説明

崩壊性の充填可能な錠剤

i) ガス吸着により測定されたとき、少なくとも50 m2/gの比表面積(BET表面積)を有する吸収材料またはそのような吸収材料の混合物を少なくとも60重量%、および
ii) 崩壊剤または崩壊剤の混合物
を含む圧縮された形態にある崩壊性の充填可能な錠剤であって、圧縮形態にある該錠剤が、
a) 45容量%以上の多孔度、
b) 少なくとも20 ニュートンの硬度、および
c) 少なくとも30%の液体を充填するキャパシティ
を有する、崩壊性の充填可能な錠剤。
該錠剤は、例えば活性物質を含む液体中に錠剤を浸漬することにより、活性物質含む錠剤を製造するのに適している。したがって、本発明は医薬の錠剤を製造する安全で再現可能な新規方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む、医薬的に許容される液体製剤を、容易で融通がききしかも再現できる方法で比較的多量に包含させることのできる、圧縮形態にある新規な崩壊性の錠剤製品に関する。
【0002】
この新規な錠剤は、大規模なバッチで製造することができ、かつ使用するまで貯蔵することができ、しかも各バッチもしくはサブバッチは同一のまたは異なった液体製剤および/または活性物質を包含することができる。
本発明は、そのような液体製剤を含む錠剤、ならびにその製造方法を提供するものでもある。
【0003】
本発明は、活性物質の利用可能性に影響を与える、例えば経口投与されると活性物質が短時間で放出され吸収されるための崩壊性賦形剤の添加により実質的に速やかな放出をもたらすのに適した、活性物質を含む錠剤を得るための手段を提供する。
【0004】
本発明は、錠剤に水溶性の低い物質を含ませるのに、特に放出および吸収を向上させるために該物質が微結晶および/またはアモルファスの形態で運搬されるのが好ましいような場合に、特に適している。
【0005】
したがって、本発明は、活性物質の利用可能性に影響を与える、例えば経口投与されるや放出され吸収されるような比較的多量の液体とともに活性物質を含む錠剤を得るための手段を提供する。
【背景技術】
【0006】
多くの医薬物質は、特に例えば水溶性および経口による生物学的利用可能性に関して望ましくない性質を有しており、また将来の医薬物質の多くもそのような性質を有するものと予測される。
【0007】
したがって、特に治療的および/または予防的に活性な物質が比較的簡単な方法で身体に送達され、同時に所期の治療的および/または予防的な応答が得られるような、新規な技術が渇望されている。
【0008】
医薬の分野では、通常、1つ以上の医薬および種々の賦形剤を含む医薬組成物が製造されている。そのような医薬組成物を製造する理由は、医薬組成物を摂取した後の活性化合物の利用可能性を巧みに計るためである。
【0009】
経口投与用の医薬組成物を製造するために、活性化合物を錠剤に圧縮したり、あるいはカプセル中に充填したりできる形態にするために、活性物質はしばしば凝集製剤中に組み入れられる。
【0010】
活性物質を錠剤に圧縮できる形態にするほかに、凝集は、顆粒を含む医薬組成物を摂取した後、活性化合物の所期の利用可能性を確実なものとすることも意図している。
【0011】
水溶性の乏しい医薬の経口による生物学的利用可能性を高めること、ならびに水溶性の高い医薬の持続放出製剤を提供することは、医薬の開発における最もチャレンジ的な目標の1つとして残っており、凝集技術のさらなる開発はこれらの目標にとって価値あるツールを提供し得る。
【0012】
造粒のために一般に用いられている技術は湿式造粒であり、そこでは活性物質を含む粉末の混合物が、顆粒を製造するための機械的な作用の下に、液体、通常、水性の媒体と混合される。通常、湿式造粒により製造された顆粒は、使用前に乾燥される。
【0013】
溶融凝集および調整凝集は活性物質の凝集技術であり、油または油様物質のような医薬的に許容される担体を溶融し、溶融担体中に1つ以上の活性化合物を溶解または分散させ、このようにして製造された混合物を粒状の物質、充填剤上に沈積させ、次いで粒子を相互に付着させて集塊を形成することにより行なわれる。
【0014】
WO 03/004001(本出願人による)は、粒状の物質を比較的多量の油または油様物質で充填し得る、調整凝集の新規な技術を記載している。この技術は、油または油様物質を含む担体組成物を粒状物質上に噴霧することを含む方法に基づいている。この方法の条件は粒状物質が比較的多量の油または油様物質で充填されるのを可能ならしめる。
【0015】
通常、この方法は担体組成物を加熱し、その担体組成物の温度を適用の間、維持することを含む。上記の適用は噴霧により行なわれるので、噴霧ノズルの凝固などに関連する問題を避けるために、噴霧装置の厳密な温度管理が求められる。
【発明の開示】
【0016】
本発明者らは極めて簡単な解決方法を見出した。彼らは、医薬的に許容される不活性な賦形剤だけを含む錠剤(その中に活性物質を組み込むのが好ましい場合もある)を製造し、その錠剤が例えば活性物質を含む医薬的に許容される液体製剤に付されたときに、錠剤がその多孔性ゆえに液体製剤を錠剤中へ吸収することを見出した。
【0017】
最も驚くべきことに、不活性な錠剤のこの充填は、比較的短時間で起こり、しかも再現性があり、例えば同じタイプと大きさの錠剤および液体製剤が用いられたときには、同じ量の液体製剤が吸収されるということである(後記の実施例参照)。
【0018】
さらに、本発明者らは、錠剤中に充填される活性物質の十分な放出および/または放出速度を確保するために、錠剤中に1種以上の崩壊剤を組み込むことが重要であるということを観察した。
【0019】
1種以上の崩壊剤の組込みは、活性物質の比較的迅速な放出、および/または必然的に完全な放出を確実なものとするために、特に重要である。特に所期の効果を達成するのに必要な1種以上の崩壊剤の濃度は比較的低いので、1種以上の崩壊剤の組込みは多孔性の錠剤の充填キャパシティに実質的に影響しないものと予想される。
【0020】
以前、本発明者らは特定の多孔性の錠剤組成物中への1種以上のスーパー崩壊剤の混入は、活性物質の放出に実質的な影響を与えないものと信じていた。
しかしながら、この明細書に記載の実施例で示されるように、現実はもっと複雑であることが分かった。かくして、例えば液体組成物で充填された多孔性の錠剤の崩壊時間は、用いられる液体の個々のタイプに極めて大きく依存しており、錠剤の湿潤を促進する1種以上の親水性物質と任意に組み合わさったスーパー崩壊剤を含む崩壊剤の使用は、液体組成物の手段により多孔性錠剤中に充填された活性物質の放出速度に顕著な影響を及ぼしているようである。
【0021】
したがって、本発明は、1種以上の崩壊剤の組込みが活性物質が充填された錠剤からの該物質の比較的速い放出を促進するために重要であるという観察に基づいている。
【0022】
さらに、特定の実施態様において、湿潤剤または加湿剤のような親水性の添加剤の組込みは、錠剤に対する水の影響を高め、錠剤の速やかな崩壊および/または錠剤からの活性物質の速やかな放出に貢献しているものと思われる。
【0023】
発明者らが知っているところによれば、上記の性質を有する不活性な錠剤が、活性物質を含む液体で充填され得るものとは、医薬分野で認識されていなかったし、そのように用いられていなかった。
【0024】
US 2002/0086055(Alza Corporation)は、液体を含む多孔性の粒子を浸透性のプッシュ層投与形態中に分散させることにより、医薬の液体製剤が固体投与形態で提供される製剤に関するものである。そこでは充填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0025】
WO 00/38655(Alza Corporation)は、複数の粒子を含む投与形態に関するものである。粒子は充填された多孔性の粒子であり、そこでは多孔性粒子の孔を満たすために用いられる組成物は、固める工程の間中、孔に保持されるのに適合した液状の活性物質の製剤である。充填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0026】
WO 002005/051358(Alza Corporation)は、医薬送達システムに関するものであり、医薬がポリマーと複合して、多孔性の担体と接触しており、該医薬ポリマー複合体は水と接触すると解離する。錠剤は、医薬と混合する通常の充填または錠剤に圧縮する前の顆粒により形成され、該製剤はALZA OROS(商標)PUSH-PULLシステムで用いられることが、Alza CorporationのUS 2002/0086055および上記のWO 00/38655の記載により示唆されている。装填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0027】
US 6,399,591は、濃度が0.1〜5%の吸収性物質および98%までの希釈剤もしくは結合剤および10%までの崩壊剤を含む空の錠剤に関するものである。5つの実施例において、吸収剤は1.25%もしくは1.53%の濃度で用いられ、14%まで充填されている。したがって、本発明による高度に多孔性の圧縮錠剤に関する教示はない。
【0028】
US 2005/0019398は、スーパー崩壊剤および0.98〜209m2/gの範囲の表面積を有する分散剤を含む、フラッシュメルト経口投与形態に関するものである。充填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0029】
US 2004/0253312は、固形の核および1つ以上の開口を含む殻を有する経口投与形態に関するものである。核は40%より低い、好ましくは30%の多孔度を有すると記述されている。該錠剤の核は、圧縮前に成分を活性物質と混合することにより形成される。充填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0030】
WO 03/063831は、溶解性の低い活性成分が高度に充填された錠剤の製造に関するものである。高度の充填は、濃度を高めるポリマーを含む医薬の多孔性の固形分散体を製造することにより得られる。多孔性の固形分散体は、錠剤の許容できない低い多孔度をもたらし得る錠剤に圧縮したときに、プラスチックが変形しやすい傾向を有すると記述されている。錠剤が、その迅速な崩壊を引き起こすために錠剤中に水が十分に浸透するのを許容するのに十分な多孔度を有するのを確実にするために、圧縮前の組成物にポロシゲンを含ませることにより、少なくとも0.15の多孔度が得られる。充填可能な圧縮錠剤は開示されていない。
【0031】
本発明により提供される錠剤は、あらゆるタイプの活性物質で充填されることができ、その上活性物質のどのようなタイプの放出にもデザインされ得る。
すべての場合に、活性物質は液体の形態になければならない。活性物質自体が液体であってもよく、あるいは錠剤を活性物質で充填する前に適当な媒体中に分散もしくは溶解していてもよい。
【0032】
不活性な錠剤への充填は、その錠剤中に含まれる吸収剤の種類、性質および濃度に依存する。しかしながら、臨界的なパラメーターは、錠剤中に含まれる吸収剤の性質だけでなく、錠剤自体の性質でもある。この目的のために、最も臨界的な性質は、錠剤が、
i) 十分な量の医薬的に許容される液体製剤を吸収し、
ii) 錠剤の表面から液体製剤が滲み出ないで、吸収された量を保管期間中、維持し、そして
iii) インビトロ溶出試験に付されたとき、そして/またはヒトを含む動物のような対象に経口投与されたときに、活性物質を放出する
という性能を有することである。
【0033】
この明細書において、「吸収」という語は、吸収および吸着を含む意図であり、したがって吸収材料は吸収物質および吸着物質を含む。
【0034】
これらの要件を満たすために、本発明者らは、充填されるべき錠剤の臨界的な性質の一つは錠剤の多孔度であると特定した。
かくして、本発明は、
i) ガス吸着により測定された比表面積(BET表面積)が少なくとも50 m2/g である吸収材料またはそのような吸収材料の混合物を少なくとも60% w/w、および
ii) 崩壊剤または崩壊剤の混合物
を含む圧縮された形態の充填可能な崩壊性の錠剤であって、
a) 45容量%以上の多孔度、
b) 少なくとも20ニュートンの硬度、および
c) 少なくとも30%の液体物質または液体組成物を充填する能力
を有する、圧縮された形態にある錠剤に関するものである。
【0035】
したがって、一つの観点において、本発明は医薬的に許容される液体製剤のための医薬担体組成物としての、45容量%以上の多孔度を有する充填可能な崩壊性の錠剤に関する。
【0036】
医薬の分野で用いられる通常の錠剤は、きわめて低い多孔度を有している。きわめて多孔性の錠剤を避ける理由の一つは、そのような錠剤が、包装および保管中に錠剤の通常の取扱いを可能ならしめるのに十分な丈夫さ有していないからである。すなわち、そのような錠剤は、硬度および砕けやすさに関して薬局方の要件を満たしていないからである。
【0037】
さらに、もう一つの臨界的なパラメーターは、錠剤から活性物質を放出すべく活性物質が充填された錠剤の性能および達成可能性である。この目的のために、一つの臨界的なパラメーターは、錠剤中の崩壊剤の存在にあるようである。
【0038】
多孔度は、後記の実施例における等式1による、錠剤中の空洞と錠剤の総量との間の容量比であると定義される。
「充填能力」という語は、後記の実施例1で定義されている。
【0039】
充填可能な錠剤
この明細書の中で、「不活性な錠剤」という語は、治療的効果に関して一般に不活性であると考えられている成分だけを含む錠剤を意味するのに用いられている。
より詳しくは、そのような錠剤は、充填剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、潤滑剤などからなる群から選択される医薬的に許容される賦形剤、例えば、pH調整剤、緩衝剤、エンハンサー、湿潤剤、可溶化剤、界面活性剤、抗酸化剤などの添加剤を含む。
【0040】
本明細書中で用いられている「充填可能な錠剤」という語は、上記のように定義される「不活性な錠剤」を指すが、該錠剤は液体の適当な充填を可能ならしめるために少なくとも約45容量%の多孔度、通常の取扱いに耐えるのに十分な機械的強度を確保する少なくとも20kNの適当な硬度、およびさらに30%以上の充填キャパシティを有する。
【0041】
しかしながら、場合によっては、そのような錠剤中に活性物質を含んでいてもよく、したがって、「充填可能な錠剤」という語はそのような場合も含む。好ましい態様において、錠剤は「不活性で充填可能」であり、充填前には活性物質と接触していない。
【0042】
しかしながら、後記の実施例に示されているように、本発明者らは、高い多孔度を有する錠剤を、好ましくは一つ以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質(以下、「活性物質」と略す)を含む医薬的に許容される液体で充填できることを見出した。
【0043】
充填された錠剤は、十分に丈夫であり、さらなる加工(例えばコーティング)、包装、保管等に耐え、硬度および崩壊性に関して薬局方の要件を満たしている。
【0044】
特定の態様において、本発明による充填可能な崩壊性の錠剤は−以下に記載のように試験されたとき−(充填された固体投与形態の全重量に基づいて)例えば少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%あるいは少なくとも50重量%のように、少なくとも30重量%のコーンオイルで充填された錠剤をもたらす。
【0045】
そのような試験は、錠剤が、その製造に用いるのに適した液体製剤を吸収する能力を有していることを保証している。
重要な観点の1つは、液体が一旦吸収されると、それが錠剤中に留まるということである。したがって、液体で充填した錠剤20個の平均重量の変動は、例えば少なくとも3か月間、少なくとも6か月間、あるいは少なくとも1年間のように、少なくとも1か月間、常温で保管したとき、例えば多くても± 7.5%、多くても± 5%、多くても± 2.5%あるいは多くても± 1%のように、多くても± 10%である。
【0046】
上記のように、本発明による充填可能な錠剤は、丈夫であり、錠剤の通常の取扱いに十分耐え得る。すなわち、本発明の錠剤は、例えば約25 N以上、約30 N以上、約35 N以上、約40 N以上、約45 N以上あるいは約50 N以上のように、20 N以上の硬度を有している。硬度の上限は、例えば約120 Nのように、 約150 Nである。
【0047】
一方における錠剤の高い多孔度と、他方における適度に高い硬度とのバランスがあるのは当然である。硬度は錠剤の圧縮度合い、すなわち錠剤がどれだけ硬く圧縮されているかを表しているから、通常、より硬い錠剤はより低い多孔度の錠剤をもたらす。
【0048】
しかしながら、以下に記載されている吸収材料を用いることにより、本発明者らは、錠剤の十分な硬度、錠剤の優れた多孔性および錠剤の優れた充填キャパシティの間で適当なバランスが得られることを見出した。
【0049】
さらに、本発明による錠剤は、例えば約4%以下、約3%以下、約2%以下のように、約1%以下の砕けやすさを有している。
【0050】
上記のように、本発明による充填可能な錠剤は、一つ以上の吸収材料、および医薬的に許容されるさらなる賦形剤を任意に含んでいる。
しかしながら、少なくとも一つの吸収材料は錠剤に45容量%以上の多孔度を与えるという点に合致した性質を有しており、かつこの吸収材料は得られる錠剤が所期の多孔度を有するのに十分な量で存在するということが、重要である。
【0051】
そのような吸収材料は、一般に医薬的に許容される賦形剤であり、場合によっては、この明細書中で「医薬的に許容される多孔性付与賦形剤」と称される。
この目的のために、本発明者らは、吸収材料が、多くとも50重量%のラクトース、または例えばEmcompress のような直接打錠に用いられる医薬的に許容されるその他の賦形剤とともに錠剤に成形され、かつ得られる錠剤が45容量%以上の多孔度を有していれば、かかる医薬的に許容される賦形剤は本発明で用いられるのに適しているということを見出した。ラクトースの質は、直接打錠用である。
【0052】
上記の性質を有する(すなわち上記の試験に適合する)吸収材料の充填可能な錠剤中における合計量は、例えば錠剤の全重量100重量%に対して、例えば少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%あるいは少なくとも98重量%のように、少なくとも50重量%に相当する。
【0053】
前記のように、崩壊剤も錠剤中に存在している。したがって、崩壊剤が錠剤の多孔性に関連する上記のような性質を有していない場合、上記の性質を有する(すなわち上記の試験に適合する)吸収材料の合計量は、例えば少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%あるいは少なくとも85重量%のように、少なくとも50重量%に相当し、錠剤中に存在する1種以上の崩壊剤の濃度は、多くても15重量%である。
【0054】
したがって、錠剤の充填可能性が多孔度に依存しているという事実により、吸収材料の濃度ができるだけ高くなるのを確実にするために、錠剤中の他の成分の濃度をできるだけ低く保つのが有利であるということに留意するのが重要である。換言すれば、高い充填が望ましいのであれば、多孔度を与える賦形剤の濃度を高くするのが好ましい。逆もまた同様である。
【0055】
好ましい観点では、1種以上の吸収材料は、錠剤中に約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上あるいは約95重量%以上のように、約50重量%以上の濃度で存在する。
【0056】
さらに、重要なことは、吸収材料の比表面積(BET 表面積)がガス吸収により測定したとき、例えば少なくとも50 m2/gのように、比較的高くなければならないということである。
具体的な態様において、上記の比表面積は、例えば150 m2/g 以上、200 m2/g 以上、250 m2/g 以上、300 m2/g 以上、350 m2/g 以上、あるいは400 m2/g 以上のように、約100 m2/g 以上の大きさである。
