工具管理システム
【課題】工具の情報の入力作業が簡単で、誤入力、入力漏れのおそれが小さく、入力後の情報の確認作業が簡単な工具管理システムを提供することを課題とする。
【解決手段】工具管理システム2は、単一の画面23、24中に単一の工具T1〜T7の像230a、240aと、工具T1〜T7の所定の部位に関する情報項目230b、240bと、を表示する画面21を有する表示装置20を備える。作業者は、工具T1〜T7の像230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、情報を入力することができる。このため、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【解決手段】工具管理システム2は、単一の画面23、24中に単一の工具T1〜T7の像230a、240aと、工具T1〜T7の所定の部位に関する情報項目230b、240bと、を表示する画面21を有する表示装置20を備える。作業者は、工具T1〜T7の像230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、情報を入力することができる。このため、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCNC(Computer Numerical Control)旋盤などの工作機械の工具管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の工具を交換して使用するCNC旋盤の場合、ワークを加工する前に、各工具の情報(例えば所定の部位の寸法など)を事前に入力しておく必要がある。この入力作業は、作業者が手動で行っている。具体的には、作業者は、まず、複数の工具の各々に対して、所定の部位の寸法、座標などを測定する。次に、作業者は、測定した寸法、座標などの情報を、紙製の設定表に記入する。それから、作業者は、当該設定表と、CNC旋盤の入力画面と、を見比べながら、画面の所定の入力欄に所定の情報を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−181568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が使用する設定表、CNC旋盤の入力画面は、共に、文字や記号や数値が羅列されているだけだった。このため、作業者は、設定表を見ながら入力作業を行わないと、どの情報をどの入力欄に入力すれば良いのか判らなかった。また、とりわけ特殊な工具を用いる場合、汎用の工具と比較して、情報名が特殊な場合が多かった。このため、当該情報を誤入力してしまう可能性が高かった。また、設定表のページ数と、入力画面の切替画面数と、が対応していなかった。例えば、設定表においては1ページ内に収まっている複数の情報の入力欄が、入力画面においては5枚の切替画面に、分散して配置されている場合があった。このため、入力したい情報の入力欄を探すのに時間がかかっていた。また、誤入力、入力漏れが発生する可能性が高かった。このように、従来の入力作業は煩雑だった。また、誤入力、入力漏れが発生する可能性が高かった。また、入力後の確認作業も煩雑だった。
【0005】
特許文献1の[図5]には、ステーション配置欄と、金型情報欄と、を有するレイアウト表示画面を備える金型交換管理装置が開示されている。ステーション配置欄には、タレットのイラストが表示されている。タレットは、複数のステーションを備えている。複数のステーションには、各々、金型が装着されている。ステーション配置欄のタレットのイラストにおいて作業者が任意のステーションを選択すると、金型情報欄に当該ステーションに装着された金型の情報が表示される。同文献記載の金型交換管理装置によると、作業者は、どのステーションにどの金型が配置されているかを、簡単に確認することができる。
【0006】
しかしながら、同文献記載の金型交換管理装置の場合、タレットを画面に表示することはできても、タレットに装着された複数の金型を、個別に画面に表示することはできない。このため、ステーションと金型との対応の確認は簡単に行えるものの、単一の金型の各部位に関する情報の確認は困難である。
【0007】
本発明の工具管理システムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、工具の情報の入力作業が簡単で、誤入力、入力漏れのおそれが小さく、入力後の情報の確認作業が簡単な工具管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の工具管理システムは、一画面中に単一の工具の像と、該工具の所定の部位に関する情報項目と、を表示する画面を有する表示装置を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「像」とは、イラスト、図面、写真、デフォルメ絵など、視覚により工具の部位を認識可能なものをいう。また、「像」には、二次元画、三次元画、静止画、動画が含まれる。また、工具種が共通する複数の工具がある場合は、各々の工具が「単一の工具」に相当する。たとえ工具種が共通する場合であっても、各々の工具が固有値を有するからである。
【0010】
本発明の工具管理システムによると、一画面中に、単一の工具の像と、情報項目と、を表示することができる。このため、作業者は、工具の像および情報項目を見ながら、情報を入力することができる。したがって、工具の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。また、工具ごとに、必要な情報を一元化することができる。
【0011】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記画面は、前記情報項目の情報が入力される情報入力欄を有する構成とする方がよい。本構成によると、一画面中に、単一の工具の像と、情報項目と、情報入力欄と、を表示することができる。このため、作業者は、工具の像および情報項目を見ながら、同じ画面上の情報入力欄に情報を入力することができる。したがって、工具の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0012】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記画面は、前記情報項目と前記情報入力欄との対応を認識可能に表示する構成とする方がよい。本構成によると、情報項目と情報入力欄とが関連付けられている。このため、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0013】
(4)好ましくは、上記(2)または(3)の構成において、前記情報項目が指定されると、該情報項目に対応する前記情報入力欄が、前記情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる構成とする方がよい。本構成によると、情報項目を指定するだけで、情報項目に対応する情報入力欄をアクティブ状態にすることができる。このため、情報の入力作業が簡単である。
【0014】
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記画面は、前記情報入力欄に入力された前記情報の確認結果を表示する確認結果表示部を有する構成とする方がよい。ここで、「情報の確認」には、情報が情報入力欄に入力されていることの確認、入力された情報が正確であることの確認が含まれる。本構成によると、入力後の情報の確認作業の結果を視認することができる。
【0015】
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記画面は、第一画面と、該第一画面と切替可能な第二画面と、を有し、該第一画面は、複数の前記工具に関する工具設定表示部を有し、該第二画面は、一画面中に、該第一画面で選択された単一の該工具の像と、該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、を表示する構成とする方がよい。
【0016】
ここで、「像」とは、イラスト、図面、写真、デフォルメ絵など、視覚により工具の部位を認識可能なものをいう。また、「像」には、二次元画、三次元画、静止画、動画が含まれる。また、工具種が共通する複数の工具がある場合は、各々の工具が「単一の工具」に相当する。たとえ工具種が共通する場合であっても、各々の工具が固有値を有するからである。
【0017】
第一画面と第二画面とは切り替え可能である。第一画面の工具設定表示部には、複数の工具が表示される。第一画面において、作業者が、複数の工具のうち、いずれかの工具を選択すると、第二画面に切り替わる。そして、当該工具の像と、当該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、が表示される。本構成によると、第一画面において、複数の工具を一覧することができる。また、第二画面において、所望の工具について、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業を行うことができる。
【0018】
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記第二画面は、該第二画面を前記第一画面に切り替える切替ボタンを有する構成とする方がよい。本構成によると、所望の工具について、情報の入力作業や入力後の情報の確認作業が完了した際、切替ボタンを操作する(例えば、押す、触れるなど)ことにより、迅速に第一画面に戻ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、工具の情報の入力作業が簡単で、誤入力、入力漏れのおそれが小さく、入力後の情報の確認作業が簡単な工具管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態となる工具管理システムを備えるCNC旋盤の外観斜視図である。
【図2】同CNC旋盤のブロック図である。
【図3】同CNC旋盤の内部斜視図である。
【図4】図3の透過拡大右側面図である。
【図5】球面加工用の工具の斜視図である。
【図6】球面加工用の工具の分解斜視図である。
【図7】図5の球面加工用の工具の透過右側面図である。
【図8】端面加工用の工具の透過右側面図である。
【図9】球面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図である。
【図10】端面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図である。
【図11】本発明の一実施形態となる工具管理システムの画面の階層構成を示す模式図である。
【図12】同工具管理システムの第一画面である。
【図13】同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面である。
【図14】同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の位置用第二画面である。
【図15】同工具管理システムのホルダH2(工具T2)の寸法用第二画面である。
【図16】同工具管理システムのホルダH2(工具T2)の位置用第二画面である。
【図17】情報入力前の同工具管理システムの第一画面である。
【図18】情報入力前の同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面である。
【図19】情報入力中の同寸法用第二画面である。
【図20】情報入力後の同寸法用第二画面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の工具管理システムの実施の形態について説明する。
【0022】
<CNC旋盤の構成>
まず、本実施形態の工具管理システムを備えるCNC旋盤の構成について説明する。図1に、CNC旋盤の外観斜視図を示す。図2に、CNC旋盤のブロック図を示す。図3に、CNC旋盤の内部斜視図を示す。なお、図2においては、工具管理システム2に関連する部分のみを示す。また、図3においては、ワークWを半分に割って示す。
【0023】
図1〜図3に示すように、CNC旋盤1は、工具管理システム2と、全体カバー3と、ATC(Automatic Tool Changer)4と、芯押台5と、主軸台6と、ベッド7と、を備えている。
【0024】
[全体カバー3]
図1に示すように、全体カバー3は、CNC旋盤1の外殻を構成している。全体カバー3は、操作盤30と、自動扉31と、を備えている。操作盤30および自動扉31は、全体カバー3の前面に配置されている。自動扉31は、自動で開閉可能である。
【0025】
[工具管理システム2の概要]
図1、図2に示すように、工具管理システム2は、表示装置20と、複数の入力キー28と、制御装置29と、を備えている。入力キー28は、本発明の「入力装置」の概念に含まれる。表示装置20は、操作盤30に配置されている。表示装置20は、画面21を備えている。画面21は、タッチパネルである。複数の入力キー28は、操作盤30に配置されている。複数の入力キー28は、画面21の下方に配置されている。制御装置29は、入出力インターフェイス290と、演算部291と、記憶部292と、を備えている。制御装置29は、画面21と、複数の入力キー28と、に電気的に接続されている。なお、工具管理システム2の詳細部分については後で説明する。
【0026】
