説明

工作機械用の加工用ヘッド

【課題】 割出し機構を備えた工作機械用の加工用ヘッドにおいて、その加工用ヘッド自体が大型化することなく、高い加工精度が得られる構成を提供する。
【解決手段】 工具が取り付けられるスピンドルを含むスピンドルユニットと、少なくともスピンドルの回転軸線と直交する軸線を中心にスピンドルユニットを回転させてその角度位置を割り出す割出し機構を含む支持ヘッドとを備えた工作機械用の加工用ヘッドにおいて、上記支持ヘッドが、回転軸線に軸心を一致させてスピンドルユニットを挟んで対向配置された第1及び第2の支持軸をそれぞれに含む第1及び第2の支持部を含み、上記割出し機構が、支持ヘッドのハウジング内で支持軸周りに同軸的に配置されて支持軸を囲繞するモータロータ及びモータステータからなる駆動モータを含むと共に、上記第1及び第2の支持部のいずれか一方にのみ配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械用の加工用ヘッドに関し、より詳しくは、5軸加工機(同時5軸制御可能な加工機)や多面加工機等の複合加工機(工作機械)で使用される加工用ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、上記の複合加工機の一例として、門型工作機械(マシニングセンタ)1を示している。この種の門型工作機械1は、ベッド4上に付設された左右のコラム2、2と、コラム2、2上を上下方向(Z軸方向)に移動するクロスレール6と、クロスレール6上を水平に左右方向(Y軸方向)に移動するサドル7と、サドル7上をZ軸方向に移動するラム8と、ベッド4上を前後方向(X軸方向)に移動するテーブル5とを含む。さらに、ラム8には、工具が取り付けられるスピンドルを備えたスピンドルユニット20を含む加工用ヘッド10が取り付けられている。
【0003】
上記門型工作機械1は、ワークの加工時において、予め設定されたプログラムに基づく数値制御により、上記テーブル5、クロスレール6、サドル7及びラム8を移動させると共に、加工用ヘッド10がスピンドルユニット20の角度位置(回転位置)の割出しを行う。これにより、上記工作機械では、ワークの各加工面に対して工具を最適な角度で当てて加工を行うことができ、複雑な形状のワークの切削加工等を可能としている。
【0004】
そのため、上記加工用ヘッドは、スピンドルユニット20の角度位置を割り出すための割出し機構を備えている。そして、この割出し機構の駆動手段として、そのモータステータ及びモータロータが加工用ヘッド10のハウジング内に配置され、ロータが、スピンドルユニットを支持する支持軸に連結された直接駆動型の駆動モータ(以下、「DDモータ」という)を採用した加工用ヘッドが公知である(例えば、特許文献1、2)。
【0005】
なお、上記の加工用ヘッドでは、上記数値制御によってスピンドルユニット20の角度割出しを行うために、スピンドルユニット20の角度位置(支持軸の回転位相)を検出する必要がある。従って、加工用ヘッドは、そのための回転検出器(例えば、エンコーダ)を備えているのが一般的であり、この回転検出器が、加工用ヘッドのハウジング内で上記支持軸に付設されている。また、上記加工用ヘッドは、上記DDモータ及び回転検出器に加え、角度割り出しされたスピンドルユニットの位置を保持するためのクランプ機構を必要な構成として備えており、さらには、スピンドルユニットに対し後述の加工用の流体を供給するためのロータリジョイントを備えているものがある。
【0006】
ところで、特許文献1に記載の加工用ヘッド(スピンドルヘッド)では、スピンドルユニット(ツールスピンドル)は、上記DDモータによって回転駆動される単一の回転軸(第2ハーフヘッド)によって支持されている。すなわち、この特許文献1の加工用ヘッドでは、スピンドルユニットの支持構造は片持ち支持となっている。(なお、上記において括弧書された各部の名称は、その特許文献で使用されている対応する各部の名称であり、下記の特許文献2に関する記載についても同じである。)
【0007】
しかし、このような片持ちによる支持構造の場合、支持剛性が低いために振動が発生し易く、それによって加工精度が低下するといった問題が発生してしまう。そこで、このような片持ち支持構造に代えて、特許文献2に記載されているような支持構造を採用することが考えられる。
【0008】
この特許文献2に記載の加工用ヘッド(操作ヘッド)では、スピンドルユニット(ツールホルダ)を支持する支持ヘッド(第1の支持部)は、スピンドルユニットを挟んで対向配置された支持部(一対のアーム)を有しており、スピンドルユニットは、各支持部内で回転自在に支持されて互いに軸心を一致させて対向配置された一対の支持軸によって両側で支持されている。この構成によれば、上記した片持ち支持構造の加工用ヘッドに比べて支持剛性が高くなるため、上記のような振動の発生に伴う加工精度の低下の問題は発生することがない。
【0009】
しかし、この特許文献2に記載の加工用ヘッドでは、加工用ヘッドが大型化し、それに伴って加工精度が低下する等の新たな問題が発生する。
【0010】
