説明

工事用リフトの安全装置

【課題】搬器の吊下げロープに作用する緊張力が除かれたときに、搬器の落下を防止して不測の事態に備えることができるようにする。
【解決手段】ガイドレール2の走行案内面側には走行方向に断続的に長孔20を設け、搬器フレーム7の頂部には、互いに対向する一対の係止ロッド18と、これら係止ロッド18を所要の保持位置に保持する保持機構とを配し、吊りロープ5に作用する緊張力が除かれると吊りブロック13に繋がる操作カム16の下降変位により各係止ロッド18を保持位置から外方へ突出させて、それら係止ロッド18の先端部をガイドレール2の長孔20に突入させて搬器の落下を阻止するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープ駆動式の工事用リフトの安全装置に係るもので、詳しくは搬器が昇降時における不測の事故で落下するのを防止する簡単な構成の工事用リフトの安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設工事現場に設置して小型の機材などを揚降するのに使用されている工事用リフトには、作業足場などに沿って支持立設されたガイドレールに沿い案内される搬器を、ウインチにより巻上げ・繰り出し操作されるワイヤロープで吊下げて揚降するロープ駆動式のものが多く利用されている。このような方式の工事用リフトは、ガイドレールの一側面に沿って搬器が昇降案内される形式(例えば特許文献1参照)と、所要の間隔をおいて配置される二本のガイドレールに両側を案内されて搬器が昇降案内される形式とがある。とりわけ、二本のガイドレールにより搬器の両側で案内する形式のリフト(二本構リフト)は、搬器荷台の側面が作業床に対して開放状態にできるので、高所階での搬器荷台と作業床との積荷受け渡し作業が、搬器荷台と作業床との間で直接的に行えるので便利である。したがって、この種形式のリフトが汎用されている。この形式の工事用リフト(二本構リフト)には、搬器荷台に、吊下げロープの緊張が除かれるとガイドレールに反力をとってその搬器荷台の落下を阻止する安全装置が付設されている。このような安全装置については多くの構造が採用されており、その一例として特許文献1〜4などによって知られるものがある。
【0003】
前記特許文献1で知られるリフトの安全装置は、ガイドレールの一側面に沿って昇降案内される搬器の昇降フレームが、吊下げロープの破断で蓄勢されたバネ力で梃子式の係止爪をガイドレールの側面に押付けて、その係止爪と対向するガイドローラとでガイドレール構成のフランジ部を次第締まりに係止する構成とされている。
【0004】
前記特許文献2によって知られるリフトの安全装置では、搬器荷台の頂部中央に上下動可能に設けられた吊滑車と梃子リンクを介して連結され、搬器荷台頂部に沿って回動可能に付設される連結軸の両端に、リンク機構をそれぞれ介して片勾配面に形成された係止片が取付けられており、この係止片が搬器荷台頂部の吊りビーム両端の係止座とガイドレールの側面との間に介在するように配置されている。そして、前記係止座が係止片の対向面を上向き上がり勾配にされ、常時はその係止片がフリーの状態で搬器荷台とともに昇降移動し、不測の事態で前記吊滑車にかかる吊りロープに作用する緊張力が消去すると梃子リンクによって連結軸が回動されて両端のリンク機構を作動させ、係止片を係止座とガイドレールの側面との間に進入させるように作動させて楔作用で搬器荷台の落下を阻止するものである。
【0005】
また、前記特許文献3によって知られるリフトの安全装置では、搬器荷台の昇降フレームの上部に上下動可能に設けられた吊滑車と連結して吊下げられるバネの蓄勢力でベルクランクを介してガイドレールのフランジ部を挟持する部片を作動させて係止する方式が採用されている。
【0006】
さらに、前記特許文献4の図1および図2に記載されているリフトの安全装置では、緊急時、搬器の昇降フレームの上部に設けられた吊下げ滑車と連結して搬器に組み込まれた梃子リンク作動式のローラクランプで、搬器を昇降案内する二本のガイドレールを挟持して落下を防止する構成に加えて、搬器の降下速度を検出して設定された速度を超えると信号を発して油圧シリンダを作動させ、この油圧シリンダによって前記梃子リンクを強制的に操作して、前記ローラクランプによるガイドレールの挟持力を発現させるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭52−20704号公報