[ベッド7、主軸台6]
図3に示すように、ベッド7は、工場の床面に配置されている。ベッド7の上面後方には、傾斜部70が配置されている。傾斜部70は、後方から前方に向かって下るスロープ状を呈している。
【0027】
主軸台6は、ベッド7の上面左側に配置されている。主軸台6は、本体60と、主軸61と、チャック62と、サポートシャフト63と、を備えている。本体60は、ベッド7の上面に配置されている。主軸61は、本体60の右面から右側に突設されている。主軸61は、左右方向に延在している。主軸61は、自身の軸周りに回転可能である。チャック62は、主軸61の右端に配置されている。チャック62には、中空状のワークW(具体的にはデフケース)が固定されている。サポートシャフト63は、主軸61の中央を貫通している。サポートシャフト63は、左右方向に延在している。サポートシャフト63は、左右方向に移動可能である。
【0028】
[芯押台5]
図3に示すように、芯押台5は、ベッド7の上面右側に配置されている。芯押台5と主軸台6とは、左右方向に対向している。芯押台5は、本体50と、ドライブサポートシャフト51と、本体を主軸61の軸方向に動かすことができる芯押スライド52と、を備えている。
【0029】
芯押スライド52は、ベッド7の上面に配置されている。本体50は、芯押スライド52に対して、左右方向に移動可能である。ドライブサポートシャフト51は、本体50の左面から左側に突設されている。ドライブサポートシャフト51は、左右方向に延在している。後述するように、ドライブサポートシャフト51は、外筒と、内筒と、を備えている。このうち、内筒は、自身の軸周りに回転可能である。ドライブサポートシャフト51は、左右方向に移動可能である。ドライブサポートシャフト51とサポートシャフト63とは、左右方向に対向している。
【0030】
[ATC4]
図4に、図3の透過拡大右側面図を示す。なお、芯押台5、ワークWは省略して示す。図3、図4に示すように、ATC4は、マガジン40と、角度割出し装置41と、八個のホルダH1〜H8と、X軸(主軸の軸直方向=前後方向)下スライド42と、Z軸(主軸の軸方向=左右方向)スライド43と、Z軸下スライド44と、を備えている。
【0031】
Z軸下スライド44は、ベッド7の上面の傾斜部70に配置されている。Z軸スライド43は、Z軸下スライド44に対して、左右方向に移動可能である。X軸下スライド42は、Z軸スライド43の上面に配置されている。角度割出し装置41は、X軸下スライド42に対して、前後方向(詳しくは、前下−後上方向)に移動可能である。マガジン40は、角度割出し装置41の左面に配置されている。八個のホルダH1〜H8は、マガジン40の外縁に配置されている。八個のホルダH1〜H8は、回転軸400を中心に、45°ずつ離間して配置されている。マガジン40(つまり八個のホルダH1〜H8)は、角度割出し装置41により、回転軸400を中心に、45°ずつ回転可能である。
【0032】
図4のホルダH3のように、Z軸スライド43をZ軸下スライド44の左端まで移動させ、角度割出し装置41をX軸下スライド42の前端まで移動させ、マガジン40を回転させることにより、八個のホルダH1〜H8のうちいずれかを、ドライブサポートシャフト51とサポートシャフト63との間に配置することができる。
【0033】
[工具T1〜T7]
図4に示すように、ATC4の八個のホルダH1〜H8には、七個の工具T1〜T7が配置されている。具体的には、工具T1はホルダH1に、工具T2はホルダH2に、工具T3はホルダH3に、工具T4はホルダH4に、工具T5はホルダH5に、工具T6はホルダH6に、工具T7はホルダH7に、それぞれ配置されている。なお、ホルダH8は空である。
【0034】
工具T1〜T7は、いずれもワークWの内面加工用の工具である。工具T1、T3、T6は、ワークWの球面加工用の工具である。工具T2、T4、T5、T7はワークWの、端面加工用の工具である。以下、球面加工用の工具T1、T3、T6を代表して、工具T1の構成について説明する。図5に、球面加工用の工具の斜視図を示す。図6に、球面加工用の工具の分解斜視図を示す。図7に、図5の球面加工用の工具の透過右側面図を示す。
【0035】
図5〜図7に示すように、工具T1は、第一ケース90と、第二ケース91と、端板92と、スライド93と、偏心ピン94と、を備えている。第一ケース90は、左方に開口する「C」字状を呈している。第一ケース90は、第一回転軸挿入孔900と、第一凹部(図略)と、キー溝902と、第一収容部903と、を備えている。第一収容部903は、第一ケース90の内面(左面)に凹設されている。第一凹部は、第一収容部903の底面に凹設されている。第一回転軸挿入孔900は、第一凹部の底面と、第一ケース90の外面(右面)と、を左右方向に貫通している。キー溝902は、第一回転軸挿入孔900の右側の開口の口縁に配置されている。キー溝902は、「+」字状を呈している。
【0036】
第二ケース91は、第一ケース90の左側に配置されている。第二ケース91は、右方に開口する「C」字状を呈している。第二ケース91は、第二回転軸挿入孔910と、第二凹部911と、第二収容部913と、を備えている。第二収容部913は、第二ケース91の内面(右面)に凹設されている。第二収容部913と第一収容部903とは、左右方向に連なっている。第二凹部911は、第二収容部913の底面に凹設されている。第二凹部911と第一凹部とは、左右方向に対向している。第二回転軸挿入孔910は、第二凹部911の底面に凹設されている。第二回転軸挿入孔910と第一回転軸挿入孔900とは、左右方向に対向している。端板92は、第一ケース90および第二ケース91の後端を封止している。
【0037】
スライド93は、第一収容部903および第二収容部913に配置されている。スライド93は、前後方向に移動可能である。スライド93は、チップ930と、ガイド溝931と、を備えている、チップ930は、スライド93の前端に交換可能に配置されている。ガイド溝931は、スライド93の左右両面を貫通している。左方または右方から見て、ガイド溝931は、「T」字状を呈している。
【0038】
偏心ピン94は、第一回転軸940と、第一アーム941と、被ガイドピン942と、第二アーム943と、第二回転軸944と、を備えている。偏心ピン94は、一体物である。第一回転軸940は、第一回転軸挿入孔900に、回転可能に挿入されている。第一回転軸940の外端(右端)には、「−」字状のキー溝940aが配置されている。「−」字状のキー溝940aは、「+」字状のキー溝902の径方向内側に、回転可能に配置されている。第二回転軸944は、第一回転軸940と同軸上に配置されている。第二回転軸944は、第二回転軸挿入孔910に、回転可能に挿入されている。被ガイドピン942は、第一回転軸940および第二回転軸944に対して、偏心して配置されている。被ガイドピン942は、ガイド溝931の上下方向延在部に挿入されている。被ガイドピン942は、ガイド溝931に対して、上下方向に移動可能である。第一アーム941は、第一回転軸940の内端(左端)と、被ガイドピン942の右端と、を連結している。第二アーム943は、第二回転軸944の内端(右端)と、被ガイドピン942の左端と、を連結している。
【0039】
図5に示すように、ドライブサポートシャフト51(図3参照)は、外筒510と、内筒511と、を備えている。外筒510の先端には、キー凸部510aが突設されている。キー凸部510aは、「+」字状を呈している。キー凸部510aは、第一ケース90のキー溝902に挿入されている。内筒511の先端には、キー凸部511aが突設されている。キー凸部511aは、「−」字状を呈している。キー凸部511aは、偏心ピン94の第一回転軸940のキー溝940aに挿入されている。
【0040】
スライド93は、ドライブサポートシャフト51により、第一ケース90および第二ケース91に対して、突出可能である。スライド93を突出させる場合は、内筒511を回転させる。キー凸部511aとキー溝940aとは係合しているため、内筒511を回転させると、第一回転軸940および第二回転軸944を中心に、被ガイドピン942が揺動する。なお、この際、図6に示すように、第一アーム941は第一凹部内を、第二アーム943は第二凹部911内を、それぞれ弧状に移動する。被ガイドピン942の揺動力は、ガイド溝931を介して、スライド93に伝達される。当該揺動力により、スライド93は、第一ケース90および第二ケース91に対して、突出する。スライド93つまりチップ930の突出量を調整することにより、ワークWに対する加工径を調整することができる。
【0041】
次に、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7を代表して、工具T2の構成について説明する。図8に、端面加工用の工具の透過右側面図を示す。工具T2と工具T1との相違点は、スライド93の構成のみである。図8に示すように、スライド93の先端(前端)の左右両端には、各々、端面加工用のチップ930が配置されている。
【0042】
<CNC旋盤のワーク加工時の動き>
次に、CNC旋盤のワーク加工時の動きについて簡単に説明する。図9に、球面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図を示す。図10に、端面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図を示す。
【0043】
ワークWを加工する際は、図3に示すように、まず、工具T1〜T7をホルダH1〜H7にセットする。次に、ワークWをチャック62にセットする。続いて、図9に示すように、ワークWの側周壁に開設されている窓部96が、工具挿入方向(図3における工具T3の方向)を向くように、ワークWの回転位置決めを行う。それから、マガジン40つまり角度割出し装置41を前方に移動させることにより、窓部96を介して、ホルダH3に保持された工具T3を、ワークWの内部に挿入する。すなわち、工具T3を、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51の同軸上にセットする。そして、工具T3を、左側のサポートシャフト63と、右側のドライブサポートシャフト51と、により左右両側から挟み込んで固定する。続いて、マガジン40つまり角度割出し装置41を後方に移動させることにより、窓部96を介して、空のホルダH3をワークWの外部に退出させる。つまり、工具T3を、ホルダH3から、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51に、受け渡す。それから、図3に示す主軸61を回転させ、ワークWを回転させる。また、図5に示すドライブサポートシャフト51の内筒511を回転させ、図7に示すスライド93つまりチップ930を径方向に突出させる。図9に太線で示すように、チップ930の突出量を調整しながら、チップ930をワークWの内周面(球面)に摺接させることにより、ワークWの内周面を加工する。
【0044】
工具T3を工具T4に交換する場合は、まず、窓部96を介して、ホルダH3をワークW内に挿入し、退出させることにより、工具T3を、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51から、ホルダH3に、受け渡す。次に、マガジン40を45°だけ回転させ、図3の工具T3の位置に、工具T4を配置する。それから、上述した手順により、ワークWの内部において、工具T4をサポートシャフト63とドライブサポートシャフト51とで挟み込む。図10に太線で示すように、チップ930の突出量を調整しながら、チップ930をワークWの左端面または右端面に摺接させることにより、ワークWの左右両端面を加工する。
【0045】
<工具管理システムの画面構成>
次に、工具管理システムの画面構成について説明する。図11に、工具管理システムの画面の階層構成を示す。図11に示すように、工具管理システム2の画面21は、第一画面22と、八個の寸法用第二画面23と、八個の位置用第二画面24と、に切り替え可能である。寸法用第二画面23、位置用第二画面24は、各々、本発明の「第二画面」の概念に含まれる。八個の寸法用第二画面23、八個の位置用第二画面24は、ホルダH1〜H8に対応している。なお、本実施形態では8点のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)の取付例となっているが、システム上では最大で99点まで登録数を増やすことが可能である。
【0046】
[第一画面22]
図12に、第一画面を示す。図12に示すように、第一画面22は、工具設定表示部220と、確認結果表示部221(図12に一点鎖線枠で示す)と、を備えている。確認結果表示部221については、後述する。
【0047】
工具設定表示部220の「マガジンNo.」の数値は、図4に示すマガジン40のホルダH1〜H8に対応している。「使用中工具」の数値は、図4に示す工具T1〜T7に対応している。数値「0」は、ホルダH8に工具が配置されていないことを示している。「工具タイプ」の「球面」は、当該ホルダH1〜H7の工具が、図7、図9に示すような、球面加工用の工具T1、T3、T6であることを示している。「工具タイプ」の「座面小」、「座面大」は、当該ホルダH1〜H7の工具が、図8、図10に示すような、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7であることを示している。「加工最小径」、「加工最大径」として入力されている数値は、本発明の「情報」の概念に含まれる。「加工最小径」、「加工最大径」は、各工具T1〜T7が固有値を有するという意味からも、工具T1〜T7において、重要なパラメータである。このため、図11に示すように、最上層の画面である第一画面22で確認することができる。
