説明

帯電装置及び帯電制御方法

【課題】 階調性を有する画像を形成する時に、濃度むらの発生を確実に防止すると共に、感光体ドラムの削れ現象を低減させた帯電装置を提供する。
【解決手段】 周回する感光体ドラム2と当接して、感光体ドラム2の表面を一様帯電する帯電装置3と、入力画像をテキスト情報とイメージ情報とに分離する画像判別処理部20と、感光体ドラム2上に形成されるテキスト情報を含む領域の帯電と、イメージ情報を含む領域の帯電とで、帯電ロール4に供給する交流電圧の周波数と、帯電ロール4段に供給する交流電流とを変更する制御部14とを有する構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に当接し、像担持体を帯電する帯電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体表面を一様に帯電させる方式として、感光体表面に帯電部材を接触させずに帯電を行う非接触帯電方式と、感光体表面に帯電部材を接触させて帯電を行う接触帯電方式とが知られている。
【0003】
一般に、接触帯電方式は、非接触方式のものに比べて印加する電圧を低くすることができ、オゾンの発生を低くすることができるなどのメリットもあり、広く利用されている。
【0004】
しかしながら、写真画像などの階調性を有する画像を表現するために、網点や万線などの周期パターンを用いてその階調性を表現すると、帯電方式に接触帯電を用いている場合に、出力画像に目視可能なピッチで濃度むら(モアレ)が発生してしまう。
接触方式の帯電装置により帯電される感光体の表面には、帯電装置に印加される交流電圧周期に基づく帯電むらが生じており、この帯電むらと、網点や万線などの周期パターンとが干渉し、出力画像に目視可能なピッチで濃度むらが発生する。
【0005】
このような問題に対して、特許文献1では、交流電圧の繰り返し周期をTac、光走査手段の副走査方向の周期をTsとして、Tac=n×Ts(n:自然数)となるようにTacとTsとを設定し、AC高圧と光走査との干渉ムラを防止する技術を開示している。
【0006】
また、特許文献2には、帯電器に印加される交流周波数をF、感光体の周速をS、画像の解像度をR、網点を構成するドット数をDとして、((S×R)/D)<F<400とすることで、ハーフトーン画像におけるモアレの発生を防止する技術を開示している。
【0007】
また、特許文献3では、画像中の網点パターンのピッチを判別し、この網点ピッチと帯電むら周期の干渉で発生する濃度むら周期が目立たない程度に小さくなるように帯電器の周波数を決定する技術を開示している。
【0008】
【特許文献1】特開平6−202419号公報
【特許文献2】特開平11−219003号公報
【特許文献3】特開2004−85735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
任意のピッチで構成される網点のドットに対して、モアレを目立たなくするためには、露光装置の書き込み周波数と、帯電器に印加する交流(以下、ACと表記する)電圧の周波数とを完全に一致させ、モアレピッチが無限大となるように設定するか、又はモアレピッチが目立たなくなる間隔まで小さくする必要がある。なお、網点が白黒1ドットおきの周期的なパターンである場合には、露光装置の書き込み周波数は1/2となるため、露光装置の書き込み周波数の1/2の周波数にAC電圧の周波数を一致させなければならない。
【0010】
しかしながら、帯電器に印加するAC電圧の周波数を、AC電圧一定のまま上げると、帯電器のインピーダンスが低下し、帯電器から感光体に流れるAC電流が増加することが知られている。
感光体に流れ込むAC電流が増加すると、感光体表面の削れ量が増加し、感光体の磨耗が促進される。
【0011】
また、特許文献1から3に記載された技術は、濃度むらの発生を確実に防止できる訳ではなく、網点のパターンや、画像中に複数の網点パターンが含まれている場合には、濃度むらが発生する。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、階調性を有する画像を形成する時に、濃度むらの発生を確実に防止すると共に、感光体ドラムの削れ現象を低減させる帯電装置及び帯電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために本発明の帯電装置は、周回する像担持体と当接して、該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、入力画像をテキスト情報を含む領域とイメージ情報を含む領域とに分離する分離手段と、前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電と、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電とで、前記帯電手段に供給する交流電圧の周波数と、前記帯電手段に供給する交流電流とを変更する制御を行う制御手段と、を有する構成としている。
このように本発明によれば、形成する画像に応じて、画質を優先させたり、像担持体の劣化を軽減する帯電制御を実現できる。
【0014】
