説明

布地類からの液体抽出を増大させる方法

本発明は、機械的抽出手段と液体抽出剤の使用により、第1の液体コンテンツを有する布地類からの液体抽出を増大させる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国エネルギー省によって認められた、政府契約DE−FC26−01NT41261のもとに政府の支持によって行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、液体抽出剤の使用により、液体コンテンツを有する布地類からの液体抽出を増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
洗いサイクルの終了時に布地中に残存する液体の量は、布地を乾燥させるのに必要な時間とエネルギーを増大させる。布地を乾燥させる時間とエネルギーの量の低減は、消費者の大きな関心事であった。この問題に対処してきた技術もあるが、それらは、吸収性を低くするか、又は、幾つかの特定の薬剤類を付着させることによって布地表面に影響を及ぼすという布地の改質を教示することによってその問題の解決を試みるものであった。しかし、布地表面の改質は、消費者が所望する理想的な時間とエネルギーの低減を達成できないことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、洗いサイクルの終了時に、衣類中に残存する液体の量を効果的に低減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1の液体コンテンツを有する布地からの液体抽出を増大させる方法に関し、本方法は、a)布地を少なくとも1種類の液体抽出剤と接触させる工程、及び、b)布地に機械的抽出を施し、布地中の液体コンテンツを第2の液体コンテンツに低減させる工程を含み、液体抽出剤は、液体コンテンツの表面張力を40mN/m以下に低減することができる。本発明の方法の別の実施形態は、a)布地を有効量の液体抽出剤と接触させる工程、b)布地に機械的抽出を施し、布地の液体コンテンツを第1の液体コンテンツから第2の液体コンテンツに低減させる工程を含み、液体抽出剤は、約10ppm〜約3000ppmの液体抽出剤濃度で、約10ppm〜約1500ppmの臨界ミセル濃度を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
洗いサイクルの終了時に衣類中に残存する液体の量は、消費者の大量の布地類を乾燥させるのに必要な時間とエネルギーを増大させる。洗濯物を乾燥させる時間とエネルギーの量の低減は、消費者の大きな関心事であった。洗濯物を乾燥させる際にとても困難なことは、異なる保水性を有する様々な布地の種類を含む平均的な消費者の大量の布地類で、所望される乾燥時間とエネルギーの低減を達成することである。例えば、平均的な消費者の大量の布地には、合成/綿混合布地衣類と同じ消費者の大量の布地の中に、綿のタオルが混じっている場合がある。織り方が厚い綿の布地類などの、「乾きにくい」と考えられる品目は、回転脱水段階のある洗濯機などの機械的乾燥手段を使用した後でも、非常に長い乾燥時間と、非常に多くのエネルギーを必要とすることが多い。消費者が直面するさらなる問題は、洗い方法に添加される効果剤類の有効な分布である。ほとんどの消費者は、洗い方法中に添加される1回分の用量が、消費者の大量の布地全体に効果剤類を送達するのに有効であることを所望する。有効に分布しなければ、添加される効果剤から所望の消費者効果は、必ずしも得られない。従って、第1の液体コンテンツを有する布地の液体抽出を増大させ、低減された第2の液体コンテンツにする際に確認される問題は、洗い方法中に消費者の大量の布地全体に液体抽出剤類が有効に分布するかということである。
【0007】
「XからY」又は「約Xから約Y」の形式で記載されるとき、全ての範囲の数が、本明細書に明確に記載されるかのごとく、本明細書に組み込まれ、且つ包含される。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる限界は、場合によってはさらに低い又はさらに高いあらゆる限界を、こうしたさらに低い又はさらに高い限界が本明細書に明確に記載されたかのごとく含むということが、理解されるべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる範囲は、そのような広い範囲内に入るあらゆるさらに狭い範囲を、こうしたさらに狭い範囲がすべて本明細書に全て明確に記載されたかのごとく含む。
【0008】
(方法)
