説明

局所的一酸化窒素供給装置およびその治療的使用方法

本発明は、局所的一酸化窒素送達システムおよび様々な疾患状態を緩和または治療するための当該システムの使用に関する。また、本発明は、血流量を増加させるための局所的一酸化窒素送達システムの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療のために一酸化窒素を局所的に送達するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一酸化窒素等の治療薬を特定の組織に供給する臨床的必要性から求められるものである。一酸化窒素に関しては、一酸化窒素ラジカルは高い反応性を有するため、患者の体内の投与が必要とされる部分に治療薬を供給することが特に重要である。局所的な一酸化窒素療法が効果を示す症状としては、例えば、糖尿病性潰瘍、血流量の減少による末梢神経障害、手足の冷え、拡散速度が遅い経皮薬剤送達が挙げられる。
【0003】
これまでは、局所的な一酸化窒素療法によって血流量を増加させる装置および方法がなかった。本発明は、血流量を増加させるための一酸化窒素放出化合物を局所的に塗布するための装置および方法を提供することによってこの問題に対処するものである。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、一酸化窒素放出包帯および組成物および末梢神経障害を含む病気を緩和または治療するためのこれらの使用に関する。また、本発明は、局所的一酸化窒素送達剤を含む経皮パッチの使用に関する。
【0005】
また、本発明は、血流量を増加させる体の部分に接触した状態で一酸化窒素送達パッチを配置する工程と、パッチを活性化する工程と、一酸化窒素を経皮送達する工程と、を含む治療方法に関する。
【0006】
また、本発明は、一酸化窒素誘導体部分を含むことができ、血流量を増加させる体の部分に接触した状態で配置することができる一酸化窒素送達パッチと、少なくとも1つの一酸化窒素誘導体部分と、装置の構成要素であるか、または治療時に装置に添加される、活性化剤と、を含む、局所的一酸化窒素送達装置に関する。
【0007】
また、本発明は、血流量を増加させるための手段および血管不全に起因する病気を治療するための手段に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、一酸化窒素放出化合物を使用して、末梢神経障害を含む疾患を緩和または治療するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、一酸化窒素送達剤を含有する経皮パッチおよびクリーム等の様々な局所送達システムに関する。また、本発明は、本明細書に開示する局所的一酸化窒素送達システムの使用方法に関する。
【0009】
本発明の範囲内に含まれる経皮パッチ装置は一般に、一酸化窒素放出剤を含む少なくとも1種の繊維成分を含む。放出剤は、活性化剤として知られるブレンステッド酸と接触するまでは実質的に不活性である。ブレンステッド酸には、限定されないが、例えば、水、生理的緩衝液、体液、生理食塩水等のプロトン性液体が含まれる。活性化により、パッチの一酸化窒素供与体成分は一酸化窒素の生成を開始し、一酸化窒素は皮膚を通過し、皮膚内に拡散する。皮膚を通過すると、一酸化窒素によってパッチ近傍の毛細血管床が充血し、当該領域の組織への血流量が増加する。驚くべきことに、このように一酸化窒素を送達することによって、末梢神経障害を含む様々な病状を緩和または治療できることが明らかになっている。
【0010】
通常、一実施形態における経皮パッチの繊維成分は、1種以上の一酸化窒素放出剤を含むことができる繊維を含むことができる。本発明の範囲内に含まれる繊維には、限定されないが、例えば、一酸化窒素と可逆的に反応して一酸化窒素放出剤となる官能基を繊維上に形成する繊維、ならびに、一酸化窒素放出剤を封鎖または固定する繊維が含まれる。特に、誘導体化に適する繊維は、第二級アミン部分を含む繊維を含む場合が多い。これは、第二級アミンが一酸化窒素と反応してジアゼニウムジオラート(diazeniumdiolate)を形成し、ジアゼニウムジオラートが一次反応を行って一酸化窒素を放出するためである(I−II)。
【0011】
(I)PEI構造
【化1】

【0012】
(II)誘導体化PEIジアゼニウムジオラート構造
【化2】

【0013】