【0057】
本発明の充填可能な崩壊性の錠剤に適当な多孔度を与え得るのに適した性質を有する、医薬的に許容される吸収材料のリストが以下に示されている。多孔度に関して目的が全面的に達せられるかぎり、個々の吸収材料は単独で、あるいは組み合わせて用いられ得る。
【0058】
この目的のために、上記の錠剤はある種の圧縮力を用いることにより、錠剤に圧縮成形される。しかしながら、錠剤の硬度および砕けやすさは錠剤が十分に丈夫であることを確かにする要件であり、圧縮力はこれらの要件が満たされなくなるほど低くはない。
【0059】
本発明による錠剤を得るのに用いられ得る適当な吸収材料は、酸化金属、金属シリケート、金属カーボネート、金属ホスフェート、金属サルフェート、糖アルコール、糖、セルロースおよびセルロース誘導体からなる群から選択される。
上記の金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタンおよび珪素からなる群から選択される。
【0060】
本発明で用いるのに適した金属オキサイドは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、Tronox A-HP-328およびTronox A-HP-100を含む酸化チタン、Aerosil、Cab-O-Sil、Syloid、Aeroperl、Sunsil (シリコンビーズ)、Zeofree、Sipernatを含む2酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
特別の態様において、上記の酸化金属は、2酸化チタンもしくは2酸化ケイ素またはそれらの混合物である。
シリケート類は次の群に分けられる。
・緑粘度タイプの膨潤性クレイ、例えばベントナイト、ビーガム、ラポナイト
・含水アルミニウムシリケートまたはアルカリ金属。ノイシリンはこのグループに属し、合成的な重合に基づいている(メタ珪酸アルミニウムマグネシウム)。
【0062】
・2酸化ケイ素はさらに多孔性および非多孔性シリカに分けられる。
・非多孔性のコロイダルシリカ、例えばAerosil (蒸発シリカ)
・多孔性のシリカゲル、例えばSyloid、Porasil、Lichrosorp
・その他、例えばZeopharm S170、Zeopharm 6000、Aeroperl 300
【0063】
Neusilinは、Al2O3含量29.1〜35.5%、MgO含量11.4〜14.0 %およびSiO2含量29.2〜35.6%のメタ珪酸アルミニウムマグネシウムの異なったグレードの商品名である。
【0064】
本発明において好ましいタイプのNeusilinは、打錠に適した、表面積110 m2/g およびオイル吸収能1.3 ml/gを有するNeusilin S1;表面積110 m2/gおよびオイル吸収能1.3 ml/gを有するNeusilin SG1;表面積250 m2/gおよびオイル吸収能2.2 ml/gを有するNeusilin NS2N;ならびに表面積300 m2/gおよびオイル吸収能3.0 ml/g を有するNeusilin US2 (製造者の仕様書による)のグレードの、球形の微細な顆粒である。
【0065】
したがって、本発明による充填可能な崩壊性の錠剤は、Aerosilタイプのフュームシリカを含む非多孔性の酸化金属および/または例えばSyloid、PorasilおよびLichrosorpを含む多孔性のシリケートを含み得る。
【0066】
その他の態様において、本発明で用いられる吸収材料は、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸マグネシウム、例えばHubersorpのような合成珪酸カルシウムを含む珪酸カルシウム、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、例えばZeolexのような珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、メタ珪酸アルミニウムマグネシウム、メタ珪酸アルミニウム、Neusilin SG2 およびNeusilin US2 ならびにそれらの混合物からなる群から選択される珪酸金属塩である。
【0067】
珪酸金属塩は、ベントナイト、ビーガムおよびラポナイトからなる群から選択される緑粘土タイプの膨潤性クレイであってもよく、そして/または珪酸金属塩は珪酸アルカリ土類金属塩およびメタ珪酸アルミニウムマグネシウムを含む珪酸アルミニウムから選択される。特別の態様において、珪酸金属塩はNeusilinである。
【0068】
その他の吸収材料は、個々の賦形剤が特定の品質であるときのみ前記の要件を満たす場合もあるが、次の賦形剤の中に見出される。
【0069】
上記のように、適当な吸収材料は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛および炭酸アルミニウムならびにそれらの混合物からなる群から選択される炭酸塩のような炭酸金属塩であり得る。
上記の炭酸金属塩のあるものは、後記の発泡崩壊性錠剤の製剤化に用いるのに特に適している。
【0070】
本発明における使用に適したその他の塩は、燐酸ナトリウム、燐酸水素2ナトリウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カリウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸亜鉛および燐酸アルミニウムからなる群から選択される燐酸金属塩である。
【0071】
より具体的には、吸収材料は2塩基性無水燐酸カルシウム、2塩基性燐酸カルシウム2水和物および3塩基性燐酸カルシウムからなる群から選択される燐酸カルシウムである。
【0072】
2塩基性の無水燐酸カルシウムは、典型的にはA-Tab、燐酸1水素カルシウム、オルト燐酸カルシウム、Di-Cafos AN、オルト燐酸2カルシウム、E341、無水のEmcompress、Fujicalin、燐酸カルシウム塩 (1:1)、および2級燐酸カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0073】
2塩基性の燐酸カルシウム2水和物は、Cafos、オルト燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸1水素カルシウム2水和物、Calipharm、Calstar、Di-Cafos、オルト燐酸2カルシウム、DI-TAB、Emcompress、燐酸カルシウム塩 (1:1)2水和物、2級燐酸カルシウム、Fujiclin SGからなる群から選択される。
【0074】
3塩基性の燐酸カルシウムの例は、例えばヒドロキシアパタイト、 燐酸カルシウム塩 (2:3)、沈降燐酸カルシウム、3級燐酸カルシウム、Tri-Cafos、ジオルト燐酸3カルシウム、オルト燐酸3カルシウム、燐酸3カルシウム、TRI-CAL、WG、TRI-TABである。
【0075】
その他の適当な金属塩は、例えば硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛および/または硫酸アルミニウムのような硫酸金属塩である。
【0076】
適当な硫酸カルシウムの例は、例えば無水物、無水石膏、石灰の無水硫酸塩、Destab、Drierte、E516、カルステナイト、ムリアサイトおよびSnow Whiteを含む無水の硫酸カルシウム、またはアラバスター、Cal-Tab、Compactrol、Destab、E516、石膏、ライトスパール、ミネラルホワイト、天然の硫酸カルシウム、沈降硫酸カルシウム、サティナイト、サティンスパール、セレナイト、テラアルバおよびUSG Terra Albaを含む硫酸カルシウム2水和物である。
【0077】
その他の態様において、吸収材料は、ソルビトール(例えばSorbogem(SPI Pharma)のような)、キシリトール、マンニトール(例えばMannogem(SPI Pharma)のような)、マルチトール、イノシトール、マンニトール(例えばPealitol SP 100) からなる群から選択される糖アルコール、および/またはサッカロース、グルコース、フルクトース、ソルボース、キシロース、ラクトース、デキストラン、デキストラン誘導体、シクロデキストリンを含むモノ−、ジ−もしくはポリサッカライドからなる群から選択される糖であってもよい。以下の記載から明らかなように、そのような物質は湿潤剤もしくは加湿剤として作用する親水性の物質を含んでいてもよい。
【0078】
セルロースおよびセルロース誘導体も、本発明の錠剤を得る目的に適した吸収材料である。
しかしながら、これらの物質は十分な多孔性を与えるには効果が劣るようである。その例は、セルロース、微結晶性セルロース、Celphere、多孔性セルロースビーズを含むセルロース誘導体;セルロースアセテートCelluflow TA-25およびセルロースCelluflow C-25、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む。
【0079】
上記のように、本発明の多孔性の崩壊性錠剤における重要な成分は、1種以上の崩壊剤である。この目的のために、通常用いられている崩壊剤およびいわゆるスーパー崩壊剤の両方が用いられ得る。
【0080】
好ましい態様において、(崩壊剤なしで製剤化された錠剤と比べて)崩壊時間の十分な短縮が得られるかぎり、崩壊剤の濃度はできるだけ低いのが望ましく、したがってスーパー崩壊剤が好ましい。
【0081】
スーパー崩壊剤は、通常、より優れた崩壊力、すなわち低い濃度(すなわち、約10-15重量%)のスーパー崩壊剤を用いることにより、錠剤の許容できる崩壊性が得られる。
【0082】
スーパー崩壊剤は、医薬の固形投与形態:錠剤、顆粒剤、カプセル剤または坐剤中に用いられ、通常、胃腸の体液と接触したときに崩壊を効果的に促進する。
【0083】
それらの作用メカニズムは、膨潤、毛細管作用または変形を含む。一般的なスーパー崩壊剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、 (Ac-Di-Sol(商標)、CLD-2(商標)) および架橋ポリビニルピロリドン(Polyplasdone-X1R、Polyplasdone-XL 10R、Kollidon-CLR)は、いろいろな所から入手することができ、それらは異なった性質を有する。
【0084】
1〜8%、1〜3%および0.5〜5%の低い濃度で、いずれも一般に良好な崩壊をもたらす。それらの崩壊効果は、それら自体の物理的および化学的な性質、希釈剤ならびに製造および保管の方法に依存している。
【0085】
多くの崩壊剤の中から選択し得るが、適当な崩壊剤の調査は進行中であり、天然品、例えば: ホルマリン−カゼイン、L-HPC、キチン、キトサン、重合寒天アクリルアミド、キシラン、スメクタ、キー-ジョ-クレイ、架橋カルボキシメチルグアーおよび変性タピオカ澱粉の使用および修飾を含む。これらはいずれも本発明の充填された錠剤の崩壊剤もしくは崩壊剤混合物の成分、あるいは「崩壊主成分」として含まれる。
【0086】
その他の例は、例えばアルギン酸またはアルギネート、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉、α化澱粉、カルボキシメチル澱粉(例えばPrimogel(商標)およびExplotab(商標))などを含む。
【0087】
この明細書で用いられる「崩壊主成分」とは、一緒になって充填された錠剤の崩壊を改善する物質の組合せを意味し、例えば浸透性の物質と一緒になって膨潤し得る崩壊剤;発泡剤と一緒になった崩壊剤;および異なった崩壊剤の組合せが含まれる。
【0088】
さらに、実施例で示されているように、異なった担体は錠剤の崩壊に対して異なった効果を有しているので、担体の系との関係で上記の用語は特定の崩壊剤を選択するために用いられ得る。
【0089】
その上、異なった崩壊主成分は、例えば本発明の錠剤において崩壊効果を有する未知の賦形剤の使用に基づいて、そして/または崩壊剤を崩壊に対して相乗的効果もしくは改善効果を有する他の賦形剤と組み合わせて、そして/または担体の系および所望の崩壊時間または放出に関連して崩壊剤を最適化して適用される。
【0090】
この目的のために、ジェランガムが本発明においてスーパー崩壊剤としての挙動を示すことを本発明者らが見出したことは、特筆すべきことである。特定の態様において、崩壊剤はジェランガムであり、あるいはまたジェランガムは崩壊剤混合物の1成分でもある。
【0091】
本発明による錠剤において、通常、1種以上の崩壊剤は、0.2%〜10重量%のように、0.3〜8重量%のように、0.4〜8重量%のように、0.5〜5重量%のように、0.1重量%〜15重量%の濃度で存在する。特別な態様において、その濃度は少なくとも1重量%である。
【0092】
より具体的には、崩壊剤または崩壊剤混合物を含む本発明の錠剤は、同じ量の崩壊剤または崩壊剤混合物を含まない錠剤と比べて、錠剤の崩壊時間を短縮する。
特別の態様において、本発明による錠剤は、ヨーロッパ薬局方に従って試験したときに、最大90秒のように、最大60秒のように、最大45秒のように、最大35秒のように、最大30秒のように、最大25秒のように、最大でも120秒の崩壊時間を有する。
【0093】
さらに、あるいはその代わりに、特定の態様において、本発明による錠剤において、治療的、予防的および/または診断的に活性な物質の25%または50%または75%または80%の放出時間は、崩壊剤を含まない同様の錠剤について米国薬局方による溶出試験により測定された同じ溶出%のための時間の多くとも40%のような、多くとも30%のような、多くとも20%のような、多くとも50%に低減されている。
【0094】
本発明の錠剤の崩壊、および本発明の錠剤からの治療的、予防的および/または診断的に活性な物質の放出は、調節することもできる。
この目的のために、治療的、予防的および/または診断的に活性な物質の少なくとも33%のような、少なくとも50重量%のような、少なくとも25%が、米国薬局方による溶出試験法により測定したときに30分以内に放出され、そして/または治療的、予防的および/または診断的に活性な物質の少なくとも80重量%が、米国薬局方による溶出試験法により測定したときに45分以内に放出される。
【0095】
さらに、興味深い態様において、崩壊剤は、固形の錠剤または錠剤成分と水との接触を促進することにより、湿潤剤のような挙動を示す親水性の物質と組み合わせて用いられる。
【0096】
そのような物質は、崩壊時間の全面的な短縮(以下の実施例参照)に貢献しているようであり、(スーパー崩壊剤を含み)崩壊剤の効果がそのような親水性物質の存在下に改善されているようである。存在する場合、そのような親水性物質の濃度は、通常、例えば多くても約10重量%、多くても約7.5重量%、多くても約5重量%、多くても約2.5重量%のように、多くても約15重量%である。
【0097】
さらに、親水性物質は崩壊剤と水の接触を高めることができる。
本発明で用いるのに適した親水性物質の例は、例えば糖および糖アルコールおよびポリオールである。好適な糖の具体的な例は、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、キシロース、ソルボース、マルチトース、ラフィノースおよびラクトースを含む。
【0098】
好適な糖アルコールの具体的な例は、キシリトール、エリシトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、イノシトールを含み、好適なポリオールの具体的な例は、例えばグリセロールを含む。
【0099】
したがって、崩壊剤混合物または本発明による主薬の混合物は、膨潤性のガム、好ましくはジェランガム、スーパー崩壊剤、発泡剤、およびキシリトールのような浸透性および/または親水性の成分ならびに錠剤の崩壊性を改善もしくは調節するその他の医薬的な賦形剤から選択される二つ以上の成分を含むことができる。
【0100】
本発明による充填可能な崩壊性の錠剤に用いられる医薬的に許容されるその他の賦形剤
充填可能な錠剤は、錠剤の製造に通常用いられるようなその他の医薬的に許容される賦形剤ももちろん含むことができる。
【0101】
本明細書において、「医薬的に許容される賦形剤」という語は、それ自体がいかなる治療的および/または予防的な効果を実質的にもたないという意味で不活性な物質を意味している。そのような賦形剤は、許容される技術的な性状を有する医薬品、化粧品および/または食品組成物の製造を可能ならしめる目的で添加され得る。
【0102】
本発明の充填可能な崩壊性の錠剤に用いられるそのような賦形剤の例は、充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤など、またはそれらの混合物を含む。
本発明による組成物または固形の投与形態は、異なった目的に使用され得るので、賦形剤の選択はそのような異なった使用目的を考慮に入れて行なわれる。
【0103】
その他の医薬的に許容される好ましい賦形剤は、例えば酸性化剤、アルカリ化剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、着色剤、複合化剤、乳化剤および/または可溶化剤、調味剤および香料、湿潤剤、甘味剤、湿式化剤などである。
【0104】
好ましい充填剤、希釈剤および/または結合剤の例は、ラクトース、(例えば、噴霧乾燥ラクトース、α-ラクトース、β-ラクトース、Tabletose(商標)、種々のグレードのPharmatose(商標)、Microtose(商標)もしくはFast-Floc(商標))、微結晶性セルロース(種々のグレードのAvicel(商標)、Elcema(商標)、Vivacel(商標)、Ming Tai(商標)もしくはSolka-Floc(商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、信越化学の4,000 cpsグレードのメトセルEおよびメトロース60 SH、4,000 cpsグレードのメトセルFおよびメトロース65 SH、4,000、15,000および100,000 cpsグレードのメトセルK;および4,000、15,000、39,000および100,000グレードのメトロース90 SHのような、例えばメトセル E、F および K、メトロース SH、)、
【0105】
メチルセルロースポリマー(例えばメトセルA、メトセルA4C、メトセルA15C、メトセルA4Mのような)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチレン、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびその他のセルロース誘導体、ショ糖、アガロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、マルトデキストリン、澱粉もしくは化工澱粉(バレイショ澱粉、トウモロコシ澱粉、およびコメ澱粉を含む)、燐酸カルシウム、(例えば、塩基性燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、燐酸二カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、コラーゲンなどを含む。
【0106】
希釈剤の具体的な例は、例えば炭酸カルシウム、二塩基性燐酸カルシウム、三塩基性燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、澱粉、糊化澱粉、ショ糖、砂糖などである。
【0107】
結合剤の具体的な例は、例えばアカシア、アルギン酸、寒天、カラギーナンカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、グアガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ペクチン、PEG、ポビドン、糊化澱粉などである。
【0108】
