小荷物昇降機
【課題】カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制できる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を提供する。
【解決手段】カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部と閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段Rが設けられている小荷物昇降機を構成した。
【解決手段】カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部と閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段Rが設けられている小荷物昇降機を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられた小荷物昇降機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記小荷物昇降機の従来例として、カゴ戸を閉じ位置に位置保持するロック機構が備えられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来の小荷物昇降機は、カゴを昇降作動させる間は、ロック機構を作用させることにより、カゴが昇降作動している最中にカゴが僅かに上下動を繰り返す踊りの発生を防止して、カゴが昇降作動している間は、カゴ戸を閉じ位置に維持することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−246665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の小荷物昇降機では、カゴ戸を閉じ位置に維持することができるものの、カゴ戸が閉じ位置に位置している状態において、カゴの出し入れ口の周縁部とカゴ戸との間に隙間が形成されるものであった。
【0006】
そのため、従来の小荷物昇降機のカゴを昇降させると、昇降作動による気流の変化の影響を受け、カゴとカゴ戸との間に形成される隙間から空気が流出入することにより、カゴの昇降作動中にカゴの内部と外部とにおける熱交換が促進されることになる。
【0007】
したがって、従来の小荷物昇降機では、昇降作動中にカゴの内部と外部との間での熱交換が促進されるため、温かい料理や冷たい飲み物などを昇降搬送する場合に、昇降作動中に温かい料理が冷め易く、また、冷たい飲み物がぬるくなり易いという問題、つまり、保温効果が低いという問題があった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる小荷物昇降機は、小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置の前記カゴ戸との間を遮蔽する遮蔽手段が設けられている点にある。
【0010】
本発明の第1特徴構成によると、遮蔽手段がカゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽するので、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間に隙間を塞いだ状態にすることができる。したがって、カゴ戸を閉じ位置にしてカゴを昇降作動させても、カゴ内部とカゴ外部との間における空気の流出入が促進されず、カゴの内部と外部との間での熱交換を抑制できるので、昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる。
【0011】
このように、本発明の第1特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を得るに至った。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、遮蔽手段が、前記カゴ戸又は前記カゴに装備されて、相手側に対して接触作用するシール体にて構成されている点にある。
【0013】
本発明の第2特徴構成によると、カゴ又はカゴ戸の何れか一方にシール体を装備するか、カゴ及びカゴ戸の双方にシール体を装備するかの簡単な構成により、遮蔽手段を構成できる。
【0014】
このように、本発明の第2特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を簡単な構成により得るに至った。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記遮蔽手段が、前記カゴ戸を閉じ位置において前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている点にある。
【0016】
本発明の第3特徴構成によると、遮蔽手段としてのカゴ戸接近移動操作手段が、スライド開閉式のカゴ戸を、閉じ位置においてカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるので、カゴ戸を、閉じ位置においてカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態で位置させることができる。
【0017】
したがって、カゴの出し入れ口の周縁部に接する平面からカゴ外方側に離れた位置をカゴ戸が経由させることでスライド開閉式のカゴ戸を円滑に開閉作動させようとする場合に、カゴ戸を閉じ位置に位置させれば、カゴ戸接近移動操作手段により、カゴ戸がカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態となるので、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる。
【0018】
このように、本発明の第3特徴構成によると、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる点でより一層保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を得るに至った。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、本発明の第3特徴構成において、前記カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構が、前記カゴ戸を閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほど前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するように構成されて、前記カゴ戸接近移動操作手段として機能するように構成されている点にある。
【0020】
本発明の第4特徴構成によると、前記案内機構を設けることで、カゴ戸をスライド開閉自在に案内することができ、しかも、その案内機構が、閉じ位置に近づくほどカゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するので、案内機構が前記カゴ戸接近移動操作手段を兼ねることになり、前記案内機構とは別にカゴ戸接近移動操作手段を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0021】
このように、本発明の第4特徴構成によると、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる保温効果の高いカゴを備え、しかも、構成の簡素化を図ることができる小荷物昇降機を得るに至った。
【0022】
本発明の第5特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記カゴ戸の両横側部をスライド開閉自在に案内する案内枠が、案内作用部にて前記カゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、前記案内作用部と前記カゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けられて、前記遮蔽手段の少なくとも一部として機能するように構成されている点にある。
【0023】
本発明の第5特徴構成によると、案内枠を、その案内作用部にてカゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、案内作用部とカゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けることにより、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽することができるので、長期間の運用によりカゴ戸の開閉作動が繰り返し行われても、耐磨耗性において不利なシール体を用いた場合に比べ、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽する状態を維持し易いものとなる。
【0024】
このように、本発明の第5特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備え、しかも、その保温効果の高い状態を長期間にわたって維持できる小荷物昇降機を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の小荷物昇降機の実施形態について、図面に基づいて説明する
【0026】
〔第1実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、1階に厨房が、2階及び3階に配膳室及び客室が設けられた複数フロアーを有するレストランに設置されているものであり、各階の出し入れ小口が、人の腰高さに合わせて設けられているテーブルタイプの小荷物昇降機である。そして、小荷物昇降機は、主に、1階の厨房から各階の配膳室へ、調理した料理を搬送し、各階の配膳室から1階の厨房へ、使用済みの食器を搬送する場合に使用される。
