帯電装置および画像形成装置
【課題】帯電性能ムラが低減された帯電装置と、このような帯電装置を有し良好な画像形成を行う画像形成装置とを提供する。
【解決手段】所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えた。
【解決手段】所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電を行う帯電装置、および記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、このような画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体ドラムをはじめとする感光体
の上に周囲の電位とは電位が異なる静電潜像を形成することによって印刷したいパターンの形成が行われることが多く、このようにして形成された静電潜像は、トナーで現像された後、最終的に記録媒体上に転写される。
【0003】
このような画像形成を行う画像形成装置の中には、コロナ放電を利用した非接触帯電方式の帯電装置を用いて、静電潜像を形成するために感光体を帯電する過程や画像形成後に感光体上に残留したトナー粒子の電荷をクリーニングに適した電荷に調整するプレクリーニング過程を踏む画像形成装置が存在する。こうした非接触帯電方式の帯電装置では、コロナワイヤと呼ばれるワイヤに高電圧を印加することでコロナ放電を起こしているが、コロナ放電を繰り返すにつれ、シリカ(SiO2)をはじめ、コロナ放電の際に生成された様々な物質がコロナワイヤに付着するようになる。
【0004】
図1は、コロナワイヤとその周囲の付着物を表した図である。
【0005】
この図1に示すように、付着物210はコロナワイヤ21の表面を覆うように付着する。この付着物210の量が増加するとコロナ放電の阻害要因となり、コロナワイヤに沿った方向について帯電性能にムラが生じる。こうした帯電性能ムラの発生を防ぐため、非接触帯電方式の帯電装置には、コロナワイヤをクリーニングする手段を備えた帯電装置も存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。ここで、従来から採用されてきたクリーニング手段によってコロナワイヤがクリーニングされる状況について説明する。
【0006】
図2は、コロナワイヤがクリーニングされる様子を表した図である。
【0007】
この図2には、従来から採用されてきたクリーニング手段として、クリーニングパッド211’が示されており、このクリーニングパッド211’が、コロナワイヤ21の上下方向からコロナワイヤ21に当接している。クリーニングパッド211’は、このようにコロナワイヤ21に当接した状態で、不図示の機構により図に垂直な方向に移動することができ、この移動の際にクリーニングパッド211’と接触した付着物210が、コロナワイヤ21から擦り落とされる。
【特許文献1】特開2004−109721号公報
【特許文献2】特開2000−221757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図2に示すコロナワイヤのクリーニング方式では、コロナワイヤ21の周囲のうち、クリーニングパッド211’と接触する、コロナワイヤ21上部付近と下部付近についてはクリーニングが行われるが、図に示すように、コロナワイヤ21の左右、即ちクリーニングパッド211’と接触しない位置についた付着物210については、クリーニングパッド211との接触がないので、除去されずにコロナワイヤ21上に残っている。このように除去されずに残った付着物が存在すると、この付着物の影響でコロナワイヤ周囲の電界が、コロナワイヤに沿った方向に依って変化し、この方向について帯電性能ムラが生じる。帯電性能ムラの発生は、そのまま感光体等の被帯電体の帯電ムラとなって現れ、現像不良といった画像形成上の障害をもたらす。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、帯電性能ムラが低減された帯電装置と、このような帯電装置を有し良好な画像形成を行う画像形成装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の帯電装置は、
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の帯電装置では、クリーニング部材がコロナワイヤに強く当接すると、2つの突出部の間にコロナワイヤが嵌り込み、両方の突出部とコロナワイヤが接触するようになる。この状態でコロナワイヤのクリーニングが行われると、コロナワイヤ周囲の2箇所以上で付着物の除去が行われることとなり、高いクリーニング性が実現する。
【0012】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部として、研磨剤粒子が樹脂で結着されてなる突出部を有するものである」という形態は好ましい形態である。
【0013】
研磨材粒子が樹脂で結着されて形成された突出部は、最も簡単に形成できる突出部であり、上記の表面構造を有するクリーニング部材が簡単に構成される。
【0014】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記コロナワイヤがコロナ放電を起こしている間は、上記コロナワイヤから離間するものである」という形態は好ましい形態である。
【0015】
このような形態によれば、クリーニング部材は、コロナ放電時にコロナワイヤに印加される高電圧の影響を回避できる。
【0016】
また、本発明の帯電装置において、「上記コロナワイヤが、レニウムを含有したタングステンからなる、表面に酸化処理が施されたものである」という形態は好ましい形態であり、「上記コロナワイヤが、レニウムを重量比で1%〜26%含有したタングステンからなる、表面に酸化処理が施された、直径が30μm〜60μmの範囲に属したものである」という形態はさらに好ましい形態である。
【0017】
コロナワイヤがレニウムを含有することでコロナワイヤの引っ張り強度が向上する。また、表面に酸化処理が施されることでコロナワイヤに付着物をつきにくくなる。特に、コロナワイヤが重量比1%〜26%のレニウムを含有した場合には、その引っ張り強度が向上する効果が大きく、この領域の中でも3%前後のレニウムを含有させた場合には、引っ張り強度が向上する効果が最も大きくなる。
【0018】
また、本発明の帯電装置においては、「上記クリーニング部材は、四角錐形状または四角錐台形状の突出部が整列した表面構造を有するものである」という形態が採用されてもよく、また、「上記クリーニング部材は、上記所定方向に整列した突出部の列が複数列並行した表面構造を有するものである」という形態が採用されてもよい。
【0019】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に複数ずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに表面が当接するものである」という形態は好ましい形態である。
【0020】
このような形態によれば、クリーニング部材がコロナワイヤに強く当接した場合には、コロナワイヤ表面と接触する箇所が周期的に現れることとなり、高いクリーニング性が実現する。
【0021】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に4つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態は好ましい形態であり、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態はさらに好ましい形態であり、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に2つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態はとりわけ好ましい形態である。
【0022】
クリーニング部材が、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する場合には、整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む状態が、コロナワイヤと接触する突出部の数が最も多くなるとともに、コロナワイヤが突出部の間に嵌り込んで抜けにくい当接状態となり、最も高いクリーニング性が実現する。整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む状態では、上記の、他方に2つずつ進む状態に次いで高いクリーニング性が発揮され、整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に4つずつ進む状態では、上記の、他方に3つずつ進む状態に次いで高いクリーニング性が発揮される。
【0023】
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
回転する像担持体を帯電装置で帯電し、露光により該像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記帯電装置が
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明の画像形成装置は、上述した帯電装置を備えているため、帯電性能が安定しており、良好な画像形成が可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成で帯電性能ムラが低減され、良好な画像形成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図3は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0028】
図3に示す画像形成装置1は、感光体10および中間転写ベルト2を備えている。感光体10は、電子写真方式用の積層型感光体であり、画像形成時には図の矢印A方向に回転する。中間転写ベルト2は、バックアップロール60a,60b,60cに張架された、ポリイミド樹脂を主成分とする無端状のベルト部材であり、画像形成時には、感光体10に従動して図の矢印B方向に循環移動する。また、中間転写ベルト2を挟んで感光体10と対向する位置に1次転写ロール40aが配設されており、さらにその下方(図の下側)には、2次転写ロール40bが設けられている。これらは、それぞれ1次転写バイアス電圧印加部41a,2次転写バイアス電圧印加部41bからバイアス電圧の印加を受けている。
【0029】
感光体10の周囲には、現像ロータリー50、スコロトロン20、露光器32、クリーニングブレード31が配設されている。スコロトロン20は、高電圧の印加を受けて感光体10をマイナス帯電させるためのコロナ放電器である。このスコロトロン20が本発明にいう帯電装置の一実施形態に相当する。現像ロータリー50は、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の有色トナーをそれぞれ有する現像剤を収容した現像器51〜54が周方向に沿って配置された回転式の複合現像器であり、現像ロータリー50の回転により、感光体3に近接して現像を行う現像器を切り換えることができる。各有色トナーは負極に帯電する帯電特性を有するものであり、各有色トナーには、潤滑剤や転写助剤やクリーニング助剤といったトナー粒子よりも小さな外添剤粒子が添加されている。露光器32は、感光体10の表面10bに向けてレーザ光を照射する役目を担い、クリーニングブレード31は、感光体10に当接して感光体10上のトナーを擦り落とす役目を担っている。
【0030】
次に、この画像形成装置1における画像形成の動作について説明する。
【0031】
この画像形成装置1では、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の画像信号を有する、1つ以上の画像を表した画像情報の入力を受けて画像形成を行う。これらの画像信号が入力されると、感光体10が回転を開始し、この回転する感光体10の表面を、スコロトロン20が帯電する。そして、入力された4色の画像信号のうち、まずシアンの画像信号に応じたレーザ光が露光器32から感光体10に向けて照射され、この照射によって感光体10の表面に、周囲より電位の高くなった静電潜像が形成される。また、現像ロータリー50の回転により、シアントナーを収納した現像器54が感光体10に近接して、静電潜像をシアントナーで現像する。この静電潜像の現像の際には、シアントナーを収納した現像器54が、不図示の現像バイアス印加部によりバイアス電圧の印加を受けて、その電位が、静電潜像の電位よりも低く感光体10の電位よりは高い電位となる。このため、現像器54のシアントナーは、静電潜像とシアントナーを収納した現像器54との間の電位差により、現像器54を離れて静電潜像に付着し、感光体10上にシアントナー像が形成される。
