説明

差動電圧比較器及び差動回路

【課題】NBTI劣化又はPBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制することにより、入力オフセット電圧の増大化を抑制し、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができるようにした差動電圧比較器を提供する。
【解決手段】入力制御部28は、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに電源電圧VDDを供給し、差動回路3の入力トランジスタをなすPMOSトランジスタのゲート−バルク間電圧を0Vにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動電圧比較器及び差動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
差動電圧比較器はA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)等に使用される。図42は従来の差動電圧比較器の一例を示す回路図である。図42中、VIP、VIMは差動電圧である入力電圧、1は入力電圧VIPを入力するためのVIP入力端子、2は入力電圧VIMを入力するためのVIM入力端子、3は電圧出力型の差動回路である。VIP入力端子1は差動回路3の非反転入力端子3Aに接続され、VIM入力端子2は差動回路3の反転入力端子3Bに接続されている。
【0003】
4は差動回路3の出力電圧をラッチして入力電圧VIP、VIMの大小比較結果を示す出力電圧VO、VXOを出力するラッチ部、5は出力電圧VOが出力されるVO出力端子、6は出力電圧VXOが出力されるVXO出力端子、7はVO出力端子5及びVXO出力端子6を接地電圧(Lレベル)にリセットするリセット部である。
【0004】
ラッチ部4において、8は電源電圧VDD(1.2V)を供給するVDD電源線、9、10はインバータ、11、12はスイッチ素子である。インバータ9は、その入力端子を差動回路3の反転出力端子3C及びインバータ10の出力端子に接続し、その出力端子をVO出力端子5に接続し、その電源端子をスイッチ素子11を介してVDD電源線8に接続し、その接地端子を接地している。インバータ10は、その入力端子を差動回路3の非反転出力端子3D及びインバータ9の出力端子に接続し、その出力端子をVXO出力端子6に接続し、その電源端子をスイッチ素子12を介してVDD電源線8に接続し、その接地端子を接地している。
【0005】
スイッチ素子11、12は、クロック信号CLKを反転した反転クロック信号/CLKにより導通(以下、ONと言う)、非導通(以下、OFFと言う)が制御されるものであり、反転クロック信号/CLKがHレベルのときはONとなり、反転クロック信号/CLKがLレベルのときはOFFとなる。
【0006】
リセット部7において、13、14はスイッチ素子である。スイッチ素子13は、一方の端子をVO出力端子5に接続し、他方の端子を接地している。スイッチ素子14は、一方の端子をVXO出力端子6に接続し、他方の端子を接地している。スイッチ素子13、14は、クロック信号CLKによりON、OFFが制御されるものであり、クロック信号CLKがHレベルのときはONとなり、クロック信号CLKがLレベルのときはOFFとなる。
【0007】
図43は差動回路3の構成を示す回路図である。図43中、16はVDD電源線、17〜19はPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと言う)、20、21はNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと言う)である。PMOSトランジスタ17は、定電流源をなすものであり、ソース及びバルクをVDD電源線16に接続し、ゲートをバイアス電圧VB1が印加されるバイアス電圧入力端子に接続されている。
【0008】
PMOSトランジスタ18、19は差動動作を行う入力トランジスタである。PMOSトランジスタ18は、ソースをPMOSトランジスタ17のドレインに接続し、ゲートを非反転入力端子3Aに接続し、ドレインをノード25に接続し、バルクをVDD電源線16に接続している。PMOSトランジスタ19は、ソースをPMOSトランジスタ17のドレインに接続し、ゲートを反転入力端子3Bに接続し、ドレインをノード26に接続し、バルクをVDD電源線16に接続している。
【0009】
NMOSトランジスタ20は、PMOSトランジスタ18の負荷素子をなすものであり、ドレイン及びゲートをノード25に接続し、ソース及びバルクを接地している。NMOSトランジスタ21は、PMOSトランジスタ19の負荷素子をなすものであり、ドレイン及びゲートをノード26に接続し、ソース及びバルクを接地している。
【0010】
図44は図42に示す従来の差動電圧比較器の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は反転クロック信号/CLK、(C)は入力電圧VIP、(D)は入力電圧VIM、(E)は出力電圧VO、(F)は出力電圧VXO、(G)はPMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧を示している。
【0011】
図42に示す従来の差動電圧比較器においては、クロック信号CLKがLレベルのときは比較期間とされ、クロック信号CLKがHレベルのときはリセット期間とされる。また、比較期間になってから、ラッチ部4により出力電圧VO、VXOのレベルが確定されるまでの期間が判定期間とされ、判定期間が終了してから比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0012】
ここで、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地されると共に、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。また、この状態で、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなる。
【0013】
この状態から、クロック信号CLKがLレベル、反転クロック信号/CLKがHレベルに変化して比較期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14はOFFとなる。この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなっているので、差動回路3の反転出力端子3Cの電圧VOP<差動回路3の非反転出力端子3Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0014】
その後、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地されると共に、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0015】
ところで、MOSトランジスタは、使用されることにより経年劣化する。経年劣化には、NBTI(negative bias temperature instability)劣化と、PBTI(positive bias temperature instability)劣化がある。NBTI劣化とは、PMOSトランジスタに起こるものであり、高温状態でバルク電位を基準にして大きな負電圧をゲートに与え続けると、閾値の増加やドレイン電流の減少などが起こる現象である。これに対して、PBTI劣化とは、NMOSトランジスタに起こるものであり、高温状態でバルク電位を基準にして大きな正電圧をゲートに与え続けると、閾値の増加やドレイン電流の減少などが起こる現象である。
【0016】
これらの経年劣化は、高温状態でゲート−バルク間に大きな電界がかかると、ゲート酸化膜とシリコン基板との界面に、固定電荷や界面準位が形成されることに起因するものである。なお、MOSトランジスタに高い負荷を与えている状態(PMOSトランジスタの場合は、高温状態でバルク電位を基準にして大きい負電圧をゲートに与え続ける状態。NMOSトランジスタの場合は、高温状態でバルク電位を基準にして大きい正電圧をゲートに与え続ける状態。)が長ければ長いほど、劣化量(閾値の増加量やドレイン電流の減少量など)が大きくなる。
【0017】
図42に示す従来の差動電圧比較器においては、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合、判定結果出力期間及びリセット期間の間、PMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化が進行してしまう。これに対して、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルの場合は、判定結果出力期間及びリセット期間の間、PMOSトランジスタ18のゲート−バルク間電圧が−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化が進行してしまう。
【0018】
NBT1劣化の進行によりPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキが大きくなると、入力オフセット電圧が大きくなり、判定電圧誤差が大きくなってしまう。ここで、例えば、図42に示す従来の差動電圧比較器をA/D変換器に使用した場合において、NBTI劣化によりPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキが大きくなり、入力オフセット電圧が大きくなることにより、判定電圧誤差が大きくなってしまうと、INL(integral non linearity:積分非直線性)やDNL(differential non linearity:微分非直線性)などのA/D変換精度が悪化してしまうという不都合がある。
【0019】
入力トランジスタをNMOSトランジスタとする差動回路を備える従来の差動電圧比較器においても、PBTI劣化により差動回路の入力トランジスタをなすNMOSトランジスタの閾値のバラツキが大きくなると、入力オフセット電圧が大きくなり、判定電圧誤差が大きくなってしまう。差動回路を単体で使用する場合においても、同様のことが言える。したがって、差動電圧比較器や差動回路においては、NBTI劣化やPBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制することが要請される。
【非特許文献1】J.Craninckx and G.Van der Plas,“65fj/Conversion-Step 0-to-50MS/s 0-to-0.7mW 9b Charge-Sharing SAR ADC in 90nm Digital CMOS,” IEEE ISSCC2007, Dig.of Tech. Papers, pp246-247, Feb. 2007.
