説明

屋外装置用日除け装置

【課題】日除け装置自体から屋外装置の筐体に伝わる熱量を減らすことのできる屋外装置用日除け装置を提供する。
【解決手段】筐体1の一面に日除け装置2が設けられており、日除け装置2は、日除け装置外面(筐体とは反対側面)に日射熱を放熱するための複数の放熱用フィン3を備えている。複数の放熱用フィン3は、フィン方向が日除け装置外面に対して垂直になるようにして、日除け装置外面から突出させ、互いに隣り合うフィンの面が相対向するようにして所定の間隔を隔てて並列に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱源を有する屋外装置に日除けとして取り付けられる屋外装置用日除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に配置される屋外装置(例えば、通信基地局装置)は、太陽からの日射の影響を免れない。日射等の影響により、基地局装置の温度が上昇すれば、その性能が劣化し、あるいは機能が停止することがある。そこで、例えば、特許文献1のように、通信基地局装置の周囲に平板状の日除け装置を設置することが考えられる。図7は、通信基地局装置の外観図であり、図8は、図7のW−W線矢視方向の断面図である。通信基地局装置は、筐体11の一面に日除け装置12が設けられており、日除け装置12は、日射を直接受けるため、日射を受けると同時に日射熱を通信基地局装置の筐体側にも伝熱する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−041873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の平板状の日除け装置は、太陽光にさらされる面に設置されて、図8に示すように、太陽からの日射を防ぐと同時に、防いだ日射熱を筐体側と外側との両方に伝熱していた。そのため、日射を防いでも、日除け装置自体の熱を屋外装置の筐体に伝えていた。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、日除け装置自体から屋外装置の筐体に伝わる熱量を減らすことのできる屋外装置用日除け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、屋外装置への日射光を遮る板状体の日除け装置であって、前記板状体の一方の面に、日射熱を放熱するための複数の放熱用フィンを備え、前記放熱用フィンは、間隔を隔てて並列に配置されていることを特徴とする。
【0007】
前記板状体は、前記放熱用フィンに沿って複数の開口部が形成されていることが好ましい。また、前記放熱用フィンは、フィンの方向を前記板状体の一方の面に対して傾斜させるようにして配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、一方の面に、日射熱を放熱するための複数の放熱用フィンを備えているので、日除け装置自体から屋外装置の筐体に伝わる熱量を減らすことができる。
また、本発明は、日除け装置自体に開口部を形成することにより、日射を防ぎつつ筐体からの熱対流を効果的に行うことができる。
また、本発明は、更に放熱用フィンのフィン方向を傾斜させることにより、日射の軽減と、筐体からの熱対流をより効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図である。
【図2】図1のX−X線矢視方向の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図である。
【図4】図3のY−Y線矢視方向の断面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図である。
【図6】図5のZ−Z線矢視方向の断面図である。
【図7】従来の平板状の日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図である。
【図8】図7のW−W線矢視方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図であり、図2は、図1のX−X線矢視方向の断面図である。図1および図2に示す通信基地局装置は、筐体1の一面に板状体の日除け装置2が設けられており、日除け装置2は、板状体の一方の面である日除け装置外面(筐体とは反対側面)に日射熱を放熱するための複数の放熱用フィン3を備えている。複数の放熱用フィン3は、フィン方向が日除け装置外面に対して垂直になるようにして、日除け装置外面から突出させ、互いに隣り合うフィンの面が相対向するようにして所定の間隔を隔てて並列に配置されている。
【0011】
このように、第1実施例に係る日除け装置は、日除け装置外面に複数の放熱用フィンを備えているので、日射で温まった日除け装置の熱の筐体側への熱放射を抑えることができ、それによって日除け装置の熱放射による筐体の温度上昇を低減させることができる。
【0012】