【0032】
次いで、形成されたシアントナー像は、1次転写ロール40aによって、感光体10から中間転写ベルト2に1次転写される。この1次転写の際には、1次転写ロール40aの電位が、シアントナー像が位置する感光体10上の電位よりも高い電位となるよう、1次転写ロール40aに対して1次転写バイアス電圧印加部41aがバイアス電圧の印加を行うことで、上記の1次転写が実現する。
【0033】
感光体10の上には、1次転写されずに残った残留トナーがあるが、この残留トナーは、クリーニングブレード31によって感光体10から削り落とされる。
【0034】
クリーニングブレード31による残留トナーの除去が行われた後、再び、感光体10の表面が、スコロトロン20により帯電され、現像ロータリー50の回転により、今度はマゼンタトナーを収納した現像器53が感光体10に近接し、上述のシアントナー像の形成と同様にしてマゼンタトナー像が形成される。このマゼンタトナー像の形成は、中間転写ベルト2の上のシアントナー像が1次転写後にバックアップロール60a,60b,60cを通過して1次転写ロール40aの位置に戻ってきたときに、形成されたマゼンタトナー像がシアントナー像の上に重ねて1次転写されるように、タイミングを合わせて行われる。マゼンタトナー像がシアントナー像の上に重ねて1次転写された後、イエロートナー像,ブラックトナー像についても同様にして形成されて、マゼンタトナー像およびシアントナー像に重ね合わされる。この結果、中間転写ベルト2には、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色のトナー像が1つに重なり合った多色のトナー像が形成される。
【0035】
続いて、この多色のトナー像は、2次転写ロール40bとバックアップロール60cとで挟まれた位置において、トレイ6から給紙ロール61によって送り出されてきた用紙上に2次転写される。この2次転写の際には、2次転写ロール40bの電位が、多色のトナー像が位置する中間転写ベルト2上の電位よりも高い電位となるよう、2次転写ロール40bに対して2次転写バイアス電圧印加部41bがバイアス電圧の印加を行うことで、上記の2次転写が実現する。
【0036】
多色のトナー像の2次転写を受けた用紙は、図3において2次転写ロール40bの右方向に離れた位置に備えられている定着器62により、熱および圧力を加えられてトナー像の定着処理が施される。そして、定着処理が施された用紙は、矢印で示すように画像形成装置の右方向に出力される。
【0037】
次に、図3に示すスコロトロン20について説明する。
【0038】
このスコロトロン20は、コロナ放電によりマイナスイオンを生成して感光体10をマイナス帯電させる直径40μmのコロナワイヤ21と、コロナワイヤ21と感光体10との間に備えられた電極であって、通過するマイナスイオンの量を制御することで感光体の電位を調節する開口率90%のグリッド23と、コロナワイヤ21を取り囲む厚さ1mmのシールド22とを備えている。コロナワイヤ21は、重量比で3%のレニウムを含有する、タングステンが主成分の合金で作製されたReW鏡面研磨線であり、さらにその表面には酸化処理が施されている。このようにコロナワイヤがレニウムを含有することで、引っ張り強度の高いコロナワイヤが実現する。スコロトロン20は、コロナワイヤ21に高電圧を印加することでコロナ放電を起こすが、コロナ放電を繰り返すにつれ、コロナ放電の際に生成された様々な物質がコロナワイヤ21に付着するようになる。付着物の量が増加するとコロナ放電の阻害要因となり、コロナワイヤ21に沿った方向についての帯電性能にムラが生じる。コロナワイヤ21では、ReW鏡面研磨線表面に酸化処理が施されることにより、このReW鏡面研磨線がコロナワイヤとして使用された時に表面に付着物がつきにくい状態が実現している。さらに、このスコロトロン20では、このような付着物をコロナワイヤ21から除去するクリーニングパッドが備えられている。以下では、クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングについて説明する。
【0039】
図4は、クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングの説明図である。
【0040】
図4のパート(a)および図4のパート(b)は、コロナワイヤ21の末端の様子が表されており、図4のパート(a)には、コロナ放電時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211との位置関係が示され、図4のパート(b)には、クリーニング時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211との位置関係が示されている。
【0041】
コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211は、コロナワイヤ21が内部を通り抜けられるように内部が空洞となった支持部材200の、図の上側の内壁201に取り付けられており、コロナ放電時には図4のパート(a)に示すようにコロナワイヤ21から離間した位置にある。一方、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211は、パッド保持部材24に固定されており、このパッド保持部材24は、回転軸240の回りを不図示の機構で回動する。この回動軸240も支持部材200に固定されている。コロナ放電時には、図4のパート(a)に示すように、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211も、コロナワイヤ21から離間した位置にとどまる。クリーニング時には、パッド保持部材24は、回転軸240の回りを、図4のパート(a)の矢印Cの方向に回動し、この回動によって、パッド保持部材24に固定されているクリーニングパッド211が、図4のパート(b)に示すように、コロナワイヤ21を下から押し上げるように当接する。このコロナワイヤ21の押し上げによって、コロナワイヤ21が上方に持ち上がって、コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211に強く押し当てられる。支持部材200は、不図示の機構でコロナワイヤ21に沿って移動することができ、図4のパート(b)の状態で、コロナワイヤ21をしごくようにしながら図4のパート(b)の左方に向かって移動し、コロナワイヤ21のクリーニングが行われる。このようなコロナワイヤ21のクリーニングは、用紙5000枚分の画像形成が行われるごとに1回行われる。
【0042】
次に、クリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造について説明する。ここでは、図4に示す2つのクリーニングパッドのうち、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211を例にとって説明する。
【0043】
図5は、図4に示すクリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造を示した模式図である。
【0044】
クリーニングパッド211の、コロナワイヤとの当接面には、研磨材2111が、ウレタン系樹脂の一種であるレジン210aによって結着させられて、図5に示す四角錐100のように四角錐形状となったものが、縦横に規則正しく配置されてなる表面構造が備えられている。このような表面構造は、支持体2110の上に設けられている。四角錐100は、底面が正方形で4つの側面がいずれも同一の三角形となっている正四角錐であって、辺の長さLが0.48mm、高さhは0.4mmである。また、隣り合う四角錐の間の距離dは、0.02mmである。
【0045】
図6は、図4に示すクリーニングパッド表面に配置されている四角錐の連なりを、平面的に表した図である。
【0046】
この図では、クリーニングパッド表面に配置されている四角錐が、辺の長さLの正方形で表されている。また、四角錐の稜線がこの正方形の対角線で表現されており、2本の対角線の交点が頂点に相当する。クリーニングパッド表面には、図の縦方向に四角錐が8個並んでおり、図では、このような8個からなる四角錐の列のうち、7列分の四角錐100,…,107、110,…,117、120,…,127、130,…,137、140,…,147、150,…,157、160,…,167が示されている。コロナワイヤ21のクリーニングが行われる際には、コロナワイヤ21は、四角錐となるべく多く接するようにクリーニングパッド211と当接する。
【0047】
図7は、図6に示す四角錐の連なりとコロナワイヤとが接している様子を表した図である。
【0048】
この図では、図6に示す四角錐の底面から測ったコロナワイヤ21の位置(高さ)における、図6に示す四角錐の連なりの断面が、コロナワイヤ21とともに表されている。この図に示すように、コロナワイヤ21のクリーニングが行われる際には、コロナワイヤ21が、左から1列めの2つの四角錐100,101の間、左から2列めの2つの四角錐112,113の間、左から3列めの2つの四角錐124,125の間、および左から4列めの2つの四角錐136,137の間を通り抜けるように、クリーニングパッド211の、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されており、コロナワイヤ21は、これら8個の四角錐と、8個の接点A0,…,A3,B0,…,B3でそれぞれ接している。
【0049】
図8は、図7のコロナワイヤとクリーニングパッドとの位置関係を、コロナワイヤに沿った方向から見たときの図である。
【0050】
この図では、コロナワイヤ21と接する8個の四角錐のうちの2つの四角錐100,101が表されている。この図に示すように、コロナワイヤ21は、図の下側にいっぱいに押し込まれており、2つの四角錐100,101が、コロナワイヤ21を挟み込むように2つの接点A0,B0でコロナワイヤ21と圧接している。図8に示す2つの四角錐100,101と同様に、図7の左から2列めの2つの四角錐112,113、左から3列めの2つの四角錐124,125、および左から4列めの2つの四角錐136,137の各列の四角錐のペアが、コロナワイヤ21を挟み込むようにコロナワイヤ21と圧接しており、図7のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係では、全部で4ペアの四角錐がコロナワイヤ21と圧接した状態が実現している。
【0051】
以上では、図4に示す2つのクリーニングパッドのうち、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211を例にとって説明したが、コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211も、図5および図6で示したのと同様の表面構造を備えており、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係が図7の位置関係となるように、コロナワイヤ21の上側からコロナワイヤ21に対して当接する。
【0052】
このように、コロナワイヤ21の上側および下側に設けられた2つのクリーニングパッド211が、それぞれのクリーニングパッド211表面上の4ペアの四角錐がコロナワイヤ21と圧接した状態で、図6のパート(b)に示すようにコロナワイヤ21に沿って移動する。この移動によって、コロナワイヤ21上の付着物が擦り落とされる。
【0053】
図2に示す従来例では、コロナワイヤ21の周囲のうち、図の上側のクリーニングパッド211と接触するコロナワイヤ21上部付近と、図の下側のクリーニングパッド211と接触するコロナワイヤ21下部付近の2箇所についた付着物だけしか除去されないが、本実施形態では、図4の下側のクリーニングパッド211が、図8に示すように、コロナワイヤ21の周囲のうちの下側の2箇所についた付着物を除去し、さらに図8の上側のクリーニングパッド211が、コロナワイヤ21の周囲のうちの上側の2箇所についた付着物を除去するので、全部で4箇所で付着物の除去が行われることとなる。コロナワイヤ21周囲の4箇所で付着物の除去が行われると、実質的にはコロナワイヤ21の全周囲でクリーニングが行われたのとほぼ同等の効果が得られ、高いクリーニング性が発揮されることとなる。このため、図3に示すスコロトロン20は、帯電回数が増えても帯電性能ムラが発生しにくいスコロトロンとなっている。
【0054】
次に、図7のようなコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係において、四角錐の底面から測ったコロナワイヤ21の高さについて説明する。
【0055】
図9は、図5に示す四角錐の断面図である。
【0056】