【0048】
図12に示すように、工具設定表示部220の右端欄には、「マガジンNo.」ごと(ホルダH1〜H8ごと)に、八個の詳細ボタン220a(タッチボタン)が配置されている。作業者が所望の詳細ボタン220aを押すと、画面21が、八個のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)のうち、作業者所望のホルダH1〜H8に付属する工具T1〜T7の寸法用第二画面23に切り替わる。
【0049】
ここでは、球面加工用の工具T1、T3、T6を代表して、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の詳細ボタン220aを、作業者が押した場合について説明する。作業者が詳細ボタン220aを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印aで示すように、画面21を、第一画面22から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0050】
[工具T1の寸法用第二画面23]
図13に、ホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。寸法用第二画面23は、イラスト表示部230と、情報表示部231と、確認ボタン232と、戻るボタン233と、を備えている。イラスト表示部230は、本発明の「像表示部」の概念に含まれる。確認ボタン232、戻るボタン233は、本発明の「切替ボタン」の概念に含まれる。確認ボタン232については後述する。
【0051】
「工具No.」は、工具の番号(T1)を示している。「工具タイプ」は、工具のタイプ(球面)を示している。「工具サイズ」は、工具のサイズ(M)を示している。
【0052】
イラスト表示部230と情報表示部231とは、左右に並んで配置されている。イラスト表示部230には、単一の工具T1(図7参照)の二つのイラスト230aと、四つの情報項目230bと、が配置されている。イラスト230aは、本発明の「像」の概念に含まれる。
【0053】
四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)は、各々タッチボタンである。四つの情報項目230bは、工具T1の各部位に関連付けられている。
【0054】
具体的には、「作動半径」とは、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)に対する被ガイドピン942の偏心量を示している。「最小径角度」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91に最も没入した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)に対する被ガイドピン942の角度を示している。「加工最小径」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91に最も没入した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)からチップ930までの距離を示している。「加工最大径」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91から最も突出した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)からチップ930までの距離を示している。これら四つの情報項目230bは、工具種が異なれば勿論のこと、同一種の工具T1〜T7であっても、それぞれが異なる数値や動作傾向(固有値)を有するため、重要なパラメータである。
【0055】
このように、四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)が工具T1の各部位に関連付けられているため、作業者は、イラスト表示部230を見るだけで、各情報項目230bが何を示しているのかを、簡単に認識することができる。
【0056】
情報表示部231には、情報項目231bごとに、情報入力欄231aが設定されている。情報表示部231の八つの情報項目231bのうち上から四つの情報項目231bと、イラスト表示部230の四つの情報項目230bと、は対応している。
【0057】
情報入力欄231aには、入力値として数値(例えば、「加工最小径」の入力値「83.000」など)が入力されている。各数値は、本発明の「情報」の概念に含まれる。なお、情報項目230bのうち、「座面刃先幅」は、端面加工用の工具に必要な項目であり、球面加工用の工具T1には無用の項目である。このため、図13にハッチングで示すように、数値の入力ができないように表示されている。
【0058】
イラスト表示部230の上方には、「工具詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、「取付位置詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、が配置されている。寸法用第二画面23が表示されている場合は、「工具詳細設定」ボタンが選択状態(例えば、押し込まれた状態、ボタンの色が青から赤に変わった状態など)、になっている。作業者が、「取付位置詳細設定」ボタンを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印bで示すように、画面21を、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の位置用第二画面24に切り替える。
【0059】
また、作業者が戻るボタン233(タッチボタン)を押すと、図11に矢印cで示すように、制御装置29は、画面21を、寸法用第二画面23から第一画面22に切り替える。
【0060】
[工具T1の位置用第二画面24]
図14に、ホルダH1(工具T1)の位置用第二画面を示す。位置用第二画面24は、イラスト表示部240と、情報表示部241と、確認ボタン242と、戻るボタン243と、を備えている。イラスト表示部240は、本発明の「像表示部」の概念に含まれる。確認ボタン242は、本発明の「切替ボタン」の概念に含まれる。確認ボタン242については後述する。
【0061】
位置用第二画面24と寸法用第二画面23との相違点は、イラスト表示部240だけである。ここでは、相違点についてのみ説明する。イラスト表示部240には、単一の工具T1(図7参照)のイラスト240aと、三つの情報項目240bと、ドライブサポートシャフト51(図9参照)のイラスト240cと、サポートシャフト63(図9参照)のイラスト240dと、チャック62(図9参照)のイラスト240eと、ワークW(図9参照)のイラスト240fと、が配置されている。イラスト240aは、本発明の「像」の概念に含まれる。
【0062】
三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)は、各々タッチボタンである。三つの情報項目240bは、工具T1の各部位に関連付けられている。
【0063】
具体的には、「クランプ幅」とは、工具T1の左右方向長さを示している。「X軸座標値」とは、ドライブサポートシャフト51の軸線から、工具T1の左右方向に延在する上下方向中心線までの距離を示している。「Z軸座標値」とは、チャック62の右端面から、工具T1の上下方向に延在する左右方向中心線までの距離を示している。
【0064】
このように、三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)が工具T1の各部位、工具T1と周辺機器との位置関係に関連付けられているため、作業者は、イラスト表示部240を見るだけで、各情報項目240bが何を示しているのかを、簡単に認識することができる。
【0065】
情報表示部241は、寸法用第二画面23の情報表示部231と同じである。八つの情報項目231bのうち下から三つの情報項目231bと、イラスト表示部240の三つの情報項目240bと、は対応している。
【0066】
イラスト表示部230の上方には、「工具詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、「取付位置詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、が配置されている。位置用第二画面24が表示されている場合は、「取付位置詳細設定」ボタンが選択状態になっている。作業者が、「工具詳細設定」ボタンを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印dで示すように、画面21を、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の位置用第二画面24から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0067】
また、作業者が戻るボタン243(タッチボタン)を押すと、図11に矢印eで示すように、制御装置29は、画面21を、位置用第二画面24から第一画面22に切り替える。
【0068】
以上説明したように、作業者は、図11に矢印aで示すように、第一画面22から寸法用第二画面23に切り替えることができる。また、矢印bで示すように、寸法用第二画面23から位置用第二画面24に切り替えることができる。また、矢印cで示すように、寸法用第二画面23から第一画面22に切り替えることができる。また、矢印dで示すように、位置用第二画面24から寸法用第二画面23に切り替えることができる。また、矢印eで示すように、位置用第二画面24から第一画面22に切り替えることができる。すなわち、上層→下層、下層→上層に画面21を切り替えることができる。
【0069】
[工具T2の寸法用第二画面23、位置用第二画面24]
次に、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7を代表して、「マガジンNo.2」(ホルダH2、工具T2)の寸法用第二画面23、位置用第二画面24について説明する。図15に、ホルダH2(工具T2)の寸法用第二画面を示す。図16に、ホルダH2(工具T2)の位置用第二画面を示す。
【0070】
図11に矢印fで示すように、工具T2の寸法用第二画面23は、第一画面22において、作業者が、「マガジンNo.2」(ホルダH2、工具T2)の詳細ボタン220aを押すことにより、表示することができる。また、図11に矢印gで示すように、寸法用第二画面23は、図13に示す工具T1の寸法用第二画面23において、作業者が、「工具No.」の矢印「>」を押すことにより、表示することができる。同様に、図11に矢印hで示すように、位置用第二画面24は、図14に示す工具T1の位置用第二画面24において、作業者が、「工具No.」の矢印「>」を押すことにより、表示することができる。このように、上下層間のみならず、異なるホルダH1〜H8間において、同じ階層の画面同士(寸法用第二画面23同士、位置用第二画面24同士)を切り替えて表示することができる。
【0071】
図15、図16に示すように、工具T2は、端面加工用の工具である。このため、情報表示部231、241の情報項目231bの「座面刃先幅」には、情報として数値(=47.000)が表示されている。
【0072】
<工具管理システムを用いた情報入力作業>
次に、工具管理システムを用いた情報入力作業について説明する。まず、作業者は、工具T1〜T7各々の、情報(例えば、加工最大径、加工最小径など)を測定する。これら工具T1〜T7の測定は、前述のとおり、例えば同一種の工具T1〜T7であっても各々が固有値を有することから、加工対象となるワークWに使用する工具T1〜T7(マガジン40に取り付ける工具T1〜T7)については、全工具T1〜T7に対して測定を行う。そして、測定した情報を、記録しておく。
【0073】
次に、作業者は、記録した情報を画面に入力する。図17に、情報入力前の第一画面を示す。図17に示すように、第一画面22の工具設定表示部220には、「−」が表示されている。工具設定表示部220には、数値(情報)が入力されていない(図12参照)。
【0074】
工具設定表示部220の右端欄には、「マガジンNo.」ごと(ホルダH1〜H8ごと)に、八個の詳細ボタン220aが配置されている。作業者が情報入力対象の詳細ボタン220aを押すと、画面21が、八個のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)のうち、情報入力対象のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)の寸法用第二画面23に切り替わる。
【0075】
ここでは、工具T1〜T7を代表して、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の詳細ボタン220aを、作業者が押した場合について説明する。作業者が詳細ボタン220aを押すと、図2に示す制御装置29が、図11に矢印aで示すように、画面21を、第一画面22から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0076】
