説明

屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置

【課題】太陽光の方向を追跡して集光効率を極大化させ、その屋根の固定構造を堅固化させる屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を提供すること。
【解決手段】水平トラス105と、屋根トラス115と、オープンヒンジ102と、前記屋根トラス外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて太陽光を集光するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しながら横方向に連動設置された多数の第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401と、多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側左右方向に回動させる駆動手段200,400とを備えることを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根固定式太陽光集光装置に係り、さらに詳しくは、太陽の高度または軌道の変化によって太陽光の方向を追跡してソーラーモジュール板を回動させることにより集光効率を極大化させ、その屋根固定構造を堅固化させる屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽光発電とは、太陽電池によって太陽光を直接的に電力に変換するような発電方式のことを言う。
太陽光発電は、他の発電に比べて、大気汚染、騒音、発熱、振動などの公害が全くない清浄エネルギーであり、燃料の輸送及び発電設備のメンテナンスがほとんど不要であり、装置の寿命が長い他、設備規模の選択及び設置工事が行い易い。
この種の太陽光発電システムは、エネルギー源が清浄であり、無制限的であり、発電システムのメンテナンスが容易である他、無人化が可能であり、しかも寿命が長いというメリットがある。
【0003】
図1は、従来の固定型太陽光集光装置を示すものである。同図に示す従来の固定型太陽光集光装置は、最も安価で且つ安定した構造であり、比較的に遠隔地域、すなわち、設置面積の制約がない個所に多用されている。特に、島嶼地域など風速が強い個所に設置するのが普通である。初期設置費が安く、メンテナンスによる危険がなくて相対的に多用されるアレイ支持方法であり、韓国内の島嶼用太陽光システムにおいては、このような固定型システムを標準とする。
また、上記の如き固定式構造を両方向に設置した、固定式両方向太陽光集光装置を利用することもある。
【0004】
しかしながら、かかる従来の固定式太陽光集光装置は、それぞれ片側方向のみを向くように固設されているため、一方の面に太陽光が最適に集光されるときに反対側の他方の面は太陽光の集光効率が低下するため、太陽光の高度または軌道の変化によってシステムの全体的な集光効率が低下してしまうという問題点があった。
また、主として地上の大地に設置されるため、その設置場所が限定的であり、屋根や屋上に設置する場合には、風や荷重に弱いといった問題点もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、太陽の高度または軌道の変化によって太陽光の方向を追跡してソーラーモジュール板を回動させることにより、集光効率を極大化させるための屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を提供するところにある。
また、本発明の他の目的は、建物の屋根に設置することにより、広い大地の面積を要することなく不要空間である屋根面積を用いて環境に優しいエネルギーを生産することができ、ソーラーモジュール板を固定及び回動させる手段を屋根に堅固に固定させて風や荷重にも強い構造を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置は、水平方向の構造を有する水平トラスと、前記水平トラスの上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材を形成する屋根トラスと、前記屋根トラスの上端部に横方向に長く形成され、多数が縦方向に配設されたオープンヒンジと、前記屋根トラス外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて太陽光を集光するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しながら横方向に連動設置された多数の第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板と、多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側左右方向に回動させる駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
前記本発明において、前記多数の第1のソーラーモジュール板と多数の第2のソーラーモジュール板は、その平面配置において前記オープンヒンジを中心として両側方向に対向配置するが、それぞれ互い違いに千鳥状に配置されることが好ましい。
