説明

差圧測定システム及び差圧測定方法

【課題】 光学的に高いダイナミックレンジで差圧の測定が可能で、測定誤差を取り消し可能な差圧測定システムを提供する。
【解決手段】 第1及び第2照射光をそれぞれ照射する第1及び第2の光源114, 214、第1圧力感度で第1外圧PO1に応じて第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光を出力する第1センサ5、第1圧力感度に対して符号が反対の第2圧力感度で第2外圧PO2に応じて第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光を出力する第2センサ15、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬し、第2照射光を参照光として伝搬する光導波路30〜34、第1照射光及び第2測定光に共通する第1強度変調を補正する第1光源変調補正モジュール73A、第2測定光及び参照光に共通する伝搬効率変調を補正する伝搬効率変調補正モジュール74A、及び第1強度変調及び伝搬効率変調が補正された第2測定光の光強度から、第1及び第2外圧PO1, PO2の差圧を測定する差圧測定モジュール75A を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧力測定技術に関し、特に差圧測定システム及び差圧測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油プラント等を制御する場合、石油プラント内の異なる位置における流体の差圧を測定することが必要な場合がある。従来の差圧測定方法としては、測定位置にファブリペロ干渉計を配置し、圧力によって生じるファブリペロ干渉計の光路差の変化を干渉縞から読み取る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、干渉縞の信号は光路差に依存しない光強度成分の信号に重畳している。そのため、光強度成分の信号に重畳した干渉縞の信号をアナログからデジタル信号に変換すると、デジタル信号の一部のビットのみに干渉縞の信号が割り当てられ、その他のビットには差圧測定には関係のない光強度成分の信号が割り当てられる。したがって、ファブリペロ干渉計の光路差の変化を干渉縞から読み取る方法は、差圧測定のダイナミックレンジが低下するという問題があった。さらに光を伝搬する導波路等の透過率が変調する場合もある。導波路の透過率の変調は、差圧測定に測定誤差をもたらすという問題もあった。
【特許文献1】特開2003-166890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、光学的に高いダイナミックレンジで差圧の測定が可能で、測定誤差を取り消し可能な差圧測定システム及び差圧測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、第1照射光及び第1照射光とは波長の異なる第2照射光を照射する少なくとも一つの光源と、第1圧力感度で第1外圧に応じて第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光として出力する第1センサと、第1圧力感度に対して正負の符号が反対の第2圧力感度で第2外圧に応じて第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光として出力する第2センサと、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬し、第2照射光を参照光として伝搬する光導波路と、第1照射光及び第2測定光に共通する第1強度変調を補正する第1光源変調補正モジュールと、第2測定光及び参照光に共通する伝搬効率変調を補正する伝搬効率変調補正モジュールと、第1強度変調及び伝搬効率変調が補正された第2測定光の光強度から、第1及び第2外圧の差圧を測定する差圧測定モジュールとを備える差圧測定システムが提供される。
【0005】
第2測定光の光強度は第1及び第2外圧の差圧を直接反映している。さらに第1光源変調補正モジュールが第1照射光及び第2測定光に共通する光強度の変調である第1強度変調を補正することで、光源に由来する第2測定光の光強度の変調が取り消される。また伝搬効率変調補正モジュールが第2測定光及び参照光に共通する光強度の変調である伝搬効率変調を補正することにより、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬する光導波路の透過率等の伝搬効率の変調の影響が取り消される。そのため、本発明の第1の態様に係る差圧測定システムは、光学的に高いダイナミックレンジで第1及び第2外圧の差圧を測定することを可能とし、かつ測定誤差の取り消しも可能とする。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、第1照射光及び第1照射光とは波長の異なる第2照射光を照射することと、第1圧力感度で第1外圧に応じて第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光として出力することと、第1圧力感度に対して正負の符号が反対の第2圧力感度で、第2外圧に応じて第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光として出力することと、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬し、第2照射光を参照光として伝搬することと、第1照射光及び第2測定光に共通する第1強度変調を補正することと、第2測定光及び参照光に共通する伝搬効率変調を補正することと、第1強度変調及び伝搬効率変調が補正された第2測定光の光強度から、第1及び第2外圧の差圧を測定することとを含む差圧測定方法が提供される。
【0007】
第2測定光の光強度は第1及び第2外圧の差圧を直接反映している。さらに第1照射光及び第2測定光に共通する光強度の変調である第1強度変調を補正することで、光源に由来する第2測定光の光強度の変調が取り消される。また第2測定光及び参照光に共通する光強度の変調である伝搬効率変調を補正することにより、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬する光導波路の透過率等の伝搬効率の変調の影響が取り消される。そのため、本発明の第2の態様に係る差圧測定方法によれば、光学的に高いダイナミックレンジで第1及び第2外圧の差圧を測定することを可能とし、かつ測定誤差の取り消すことも可能とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光学的に高いダイナミックレンジで差圧の測定が可能で、測定誤差を取り消し可能な差圧測定システム及び差圧測定方法を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0010】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る差圧測定システムは、図1に示すように、第1照射光を照射する第1の光源114、第1照射光とは波長の異なる第2照射光を照射する第2の光源214、第1圧力感度で第1外圧PO1に応じて第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光として出力する第1センサ5、第1圧力感度に対して正負の符号が反対の第2圧力感度で第2外圧PO2に応じて第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光として出力する第2センサ15、及び第1照射光、第1測定光、及び第2測定光を伝搬し、第2照射光を参照光として伝搬する光導波路30, 31, 32, 33, 34を備える。差圧測定システムはさらに信号処理装置17Aを備える。信号処理装置17Aは、第1照射光及び第2測定光に共通する光強度の変調である第1強度変調を補正する第1光源変調補正モジュール73A、第2測定光及び参照光に共通する光強度の変調である伝搬効率変調を補正する伝搬効率変調補正モジュール74A、及び第1強度変調及び伝搬効率変調が補正された第2測定光の光強度から、第1及び第2外圧PO1, PO2の差圧を測定する差圧測定モジュール75Aを備える。
【0011】
第1の光源114及び第2の光源214には発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、半導体レーザ共振器、マルチモードレーザダイオード、及びシングルモードレーザダイオード等が使用可能である。第1の光源114には第1照射光を伝搬する光導波路90, 92のそれぞれが接続されている。光導波路90で伝搬された第1照射光の光強度GS1は、第1照射光受光素子155で検出される。第2の光源214には第2照射光を伝搬する光導波路91, 93のそれぞれが接続されている。光導波路91で伝搬された第2照射光の光強度GS2は、第2照射光受光素子156で検出される。
【0012】
光導波路92, 93のそれぞれには光源用光カプラ20が接続されている。光源用光カプラ20には光導波路30が接続されている。光導波路92で伝搬された第1照射光は光源用光カプラ20を経て光導波路30で伝搬される。また、光導波路93で伝搬された第2照射光も光源用光カプラ20を経て光導波路30で参照光として伝搬される。光導波路30には、第1照射光及び参照光を2方向に分割する第1スプリッタ21が接続されている。第1スプリッタ21には、第1照射光及び参照光を伝搬する光導波路31が接続されている。
【0013】
光導波路31の末端には第1センサ5が接続されている。第1センサ5は光導波路31の末端に接する第1波長フィルタ26を有する。第1波長フィルタ26は第1照射光のみ透過させ、参照光を反射する。また第1センサ5は、図2に示すように、第1波長フィルタ26の主面から放射された第1照射光を集光するレンズ等である第1集光部24を有する。第1集光部24は第1波長フィルタ26の主面に対して第1間隔d1をおいて配置されている。さらに第1センサ5は、第1集光部24の光軸上で第1集光部24の焦点よりも第1集光部24側に移動可能に配置されたダイアフラム等の第1感圧部25を有する。つまり、第1感圧部25は第1集光部24に対し、第1集光部24の焦点距離FL1Iから第1圧力依存距離L1を引いた距離(FL1I - L1)をおいて配置されている。第1感圧部25は第1外圧PO1を受けて第1集光部24の光軸上を移動する。第1感圧部25の移動可能な範囲は、第1集光部24の主面から、第1集光部24の焦点までである。第1外圧PO1が上昇すると第1感圧部25は第1集光部24方向に移動し、第1圧力依存距離L1は長くなる。反対に第1外圧PO1が低下すると第1感圧部25は第1集光部24の焦点方向に移動し、第1圧力依存距離L1が短くなる。また、第1感圧部25の表面には例えばクロム酸化膜等が堆積されており、第1感圧部25は第1集光部24で集光された第1照射光を反射する。第1感圧部25で反射された第1照射光は第1集光部24及び第1波長フィルタ26を経て再び光導波路31に第1測定光として入射する。
【0014】
ところで、x-y-z空間のz軸を光軸とした場合、図3に示すような基本ガウシアンビームは下記(1)式で表される。
【0015】
E = (2/π)1/2(1/w(z))×exp[-i(kz - φ(z))-r2{(1/w2(z))+(ik / 2R(z))}]
…(1)
(1)式において、Eは電場、w(z)は光軸(z)方向におけるビーム半径の関数、iは虚数、kは波数、φ(z)は光軸(z)方向における位相の関数、rは光軸からの距離、R(z)は光軸(z)方向における波面の曲率半径の関数を示す。ビーム半径の関数w(z)は下記(2)式で与えられる。
【0016】
w(z) = w0 {1 + (λz / πw02)2}1/2 …(2)
(2)式において、λは波長、w0はビーム半径の最小値である。なお、ビーム半径が最小値w0となる位置をビームウェストと呼ぶ。上記(1)式における波面の曲率半径の関数R(z)は下記(3)式、位相の関数φ(z)は下記(4)式、光軸からの距離rは下記(5)式で与えられる。
【0017】
R(z) = z {1 + (λz / πw02)2} …(3)
φ(z) = tan-1 (λz / πw02) …(4)
r = (x2 + y2)1/2 …(5)
上記(1)式で与えられるガウシアンビームの複素ビームパラメータq(z)は下記(6)式で与えられる。
【0018】
1 / q(z) = 1 / R(z) - i (λ/ πw2(z)) …(6)
ビームウェスト(z = 0)では波面の曲率半径R(0)が無限大になる。そのため、ビームウェストにおける複素ビームパラメータq(0)は下記(7)式で与えられる。
【0019】
1 / q(0) = 0 - i (λ/ πw2(z))
∴q(0) = i (πw2(0) / λ) …(7)
A, B, C, Dを行列要素とする幾何光学の光線行列で表されるエレメントを通過する前後の複素ビームパラメータをq1, q2と定義すると、それぞれの複素ビームパラメータq1, q2の関係は下記(8)式で与えられる。
【0020】
q2 = (Aq1 + B) / (Cq1 + D) …(8)
また、光線行列で表されるエレメントを通過する前後の光線の光軸からの距離をr1, r2、及び傾きdr/dzをr1', r2'とすると、それぞれの関係は下記(9)式の行列式で与えられる。
【数1】

【0021】