【非特許文献2】Y.Shimizu, S.Murayama, K.kudoh, H.Yatsuda, and A.Ogawa,“A 30mW 12b 40MS/s Subranging ADC with a High-Gain Offset-Canceling Positive-Feedback Amplifier in 90nm Digital CMOS,” IEEE ISSCC2006, Dig.of Tech. Papers, pp222-225, Feb. 2006.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、かかる点に鑑み、NBTI劣化又はPBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制することにより、入力オフセット電圧の増大化を抑制し、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができるようにした差動電圧比較器及び差動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(開示する第1の差動電圧比較器)
ここで開示する第1の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0022】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給するものである。
【0023】
(開示する第2の差動電圧比較器)
ここで開示する第2の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0024】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続するものである。
【0025】
(開示する第3の差動電圧比較器)
ここで開示する第3の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0026】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給するものである。
【0027】
(開示する第4の差動電圧比較器)
ここで開示する第4の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0028】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給するものである。
【0029】
(開示する第5の差動電圧比較器)
ここで開示する第5の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0030】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続するものである。
【0031】
(開示する第6の差動電圧比較器)
ここで開示する第6の差動電圧比較器は、差動回路と、ラッチ部と、リセット部と、入力制御部とを有するものである。前記差動回路は、第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するものである。前記ラッチ部は、クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるものである。前記リセット部は、前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするものである。
【0032】
前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給するものである。
【0033】
(開示する差動回路)
ここで開示する差動回路は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなる第1、第2の入力トランジスタと、第1モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに電源電圧を印加する電源電圧印加手段と、第2モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに接地電圧を印加する接地電圧印加手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0034】
(開示した第1の差動電圧比較器の効果)
開示した第1の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)は、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する。これにより、判定結果出力期間の間は、前記差動回路の入力トランジスタのゲート−バルク間電圧を0Vにし、前記差動回路の入力トランジスタのNBTI劣化又はPBTI劣化を抑制することができる。
【0035】
したがって、開示した第1の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第1の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0036】
(開示した第2の差動電圧比較器の効果)
開示した第2の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)は、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続する。これにより、判定結果出力期間の間は、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタは同量劣化するので、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの劣化量が平均化され、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタ間のNBTI劣化又はPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。
【0037】
したがって、開示した第2の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第2の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0038】
(開示した第3の差動電圧比較器の効果)
開示した第3の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)は、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給する。これにより、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの劣化量が平均化されるので、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタ間のNBTI劣化又はPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。
【0039】
したがって、開示した第3の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第3の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0040】
(開示した第4の差動電圧比較器の効果)
開示した第4の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する。これにより、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、前記差動回路の入力トランジスタのゲート−バルク間電圧を0Vにし、前記差動回路の入力トランジスタのNBTI劣化又はPBTI劣化を抑制することができる。
【0041】
したがって、開示した第4の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第4の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0042】
(開示した第5の差動電圧比較器の効果)
開示した第5の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続する。これにより、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタは同量劣化するので、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの劣化量が平均化され、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタ間のNBTI劣化又はPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。
【0043】
したがって、開示した第5の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第5の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0044】
(開示した第6の差動電圧比較器の効果)
開示した第6の差動電圧比較器においては、前記入力制御部は、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき(即ち、判定結果出力期間の間)、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給する。これにより、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの劣化量が平均化されるので、前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタのNBTI劣化又はPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。
【0045】
したがって、開示した第6の差動電圧比較器によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による前記差動回路の第1及び第2の入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、この開示した第6の差動電圧比較器を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0046】
(開示した差動回路の効果)
開示した差動回路においては、前記第1、第2の入力トランジスタがPチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの場合には、判定結果出力期間以外の期間を第1モード時とし、判定結果出力期間を第2モード時とすると、判定結果出力期間の間は、前記第1、第2の入力トランジスタのゲートにHレベル電圧を印加することにより、前記第1、第2の入力トランジスタにゲートからバルクに向かう電界を形成することができる。これにより、前記第1、第2の入力トランジスタのうち、判定期間の間はゲートにLレベル電圧が印加され、バルクからゲートに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、NBTI劣化を回復することができる。
【0047】
また、前記第1、第2の入力トランジスタがPチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの場合には、判定結果出力期間及びリセット期間以外の期間を第1モード時とし、判定結果出力期間及びリセット期間を第2モード時とすると、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、前記第1、第2の入力トランジスタのゲートにHレベル電圧を印加することにより、前記第1、第2の入力トランジスタにゲートからバルクに向かう電界を形成することができる。これにより、前記第1、第2の入力トランジスタのうち、判定期間の間はゲートにLレベル電圧が印加され、バルクからゲートに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、NBTI劣化を回復することができる。
【0048】
また、前記第1、第2の入力トランジスタがNチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの場合には、判定結果出力期間を第1モード時とし、判定結果出力期間以外の期間を第2モード時とすると、判定結果出力期間の間は、前記第1、第2の入力トランジスタのゲートにLレベル電圧を印加することにより、前記第1、第2の入力トランジスタにバルクからゲートに向かう電界を形成することができる。これにより、前記第1、第2の入力トランジスタのうち、判定期間の間はゲートにHレベル電圧が印加され、ゲートからバルクに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、PBTI劣化を回復することができる。
【0049】
また、前記第1、第2の入力トランジスタがNチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタの場合には、判定結果出力期間及びリセット期間を第1モード時とし、判定結果出力期間及びリセット期間以外の期間を第2モード時とすると、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、前記第1、第2の入力トランジスタのゲートにLレベル電圧を印加することにより、前記第1、第2の入力トランジスタにバルクからゲートに向かう電界を形成することができる。これにより、前記第1、第2の入力トランジスタのうち、判定期間の間はゲートにHレベル電圧が印加され、ゲートからバルクに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、PBTI劣化が回復される。
【0050】
したがって、開示した差動回路によれば、NBTI劣化又はPBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、開示した差動回路を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
(本発明の差動電圧比較器の第1実施形態)
図1は本発明の差動電圧比較器の第1実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第1実施形態は、VIP入力端子1及びVIM入力端子2と差動回路3との間に入力制御部28を設けると共に、EOR(排他的論理和)回路29と、インバータ30とを設け、その他については、図42に示す従来の差動電圧比較器と同様に構成したものである。
【0052】
入力制御部28において、31はVDD電源線、32〜35はスイッチ素子である。スイッチ素子32は、VIP入力端子1と差動回路3の非反転入力端子3Aとの間に接続されている。スイッチ素子33は、VIM入力端子2と差動回路3の反転入力端子3Bとの間に接続されている。スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CAによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CAがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CAがLレベルのときはOFFとなる。
【0053】
また、スイッチ素子34は、VDD電源線31と差動回路3の非反転入力端子3Aとの間に接続されている。スイッチ素子35は、VDD電源線31と差動回路3の反転入力端子3Bとの間に接続されている。スイッチ素子34、35は、入力制御信号CAによりON、OFFが制御され、入力制御信号CAがHレベルのときはON、入力制御信号CAがLレベルのときはOFFとなる。
【0054】
EOR回路29は、入力電圧VIP、VIMの大小判定が終了したことを検出する判定終了検出回路をなすものである。EOR回路29は、一方の入力端子をインバータ9の出力端子に接続し、他方の入力端子をインバータ10の出力端子に接続し、入力制御信号CAを出力するように構成されている。インバータ30は、入力端子をEOR回路29の出力端子に接続し、EOR回路29が出力する入力制御信号CAを反転して反転入力制御信号/CAを出力するように構成されている。
【0055】
図2は本発明の差動電圧比較器の第1実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は反転クロック信号/CLK、(C)は入力電圧VIP、(D)は入力電圧VIM、(E)は出力電圧VO、(F)は出力電圧VXO、(G)は入力制御信号CA、(H)は反転入力制御信号/CA、(I)は差動回路3の非反転入力端子3Aの電圧VICP、(J)は差動回路3の反転入力端子3Bの電圧VICM、(K)はPMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧を示している。
【0056】
本発明の差動電圧比較器の第1実施形態においては、クロック信号CLKがLレベルのときは比較期間とされ、クロック信号CLKがHレベルのときはリセット期間とされる。また、比較期間になってから、入力制御信号CAがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされ、入力制御信号CAがHレベルになってから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0057】
ここで、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地されると共に、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0058】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。
【0059】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなる。この場合、PMOSトランジスタ19では、ゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化が進行する。
【0060】
この状態から、クロック信号CLKがLレベル、反転クロック信号/CLKがHレベルに変化して比較期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がOFFとなる。
【0061】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなっているので、差動回路3の反転出力端子3Cの電圧VOP<差動回路3の非反転出力端子3Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0062】