【0027】
図1に示すように、小荷物昇降機は、1階から3階に連通する建物内の設置用空間に設けられた鉄骨製の昇降路1に沿って形成される昇降経路Lを昇降自在な小荷物搬送用のカゴ6と、ACモータ、減速機、シーブ等で構成されて一対の巻き上げロープ9を巻き上げ又は繰り出すことでカゴ6を昇降駆動する昇降駆動手段としての巻上機10と、各階の出し入れ小口Dに設置され、昇降指令手段としての複数の運転操作ボタン20が備えられた操作盤PNLと、外部から動作用の電力が供給される受電盤や1階〜3階の各階の操作盤PNLの夫々に設けられた運転操作ボタン20による昇降指令に基づいて、巻上機10及び制動手段としてのディスクブレーキ(図示せず)の作動を制御する制御手段としての制御盤H等が内装された制御ボックスCBとを備えている。
【0028】
昇降路1は、四隅に配設されたH鋼の柱部材2aと柱部材同士を連結する中間ビーム2bで構成されるフレーム本体2等で構成されている。フレーム本体2には、鋼板製枠体の出し入れ小口下地材4が、1階〜3階の各階に設けられた出し入れ小口Dに対応する位置に設けられており、出し入れ小口下地材4を介して昇降路1と各階の出し入れ小口Dとが連結されている。
【0029】
昇降路1の上端部には、前記制御ボックスCBが設けられている。フレーム本体2の制御ボックスCBの近傍にはマシンビーム受材3が設けられており、巻き上げロープ9が架けられた巻上機10がこのマシンビーム受材3に固定部材により固定されている。なお、巻き上げロープ9の一方の端部には、カゴ6の昇降方向に平行に設けられた一対の直線状のガイドレール5の間にて昇降移動自在な釣合い重り11が連結されている。この釣合い重り11が、カゴ6の昇降作動に伴って、カゴ6の昇降方向と反対方向に昇降移動することで、巻上機10の駆動負荷及びディスクブレーキの制動負荷を軽減できるようになっている。
【0030】
昇降経路Lには、複数の停止位置として、各階の出し入れ小口Dに対応した適切な昇降位置が設定されており、カゴ6がこれらの昇降位置に位置するときにオンする停止位置検出手段としてのリードスイッチ(図示せず)が昇降経路L上に複数設けられている。そして、作業者が、運転操作ボタンにてカゴ6を昇降させる目的階を指令すると、作業者が指令した階における出し入れ小口Dに対応した適切な昇降位置が目標停止位置として指令され、指令された目標停止位置にカゴ6が停止するように、リードスイッチの検出情報に基づいて、巻上機10及びディスクブレーキの作動が制御盤Hによりインバータ方式で制御される。
【0031】
各階に設けられた出し入れ小口Dは、壁面に設けられた開口の左右両側及び上側の縁部に設けられた鋼板製の三方枠12、当該開口のある階の床面からの高さが人の腰高さ(本実施形態では、70cm)となるように開口の下辺に設けられたステンレス製の膳板13、鉛直平面に沿って上下スライド自在な出し入れ小口戸14、及び、前記操作盤PNL等で構成されている。出し入れ小口Dの高さ方向及び幅方向の寸法は、カゴ6の筐体の高さ方向及び幅方向の寸法に対応したものとなっている。
【0032】
出し入れ小口戸14は、出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置にて上下2枚に分割された上下開き式の2枚戸で構成されており、出し入れ小口戸14の小口上戸14aと小口下戸14bは連動して互いに逆方向に上下スライド動作するように構成されている。
【0033】
そして、開閉操作用の取手15が設けられた小口上戸14aの下端部を上向きに引上げ操作して、三方枠12の上側フレーム付近に位置させると、小口上戸14aと小口下戸14bとが互いに離間して、小口下戸14bの上端部が膳板13と同レベルの高さ位置に位置し、出し入れ小口戸14が開き位置に位置し、出し入れ小口Dは、開口が開放され開状態となる。
【0034】
また、取手15が設けられた小口上戸14aの下端部を下向きに引下げ操作して、出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置に位置させると、小口上戸14aと小口下戸14bとが互いに接近して、小口下戸14bの上端部が出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置に位置し、出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置し、出し入れ小口Dは、開口が閉塞された閉状態となる。
【0035】
また、各階の出し入れ小口Dには、出し入れ小口戸14が閉じ位置となると小口上戸14aの被検出部と当接してオンすることにより出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置していることを検出するリミットスイッチ(以下、出し入れ小口戸スイッチという)が設けられている。この出し入れ小口戸スイッチは、図示しない信号線により制御ボックスCBに内装された制御盤Hと電気的に接続されている。
【0036】
制御盤Hは、いずれかの階の運転操作ボタン20により昇降指令が指令されたときに、各階の出し入れ小口戸スイッチの検出情報に基づいていずれかの階の出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置していないと判別した場合には、カゴ6の昇降作動を開始せず、また、カゴ6の昇降作動を開始した後に各階の出し入れ小口戸スイッチの検出情報に基づいていずれかの階の出し入れ小口戸14が閉じ位置でないと判別された場合には、カゴ6の昇降作動を緊急停止するように構成されている。
【0037】
次にカゴ6の構造について説明する。図1〜図4に示すように、カゴ6は、側面の1つが開口して、小荷物を出し入れするための出し入れ口6Mが形成された直方体形状のステンレス製又は鋼板製の筐体で構成されている。具体的には、図2に示すように、背面を形成する背面パネル6B、左側面を形成する左パネル6L、右側面を形成する右パネル6R、底面を形成する底面パネル6F、及び、天面を形成する天面パネル6Sが、出し入れ口6Mを形成する状態で互いに接合されている。そして、左パネル6L、右パネル6R、底面パネル6F、及び、天面パネル6Sの夫々の出し入れ口6M側の端面により矩形状の周縁部Cが形成されている。
【0038】
天面パネル6Sのカゴ外方側には、連結部材Jを介して巻き上げロープ9が連結されており、カゴ6は巻き上げロープ9にて吊り下げ支持されている。カゴ6には、出し入れ口6Mが位置する側面の上方側及び下方側に亘るカゴ枠8と、このカゴ枠8に案内されて出し入れ口を開閉するように上下にスライド開閉作動するカゴ戸7が設けられている。
【0039】
図1及び図2に示すように、カゴ枠8は、カゴ戸7のスライド移動範囲の上下幅の全長に亘る長さの左右一対のカゴ戸レール16と、左右一対のカゴ戸レール16の各上端及び各下端を連結する上下一対の連結部材17からなり、カゴ枠8には、遊転プーリー18及びカゴ戸ワイヤ19からなる上下機構UDが設けられている。遊転プーリー18は、上側の連結部材17の左右の連結箇所付近の夫々に設けられ、左右一対の遊転プーリー18の夫々にカゴ戸ワイヤ19が巻回されている。カゴ戸ワイヤ19の一方の端部は後述の上戸7aに連結され、他方の端部は後述の下戸7bに連結されている。
【0040】
図2〜図5に示すように、カゴ戸7は、カゴ戸レール16の上側部分にて案内されて上向きに開き作動する上戸7aと、カゴ戸レール16の下側部分にて案内されて下向きに開き作動する下戸7bとからなる2枚戸である。上戸7a及び下戸7bの夫々の左右端面には、断面視がコの字状で、上戸7a及び下戸7bの夫々の上下高さ幅と略同じ長さの樹脂製長尺部材で構成されたガイドシュー22が、カゴ6の外方側に突出する状態で設けられ、これらのガイドイドシュー22がカゴ戸レール16の案内部分16gに対して上下摺動自在に係合している。
【0041】
このような構成により、上戸7a及び下戸7bは連動して互いに逆方向にカゴ戸レール16に案内されながら、出し入れ口6Mを開閉するように上下スライド動作するようになっている。
【0042】
カゴ戸7のスライド開閉動作について説明を加えると、上戸7aと下戸7bとが開き作動により互いに離間して、上戸7aが、その下端部7aBがカゴ6の天面パネル6S付近に位置する開き位置に位置すると、下戸7bは、その上端部7bTがカゴ6の底面パネル6Fと同レベルの高さ位置に位置し、カゴ6の出し入れ口6Mが開状態(図2に示す状態)となる。
【0043】
また、上戸7aと下戸7bとが閉じ作動により互いに接近して、上戸7aが、その下端部7aBがカゴ6の高さ方向の略中央位置に位置する閉じ位置に位置すると、下戸7bは、その上端部7bTがカゴ6の高さ方向の略中央位置に位置する閉じ位置に位置し、上戸7aの下端部7aBと下戸7bの上端部7bTとがカゴ6の高さ方向の略中央位置にて当接し、カゴ6の出し入れ口6Mが閉状態(図4(イ)に示す状態)となる。
【0044】
閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとの合口部分の隙間、つまり、上戸7aの下端部7aBと下戸7bの上端部7bTとが当接する部分の隙間を遮蔽する合口スポンジ21が、上戸7aの下端部7aBの左右方向に沿って設けられている。
【0045】
この合口スポンジ21を設けることで、閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとが合口スポンジ21を介して当接することになるので、閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとの合口部分の隙間を遮蔽してカゴ内部とカゴ外部との間での熱交換を抑制することができる。このように、合口スポンジ21は、カゴ内部とカゴ外部との間での熱交換を抑制する断熱手段として機能している。また、合口スポンジ21により、上戸7aと下戸7bとが衝突する際の衝撃を緩和することができるので、カゴ戸7を閉じ操作した場合の衝撃音の低減やカゴ戸7等の損傷の防止を図ることができる。このように、合口スポンジ21は、上戸7aと下戸7bとの間で生じる衝撃を緩和する緩衝手段として機能している。