例えば、図4に示すように光軸(z)方向に間隔dをおいた空間の前後の光線の光軸からの距離r1, r2、及び傾きr1', r2'のそれぞれの関係は、下記(10)式の行列式で与えられる。
【数2】

【0022】
図5に示すレンズ29が焦点距離FLの薄肉レンズであると仮定すると、レンズ29に入射する光線の光軸からの距離r1と傾きr1'、及びレンズ29から出射する光線の光軸からの距離r2と傾きr2'のそれぞれの関係は、下記(11)式の行列式で与えられる。
【数3】

【0023】
さて、図2に示す第1波長フィルタ26の主面から放射された第1照射光は、第1波長フィルタ26の主面をビームウェストとするガウシアンビームとみなすことが可能である。したがって、第1波長フィルタ26の主面における第1照射光の複素ビームパラメータは上記(7)式で与えられる。ここで、第1波長フィルタ26の主面と第1集光部24とは第1間隔d1をおいて配置されているため、第1照射光の光線に対する第1波長フィルタ26と第1集光部24との間の空間は、下記(12)式で与えられる光線行列MI1で表すことができる。また焦点距離FL1Iの第1集光部24を薄肉レンズとみなすと、第1照射光の光線に対する第1集光部24は下記(13)式で与えられる光線行列MI2で表すことができる。さらに第1照射光の光線に対する第1集光部24と第1感圧部25との間の空間は、下記(14)式で与えられる光線行列MI3で表すことができる。
【数4】

【数5】

【数6】

【0024】
第1感圧部25の表面を反射率100%のフラットな鏡面とすると、第1照射光の光線に対する第1感圧部25は下記(15)式で与えられる光線行列MRで表すことができる。
【数7】

【0025】
第1感圧部25で反射された第1照射光の光線に対する第1感圧部25と第1集光部24との間の空間は、下記(16)式で与えられる光線行列MO1で表すことができる。また第1集光部24の第1波長フィルタ26側の焦点距離をFL1Oとして、第1感圧部25で反射された第1照射光の光線に対する第1集光部24は下記(17)式で与えられる光線行列MO2で表すことができる。さらに、第1感圧部25で反射された第1照射光の光線に対する第1集光部24と第1波長フィルタ26との間の空間は、下記(18)式で与えられる光線行列MO3で表すことができる。
【数8】

【数9】

【数10】

【0026】
したがって、第1波長フィルタ26の主面から放射された第1照射光が再び第1波長フィルタ26の主面に到達するまでの空間は、上記(12)乃至(18)式で与えられた光線行列MI1, MI2, MI3, MR, MO1, MO2, MO3の積である下記(19)式で与えられる光線行列MTで表すことができる。
【0027】
MT = MO3 MO2 MO1 MR MI3 MI2 MI1 …(19)
よって、第1波長フィルタ26の主面における複素ビームパラメータ及び上記(19)式で与えられる光線行列MTから、第1センサ5内部を往復して再び第1波長フィルタ26の主面にたどり着いた第1照射光の複素ビームパラメータを上記(8)式を用いて算出することができる。さらに上記(6)式を用いて、再び第1波長フィルタ26の主面にたどり着いた第1照射光のビーム半径を算出することができる。
【0028】
図6は、第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)を0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.8mm、0.9mmとした場合の、第1感圧部25で反射された第1照射光のビーム径を示している。なお、第1集光部24の焦点距離FL1Iは1mmであり、第1波長フィルタ26の主面を原点(z=0)としている。図6に示すように、第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が焦点距離FL1I(1mm)に近づくほど、第1感圧部25で反射された第1照射光のビーム径は小さくなる。
【0029】
仮に、図7に示すように、第1感圧部25が第1集光部24の焦点位置に配置されると、第1感圧部25に入射する第1照射光の光路と、第1感圧部25から反射された第1照射光の光路とが全体として一致する。そのため、光導波路31に第1測定光として再入射する第1照射光のビーム径は最小となり、第1測定光の光強度は最大となる。これに対し第1センサ5の第1感圧部25は、第1集光部24の焦点位置よりも第1集光部24側に配置される。そのため、第1感圧部25から反射された第1照射光の光路とが全体として一致しない。したがって、光導波路31に再入射する第1測定光の光強度は、第1感圧部25が第1集光部24の焦点位置に配置された場合と比較して弱い。さらに第1外圧PO1が上昇すると、第1感圧部25は第1集光部24に向かって移動し、第1集光部24の焦点位置からより第1集光部24に近づく。そのため、第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が焦点距離FL1Iと比較してより短くなり、光導波路31に再入射する第1測定光の光強度はさらに弱まる。反対に、第1外圧PO1が低下すると第1感圧部25は第1集光部24の焦点位置に近づく。そのため、第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が焦点距離FL1Iに近づき、光導波路31に再入射する第1測定光の光強度は強まる。以上説明したように、第1センサ5においては第1外圧PO1が上昇した場合、第1測定光の光強度が弱まり、第1外圧PO1が低下した場合、第1測定光の光強度が強まる。つまり、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、第1センサ5の圧力感度である第1圧力感度が設定されている。
【0030】
第1測定光及び参照光は、光導波路31、第1スプリッタ21に接続された光導波路32によって伝搬され、光導波路32に接続された第2スプリッタ22に到達する。第2スプリッタ22は、第1測定光及び参照光を2方向に分割する。第2スプリッタ22には、第1測定光及び参照光を伝搬する光導波路33が接続されている。
【0031】
光導波路33の末端には第2センサ15が接続されている。第2センサ15は光導波路33の末端に接する第2波長フィルタ126を有する。第2波長フィルタ126は第1測定光のみ透過させ、参照光を反射する。また第2センサ15は、図8に示すように、第2波長フィルタ126の主面から放射された第1測定光を集光するレンズ等である第2集光部124を有する。第2集光部124は第2波長フィルタ126の主面に対して第2間隔d2をおいて配置されている。さらに第2センサ15は、第2集光部124の光軸上で第2集光部124の焦点よりも遠方に移動可能に配置されたダイアフラム等の第2感圧部125を有する。つまり、第2感圧部125は第2集光部124に対し、第2集光部124の焦点距離FL2Iに第2圧力依存距離L2を足した距離(FL2I + L2)をおいて配置されている。第2感圧部125は第2外圧PO2を受けて第2集光部124の光軸上を移動する。第2感圧部125の移動可能な範囲は、第2集光部124の焦点から遠方に向かって焦点距離FL2Iと同じ距離の範囲である。第2外圧PO2が上昇すると第2感圧部125は焦点方向に移動し、第2圧力依存距離L2が短くなる。反対に第2外圧PO2が低下すると第2感圧部125は第2集光部124の焦点からより遠ざかる方向に移動し、第2圧力依存距離L2が長くなる。また、第2感圧部125の表面には例えばクロム酸化膜等が堆積されており、第2感圧部125は第2集光部124で集光された第1測定光を反射する。第2感圧部125で反射された第1測定光は第2集光部124及び第2波長フィルタ126を経て再び光導波路33に第2測定光として入射する。
【0032】
ここで、第2センサ15の第2感圧部125は、第2集光部124に対し第2集光部124の焦点位置より遠方に配置される。したがって、光導波路33に再入射する第2測定光の光強度は、図7で説明したように、第2感圧部125が第2集光部124の焦点位置に配置された場合と比較して弱い。しかし、第2外圧PO2が上昇すると第2感圧部125は第2集光部124の焦点位置に近づく。そのため、第2集光部124の主面から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が焦点距離FL2Iに近づき、光導波路33に再入射する第2測定光の光強度は強まる。反対に、第2外圧PO2が低下すると第2感圧部125は第2集光部124の焦点からより遠ざかる。そのため、第2集光部124の主面から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が焦点距離FL2Iと比較してより長くなり、光導波路33に再入射する第2測定光の光強度は弱まる。図9に示すように、第1センサ5においては第1外圧PO1が上昇した場合、第1測定光の光強度が弱まるよう、第1圧力感度が設定されているのに対し、第2センサ15においては第2外圧PO2が上昇した場合、第2測定光の光強度が強まり、第2外圧PO2が低下した場合、第2測定光の光強度が弱まる。つまり、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とが正の相関関係を有するよう、第2センサ15の圧力感度である第2圧力感度が設定されている。したがって、第1圧力感度と第2圧力感度とは正負の符号が反対の関係を有している。
【0033】
図10は、第1センサ5の第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)、第2センサ15の第2集光部124の主面から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)、及び第2測定光の光強度の関係を示している。第1センサ5において、第1集光部24から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が長くなり焦点距離FL1Iに近づくほど、第2測定光の光強度は強くなる。また第2センサ15において、第2集光部124から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が短くなり焦点距離FL2Iに近づくほど、第2測定光の光強度は強くなる。図11は、第1圧力依存距離L1及び第2圧力依存距離L2の差Δ(L1-L2)と、第2測定光の光強度との関係を示している。差Δ(L1-L2)が大きいほど第2測定光の光強度は弱まり、差Δ(L1-L2)が小さいほど第2測定光の光強度は強まる。
【0034】
第2測定光及び参照光は、図1に示す光導波路33で伝搬され、第2スプリッタ22に接続された光導波路34で第3スプリッタ23に伝搬される。第3スプリッタ23は第2測定光及び参照光を2方向に分割する。第3スプリッタ23には光導波路35, 36が接続されている。光導波路35, 36のそれぞれは、分割された第2測定光及び参照光を伝搬する。光導波路35には、第2測定光のみを透過させ、参照光を透過させない測定用波長フィルタ53が接続されている。測定用波長フィルタ53には光導波路94が接続されている。光導波路94は測定用波長フィルタ53を透過した第2測定光を伝搬する。光導波路94の端面に対向して測定用受光素子153が配置される。測定用受光素子153は光導波路94で伝搬された第2測定光を受光し、第2測定光の光強度GMを検出する。第2測定光の光強度GMは下記(20)式で表される。
GM = GS1×V1×V2×T …(20)
(20)式において、V1は第1照射光の光強度に対する第1測定光の光強度の比を示す。上述したように、第1センサ5から出力される第1測定光の光強度は第1外圧PO1に応じて変動するため、第1照射光の光強度に対する第1測定光の光強度の比V1は第1外圧PO1に応じて変動する。V2は第1測定光の光強度に対する第2測定光の光強度の比を示す。上述したように、第2センサ15から出力される第2測定光の光強度は第2外圧PO2に応じて変動するため、第1測定光の光強度に対する第2測定光の光強度の比V2は第2外圧PO2に応じて変動する。Tは第1照射光、第1測定光、及び第2測定光が経由した光導波路30〜35, 92, 94等の透過率を表す。
【0035】
光導波路36には、参照光のみを透過させ、第2測定光を透過させない参照用波長フィルタ63が接続されている。参照用波長フィルタ63には光導波路95が接続されている。光導波路95は参照用波長フィルタ63を透過した参照光を伝搬する。光導波路95の端面に対向して参照用受光素子154が配置される。参照用受光素子154は光導波路95で伝搬された参照光を受光し、参照光の光強度GRを検出する。参照光の光強度GRは下記(21)式で表される。
【0036】
GR = GS2×T …(21)
(21)式のTは参照光が経由した光導波路30〜34, 36, 93, 95の透過率を表す。光導波路35と光導波路36、光導波路92と光導波路93、光導波路94と光導波路95の透過率を等しくすることにより、(20)式における透過率Tと、(21)式における透過率Tとは等しいとみなすことができる。
【0037】
第1照射光受光素子155、第2照射光受光素子156、測定用受光素子153、及び参照用受光素子154のそれぞれは、信号処理装置17Aに電気的に接続されている。信号処理装置17Aは、第1光源変調補正モジュール73A、第2光源変調補正モジュール273A、伝搬効率変調補正モジュール74A、及び差圧測定モジュール75Aを有する。第1光源変調補正モジュール73Aは、下記(22)式に示すように、第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割り、第1光強度比N1を算出する。第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割ることにより、第2測定光のスペクトルにおける光強度の変調が、第1照射光の光強度の変調で打ち消される。