本発明は、機械的抽出手段、及び、液体コンテンツの表面張力を約40mN/m以下に低減できる液体抽出剤の使用により、第1の液体コンテンツを有する布地からの液体抽出を増大させ、低減した第2の液体コンテンツにする方法に関する。別の実施形態は、機械的抽出手段、及び、約10ppm〜3000ppmの液体抽出剤濃度で、約10ppm〜約1500ppmの臨界ミセル濃度を有する液体抽出剤の使用を含む。液体抽出剤は、通常、回転脱水段階などの機械的抽出手段を有する洗濯機の使用により達成される洗いの工程中に使用される。本明細書で使用する時、「低減した第2の液体コンテンツ」は、機械的抽出手段を単独で使用して達成されるものよりも少ない液体コンテンツを意味する。
【0009】
典型的な洗濯機の洗いサイクルは、次の段階を含む。まず、洗濯機に所望の布地類を投入した後、「洗い段階」を経るが、本明細書で使用する時、「洗い段階」は、洗濯機が所定の容量まで水を満たし、特定の時間攪拌し、洗い液を排出した後、洗濯機が布地類を回転脱水する段階を指す。洗い段階中、布地類は、洗い液で濡れ、第1の液体コンテンツを有する。本明細書で使用する時、「すすぎ段階」は、その次の段階を指し、この段階では、洗濯機は所定の容量まで水を満たし、特定の時間攪拌した後、洗濯機は布地類を回転脱水する時、排水する。すすぎ段階の回転脱水及び排水部分の間、少量の水が布地上に滴下する洗濯機もある。本明細書で使用する時、「散水(splash)」は、すすぎ段階中に布地類上に滴下されるが、洗濯機内に保留又は保持されない水を指す。すすぎ段階の後、布地類から液体を更に除去する1種の機械的抽出手段を使用してもよい。本発明の特許請求されている方法は、洗濯機から分離している機械的抽出手段、並びに、洗濯機の一部として組み込まれている機械的抽出手段を包含することが意図されている。本明細書で使用する時、「回転脱水段階」は、洗濯機が機械的抽出手段を組み込む段階、好ましくは、洗濯機が特定の時間、洗濯機に水を加えることなく回転脱水する段階を指す。
【0010】
液体抽出剤は、洗い方法中、いつ添加してもよい。1つの好ましい実施形態では、液体抽出剤は、洗い段階中に、第1の液体コンテンツを有する布地と接触する。別の好ましい実施形態では、液体抽出剤は、すすぎ段階中に、第1の液体コンテンツを有する布地と接触する。別の好ましい実施形態では、液体抽出剤は、いずれかの機械的抽出の直前に、好ましくは、回転脱水段階の直前に第1の液体コンテンツを有する布地と接触する。更に別の好ましい実施形態では、液体抽出剤は、すすぎ段階の散水部分の間に、第1の液体コンテンツを有する布地と接触する。液体抽出剤は、これらの段階のいずれかで、1回分の用量の形態で添加されてもよい。これらの段階のいずれかの間に液体抽出剤を添加すると、機械的抽出手段を適用したとき、低減した第2の液体コンテンツが得られる。
【0011】
本方法は、布地に機械的乾燥、空気乾燥、又はこれらの組み合わせを施す工程を更に含むことができる。本明細書で使用する時、「空気乾燥」は、物干し綱での乾燥など、室内又は屋外での乾燥を包含する。機械的乾燥手段は、好ましくは、業務用又は家庭用の乾燥機で行われるような真空乾燥又は加熱乾燥である。
【0012】
本明細書で使用する時、「布地」は、天然材料、合成材料、及び、天然/合成の混合材料を指し、以下に限定されないが、絹、羊毛、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ライクラ、及びスパンデックスが挙げられる。
【0013】
本明細書で使用する時、「液体」は、室温(約0℃〜約60℃)で液体の形態を有し得る、又は、周囲温度及び圧力(例えば、25℃で101kPa(1atm)の圧力)で液相と蒸気相の混合物を含み得る、いずれかの水性ベースの物質を指す。本明細書で使用する時、「液体」は、純粋な液体、溶液、又は、固体が水などの水性物質中に懸濁したコロイド懸濁液を更に指す。
【0014】
本明細書で使用する時、「液体コンテンツ」は、空隙などの布地組織又は構造中に介在して保持される液体を指す。液体コンテンツは、飽和から乾燥の範囲に及ぶ場合がある。本明細書で使用する時、「乾燥」は、触ったとき湿り気を感じない布地を指す。本明細書で使用する時、「飽和」は、布地の最大液体コンテンツを有する布地を指す。
【0015】
本明細書で使用する時、「有効量」は、物質又は添加剤を使用するとき、布地から抽出される水の量などの認識可能な効果を送達する物質又は添加剤の量を指す。
【0016】
(液体抽出剤)
本発明の方法で使用される液体抽出剤又はこのような液体抽出剤の混合物は、液体コンテンツの表面張力を約40mN/m以下、好ましくは約30mN/m以下、更に好ましくは約20mN/m以下に低減できる。理論に束縛されるものではないが、毛管力によって捕捉され布地組織又は空隙中に介在する液体コンテンツの表面張力が低下すると、その結果、同量の機械的抽出で、より多量の液体コンテンツが布地から除去されると考えられる。従来技術とは異なり、液体抽出剤は、最終すすぎ後に布地表面又は繊維に付着又は固着する必要はない。従って、本発明の液体抽出剤は、布地の表面特性を改質する必要はないが、むしろ布地繊維類中の液体の特性を改質する薬剤を包含する。液体抽出剤を洗いの工程中に添加する時、液体抽出剤は過度の発泡を生じさせず、洗いの工程から生じる発泡をなくすために布地を追加の液体と更に接触させる必要がないことも好ましい。