上述したように、四角錐100は、底面が正方形で4つの側面がいずれも同一の三角形となっている正四角錐であって、図9では、この四角錐100の断面が、高さh,底辺の長さLの二等辺三角形として表されている。また、隣り合う四角錐の間の距離dもこの図に表されている。上述したように、辺の長さLは0.48mm、高さhは0.4mm、隣り合う四角錐の間の距離dは、0.02mmである。以下では、説明の都合上、具体的な数値の代わりに、長さを表す3つの変数L,h,dによって、それぞれ、底面の正方形の辺の長さL、高さh、隣り合う四角錐の間の距離dを表記して説明を行い、必要に応じて上記の具体的な数値を代入する。
【0057】
tを0以上1以下の範囲のパラメータとしたとき、図6に示す、クリーニングパッド211表面上の四角錐の連なりの、高さ(t×h)における断面は、正方形の連なりとなる。この正方形の辺の長さは、図9において、高さ(t×h)の線が図9の二等辺三角形によって切り取られる線分の長さであり、図から(1−t)×Lとなることがわかる。ここで、正方形の連なりの周期は、四角錐の連なりの周期と同じ(L+d)である。
【0058】
図10は、クリーニングパッド表面上の四角錐の連なりの、高さ(t×h)における断面を表した図である。
【0059】
この図では、辺の長さが(1−t)×Lの正方形が、周期(L+d)で並んでいる様子が示されている。この図の左下に位置する正方形は、図6に示す四角錐の連なりの左下に位置する四角錐100の、高さ(t×h)における断面である。この四角錐100の正方形の左上の頂点を、図10に示す平面内での位置を記述する座標系の原点Oにとり、この原点Oからみて、図の右方向をx軸、図の上方向をy軸にとる。左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点B0’、および左から2列目で下から3つ目の四角錐112の正方形の頂点A1’の座標は、各頂点のx座標、y座標を(x,y)のように表記すると、
B0’:((1−t)×L,(d+L)×t)
A1’:(L+d,2L+2d)
と表される。ここで、図7に示すコロナワイヤ21のように、左下の四角錐100と、左から1列目で下から2つ目の四角錐101と、左から2列目で下から3つ目の四角錐112との全てと接する直線は、直線OB0’と直線OA1’とが一致したときの直線であり、これら2つの傾きが同一となる直線である。この傾きが一致するという条件から、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 2×(L+d)/(L+d)=2
という式が成立する。この式をtについて解くと、
t=2/3 − d/(3L)
と求まる。従って、図7に示すコロナワイヤ21のように、左下の四角錐100と、左から1列目で下から2つ目の四角錐101と、左から2列目で下から3つ目の四角錐112との全てと接する直線が現れる高さは、h×(2/3 − d/(3L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.261mmとなる。なお、このように、原点Oと上記2つの頂点B0’,A1’を通る直線は、正方形の連なりの周期性から、左から3列目で下から5つ目の四角錐124の正方形の頂点A2’、左から4列目で下から7つ目の四角錐136の正方形の頂点A3’、左から2列目で下から4つ目の四角錐113の正方形の頂点B1’、左から3列目で下から6つ目の四角錐125の正方形の頂点B2’、左から4列目で下から7つ目の四角錐137の正方形の頂点B3’も通ることとなり、全部で8個の正方形と接することになる。
【0060】
以上の説明では、コロナワイヤ21の太さを無視して説明してきたが、コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.261mm以上、かつ、この0.261mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.301mm以下の領域に属している場合に、図7に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0061】
以上の説明してきた、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係では、図10の座標系でコロナワイヤ21の傾きはほぼ2となっていたが、傾きがほぼ3のコロナワイヤ21、傾きがほぼ4のコロナワイヤ21も実現可能である。
【0062】
図11は、図10の座標系で傾きがほぼ3となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0063】
この図に示すコロナワイヤ21は、左から1列目で下から1つ目の四角錐100の正方形の頂点C0、左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点D0、左から2列目で下から4つ目の四角錐113の正方形の頂点C1’、左から2列目で下から5つ目の四角錐114の正方形の頂点D1’、左から3列目で下から6つ目の四角錐126の正方形の頂点C2、左から3列目で下から7つ目の四角錐127の正方形の頂点D2において各四角錐と接することで合計で6個の四角錐と接している。図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると、接する四角錐の数が若干少なくクリーニング性が図7に示す位置関係に比べやや落ちるものの、図11のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図8のように、コロナワイヤ21の下側の2箇所でクリーニングが行われ、充分なクリーニング性が発揮される。このときのコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するパラメータtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OC1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 3×(L+d)/(L+d) =3
を解くことで得られ、この条件式から、
t=3/4 − d/(4L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(3/4 − d/(4L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.296mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.296mm以上、かつ、この0.296mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.336mm以下の領域に属している場合に、図11に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0064】
図11に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0065】
図12は、図10の座標系で傾きがほぼ4となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0066】
この図に示すコロナワイヤ21は、左から1列目で下から1つ目の四角錐100の正方形の頂点E0、左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点F0、左から2列目で下から5つ目の四角錐114の正方形の頂点E1’、左から2列目で下から6つ目の四角錐115の正方形の頂点F1’において、4個の四角錐と接している。図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると接する四角錐の数が少なく、クリーニング性が図7に示す位置関係に比べ少し落ちる。しかし、図12のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図8のように、コロナワイヤ21の下側の2箇所でクリーニングが行われ、合格レベルを越えるクリーニング性は発揮される。このときのコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OE1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 4×(L+d)/(L+d) =4
を解くことで得られ、この条件式から、
t=4/5 − d/(5L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図12に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(4/5 − d/(5L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.317mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.317mm以上、かつ、この0.317mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.357mm以下の領域に属している場合に、図12に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0067】
図12に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0068】
図13は、図10の座標系で傾きがほぼ1となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0069】
この図に示すコロナワイヤ21は、斜め方向に全部で14個の四角錐と接している。図7にコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると、接する四角錐の数はかなり多い。しかし、図8のようにコロナワイヤ21を2つの四角錐で挟み込む際の挟み込み角度は90度近くと大変大きくなる。このため、図4のパート(b)に示すようにコロナワイヤ21にクリーニングパッド211が圧接した状態であっても、外部からのちょっとした振動が加えられると、コロナワイヤ21が、クリーニングパッド211表面上の四角錐から、はずれやすく、図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係と比べると、クリーニング性は落ちる。しかし、図13の位置関係でも、合格レベル程度のクリーニング性は発揮される。
【0070】
図13のコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OG1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 1×(L+d)/(L+d) =1
を解くことで得られ、この条件式から、
t=1/2 − d/(2L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(1/2 − d/(2L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.192mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.192mm以上、かつ、この0.192mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.232mm以下の領域に属している場合に、図13に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0071】
図13に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0072】
なお、以上説明してきたクリーニング方式では、図6に示すような、図の縦方向に8個の四角錐が並んだ表面構造を備えたクリーニングパッドが採用されていたが、コロナワイヤとの接点を増やしてクリーニング性をさらに向上させるため、縦方向に8個以上の四角錐が並んだ表面構造を備えたクリーニングパッドを採用してもよい。また、図7、図11、図12および図13においては、図10の座標系でコロナワイヤ21を表す直線の傾きが、それぞれ2,3,4,および1の場合であったが、縦方向に並ぶ四角錐の数を増やすことで、コロナワイヤ21の傾きがさらに大きくすることができる。コロナワイヤ21の傾きが整数mの場合は、この場合のコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きが、整数mとなるための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = m
を解くことで得られ、この条件式から
t=m/(m+1) − d/((m+1)×L)・・・(1)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、