ここで、出力電圧VOがHレベルに変化すると、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはHレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはLレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0063】
したがって、差動回路3の非反転入力端子3Aにはスイッチ素子34を介して電源電圧VDDが供給され、差動回路3の反転入力端子3Bにはスイッチ素子35を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0064】
その後、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地されると共に、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0065】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされることから、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。
【0066】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなる。この場合、PMOSトランジスタ19では、ゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化が進行する。
【0067】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、PMOSトランジスタ18がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ18のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化の進行が停止される。
【0068】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態によれば、入力制御部28は、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに電源電圧VDDを供給し、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化を抑制することができる。
【0069】
したがって、NBTI劣化によるPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0070】
なお、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態においては、判定終了検出回路としてEOR回路29を設けた場合について説明したが、EOR回路29の代わりに、OR回路を設けるようにしても良い。
【0071】
(本発明の差動電圧比較器の第2実施形態)
図3は本発明の差動電圧比較器の第2実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第2実施形態は、リセット部として、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態が備えるリセット部7と構成の異なるリセット部37を設けると共に、判定終了検出回路としてNAND回路38、反転入力制御信号生成回路としてインバータ39を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0072】
リセット部37において、40はVDD電源線、41、42はスイッチ素子である。スイッチ素子41はVDD電源線40とVO出力端子5との間に接続されている。スイッチ素子42はVDD電源線40とVXO出力端子6との間に接続されている。スイッチ素子41、42は、クロック信号CLKによりON、OFFが制御され、クロック信号CLKがHレベルのときはON、クロック信号CLKがLレベルのときはOFFとなる。
【0073】
NAND回路38は、一方の入力端子をインバータ9の出力端子に接続し、他方の入力端子をインバータ10の出力端子に接続し、入力制御信号CAを出力するように構成されている。インバータ39は、入力端子をNAND回路38の出力端子に接続し、NAND回路38が出力する入力制御信号CAを反転して反転入力制御信号/CAを出力するように構成されている。
【0074】
図4は本発明の差動電圧比較器の第2実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は反転クロック信号/CLK、(C)は入力電圧VIP、(D)は入力電圧VIM、(E)は出力電圧VO、(F)は出力電圧VXO、(G)は入力制御信号CA、(H)は反転入力制御信号/CA、(I)は差動回路3の非反転入力端子3Aの電圧VICP、(J)は差動回路3の反転入力端子3Bの電圧VICM、(K)はPMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧を示している。
【0075】
本発明の差動電圧比較器の第2実施形態においても、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に、クロック信号CLKがHレベルのときはリセット期間とされ、クロック信号CLKがLレベルのときは比較期間とされる。また、比較期間になってから、入力制御信号CAがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされ、入力制御信号CAがHレベルになってから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0076】
ここで、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0077】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。
【0078】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなる。この場合、PMOSトランジスタ19では、ゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化が進行する。
【0079】
この状態から、クロック信号CLKがLレベル、反転クロック信号/CLKがHレベルに変化して比較期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態となる。リセット部37では、スイッチ素子41、42はOFFとなる。
【0080】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなっているので、差動回路3の反転出力端子3Cの電圧VOP<差動回路3の非反転出力端子3Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0081】
ここで、出力電圧VXOがLレベルに変化すると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはHレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはLレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0082】
したがって、差動回路3の非反転入力端子3Aにはスイッチ素子34を介して電源電圧VDDが供給され、差動回路3の反転入力端子3Bにはスイッチ素子35を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0083】
その後、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0084】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子34、35はOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。
【0085】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなる。この場合、PMOSトランジスタ19では、ゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化が進行する。
【0086】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、PMOSトランジスタ18がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ18のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化の進行が停止される。
【0087】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態によれば、入力制御部28は、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに電源電圧VDDを供給し、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化を抑制することができる。
【0088】
したがって、NBTI劣化によるPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0089】
なお、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態においては、判定終了検出回路としてNAND回路38を設けた場合について説明したが、NAND回路38の代わりに、EOR回路を設けるようにしても良い。
【0090】
(本発明の差動電圧比較器の第3実施形態)
図5は本発明の差動電圧比較器の第3実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第3実施形態は、図1に示す本発明の差動電圧比較器の第1実施形態を改良するものであり、遅延回路44と、インバータ45と、OR回路46とが追加されている。
【0091】
遅延回路44は、クロック信号CLKを遅延して遅延クロック信号CLK_dを生成するものであり、複数個のインバータ47−1〜47−2nを縦列接続して構成されている。遅延回路44の遅延時間は、スイッチ素子32、33をON、スイッチ素子34、35をOFFとしてから、差動回路3の出力が確定するまでの時間(入力電圧確定時間)と同一時間とされる。また、インバータ45は、遅延回路44が出力する遅延クロック信号CLK_dを反転して反転遅延クロック信号/CLK_dを出力するものである。
【0092】
OR回路46は、一方の入力端子にクロック信号CLKが与えられ、他方の入力端子にEOR回路29の出力信号CAが与えられ、入力制御信号CBを出力するように構成されている。また、本例では、インバータ30は、入力端子をOR回路46の出力端子に接続し、OR回路46が出力する入力制御信号CBを反転して反転入力制御信号/CBを出力するようにされている。
【0093】
また、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12は、反転遅延クロック信号/CLK_dによりON、OFFが制御され、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルのときはON、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルのときはOFFとなるようにされている。リセット部7では、スイッチ素子13、14は、遅延クロック信号CLK_dによりON、OFFが制御され、遅延クロック信号CLK_dがHレベルのときはON、遅延クロック信号CLK_dがLレベルのときはOFFとなるようにされている。
【0094】
また、入力制御部28では、スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。スイッチ素子34、35は、入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。その他については、本発明の第1実施形態と同様に構成されている。
【0095】
図6は本発明の差動電圧比較器の第3実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は遅延クロック信号CLK_d、(C)は反転遅延クロック信号/CLK_d、(D)は入力電圧VIP、(E)は入力電圧VIM、(F)は出力電圧VO、(G)は出力電圧VXO、(H)はEOR回路29の出力信号CA、(I)は入力制御信号CB、(J)は差動回路3の非反転入力端子3Aの電圧VICP、(K)は差動回路3の反転入力端子3Bの電圧VICM、(L)はPMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧を示している。
【0096】
本発明の差動電圧比較器の第3実施形態においては、クロック信号CLKがLレベルになったときから、遅延クロック信号CLK_dがHレベルとなるまでの期間が比較期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになったときから、クロック信号CLKがLレベルとなるまでの期間がリセット期間とされる。また、比較期間になってから、遅延クロック信号CLK_dがLレベルとなるまでの期間が入力電圧整定期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがLレベルになったときから、入力制御信号CBがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされる。また、入力制御信号CBがHレベルになったときから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0097】
ここで、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路44の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0098】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路3では、PMOSトランジスタ18、19はOFFの状態が維持される。
【0099】
したがって、リセット期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルである場合でも、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0100】
この状態から、クロック信号CLKがLレベルに変化して比較期間になると、OR回路46が出力する入力制御信号CBはLレベル、OR回路30が出力する反転入力制御信号/CBはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMが、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18はOFF、PMOSトランジスタ19はONとなる。
【0101】
また、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、遅延回路44の遅延時間が経過した後、遅延クロック信号CLK_dがLレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルに変化して入力電圧整定期間から判定期間となる。この場合、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がOFFとなる。
【0102】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなっているので、差動回路3の反転出力端子3Cの電圧VOP<差動回路3の非反転出力端子3Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0103】
また、出力電圧VOがHレベルに変化して判定結果出力期間になると、EOR回路29の出力信号CAはHレベルとなり、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0104】
したがって、差動回路3の非反転入力端子3Aにはスイッチ素子34を介して電源電圧VDDが供給され、差動回路3の反転入力端子3Bにはスイッチ素子35を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。その後、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化する。この場合、OR回路46が出力する入力制御信号CBがHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBがLレベルの状態は変化しない。
【0105】
また、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路44の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0106】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路3では、PMOSトランジスタ18、19はOFFの状態が維持される。
【0107】
したがって、リセット期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0108】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、PMOSトランジスタ18がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、PMOSトランジスタ18のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化の進行が停止される。
【0109】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態によれば、入力制御部28は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに電源電圧VDDを供給し、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化を抑制することができる。
【0110】
したがって、NBTI劣化によるPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0111】
なお、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態においては、判定終了検出回路としてEOR回路29を設けた場合について説明したが、EOR回路29の代わりに、OR回路を設けるようにしても良い。
【0112】
(本発明の差動電圧比較器の第4実施形態)
図7は本発明の差動電圧比較器の第4実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第4実施形態は、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態を改良するものであり、遅延回路49と、インバータ50と、OR回路51とが追加されている。
