説明

帯状ワークの自動セット装置及び自動セット方法

【課題】高所位置を搬送経路に含む帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークをセットする作業を、安全に且つ効率良く実施できるようにする。
【解決手段】上昇経路と水平搬送経路と降下経路とを搬送経路とする帯状ワークWの搬送装置5に当該帯状ワークWを自動的にセットする帯状ワークの自動セット装置であって、帯状ワークWの先端に治具8を取り付けた状態で治具8が第1高所位置P1に到達するように帯状ワークWを上昇させる第1搬送手段4と、第1高所位置P1と第2高所位置P2との間で水平移動可能に構成されると共に第1高所位置P1に到達した治具8に結合し且つ第2高所位置P2に到達した治具8から離脱可能に構成された結合部631を有する第2搬送手段と、結合部631から離脱した治具8が第2高所位置P2から下方に向けて降下するように帯状ワークWを降下させる第3搬送手段7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状ワークの自動セット装置及び自動セット方法に関する。より詳しくは、高所位置を搬送経路に含む帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークを自動的にセットする装置及び方法に関し、特に帯状ワークの露光装置や印刷装置などへの適用に好適である。
【背景技術】
【0002】
図7は従来における帯状ワークの両面露光装置10を示す正面概略図である。図7に示すように、両面露光装置10は、帯状ワークWの表側面に露光を行う第1ステージ20と、帯状ワークWの裏側面に露光を行う第2ステージ30とを備え、間歇搬送された帯状ワークWの表側面及び裏側面に対してこの順に露光処理を行う装置である(特許文献1参照)。
【0003】
このような両面露光装置10への帯状ワークWのセットは、次のようにして行っていた。すなわち作業者は、まず軸J1回りに回転自在に装着された送り出しリール21から、帯状ワークWの先端を手でつまみ、送り出しリール21を回転させながら徐々に帯状ワークWを繰り出す。繰り出した帯状ワークWをガイドローラ22及び第1エアダンサー部23にセットした後、グリッパ41の隙間に通す。
【0004】
次に作業者は横長の踏み台の上に載り、帯状ワークWの先端を持って高所位置P1(床面から3m弱程度)まで引き上げ、第1ワーク搬送ガイド部5の最上流部で角度を90度変化させ、帯状ワークWを徐々に繰り出しながら、踏み台の上を図中矢印X1方向に移動する。そして、帯状ワークWの正面視形状が略逆U字形となるように第1ワーク搬送ガイド部5に掛け渡す。帯状ワークWの先端は、踏み台を使わなくても届く高さとなる位置まで垂らす。次に作業者は踏み台を降り、帯状ワークWの先端をグリッパ241の隙間に通し、第2エアダンサー部26にセットする。その後、裏側面露光ステージ30についても上と同様な要領でセットする。
【特許文献1】特願2005−039635号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、上述のような両面露光装置により露光を行う現場では、作業者は、一日に数十回も上記作業を行う。このように高所位置での帯状ワークのセット作業を、一日に数十回も行うことは、作業者にとって精神的及び肉体的に大きな負担となる。また、踏み台上で移動しながらの作業であるため危険が伴う。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高所位置を搬送経路に含む帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークをセットする作業を、安全に且つ効率良く実施できる帯状ワークの自動セット装置及び自動セット方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、帯状ワークWを下方から第1高所位置P1に引き上げる上昇経路L1と、第1高所位置P1から第2高所位置P2に水平搬送する水平搬送経路L2と、第2高所位置P2から下方に降下する降下経路L3とを搬送経路とする帯状ワークWの搬送装置5に当該帯状ワークWを自動的にセットする帯状ワークの自動セット装置であって、帯状ワークWの先端に治具8を取り付けた状態で治具8が第1高所位置P1に到達するように帯状ワークWを上昇させる第1搬送手段4と、第1高所位置P1と第2高所位置P2との間で水平移動可能に構成されると共に第1高所位置P1に到達した治具8に結合し且つ第2高所位置P2に到達した治具8から離脱可能に構成された結合部631を有する第2搬送手段6と、結合部631から離脱した治具8が第2高所位置P2から下方に向けて降下するように帯状ワークWを降下させる第3搬送手段7とを備えることを特徴とする
【0008】