h×(m/(m+1) − d/((m+1)×L))・・・(1)
となる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の式(1)で決まる高さ以上、かつ、上記の式(1)で決まる高さにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた高さ以下の領域に属している場合に、コロナワイヤ21と四角錐との接点が最も多くなる。
【0073】
また、以上説明してきたクリーニング方式では、図6に示すように、2つのクリーニングパッド211が、コロナワイヤ21上の互いに異なる位置で当接し、コロナワイヤ21をしごくように移動してコロナワイヤ21のクリーニングが行われたが、2つのクリーニングパッドが、コロナワイヤ21上の同じ位置を、コロナワイヤの上下方向から挟み込んでクリーニングを行う方式も採用可能である。以下では、このような挟み込みタイプのクリーニング方式について説明する。
【0074】
図14は、挟み込みタイプのクリーニング方式の説明図である。
図14のパート(a)には、コロナ放電時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211a,211bとの位置関係が示され、図14のパート(b)には、クリーニング時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211a,211bとの位置関係が示されている。2つのクリーニングパッド211a,211bは、支持部材200’に支持されており、この支持部材200’に備えられた不図示の機構により、コロナワイヤ21との当接離間を行うことができる。また、この支持部材200’は、図の両矢印で示す方向にコロナワイヤ21に沿って移動することができ、コロナ放電の際には、支持部材200’は、感光体を帯電する作業の障害とならないようにコロナワイヤ21の末端付近に位置する。この末端付近で、クリーニングパッド211a,211bは、図14のパート(a)に示すようにコロナワイヤ21から離間して、コロナ放電時の高電圧の影響を避ける。コロナワイヤ21のクリーニング時には、図14のパート(b)に示すように、コロナワイヤ21の上下方向から2つのクリーニングパッド211a,211bがそれぞれ当接する。このようにクリーニングパッド211a,211bがコロナワイヤ21に当接した状態で、支持部材200’はコロナワイヤ21に沿って移動し、この移動に伴い、コロナワイヤ21上の付着物が、クリーニングパッド211a,211bにより擦り落とされる。
【0075】
クリーニングパッド211a,211bの、コロナワイヤ21と当接する表面には、図5に示す四角錐100の、上に向かって突き出した頂点付近が平らにならされた四角錐台が、図6に示す四角錐の連なりと同じ並び方で連なってなる表面構造が備えられている。図14の左側のクリーニングパッド211aとコロナワイヤ21とが当接する際には、図14の左側のクリーニングパッド211a上の四角錐台の連なりは、コロナワイヤ21と、図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係と同じである。一方、図14の右側のクリーニングパッド211bについては、コロナワイヤ21との当接の際にコロナワイヤ21が、図14の右側のクリーニングパッド211b上の、1列分の四角錐台(8個の四角錐台)それぞれの平らな頂上部分の上にのるように、右側のクリーニングパッド211bの、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されている。
【0076】
図15は、コロナワイヤと四角錐台とが接している様子を、コロナワイヤに垂直な平面内で表した図である。
【0077】
この図に示すように、コロナワイヤ21は、図の下側のクリーニングパッド211a上の2つの四角錐台100’,101’と、接点A0’,接点B0’と接しており、一方、図の上側のクリーニングパッド211b上の四角錐台100bと、接点Z0で接している。このように3つの接点A0’,接点B0’接点Z0でコロナワイヤ21と接した状態で、クリーニングパッド211a,211bは、コロナワイヤ21に沿って移動して、コロナワイヤ21上の付着物を擦り落とす。
【0078】
このような挟み込みタイプのクリーニング方式では、コロナワイヤ21の周囲3箇所のクリーニングが行われており、コロナワイヤ21上部付近とコロナワイヤ21下部付近の2箇所のクリーニングしか行われない図2に示す従来例のクリーニング方式に比べ、クリーニング性が向上している。このため、以上の挟み込みタイプのクリーニング方式を採用したスコロトロンは、帯電回数が増えても帯電性能ムラが発生しにくいスコロトロンとなっている。
【0079】
なお、図15の下側のクリーニングパッド21aとコロナワイヤ21との位置関係としては、図7のような位置関係の他に、図11〜図13に示す位置関係のいずれかとなるように、クリーニングパッド211aの、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されてもよい。
【0080】
このような挟み込みタイプのクリーニング方式を採用したスコロトロンや画像形成装置の構成は、コロナワイヤのクリーニング機構が異なる点を除けば、図3や図4に示すスコロトロン20や画像形成装置1の構成と同様であり、ここでは重複説明は省略する。
【0081】
次に、クリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上に、コロナワイヤとの接点が多くなる表面構造を備えることで、コロナ放電による帯電の回数が増えても帯電性能ムラが抑制されることを、具体的な実験データに基づき説明する。
【0082】
この実験では、画像比率1%〜4%のモノクロ画像を100万枚連続出力するという出力テストを、以下の2つの状況下で行う。
(実施例)図3に示す画像形成装置1を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例)図2に示すクリーニングパッド211’が採用されている点を除けば、画像形成装置1と同様の構成を有する画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。この画像形成装置においても、図3に示す画像形成装置1で採用されているスコロトロン22と同様に、用紙5000枚分の画像形成が行われるごとに、コロナワイヤのクリーニングが行われる。
【0083】
これら実施例および比較例それぞれについて、10万枚出力するごとに、感光体表面の電位を、コロナワイヤの軸方向に沿った、感光体上の各位置について測定する。そして、測定で得られた感光体表面の電位の平均値、最大値、および最小値を求め、最大値と最小値との差の、平均値に対する割合(パーセント)を算出する。この割合が感光体表面の帯電不均一性を表しており、以下では、この割合を単に不均一性(単位はパーセント)と呼ぶ。
【0084】
図16は、実施例および比較例それぞれについて、出力枚数に応じた不均一性の移り変わりを表した図である。
【0085】
図16に示すように、比較例では、出力枚数が50万枚を越えたあたりから、不均一性が急激に上昇するようになり、出力枚数が80万枚以上では、不均一性が30%を越えている。一方、実施例では、出力枚数の増加につれて不均一性も増加しているものの、比較例に比べ、その増加の割合は緩やかであり、100万枚まで不均一性は、ほぼ10%以下に保たれている。
【0086】
この結果から、実施例のように、コロナワイヤとの当接面上に、コロナワイヤとの接点が多くなるような表面構造をクリーニングパッド上に備えることで、コロナ放電による帯電の回数が増えても帯電性能ムラが抑制されることがわかる。
【0087】
以上説明してきたスコロトロンでは、コロナワイヤを1本だけ用いてコロナ放電を行うスコロトロンであったが、本発明の帯電装置は、コロナワイヤを複数本用いてコロナ放電を行うスコロトロンであってもよい。
【0088】
また、本発明の帯電装置は、スコロトロンに限定されず、例えば、コロトロンであってもよい。また、本発明の帯電装置は、帯電対象が感光体以外のものである帯電装置でもよく、例えば、感光体上に残留したトナー粒子の電荷をクリーニングに適した電荷に調整するプレクリーニング用の帯電装置であってもよい。
【0089】
また、本実施形態の画像形成装置はフルカラー画像形成装置であったが、本発明の画像形成装置はモノクロの画像形成装置に応用されてもよい。また、以上の説明では中間転写ベルトを介して画像形成を行う画像形成装置の例が示されているが、本発明は、中間転写ベルトを介さずに、感光体から記録媒体に直接転写を行う直接転写方式の画像形成装置に応用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】コロナワイヤとその周囲の付着物を表した図である。
【図2】コロナワイヤと、このコロナワイヤから付着物を除去するクリーニング手段とを表した図である。
【図3】本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図4】クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングの説明図である。
【図5】図4に示すクリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造を示した模式図である。
【図6】図4に示すクリーニングパッド表面に配置されている四角錐の連なりを、クリーニングパッドの上から見下ろしたときの図である。
【図7】図6に示す四角錐の連なりとコロナワイヤとが接している様子を表した図である。
【図8】図7のコロナワイヤとクリーニングパッドとの位置関係を、コロナワイヤに沿った方向から見たときの図である。
【図9】図5に示す四角錐の断面図である。
【図10】クリーニングパッド表面上の四角錐の連なりの、高さt×hにおける断面を表した図である。
【図11】図10の座標系で傾きがほぼ3となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図12】図10の座標系で傾きがほぼ4となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図13】図10の座標系で傾きがほぼ1となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図14】挟み込みタイプのクリーニング方式の説明図である。
【図15】コロナワイヤと四角錐台とが接している様子を、コロナワイヤに垂直な平面内で表した図である。
【図16】実施例および比較例それぞれについて、出力枚数に応じた不均一性の移り変わりを表した図である。
【符号の説明】
【0091】
1…画像形成装置、
10…感光体、
2…中間転写ベルト、
20…スコロトロン、
200,200’…支持部材、
201…内壁、
210…付着物、
21…コロナワイヤ、
211,211a,211b,211’…クリーニングパッド、
210a…レジン、
2110…支持体、
2111…研磨材、
22…シールド、
23…グリッド、
24…パッド保持部材、
240…回動軸、
31…クリーニングブレード、
32…露光器、
40a…1次転写ロール、
40b…2次転写ロール、
41a…1次転写バイアス電圧印加部、
41b…2次転写バイアス電圧印加部、
50…現像ロータリー、
51,52,53,54…現像器、
60a,60b,60c…バックアップロール、
6…トレイ、
61…給紙ロール、
62…定着器、
100〜107,110〜117,120〜127,130〜137…四角錐、
140〜147,150〜157,160〜167…四角錐、
100’,101’,100b…四角錐
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電を行う帯電装置、および記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、このような画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体ドラムをはじめとする感光体
の上に周囲の電位とは電位が異なる静電潜像を形成することによって印刷したいパターンの形成が行われることが多く、このようにして形成された静電潜像は、トナーで現像された後、最終的に記録媒体上に転写される。
【0003】
このような画像形成を行う画像形成装置の中には、コロナ放電を利用した非接触帯電方式の帯電装置を用いて、静電潜像を形成するために感光体を帯電する過程や画像形成後に感光体上に残留したトナー粒子の電荷をクリーニングに適した電荷に調整するプレクリーニング過程を踏む画像形成装置が存在する。こうした非接触帯電方式の帯電装置では、コロナワイヤと呼ばれるワイヤに高電圧を印加することでコロナ放電を起こしているが、コロナ放電を繰り返すにつれ、シリカ(SiO2)をはじめ、コロナ放電の際に生成された様々な物質がコロナワイヤに付着するようになる。
