説明

巨峰ベビーを原料とする新規な飲料及び食品、並びにその製造方法

【目的】 従来は廃棄物として処理されていた多数の小さな巨峰の実を有効利用した、健康増進機能を有する有用で新規の飲料又は食品及びそれらの製造方法を提案する。
【構成】 巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)の作業において採取される巨峰ベビーであって、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであり、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであるような巨峰ベビー、又はこの実、種子、及び皮を、潰し又は破砕などの加工をしたもの(果汁を含む)を含有して成り、抗酸化作用による健康増進機能を備えた新規な飲料又は食品及びその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巨峰ベビーを原料とする新規な飲料及び食品、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
巨峰の生育過程においては、樹の幹から延びる枝に「房ができる小枝の芽」が発芽し、その芽から「房ができる小枝」が延び、その小枝に3つ以上の「房」ができ、その房に「巨峰の花」が開花し、巨峰の花から巨峰の小さな実ができる、という多様な段階を経ることにより「房に付いた成熟巨峰」が得られる。そして、従来は、このような巨峰の生育過程の途中で、最終的に一つの房にできる成熟巨峰のサイズや粒の個数などを適正化するために、前記の「房ができる小枝の芽」、「巨峰の花が開花した段階の房」、及び「巨峰の花から巨峰の小さな実(後述の『未成熟な巨峰ベビー』)ができた段階の房」などを切除したり間引いたりすることが行われている。そして、これらの切除され若しくは間引かれた芽や房は全て、廃棄物として処理されている。
【0003】
例えば、従来より、一つの小枝に複数の房ができてそれらの房に巨峰の花の開花を経て巨峰の小さな実ができた段階になったら、一つの小枝に一つの房を残して他の房(巨峰の小さな実ができた房)を切り落とす「摘房(房落とし)」という作業が行われている。この巨峰の成育過程における摘房(房落とし)作業により落とされた房には多数の小さな実(この文脈での「実」は種子や皮を含む意味で使用している。以下同じ)が付いているが、これらについても、甘味が少なく酸っぱくて食用に適さないという理由から、全て廃棄物として処理されている。他方、成熟した巨峰については、そのまま食すだけでなく、それを原料としてジャムなどの加工食品を製造することが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−135573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の巨峰の生育過程で切除または間引きされ廃棄される小枝の芽や房(前記の小さな実ができた(付いた)房)は、適当な利用方法がないという理由で廃棄されているが、それでは貴重な植物資源の無駄遣いになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、貴重な植物資源の活用などの観点から、前記の巨峰の成育過程における摘房(房落とし)作業で落とされて従来は廃棄されていた房に付いた多数の小さな巨峰の実(種子や皮を含む)を有効利用して、栄養素などの人体の健康の観点から極めて有用な新規の飲料又は食品を製造すること、及びそれらの製造方法を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決するための本発明による巨峰ベビーを原料とする新規な飲料は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)の作業において採取される巨峰ベビー(実の中の種子を含む)を、潰し又は破砕などにより加工したもの(果汁を含む)を含有して成り、抗酸化作用による健康増進機能を備えたものである。なお、前記巨峰ベビーは、実の皮を含むものであってもよい。また、前記巨峰ベビーは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであることが望ましい。また、これに加えて更に、前記巨峰ベビーは、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることが望ましい。