【0046】
なお、カゴ戸7には、出し入れ小口戸14の開閉作動に連係してカゴ戸7を開閉させる図示しない連係機構が備えられており、カゴ6が出し入れ小口Dに対応する適切な昇降位置に停止した状態で、その出し入れ小口Dが備える出し入れ小口戸14が開閉操作されると、出し入れ小口戸14の開閉作動に連動してカゴ戸7が開閉作動するようになっている。
【0047】
カゴ戸7には、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段としての戸当りゴムRが設けられている。上戸7aについて詳しく説明すると、図5に示すように、上戸7aの裏面側(カゴ6の内方側)において、上側端部付近に天面用戸当りゴム23が、左側端部付近に左側面上方用戸当りゴム24が、そして、右側端部付近に右側面上方用戸当りゴム25が設けられている。
【0048】
図6及び図7に示すように、天面用戸当りゴム23は、取り付け部23aとブレード部23bとを備え、断面視T字状の弾性体で構成されている。取り付け部23aは、上戸7aの裏面の上側端部付近に上側端部に沿って取り付けられており、ブレード部23bは、自然状態において図6において実線で示すような略水平姿勢を保持するようになっている。
【0049】
また、ブレード部23bの先端と取り付け部23aの上戸7aへの取付面との距離L1(図6参照)は、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cの上辺と、閉じ位置に位置する上戸7aの裏面の上側端部との間に形成される隙間の水平距離G(図3参照)より約50%だけ長くなっている。したがって、上戸7aが閉じ位置に位置していると、ブレード部23bは、図4(イ)及び図7で示すように湾曲した形状に弾性変形して、出し入れ口6Mの周縁部Cの上辺に対して接触作用している。つまり、天面用戸当りゴム23は、本発明のシール体として機能している。
【0050】
図8及び図9に示すように、左側面上方用戸当りゴム24は、取り付け部24aと断面視V字状乃至U字状の突起部24bとを備えた弾性体で構成されている。自然状態における突起部24bの先端と取り付け部24aの上戸7aへの取付面との距離L2(図8参照)は、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺と、閉じ位置に位置する上戸7aの裏面の左右側端部との間に形成される隙間の水平距離G(図4(イ)参照。)より数%だけ長くなっている。したがって、上戸7aが閉じ位置に位置していると、突起部24bは、自然状態における距離L2が水平距離Gと同じになる形状に弾性変形して、出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺に対して接触作用している。つまり、左側面上方用戸当りゴム24は、本発明のシール体として機能している。
【0051】
また、突起部24bの先端は先細りの形状となっているので、突起部24bと出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺との接触面積を極力小さくすることができ、これにより、上戸7aを上下スライド作動させる場合に、突起部24bと周縁部Cの左右の辺との間で発生する摺動抵抗を極力小さくして上戸7aの上下開閉作動の円滑化を図ることができる。
【0052】
右側面上方用戸当りゴム25については、その取付箇所以外は上述した左側面上方用戸当りゴム24と同様の構成となっており、本発明のシール体として機能している。なお、右側面上方用戸当りゴム25と左側面上方用戸当りゴム24とを同一部材とすることにより部材の共用化による低コスト化を図っている。また、下戸7bについても、図4に示すように、上戸7と同様にその裏面において下側端部付近に底面用戸当りゴム26が、左側端部付近に左側面下方用戸当りゴム(図示せず)が、そして、右側端部付近に右側面下方用戸当りゴム28が設けられており、これらの戸当りゴムが本発明のシール体として機能している。
【0053】
以上のように、カゴ戸7の上戸7aに設けられた天面用戸当りゴム23、左側面上方用戸当りゴム24、及び、右側面上方用戸当りゴム25、並びに、カゴ戸7の下戸7bに設けられた底面用戸当りゴム26、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28からなる戸当りゴムRが本発明のシール体として機能しており、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段を構成している。
【0054】
〔第2実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成が異なるほかは、第1実施形態で示したものと同じ構成であるので、以下、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成について説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を用いて一部説明を省略している。
【0055】
図10に示すように、本実施形態におけるカゴ戸7の上戸7aには、その左右両側部において、被案内体としての左右一対の上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lが設けられている。上戸7aの裏面側の周縁部には戸当りゴム枠31が貼り付けられ、下端部の下面には合口スポンジ21が取り付けられている。
【0056】
図11に示すように、カゴ枠8の左右一対のカゴ戸レール16は、コの字部材の開口側面に、案内体としてのガイド溝33がプレス形成された板部材を接合した四角パイプで構成されている。そして、左右のカゴ戸レール16のガイド溝33が互いに対向する状態で左右のカゴ戸レール16が連結部材17にて連結されてカゴ枠8が構成されている。
【0057】
カゴ戸レール16の上部側に上下に並べて形成された第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLは、夫々、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lを案内するものであり、カゴ戸レール16の下部側に上下に並べて形成された第3ガイド溝33bH及び第4ガイド溝33bLは、夫々、下戸7bの上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lを案内するものである。
【0058】
カゴ戸レール16の上部側の上戸案内用の第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLについて説明すると、図11及び図12に示すように、これらの4つのガイド溝33はいずれも、ガイド溝幅が上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lのローラ本体の直径よりも僅かに大きい寸法で、溝深さが上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lのローラ本体の厚みと略同じ寸法となるように形成されており、上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lのローラ本体が、第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLに嵌合している。
【0059】
図12に示すように、カゴ戸レール16の上部側の4つのガイド溝33の形状は、下方側ほどカゴ6の出し入れ口6M側に位置するような形状となっており、上戸7aを上下スライド作動させると、第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLに、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lが案内されることで、上戸7aが閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほどカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近する側に案内されるようになっている。
【0060】
下戸7bについても上戸7aと同様に、カゴ戸レール16の下部側のガイド溝33に上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lが嵌合している。カゴ戸レール16の下部側の4つのガイド溝33の形状は、上方側ほどカゴ6の出し入れ口6M側に位置するような形状となっており、下戸7aを上下スライド作動させると、下戸7bに設けられた上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lが、カゴ戸レール16の下部側の4つのガイド溝(左右一対の第3ガイド溝33bH及び第4ガイド溝33bL)に案内されることで、下戸7bが、閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほどカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近する側に案内されるようになっている。
【0061】
つまり、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30L、並びに、下戸7bの上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lと、カゴ戸レール16とによりカゴ戸7をスライド開閉自在に案内する案内機構が構成されており、この案内機構が、カゴ戸7を閉じ位置においてカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近又は密着する状態に位置させるようにカゴ戸を移動させる。つまり、案内機構が、本発明のカゴ戸接近移動操作手段として機能している。
【0062】