滑剤および滑沢剤も錠剤に含まれていてよい。その例は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはその他のステアリン酸金属、タルク、ワックスおよびグリセライド、ライトミネラルオイル、PEG、グリセリルベヘネート、コロイダルシリカ、水素添加植物油、コーンスターチ、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、硫酸アルキル、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどを含む。
【0109】
本発明の充填可能な崩壊性の錠剤に含み得るその他の賦形剤は、例えば芳香剤、着色剤、味マスキング剤、pH-調整剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿度調整剤、界面活性剤、懸濁化剤、吸収促進剤、放出調節剤などである。
【0110】
本発明による組成物または固形の投与形態におけるその他の添加剤は、例えばアスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜燐酸、モノチオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピルガレート、ホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールヘミサクシネート、TPGS またはその他のトコフェロール誘導体などのような抗酸化剤であり得る。担体組成物は例えば安定化剤を含むこともできる。
担体組成物中の抗酸化剤および/または安定化剤の濃度は、通常、約0.1重量%〜約5重量%である。
【0111】
本発明による組成物または固形の投与形態は、一つ以上の界面活性剤または界面活性作用を有する界面活性物質をも含み得る。そのような物質はわずかに溶解性の活性物質の湿潤に関与して、活性物質の溶解性の改善に貢献することが期待される。界面活性剤の例は以下に示される。
【0112】
本発明による錠剤に用いられる好適な賦形剤は、例えばWO 00/50007にLipocine Inc.という名前で開示されているような両親媒性の界面活性剤である。
【0113】
好適な界面活性剤の例は、
i)例えばポリエチレングリコールの脂肪酸モノ−もしくはジエステル、または例えばポリエチレングリコールとラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、リシノレイン酸とのモノ−もしくはジエステルのようなそれらの混合物のようなポリエトキシル化された脂肪酸であり、上記のポリエチレングリコールはPEG 4、PEG 5、PEG 6、PEG 7、PEG 8、PEG 9、PEG 10、PEG 12、PEG 15、PEG 20、PEG 25、PEG 30、PEG 32、PEG 40、PEG 45、PEG 50、PEG 55、PEG 100、PEG 200、PEG 400、PEG 600、PEG 800、PEG 1000、PEG 2000、PEG 3000、PEG 4000、PEG 5000、PEG 6000、PEG 7000、PEG 8000、PEG 9000、PEG 1000、PEG 10,000、PEG 15,000、PEG 20,000、PEG 35,000から選択され得る;
【0114】
ii)ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、すなわち上記のようなエステルではあるが、個々の脂肪酸のグリセリルエステルの形態にある;
iii)グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、PEGまたはソルビトールの、例えば水素添加ひまし油、アーモンド油、パーム核油、ひまし油、あんず核油、オリーブ油、ピーナッツ油、水素添加パーム核油などの例えば植物油とのエステル;
【0115】
iv)例えばポリグリセロールステアレート、ポリグリセロールオレエート、ポリグリセロールリシノレート、ポリグリセロールリノレートのようなポリグリセル化された脂肪酸;
v)例えば、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールリシノレートなどのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル;
【0116】
vi)例えば、グリセリルモノオレエート、グリセリルジオレエート、グリセリルモノ−および/またはジ−オレエート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプレートなどのような; モノ−およびジ−グリセライド;
vii)ステロールおよびステロール誘導体;
viii) 上記の種々の分子量を有するPEGのエステルのようなポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(PEG-ソルビタン脂肪酸エステル) 、および種々のツイーン(商標)シリーズ;
【0117】
ix)例えばPEGオレイルエーテルおよびPEGラウリルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル;
x)例えばショ糖モノパルミテートおよびショ糖モノラウレートのような糖エステル;
xi)例えばトリトン(商標)XまたはNシリーズのような ポリエチレングリコールアルキルフェノール;
【0118】
xii)例えば、Pluronic(商標)シリーズ、Synperonic(商標)シリーズ、Emkalyx(商標)シリーズ、Lutrol(商標)、Supronic(商標)などのようなポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー。これらのポリマーの一般的な用語は「ポロキサマー」であり、本明細書中で関連する例は、ポロキサマー105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、 215、217、231、234、235、237、238、282、 284、288、331、333、334、335、 338、401、402、403および407である;
【0119】
xiii) 例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノレエート、ソルビタンモノステアレートなどのような、スパン(商標)シリーズまたはAriacel(商標)シリーズのような、ソルビタン脂肪酸エステル;
【0120】
xiv)例えば、オレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートなどのような、低級アルコール脂肪酸エステル;
xv)例えば脂肪酸塩、胆汁酸塩、リン脂質、燐酸エステル、カルボキシレート、スルフェートおよびスルホネートなどのような、カチオン性、アニオン性および両イオン性界面活性剤を含むイオン性界面活性剤。
【0121】
本発明の組成物または固形の投与形態中に界面活性剤または界面活性剤の混合物が存在するとき、界面活性剤の濃度は通常、例えば約0.1〜約20重量%、約0.1〜約15重量%、約0.5〜約10重量%、あるいは例えば約10〜約70重量%、約20〜約60重量%または約30〜約50重量%のような約0.10〜約80重量%のような約0.1〜80重量%である。
【0122】
医薬的に許容される液体で充填された錠剤
上記の錠剤は、それらが(充填された固形の投与形態の全重量に基づいて)例えば約25重量%以上、約30重量%以上のような、約20重量%以上の濃度で、医薬的に許容される液体製剤が充填され得るように設計されている。したがって、もう一つの観点において、本発明はそのような錠剤にも関する。
【0123】
空の錠剤(すなわち充填し得る錠剤)は、活性物質を含む液体中に該錠剤を浸すことにより充填され得る。以下の実施例で記載されているように、錠剤は十分に正確な量の液体を吸い込む、すなわちそれらは十分に正確な量の活性物質で充填される。
【0124】
適当な装置中で錠剤に液体を噴霧するような、その他の方法も採用することができる。例えば遠心分離により過剰の液体を錠剤から除去する必要はない;空気中で乾燥した後、錠剤はべとつくようなことはなく、乾いて滑らかになっている。
【0125】
好ましい観点によれば、医薬的に許容される液体製剤は、(充填された固形の投与形態の全重量に基づいて)例えば約50重量%以上 または約60重量%以上のような、約40重量%以上の濃度で存在する。
液体製剤の充填に関する臨界的なパラメータは、該液体製剤の粘度である。充填は、例えば、液体を入れた適当な容器中に錠剤を置くとか、あるいはコーティングパン、孔あき容器または流動床のような通常のコーティング装置のような適当な装置中で錠剤に液体を噴霧するなど、いずれの可能な方法によっても行なうことができる。
【0126】
液体製剤が錠剤に噴霧されるときには、液体の粘度が特に重要である。したがって、特別な実施形態では、医薬的に許容される液体製剤は、高くても150 ℃の温度において、高くても約600 mPa 秒の粘度を有する。
【0127】
さらに、医薬的に許容される液体製剤は、通常、例えば約5 ℃以上、例えば約10 ℃以上、約15 ℃以上、約20 ℃以上または約25 ℃以上のような、低くて約0 ℃、高くて250 ℃の融点を有する。錠剤を液体製剤で充填する際に、液体製剤を加温または冷却することができるので、融点はそれほど厳密なものではない。
【0128】
医薬的に許容される液体製剤は、水をベースとすることができ、あるいはそれは有機溶媒または油または油様物質をベースとすることもできる。
【0129】
驚くべきことに、発明者らは、本発明による充填可能な崩壊性の錠剤を水に浸漬することができ、水で飽和された(数分以内に起こる)ときに、錠剤が冷たいけれども乾いた表面を有しているように見える、すなわち水および水ベースの液体も医薬的に許容される液体製剤として用いられ得ることを見出した。
【0130】
しかしながら、水もしくは有機ベースの液体中に含まれる活性物質で錠剤を充填することに関して、より一般的な適用性が期待される。そのような液体は、油または油様物質あるいは医薬的に許容される溶媒を含む。
そのような油または油様物質は、水、植物油、水素添加された植物油および動物油からなる群から選択され得る。
【0131】
好ましい例は、アプリコット油、アーモンド油、アボカド油、ひまし油、ココナッツ脂、ココアバター、コーン油、綿実油、グレープシード油、ホホバ油、亜麻仁油、とうもろこし油、オリーブ油、やし油、ピーナッツ油、パーシル(persil)油、けしの実油、なたね油、ごま油、大豆油、ひまわり油、チスル(thistle)シード油、くるみ油、小麦胚芽油、牛脂、ラード、トール油、鯨油、およびそれらの混合物を含む。
【0132】
その他の例は、例えばポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリオキシエチレン;ポリオキシプロピレン;ポロキサマーおよびそれらの混合物のようなポリエーテルグリコールからなる群から選択される親水性の油または油様物質であるか、あるいはそれはキシリトール、ソルビトール、酒石酸ナトリウムカリウム、ショ糖トリベヘネート、グルコース、ラムノース、ラクチトール、ベヘン酸、ヒドロキノンモノメチルエーテル、酢酸ナトリウム、フマル酸エチル、ミリスチン酸、クエン酸、Gelucire 50/13、例えばGelucire 44/14など、Gelucire 50/10、Gelucire 62/05のような他のGelucire タイプ、Sucro-ester 7、Sucro-ester 11、Sucro-ester 15、マルトース、マンニトールおよびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0133】
油および油様物質は、直鎖状飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン;脂肪および例えばカカオバター、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステルのような油; 例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸のような高級脂肪酸;例えばセタノール、ステアリルアルコールのような高級アルコール;例えばグリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、水素添加タロー、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換および/または非置換モノグリセライド、置換および/または非置換ジグリセライド、置換および/または非置換トリグリセライド、黄色蜜蝋、白色蜜蝋、カルナウバろう、ヒマシワックス、ジャパンワックス、アセチレートモノグリセライド;NVPポリマー、PVPポリマー、アクリル酸ポリマー、またはそれらの混合物のような低融点のワックスからなる群から選択される親水性の油または油様物質であってもよい。
【0134】
好ましいポリエチレングリコールは、一般に、例えばポリエチレングリコール1,000、ポリエチレングリコール2,000、ポリエチレングリコール3,000、ポリエチレングリコール4,000、ポリエチレングリコール5,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール7,000、ポリエチレングリコール8,000、ポリエチレングリコール9,000、ポリエチレングリコール10,000、ポリエチレングリコール15,000、ポリエチレングリコール20,000またはポリエチレングリコール35,000のように、例えば約800〜約35,000、約1,000〜約35,000のような、約400〜約35,000の範囲の平均分子量を有する。
ある状況の下では、ポリエチレングリコールは、約35,000〜約100,000の分子量を有するものが用いられる。
【0135】
具体的な実施形態では、油または油様物質は、例えば約2,000〜約100,000、約5,000〜約75,000、約10,000〜約60,000、約15,000〜約50,000、約20,000〜約40,000、例えば約100,000〜約1,000,000、約100,000〜約600,000、約100,000〜約400,000または約100,000〜約300,000のような約100,000〜約7,000,000のような、約2,000〜約7,000,000の分子量を有するポリエチレンオキサイドであり得る。
【0136】
ポロキサマーも本発明で用いることができる。
その例は、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407、あるいはPluronic((商標)および/またはTetronic(商標)シリーズのようなエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのその他のブロックコポリマーを含む。
【0137】
Pluronic(商標)シリーズの好ましいブロックコポリマーは、例えば約4,000〜約20,000のような約3,000以上の分子量および/または例えば約250〜約3,000 cpsのような約200〜約4,000 cpsの粘度(ブロックフィールド)を有するポリマーを含む。
好ましい例は、Pluronic(商標)F38、P65、P68LF、P75、F77、P84、P85、F87、F88, F98、P103、P104、P105、F108、P123、F123、F127、10R8、 17R8、25R5、25R8などを含む。
【0138】
Tetronic(商標)シリーズの好ましいブロックコポリマーは、例えば約9,000〜約35,000のような約8,000以上の分子量および/または例えば約600〜約40,000のような約500〜約45,000 cpsの粘度(ブロックフィールド)を有するポリマーを含む。
上記で示された粘度は、室温でペーストである物質については60 ℃で、室温で固体である物質については77 ℃で測定したときの値である。
【0139】
もう一つの態様において、油または油様物質は、例えばソルビタンジ-イソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキ-イソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリ-イソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレートまたはそれらの混合物のような、ソルビタンエステルであり得る。
【0140】
さらにあるいは、油または油様物質は、例えば親水性および/または疎水性物質の混合物のような異なった油または油様物質の混合物、または例えばプロピレングリコール、Gelucire 44/14を含むポリグルコール化されたグリセライド、テオブロマ(theobroma)油、カルナウバろう、例えばアーモンド油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、ごま油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、パーム核油、ピーナッツ油、レープ油、ぶどう実油などの植物油を含む植物由来の脂肪物質複合体、例えば水素添加ピーナッツ油、水素添加パーム核油、水素添加綿実油、水素添加大豆油、水素添加ひまし油、水素添加ココナッツ油のような水素添加植物油;
【0141】
ミツロウ、ラノリンを含む動物由来の天然脂肪物質、セチル、ステアリル、ラウリック、ミリスチック、パルミチック、ステアリック脂肪アルコールを含む脂肪アルコール;グリセロールステアレート、グリコールステアレート、エチルオレエート、イソプロピルミリステートを含むエステル; Miglycol 810/812を含む液体分子間エステル化された半合成グリセライド;ステアルアミドエタノール、脂肪ココナッツアシッドのジエタノールアミド、モノおよびジグリセライドの酢酸エステル、モノおよびジグリセライドのクエン酸エステル、モノおよびジグリセライドの乳酸エステル、
【0142】
モノおよびジグリセライド、脂肪酸のポリ-グリセロールエステル、ポリ-グリセロール ポリ-リシノレート、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノおよびジグリセライドのジアセチル酒石酸エステルなどを含むアミドまたは脂肪酸アルコールアミドのような溶媒または半固形の賦形剤でもあり得る。
【0143】
医薬的に許容される液体製剤は、乳剤、マイクロエマルジョン、例えば自己微乳化医薬送達システム (SMEDDS)または懸濁液剤を含む分散液剤であってもよい。
【0144】
典型的には、錠剤中の医薬的に許容される液体製剤の濃度は、例えば約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上または約70重量%以上のような、約5重量%以上である。
【0145】
医薬的に許容される液体製剤で充填され得る崩壊性の錠剤を充填して得られる錠剤は、典型的に薬局方の要件を満たしている。したがって、本発明による錠剤は、典型的に少なくとも約20 Nの硬度および/または例えば多くても約4%、多くても約3%、多くても約2%、多くても約1%あるいは多くても約0.5%のような、多くても約5%の砕けやすさを有している。
【0146】
さらに、本発明の充填可能な崩壊性の錠剤中へ液体を充填すると、錠剤中の液体の分布は実質的に均一であると考えられる。
その上、活性物質を実質的に即時にあるいは変更されたやり方で放出するように、錠剤をデザインすることもできる。
【0147】
フィルムコーティングされた錠剤は長くて約30 分の崩壊時間を有し得るのに対して、即時放出用にデザインされた錠剤は、ヨーロッパ薬局方に従って試験したとき、長くても15分の崩壊時間を有している。放出が調節された錠剤では、活性物質の放出が重要である。
【0148】
本発明による素錠では、米国薬局方による溶出試験法で試験したとき、治療的、予防的および/または診断的活性物質の少なくとも75%が30 分以内に放出される。ほかの態様では、錠剤について80%が45分以内に放出される。