図18に、情報入力前のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。図19に、情報入力中のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。図20に、情報入力後のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。
【0077】
図18に示すように、情報入力前の情報入力欄231aには、「0.000」が表示されている。一例として、情報項目231b(加工最小径)の数値を入力する場合について説明する。まず、図19に示すように、作業者は、イラスト表示部230の情報項目230b(加工最小径)を押す。作業者が情報項目230b(加工最小径)を押すと、図2に示す制御装置29が、図19に一点鎖線枠で示すように、情報表示部231の情報項目231b(加工最小径)を点滅させる。また、制御装置29が、情報項目231b(加工最小径)用の情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替える。このように、イラスト表示部230の情報項目230bと、情報表示部231の情報項目231bおよび情報入力欄231aと、はリンクしている。
【0078】
次に、図20に示すように、作業者は、図1に示す入力キー28により、アクティブ状態の情報入力欄231aに、数値(=83.000)を入力する。
【0079】
このように、イラスト表示部230の情報項目230bの選択と、情報表示部231の情報入力欄231aへの数値入力と、を繰り返すことにより、作業者は、四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)に対応する数値を、情報表示部231に入力する。
【0080】
続いて、作業者は、画面21を、寸法用第二画面23から位置用第二画面24(図14参照)に切り替える。それから、作業者は、三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)に対応する数値を、情報表示部241に入力する。
【0081】
同様の入力作業を、他の工具T2〜T7にも実行することにより、全ての工具T1〜T7の情報入力作業が完了する。入力された情報は、図2に示す制御装置29の記憶部292に格納される。
【0082】
<工具管理システムを用いた情報確認作業>
次に、工具管理システムを用いた情報確認作業について説明する。工具T1〜T7を代表して、工具T1の情報を確認する場合について説明する。まず、作業者は、図12に示す第一画面22、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24を適宜切り替えながら、情報項目230b、240b、231bごとに、情報入力欄231aに数値が入力されているか、入力された数値が正確か、をチェックする。次に、チェックの結果、数値が入力されており、かつ入力された数値が正確な場合は、作業者は、図13の確認ボタン232、または図14の確認ボタン242を押す。作業者が確認ボタン232、242を押すと、図11に矢印c、eで示すように、図2に示す制御装置29が、画面21を、第一画面22に切り替える。そして、図12に一点鎖線枠で示すように、確認結果表示部221内の文字色が、赤から青に切り替わる。
【0083】
同様の確認作業を、他の工具T2〜T7にも実行することにより、図12の工具設定表示部220の文字色が全て青になる。つまり、全ての工具T1〜T7の情報確認作業が完了する。
【0084】
<作用効果>
次に、本実施形態の工具管理システム2の作用効果について説明する。本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24において、一画面中に、単一の工具のイラスト230a、240a(イラスト数は複数でもよい)と、情報項目230b、240bと、を表示することができる。このため、作業者は、工具のイラスト230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、情報を入力することができる。したがって、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0085】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、一画面中に、単一の工具のイラスト230a、240aと、情報項目230b、240bと、情報入力欄231aと、を表示することができる。このため、作業者は、工具のイラスト230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、同じ画面(寸法用第二画面23または位置用第二画面24)上の情報入力欄231aに情報を入力することができる。したがって、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。また、工具T1〜T7ごとに、必要な情報を一元化することができる。すなわち、工具T1〜T7単位で、情報を管理することができる。
【0086】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、情報項目230b、240bと情報入力欄231aとの対応が認識可能に表示されている。具体的には、イラスト表示部230、240において任意の情報項目230b、240bを指定すると、当該情報項目230b、240bに対応する情報表示部231、241の情報入力欄231aが、情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる。並びに、情報表示部231、241の情報項目231bが点滅する。このため、情報の入力作業が簡単である。
【0087】
また、図12に示す第一画面22は、図13、図14に示す情報入力欄231aに入力された情報の確認結果を表示する確認結果表示部221を備えている。すなわち、情報の確認が完了したら、確認結果表示部221内の文字色が赤から青に切り替わる。このため、入力後の情報の確認作業の結果を、最上層の第一画面22において、視認することができる。
【0088】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図11に矢印で示すように、第一画面22と、寸法用第二画面23と、位置用第二画面24と、を自在に切り替えることができる。このため、第一画面22において、複数の工具T1〜T7の重要な情報を一覧することができる。また、寸法用第二画面23と、位置用第二画面24において、所望の工具T1〜T7について、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24が、確認ボタン232、242を備えている。このため、所望の工具T1〜T7について、情報の確認作業が完了した際、確認ボタン232、242を押すことにより、迅速に第一画面22に戻ることができる。また、確認結果表示部221内の文字色を赤から青に切り替えることができる。
【0090】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24が、戻るボタン233、243を備えている。このため、所望の工具T1〜T7について、情報の入力作業が完了した際、戻るボタン233、243を押すことにより、迅速に第一画面22に戻ることができる。
【0091】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図12、図17に示すように、第一画面22において、情報が未入力の欄には、「−」が表示される。このため、どの欄に情報が入力されていないのかを確認しやすい。また、どのホルダH1〜H8に工具T1〜T7が配置されているのかを確認しやすい。
【0092】
<その他>
以上、本発明の工具管理システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0093】
上記実施形態においては、CNC旋盤1にATC4を配置したが、タレットを配置してもよい。ATC4のホルダH1〜H8に配置される工具T1〜T7は、同種でも異種でもよい。また、全く同一の工具T1〜T7を複数配置してもよい。
【0094】
図12の「マガジンNo.1」、「マガジンNo.6」に示すように、全く同一の工具T1、T6であっても、例えば工具T1、T6を構成する各部品の精度や、これら部品の組付精度などの違いにより、各工具T1、T6における動作範囲や動作傾向、および組付後寸法などが異なる場合がある。同様に、図12の「マガジンNo.2」、「マガジンNo.5」に示すように、全く同一の工具T2、T5であっても、各工具T2、T5における動作範囲や動作傾向、および組付後寸法などが異なる場合がある。このため、全く同一の工具T1〜T7をATC4に複数配置する場合であっても、工具T1〜T7ごとに、逐一、工具管理システム2に情報を入力する必要がある。
【0095】
上記実施形態においては、図19に示すように、作業者がイラスト表示部230の情報項目230b(加工最小径)を押すことにより、情報表示部231の情報項目231b(加工最小径)用の情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替えた。しかしながら、イラスト表示部230を介さずに、作業者が情報入力欄231aを押すことにより(あるいは図1に示す入力キー28で指定することにより)、情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替えてもよい。また、アクティブ状態に切り替える際に、マウス(図略)を用いてもよい。
【0096】
上記実施形態においては、図1に示すように、入力キー28を用いて情報(数値)を工具管理システム2に入力した。しかしながら、音声入力装置(マイクなど)、画像入力装置(カメラ、スキャナなど)などを用いて、情報を入力してもよい。
【0097】
上記実施形態の確認結果表示部221においては、文字色を赤から青に切り替えることにより、情報確認の結果を表示した。しかしながら、チェックボックスにマークを入れることにより、情報確認の結果を表示してもよい。また、背景色の切り替え、反転表示、点滅表示などにより、情報確認の結果を表示してもよい。
【0098】
上記実施形態においては、CNC旋盤1に本発明の工具管理システムを用いたが、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤など、他の工作機械に用いてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1:CNC旋盤。
2:工具管理システム、20:表示装置、21:画面、22:第一画面、220:工具設定表示部、220a:詳細ボタン、221:確認結果表示部、23:寸法用第二画面(第二画面)、230:イラスト表示部(像表示部)、230a:イラスト(像)、230b:情報項目、231:情報表示部、231a:情報入力欄、231b:情報項目、232:確認ボタン(切替ボタン)、233:戻るボタン、24:位置用第二画面(第二画面)、240:イラスト表示部(像表示部)、240a:イラスト(像)、240b:情報項目、240c:イラスト、240d:イラスト、240e:イラスト、240f:イラスト、241:情報表示部、242:確認ボタン(切替ボタン)、243:戻るボタン、28:入力キー(入力装置)、29:制御装置、290:入出力インターフェイス、291:演算部、292:記憶部。
3:全体カバー、30:操作盤、31:自動扉。
4:ATC、40:マガジン、400:回転軸、41:角度割出し装置、42:X軸下スライド、43:Z軸スライド、44:Z軸下スライド。
5:芯押台、50:本体、51:ドライブサポートシャフト、510:外筒、510a:キー凸部、511:内筒、511a:キー凸部、52:芯押スライド。
6:主軸台、60:本体、61:主軸、62:チャック、63:サポートシャフト。
7:ベッド、70:傾斜部。
90:第一ケース、900:第一回転軸挿入孔、902:キー溝、903:第一収容部、91:第二ケース、910:第二回転軸挿入孔、911:第二凹部、913:第二収容部、92:端板、93:スライド、930:チップ、931:ガイド溝、94:偏心ピン、940:第一回転軸、940a:キー溝、941:第一アーム、942:被ガイドピン、943:第二アーム、944:第二回転軸、96:窓部。