使用することができる繊維成分には、第二級アミン部分を含む繊維化可能な(fiberizable)材料が含まれる。より詳細には、これらの繊維成分には、限定されないが、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、ポリウレタン、ポリアミド、およびこれらのポリマーの直鎖および分岐型を含むポリマーが含まれる。また、本発明の範囲内に含まれる繊維成分には、例えば、上述したポリマーの共重合体およびそれらの組み合わせが含まれる。より詳細には、使用することができる繊維成分には、不活性な骨格にグラフトされた上述したポリマー、例えば、多糖類骨格(特にセルロース骨格)等の比較的不活性な骨格にグラフトされたポリエチレンイミンが含まれる。本発明に係る繊維成分を形成するための材料の一例は、約20万を超える重量平均分子量を有する高密度直鎖ポリエチレンイミン(PEI)(I−II)である。直鎖PEIは、エタノール等の一般的な溶媒には溶解するが、水には溶解しない。
【0014】
繊維成分は、公知の電界紡糸およびガスジェットナノ繊維(Nanofibers by Gas Jet)(NGJ)法によって形成することができる。簡潔に説明すると、NGJ法は、内部管と、サイドアーム(sidearm)を備えた同軸の外部管とを有する装置を使用することを含む。内部管は外部管の端部から挿入され、薄膜形成領域を形成する。溶融ポリマーはサイドアームを介して供給され、内部管と外部管との間の隙間に充填される。溶融ポリマーは、流出するガスジェットに接触するまで内部管の排出端部に向かって流れる。溶融ポリマーの表面に衝突するガスジェットによって溶融ポリマーの薄膜が形成され、薄膜は管の排出端部に向かって移動し、端部から放出されてナノ繊維の乱流が形成される。
【0015】
なお、電界紡糸またはNGJ以外の方法によって本発明にしたがって繊維成分を形成することもできる。有機ポリマーから繊維を形成する公知の方法を使用することができる。例えば、湿式紡糸、乾式紡糸、溶融紡糸、ゲル紡糸等の押出法を本発明に係る繊維を形成する方法として使用することができる。通常、繊維が細いほど、表面積が大きく、一酸化窒素放出剤を多く含む繊維マットが得られ、係る繊維マットはより優れた性能を示す。したがって、電界紡糸およびNGJは、繊維成分を製造するための特に効果的な方法である。
【0016】
通常、本発明は不織繊維マットの形態をとることができる。また、本発明は積層不織繊維マットの形態をとることができる。また、本発明は、選択的に一酸化窒素を通過させるが、活性化剤溶液等の液体を通過させない膜に覆われた1以上の繊維層をさらに含むことができる。ただし、本発明は繊維を全く含まなくともよい。別の実施形態は、一酸化窒素(NO)放出成分を含有するクリーム、ゲル、膏薬、軟膏(ointment)、香膏、ロウ膏、緩和薬、塗布薬、ローション、鎮痛剤、および/または軟膏(unguent)を含む。例えば、このような実施形態はNO放出成分および活性化成分を含むことができ、塗布直前または塗布時にこれらの成分を混合する。
【0017】
広い意味において、本発明の一酸化窒素放出剤は、本発明の活性化剤によって活性化された時に一酸化窒素を生成する化学物質を含む。これらの放出剤は、限定されないが例えば、ジアゼニウムジオラートを含む形態をとることができる。また、一酸化窒素放出剤は、O−アルキル化ジアゼニウムジオラート、または、ジアゼニウムジオラートに再び転化することができるO−誘導体化ジアゼニウムジオラートであってもよい。O−誘導体化ジアゼニウムジオラートは通常は塩よりも安定している。特に、O−誘導体化ジアゼニウムジオラートの分解反応の活性化エネルギーは、通常、O−誘導体化されていないジアゼニウムジオラートの活性化エネルギーよりも実質的に高い。そのため、誘導体は、酵素活性化剤の非存在下では一酸化窒素を放出しないか、あるいは、ジアゼニウムジオラートの半減期を著しく増加させる傾向がある。塩等のO−誘導体化されていないジアゼニウムジオラート官能基は、本発明の効果的な一酸化窒素放出剤であり、プロトン源、すなわち、活性化剤の存在下において1次機構(first order mechanism)によって分解することが知られている。
【0018】
通常、PEIを一酸化窒素と反応させるとジアゼニウムジオラートが形成され、PEIはエタノールへの溶解性を失い、多くの場合には、水に溶解しなくなる。一酸化窒素変性PEIポリマーが水と接触すると、予想されるように分解され始め、一酸化窒素が放出される。PEI繊維マットからの典型的な一酸化窒素放出プロファイルは通常は短く、典型的な時間は1〜2日である。
【0019】