図3は、本発明の第2実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図であり、図4は、図3のY−Y線矢視方向の断面図である。図3および図4に示す通信基地局装置は、筐体1の一面に板状体の日除け装置4が設けられており、日除け装置4は、板状体の一方の面である日除け装置外面(筐体とは反対側面)に日射熱を放熱するための複数の放熱用フィン5を備えている。複数の放熱用フィン5は、フィン方向が日除け装置外面に対して垂直になるようにして、日除け装置外面から突出させ、互いに隣り合うフィンの面が相対向するようにして所定の間隔を隔てて並列に配置されている。
【0013】
また、日除け装置4は、筐体1から放射される熱を逃がすために、放熱用フィン5に沿って、所定の間隔で長尺の複数の開口部(スリット孔)6を有する。このように、放熱用フィン5に沿って開口部6を有することによって、筐体1からの放熱効率を高めることができる。
【0014】
このように、第2実施例に係る日除け装置は、日除け装置外面に複数の放熱用フィンを備えているので、日除け装置から筐体側への熱放射の熱量を減らすことができる。また、日除け装置に、開口部を有するので、日射を防ぎつつ、筐体からの放熱を効率的に行うことができる。
【0015】
図5は、本発明の第3実施例に係る日除け装置を装着した通信基地局装置の外観図であり、図6は、図5のZ−Z線矢視方向の断面図である。図5および図6に示す通信基地局装置は、筐体1の一面に板状体の日除け装置7が設けられており、日除け装置7は、板状体の一方の面である日除け装置外面(筐体とは反対側面)に日射熱を放熱するための複数の放熱用フィン8を備えている。複数の放熱用フィン8は、フィン方向が日除け装置外面に対して傾斜するようにして、日除け装置外面から突出させ、互いに隣り合うフィンの面が相対向するようにして所定の間隔を隔てて並列に配置されている。
【0016】
また、日除け装置7は、筐体1から放射される熱を逃がすために、放熱用フィン8に沿って、所定の間隔で長尺の複数の開口部(スリット孔)9を有する。放熱用フィン8が日除け装置外面に対して傾斜する角度は、開口部9に直射日射が入らない角度であることが好ましい。
【0017】
このように、第3実施例に係る日除け装置は、日除け装置外面に複数の放熱用フィンを備えているので、日除け装置から筐体側への熱放射の熱量を減らすことができる。また、日除け装置に、開口部を有するので、日射を防ぎつつ、筐体からの放熱を効率的に行うことができる。さらに、放熱用フィンを日除け装置外面に対して傾斜させているので、日射が軽減され、筐体からの放熱をより効率的に行うことができる。
【0018】
なお、上述の実施例の場合、日除け装置は、筐体とは離間して配置されており、日除け装置と筐体との間隔は、通気性を確保できる程度の間隔であることが好ましい。
また、上述の実施例では、放熱用フィンを、互いに隣り合うフィンの面が相対向するようにして所定の間隔を隔てて並列に配置したが、筐体内の発熱源付近では、間隔を狭くして放熱用フィンを配置するようにしても良い。放熱用フィンに沿って、所定の間隔で長尺の複数の開口部を設けたが、筐体内の発熱源付近では、間隔を狭くして開口部を設けるようにしても良い。
【0019】
また、上述の実施例の場合、日除け装置は、熱伝導率の良い素材である、例えば、アルミニウム、銅タングステン合金、銅モリブデン合金、セラミックス等を素材として、押し出し成形にて連続的に放熱用フィンと一体成形して長尺な原型物を作成し、この長尺な原型物を所定の長さに切断するとともに、原型物に開口部やその他所定の加工を施して作成する。
【符号の説明】
【0020】
1、11 筐体
2、4、7、12 日除け装置
3、5、8 放熱用フィン
6、9 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外装置への日射光を遮る板状体の日除け装置であって、
前記板状体の一方の面に、日射熱を放熱するための複数の放熱用フィンを備え、前記放熱用フィンは、間隔を隔てて並列に配置されていることを特徴とする屋外装置用日除け装置。
【請求項2】
前記板状体は、前記放熱用フィンに沿って複数の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋外装置用日除け装置。
【請求項3】
前記放熱用フィンは、フィンの方向を前記板状体の一方の面に対して傾斜させるようにして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の屋外装置用日除け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−162854(P2012−162854A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21806(P2011−21806)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】