H1〜H8:ホルダ、T1〜T7:工具、W:ワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCNC(Computer Numerical Control)旋盤などの工作機械の工具管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の工具を交換して使用するCNC旋盤の場合、ワークを加工する前に、各工具の情報(例えば所定の部位の寸法など)を事前に入力しておく必要がある。この入力作業は、作業者が手動で行っている。具体的には、作業者は、まず、複数の工具の各々に対して、所定の部位の寸法、座標などを測定する。次に、作業者は、測定した寸法、座標などの情報を、紙製の設定表に記入する。それから、作業者は、当該設定表と、CNC旋盤の入力画面と、を見比べながら、画面の所定の入力欄に所定の情報を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−181568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が使用する設定表、CNC旋盤の入力画面は、共に、文字や記号や数値が羅列されているだけだった。このため、作業者は、設定表を見ながら入力作業を行わないと、どの情報をどの入力欄に入力すれば良いのか判らなかった。また、とりわけ特殊な工具を用いる場合、汎用の工具と比較して、情報名が特殊な場合が多かった。このため、当該情報を誤入力してしまう可能性が高かった。また、設定表のページ数と、入力画面の切替画面数と、が対応していなかった。例えば、設定表においては1ページ内に収まっている複数の情報の入力欄が、入力画面においては5枚の切替画面に、分散して配置されている場合があった。このため、入力したい情報の入力欄を探すのに時間がかかっていた。また、誤入力、入力漏れが発生する可能性が高かった。このように、従来の入力作業は煩雑だった。また、誤入力、入力漏れが発生する可能性が高かった。また、入力後の確認作業も煩雑だった。
【0005】
特許文献1の[図5]には、ステーション配置欄と、金型情報欄と、を有するレイアウト表示画面を備える金型交換管理装置が開示されている。ステーション配置欄には、タレットのイラストが表示されている。タレットは、複数のステーションを備えている。複数のステーションには、各々、金型が装着されている。ステーション配置欄のタレットのイラストにおいて作業者が任意のステーションを選択すると、金型情報欄に当該ステーションに装着された金型の情報が表示される。同文献記載の金型交換管理装置によると、作業者は、どのステーションにどの金型が配置されているかを、簡単に確認することができる。
【0006】
しかしながら、同文献記載の金型交換管理装置の場合、タレットを画面に表示することはできても、タレットに装着された複数の金型を、個別に画面に表示することはできない。このため、ステーションと金型との対応の確認は簡単に行えるものの、単一の金型の各部位に関する情報の確認は困難である。
【0007】
本発明の工具管理システムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、工具の情報の入力作業が簡単で、誤入力、入力漏れのおそれが小さく、入力後の情報の確認作業が簡単な工具管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の工具管理システムは、一画面中に単一の工具の像と、該工具の所定の部位に関する情報項目と、を表示する画面を有する表示装置を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「像」とは、イラスト、図面、写真、デフォルメ絵など、視覚により工具の部位を認識可能なものをいう。また、「像」には、二次元画、三次元画、静止画、動画が含まれる。また、工具種が共通する複数の工具がある場合は、各々の工具が「単一の工具」に相当する。たとえ工具種が共通する場合であっても、各々の工具が固有値を有するからである。
【0010】
本発明の工具管理システムによると、一画面中に、単一の工具の像と、情報項目と、を表示することができる。このため、作業者は、工具の像および情報項目を見ながら、情報を入力することができる。したがって、工具の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。また、工具ごとに、必要な情報を一元化することができる。
【0011】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記画面は、前記情報項目の情報が入力される情報入力欄を有する構成とする方がよい。本構成によると、一画面中に、単一の工具の像と、情報項目と、情報入力欄と、を表示することができる。このため、作業者は、工具の像および情報項目を見ながら、同じ画面上の情報入力欄に情報を入力することができる。したがって、工具の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0012】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記画面は、前記情報項目と前記情報入力欄との対応を認識可能に表示する構成とする方がよい。本構成によると、情報項目と情報入力欄とが関連付けられている。このため、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0013】
(4)好ましくは、上記(2)または(3)の構成において、前記情報項目が指定されると、該情報項目に対応する前記情報入力欄が、前記情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる構成とする方がよい。本構成によると、情報項目を指定するだけで、情報項目に対応する情報入力欄をアクティブ状態にすることができる。このため、情報の入力作業が簡単である。
【0014】
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記画面は、前記情報入力欄に入力された前記情報の確認結果を表示する確認結果表示部を有する構成とする方がよい。ここで、「情報の確認」には、情報が情報入力欄に入力されていることの確認、入力された情報が正確であることの確認が含まれる。本構成によると、入力後の情報の確認作業の結果を視認することができる。
【0015】
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記画面は、第一画面と、該第一画面と切替可能な第二画面と、を有し、該第一画面は、複数の前記工具に関する工具設定表示部を有し、該第二画面は、一画面中に、該第一画面で選択された単一の該工具の像と、該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、を表示する構成とする方がよい。
【0016】
ここで、「像」とは、イラスト、図面、写真、デフォルメ絵など、視覚により工具の部位を認識可能なものをいう。また、「像」には、二次元画、三次元画、静止画、動画が含まれる。また、工具種が共通する複数の工具がある場合は、各々の工具が「単一の工具」に相当する。たとえ工具種が共通する場合であっても、各々の工具が固有値を有するからである。
【0017】
第一画面と第二画面とは切り替え可能である。第一画面の工具設定表示部には、複数の工具が表示される。第一画面において、作業者が、複数の工具のうち、いずれかの工具を選択すると、第二画面に切り替わる。そして、当該工具の像と、当該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、が表示される。本構成によると、第一画面において、複数の工具を一覧することができる。また、第二画面において、所望の工具について、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業を行うことができる。
【0018】
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記第二画面は、該第二画面を前記第一画面に切り替える切替ボタンを有する構成とする方がよい。本構成によると、所望の工具について、情報の入力作業や入力後の情報の確認作業が完了した際、切替ボタンを操作する(例えば、押す、触れるなど)ことにより、迅速に第一画面に戻ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、工具の情報の入力作業が簡単で、誤入力、入力漏れのおそれが小さく、入力後の情報の確認作業が簡単な工具管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態となる工具管理システムを備えるCNC旋盤の外観斜視図である。
【図2】同CNC旋盤のブロック図である。
【図3】同CNC旋盤の内部斜視図である。
【図4】図3の透過拡大右側面図である。
【図5】球面加工用の工具の斜視図である。
【図6】球面加工用の工具の分解斜視図である。
【図7】図5の球面加工用の工具の透過右側面図である。
【図8】端面加工用の工具の透過右側面図である。
【図9】球面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図である。
【図10】端面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図である。
【図11】本発明の一実施形態となる工具管理システムの画面の階層構成を示す模式図である。
【図12】同工具管理システムの第一画面である。
【図13】同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面である。
【図14】同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の位置用第二画面である。
【図15】同工具管理システムのホルダH2(工具T2)の寸法用第二画面である。
【図16】同工具管理システムのホルダH2(工具T2)の位置用第二画面である。
【図17】情報入力前の同工具管理システムの第一画面である。
【図18】情報入力前の同工具管理システムのホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面である。
【図19】情報入力中の同寸法用第二画面である。
【図20】情報入力後の同寸法用第二画面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の工具管理システムの実施の形態について説明する。
【0022】
<CNC旋盤の構成>
まず、本実施形態の工具管理システムを備えるCNC旋盤の構成について説明する。図1に、CNC旋盤の外観斜視図を示す。図2に、CNC旋盤のブロック図を示す。図3に、CNC旋盤の内部斜視図を示す。なお、図2においては、工具管理システム2に関連する部分のみを示す。また、図3においては、ワークWを半分に割って示す。
【0023】
図1〜図3に示すように、CNC旋盤1は、工具管理システム2と、全体カバー3と、ATC(Automatic Tool Changer)4と、芯押台5と、主軸台6と、ベッド7と、を備えている。
【0024】
[全体カバー3]
図1に示すように、全体カバー3は、CNC旋盤1の外殻を構成している。全体カバー3は、操作盤30と、自動扉31と、を備えている。操作盤30および自動扉31は、全体カバー3の前面に配置されている。自動扉31は、自動で開閉可能である。
【0025】
[工具管理システム2の概要]
図1、図2に示すように、工具管理システム2は、表示装置20と、複数の入力キー28と、制御装置29と、を備えている。入力キー28は、本発明の「入力装置」の概念に含まれる。表示装置20は、操作盤30に配置されている。表示装置20は、画面21を備えている。画面21は、タッチパネルである。複数の入力キー28は、操作盤30に配置されている。複数の入力キー28は、画面21の下方に配置されている。制御装置29は、入出力インターフェイス290と、演算部291と、記憶部292と、を備えている。制御装置29は、画面21と、複数の入力キー28と、に電気的に接続されている。なお、工具管理システム2の詳細部分については後で説明する。
【0026】
[ベッド7、主軸台6]
図3に示すように、ベッド7は、工場の床面に配置されている。ベッド7の上面後方には、傾斜部70が配置されている。傾斜部70は、後方から前方に向かって下るスロープ状を呈している。
【0027】
主軸台6は、ベッド7の上面左側に配置されている。主軸台6は、本体60と、主軸61と、チャック62と、サポートシャフト63と、を備えている。本体60は、ベッド7の上面に配置されている。主軸61は、本体60の右面から右側に突設されている。主軸61は、左右方向に延在している。主軸61は、自身の軸周りに回転可能である。チャック62は、主軸61の右端に配置されている。チャック62には、中空状のワークW(具体的にはデフケース)が固定されている。サポートシャフト63は、主軸61の中央を貫通している。サポートシャフト63は、左右方向に延在している。サポートシャフト63は、左右方向に移動可能である。
【0028】
[芯押台5]
図3に示すように、芯押台5は、ベッド7の上面右側に配置されている。芯押台5と主軸台6とは、左右方向に対向している。芯押台5は、本体50と、ドライブサポートシャフト51と、本体を主軸61の軸方向に動かすことができる芯押スライド52と、を備えている。
【0029】
芯押スライド52は、ベッド7の上面に配置されている。本体50は、芯押スライド52に対して、左右方向に移動可能である。ドライブサポートシャフト51は、本体50の左面から左側に突設されている。ドライブサポートシャフト51は、左右方向に延在している。後述するように、ドライブサポートシャフト51は、外筒と、内筒と、を備えている。このうち、内筒は、自身の軸周りに回転可能である。ドライブサポートシャフト51は、左右方向に移動可能である。ドライブサポートシャフト51とサポートシャフト63とは、左右方向に対向している。
【0030】
[ATC4]
図4に、図3の透過拡大右側面図を示す。なお、芯押台5、ワークWは省略して示す。図3、図4に示すように、ATC4は、マガジン40と、角度割出し装置41と、八個のホルダH1〜H8と、X軸(主軸の軸直方向=前後方向)下スライド42と、Z軸(主軸の軸方向=左右方向)スライド43と、Z軸下スライド44と、を備えている。