【0038】
N1 = GM ÷GS1 = GS1×V1×V2×T ÷GS1 = V1×V2×T …(22)
第2光源変調補正モジュール273Aは、第2照射光及び参照光に共通する光強度の変調である第2強度変調を補正する。具体的には第2光源変調補正モジュール273Aは、下記(23)式に示すように、参照光の光強度GRを第2照射光の光強度GS2で割り、第2光強度比N2を算出する。参照光の光強度GRを第2照射光の光強度GS2で割ることにより、参照光のスペクトルにおける光強度の変調が、第2照射光の光強度の変調で打ち消される。
【0039】
N2 = GR ÷GS2 = GS2×T ÷GS2 = T …(23)
伝搬効率変調補正モジュール74Aは、下記(24)式に示すように、第1光強度比N1を第2光強度比N2で割り、下記(24)式で与えられる第1照射光の光強度に対する第1測定光の光強度の比V1と第1測定光の光強度に対する第2測定光の光強度の比V2との相乗積ARを算出する。相乗積ARは透過率Tに影響されない。そのため相乗積ARを算出することにより、透過率T等の伝搬効率の変調である伝搬効率変調が補正される。
【0040】
AR = N1 ÷ N2 = (V1×V2×T) ÷ T = V1×V2 …(24)
差圧測定モジュール75Aは、伝搬効率変調補正モジュール74Aが算出した相乗積ARから第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定する。差圧測定モジュール75Aが相乗積ARから第1及び第2外圧PO1, PO2の差圧を測定する原理を以下説明する。図12は、第1センサ5の第1集光部24の主面から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)と、第1センサ5の反射率との関係を示している。ここで第1センサ5の「反射率」とは、第1照射光の光強度に対する第1測定光の光強度の比V1に相当する。また図12は、第2センサ15の第2集光部124の主面から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)と、第2センサ15の反射率との関係を示している。ここで第2センサ15の「反射率」とは、第1測定光の光強度に対する第2測定光の光強度の比V2に相当する。さらに図12は、第1及び第2センサ5, 15のそれぞれの反射率と、測定用受光素子153が受光する第2測定光の光強度GMとの関係を示している。なお、第1集光部24の焦点距離FL1I及び第2集光部124の焦点距離FL2Iのそれぞれは1mmである。
【0041】
初期状態で第1集光部24から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が0.5mmであり、第2集光部124から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が1.5mmであるとする。この場合、第1センサ5の反射率は0.809であり、第2センサ15の反射率は0.832である。また、第2測定光の光強度GMは0.673である。第1外圧PO1が低下し、第1集光部24から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が0.6mmになると、第1測定光の光強度が強まる。そのため第1センサ5の反射率は上昇し、0.817になる。同時に第2外圧PO2が第1外圧PO1との差圧を一定に保ったまま低下すると、第2集光部124から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が1.6mmになる。すると第2測定光の光強度が弱まるため第2センサ15の反射率は低下し、0.825になる。この場合、第1センサ5の反射率は上昇するものの、第2センサ15の反射率が低下するため、第2測定光の光強度GMは0.673のままである。以後同様に第1外圧PO1及び第2外圧PO2のそれぞれが差圧を一定に保ったまま低下すると、第1センサ5の反射率の上昇と、第2センサ15の反射率の低下が同時に生じる。そのため、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧が一定である限り、第2測定光の光強度GMは0.673を維持し続ける。反対に、第1外圧PO1及び第2外圧PO2のそれぞれが差圧を一定に保ったまま上昇する場合も、第2測定光の光強度GMは変化しない。したがって、差圧測定モジュール75Aは上記(20)式で与えられる第2測定光の光強度GMから第1照射光の光強度GS1及び透過率Tを除した上記(24)式で与えられる相乗積ARが一定であれば、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧が一定であると判定する。
【0042】
図13においては、初期状態で第1集光部24から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が0.8mmであり、第2集光部124から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が1.5mmであるとする。この場合、第1センサ5の反射率は0.828であり、第2センサ15の反射率は0.83である。また、第2測定光の光強度GMは0.69である。第1外圧PO1が上昇し、第1集光部24から第1感圧部25までの距離(FL1I - L1)が0.7mmになると、第1測定光の光強度が弱まる。そのため第1センサ5の反射率は低下し、0.823になる。同時に第2外圧PO2が低下すると、第2集光部124から第2感圧部125までの距離(FL2I + L2)が1.6mmになる。すると第2測定光の光強度が弱まるため第2センサ15の反射率は低下し、0.825になる。この場合、第1センサ5及び第2センサ15の両方の反射率が低下するため、第2測定光の光強度GMは0.676に弱まる。以後同様に、第1外圧PO1が上昇し、第2外圧PO2が低下することにより差圧を広がっていくと、第2測定光の光強度GMはさらに弱まる。反対に、第1外圧PO1が低下し、第2外圧PO2が上昇することにより差圧が狭まっていくと、第2測定光の光強度GMは強まっていく。なお、第1外圧PO1が上昇し第2外圧PO2が一定である場合は、第2測定光の光強度GMは弱まる。また第1外圧PO1が一定で第2外圧PO2が上昇する場合は、第2測定光の光強度GMは強まる。したがって、第2測定光の光強度GMから第1照射光の光強度GS1及び透過率Tのそれぞれの変調の影響を取り消した相乗積ARが変化した場合、差圧測定モジュール75Aは第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧が変化したと判定する。さらに、例えば、予め第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧と、相乗積ARとの関係式あるいは対比表等を取得しておけば、算出された相乗積ARを関係式に代入し、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧を算出することが可能である。
【0043】
信号処理装置17Aに接続されたデータ記憶装置170Aは、光強度記憶モジュール172A、光強度比記憶モジュール173A、相乗積記憶モジュール174A、関係記憶モジュール175A、及び差圧記憶モジュール176Aを有する。光強度記憶モジュール172Aは、第1照射光受光素子155及び第2照射光受光素子156が各々検出した第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2を保存する。また光強度記憶モジュール172Aは、測定用受光素子153が検出した第2測定光の光強度GM、及び参照用受光素子154が検出した参照光の光強度GRを保存する。光強度比記憶モジュール173Aは、第1光源変調補正モジュール73Aが算出した第1光強度比N1、及び第2光源変調補正モジュール273Aが算出した第2光強度比N2を保存する。相乗積記憶モジュール174Aは、伝搬効率変調補正モジュール74Aが算出した相乗積ARを保存する。関係記憶モジュール175Aは、予め取得した第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧と相乗積ARとの関係式等を保存する。差圧記憶モジュール176Aは、差圧測定モジュール75Aが算出した第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を保存する。
【0044】
従来の差圧測定システムにおいては、第2測定光を2方向に分割して干渉計で干渉させ、干渉計で形成された干渉縞をコンピュータで解析することにより第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を求めていた。そのため、干渉縞位置の同定等に処理時間がかかるという問題があった。これに対し、第1の実施の形態に係る差圧測定システムは、第2測定光の光強度GMを測定することにより第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定しており、干渉縞の同定等の複雑な処理を必要としない。また従来の差圧測定システムで測定される干渉縞の信号は、光路差に依存しない光強度成分の信号に重畳していた。そのため、差圧の測定に必要な干渉縞の信号のダイナミックレンジが低いという問題があった。これに対し、第1の実施の形態に係る差圧測定システムで計測される第2測定光の光強度GMは、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を直接反映している。そのため、高いダイナミックレンジで第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定可能であり、僅かな差圧の変化も正確に測定することが可能となる。
【0045】
また、第1照射光を照射する第1の光源114の光軸ズレや発光パワーの揺らぎ等によって、第1照射光の光強度が第1外圧PO1及び第2外圧PO2とは無関係に変調する場合がある。第1照射光の光強度が第1外圧PO1及び第2外圧PO2とは無関係に変調すると、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧測定に誤差が生じる。これに対し実施の形態に係る差圧測定システムは、第1光源変調補正モジュール73Aが、上記(22)式に示すように第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割る。そのため、第2測定光の光強度GMに含まれうる第1照射光の光強度GS1の変調の影響を取り除くことが可能となる。さらに、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光が経由した光導波路30〜35, 92, 94等の透過率Tが変調する場合もある。透過率Tが変調しても、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧測定に誤差が生じる。これに対し実施の形態に係る差圧測定システムは、上記(24)式に示すように、伝搬効率変調補正モジュール74Aが透過率Tの影響を受けない相乗積ARを算出する。相乗積ARは、第2測定光の光強度GMから差圧測定に無関係な第1照射光の光強度GS1及び透過率Tを除した値に相当する。そのため相乗積ARは、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を反映する第1センサ5の反射率V1及び第2センサ15の反射率V2のみが含まれる。それ故、実施の形態に係る差圧測定システムによれば、第1照射光の光強度GS1の変調及び透過率Tの変調の影響を取り除き、高い精度で第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定することが可能となる。
【0046】
なお、光導波路30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 90, 91, 92, 93, 94, 95のそれぞれについては、シングルモード又はマルチモードの光ファイバ等が使用可能である。光源用光カプラ20、第1スプリッタ21、第2スプリッタ22、及び第3スプリッタ23のそれぞれには、光ファイバカプラ、ハーフミラー、又は薄膜導波路分岐装置等が使用可能である。第1波長フィルタ26、第2波長フィルタ126、測定用波長フィルタ53、及び参照用波長フィルタ63のそれぞれにはノッチフィルタやバンドパスフィルタ等が使用可能である。
【0047】
次に図14を用いて、第1の実施の形態に係る差圧測定方法について説明する。
【0048】
(a) ステップS101で、第1照射光を図1に示す第1の光源114から光導波路90, 92のそれぞれに照射する。同時に、第2照射光を第2の光源214から光導波路91, 93のそれぞれに照射する。ステップS102で第1照射光受光素子155は、光導波路90で伝搬された第1照射光の光強度GS1を検出する。第1照射光受光素子155は検出した第1照射光の光強度GS1を第1光源変調補正モジュール73Aに転送する。第1光源変調補正モジュール73Aは、受信した第1照射光の光強度GS1をデータ記憶装置170Aの光強度記憶モジュール172Aに保存する。