【0149】
上記のとおり、好ましい態様は、一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質で充填された錠剤である。
発泡錠の崩壊製剤原理
高度に親油性の環境では、崩壊剤の膨潤性が低下するため、さらなる崩壊剤か賦形剤のどちらかが用いられるか、あるいは他の崩壊原理が適用される。
【0150】
崩壊剤と組み合わせて用いられるそのような他の賦形剤は、発泡効果または高度な浸透性もしくは親水性を有する物質であり、それらは入ってきて崩壊剤と接触する水の量を増加させる。
後者は、ゲルが比較的低い水溶解度を有する溶解層をもたらすので、ゲル化剤とともに重要である。発泡は、二酸化炭素の内部放出により、崩壊性を低下させるかもしれない。発泡錠剤は、炭酸金属塩と酸の源との組合せに基づいている。炭酸金属塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよびセスキ炭酸ナトリウムのようなものである。
【0151】
酸の源は、クエン酸、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、燐酸二水素ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムのようなものである。
錠剤が酸性の胃液中で溶解し、炭酸金属塩と反応したときに、発泡効果が体内で得られるので、酸成分は錠剤中で除くこともできるだろう。
【0152】
コーティング
錠剤は、例えば即時放出もしくは調節された放出用のフィルムコーティング、腸溶性コーティング、放出調節コーティング、保護コーティング、抗付着性コーティングなどでコーティングされていてもよい。
【0153】
好ましいコーティング物質は、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリルポリマー、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、ゼラチン、メタクリル酸コポリマー、ポリエチレングリコール、シェラック、ショ糖、二酸化チタン、カルナウバろう、微結晶性ワックス、ゼインである。
可塑剤およびその他の成分をコーティング物質中に加えてもよい。同じもしくは異なった活性物質がコーティング物質中に加えられてもよい。
【0154】
溶融コーティング
本発明による脂質充填錠剤の疎水性表面は、水性溶媒または有機溶媒中で適用されるコーティングポリマーの付着を阻止するかもしれない。代替法として、通常のコーティング装置を用いて、溶融形態で噴霧され、錠剤の表面で固化する、異なった親油性の溶融性脂質を用いる溶融コーティングが適している。
【0155】
有用な溶融コーティング物質は、ポリグリコール化されたグリセライド(Gelucire 50/02、Gelucire 62/05、Gelucire 53/10)、ポリグリセリルパルミトステアレート、グリセリルベヘネート(Compritol 888 ATO)、グリセリルステアレート(Precirol WL)、グリセリルパルミトステアレート(Precirol ATO 5)、ポリグリコール化された不飽和のグリセライド(Labrafil M1944)のようなものである。
【0156】
活性物質
本発明において、治療的および/または予防的活性物質は、例えばヒトのような哺乳動物のような動物に対する機能を有する、生物学的および/または生理学的に活性ないかなる物質も含む。
【0157】
この用語は、医薬物質、ホルモン、遺伝子または遺伝子配列、抗原含有材料、プロテイン、ペプチド、栄養剤など、例えばビタミン、ミネラル、脂質および炭水化物ならびにそれらの混合物を含む。
【0158】
かくして、この用語は、動物またはヒトを冒す疾患または障害を治療および/または予防するのに有用な物質、あるいは動物またはヒトの生理的な状態を調節するのに有用な物質を含む。この用語は、有効量が投与されたときに、生きている細胞または器官に効果を有する、生物学的に活性な物質をも含む。
【0159】
本発明による錠剤に用いられるのに適した活性物質の例は、原則として、例えば水に対して可溶、わずかに可溶、もしくは不溶な活性物質のような、あらゆる活性物質である。
【0160】
したがって、用いられるのに適した活性物質の例は、例えば抗菌性物質、抗ヒスタミンおよび充血緩和剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、抗ウィルス剤、局所麻酔剤、抗真菌剤、抗アメーバ剤もしくは抗トリコモナス剤、鎮痛剤、抗不安剤、抗血栓剤、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗血液凝固剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗緑内障剤、抗マラリア剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、抗肥満剤、抗精神病剤、抗高血圧剤、鎮咳剤、自己免疫疾患治療剤、抗インポテンス剤、抗パーキンソン剤、抗アルツハイマー剤、解熱剤、抗コリン剤、抗潰瘍剤、食欲抑制剤、ベータブロッカー、ベータ-2 作用薬、ベータ作用薬、血中グルコース低下剤、気管支拡張剤、中枢神経系薬、心臓血管薬、認知症治療剤、避妊剤、コレステロール低下剤、細胞増殖抑制剤、利尿剤、殺菌剤、H-2 ブロッカー、
【0161】
ホルモン剤、催眠剤、筋萎縮症薬、筋弛緩剤、筋収縮剤、精力剤、鎮静剤、交感神経作用薬、血管拡張剤、血管収縮剤、トランキライザー、電解質サプリメント、ビタミン、反射神経剤、興奮剤、抗ホルモン剤、薬物拮抗剤、脂質調節剤、尿酸排泄薬、強心配糖体、去痰剤、下剤、コントラスト物質、放射性医薬、造影剤、ペプチド、酵素製剤、成長因子などである。
具体的な例は、例えば次のものを含む。
【0162】
例えば、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ナロフィンのような抗炎症剤;
例えば、ブロモクリプチン、ビペリジン、ベンゼキソール、ベンズトロピンなどのような抗パーキンソン剤;
例えば、イミプラミン、ノルトリプチリン、ピリチプチリンなどのような抗うつ剤;
【0163】
例えば、クリンダマイシン、エリトマイシン、フシジン酸、ゲンタマイシン、ムピロシン、アンフォマイシン、ネオマイシン、メトロニダゾール、スルファメチゾール、バシトラシン、フラマイセチン、ポリミキシン B、アシトロマイシンなどのような抗菌剤;
【0164】
例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、アンフォテリシン B、ナイスタチン、メピラミン、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、ビフォナゾール、アモロフィン、マイコスタチン、イトラコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、トルナフテートなどのような抗真菌剤;
【0165】
例えば、メトロニダゾール、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニシリンなどのような抗菌剤;
例えば、メトクロプラミド、ドロペリドール、ハロペリドールプロメタジンなどのような制吐薬;
例えば、クロルフェニラミン、テルフェナジン、トリプロリジンなどのような抗ヒスタミン剤;
【0166】
例えば、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、ピゾフィリンなどのような偏頭痛薬;
例えば、ニフェジピン、ジルチアゼムなどのような冠状動脈、大脳もしくは末梢血管拡張剤;
例えば、グリセリルナイトレート、イソソルビドジナイトレート、モルシドミン、ヴェラパミルなどのような狭心症薬;
【0167】
例えば、ヴェラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ニカルジピンなどのようなカルシウムチャネル遮断薬;
例えば、エストラジオール、エストロン、エストリオール、ポリエストラジオール、ポリエストリオール、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、プロゲステロン、ジヒドロプロゲステロン、シプロステロン、ダナゾール、テストステロンなどのようなホルモン剤;
【0168】
例えば、エチニルエストラジオール、リネストレノール、エチノジオール、ノレチステロン、メストラノール、ノルゲストレール、レボノルゲストレール、デソデストレール、メドロキシプロゲステロンなどのような避妊薬;
例えば、ヘパリン、ワルファリンなどのような抗トロンビン薬;
例えば、ヒドロクロロチアジド、フルナリジン、ミノキシジルなどのような利尿剤;
例えば、プロパノロール、メトプロロール、クロニジン、ピンドロールなどのような抗高血圧薬;
【0169】
例えば、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-バレレート、ベタメタゾン-ジプロピオネート、クロベタゾール、クロベタゾール-17-ブチレート、クロベタゾール-プロピオネート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルコルトロン、フルメタゾン、フルメタゾン-ピバレート、フルオシノロンアセトナイド、フルオシノイド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート、ヒドロコルチゾンブテプレート、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトナイド、ハシノニド、フルプレドニドアセテート、アルコメタゾン-ジプロピオネート、フルオコルトロン、フルチカゾン-プロピオネート、モメタゾン-フレート、デスオキシメタゾン、ジフルラゾン-ジアセテート、ハルキノール、クリオチノール、クロルキナルドール、フルオシノロン-アセトナイドなどのようなコルチコステロイド;
【0170】
例えば、ニトロフラントイン、ジトラノール、クリオキノール、ヒドロキシキノリン、イソトレチオニン、メトキサレン、メトトレキセート、トレチオニン、トリオキサレン、サリチル酸、ペニシラミンなどのような皮膚病薬;
例えば、エストラジオール、プロゲステロン、ノレシンドロン、レボノルゲストレール、エチノジオール、レボノルゲストロール、ノルゲスチメート、ゲスタニン、デソゲストレール、3-ケトン-デソゲステレール、デメゲストン、プロメトエストロール、テストステロン、スピロノラクトンおよびそれらのエステルなどのようなステロイド剤;
【0171】
例えば、アミルナイトレート、ニトログリセリンおよびイソソルビドナイトレートなどのようなニトロ化合物;
例えば、モルヒネ、ブプレノルフィン、オキシモルフォン、ヒドロモルフォン、コデイン、トラマドールなどのようなオピオイド;
例えば、ミノプロストール、ジノプロストン、カルボプロスト、エネプロスチルのようなPGA、PGB、PGEまたはPGFシリーズの一つなどのようなプロスタグランジン;
【0172】
例えば、成長ホルモン放出因子、成長因子(例えば、エピデルマル成長因子(EGF)、神経成長因子 (NGF)、TGF、PDGF、インシュリン成長因子(IGF)、フィブロブラスト成長因子 (aFGF、bFGF など)、ソマトスタチン、カルシトニン、インシュリン、バソプレシン、インターフェロン、IL-2など、ウロキナーゼ、セラチオペプチダーゼ、スーパーオキサイドジムスターゼ、チロトロピン放出ホルモン、ルテニジンホルモン放出ホルモン、 (LH-RH)、コルチコトロフィン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、 (GHRH)、オキシトシン、エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF) などのようなペプチド;
【0173】
興味のあるその他の活性物質は、ユビキノン(コエンチームQ10)、そのような脂肪酸を含む魚油を含むオメガ-3 脂肪酸、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチンなどを含むスタチン類、フェノフィブレートを含む。
次のような処方箋薬も興味ある例である。
【0174】
心臓血管系医薬:
Zocor(商標)、Lipitor(商標)、Prevachol(商標)、Mevalotin(商標)、Mevacor(商標)、Lescol(商標)、TriCor(商標)、Norvasc(商標)、CozaarおよびHyzaar(商標)、PrinivilおよびPrinzide(商標)、Diovan(商標)/ Co-Diovan(商標)、Zestril(商標)、Vasotech(商標)およびVaseretic(商標)、Lotensin(商標)/ Cibacen(商標)およびLotrel(商標)、Adalat(商標)、Toprol-XL(商標)/ Seloken(商標)、Tritace(商標)/ Delix(商標)、Accupril(商標)およびAccuretic(商標)、Avapro(商標)およびAvalide(商標)、Plendil(商標)、Monopril(商標)、Blopress(商標)、Atacand(商標)、Tenormin(商標)、Avapro(商標)/ Aprovel(商標)、Coreg(商標)、Altace(商標)、Capoten(商標)、Plavix(商標)、Lovenox(商標)/ Clexane(商標)、Fraxiparine(商標)、ReoPro(商標)、Panaldine(商標)、Cordarone(商標)、
【0175】
中枢神経系医薬:
Paxil / Seroxat(商標)、Zolotoft(商標)、Prozac(商標)、Prozac Weekly(商標)およびSarafem(商標)、Effexor(商標)、Wellbutrin(商標)、Celexa(商標)、Remeron(商標)、Serzone(商標)、Zyprexa(商標)、Risperdal(商標)、Seroquel(商標)、Clozaril(商標)/Leponex(商標)、Neurontin(商標)、Depaktoke(商標)、Lamictal(商標)、Topamax(商標)、Tegretol(商標)、Imitrex(商標)/ Imigran(商標)、Zomig(商標)、Maxalt(商標)、Ambien(商標)、Stilnox(商標)、Ultane(商標)/ Sevorane(商標)、Diprivan(商標)、BuSpar(商標)、Xanax(商標)、Aricept(商標)、Memantine(商標)、Adderall(商標)、Dystonia(商標)、Botox(商標)、
【0176】
抗感染症薬:
Augmentin(商標)、Cipro(商標)/ Ciprobay(商標)、Zithromax(商標)、Biaxin(商標)、Levaquin(商標)およびFloxin(商標)、Rocephin(商標)、Primaxin(商標)、Ceftin(商標)/ Zinnat(商標)、Cravi(商標)、Zosyn(商標)/ Tazocin(商標)、Cefzil(商標)、Tequin(商標)、Tortaz(商標)/ Fortum(商標)、Combivir(商標)、Zerit(商標)、Valtrex(商標)、Epivir(商標)、Zovirax(商標)、Crixivan(商標)、Viracept(商標)、Viramune(商標)、Kaletra(商標)、Diflucan(商標)、Lamisil(商標)、Sporanox(商標)、
【0177】
呼吸器系薬:
ClaritinAllegra(商標)、Telfast(商標)、Zyrtec(商標)、Flonase(商標)/ Flixonase(商標)、Atrovent(商標)、Nasonex(商標)、Rhinocort(商標)、Alesion(商標)、Singulair(商標)、Flovent(商標)/ Flixotide(商標)、Advair(商標)/ Seretide(商標)、Serevent(商標)、Pulmicort(商標)、Ventoline(商標)、Combivent(商標)、Synagis(商標)、Mucosolvan(商標)、
【0178】
胃腸系薬:
Prilosec(商標)/Losec(商標)、Prevacid(商標)、Gaster(商標)、Takepron(商標)、Zantac(商標)、Pantozol、Nexium、Protonix(商標)、Aciphex(商標)/Pariet(商標)、Pepcid(商標)、AxidR、Zoton(商標)、Zofran(商標)、
【0179】
抗がん剤:
Taxol(商標)、Taxotere(商標)、Nolvadex(商標)、Herceptin、Ellence(商標)/ Pharmorubicin(商標)、Lupron(商標)、Zoladex(商標)、Leuplin(商標)、Casodex(商標)、Intron A(商標)、Peg-Intron(商標)およびRebertron(商標)、Rituxan(商標)、Gemzar(商標)、Paraplatin(商標)、Camptosar(商標)、
【0180】
抗関節炎薬/鎮痛薬:
Celebrex(商標)、Vioxx(商標)、Enbrel(商標)、Remicade(商標)、Voltaren(商標)、Mobic(商標)、Duragesic(商標)、Ultram(商標)およびUltrcet(商標)、
血液障害治療薬:
Procrit(商標)/ Eprex(商標)、Epogen(商標)、Epogin(商標)、NeoRecormon(商標)、Neupogen(商標)、NovoSeven(商標)、
【0181】
糖尿病薬:
Glucophage(商標)、Humulin Avandia(商標)、Humalog(商標)、Actos(商標)、Amaryl(商標)、Glucovance(商標)、Glucophage XR(商標)、Glucotrol XL(商標)、Precose(商標)/ Glucobay(商標)、
骨代謝調節薬:
Fosamax(商標)、Evista(商標)、Miacalcin(商標)、ActoneRl、Aredia(商標)、
【0182】
排尿障害治療薬:
Harnal(商標)、Proscar(商標)、Cardura(商標)、Flomax(商標)、Detrol(商標)、
ホルモン剤
Premarin(商標)、Premphase(商標)およびprempro(商標)、Estraderm(商標)、Synthroid(商標)、
【0183】
免疫抑制剤:
Neoral(商標)/ Sandimmun(商標)、CellCept、Rapamune(商標)、Tacrolimus 例えばPrograf(商標)、Medrol(商標)、
多発性硬化症薬:
Avonex(商標)、Betaseron(商標)/ Betaferon(商標)、Rebif(商標)、Copaxone(商標)、
生物薬:
Prevnar(商標)、Engerix-B(商標)、Infanrix(商標)、Gamimune N(商標)、
【0184】
性機能不全薬:
Viagra(商標)、
造影剤:
Iopamiron(商標)、Omnipaque(商標)、Magnevist(商標)、
眼薬:
Xalatan(商標)、Trusopt(商標)およびCosopt(商標)、
【0185】
皮膚病薬:
Accutane(商標)/ Roaccutan(商標)、Cleocin(商標)、
発育不良治療薬:
Genotropin(商標)、Humatrope(商標)、
不妊症薬:
Gonal-F(商標)、Follistim(Puregon(商標))、
【0186】
ガウチャー(Gaucher)病薬:
Cerezyme(商標)、
肥満症薬:
Xencial(商標)、
末端肥大症薬:
Sandostatin(商標)、
避妊薬:
Depo-Provera(商標)、
【0187】
水にわずかに溶解性、難溶性または不溶性の活性物質の興味あるその他の例を、以下の表に示す。
【0188】
溶解性の乏しい医薬品の候補
【表1−1】