すなわち、従来の加工用ヘッドでは、特許文献1に記載の加工用ヘッドもそうであるように、スピンドルユニットの支持軸に対応してDDモータが設けられるという構成が採用されており、特許文献2に記載の加工用ヘッドでも、各支持軸に対応させて両支持部のそれぞれにDDモータを設ける構成となっている。
【0011】
このような構成の場合、加工用ヘッドの上記支持部内には、上記DDモータ及び上記支持軸を回転自在に支持するための軸受に加え、前述のような回転検出器、クランプ機構、ロータリジョイント、等を配置しなければならないため、設計上、必然的に各支持部の支持軸の軸線方向における寸法が大きくなってしまう。そして、その結果として、加工用ヘッド自体が大型化してしまう。
【0012】
加工用ヘッドが大型化すると、例えば上記門型工作機械の場合、その移動領域を確保するために工作機械自体の大型化を余儀なくされたり、あるいは、工作機械上での作業スペースが制限されたりしてしまう。また、大型化に伴う重量の増加は、加工用ヘッドの移動がスムースに行えずに作業性に悪影響を及ぼしたり、加工用ヘッドの重量によってクロスビームが撓み、加工精度を低下させたりする原因となる。
【特許文献1】特表2004−520944号公報
【特許文献2】特開2003−048135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、割出し機構を備えた工作機械用の加工用ヘッドにおいて、その加工用ヘッド自体が大型化することなく、高い加工精度が得られる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題のもとに、本発明は、工具が取り付けられるスピンドルを含むスピンドルユニットと、該スピンドルユニットを支持する支持ヘッドであってスピンドルの回転軸線と直交する軸線を中心にスピンドルユニットを回転させてその角度位置を割り出す割出し機構を含む支持ヘッドと、を備えた工作機械用の加工用ヘッドを前提とする。
【0015】
そして、本発明では、支持ヘッドが、上記のスピンドルの回転軸線と直交する軸線に軸心を一致させた状態で上記スピンドルユニットを挟んで対向配置された第1及び第2の支持軸をそれぞれに含む第1及び第2の支持部を有し、割出し機構が、支持ヘッドのハウジング内で支持軸周りに同軸的に配置されて支持軸を囲繞するモータロータ及びモータステータからなる駆動モータを含むと共に、第1及び第2の支持部のいずれか一方にのみ配置されている、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明では、支持ヘッドが、支持軸の回転位相を検出するための回転検出器を備え、この回転検出器が、第1及び第2の支持部の割出し機構が設けられる側の他方に配設されるようにしてもよく、さらには、上記支持ヘッドが、上記スピンドルユニットの角度位置を保持するクランプ機構を備え、このクランプ機構が、上記第1及び第2の支持部の上記割出し機構が設けられる側の他方に配設されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記した本発明による工作機械用の加工用ヘッドによれば、割出し機構の駆動手段として機能するDDモータは、支持ヘッドの主要部を構成する第1及び第2の支持部のいずれか一方にのみ内蔵されるため、他方には、その分だけ空間的な余裕ができる。よって、他の部材(支持軸、回転検出器、クランプ機構、ロータリジョイント、等)を、上記第1及び第2の支持部のいずれかに適宜に配設することにより、支持ヘッド(加工用ヘッド)の大型化を防ぐことができ、加工用ヘッドの大型化に伴う前述の問題を有効に防止することができる。
【0018】
また、回転検出器及び/又はクランプ機構を、上記第1の支持部及び第2の支持部の割出し機構が配設される側の他方に配設することにより、支持ヘッドの大型化を防止するような回転検出器及び/又はクランプ機構の配置をより容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0020】
図1〜3に示すのは本発明の一実施形態であって、図示の加工用ヘッド10は、工具が取り付けられるスピンドル21を有するスピンドルユニット20と、スピンドルユニット20を支持する第1の支持ヘッド30(本発明の「支持ヘッド」に相当)と、第1の支持ヘッド30を支持する第2の支持ヘッド50とを含む(図3)。
【0021】
スピンドルユニット20は、駆動モータ内蔵型のスピンドルヘッドであって、内蔵された駆動モータ25によってスピンドル21を高速回転駆動するものである。
【0022】
このスピンドルユニット20のハウジング23内には、スピンドル21が挿通配置されており、このスピンドル21を囲繞するようにして駆動モータ25が内蔵されている。駆動モータ25は、スピンドル21に外嵌固定されたロータ25aと、ロータ25aの外周面に対向するように設けられたステータ25bとから成っている。スピンドル21は、駆動モータ25の前後(図の上下)に複数列配置された軸受(例えば、アンギュラコンタクトベアリング)27によって回転自在に支持されている。そして、ステータ25bに励磁電流を供給すると、ロータ25aとの間に励磁力が発生し、その励磁力によってロータ25aが回転してスピンドル21が回転駆動される。
【0023】