【0049】
(b) ステップS103で第2照射光受光素子156は、光導波路91で伝搬された第2照射光の光強度GS2を検出する。第2照射光受光素子156は検出した第2照射光の光強度GS2を第2光源変調補正モジュール273Aに転送する。第2光源変調補正モジュール273Aは、受信した第2照射光の光強度GS2をデータ記憶装置170Aの光強度記憶モジュール172Aに保存する。
【0050】
(c) ステップS201で第1照射光は、光導波路92、光源用光カプラ20、光導波路30、及び第1スプリッタ21を経て、光導波路31で第1センサ5に伝搬される。同時に第2照射光も、光導波路93、光源用光カプラ20、光導波路30、及び第1スプリッタ21を経て、光導波路31で第1センサ5に参照光として伝搬される。第1照射光は第1センサ5の第1波長フィルタ26を透過し、参照光は第1波長フィルタ26で反射される。ステップS202で、第1波長フィルタ26の主面から照射された第1照射光を、第1センサ5の第1集光部24で集光する。
【0051】
(d) ステップS203で、第1集光部24の焦点よりも近くに配置され、第1外圧PO1に応じて第1集光部24の光軸上を移動する第1感圧部25で、集光された第1照射光を反射する。ステップS204で、反射された第1照射光を第1集光部24で集光し、集光された第1照射光は第1波長フィルタ26を経て第1測定光として再び光導波路31に入射する。第1感圧部25は第1集光部24の焦点よりも近くに配置されているため、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とは負の相関関係を有する。
【0052】
(e) ステップS205で、第1測定光及び参照光は光導波路31、第1スプリッタ21、光導波路32、及び第2スプリッタ22を経て、光導波路33で第2センサ15に伝搬される。第1測定光は第2センサ15の第2波長フィルタ126を透過し、参照光は第2波長フィルタ126で反射される。ステップS206で、第2波長フィルタ126の主面から照射された第1測定光を、第2センサ15の第2集光部124で集光する。
【0053】
(f) ステップS207で、第2集光部124の焦点よりも遠くに配置され、第2外圧PO2に応じて第2集光部124の光軸上を移動する第2感圧部125で、集光された第1測定光を反射する。ステップS208で、反射された第1測定光を第2集光部124で集光し、集光された第1測定光は第2測定光として再び光導波路33に入射する。第2感圧部125は第2集光部124の焦点よりも遠くに配置されているため、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とは正の相関関係を有する。
【0054】
(g) ステップS301で、第2測定光は光導波路33、第2スプリッタ22、光導波路34、第3スプリッタ23、光導波路35、及び測定用波長フィルタ53を経て、光導波路94で測定用受光素子153に伝搬される。測定用受光素子153は第2測定光を受光し、上記(20)式で与えられる第2測定光の光強度GMを測定する。測定用受光素子153は、第2測定光の光強度GMを信号処理装置17Aの第1光源変調補正モジュール73Aに電気的に送信する。第1光源変調補正モジュール73Aは受信した第2測定光の光強度GMを光強度記憶モジュール172Aに保存する。
【0055】
(h) ステップS301と同時にステップS302で、参照光は光導波路33、第2スプリッタ22、光導波路34、第3スプリッタ23、光導波路36、及び参照用波長フィルタ63を経て、光導波路95で参照用受光素子154に伝搬される。参照用受光素子154は参照光を受光し、上記(21)式で与えられる参照光の光強度GRを測定する。参照用受光素子154は、参照光の光強度GRを信号処理装置17Aの第2光源変調補正モジュール273Aに電気的に送信する。第2光源変調補正モジュール273Aは受信した参照光の光強度GRを光強度記憶モジュール172Aに保存する。
【0056】
(i) ステップS303で第1光源変調補正モジュール73Aは、光強度記憶モジュール172Aから第2測定光の光強度GM及び第1照射光の光強度GS1を読み出す。次に第1光源変調補正モジュール73Aは、第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割り、上記(22)式で与えられる第1光強度比N1を算出する。第1光源変調補正モジュール73Aは、算出した第1光強度比N1を光強度比記憶モジュール173Aに保存する。
【0057】
(j) ステップS304で第2光源変調補正モジュール273Aは、光強度記憶モジュール172Aから参照光の光強度GR及び第2照射光の光強度GS2を読み出す。次に第2光源変調補正モジュール273Aは、参照光の光強度GRを第2照射光の光強度GS2で割り、上記(23)式で与えられる第2光強度比N2を算出する。第2光源変調補正モジュール273Aは、算出した第2光強度比N2を光強度比記憶モジュール173Aに保存する。
【0058】
(k) ステップS305で伝搬効率変調補正モジュール74Aは、光強度比記憶モジュール173Aから第1光強度比N1及び第2光強度比N2を読み出す。次に伝搬効率変調補正モジュール74Aは、第1光強度比N1を第2光強度比N2で割り、上記(24)式で与えられる相乗積ARを算出する。伝搬効率変調補正モジュール74Aは算出した相乗積ARを相乗積記憶モジュール174Aに保存する。
【0059】
(l) ステップS306で差圧測定モジュール75Aは、相乗積記憶モジュール174Aから相乗積ARを読み出す。次に差圧測定モジュール75Aは、予め取得された第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧と相乗積ARとの関係式を、関係記憶モジュール175Aから読み出す。その後差圧測定モジュール75Aは、関係式に相乗積ARを代入し、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を算出する。差圧測定モジュール75Aは算出した第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を差圧記憶モジュール176Aに保存し、第1の実施の形態に係る差圧測定方法を終了する。
【0060】
以上示した第1の実施の形態に係る差圧測定方法によれば、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を直接反映する第2測定光の光強度GMに基づく相乗積ARから第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧が測定される。そのため、高いダイナミックレンジで第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定することが可能となる。また相乗積ARは、第2測定光の光強度GMから差圧測定に無関係な第1照射光の光強度GS1及び透過率Tを除した値に相当する。したがって第1の実施の形態に係る差圧測定方法によれば、第1照射光の光強度GS1及び透過率Tのそれぞれの変調に影響されることなく、高い精度で第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定することが可能となる。
【0061】
(第1の実施の形態の第1変形例)
第1の実施の形態においては、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とが「負」の相関関係を有するよう図1に示す第1センサ5の第1圧力感度が設定され、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とが「正」の相関関係を有するよう第2センサ15の第2圧力感度が設定された例を説明した。これに対し、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とが「正」の相関関係を有するよう第1センサ5の第1圧力感度が設定され、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とが「負」の相関関係を有するよう第2センサ15の第2圧力感度が設定されてもよい。
【0062】
具体的には、第1の実施の形態の第1変形例に係る第1センサ5の第1感圧部25は、図15に示すように、第1集光部24に対して第1集光部24の焦点距離FL1Iに第1圧力依存距離L1を足した距離(FL1I + L1)をおいて配置されている。第1外圧PO1が上昇すると第1感圧部25は第1集光部24の焦点に向かって移動し、第1圧力依存距離L1は短くなる。そのため、第1測定光の光強度は強まる。反対に第1外圧PO1が低下すると第1感圧部25は第1集光部24の焦点から遠ざかる方向に移動し、第1圧力依存距離L1が長くなる。そのため、第1測定光の光強度は弱まる。
【0063】
また、第1の実施の形態の第1変形例に係る第2センサ15の第2感圧部125は、図16に示すように、第2集光部124に対して第2集光部124の焦点距離FL2Iから第2圧力依存距離L2を引いた距離(FL2I - L2)をおいて配置されている。第2外圧PO2が上昇すると第2感圧部125は第2集光部124に向かって移動し、第2圧力依存距離L2は長くなる。そのため、第2測定光の光強度は弱まる。反対に第2外圧PO2が低下すると第2感圧部125は第2集光部124の焦点に向かって移動し、第2圧力依存距離L2が短くなる。そのため、第2測定光の光強度は強まる。
【0064】
第1の実施の形態の第1変形例においても、第2圧力感度が第1圧力感度に対して正負の符号が反対の感度を有している。そのため、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧が一定である限り、第1外圧PO1及び第2外圧PO2が変化しても第2測定光の光強度は一定となる。したがって、第1外圧PO1及び第2外圧PO2のそれぞれの値が変化しても、第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧を正確に測定することが第1の実施の形態の第1変形例においても可能となる。
【0065】
(第1の実施の形態の第2変形例)
第1の実施の形態において、図1に示す第1光源変調補正モジュール73Aは第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割り、第1光強度比N1を算出すると説明した。これに対し、第1照射光の光強度GS1を第2測定光の光強度GMで割った値を第1光強度比N1としてもよい。この場合第2光源変調補正モジュール273Aは、第2照射光の光強度GS2を参照光の光強度GRで割った値を第2光強度比N2とする。また第3の実施の形態において、伝搬効率変調補正モジュール74Aは第1光強度比N1を第2光強度比N2で割り、相乗積ARを算出すると説明した。これに対し、第2光強度比N2を第1光強度比N1で割った値を相乗積ARとしてもよい。
【0066】
(第2の実施の形態)
図17に示す第2の実施の形態に係る差圧測定システムは、波長可変光源44を有する。波長可変光源44は、第1照射光又は第2照射光を択一的に照射する。波長可変光源44には光導波路90を介して照射光受光素子157が接続されている。照射光受光素子157は、波長可変光源44が第1照射光を照射した場合、光導波路90で伝搬された第1照射光の光強度GS1を検出する。また、照射光受光素子157は、波長可変光源44が第2照射光を照射した場合、光導波路90で伝搬された第2照射光の光強度GS2を検出する。
【0067】
さらに波長可変光源44には、光導波路30、第1スプリッタ21、及び光導波路31を介して第1センサ5が接続されている。波長可変光源44から第1照射光が照射された場合、第1照射光は第1センサ5の第1波長フィルタ26を透過し、第1感圧部25で反射される。第1感圧部25で反射された第1照射光は再び第1波長フィルタ26を透過し、第1測定光として第1センサ5から出力される。第1測定光の光強度と第1外圧PO1とは、負の相関関係を有する。また波長可変光源44から第2照射光が照射された場合、第2照射光は光導波路30、第1スプリッタ21、及び光導波路31を介して参照光として第1センサ5に伝搬され、第1センサ5の第1波長フィルタ26で反射される。
【0068】
第1測定光及び参照光のそれぞれは、光導波路31、第1スプリッタ21、光導波路32、第2スプリッタ22、及び光導波路33を経て第2センサ15に伝搬される。第1測定光は第2波長フィルタ126を透過し、第2感圧部125で反射される。第2感圧部125で反射された第1測定光は再び第2波長フィルタ126を透過し、第2測定光として第2センサ15から出力される。第2測定光の光強度と第2外圧PO2とは、正の相関関係を有する。また波長可変光源44から第2照射光が照射された場合、第1センサ5で反射された参照光は、第2センサ15の第2波長フィルタ126で反射される。
【0069】
第2測定光及び参照光のそれぞれは、光導波路33、第2スプリッタ22、及び光導波路34を経て測定用受光素子158で受光される。測定用受光素子158は、波長可変光源44から第1照射光が照射された場合、上記(20)式で与えられる第2測定光の光強度GMを検出する。ただし、第2の実施の形態においては、(20)式のTは光導波路30〜34の透過率を表す。また測定用受光素子158は、波長可変光源44から第2照射光が照射された場合、上記(21)式で与えられる参照光の光強度GRを検出する。ただし、第2の実施の形態においては、(21)式のTは光導波路30〜34の透過率を表す。
