説明

尿検査器具、呈色反応検査器具、及び尿検査容器

【課題】一般家庭においても高い精度の尿検査を容易に実行することができる尿検査器具、尿検査方法、呈色反応検査器具、及び呈色反応検査方法を提供すること。
【解決手段】内底面12bに尿検査試薬16が設けられた容器12の開口部12a上に載置され、且つ該開口部12aに対応する領域にはデジタルカメラ14の鏡筒部14aを挿入する為の貫通孔部10aが設けられており、該貫通孔部10aに上記鏡筒部14aが挿入されるように当該尿検査器具10上に上記デジタルカメラ14が載置される尿検査器具10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿検査器具、呈色反応検査器具、及び尿検査容器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体が摂取した食べ物及び飲み物は、主として当該人体のエネルギー源として利用され、残り滓のうち水溶性のものが腎臓により処理されて尿として体外に捨てられる。尿中には尿素やクレアチニンなどの不要物だけでなく、ブドウ糖、タンパク質、ビタミン、ホルモン、カリウム、ナトリウム、血液細胞、あるいは尿道の細胞なども微量ながら含まれる。そして、尿中におけるこれらの物質の量及び割合等の変化は、糖尿病、高血圧、白血病、及び膠原病等の各種疾病の有無やその程度等を示している。
【0003】
つまり、尿中に含まれる成分の変化をチエックすることで健康状態を知ることができる為、尿は健康状態を示す貴重なバロメーターであると言える。従って、一般に尿検査は健康診断の1項目として必ず行われており、血液検査と共に二大検査項目の一つをなしている。
【0004】
一般に尿検査においては、まず定性検査によって検体をスクリーニングし、その結果が陽性である検体に限り、更に尿沈渣等の精密な定量検査を行う。一方、定性検査では、尿中に尿検査試薬(尿検査試験紙)を浸し、該尿検査試薬の色の変化を参照して判定する方法による検査が一般的である。
【0005】
ところで、このような尿検査に関連する技術としては、例えば次のような技術が提案されている。
【0006】
すなわち、特許文献1には、水溶性の紙によって形成されると共に、当該コップの底面には複数の被試験項目に対応した試薬が塗布されている尿試験用コップが開示されている。この特許文献1に開示されている尿試験用コップによれば、使用後の処理が容易であり、且つ採尿量が少量で足りる。
【0007】
また、特許文献2には、当該容器の内面に尿検査用試薬区域が設けられ、且つ当該容器の上端部に吸水層が設けられた尿検査容器が開示されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、尿カップ内に複数個の試薬を配設してなる尿試験紙を取り付け、尿カップの少なくとも尿試験紙を取り付けた部分に対応する箇所を透明にした尿カップが開示されている。この特許文献3に開示されている尿カップによれば、採尿後のカップを尿自動分析装置へセットすると、尿自動分析装置の分光測色計が尿カップの透明部を通じて尿カップ内の尿試験紙の色の変化を読み取り、基準の色と比較することで、当該検体が更に尿沈渣等の定量検査を必要とするか否かを自動的に判断する。
【特許文献1】実開昭64−26156号公報
【特許文献2】実開昭63−97857号公報
【特許文献3】特開平11−30614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている技術による尿検査は、ユーザーによる目視による検査である。ここで、尿検査は、試薬の反応を適切な時間帯内に正確に観察して指標と比較判定しなければならない検査であることを鑑みると、上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている技術は、一般家庭における尿検査に適しているとは言い難い。換言すれば、上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている技術による尿検査は、当該尿検査が一般家庭において行われる場合、高精度の検査であるとは言えない。
【0010】