そして、図11(ロ)及び図12(ロ)に示すように、上戸7a及び下戸7bの夫々が閉じ位置においてカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近又は密着する状態になると、弾性体である戸当りゴム枠31が出し入れ口6Mの周縁部Cに押し付けられて弾性変形して上戸7a及び下戸7bが周縁部Cに密着するので、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置の上戸7a及び下戸7bとの間を遮蔽することができる。このように、本実施形態では、遮蔽手段がカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている。
【0063】
〔第3実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成が異なるほかは、第1実施形態で示したものと同じ構成であるので、以下、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成について説明する。なお、カゴ戸7及びカゴ枠8は、左右対称の構成となっているので、以下ではカゴ戸7及びカゴ枠8の左側の構成について説明することにし、右側の構成については説明を省略する。また、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いて一部説明を省略している。
【0064】
図13及び図14に示すように、カゴ枠8のカゴ戸レール16は、カゴ戸7の上下スライド方向を長手方向とする長尺板状部材を断面視がクランク形状となるように折り曲げ加工して形成してあり、取り付け部分16a及び案内部分16gが形成されている。カゴ6の左パネル6Lのカゴ戸7側の端面41に、カゴ戸7の上下スライド方向を長手方向とする長尺板状部材を断面視がJ字形状となるように折り曲げ加工して形成した遮蔽部材42と、前記カゴ戸レール16とが取り付けボルト43により上下複数箇所にて共締めされている。
【0065】
カゴ戸レール16の案内部分16gと左パネル6Lの端面41との間に、遮蔽部材42の折り曲げ加工した屈曲部分42aが位置しており、この屈曲部分42aが案内部分16gと後述のカゴ戸7のフランジ部44との間を遮蔽する遮蔽部として機能している。
【0066】
カゴ戸7の構成について上戸7aを例に説明すると、上戸7aの表面(カゴ6の外方側の面)の左側端部には、平板状の被案内部としてのフランジ部44が折り曲げ加工により形成されている。そして、上戸7aの左側の平板状の被案内部としてのフランジ部44が、左側のカゴ戸レール16と遮蔽部材42とで形成される案内作用部としての凹入状の案内溝45に嵌合している。また、上戸7aの裏面の上端部付近に天面用戸当たりゴム23が設けられている。
【0067】
同様に、下戸7bの左側のフランジ部が、左側のカゴ戸レール16と遮蔽部材とで形成される案内溝に嵌合している。また、下戸7bの裏面の下端部付近に底面用戸当たりゴム26が設けられている。
【0068】
上記の構成により、案内枠としてのカゴ枠8は、カゴ戸7の両横側部をスライド開閉自在に案内するように構成され、カゴ枠8が、案内作用部としての案内部分16gにてカゴ戸7の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、案内部分16gとカゴ6との間を遮蔽する遮蔽部としての屈曲部分42aを備える状態で設けられている。
【0069】
そして、カゴ戸7がカゴ枠8により案内されて閉じ位置に位置すると、出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間のうち周縁部Cの上下の各辺に対応する部分が、天面用戸当たりゴム23及び底面用戸当たりゴム26にて遮蔽され、同時に、出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間のうち周縁部Cの左右の各辺に対応する部分が、カゴ枠8の左右の遮蔽部材における各屈曲部分により遮蔽される。したがって、カゴ枠8が、本発明の遮蔽手段の少なくとも一部として機能している。
【0070】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0071】
(1)上記各実施形態では、カゴ戸7に、出し入れ小口戸14の開閉作動に連係してカゴ戸7を開閉させる連係機構が備えられたものを例示したが、これに代えて、カゴ戸7を開閉駆動させる開閉駆動手段としてカゴ戸モータを設けて構成されたものであってもよい。なお、この場合、複数の開閉駆動手段を設けて、上戸7aと下戸7bが個別に開閉作動するように構成してもよいし、単一の開閉駆動手段を設けて、上戸7aと下戸7bが連動して開閉作動するように構成してもよい。
【0072】
(2)上記各実施形態では、カゴ戸7が上戸7a及び下戸7bを備えた2枚戸であるものを例示したが、これに代えて、カゴ戸7が1枚戸で構成されたものであってもよい。
【0073】
(3)上記各実施形態では、上下機構UDが、遊転プーリー18及びカゴ戸ワイヤ19からなるものを例示したが、これに代えて、上下機構UDが、遊転スプロケット及びカゴ戸チェーンからなるものであってもよい。
【0074】
(4)上記第1実施形態では、天面用戸当りゴム23及び底面用戸当りゴム26、並びに、左側面上方用戸当りゴム24、右側面上方用戸当りゴム25、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28が、カゴ戸7に設けられたものを例示したが、これに代えて、これらの戸当りゴムの一部又は全部がカゴ6の周縁部Cに設けられたものであってもよい。
【0075】
(5)上記第1実施形態では、カゴの左右の各側面パネルの上下の夫々に対応したシール体として、先端側ほど厚みが薄くなる突起を備えた左側面上方用戸当りゴム24、及び、右側面上方用戸当りゴム25、並びに、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28で構成されたものを例示したが、これに代えて、カゴの左右の各側面パネルの上下の夫々に対応したシール体として、天面用戸当りゴム23及び底面用戸当りゴム26と断面視形状が同一の弾性部材、つまり、自然状態で取り付け部に対して直立するブレード部を備えた弾性部材で構成されたものであってもよい。
【0076】
この場合、カゴ戸7に設けるシール体の全てを断面視形状が同一の弾性部材を使用することができるので、例えば、巻取り状態で供給される弾性部材を手配して、適切な長さに切断して各部分に取り付けるべきシール体を得ることが可能となり、コスト面で有利となる。
【0077】
(6)上記第2実施形態では、カゴ戸接近移動操作手段が、カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構にて構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、カゴに、電動モータ等からなる密着操作機構を設けて、カゴ戸が閉じ位置に位置すると、密着操作機構が、カゴ戸を出し入れ口に接近又は密着させる方向に移動させるように構成されたものであってもよい。
【0078】
(7)上記第3実施形態では、案内枠8が、案内作用部としての凹入状の案内溝45を備え、カゴ戸7に、凹入状の案内溝45に嵌合される平板状の被案内部としてのフランジ部44を備えさせる場合を例示したが、これに代えて、案内枠8が、案内作用部としての平板状のフランジ部を備え、カゴ戸7に、被案内部としての凹入状の案内溝を備えさせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】小荷物昇降機の要部斜視図
【図2】第1実施形態におけるカゴ及びカゴ枠の斜視図
【図3】第1実施形態におけるカゴの横断平面図
【図4】第1実施形態におけるカゴの縦断側面図
【図5】第1実施形態における上戸の斜視図
【図6】図5のA−A矢視断面図
【図7】天面用戸当りゴムの外観図
【図8】図5のB−B矢視断面図
【図9】左側面上方用戸当りゴムの外観図
【図10】第2実施形態におけるカゴ枠及びカゴ戸の分解斜視図
【図11】第2実施形態におけるカゴ戸周辺の横断平面図
【図12】第2実施形態における上戸周辺の縦断側面図
【図13】第3実施形態における上戸の左側のカゴ戸レール周辺の横断平面図
【図14】第3実施形態における上戸の左側のカゴ戸レール周辺の横断斜視図
【符号の説明】
【0080】
C 周縁部
R シール体(遮蔽手段)
6 カゴ
6M 出し入れ口
7 カゴ戸
8 案内枠(遮蔽手段)
16g 案内作用部
30H、30L、32H、32L、33 案内機構(カゴ戸接近移動操作手段、遮蔽手段)
42a 遮蔽部
【技術分野】
【0001】
本発明は、小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられた小荷物昇降機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記小荷物昇降機の従来例として、カゴ戸を閉じ位置に位置保持するロック機構が備えられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記従来の小荷物昇降機は、カゴを昇降作動させる間は、ロック機構を作用させることにより、カゴが昇降作動している最中にカゴが僅かに上下動を繰り返す踊りの発生を防止して、カゴが昇降作動している間は、カゴ戸を閉じ位置に維持することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−246665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の小荷物昇降機では、カゴ戸を閉じ位置に維持することができるものの、カゴ戸が閉じ位置に位置している状態において、カゴの出し入れ口の周縁部とカゴ戸との間に隙間が形成されるものであった。
【0006】
そのため、従来の小荷物昇降機のカゴを昇降させると、昇降作動による気流の変化の影響を受け、カゴとカゴ戸との間に形成される隙間から空気が流出入することにより、カゴの昇降作動中にカゴの内部と外部とにおける熱交換が促進されることになる。