【0004】
図1は、コロナワイヤとその周囲の付着物を表した図である。
【0005】
この図1に示すように、付着物210はコロナワイヤ21の表面を覆うように付着する。この付着物210の量が増加するとコロナ放電の阻害要因となり、コロナワイヤに沿った方向について帯電性能にムラが生じる。こうした帯電性能ムラの発生を防ぐため、非接触帯電方式の帯電装置には、コロナワイヤをクリーニングする手段を備えた帯電装置も存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。ここで、従来から採用されてきたクリーニング手段によってコロナワイヤがクリーニングされる状況について説明する。
【0006】
図2は、コロナワイヤがクリーニングされる様子を表した図である。
【0007】
この図2には、従来から採用されてきたクリーニング手段として、クリーニングパッド211’が示されており、このクリーニングパッド211’が、コロナワイヤ21の上下方向からコロナワイヤ21に当接している。クリーニングパッド211’は、このようにコロナワイヤ21に当接した状態で、不図示の機構により図に垂直な方向に移動することができ、この移動の際にクリーニングパッド211’と接触した付着物210が、コロナワイヤ21から擦り落とされる。
【特許文献1】特開2004−109721号公報
【特許文献2】特開2000−221757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図2に示すコロナワイヤのクリーニング方式では、コロナワイヤ21の周囲のうち、クリーニングパッド211’と接触する、コロナワイヤ21上部付近と下部付近についてはクリーニングが行われるが、図に示すように、コロナワイヤ21の左右、即ちクリーニングパッド211’と接触しない位置についた付着物210については、クリーニングパッド211との接触がないので、除去されずにコロナワイヤ21上に残っている。このように除去されずに残った付着物が存在すると、この付着物の影響でコロナワイヤ周囲の電界が、コロナワイヤに沿った方向に依って変化し、この方向について帯電性能ムラが生じる。帯電性能ムラの発生は、そのまま感光体等の被帯電体の帯電ムラとなって現れ、現像不良といった画像形成上の障害をもたらす。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、帯電性能ムラが低減された帯電装置と、このような帯電装置を有し良好な画像形成を行う画像形成装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の帯電装置は、
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の帯電装置では、クリーニング部材がコロナワイヤに強く当接すると、2つの突出部の間にコロナワイヤが嵌り込み、両方の突出部とコロナワイヤが接触するようになる。この状態でコロナワイヤのクリーニングが行われると、コロナワイヤ周囲の2箇所以上で付着物の除去が行われることとなり、高いクリーニング性が実現する。
【0012】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部として、研磨剤粒子が樹脂で結着されてなる突出部を有するものである」という形態は好ましい形態である。
【0013】
研磨材粒子が樹脂で結着されて形成された突出部は、最も簡単に形成できる突出部であり、上記の表面構造を有するクリーニング部材が簡単に構成される。
【0014】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記コロナワイヤがコロナ放電を起こしている間は、上記コロナワイヤから離間するものである」という形態は好ましい形態である。
【0015】
このような形態によれば、クリーニング部材は、コロナ放電時にコロナワイヤに印加される高電圧の影響を回避できる。
【0016】
また、本発明の帯電装置において、「上記コロナワイヤが、レニウムを含有したタングステンからなる、表面に酸化処理が施されたものである」という形態は好ましい形態であり、「上記コロナワイヤが、レニウムを重量比で1%〜26%含有したタングステンからなる、表面に酸化処理が施された、直径が30μm〜60μmの範囲に属したものである」という形態はさらに好ましい形態である。
【0017】
コロナワイヤがレニウムを含有することでコロナワイヤの引っ張り強度が向上する。また、表面に酸化処理が施されることでコロナワイヤに付着物をつきにくくなる。特に、コロナワイヤが重量比1%〜26%のレニウムを含有した場合には、その引っ張り強度が向上する効果が大きく、この領域の中でも3%前後のレニウムを含有させた場合には、引っ張り強度が向上する効果が最も大きくなる。
【0018】
また、本発明の帯電装置においては、「上記クリーニング部材は、四角錐形状または四角錐台形状の突出部が整列した表面構造を有するものである」という形態が採用されてもよく、また、「上記クリーニング部材は、上記所定方向に整列した突出部の列が複数列並行した表面構造を有するものである」という形態が採用されてもよい。
【0019】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に複数ずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに表面が当接するものである」という形態は好ましい形態である。
【0020】
このような形態によれば、クリーニング部材がコロナワイヤに強く当接した場合には、コロナワイヤ表面と接触する箇所が周期的に現れることとなり、高いクリーニング性が実現する。
【0021】
また、本発明の帯電装置において、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に4つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態は好ましい形態であり、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態はさらに好ましい形態であり、「上記クリーニング部材は、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する、その整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に2つずつ進む方向に上記コロナワイヤが沿う状態で該コロナワイヤに当接するものである」という形態はとりわけ好ましい形態である。
【0022】
クリーニング部材が、上記突出部が縦横に等間隔に整列した表面構造を有する場合には、整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む状態が、コロナワイヤと接触する突出部の数が最も多くなるとともに、コロナワイヤが突出部の間に嵌り込んで抜けにくい当接状態となり、最も高いクリーニング性が実現する。整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に3つずつ進む状態では、上記の、他方に2つずつ進む状態に次いで高いクリーニング性が発揮され、整列した突出部を縦横の一方に1つずつ進み他方に4つずつ進む状態では、上記の、他方に3つずつ進む状態に次いで高いクリーニング性が発揮される。
【0023】
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
回転する像担持体を帯電装置で帯電し、露光により該像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記帯電装置が
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
上記コロナワイヤから距離を置いて上記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、上記コロナワイヤを、上記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、上記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明の画像形成装置は、上述した帯電装置を備えているため、帯電性能が安定しており、良好な画像形成が可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成で帯電性能ムラが低減され、良好な画像形成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図3は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0028】
図3に示す画像形成装置1は、感光体10および中間転写ベルト2を備えている。感光体10は、電子写真方式用の積層型感光体であり、画像形成時には図の矢印A方向に回転する。中間転写ベルト2は、バックアップロール60a,60b,60cに張架された、ポリイミド樹脂を主成分とする無端状のベルト部材であり、画像形成時には、感光体10に従動して図の矢印B方向に循環移動する。また、中間転写ベルト2を挟んで感光体10と対向する位置に1次転写ロール40aが配設されており、さらにその下方(図の下側)には、2次転写ロール40bが設けられている。これらは、それぞれ1次転写バイアス電圧印加部41a,2次転写バイアス電圧印加部41bからバイアス電圧の印加を受けている。
【0029】
感光体10の周囲には、現像ロータリー50、スコロトロン20、露光器32、クリーニングブレード31が配設されている。スコロトロン20は、高電圧の印加を受けて感光体10をマイナス帯電させるためのコロナ放電器である。このスコロトロン20が本発明にいう帯電装置の一実施形態に相当する。現像ロータリー50は、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の有色トナーをそれぞれ有する現像剤を収容した現像器51〜54が周方向に沿って配置された回転式の複合現像器であり、現像ロータリー50の回転により、感光体3に近接して現像を行う現像器を切り換えることができる。各有色トナーは負極に帯電する帯電特性を有するものであり、各有色トナーには、潤滑剤や転写助剤やクリーニング助剤といったトナー粒子よりも小さな外添剤粒子が添加されている。露光器32は、感光体10の表面10bに向けてレーザ光を照射する役目を担い、クリーニングブレード31は、感光体10に当接して感光体10上のトナーを擦り落とす役目を担っている。
【0030】
次に、この画像形成装置1における画像形成の動作について説明する。
【0031】
この画像形成装置1では、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の画像信号を有する、1つ以上の画像を表した画像情報の入力を受けて画像形成を行う。これらの画像信号が入力されると、感光体10が回転を開始し、この回転する感光体10の表面を、スコロトロン20が帯電する。そして、入力された4色の画像信号のうち、まずシアンの画像信号に応じたレーザ光が露光器32から感光体10に向けて照射され、この照射によって感光体10の表面に、周囲より電位の高くなった静電潜像が形成される。また、現像ロータリー50の回転により、シアントナーを収納した現像器54が感光体10に近接して、静電潜像をシアントナーで現像する。この静電潜像の現像の際には、シアントナーを収納した現像器54が、不図示の現像バイアス印加部によりバイアス電圧の印加を受けて、その電位が、静電潜像の電位よりも低く感光体10の電位よりは高い電位となる。このため、現像器54のシアントナーは、静電潜像とシアントナーを収納した現像器54との間の電位差により、現像器54を離れて静電潜像に付着し、感光体10上にシアントナー像が形成される。
【0032】
次いで、形成されたシアントナー像は、1次転写ロール40aによって、感光体10から中間転写ベルト2に1次転写される。この1次転写の際には、1次転写ロール40aの電位が、シアントナー像が位置する感光体10上の電位よりも高い電位となるよう、1次転写ロール40aに対して1次転写バイアス電圧印加部41aがバイアス電圧の印加を行うことで、上記の1次転写が実現する。
【0033】
感光体10の上には、1次転写されずに残った残留トナーがあるが、この残留トナーは、クリーニングブレード31によって感光体10から削り落とされる。
【0034】