第1の支持ヘッド30は、上記スピンドルユニット20を支持すると共に、スピンドルユニット20を、上記スピンドル21の回転軸線と直交する軸線(以下、「A軸」という)を中心に回転させてその角度位置を割り出すためのものである。
【0024】
この第1の支持ヘッド30は、支持部30cに対し、本願発明の第1及び第2の支持部に相当する一対の脚部30a、30bを組み付けたフォーク形に構成されており、その脚部30a、30b間で上記のスピンドルユニット20を支持する。そして、上記スピンドルユニット20は、脚部30a、30bのそれぞれの内部で回転自在に支持された一対の支持軸によって支持されている。
【0025】
また、本実施例における支持ヘッド(第1の支持ヘッド30)では、スピンドルユニット20を回転駆動するためのDDモータ(本発明の「駆動モータ」に相当)33が、上記一対の脚部30a、30bのうちの一方の脚部30a(第1の支持部)内にのみ設けられた構成となっている。そこで、以下では、上記一対の支持軸のうち、脚部30a側の支持軸を駆動支持軸といい、脚部30b側の支持軸を従動支持軸という。さらに、本実施例の支持ヘッドでは、後述の回転検出器及びクランプ機構が、DDモータ33が配設される側の脚部30aとは他方の脚部30b(第2の支持部)の内部に配設されている。
【0026】
以下に、DDモータ33が配設される脚部30a(第1の支持部)の構成について、詳細に説明する。
【0027】
脚部30aは、ハウジング31aを主体とし、そのハウジング31aの内部に、DDモータ33を構成するロータ(モータロータ)33a及びステータ(モータステータ)33b、スピンドルユニット20を支持する駆動支持軸、この駆動支持軸を回転自在に支持するための軸受(例えば、クロスローラベアリング)35、及びスピンドルユニット20へ加工用の流体(以下、単に「流体」という)を供給するためのロータリジョイント37等が組み込まれている。
【0028】
ハウジング31aは、DDモータ33及び後述の回転軸を挿入するために、脚部30b側が大きく開口している。また、ハウジング31aには、反脚部30b側の側面からA軸方向に伸びる円筒部31a1が形成されている。そして、円筒部31a1には、A軸方向にロータリジョイント37が挿入される貫通孔31a2が形成されている。また、ハウジング31aの反脚部30b側の端面には、後述の流体供給用のパイプや電流を供給するためのケーブルが通される凹部31a3が形成されている。さらに、脚部30aの反脚部30b側には、側面カバー18aが取り付けられており、凹部31a3がこの側面カバー18aによって覆われている。なお、図2は、この側面カバー18aを外した状態を示している。
【0029】
ロータリジョイント37は、ハウジング31aに固定されたディストリビュータ37aと、ディストリビュータ37aの円筒部37a1の外側に回転可能に嵌装されたシャフト37bとで構成されている。
【0030】
ディストリビュータ37aは、ハウジング31aの貫通孔31a2に挿入された状態で、そのフランジ部37a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材37cによってハウジング31aに取り付けられている。また、ディストリビュータ37aの中心には、スピンドルユニット20に向けてのケーブル等の通過を許容するための貫通孔37a4が形成されている。
【0031】
また、ディストリビュータ37aには、流体を供給又は排出するための複数の流体流路37a3が円周方向に位置をずらして形成されている。一方、シャフト37bには、ディストリビュータ37aの各流体流路37a3に対応する複数の流体流路37b1が形成されている。なお、図1では、複数の流体流路37a3及び流体流路37b1は、その1つのみが代表的に示されている。
【0032】
そして、各流体流路37a3とそれに対応する各流体流路37b1とは、ディストリビュータ37aとシャフト37bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト37bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、各流体流路37b1は、スピンドルユニット20に形成された流体供給用又は排出用のポート24に連通されている。さらに、ディストリビュータ37aとシャフト37bとの間には、各環状溝の間に密封用のシール部材が介装されている。
【0033】
さらに、ディストリビュータ37aには、円周方向に位置をずらして複数の流体供給用又は排出用のポート37dが形成されており、各ポート37dに流体供給用又は排出用のパイプ12が接続されている。そして、供給用のパイプ12から供給された流体が、ロータリジョイント37からポート24を介してスピンドルユニット20へ供給される。また、流体を循環させる場合には、スピンドルユニット20内を循環した流体が、ロータリジョイント37を介して排出用のパイプ12へ排出される。因みに、このスピンドルユニット20へ供給される流体としては、例えば、高速で回転するDDモータ25やスピンドル21を冷却するための冷却用の油、スピンドルユニット20(スピンドル21の回転部分)への切り粉の侵入を防ぐためのシール用のエア、加工時に回転工具等を冷却するための冷却用の水、等がある。