【0189】
【表1−2】

【0190】
【表1−3】

【0191】
【表1−4】

【0192】
低い生物学的利用能を有する溶解性の乏しい医薬
【表2】

【0193】
本発明の担体に充填されるべき溶解性の低い医薬の例は、ほぼ同量の溶媒を含む液化された混合物中に100℃で溶解されたジプラシドン遊離塩基の15重量%溶液であり、溶媒は2-ピロリドンまたは2-メチルピロリドンであり、高融点の固形物はレシチン、ポリビニルピロリドンポリマーまたはそれらの誘導体である。
【0194】
錠剤中に取り込まれる活性物質の量は、医薬製剤の公知の主成分に従って選択することができる。一般に、本発明の錠剤中に存在する活性物質の投与量は、特に、個々の医薬物質、患者の年齢および症状、ならびに治療されるべき疾病に依存する。
【0195】
本発明の特別な態様において、治療的、予防的および/または診断的活性物質は、室温で固体である。しかしながら、これは必須の要件ではなく、室温で液体であってもよい。活性物質は、医薬的に許容される液体製剤中に分散した活性物質の形態であってもよく、あるいはSMEDD (自己微乳化医薬送達システム)を含むエマルジョンの形態で存在してもよい。
【0196】
上記のように、活性成分は医薬的に許容される液体製剤中に分散していてもよい。特別な態様において、活性成分は医薬的に許容される液体製剤中に少なくとも部分的に溶解しており、そして/または少なくとも部分的にアモルファスの形態で存在している。本発明の一つの観点において、活性成分はDSC で測定したときに室温でアモルファスの形態で担体中に存在していてもよい。
【0197】
本発明のその他の観点
本発明は、次の工程を含む錠剤の製造方法にも関するものである。
i) 任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む、本明細書中で定義された充填可能な崩壊性の錠剤を製造する。
ii)任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む請求項33-59のいずれかに定義された医薬的に許容される液体製剤を、充填可能な錠剤を医薬的に許容される液体製剤で飽和させるのに十分な時間をかけて、工程i)で得られた充填可能な錠剤に充填する。
【0198】
任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む医薬的に許容される液体製剤で充填可能な錠剤を充填する工程は、典型的には噴霧により行なわれるか、あるいは任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む、過剰量の医薬的に許容される液体製剤中に充填可能な錠剤を浸漬することにより行なわれる。
【0199】
上記の方法において、工程ii) の時間は、通常、1 kgに相当する充填可能な錠剤の量に対して、例えば多くても45 分、あるいは多くても30 分のように、多くても60 分である (1 kg 以上の重さを有するバッチに対しては、それに相当する時間をプラス)。
【0200】
(図面の簡単な説明)
図 1A は、実施例7に記載のように、ジェランガムを含む場合と含まない場合における、本発明による錠剤の溶解を示す。
図 1B は、実施例7に記載のように打錠前のマトリックスの溶解を示す。
図 2 は、99% ノイシリン US2 および1% ステアリン酸マグネシウムを含む、圧縮された充填可能な錠剤を示す。
【0201】
錠剤は、12mm の杵を備えたKorch PH100 ロータリー打錠機で製造された。1分当たりの回転数39; 1分当たり製造される錠剤234; 平均打錠圧2.4 kN; 錠剤の平均硬度91N; 錠剤の平均重量172.4 mg; 錠剤の平均多孔率78.5%。製造された錠剤は、均質であり、液体で充填するようなその後の操作に適している。
【0202】
以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに説明する。
方法
砕けやすさの試験
充填可能な圧縮錠剤の砕けやすさは、米国薬局方1216 錠剤砕けやすさ試験またはヨーロッパ薬局方2.9.7 素錠の砕けやすさ試験に従って試験することができる。
【0203】
これらの仕様に合致する装置は、VanKel Technology Group, 13000 Weston Parkway, Cary, NC 27513、またはErweka Instruments, Inc., 56 Quirk Road, Milford, CT 06460のような試験機器供給会社から入手することができる。
【0204】
試験方法
単位重量が650 mg 以下の錠剤について、6.5 g に相当する錠剤すべてをサンプルとする。単位重量が650 mg 以上の錠剤については10錠すべてをサンプルとする。試験前に錠剤のほこりを注意深く除去する。サンプル錠剤を正確に秤量し、錠剤をドラム中に入れる。およそ25 rpmでドラムを100 回まわし、錠剤を取り除く。固まっていないほこりを上記のようにして錠剤から取り除き、正確に秤量する。
【0205】
一般に、試験は1回行なう。もし、明らかにひびが入った錠剤、割れた錠剤または砕けた錠剤が、試験後の錠剤サンプル中に存在すれば、そのサンプルは試験に合格しない。結果が疑わしいとか、あるいは重量減少が目標値より大きければ、その試験は2回繰り返され、3回の試験の平均が決定される。
【0206】
3つのサンプルからの最大平均重量損失が1.0%より大きくなければ、最終的な投与製品として十分に許容されるものと考えられる。
しかしながら、本発明では、1.5%のような、2%のような、あるいは2.5%のような高い重量損失でも、錠剤の充填キャパシティが液体の再現可能な充填を許容するかぎり、充填可能な圧縮錠剤として許容される。
【実施例】
【0207】
実施例1
充填可能な錠剤の製造およびその性状
油吸収性の材料Aeroperl 300 (二酸化珪素、Degussa)、ノイシリン US2 (メタ珪酸マグネシウムアルミニウム、富士化学工業)、 Avicel (微結晶性セルロース、FMC) およびフジカリンSG、(二塩基性無水燐酸カルシウム、富士化学工業)に基づいて、6つの錠剤組成物が製造された。
【0208】
組成物1
ノイシリン US2 99%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0209】
組成物2
アビセル PH102 99%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0210】
組成物3
Aeroperl 300 80%
PEG 6000 19%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0211】
組成物4
Aeroperl 300 55%
アビセル PH 101 44%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0212】
組成物5
アビセル PH 102 99%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0213】
組成物6
フジカリン 99%
ステアリン酸マグネシウム 1%
【0214】
ステアリン酸マグネシウムを残りの構成成分とTurbula ブレンダー中で3分間ブレンドした。単発式打錠機Diaf TM20で圧縮して錠剤を製造した。錠剤の大きさ:9 mm ラウンド・カンパウンド・カップ。
錠剤をコーン油中に24 時間浸漬した。油の吸収は最初の時間内に完了した。
組成物5の錠剤を、シンバスタチン10% 溶解Imwitor 308、Sasol (グリセリルモノカプリレート)で充填した。油での充填は、Imwitor 308の融点(m.p. 35℃)以上の40 ℃に相当する温度で行なった。
【0215】
組成物1
【表3】