クリーニングブレード31による残留トナーの除去が行われた後、再び、感光体10の表面が、スコロトロン20により帯電され、現像ロータリー50の回転により、今度はマゼンタトナーを収納した現像器53が感光体10に近接し、上述のシアントナー像の形成と同様にしてマゼンタトナー像が形成される。このマゼンタトナー像の形成は、中間転写ベルト2の上のシアントナー像が1次転写後にバックアップロール60a,60b,60cを通過して1次転写ロール40aの位置に戻ってきたときに、形成されたマゼンタトナー像がシアントナー像の上に重ねて1次転写されるように、タイミングを合わせて行われる。マゼンタトナー像がシアントナー像の上に重ねて1次転写された後、イエロートナー像,ブラックトナー像についても同様にして形成されて、マゼンタトナー像およびシアントナー像に重ね合わされる。この結果、中間転写ベルト2には、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色のトナー像が1つに重なり合った多色のトナー像が形成される。
【0035】
続いて、この多色のトナー像は、2次転写ロール40bとバックアップロール60cとで挟まれた位置において、トレイ6から給紙ロール61によって送り出されてきた用紙上に2次転写される。この2次転写の際には、2次転写ロール40bの電位が、多色のトナー像が位置する中間転写ベルト2上の電位よりも高い電位となるよう、2次転写ロール40bに対して2次転写バイアス電圧印加部41bがバイアス電圧の印加を行うことで、上記の2次転写が実現する。
【0036】
多色のトナー像の2次転写を受けた用紙は、図3において2次転写ロール40bの右方向に離れた位置に備えられている定着器62により、熱および圧力を加えられてトナー像の定着処理が施される。そして、定着処理が施された用紙は、矢印で示すように画像形成装置の右方向に出力される。
【0037】
次に、図3に示すスコロトロン20について説明する。
【0038】
このスコロトロン20は、コロナ放電によりマイナスイオンを生成して感光体10をマイナス帯電させる直径40μmのコロナワイヤ21と、コロナワイヤ21と感光体10との間に備えられた電極であって、通過するマイナスイオンの量を制御することで感光体の電位を調節する開口率90%のグリッド23と、コロナワイヤ21を取り囲む厚さ1mmのシールド22とを備えている。コロナワイヤ21は、重量比で3%のレニウムを含有する、タングステンが主成分の合金で作製されたReW鏡面研磨線であり、さらにその表面には酸化処理が施されている。このようにコロナワイヤがレニウムを含有することで、引っ張り強度の高いコロナワイヤが実現する。スコロトロン20は、コロナワイヤ21に高電圧を印加することでコロナ放電を起こすが、コロナ放電を繰り返すにつれ、コロナ放電の際に生成された様々な物質がコロナワイヤ21に付着するようになる。付着物の量が増加するとコロナ放電の阻害要因となり、コロナワイヤ21に沿った方向についての帯電性能にムラが生じる。コロナワイヤ21では、ReW鏡面研磨線表面に酸化処理が施されることにより、このReW鏡面研磨線がコロナワイヤとして使用された時に表面に付着物がつきにくい状態が実現している。さらに、このスコロトロン20では、このような付着物をコロナワイヤ21から除去するクリーニングパッドが備えられている。以下では、クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングについて説明する。
【0039】
図4は、クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングの説明図である。
【0040】
図4のパート(a)および図4のパート(b)は、コロナワイヤ21の末端の様子が表されており、図4のパート(a)には、コロナ放電時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211との位置関係が示され、図4のパート(b)には、クリーニング時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211との位置関係が示されている。
【0041】
コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211は、コロナワイヤ21が内部を通り抜けられるように内部が空洞となった支持部材200の、図の上側の内壁201に取り付けられており、コロナ放電時には図4のパート(a)に示すようにコロナワイヤ21から離間した位置にある。一方、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211は、パッド保持部材24に固定されており、このパッド保持部材24は、回転軸240の回りを不図示の機構で回動する。この回動軸240も支持部材200に固定されている。コロナ放電時には、図4のパート(a)に示すように、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211も、コロナワイヤ21から離間した位置にとどまる。クリーニング時には、パッド保持部材24は、回転軸240の回りを、図4のパート(a)の矢印Cの方向に回動し、この回動によって、パッド保持部材24に固定されているクリーニングパッド211が、図4のパート(b)に示すように、コロナワイヤ21を下から押し上げるように当接する。このコロナワイヤ21の押し上げによって、コロナワイヤ21が上方に持ち上がって、コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211に強く押し当てられる。支持部材200は、不図示の機構でコロナワイヤ21に沿って移動することができ、図4のパート(b)の状態で、コロナワイヤ21をしごくようにしながら図4のパート(b)の左方に向かって移動し、コロナワイヤ21のクリーニングが行われる。このようなコロナワイヤ21のクリーニングは、用紙5000枚分の画像形成が行われるごとに1回行われる。
【0042】
次に、クリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造について説明する。ここでは、図4に示す2つのクリーニングパッドのうち、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211を例にとって説明する。
【0043】
図5は、図4に示すクリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造を示した模式図である。
【0044】
クリーニングパッド211の、コロナワイヤとの当接面には、研磨材2111が、ウレタン系樹脂の一種であるレジン210aによって結着させられて、図5に示す四角錐100のように四角錐形状となったものが、縦横に規則正しく配置されてなる表面構造が備えられている。このような表面構造は、支持体2110の上に設けられている。四角錐100は、底面が正方形で4つの側面がいずれも同一の三角形となっている正四角錐であって、辺の長さLが0.48mm、高さhは0.4mmである。また、隣り合う四角錐の間の距離dは、0.02mmである。
【0045】
図6は、図4に示すクリーニングパッド表面に配置されている四角錐の連なりを、平面的に表した図である。
【0046】
この図では、クリーニングパッド表面に配置されている四角錐が、辺の長さLの正方形で表されている。また、四角錐の稜線がこの正方形の対角線で表現されており、2本の対角線の交点が頂点に相当する。クリーニングパッド表面には、図の縦方向に四角錐が8個並んでおり、図では、このような8個からなる四角錐の列のうち、7列分の四角錐100,…,107、110,…,117、120,…,127、130,…,137、140,…,147、150,…,157、160,…,167が示されている。コロナワイヤ21のクリーニングが行われる際には、コロナワイヤ21は、四角錐となるべく多く接するようにクリーニングパッド211と当接する。
【0047】
図7は、図6に示す四角錐の連なりとコロナワイヤとが接している様子を表した図である。
【0048】
この図では、図6に示す四角錐の底面から測ったコロナワイヤ21の位置(高さ)における、図6に示す四角錐の連なりの断面が、コロナワイヤ21とともに表されている。この図に示すように、コロナワイヤ21のクリーニングが行われる際には、コロナワイヤ21が、左から1列めの2つの四角錐100,101の間、左から2列めの2つの四角錐112,113の間、左から3列めの2つの四角錐124,125の間、および左から4列めの2つの四角錐136,137の間を通り抜けるように、クリーニングパッド211の、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されており、コロナワイヤ21は、これら8個の四角錐と、8個の接点A0,…,A3,B0,…,B3でそれぞれ接している。
【0049】
図8は、図7のコロナワイヤとクリーニングパッドとの位置関係を、コロナワイヤに沿った方向から見たときの図である。
【0050】
この図では、コロナワイヤ21と接する8個の四角錐のうちの2つの四角錐100,101が表されている。この図に示すように、コロナワイヤ21は、図の下側にいっぱいに押し込まれており、2つの四角錐100,101が、コロナワイヤ21を挟み込むように2つの接点A0,B0でコロナワイヤ21と圧接している。図8に示す2つの四角錐100,101と同様に、図7の左から2列めの2つの四角錐112,113、左から3列めの2つの四角錐124,125、および左から4列めの2つの四角錐136,137の各列の四角錐のペアが、コロナワイヤ21を挟み込むようにコロナワイヤ21と圧接しており、図7のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係では、全部で4ペアの四角錐がコロナワイヤ21と圧接した状態が実現している。
【0051】
以上では、図4に示す2つのクリーニングパッドのうち、コロナワイヤ21の下側に備えられたクリーニングパッド211を例にとって説明したが、コロナワイヤ21の上側に備えられたクリーニングパッド211も、図5および図6で示したのと同様の表面構造を備えており、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係が図7の位置関係となるように、コロナワイヤ21の上側からコロナワイヤ21に対して当接する。
【0052】
このように、コロナワイヤ21の上側および下側に設けられた2つのクリーニングパッド211が、それぞれのクリーニングパッド211表面上の4ペアの四角錐がコロナワイヤ21と圧接した状態で、図6のパート(b)に示すようにコロナワイヤ21に沿って移動する。この移動によって、コロナワイヤ21上の付着物が擦り落とされる。
【0053】
図2に示す従来例では、コロナワイヤ21の周囲のうち、図の上側のクリーニングパッド211と接触するコロナワイヤ21上部付近と、図の下側のクリーニングパッド211と接触するコロナワイヤ21下部付近の2箇所についた付着物だけしか除去されないが、本実施形態では、図4の下側のクリーニングパッド211が、図8に示すように、コロナワイヤ21の周囲のうちの下側の2箇所についた付着物を除去し、さらに図8の上側のクリーニングパッド211が、コロナワイヤ21の周囲のうちの上側の2箇所についた付着物を除去するので、全部で4箇所で付着物の除去が行われることとなる。コロナワイヤ21周囲の4箇所で付着物の除去が行われると、実質的にはコロナワイヤ21の全周囲でクリーニングが行われたのとほぼ同等の効果が得られ、高いクリーニング性が発揮されることとなる。このため、図3に示すスコロトロン20は、帯電回数が増えても帯電性能ムラが発生しにくいスコロトロンとなっている。
【0054】
次に、図7のようなコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係において、四角錐の底面から測ったコロナワイヤ21の高さについて説明する。
【0055】
図9は、図5に示す四角錐の断面図である。
【0056】
上述したように、四角錐100は、底面が正方形で4つの側面がいずれも同一の三角形となっている正四角錐であって、図9では、この四角錐100の断面が、高さh,底辺の長さLの二等辺三角形として表されている。また、隣り合う四角錐の間の距離dもこの図に表されている。上述したように、辺の長さLは0.48mm、高さhは0.4mm、隣り合う四角錐の間の距離dは、0.02mmである。以下では、説明の都合上、具体的な数値の代わりに、長さを表す3つの変数L,h,dによって、それぞれ、底面の正方形の辺の長さL、高さh、隣り合う四角錐の間の距離dを表記して説明を行い、必要に応じて上記の具体的な数値を代入する。
【0057】
tを0以上1以下の範囲のパラメータとしたとき、図6に示す、クリーニングパッド211表面上の四角錐の連なりの、高さ(t×h)における断面は、正方形の連なりとなる。この正方形の辺の長さは、図9において、高さ(t×h)の線が図9の二等辺三角形によって切り取られる線分の長さであり、図から(1−t)×Lとなることがわかる。ここで、正方形の連なりの周期は、四角錐の連なりの周期と同じ(L+d)である。
【0058】
図10は、クリーニングパッド表面上の四角錐の連なりの、高さ(t×h)における断面を表した図である。
【0059】