【0070】
照射光受光素子157及び測定用受光素子158のそれぞれは、信号処理装置17Bに電気的に接続されている。信号処理装置17Bは、第1光源変調補正モジュール73B、第2光源変調補正モジュール273B、伝搬効率変調補正モジュール74B、及び差圧測定モジュール75Bを有する。第1光源変調補正モジュール73Bは、波長可変光源44が第1照射光を照射している間、上記(22)式で与えられる第1光強度比N1を算出する。第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割ることにより、第2測定光のスペクトルにおける光強度の変調が、第1照射光のスペクトルにおける光強度の変調で打ち消される。第2光源変調補正モジュール273Bは、波長可変光源44が第2照射光を照射している間、上記(23)式で与えられる第2光強度比N2を算出する。参照光の光強度GRを第2照射光の光強度GS2で割ることにより、第2測定光のスペクトルにおける光強度の変調が、第2照射光のスペクトルにおける光強度の変調で打ち消される。伝搬効率変調補正モジュール74Bは、上記(24)式を用いて相乗積ARを算出する。差圧測定モジュール75Bは、図1に示した差圧測定モジュール75Aと同様に、相乗積ARから第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定する。
【0071】
信号処理装置17Bにはデータ記憶装置170Bが接続されている。データ記憶装置170Bは、光強度記憶モジュール172B、光強度比記憶モジュール173B、相乗積記憶モジュール174B、関係記憶モジュール175B、及び差圧記憶モジュール176Bを有する。光強度記憶モジュール172Bは、照射光受光素子157が検出した第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2を保存する。また光強度記憶モジュール172Bは、測定用受光素子158が検出した第2測定光の光強度GM及び参照光の光強度GRを保存する。光強度比記憶モジュール173Bは、第1光源変調補正モジュール73Bが算出した第1光強度比N1、及び第2光源変調補正モジュール273Bが算出した第2光強度比N2を保存する。相乗積記憶モジュール174Bは、伝搬効率変調補正モジュール74Bが算出した相乗積ARを保存する。関係記憶モジュール175Bは、予め取得した第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧と相乗積ARとの関係式を保存する。差圧記憶モジュール176Bは、差圧測定モジュール75Bが算出した第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を保存する。
【0072】
次に図18を用いて、第2の実施の形態に係る差圧測定方法について説明する。
【0073】
(a) ステップS101で、第1照射光を図17に示す波長可変光源44から光導波30, 90のそれぞれに照射する。ステップS102で、照射光受光素子157は、光導波路90で伝搬された第1照射光の光強度GS1を検出する。照射光受光素子157は検出した第1照射光の光強度GS1を第1光源変調補正モジュール73Bに転送する。第1光源変調補正モジュール73Bは、受信した第1照射光の光強度GS1を、データ記憶装置170Bの光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0074】
(b) ステップS102と同時にステップS103で第1照射光は、光導波路30、第1スプリッタ21、及び光導波路31を経て第1センサ5に到達する。第1照射光は第1センサ5内部を往復した後、第1測定光として第1センサ5から出力される。ステップS104で第1測定光は、光導波路31、第1スプリッタ21、光導波路32、第2スプリッタ22、及び光導波路33を経て第2センサ15に到達する。第1測定光は第2センサ15内部を往復した後、第2測定光として第2センサ15から出力される。
【0075】
(c) ステップS105で測定用受光素子158は、光導波路33及び第2スプリッタ22を経由して、光導波路34で伝搬された第2測定光の光強度GMを検出する。測定用受光素子158は検出した第2測定光の光強度GMを第1光源変調補正モジュール73Bに転送する。第1光源変調補正モジュール73Bは、受信した第2測定光の光強度GMを、光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0076】
(d) ステップS106で、第2照射光を波長可変光源44から光導波30, 90のそれぞれに照射する。ステップS107で、照射光受光素子157は、光導波路90で伝搬された第2照射光の光強度GS2を検出する。照射光受光素子157は検出した第2照射光の光強度GS2を第2光源変調補正モジュール273Bに転送する。第2光源変調補正モジュール273Bは、受信した第2照射光の光強度GS2を光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0077】
(e) ステップS107と同時にステップS108で第2照射光は、光導波路30、第1スプリッタ21、及び光導波路31を経て第1波長フィルタ26に参照光として伝搬される。参照光は第1波長フィルタ26で反射される。ステップS109で参照光は、光導波路31、第1スプリッタ21、光導波路32、第2スプリッタ22、及び光導波路33を経て第2波長フィルタ126に到達する。参照光は第2波長フィルタ126で反射される。
【0078】
(f) ステップS110で測定用受光素子158は、光導波路33及び第2スプリッタ22を経由して、光導波路34で伝搬された参照光の光強度GRを検出する。測定用受光素子158は検出した参照光の光強度GRを第2光源変調補正モジュール273Bに転送する。第2光源変調補正モジュール273Bは、受信した参照光の光強度GRを光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0079】
(g) ステップS111で第1光源変調補正モジュール73Bは、光強度記憶モジュール172Bから第1照射光の光強度GS1及び第2測定光の光強度GMを読み出す。次に第1光源変調補正モジュール73Bは、第2測定光の光強度GMを第1照射光の光強度GS1で割り、第1光強度比N1を算出する。第1光源変調補正モジュール73Bは、算出した第1光強度比N1を光強度比記憶モジュール173Bに保存する。
【0080】
(h) ステップS112で第2光源変調補正モジュール273Bは、光強度記憶モジュール172Bから第2照射光の光強度GS2及び参照光の光強度GRを読み出す。次に第2光源変調補正モジュール273Bは、参照光の光強度GRを第2照射光の光強度GS2で割り、第2光強度比N2を算出する。第2光源変調補正モジュール273Bは、算出した第2光強度比N2を光強度比記憶モジュール173Bに保存する。
【0081】
(i) ステップS113で、伝搬効率変調補正モジュール74Bは光強度比記憶モジュール173Bから第1光強度比N1及び第2光強度比N2を読み出す。次に伝搬効率変調補正モジュール74Bは、第1光強度比N1を第2光強度比N2で割り、相乗積ARを算出する。伝搬効率変調補正モジュール74Bは、算出した相乗積ARを相乗積記憶モジュール174Bに保存する。
【0082】
(j) ステップS114で、差圧測定モジュール75Bは相乗積記憶モジュール174Bから相乗積ARを読み出す。次に差圧測定モジュール75Bは、予め取得した第1外圧PO1及び第2外圧PO2の差圧と相乗積ARとの関係式を、関係記憶モジュール175Bから読み出す。差圧測定モジュール75Bは関係式に相乗積ARを代入し、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を算出する。差圧測定モジュール75Bは算出した第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を差圧記憶モジュール176Bに保存し、第2の実施の形態に係る差圧測定方法を終了する。
【0083】
以上示した第2の実施の形態に係る差圧測定システム及び方法によれば、第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2の両方を照射光受光素子157で検出する。また第2測定光の光強度GM及び参照光の光強度GRの両方を測定用受光素子158で検出する。ここで、例えばフォトダイオード等の受光素子は、同種の製品にも拘わらず、感度特性が製品間でばらつく場合がある。同一のシリコンウェハから製造されたフォトダイオードは、受光した光の光強度に対して発生する電流を示す光電流の特性は、通常同じである。しかし、異なるシリコンウェハから製造されたフォトダイオードどうしでは、光電流の特性が異なる場合がある。図19に示す例では、フォトダイオードAとフォトダイオードBは同種の製品であるが、それぞれ異なるシリコンウェハから製造されたために、光電流の特性が異なった例を示している。そのため、第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2のそれぞれを異なる受光素子で受光するには、受光素子間の感度のばらつきを補正する必要がある場合がある。また受光素子それぞれの周囲環境が異なれば、温度等により受光素子の感度特性がそれぞれ独立して変動する場合も生じる。第2測定光の光強度GM及び参照光の光強度GRのそれぞれを異なる受光素子で受光する場合も同様である。これに対し、第2の実施の形態に係る差圧測定システム及び方法によれば、第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2の両方を照射光受光素子157で検出するため、第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2のそれぞれを異なる受光素子で検出する際に必要となる受光素子間のばらつき補正が不要となる。同様に、第2測定光の光強度GM及び参照光の光強度GRの両方を測定用受光素子158で検出するため、第2測定光の光強度GM及び参照光の光強度GRのそれぞれを異なる受光素子で検出する際に必要となる受光素子間のばらつき補正も不要となる。
【0084】

(第2の実施の形態の変形例)
図20に示す第2の実施の形態の変形例に係る差圧測定システムは図17と異なり、第1照射光を照射する第1の光源114、及び第2照射光を照射する第2の光源214を有する。第1の光源114及び第2の光源214には光源制御装置314が接続されている。光源制御装置314は、第1の光源114及び第2の光源214のいずれかを択一的に選択し、電源を供給する。第1の光源114が選択された場合、第1の光源114が照射した第1照射光は光導波路92を経由して光源用光カプラ20で2方向に分割される。分割された一方の第1照射光は光導波路96で伝搬され、照射光受光素子159で受光される。照射光受光素子159は、受光した第1照射光の光強度GS1を信号処理装置17Bに転送する。信号処理装置17Bの第1光源変調補正モジュール73Bは、受信した第1照射光の光強度GS1を光強度記憶モジュール172Bに保存する。分割された他方の第1照射光は、第1センサ5及び第2センサ15を経て、測定用受光素子158で第2測定光として受光される。測定用受光素子158は、受光した第2測定光の光強度GMを信号処理装置17Bに転送する。信号処理装置17Bの第1光源変調補正モジュール73Bは、受信した第2測定光の光強度GM1を光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0085】
第2の光源214が選択された場合、第2の光源214が照射した第2照射光は光導波路93を経由して光源用光カプラ20で2方向に分割される。分割された一方の第2照射光は光導波路96で伝搬され、照射光受光素子159で受光される。照射光受光素子159は、受光した第2照射光の光強度GS2を信号処理装置17Bに転送する。信号処理装置17Bの第2光源変調補正モジュール273Bは、受信した第2照射光の光強度GS2を光強度記憶モジュール172Bに保存する。分割された他方の第2照射光は、第1波長フィルタ26及び第2波長フィルタ126で参照光として反射され、測定用受光素子158で参照光として受光される。測定用受光素子158は、受光した参照光の光強度GRを信号処理装置17Bに転送する。信号処理装置17Bの第2光源変調補正モジュール273Bは、受信した参照光の光強度GRを光強度記憶モジュール172Bに保存する。
【0086】
図20に示す差圧測定システムのその他の構成要件は、図17と同様であるので説明は省略する。図20に示す差圧測定システムにおいても、第1照射光の光強度GS1、第2照射光の光強度GS2、及び光導波路30〜34, 92, 93の透過率のそれぞれの変調の影響を受けることなく、高い精度で第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を測定することが可能となる。
【0087】
(第3の実施の形態)
図21に示す第3の実施の形態に係る差圧測定システムの第1の光源114、第2の光源214、光導波路90, 91、第1照射光受光素子155、第2照射光受光素子156、及び光導波路92, 93は図1と同様である。光導波路92, 93のそれぞれには光源用光カプラ320が接続されている。光源用光カプラ320には第1照射光及び参照光を伝搬する光導波路130が接続されている。光導波路130には第1波長分離部321が接続されている。第1波長分離部321には光導波路131及び光導波路132が接続されている。第1波長分離部321はそれぞれ波長の異なる第1照射光と参照光とを分離し、第1照射光を光導波路131に中継し、参照光を光導波路132に中継する。