本発明の範囲内に含まれるその他の一酸化窒素放出剤には、限定されないが、例えば、ニトロ官能化化合物等の亜硝酸塩が含まれる。代表的な化合物には、ニトログリセリン、N−(エトキシカルボニル)−3−(4−モルホリニル)シドノンイミン、3−モルホリノシドノンイミン、1,2,3,4−オキサトリアゾリウム、5−アミノ−3−(3,4−ジ−クロロフェニル)−クロライド、1,2,3,4−オキサトリアゾリウム、5−アミノ−3−(クロロ−2−メチル−フェニル)クロライド、1,2,3,4−オキサトリアゾリウム、3−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−5−[[[シアノメチルアミノ]カルボニル]アミノ]−水酸化物分子内塩(hydroxide inner salt)、S−ニトロソ−N−アセチル−(D,L)−ペニシラミン、1−[(4’,5’−ビス(カルボイメトキシ)−2’−ニトロフェニル)メトキシ]−2−オキソ−3,3,ジエチル−1−トリアゼン二カリウム塩、[1−(4’,5’−ビス(カルボキシメトキシ)−2’−ニトロフェニル)メトキシ]−2−オキソ−3,3−ジエチル−1−トリアジンジアセトキシメチルエステルが含まれる。
【0020】
通常、活性化剤には、一酸化窒素放出剤を刺激して一酸化窒素を生成する任意の化合物が含まれる。ジアゼニウムジオラートが一酸化窒素放出剤である場合には、使用することができる活性化剤としては、プロトン源、すなわち、ブレンステッド酸が挙げられる。代表的な活性化剤には、水、体液(例えば、血液、リンパ液、胆汁)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、フェノール、ナフトール、ポリオール等が含まれる。本発明の範囲内に含まれるその他の活性化剤には、限定されないが、例えば、リン酸塩、コハク酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、脂肪酸、アミノ酸、アスコルビン酸等を含む一般的な水性酸性緩衝液が含まれる。また、活性化剤には、限定されないが、例えば、水、血液またはリンパ液等の体液、アルコール、一般的な水性酸性緩衝液が含まれる。本発明の範囲内に含まれるその他の活性化剤には、酵素およびその他の触媒化合物が含まれる。
【0021】
本発明の一酸化窒素供与体の活性化方法としては、例えば、活性化剤と接触させることが挙げられる。活性化剤には、水、生理食塩水、アルコール、プロトン性溶媒、有機塩および/または無機塩を含む塩等のイオン性材料の溶液、アスコルビン酸等の有機酸溶液、無機酸溶液、生理的緩衝液等の化合物が含まれる。本発明に係る別の活性化方法には、限定されないが、例えば光子活性化が挙げられ、かかる光子活性化では、電磁放射線を照射することによって、一酸化窒素を生成する化学反応を促進させる。
【0022】
一実施形態では、本発明は、ジアゼニウムジオラート部分を形成するように一酸化窒素によって誘導体化された不織ナノ繊維マットを含む。この形態の発明は、開いた傷口をマットで覆うことによって活性化させることができ、傷口から浸出する体液によって一酸化窒素の生成が活性化される。別の実施形態は、一酸化窒素によって誘導体化された不織ナノ繊維マットを含み、該マットが絆創膏の構成要素となっている。
【0023】
本発明の別の実施形態は、複数のナノ繊維マット層を含むことができる。例えば、1つの層が一酸化窒素生成繊維材料を含むことができ、別の層が活性化剤溶液に浸した繊維材料を含み、これらの2層がバリア層によって分離されている。バリア層を破いた(例えば破裂させた)際に包帯が活性化される。別の実施形態は、複数のナノ繊維マット層を含み、一酸化窒素生成層および活性化剤層が外側液体バリア膜40内に実質的に収容されており、少なくとも膜40の一部が一酸化窒素を透過することができる(図2)。
【0024】
さらに別の実施形態は、傷口または一酸化窒素投与が効果的なその他の領域に直接電界紡糸された一酸化窒素誘導体化ナノ繊維を含む。この形態では、傷口から浸出した体液が活性化剤として機能することができる。あるいは、電界紡糸後にマットに活性化剤を添加することができる。
【0025】
本発明の使用は、限定されないが、例えば、(1)損傷組織への血流量を増加させて治癒を促進すること、(2)血行不良のために冷えを感じる体の部分への血流量を増加させること、(3)神経障害が生じている体の部分にNOを送達すること、ならびに、(4)送達を促進するために経皮薬剤送達部位への血流量を増加させることを含む。(4)の使用は、経皮薬剤送達が遅い場合に特に有益となり得る。したがって、本発明は、血流量の増加が送達に有益である薬剤と共に使用することによって、薬剤送達を促進するために使用することができる。いずれの場合でも、血流量が増加した状態、正常である状態、または正常より低下した状態の如何を問わず、本発明を適用することができる。本発明のさらに別の使用は、糖尿病またはリーシュマニアに関連する難治性潰瘍の治療を含む。
【0026】