この図では、辺の長さが(1−t)×Lの正方形が、周期(L+d)で並んでいる様子が示されている。この図の左下に位置する正方形は、図6に示す四角錐の連なりの左下に位置する四角錐100の、高さ(t×h)における断面である。この四角錐100の正方形の左上の頂点を、図10に示す平面内での位置を記述する座標系の原点Oにとり、この原点Oからみて、図の右方向をx軸、図の上方向をy軸にとる。左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点B0’、および左から2列目で下から3つ目の四角錐112の正方形の頂点A1’の座標は、各頂点のx座標、y座標を(x,y)のように表記すると、
B0’:((1−t)×L,(d+L)×t)
A1’:(L+d,2L+2d)
と表される。ここで、図7に示すコロナワイヤ21のように、左下の四角錐100と、左から1列目で下から2つ目の四角錐101と、左から2列目で下から3つ目の四角錐112との全てと接する直線は、直線OB0’と直線OA1’とが一致したときの直線であり、これら2つの傾きが同一となる直線である。この傾きが一致するという条件から、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 2×(L+d)/(L+d)=2
という式が成立する。この式をtについて解くと、
t=2/3 − d/(3L)
と求まる。従って、図7に示すコロナワイヤ21のように、左下の四角錐100と、左から1列目で下から2つ目の四角錐101と、左から2列目で下から3つ目の四角錐112との全てと接する直線が現れる高さは、h×(2/3 − d/(3L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.261mmとなる。なお、このように、原点Oと上記2つの頂点B0’,A1’を通る直線は、正方形の連なりの周期性から、左から3列目で下から5つ目の四角錐124の正方形の頂点A2’、左から4列目で下から7つ目の四角錐136の正方形の頂点A3’、左から2列目で下から4つ目の四角錐113の正方形の頂点B1’、左から3列目で下から6つ目の四角錐125の正方形の頂点B2’、左から4列目で下から7つ目の四角錐137の正方形の頂点B3’も通ることとなり、全部で8個の正方形と接することになる。
【0060】
以上の説明では、コロナワイヤ21の太さを無視して説明してきたが、コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.261mm以上、かつ、この0.261mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.301mm以下の領域に属している場合に、図7に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0061】
以上の説明してきた、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係では、図10の座標系でコロナワイヤ21の傾きはほぼ2となっていたが、傾きがほぼ3のコロナワイヤ21、傾きがほぼ4のコロナワイヤ21も実現可能である。
【0062】
図11は、図10の座標系で傾きがほぼ3となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0063】
この図に示すコロナワイヤ21は、左から1列目で下から1つ目の四角錐100の正方形の頂点C0、左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点D0、左から2列目で下から4つ目の四角錐113の正方形の頂点C1’、左から2列目で下から5つ目の四角錐114の正方形の頂点D1’、左から3列目で下から6つ目の四角錐126の正方形の頂点C2、左から3列目で下から7つ目の四角錐127の正方形の頂点D2において各四角錐と接することで合計で6個の四角錐と接している。図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると、接する四角錐の数が若干少なくクリーニング性が図7に示す位置関係に比べやや落ちるものの、図11のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図8のように、コロナワイヤ21の下側の2箇所でクリーニングが行われ、充分なクリーニング性が発揮される。このときのコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するパラメータtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OC1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 3×(L+d)/(L+d) =3
を解くことで得られ、この条件式から、
t=3/4 − d/(4L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(3/4 − d/(4L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.296mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.296mm以上、かつ、この0.296mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.336mm以下の領域に属している場合に、図11に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0064】
図11に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0065】
図12は、図10の座標系で傾きがほぼ4となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0066】
この図に示すコロナワイヤ21は、左から1列目で下から1つ目の四角錐100の正方形の頂点E0、左から1列目で下から2つ目の四角錐101の正方形の頂点F0、左から2列目で下から5つ目の四角錐114の正方形の頂点E1’、左から2列目で下から6つ目の四角錐115の正方形の頂点F1’において、4個の四角錐と接している。図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると接する四角錐の数が少なく、クリーニング性が図7に示す位置関係に比べ少し落ちる。しかし、図12のコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図8のように、コロナワイヤ21の下側の2箇所でクリーニングが行われ、合格レベルを越えるクリーニング性は発揮される。このときのコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OE1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 4×(L+d)/(L+d) =4
を解くことで得られ、この条件式から、
t=4/5 − d/(5L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図12に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(4/5 − d/(5L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.317mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.317mm以上、かつ、この0.317mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.357mm以下の領域に属している場合に、図12に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0067】
図12に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0068】
図13は、図10の座標系で傾きがほぼ1となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【0069】
この図に示すコロナワイヤ21は、斜め方向に全部で14個の四角錐と接している。図7にコロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係における8個と比べると、接する四角錐の数はかなり多い。しかし、図8のようにコロナワイヤ21を2つの四角錐で挟み込む際の挟み込み角度は90度近くと大変大きくなる。このため、図4のパート(b)に示すようにコロナワイヤ21にクリーニングパッド211が圧接した状態であっても、外部からのちょっとした振動が加えられると、コロナワイヤ21が、クリーニングパッド211表面上の四角錐から、はずれやすく、図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係と比べると、クリーニング性は落ちる。しかし、図13の位置関係でも、合格レベル程度のクリーニング性は発揮される。
【0070】
図13のコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きと、直線OG1’の傾きが一致するための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = 1×(L+d)/(L+d) =1
を解くことで得られ、この条件式から、
t=1/2 − d/(2L)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、h×(1/2 − d/(2L))となる。ここで、h=0.4mm,d=0.02mm,L=0.48mmを代入すると、この高さは、0.192mmとなる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の0.192mm以上、かつ、この0.192mmにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた0.232mm以下の領域に属している場合に、図13に示すようなコロナワイヤ21とクリーニングパッドとの位置関係がほぼ実現することになる。
【0071】
図13に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係でも、図3や図4に示す構成と同様の構成を用いて、同様の方式で画像形成やコロナワイヤ21のクリーニングが行われる。
【0072】
なお、以上説明してきたクリーニング方式では、図6に示すような、図の縦方向に8個の四角錐が並んだ表面構造を備えたクリーニングパッドが採用されていたが、コロナワイヤとの接点を増やしてクリーニング性をさらに向上させるため、縦方向に8個以上の四角錐が並んだ表面構造を備えたクリーニングパッドを採用してもよい。また、図7、図11、図12および図13においては、図10の座標系でコロナワイヤ21を表す直線の傾きが、それぞれ2,3,4,および1の場合であったが、縦方向に並ぶ四角錐の数を増やすことで、コロナワイヤ21の傾きがさらに大きくすることができる。コロナワイヤ21の傾きが整数mの場合は、この場合のコロナワイヤ21の、四角錐の底面から測った高さを決定するtは、図10に示す座標系において直線OB0’の傾きが、整数mとなるための条件式、
(d+L×t)/((1−t)×L) = m
を解くことで得られ、この条件式から
t=m/(m+1) − d/((m+1)×L)・・・(1)
と求まる。従って、コロナワイヤ21の太さを無視すれば、図11に示すコロナワイヤ21の高さは、
h×(m/(m+1) − d/((m+1)×L))・・・(1)
となる。コロナワイヤ21の太さを考慮すると、図8に示すようなコロナワイヤ21の円形の断面の中心の位置が、上記の式(1)で決まる高さ以上、かつ、上記の式(1)で決まる高さにコロナワイヤ21の太さ(直径40μm)を加えた高さ以下の領域に属している場合に、コロナワイヤ21と四角錐との接点が最も多くなる。
【0073】
また、以上説明してきたクリーニング方式では、図6に示すように、2つのクリーニングパッド211が、コロナワイヤ21上の互いに異なる位置で当接し、コロナワイヤ21をしごくように移動してコロナワイヤ21のクリーニングが行われたが、2つのクリーニングパッドが、コロナワイヤ21上の同じ位置を、コロナワイヤの上下方向から挟み込んでクリーニングを行う方式も採用可能である。以下では、このような挟み込みタイプのクリーニング方式について説明する。
【0074】
図14は、挟み込みタイプのクリーニング方式の説明図である。