表1 Neusilin US2(組成物1)を含む錠剤の油吸収キャパシティ
【0216】
錠剤の高度はSchleuninger 8M 錠剤硬度試験機により測定した。
【表4】

表2 油で充填する前と後の錠剤の硬度(組成物1)
【0217】
崩壊時間は、油で充填する前と後で24時間を超えていた。
崩壊時間は、Ac-di-sol を1%の濃度で添加することにより、充填前には15分間より短くなり、油を充填後は5時間に短縮された。
Ac-di-sol (クロスカルメロースナトリウム、 FMC)はスーパー崩壊剤であり、ノイシリンの油吸収キャパシティに影響を与えない。
充填前の錠剤の多孔度は、錠剤の密度ρtおよび構成要素の「真の密度」ρsに基づいて計算される。錠剤の多孔度εは、等式1に従って計算される。
【0218】
【数1】

錠剤の密度は、錠剤の重量と容量との比に基づいている。構成要素の「真の密度」は、Micromeritics Accupyc 1330を用いて、ヘリウム中で測定されたガス比重びん密度に基づいている。
コーン油の充填キャパシティの重量ベースでの上限は、次の等式2に従って計算される。
【0219】
【数2】

コーン油の密度、ρl=0.92g/cm3
【0220】
【表5】

表3 油充填キャパシティの利用(組成物1)
【0221】
組成物2
【表6】

表4 アビセルを用いた錠剤の油吸収キャパシティ(組成物2)
【0222】
錠剤の硬度は、Schleuninger 8M 錠剤硬度試験機により測定された。
【表7】

表5 油で充填する前と後の錠剤の硬度(組成物2)
【0223】
【表8】

表6 油充填キャパシティの利用(組成物2)
【0224】
組成物3
【表9】

表7 Aeroperl/PEG 6000を用いた錠剤の油吸収キャパシティ(組成物3)
【0225】
錠剤の硬度は、Schleuninger 8M 錠剤硬度試験機により測定された。
【表10】

表8 油で充填する前と後の錠剤の硬度(組成物3)
【0226】
【表11】

表9 油充填キャパシティの利用(組成物3)
【0227】
組成物4
【表12】

表10 Aeroperl/Avicelを用いた錠剤の油吸収キャパシティ(組成物4)
【0228】
【表13】

表11 油で充填する前と後の錠剤の硬度(組成物4)
【0229】
【表14】

表12 油で充填する前と後の錠剤の崩壊時間(組成物4)
【0230】
組成物3に比べて、PEG 6000の代わりにAvicel PH101を加えることにより、打錠性および錠剤硬度は改善された。
【0231】
組成物5
【表15】

表13 アビセルを用い、Imwitor 308中のシンバスタチン10%溶液で充填された錠剤の油吸収キャパシティ(組成物5)
【0232】
【表16】

表14 Imwitor 308中のシンバスタチン10%溶液で充填される前と充填された後の錠剤の硬度(組成物5)
【0233】
【表17】

表15 油で充填する前と後の錠剤の崩壊時間(組成物5)
【0234】
組成物6
【表18】

表17 フジカリンを用い、コーン油で充填された錠剤の油吸収キャパシティ(組成物6)
【0235】
【表19】

表18 コーン油で充填される前と後の錠剤の硬度(組成物6)
【0236】
【表20】

表19 コーン油で充填する前と後の錠剤の崩壊時間(組成物6)
【0237】
油の吸収に対する崩壊剤および任意の親水性物質の影響を調べるために、スーパー崩壊剤、およびいくつかのケースでは糖アルコールを含む組成物も製造した。
【0238】
かくして、次の組成物が製造された(重量%)。
【表21】

【0239】
結論
多孔性の錠剤は、液体の形態にある医薬物質または液体担体中に溶解もしくは分散した医薬物質を含む、油、エマルジョン、マイクロエマルジョン、および高温で液化された半固形物のような油状製剤用の担体として使用することができる。
【0240】
油は通常のコーティング技術(ドラム、孔あき容器、流動床)により錠剤に適用することができる。油の供給割合は、錠剤コア中への油の吸収速度と平衡するように調整されなければならない。
油吸収キャパシティは、錠剤コアの多孔度により決まる。油は錠剤の孔を飽和近くまで満たす。
【0241】
錠剤に30-90%の範囲の多孔度をもたらす物質であれば、どのような物質でも用いることができる。好ましくは噴霧乾燥され、満足できる流動性および高い比表面積を有する炭酸カルシウム、酸化マグネシウムのような上記以外の物質も、錠剤のコア物質として用いることができる。
錠剤の崩壊時間は、即時放出性の錠剤および放出が調節されたマトリックス錠剤の製剤化に用いられる、通常の錠剤崩壊剤を添加することにより、調整することができる。
【0242】
活性物質(APIs)で充填された多孔性錠剤の実施例
実施例2
錠剤コアの明細
ノイシリン US2 93 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
錠剤の平均硬度: 52 N
錠剤の直径: 8 mm (カンパウンドカップ)
単発式打錠機Diaf TM20で圧縮して錠剤とした。
【0243】
充填された錠剤の明細(1 mg タクロリムス)
タクロリムスをポリエチレングリコール400中に0.95%の濃度で溶解し、コーティング容器中、室温でノイシリンUS2コア錠剤に噴霧した。
充填された1 mg 錠剤の組成が表1に示される。充填された錠剤の重量200 mg およびビヒクル53重量%に相当する。
錠剤の平均硬度: 52 N
【0244】
【表22】

表20 PEG 400中のタクロリムスの溶液で充填された1 mg錠の組成
【0245】
ジェランガム5 mg およびキシリトール2.5 mg をさらに含む同様の組成物を製造した。
【0246】
実施例3
錠剤コアの明細
ノイシリン US2 198 mg
ステアリン酸マグネシウム 2 mg
錠剤の平均硬度: 42 N
錠剤の直径:10 mm (カンパウンドカップ)
単発式打錠機Diaf TM20で圧縮して錠剤とした。
【0247】
充填された錠剤の明細(20 mg アトルバスタチン)
溶融したImwitor 308 (グリセリルモノカプリレート)中にアトバスタチンを40℃で10 %の濃度に溶解し、コーティング容器中、35℃に加温したノイシリン US2 錠剤コアに噴霧した。ビヒクルを固化させるため、充填後、充填された錠剤を冷蔵庫中で冷却した。
充填された20 mg 錠剤の組成が表2に示される。充填された錠剤の重量400 mg およびビヒクル50重量%に相当する。
錠剤の平均硬度: 48 N
【0248】
【表23】

表21 グリセリルモノカプリレート中のアトルバスタチン溶液で充填された20 mg 錠の組成
【0249】
Ac-Di-Sol 5 mg をさらに含む同様の錠剤を製造した。
実施例4
錠剤コアの明細
ノイシリン US2 351 mg
ステアリン酸マグネシウム 2 mg
錠剤の平均硬度: 60 N
錠剤の形: 長円形の錠剤 9 x 19 mm
単発式打錠機Diaf TM20で圧縮して錠剤とした。
【0250】
充填された錠剤の明細(145 mg フェノフィブレート)
フェノフィブレートを、ポリエチレングリコール6000 およびポロキサマー188 (70:30)の溶融混合物中に80℃で35 %の濃度に溶解し、コーティング容器中で70℃に加熱されたノイシリンUS2錠剤コアに噴霧した。充填後、コーティング容器中で、錠剤をPEGおよびポロキサマーの融点(60℃) 以下に冷却した。
充填された145 mg 錠剤の組成が表3に示される。充填された錠剤の重量767 mg およびビヒクル54重量%の充填に相当する。
錠剤の平均硬度: 57 N
【0251】
【表24】

表22 PEG 6000 およびポロキサマー188 (70:30)の溶融混合物中のフェノフィブレートの溶液で充填された145 mg 錠の組成
【0252】
コリドンCL 10 mg およびキシリトール10 mg をさらに含む同様の錠剤を製造した。
【0253】
実施例5
錠剤コアの明細
ノイシリン US2 84 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
錠剤の平均硬度: 42 N
錠剤の直径: 7 mm (コンパウンドカップ)
単発式打錠機Diaf TM20で圧縮して錠剤とした。
充填された錠剤の明細(10 mg シンバスタチン)
【0254】
シンバスタチンを(MCT) Viscoleo中10 %の濃度に溶解し、コーティング容器中でノイシリンUS2 コアに噴霧した。
充填された10 mg 錠剤の組成が表4に示される。充填された錠剤の重量185 mg およびビヒクル54重量%の充填に相当する。
【0255】
【表25】

表23 Viscoleo 中のシンバスタチンの溶液で充填された10 mg 錠の組成
【0256】
ジェランガム10 mg およびキシリトール 10 mg をさらに含む同様の錠剤を製造した。
実施例6
ノイシリン錠剤のViscoleo (中鎖グリセライド)での充填
錠剤化工程
単発式打錠機Diaf TM20で圧縮してノイシリン錠剤とした。
充填前の錠剤の性状
錠剤の直径: 9 mm
錠剤の形:コンパウンドカップ
錠剤の重量: 134 mg
錠剤の重量偏差Srel : 1.6%
錠剤の硬度: 51 N (硬度試験機Schleuniger M8で測定)
【0257】
充填方法(充填方法)
ラボスケールの流動床Phast FB 100中、トップスプレーでのコーティングモジュールを用いて、錠剤50 gをviscoleo で充填した。
噴霧空気流: 1 m3 /時間
流動化空気流: 40 m3/時間
液体供給割合: 2.5 g 分
錠剤の飽和までのコーティング時間: 30 分
重量増加: 67.5 g viscoleo.
【0258】
充填後の錠剤の性状
錠剤の重量: 305 mg (充填 56 重量%)
錠剤の硬度: 51 N
錠剤の重量偏差Srel: 5.1%
【0259】
結論
流動床のような通常のコーティング装置が、多孔性の錠剤に短時間で液体製剤を充填するのに適している。錠剤の表面に噴霧することにより、錠剤は適用された液体を速やかに吸収する。錠剤の硬度は、液体で充填されることにより影響を受けない。重量偏差は、1.6% から 5.2%に高まるが、活性物質が取り込まれたとき用量変動に関してなお許容範囲内である。
【0260】
実施例7
充填された錠剤からのイブプロフェンの放出
ノイシリン錠剤中に充填された菜種油担体中のイブプロフェンを、ジェランガムおよびキシリトールも含む同様の錠剤と比較した。
放出は米国薬局方2方法に従って、pH 7.2の緩衝液中で溶出試験され、イブプロフェンはUV 分光光度計(abs 222nm における波長吸収)により測定した。
材料および方法
【0261】
【表26】

表24 材料および方法
【0262】
【表27】

表24 溶解パラメータ
【0263】
装置
打錠機 DIAF No. U-TABD-02
ミキサー ターボラ
加熱板
杵9mm 円 No. Life 0004
VanKel 装置 2 No.. a-DISA-003
分光光度計 島津製作所 No. A-spek-01
【0264】
方法:
ジェランガムを含まない錠剤の組成
【表28】