また、前記駆動手段は、第1のモーターと、前記第1のモーターと連れ回転するように横方向に延設された第1の駆動パイプと、前記第1の駆動パイプに連結されて前記第1のモーターの回転運動を直線運動に変換する多数の第1のラック・ピニオンと、前記多数の第1のラック・ピニオンに係合されて前後方向に直線運動する多数の第1の従動パイプと、一方の側が多数の前記第1の従動パイプに平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1のソーラーモジュール板の下部に蝶合されて前記第1のソーラーモジュール板を前方の上下方向に昇降させる多数の第1のオープン押棒と、第2のモーターと、前記第2のモーターと連れ回転するように横方向に延設された第2の駆動パイプと、前記第2の駆動パイプに連結されて前記第2のモーターの回転運動を直線運動に変換する多数の第2のラック・ピニオンと、前記多数の第2のラック・ピニオンに係合されて前後方向に直線運動する多数の第2の従動パイプと、一方の側が多数の前記第2の従動パイプに平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2のソーラーモジュール板の下部に蝶合されて前記第2のソーラーモジュール板を後方の上下方向に昇降させる多数の第2のオープン押棒とを備えることが好ましい。
また、互いに連接する前記第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒は、互いに干渉しないように平行に交差形成されて、それぞれの前記第1及び第2の従動パイプからそれぞれの前記第1及び第2のソーラーモジュール板に連結されることが好ましい。
また、前記第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒は、それぞれの第1及び第2のソーラーモジュール板における4個所に連結され、前記第1及び第2の従動パイプには1個所に連結されるブラケット形状に構成することが好ましい。
また、前記第1及び第2の従動パイプは、多数が平行に配置されるが、それぞれの第1及び第2の従動パイプが一つ置きに一つずつ互い違いに配設されることが好ましい。
また、前記屋根部材は、前記多数の第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒が貫通する多数の通孔が穿設されることが好ましい。
また、前記屋根部材に穿設された前記多数の通孔は、前記多数の第1及び第2のソーラーモジュール板の大きさと対応する大きさに形成され、前記多数の第1及び第2のソーラーモジュール板の回動によって開閉されて外部空気を室内に循環させることが好ましい。 また、前記屋根部材は、不透明または透明材質のパネルを前記屋根トラスの表面に選択的に形成することが好ましい。
また、本発明は、太陽の軌道または高度を追跡し、追跡された太陽の軌道または高度によって異なる大きさの信号を出力する光追跡・駆動制御部をさらに備え、前記駆動手段は、前記光追跡・駆動制御部から出力された信号の大きさによって多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板を左右方向に回動させて、太陽光に沿ってその角度を変化させることが好ましい。
【0008】
また、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置は、三角形状の屋根を有する建物と、前記屋根の上端の中央に形成されたヒンジを中心として両方向に多数設置されてそれぞれ別々にまたは一緒に左右方向に回動し、太陽光を集光する多数のソーラーモジュール板とを備えることを別の特徴とする。
【0009】
前記本発明において、前記多数のソーラーモジュール板の下部に設置されて前記多数のソーラーモジュール板をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として左右方向に回動させる駆動手段をさらに備えることが好ましい。
また、前記多数のソーラーモジュール板は、前記両方向のうちどちらか一方の面に平行に形成された多数のソーラーモジュール板が互いに連動されて一緒に左右方向に回動されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置によれば、太陽の高度または軌道の変化によって太陽光の方向を追跡してソーラーモジュール板を回動させることにより集光効率を極大化させるという効果がある。
また、建物の屋根に設置することにより、広い大地の面積を要することなく不要空間である屋根面積を用いて環境に優しいエネルギーを生産することができ、ソーラーモジュール板を固定及び回動させる手段を屋根に堅固に固定させて風や荷重にも強い構造を提供するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の固定型太陽光追跡集光装置を示す斜視図である。
【図2】本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を示す側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】本発明の第1及び第2のソーラーモジュール板を多数に構成した両方向太陽光追跡集光装置を示す側面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を示す斜視図である。
【図7】本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施形態を詳述する。
【0013】
図2は、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を示す側面図であり、図3は、図2の平面図である。
図示の如く、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置は、光追跡・駆動制御部100(図6参照)と、第1のソーラーモジュール板201と、オープンヒンジ102と、第1のオープン押棒203と、水平トラス105と、水受け梁110と、支柱114と、屋根トラス115と、水受け116と、補助支柱トラス118と、屋根部材119と、通孔120と、第1の従動パイプ204と、第1のラック・ピニオン206と、パイプローラー207と、第1の駆動パイプ208と、第1の押棒ヒンジ209と、ラック・ピニオン支持梁212と、第1のモーター213と、第2のソーラーモジュール板401と、第2のオープン押棒403と、第2の従動パイプ404と、第2のラック・ピニオン406と、パイプローラー407と、第2の駆動パイプ408と、第2の押棒ヒンジ409と、ラック・ピニオン支持梁412及び第2のモーター413を備えている。