【0007】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする新規なワインの製造方法は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(望ましくは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであること、及び/又は、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることを特徴とする巨峰ベビー)、を用意する第1工程と、前記多数個の巨峰ベビーの実、種子、及び皮を潰し又は破砕する第2工程と、前記第2工程で得られた原料(果汁を含む)に、糖分とワイン用イースト菌を添加して発酵させる第3工程と、前記第3工程で得られた発酵体の上澄み液を取り出す第4工程と、を含むものである。
【0008】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする新規なリキュールの製造方法は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(望ましくは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであること、及び/又は、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることを特徴とする巨峰ベビー)、を用意する第1工程と、容器内に、ホワイトリカーやウオッカ等の蒸留酒と、前記多数個の巨峰ベビーと、所定量の糖類とを入れる第2工程と、前記容器中の蒸留酒中に前記多数個の巨峰ベビーと糖類とが漬けられた状態を約20〜60日間、保持する第3工程と、前記容器中の液体を取り出す第4工程と、を含むものである。
【0009】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする健康酢の製造方法は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(望ましくは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであること、及び/又は、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることを特徴とする巨峰ベビー)、を用意する第1工程と、前記巨峰ベビーの実、種子、及び皮を潰し又は破砕する第2工程と、前記第2工程で得られた原料(果汁を含む)の上澄み液を取り出す第3工程と、を含むものである。
【0010】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする新規な食品は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(実の中の種子を含む)を加工したもの(果汁を含む)を含有して成り、抗酸化作用による健康増進機能を備えたものである。なお、前記巨峰ベビーは、実の皮を含むものであってもよい。また、前記巨峰ベビーは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであることが望ましい。また、これに加えて更に、前記巨峰ベビーは、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることが望ましい。
【0011】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする新規なコンフィチュールの製造方法は、巨峰の樹の枝から延びる巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(望ましくは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであること、及び/又は、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることを特徴とする巨峰ベビー)、を用意する第1工程と、前記巨峰ベビーと水を容器内に入れて加熱することにより前記巨峰ベビーを煮る第2工程と、前記加熱後の巨峰ベビーと水の中に、所定量の糖類を添加する第3工程と、前記糖類が添加された前記容器中の巨峰ベビーと水を加熱し、前記容器中の液体の糖度が約50〜70%になるまで、炊き上げる第4工程と、を含むものである。
【0012】
また、本発明による巨峰ベビーを原料とする新規なピクルスの製造方法は、巨峰の樹の枝から延びる巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(望ましくは、(a)その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgであること、及び/又は、(b)その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gであることを特徴とする巨峰ベビー)、を用意する第1工程と、前記巨峰ベビーを、酢の中に漬ける第2工程と、前記巨峰ベビーが酢の中に漬けられた状態を約7〜20日間、保持する第3工程と、を含むものである。
【0013】