【0017】
本発明の液体抽出剤は、好ましくは、約10ppm〜約1500ppm、好ましくは約10ppm〜約300ppm、更に好ましくは約10ppm〜約100ppmの臨界ミセル濃度を有する。臨界ミセル濃度は、ASTM D1173−53に従って5分間の読みで測定した。理論に束縛されるものではないが、通常の消費者条件で、洗濯工程に最少量の物質を添加して、最適な表面張力低下を達成するために、液体抽出剤を注意深く選択することが必要であると考えられる。本発明の別の態様は、洗い段階又はすすぎ段階中に利用可能な所定量の液体、又は、散水中に利用可能な所定量の水を基準にして約10ppm〜約3000ppm、好ましくは約10ppm〜約1500ppm、最も好ましくは約10ppm〜約300ppmの濃度で、約10ppm〜約1500ppm、好ましくは約10ppm〜約300ppm、更に好ましくは約10ppm〜約100ppmの臨界ミセル濃度がすすぎ段階中に送達されるように、液体抽出剤を選択する方法を含む。好ましくは、液体抽出剤は、有効量の液体抽出剤が消費者の大量の布地全体に分布するように、洗い段階又はすすぎ段階の所定量の液体中に十分な分散性がある。
【0018】
好ましい液体抽出剤には、シリコーン化合物、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0019】
シリコーン化合物及びエマルション−シリコーン化合物及びシリコーン化合物のエマルションは、好ましい液体抽出剤である。シリコーン化学の汎用性のため、様々なシリコーン、オルガノシリコーン、置換シリコーン化合物、並びに、シリコーン化合物のエマルションは、多くの製造業者によって提供され、従って、シリコーン化合物及びエマルションは、本発明に数多くの様々な効果を提供する。
【0020】
様々なシリコーンが入手可能であるため、特定の使用状況に特定のシリコーンを選択してもよい。液体抽出剤が加工中又は使用中に発泡する傾向がある場合、発泡制御のためにシリコーン泡抑制剤を使用してもよい。また、効果又は効果の組み合わせを達成するため、シリコーンの組み合わせも本組成物中で有用である。
【0021】
好ましいが、非限定的な部類の非イオン性シリコーン界面活性剤は、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンである。典型的には、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ジメチルポリシロキサン疎水性部分と、1つ以上の親水性ポリアルキレンオキシド鎖を有する。親水性ポリアルキレンオキシド鎖を側鎖(ペンダント部分)として、又はブロックコポリマー部分としてポリシロキサン疎水性部分と共に組み込むことができる。ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、次の一般式(I)で表される。
−(CHSiO[(CH−SiO]−[(CH)(R)SiO]−Si(CH−R (I)
【0022】
ここで、式(I)のa+bは、約1〜約50、好ましくは約1〜約30、更に好ましくは約1〜約25であり、式(I)の各Rは同じであるか又は異なり、メチル、及び一般式(II)を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基からなる群から選択され、
−(CHO(CO)(CO) (II)
ここで、式(II)のnは3又は4、好ましくは3であり、全ポリアルキレンオキシ側鎖基について、式(II)のcは、1〜約100、好ましくは約6〜約100の値を有し、ここで、式(II)のc+dは約5〜約150、好ましくは約7〜約100の値を有し、式(II)の各Rは同じであるか又は異なり、水素、炭素数1〜4のアルキル、アセチル基、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは式(II)のRは、水素及び/又はメチル基から選択される。各ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、式(I)の少なくとも1つのR基がポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基である。
【0023】
これらの種類の界面活性剤の非限定例は、現在、ニューヨーク州タリータウン、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company,Tarrytown,New York)の一事業部であるOSIスペシャルティーズ社(OSI Specialties Inc.)から入手可能な、シルウェット(SILWET)(登録商標)界面活性剤である。エチレンオキシ(CO)基だけを含有する代表的なシルウェット(SILWET)(登録商標)界面活性剤は、次の通りである。
【表1】