【0014】
前記光追跡・駆動制御部100は、後述する図6に示すように、屋根部材119の上に設置されて太陽の軌道または高度を追跡する。本発明の光追跡・駆動制御部100は、例えば、2以上の光センサー(図示せず)を取り付けた後、2つの光センサーにより入射光量が等しい個所を追跡するような方式であり、常に最大エネルギー効率を保証可能に構成することができ、これは公知の通常の技術によって容易に構成可能であるため、ここではこれについての詳細な説明は省略する。
【0015】
水平トラス105は、水平方向の構造を有する。前記水平トラス105は、別途の支柱114または補助支柱118の上に形成可能である。
【0016】
屋根トラス115は、前記水平トラス105の上部に三角形状の屋根を形成する。すなわち、前記屋根トラス115は、前記水平トラス105の上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材119を形成する。
【0017】
前記水平トラス105及び屋根トラス115は、通常の三角形状の屋根を有する建物を構成することになる。
また、前記屋根トラス115の上端部に、横方向にオープンヒンジ102が長く形成され、前記オープンヒンジ102は、縦方向に多数配設される。
【0018】
第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401は、前記屋根トラス115の外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて太陽光を集光するが、その上部が前記オープンヒンジ102に回動可能に両方向に結合される。このとき、前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401は、左右に互いに面接しながら横方向に多数連動設置されることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の駆動手段は、多数の前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側左右方向に回動させる。
特に、前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401は、太陽の移動方向に沿って東から西へ回動されることが好ましい。
【0020】
このために、前記駆動手段は、第1のモーター213と、第1の駆動パイプ208と、多数の第1のラック・ピニオン206と、多数の第1の従動パイプ204と、多数の第1のオープン押棒203と、第2のモーター413と、第2の駆動パイプ408と、多数の第2のラック・ピニオン406と、多数の第2の従動パイプ404と、多数の第2のオープン押棒403とを備える。
【0021】
第1の駆動パイプ208は、前記第1のモーター213と連れ回転するように横方向に延設され、多数の第1のラック・ピニオン206は、前記第1の駆動パイプ208に連結されて前記第1のモーター213の回転運動を直線運動に変換する。
多数の第1の従動パイプ204は、前記多数の第1のラック・ピニオン206に係合されて前後方向に直線運動する。
多数の第1のオープン押棒203は、一方の側が多数の前記第1の従動パイプ204に平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1のソーラーモジュール板201の下部に蝶合されて前記第1のソーラーモジュール板201を前方の上下方向に昇降させる。
このために、前記屋根部材119は、前記多数の第1のオープン押棒203と第2のオープン押棒403が貫通する多数の通孔120が穿設される。
【0022】
また、前記第1のオープン押棒203と前記第2のオープン押棒403は、それぞれの第1及び第2のソーラーモジュール板201、401における4箇所に連結され、前記第1及び第2の従動パイプ204、404には1個所に連結されるブラケット形状に構成する。
【0023】
第2の駆動パイプ408は、前記第2のモーター413と連れ回転するように横方向に延設され、多数の第2のラック・ピニオン406は、前記第2の駆動パイプ408に連結されて前記第2のモーター413の回転運動を直線運動に変換する。
多数の第2の従動パイプ404は、前記多数の第2のラック・ピニオン406に係合されて前後方向に直線運動する。
多数の第2のオープン押棒403は、一方の側が多数の前記第2の従動パイプ404に平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2のソーラーモジュール板401の下部に蝶合されて前記第2のソーラーモジュール板401を後方の上下方向に昇降させる。
【0024】
ここで、前記第1のモーター213及び第2のモーター413は、回転力を発生させるものであり、例えば、減速器(図示せず)が備えられたり、または、減速器の内蔵されたウォームギアードモーターを適用することができる。好ましくは、第1のモーター213及び第2のモーター413は、後述する光追跡・駆動制御部100から出力される信号の大きさによって正逆転される。
【0025】
このように、第1のソーラーモジュール板201は、その上部が前記屋根トラス115の上端部に回動可能に蝶着されて太陽光を集光し、第1のオープン押棒203は、一方の側が前記第1のソーラーモジュール板201の下部を支持する。また、第1の駆動手段200は、前記第1のオープン押棒203の他方の側を固定し、前記光追跡・駆動制御部100において追跡された太陽の軌道または高度によって前記第1のオープン押棒203を押したり引っ張って前記第1のソーラーモジュール板201を回動させる。
【0026】
