド180乃至695又はヌクレオチド870乃至929の少なくとも一つに相当する核酸配列に緊縮条件下で交雑する核酸により符号化される、請求項4に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項19】
前記EGF様ドメインが、配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すEGF様ドメインに対して少なくとも70パーセント相同である、請求項3に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項20】
前記EGF様ドメインが、一般式CNETAKSYCVNGGVCYYIEGINQLSCKCPXGXXGXRCで表されるアミノ酸を含む、請求項3に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項21】
前記CDGFアミノ酸配列が、配列同定番号第2番のアミノ酸残基1乃至314に相当する配列又は分泌シグナルペプチドを欠いたその配列を含む、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項22】
前記CDGFアミノ酸配列が、配列同定番号第4番のアミノ酸残基1乃至330に相当する配列又は分泌シグナルペプチドを欠いたその配列を含む、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項23】
炭水化物成分を含むように翻訳後に変更された、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項24】
CDGFポリペプチド配列に加えて、前記CDGFポリペプチドに関係のないアミノ酸配列を有する第二のポリペプチド配列を更に含む融合たんぱく質である、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項25】
前記融合たんぱく質が、前記融合たんぱく質の存在を検出する検出可能な標識として、又は、前記融合たんぱく質を固定するマトリックス結合ドメインとして働くポリペプチドを、第二のポリペプチド配列として含む、請求項24に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項26】
自然に結び付いたその他の細胞たんぱく質を概ね持たない、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項27】
組換えポリペプチドである、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項28】
哺乳類を源とする、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項29】
ヒトを源とする、請求項1に記載のCDGFポリペプチド。
【請求項30】
請求項1乃至5のいずれかに記載のCDGFポリペプチドのエピトープに対して特異的反応性を有する抗体製剤。
【請求項31】
組換えCDGFポリペプチドを符号化するポリペプチド・コーディング配列を含む概ね純粋な核酸。
【請求項32】
前記CDGFポリペプチドが、配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すアミノ酸配列又はその一部分に対して少なくとも70%相同のCDGFアミノ酸配列を含み、かつ、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項31に記載の核酸。
【請求項33】
前記CDGFポリペプチドが、配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すEGF様ドメインに相当するEGF様ドメインを含むと共に、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項31に記載の核酸。
【請求項34】
前記ポリペプチド・コーディング配列が、哺乳類のCDGF遺伝子に対して緊縮条件下で交雑するCDGFコーディング配列を含む、請求項31に記載の核酸。
【請求項35】
前記CDGFポリペプチドが、配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの示すCDGFたんぱく質に特異的な抗体に対して交差反応性のアミノ酸配列を含むと共に、erbB型レセプタに特異的に結合する、請求項31に記載の核酸。
【請求項36】
前記CDGFポリペプチドがerbBレセプタに特異的に結合する、請求項31又は34のいずれかに記載の核酸。
【請求項37】
前記erbBレセプタがerbB4である、請求項32、33、35又は63のいずれかに記載の核酸。
【請求項38】
前記CDGF遺伝子がヒトCDGF遺伝子である、請求項34に記載の核酸。
【請求項39】
前記ヒトCDGF遺伝子が配列同定番号第6番の示すコーディング配列を含む、請求項38に記載の核酸。
【請求項40】
前記CDGFコーディング配列が、配列同定番号第1番、第5番及び第6番のいずれかの表す核酸配列に緊縮条件下で交雑する、請求項34に記載の核酸。
【請求項41】
前記CDGFコーディング配列が、配列同定番号第1番のヌクレオチド180乃至695又はヌクレオチド870乃至929の少なくとも一つに相当する核酸配列に緊縮条件下で交雑する、請求項34に記載の核酸。
【請求項42】
前記EGF様ドメインが、配列同定番号第2番、第4番及び第7番のいずれかの表すEGF様ドメインに対して少なくとも70パーセント相同である、請求項33に記載の核酸。
【請求項43】
前記EGF様ドメインが、一般式CNETAKSYCVNGGVCYYIEGINQLSCKCPXGXXGXRCで表されるアミノ酸を含む、請求項33に記載の核酸。
【請求項44】
前記CDGFポリペプチドが、配列同定番号第2番のアミノ酸残基1乃至314に相当するCDGFアミノ酸配列、又は分泌シグナルペプチドを欠いたその配列を含む、請求項31に記載の核酸。
【請求項45】
前記CDGFポリペプチドが、配列同定番号第4番のアミノ酸残基1乃至330に相当するCDGFアミノ酸配列、又は分泌シグナルペプチドを欠いたその配列を含む、請求項31に記載の核酸。
【請求項46】
配列同定番号第1番、第3番又は第6番の少なくとも60の連続したヌクレオチドが表す配列を有する核酸プローブに緊縮条件下で交雑する、請求項31に記載の核酸。