また、上記特許文献3に開示されている技術は、次のような課題を抱えている。すなわち、上記特許文献3に開示されている技術によれば、尿カップにおける上記透明な箇所の汚れ及び変色等により検出精度が低下してしまう。また、上記透明な箇所を設ける為に製造コストが高くなってしまう。ここで、当該尿カップをリユース仕様とすることでコストを下げることも考えられるが、一般家庭においては使用後の洗浄が不完全になる傾向がある為、リユース仕様にすると検査精度が低下してしまう。さらには、上記分光測色計を含む尿自動分析装置が高価であることを鑑みると、一般家庭における普及を期待することはできない。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、一般家庭においても高い検査精度の尿検査を容易に実行することができる尿検査器具、呈色反応検査器具、及び尿検査容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による尿検査器具は、内底面に尿検査試薬が設けられた容器の開口部上に載置され、且つ該開口部に対応する領域にはデジタルカメラの鏡筒部を挿入する為の貫通孔部が設けられており、該貫通孔部に上記鏡筒部が挿入されるように当該尿検査器具上に上記デジタルカメラが載置されることを特徴とする。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様による呈色反応検査器具は、内底面に呈色反応検査試薬が設けられた容器の開口部上に載置され、且つ該開口部に対向する領域にはデジタルカメラの鏡筒部を挿入する為の貫通孔部が設けられており、該貫通孔部に上記鏡筒部が挿入されるように当該呈色反応検査器具上に上記デジタルカメラが載置されることを特徴とする。
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様による尿検査容器は、当該尿検査容器の開口部上に請求項1に記載の尿検査器具を介してデジタルカメラが載置された際の上記デジタルカメラの撮影視野内の当該尿検査容器の内底面に設けられた尿検査試薬と、上記尿検査試薬近傍に設けられ、上記デジタルカメラによる撮影時のピント調整の為のピント調整用ターゲット表示と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一般家庭においても高い検査精度の尿検査を容易に実行することができる尿検査器具、呈色反応検査器具、及び尿検査容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る尿検査装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本一実施形態に係る尿検査装置の一構成例を示す側面断面図である。図2は、後述する尿検査器具(以降、アタッチメントと称する)の構成を示す外観図である。図3は、図2に示す矢視B方向から観た上記アタッチメントの構成を示す外観図である。
【0018】
図1に示すように、本一実施形態に係る尿検査装置は、アタッチメント10と、容器12と、デジタルカメラ14とを具備する。ここで、上記アタッチメント10は、図1乃至図3に示すように、貫通孔部10aと、突出部10bと、照明部10cと、照明SW部10dと、カメラ保持部10eと、クッション部10fと、電池蓋10gと、照明部基盤10hと、位置決め凸部10iと、を有する。
【0019】
上記アタッチメント10は、上記位置決め凸部10iが上記容器12における切り欠き部(不図示)に嵌合するように、採尿用の容器12上に載置される。このとき、上記容器12における上記開口部12a上には、上記貫通孔部10aが位置する。上記貫通孔部10aは、上記デジタルカメラ14の撮影光学系の光路を確保する為の(後述するレンズ鏡筒14aを挿入する為の)貫通孔である。
【0020】
なお、図2及び図3には図示はしていないが、上記アタッチメントにおける上記突出部10bによって、上記アタッチメント10と上記容器12との相対的位置が位置決めされる。
【0021】
また、上記突出部10bは、図1において両矢印Aで示されるように、当該アタッチメント10上に載置された上記デジタルカメラ14の上記レンズ鏡筒14aの長さよりも長く設けられている。これは、一般にコンパクトデジタルカメラでは、その電源がONされると、上記レンズ鏡筒14aがボディーから繰り出す構成となっていることを考慮に入れた構成である。
【0022】
つまり、上記アタッチメント10上に上記デジタルカメラ14を載置した状態であって、且つそれらを未だ上記容器12上に載置していない状態において上記レンズ鏡筒14aを繰り出した場合であっても、上記レンズ鏡筒14aが机等に当たらない(保護される)構成としている。
【0023】
さらに、上記アタッチメント10上には、上記デジタルカメラ14が上記カメラ保持部10eに設けられた上記クッション部10fに挟まれて載置される。このとき、上記貫通孔部10aに対して、上記デジタルカメラ14が具備するレンズ鏡筒14aが挿入される。