【0113】
遅延回路49は、クロック信号CLKを遅延して遅延クロック信号CLK_dを生成するものであり、複数個のインバータ52−1〜52−2nを縦列接続して構成されている。遅延回路49の遅延時間は、スイッチ素子32、33をON、スイッチ素子34、35をOFFとしてから、差動回路3の出力が確定するまでの時間(入力電圧確定時間)と同一時間とされる。また、インバータ50は、遅延回路49が出力する遅延クロック信号CLK_dを反転して反転遅延クロック信号/CLK_dを出力するものである。
【0114】
OR回路51は、一方の入力端子にクロック信号CLKが与えられ、他方の入力端子にNAND回路38の出力信号CAが与えられ、入力制御信号CBを出力するように構成されている。また、本例では、インバータ39は、入力端子をOR回路51の出力端子に接続し、OR回路51が出力する入力制御信号CBを反転して反転入力制御信号/CBを出力するようにされている。
【0115】
また、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12は、反転遅延クロック信号/CLK_dによりON、OFFが制御され、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルのときはON、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルのときはOFFとなるようにされている。リセット部37では、スイッチ素子41、42は、遅延クロック信号CLK_dによりON、OFFが制御され、遅延クロック信号CLK_dがHレベルのときはON、遅延クロック信号CLK_dがLレベルのときはOFFとなるようにされている。
【0116】
また、入力制御部28では、スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。スイッチ素子34、35は、入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に構成されている。
【0117】
図8は本発明の差動電圧比較器の第4実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は遅延クロック信号CLK_d、(C)は反転遅延クロック信号/CLK_d、(D)は入力電圧VIP、(E)は入力電圧VIM、(F)は出力電圧VO、(G)は出力電圧VXO、(H)はNAND回路38の出力信号CA、(I)は入力制御信号CB、(J)は差動回路3の非反転入力端子3Aの電圧VICP、(K)は差動回路3の反転入力端子3Bの電圧VICM、(L)はPMOSトランジスタ19のゲート−バルク間電圧を示している。
【0118】
本発明の差動電圧比較器の第4実施形態においても、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に、クロック信号CLKがLレベルになったときから、遅延クロック信号CLK_dがHレベルとなるまでの期間が比較期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになったときから、クロック信号CLKがLレベルとなるまでの期間がリセット期間とされる。また、比較期間になってから、遅延クロック信号CLK_dがLレベルとなるまでの期間が入力電圧整定期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがLレベルになったときから、入力制御信号CBがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされる。また、入力制御信号CBがHレベルになったときから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0119】
ここで、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路49の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0120】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路3では、PMOSトランジスタ18、19はOFFの状態が維持される。
【0121】
したがって、リセット期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルである場合でも、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0122】
この状態から、クロック信号CLKがLレベルに変化して比較期間になると、OR回路51が出力する入力制御信号CBはLレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはHレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMが、それぞれ差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに印加される。ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路3では、PMOSトランジスタ18はOFF、PMOSトランジスタ19はONとなる。
【0123】
また、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、遅延回路49の遅延時間が経過した後、遅延クロック信号CLK_dがLレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルに変化して入力電圧整定期間から判定期間となる。この場合、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がOFFとなる。
【0124】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路3では、PMOSトランジスタ18がOFF、PMOSトランジスタ19がONとなっているので、差動回路3の反転出力端子3Cの電圧VOP<差動回路3の非反転出力端子3Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0125】
また、出力電圧VXOがLレベルに変化して判定結果出力期間になると、NAND回路38の出力信号CAはHレベルとなり、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルとなる。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0126】
したがって、差動回路3の非反転入力端子3Aにはスイッチ素子34を介して電源電圧VDDが供給され、差動回路3の反転入力端子3Bにはスイッチ素子35を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。その後、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化する。この場合、OR回路51が出力する入力制御信号CBがHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBがLレベルの状態は変化しない。
【0127】
また、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路49の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0128】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部28では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路3では、PMOSトランジスタ18、19はOFFの状態が維持される。
【0129】
したがって、リセット期間の間は、PMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ19のNBTI劣化の進行が停止される。
【0130】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、PMOSトランジスタ18がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は−1.2Vとなり、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、PMOSトランジスタ18のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、PMOSトランジスタ18のNBTI劣化の進行が停止される。
【0131】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態によれば、入力制御部28は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bに電源電圧VDDを供給し、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化を抑制することができる。
【0132】
したがって、NBTI劣化によるPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0133】
なお、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態においては、判定終了検出回路としてNAND回路38を設けた場合について説明したが、NAND回路38の代わりに、EOR回路を設けるようにしても良い。
【0134】
(本発明の差動電圧比較器の第5実施形態)
図9は本発明の差動電圧比較器の第5実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第5実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態が備える入力制御部28と構成の異なる入力制御部54を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0135】
入力制御部54は、入力制御部28が備えるVDD電源線31を削除すると共に、入力制御部28が備えるスイッチ素子34、35の代わりにスイッチ素子55を設け、その他については、入力制御部28と同様に構成したものである。スイッチ素子55は、差動回路3の非反転入力端子3Aと反転入力端子3Bとの間に接続されており、入力制御信号CAによりON、OFFが制御され、入力制御信号CAがHレベルのときはON、入力制御信号CAがLレベルのときはOFFとなるものである。
【0136】
本発明の差動電圧比較器の第5実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3Aと反転入力端子3Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に動作する。
【0137】
本発明の差動電圧比較器の第5実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19は、判定結果出力期間の間は同量劣化する。これにより、PMOSトランジスタ18、19の劣化量は平均化されるので、PMOSトランジスタ18、19間のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19間の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第5実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0138】
(本発明の差動電圧比較器の第6実施形態)
図10は本発明の差動電圧比較器の第6実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第6実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第5実施形態と同様に入力制御部54を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に構成したものである。
【0139】
本発明の差動電圧比較器の第6実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3Aと反転入力端子3Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に動作する。
【0140】
本発明の差動電圧比較器の第6実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19は、判定結果出力期間の間は同量劣化する。これにより、PMOSトランジスタ18、19の劣化量は平均化されるので、PMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第6実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0141】
(本発明の差動電圧比較器の第7実施形態)
図11は本発明の差動電圧比較器の第7実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第7実施形態は、入力制御部として入力制御部54を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に構成したものである。但し、本例では、スイッチ素子32、33は反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなる。また、スイッチ素子55は入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなる。
【0142】
本発明の差動電圧比較器の第7実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3Aと反転入力端子3Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に動作する。
【0143】
本発明の差動電圧比較器の第7実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は同量劣化する。これにより、PMOSトランジスタ18、19の劣化量は平均化されるので、PMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第7実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0144】
(本発明の差動電圧比較器の第8実施形態)
図12は本発明の差動電圧比較器の第8実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第8実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第7実施形態と同様に入力制御部54を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態と同様に構成したものである。
【0145】
本発明の差動電圧比較器の第8実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路3の非反転入力端子3A及び反転入力端子3Bへの供給を遮断し、差動回路3の非反転入力端子3Aと反転入力端子3Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態と同様に動作する。
【0146】
本発明の差動電圧比較器の第8実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は同量劣化する。これにより、PMOSトランジスタ18、19の劣化量が平均化されるので、PMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第8実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0147】
(本発明の差動電圧比較器の第9実施形態)
図13は本発明の差動電圧比較器の第9実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第9実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態が備える入力制御部28と構成の異なる入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0148】
入力制御部57は、入力制御部28が備えるVDD電源線31を削除すると共に、入力制御部28が備えるスイッチ素子34、35の代わりに、スイッチ素子58、59を設け、その他については、入力制御部28と同様に構成したものである。スイッチ素子58はVIP入力端子1と差動回路3の反転入力端子3Bとの間に接続されている。スイッチ素子59はVIM入力端子2と差動回路3の非反転入力端子3Aとの間に接続されている。スイッチ素子58、59は、入力制御信号CAによりON、OFFが制御され、入力制御信号CAがHレベルのときはON、入力制御信号CAがLレベルのときはOFFとなるものである。
【0149】
本発明の差動電圧比較器の第9実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIPの差動回路3の非反転入力端子3Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路3の反転入力端子3Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路3の反転入力端子3Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路3の非反転入力端子3Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に動作する。
【0150】
本発明の差動電圧比較器の第9実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の劣化量が平均化され、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第9実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0151】
(本発明の差動電圧比較器の第10実施形態)
図14は本発明の差動電圧比較器の第10実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第10実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第9実施形態と同様に入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に構成したものである。