なお、以上の新規な飲料、新規な食品、及び各製造方法の各発明において、前記巨峰ベビーは、1個当たりの重量が約0.40〜1.31gであることが望ましい。また、さらに、以上の新規な飲料、新規な食品、及び各製造方法の各発明において、前記巨峰ベビーは、1個当たりの果汁に含まれるブドウ糖の含有量が約1.0〜1.9mgであることが望ましい。また、以上の新規な飲料、新規な食品、及び各製造方法の各発明において、さらに、前記巨峰ベビーは、1個当たりの果汁に含まれる果糖の含有量が約0.7〜0.9mgであることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、従来は適当な利用方法がないため廃棄物として処理されていた「巨峰の成育過程における摘房(房落とし)作業により落とされた、房に付いている多数の小さな実」を利用して新規な飲料又は食品を製造するものである。したがって、本発明によれば、従来のように前記「巨峰の成育過程における摘房(房落とし)作業により落とされた、房に付いている多数の小さな実」を廃棄物として処理することによる植物資源の無駄遣いを避けることができる。
【0015】
また、本発明において使用される巨峰ベビーは、後述のように、その果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量が約138〜94mgというように、成熟巨峰やその他の成熟葡萄と比較して極めて高濃度のポリフェノールを含有している(前記ポリフェノールは、巨峰ベビーの「実」の中の「種子」の中により多く存在していると考えられるが、そもそも、巨峰ベビーでは、種子は極めて微小であり柔らかいので実との分離が困難であり、またその必要もないので、本発明では、「ポリフェノールを多く含んでいる種子」を実と一緒に加工することができる)。また、ポリフェノールは活性酸素を抑える強い抗酸化作用を有している。したがって、このような巨峰ベビーを原料としてワイン、リキュール、健康酢などの飲料、又は、コンフィチュール、ピクルスなどの食品を製造したときは、老化予防、ガン予防、動脈硬化予防、アレルギー予防、及びストレス病予防などの健康面での様々な有用性を有する新規な飲料又は食品を得ることが可能になる。
【0016】
また、本発明において飲料や食品の材料として使用される巨峰ベビーは、後述のように、その果汁100mL当たりの酒石酸の含有量が約0.90〜0.85gというように、成熟巨峰やその他の成熟葡萄と比較して酒石酸の濃度が極めて高い。したがって、酒石酸はワインなどの旨み成分として有名であるので、このような巨峰ベビーを原料としてワイン、リキュール、健康酢などの飲料、又は、コンフィチュール、ピクルスなどの食品を製造したときは、巨峰の旨み成分(酒石酸など)を大量に含む、美味しい新規な飲料又は食品を得ることが可能になる。また、本発明において飲料や食品の材料として使用される巨峰ベビーは、詳しくは後述するが成熟巨峰と比較して1個当たりの果汁に含まれるブドウ糖や果糖の含有量が少ないという特徴を有している(これに対して、詳しくは後述するが成熟巨峰は重量もサイズも大きいだけにブドウ糖や果糖の含有量も大きい)。
【0017】
また、本発明において使用される前記巨峰ベビーは、詳しくは後述するように糖類の含有量が(前記成熟巨峰と比較して)少なく且つワインの旨み成分と言われている酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)多いという特徴を有しているためワインの原料に向いており、且つ、前述のように果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量(約138〜94mg)が成熟巨峰よりも極めて高いという特徴を有している。したがって、本発明において、前記巨峰ベビーを使用することにより、美味しく、巨峰の色である緑色の色合いがあり、且つポリフェノールによる抗酸化作用などの健康増進機能に優れた新規なワインを得ることができる(これに対して、成熟巨峰は巨峰ベビーと比較して糖類の含有量が多く且つワインの旨み成分と言われている酒石酸の100mL当たり含有量が少ないので、成熟巨峰を使用するときは、美味しいワインや抗酸化作用などの健康増進機能に優れたワインを製造することが困難であった)。
【0018】
また、本発明において使用される前記巨峰ベビーは、詳しくは後述するように糖類の含有量が(前記成熟巨峰と比較して)少なく且つ酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)極めて多いという特徴を有しているため、リキュールの香味原料に向いており、且つ、前述のように果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量(約138〜94mg)が成熟巨峰よりも極めて高いという特徴を有している。したがって、本発明において、前記巨峰ベビーを使用することにより、美味しく葡萄の香りがあり且つポリフェノールによる抗酸化作用などの健康増進機能に優れた新規なリキュールを得ることができる(これに対して、成熟巨峰は巨峰ベビーと比較して糖類の含有量が多く且つ酒石酸の100mL当たり含有量が少ないので、成熟巨峰を使用するときは、美味しく且つ抗酸化作用などの健康増進機能に優れたリキュールを製造することが困難であった)。