【0034】
DDモータ33は、ハウジング31aに対し固定配置されたステータ33bと、ステータ33の内周面に対向するように配設されたロータ33aとからなる。すなわち、図示のDDモータ33は、インナーロータ型のモータとして構成されている。
【0035】
ステータ33bは、ハウジング31aに固定されたステータスリーブ33cの内周面に内嵌固定されている。このステータスリーブ33cの外周面には、環状溝33c1が形成されている。一方、ハウジング31aには、この環状溝33c1に連通する流体供給路31a4及び流体排出路31a5が形成されている。そして、この環状溝33c1に対し、流体供給路31a4からDDモータ33を冷却するための冷却用の流体(例えば、油)が供給され、ロータ33aの回転に伴うDDモータ33の発熱を抑えるようになっている。なお、環状溝33c1は、流体供給路31a4から供給された流体が、環状溝33c1を循環して流体排出路31a5から排出されるように、螺旋状に形成されている(図示略)。
【0036】
ロータ33aは、ハウジング31a内に回転可能に設けられた回転軸32の外周面に外嵌固定されている。この回転軸32は、前述のロータリジョイント37のシャフト37bに対しその回転軸線について同心的に配置されており、円周方向に配設された複数のネジ部材によってシャフト37bに固定されている。そして、ロータ33aは、その外周面がステータ33bの内周面に対向する配置で、回転軸32に形成された円筒部32aの外周面に外嵌固定され、回転軸32に対し相対回転不能に設けられている。
【0037】
また、回転軸32には、その脚部30b側の端面32bに対し、円周方向に配設された複数のネジ部材14によってスピンドルユニット20が固定される。すなわち、スピンドルユニット20は、回転軸32の端面32bに対して固定されることにより、回転軸32に支持される。従って、脚部30a側では、回転軸32及びこれと一体的に回転するロータリジョイント37のシャフト37bが、スピンドルユニット20のための駆動支持軸を構成している。
【0038】
上記した回転軸32の円筒部32aは、回転軸32をロータリジョイント37のシャフト37bに組み付けた状態で、僅かな隙間を介して前記したハウジング31aの円筒部31a1を囲繞するように形成され、その外周面にDDモータ33のロータ33aが嵌装されている。一方、ハウジング31aの円筒部31a1とこの円筒部31a1の貫通孔31a2内に位置するシャフト37bとの間には、軸受35が介装されている。そして、この軸受35によってシャフト37bがハウジング31aに対し回転自在に支持された状態となっている。従って、これらの構成により、上記の駆動支持軸(ロータリジョイント37のシャフト37b+シャフト37bに組み付けられた回転軸32)は、ハウジング31aに対し回転自在に支持されると共に、DDモータ33によって回転駆動される。
【0039】
次に、脚部30aと対向する位置でスピンドルユニット20を支持する脚部30b(第2の支持部)の構成について、以下で詳細に説明する。
【0040】
脚部30bは、ハウジング31bを主体とし、その内部に、スピンドルユニット20の角度位置を保持するクランプ機構34、スピンドルユニット20を支持する従動支持軸、この従動支持軸を回転自在に支持するための軸受36、及びロータリジョイント38等が組み込まれている。
【0041】
ハウジング31bは、A軸方向に貫通する貫通孔31b1が形成されており、その貫通孔31b1内に上記クランプ機構34、従動支持軸、軸受36、及びロータリジョイント38が組み込まれている。また、ハウジング31bの反脚部30a側の端面には、脚部30aと同様に凹部が形成されており(図示略)、これが側面カバー18bによって覆われている。
【0042】
ロータリジョイント38は、脚部30a側のロータリジョイント37と同様のものであって、ハウジング31bに軸受ホルダ70の円筒部70a1に固定されたディストリビュータ38aと、ディストリビュータ38aの円筒部38a1の外側に回転可能に嵌装されたシャフト38bとで構成されている。
【0043】
ディストリビュータ38aは、上記の円筒部38a1と、円筒部38a1の反脚部30a側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部38a2とからなっている。そして、ディストリビュータ38aは、軸受ホルダ70の貫通孔70a4に挿入された状態で、フランジ部38a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材38cによって軸受ホルダ70に組み付けられている。また、ディストリビュータ38aの中心には、A軸方向に貫通する貫通孔38a4が形成されている。
【0044】
このディストリビュータ38aには、円周方向に位置をずらして複数の流体流路38a3が形成されている。一方、シャフト38bには、ディストリビュータ38aの各流体流路38a3に対応する複数の流体流路38b1が形成されている。なお、図1では、この複数の流体流路38a3及び流体流路38b1について、その1つのみが代表的に示されている。
【0045】