【0031】
Z軸下スライド44は、ベッド7の上面の傾斜部70に配置されている。Z軸スライド43は、Z軸下スライド44に対して、左右方向に移動可能である。X軸下スライド42は、Z軸スライド43の上面に配置されている。角度割出し装置41は、X軸下スライド42に対して、前後方向(詳しくは、前下−後上方向)に移動可能である。マガジン40は、角度割出し装置41の左面に配置されている。八個のホルダH1〜H8は、マガジン40の外縁に配置されている。八個のホルダH1〜H8は、回転軸400を中心に、45°ずつ離間して配置されている。マガジン40(つまり八個のホルダH1〜H8)は、角度割出し装置41により、回転軸400を中心に、45°ずつ回転可能である。
【0032】
図4のホルダH3のように、Z軸スライド43をZ軸下スライド44の左端まで移動させ、角度割出し装置41をX軸下スライド42の前端まで移動させ、マガジン40を回転させることにより、八個のホルダH1〜H8のうちいずれかを、ドライブサポートシャフト51とサポートシャフト63との間に配置することができる。
【0033】
[工具T1〜T7]
図4に示すように、ATC4の八個のホルダH1〜H8には、七個の工具T1〜T7が配置されている。具体的には、工具T1はホルダH1に、工具T2はホルダH2に、工具T3はホルダH3に、工具T4はホルダH4に、工具T5はホルダH5に、工具T6はホルダH6に、工具T7はホルダH7に、それぞれ配置されている。なお、ホルダH8は空である。
【0034】
工具T1〜T7は、いずれもワークWの内面加工用の工具である。工具T1、T3、T6は、ワークWの球面加工用の工具である。工具T2、T4、T5、T7はワークWの、端面加工用の工具である。以下、球面加工用の工具T1、T3、T6を代表して、工具T1の構成について説明する。図5に、球面加工用の工具の斜視図を示す。図6に、球面加工用の工具の分解斜視図を示す。図7に、図5の球面加工用の工具の透過右側面図を示す。
【0035】
図5〜図7に示すように、工具T1は、第一ケース90と、第二ケース91と、端板92と、スライド93と、偏心ピン94と、を備えている。第一ケース90は、左方に開口する「C」字状を呈している。第一ケース90は、第一回転軸挿入孔900と、第一凹部(図略)と、キー溝902と、第一収容部903と、を備えている。第一収容部903は、第一ケース90の内面(左面)に凹設されている。第一凹部は、第一収容部903の底面に凹設されている。第一回転軸挿入孔900は、第一凹部の底面と、第一ケース90の外面(右面)と、を左右方向に貫通している。キー溝902は、第一回転軸挿入孔900の右側の開口の口縁に配置されている。キー溝902は、「+」字状を呈している。
【0036】
第二ケース91は、第一ケース90の左側に配置されている。第二ケース91は、右方に開口する「C」字状を呈している。第二ケース91は、第二回転軸挿入孔910と、第二凹部911と、第二収容部913と、を備えている。第二収容部913は、第二ケース91の内面(右面)に凹設されている。第二収容部913と第一収容部903とは、左右方向に連なっている。第二凹部911は、第二収容部913の底面に凹設されている。第二凹部911と第一凹部とは、左右方向に対向している。第二回転軸挿入孔910は、第二凹部911の底面に凹設されている。第二回転軸挿入孔910と第一回転軸挿入孔900とは、左右方向に対向している。端板92は、第一ケース90および第二ケース91の後端を封止している。
【0037】
スライド93は、第一収容部903および第二収容部913に配置されている。スライド93は、前後方向に移動可能である。スライド93は、チップ930と、ガイド溝931と、を備えている、チップ930は、スライド93の前端に交換可能に配置されている。ガイド溝931は、スライド93の左右両面を貫通している。左方または右方から見て、ガイド溝931は、「T」字状を呈している。
【0038】
偏心ピン94は、第一回転軸940と、第一アーム941と、被ガイドピン942と、第二アーム943と、第二回転軸944と、を備えている。偏心ピン94は、一体物である。第一回転軸940は、第一回転軸挿入孔900に、回転可能に挿入されている。第一回転軸940の外端(右端)には、「−」字状のキー溝940aが配置されている。「−」字状のキー溝940aは、「+」字状のキー溝902の径方向内側に、回転可能に配置されている。第二回転軸944は、第一回転軸940と同軸上に配置されている。第二回転軸944は、第二回転軸挿入孔910に、回転可能に挿入されている。被ガイドピン942は、第一回転軸940および第二回転軸944に対して、偏心して配置されている。被ガイドピン942は、ガイド溝931の上下方向延在部に挿入されている。被ガイドピン942は、ガイド溝931に対して、上下方向に移動可能である。第一アーム941は、第一回転軸940の内端(左端)と、被ガイドピン942の右端と、を連結している。第二アーム943は、第二回転軸944の内端(右端)と、被ガイドピン942の左端と、を連結している。
【0039】
図5に示すように、ドライブサポートシャフト51(図3参照)は、外筒510と、内筒511と、を備えている。外筒510の先端には、キー凸部510aが突設されている。キー凸部510aは、「+」字状を呈している。キー凸部510aは、第一ケース90のキー溝902に挿入されている。内筒511の先端には、キー凸部511aが突設されている。キー凸部511aは、「−」字状を呈している。キー凸部511aは、偏心ピン94の第一回転軸940のキー溝940aに挿入されている。
【0040】
スライド93は、ドライブサポートシャフト51により、第一ケース90および第二ケース91に対して、突出可能である。スライド93を突出させる場合は、内筒511を回転させる。キー凸部511aとキー溝940aとは係合しているため、内筒511を回転させると、第一回転軸940および第二回転軸944を中心に、被ガイドピン942が揺動する。なお、この際、図6に示すように、第一アーム941は第一凹部内を、第二アーム943は第二凹部911内を、それぞれ弧状に移動する。被ガイドピン942の揺動力は、ガイド溝931を介して、スライド93に伝達される。当該揺動力により、スライド93は、第一ケース90および第二ケース91に対して、突出する。スライド93つまりチップ930の突出量を調整することにより、ワークWに対する加工径を調整することができる。
【0041】
次に、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7を代表して、工具T2の構成について説明する。図8に、端面加工用の工具の透過右側面図を示す。工具T2と工具T1との相違点は、スライド93の構成のみである。図8に示すように、スライド93の先端(前端)の左右両端には、各々、端面加工用のチップ930が配置されている。
【0042】
<CNC旋盤のワーク加工時の動き>
次に、CNC旋盤のワーク加工時の動きについて簡単に説明する。図9に、球面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図を示す。図10に、端面加工用の工具を用いたワーク加工の模式図を示す。
【0043】
ワークWを加工する際は、図3に示すように、まず、工具T1〜T7をホルダH1〜H7にセットする。次に、ワークWをチャック62にセットする。続いて、図9に示すように、ワークWの側周壁に開設されている窓部96が、工具挿入方向(図3における工具T3の方向)を向くように、ワークWの回転位置決めを行う。それから、マガジン40つまり角度割出し装置41を前方に移動させることにより、窓部96を介して、ホルダH3に保持された工具T3を、ワークWの内部に挿入する。すなわち、工具T3を、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51の同軸上にセットする。そして、工具T3を、左側のサポートシャフト63と、右側のドライブサポートシャフト51と、により左右両側から挟み込んで固定する。続いて、マガジン40つまり角度割出し装置41を後方に移動させることにより、窓部96を介して、空のホルダH3をワークWの外部に退出させる。つまり、工具T3を、ホルダH3から、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51に、受け渡す。それから、図3に示す主軸61を回転させ、ワークWを回転させる。また、図5に示すドライブサポートシャフト51の内筒511を回転させ、図7に示すスライド93つまりチップ930を径方向に突出させる。図9に太線で示すように、チップ930の突出量を調整しながら、チップ930をワークWの内周面(球面)に摺接させることにより、ワークWの内周面を加工する。
【0044】
工具T3を工具T4に交換する場合は、まず、窓部96を介して、ホルダH3をワークW内に挿入し、退出させることにより、工具T3を、サポートシャフト63およびドライブサポートシャフト51から、ホルダH3に、受け渡す。次に、マガジン40を45°だけ回転させ、図3の工具T3の位置に、工具T4を配置する。それから、上述した手順により、ワークWの内部において、工具T4をサポートシャフト63とドライブサポートシャフト51とで挟み込む。図10に太線で示すように、チップ930の突出量を調整しながら、チップ930をワークWの左端面または右端面に摺接させることにより、ワークWの左右両端面を加工する。
【0045】
<工具管理システムの画面構成>
次に、工具管理システムの画面構成について説明する。図11に、工具管理システムの画面の階層構成を示す。図11に示すように、工具管理システム2の画面21は、第一画面22と、八個の寸法用第二画面23と、八個の位置用第二画面24と、に切り替え可能である。寸法用第二画面23、位置用第二画面24は、各々、本発明の「第二画面」の概念に含まれる。八個の寸法用第二画面23、八個の位置用第二画面24は、ホルダH1〜H8に対応している。なお、本実施形態では8点のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)の取付例となっているが、システム上では最大で99点まで登録数を増やすことが可能である。
【0046】
[第一画面22]
図12に、第一画面を示す。図12に示すように、第一画面22は、工具設定表示部220と、確認結果表示部221(図12に一点鎖線枠で示す)と、を備えている。確認結果表示部221については、後述する。
【0047】
工具設定表示部220の「マガジンNo.」の数値は、図4に示すマガジン40のホルダH1〜H8に対応している。「使用中工具」の数値は、図4に示す工具T1〜T7に対応している。数値「0」は、ホルダH8に工具が配置されていないことを示している。「工具タイプ」の「球面」は、当該ホルダH1〜H7の工具が、図7、図9に示すような、球面加工用の工具T1、T3、T6であることを示している。「工具タイプ」の「座面小」、「座面大」は、当該ホルダH1〜H7の工具が、図8、図10に示すような、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7であることを示している。「加工最小径」、「加工最大径」として入力されている数値は、本発明の「情報」の概念に含まれる。「加工最小径」、「加工最大径」は、各工具T1〜T7が固有値を有するという意味からも、工具T1〜T7において、重要なパラメータである。このため、図11に示すように、最上層の画面である第一画面22で確認することができる。
【0048】
図12に示すように、工具設定表示部220の右端欄には、「マガジンNo.」ごと(ホルダH1〜H8ごと)に、八個の詳細ボタン220a(タッチボタン)が配置されている。作業者が所望の詳細ボタン220aを押すと、画面21が、八個のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)のうち、作業者所望のホルダH1〜H8に付属する工具T1〜T7の寸法用第二画面23に切り替わる。
【0049】
ここでは、球面加工用の工具T1、T3、T6を代表して、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の詳細ボタン220aを、作業者が押した場合について説明する。作業者が詳細ボタン220aを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印aで示すように、画面21を、第一画面22から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0050】
[工具T1の寸法用第二画面23]
図13に、ホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。寸法用第二画面23は、イラスト表示部230と、情報表示部231と、確認ボタン232と、戻るボタン233と、を備えている。イラスト表示部230は、本発明の「像表示部」の概念に含まれる。確認ボタン232、戻るボタン233は、本発明の「切替ボタン」の概念に含まれる。確認ボタン232については後述する。
【0051】
「工具No.」は、工具の番号(T1)を示している。「工具タイプ」は、工具のタイプ(球面)を示している。「工具サイズ」は、工具のサイズ(M)を示している。
【0052】