本発明に係る一酸化窒素の投与量は、6時間で約5nmol/cm〜約100μmol/cmである。本発明に係る一酸化窒素の別の投与量は、6時間で約5μmol/cmおよび24時間で約10μmol/cmである。
【0027】
本発明の実施を説明するために以下の実施例を用意した。ただし、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。本発明は請求項によって定義されるべきである。
【実施例】
【0028】
[実施例1]
本発明の一実施例では、足に難治性開放性潰瘍(sore)を有する男性糖尿病患者を本発明によって治療した。患者は、皮膚および筋肉の組織損傷だけではなく、糖尿病に起因する血行不良によって引き起こされた神経障害も患っている。治療の結果、潰瘍は塞がり、患者は足の感覚も取り戻した。すなわち、血行不良によって誘発された神経障害が治癒した。
【0029】
この例では、本発明を、図1に示すようなパッチ形状およびその治療的使用とした。パッチは4つの層を含む。皮膚から最も離れた上層は、超吸収繊維状ポリマー10である。次の層12は、テコフィリック(TECOPHILIC)という商品名で市販されているポリウレタンからなる繊維状ポリマーを含み、アスコルビン酸を含有する。ただし、その他の弱酸性活性化剤を使用することもできる。第3の層は、第1の層10と実質的に同一である。皮膚と接触する第4の層14は、ジアゼニウムジオラート化合物または無機亜硝酸塩によって誘導体化されたテコフィリックおよびダウエックス(DOWEX)という商品名で市販されているポリマーを含む。本発明は、水または水性液体と接触させることによって活性化されるまでは不活性であり、活性化されると亜硝酸塩化合物が一酸化窒素20を生成する。このようにして生成された一酸化窒素20は、皮膚30を通過して拡散し、パッチ近傍の血流を促進する。数週間後、血流量の増加によって、図3および図4に示すように潰瘍が治癒した。
【0030】
本発明の範囲および要旨を逸脱しない様々な変形および変更は、当業者に明らかであろう。本発明は、本明細書において説明された実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、水と接触するまで空間的に分離されているアスコルビン酸活性化剤および一酸化窒素供与体を含有する本発明のパッチの概略図である。
【図2】図2は、水非透過性膜によって皮膚から分離されている水活性化一酸化窒素供与体を示す。
【図3】図3は、本発明によって糖尿病性潰瘍を治療した結果を示す治療前(前)および治療後(後)の写真である。
【図4】図4は、本発明によって足に有する糖尿病性潰瘍を治療した結果を示す治療前(前)および治療後(後)の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一酸化窒素送達経皮パッチを、血流量を増加させる体の部分に接触した状態で配置する工程と、
前記経皮パッチを活性化する工程と、
一酸化窒素を経皮送達する工程と、
を含む、治療方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記配置する工程が、繊維材料を配置することをさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記配置する工程が、ナノ繊維材料を配置することをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項2において、
前記配置する工程が、一酸化窒素誘導体化材料を配置することをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項2において、
前記配置する工程が、ジアゼニウムジオラート材料を配置することをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項2において、
前記配置する工程が、直鎖ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンの共重合体、およびそれらの組み合わせから選ばれる一酸化窒素誘導体化ポリマーを配置することをさらに含む、方法。
【請求項7】
請求項2において、
前記配置する工程が、絆創膏を配置すること、不織マットを配置すること、織物マットを配置すること、ガーゼを配置すること、および積層マットを配置することから選ばれる工程をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項1において、