上記帯電装置において、前記制御手段は、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電時に、前記帯電手段に供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流とを、前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電時に、前記帯電手段に供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流とよりも高く変更する制御を行うとよい。
従って、イメージ領域では濃度むらを目立たなくし、テキスト領域では像担持体の劣化を軽減させることができる。
【0015】
上記帯電装置において、前記帯電手段を複数有し、前記制御手段は、前記イメージ情報を含む画像の潜像を形成する前記像担持体上の領域を帯電する帯電手段と、前記テキスト情報を含む画像の潜像を形成する前記像担持体上の領域を帯電する帯電手段とで、供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流とを変更するとよい。
従って、画像に対応させてより細かく交流電圧の周波数と交流電流とを変更することができる。このため、像担持体の劣化をより軽減させることができる。
【0016】
本発明の帯電制御方法は、入力画像をテキスト情報を含む領域とイメージ情報を含む領域とに分離するステップと、前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電と、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電とで、帯電手段に供給する交流電圧の周波数と、前記帯電手段に供給する交流電流とを変更するステップとを有することを特徴としている。
このように本発明によれば、画像の領域に応じて、画質を優先させたり、像担持体の劣化を軽減する帯電制御を実現できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、階調を有する画像を形成する時に、濃度むらの発生を確実に防止すると共に、感光体ドラムの削れ現象を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0019】
まず、図1を参照しながら本実施例の構成を説明する。像担持体としての感光体ドラム2は、円筒状OPC感光体であり、図1に示す矢示の方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0020】
感光体ドラム2の周囲には、感光体ドラム2に接触させた帯電ロール4を含む帯電装置3と、露光装置5、現像装置6、転写ロール7、剥離装置8、クリーニングブレード9などが配置されている。
【0021】
帯電ロール4は、感光体ドラム2の回転に従動して回転しており、高圧電源部11から、交流(以下、ACと表記する)電圧に直流(以下、DCと表記する)電圧を重畳した電圧が供給され、回転する感光体ドラム2の周面が所定の極性・電位に一様に帯電(本実施例では負帯電)される。帯電ロール4に印加されるDC電圧は、感光体ドラム2を帯電させていった時に、感光体ドラム2が飽和する飽和電圧(目標電圧)に設定されている。
【0022】
次いで回転する感光体ドラム2の帯電処理面に、露光装置5から出力される画像変調されたレーザビームが照射(走査露光)され、露光部分の電位が減衰して静電潜像が形成される。
【0023】
感光体ドラム2の回転にともなって該潜像が現像装置6に対向する現像部位に到来すると、現像装置6から負帯電されたトナーが供給されて反転現像によってトナー像が形成される。
【0024】
感光体ドラム2の回転方向に見て現像装置6の下流側には、導電性の転写ロール7が感光体ドラム2に圧接配置してあって、感光体ドラム2と転写ロール7とのニップ部が転写部位を形成している。
【0025】
感光体ドラム2の表面に形成されたトナー像が感光体ドラム2の回転につれて上記転写部位に到達すると、これとタイミングをあわせて用紙搬送路10から用紙が転写位置に供給され、これとともに所定の電圧が転写ロール7に印加されて、トナー像が感光体ドラム2の表面から用紙に転写される。
【0026】
転写位置でトナー像転写を受けた用紙は、剥離装置8で感光体ドラム2と用紙が剥離され、定着器(不図示)へ搬送されてトナー像の定着を受けて機外へ排出される。
【0027】
一方、感光体ドラム2の表面に残った転写残りトナーはクリーニングブレード9によってかき落されることで、感光体ドラム2はその表面が清掃され、次の画像形成に備える。
【0028】
さらに本実施例は、高圧電源部11と、制御部14と、NVRAM15と、コントローラ部16とを備えている。
【0029】
高圧電源部11は、DC電源12とAC電源13とを有している。制御部14は、NVRAM15に格納された設定値に基づいて、帯電装置3に印加するDC電圧とAC電圧とを制御する。
【0030】
コントローラ部16は、外部I/F部17と、画像処理部18と、画像メモリ19と、画像判別処理部20とを有している。
画像形成装置1にて印刷される画像データは、外部I/F部17からコントローラ部16内に入力される。コントローラ部16では、入力した画像データに画像処理部18で画像処理を行い、画像メモリ19上に展開処理する。画像メモリ19上に展開される画像データは、そのまま露光装置5に送られる画像データであり、通常、1枚分ごとに画像メモリ19上に展開される。
【0031】