【0024】
つまり、上記カメラ保持部10eは、撮影正置時における上記デジタルカメラ14の上面及び下面を挟み込んで保持するための保持部として機能する。なお、市販のデジタルカメラは各々互いに大きさが異なることを鑑みて、上記カメラ保持部10eには、例えばゴム製の上記クッション部10fが貼付されており、上記クッション部10fを選択的に使用することによって上記カメラ保持部10eの間隔が調整される。また、上記クッション部10fは、上記デジタルカメラ14の傷付きを防止する機能も担っている。
【0025】
なお、上記クッション部10fは、例えば図2に示すように直方体形状であって片面に粘着部が設けられており、該粘着部によって上記カメラ保持部10eに対して容易に着脱可能に構成されている。
【0026】
ところで、図1及び図2に示すように上記貫通孔部10a内には、段差部10mが設けられており、上記デジタルカメラ14におけるレンズ鏡筒14aが二段階で伸縮する場合に、一段階目の伸縮部14mが上記段差部10m内に収まる。また、上記貫通孔部10aと上記レンズ鏡筒14aとによって、上記アタッチメント10と上記デジタルカメラ14との相対的位置が位置決めされる。
【0027】
上記照明部10cは例えば照明用のLEDであり、図3に示すように上記容器12に対向する面である上記照明部基盤10hに、上記貫通孔部10aの周囲を囲むようにリング状に形成されている。ここで、上記照明部10cがLEDである場合には、上記照明部基盤10hはLED基盤である。
【0028】
上記照明部10cによって、上記容器12内に採取された尿検査試薬16が照明される。なお、上記照明部10cの点灯/消灯切換えは、ユーザーによって上記照明SW部10dが押圧操作されることによって行われる。
【0029】
また、上記アタッチメント10は、上記照明部10cに電力を供給する為の電源として電池を用いる。従って、上記アタッチメント10は、この電池を収納する上記電池を収納する為の電池収納部(不図示)を有しており、該電池収納部(不図示)は、通常時においては上記電池蓋10gにより蓋をされている。電池の入れ替えを行う際には、ユーザーは、上記電池蓋10gを取り外して上記電池収納部(不図示)に電池を装填した後、再び上記電池蓋10gにより、上記電池収納部(不図示)に蓋をする。
【0030】
以下、上記容器12について図4(a)乃至(c)を参照して説明する。図4(a)は、上記容器12の外表面に対して遮光処理を施して遮光処理部12dを設けた場合の上記容器12を示す図である。図4(b)は、上記容器12の内表面に対して遮光処理(例えば黒色化処理)を施して遮光処理部12dを設けた場合の上記容器12を示す図である。図4(c)は、上記容器12を開口部12a側から観た場合の上面図である。
【0031】
図4(a)乃至(c)において、符号12cが付されているのは、上記アタッチメント10が有する上記位置決め凸部10iと嵌合する切り欠き部である。この切り欠き部12cと、上記アタッチメント10が有する上記位置決め凸部10iとが嵌合することにより、上記アタッチメント10と上記容器12との互いの回転方向におけるずれを規制することができる。これにより、上記デジタルカメラ14による撮影視野と、上記容器12の底面12bに設けられた尿検査試薬16との位置関係が決定される。従って、呈色反応後の上記尿検査試薬16と、判定基準との比較も容易になる。
【0032】
なお、上記尿検査試薬16は、上記底面12bにおいて、例えば図4(c)に示すように上記デジタルカメラ14の撮影視野における水平方向に沿って並べられている。
【0033】
ところで、図4(a),(b)に示すように、上記容器12に対して遮光処理を施して遮光処理部12dを設けることで、呈色反応後の上記尿検査試薬16の色をより高い精度で撮影することが可能となる。
【0034】
ここで、上記容器12における上記底面12bには、上記尿検査試薬16の他に、図4(c)に示すように上記デジタルカメラ14による撮影時のピント調整用のターゲット表示18が設けられている。
【0035】
なお、このターゲット表示18の形状としては、同図に示すように、上記デジタルカメラ14の撮影視野に対して上下方向に走るマークを含む形状が好ましい。また、上記ターゲット表示18の色調としては、上記底面12bの色とのコントラストが強い色が好ましい。例えば、上記底面12bの色が黒色の場合、上記ターゲット表示18の色は白色が好ましい。
【0036】
以下、本一実施形態に係る尿検査装置の使用方法について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず、ユーザーが、上記アタッチメント10の上記電池収納部(不図示)に電池を装填する(ステップS1)。