請求項2の発明では、前記治具8は、切欠溝81を備え、前記第2搬送手段6は、第1高所位置P1における上下位置に設けられたプーリ62b,62aと、第2高所位置P2における上下位置に設けられたプーリ62c,61と、これら各プーリに掛け渡され前記切欠溝81に掛合可能な凸部631を表側面に備えた無端状のタイミングベルト63と、タイミングベルト63の走行方向が第1高所位置P1において下から上となるようにプーリ61を駆動するプーリ駆動部64とを備える。
【0009】
請求項3の発明では、前記第3搬送手段7は、第2高所位置P2における帯状ワークWを挟持しながら回転駆動する駆動ローラ65とニップローラ71とからなる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の帯状ワークの自動セット装置を用いた帯状ワークの自動セット方法であって、帯状ワークWの先端に治具8を取り付けた状態で治具8が第1高所位置P1に到達するように第1搬送手段4により帯状ワークWを上昇させるステップと、第1高所位置P1に到達した治具8を第2搬送手段6における結合部631に結合するステップと、結合部631に結合した治具8を第2搬送手段6により第1高所位置P1から第2高所位置P2に水平移動させるステップと、第2高所位置P2に到達した治具8を第2搬送手段6における結合部631から離脱するステップと、結合部631から離脱した治具8が第2高所位置P2から下方に向けて降下するように帯状ワークWを第3搬送手段7により降下させるステップとを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、前記各ステップを一連のシーケンスプログラムにより実行する。
【0012】
請求項1,4の発明によると、まず第1搬送手段4により、帯状ワークWの先端に治具8を取り付けた状態で治具8が第1高所位置P1に到達するように帯状ワークWを上昇させる。続いて第1搬送手段4により、第1高所位置P1に到達した治具8を第2搬送手段6における結合部631に結合させる。続いて第2搬送手段6により、結合部631に結合した治具8を第1高所位置P1から第2高所位置P2に水平移動させる。続いて第2高所位置P2に到達した治具8を第2搬送手段6における結合部631から離脱させる。最後に第3搬送手段7により、結合部631から離脱した治具8が第2高所位置P2から下方に向けて降下するように帯状ワークWを降下させる。以上の動作により、上昇経路L1と水平搬送経路L2と降下経路L3とを搬送経路とする帯状ワークWの搬送装置5に当該帯状ワークWを自動的にセットすることができる。
【0013】
請求項2の発明によると、凸部631は、第1高所位置P1において下方から上方に向けて走行しているときに、第1高所位置P1に到達した治具8の切欠溝81に掛合する。第1高所位置P1における上下位置にプーリ62b,62aが設けられるため、タイミングベルト63は、上流端部において長い上昇距離を得ることができる。このため凸部631は、余裕をもって治具8を捕らえることができる。
【0014】
請求項3の発明によると、駆動ローラ65とニップローラ71とは、第2高所位置P2における帯状ワークWを挟持させながら回転駆動するので、結合部631と治具8とが離脱した状態でも帯状ワークWは下方に向けて導かれる。
【0015】
請求項5の発明によると、作業者が操作パネル9を操作する手間が少なくて済む。
【0016】
なお、請求項1及び請求項4における「結合」の意味は、「掛合」の上位概念としたものである。したがって、結合の仕方は「掛合」に限らず例えば磁気吸着や真空吸着であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、高所位置を搬送経路に含む帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークをセットする作業を、安全に且つ効率良く実施できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明に係る帯状ワークの自動セット装置を用いた両面露光装置の正面概略図、図2は治具を帯状ワークの先端に取り付けた状態を示す図、図3は本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の正面一部断面図、図4は本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の平面一部断面図、図5は治具の切欠溝が凸状部に掛合した状態を示す図、図6は本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の動作を説明するための図である。なお、図5(B)は図5(A)のI−I線矢視図である。
【0019】
図1に示すように、両面露光装置1は、帯状ワークWの表側面に露光を行う表側面露光ステージ2と、帯状ワークWの裏側面に露光を行う裏側面露光ステージ3とを備え、間歇搬送された帯状ワークWの表側面及び裏側面に対してこの順に露光処理を行う装置である。