【請求項47】
前記核酸を前記組換えCDGFポリペプチドの発現ベクタとして用いるのに適切なものにするために、前記ポリペプチドコーディング配列に操作可能に結び付けられた転写調節配列を更に含む、請求項31に記載の核酸。
【請求項48】
請求項31に記載の前記核酸を含む、原核細胞及び真核細胞のうち少なくとも一方において複製を作ることが可能である発現ベクタ。
【請求項49】
請求項48に記載の発現ベクタで形質移入させた、組換えCDGFポリペプチドを発現する宿主細胞。
【請求項50】
請求項49に記載の前記細胞を細胞培地で培養して組換えCDGFポリペプチドを発現させ、前記細胞培養物から前記組換えCDGFポリペプチドを分離するステップを含む、組換えCDGFポリペプチドを生成する方法。
【請求項51】
請求項31に記載の前記核酸を含む移植遺伝子を持つか、あるいは、一つ又は複数の内生CDGF遺伝子が破壊された、組換えにより操作された細胞を含む遺伝子導入動物。
【請求項52】
(i)請求項1317の前記核酸を含むと共に、真核細胞において前記組換えCDGFポリペプチドの発現を起こさせるために転写調節配列に操作可能に結び付けられた遺伝子構造物であって、前記組換えCDGFポリペプチドはerbB型レセプタへの結合能力を特徴とするものである、遺伝子構造物と、(ii)前記遺伝子構造物を細胞に運搬すると共に、前記細胞に前記遺伝子構造物で形質移入させる遺伝子運搬組成物とを含む、組換え体形質移入系。
【請求項53】
前記遺伝子運搬組成物が、組換えウィルス粒子、リポソーム、及びポリ−陽イオン性核酸結合物質のいずれかから選択される、請求項52に記載の組換え体形質移入系。
【請求項54】
配列同定番号第1番、第3番又は第6番のセンス又はアンチセンス配列、あるいはその自然発生変異体の少なくとも20の連続したヌクレオチドに緊縮条件下で交雑するヌクレオチド配列の一領域を含む、概ね精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマ。
【請求項55】
配列同定番号第1番、第3番又は第6番のセンス又はアンチセンス配列、あるいはその自然発生変異体の少なくとも60の連続したヌクレオチドに緊縮条件下で交雑する、請求項54に記載のプローブ/プライマ。
【請求項56】
配列同定番号第1番のヌクレオチド180乃至695又はヌクレオチド870乃至929の少なくとも一つに相当するセンス又はアンチセンス核酸配列に緊縮条件下で交雑する、請求項54に記載のプローブ/プライマ。
【請求項57】
付着した検出可能な標識群を更に含む、請求項54に記載のプローブ/プライマ。
【請求項58】
細胞の試料中で、CDGFたんぱく質を符号化する核酸のレベルを測定する請求項54に記載のプローブ/プライマを含む、CDGFmRNAの写しを含む細胞を検出するテスト器具。
【請求項59】
i.CDGFポリペプチド、erbBレセプタたんぱく質、及びテスト化合物を化合させるステップと、ii.前記CDGFポリペプチド及び前記erbBレセプタたんぱく質を含む錯体の形成を検出するステップとを含み、前記テスト化合物がある状態のときの前記錯体の形成の変化は、CDGFとerbBレセプタとの間の相互作用の調節物質であることを示すものである、CDGFポリペプチドのerbB型レセプタとの結合を調節するテスト化合物をスクリーニングする検定。
【請求項60】
前記erbB型レセプタがerbB4レセプタである、請求項59に記載の検定。
【請求項61】
好ましくない細胞増殖又は分化を特徴とする疾患の危険性のある、一つの細胞又は複数の細胞を判別する診断的検定であって、(i)CDGFたんぱく質を符号化する遺伝子の異常な変更又は変異、(ii)前記遺伝子の誤発現、(iii)異常なレベルの可溶性CDGFたんぱく質、のうち少なくとも一つを特徴とする遺伝子の病変があるかないかを、細胞試料中で検出するステップを含む、検定。
【請求項62】
前記病変の検出が、i.前記遺伝子のセンス又はアンチセンス配列、あるいはその自然発生変異体、あるいは前記CDGF遺伝子に自然に結び付いた5’又は3’フランキング配列に交雑するヌクレオチド配列の一領域を含む核酸を含む診断用プローブを提供するステップと、ii.前記プローブを前記細胞試料の核酸に化合させるステップと、iii.前記遺伝子からの一つ又は複数のヌクレオチドの削除、前記遺伝子への一つ又は複数のヌクレオチドの追加、前記遺伝子の一つ又は複数のヌクレオチドの置換、前記遺伝子の全部又は一部の総体的染色体再配列、前記遺伝子のmRNA写しレベルの総体的変化、又は前記遺伝子のmRNA写しの非野生型スプライシング・パターン、のうち少なくとも一つの存在を、前記細胞核酸への前記プローブの交雑により、検出するステップとを含む、請求項61に記載の検定。
【請求項63】
前記プローブの交雑が、前記プローブ及び細胞核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)にさらすステップと、増幅された生成物中に異常を検出するステップとを更に含む、請求項62に記載の検定。
【請求項64】
前記プローブの交雑が、前記プローブ及び細胞核酸を結紮連鎖反応(LCR)にさらすステップと、増幅された生成物中に異常を検出するステップとを更に含む、請求項62に記載の検定。
【請求項65】
遺伝子の病変の検出が、組織試料の細胞に関連する、及び/又は、体液中の可溶性たんぱく質として、CDGFたんぱく質、又はその一部分があるかないかを検出するステップを含む、請求項61に記載の検定。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2011−36260(P2011−36260A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211345(P2010−211345)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【分割の表示】特願平9−511448の分割
【原出願日】平成8年9月9日(1996.9.9)
【出願人】(599154629)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバードカレッジ (2)
【出願人】(507055051)トラスティーズ オブ リランド エス.スタンフォード ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】