【0007】
したがって、従来の小荷物昇降機では、昇降作動中にカゴの内部と外部との間での熱交換が促進されるため、温かい料理や冷たい飲み物などを昇降搬送する場合に、昇降作動中に温かい料理が冷め易く、また、冷たい飲み物がぬるくなり易いという問題、つまり、保温効果が低いという問題があった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる小荷物昇降機は、小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置の前記カゴ戸との間を遮蔽する遮蔽手段が設けられている点にある。
【0010】
本発明の第1特徴構成によると、遮蔽手段がカゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽するので、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間に隙間を塞いだ状態にすることができる。したがって、カゴ戸を閉じ位置にしてカゴを昇降作動させても、カゴ内部とカゴ外部との間における空気の流出入が促進されず、カゴの内部と外部との間での熱交換を抑制できるので、昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる。
【0011】
このように、本発明の第1特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を得るに至った。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、遮蔽手段が、前記カゴ戸又は前記カゴに装備されて、相手側に対して接触作用するシール体にて構成されている点にある。
【0013】
本発明の第2特徴構成によると、カゴ又はカゴ戸の何れか一方にシール体を装備するか、カゴ及びカゴ戸の双方にシール体を装備するかの簡単な構成により、遮蔽手段を構成できる。
【0014】
このように、本発明の第2特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を簡単な構成により得るに至った。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記遮蔽手段が、前記カゴ戸を閉じ位置において前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている点にある。
【0016】
本発明の第3特徴構成によると、遮蔽手段としてのカゴ戸接近移動操作手段が、スライド開閉式のカゴ戸を、閉じ位置においてカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるので、カゴ戸を、閉じ位置においてカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態で位置させることができる。
【0017】
したがって、カゴの出し入れ口の周縁部に接する平面からカゴ外方側に離れた位置をカゴ戸が経由させることでスライド開閉式のカゴ戸を円滑に開閉作動させようとする場合に、カゴ戸を閉じ位置に位置させれば、カゴ戸接近移動操作手段により、カゴ戸がカゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態となるので、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる。
【0018】
このように、本発明の第3特徴構成によると、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる点でより一層保温効果の高いカゴを備えた小荷物昇降機を得るに至った。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、本発明の第3特徴構成において、前記カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構が、前記カゴ戸を閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほど前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するように構成されて、前記カゴ戸接近移動操作手段として機能するように構成されている点にある。
【0020】
本発明の第4特徴構成によると、前記案内機構を設けることで、カゴ戸をスライド開閉自在に案内することができ、しかも、その案内機構が、閉じ位置に近づくほどカゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するので、案内機構が前記カゴ戸接近移動操作手段を兼ねることになり、前記案内機構とは別にカゴ戸接近移動操作手段を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0021】
このように、本発明の第4特徴構成によると、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を的確に遮蔽することができる保温効果の高いカゴを備え、しかも、構成の簡素化を図ることができる小荷物昇降機を得るに至った。
【0022】
本発明の第5特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記カゴ戸の両横側部をスライド開閉自在に案内する案内枠が、案内作用部にて前記カゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、前記案内作用部と前記カゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けられて、前記遮蔽手段の少なくとも一部として機能するように構成されている点にある。
【0023】
本発明の第5特徴構成によると、案内枠を、その案内作用部にてカゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、案内作用部とカゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けることにより、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽することができるので、長期間の運用によりカゴ戸の開閉作動が繰り返し行われても、耐磨耗性において不利なシール体を用いた場合に比べ、カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置のカゴ戸との間を遮蔽する状態を維持し易いものとなる。
【0024】
このように、本発明の第5特徴構成によると、カゴの昇降作動中における搬送対象物の温度変化を抑制することができる保温効果の高いカゴを備え、しかも、その保温効果の高い状態を長期間にわたって維持できる小荷物昇降機を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の小荷物昇降機の実施形態について、図面に基づいて説明する
【0026】
〔第1実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、1階に厨房が、2階及び3階に配膳室及び客室が設けられた複数フロアーを有するレストランに設置されているものであり、各階の出し入れ小口が、人の腰高さに合わせて設けられているテーブルタイプの小荷物昇降機である。そして、小荷物昇降機は、主に、1階の厨房から各階の配膳室へ、調理した料理を搬送し、各階の配膳室から1階の厨房へ、使用済みの食器を搬送する場合に使用される。
【0027】
図1に示すように、小荷物昇降機は、1階から3階に連通する建物内の設置用空間に設けられた鉄骨製の昇降路1に沿って形成される昇降経路Lを昇降自在な小荷物搬送用のカゴ6と、ACモータ、減速機、シーブ等で構成されて一対の巻き上げロープ9を巻き上げ又は繰り出すことでカゴ6を昇降駆動する昇降駆動手段としての巻上機10と、各階の出し入れ小口Dに設置され、昇降指令手段としての複数の運転操作ボタン20が備えられた操作盤PNLと、外部から動作用の電力が供給される受電盤や1階〜3階の各階の操作盤PNLの夫々に設けられた運転操作ボタン20による昇降指令に基づいて、巻上機10及び制動手段としてのディスクブレーキ(図示せず)の作動を制御する制御手段としての制御盤H等が内装された制御ボックスCBとを備えている。
【0028】
昇降路1は、四隅に配設されたH鋼の柱部材2aと柱部材同士を連結する中間ビーム2bで構成されるフレーム本体2等で構成されている。フレーム本体2には、鋼板製枠体の出し入れ小口下地材4が、1階〜3階の各階に設けられた出し入れ小口Dに対応する位置に設けられており、出し入れ小口下地材4を介して昇降路1と各階の出し入れ小口Dとが連結されている。
【0029】
昇降路1の上端部には、前記制御ボックスCBが設けられている。フレーム本体2の制御ボックスCBの近傍にはマシンビーム受材3が設けられており、巻き上げロープ9が架けられた巻上機10がこのマシンビーム受材3に固定部材により固定されている。なお、巻き上げロープ9の一方の端部には、カゴ6の昇降方向に平行に設けられた一対の直線状のガイドレール5の間にて昇降移動自在な釣合い重り11が連結されている。この釣合い重り11が、カゴ6の昇降作動に伴って、カゴ6の昇降方向と反対方向に昇降移動することで、巻上機10の駆動負荷及びディスクブレーキの制動負荷を軽減できるようになっている。
【0030】
昇降経路Lには、複数の停止位置として、各階の出し入れ小口Dに対応した適切な昇降位置が設定されており、カゴ6がこれらの昇降位置に位置するときにオンする停止位置検出手段としてのリードスイッチ(図示せず)が昇降経路L上に複数設けられている。そして、作業者が、運転操作ボタンにてカゴ6を昇降させる目的階を指令すると、作業者が指令した階における出し入れ小口Dに対応した適切な昇降位置が目標停止位置として指令され、指令された目標停止位置にカゴ6が停止するように、リードスイッチの検出情報に基づいて、巻上機10及びディスクブレーキの作動が制御盤Hによりインバータ方式で制御される。