【0152】
本発明の差動電圧比較器の第10実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIPの差動回路3の非反転入力端子3Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路3の反転入力端子3Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路3の反転入力端子3Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路3の非反転入力端子3Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に動作する。
【0153】
本発明の差動電圧比較器の第10実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の劣化量が平均化され、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第10実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0154】
(本発明の差動電圧比較器の第11実施形態)
図15は本発明の差動電圧比較器の第11実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第11実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第9実施形態と同様に入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に構成したものである。
【0155】
但し、入力制御部57では、スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。スイッチ素子58、59は、入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。
【0156】
本発明の差動電圧比較器の第11実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセットの間は、入力電圧VIPの差動回路3の非反転入力端子3Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路3の反転入力端子3Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路3の反転入力端子3Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路3の非反転入力端子3Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に動作する。
【0157】
本発明の差動電圧比較器の第11実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の劣化量が平均化され、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第11実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0158】
(本発明の差動電圧比較器の第12実施形態)
図16は本発明の差動電圧比較器の第12実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第12実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第11実施形態と同様に入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態と同様に構成したものである。
【0159】
本発明の差動電圧比較器の第12実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセットの間は、入力電圧VIPの差動回路3の非反転入力端子3Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路3の反転入力端子3Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路3の反転入力端子3Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路3の非反転入力端子3Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態と同様に動作する。
【0160】
本発明の差動電圧比較器の第12実施形態によれば、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の劣化量が平均化され、差動回路3のPMOSトランジスタ18、19のNBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、NBTI劣化による差動回路3のPMOSトランジスタ18、19の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第12実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0161】
なお、本発明の第1実施形態〜第12実施形態においては、差動回路3として、図42に示す差動回路を設ける場合について説明したが、この代わりに、図17に示す差動回路又は図18に示す差動回路を設けるようにしても良い。
【0162】
(本発明の差動電圧比較器の第13実施形態)
図19は本発明の差動電圧比較器の第13実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第13実施形態は、差動回路及び入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態が備える差動回路3及び入力制御部28と構成の異なる差動回路61及び入力制御部62を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0163】
図20は差動回路61の構成を示す回路図である。図20中、64はVDD電源線、65〜67はNMOSトランジスタ、68、69はPMOSトランジスタである。NMOSトランジスタ65は、定電流源をなすものであり、ソース及びバルクを接地し、ゲートをバイアス電圧VB2が印加されるバイアス電圧入力端子72に接続している。
【0164】
NMOSトランジスタ66、67は差動動作を行う入力トランジスタである。NMOSトランジスタ66は、ソースをNMOSトランジスタ65のドレインに接続し、ゲートを非反転入力端子61Aに接続し、ドレインをノード73に接続し、バルクを接地している。NMOSトランジスタ67は、ソースをNMOSトランジスタ65のドレインに接続し、ゲートを反転入力端子61Bに接続し、ドレインをノード74に接続し、バルクを接地している。
【0165】
PMOSトランジスタ68は、NMOSトランジスタ66の負荷素子をなすものであり、ドレイン及びゲートをノード73に接続し、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続している。PMOSトランジスタ69は、NMOSトランジスタ67の負荷素子をなすものであり、ドレイン及びゲートをノード74に接続し、ソース及びバルクをVDD電源線64に接地している。
【0166】
また、入力制御部62は、スイッチ素子34を差動回路61の非反転入力端子61Aと接地との間に接続すると共に、スイッチ素子35を差動回路61の反転入力端子61Bと接地との間に接続し、その他については、図1に示す入力制御部28と同様に構成したものである。
【0167】
図21は本発明の差動電圧比較器の第13実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は反転クロック信号/CLK、(C)は入力電圧VIP、(D)は入力電圧VIM、(E)は出力電圧VO、(F)は出力電圧VXO、(G)は入力制御信号CA、(H)は反転入力制御信号/CA、(I)は差動回路61の非反転入力端子61Aの電圧VICP、(J)は差動回路61の反転入力端子61Bの電圧VICM、(K)はNMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧を示している。
【0168】
本発明の差動電圧比較器の第13実施形態においては、クロック信号CLKがLレベルのときは比較期間とされ、クロック信号CLKがHレベルのときはリセット期間とされる。また、比較期間になってから、入力制御信号CAがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされ、入力制御信号CAがHレベルになってから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0169】
ここで、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0170】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。
【0171】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなる。この場合、NMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化が進行する。
【0172】
この状態から、クロック信号CLKがLレベル、反転クロック信号/CLKがHレベルに変化して比較期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態となる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がOFFとなる。
【0173】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなっているので、差動回路61の反転出力端子61Cの電圧VOP<差動回路61の非反転出力端子61Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0174】
ここで、出力電圧VOがHレベルに変化すると、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはHレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはLレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がOFFとなり、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0175】
したがって、差動回路61の非反転入力端子61Aはスイッチ素子34を介して接地され、差動回路61の反転入力端子61Bはスイッチ素子35を介して接地される。この結果、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0176】
その後、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0177】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。
【0178】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がONとなる。この場合、NMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化が進行する。
【0179】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、NMOSトランジスタ67がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化の進行が停止される。
【0180】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態によれば、入力制御部62は、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bを接地し、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化を抑制することができる。
【0181】
したがって、PBTI劣化によるNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0182】
なお、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態においては、判定終了検出回路としてEOR回路29を設けた場合について説明したが、EOR回路29の代わりに、OR回路を設けるようにしても良い。
【0183】
(本発明の差動電圧比較器の第14実施形態)
図22は本発明の差動電圧比較器の第14実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第14実施形態は、差動回路及び入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態と同様に差動回路61及び入力制御部62を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第2実施形態と同様に構成したものである。
【0184】
図23は本発明の差動電圧比較器の第14実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は反転クロック信号/CLK、(C)は入力電圧VIP、(D)は入力電圧VIM、(E)は出力電圧VO、(F)は出力電圧VXO、(G)は入力制御信号CA、(H)は反転入力制御信号/CA、(I)は差動回路61の非反転入力端子61Aの電圧VICP、(J)は差動回路61の反転入力端子61Bの電圧VICM、(K)はNMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧を示している。
【0185】
本発明の差動電圧比較器の第14実施形態においても、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態と同様に、クロック信号CLKがLレベルのときは比較期間とされ、クロック信号CLKがHレベルのときはリセット期間とされる。また、比較期間になってから、入力制御信号CAがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされ、入力制御信号CAがHレベルになってから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0186】
ここで、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12はOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42はONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0187】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。
【0188】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなる。この場合、NMOSトランジスタ66では、ゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化が進行する。
【0189】
この状態から、クロック信号CLKがLレベル、反転クロック信号/CLKがHレベルに変化して比較期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12はONとなり、インバータ9、10は活性状態となる。リセット部37では、スイッチ素子41、42はOFFとなる。
【0190】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなっているので、差動回路61の反転出力端子61Cの電圧VOP<差動回路61の非反転出力端子61Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0191】
ここで、出力電圧VXOがLレベルに変化すると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはHレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはLレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がOFFとなり、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0192】
したがって、差動回路61の非反転入力端子61Aはスイッチ素子34を介して接地され、差動回路61の反転入力端子61Bはスイッチ素子35を介して接地される。この結果、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0193】
その後、クロック信号CLKがHレベル、反転クロック信号/CLKがLレベルに変化してリセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12はOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42はONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0194】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38が出力する入力制御信号CAはLレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CAはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMは、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。
【0195】
ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がONとなる。この場合、NMOSトランジスタ66では、ゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化が進行する。
【0196】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、NMOSトランジスタ67がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化の進行が停止される。
【0197】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第14実施形態によれば、入力制御部62は、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bを接地し、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化を抑制することができる。