【0020】
表側面露光ステージ2は、送り出しリール21、第1ガイドローラ22、第1エアダンサー部23、第1上流グリップフィード部4、第1ワーク搬送ガイド部5、第1ワーク送り部6、第1ニップローラ部7、第1下流グリップフィード部24、第1露光部25及び第2エアダンサー部26などを備える。第1露光部25は、光源(図示せず)、第1反射ミラー251、第1露光マスク252及び第1吸着テーブル253などを備える。裏側面露光ステージ3は、第2上流グリップフィード部4R、第2ワーク搬送ガイド部5R、第2ワーク送り部6R、第2露光部35、第2下流グリップフィード部36、第3エアダンサー部37、第2ガイドローラ38及び巻き取りリール39などを備える。第2露光部35は、第2反射ミラー351、第2露光マスク352及び第2吸着テーブル353などを備える。両面露光装置1の制御は、リモート式の操作パネル9により行う。
【0021】
本発明に係る帯状ワークの自動セット装置は、表側面露光ステージ2と裏側面露光ステージ3とにそれぞれ1つずつ設けられる。表側面露光ステージ2における帯状ワークの自動セット装置は、次段落に説明する治具8、第1上流グリップフィード部4、第1ワーク搬送ガイド部5、第1ワーク送り部6及び第1ニップローラ部7を構成要素とする。裏側面露光ステージ3における帯状ワークの自動セット装置は、治具8、第2上流グリップフィード部4R、第2ワーク搬送ガイド部5R、第2ワーク送り部6R及び第2ニップローラ部7Rを構成要素とする。両者は基本的に同様な構成及び動作であるため、本明細書では、表側面露光ステージ2における帯状ワークの自動セット装置について詳細に説明する。
【0022】
治具8は、PET樹脂等の合成樹脂を材質とし、図2に示すように、セットの対象となる帯状ワークWの幅よりも幅広の扁平長尺形状を呈する。その厚さは、帯状ワークWの厚さとほぼ同じとされる。また、その幅方向に延在する両側部分には、それぞれ四角形の切欠溝81を備える。治具8は、例えば粘着テープ、締結ボルト、または自在クリップなどの使用により帯状ワークWの先端に着脱自在とされる。
【0023】
第1上流グリップフィード部4は、図3及び図4に示すように、グリッパ41、スライダ42及びグリッパ駆動部43を備える。グリッパ41は、帯状ワークWを負圧により吸着保持可能な吸着テーブル411と、吸着テーブル411に吸着保持された帯状ワークWの両端部を吸着テーブル411との間で挟持可能に設けられた左右一対の爪部材412と、爪部材412を挟持位置と解除位置とに切り替えて配置可能とするエアーシリンダ413とから構成される。エアーシリンダ413は、ブラケット414を介して吸着テーブル411に取り付けられる。スライダ42は、グリッパ41が上下方向にスライド自在に取り付けられる垂直レール体である。グリッパ駆動部43は、スライダ42の下部に取り付けられ回転軸を備えたサーボモータ431と、一端がグリッパ41に連結し他端が上記サーボモータ431の回転軸に連結したボールネジ432とを備える。なお、グリッパ駆動部43を、スライダ42の上部に取り付ける構成としてもよい。
【0024】
第1ワーク搬送ガイド部5は、図3及び図4に示すように、帯状ワークWの水平搬送経路L2と直交する方向に対向して配される2枚のフレーム板51と、フレーム板51間に帯状ワークWの水平搬送経路L2に沿って互いに平行に配列されると共にフレーム板51に回転自在に支承された複数本のフリーローラ52とからなり、上り勾配を有する上流ターンガイド部5Aと、水平搬送面を有する水平ガイド部5Bと、下り勾配を有する下流ターンガイド部5Cとに区分けされる。フリーローラ52の長手方向の長さは、帯状ワークWの幅よりも若干長いものとされる。フリーローラ52は、表側面露光ステージ2への帯状ワークWのセットが完了した後において、帯状ワークWを搬送するためのガイド面として機能する。
【0025】
第1ワーク送り部6は、第1ワーク搬送ガイド部5に組み付けられた形態をとり、フレーム板51に回転自在に支承され外周部に歯部を形成した駆動側プーリ61と、同じくフレーム板51に回転自在に支承され外周部に歯部を形成した従動側プーリ62(62a,62b,62c)と、内周部に形成した歯部が駆動側プーリ61の歯部と従動側プーリ62の歯部とに噛み合うように掛け渡された無端状のタイミングベルト63と、駆動側プーリ61に直結する回転駆動モータ64とを備える。タイミングベルト63は、左右一対とされ、その走行方向側に向けて突出し治具8に形成された切欠溝81に掛合可能な断面視略L字状の凸部631を備える。凸部631は、左右のタイミングベルト63に対象に設けられ、1本のタイミングベルト63について等間隔に複数個設けられることが好ましい。左右対称とすることで搬送時の安定性が確保できる。
【0026】