【0031】
各階に設けられた出し入れ小口Dは、壁面に設けられた開口の左右両側及び上側の縁部に設けられた鋼板製の三方枠12、当該開口のある階の床面からの高さが人の腰高さ(本実施形態では、70cm)となるように開口の下辺に設けられたステンレス製の膳板13、鉛直平面に沿って上下スライド自在な出し入れ小口戸14、及び、前記操作盤PNL等で構成されている。出し入れ小口Dの高さ方向及び幅方向の寸法は、カゴ6の筐体の高さ方向及び幅方向の寸法に対応したものとなっている。
【0032】
出し入れ小口戸14は、出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置にて上下2枚に分割された上下開き式の2枚戸で構成されており、出し入れ小口戸14の小口上戸14aと小口下戸14bは連動して互いに逆方向に上下スライド動作するように構成されている。
【0033】
そして、開閉操作用の取手15が設けられた小口上戸14aの下端部を上向きに引上げ操作して、三方枠12の上側フレーム付近に位置させると、小口上戸14aと小口下戸14bとが互いに離間して、小口下戸14bの上端部が膳板13と同レベルの高さ位置に位置し、出し入れ小口戸14が開き位置に位置し、出し入れ小口Dは、開口が開放され開状態となる。
【0034】
また、取手15が設けられた小口上戸14aの下端部を下向きに引下げ操作して、出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置に位置させると、小口上戸14aと小口下戸14bとが互いに接近して、小口下戸14bの上端部が出し入れ小口Dの高さ方向の略中央位置に位置し、出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置し、出し入れ小口Dは、開口が閉塞された閉状態となる。
【0035】
また、各階の出し入れ小口Dには、出し入れ小口戸14が閉じ位置となると小口上戸14aの被検出部と当接してオンすることにより出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置していることを検出するリミットスイッチ(以下、出し入れ小口戸スイッチという)が設けられている。この出し入れ小口戸スイッチは、図示しない信号線により制御ボックスCBに内装された制御盤Hと電気的に接続されている。
【0036】
制御盤Hは、いずれかの階の運転操作ボタン20により昇降指令が指令されたときに、各階の出し入れ小口戸スイッチの検出情報に基づいていずれかの階の出し入れ小口戸14が閉じ位置に位置していないと判別した場合には、カゴ6の昇降作動を開始せず、また、カゴ6の昇降作動を開始した後に各階の出し入れ小口戸スイッチの検出情報に基づいていずれかの階の出し入れ小口戸14が閉じ位置でないと判別された場合には、カゴ6の昇降作動を緊急停止するように構成されている。
【0037】
次にカゴ6の構造について説明する。図1〜図4に示すように、カゴ6は、側面の1つが開口して、小荷物を出し入れするための出し入れ口6Mが形成された直方体形状のステンレス製又は鋼板製の筐体で構成されている。具体的には、図2に示すように、背面を形成する背面パネル6B、左側面を形成する左パネル6L、右側面を形成する右パネル6R、底面を形成する底面パネル6F、及び、天面を形成する天面パネル6Sが、出し入れ口6Mを形成する状態で互いに接合されている。そして、左パネル6L、右パネル6R、底面パネル6F、及び、天面パネル6Sの夫々の出し入れ口6M側の端面により矩形状の周縁部Cが形成されている。
【0038】
天面パネル6Sのカゴ外方側には、連結部材Jを介して巻き上げロープ9が連結されており、カゴ6は巻き上げロープ9にて吊り下げ支持されている。カゴ6には、出し入れ口6Mが位置する側面の上方側及び下方側に亘るカゴ枠8と、このカゴ枠8に案内されて出し入れ口を開閉するように上下にスライド開閉作動するカゴ戸7が設けられている。
【0039】
図1及び図2に示すように、カゴ枠8は、カゴ戸7のスライド移動範囲の上下幅の全長に亘る長さの左右一対のカゴ戸レール16と、左右一対のカゴ戸レール16の各上端及び各下端を連結する上下一対の連結部材17からなり、カゴ枠8には、遊転プーリー18及びカゴ戸ワイヤ19からなる上下機構UDが設けられている。遊転プーリー18は、上側の連結部材17の左右の連結箇所付近の夫々に設けられ、左右一対の遊転プーリー18の夫々にカゴ戸ワイヤ19が巻回されている。カゴ戸ワイヤ19の一方の端部は後述の上戸7aに連結され、他方の端部は後述の下戸7bに連結されている。
【0040】
図2〜図5に示すように、カゴ戸7は、カゴ戸レール16の上側部分にて案内されて上向きに開き作動する上戸7aと、カゴ戸レール16の下側部分にて案内されて下向きに開き作動する下戸7bとからなる2枚戸である。上戸7a及び下戸7bの夫々の左右端面には、断面視がコの字状で、上戸7a及び下戸7bの夫々の上下高さ幅と略同じ長さの樹脂製長尺部材で構成されたガイドシュー22が、カゴ6の外方側に突出する状態で設けられ、これらのガイドイドシュー22がカゴ戸レール16の案内部分16gに対して上下摺動自在に係合している。
【0041】
このような構成により、上戸7a及び下戸7bは連動して互いに逆方向にカゴ戸レール16に案内されながら、出し入れ口6Mを開閉するように上下スライド動作するようになっている。
【0042】
カゴ戸7のスライド開閉動作について説明を加えると、上戸7aと下戸7bとが開き作動により互いに離間して、上戸7aが、その下端部7aBがカゴ6の天面パネル6S付近に位置する開き位置に位置すると、下戸7bは、その上端部7bTがカゴ6の底面パネル6Fと同レベルの高さ位置に位置し、カゴ6の出し入れ口6Mが開状態(図2に示す状態)となる。
【0043】
また、上戸7aと下戸7bとが閉じ作動により互いに接近して、上戸7aが、その下端部7aBがカゴ6の高さ方向の略中央位置に位置する閉じ位置に位置すると、下戸7bは、その上端部7bTがカゴ6の高さ方向の略中央位置に位置する閉じ位置に位置し、上戸7aの下端部7aBと下戸7bの上端部7bTとがカゴ6の高さ方向の略中央位置にて当接し、カゴ6の出し入れ口6Mが閉状態(図4(イ)に示す状態)となる。
【0044】
閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとの合口部分の隙間、つまり、上戸7aの下端部7aBと下戸7bの上端部7bTとが当接する部分の隙間を遮蔽する合口スポンジ21が、上戸7aの下端部7aBの左右方向に沿って設けられている。
【0045】
この合口スポンジ21を設けることで、閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとが合口スポンジ21を介して当接することになるので、閉じ位置の上戸7aと閉じ位置の下戸7bとの合口部分の隙間を遮蔽してカゴ内部とカゴ外部との間での熱交換を抑制することができる。このように、合口スポンジ21は、カゴ内部とカゴ外部との間での熱交換を抑制する断熱手段として機能している。また、合口スポンジ21により、上戸7aと下戸7bとが衝突する際の衝撃を緩和することができるので、カゴ戸7を閉じ操作した場合の衝撃音の低減やカゴ戸7等の損傷の防止を図ることができる。このように、合口スポンジ21は、上戸7aと下戸7bとの間で生じる衝撃を緩和する緩衝手段として機能している。
【0046】
なお、カゴ戸7には、出し入れ小口戸14の開閉作動に連係してカゴ戸7を開閉させる図示しない連係機構が備えられており、カゴ6が出し入れ小口Dに対応する適切な昇降位置に停止した状態で、その出し入れ小口Dが備える出し入れ小口戸14が開閉操作されると、出し入れ小口戸14の開閉作動に連動してカゴ戸7が開閉作動するようになっている。
【0047】
カゴ戸7には、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段としての戸当りゴムRが設けられている。上戸7aについて詳しく説明すると、図5に示すように、上戸7aの裏面側(カゴ6の内方側)において、上側端部付近に天面用戸当りゴム23が、左側端部付近に左側面上方用戸当りゴム24が、そして、右側端部付近に右側面上方用戸当りゴム25が設けられている。
【0048】
図6及び図7に示すように、天面用戸当りゴム23は、取り付け部23aとブレード部23bとを備え、断面視T字状の弾性体で構成されている。取り付け部23aは、上戸7aの裏面の上側端部付近に上側端部に沿って取り付けられており、ブレード部23bは、自然状態において図6において実線で示すような略水平姿勢を保持するようになっている。
【0049】
また、ブレード部23bの先端と取り付け部23aの上戸7aへの取付面との距離L1(図6参照)は、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cの上辺と、閉じ位置に位置する上戸7aの裏面の上側端部との間に形成される隙間の水平距離G(図3参照)より約50%だけ長くなっている。したがって、上戸7aが閉じ位置に位置していると、ブレード部23bは、図4(イ)及び図7で示すように湾曲した形状に弾性変形して、出し入れ口6Mの周縁部Cの上辺に対して接触作用している。つまり、天面用戸当りゴム23は、本発明のシール体として機能している。
【0050】
図8及び図9に示すように、左側面上方用戸当りゴム24は、取り付け部24aと断面視V字状乃至U字状の突起部24bとを備えた弾性体で構成されている。自然状態における突起部24bの先端と取り付け部24aの上戸7aへの取付面との距離L2(図8参照)は、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺と、閉じ位置に位置する上戸7aの裏面の左右側端部との間に形成される隙間の水平距離G(図4(イ)参照。)より数%だけ長くなっている。したがって、上戸7aが閉じ位置に位置していると、突起部24bは、自然状態における距離L2が水平距離Gと同じになる形状に弾性変形して、出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺に対して接触作用している。つまり、左側面上方用戸当りゴム24は、本発明のシール体として機能している。