【0198】
したがって、PBTI劣化によるNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第14実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0199】
なお、本発明の差動電圧比較器の第14実施形態においては、判定終了検出回路としてNAND回路38を設けた場合について説明したが、NAND回路38の代わりに、EOR回路を設けるようにしても良い。
【0200】
(本発明の差動電圧比較器の第15実施形態)
図24は本発明の差動電圧比較器の第15実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第15実施形態は、差動回路及び入力制御部として差動回路61及び入力制御部62を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第3実施形態と同様に構成したものである。但し、本例では、スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。スイッチ素子34、35は、入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。
【0201】
図25は本発明の差動電圧比較器の第15実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は遅延クロック信号CLK_d、(C)は反転遅延クロック信号/CLK_d、(D)は入力電圧VIP、(E)は入力電圧VIM、(F)は出力電圧VO、(G)は出力電圧VXO、(H)はEOR回路29の出力信号CA、(I)は入力制御信号CB、(J)は差動回路61の非反転入力端子61Aの電圧VICP、(K)は差動回路61の反転入力端子61Bの電圧VICM、(L)はNMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧を示している。
【0202】
本発明の差動電圧比較器の第15実施形態においては、クロック信号CLKがLレベルになったときから、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになるまでの期間が比較期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになったときから、クロック信号CLKがLレベルとなるまでの期間がリセット期間とされる。また、比較期間になってから、遅延クロック信号CLK_dがLレベルとなるまでの期間が入力電圧整定期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがLレベルになったときから、入力制御信号CBがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされる。また、入力制御信号CBがHレベルになったときから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0203】
ここで、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路44の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0204】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路61では、NMOSトランジスタ66、67はOFFの状態が維持される。
【0205】
したがって、リセット期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルである場合でも、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0206】
この状態から、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、OR回路46が出力する入力制御信号CBはLレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMが、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66はON、NMOSトランジスタ67はOFFとなる。
【0207】
また、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、遅延回路44の遅延時間が経過した後、遅延クロック信号CLK_dがLレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルに変化して入力電圧整定期間から判定期間となる。この場合、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がOFFとなる。
【0208】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなっているので、差動回路61の反転出力端子61Cの電圧VOP<差動回路61の非反転出力端子61Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0209】
また、出力電圧VOがHレベルに変化して判定結果出力期間になると、EOR回路29の出力信号CAはHレベルとなり、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベルとなり、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0210】
したがって、差動回路61の非反転入力端子61Aはスイッチ素子34を介して接地され、差動回路61の反転入力端子61Bはスイッチ素子35を介して接地される。この結果、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。その後、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化する。この場合、OR回路46が出力する入力制御信号CBがHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBがLレベルの状態は変化しない。
【0211】
また、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路44の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部7では、スイッチ素子13、14がONとなり、VO出力端子5はスイッチ素子13を介して接地され、VXO出力端子6はスイッチ素子14を介して接地される。この結果、出力電圧VO、VXOはLレベルにリセットされる。
【0212】
また、出力電圧VO、VXOがLレベルにリセットされると、EOR回路29の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路46が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ30が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路61では、NMOSトランジスタ66、67はOFFの状態が維持される。
【0213】
したがって、リセット期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0214】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、NMOSトランジスタ67がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、NMOSトランジスタ67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化の進行が停止される。
【0215】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態によれば、入力制御部62は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bを接地し、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化を抑制することができる。
【0216】
したがって、PBTI劣化によるNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0217】
なお、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態においては、判定終了検出回路としてEOR回路29を設けた場合について説明したが、EOR回路29の代わりに、OR回路を設けるようにしても良い。
【0218】
(本発明の差動電圧比較器の第16実施形態)
図26は本発明の差動電圧比較器の第16実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第16実施形態は、差動回路及び入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態と同様に差動回路61及び入力制御部62を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第4実施形態と同様に構成したものである。
【0219】
図27は本発明の差動電圧比較器の第16実施形態の動作例を示すタイミングチャートであり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルの場合を例にしている。(A)はクロック信号CLK、(B)は遅延クロック信号CLK_d、(C)は反転遅延クロック信号/CLK_d、(D)は入力電圧VIP、(E)は入力電圧VIM、(F)は出力電圧VO、(G)は出力電圧VXO、(H)はNAND回路38の出力信号CA、(I)は入力制御信号CB、(J)は差動回路61の非反転入力端子61Aの電圧VICP、(K)は差動回路61の反転入力端子61Bの電圧VICM、(L)はNMOSトランジスタ66のゲート−バルク間電圧を示している。
【0220】
本発明の差動電圧比較器の第16実施形態においても、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態と同様に、クロック信号CLKがLレベルになったときから、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになるまでの期間が比較期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがHレベルになったときから、クロック信号CLKがLレベルとなるまでの期間がリセット期間とされる。また、比較期間になってから、遅延クロック信号CLK_dがLレベルとなるまでの期間が入力電圧整定期間とされる。また、遅延クロック信号CLK_dがLレベルになったときから、入力制御信号CBがHレベルとなるまでの期間が判定期間とされる。また、入力制御信号CBがHレベルになったときから、比較期間が終了するまでの期間が判定結果出力期間とされる。
【0221】
ここで、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路49の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0222】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路61では、NMOSトランジスタ66、67はOFFの状態が維持される。
【0223】
したがって、リセット期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルである場合でも、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0224】
この状態から、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、OR回路51が出力する入力制御信号CBはLレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはHレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がON、スイッチ素子34、35がOFFとなり、入力電圧VIP及び入力電圧VIMが、それぞれ差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bに印加される。ここで、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであると、差動回路61では、NMOSトランジスタ66はON、NMOSトランジスタ67はOFFとなる。
【0225】
また、クロック信号CLKがHレベルからLレベルに変化して比較期間になると、遅延回路49の遅延時間が経過した後、遅延クロック信号CLK_dがLレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがHレベルに変化して入力電圧整定期間から判定期間となる。この場合、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がONとなり、インバータ9、10は活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がOFFとなる。
【0226】
この結果、入力電圧VIP、VIMの大小判定が行われるが、差動回路61では、NMOSトランジスタ66がON、NMOSトランジスタ67がOFFとなっているので、差動回路61の反転出力端子61Cの電圧VOP<差動回路61の非反転出力端子61Dの電圧VOMとなる。この状態がラッチ部4に取り込まれ、出力電圧VOがHレベル、出力電圧VXOがLレベルになる。これにより、判定期間が終了し、リセット期間が開始されるまで、判定結果出力期間となる。
【0227】
また、出力電圧VXOがLレベルに変化して判定結果出力期間になると、NAND回路38の出力信号CAはHレベルとなり、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベルとなり、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルとなる。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33がOFF、スイッチ素子34、35がONとなる。
【0228】
したがって、差動回路61の非反転入力端子61Aはスイッチ素子34を介して接地され、差動回路61の反転入力端子61Bはスイッチ素子35を介して接地される。この結果、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。その後、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化する。この場合、OR回路51が出力する入力制御信号CBがHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBがLレベルの状態は変化しない。
【0229】
また、クロック信号CLKがLレベルからHレベルに変化すると、遅延回路49の遅延時間経過後、遅延クロック信号CLK_dがHレベル、反転遅延クロック信号/CLK_dがLレベルに変化してリセット期間になる。リセット期間になると、ラッチ部4では、スイッチ素子11、12がOFFとなり、インバータ9、10は非活性状態になる。リセット部37では、スイッチ素子41、42がONとなり、VO出力端子5にはスイッチ素子41を介して電源電圧VDDが供給され、VXO出力端子6にはスイッチ素子42を介して電源電圧VDDが供給される。この結果、出力電圧VO、VXOはHレベルにリセットされる。
【0230】
また、出力電圧VO、VXOがHレベルにリセットされると、NAND回路38の出力信号CAはLレベルとなる。ここで、クロック信号CLKはHレベルを維持するので、OR回路51が出力する入力制御信号CBはHレベル、インバータ39が出力する反転入力制御信号/CBはLレベルを維持する。この結果、入力制御部62では、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子34、35はONを維持する。また、この結果、差動回路61では、NMOSトランジスタ66、67はOFFの状態が維持される。
【0231】
したがって、リセット期間の間は、NMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがHレベル、入力電圧VIMがLレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ66のPBTI劣化の進行が停止される。
【0232】
なお、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルのときは、判定期間の間、NMOSトランジスタ67がONとなり、そのゲート−バルク間電圧は1.2Vとなり、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化が進行する。しかし、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、NMOSトランジスタ67のゲート−バルク間電圧は0Vとなり、入力電圧VIPがLレベル、入力電圧VIMがHレベルであるにも関わらず、NMOSトランジスタ67のPBTI劣化の進行が停止される。
【0233】
以上のように、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態によれば、入力制御部62は、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bを接地し、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のゲート−バルク間電圧を0Vにしているので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化を抑制することができる。
【0234】
したがって、PBTI劣化によるNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0235】
なお、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態においては、判定終了検出回路としてNAND回路38を設けた場合について説明したが、NAND回路38の代わりに、EOR回路を設けるようにしても良い。
【0236】
(本発明の差動電圧比較器の第17実施形態)
図28は本発明の差動電圧比較器の第17実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第17実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第5実施形態と同様に構成したものである。