【0019】
また、本発明において使用される前記巨峰ベビーは、詳しくは後述するように糖類の含有量が(前記成熟巨峰と比較して)少なく且つ酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)多いという特徴を有しているため、健康酢の原料に向いており、且つ、前述のように果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量(約138〜94mg)が成熟巨峰よりも極めて高いという特徴を有している。したがって、本発明において、前記巨峰ベビーを原料として使用することにより、酸っぱさはあるが極めて飲みやすく且つポリフェノールによる抗酸化作用などの健康増進機能に優れた新規な健康酢を得ることができる(これに対して、成熟巨峰は巨峰ベビーと比較して糖類の含有量が多く且つ酒石酸の100mL当たり含有量が少ないので、成熟巨峰を使用するときは、飲みやすく且つ抗酸化作用などの健康増進機能に優れた健康酢を製造することが困難であった)。
【0020】
また、本発明において使用される前記巨峰ベビーは、詳しくは後述するように糖類の含有量が(前記成熟巨峰と比較して)少なく且つ酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)極めて多いという特徴を有しているため、コンフィチュールの原料に向いており、且つ、前述のように果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量(約138〜94mg)が成熟巨峰よりも極めて高いという特徴を有している。したがって、本発明において、前記巨峰ベビーを原料として使用することにより、甘さと酸味のバランスが取れた美味しさで今までに無い味わいを有し且つポリフェノールによる抗酸化作用などの健康増進機能に優れた新規なコンフィチュールを得ることができる(これに対して、成熟巨峰は巨峰ベビーと比較して糖類の含有量が多く且つ酒石酸の100mL当たり含有量が少ないので、成熟巨峰を使用するときは、美味しく抗酸化作用のあるコンフィチュールを製造することが困難であった)。
【0021】
また、本発明において使用される前記巨峰ベビーは、詳しくは後述するように糖類の含有量が(前記成熟巨峰と比較して)少なく且つ酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)多いという特徴を有しているため、ピクルスの原料に向いており、且つ、前述のように果汁100mL当たりのポリフェノールの含有量(約138〜94mg)が成熟巨峰よりも極めて高いという特徴を有している。したがって、本発明において、前記巨峰ベビーを原料として使用することにより、酸味はあるが食べやすい美味しく且つポリフェノールによる抗酸化作用などの健康増進機能に優れた新規なピクルスを得ることができる(これに対して、成熟巨峰は巨峰ベビーと比較して糖類の含有量が多く且つ酒石酸の100mL当たり含有量が少ないので、成熟巨峰を使用するときは、美味しく抗酸化作用のあるピクルスを製造することが困難であった)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明者は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日経過したときに行われる摘房(房落とし)の作業(巨峰の成育過程における摘房(房落とし)作業)により落とされた、房に付いている多数の小さな実(種子、及び皮を含む)(以下「巨峰ベビー」という)を対象として、そのサイズ、重量、成分などを測定した。なお、この成分の測定においては、前記摘房(房落とし)作業で得られる小さな実(巨峰ベビー)の中に含まれる種子は極めて微小なサイズであり柔らかいものであるため事実上分離不能であり分離する必要もないこと、また、その実を包む皮も柔らかいものであるため食用の面からみても分離する必要が少ないことなどから、実だけでなく種子と皮を含めた全体の成分を測定した(本明細書では、「実」という言葉を、その種子及び皮を含む意味で使用する場合がある)。
【0023】
より具体的には、本発明者は、巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に、巨峰の花が本年5月10日頃に開花したことを確認した後に、前記開花から約20日〜50日の間である本年6月1日、同6月10日、同6月20日、及び同6月30日に、それぞれ採取したものを各「巨峰ベビー(未熟巨峰)」として、以下のような測定を行った。また、本発明者は、巨峰ベビーと比較するため、前記開花から約60日が経過した本年7月10日と同約70日が経過した本年7月20日にそれぞれ採取した成熟巨峰を各「比較例」として、以下のように巨峰ベビーと同様の測定を行った。