画像メモリ19上に展開された画像データは、画像判別処理部20によってテキスト・イメージ分離処理(以下、TI分離処理という)が施され、画像中のどの位置に網点や中間調の画像があるのかが判定される。本実施例では、TI分離処理を5mm四方のエリアごとに行う。このTI分離処理は、最終的な印刷データに対して判定を行っているため、多種多様なデータ形式、画像処理の方法に左右されず、確実に網点や中間調を判別することができる。画像判別処理部20によって判定された網点、中間調画像の位置情報は、制御部14に送られる。制御部14は、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数や、AC電流値を入力した位置情報に基づいて決定し、高圧電源部11に指示信号を出力する。高圧電源部11は、制御部14によって指示された周波数のAC電圧と、DC電圧とを帯電ロール4に印加する。
【0032】
感光体ドラム2に印加される電圧は、感光体ドラム2の表面電圧が飽和したときの電圧に等しいDC電圧に、AC電圧が重畳された電圧となる。図2には、帯電ロール4に流れるAC電流、すなわち帯電ロール4から感光体ドラム2に流れ込むAC電流と、感光体ドラム2の表面電圧(V)との関係を示す。なお、帯電ロール4に流れるAC電流は、図3に示すように高圧電源部11から帯電装置3に流れる電流を電流計31で計測することで求められる。また、感光体ドラム2の表面電圧は、表面電位計32等を設けることで測定可能である。帯電ロール4に流れるAC電流や、感光体ドラム2の表面電圧の測定方法は、この他にも種々の方法があり、図3に示す方法に限定されるものではない。
図2に示すように帯電ロール4に流れるAC電流(Iac)の上昇に従って、感光体ドラム2の表面電圧(V)も上昇していくが、AC電流がある値以上となると、感光体ドラム2の表面電圧は上がらず飽和する。このときの感光体ドラム2の表面電圧を飽和電圧と呼ぶ。この飽和電圧は、帯電ロール4に印加しているDC電圧の値に等しくなる。
【0033】
また、図2に示すように帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数が高いほど、感光体ドラム2が飽和するまでに流れるAC電流が多くなる。これは、帯電ロール4を使用する帯電装置3の特性が容量成分を含むため、AC電圧の周波数を上げる程、インピーダンスが低下するためである。
図2に示す例では、感光体ドラム2の表面電圧を均一な正常状態(飽和状態)に帯電させるために、AC電圧の周波数を500Hzとした場合、2.1mA程度のAC電流を帯電ロール4に流す必要があり、AC電圧の周波数を1240Hzとした場合、3.8mA程度のAC電流が必要である。
【0034】
図4には、帯電ロール4に流すAC電流と、感光体ドラム2の表面(感光材料からなる感光層)の膜減り量との関係を示す。2.1[mA]のAC電流と、3.8[mA]のAC電流とを帯電ロール4にそれぞれ流して感光体ドラム2を回転させた時の、感光体ドラム2の回転数(Kcycle)と膜厚(μm)との関係を示す。なお、以下で、膜厚と表現した場合には、感光層の膜厚を示すものとする。
図4から明らかなように、帯電ロール4に流れるAC電流値が増加すると、感光体ドラム2の膜減り量が大きくなることが分かる。これは、AC電流を大きくすると、帯電ロール4と感光体ドラム2の接触部近傍でより強い交番電界が生じる。この交番電界の作用によって、多量のプラズマイオンが発生し、プラズマイオンが加速される。この加速したプラズマイオンが感光体ドラム2の表面に衝突することで、感光体表面が活性化し、クリーニングブレード9で削られる量が増えることになる。
【0035】
図5に、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数と、モアレの発生ピッチとの関係を示す。
モアレは、プロセススピードを、露光装置5の書き込み周波数と帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数との差で割ったピッチで発生することが広く知られている。また、モアレを目立たなくするためには、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数と、露光装置5の書き込み周波数とを一致させて、モアレのピッチを無限大にするか、AC電圧の周波数を露光装置5の書き込み周波数から大きく離し、ピッチが目立たなくなる程度に小さくする必要がある。ピッチが目立たなくなるレベルとして、通常、モアレ間隔が0.5mm以下に設定される。
【0036】
モアレピッチは、感光体ドラム2の周速をS、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数をF、露光装置5の副走査方向の周期をTとすると、モアレピッチWは、以下に示す式1で計算される。
【0037】
【数1】

【0038】
また、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数Fは、モアレピッチを0.5mm以下とすると、次式(2)で計算される。
F=(S/0.5)+(T×1/2) ・・・(2)
【0039】
例えば、プロセススピード105mm/S、600dpi(Dot Per Inch)の書き込み解像度を持つ露光装置5の場合を例に説明する。露光装置5の書き込み周波数は、(105×600)/25.4=2480.31[Hz]となる。なお、25.4は、1インチ当たりのドット数であるdpiを1mm当たりのドット数に変換する係数であり、次の関係がある。