【0024】
エチレンオキシ(CO)基とプロピレンオキシ(CO)基の両方を含有するシルウェット(SILWET)(登録商標)界面活性剤の非限定例は、次の通りである。
【表2】

【0025】
プロピレンオキシ(CO)基だけを含有するシルウェット(SILWET)(登録商標)界面活性剤の非限定例は、次の通りである。
【表3】

【0026】
ポリアルキレンオキシドポリシロキサンの重量平均分子量は、約0.17ag(10,000ダルトン)以下である。好ましくは、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンの重量平均分子量は、約0.013ag(8,000ダルトン)以下であり、最も好ましくは約0.0005ag(300ダルトン)〜約0.008ag(5,000ダルトン)の範囲である。そのため、式(I)及び(II)のa、b、c及びdの値は、これらの範囲内の重量平均分子量を提供する数とすることができる。しかし、ポリエーテル鎖(式(I)のR)中のアルコキシ単位(−CO又は−CO)の数は、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンを水分散性又は水溶性にするのに十分でなければならない。ポリアルキレンオキシ鎖にプロピレンオキシ基が存在する場合、それらは鎖中にランダムに分布するか、又はブロックとして存在する可能性がある。好ましいシルウェット(SILWET)(登録商標)は、所望の臨界ミセル濃度内で最大の表面張力低下を提供する。好ましいシルウェット(SILWET)(登録商標)の非限定例には、L7001、L7002、L7087、L7280、L7608及びL77が挙げられる。本発明で有用なポリアルキレンオキシドポリシロキサンの他の非限定例には、ダウ・コーニング(DOW CORNING)(登録商標)から入手可能な次の化合物、190界面活性剤(190 Surfactant)、193界面活性剤(193 Surfactant)、FF−400液(FF-400 Fluid)、Q2−5220、Q4−3667、Q2−5211、Q2−5211シルガード(SYLGARD)(登録商標)309、並びに、SH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3746、SH3748、SH3749、SH8400、SF8410、及びSH8700として既知の東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)(Toray Dow Corning Silicone Co.,Ltd.)から入手可能な化合物、信越化学工業(株)(Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.)のKF351(A)、KF352(A)、KF354(A)及びKF615(A)、東芝シリコーン(株)(Toshiba Silicone Company)のTSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452、及び、GEシリコーンズ(GE Silicones)のSF1488が挙げられる。好ましい特性を有するシルウェット(SILWET)(登録商標)界面活性剤などのシリコーン界面活性剤の混合物も好ましい。
【0027】
ポリアルキレンオキシドポリシロキサンの調製は当該技術分野で周知である。本発明のポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、米国特許第3,299,112号に記載の手順に従って調製することができる。典型的には、本発明のポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ヒドロシロキサン(例えば、ケイ素結合した水素を含有するシロキサン)とアルケニルエーテル(例えば、アルコキシ又はヒドロキシで末端停止されたポリアルキレンオキシドのビニル、アリル、又はメタリルエーテル)との付加反応によって容易に調製される。この種の付加反応に使用される反応条件は、当該技術分野で周知であり、一般に、白金触媒(例えば、塩化白金酸)と溶媒(例えば、トルエン)の存在下で反応物を(例えば、約85℃〜110℃の温度で)加熱することを含む。
【0028】
界面活性剤−本発明による他の好ましい液体抽出剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性界面活性剤、両性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤、アルキルアルコールのような他の補助剤、又はこれらの混合物を含む界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよい。陰イオン性界面活性剤の非限定例としては、中鎖分岐アルキルサルフェート、変性直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、直鎖及び分岐鎖アルキルサルフェート、直鎖及び分岐鎖アルキルアルコキシサルフェート、並びに脂肪族カルボキシレートが挙げられる。非イオン性界面活性剤の非限定例としては、アルキルエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、及びアルキルグリコシドが挙げられる。他の適した界面活性剤としては、アミンオキシド、四級アンモニウム界面活性剤、及びアミドアミンが挙げられる。
【0029】
(陰イオン性界面活性剤)
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤の非限定例には、次のものが挙げられる。
a)C11〜C18のアルキルベンゼンスルホネート(LAS)、
b)C10〜C20の一級、分岐鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)、
c)式(III)及び(IV)を有するC10−C18の二級(2,3)アルキルサルフェート、
【化1】

式(III)及び(IV)のMは、電荷の中性を提供する水素又は陽イオンである。本発明の目的では、界面活性剤又は補助剤成分と結合しているかどうかに関わらず、当業者によって単離される形態、又は、化合物が使用される系の相対的pHに応じて、M単位は全て水素原子又は陽イオンのどちらかとすることができる。好ましい陽イオンの非限定例には、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。ここで、式(III)及び(IV)のxは、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、式(III)及び(IV)のyは、少なくとも約8、好ましくは少なくとも約9の整数である。
d)C10〜C18のアルキルアルコキシサルフェート(AES)、好ましくはxが1〜30であるもの、
e)C10〜C18のアルキルアルコキシカルボキシレート、好ましくは1〜5のエトキシ単位を含むもの、
f)式(V)を有する中鎖分岐アルキルサルフェート、
【化2】