【0024】
本発明者は、まず、前記各日においてそれぞれ採取された複数個(例えば10個程度。以下同じ)の巨峰ベビーと複数個の比較例(成熟巨峰)について、それぞれの平均重量と平均サイズ(縦方向の長さ、横方向の長さ)を測定したが、その結果は、下表1、及び図1(a)(b)のとおりであった。
【表1】

【0025】
表1及び図1(a)(b)から分かるように、前記開花から約50日が経過する前と後とでは、採取したものの平均重量と平均サイズとが大きく異なっている。すなわち、前記開花から約50日を経過した後は、「実」(巨峰ベビー又は成熟巨峰)の重量やサイズがかなり急激に増大・成長(=成熟)している。よって、前記開花から約50日が経過する前と後とで、その重量やサイズに基づいて、巨峰ベビーと比較例(成熟巨峰)とを明確に区別することが可能であることが分かった。また、表1及び図1(a)(b)から分かるように、少なくとも前記開花から約50日が経過する前に採取された「実」は、重量もサイズも小さいため、そのまま(何らかの加工すること無しに)食用にすることは適していない(従来は廃棄対象とするのが適当だとされていた)ことが分かった。
【0026】
また、本発明者が採取対象とした未熟巨峰を観察したところでは、前記開花から約20日が経過していない期間(すなわち、開花から約1〜19日の間)の「実」はサイズが極めて小さく未熟なものであるので、飲料や食品の原料とすることは、採取コストなどの点から適していない。よって、前記開花から約20日が経過する前と後とで、「飲料や食品の原料とするのに適した、未成熟な実(巨峰ベビー)」と「飲料や食品の原料とするのには(採取コストなどの観点から)適さない、極めて未成熟な実」とを区別することが適当である。
【0027】
以上より、本発明者は、巨峰の樹の枝から延びる巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される未成熟な実(種子、皮を含む)を、「巨峰ベビー」と定義することにした。
【0028】
次に、本発明者は、複数個の巨峰ベビーの果汁100mL当たりのポリフェノール含有量と、複数個の比較例(成熟巨峰)の果汁100mL当たりのポリフェノール含有量とを測定したところ、その結果は、下表2及び図2(a)(b)のとおりであった。なお、この測定に際しては、ポリフェノール量は没食子酸当量として算出し、また公知のフォーリンチオカルト法により定量した。
【表2】

【0029】
表2及び図2(a)(b)から、巨峰ベビーでは果汁100mL当たりに含まれるポリフェノールの含有量が138〜94gであるのに対して、成熟巨峰では果汁100mL当たりに含まれるポリフェノールの含有量が84〜79gとなっている。したがって、このことから、巨峰ベビーでは成熟巨峰と比較して果汁100mL当たりに含まれるポリフェノールの濃度が高い、ということが分かった。このことから、巨峰ベビーを原料とする新規の飲料又は食品が製造できれば、その中に高濃度に含まれるポリフェノールの抗酸化作用を活用して抗癌作用や老化防止作用などの高い健康増進効果を発揮できる飲料又は食品を消費者に提供できるようになることが分かった。
【0030】
次に、本発明者は、複数個の巨峰ベビーの果汁100mL当たりの有機酸含有量と、複数個の比較例(成熟巨峰)の果汁100mL当たりの有機酸含有量とを測定したところ、その結果は、下表3及び図3(a)(b)のとおりであった。なお、この測定に際しては、周知のHPLC(高性能液体クロマトグラフィ)により分析した。
【表3】

【0031】
表3及び図3(a)(b)に示すように、巨峰ベビーにおける果汁100mL当たりの酒石酸の含有量は約0.90〜0.85gとなっており、比較例(成熟巨峰)における果汁100mL当たりの酒石酸の含有量は約0.78gとなっている。したがって、このことから、巨峰ベビーでは比較例(成熟巨峰)よりも酒石酸の濃度が高い、ということが分かった。従来より、酒石酸は、ワインなどの旨み成分と言われている。このように、巨峰ベビーは、特にワインなどの旨み成分とされている酒石酸の濃度が成熟と比較して高いので、巨峰ベビーを原料とする新規の飲料又は食品が製造できるならば、巨峰ベビーの中に高濃度に含まれている酒石酸の旨み成分としての機能を発揮できる新たな味覚の飲料又は食品を消費者に提供できるようになることが分かった。
【0032】
次に、本発明者は、複数個の巨峰ベビーの果汁100mL当たりの糖類の含有量と、複数個の比較例(成熟巨峰)の果汁100mL当たりの糖類の含有量とを測定したところ、その結果は、下表4及び図4(a)(b)のとおりであった。なお、この測定に際しては、周知のHPLC(高性能液体クロマトグラフィ)により分析した。
【表4】

【0033】