図14のパート(a)には、コロナ放電時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211a,211bとの位置関係が示され、図14のパート(b)には、クリーニング時におけるコロナワイヤ21と2つのクリーニングパッド211a,211bとの位置関係が示されている。2つのクリーニングパッド211a,211bは、支持部材200’に支持されており、この支持部材200’に備えられた不図示の機構により、コロナワイヤ21との当接離間を行うことができる。また、この支持部材200’は、図の両矢印で示す方向にコロナワイヤ21に沿って移動することができ、コロナ放電の際には、支持部材200’は、感光体を帯電する作業の障害とならないようにコロナワイヤ21の末端付近に位置する。この末端付近で、クリーニングパッド211a,211bは、図14のパート(a)に示すようにコロナワイヤ21から離間して、コロナ放電時の高電圧の影響を避ける。コロナワイヤ21のクリーニング時には、図14のパート(b)に示すように、コロナワイヤ21の上下方向から2つのクリーニングパッド211a,211bがそれぞれ当接する。このようにクリーニングパッド211a,211bがコロナワイヤ21に当接した状態で、支持部材200’はコロナワイヤ21に沿って移動し、この移動に伴い、コロナワイヤ21上の付着物が、クリーニングパッド211a,211bにより擦り落とされる。
【0075】
クリーニングパッド211a,211bの、コロナワイヤ21と当接する表面には、図5に示す四角錐100の、上に向かって突き出した頂点付近が平らにならされた四角錐台が、図6に示す四角錐の連なりと同じ並び方で連なってなる表面構造が備えられている。図14の左側のクリーニングパッド211aとコロナワイヤ21とが当接する際には、図14の左側のクリーニングパッド211a上の四角錐台の連なりは、コロナワイヤ21と、図7に示す、コロナワイヤ21とクリーニングパッド211との位置関係と同じである。一方、図14の右側のクリーニングパッド211bについては、コロナワイヤ21との当接の際にコロナワイヤ21が、図14の右側のクリーニングパッド211b上の、1列分の四角錐台(8個の四角錐台)それぞれの平らな頂上部分の上にのるように、右側のクリーニングパッド211bの、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されている。
【0076】
図15は、コロナワイヤと四角錐台とが接している様子を、コロナワイヤに垂直な平面内で表した図である。
【0077】
この図に示すように、コロナワイヤ21は、図の下側のクリーニングパッド211a上の2つの四角錐台100’,101’と、接点A0’,接点B0’と接しており、一方、図の上側のクリーニングパッド211b上の四角錐台100bと、接点Z0で接している。このように3つの接点A0’,接点B0’接点Z0でコロナワイヤ21と接した状態で、クリーニングパッド211a,211bは、コロナワイヤ21に沿って移動して、コロナワイヤ21上の付着物を擦り落とす。
【0078】
このような挟み込みタイプのクリーニング方式では、コロナワイヤ21の周囲3箇所のクリーニングが行われており、コロナワイヤ21上部付近とコロナワイヤ21下部付近の2箇所のクリーニングしか行われない図2に示す従来例のクリーニング方式に比べ、クリーニング性が向上している。このため、以上の挟み込みタイプのクリーニング方式を採用したスコロトロンは、帯電回数が増えても帯電性能ムラが発生しにくいスコロトロンとなっている。
【0079】
なお、図15の下側のクリーニングパッド21aとコロナワイヤ21との位置関係としては、図7のような位置関係の他に、図11〜図13に示す位置関係のいずれかとなるように、クリーニングパッド211aの、コロナワイヤ21との当接面の向きが調整されてもよい。
【0080】
このような挟み込みタイプのクリーニング方式を採用したスコロトロンや画像形成装置の構成は、コロナワイヤのクリーニング機構が異なる点を除けば、図3や図4に示すスコロトロン20や画像形成装置1の構成と同様であり、ここでは重複説明は省略する。
【0081】
次に、クリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上に、コロナワイヤとの接点が多くなる表面構造を備えることで、コロナ放電による帯電の回数が増えても帯電性能ムラが抑制されることを、具体的な実験データに基づき説明する。
【0082】
この実験では、画像比率1%〜4%のモノクロ画像を100万枚連続出力するという出力テストを、以下の2つの状況下で行う。
(実施例)図3に示す画像形成装置1を用いて、上記の出力テストを行う。
(比較例)図2に示すクリーニングパッド211’が採用されている点を除けば、画像形成装置1と同様の構成を有する画像形成装置を用いて、上記の出力テストを行う。この画像形成装置においても、図3に示す画像形成装置1で採用されているスコロトロン22と同様に、用紙5000枚分の画像形成が行われるごとに、コロナワイヤのクリーニングが行われる。
【0083】
これら実施例および比較例それぞれについて、10万枚出力するごとに、感光体表面の電位を、コロナワイヤの軸方向に沿った、感光体上の各位置について測定する。そして、測定で得られた感光体表面の電位の平均値、最大値、および最小値を求め、最大値と最小値との差の、平均値に対する割合(パーセント)を算出する。この割合が感光体表面の帯電不均一性を表しており、以下では、この割合を単に不均一性(単位はパーセント)と呼ぶ。
【0084】
図16は、実施例および比較例それぞれについて、出力枚数に応じた不均一性の移り変わりを表した図である。
【0085】
図16に示すように、比較例では、出力枚数が50万枚を越えたあたりから、不均一性が急激に上昇するようになり、出力枚数が80万枚以上では、不均一性が30%を越えている。一方、実施例では、出力枚数の増加につれて不均一性も増加しているものの、比較例に比べ、その増加の割合は緩やかであり、100万枚まで不均一性は、ほぼ10%以下に保たれている。
【0086】
この結果から、実施例のように、コロナワイヤとの当接面上に、コロナワイヤとの接点が多くなるような表面構造をクリーニングパッド上に備えることで、コロナ放電による帯電の回数が増えても帯電性能ムラが抑制されることがわかる。
【0087】
以上説明してきたスコロトロンでは、コロナワイヤを1本だけ用いてコロナ放電を行うスコロトロンであったが、本発明の帯電装置は、コロナワイヤを複数本用いてコロナ放電を行うスコロトロンであってもよい。
【0088】
また、本発明の帯電装置は、スコロトロンに限定されず、例えば、コロトロンであってもよい。また、本発明の帯電装置は、帯電対象が感光体以外のものである帯電装置でもよく、例えば、感光体上に残留したトナー粒子の電荷をクリーニングに適した電荷に調整するプレクリーニング用の帯電装置であってもよい。
【0089】
また、本実施形態の画像形成装置はフルカラー画像形成装置であったが、本発明の画像形成装置はモノクロの画像形成装置に応用されてもよい。また、以上の説明では中間転写ベルトを介して画像形成を行う画像形成装置の例が示されているが、本発明は、中間転写ベルトを介さずに、感光体から記録媒体に直接転写を行う直接転写方式の画像形成装置に応用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】コロナワイヤとその周囲の付着物を表した図である。
【図2】コロナワイヤと、このコロナワイヤから付着物を除去するクリーニング手段とを表した図である。
【図3】本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図4】クリーニングパッドによるコロナワイヤのクリーニングの説明図である。
【図5】図4に示すクリーニングパッドの、コロナワイヤとの当接面上の構造を示した模式図である。
【図6】図4に示すクリーニングパッド表面に配置されている四角錐の連なりを、クリーニングパッドの上から見下ろしたときの図である。
【図7】図6に示す四角錐の連なりとコロナワイヤとが接している様子を表した図である。
【図8】図7のコロナワイヤとクリーニングパッドとの位置関係を、コロナワイヤに沿った方向から見たときの図である。
【図9】図5に示す四角錐の断面図である。
【図10】クリーニングパッド表面上の四角錐の連なりの、高さt×hにおける断面を表した図である。
【図11】図10の座標系で傾きがほぼ3となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図12】図10の座標系で傾きがほぼ4となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図13】図10の座標系で傾きがほぼ1となるコロナワイヤと、クリーニングパッドとの位置関係を表した図である。
【図14】挟み込みタイプのクリーニング方式の説明図である。
【図15】コロナワイヤと四角錐台とが接している様子を、コロナワイヤに垂直な平面内で表した図である。
【図16】実施例および比較例それぞれについて、出力枚数に応じた不均一性の移り変わりを表した図である。
【符号の説明】
【0091】
1…画像形成装置、
10…感光体、
2…中間転写ベルト、
20…スコロトロン、
200,200’…支持部材、
201…内壁、
210…付着物、
21…コロナワイヤ、
211,211a,211b,211’…クリーニングパッド、
210a…レジン、
2110…支持体、
2111…研磨材、
22…シールド、
23…グリッド、
24…パッド保持部材、
240…回動軸、
31…クリーニングブレード、
32…露光器、
40a…1次転写ロール、
40b…2次転写ロール、
41a…1次転写バイアス電圧印加部、
41b…2次転写バイアス電圧印加部、
50…現像ロータリー、
51,52,53,54…現像器、
60a,60b,60c…バックアップロール、
6…トレイ、
61…給紙ロール、
62…定着器、
100〜107,110〜117,120〜127,130〜137…四角錐、
140〜147,150〜157,160〜167…四角錐、
100’,101’,100b…四角錐
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
前記コロナワイヤから距離を置いて前記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、前記コロナワイヤを、前記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、前記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
回転する像担持体を帯電装置で帯電し、露光により該像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
前記帯電装置が
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
前記コロナワイヤから距離を置いて前記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、前記コロナワイヤを、前記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、前記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
前記コロナワイヤから距離を置いて前記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、前記コロナワイヤを、前記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、前記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
回転する像担持体を帯電装置で帯電し、露光により該像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
前記帯電装置が
所定の放電方位に交わる方向に延びた、コロナ放電を起こすコロナワイヤと、
前記コロナワイヤから距離を置いて前記所定の放電方位に交わる方向に沿って延びた、前記コロナワイヤを、前記放電方位を除いて取り囲んだシールドと、
錐状または錐台状の突出部が所定方向に整列した表面構造を有する、前記コロナワイヤに対して該所定方向が傾いた状態で該コロナワイヤに表面が当接する、該コロナワイヤに沿って移動することで、該コロナワイヤに付着した付着物を取り除くクリーニング部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−322826(P2007−322826A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153790(P2006−153790)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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