【0051】
また、突起部24bの先端は先細りの形状となっているので、突起部24bと出し入れ口6Mの周縁部Cの左右の辺との接触面積を極力小さくすることができ、これにより、上戸7aを上下スライド作動させる場合に、突起部24bと周縁部Cの左右の辺との間で発生する摺動抵抗を極力小さくして上戸7aの上下開閉作動の円滑化を図ることができる。
【0052】
右側面上方用戸当りゴム25については、その取付箇所以外は上述した左側面上方用戸当りゴム24と同様の構成となっており、本発明のシール体として機能している。なお、右側面上方用戸当りゴム25と左側面上方用戸当りゴム24とを同一部材とすることにより部材の共用化による低コスト化を図っている。また、下戸7bについても、図4に示すように、上戸7と同様にその裏面において下側端部付近に底面用戸当りゴム26が、左側端部付近に左側面下方用戸当りゴム(図示せず)が、そして、右側端部付近に右側面下方用戸当りゴム28が設けられており、これらの戸当りゴムが本発明のシール体として機能している。
【0053】
以上のように、カゴ戸7の上戸7aに設けられた天面用戸当りゴム23、左側面上方用戸当りゴム24、及び、右側面上方用戸当りゴム25、並びに、カゴ戸7の下戸7bに設けられた底面用戸当りゴム26、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28からなる戸当りゴムRが本発明のシール体として機能しており、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間を遮蔽する遮蔽手段を構成している。
【0054】
〔第2実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成が異なるほかは、第1実施形態で示したものと同じ構成であるので、以下、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成について説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を用いて一部説明を省略している。
【0055】
図10に示すように、本実施形態におけるカゴ戸7の上戸7aには、その左右両側部において、被案内体としての左右一対の上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lが設けられている。上戸7aの裏面側の周縁部には戸当りゴム枠31が貼り付けられ、下端部の下面には合口スポンジ21が取り付けられている。
【0056】
図11に示すように、カゴ枠8の左右一対のカゴ戸レール16は、コの字部材の開口側面に、案内体としてのガイド溝33がプレス形成された板部材を接合した四角パイプで構成されている。そして、左右のカゴ戸レール16のガイド溝33が互いに対向する状態で左右のカゴ戸レール16が連結部材17にて連結されてカゴ枠8が構成されている。
【0057】
カゴ戸レール16の上部側に上下に並べて形成された第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLは、夫々、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lを案内するものであり、カゴ戸レール16の下部側に上下に並べて形成された第3ガイド溝33bH及び第4ガイド溝33bLは、夫々、下戸7bの上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lを案内するものである。
【0058】
カゴ戸レール16の上部側の上戸案内用の第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLについて説明すると、図11及び図12に示すように、これらの4つのガイド溝33はいずれも、ガイド溝幅が上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lのローラ本体の直径よりも僅かに大きい寸法で、溝深さが上側ガイドローラ30H及び左右一対の下側ガイドローラ30Lのローラ本体の厚みと略同じ寸法となるように形成されており、上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lのローラ本体が、第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLに嵌合している。
【0059】
図12に示すように、カゴ戸レール16の上部側の4つのガイド溝33の形状は、下方側ほどカゴ6の出し入れ口6M側に位置するような形状となっており、上戸7aを上下スライド作動させると、第1ガイド溝33aH及び第2ガイド溝33aLに、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30Lが案内されることで、上戸7aが閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほどカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近する側に案内されるようになっている。
【0060】
下戸7bについても上戸7aと同様に、カゴ戸レール16の下部側のガイド溝33に上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lが嵌合している。カゴ戸レール16の下部側の4つのガイド溝33の形状は、上方側ほどカゴ6の出し入れ口6M側に位置するような形状となっており、下戸7aを上下スライド作動させると、下戸7bに設けられた上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lが、カゴ戸レール16の下部側の4つのガイド溝(左右一対の第3ガイド溝33bH及び第4ガイド溝33bL)に案内されることで、下戸7bが、閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほどカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近する側に案内されるようになっている。
【0061】
つまり、上戸7aの上側ガイドローラ30H及び下側ガイドローラ30L、並びに、下戸7bの上側ガイドローラ32H及び下側ガイドローラ32Lと、カゴ戸レール16とによりカゴ戸7をスライド開閉自在に案内する案内機構が構成されており、この案内機構が、カゴ戸7を閉じ位置においてカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近又は密着する状態に位置させるようにカゴ戸を移動させる。つまり、案内機構が、本発明のカゴ戸接近移動操作手段として機能している。
【0062】
そして、図11(ロ)及び図12(ロ)に示すように、上戸7a及び下戸7bの夫々が閉じ位置においてカゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cに接近又は密着する状態になると、弾性体である戸当りゴム枠31が出し入れ口6Mの周縁部Cに押し付けられて弾性変形して上戸7a及び下戸7bが周縁部Cに密着するので、カゴ6の出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置の上戸7a及び下戸7bとの間を遮蔽することができる。このように、本実施形態では、遮蔽手段がカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている。
【0063】
〔第3実施形態〕
本実施形態の小荷物昇降機は、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成が異なるほかは、第1実施形態で示したものと同じ構成であるので、以下、カゴ6のカゴ戸7及びカゴ枠8の構成について説明する。なお、カゴ戸7及びカゴ枠8は、左右対称の構成となっているので、以下ではカゴ戸7及びカゴ枠8の左側の構成について説明することにし、右側の構成については説明を省略する。また、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いて一部説明を省略している。
【0064】
図13及び図14に示すように、カゴ枠8のカゴ戸レール16は、カゴ戸7の上下スライド方向を長手方向とする長尺板状部材を断面視がクランク形状となるように折り曲げ加工して形成してあり、取り付け部分16a及び案内部分16gが形成されている。カゴ6の左パネル6Lのカゴ戸7側の端面41に、カゴ戸7の上下スライド方向を長手方向とする長尺板状部材を断面視がJ字形状となるように折り曲げ加工して形成した遮蔽部材42と、前記カゴ戸レール16とが取り付けボルト43により上下複数箇所にて共締めされている。
【0065】
カゴ戸レール16の案内部分16gと左パネル6Lの端面41との間に、遮蔽部材42の折り曲げ加工した屈曲部分42aが位置しており、この屈曲部分42aが案内部分16gと後述のカゴ戸7のフランジ部44との間を遮蔽する遮蔽部として機能している。
【0066】
カゴ戸7の構成について上戸7aを例に説明すると、上戸7aの表面(カゴ6の外方側の面)の左側端部には、平板状の被案内部としてのフランジ部44が折り曲げ加工により形成されている。そして、上戸7aの左側の平板状の被案内部としてのフランジ部44が、左側のカゴ戸レール16と遮蔽部材42とで形成される案内作用部としての凹入状の案内溝45に嵌合している。また、上戸7aの裏面の上端部付近に天面用戸当たりゴム23が設けられている。
【0067】
同様に、下戸7bの左側のフランジ部が、左側のカゴ戸レール16と遮蔽部材とで形成される案内溝に嵌合している。また、下戸7bの裏面の下端部付近に底面用戸当たりゴム26が設けられている。