【0088】
第1照射光は、光導波路131で第1センサ105に伝搬される。図22に示すように、第3の実施の形態に係る第1センサ105は、第1外圧PO1を受ける第1感圧部225を有する。第1感圧部225は、光導波路131の端部から放射された第1照射光の入射角が30度となるように配置されている。また第1感圧部225の法線方向において、第1感圧部225と光導波路131とは初期状態で第1放射距離H1をおいて配置されている。第1外圧PO1が上昇した場合、図23に示すように、第1感圧部225は初期状態から第1圧力依存距離L1が第1感圧部225の法線方向において正に増加するよう移動する。そのため、第1感圧部225と光導波路130との間隔は第1放射距離H1から第1圧力依存距離L1を引いた距離(H1 - L1)となる。第1外圧PO1が低下した場合、第1感圧部225は第1圧力依存距離L1が第1感圧部225の法線方向において減少するよう移動する。
【0089】
第1感圧部225で反射された第1照射光が第1測定光として入射する光導波路133は光導波路131に隣接して配置される。光導波路131, 133のそれぞれの断面の直径をQとすると、光導波路131の端面の中心と、光導波路133の端面の中心との間隔は、第1感圧部225の主面と平行方向において直径Qの2倍の長さに相当する。ここで、図22に示すように第1圧力依存距離L1が0の場合、反射された第1照射光の光強度のピークは光導波路131の端面の中心から、第1感圧部225の主面と平行方向において直径Qの1.5倍の距離をおいた点に現れるよう、設定されている。したがって図24に示すように、光導波路133に入射する第1測定光は、第1照射光のうち光強度がピークとなる光軸上の光成分を含まない。ここで第1外圧PO1が上昇し、図23に示すように第1圧力依存距離L1が増加して第1感圧部225が光導波路131, 133に近づくと、図25に示すように第1感圧部225で反射された第1照射光の光強度のピークが現れる位置は光導波路133から遠ざかる。反対に、第1外圧PO1が低下し、第1圧力依存距離L1が減少して第1感圧部225が光導波路131, 133から遠ざかると、第1感圧部225で反射された第1照射光の光強度のピークが現れる位置は光導波路133に近づく。
【0090】
したがって、第1センサ105においては第1外圧PO1が上昇した場合、第1測定光の光強度が弱まり、第1外圧PO1が低下した場合、第1測定光の光強度が強まる。つまり、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、第1センサ105の圧力感度である第1圧力感度が設定されている。換言すれば、図26に示すように、第1外圧PO1が上昇するほど第1センサ105の全体の反射率は低下し、第1外圧PO1が低下するほど第1センサ105の全体の反射率は上昇する。
【0091】
図21に示す光導波路132及び光導波路133は光カプラ等の第1結合部322に接続されている。第1結合部322には光導波路134が接続されている。第1結合部322は、光導波路132で伝搬された参照光及び光導波路133で伝搬された第1測定光を光導波路134に中継する。光導波路134には第2波長分離部323が接続されている。第2波長分離部323には光導波路135及び光導波路136が接続されている。第2波長分離部323は光導波路134で伝搬された第1測定光及び参照光を分離し、第1測定光を光導波路135に中継する。また第2波長分離部323は、参照光を光導波路136に中継する。
【0092】
第1測定光は光導波路135で第2センサ115に伝搬される。図27に示すように、第3の実施の形態に係る第2センサ115は、第2外圧PO2を受ける第2感圧部325を有する。第2感圧部325は、光導波路135の端部から放射された第1測定光の入射角が30度となるように配置されている。また第2感圧部325の法線方向において、第2感圧部325と光導波路135とは初期状態で第2放射距離H2をおいて配置されている。第2放射距離H2は第1放射距離H1と同じでもよい。第2外圧PO2が上昇した場合、図28に示すように、第2感圧部325は初期状態から第2圧力依存距離L2が第2感圧部325の法線方向において正に増加するよう移動する。そのため、第2感圧部325と光導波路135との間隔は第2放射距離H2から第2圧力依存距離L2を引いた距離(H2 - L2)となる。第2外圧PO2が低下した場合、第2感圧部325は第2圧力依存距離L2が第2感圧部325の法線方向において減少するよう移動する。なお、第1外圧PO1に対する第1圧力依存距離L1の比と、第2外圧PO2に対する第2圧力依存距離L2の比とは等しくなるよう設定されている。
【0093】
第2感圧部325で反射された第1測定光が第2測定光として入射する光導波路137は光導波路135に隣接して配置される。光導波路135, 137のそれぞれの断面の直径をQとすると、光導波路135の端面の中心と、光導波路137の端面の中心との間隔は、第2感圧部325の主面と平行方向において直径Qと等しい長さである。ここで、図27に示すように第2圧力依存距離L2が0の場合、反射された第1測定光の光強度のピークは光導波路135の端面の中心から、第2感圧部325の主面と平行方向において直径Qの1.5倍の距離をおいた点に現れるよう、設定されている。したがって、図29に示すように、光導波路137に入射する第2測定光は、第1測定光のうち光強度がピークとなる光軸上の光成分を含まない。ここで第2外圧PO2が上昇し、図28に示すように第2圧力依存距離L2が増加して第2感圧部325が光導波路135, 137に近づくと、図30に示すように第2感圧部325で反射された第1測定光の光強度のピークが現れる位置は光導波路137に近づく。反対に、第2外圧PO2が低下し、第2圧力依存距離L2が減少して第2感圧部325が光導波路135, 137から遠ざかると、第2感圧部325で反射された第1測定光の光強度のピークが現れる位置は光導波路137から遠ざかる。
【0094】
したがって、第2センサ115においては第2外圧PO2が上昇した場合、第2測定光の光強度が強まり、第2外圧PO2が低下した場合、第2測定光の光強度が弱まる。つまり、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とは正の相関関係を有するよう、第2センサ115の圧力感度である第2圧力感度が設定されている。換言すれば、図31に示すように、第2外圧PO2が上昇するほど第2センサ115の全体の反射率は上昇し、第2外圧PO2が低下するほど第2センサ115の全体の反射率は低下する。したがって、図32に示すように、第1圧力感度と第2圧力感度とは正負の符号が反対の関係を有している。
【0095】
図33に示すように、第1外圧PO1が上昇し、第1圧力依存距離L1が長くなるほど第2測定光の光強度は弱まる。これに対し、第2外圧PO2が上昇し、第2圧力依存距離L2が長くなるほど第2測定光の光強度は強まる。しかし、第1圧力依存距離L1と第2圧力依存距離L2との差(L1 - L2)が一定である限り、図34に示すように第1圧力依存距離L1及び第2圧力依存距離L2のそれぞれが変動しても、第2測定光の光強度は変化しない。したがって、第2測定光の光強度は、第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を正確に反映する。
【0096】
光導波路136及び光導波路137のそれぞれは、光カプラ等の第2結合部324に接続されている。第2結合部324には光導波路138が接続されている。第2結合部324は、光導波路136で伝搬された参照光及び光導波路137で伝搬された第2測定光のそれぞれを光導波路138に中継する。光導波路138には第3波長分離部330が接続されている。第3波長分離部330には光導波路94及び光導波路95が接続されている。第3波長分離部330は光導波路138で伝搬された第2測定光及び参照光を分離し、第2測定光を光導波路94に中継する。また第3波長分離部330は、参照光を光導波路95に中継する。
【0097】
光導波路94で伝搬された第2測定光は測定用受光素子153で受光され、測定用受光素子153は第2測定光の光強度GMを信号処理装置17Aに電気的に送信する。光導波路95で伝搬された参照光は参照用受光素子154で受光され、参照用受光素子154は参照光の光強度GRを信号処理装置17Aに電気的に送信する。
【0098】
なお、第1照射光、第1測定光、及び第2測定光が伝搬される光導波路92, 130, 131, 133, 134, 135, 137, 138, 94と、参照光が伝搬される光導波路93, 130, 132, 134, 136, 138, 95とは、光路長が等しく設定されていることが好ましい。
信号処理装置17Aが第1照射光の光強度GS1、第2照射光の光強度GS2、第2測定光の光強度GM、及び参照光の光強度GRから第1外圧PO1と第2外圧PO2との差圧を算出する方法は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。なお、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とが「正」の相関関係を有するよう図21に示す第1センサ105の第1圧力感度を設定し、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とが「負」の相関関係を有するよう第2センサ115の第2圧力感度が設定してもよい。
【0099】
次に図35を用いて、第3の実施の形態に係る差圧測定方法について説明する。
【0100】
(a) ステップS101乃至ステップS103を図14と同様に実施する。図35のステップS201で第1照射光は、図21に示す光導波路92、光源用光カプラ320、光導波路130、第1波長分離部321、及び光導波路131を経て第1センサ105に伝搬される。第1照射光は、光導波路131の端部から放射される。ステップS202で、第1外圧PO1に応じて移動する第1感圧部225で第1照射光を反射する。ステップS203で、反射された第1照射光は第1測定光として光導波路133に入射する。光導波路133は光導波路131に対し、初期状態で反射された第1照射光の光強度のピークが現れる位置よりも遠くに配置されているため、第1外圧PO1と第1測定光の光強度とは負の相関関係を有する。
【0101】
(b) ステップS204で第1測定光は、光導波路133、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、及び光導波路135を経て第2センサ115に伝搬される。第1測定光は、光導波路135の端部から放射される。ステップS205で、第2外圧PO2に応じて移動する第2感圧部325で第1測定光を反射する。ステップS206で、反射された第1測定光は第2測定光として光導波路137に入射する。光導波路137は光導波路135に対し、初期状態で反射された第1測定光の光強度のピークが現れる位置よりも近くに配置されているため、第2外圧PO2と第2測定光の光強度とは正の相関関係を有する。
【0102】
(c) ステップS207で、第2測定光は光導波路137、第2結合部324、光導波路138、第3波長分離部330、及び光導波路94を経て測定用受光素子153に伝搬される。測定用受光素子153は第2測定光を受光し、第2測定光の光強度GMを測定する。測定用受光素子153は、第2測定光の光強度GMを信号処理装置17Aに電気的に送信する。
【0103】
(d) またステップS301で、第2照射光は光導波路93、光源用光カプラ320、光導波路130、第1波長分離部321、光導波路132、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、光導波路136、第2結合部324、光導波路138、第3波長分離部330、及び光導波路95を経由して参照用受光素子154に参照光として伝搬される。ステップS302で参照用受光素子154は参照光を受光し、参照光の光強度GRを測定する。参照用受光素子154は、参照光の光強度GRを信号処理装置17Aに電気的に送信する。なおステップS301及びステップS302は、ステップS201乃至ステップS207と並行に実施される。
【0104】
(e) ステップS401を図14のステップS303と同様に実施し、図35のステップS402を図14のステップS304と同様に実施する。最後に図35のステップS403及びステップS404を図14のステップS305及びステップS306と同様に実施して、第3の実施の形態に係る差圧測定方法を終了する。
【0105】
(第3の実施の形態の変形例)
図36に示すように、光導波路131から放射された第1照射光を集光するレンズ等の第1集光部301を、光導波路131と第1感圧部225との間に配置してもよい。第1集光部301を配置することにより第1照射光が集光され、第1感圧部225で反射された第1照射光の図24に示した光強度の広がりが狭まる。そのため第1感圧部225の移動に伴う第1測定光の光強度の変化量が大きくなり、より高い感度で第1外圧PO1の変化を検出することが可能となる。この場合、第2センサ115においても、図37に示すように、光導波路135から放射された第1測定光を集光するレンズ等の第2集光部302を、光導波路135と第2感圧部325との間に配置するとよい。