【特許文献2】実公昭53−26770号公報
【特許文献3】実公昭42−14194号公報
【特許文献4】実公平3−12788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の技術にあっては、係止爪をガイドレールの側面に押付けて係止力を得るようにしたり(特許文献1)、楔作用により係止力を得たり(特許文献2あるいは特許文献4)、あるいはガイドレールを挟み付けたり(特許文献3)する、言い換えると摩擦力で搬器荷台の落下を防止するものである。したがって、確実な落下防止機能を得ようとすると構造的に複雑なものになる。当然、コストアップになることが避けられない。
【0009】
そのために、小型の工事用リフトのように、簡易構造のリフトとしては、安全装置は重要なものであるが、確実に作動し、しかもその構造が簡単で経済的なものであることが要求されている。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、搬器の吊下げロープに作用する緊張力が除かれると、搬器フレーム付設の作動ロッドが突出して左右に配設されたガイドレールに断続的に設けられた空間部に突入し、搬器の落下を防止して不測の事態に備えることができる工事用リフトの安全装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明による工事用リフトの安全装置は、
所要の間隔で左右に配される一対のガイドレールに沿いロープ駆動で搬器が昇降するロープ駆動式の工事用リフトの安全装置であって、
前記ガイドレールの走行案内面側には走行方向に断続的に長孔が設けられ、
前記搬器は搬器フレームを有し、この搬器フレームが吊りロープを巻き掛けてなるシーブを備える吊りブロックにより吊上げ自在とされ、
前記搬器フレームの頂部には、互いに対向する一対の係止ロッドと、これら係止ロッドを所要の保持位置に保持する保持機構とが配され、
前記吊りロープに作用する緊張力が除かれると前記吊りブロックに繋がる操作カムの下降変位により前記各係止ロッドを前記保持位置から外方へ突出させて、それら係止ロッドの先端部を前記ガイドレールの長孔に突入させて前記搬器の落下を阻止するように構成されていることを特徴とするものである(第1発明)。
【0012】
前記発明において、前記保持機構は、前記搬器フレームを構成する上部横部材上に左右対称に配される係止ロッドを、その上部横部材に平行な方向に摺動自在に支持する一対の支持ブラケットと、常時は前記係止ロッドの先端を前記搬器フレームの側面から所要量突出させるとともに、後端を前記搬器フレームの中心線上に位置する前記操作カムと接触するように保持する弾性体を備えているのが好ましい(第2発明)。
【0013】
前記第1発明または第2発明において、前記操作カムは、吊りブロックの下部に垂設されるとともに、両側の操作面が下向きすぼみ勾配に形成され、前記吊りブロックとともに支持ロッドを介して蓄勢バネによる引き下げ力が負荷される構成であるのが良い(第3発明)。
【0014】
また、前記第1発明乃至第3発明において、前記搬器フレームにおける前記上部横部材の両端部には、ガイドレール配置側に向けて突出すブラケットに両鍔付きのガイドローラがそれぞれ軸支配設されているのが好ましい(第4発明)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、工事用リフトの運転時に、搬器を吊っている吊りロープが破断するような事態が発生した場合、吊りブロックに作用している吊りロープの緊張力が除かれると、吊りブロックとともに操作カムが引き下げられる。この操作カムの下降によってそのカム操作面で左右の係止ロッドが同時に外向きに押し出される。すると、ガイドレールに案内されて昇降する搬器の両側に突出した係止ロッドが、断続的に設けられたガイドレールの長孔に突入し、その長孔の下部縁に受止められて搬器の降下が阻止される。
このように、本発明によれば、ごく簡単な構成の落下防止構造でもって直接的にガイドレールに搬器を受止めさせて搬器の落下を防止することができるので、比較的小型の工事用リフトの安全装置として安価に製作でき、安全性を確保することができる。