dpi/25.4=dots/mm
モアレは、白画素と黒画素が周期的に表れる網点パターンで発生するため、実際は、白黒1ドットおきでの書き込みが最小密度の網点パターンとなり、そのときの書き込み周波数は露光周波数の1/2の周波数の1240.16[Hz]が露光装置5の書き込み周波数となる。
よって、モアレを目立たなくするためには、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数を1240.16[Hz]としなければならない(図5参照)。
【0040】
また、モアレピッチを0.5mm以下とするためには、上述した式(2)から1240.16+105/0.5=1450.16[Hz]以上とする必要がある(図5参照)。また、1240.16−105/0.5=1030.16[Hz]以下の周波数のAC電圧とした場合、3画素中の1画素に書き込む、書き込み解像度1/3で使用すると(図5に示す200dpiの書き込み解像度に該当する)、0.52mmピッチのモアレが発生する(図5参照)。
【0041】
このように網点や中間調などの階調性を有する画像のモアレを目立たなくするためには、例えば、プロセススピード105mm/S,600dpiの書き込み解像度を持つ露光装置の場合、1240.16[Hz]もしくは1450.16[Hz]以上という高い周波数のAC電圧を帯電ロール4に印加しなければならない。
しかしながら、周期性のないテキストや線画の領域では、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数を500[Hz]程度にしても、問題の無い画像を得ることができることが知られている。
そこで、本実施例は、画像メモリ19に展開された画像データに対して、画像判別処理部20でTI分離処理を行って画像データをテキスト又は線画の領域と、イメージの領域とに分離する(図6(A)参照)。制御部14は、テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される感光体ドラム2上の領域の帯電と、イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される感光体ドラム2上の領域とで、帯電ロール4に供給するAC電圧の周波数と、帯電ロール4に供給するAC電流とを変更する。すなわち、制御部14は、画像データの分離結果に従って、感光体ドラム2に静電潜像を描く前の予備帯電領域と、テキスト、線画、空白等の通常画像を描く領域とでは、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数を低くすると共に、帯電ロール4に流すAC電流値を低く設定する。また、網点や中間調等の階調性のある画像がある領域では、AC電圧の周波数を高く設定すると共に、AC電流値を高く設定する(図6(B)参照)。例えば、プロセススピード105mm/S,600dpiの書き込み解像度を持つ露光装置5の場合には、1240.16[Hz]もしくは1450.16[Hz]以上という高い周波数のAC電圧を帯電ロール4に印加する。
【0042】
このような制御を行うことで、網点や中間調などの階調性を有する領域だけAC電圧の周波数とAC電流とを高くするので、モアレの発生しない画像を得ることができる。また、その他のテキスト/線画領域では、AC電圧の周波数とAC電流を低くすることにより、画質欠陥を生じることなく感光体ドラム2の磨耗を抑え、長寿命化を図ることができる。
【0043】
図7に示すフローチャートを参照しながら制御部14の帯電ロール帯電制御について説明する。
帯電を開始すると(ステップS1/YES)、制御部14は、静電潜像が描かれる描画領域よりも前に帯電ロール4に接触する、感光体ドラム2上の予備帯電領域の帯電を開始する(ステップS2/YES)。制御部14は、高圧電源部11を制御してAC電圧にDC電圧を重畳した電圧を印加する。このとき帯電ロール4には、低周波数のAC電圧が印加され、電流値の低いAC電流が帯電ロール4に流れる(ステップS3)。次に、制御部14は、画像判別処理部20のテキスト・イメージ分離結果に従って、テキスト・線画領域と、イメージ領域とで、帯電ロール4に印加するAC電圧の周波数と、帯電ロール4に流す電流値とを変更する。帯電ロール4との接触位置に、テキスト画像が描かれる感光体ドラム2の領域が来ると(ステップS2/YES)、制御部14は、帯電ロール4に、低周波数のAC電圧を印加し、電流値の低いAC電流を帯電ロール4に流す(ステップS3)。また、帯電ロール4との接触位置に、網点、中間調などのイメージが描かれる感光体ドラム2の領域が来ると(ステップS2/NO、かつS4/YES)、制御部14は、帯電ロール4に、高周波数のAC電圧を印加し、電流値の高いAC電流を帯電ロール4に流す(ステップS5)。また、ページとページの間の予備帯電領域では(ステップS2/YES)、テキスト領域と同じように帯電ロール4に、低周波数のAC電圧を印加し、電流値の低いAC電流を帯電ロール4に流す(ステップS3)。すべてのページの処理が完了すると(ステップS6/YES)、処理を終了する。
【実施例2】
【0044】