【0237】
本発明の差動電圧比較器の第17実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61Aと反転入力端子61Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態と同様に動作する。
【0238】
本発明の差動電圧比較器の第17実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67は、判定期間の間は同量劣化する。これにより、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第17実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0239】
(本発明の差動電圧比較器の第18実施形態)
図29は本発明の差動電圧比較器の第18実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第18実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第6実施形態と同様に構成したものである。
【0240】
本発明の差動電圧比較器の第18実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61Aと反転入力端子61Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第14実施形態と同様に動作する。
【0241】
本発明の差動電圧比較器の第18実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67は、判定期間の間は同量劣化する。これにより、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第18実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0242】
(本発明の差動電圧比較器の第19実施形態)
図30は本発明の差動電圧比較器の第19実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第19実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第7実施形態と同様に構成したものである。
【0243】
本発明の差動電圧比較器の第19実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61Aと反転入力端子61Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態と同様に動作する。
【0244】
本発明の差動電圧比較器の第19実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67は、判定期間の間は同量劣化する。これにより、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第19実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0245】
(本発明の差動電圧比較器の第20実施形態)
図31は本発明の差動電圧比較器の第20実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第20実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第8実施形態と同様に構成したものである。
【0246】
本発明の差動電圧比較器の第20実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子55はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子55はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、入力電圧VIP及び入力電圧VIMの差動回路61の非反転入力端子61A及び反転入力端子61Bへの供給を遮断し、差動回路61の非反転入力端子61Aと反転入力端子61Bとをスイッチ素子55を介して電気的に接続する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態と同様に動作する。
【0247】
本発明の差動電圧比較器の第20実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67は、判定期間の間は同量劣化する。これにより、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第20実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0248】
(本発明の差動電圧比較器の第21実施形態)
図32は本発明の差動電圧比較器の第21実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第21実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第9実施形態と同様に構成したものである。
【0249】
本発明の差動電圧比較器の第21実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIPの差動回路61の非反転入力端子61Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路61の反転入力端子61Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路61の反転入力端子61Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路61の非反転入力端子61Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第13実施形態と同様に動作する。
【0250】
本発明の差動電圧比較器の第21実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第21実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0251】
(本発明の差動電圧比較器の第22実施形態)
図33は本発明の差動電圧比較器の第22実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第22実施形態は、差動回路として差動回路61を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第10実施形態と同様に構成したものである。
【0252】
本発明の差動電圧比較器の第22実施形態においては、入力制御信号CAがHレベルとなる判定結果出力期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CAがLレベルとなる判定結果出力期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間の間は、入力電圧VIPの差動回路61の非反転入力端子61Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路61の反転入力端子61Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路61の反転入力端子61Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路61の非反転入力端子61Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第14実施形態と同様に動作する。
【0253】
本発明の差動電圧比較器の第22実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第22実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0254】
なお、本発明の差動電圧比較器の第22実施形態においては、判定終了検出回路としてNAND回路38を設けた場合について説明したが、NAND回路38の代わりに、EOR回路を設けるようにしても良い。
【0255】
(本発明の差動電圧比較器の第23実施形態)
図34は本発明の差動電圧比較器の第23実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第23実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第21実施形態と同様に入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態と同様に構成したものである。
【0256】
但し、入力制御部57では、スイッチ素子32、33は、反転入力制御信号/CBによりON、OFFが制御され、反転入力制御信号/CBがHレベルのときはON、反転入力制御信号/CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。スイッチ素子58、59は、入力制御信号CBによりON、OFFが制御され、入力制御信号CBがHレベルのときはON、入力制御信号CBがLレベルのときはOFFとなるようにされている。
【0257】
本発明の差動電圧比較器の第23実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセットの間は、入力電圧VIPの差動回路61の非反転入力端子61Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路61の反転入力端子61Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路61の反転入力端子61Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路61の非反転入力端子61Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第15実施形態と同様に動作する。
【0258】
本発明の差動電圧比較器の第23実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第23実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0259】
(本発明の差動電圧比較器の第24実施形態)
図35は本発明の差動電圧比較器の第24実施形態を示す回路図である。本発明の差動電圧比較器の第24実施形態は、入力制御部として、本発明の差動電圧比較器の第23実施形態と同様に入力制御部57を設け、その他については、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態と同様に構成したものである。
【0260】
本発明の差動電圧比較器の第24実施形態においては、入力制御信号CBがHレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間の間は、スイッチ素子32、33はOFF、スイッチ素子58、59はONとなる。これに対して、入力制御信号CBがLレベルとなる判定結果出力期間及びリセット期間以外の間は、スイッチ素子32、33はON、スイッチ素子58、59はOFFとなる。即ち、判定結果出力期間及びリセットの間は、入力電圧VIPの差動回路61の非反転入力端子61Aへの供給及び入力電圧VIMの差動回路61の反転入力端子61Bへの供給を遮断し、入力電圧VIPを差動回路61の反転入力端子61Bに供給し、入力電圧VIMを差動回路61の非反転入力端子61Aに供給する。その他については、本発明の差動電圧比較器の第16実施形態と同様に動作する。
【0261】
本発明の差動電圧比較器の第24実施形態によれば、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67の劣化量が平均化されるので、差動回路61のNMOSトランジスタ66、67間のPBTI劣化の差の増大化を抑制することができる。したがって、PBTI劣化による差動回路61のPMOSトランジスタ66、67の閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動電圧比較器の第24実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0262】
なお、本発明の第13実施形態〜第24実施形態においては、差動回路61として、図20に示す差動回路を設ける場合について説明したが、この代わりに、図36に示す差動回路又は図37に示す差動回路を設けるようにしても良い。
【0263】
(本発明の差動回路の第1実施形態)
図38は本発明の差動回路の第1実施形態を示す回路図である。本発明の差動回路の第1実施形態は、例えば、図5に示す本発明の差動電圧比較器の第3実施形態が備える差動回路3の代わりとして、又は、図7に示す本発明の差動電圧比較器の第4実施形態が備える差動回路3の代わりとして使用されるものである。
【0264】
本発明の差動回路の第1実施形態は、図43に示す差動回路3にPMOSトランジスタ76、77とNMOSトランジスタ78〜80とを追加すると共に、PMOSトランジスタ18、19のバルクとVDD電源線16とを直接に接続しないようにしたものである。
【0265】
PMOSトランジスタ76は、ソース及びバルクをVDD電源線16に接続し、ドレインをPMOSトランジスタ18、19のバルクに接続し、ゲートに入力制御信号CBが与えられるように構成されている。PMOSトランジスタ77は、ソース及びバルクをVDD電源線16に接続し、ドレインをPMOSトランジスタ17のゲートに接続し、ゲートに反転入力制御信号/CBが与えられるように構成されている。
【0266】
NMOSトランジスタ78は、ドレインをPMOSトランジスタ18、19のバルクに接続し、ソース及びバルクを接地し、ゲートに入力制御信号CBが与えられるように構成されている。NMOSトランジスタ79は、ドレインをノード25に接続し、ソース及びバルクを接地し、ゲートに入力制御信号CBが与えられるように構成されている。NMOSトランジスタ80は、ドレインをノード26に接続し、ソース及びバルクを接地し、ゲートに入力制御信号CBが与えられるように構成されている。
【0267】
このように構成された本発明の差動回路の第1実施形態は、入力制御信号CBがLレベルの期間、即ち、入力電圧整定期間及び判定期間の間は、PMOSトランジスタ76はONとなり、PMOSトランジスタ18、19のバルクにはPMOSトランジスタ76を介して電源電圧VDDが与えられる。また、PMOSトランジスタ77はOFFとなり、PMOSトランジスタ17のゲートにはバイアス電圧VB1が与えられ、PMOSトランジスタ17は定電流源として動作する。また、NMOSトランジスタ78〜80はOFFとなる。したがって、この場合には、本発明の差動回路の第1実施形態は、差動回路3と同様に動作する。
【0268】
これに対して、入力制御信号CBがHレベルの期間、即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、PMOSトランジスタ76はOFFとなる。また、PMOSトランジスタ77はONとなり、PMOSトランジスタ17のゲートには電源電圧VDDが与えられ、PMOSトランジスタ17はOFFとなる。また、NMOSトランジスタ78はONとなり、PMOSトランジスタ18、19のバルクはNMOSトランジスタ78を介して接地され、PMOSトランジスタ18、19のバルク電圧は0Vとなる。
【0269】
また、NMOSトランジスタ79はONとなり、PMOSトランジスタ18のドレインは、NMOSトランジスタ79を介して接地され、PMOSトランジスタ18のドレイン電圧は0Vとなる。また、NMOSトランジスタ80はONとなり、PMOSトランジスタ19のソースは、NMOSトランジスタ80を介して接地され、PMOSトランジスタ19のソース電圧は0Vとなる。
【0270】
この結果、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、PMOSトランジスタ18、19においては、VICP>0、VICM>0の時、ゲートからバルク及びゲートからドレインに向かう電界が形成される。したがって、PMOSトランジスタ18、19のうち、入力電圧整定期間及び判定期間の間、ゲートにLレベルが印加され、バルクからゲートに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、NBTI劣化を回復することができる。
【0271】
したがって、本発明の差動回路の第1実施形態によれば、NBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動回路の第1実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0272】
(本発明の差動回路の第2実施形態)
図39は本発明の差動回路の第2実施形態を示す回路図である。本発明の差動回路の第2実施形態は、電圧/電流変換素子をなすNMOSトランジスタ22、23を設け、その他については、本発明の差動回路の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0273】
NMOSトランジスタ22は、ドレインを非反転出力端子3Dに接続し、ゲートをノード25に接続し、ソース及びバルクを接地している。NMOSトランジスタ23は、ドレインを反転出力端子3Cに接続し、ゲートをノード26に接続し、ソース及びバルクを接地している。
【0274】
本発明の差動回路の第2実施形態によっても、本発明の差動回路の第1実施形態と同様に、NBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動回路の第1実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0275】
なお、本発明の差動回路の第1実施形態及び第2実施形態においては、判定結果出力期間及びリセット期間の間、ゲートからバルク及びゲートからドレインに向う電界を形成するようにしているが、いずれか一方を形成するようにしても良い。即ち、NMOSトランジスタ78を設けないようにしても良いし、又は、NMOSトランジスタ79、80を設けないようにしても良い。
【0276】
また、本発明の差動回路の第1実施形態及び第2実施形態は、図1に示す本発明の差動電圧比較器の第1実施形態が備える差動回路3の代わりとして、又は、図3に示す本発明の差動電圧比較器の第2実施形態が備える差動回路3の代わりとして使用することもできる。この場合には、入力制御信号CB及び反転入力制御信号/CBの代わりに入力制御信号CA及び反転入力制御信号/CAを使用するようにする。
【0277】