そして、各流体流路38a3とそれに対応する各流体流路38b1とは、ディストリビュータ38aとシャフト38bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト38bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、ディストリビュータ38aとシャフト38bとの間には、各環状溝の間に密封用のシール部材が介装されている。さらに、流体流路38b1は、スピンドルユニット20に形成された流体供給用又は排出用のポート24に連通されている。
【0046】
軸受ホルダ70は、上記の円筒部70a1と、円筒部70a1の反脚部70a側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部70a2とからなっている。そして、軸受ホルダ70は、このフランジ部70a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材70bによってハウジング31bに組み付けられている。また、軸受ホルダ70の中心には、上記の貫通孔70a4がA軸方向に貫通するように形成されている。
【0047】
脚部30bにおいて、脚部30aの回転軸32に対応する回転軸39は、フランジ部材39bと、このフランジ部材39bに組み付けられたロータリジョイント38のシャフト38bとで構成されている。この回転軸39(ロータリジョイント38のシャフト38b+フランジ部材39b)は、その回転軸線が、脚部30aの回転軸32の回転軸線(=A軸)と一致するように配設される。そして、回転軸39は、軸受36によって軸受ホルダ70に回転自在に支持されており、A軸に関し軸受ホルダ70の円筒部70a1と同心的に配設された状態となっている。
【0048】
また、フランジ部材39bは、脚部30a側に、脚部30aにおける回転軸32の端面32bと平行な端面39b1を有しており、この端面39b1に対し、円周方向に配設された複数のネジ部材15によってスピンドルユニット20が固定される。従って、この回転軸39が、脚部30bにおけるスピンドルユニット20を支持するための従動支持軸として機能する。なお、回転軸39には、フランジ部材39bの外周部において、円筒状のブレーキ部材71が固定されており、このブレーキ部材71も回転軸39と一体的に回転する。従って、このブレーキ部材71も従動支持軸の一部に相当する。
【0049】
スピンドルユニット20の回転位置(角度位置)を保持するためのクランプ機構34は、主としてクランプスリーブ34aで構成される。クランプスリーブ34aは、圧力室を形成するための環状溝34a1が形成された円筒部34a2と、この円筒部34a2の脚部30a側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部34a3とからなっている。また、円筒部34a2は、回転軸39と一体的に回転するブレーキ部材71を、その回転を許容する状態で囲繞している。
【0050】
クランプスリーブ34aの円筒部34a2とハウジング31bとの間には、環状の受圧部材34bが介装されている。より詳しくは、ハウジング31bの貫通孔31b1に受圧部材34bが内嵌固定されており、さらに、この受圧部材34bの内周面にクランプスリーブ34aの円筒部34a2が内嵌固定されている。そして、フランジ部34a3に螺挿したネジ部材により、クランプスリーブ34aがハウジング31bに固定され、さらに、受圧部材34bがフランジ部34a3に対し固定されている。
【0051】
また、クランプスリーブ34aには、円筒部34a2に対し、受圧部材34b側に開口する環状溝34a1が形成されており、この環状溝34a1と受圧部材34bの内周面とによって圧力室が形成される。さらに、この圧力室には、受圧部材34bに形成された流体流路34b1が連通している。この流体流路34b1は、クランプスリーブ34aのフランジ部34a3に形成された流体流路34a4を介し、ハウジング31bに形成された流体流路31b2に連通している。
【0052】
そして、このクランプ機構34では、これらの流体流路を介して圧力流体(例えば、圧油)が圧力室に供給されることにより、クランプスリーブ34aにおいて、円筒部34a2の環状溝34a1に対応する薄肉部が縮径方向に変形する。その結果、ブレーキ部材71に対し縮径方向の締付け力が作用し、ブレーキ部材71及びこれに組み付けられた回転軸39の回転が阻止された状態(クランプ状態)となる。また、圧力室への圧力流体の供給を停止することにより、円筒部34a2の薄肉部の変形状態が解消され、シャフト38aに対する締付け力が消失してクランプ状態が解除される。
【0053】
また、図示の例では、脚部30b内に、回転軸39の回転角度(=スピンドルユニット20の角度位置)を検出するための回転検出器41が設けられている。
【0054】
回転検出器41は、軸受ホルダ70の貫通孔70a4内に設けられ、貫通孔70a4の内周面から半径方向に突出する円盤状の支持部の所定位置に取り付けられた一対の検出ヘッド41a、41aと、検出器ヘッド41a、41aの内側に対向するよう配置で、回転軸39の端部に取り付けられた検出リング41bとで構成されている。但し、本発明における回転検出器は、この構成のものに限らず、他の公知のものであってもよい。