このため、前記第1のモーター213が回転すれば、前記第1の従動パイプ204が前後方向に移動することになり、このように第1の従動パイプ204が前後方向に移動することに伴い、第1のオープン押棒203が前記第1のソーラーモジュール板201の下部を押したり引っ張って前記第1のソーラーモジュール板201の角度を変更させる。このため、第1のソーラーモジュール板201は、前記光追跡・駆動制御部100において追跡された太陽の軌道または高度によって常に太陽光を集光するための最適な角度を維持することができる。
【0027】
一方、第2のソーラーモジュール板401は、その上部が前記屋根トラス115の上端部に回動可能に蝶着されて太陽光を集光するが、前記第1のソーラーモジュール板201の反対側に形成されている。
【0028】
第2のオープン押棒403は、一方の側が前記第2のソーラーモジュール板401の下部を支持する。また、第2の駆動手段400は、前記第2のオープン押棒403の他方の側を固定し、前記光追跡・駆動制御部100において追跡された太陽の軌道または高度によって前記第2のオープン押棒403を押したり引っ張って前記第2のソーラーモジュール板401を回動させる。
【0029】
このとき、前記第1のソーラーモジュール板201と第2のソーラーモジュール板401は、東西方向に設置されることが好ましい。このため、太陽が移動する軌道または高度によって前記第1のソーラーモジュール板201と第2のソーラーモジュール板401を回動させて最適な状態で太陽光を集光することができる。
【0030】
このため、本発明は、前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401を介して、光追跡・駆動制御部100において追跡された太陽の軌道または高度によって常に最適の角度を維持して太陽光を集光することができる。
【0031】
図4は、本発明の第1及び第2のソーラーモジュール板201、401を多数に構成した両方向太陽光追跡集光装置を示す側面図であり、図5は図4の平面図である。
図示の如く、本発明による両方向太陽光追跡集光装置は、第1のソーラーモジュール板201と、オープンヒンジ102と、第1のオープン押棒203と、水平トラス105と、水受け梁110と、支柱114と、屋根トラス115と、水受け116と、補助支柱トラス118と、屋根部材119と、通孔120と、第1の従動パイプ204と、第1のラック・ピニオン206と、パイプローラー207と、第1の駆動パイプ208と、第1の押棒ヒンジ209と、ラック・ピニオン支持梁212と、第1のモーター213と、第2のソーラーモジュール板401と、第2のオープン押棒403と、第2の従動パイプ404と、第2のラック・ピニオン406と、パイプローラー407と、第2の駆動パイプ408と、第2の押棒ヒンジ409と、ラック・ピニオン支持梁412及び第2のモーター413とを備えている。
【0032】
図示の如く、前記第1のモーター213には、同じ方向に回転するように横方向に第1の駆動パイプ208が延設され、前記第1の駆動パイプ208には、前記第1のモーター213の回転運動を直線運動に変換する多数の第1のラック・ピニオン206が連結される。また、多数の第1の従動パイプ204は、前記多数の第1のラック・ピニオン206に係合されて前後方向に直線運動し、多数の第1のオープン押棒203は、一方の側が多数の前記第1の従動パイプ204に平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1のソーラーモジュール板201の下部に蝶合されて前記第1のソーラーモジュール板201を前方の上下方向に昇降させる。
【0033】
このような構成により、前記第1のモーター213が回転すれば、同じ方向に第1の駆動パイプ208が回転し、これにより、多数の第1のラック・ピニオン206と、ここに係合された多数の前記第1の従動パイプ204が前後方向に移動することになる。また、多数の第1の従動パイプ204が前後方向に移動するに伴い、第1のオープン押棒203が多数の前記第1のソーラーモジュール板201の下部を押したり引っ張って多数の前記第1のソーラーモジュール板201の角度を一括して調整することが可能になる。
【0034】
さらに、前記第2の従動パイプ404には、縦方向に多数の前記第2のオープン押棒403及びこれに対応する多数の前記第2のソーラーモジュール板401が形成される。加えて、前記第2のモーター413と連れ回転する第2の駆動パイプ408がさらに形成され、前記第2の駆動パイプ408には、横方向に多数の前記第2のラック・ピニオン406と、これに対応する多数の前記第2の従動パイプ404が形成される。
【0035】
このため、前記第2のモーター413が回転すれば、同じ方向に第2の駆動パイプ408が回転し、これにより、多数の第1のラック・ピニオン406と、ここに係合された多数の前記第2の従動パイプ404が前後方向に移動することになる。このため、第2のオープン押棒403が多数の前記第2のソーラーモジュール板401の下部を押したり引っ張って多数の前記第2のソーラーモジュール板401の角度を一括して調整することが可能になる。
【0036】
このときにも、上述したように、前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401を支持する互いに連接する前記第1のオープン押棒203と前記第2のオープン押棒403は、互いに干渉しないように互い違いに交差形成されて、それぞれの第1及び第2のソーラーモジュール板201、401と、それぞれの第1及び第2の従動パイプ204、404に連結されることが好ましい。
また、前記第1及び第2の従動パイプ204、404は、平行に多数配置されるが、それぞれの第1及び第2の従動パイプ204、404が一つ置きに一つずつ互い違いに配設される。
【0037】
図6及び図7は、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を示す斜視図である。