添付図面を参照しながら第2実施例について説明する。本実施例の構成を図8に示す。本実施例は、感光体ドラム2の軸心方向に2つの帯電装置3A,3Bを設け、電源部も帯電装置3Aに電源を供給する高圧電源部11Aと、帯電装置3に電源を供給する高圧電源部11Bの2つを設けている。
本実施例は、感光体ドラム2の軸心方向に、複数個の帯電装置(本実施例では2つ)を配置し、それぞれの帯電装置3A,3Bに個別に電源を供給する。また、帯電装置3A、3Bに供給される電源は、制御部14の制御によってそれぞれ個別に制御される。
従って、図9に示すように帯電装置3A,3Bが帯電する領域のうち、いずれか一方の領域にだけ網点や中間調の領域があった場合には、網点や中間調の領域側の帯電装置(図9では、帯電装置3A側)には、高周波数のAC電圧と、高電流値のAC電流を供給して、画質優先の帯電を行う。また、線画やテキストしかない領域側の帯電装置(図9では、帯電装置3B側)には、低周波数のAC電圧と、低電流値のAC電流を供給して、感光体の磨耗を防ぐ。このような制御を行うことによって、感光体ドラム2の削れ現象をさらに低減して、長寿命化を図るこができる。
【0045】
上述した実施例は本発明の好適な実施の一例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】帯電ロールに流すAC電流と、感光体ドラムの表面電位の関係を示す図である。
【図3】AC電流と、感光体表面電圧の測定方法の一例を示す図である。
【図4】帯電ロールに流れるAC電流と、感光体の膜減り量との関係を示す図である。
【図5】帯電ロールに印加するAC電圧の周波数と、露光装置の書き込み解像度と、モアレピッチとの関係を示す図である。
【図6】(A)は画像メモリ上に展開された画像を示す図であり、(B)は、転写紙に印刷される画像を示す図である。
【図7】制御部14の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例2の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】転写紙に印刷される画像を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム
3 帯電装置
4 帯電ロール
5 露光装置
6 現像装置
7 転写ロール
8 剥離装置
9 クリーニングブレード
10 用紙搬送路
11 高圧電源部
12 直流電源
13 交流電源
14 制御部
15 NVRAM
16 コントローラ部
17 外部I/F部
18 画像処理部
19 画像メモリ
20 画像判別処理部
31 電流計
32 表面電位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回する像担持体と当接して、該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、
入力画像をテキスト情報を含む領域とイメージ情報を含む領域とに分離する分離手段と、
前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電と、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電とで、前記帯電手段に供給する交流電圧の周波数と、前記帯電手段に供給する交流電流とを変更する制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電時に、前記帯電手段に供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流とを、前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電時に、前記帯電手段に供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流よりも高く変更する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
【請求項3】
前記帯電手段を複数有し、
前記制御手段は、前記イメージ情報を含む画像の潜像を形成する前記像担持体上の領域を帯電する帯電手段と、前記テキスト情報を含む画像の潜像を形成する前記像担持体上の領域を帯電する帯電手段とで、供給する前記交流電圧の周波数と前記交流電流とを変更することを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
【請求項4】
入力画像をテキスト情報を含む領域とイメージ情報を含む領域とに分離するステップと、
前記テキスト情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電と、前記イメージ情報を含んだ画像の潜像が形成される前記像担持体上の領域の帯電とで、帯電手段に供給する交流電圧の周波数と、前記帯電手段に供給する交流電流とを変更するステップと、
を有することを特徴とする帯電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−83401(P2008−83401A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263390(P2006−263390)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】