g)式(VI)を有するアルキルアルコキシサルフェート、
【化3】

【0030】
ここで、中鎖分岐アルキルサルフェートとアルキルアルコキシサルフェートの両方について、式(V)及び(VI)中のR、R、及びRは、それぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、及びこれらの混合物であるが、但し、式(V)及び(VI)中のR、R、及びRの少なくとも1つは水素ではないことを条件とし、好ましくは、式(V)及び(VI)中のR、R、及びRはメチルであり、好ましくは、式(V)及び(VI)中のR、R、及びRの1つはメチルであり、且つ他の単位は水素である。中鎖分岐アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤の全炭素数は14〜20であり、式(V)及び(VI)中の指数wは0〜13の整数であり、式(V)及び(VI)中のxは0〜13の整数であり、式(V)及び(VI)中のyは0〜13の整数であり、式(V)及び(VI)中のzは少なくとも1の整数であるが、但し、w+x+y+zが8〜14であり、且つ界面活性剤中の全炭素数が14〜20であることを条件とし、式(VI)中のRはC〜Cの直鎖又は分岐アルキレンであり、好ましくはエチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン、及びこれらの混合物である。しかし、本発明の好ましい実施形態は、式(VI)中のRが1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、又はこれらの混合物である単位を1〜3個含み、エチレン単位を含む式(VI)中のR単位の残部がそれに続く。別の好ましい実施形態は、ランダムにエチレン単位及び1,2−プロピレン単位である、式(VI)中のR単位を含む。式(VI)中の指数mの平均値は、少なくとも約0.01である。式(VI)中の指数mの値が小さいとき、界面活性剤系は、少量のアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と共に、大部分はアルキルサルフェートを含む。アルキル鎖にいくつかの三級炭素原子が存在してもよいが、この実施形態は、望ましくない。
【0031】
式(V)及び式(VI)中のMは、陽イオン、好ましくは水素、水溶性陽イオン、及びこれらの混合物を表す。水溶性陽イオンの非限定例には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
本発明の好ましい中鎖分岐アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤は、「実質的に直鎖」の界面活性剤である。「実質的に直鎖」の用語は、本発明の目的では、「1つの分岐単位を含むアルキル単位、又は、直鎖(非分岐)アルキル単位と1つの分岐単位を含むアルキル単位との混合物を含む化学反応生成物」と定義される。「化学反応生成物」の用語は、実質的に直鎖のアルキル単位が所望の生成物であるが、それにも関わらず幾つかの非分岐アルキル単位が形成される方法によって得られる混和物を指す。この定義を、好ましくは、式(V)及び式(VI)中のR、R、及びRの1つはメチルであり、且つ、他の単位は水素であるということと一緒に考慮すると、好ましい中鎖分岐アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤は、1つのメチル分岐を含み、好ましくは前記メチル分岐は、α、β−炭素原子上に存在しない。典型的には、分岐鎖は、異性体の混合物である。
【0033】
以下に、中鎖分岐アルキルサルフェート及びアルコキシアルキルサルフェート界面活性剤の好ましい例を示す。
【0034】
式(VII)8−メチルウンデシルサルフェート、
【化4】

式(VIII)3−メチルウンデシルサルフェート、
【化5】

式(IX)3−メチルトリデシルサルフェート、
【化6】

式(X)8−メチルトリデシルサルフェート、
【化7】

h)式(XII)を有する中鎖分岐アリールスルホネート、
【化8】

ここで、式(XII)中のAは、式(XIII)を有する中鎖分岐アルキル単位であり、
【化9】

【0035】
ここで、式(XIII)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、及びこれらの混合物であるが、但し、式(XIII)中のR及びRの少なくとも1つは水素ではないことを条件とし、好ましくは、式(XIII)中の少なくとも1つのR又はRはメチルであり、ここで、前記アルキル単位中の全炭素数は6〜18である。アルキル鎖にいくつかの三級炭素原子が存在してもよいが、この実施形態は、望ましくない。
【0036】
式(XIII)中の整数xは、0〜13である。式(XIII)中の整数yは、0〜13である。式(XIII)中の整数zは、0又は1、好ましくは0である。
【0037】
式(XII)中のRは、水素、C〜Cアルキル、及びこれらの混合物である。好ましくは、式(XII)中のRは、水素である。
【0038】
式(XII)中のM’は、中性を提供するのに十分な電荷を有する水溶性陽イオン、好ましくは水素、水溶性陽イオン、及びこれらの混合物を表す。水溶性陽イオンの非限定例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
本発明の一実施形態では、中鎖分岐アリールスルホネート界面活性剤は、「実質的に直鎖のアリール」界面活性剤である。「実質的に直鎖のアリール」の用語は、本発明の目的では、「アリール単位と合わせて考慮されるアルキル単位であって、前記アルキル単位が好ましくは1つの分岐単位を含むが、混和物の一部として2位の炭素に結合したアリール単位を有する非分岐直鎖アルキルが、実質的に直鎖のアリール界面活性剤として包含されるアルキル単位」と定義される。好ましいアルキル単位は、最後の炭素原子に対して2番目の位置にメチル分岐を有していない。典型的には、分岐鎖は、異性体の混合物である。しかし、本発明の中鎖分岐アリールスルホネートの場合、アリール部分の相対的な位置が界面活性剤の機能性の鍵となる。好ましくは、アリール部分は、下記に示すように分岐鎖の2番目の炭素原子に結合している。
【0040】
1つ以上の実施形態では、本発明の中鎖分岐アリールスルホネートは、分岐鎖の混合物を含む。好ましくは、式(XIII)中のRは、メチルであり、式(XIII)中の指数zは0であり、サルフェート部分は、分岐アルキル置換基のパラ位(1,4)にあり、それによって本明細書に一般式(XIV)で定義される「2−フェニルアリールスルホネート」が得られる。
【化10】