また、本発明によれば、従来の装置のように複雑なリンク機構を用いないで搬器に付設できるので、機構的にも簡易化でき、かつ作動の確実性を確保できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る安全装置を備えた工事用リフトを表わす図
【図2】工事用リフトにおけるガイドレールの要部斜視図
【図3】安全装置の正面図
【図4】図2のA―A視図
【図5】搬器吊下げ要部の拡大正面図(a)と側面図(b)
【図6】安全装置の作動態様を表す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る工事用リフトの安全装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本実施形態の安全装置が適用される工事用リフト1は、図1に例示されるように、図示されない建物などに沿って立設される枠組み足場30に沿わせて設けられたロープ駆動式のものである。そして、所要間隔で並行して立設される一対のガイドレール2,2と、このガイドレール2,2の頂部を相互に接続して配置される頂部ビーム3と、この頂部ビーム3の中間位置に一端を取付けられて頂部ビーム3に軸支され回転自在なトップシーブ4を巡り垂下する吊りロープ5にて吊下げられ、前記ガイドレール2,2により昇降自在な搬器7および前記吊りロープ5を繰り出し・巻取り、搬器7を昇降操作するウインチ6とで構成されている。
【0019】
前記一対のガイドレール2,2は、一例としてリップ付き溝形鋼(C型断面の部材)が用いられ、所定長さに設定してウエブ面(長辺外面)が案内面2aとなるようにされ、その両側短辺2b,2bにそれぞれ基部を溶接された取付片2cを介してサポート金具8が一定間隔で複数個所に付されてレールユニット2Aが形成され、このレールユニット2Aが複数個直列に連結されて所要高さに配置されて構成されている。なお、前記レールユニット2Aの接続端にはリップ形成側に継手部片2dが溶接され、その継手部片2d,2dを接合させてボルト締結することにより連結できる構造とされている。また、このレールユニット2Aを連結して形成されるガイドレール2は、前記サポート金具8によって縦方向に配置した支持パイプ材25と繋いで剛性を高め、その支持パイプ材25をさらに枠組み足場30に繋いで保持するのがよい。
【0020】
また、前記ガイドレール2には、そのウエブ面(案内面2a)に長手方向で所要ピッチにて断続的に長孔20(以下、「受支孔20」という)が設けられている。この受支孔20は、ガイドレールユニット2Aの取扱い時の軽量化を図る役目をすると同時に、後述する搬器付設の安全装置10の要部となる係止ロッド18の突入する孔として機能する。
【0021】
前記搬器7は、下部に所要寸法の荷台7aが配されるとともに、その両側から起立する門型形状の搬器フレーム7bが支持されて構成され、この搬器フレーム7bの左右両側の縦部材7b′下部側面と上部横部材7d両端とにブラケット7eを介してガイドローラ11が付設され、これらガイドローラ11が前記ガイドレール2の案内面2aに当接されて昇降案内されるようになっている。なお、荷台7aの周囲には適宜高さでガードが配置されている。このような構成の搬器7は、上部横部材7d上に設けられた安全装置10の中央上部にて支持される吊りブロック13のシーブ13′に前記吊りロープ5を巻巡らせて吊上げ自在に配設されている。また、前記ガイドローラ11には、回転軸11b方向の両側にそれぞれ鍔11aが形成され、軸方向へのずれが生じない形状にされている。
【0022】
搬器7に付設の安全装置10は、図3〜図5に示されるように、搬器7の中心縦軸上に配される吊りブロック13と直結されて搬器フレーム7bの上部横部材7dを貫通垂下する支持ロッド14と、この支持ロッド14の下半部に外嵌されて常時引下げ力を付勢するコイルバネにてなる蓄勢手段15と、この支持ロッド14と一体にして前記吊りブロック13の下部に連なる操作カム16と、搬器フレーム7bの上部横部材7d上面に並行して複数個所で軸方向にスライド自在に支持され、内側端が前記操作カム16と接するようにして先端が外向きに配される左右一対の係止ロッド18と、これらの係止ロッド18を操作カム16側に常時引き寄せる付勢力を作用させる弾性材19とで構成されている。