第1ニップローラ部7は、駆動側プーリ61と同じ回転軸に取り付けられた駆動ローラ65と、帯状ワークWの表側面を押圧可能とする押圧面を有するニップローラ71と、駆動ローラ65に向けてニップローラ71を水平駆動するエアーシリンダ72とから構成される。駆動ローラ65の取付位置は、下流ターンガイド部5Cの下方位置とされる。また駆動ローラ65は、フリーローラ52とは異なり、露光動作時における帯状ワークWの搬送時には回転動作が拘束されているため、露光動作時に帯状ワークWに接触しない位置に配置するのが好ましい。これにより、帯状ワークWが損傷を受けることが回避できる。
【0027】
次に、図1から図6を参照して帯状ワークの自動セット装置の動作について説明する。作業者は、まず軸J1回りに回転自在に装着された送り出しリール21(図1参照)から、帯状ワークWの先端を手でつまみ、送り出しリール21を回転させながら徐々に帯状ワークWを繰り出す。そして、繰り出した帯状ワークWをガイドローラ22及び第1エアダンサー部23にセットする。次に帯状ワークWの先端に治具8を取り付けた後、治具8と帯状ワークWとの付け根付近をグリッパ41の隙間に通す。次に操作パネル9から、グリッパ41を挟持状態とする指示を入力し、その後グリッパ41を上昇させる指示を入力する。これによりグリッパ41は、図6(A)に示すように、上記付け根付近を挟持した状態でサーボモータ431の駆動により上昇する。
【0028】
グリッパ41が上昇して、図6(B)に示すように、治具8の切欠溝81が掛合可能範囲5Dに入ったところで、グリッパ41の停止指示を操作パネル9から入力する。これにより、サーボモータ431が停止し、治具8は掛合可能範囲5D内で停止する。なお、掛合可能範囲5Dとは、上向きに走行中の凸部631が治具8の切欠溝81に掛合可能となる治具8の垂直方向位置の範囲である。続いて作業者は、タイミングベルト63の走行指示を操作パネル9から入力する。これにより回転駆動モータ64が回転して、駆動側プーリ61が図中時計回り方向に回転し、タイミングベルト63が走行する。
【0029】
走行中のタイミングベルト63は、上流ターンガイド部5Aの最上流部では上向きに走行する。上向きに走行している凸部631が、掛合可能範囲内5Dにある治具8の切欠溝81に掛合することにより、治具8はタイミングベルト63と一体となり、図6(C)に示すように、第1ワーク搬送ガイド部5の上方を経由して水平方向に移動する。凸部631は、切欠溝81の奥面811を押圧する形になり、上昇時及び水平走行時に外れにくい。
【0030】
図6(D)に示すように、下側のタイミングベルト63の走行方向が下方向から水平方向(図中左方向)に変わった位置で、凸部631は切欠溝81から外れ、治具8がタイミングベルト63から離脱する。治具8が凸部631から離脱した時点で、作業者は第1ニップローラ部7の押圧指示を操作パネル9から入力する。その結果、エアーシリンダ72が駆動ローラ65の側に延伸する。その結果、ニップローラ71は、ニップローラ71と駆動ローラ65との間に介在した帯状ワークWを挟持する。このとき回転駆動モータ64の回転により駆動ローラ65は回転しているため、帯状ワークWは鉛直下方に向けて降下する。
【0031】
帯状ワークWが十分に手の届く位置まで降下したら、作業者は、第1ニップローラ部7の解除指示及び回転駆動モータ64の停止指示を操作パネル9から入力する。これによりエアーシリンダ72が収縮して、ニップローラ71と駆動ローラ65との間に挟持された帯状ワークWは、その挟持から解放されると共に回転駆動モータ64は停止する。
【0032】
続いて作業者は、帯状ワークWの上記付け根付近をグリッパ241の隙間に通し、第2エアダンサー部(図1参照)にセットする。その後、裏側面露光ステージ3へのセットを、表側面露光ステージ2へのセットと同様の作業要領で行う。以上の一連の作業をシーケンスプログラムによって行うようにしてもよい。
【0033】
このように、本発明に係る帯状ワークの自動セット装置によると、高所位置を搬送経路に含む帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークをセットする作業を、踏み台を使用することなく、自動的に行うことができ、安全性に優れ、しかも作業効率が良い。
【0034】
以上のようにして、セットされた帯状ワークWは、表側面露光ステージ2において、第1上流グリップフィード部4のグリッパ41と、第1下流グリップフィード部24のグリッパ241とがそれぞれ帯状ワークWを挟持した状態で上下方向にスライドすることにより、帯状ワークWが間歇搬送される。間歇搬送された帯状ワークWを第1吸着テーブル253により吸着保持した状態で、第1反射ミラー251により反射した光源からの光を、第1露光マスク252を通過させることにより、帯状ワークWの表側面への露光を行う。
【0035】