【0038】
続いて、ユーザーは、上記アタッチメント10の有する上記照明SW部10dを操作し、上記照明部10cを点灯させる(ステップS2)。
【0039】
さらに、ユーザーは、上記アタッチメント10上に上記デジタルカメラ14を載置し、上記デジタルカメラ14の電源をONする(ステップS3)。このとき、ユーザーは、上記デジタルカメラ14をマクロモード(近接撮影モード)に設定しておくことが好ましい。
【0040】
ここで、ユーザーは、後述する判定基準容器12−1における開口部12a−1に、上記デジタルカメラ14を、上記アタッチメント10を介して載置する(ステップS4)。
【0041】
上記判定基準容器12−1は、上記尿検査試薬16の代わりに、呈色反応後の上記尿検査試薬16と対比する為の判定基準表示(不図示)が設けられている点以外は、上述した容器12と全く同様の構成の容器である。
【0042】
このように、尿試験における判定基準として用いる上記判定基準表示(不図示)を、被検体の尿を撮影するデジタルカメラと同様のデジタルカメラで撮影することにより、各種デジタルカメラ間の色再現性の違い及びばらつき等を吸収することができ、より高い検査精度の尿検査が実現する。
【0043】
このステップS4の後、ユーザーは、上記デジタルカメラ14のレリーズスイッチを押下げ操作して撮影を行う(ステップS5)。
【0044】
続いて、ユーザーは、上記容器12に尿を採取し、該採取から所定時間経過後に、上記容器12から尿を廃棄処理する(ステップS6)。
【0045】
その後、ユーザーは、上記デジタルカメラ14を上記アタッチメント10上に載置する(ステップS7)。
【0046】
そして、ユーザーは、上記デジタルカメラ14のレリーズスイッチを押下げ操作して撮影を行う(ステップS8)。
【0047】
なお、上記ステップS6における尿の廃棄処理の際に、上記開口部12aに付着した尿によって上記アタッチメント10が汚れてしまうことを防ぐ為に、図6に示すカバー部材20を更に利用してもよい。図6は、カバー部材20を用いた場合の、尿検査装置の構成例を示す側面断面図である。
【0048】
同図に示すように、上記カバー部材20は、上記レンズ鏡筒14aに対応した凹みである凹み部20aを有する形状の為、上記レンズ鏡筒14aとは接触しない。
【0049】
ここで、上記カバー部材20を構成する材料は無色透明な材料であり、例えばポリカーボネ−トやアクリル等を挙げることができる。また、射出成形により製造することで、より安価に上記カバー部材20を製造することが可能である。
【0050】
なお、上記カバー部材20のうち、少なくとも上記デジタルカメラ14の上記レンズ鏡筒14aと対向する部分、及び上記アタッチメント10の上記照明部10cと対向する部分が、上述したような無色透明な材料で構成されていれば良い。
【0051】
ところで、上記カバー部材20のうち上記容器12側には、図3に示す突出部10bと同様の形状の突出部20bが設けられており、この突出部20bにより上記容器12との位置決めが為される。
【0052】
同様に、上記カバー部材20のうち上記アタッチメント10側には、図4(c)に示す切り欠き部12cと同様の形状の切り欠き部20cが設けられており、この切り欠き部20cにより上記アタッチメント10との位置決めが為される。
【0053】
このような構成のカバー部材20を介して、上記アタッチメント10を上記容器12の上記開口部12a上に載置することにより、上記アタッチメント10が汚れることを防ぐことができる。つまり、当該尿検査後には、上記カバー部材20のみを洗浄すればよく、検査後の処理が非常に簡易になる。また、複数回使用した後であって洗浄によっても汚れが落ちにくくなった場合であっても、上記カバー部材20のみを新たに購入して交換すればよく、当該交換に係る費用も安価で済む。
【0054】
上述したように、上記カバー部材20を使用することにより、上記アタッチメント10及び上記デジタルカメラ14を汚してしまうことを気にせずに、尿検査を実行することが可能となる。
【0055】
以上説明したように、本一実施形態によれば、一般家庭においても高い検査精度の尿検査を容易に実行することができる尿検査器具、呈色反応検査器具、及び尿検査容器を提供することができる。
【0056】
より具体的には、本一実施形態によれば、一般家庭において既に普及している通常のデジタルカメラを用いて、判定基準表示及び呈色反応後の尿検査試薬16を撮影することにより、当該撮影の後に例えばPC等を用いて表示手段上に撮影画像を表示させて、後に充分な時間をかけて判定基準表示の色と尿検査試薬の色とを比較検討することができる。