図示の如く、多数の第1のソーラーモジュール板201と多数の第2のソーラーモジュール板401は、その平面配置において前記オープンヒンジ102を中心として両側方向に対向配置するが、それぞれ互い違いに千鳥状に配置されることが好ましい。また、本発明の光追跡・駆動制御部100は、上述したように、太陽の軌道または高度を追跡し、追跡された太陽の軌道または高度によって異なる大きさの信号を出力することができる。
【0038】
このため、駆動手段200は、前記光追跡・駆動制御部100から出力された信号の大きさによって多数の前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401をヒンジを中心として左右方向に回動させて、太陽光に沿ってその角度を変化させる。
【0039】
前記屋根部材119は、不透明または透明材質のパネルを前記屋根トラス115の表面に選択的に形成することができる。
【0040】
図示の如く、本発明は、最適な太陽光を集光するために、第2のソーラーモジュール板401は、第1のソーラーモジュール板201とは互いに反対に動くことが好ましい。
すなわち、夜間の場合のように、本発明による屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置を使用しないときには、図7に示すように、多数の前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401を下方に畳み込んでおく。
【0041】
この後、太陽光が発生すれば、前記光追跡・駆動制御部100において太陽の軌道または高度を追跡し、追跡された太陽の軌道または高度によって異なる大きさの信号を出力し、駆動手段200は、前記光追跡・駆動制御部100から出力された信号の大きさによって多数の前記第1のソーラーモジュール板201及び第2のソーラーモジュール板401をヒンジを中心として左右方向に回動させて、太陽光に沿ってその角度を変化させる。
【0042】
このとき、第2のソーラーモジュール板401が回動されて上方に位置するときには、第1のソーラーモジュール板201は下方に位置し、逆に、第2のソーラーモジュール板401が回動されて下方に位置するときには、第1のソーラーモジュール板201は上方に位置することにより、2枚のソーラーモジュール板201、401が両方とも太陽を向くように配置することになる(図6参照)。
【0043】
このため、従来の固定式太陽光集光装置の場合、一方の面に太陽光が最適に集光されるときに反対側の他方の面は太陽光の効率が低下するといった問題点があったが、本発明の場合には、常に2枚のソーラーモジュール板201、401の両方を太陽に向かわせることにより、最適な状態で太陽光を集光することができる。
【0044】
よって、本発明によれば、太陽の高度または軌道の変化によって太陽光の位置を追跡してソーラーモジュール板を回動させることにより集光効率を極大化させるという効果があり、建物の屋根に設置することにより、広い大地の面積を要することなく不要空間である屋根面積を用いて環境に優しいエネルギーを生産することができ、ソーラーモジュール板を固定及び回動させる手段をフレームに堅固に固定させて風や荷重にも強い構造を提供することができる。
【0045】
本発明は、上述した特定の好適な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を持った者であれば、誰でも種々の変形実施が可能であるということはいうまでもなく、このような変更は特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0046】
100 光追跡・駆動制御部
102 オープンヒンジ
105 水平トラス
110 水受け梁
115 屋根トラス
114 支柱
116 水受け
118 補助支柱トラス
119 屋根部材
120 通孔
201 第1のソーラーモジュール板
203 第1のオープン押棒
204 第1の従動パイプ
206 第1のラック・ピニオン
207 パイプローラー
208 第1の駆動パイプ
209 第1の押棒ヒンジ
212 ラック・ピニオン支持梁
213 第1のモーター
401 第2のソーラーモジュール板
403 第2のオープン押棒
404 第2の従動パイプ
406 第2のラック・ピニオン
407 パイプローラー
408 第2の駆動パイプ
409 第2の押棒ヒンジ
412 ラック・ピニオン支持梁
413 第2のモーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向の構造を有する水平トラスと、
前記水平トラスの上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材を形成する屋根トラスと、
前記屋根トラスの上端部に横方向に長く形成され、多数が縦方向に配設されたオープンヒンジと、
前記屋根トラス外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて太陽光を集光するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しながら横方向に連動設置された多数の第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板と、
多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側左右方向に回動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とする屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項2】
前記多数の第1のソーラーモジュール板と多数の第2のソーラーモジュール板は、