【0106】
(第4の実施の形態)
図38に示す第4の実施の形態に係る差圧測定システムは、第1照射光又は第2照射光を択一的に照射する波長可変光源44を有する。波長可変光源44には、光導波路90を介して第1照射光の光強度GS1及び第2照射光の光強度GS2を検出する照射光受光素子157が接続されている。さらに波長可変光源44には光導波路130、第1波長分離部321、光導波路131、及び光導波路132が接続されている。
【0107】
波長可変光源44から第1照射光が照射された場合、第1照射光は光導波路130、第1波長分離部321、及び光導波路131を経て第1センサ105に伝搬される。第1センサ105の詳細は図22乃至図26で説明したので省略する。図38に示す第1センサ105から出力された第1測定光は、光導波路133、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、及び光導波路135を経て第2センサ115に伝搬される。第2センサ115の詳細は図27乃至図31で説明したので省略する。図38に示す第2センサ115から出力された第2測定光は、光導波路137、第2結合部324、及び光導波路138を経て測定用受光素子158に伝搬される。測定用受光素子158は第2測定光の光強度GMを検出する。
【0108】
波長可変光源44から第2照射光が照射された場合、第2照射光は参照光として光導波路130で伝搬される。さらに参照光は、第1波長分離部321、光導波路132、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、光導波路136、第2結合部324、及び光導波路138を経て測定用受光素子158に伝搬される。測定用受光素子158は参照光の光強度GRを検出する。信号処理装置17B及びデータ記憶装置170Bのそれぞれの構成は、図17と同様であるので説明は省略する。
【0109】
次に図39を用いて、第4の実施の形態に係る差圧測定方法について説明する。
【0110】
(a) ステップS101で、第1照射光を図38に示す波長可変光源44から光導波90, 130のそれぞれに照射する。ステップS102で、照射光受光素子157は、光導波路90で伝搬された第1照射光の光強度GS1を検出する。照射光受光素子157で検出された第1照射光の光強度GS1は、光強度記憶モジュール172Bに保存される。
【0111】
(b) ステップS102と同時にステップS103で第1照射光は、光導波路130、第1波長分離部321、及び光導波路131を経て第1センサ105に到達する。第1照射光は、光導波路131の端部から放射される。ステップS104で、第1外圧PO1に応じて移動する第1感圧部225で第1照射光を反射する。ステップS105で、反射された第1照射光は第1測定光として光導波路133に入射する。第1外圧PO1と第1測定光の光強度とは負の相関関係を有する。
【0112】
(c) ステップS106で第1測定光は、光導波路133、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、及び光導波路135を経て第2センサ115に伝搬される。第1測定光は、光導波路135の端部から放射される。ステップS107で、第2外圧PO2に応じて移動する第2感圧部325で第1測定光を反射する。ステップS108で、反射された第1測定光は第2測定光として光導波路137に入射する。第2外圧PO2と第2測定光の光強度とは正の相関関係を有する。ステップS109で、第2測定光は光導波路137、第2結合部324、及び光導波路138を経て測定用受光素子158に伝搬される。測定用受光素子158で検出された第2測定光の光強度GMは、信号処理装置17Bに電気的に送信される。
【0113】
(d) ステップS110で、第2照射光を波長可変光源44から光導波90, 130のそれぞれに照射する。ステップS111で、照射光受光素子157は、光導波路90で伝搬された第2照射光の光強度GS2を検出する。照射光受光素子157で検出された第2照射光の光強度GS2は、光強度記憶モジュール172Bに保存される。
【0114】
(e) ステップS111と同時にステップS112で、第2照射光は参照光として光導波路130で伝搬される。その後参照光は、第1波長分離部321、光導波路132、第1結合部322、光導波路134、第2波長分離部323、光導波路136、第2結合部324、及び光導波路138を経て測定用受光素子158に伝搬される。ステップS113で測定用受光素子158は参照光の光強度GRを検出する。検出された参照光の光強度GRは、信号処理装置17Bに電気的に送信される。その後、ステップS114乃至ステップS117を図18のステップS111乃至ステップS114と同様に実施し、第4の実施の形態に係る差圧測定方法を終了する。
【0115】
(第4の実施の形態の変形例)
図40に示す第4の実施の形態の変形例に係る差圧測定システムは図38と異なり、第1照射光を照射する第1の光源114、及び第2照射光を照射する第2の光源214を有する。第1の光源114及び第2の光源214には、第1の光源114及び第2の光源214のいずれかを択一的に選択し、電源を供給する光源制御装置314が接続されている。第1の光源114が選択された場合、第1の光源114が照射した第1照射光は光導波路92を経由して光源用光カプラ320で2方向に分割される。分割された一方の第1照射光は光導波路96で伝搬され、照射光受光素子159で受光される。受光された第1照射光の光強度GS1は光強度記憶モジュール172Bに保存される。分割された他方の第1照射光は、第1センサ105及び第2センサ115を経て、測定用受光素子158で第2測定光として受光される。受光された第2測定光の光強度GM1は光強度記憶モジュール172Bに保存される。
【0116】
第2の光源214が選択された場合、第2の光源214が照射した第2照射光は光導波路93を経由して光源用光カプラ320で2方向に分割される。分割された一方の第2照射光は光導波路96で伝搬され、照射光受光素子159で受光される。受光された第2照射光の光強度GS2は光強度記憶モジュール172Bに保存される。分割された他方の第2照射光は、光導波路130, 132, 134, 136, 138で参照光として伝搬され、測定用受光素子158で受光される。受光された参照光の光強度GRは光強度記憶モジュール172Bに保存される。図40に示す差圧測定システムのその他の構成要件は、図17と同様であるので説明は省略する。
【0117】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、図2に示す第1波長フィルタ26の材料の屈折率と、空気等の第1波長フィルタ26の周囲の媒体の屈折率との差に起因して、第1波長フィルタ26と空気の界面においてフレネル反射が生じ得る。フレネル反射した第1照射光は、光導波路31を第1スプリッタ21に向かって進行する。したがって、フレネル反射した第1照射光と第1センサ5から出力された第1測定光の間には、第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間隔に比例する位相差が生じる。第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間の往復距離が第1照射光のコヒーレンス長以内であると、フレネル反射した第1照射光と第1測定光とは干渉する。そのため干渉縞が生じ、第2測定光の光強度測定の誤差要因となりうる。第2センサ15においても同様である。干渉を防止するためには、第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間の往復距離及び第2波長フィルタ126の主面と第2感圧部125との間の往復距離のそれぞれを、第1照射光のコヒーレンス長以上にする。さらに、第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間の往復距離と、第2波長フィルタ126の主面と第2感圧部125との間の往復距離との差も第1照射光のコヒーレンス長以上にする。あるいは、第1波長フィルタ26の第1集光部24側の主面に、端部を開口数に基づいて斜め研磨処理された光導波路をさらに配置することや、端部に反射防止膜を堆積された光導波路をさらに配置することによっても、干渉を防止することが可能となる。第2センサ15においても同様である。
【0118】
また、第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間の1度往復した第1照射光と、2度往復した第1照射光も、第1波長フィルタ26の主面と第1感圧部25との間の往復距離に相当する光路差により干渉しうる。図41は、第1測定光の光強度の実測値と、干渉を無視した場合の理論値との差を理論値で割った値をエラーとして、光路差のスキャン量とエラーとの関係を示したグラフである。端部を反射防止処理した光導波路を配置しなかった場合、干渉により光路差のスキャン量に応じてエラーが生じている。これに対し、端部を反射防止処理した光導波路を配置して干渉を防止した場合、エラーはほぼ0%になる。
【0119】
さらに第3の実施の形態においては、図22に示す第1センサ105において光導波路131と光導波路133との間隔を2Qとし、図27に示す第2センサ115において光導波路135と光導波路137との間隔をQとすることにより、第1圧力感度及び第2圧力感度のそれぞれで定義される圧力と光強度との相関関係の正負を逆にすることを説明した。これに対し、第2センサ115において光導波路135と光導波路137との間隔を第1センサ105と同じくQとし、第2放射距離H2を第1放射距離H1の2倍とすること等によっても、第1圧力感度及び第2圧力感度のそれぞれで定義される圧力と光強度との相関関係の正負を逆にすることが可能である。
【0120】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る差圧測定システムの模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る第1センサの第1の模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る基本ガウシアンビームの模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光線の第1の模式図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光線の第2の模式図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る第1照射光のビーム径を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る第1センサの第2の模式図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る第2センサの模式図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る第1圧力感度と第2圧力感度との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る集光部から感圧部までの距離と第2測定光の光強度との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る第1及び第2圧力依存距離の差と第2測定光の光強度との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る第1及び第2センサの反射率と第2測定光の光強度との関係を示す第1のグラフである。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る第1及び第2センサの反射率と第2測定光の光強度との関係を示す第2のグラフである。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る差圧測定方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る第1センサの模式図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る第2センサの模式図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る差圧測定システムの模式図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る差圧測定方法を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係るフォトダイオード毎の光電流の特性を説明するためのグラフである。
【図20】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る差圧測定システムの模式図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る差圧測定システムの模式図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサの第1の模式図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサの第2の模式図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサの内部で反射された第1照射光の光強度分布を示す第1のグラフである。