【0057】
従って、一般家庭等において尿検査に不慣れなユーザーが尿検査を行う際に、検査精度を向上させることができる。また、撮影画像の画像データを医療従事者に送信する等して、医療従事者に上記比較検討を依頼することで、検査精度をより高めることも可能である。
【0058】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。例えば、次のような変形例が考えられる。
【0059】
[第1変形例]
例えば、上記照明SW部10dを、図7に示すように上記アタッチメント10のうち上記デジタルカメラ14と当接する箇所に設けてもよい。
【0060】
すなわち、上記デジタルカメラ14が載置される箇所に上記照明SW部10dを設けることで、上記デジタルカメラ14が当該アタッチメント10に載置されると必ず上記照明SW部10dが押下げされ、上記照明部10cが点灯する構成とする。このような構成により、上記照明部10cの点灯忘れを防止することができる。
【0061】
なお、図7に示す例では上記照明SW部10dをプッシュ型のSWとして構成しているが、この他にも、たとえば光学的(例えばフォトリフレクタ)手段を用いた光センサを用いて構成しても勿論よい。つまり、上記デジタルカメラ14が当該アタッチメント10に載置されたことを検知可能なSWであれば、どのような構成のSWでも良い。
【0062】
[第2変形例]
図8(a),(b)は、本第2変形例における上記容器12の上面図である。
【0063】
図8(a)に示すように、上記底面12bに、上記尿検査試薬16及び上記ターゲット表示18の他に、上述した判定基準表示17を更に設けてもよい。これにより、同一画像上に呈色反応後の尿検査試薬16と判定基準表示17とが収められる為、撮影後の表示手段等上での色比較検討を、より簡便に行うことができる。また、デジタルカメラ14の撮影時刻によるばらつき、照明の色温度の変化等によるばらつきも吸収することができる。つまり、より検査精度を高めることができる。
【0064】
さらに、図8(b)に示すように、判定基準表示として、陰性と擬陽性との境目を示す判定基準表示17Aと、擬陽性と陽性との境目を示す判定基準表示17Bと、を上記尿検査試薬16に平行して設けても勿論よい。これにより、より検査精度を高めることができる。
【0065】
[第3変形例]
図9は、本第3変形例に係る尿検査装置の構成例を示す図である。
【0066】
同図に示すように、本第3変形例では、上記容器12を容器保持部材31で保持することで、上記容器12を安定させる。これにより、上記容器12が転倒してしまうことを防ぎ、安定した尿検査を行うことができる。
【0067】
ここで、上記容器保持部材31は、上記容器12を収納するカップ収納部31aと、上記アタッチメント10を支持するアタッチメント支持部31bと、を有する。
【0068】
[第4変形例]
なお、上述した実施形態及び変形例は、尿検査に限らず、その他の体液に関する検査についても適用できることは勿論である。つまり、呈色反応に基づいた判定を行う検査であれば、上述した実施形態及び変形例を適用することができる。つまり、一般家庭においても高い検査精度の呈色反応に基づいた検査を容易に実行することが可能となる。
【0069】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る尿検査装置の構成例を示す側面断面図。
【図2】アタッチメントの構成を示す外観図。
【図3】図2に示す矢視B方向から観たアタッチメントの構成を示す外観図。
【図4】(a)及び(b)は、容器の外観図。(c)は、容器の上面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る尿検査装置の使用方法を示すフローチャート。
【図6】カバー部材を用いた場合の、尿検査装置の構成例を示す側面断面図。
【図7】第1変形例におけるアタッチメントの構成を示す外観図。
【図8】第2変形例における容器の上面図。
【図9】第3変形例に係る尿検査装置の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0071】