イラスト表示部230と情報表示部231とは、左右に並んで配置されている。イラスト表示部230には、単一の工具T1(図7参照)の二つのイラスト230aと、四つの情報項目230bと、が配置されている。イラスト230aは、本発明の「像」の概念に含まれる。
【0053】
四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)は、各々タッチボタンである。四つの情報項目230bは、工具T1の各部位に関連付けられている。
【0054】
具体的には、「作動半径」とは、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)に対する被ガイドピン942の偏心量を示している。「最小径角度」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91に最も没入した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)に対する被ガイドピン942の角度を示している。「加工最小径」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91に最も没入した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)からチップ930までの距離を示している。「加工最大径」とは、チップ930が第一ケース90、第二ケース91から最も突出した位置における、回転中心(第一回転軸940、第二回転軸944)からチップ930までの距離を示している。これら四つの情報項目230bは、工具種が異なれば勿論のこと、同一種の工具T1〜T7であっても、それぞれが異なる数値や動作傾向(固有値)を有するため、重要なパラメータである。
【0055】
このように、四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)が工具T1の各部位に関連付けられているため、作業者は、イラスト表示部230を見るだけで、各情報項目230bが何を示しているのかを、簡単に認識することができる。
【0056】
情報表示部231には、情報項目231bごとに、情報入力欄231aが設定されている。情報表示部231の八つの情報項目231bのうち上から四つの情報項目231bと、イラスト表示部230の四つの情報項目230bと、は対応している。
【0057】
情報入力欄231aには、入力値として数値(例えば、「加工最小径」の入力値「83.000」など)が入力されている。各数値は、本発明の「情報」の概念に含まれる。なお、情報項目230bのうち、「座面刃先幅」は、端面加工用の工具に必要な項目であり、球面加工用の工具T1には無用の項目である。このため、図13にハッチングで示すように、数値の入力ができないように表示されている。
【0058】
イラスト表示部230の上方には、「工具詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、「取付位置詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、が配置されている。寸法用第二画面23が表示されている場合は、「工具詳細設定」ボタンが選択状態(例えば、押し込まれた状態、ボタンの色が青から赤に変わった状態など)、になっている。作業者が、「取付位置詳細設定」ボタンを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印bで示すように、画面21を、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の位置用第二画面24に切り替える。
【0059】
また、作業者が戻るボタン233(タッチボタン)を押すと、図11に矢印cで示すように、制御装置29は、画面21を、寸法用第二画面23から第一画面22に切り替える。
【0060】
[工具T1の位置用第二画面24]
図14に、ホルダH1(工具T1)の位置用第二画面を示す。位置用第二画面24は、イラスト表示部240と、情報表示部241と、確認ボタン242と、戻るボタン243と、を備えている。イラスト表示部240は、本発明の「像表示部」の概念に含まれる。確認ボタン242は、本発明の「切替ボタン」の概念に含まれる。確認ボタン242については後述する。
【0061】
位置用第二画面24と寸法用第二画面23との相違点は、イラスト表示部240だけである。ここでは、相違点についてのみ説明する。イラスト表示部240には、単一の工具T1(図7参照)のイラスト240aと、三つの情報項目240bと、ドライブサポートシャフト51(図9参照)のイラスト240cと、サポートシャフト63(図9参照)のイラスト240dと、チャック62(図9参照)のイラスト240eと、ワークW(図9参照)のイラスト240fと、が配置されている。イラスト240aは、本発明の「像」の概念に含まれる。
【0062】
三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)は、各々タッチボタンである。三つの情報項目240bは、工具T1の各部位に関連付けられている。
【0063】
具体的には、「クランプ幅」とは、工具T1の左右方向長さを示している。「X軸座標値」とは、ドライブサポートシャフト51の軸線から、工具T1の左右方向に延在する上下方向中心線までの距離を示している。「Z軸座標値」とは、チャック62の右端面から、工具T1の上下方向に延在する左右方向中心線までの距離を示している。
【0064】
このように、三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)が工具T1の各部位、工具T1と周辺機器との位置関係に関連付けられているため、作業者は、イラスト表示部240を見るだけで、各情報項目240bが何を示しているのかを、簡単に認識することができる。
【0065】
情報表示部241は、寸法用第二画面23の情報表示部231と同じである。八つの情報項目231bのうち下から三つの情報項目231bと、イラスト表示部240の三つの情報項目240bと、は対応している。
【0066】
イラスト表示部230の上方には、「工具詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、「取付位置詳細設定」ボタン(タッチボタン)と、が配置されている。位置用第二画面24が表示されている場合は、「取付位置詳細設定」ボタンが選択状態になっている。作業者が、「工具詳細設定」ボタンを押すと、図2に示す制御装置29に、画面切替指示が伝送される。当該画面切替指示を受け、制御装置29は、図11に矢印dで示すように、画面21を、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の位置用第二画面24から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0067】
また、作業者が戻るボタン243(タッチボタン)を押すと、図11に矢印eで示すように、制御装置29は、画面21を、位置用第二画面24から第一画面22に切り替える。
【0068】
以上説明したように、作業者は、図11に矢印aで示すように、第一画面22から寸法用第二画面23に切り替えることができる。また、矢印bで示すように、寸法用第二画面23から位置用第二画面24に切り替えることができる。また、矢印cで示すように、寸法用第二画面23から第一画面22に切り替えることができる。また、矢印dで示すように、位置用第二画面24から寸法用第二画面23に切り替えることができる。また、矢印eで示すように、位置用第二画面24から第一画面22に切り替えることができる。すなわち、上層→下層、下層→上層に画面21を切り替えることができる。
【0069】
[工具T2の寸法用第二画面23、位置用第二画面24]
次に、端面加工用の工具T2、T4、T5、T7を代表して、「マガジンNo.2」(ホルダH2、工具T2)の寸法用第二画面23、位置用第二画面24について説明する。図15に、ホルダH2(工具T2)の寸法用第二画面を示す。図16に、ホルダH2(工具T2)の位置用第二画面を示す。
【0070】
図11に矢印fで示すように、工具T2の寸法用第二画面23は、第一画面22において、作業者が、「マガジンNo.2」(ホルダH2、工具T2)の詳細ボタン220aを押すことにより、表示することができる。また、図11に矢印gで示すように、寸法用第二画面23は、図13に示す工具T1の寸法用第二画面23において、作業者が、「工具No.」の矢印「>」を押すことにより、表示することができる。同様に、図11に矢印hで示すように、位置用第二画面24は、図14に示す工具T1の位置用第二画面24において、作業者が、「工具No.」の矢印「>」を押すことにより、表示することができる。このように、上下層間のみならず、異なるホルダH1〜H8間において、同じ階層の画面同士(寸法用第二画面23同士、位置用第二画面24同士)を切り替えて表示することができる。
【0071】
図15、図16に示すように、工具T2は、端面加工用の工具である。このため、情報表示部231、241の情報項目231bの「座面刃先幅」には、情報として数値(=47.000)が表示されている。
【0072】
<工具管理システムを用いた情報入力作業>
次に、工具管理システムを用いた情報入力作業について説明する。まず、作業者は、工具T1〜T7各々の、情報(例えば、加工最大径、加工最小径など)を測定する。これら工具T1〜T7の測定は、前述のとおり、例えば同一種の工具T1〜T7であっても各々が固有値を有することから、加工対象となるワークWに使用する工具T1〜T7(マガジン40に取り付ける工具T1〜T7)については、全工具T1〜T7に対して測定を行う。そして、測定した情報を、記録しておく。
【0073】
次に、作業者は、記録した情報を画面に入力する。図17に、情報入力前の第一画面を示す。図17に示すように、第一画面22の工具設定表示部220には、「−」が表示されている。工具設定表示部220には、数値(情報)が入力されていない(図12参照)。
【0074】
工具設定表示部220の右端欄には、「マガジンNo.」ごと(ホルダH1〜H8ごと)に、八個の詳細ボタン220aが配置されている。作業者が情報入力対象の詳細ボタン220aを押すと、画面21が、八個のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)のうち、情報入力対象のホルダH1〜H8(工具T1〜T7)の寸法用第二画面23に切り替わる。
【0075】
ここでは、工具T1〜T7を代表して、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の詳細ボタン220aを、作業者が押した場合について説明する。作業者が詳細ボタン220aを押すと、図2に示す制御装置29が、図11に矢印aで示すように、画面21を、第一画面22から、「マガジンNo.1」(ホルダH1、工具T1)の寸法用第二画面23に切り替える。
【0076】
図18に、情報入力前のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。図19に、情報入力中のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。図20に、情報入力後のホルダH1(工具T1)の寸法用第二画面を示す。
【0077】
図18に示すように、情報入力前の情報入力欄231aには、「0.000」が表示されている。一例として、情報項目231b(加工最小径)の数値を入力する場合について説明する。まず、図19に示すように、作業者は、イラスト表示部230の情報項目230b(加工最小径)を押す。作業者が情報項目230b(加工最小径)を押すと、図2に示す制御装置29が、図19に一点鎖線枠で示すように、情報表示部231の情報項目231b(加工最小径)を点滅させる。また、制御装置29が、情報項目231b(加工最小径)用の情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替える。このように、イラスト表示部230の情報項目230bと、情報表示部231の情報項目231bおよび情報入力欄231aと、はリンクしている。
【0078】
次に、図20に示すように、作業者は、図1に示す入力キー28により、アクティブ状態の情報入力欄231aに、数値(=83.000)を入力する。
【0079】
このように、イラスト表示部230の情報項目230bの選択と、情報表示部231の情報入力欄231aへの数値入力と、を繰り返すことにより、作業者は、四つの情報項目230b(作動半径、最小径角度、加工最小径、加工最大径)に対応する数値を、情報表示部231に入力する。
【0080】
続いて、作業者は、画面21を、寸法用第二画面23から位置用第二画面24(図14参照)に切り替える。それから、作業者は、三つの情報項目240b(クランプ幅、X軸座標値、Z軸座標値)に対応する数値を、情報表示部241に入力する。
【0081】
同様の入力作業を、他の工具T2〜T7にも実行することにより、全ての工具T1〜T7の情報入力作業が完了する。入力された情報は、図2に示す制御装置29の記憶部292に格納される。
【0082】
<工具管理システムを用いた情報確認作業>