【0023】
前記操作カム16は、図5(a)で示されるように、操作面16a,16aが下すぼみの勾配で左右対称に形成され、その勾配低端から最高位置までの高低差が操作する係止ロッド18を待機位置からガイドレール2の受支孔20内への突入が十分に行える距離となるように形成されている。
【0024】
また、前記係止ロッド18を支持する支持ブラケット22,23のうち外側に位置する支持ブラケット22は、係止ロッド18の支持部が長くなるようにされ、この支持ブラケット22のボス部内向き端面と係止ロッド18の中間に設けた鍔18′との間に前記弾性材19となるコイルバネを外嵌して操作カム16と端部18aとの接触力を高めるようにされている。なお、その弾性材19としては、図示省略するが、このほかに係止ロッド18の中間と内側に位置するブラケット23との間に係止ロッド18の一側または両側に引きバネを掛け渡しで引きつけるようにするなど、他の方式を採用することができる。したがって、この実施形態に限定されるものではない。
【0025】
さらに、前記搬器7の上部ガイドローラ11は、搬器フレーム7aの外側面から並行して突出す一対のブラケット片7e,7eにより、前記安全装置10の係止ロッド18支持個所に近接して支持されている。このようにガイドローラ11を配設しておけば、安全装置10が作動して係止ロッド18が受支孔20に突入した場合、そのガイドレール2がガイドローラ11との接触位置に近接して受止められるので急激な側圧を受けても座屈することなく安定性を保つことができる。また、前記ブラケット片7e,7eにはガイドローラ11の支持軸孔11cが定位置からやや内側へ下がった位置にも設けてあり、この下側位置の支持軸孔11cに軸ピン11bを挿入してガイドローラ11を支持するようにすれば、ローラ面間距離を短くしてガイドレール2,2に当接させることができる。
【0026】
このように構成される本実施形態の工事用リフト1は、例えば地上部に設置されたウインチ6を駆動して吊りロープ5をウインチドラムに巻取りあるいは繰り出すことにより、吊りロープ5によって吊りブロック13を介して搬器7が昇降される。この際、搬器7に付設された安全装置10は、吊りブロック13のシーブ13′に巻きかけられる吊りロープ5の緊張により連結される支持ロッド14が引き上げられ、この支持ロッド14の下半部に付された蓄勢手段15が蓄勢状態に保たれる。
【0027】
安全装置10は、支持ロッド14が引き上げられることにより、この支持ロッド14に取付く操作カム16が上昇される。すると、左右一対の係止ロッド18は、それぞれ弾性体19による付勢力で内側端部18aがこの操作カム16の操作面16aに倣って最低位置に移動し、先端部18bがガイドレール2の案内面2aから遠ざかる方向に後退される。したがって、搬器7は、安全装置10が解除された状態に保たれ、搬器両側のガイドローラ11がガイドレール2の案内面2aを転動して円滑に移動する。
【0028】
運転中に吊りロープ5が破断するなど不測の事態が発生した場合、吊りブロック13に作用していた吊りロープ5の緊張が断たれると、それまで搬器7にかかる負荷で蓄勢状態にあった蓄勢手段15が一挙にその蓄勢力を放出する。すると、支持ロッド14が搬器フレーム7bの上部横部材7d側に引き戻される(引下げられる)ので、この支持ロッド14と一体の操作カム16も引き戻される。その結果、操作カム16の変位によって操作面16a,16aに当接する左右両係止ロッド18の内側端部18a,18aが外方向に押され、係合する弾性体19の付勢力に抗して係止ロッド18,18が搬器7の外方へ突出される。
【0029】
こうなると、係止ロッド18の先端部18bは対向するガイドレール2の案内面2aに一挙に当接する状態になるので、そのガイドレール案内面2aに設けられた受支孔20と合致すれば、その瞬間当該位置の受支孔20に係止ロッド18の先端部18bが突入され、搬器7の荷重力でもって下降するのを係止ロッド先端部18bとガイドレール2の受支孔20下辺縁20′との接触によって受止められ、落下が阻止されることになる(図6参照)。なお、この状態では、操作カム16が蓄勢手段15による支持ロッド14の引き戻し作用と両係止ロッド18,18の操作カム16による突出し作用とが拮抗し、搬器7の吊りブロック13を引き上げないと安全装置10が解除されず、他の外力で搬器7が墜落することはない。