表4及び図4(a)(b)、特に図4(b)に示すように、巨峰ベビーにおいては、1個当たりの果汁に含まれるブドウ糖の含有量が約1.0〜1.9mg、1個当たりの果汁に含まれる果糖の含有量が約0.7〜0.9mgとなっている。これに対して、成熟巨峰においては、1個当たりの果汁に含まれるブドウ糖の含有量が約3.6mg、1個当たりの果汁に含まれる果糖の含有量が約1.4〜1.5mgとなっている。したがって、巨峰ベビーにおいては、比較例(成熟巨峰)と比較して、1個当たりの果汁に含まれるブドウ糖及び果糖の含有量が少ない、ということが分かった。すなわち、巨峰ベビーは、成熟巨峰と比較してブドウ糖や果糖の含有量が少ないという特徴を有している(これに対して成熟巨峰は重量もサイズも大きいだけにブドウ糖や果糖の含有量も大きい)。このことから、巨峰ベビーを原料とする新規の飲料又は食品が製造できれば、糖度が少ない、したがって多量に食しても肥満などのような健康への悪影響が少ない、新たな飲料又は食品を消費者に提供できるようになる、ということが分かった。また、一般に、成熟巨峰は糖類の含有量が多いためワインなどの原料には向かないとされてきたが、この巨峰ベビーは前述のように糖類の含有量が少ないので、ワインなどの原料に向いていることが分かった。
【実施例1】
【0034】
ワインの製造
前述のように、成熟巨峰は糖類の含有量が多いためワインの原料には向かないと言われてきたが、巨峰ベビーは、前述のように、糖類の含有量が少ないので、ワインの原料に向いていることが分かった。また、巨峰ベビーは、前述のように、ワインの旨み成分と言われている酒石酸の100mL当たり含有量が(前記成熟巨峰と比較して)多いことが分かった。そこで、本発明者は、前記巨峰ベビー(複数個)約100g分を取り出して、洗浄後、実だけでなく種子や皮を含んだまま(そもそも、巨峰ベビーでは、種子は極めて微小であり柔らかいので分離できないその必要もない、また皮も柔らかいので分離する必要性が少ない。これに対して、成熟巨峰の場合は、その種子は大きく硬く、また皮も硬いので、これらを取り除く必要性は大きい)、潰して、砂糖約26gを加え、混和した。その後、半密閉状態(発酵による二酸化炭素ガスが外部に放出され得る程度に緩く閉鎖した状態)の容器内に入れて、ワイン用酵母菌を添加し、発酵させた。発酵に適した温度下で1〜2週間くらい発酵させた後、1ヶ月くらい放置し、その後、上澄みを取り出すことにより、ワインを製造した。なお、図5は、本実施例1によるワインの製造の材料として使用した、多数個の巨峰ベビーを、房に付いている状態で示す図である。
【0035】
このワインを7人のモニターを試飲させたところ、次のような結果であった。7人中5人は今までに味わったことのないような美味しい飲みやすいワインだと答えた。7人中1人は今までに味わったことのない味だが、甘くなくて上品な味だと答えた。7人中1人は、今までに味わったことのない不思議な味だが、少し飲みにくいと答えた。また、このワインの色は、巨峰の色である緑色(少し茶色が混じっている)で、従来のワインには無い色合いのものであった。このように、本実施例1においては、従来に無い「緑色(エメラルドグリーン)ワイン」を製造できた。
【実施例2】
【0036】
リキュールの製造
本発明者は、まずウオッカ2kgを容器内に入れて、このウオッカ2kgの中に前記巨峰ベビー(複数個)約1kg分と氷砂糖1kg分を浸漬させた。そして、この状態で前記容器を密閉したまま約1〜2ヶ月間、放置した。その後、前記容器から液体分のみを取り出することにより、リキュールを製造した。
【0037】
このリキュールを7人のモニターを試飲させたところ、次のような結果であった。7人中4人は今までに飲んだことのないような味で、甘さが少なくさっぱりとした爽やかな味わいのリキュールだと答えた。7人中1人は葡萄の香りがして美味しいと答えた。7人中2人は、今までに味わったことのない味で美味しいと答えた。また、味についてではないが、7人中4人が色合いが黒ずんでいて興冷めすると答えた(黒ずんでいたのは、酸化防止剤を加えていないために材料の葡萄が酸化したためと考えられ、改善の余地はあると考えられる)。
【実施例3】
【0038】
健康酢の製造
本発明者は、前記巨峰ベビー(複数個)約100g分を取り出して、洗浄後、実だけでなく種子や皮を含んだまま(そもそも、巨峰ベビーでは、種子は極めて微小で柔らかいので分離が困難であるし分離する必要もない、また皮は柔らかいので分離する必要性が少ない。これに対して、成熟巨峰の場合は、その種子は大きく硬く、また皮も硬いので、これらを分離して取り除く必要性は大きい)、潰して、果汁(約85g)を抽出した。その後、この果汁を電子レンジで加熱処理して苦味が消えてまろやかな味となるようにし、健康酢を製造した。
【0039】
この健康酢を7人のモニターを試飲させたところ、次のような結果であった。7人中4人は、(おそらく酒石酸を主体とする酢であるため)今までに味わったことのないような味わいのある酸っぱさだが極めて飲みやすい酢だ(従来の黒酢などのようなクエン酸を主体とする健康酢のように飲みにくい酢ではない)と答えた。7人中2人はもともと酢が嫌いなのでよく分からないと答えた。7人中1人は普通の酢と同じに感じると答えた。