その平面配置において前記オープンヒンジを中心として両側方向に対向配置するが、それぞれ互い違いに千鳥状に配置されることを特徴とする請求項1に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、
第1のモーターと、
前記第1のモーターと連れ回転するように横方向に延設された第1の駆動パイプと、
前記第1の駆動パイプに連結されて前記第1のモーターの回転運動を直線運動に変換する多数の第1のラック・ピニオンと、
前記多数の第1のラック・ピニオンに係合されて前後方向に直線運動する多数の第1の従動パイプと、
一方の側が多数の前記第1の従動パイプに平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1のソーラーモジュール板の下部に蝶合されて前記第1のソーラーモジュール板を前方の上下方向に昇降させる多数の第1のオープン押棒と、
第2のモーターと、
前記第2のモーターと連れ回転するように横方向に延設された第2の駆動パイプと、
前記第2の駆動パイプに連結されて前記第2のモーターの回転運動を直線運動に変換する多数の第2のラック・ピニオンと、
前記多数の第2のラック・ピニオンに係合されて前後方向に直線運動する多数の第2の従動パイプと、
一方の側が多数の前記第2の従動パイプに平行に蝶合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2のソーラーモジュール板の下部に蝶合されて前記第2のソーラーモジュール板を後方の上下方向に昇降させる多数の第2のオープン押棒と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項4】
互いに連接する前記第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒は、
互いに干渉しないように平行に交差形成されて、それぞれの前記第1及び第2の従動パイプからそれぞれの前記第1及び第2のソーラーモジュール板に連結されることを特徴とする請求項3に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項5】
前記第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒は、
それぞれの第1及び第2のソーラーモジュール板における4個所に連結され、前記第1及び第2の従動パイプには1個所に連結されるブラケット形状に構成することを特徴とする請求項3に記載の屋根固定式両方向太陽光集光装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の従動パイプは、
多数が平行に配置されるが、それぞれの第1及び第2の従動パイプが一つ置きに一つずっ互い違いに配設されることを特徴とする請求項3に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項7】
前記屋根部材は、
前記多数の第1のオープン押棒と前記第2のオープン押棒が貫通する多数の通孔が穿設されることを特徴とする請求項3に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項8】
前記屋根部材に穿設された前記多数の通孔は、
前記多数の第1及び第2のソーラーモジュール板の大きさと対応する大きさに形成され、前記多数の第1及び第2のソーラーモジュール板の回動によって開閉されて外部空気を室内に循環させることを特徴とする請求項7に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項9】
前記屋根部材は、
不透明または透明材質のパネルを前記屋根トラスの表面に選択的に形成することを特徴とする請求項1に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項10】
太陽の軌道または高度を追跡し、追跡された太陽の軌道または高度によって異なる大きさの信号を出力する光追跡・駆動制御部をさらに備え、
前記駆動手段は、前記光追跡・駆動制御部から出力された信号の大きさによって多数の前記第1のソーラーモジュール板及び第2のソーラーモジュール板を左右方向に回動させて、太陽光に沿ってその角度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項11】
三角形状の屋根を有する建物と、
前記屋根の上端の中央に形成されたヒンジを中心として両方向に多数設置されてそれぞれ別々にまたは一緒に左右方向に回動し、太陽光を集光する多数のソーラーモジュール板と、
を備えることを特徴とする屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項12】
前記多数のソーラーモジュール板の下部に設置されて前記多数のソーラーモジュール板をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として左右方向に回動させる駆動手段をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。
【請求項13】
前記多数のソーラーモジュール板は、
前記両方向のうちどちらか一方の面に平行に形成された多数のソーラーモジュール板が互いに連動されて一緒に左右方向に回動されることを特徴とする請求項11に記載の屋根設置型両方向太陽光追跡集光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−283323(P2010−283323A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223528(P2009−223528)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(509269942)グリーン プラス カンパニー リミテッド (6)
【出願人】(509269953)
【Fターム(参考)】