同様に、裏側面露光ステージ3において、第2上流グリップフィード部4Rのグリッパと、第2下流グリップフィード部36のグリッパとがそれぞれ帯状ワークWを挟持した状態で上下方向にスライドすることにより、帯状ワークWが間歇搬送される。間歇搬送された帯状ワークWを第2吸着テーブル353により吸着保持した状態で、第2反射ミラー351で反射した光源からの光を、第2露光マスク352を通過させることにより、帯状ワークWの裏側面への露光を行う。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上に開示した実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る帯状ワークの自動セット装置を用いた両面露光装置の正面概略図である。
【図2】治具を帯状ワークの先端に取り付けた状態を示す図である。
【図3】本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の正面一部断面図である。
【図4】本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の平面一部断面図である。
【図5】治具の切欠溝が凸状部に掛合した状態を示す図である。
【図6】本発明に係る帯状ワークの自動セット装置の動作を説明するための図である。
【図7】従来における帯状ワークの両面露光装置を示す正面概略図である。
【符号の説明】
【0038】
4 第1上流グリップフィード部(第1搬送手段)
5 第1ワーク搬送ガイド部(搬送装置)
6 第1ワーク送り部(第2搬送手段)
7 第1ニップローラ部(第3搬送手段)
8 治具
61 駆動側プーリ(プーリ)
62 従動側プーリ(プーリ)
63 タイミングベルト
64 回転駆動モータ(プーリ駆動部)
65 駆動ローラ
71 ニップローラ
81 切欠溝
631 凸部(結合部、凸部)
L1 上昇経路
L2 水平搬送経路
L3 降下経路
P1 第1高所位置
P2 第2高所位置
W 帯状ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状ワークを下方から第1高所位置に引き上げる上昇経路と、第1高所位置から第2高所位置に水平搬送する水平搬送経路と、第2高所位置から下方に降下する降下経路とを搬送経路とする帯状ワークの搬送装置に当該帯状ワークを自動的にセットする帯状ワークの自動セット装置であって、帯状ワークの先端に治具を取り付けた状態で治具が第1高所位置に到達するように帯状ワークを上昇させる第1搬送手段と、第1高所位置と第2高所位置との間で水平移動可能に構成されると共に第1高所位置に到達した治具に結合し且つ第2高所位置に到達した治具から離脱可能に構成された結合部を有する第2搬送手段と、結合部から離脱した治具が第2高所位置から下方に向けて降下するように帯状ワークを降下させる第3搬送手段とを備えることを特徴とする帯状ワークの自動セット装置。
【請求項2】
前記治具は、切欠溝を備え、前記第2搬送手段は、第1高所位置における上下位置に設けられたプーリと、第2高所位置における上下位置に設けられたプーリと、これら各プーリに掛け渡され前記切欠溝に掛合可能な凸部を表側面に備えた無端状のタイミングベルトと、タイミングベルトの走行方向が第1高所位置において下から上となるようにプーリを駆動するプーリ駆動部とを備える請求項1に記載の帯状ワークの自動セット装置。
【請求項3】
前記第3搬送手段は、第2高所位置における帯状ワークを挟持しながら回転駆動する駆動ローラとニップローラとからなる請求項1または請求項2に記載の帯状ワークの自動セット装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の帯状ワークの自動セット装置を用いた帯状ワークの自動セット方法であって、帯状ワークの先端に治具を取り付けた状態で治具が第1高所位置に到達するように第1搬送手段により帯状ワークを上昇させるステップと、第1高所位置に到達した治具を第2搬送手段における結合部に結合するステップと、結合部に結合した治具を第2搬送手段により第1高所位置から第2高所位置に水平移動させるステップと、第2高所位置に到達した治具を第2搬送手段における結合部から離脱するステップと、結合部から離脱した治具が第2高所位置から下方に向けて降下するように帯状ワークを第3搬送手段により降下させるステップとを備えることを特徴とする帯状ワークの自動セット方法。
【請求項5】
前記各ステップを一連のシーケンスプログラムにより実行する請求項4に記載の帯状ワークの自動セット方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−31096(P2007−31096A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218399(P2005−218399)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】