次に、工具管理システムを用いた情報確認作業について説明する。工具T1〜T7を代表して、工具T1の情報を確認する場合について説明する。まず、作業者は、図12に示す第一画面22、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24を適宜切り替えながら、情報項目230b、240b、231bごとに、情報入力欄231aに数値が入力されているか、入力された数値が正確か、をチェックする。次に、チェックの結果、数値が入力されており、かつ入力された数値が正確な場合は、作業者は、図13の確認ボタン232、または図14の確認ボタン242を押す。作業者が確認ボタン232、242を押すと、図11に矢印c、eで示すように、図2に示す制御装置29が、画面21を、第一画面22に切り替える。そして、図12に一点鎖線枠で示すように、確認結果表示部221内の文字色が、赤から青に切り替わる。
【0083】
同様の確認作業を、他の工具T2〜T7にも実行することにより、図12の工具設定表示部220の文字色が全て青になる。つまり、全ての工具T1〜T7の情報確認作業が完了する。
【0084】
<作用効果>
次に、本実施形態の工具管理システム2の作用効果について説明する。本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24において、一画面中に、単一の工具のイラスト230a、240a(イラスト数は複数でもよい)と、情報項目230b、240bと、を表示することができる。このため、作業者は、工具のイラスト230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、情報を入力することができる。したがって、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。
【0085】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、一画面中に、単一の工具のイラスト230a、240aと、情報項目230b、240bと、情報入力欄231aと、を表示することができる。このため、作業者は、工具のイラスト230a、240aおよび情報項目230b、240bを見ながら、同じ画面(寸法用第二画面23または位置用第二画面24)上の情報入力欄231aに情報を入力することができる。したがって、工具T1〜T7の情報の入力作業が簡単である。また、誤入力、入力漏れのおそれが小さい。また、入力後の情報の確認作業が簡単である。また、工具T1〜T7ごとに、必要な情報を一元化することができる。すなわち、工具T1〜T7単位で、情報を管理することができる。
【0086】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、情報項目230b、240bと情報入力欄231aとの対応が認識可能に表示されている。具体的には、イラスト表示部230、240において任意の情報項目230b、240bを指定すると、当該情報項目230b、240bに対応する情報表示部231、241の情報入力欄231aが、情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる。並びに、情報表示部231、241の情報項目231bが点滅する。このため、情報の入力作業が簡単である。
【0087】
また、図12に示す第一画面22は、図13、図14に示す情報入力欄231aに入力された情報の確認結果を表示する確認結果表示部221を備えている。すなわち、情報の確認が完了したら、確認結果表示部221内の文字色が赤から青に切り替わる。このため、入力後の情報の確認作業の結果を、最上層の第一画面22において、視認することができる。
【0088】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図11に矢印で示すように、第一画面22と、寸法用第二画面23と、位置用第二画面24と、を自在に切り替えることができる。このため、第一画面22において、複数の工具T1〜T7の重要な情報を一覧することができる。また、寸法用第二画面23と、位置用第二画面24において、所望の工具T1〜T7について、情報の入力作業、入力後の情報の確認作業を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24が、確認ボタン232、242を備えている。このため、所望の工具T1〜T7について、情報の確認作業が完了した際、確認ボタン232、242を押すことにより、迅速に第一画面22に戻ることができる。また、確認結果表示部221内の文字色を赤から青に切り替えることができる。
【0090】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図13に示す寸法用第二画面23、図14に示す位置用第二画面24が、戻るボタン233、243を備えている。このため、所望の工具T1〜T7について、情報の入力作業が完了した際、戻るボタン233、243を押すことにより、迅速に第一画面22に戻ることができる。
【0091】
また、本実施形態の工具管理システム2によると、図12、図17に示すように、第一画面22において、情報が未入力の欄には、「−」が表示される。このため、どの欄に情報が入力されていないのかを確認しやすい。また、どのホルダH1〜H8に工具T1〜T7が配置されているのかを確認しやすい。
【0092】
<その他>
以上、本発明の工具管理システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0093】
上記実施形態においては、CNC旋盤1にATC4を配置したが、タレットを配置してもよい。ATC4のホルダH1〜H8に配置される工具T1〜T7は、同種でも異種でもよい。また、全く同一の工具T1〜T7を複数配置してもよい。
【0094】
図12の「マガジンNo.1」、「マガジンNo.6」に示すように、全く同一の工具T1、T6であっても、例えば工具T1、T6を構成する各部品の精度や、これら部品の組付精度などの違いにより、各工具T1、T6における動作範囲や動作傾向、および組付後寸法などが異なる場合がある。同様に、図12の「マガジンNo.2」、「マガジンNo.5」に示すように、全く同一の工具T2、T5であっても、各工具T2、T5における動作範囲や動作傾向、および組付後寸法などが異なる場合がある。このため、全く同一の工具T1〜T7をATC4に複数配置する場合であっても、工具T1〜T7ごとに、逐一、工具管理システム2に情報を入力する必要がある。
【0095】
上記実施形態においては、図19に示すように、作業者がイラスト表示部230の情報項目230b(加工最小径)を押すことにより、情報表示部231の情報項目231b(加工最小径)用の情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替えた。しかしながら、イラスト表示部230を介さずに、作業者が情報入力欄231aを押すことにより(あるいは図1に示す入力キー28で指定することにより)、情報入力欄231aをアクティブ状態に切り替えてもよい。また、アクティブ状態に切り替える際に、マウス(図略)を用いてもよい。
【0096】
上記実施形態においては、図1に示すように、入力キー28を用いて情報(数値)を工具管理システム2に入力した。しかしながら、音声入力装置(マイクなど)、画像入力装置(カメラ、スキャナなど)などを用いて、情報を入力してもよい。
【0097】
上記実施形態の確認結果表示部221においては、文字色を赤から青に切り替えることにより、情報確認の結果を表示した。しかしながら、チェックボックスにマークを入れることにより、情報確認の結果を表示してもよい。また、背景色の切り替え、反転表示、点滅表示などにより、情報確認の結果を表示してもよい。
【0098】
上記実施形態においては、CNC旋盤1に本発明の工具管理システムを用いたが、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、歯切り盤、研削盤など、他の工作機械に用いてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1:CNC旋盤。
2:工具管理システム、20:表示装置、21:画面、22:第一画面、220:工具設定表示部、220a:詳細ボタン、221:確認結果表示部、23:寸法用第二画面(第二画面)、230:イラスト表示部(像表示部)、230a:イラスト(像)、230b:情報項目、231:情報表示部、231a:情報入力欄、231b:情報項目、232:確認ボタン(切替ボタン)、233:戻るボタン、24:位置用第二画面(第二画面)、240:イラスト表示部(像表示部)、240a:イラスト(像)、240b:情報項目、240c:イラスト、240d:イラスト、240e:イラスト、240f:イラスト、241:情報表示部、242:確認ボタン(切替ボタン)、243:戻るボタン、28:入力キー(入力装置)、29:制御装置、290:入出力インターフェイス、291:演算部、292:記憶部。
3:全体カバー、30:操作盤、31:自動扉。
4:ATC、40:マガジン、400:回転軸、41:角度割出し装置、42:X軸下スライド、43:Z軸スライド、44:Z軸下スライド。
5:芯押台、50:本体、51:ドライブサポートシャフト、510:外筒、510a:キー凸部、511:内筒、511a:キー凸部、52:芯押スライド。
6:主軸台、60:本体、61:主軸、62:チャック、63:サポートシャフト。
7:ベッド、70:傾斜部。
90:第一ケース、900:第一回転軸挿入孔、902:キー溝、903:第一収容部、91:第二ケース、910:第二回転軸挿入孔、911:第二凹部、913:第二収容部、92:端板、93:スライド、930:チップ、931:ガイド溝、94:偏心ピン、940:第一回転軸、940a:キー溝、941:第一アーム、942:被ガイドピン、943:第二アーム、944:第二回転軸、96:窓部。
H1〜H8:ホルダ、T1〜T7:工具、W:ワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一画面中に単一の工具の像と、該工具の所定の部位に関する情報項目と、を表示する画面を有する表示装置を備える工具管理システム。
【請求項2】
前記画面は、前記情報項目の情報が入力される情報入力欄を有する請求項1に記載の工具管理システム。
【請求項3】
前記画面は、前記情報項目と前記情報入力欄との対応を認識可能に表示する請求項2に記載の工具管理システム。
【請求項4】
前記情報項目が指定されると、該情報項目に対応する前記情報入力欄が、前記情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる請求項2または請求項3に記載の工具管理システム。
【請求項5】
前記画面は、前記情報入力欄に入力された前記情報の確認結果を表示する確認結果表示部を有する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の工具管理システム。
【請求項6】
前記画面は、第一画面と、該第一画面と切替可能な第二画面と、を有し、
該第一画面は、複数の前記工具に関する工具設定表示部を有し、
該第二画面は、一画面中に、該第一画面で選択された単一の該工具の像と、該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、を表示する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の工具管理システム。
【請求項7】
前記第二画面は、該第二画面を前記第一画面に切り替える切替ボタンを有する請求項6に記載の工具管理システム。
【請求項1】
一画面中に単一の工具の像と、該工具の所定の部位に関する情報項目と、を表示する画面を有する表示装置を備える工具管理システム。
【請求項2】
前記画面は、前記情報項目の情報が入力される情報入力欄を有する請求項1に記載の工具管理システム。
【請求項3】
前記画面は、前記情報項目と前記情報入力欄との対応を認識可能に表示する請求項2に記載の工具管理システム。
【請求項4】
前記情報項目が指定されると、該情報項目に対応する前記情報入力欄が、前記情報を入力可能なアクティブ状態に切り替わる請求項2または請求項3に記載の工具管理システム。
【請求項5】
前記画面は、前記情報入力欄に入力された前記情報の確認結果を表示する確認結果表示部を有する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の工具管理システム。
【請求項6】
前記画面は、第一画面と、該第一画面と切替可能な第二画面と、を有し、
該第一画面は、複数の前記工具に関する工具設定表示部を有し、
該第二画面は、一画面中に、該第一画面で選択された単一の該工具の像と、該工具の所定の部位に関する前記情報項目と、を表示する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の工具管理システム。
【請求項7】
前記第二画面は、該第二画面を前記第一画面に切り替える切替ボタンを有する請求項6に記載の工具管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−69166(P2013−69166A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208027(P2011−208027)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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