ここで、式(XIV)中のx及びyは、式(XIII)中に記載されるものと同じである。
【0041】
典型的には、2−フェニルアリールスルホネートは、一般式(XV)で本明細書中に定義される「3−フェニルアリールスルホネート」と一緒に混合物として形成される。
【化11】

ここで、式(XV)中のx及びyは、式(XIII)中に記載されるものと同じである。
【0042】
本発明の中鎖分岐アリールスルホネートの界面活性剤特性は、最終界面活性剤混合物中の2−フェニル異性体、対、3−フェニル異性体の比を変えることによって変更することができる。存在する異性体の相対的な量を記載する好都合な手段は、「存在する2−フェニル異性体の量を、存在する3−フェニル異性体の量で除した商を100倍したもの」として、本明細書に定義される「2/3フェニル指数」である。いずれかの好都合な手段、とりわけ、NMRを使用して、存在する異性体の相対量を決定することができる。好ましい2/3フェニル指数は、少なくとも約275であり、これは、界面活性剤混合物中に3−フェニル異性体よりも2−フェニル異性体の方が少なくとも2.75倍多く存在することに対応する。本発明による好ましい2/3−フェニル指数は、約275以上、更に好ましくは約350以上、最も好ましくは約500〜約10,000、好ましくは約1200以下、更に好ましくは約700以下である。
【0043】
当業者には、本発明の中鎖分岐界面活性剤が異性体の混合物であり、混合物の組成は、界面活性剤を製造するため配合者によって選択される方法に応じて変わることが分かるであろう。例えば、次の混和物は、本発明による実質的に直鎖の中鎖分岐アリールスルホネート混和物を構成すると考えられる。p−(7−メチルノナン−2−イル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−(6−メチルノナン−2−イル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−(7−メチルノナン−3−イル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−(7−メチルデカン−2−イル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−(7−メチルノナニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム。
【0044】
(非イオン性界面活性剤)
本発明による非イオン性界面活性剤の非限定例には、以下のものが挙げられる。
【0045】
i)C12〜C18のアルキルエトキシレート、とりわけ、シェル(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤、
ii)アルコキシレート単位がエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物である、C〜C12のアルキルフェノールアルコキシレート、
iii)エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、とりわけ、BASF製のプルロニック(Pluronic)(登録商標)とC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノールの縮合体
iv)次式(XVI)を有するC14〜C22の中鎖分岐アルコール、BA、
【化12】

及び
v)次式(XVII)を有するC14〜C22の中鎖分岐アルキルアルコキシレート、BAE
【化13】

【0046】
ここで、式(XVI)及び(XVII)中のR、R、及びRは、それぞれ独立に水素、C〜Cアルキル、及びこれらの混合物であるが、但し、式(XVI)及び(XVII)中のR、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないことを条件とし、好ましくは、式(XVI)及び(XVII)中のR、R、及びRはメチルであり、好ましくは式(XVI)及び(XVII)中のR、R、及びRの1つはメチルであり、且つ、他の単位は水素である。中鎖分岐アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤中の全炭素数は14〜20であり、式(XVI)及び(XVII)中の指数wは0〜13の整数であり、式(XVI)及び(XVII)中のxは0〜13の整数であり、式(XVI)及び(XVII)のyは0〜13の整数であり、式(XVI)及び(XVII)のzは少なくとも1の整数であるが、但し、w+x+y+zが8〜14であり、且つ、界面活性剤中の全炭素数が14〜20であることを条件とし、式(XVI)中のRはC〜Cの直鎖又は分岐アルキレンであり、好ましくはエチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン、及びそれらの混合物であり、式(XVI)中の指数mの平均値は少なくとも約0.01である。式(XVI)中の指数mの値が小さいとき、界面活性剤系は、少量のアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤と共に、大部分はアルキルサルフェートを含む。
【0047】
vi)米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)、1986年1月26日発行)に開示されているようなアルキル多糖、
vii)式(XVIII)を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド、
【化14】