【0068】
上記の構成により、案内枠としてのカゴ枠8は、カゴ戸7の両横側部をスライド開閉自在に案内するように構成され、カゴ枠8が、案内作用部としての案内部分16gにてカゴ戸7の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、案内部分16gとカゴ6との間を遮蔽する遮蔽部としての屈曲部分42aを備える状態で設けられている。
【0069】
そして、カゴ戸7がカゴ枠8により案内されて閉じ位置に位置すると、出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間のうち周縁部Cの上下の各辺に対応する部分が、天面用戸当たりゴム23及び底面用戸当たりゴム26にて遮蔽され、同時に、出し入れ口6Mの周縁部Cと閉じ位置のカゴ戸7との間のうち周縁部Cの左右の各辺に対応する部分が、カゴ枠8の左右の遮蔽部材における各屈曲部分により遮蔽される。したがって、カゴ枠8が、本発明の遮蔽手段の少なくとも一部として機能している。
【0070】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0071】
(1)上記各実施形態では、カゴ戸7に、出し入れ小口戸14の開閉作動に連係してカゴ戸7を開閉させる連係機構が備えられたものを例示したが、これに代えて、カゴ戸7を開閉駆動させる開閉駆動手段としてカゴ戸モータを設けて構成されたものであってもよい。なお、この場合、複数の開閉駆動手段を設けて、上戸7aと下戸7bが個別に開閉作動するように構成してもよいし、単一の開閉駆動手段を設けて、上戸7aと下戸7bが連動して開閉作動するように構成してもよい。
【0072】
(2)上記各実施形態では、カゴ戸7が上戸7a及び下戸7bを備えた2枚戸であるものを例示したが、これに代えて、カゴ戸7が1枚戸で構成されたものであってもよい。
【0073】
(3)上記各実施形態では、上下機構UDが、遊転プーリー18及びカゴ戸ワイヤ19からなるものを例示したが、これに代えて、上下機構UDが、遊転スプロケット及びカゴ戸チェーンからなるものであってもよい。
【0074】
(4)上記第1実施形態では、天面用戸当りゴム23及び底面用戸当りゴム26、並びに、左側面上方用戸当りゴム24、右側面上方用戸当りゴム25、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28が、カゴ戸7に設けられたものを例示したが、これに代えて、これらの戸当りゴムの一部又は全部がカゴ6の周縁部Cに設けられたものであってもよい。
【0075】
(5)上記第1実施形態では、カゴの左右の各側面パネルの上下の夫々に対応したシール体として、先端側ほど厚みが薄くなる突起を備えた左側面上方用戸当りゴム24、及び、右側面上方用戸当りゴム25、並びに、左側面下方用戸当りゴム(図示せず)、及び、右側面下方用戸当りゴム28で構成されたものを例示したが、これに代えて、カゴの左右の各側面パネルの上下の夫々に対応したシール体として、天面用戸当りゴム23及び底面用戸当りゴム26と断面視形状が同一の弾性部材、つまり、自然状態で取り付け部に対して直立するブレード部を備えた弾性部材で構成されたものであってもよい。
【0076】
この場合、カゴ戸7に設けるシール体の全てを断面視形状が同一の弾性部材を使用することができるので、例えば、巻取り状態で供給される弾性部材を手配して、適切な長さに切断して各部分に取り付けるべきシール体を得ることが可能となり、コスト面で有利となる。
【0077】
(6)上記第2実施形態では、カゴ戸接近移動操作手段が、カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構にて構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、カゴに、電動モータ等からなる密着操作機構を設けて、カゴ戸が閉じ位置に位置すると、密着操作機構が、カゴ戸を出し入れ口に接近又は密着させる方向に移動させるように構成されたものであってもよい。
【0078】
(7)上記第3実施形態では、案内枠8が、案内作用部としての凹入状の案内溝45を備え、カゴ戸7に、凹入状の案内溝45に嵌合される平板状の被案内部としてのフランジ部44を備えさせる場合を例示したが、これに代えて、案内枠8が、案内作用部としての平板状のフランジ部を備え、カゴ戸7に、被案内部としての凹入状の案内溝を備えさせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】小荷物昇降機の要部斜視図
【図2】第1実施形態におけるカゴ及びカゴ枠の斜視図
【図3】第1実施形態におけるカゴの横断平面図
【図4】第1実施形態におけるカゴの縦断側面図
【図5】第1実施形態における上戸の斜視図
【図6】図5のA−A矢視断面図
【図7】天面用戸当りゴムの外観図
【図8】図5のB−B矢視断面図
【図9】左側面上方用戸当りゴムの外観図
【図10】第2実施形態におけるカゴ枠及びカゴ戸の分解斜視図
【図11】第2実施形態におけるカゴ戸周辺の横断平面図
【図12】第2実施形態における上戸周辺の縦断側面図
【図13】第3実施形態における上戸の左側のカゴ戸レール周辺の横断平面図
【図14】第3実施形態における上戸の左側のカゴ戸レール周辺の横断斜視図
【符号の説明】
【0080】
C 周縁部
R シール体(遮蔽手段)
6 カゴ
6M 出し入れ口
7 カゴ戸
8 案内枠(遮蔽手段)
16g 案内作用部
30H、30L、32H、32L、33 案内機構(カゴ戸接近移動操作手段、遮蔽手段)
42a 遮蔽部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、
前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられた小荷物昇降機であって、
前記カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置の前記カゴ戸との間を遮蔽する遮蔽手段が設けられている小荷物昇降機。
【請求項2】
前記遮蔽手段が、前記カゴ戸又は前記カゴに装備されて、相手側に対して接触作用するシール体にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の小荷物昇降機。
【請求項3】
前記遮蔽手段が、前記カゴ戸を閉じ位置において前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている請求項1記載の小荷物昇降機。
【請求項4】
前記カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構が、前記カゴ戸を閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほど前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するように構成されて、前記カゴ戸接近移動操作手段として機能するように構成されている請求項3記載の小荷物昇降機。
【請求項5】
前記カゴ戸の両横側部をスライド開閉自在に案内する案内枠が、案内作用部にて前記カゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、前記案内作用部と前記カゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けられて、前記遮蔽手段の少なくとも一部として機能するように構成されている請求項1記載の小荷物昇降機。
【請求項1】
小荷物を出し入れする出し入れ口を備えた小荷物搬送用のカゴと、
前記出し入れ口を開閉するように前記カゴに設けたスライド開閉式のカゴ戸とが設けられた小荷物昇降機であって、
前記カゴの出し入れ口の周縁部と閉じ位置の前記カゴ戸との間を遮蔽する遮蔽手段が設けられている小荷物昇降機。
【請求項2】
前記遮蔽手段が、前記カゴ戸又は前記カゴに装備されて、相手側に対して接触作用するシール体にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の小荷物昇降機。
【請求項3】
前記遮蔽手段が、前記カゴ戸を閉じ位置において前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近又は密着する状態に位置させるように前記カゴ戸を移動させるカゴ戸接近移動操作手段にて構成されている請求項1記載の小荷物昇降機。
【請求項4】
前記カゴ戸をスライド開閉自在に案内する案内機構が、前記カゴ戸を閉じ位置の近くから閉じ位置との間において閉じ位置に近づくほど前記カゴの出し入れ口の周縁部に接近する側に案内するように構成されて、前記カゴ戸接近移動操作手段として機能するように構成されている請求項3記載の小荷物昇降機。
【請求項5】
前記カゴ戸の両横側部をスライド開閉自在に案内する案内枠が、案内作用部にて前記カゴ戸の両横側部を嵌合支持する状態で、且つ、前記案内作用部と前記カゴとの間を遮蔽する遮蔽部を備える状態で設けられて、前記遮蔽手段の少なくとも一部として機能するように構成されている請求項1記載の小荷物昇降機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−214015(P2008−214015A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53035(P2007−53035)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000129460)株式会社クマリフト技術研究所 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000129460)株式会社クマリフト技術研究所 (40)
【Fターム(参考)】
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