【0055】
そして、この回転検出器41によるスピンドルユニット20の角度位置の検出信号は、本発明の加工用ヘッド10が搭載される工作機械の制御装置(図示せず)に送られ、スピンドルユニット20の回転制御(数値制御)に用いられる。
【0056】
次に、図示の加工用ヘッド10における第2の支持ヘッド50について、その詳細を以下に説明する。
【0057】
前述のように、本実施例における加工用ヘッド10は、上記で説明した第1の支持ヘッド30に加え、この第1の支持ヘッド30を支持する第2の支持ヘッド50を備えている。そして、第1の支持ヘッド30は、第2の支持ヘッド50を介し、前述の工作機械のラム等に支持される。この第2の支持ヘッド50は、第1の支持ヘッド30を鉛直方向の軸線(工作機械のZ軸と平行な軸線/以下、「C軸」という)を中心に回転駆動させるために設けられている(図3)。
【0058】
第2の支持ヘッド50は、C軸方向に貫通する貫通孔51aを有するハウジング51を主体としており、軸部52aが貫通孔51a内に配設された回転軸52を備えている。そして、第1の支持ヘッド30は、この回転軸52を介して第2の支持ヘッド50に対し組み付けられている。また、図示の例では、第2の支持ヘッド50は、そのフランジ部51bに螺挿された複数のネジ部材によって工作機械1のラム8に取り付けられている。
【0059】
第2の支持ヘッド50は、ハウジング51の貫通孔51a内に、回転軸52を回転駆動するためのDDモータ53、回転軸52の回転位置を保持するためのクランプスリーブ54、及び第1の支持ヘッド30へ流体を供給するためのロータリジョイント55を備えている。
【0060】
DDモータ53は、ステータスリーブ53cを介してハウジング51に固定されたステータ53aと、スタータ53aの内周面に対向する配置で、回転軸52に固定されたロータ53bとで構成されている。また、DDモータ53を駆動するための励磁電流の供給は、コネクタ17aを介してDDモータ53に接続されたケーブル17によって行われる。
【0061】
回転軸52は、ハウジング51の貫通孔51a内で回転可能に設けられた軸部材52aと、軸部材52aの第1の支持ヘッド30側の端部に取り付けられて半径方向(C軸と直交する方向)へ広がるフランジ部材52bとを含んでいる。また、回転軸52には、ロータリジョイント55が挿通される貫通孔52cが形成されている。
【0062】
なお、図示の例では、回転軸52の軸部材52aとフランジ部材52bとの間に軸受ハウジング52dが形成されている。そして、この軸受ハウジング52dとハウジング51との間に軸受56が介装され、この軸受56により、回転軸52がハウジング51に対し回転自在に支持された状態となっている。因みに、図示の例における軸受56は、複合ころ形式の旋回軸受の1つである3列円筒ころ軸受(3列ローラベアリング/アキシアル・ラジアルローラベアリング)であって、アキシアル方向及びラジアル方向の大きい荷重を受けることができるものである。
【0063】
軸部材52aの外周面には、DDモータ53のロータ53bが外嵌固定されており、ロータ53bの回転に伴って軸部材52aがC軸を中心として回転駆動される。また、フランジ部材52bは、円周方向に配設された複数のネジ部材52eによって軸部材52aに組み付けられており、軸部材52aと一体的に回転する。さらに、フランジ部材52bには、円周方向に複数のネジ部材19が螺挿されており、このネジ部材19によって、第1の支持ヘッド30の支持部30cがフランジ部材52bに組み付けられる。従って、回転軸52がDDモータ53によって回転駆動されることにより、第1の支持ヘッド30が回転軸52と共に回転する。
【0064】
ロータリジョイント55は、第1の支持ヘッド30のロータリジョイント37、38と同様のものであって、ハウジング51に固定されたディストリビュータ55aと、ディストリビュータ55aに形成された貫通孔55a1に回転可能に嵌装され、C軸に関しディストリビュータ55aと同心的に配設されたシャフト55bとで構成されている。
【0065】
ディストリビュータ55aは、回転軸52の貫通孔52c内に配置される円筒部55a2と、円筒部55a2の反第1の支持ヘッド30側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部55a3とからなっており、そのフランジ部55a3において、円周方向に配設された複数のネジ部材により、ハウジング51に組み付けられている。
【0066】
また、シャフト55bには、第1の支持ヘッド30側の端部に、円盤状のフランジ部材57が組み付けられており、シャフト55bは、このフランジ部材57を介して回転軸52のフランジ部材52bに対し組み付けられている。従って、回転軸52の回転に伴い、シャフト55bも共に回転する。なお、フランジ部材57は、第1の支持ヘッド30の支持部30cに形成された円形の凹部30c1に嵌め込まれる形状となっており、このフランジ部材57と支持部30cの凹部30c1とにより、第1の支持ヘッド30と第2の支持ヘッド50とを組み付ける際の位置決めが行われる。
【0067】