【図25】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサの内部で反射された第1照射光の光強度分布を示す第2のグラフである。
【図26】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサの反射率を示すグラフである。
【図27】本発明の第3の実施の形態に係る第2センサの第1の模式図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態に係る第2センサの第2の模式図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態に係る第2センサの内部で反射された第1測定光の光強度分布を示す第1のグラフである。
【図30】本発明の第3の実施の形態に係る第2センサの内部で反射された第1測定光の光強度分布を示す第2のグラフである。
【図31】本発明の第3の実施の形態に係る第2センサの反射率を示すグラフである。
【図32】本発明の第3の実施の形態に係る第1センサ及び第2センサの反射率を示すグラフである。
【図33】本発明の第3の実施の形態に係る第2測定光の光強度を示す第1のグラフである。
【図34】本発明の第3の実施の形態に係る第2測定光の光強度を示す第2のグラフである。
【図35】本発明の第3の実施の形態に係る差圧測定方法を示すフローチャートである。
【図36】本発明の第3の実施の形態の変形例に係る第1センサの模式図である。
【図37】本発明の第3の実施の形態の変形例に係る第2センサの模式図である。
【図38】本発明の第4の実施の形態に係る差圧測定システムの模式図である。
【図39】本発明の第4の実施の形態に係る差圧測定方法を示すフローチャートである。
【図40】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る差圧測定システムの模式図である。
【図41】本発明のその他の実施の形態に係る第1センサで生じうる干渉の影響を説明するグラフある。
【符号の説明】
【0122】
5, 105…第1センサ
15, 115…第2センサ
17A, 17B…信号処理装置
20, 320…光源用光カプラ
21…第1スプリッタ
22…第2スプリッタ
23…第3スプリッタ
24, 301…第1集光部
25, 225…第1感圧部
26…第1波長フィルタ
29…レンズ
30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 130, 131, 132, 133, 134, 135, 136, 137, 138…光導波路
44…波長可変光源
53…測定用波長フィルタ
63…参照用波長フィルタ
73A, 73B…第1光源変調補正モジュール
74A, 74B…伝搬効率変調補正モジュール
75A, 75B…差圧測定モジュール
114…第1の光源
124, 302…第2集光部
125, 325…第2感圧部
126…第2波長フィルタ
153…測定用受光素子
154…参照用受光素子
155…第1照射光受光素子
156…第2照射光受光素子
157, 159…照射光受光素子
158…測定用受光素子
170A, 170B…データ記憶装置
172A, 172B…光強度記憶モジュール
173A, 173B…光強度比記憶モジュール
174A, 174B…相乗積記憶モジュール
175A, 175B…関係記憶モジュール
176A, 176B…差圧記憶モジュール
214…第2の光源
273A, 273B…第2光源変調補正モジュール
314…光源制御装置
321…第1波長分離部
322…第1結合部
323…第2波長分離部
324…第2結合部
330…第3波長分離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1照射光及び前記第1照射光とは波長の異なる第2照射光を照射する少なくとも一つの光源と、
第1圧力感度で第1外圧に応じて前記第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光として出力する第1センサと、
前記第1圧力感度に対して正負の符号が反対の第2圧力感度で第2外圧に応じて前記第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光として出力する第2センサと、
前記第1照射光、前記第1測定光、及び前記第2測定光を伝搬し、前記第2照射光を参照光として伝搬する光導波路と、
前記第1照射光及び前記第2測定光に共通する第1強度変調を補正する第1光源変調補正モジュールと、
前記第2測定光及び前記参照光に共通する伝搬効率変調を補正する伝搬効率変調補正モジュールと、
前記第1強度変調及び前記伝搬効率変調が補正された前記第2測定光の光強度から、前記第1及び第2外圧の差圧を測定する差圧測定モジュール
とを備えることを特徴とする差圧測定システム。
【請求項2】
前記第1光源変調補正モジュールは、前記第2測定光の光強度を前記第1照射光の光強度で割ることを特徴とする請求項1に記載の差圧測定システム。
【請求項3】
前記伝搬効率変調補正モジュールは、前記第2測定光の光強度を前記参照光の光強度で割ることを特徴とする請求項1又は2に記載の差圧測定システム。
【請求項4】
前記第2照射光及び前記参照光に共通する第2強度変調を補正する第2光源変調補正モジュールを更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項5】
前記第2光源変調補正モジュールは、前記参照光の光強度を前記第2照射光の光強度で割ることを特徴とする請求項4に記載の差圧測定システム。
【請求項6】
前記第1外圧と前記第1測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、前記第1圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項7】
前記第1センサは、
前記第1照射光を集光する第1集光部と、
前記第1集光部の焦点よりも前記第1集光部の近くに移動可能に配置され、前記第1外圧に応じて前記第1集光部の光軸上を移動し、前記集光された第1照射光を反射する第1感圧部
とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項8】
前記第2外圧と前記第2測定光の光強度とは正の相関関係を有するよう、前記第2圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項9】
前記第2センサは、
前記第1測定光を集光する第2集光部と、
前記第2集光部の焦点よりも遠くに移動可能に配置され、前記第2外圧に応じて前記第2集光部の光軸上を移動し、前記集光された第1測定光を反射する第2感圧部
とを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項10】
前記第1外圧と前記第1測定光の光強度とは正の相関関係を有するよう、前記第1圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項11】
前記第1センサは、
前記第1照射光を集光する第1集光部と、
前記第1集光部の焦点よりも遠くに移動可能に配置され、前記第1外圧に応じて前記第1集光部の光軸上を移動し、前記集光された第1照射光を反射する第1感圧部
とを備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、10のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項12】
前記第2外圧と前記第2測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、前記第2圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、10、11のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項13】
前記第2センサは、
前記第1測定光を集光する第2集光部と、
前記第2集光部の焦点よりも前記第2集光部の近くに移動可能に配置され、前記第2外圧に応じて前記第2集光部の光軸上を移動し、前記集光された第1測定光を反射する第2感圧部
とを備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、10、11、12のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
【請求項14】
第1照射光及び前記第1照射光とは波長の異なる第2照射光を照射することと、
第1圧力感度で第1外圧に応じて前記第1照射光の光強度を変化させ、第1測定光として出力することと、
前記第1圧力感度に対して正負の符号が反対の第2圧力感度で、第2外圧に応じて前記第1測定光の光強度を変化させ、第2測定光として出力することと、
前記第1照射光、前記第1測定光、及び前記第2測定光を伝搬し、前記第2照射光を参照光として伝搬することと、
前記第1照射光及び前記第2測定光に共通する第1強度変調を補正することと、
前記第2測定光及び前記参照光に共通する伝搬効率変調を補正することと、
前記第1強度変調及び前記伝搬効率変調が補正された前記第2測定光の光強度から、前記第1及び第2外圧の差圧を測定すること
とを含むことを特徴とする差圧測定方法。
【請求項15】
前記第1強度変調を補正することは、前記第2測定光の光強度を前記第1照射光の光強度で割ることを含むことを特徴とする請求項14に記載の差圧測定方法。
【請求項16】
前記伝搬効率変調を補正することは、前記第2測定光の光強度を前記参照光の光強度で割ることを含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の差圧測定方法。
【請求項17】
前記第2照射光及び前記参照光に共通する第2強度変調を補正することを更に含むことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項18】
前記第2強度変調を補正することは、前記参照光の光強度を前記第2照射光の光強度で割ることを含むことを特徴とする請求項17に記載の差圧測定方法。
【請求項19】
前記第1外圧と前記第1測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、前記第1圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項20】
前記第1測定光として出力することは、
前記第1照射光を第1集光部で集光することと、
前記第1集光部の焦点よりも前記第1集光部の近くに移動可能に配置され、前記第1外圧に応じて前記第1集光部の光軸上を移動する第1感圧部で前記集光された第1照射光を反射すること
とを含むことを特徴とする請求項14乃至19のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項21】
前記第2外圧と前記第2測定光の光強度とは正の相関関係を有するよう、前記第2圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項14乃至20のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項22】
前記第2測定光として出力することは、
前記第1測定光を第2集光部で集光することと、
前記第2集光部の焦点よりも遠くに移動可能に配置され、前記第2外圧に応じて前記第2集光部の光軸上を移動する第2感圧部で前記集光された第1測定光を反射すること
とを含むことを特徴とする請求項14乃至21のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項23】
前記第1外圧と前記第1測定光の光強度とは正の相関関係を有するよう、前記第1圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項24】
前記第1測定光として出力することは、
前記第1照射光を第1集光部で集光することと、
前記第1集光部の焦点よりも遠くに移動可能に配置され、前記第1外圧に応じて前記第1集光部の光軸上を移動する第1感圧部で前記集光された第1照射光を反射すること
とを含むことを特徴とする請求項14、15、16、17、18、23のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項25】
前記第2外圧と前記第2測定光の光強度とは負の相関関係を有するよう、前記第2圧力感度が設定されていることを特徴とする請求項14、15、16、17、18、23、24のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
【請求項26】
前記第2測定光として出力することは、
前記第1測定光を第2集光部で集光することと、
前記第2集光部の焦点よりも前記第2集光部の近くに移動可能に配置され、前記第2外圧に応じて前記第2集光部の光軸上を移動する第2感圧部で前記集光された第1測定光を反射すること
とを含むことを特徴とする請求項14、15、16、17、18、23、24、25のいずれか1項に記載の差圧測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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