10…尿検査器具(アタッチメント)、 10a…貫通孔部、 10b…突出部、 10c…照明部、 10d…照明SW部、 10e…カメラ保持部、 10f…クッション部、 10g…電池蓋、 10h…照明部基盤、 10i…位置決め凸部、 10m…段差部、 12…容器、 12a…開口部、 12c…切り欠き部、 12b…底面、 12d…遮光処理部、 12−1…判定基準容器、 14…デジタルカメラ、 14a…レンズ鏡筒、 16…尿検査試薬、 17…判定基準表示、 17A,17B…判定基準表示、 18…ターゲット表示、 20…カバー部材、 20a…凹み部、 20b…突出部、 20c…切り欠き部、 31…容器保持部材、 31a…カップ収納部、 31b…アタッチメント支持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内底面に尿検査試薬が設けられた容器の開口部上に載置され、且つ該開口部に対応する領域にはデジタルカメラの鏡筒部を挿入する為の貫通孔部が設けられており、該貫通孔部に上記鏡筒部が挿入されるように当該尿検査器具上に上記デジタルカメラが載置されることを特徴とする尿検査器具。
【請求項2】
上記容器は遮光処理されていることを特徴とする請求項1に記載の尿検査器具。
【請求項3】
上記容器と当該尿検査器具との相対的位置を位置決めする為の容器位置決め手段と、
上記デジタルカメラと当該尿検査器具との相対的位置を位置決めする為のカメラ位置決め手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の尿検査器具。
【請求項4】
上記容器内部を照明する為の照明手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の尿検査器具。
【請求項5】
上記照明手段は、上記貫通孔部を囲むようにリング状に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の尿検査器具。
【請求項6】
上記容器における上記内底面には、上記デジタルカメラのピント調整の為のターゲットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の尿検査器具。
【請求項7】
当該尿検査器具は、無色透明な材料から成るカバー部材を含み、該カバー部材を介して上記容器の開口部上に載置されることを特徴とする請求項1に記載の尿検査器具。
【請求項8】
内底面に呈色反応検査試薬が設けられた容器の開口部上に載置され、且つ該開口部に対向する領域にはデジタルカメラの鏡筒部を挿入する為の貫通孔部が設けられており、該貫通孔部に上記鏡筒部が挿入されるように当該呈色反応検査器具上に上記デジタルカメラが載置されることを特徴とする呈色反応検査器具。
【請求項9】
上記容器は遮光処理されていることを特徴とする請求項8に記載の呈色反応検査器具。
【請求項10】
上記容器と当該呈色反応検査器具との相対的位置を位置決めする為の容器位置決め手段と、
上記デジタルカメラと当該呈色反応検査器具との相対的位置を位置決めする為のカメラ位置決め手段と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の呈色反応検査器具。
【請求項11】
上記容器内部を照明する為の照明手段を含むことを特徴とする請求項8に記載の呈色反応検査器具。
【請求項12】
上記照明手段は、上記貫通孔部を囲むようにリング状に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の呈色反応検査器具。
【請求項13】
上記容器における上記内底面には、上記デジタルカメラのピント調整の為のターゲットが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の呈色反応検査器具。
【請求項14】
当該呈色反応検査器具は、無色透明な材料から成るカバー部材を含み、該カバー部材を介し、上記容器の開口部上に載置されることを特徴とする請求項8に記載の呈色反応検査器具。
【請求項15】
当該尿検査容器の開口部上に請求項1に記載の尿検査器具を介してデジタルカメラが載置された際の上記デジタルカメラの撮影視野内の当該尿検査容器の内底面に設けられた尿検査試薬と、
上記尿検査試薬近傍に設けられ、上記デジタルカメラによる撮影時のピント調整の為のピント調整用ターゲット表示と、
を具備することを特徴とする尿検査容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−229212(P2009−229212A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74363(P2008−74363)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】