ここで、式(XVIII)中のRは、C〜C21の直鎖アルキル、C〜C21の分岐アルキル、C〜C21の直鎖アルケニル、C〜C21の分岐アルケニル、及びこれらの混合物である。
【0048】
式(XVIII)中のRはエチレンであり、式(XVIII)中のRは、C〜Cの直鎖アルキル、C〜Cの分岐アルキル、及びこれらの混合物であり、好ましくは、式(XVIII)中のRは1,2−プロピレンである。式(XVIII)中にR単位とR単位の混合物を含む非イオン性界面活性剤は、好ましくは約4〜約12個のエチレン単位を約1〜約4個の1,2−プロピレン単位と組み合わせて含む。これらの単位は交互してもよいし、配合者に適したいずれかの組み合わせでまとまっていてもよい。好ましくは、式(XVIII)中のR単位とR単位との比は約4:1〜約8:1である。好ましくは、式(XVIII)中のR単位(すなわち、1,2−プロピレン)が窒素原子に結合しており、4〜8個のエチレン単位を含む鎖の残部がそれに続く。
【0049】
式(XVIII)中のRは、水素、C〜Cの直鎖アルキル、C〜Cの分岐アルキル、及びこれらの混合物であり、好ましくは水素又はメチルであり、より好ましくは水素である。
【0050】
式(XVIII)中のRは、水素、C〜Cの直鎖アルキル、C〜Cの分岐アルキル、及びこれらの混合物であり、好ましくは水素である。式(XVIII)中の指数mが2のとき、式(XVIII)中の指数nは0でなければならず、式(XVIII)中のR単位は存在せず、代わりに、−[(RO)(RO)]単位で置換される。
【0051】
式(XVIII)中の指数mは1又は2であり、式(XVIII)中の指数nは0又は1であるが、但し、式(XVIII)中のmが1のとき、式(XVIII)中のnは1であり、式(XVIII)中のmが2のとき、式(XVIII)中のnは0であることを条件とし、好ましくは、式(XVIII)中のmが1であり、且つ式(XVIII)中のnが1であり、その結果、式(XVIII)中に1つの−[(RO)(RO)]単位と、Rが窒素上に存在する。式(XVIII)中の指数xは0〜約50、好ましくは約3〜約25、より好ましくは約3〜約10である。式(XVIII)中の指数yは、0〜約10、好ましくは0であるが、式(XVIII)中の指数yが0ではないとき、式(XVIII)中のyは1〜約4である。好ましくは、アルキレンオキシ単位は全て、エチレンオキシ単位である。エトキシル化ポリオキシアルキレンアルキルアミド界面活性剤の分野の当業者には、式(XVIII)中の指数x及びyの値は平均値であり、真の値は、アミドをアルコキシル化するのに使用される方法に応じていくつかの値にわたり得ることが分かる。
【0052】
(陽イオン性界面活性剤)
好ましい陽イオン性界面活性剤は、四級アンモニウム界面活性剤である。好ましい四級アンモニウム界面活性剤は、モノC〜C16、好ましくはC〜C10のN−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤から成る群から選択され、ここで残りのN位は、メチル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基で置換されている。別の好ましい陽イオン性界面活性剤は、第四級コリンエステルのような、第四級アンモニウムアルコールのC〜C18アルキル又はアルケニルエステルである。より好ましくは、陽イオン性界面活性剤は、式(XIX)を有する。
【化15】