表25 錠剤組成
【0265】
ジェランガムを含む錠剤の組成
【表29】

表26 錠剤の組成
【0266】
崩壊剤を含む顆粒
キシリトールおよびジェランガムを、少量のEtOH を加えて混合する。ノイシリンUS2 を加え、Turbola ミキサー中で3分間混合する。このブレンドにステアリン酸Mgを加え、Turbola ミキサー中でさらに1/2分間混合する。
【0267】
錠剤化
崩壊剤を含む錠剤および崩壊剤を含まない錠剤の2つのタイプの、約145 mgの重量および約50Nの硬度を有する錠剤をDIAFで製造する。
イブプロフェン組成物の充填
【表30】

表27 担体/API 組成物
【0268】
均質なマス/溶液となるまで約40℃に加熱しながらイブプロフェンを菜種油と混合する。ノイシリンの錠剤をこの液体に加え、API/担体溶液で十分に充填(飽和)されるまで約2時間放置する。1錠当たりの最終重量は約420 mg。
【0269】
溶出
温度 37℃
Rpm. 75/分
媒体: pH 7.2 緩衝液 900 ml.
サンプル時間:1/2時間ごとに5時間
【0270】
放出の計算
イブプロフェンの標品をpH 7.2の緩衝液中のイブプロフェンで製造し、分光計の波長222 nm で測定する。放出量の計算に際して、ジェランガムを含む錠剤については54 mg のイブプロフェンで充填されており、ジェランガムを含まない錠剤については64 mg のイブプロフェンで充填されているものとする。イブプロフェンは100% 純粋な API として計算される。溶出曲線は、低い溶解性を有する医薬であるイブプロフェンが、充填された錠剤からきわめてゆっくり放出されることを示している。
【0271】
結果:
組成物中にジェランガムとキシリトールが含まれていると、溶解性の低い医薬であるイブプロフェンの放出が著しく増大していることが、図1Aに示された放出プロフィールから明らかである。約80%放出に要する溶出時間は、1400 分から約 270 分に短縮されており、これは溶出時間の約80% 短縮に相当する。
【表31】

表28 溶出により測定された放出
【0272】
図1Bは、ジェランガムの有無による放出の差異が錠剤化方法からのいかなる影響にも関連していないことを示すために、錠剤化前のマトリックス(すなわち充填された錠剤中に含まれるすべての構成成分)からの放出における差異を示している。
【0273】
実施例8
異なったスーパー崩壊剤についての崩壊時間
バッチサイズ: 100 g
杵の直径 9 mm
混合器具: Turbula 3.5分
硬度: 約 100 N
Emcompress (燐酸二カルシウム)と1% ステアリン酸マグネシウムの混合物100 gに、以下に示す量の崩壊剤を加える。
【0274】
【表32】

表29 異なった結合剤/崩壊剤の錠剤組成物についての崩壊時間
【0275】
実施例9
スーパー崩壊剤としてのジェランガムの試験
バッチサイズ: 100 g
杵の直径: 9 mm
混合器具: Turbula 3.5分
硬度: 約100 N
Emcompress (燐酸二カルシウム)と1% ステアリン酸マグネシウムの混合物100 gに、以下に示す量のジェランガムを加える。
【0276】
【表33】

表30 異なった結合剤/ジェランガムの錠剤組成物の崩壊時間
【0277】
この実施例は、ジェランガムがスーパー崩壊剤として知られている崩壊剤と同等かそれより高い、驚くほど高い崩壊性を有することを示している。上記のスーパー崩壊剤は、本発明による充填された錠剤において、ジェランガムと比べて不十分な崩壊性を示す。
【0278】
実施例10
錠剤の充填に用いられる異なった担体についての予測された崩壊時間
次の構成成分で錠剤を製造した。
ノイシリン 44.5 mg
ジェランガム 2.5 mg
キシリトール 2.5 mg
ステアリン酸Mg 0.5 mg
【0279】
飽和されるまで錠剤を以下の表に示される各ビヒクル中に置くことにより、錠剤をそれぞれのビヒクルで充填した。
およその崩壊時間は、室温でタップ水中での目視に基づいている。すなわち、タップ水のグラス中に錠剤を落とし、錠剤が一次粒子に崩壊するまの時間をおよその崩壊時間とする。
【0280】
表から明らかなように、高い溶解性を有する担体 (Gelucire/PEG 400) は、油状物質よりも長い崩壊時間を示す。したがって、当業者は個々の所望の崩壊/放出に従って適切な担体を選択することができる。崩壊は、本発明による崩壊剤またはそれらの混合物によりさらに改善され得る。
【表34】

表31 異なった担体で充填された錠剤の崩壊
【0281】
実施例11
崩壊時間に対する崩壊剤の量の影響に関する試験 (ヨーロッパ薬局方に従った試験)
【0282】
【表35】

表32 同じ崩壊剤の異なる量についての崩壊時間
表から明らかなように、崩壊剤の量は崩壊速度を調節するのに有用である。
【0283】
実施例12
実施例11からの充填された錠剤の試験
【表36】