【0030】
したがって、安全装置10を作動状態から正常復帰させるには、ウインチ6を駆動して吊りロープ5によって搬器7を吊上げることにより、吊りブロック13が引き上げられて操作カム16による係止ロッド18,18に作用する推力を解除すれば、弾性体19、19による付勢力で係止ロッド18,18が押し戻され、ガイドレール2の受支孔20から先端部18bが抜け出して係止機能が解除される。こうすることで、搬器7がフリーの状態に戻されるので、吊りロープ5をウインチ6により操作すれば、通常の運転状態に戻すことができる。
【0031】
このように、本実施形態の工事用リフトの安全装置によれば、ごく簡単な構成で、ガイドレールに設けた断続受支孔に対して、縦方向の作動力を操作カムによって横向きに方向変換させることにより、係止ロッドを直接係合させて受止められる構成としたので、確実に下降を阻止して安全を期することができる。また、簡単な構造であるから搬器を引き上げることで復元操作も簡単に行える。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の工事用リフトの安全装置は、建設工事現場に設置して機材などを揚降するのに使用される工事用リフトに適用して好適である。
【符号の説明】
【0033】
1 工事用リフト
2 ガイドレール
2a 案内面
2c 取付片
3 頂部ビーム
4 トップシーブ
5 吊りロープ
7 搬器
7d 上部横部材
8 サポート金具
10 搬器の安全装置
11 ガイドローラ
13 吊りブロック
13´ シーブ
14 支持ロッド
15 蓄勢手段
16 操作カム
18 係止ロッド
19 弾性材
20 受支孔
22,23 支持ブラケット
25 支持パイプ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要の間隔で左右に配される一対のガイドレールに沿いロープ駆動で搬器が昇降するロープ駆動式の工事用リフトの安全装置であって、
前記ガイドレールの走行案内面側には走行方向に断続的に長孔が設けられ、
前記搬器は搬器フレームを有し、この搬器フレームが吊りロープを巻き掛けてなるシーブを備える吊りブロックにより吊上げ自在とされ、
前記搬器フレームの頂部には、互いに対向する一対の係止ロッドと、これら係止ロッドを所要の保持位置に保持する保持機構とが配され、
前記吊りロープに作用する緊張力が除かれると前記吊りブロックに繋がる操作カムの下降変位により前記各係止ロッドを前記保持位置から外方へ突出させて、それら係止ロッドの先端部を前記ガイドレールの長孔に突入させて前記搬器の落下を阻止するように構成されていることを特徴とする工事用リフトの安全装置。
【請求項2】
前記保持機構は、前記搬器フレームを構成する上部横部材上に左右対称に配される係止ロッドを、その上部横部材に平行な方向に摺動自在に支持する一対の支持ブラケットと、常時は前記係止ロッドの先端を前記搬器フレームの側面から所要量突出させるとともに、後端を前記搬器フレームの中心線上に位置する前記操作カムと接触するように保持する弾性体を備えている請求項1に記載の工事用リフトの安全装置。
【請求項3】
前記操作カムは、吊りブロックの下部に垂設されるとともに、両側の操作面が下向きすぼみ勾配に形成され、前記吊りブロックとともに支持ロッドを介して蓄勢バネによる引き下げ力が負荷される構成である請求項1または2に記載の工事用リフトの安全装置。
【請求項4】
前記搬器フレームにおける前記上部横部材の両端部には、ガイドレール配置側に向けて突出すブラケットに両鍔付きのガイドローラがそれぞれ軸支配設されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の工事用リフトの安全装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−202323(P2010−202323A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48803(P2009−48803)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(390022611)株式会社コシハラ (15)
【Fターム(参考)】