【実施例4】
【0040】
コンフィチュールの製造
本発明者は、まず、水洗浄後の巨峰ベビー(複数個)約500g分を、実だけでなく種子や皮を含んだまま(そもそも、巨峰ベビーでは、種子は極めて微小で柔らかいので分離が困難であるしその必要もない、また皮は柔らかいので分離する必要性が少ない)、同じ500gの水と一緒に容器に入れて一度だけ煮沸することにより、巨峰ベビーのアク抜きを行った。次に、前記容器内に、砂糖110gとトレハース110gを添加した。次に、前記容器内の材料を、最初は強火で、沸騰してきたら弱火に落として水分を残した状態で炊き上げた。容器内の蒸発度合いを糖度計で測りながら、糖度が60%になったら、加熱を中止した(糖度が60%となるようにしたのは、長期保存性を高めるためである)。この状態では、前記容器内の巨峰ベビーは形が崩れてグニャグニャになっており、前記容器内の全体はドロドロのジャム状となっている。以上により、コンフィチュールを製造した。
【0041】
このコンフィチュールを7人のモニターを試食させたところ、次のような結果であった。7人中3人は、甘さと酸味のバランスが取れた味で、今までに味わったことのない味のコンフィチュールだと答えた。7人中3人は甘さが少なく後口がサッパリしてて美味しいと答えた。7人中1人は梅ジャムに似た味だが美味しいと答えた。味についてではないが、7人中3人が色が少し黒ずんでいるので見た目が良くないと答えた(この点については、酸化防止剤を入れていないために巨峰ベビーが酸化したのが原因と考えられるので、改善の余地はあると考えられる)。また、香りについては、7人中5人が葡萄の良い香りがすると答えた。
【実施例5】
【0042】
ピクルスの製造
本発明者は、まず、容器内に入れた甘酢1.5kg(マルボシ酢株式会社(福岡県田川郡川崎町田原2425)製の甘酢を使用した)の中に、前記巨峰ベビー1kgを漬けた。その後、この状態のまま、前記容器を密閉したまま、2週間、放置した。その後、前記容器内の甘酢と巨峰ベビーを取り出して瓶詰めした。以上により、巨峰ベビーのピクルスを製造した。
【0043】
このピクルスを7人のモニターを試食させたところ、次のような結果であった。7人中5人は、酸味が少しはあるが全体として酸っぱいという感じがなく食べやすく美味しいと答えた。また、7人中2人は美味しくて歯応えがある(巨峰ベビーはもともと未成熟なので実がかなり硬い)と答えた。また、色については、7人中全員が、特に黒ずんでいるという感じはなく、緑色が残っていて、見た目は悪くないと答えた
【実施例6】
【0044】
ジャムの製造
本発明者は、水洗浄後の巨峰ベビー(複数個。冷凍保存のもの)約100g分を取り出して、実だけでなく種子や皮を含んだまま(そもそも、巨峰ベビーでは、種子は極めて微小で柔らかいので分離が困難でその必要もない、また皮は柔らかいので分離する必要性が少ない。これに対して、成熟巨峰の場合は、その種子は大きくて硬く、その皮は硬いので、これらを取り除く必要性は大きい)、冷凍のまま(解凍しないまま)、また破砕しないまま(破砕してもよい)、鍋に入れて強火で数十分間加熱し、煮詰めた。少しトロッとしてくるまで煮詰めた後、グラニュー糖を数回に分けて計約100gくらい加えて(巨峰ベビーは成熟巨峰に比較して糖度が極めて低いので、多量の糖分を添加する必要がある)、中火で数十分間煮詰めた。その後、全体的にゼリー状になった段階で、加熱を中止し、ジャムを製造した。なお、本実施例6によるジャムの製造工程の概略の流れを図6のフローチャートに示す。
【0045】
このジャムを7人のモニターを試食させたところ、次のような結果であった。7人中3人は酸味の強い味で今までに味わったことのないような特殊な味のジャムだと答えた。7人中2人は酸味が甘味を抑えて上品で後味が良いと答えた。7人中2人は酸っぱいので美味しくないと答えた。
【0046】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明は前記の各実施例に限定されるものではない。例えば、本発明による新規な飲料や食品は、前記の各実施例で示したワイン、リキュール、健康酢、コンフィチュール、ピクルス、及びジャムに限定されるものではなく、様々な飲料や食品及びそれらの製造方法、例えば錠剤形状やカプセル形状のサプリメントとその製造方法などにも適用できる。また、前記実施例のジャムの製造過程などではグラニュー糖などを添加するようにしているが、本発明では、前記グラニュー糖などに代えて、例えばトレハース(商品名)などのような甘味を有するが肥満の影響を避けられるような食材を使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)(b)は共に本発明の各実施例の材料として使用される巨峰ベビー及び比較例(成熟巨峰)の大きさ及び重量の測定結果を示すグラフ。