表33 同じ崩壊剤が異なった量で異なった担体中で用いられたときの崩壊
【図面の簡単な説明】
【0284】
【図1A】図 1A は、実施例7に記載のように、ジェランガムを含む場合と含まない場合における、本発明による錠剤の溶解を示す。
【図1B】図 1B は、実施例7に記載のように打錠前のマトリックスの溶解を示す。
【図2】図 2 は、99% ノイシリン US2 および1% ステアリン酸マグネシウムを含む、圧縮された充填可能な錠剤を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) ガス吸着により測定されたとき、少なくとも50 m2/gの比表面積(BET表面積)を有する吸収材料またはそのような吸収材料の混合物を少なくとも60重量%、および
ii) 崩壊剤または崩壊剤の混合物
を含む圧縮された形態にある崩壊性の充填可能な錠剤であって、圧縮形態にある錠剤が、
a) 45容量%以上の多孔度、
b) 少なくとも20 ニュートンの硬度、および
c) 少なくとも30%の液体を充填するキャパシティ
を有する、崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項2】
崩壊剤がスーパー崩壊剤である、請求項1に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項3】
スーパー崩壊剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム (Ac-Di-Sol(商標)、CLD-2(商標))、架橋したポリビニルピロリドン(ポリプラスドン-X1R、ポリプラスドン-XL 10R、コリドン-CLR) およびジェランガムからなる群から選択される、請求項2に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項4】
崩壊剤が、ホルマリン-カゼイン、L-HPC、キチン、キトサン、重合した寒天アクリルアミド、キシラン、スメクタ、キー-ジョ-クレイ、架橋したカルボキシメチルグアーおよび化工タピオカ澱粉、アルギン酸もしくはアルギン酸塩、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉、α化澱粉、カルボキシメチル澱粉(例えば Primogel(商標)および Explotab(商標))などからなる群から選択される、請求項1に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項5】
錠剤中の崩壊剤の濃度が、例えば約0.1重量%〜15重量%のような、約0.2%〜10重量%のような、 0.3〜8重量%のような、0.4〜8重量%のような、0.5〜5重量%、または約1%〜約10重量%、約1%〜約8重量%、約1%〜約5重量%、約1%〜約3重量%または約0.5〜約5重量%のような約0.5%〜約15重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項6】
崩壊剤がジェランガムである、請求項1〜5のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項7】
崩壊に対して相乗もしくは改善効果を有し、そして/または担体系および望ましい崩壊時間もしくは放出性に関連して崩壊剤を最適化する一つ以上の賦形剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項8】
親水性の物質をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項9】
親水性の物質が湿潤剤または湿気剤のような挙動を有する、請求項8に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項10】
上記の親水性物質の濃度が、例えば多くても約10重量%、多くても約7.5重量%、多くても約5重量% または多くても約2.5重量%のように、多くても約15重量%である、請求項8または9に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項11】
親水性物質が、糖および糖アルコールおよびポリオールからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項12】
糖が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、キシロース、ソルボース、マルチトース、ラフィノースおよびラクトースからなる群から選択される、請求項11に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項13】
糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、イノシトールからなる群から選択される、請求項11に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項14】
ポリオールがグリセロールまたはその類似物である、請求項11に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項15】
例えば多くても40重量%のような多くても50重量%のラクトースとともに錠剤に製造されたときに、錠剤に45容量%以上の多孔度をもたらす一つ以上の吸収材料賦形剤を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項16】
一つ以上の吸収材料が錠剤中に約65重量%以上の濃度で存在する、請求項15に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項17】
45容量%以上の多孔度を有する錠剤をもたらす一つ以上の吸収材料が、錠剤中に例えば約80重量%以上、約90重量%以上、または約95重量%以上のような約70重量%以上の濃度で存在する、請求項15または16に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項18】
45容量%以上の多孔度を有する錠剤をもたらす一つ以上の吸収材料が、ガス吸着により測定されたとき、少なくとも50m2/gの比表面積(BET表面積)を有する、請求項15〜17のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項19】
本明細書に記載のようにして試験したときに、錠剤を少なくとも30重量% (充填したときの固形投与形態の全重量に基づいて) のコーン油での充填結果を与える、請求項1〜18のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項20】
例えば約25 N 以上、約30 N以上、約35 N以上、約40 N以上、約45 N以上、もしくは約50 N以上のような、20 N以上の硬度を有する、請求項1〜19のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項21】
例えば、約4% 以下、約3% 以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%のような、約5%以下の砕けやすさを有する、請求項1〜20のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項22】
吸収材料が、金属酸化物、金属珪酸塩、金属炭酸塩、金属燐酸塩、金属硫酸塩、糖アルコール、糖ならびにセルロースおよびセルロース誘導体からなる群から選択される、請求項15〜21のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項23】
金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタンおよび珪素からなる群から選択される、請求項22に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項24】
吸収材料が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、Tronox A-HP-328およびTronox A-HP-100を含む2酸化チタン、Aerosil、Cab-O-Sil、Syloid、Aeroperl、Aeroperl 300、Sunsil (シリコンビーズ)、Zeofree、Sipernat、Zeopharm S170、Zeopharm 6000を含む2酸化ケイ素、およびそれらの混合物からなる群から選択される金属酸化物である、請求項22または23に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項25】
金属酸化物が2酸化チタンまたは2酸化ケイ素あるいはそれらの混合物である、請求項24に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項26】
金属酸化物がAerosilタイプのいぶされたシリカを含む非多孔性の珪酸塩である、請求項24または25に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項27】
金属酸化物が例えばSyloid、PorasilおよびLichrosorpを含む多孔性の珪酸塩である、請求項24または25に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項28】
吸着材料が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、例えばHubersorpのような合成ケイ酸カルシウムを含むケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、例えばZeolexのようなケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、Neusilin S1、Neusilin SN2N、Neusilin SG2、Neusilin US2のようなメタケイ酸アルミニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される珪酸金属塩である、請求項15〜27のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項29】
金属珪酸塩が、ベントナイト、ビーガムおよびラポナイトからなる群から選択されるスメクタイト(smectite)タイプの膨潤性クレイである、請求項15〜28のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項30】
金属珪酸塩が、珪酸アルカリ土類金属塩、およびメタケイ酸アルミニウムマグネシウムを含むケイ酸アルミニウムから選択される、請求項15〜29のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項31】
金属珪酸塩がNeusilin US2である、請求項28〜30のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項32】
吸収材料が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛および炭酸アルミニウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される金属炭酸塩である、請求項15〜31のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項33】
吸収材料が、燐酸ナトリウム、燐酸水素ジナトリウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ジカリウム、燐酸2水素カリウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸亜鉛および燐酸アルミニウムからなる群から選択される金属燐酸塩である、請求項15〜32のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項34】
吸収材料が、2塩基性無水燐酸カルシウム、2塩基性燐酸カルシウム2水和物および3塩基性燐酸カルシウムからなる群から選択される燐酸カルシウムである、請求項33に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項35】
2塩基性の無水燐酸カルシウムが、A-Tab、燐酸1水素カルシウム、オルト燐酸カルシウム、Di-Cafos AN、オルト燐酸ジカルシウム、E341、無水のEmcompress、フジカリン、燐酸カルシウム塩 (1:1)および2級燐酸カルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項34に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項36】
2塩基性の燐酸カルシウム2水和物が、Cafos、オルト燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸1水素カルシウム2水和物、Calipharm、Calstar、Di-Cafos、オルト燐酸2カルシウム、DI-TAB、Emcompress、燐酸カルシウム塩 (1:1) 2水和物、フジカリンSGからなる群から選択される、請求項34に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項37】
3塩基性の燐酸カルシウムが、ヒドロキシアパタイト、燐酸カルシウム塩 (2:3)、沈降燐酸カルシウム、3級燐酸カルシウム、Tri-Cafos、ジオルト燐酸3カルシウム、オルト燐酸3カルシウム、燐酸3カルシウムTRI-CAL、WG、TRI-TABからなる群から選択される、請求項34に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項38】
吸収材料が、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛および硫酸アルミニウムからなる群から選択される金属硫酸塩である、請求項15〜37のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項39】
金属硫酸塩が、無水物、無水石膏、無水硫酸石灰、Destab、Drierte、E516、カルステナイト、ムリアサイトを含む無水の硫酸カルシウム、およびSnow White、またはアラバスター、Cal-Tab、Compactrol、Destab、E516、石膏、ライトスパー、ミネラルホワイト、天然硫酸カルシウム、沈降硫酸カルシウム、サティナイト、サティンスパー、セレナイト、テラアルバおよびUSG Terra Albaを含む硫酸カルシウム2水和物のような硫酸カルシウムである、請求項38に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項40】
吸収材料が、ソルビトール (例えばSorbogem、SPI Pharmaのような)、キシリトール、マンニトール(例えばMannogem、SPI Pharma、Pearlitol SP100のような)、マルチトール、イノシトールからなる群から選択される糖アルコールである、請求項15〜39のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項41】
吸収材料が、モノ-、ジ-もしくはポリサッカライドからなる群から選択される糖である、請求項15〜40のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項42】
糖が、サッカロース、グルコース、フルクトース、ソルボース、キシロース、ラクトース、デキストラン、デキストラン誘導体、シクロデキストリンからなる群から選択される、請求項41に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項43】
吸収材料が、セルロース、微結晶性セルロース Celphere、多孔性のセルロースビーズを含むセルロース誘導体;酢酸セルロースCelluflow TA-25 およびセルロースCelluflow C-25、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどからなる群から選択される、請求項15〜42のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項44】
治療的に不活性な請求項1〜43のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項45】
i) ガス吸着により測定されたとき、少なくとも50 m2/gの比表面積(BET表面積)を有する医薬的に許容される担体賦形剤またはそのような医薬的に許容される担体賦形剤の混合物を少なくとも60重量%、および
ii) 崩壊剤または崩壊剤の混合物、および
iii)任意に、打錠性を改善する賦形剤を含む、請求項44に記載の崩壊性の充填可能な錠剤。
【請求項46】
医薬的に許容される液体製剤が、(充填可能な圧縮された錠剤と液体製剤との合計重量に基づいて)例えば約40重量%以上、約45重量%以上、または約50重量%以上のように、約35重量% 以上の濃度で充填された、請求項1〜45のいずれかに記載の錠剤。
【請求項47】
医薬的に許容される液体製剤が、(充填可能な圧縮された錠剤と液体製剤との合計重量に基づいて) 例えば約55重量%以上または約60重量%以上のような、約50重量% 以上の濃度で存在する、請求項46に記載の錠剤。
【請求項48】
医薬的に許容される液体製剤が、高くても約150 ℃の温度で高くても約600 mPa 秒の粘度を有する、請求項46または47に記載の錠剤。
【請求項49】
医薬的に許容される液体製剤が、低くても約0℃、そして高くても約250 ℃の融点を有する、請求項46〜48のいずれかに記載の錠剤。
【請求項50】
医薬的に許容される液体製剤が、例えば約10 ℃以上、約15 ℃以上、約20 ℃以上、あるいは約25 ℃以上のような、約5 ℃以上の融点を有する、請求項49に記載の錠剤。
【請求項51】
医薬的に許容される液体製剤が、油または油様物質を含む、請求項46〜50のいずれかに記載の錠剤。
【請求項52】
医薬的に許容される液体製剤が、医薬的に許容される溶剤を含む、請求項46〜51のいずれかに記載の錠剤。
【請求項53】
油または油様物質が、水、植物油、水素添加植物油および動物油からなる群から選択される、請求項51に記載の錠剤。
【請求項54】
油または油様物質が、アプリコット油、アーモンド油、アボカド油、ヒマシ油、ココナッツ油、ココアバター、コーン油、綿実油、ぶどう実油、ホホバ油、亜麻仁油、とうもろこし油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、パーシル(persil)油、けしの実油、なたね油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、アザミ実油、くるみ油、小麦胚芽油、牛脂、ラード、トール油、鯨油、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項53に記載の錠剤。
【請求項55】
油または油様物質が、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルグリコール類;ポリオキシエチレン類;ポリオキシプロピレン類;ポロキサマー類およびそれらの混合物からなる群から選択される親水性の油または油様の物質であるか、あるいはキシリトール、ソルビトール、酒石酸ナトリウムカリウム、スクローストリベヘネート、グルコース、ラムノース、ラクチトール、ベヘン酸、ハイドロキノンモノメチルエーテル、酢酸ナトリウム、フマル酸エチル、ミリスチン酸、クエン酸、Gelucire 50/13、例えばGelucire 44/14 など、Gelucire 50/10、Gelucire 62/05のようなその他のGelucireタイプ、Sucro-ester 7、Sucro-ester 11、Sucro-ester 15、マルトース、マンニトールおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る、請求項54に記載の錠剤。
【請求項56】
油または油様物質が、直鎖状の飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン;例えばカカオバター、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステルのような脂肪および油;例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸のような高級脂肪酸;例えばセタノール、ステアリルアルコールのような高級アルコール;例えばグリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、還元タロー、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換および/または非置換モノグリセライド、置換および/または非置換ジグリセライド、置換および/または非置換トリグリセライド、黄色ミツロウ、白色ミツロウ、カルナバロウ、ヒマシワックス、ジャパンワックス、アセチレートモノグリセライドのような低融点のワックス;NVPポリマー、PVPポリマー、アクリルポリマーあるいはそれらの混合物からなる群から選択される疎水性の油または油様物質である、請求項53に記載の錠剤。
【請求項57】
油または油様物質が、例えばポリエチレングリコール1,000、ポリエチレングリコール2,000、ポリエチレングリコール3,000、ポリエチレングリコール4,000、ポリエチレングリコール5,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール7,000、ポリエチレングリコール8,000、 ポリエチレングリコール9,000、ポリエチレングリコール10,000、 ポリエチレングリコール15,000、 ポリエチレングリコール20,000、もしくはポリエチレングリコール35,000のような、 例えば約800〜約35,000、約1,000〜約35,000 のような約400〜約35,000の範囲の平均分子量を有するポリエチレングリコールである、請求項53に記載の錠剤。ある状況では、ポリエチレングリコールは分子量が約35,000 〜約100,000を有するものが用いられ得る。
【請求項58】
油または油様物質が、例えば約2,000〜約100,000、約5,000〜約75,000、約10,000〜約60,000、約15,000〜約50,000、約20,000〜約40,000、 約100,000〜約1,000,000、約100,000〜約600,000、約100,000〜約400,000あるいは約100,000〜約300,000のような約100,000〜約7,000,000のような約2,000〜約7,000,000の分子量を有するポリエチレンオキサイドである、請求項53に記載の錠剤。
【請求項59】
油または油様物質が、例えばポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407のようなポロキサマー、あるいはプルロニック(商標)および/またはテトロニック(商標)シリーズのようなその他のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックコポリマーである、請求項53に記載の錠剤。
Pluronic(商標)シリーズの好ましいブロックコポリマーは、例えば約4,000〜約20,000のような約3,000以上の分子量および/または例えば約250〜約3,000 cpsのような約200〜約4,000 cpsの粘度(ブロックフィールド)を有するポリマーを含む。好ましい例は、Pluronic(商標)F38、P65、P68LF、P75、F77、P84、P85、F87、F88, F98、P103、P104、P105、F108、P123、F123、F127、10R8、 17R8、25R5、25R8などを含む。Tetronic(商標)シリーズの好ましいブロックコポリマーは、例えば約9,000〜約35,000のような約8,000以上の分子量および/または例えば約600〜約40,000のような約500〜約45,000 cpsの粘度(ブロックフィールド)を有するポリマーを含む。上記で示された粘度は、室温でペーストである物質については60 ℃で、室温で固体である物質については77 ℃で測定したときの値である。
【請求項60】
油または油様物質が、例えばソルビタンジイソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレートまたはそれらの混合物のようなソルビタンエステルである、請求項53に記載の錠剤。
【請求項61】
油または油様物質が、例えば親水性および/または疎水性物質の混合物のような、異なった油または油様物質の混合物である、請求項53に記載の錠剤。
【請求項62】
油または油様物質が、例えばプロピレングリコール、Gelucire 44/14を含むポリグリコール化されたグリセライド、テオブロマ油、カルナバロウ、例えばアーモンド油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、パームケルネル油、ピーナッツ油、レープ油、ぶどう実油などのような植物油を含む植物由来の複合脂肪物質、例えば還元ピーナッツ油、還元パームケルネル油、還元綿実油、還元大豆油、還元ひまし油、還元ココナッツ油のような還元植物油;ミツロウ、ラノリンを含む動物由来の天然脂肪物質、セチル、ステアリル、ラウリック、ミリスチック、パルミチック、ステアリック脂肪アルコールを含む脂肪アルコール;グリセロールステアレート、グリコールステアレート、エチルオレエート、イソプロピルミリステートを含むエステル類; Miglycol 810/812を含む液状の分子間エステル化された半合成グリセライド;ステアルアミドエタノール、ココナッツ脂肪酸のジエタノールアミド、モノおよびジグリセライドの酢酸エステル、モノおよびジグリセライドのクエン酸エステル、モノおよびジグリセライドの乳酸エステルを含むアミドもしくは脂肪酸アルコールアミド、モノおよびジグリセライド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセロール ポリリシノレート、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ステアロイルラクチレートナトリウム、ステアロイルラクチレートカルシウム、モノおよびジグリセライドのジアセチル酒石酸エステルなどの溶剤または半固形賦形剤である、請求項53に記載の錠剤。
【請求項63】
医薬的に許容される液体製剤が、エマルジョン、マイクロエマルジョン、例えば自己微細乳化医薬デリバリーシステム(SMEDDS)または懸濁液を含む分散液である、請求項46〜62のいずれかに記載の錠剤。
【請求項64】
錠剤中の医薬的に許容される液体製剤の濃度が、例えば約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約 40重量%以上、約45%重量%以上、約 50重量%以上、約60重量%以上あるいは約70重量%以上のような、約5重量%以上である、請求項46〜63のいずれかに記載の錠剤。
【請求項65】
一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質をさらに含む、請求項46〜64のいずれかに記載の錠剤。
【請求項66】
活性物質が医薬的に許容される液体製剤中に分散している、請求項65に記載の錠剤。
【請求項67】
活性物質が医薬的に許容される液体製剤中に少なくとも部分的に溶解している、請求項65に記載の錠剤。
【請求項68】
活性物質が少なくとも部分的にアモルファスの形態で存在する、請求項65に記載の錠剤。
【請求項69】
少なくとも20 Nの硬度を有する、請求項46〜68のいずれかに記載の錠剤。
【請求項70】
例えば、多くても約4%、多くても約3%、多くても約2%、多くても約1% あるいは多くても約0.5%のように、多くても約5%の砕けやすさを有する錠剤の形態にある、請求項46〜69のいずれかに記載の錠剤。
【請求項71】
ヨーロッパ薬局方に従って試験したとき、最大10分のような、最大7分のような、最大5分のような、最大でも3 分のように、最大でも15分の崩壊時間を有する、請求項46〜70のいずれかに記載の錠剤。
【請求項72】
米国薬局方による溶出方法で試験したとき、治療的、予防的および/または診断的活性物質の少なくとも75%が30分以内に放出される、請求項65〜71のいずれかに記載の錠剤。
【請求項73】
同量の崩壊剤または崩壊剤混合物を含まない錠剤と比べて、錠剤の崩壊時間を短縮する崩壊剤または崩壊剤混合物を含む、請求項1〜72のいずれかに記載の錠剤。
【請求項74】
崩壊剤が、ジェランガムであるか、あるいはジェランガムが崩壊剤混合物の1成分である、請求項73に記載の錠剤。
【請求項75】
水と崩壊剤との接触を増進する親水性の剤をさらに含む、請求項73または74に記載の錠剤。
【請求項76】
親水性の剤が、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、フルクトース、スクロース、ラフィノースおよびラクトースからなる群から選択される、請求項73〜75のいずれかに記載の錠剤。
【請求項77】
スーパー崩壊剤を含む、請求項73〜76のいずれかに記載の錠剤。
【請求項78】
Explotab(商標)(澱粉グリコール酸ナトリウム); VivaStar(商標): (澱粉グリコール酸ナトリウム); VivaSol(商標): (クロスカルメロースナトリウム); Emcosoy(商標): (大豆ポリサッカライド); Satialgine H8(商標): (アルギン酸); Ac-Di-Sol および/または発泡剤からなる群から選択されるスーパー崩壊剤を含む、請求項73〜77のいずれかに記載の錠剤。
【請求項79】
0.2%〜10%のような、0.3〜8%のような、0.4〜8% のような、0.5〜5%のような、0.1重量%〜15重量%の濃度で崩壊剤または崩壊剤混合物を含む、請求項1〜78のいずれかに記載の錠剤。
【請求項80】
ヨーロッパ薬局方に従って試験したとき、最大で90秒のような、最大で60秒のような、最大で45秒のような、最大で35秒のような、最大で30秒のような、最大で25秒のような、最大でも120秒の崩壊時間を有する、請求項73〜79のいずれかに記載の錠剤。
【請求項81】
治療的、予防的および/または診断的活性物質の25%または50%または75%または80%放出時間が、米国薬局方に従った溶出方法により、崩壊剤を含まない類似の錠剤の溶出について測定された、同じ放出%の時間に対して、最大で40%のような、最大で 30%のような、最大で20%のような、最大で50%短縮される、請求項73〜80のいずれかに記載の錠剤。
【請求項82】
治療的、予防的および/または診断的活性物質の崩壊および/または放出が調整されている、請求項73〜81のいずれかに記載の錠剤。
【請求項83】
米国薬局方に従った溶出方法で試験したとき、治療的、予防的および/または診断的活性物質の少なくとも33%のような、少なくとも50重量%のような、少なくとも25%が、30分以内に放出される、請求項73〜82のいずれかに記載の錠剤。
【請求項84】
米国薬局方に従った溶出方法で試験したとき、治療的、予防的および/または診断的活性物質の少なくとも80重量% が、45 分以内に放出される、請求項73〜82のいずれかに記載の錠剤。
【請求項85】
治療的、予防的および/または診断的活性物質が、3mg/mlより低い溶解性を有する、請求項83または84に記載の錠剤。
【請求項86】
i) 少なくとも60重量%の、ガス吸着により測定されたとき、少なくとも50 m2/gの比表面積(BET表面積)を有する吸収材料またはそのような吸収材料の混合物を、崩壊剤または崩壊剤の混合物、ならびに所望によりさらに医薬的に許容される賦形剤および/または一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質と混合し、
ii) 固体の混合物を圧縮して20N〜150Nの範囲の硬度を有する錠剤とする
工程を含む、請求項1〜45のいずれかに記載の崩壊性の充填可能な錠剤の製造方法。
【請求項87】
請求項86により得られる充填可能な錠剤を、任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質を含む請求項46〜84のいずれかに定義された医薬的に許容される液体製剤で、充填可能な錠剤を該医薬的に許容される液体製剤で飽和させるのに十分な時間充填する工程をさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質を含む医薬的に許容される液体製剤での充填可能な錠剤の充填が、噴霧により行なわれる、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質を含む医薬的に許容される液体製剤での充填可能な錠剤の充填が、任意に一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質を含む医薬的に許容される液体製剤の過剰量中に充填可能な錠剤を置くことにより行なわれる、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
充填工程の時間が、1 kgに相当する充填可能な錠剤の量に対して、例えば多くても約60分、多くても約45分、 多くても約30分のように、多くても約2時間である、請求項87〜89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
充填工程が加熱を含む、請求項87〜90のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
加えられる熱が、一つ以上の治療的、予防的および/または診断的活性物質を含む製剤を液化させるのに十分である、請求項91に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−522315(P2009−522315A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548932(P2008−548932)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000008
【国際公開番号】WO2007/076874
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(504004315)ライフサイクル ファーマ エー/エス (5)
【氏名又は名称原語表記】LIFECYCLE PHARMA A/S
【Fターム(参考)】