このようにすると、判定結果出力期間の間は、PMOSトランジスタ18、19においては、ゲートからバルク及びゲートからドレインに向かう電界を形成することができる。これにより、PMOSトランジスタ18、19のうち、判定期間の間、ゲートにLレベルが印加され、バルクからゲートに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、NBTI劣化を回復することができる。
【0278】
(本発明の差動回路の第3実施形態)
図40は本発明の差動回路の第3実施形態を示す回路図である。本発明の差動回路の第3実施形態は、例えば、図24に示す本発明の差動電圧比較器の第15実施形態が備える差動回路61の代わりとして、又は、図26に示す本発明の差動電圧比較器の第16実施形態が備える差動回路61の代わりとして使用されるものである。
【0279】
本発明の差動回路の第3実施形態は、図20に示す差動回路61にNMOSトランジスタ82、83とPMOSトランジスタ84〜86とを追加すると共に、NMOSトランジスタ66、67のバルクを直接に接地しないようにしたものである。
【0280】
NMOSトランジスタ82は、ドレインをNMOSトランジスタ66、67のバルクに接続し、ソース及びバルクを接地し、ゲートに反転入力制御信号/CBが与えられるように構成されている。NMOSトランジスタ83は、ドレインをNMOSトランジスタ65のゲートに接続し、ソース及びバルクを接地し、ゲートに入力制御信号CBが与えられるように構成されている。
【0281】
PMOSトランジスタ84は、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続し、ドレインをNMOSトランジスタ66、67のバルクに接続し、ゲートに反転入力制御信号/CBが与えられるように構成されている。PMOSトランジスタ85は、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続し、ドレインをノード73に接続し、ゲートに反転入力制御信号/CBが与えられるように構成されている。PMOSトランジスタ86は、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続し、ドレインをノード74に接続し、ゲートに反転入力制御信号/CBが与えられるように構成されている。
【0282】
このように構成された本発明の差動回路の第3実施形態は、入力制御信号CBがLレベルの期間、即ち、入力電圧整定期間及び判定期間の間は、NMOSトランジスタ82はONとなり、NMOSトランジスタ66、67のバルクはNMOSトランジスタ82を介して接地される。また、NMOSトランジスタ83はOFFとなり、NMOSトランジスタ65のゲートにはバイアス電圧VB2が与えられ、NMOSトランジスタ65は定電流源として動作する。また、PMOSトランジスタ84〜86はOFFとなる。したがって、この場合には、本発明の差動回路の第3実施形態は、差動回路61と同様に動作する。
【0283】
これに対して、入力制御信号CBがHレベルの期間、即ち、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、NMOSトランジスタ82はOFFとなる。また、NMOSトランジスタ83はONとなり、NMOSトランジスタ65のゲートは接地され、NMOSトランジスタ65はOFFとなる。また、PMOSトランジスタ84はONとなり、NMOSトランジスタ66、67のバルクにはPMOSトランジスタ84を介して電源電圧VDDが与えられる。
【0284】
また、PMOSトランジスタ85はONとなり、NMOSトランジスタ66のドレインにはPMOSトランジスタ85を介して電源電圧VDDが与えられる。また、PMOSトランジスタ86はONとなり、NMOSトランジスタ67のドレインにはPMOSトランジスタ86を介して電源電圧VDDが与えられる。
【0285】
この結果、判定結果出力期間及びリセット期間の間は、NMOSトランジスタ66、67においては、VICP<VDD、VICM<VDDの時、バルクからゲート及びドレインからゲートに向かう電界が形成される。したがって、NMOSトランジスタ66、67のうち、入力電圧整定期間及び判定期間の間、ゲートにHレベルが印加され、ゲートからバルクに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、PBTI劣化を回復することができる。
【0286】
したがって、本発明の差動回路の第3実施形態によれば、PBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動回路の第3実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0287】
(本発明の差動回路の第4実施形態)
図41は本発明の差動回路の第4実施形態を示す回路図である。本発明の差動回路の第4実施形態は、電圧/電流変換素子をなすPMOSトランジスタ70、71を設け、その他については、本発明の差動回路の第3実施形態と同様に構成したものである。
【0288】
PMOSトランジスタ70は、ドレインを非反転入力端子61Dに接続し、ゲートをノード73に接続し、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続している。PMOSトランジスタ71は、ドレインを反転入力端子61Cに接続し、ゲートをノード74に接続し、ソース及びバルクをVDD電源線64に接続している。
【0289】
本発明の差動回路の第4実施形態によっても、本発明の差動回路の第3実施形態と同様に、PBTI劣化による入力トランジスタの閾値のバラツキの増大化を抑制し、入力オフセット電圧の増大化を抑制することができ、本発明の差動回路の第4実施形態を、例えば、A/D変換器に使用する場合には、INLやDNL等のA/D変換精度の劣化を抑制することができる。
【0290】
なお、本発明の差動回路の第3実施形態及び第4実施形態においては、判定結果出力期間及びリセット期間の間、バルクからゲート及びバルクからドレインに向う電界を形成するようにしているが、いずれか一方を形成するようにしても良い。即ち、PMOSトランジスタ84を設けないようにしても良いし、又は、PMOSトランジスタ85、86を設けないようにしても良い。
【0291】
また、本発明の差動回路の第3実施形態及び第4実施形態は、図19に示す本発明の差動電圧比較器の第13実施形態が備える差動回路61の代わりとして、又は、図22に示す本発明の差動電圧比較器の第14実施形態が備える差動回路61の代わりとして使用することもできる。この場合には、入力制御信号CB及び反転入力制御信号/CBの代わりに入力制御信号CA及び反転入力制御信号/CAを使用するようにする。
【0292】
このようにすると、判定結果出力期間の間は、NMOSトランジスタ66、67においては、バルクからゲート及びバルクからドレインに向かう電界を形成することができる。これにより、NMOSトランジスタ66、67のうち、判定期間の間、ゲートにHレベルが印加され、ゲートからバルクに向かう電界が形成されていた入力トランジスタについては、そのゲート酸化膜とシリコン基板との界面の固定電荷や界面準位を修復し、PBTI劣化を回復することができる。
【0293】
ここで、本発明を整理すると、本発明には、少なくとも、以下の差動電圧比較器及び差動回路が含まれる。
【0294】
(付記1)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0295】
(付記2)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0296】
(付記3)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0297】
(付記4)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0298】
(付記5)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0299】
(付記6)第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給する入力制御部と、を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【0300】
(付記7)絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなる第1、第2の入力トランジスタと、
第1モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに電源電圧を印加する電源電圧印加手段と、
第2モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに接地電圧を印加する接地電圧印加手段と、を有することを特徴とする差動回路。
【0301】
(付記8)前記第1、第2の入力トランジスタは、Pチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、
前記第2モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのドレインに接地電圧を印加する第2の接地電圧印加手段を有することを特徴とする付記7に記載の差動回路。
【0302】
(付記9)前記第1、第2の入力トランジスタは、Nチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、
前記第2モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのドレインに電源電圧を印加する第2の電源電圧印加手段を有することを特徴とする付記7に記載の差動回路。
【0303】
(付記10)前記所定電圧は、前記差動回路の入力トランジスタのバルク電圧であることを特徴とする付記1又は4に記載の差動電圧比較器。
【図面の簡単な説明】
【0304】
【図1】本発明の差動電圧比較器の第1実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の差動電圧比較器の第1実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の差動電圧比較器の第2実施形態を示す回路図である。
【図4】本発明の差動電圧比較器の第2実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の差動電圧比較器の第3実施形態を示す回路図である。
【図6】本発明の差動電圧比較器の第3実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の差動電圧比較器の第4実施形態を示す回路図である。
【図8】本発明の差動電圧比較器の第4実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の差動電圧比較器の第5実施形態を示す回路図である。
【図10】本発明の差動電圧比較器の第6実施形態を示す回路図である。
【図11】本発明の差動電圧比較器の第7実施形態を示す回路図である。
【図12】本発明の差動電圧比較器の第8実施形態を示す回路図である。
【図13】本発明の差動電圧比較器の第9実施形態を示す回路図である。
【図14】本発明の差動電圧比較器の第10実施形態を示す回路図である。
【図15】本発明の差動電圧比較器の第11実施形態を示す回路図である。
【図16】本発明の差動電圧比較器の第12実施形態を示す回路図である。
【図17】本発明の差動電圧比較器の第1実施形態〜第12実施形態が備える差動回路の代わりに使用することができる差動回路の一例を示す回路図である。
【図18】本発明の差動電圧比較器の第1実施形態〜第12実施形態が備える差動回路の代わりに使用することができる差動回路の他の例を示す回路図である。
【図19】本発明の差動電圧比較器の第13実施形態を示す回路図である。
【図20】本発明の差動電圧比較器の第13実施形態が備える差動回路の構成を示す回路図である。
【図21】本発明の差動電圧比較器の第13実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図22】本発明の差動電圧比較器の第14実施形態を示す回路図である。
【図23】本発明の差動電圧比較器の第14実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図24】本発明の差動電圧比較器の第15実施形態を示す回路図である。
【図25】本発明の差動電圧比較器の第15実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図26】本発明の差動電圧比較器の第16実施形態を示す回路図である。
【図27】本発明の差動電圧比較器の第16実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図28】本発明の差動電圧比較器の第17実施形態を示す回路図である。
【図29】本発明の差動電圧比較器の第18実施形態を示す回路図である。
【図30】本発明の差動電圧比較器の第19実施形態を示す回路図である。
【図31】本発明の差動電圧比較器の第20実施形態を示す回路図である。
【図32】本発明の差動電圧比較器の第21実施形態を示す回路図である。
【図33】本発明の差動電圧比較器の第22実施形態を示す回路図である。
【図34】本発明の差動電圧比較器の第23実施形態を示す回路図である。
【図35】本発明の差動電圧比較器の第24実施形態を示す回路図である。
【図36】本発明の差動電圧比較器の第13実施形態〜第24実施形態が備える差動回路の代わりに使用することができる差動回路の一例を示す回路図である。
【図37】本発明の差動電圧比較器の第13実施形態〜第24実施形態が備える差動回路の代わりに使用することができる差動回路の他の例を示す回路図である。
【図38】本発明の差動回路の第1実施形態を示す回路図である。
【図39】本発明の差動回路の第2実施形態を示す回路図である。
【図40】本発明の差動回路の第3実施形態を示す回路図である。
【図41】本発明の差動回路の第4実施形態を示す回路図である。
【図42】従来の差動電圧比較器の一例を示す回路図である。
【図43】図42に示す従来の差動電圧比較器が備える差動回路の構成を示す回路図である。
【図44】図42に示す従来の差動電圧比較器の動作例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0305】
VIP、VIM…入力電圧
VO、VOX…出力電圧
1…VIP入力端子
2…VIM入力端子
3…差動増幅回路
4…ラッチ部
5…VO出力端子
6…VXO出力端子
7…リセット部
8…VDD電源線
9、10…インバータ
11〜14…スイッチ素子
16…VDD電源線
17〜19…PMOSトランジスタ
20〜23…NMOSトランジスタ
24…バイアス電圧入力端子
25、26…ノード
28…入力制御部
29…EOR(排他的論理和)回路
30…インバータ
31…VDD電源線
32〜35…スイッチ素子
37…リセット部
38…NAND回路
39…インバータ
40…VDD電源線
41、42…スイッチ素子
44…遅延回路
45…インバータ
46…OR回路
47−1、47−2、47−2n…インバータ
49…遅延回路
50…インバータ
51…OR回路
52−1、52−2、52−2n…インバータ
54…入力制御部
55…スイッチ素子
57…入力制御部
58、59…スイッチ素子
61…差動回路
62…入力制御部
64…VDD電源線
65〜67…NMOSトランジスタ
68〜71…PMOSトランジスタ
72…バイアス電圧入力端子
73、74…ノード
76、77…PMOSトランジスタ
78〜80、82、83…NMOSトランジスタ
84〜86…PMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する入力制御部と、
を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【請求項2】
第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とを電気的に接続する入力制御部と、
を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【請求項3】
第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一のときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧をそれぞれ前記第2の入力端子及び前記第1の入力端子に供給する入力制御部と、
を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【請求項4】
第1の入力端子及び第2の入力端子を有し、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力する差動回路と、
クロック信号を所定時間遅延した遅延クロック信号が第1の論理レベルのときは活性状態となり、前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を取り込んで相補関係にある第3の出力電圧及び第4の出力電圧をそれぞれ第1の出力端子及び第2の出力端子に出力し、前記遅延クロック信号が第2の論理レベルのときは非活性状態となるラッチ部と、
前記遅延クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とを同一の論理レベルにリセットするリセット部と、
前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが同一、かつ、前記クロック信号が前記第1の論理レベルのときは、第1の入力電圧及び第2の入力電圧をそれぞれ前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に与え、前記第1の出力端子の論理レベルと前記第2の出力端子の論理レベルとが異なるとき、又は、前記クロック信号が前記第2の論理レベルのときは、前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧の前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子への供給を遮断し、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に所定電圧を供給する入力制御部と、
を有することを特徴とする差動電圧比較器。
【請求項5】
絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなる第1、第2の入力トランジスタと、
第1モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに電源電圧を印加する電源電圧印加手段と、
第2モード時に、前記第1、第2の入力トランジスタのバルクに接地電圧を印加する接地電圧印加手段と、
を有することを特徴とする差動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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