ディストリビュータ55aには、外部から流体を取り入れるための流体流路55a4が、円周方向に位置をずらして複数形成されている。一方、シャフト55bにも、ディストリビュータ55aの各流体流路55a4に対応する複数の流体流路55b1が、円周方向に位置をずらして形成されている。
【0068】
そして、各流体流路55a4とそれに対応する各流体流路55b1とは、ディストリビュータ55aとシャフト55bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト55bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、シャフト55bに形成された複数の流体流路55b1は、それぞれ第1の支持ヘッド30におけるロータリジョイント37又は38のディストリビュータ37a、38aに形成された対応する流体流路37a3又は38a3に連通されている。従って、外部からロータリジョイント55のディストリビュータ55aに供給された流体は、シャフト55bを介し、第1の支持ヘッド30のロータリジョイント37、38へ供給される。
【0069】
ハウジング51に固定されたディストリビュータ55aと回転軸52の軸部材52aとの間には、回転軸52の回転位置を保持するためのクランプスリーブ54が設けられている。このクランプスリーブ54は、そのフランジ部54aにおいて、複数のネジ部材によってディストリビュータ55aに組み付けられると共に、回転軸52との相対回転が許容されるように設けられている。また、クランプスリーブ54の円筒部54bには、ディストリビュータ55aの円筒部55a2側に開口する環状溝54cが形成されており、この環状溝54cとディストリビュータ55aの円筒部55a2の外周面とにより圧力室が形成される。
【0070】
そして、この圧力室に対し、ディストリビュータ55aに形成された流体流路54dを介して圧力流体を供給することにより、円筒部54bの環状溝54cに対応する薄肉部が拡径方向に変形する。その結果、回転軸52に対し拡径方向の締付け力が作用し、回転軸52の回転が阻止された状態(クランプ状態)となる。
【0071】
また、図示の例では、ロータリジョイント55の上端部に、回転軸52の回転量、すなわち、第1の支持ヘッド30の回転量を検出するための回転検出器44が設けられている。この回転検出器44は、ディストリビュータ55a上の所定位置に配置された一対の検出器ヘッド44a、44aと、この検出ヘッド44a、44aに対向する配置で、回転軸52と共に回転するシャフト55bに取り付けられた検出リング44bとからなっている。この回転検出器44の検出信号は、第1の支持ヘッド30における回転検出器41と同様に、工作機械の制御装置に送られ、第1の支持ヘッド30の回転制御に用いられる。
【0072】
以上の構成からなる加工用ヘッド10では、スピンドルユニット20を支持する支持ヘッド(第1の支持ヘッド30)は、スピンドルユニット20を、一対の脚部30a、30bの各支持軸に挟み込むかたちで、両支持軸に対し相対回転不能に固定して支持している。そして、スピンドルユニット20は、脚部30a側の駆動支持軸がDDモータ33によって回転駆動されることにより、支持軸の回転軸線(=スピンドル21の回転軸線に直交する軸線/A軸)を中心として、所望の角度位置へ向けて回転駆動される。
【0073】
DDモータ33の駆動は、予め設定されたプログラムに基づく数値制御に従って行われ、ロータ33aの回転制御により、駆動支持軸を介してスピンドルユニット20の角度位置が制御される。従って、図示の例では、脚部30a内に設けられたDDモータ33及びDDモータ33に連結された駆動支持軸(回転軸32+シャフト37b)が、スピンドルユニット20のための割出し機構として機能する。なお、DDモータ33を駆動するための励磁電流は、コネクタ16aによってDDモータ33に接続されたケーブル16によって供給される。
【0074】
そして、本発明に基づく上記第1の支持ヘッド30では、前述のように、スピンドルユニット20を回転駆動するためのDDモータ33が、一対の脚部30a、30bのうちの一方の脚部30aにのみ配設される構成となっている。すなわち、本発明に基づく支持ヘッドでは、従来のようにスピンドルユニットを支持する一対の支持軸を共に駆動軸とするのではなく、一方の支持軸のみを駆動軸とし、他方の支持軸については、スピンドルユニットを支持する機能のみを持たせたものとしている。
【0075】
しかも、本実施例では、スピンドルユニット20と共に一体的に回転する一対の支持軸の回転位相(スピンドルユニット20の角度位置)を検出するための回転検出器41、及び割り出されたスピンドルユニット20の角度位置を保持するためのクランプ機構34を、DDモータ33が配置されない他方の脚部30bの内部に配置する構成としている。すなわち、本実施例に基づく支持ヘッドでは、上記のように一対の支持部(脚部30a、30b)の一方にのみDDモータ(割出し機構)を内蔵し、DDモータを配置しないことによって空間的に余裕がある他方の支持部(脚部30b)側に回転検出器及びクランプ機構をまとめて配置してある。
【0076】