【図2】(a)(b)は共に本発明の各実施例の材料として使用される巨峰ベビー及び比較例(成熟巨峰)のポリフェノールの成分の測定結果を示すグラフ。
【図3】(a)(b)は共に本発明の各実施例の材料として使用される巨峰ベビー及び比較例(成熟巨峰)の有機酸の成分の測定結果を示すグラフ。
【図4】(a)(b)は共に本発明の各実施例の材料として使用される巨峰ベビー及び比較例(成熟巨峰)の糖類の成分の測定結果を示すグラフ。
【図5】本発明の各実施例の材料として使用した、多数個の巨峰ベビーを、房に付いている状態で示す図。
【図6】本発明の実施例6によるジャムの製造方法の一例を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)の作業において採取される巨峰ベビー(実の中の種子を含む)を加工したもの(果汁を含む)を含有して成り、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、巨峰ベビーを原料とする、ワイン、リキュール又は健康酢などの新規な飲料。
【請求項2】
巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー、を用意する第1工程と、
前記多数個の巨峰ベビーの実、種子、及び皮を潰し又は破砕する第2工程と、
前記第2工程で得られた原料(果汁を含む)に、糖分とワイン用イースト菌を添加して発酵させる第3工程と、
前記第3工程で得られた発酵体の上澄み液を取り出す第4工程と、
を含むことを特徴とする、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、新規なワインの製造方法。
【請求項3】
巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー、を用意する第1工程と、
容器内に、ホワイトリカーやウオッカ等の蒸留酒と、前記多数個の巨峰ベビーと、所定量の糖類とを入れる第2工程と、
前記容器中の蒸留酒中に前記多数個の巨峰ベビーと糖類とが漬けられた状態を約20〜60日間、保持する第3工程と、
前記容器中の液体を取り出す第4工程と、
を含むことを特徴とする、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、新規なリキュールの製造方法。
【請求項4】
巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー、を用意する第1工程と、
前記巨峰ベビーの実、種子、及び皮を潰し又は破砕する第2工程と、
前記第2工程で得られた原料(果汁を含む)の上澄み液を取り出す第3工程と、
を含むことを特徴とする、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、新規な健康酢の製造方法。
【請求項5】
巨峰の樹の枝から延びる「巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー(実の中の種子を含む)を加工したもの(果汁を含む)を含有して成り、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、巨峰ベビーを原料とする、コンフィチュール又はピクルスなどの新規な食品。
【請求項6】
巨峰の樹の枝から延びる巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー、を用意する第1工程と、
前記巨峰ベビーと水を容器内に入れて加熱して前記巨峰ベビーを煮る第2工程と、
前記加熱された巨峰ベビーと水の中に、所定量の糖類を添加する第3工程と、
前記糖類が添加された前記容器中の巨峰ベビーと水を加熱して水分を蒸発させ、前記容器中の液体の糖度が約50〜70%になるまで、炊き上げる第4工程と、
を含むことを特徴とする、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、新規なコンフィチュールの製造方法。
【請求項7】
巨峰の樹の枝から延びる巨峰の房ができる小枝」の複数箇所に巨峰の花が開花してから約20〜50日の間に行われる摘房(房落とし)作業において採取される巨峰ベビー、を用意する第1工程と、
前記巨峰ベビーを、酢の中に漬ける第2工程と、
前記巨峰ベビーが酢の中に漬けられた状態を約7〜20日間、保持する第3工程と、
を含むことを特徴とする、抗酸化作用による健康増進機能を備えている、新規なピクルスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−213464(P2009−213464A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259148(P2008−259148)
【出願日】平成20年10月4日(2008.10.4)
【出願人】(508298880)
【Fターム(参考)】