ここで、式(XIX)中のR1は、C〜C18ヒドロカルビル及びこれらの混合物、好ましくはC8〜14アルキル、より好ましくはC、C10又はC12のアルキルであり、式(XIX)中のXは、陰イオン、好ましくは塩化物イオン又は臭化物イオンである。
【0053】
(フッ素系界面活性剤)
フッ素系界面活性剤も、本発明中に液体抽出剤として使用してよい。適したフッ素系界面活性剤には、以下に限定されないが、フルオロアルキルカルボキシレート、フルオロアルキルホスフェート、フルオロアルキルサルフェートなどの陰イオン性フッ素系界面活性剤、以下に限定されないが、フルオロアルキルエトキシレートなどの非イオン性フッ素系界面活性剤、以下に限定されないが、四級アンモニウム塩などの陽イオン性フッ素系界面活性剤、並びに、以下に限定されないが、ベタインなどの両性フッ素系界面活性剤が挙げられる。好ましいフッ素系界面活性剤は、デュポン(DUPONT)(登録商標)社からゾニル(ZONYL)(登録商標)の商品名で、3M(登録商標)からフルオラッド(FLUORAD)(登録商標)の商品名で、クラリアント(CLARIANT)(登録商標)からフルオウェット(FLUOWET)(登録商標)の商品名で入手可能である。
【0054】
(補助剤物質)
液体抽出剤は、更に、布地類を速く乾燥させること以外の効果を送達する補助剤物質を包含してもよい。これらの追加の構成成分の正確な性質、及びその混入濃度は、液体抽出剤の物理的形態、及び、それが使用される洗浄操作の性質に依存する。適した補助剤物質には、以下に限定されないが、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性剤、柔軟仕上げ剤、摩擦防止剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料、及び他の布地ケア剤が挙げられる。以下の開示に加えて、このような他の補助剤の適した例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0055】
(液体抽出剤補助剤)
本発明では、液体抽出剤を使用し、本発明の所望の結果を達成することを補助し、液体抽出剤の性能を助けることが望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、このような補助剤は、所望の界面(例えば、水/空気)で液体抽出剤のパッキングを改善することができる。液体抽出剤補助剤は、アルキルアルコールを包含してもよい。
【0056】
(泡抑制剤)
本発明では、泡抑制剤を使用して過度の発泡を防止することが望ましい場合がある。本明細書で使用する時、「過度の発泡」は、すすぎ終了時に衣類に付いている目に見える発泡の形成、又は、その結果生じる、洗濯機ドラムの回転脱水作用を妨げる発泡(泡)(「泡ロッキング(suds locking)」と称される現象)を指す。様々な物質を泡抑制剤として使用してもよく、泡抑制剤は当業者に周知である。例えば、カーク・オスマー工業化学事典、第3版、7巻、430〜447頁(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、1979年)(Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,Volume 7,pages 430-447(John Wiley & Sons,Inc.,1979))を参照のこと。本発明は、非界面活性剤泡抑制剤を含有してもよい。これらには、例えば、高分子量炭化水素、N−アルキル化アミノトリアジン、モノステアリルホスフェート、シリコーン泡抑制剤、二級アルコール(例えば、2−アルキルアルカノール)及びこのようなアルコールとシリコーンオイルとの混合物が挙げられる。炭化水素泡抑制剤は、例えば、米国特許第4,265,779号(ガンドルフォ(Gandolfo)ら、1981年5月5日発行)に記載されている。シリコーン泡抑制剤は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第4,265,779号(ガンドルフォ(Gandolfo)ら、1981年5月5日発行)、及びEP354 016に開示されている。アルコールとシリコーンオイルとの混合物は、米国特許第4,798,679号、同第4,075,118号、及びEP150,872に記載されている。前述の泡抑制剤全ての追加の例は、PCT国際公開WO00/27958に見ることができる。
【0057】
(試験方法)
液体抽出剤の表面張力及び臨界ミセル濃度(CMC)は、デノイ・リング(DeNouy Ring)法又はウィルヘルミー・プレート(Wilhelmy Plate)法のどちらかを使用して25℃の水溶液で測定しなければならない。液体抽出剤のCMCを決定する1つの方法は、様々な濃度の液体抽出剤を含有する溶液の表面張力を測定することである。表面張力、対、濃度のプロットから、特定の条件下における薬剤のCMCを計算できる。この測定の一例は、図1に供給元(OSIスペシャルティーズ(OSI Specialties))によって報告された下記のシルウェット(SILWET)L−77及びL−7280の表面張力特性によって例証される。
【数1】

【0058】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。どの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の液体コンテンツを有する布地類からの液体抽出を増大させる方法であって、
a)第1の液体コンテンツを有する該布地を、有効量の少なくとも1種類の液体抽出剤と接触させる工程、
b)該布地に機械的抽出を施し、該布地の液体コンテンツを第2の液体コンテンツに低減させる工程、
を含み、該液体抽出剤が、該液体コンテンツの表面張力を40mN/m以下に低減できる方法。
【請求項2】
該液体抽出剤が、約10ppm〜約1500ppmの臨界ミセル濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該液体抽出剤が、機械的抽出の直前に該布地と接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該方法が、洗濯機内で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該液体抽出剤が、すすぎサイクル中に該布地と接触する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該液体抽出剤が1回分の用量で添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該液体抽出剤が、約10ppm〜約3000ppmの液体抽出剤濃度を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
該方法が、c)該布地に機械的乾燥、空気乾燥、及びこれらの組み合わせを施す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該液体抽出剤が、香料、柔軟化剤、皺防止剤、緩衝剤、酵素、分散剤、泡抑制剤、ビルダー、染料、増白剤、漂白剤、及びこれらのいずれかの混合物を含む群から選択される追加の薬剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該液体抽出剤の使用が、過度の泡立ちを防止するため、泡抑制剤と組み合わせて使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の液体コンテンツを有する布地からの液体抽出を増大させる方法であって、
a)該布地を有効量の液体抽出剤と接触させる工程、
b)該布地に機械的抽出を施し、該布地の液体コンテンツを第2の液体コンテンツに低減させる工程、
を含み、該液体抽出剤が、約10ppm〜約3000ppmの液体抽出剤濃度で、約1500ppm〜約10ppmの臨界ミセル濃度を有する方法。

【公表番号】特表2006−525847(P2006−525847A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509106(P2006−509106)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/019728
【国際公開番号】WO2004/113810
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】