そして、これらの構成によれば、支持剛性を高めるためにスピンドルユニットを一対の支持軸によって挟み込むように支持する支持ヘッドであっても、従来の各支持軸のそれぞれに対応させて駆動モータを配設する構成に比べ、支持軸の軸線方向における支持ヘッドの寸法が大きくなることが回避され、加工用ヘッドの大型化を防止することができる。
【0077】
特に、本実施例のように、ロータリジョイントを各支持部内に配設する支持ヘッドでは、DDモータ、軸受及びロータリジョイントの配設に伴って他の部材の配置に制限を受けてしまうため、一つの支持部内にDDモータと回転検出器及びクランプ機構とを配設すると、その支持軸の軸線方向における寸法は大きくならざるを得ない。これに対し、本発明によれば、いずれか一方の支持部内にはDDモータが配設されないため、回転検出器又はクランプ機構の少なくとも一方を、このDDモータが配設されない側の支持部内に配設することにより、従来の支持ヘッドに比べ、支持軸の軸線方向における寸法を小さくすることができる。
【0078】
なお、以上で説明した本発明による加工用ヘッドでは、支持ヘッド(第1の支持ヘッド30)は、回転検出器及びクランプ機構が、共にDDモータが配設されていない支持部(第2の支持部/脚部30b)内に配設される構成となっているが、本発明はこれに限定されず、回転検出器又はクランプ機構の一方が、DDモータが配設されている支持部(第1の支持部/脚部30a)側に配設されるものであってもよい。この構成の場合であっても、両支持部内にDDモータが配設されている支持ヘッドに比べ、支持軸の軸線方向における寸法を小さくすることができる。
【0079】
また、本発明は上記のいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の請求範囲を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の加工用ヘッドにおける支持ヘッドの一実施形態を示す正面部分断面図。
【図2】本発明の加工用ヘッドにおける支持ヘッドの一実施形態を示す側面図。
【図3】本発明の加工用ヘッドの一実施形態を示す正面部分断面図。
【図4】本発明の加工用ヘッドが適用される工作機械の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0081】
1 工作機械
10 加工用ヘッド
20 スピンドルユニット
21 スピンドル
25 DDモータ
25a ロータ
25b ステータ
30 支持ヘッド(第1の支持ヘッド)
30a、30b 脚部
30c 支持部
31a、31b ハウジング
32 回転軸
33 DDモータ
33a ロータ
33b ステータ
34 クランプ機構
34a クランプスリーブ
35、36 軸受
37 ロータリジョイント
37a ディストリビュータ
37b シャフト
38 ロータリジョイント
38a ディストリビュータ
38b シャフト
39 回転軸
41、44 回転検出器
41a、44a 検出器ステータ
41b、44b 検出器ロータ
50 第2の支持ヘッド
51 ハウジング
52 回転軸
53 DDモータ
53a ステータ
53b ロータ
54 クランプスリーブ
55 ディストリビュータ
56 軸受(3列円筒ころ軸受)
70 軸受ホルダ
71 ブレーキ部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具が取り付けられるスピンドルを含むスピンドルユニットと、該スピンドルユニットを支持する支持ヘッドであって前記スピンドルの回転軸線と直交する軸線を中心に前記スピンドルユニットを回転させてその角度位置を割り出す割出し機構を含む支持ヘッドと、を備えた工作機械用の加工用ヘッドであって、
前記支持ヘッドは、前記スピンドルの回転軸線と直交する軸線に軸心を一致させた状態で前記スピンドルユニットを挟んで対向配置された第1及び第2の支持軸をそれぞれに含む第1及び第2の支持部を有し、
前記割出し機構は、前記支持ヘッドのハウジング内で前記支持軸周りに同軸的に配置されて前記支持軸を囲繞するモータロータ及びモータステータからなる駆動モータを含むと共に、前記第1及び第2の支持部のいずれか一方にのみ配置されている、
ことを特徴とする工作機械用の加工用ヘッド。
【請求項2】
上記支持ヘッドは、前記支持軸の回転位相を検出するための回転検出器を備えており、
前記回転検出器は、前記第1及び第2の支持部の前記割出し機構が設けられる側の他方に配設される、
ことを特徴とする請求項1に記載の工作機械用の加工用ヘッド。
【請求項3】
上記支持ヘッドは、前記スピンドルユニットの角度位置を保持するクランプ機構を備えており、
前記クランプ機構は、前記第1及び第2の支持部の前記割出し機構が設けられる側の他方に配設される、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の工作機械用の加工用ヘッド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−80481(P2008−80481A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220982(P2007−220982)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】