前記配置する工程が、繊維を患者に対して直接紡糸する工程をさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記紡糸する工程が、電界紡糸、ガスジェットナノ繊維法、湿式紡糸、乾式紡糸、溶融紡糸、およびゲル紡糸から選ばれる方法をさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1において、
前記方法が、血管不全に起因する神経障害または疾患状態を治療するためのものである、方法。
【請求項11】
請求項1において、
前記方法が、糖尿病または低血圧による血管不全に起因する疾患状態を治療するためのものである、方法。
【請求項12】
請求項1において、
前記方法が、治療剤の送達を促進させるためのものである、方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記方法が、薬剤の経皮送達を促進させるためのものである、方法。
【請求項14】
請求項1において、
前記方法を実施することで神経障害が緩和する、方法。
【請求項15】
請求項1において、
前記方法を実施することで神経障害が治癒する、方法。
【請求項16】
請求項1において、
活性化剤がアスコルビン酸、水、体液、リンパ液、胆汁、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、フェノール、ナフトール、リン酸塩、コハク酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、脂肪酸、およびアミノ酸から選ばれる、方法。
【請求項17】
血流量を増加させるための手段。
【請求項18】
血管不全に起因する神経障害または疾患状態を治療するための手段。
【請求項19】
一酸化窒素誘導体部分を含むことができ、血流量を増加させる体の部分に接触した状態で配置することができる一酸化窒素送達パッチと、
少なくとも1つの一酸化窒素誘導体部分と、
前記装置の構成要素であるか、または、治療時に前記装置に添加される、活性化剤と、
を含む、局所的一酸化窒素送達装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記パッチが繊維材料をさらに含む、装置。
【請求項21】
請求項19において、
前記パッチがナノ繊維材料をさらに含む、装置。
【請求項22】
請求項19において、
前記パッチが一酸化窒素誘導体化材料をさらに含む、装置。
【請求項23】
請求項19において、
前記パッチがジアゼニウムジオラート材料をさらに含む、装置。
【請求項24】
請求項19において、
前記パッチが、直鎖ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンの共重合体、およびそれらの組み合わせから選ばれる一酸化窒素誘導体化ポリマーをさらに含む、装置。
【請求項25】
請求項19において、
前記パッチが、絆創膏、不織マット、織物マット、ガーゼ、および積層マットから選ばれる構成要素をさらに含む、装置。
【請求項26】
請求項19において、
前記パッチが患者に直接紡糸された繊維をさらに含む、装置。
【請求項27】
請求項19において、
前記活性化剤がアスコルビン酸、水、体液、リンパ液、胆汁、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、フェノール、ナフトール、リン酸塩、コハク酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、脂肪酸、およびアミノ酸から選ばれる、装置。
【請求項28】
一酸化窒素放出成分と、
活性化成分と、
を含み、
前記放出成分および前記活性化成分が、クリーム、ゲル、膏薬、軟膏(ointment)、香膏、ロウ膏、緩和薬、塗布薬、ローション、鎮痛剤、および軟膏(unguent)から選ばれる組成物を含む、局所的一酸化窒素送達組成物。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−521509(P2008−521509A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543585(P2007−543585)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/043051
【国際公開番号】WO2006/058318
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(505395700)ザ ユニバーシティ オブ アクロン (20)
【氏名又は名称原語表記】The University of Akron
【住所又は居所原語表記】302 E. Buchtel Common, Akron, OH 44325 U.S.A.
【Fターム(参考)】