帯電装置及び画像形成装置
【課題】抵抗体の抵抗バラツキによる帯電不均一を解消し、被帯電物を均一に帯電させるコロナ放電方式の帯電装置を提供する。
【解決手段】帯電装置12は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極123と、各放電電極123と抵抗体127を介して接続された給電電極129とを備え、給電電極129と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極123の突起部でコロナ放電させる。抵抗体127は、複数の放電電極123の配列方向に一体的に形成され、給電電極129から各放電電極123への給電経路のうち最短となる給電経路上に抵抗体127が非導通となる非導通部128を設けている。
【解決手段】帯電装置12は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極123と、各放電電極123と抵抗体127を介して接続された給電電極129とを備え、給電電極129と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極123の突起部でコロナ放電させる。抵抗体127は、複数の放電電極123の配列方向に一体的に形成され、給電電極129から各放電電極123への給電経路のうち最短となる給電経路上に抵抗体127が非導通となる非導通部128を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置及び画像形成装置に関し、より詳細には、コロナ放電方式によって被帯電物を帯電させる帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、感光体を帯電させる帯電装置、トナー像を記録用紙に静電的に転写させる転写装置、記録用紙を静電的に剥離させる剥離装置などに、コロナ放電方式の帯電装置(コロナ放電装置)がよく用いられている。
【0003】
このコロナ放電装置としては、感光体、記録用紙などの被帯電物に対向する開口部を有するシールドケースと、シールドケース内部に張設される放電電極とを備える所謂コロトロン式の放電装置が知られている。コロトロン式の放電装置は、高電圧を印加されることによって、放電電極においてコロナ放電を生じる。コロナ放電によって発生するイオン流は、被帯電物へと向かい、これによって放電電流が生じ、その結果、被帯電物は一様に帯電する。
【0004】
また、コロナ放電装置としては、コロトロン式の放電装置の構成に、放電電極と被帯電物との間に設けられるグリッド電極を加えた所謂スコロトロン式の放電装置も知られている。スコロトロン式の放電装置は、コロナ放電の際に、グリッド電極に所定の電圧が印加されることによって、被帯電物をより一様に帯電させることができる。
【0005】
コロナ放電装置以外の帯電装置としては、半導電性のローラまたはブラシからなる帯電部材を被帯電物に接触または近接対峙させ、帯電部材と被帯電物との間に電圧を印加することによって、被帯電物を帯電させる接触帯電装置が知られている。この接触帯電装置によれば、放電領域が、被帯電物と帯電部材との接触部近傍に形成される微小空隙に限られるので、コロナ放電装置に比べ、放電電流を少なくすることができる。
【0006】
コロナ放電装置は、放電を安定化させるために大量の放電電流を流す必要があり、その結果、大量のオゾンが発生してしまうという問題があるのに対して、接触帯電装置は、放電電流量を削減できるので、オゾンの発生確率が減少する。
【0007】
しかしながら、接触帯電装置では、被帯電物との接触、電気的ストレスなどによって帯電部材の磨耗、劣化が起こりやすく、帯電工程の高速化および帯電部材の長寿命化が難しいという問題がある。また、汚れ、環境条件、経時変化などによる帯電部材の特性変化によって、帯電特性が劣化しやすいという問題もある。
【0008】
また近年、感光体上で多色画像を重ね合せる技術(IOI:Image On Image)が開発されている。この技術では複数色の位置ずれが起こりにくく、また転写工程が1回で済むため画像劣化を起こしにくく、高品位な画像形成性能に優れている。この技術では、接触帯電方式を用いることができないため、非接触でかつ均一性の高い帯電方法が必要とされる。
【0009】
これらの事情から、コロトロン式の放電装置、スコロトロン式の放電装置などのコロナ放電装置において、オゾン発生量の減少、長寿命化、帯電特性の向上などが図られている。
【0010】
例えば、特許文献1は、コロナ放電装置の放電電極を、鋸歯状の放電電極とした帯電装置を開示している。鋸歯状の放電電極のように、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置は、放電電極先端部に電界が集中しやすく、かつ放電ポイントも少なくなるので、印加する電圧が比較的低電圧でコロナ放電が可能であり、オゾンの発生を抑制することが可能である。
【0011】
ただし、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置では、放電電極先端部の磨耗、先端部への放電生成物の付着などによって放電状態のばらつきが引き起こされ、コロナ放電装置の長手方向において帯電電位にムラが生じる、すなわち、帯電均一性が低下してしまう。そのため、このようなコロナ放電装置の帯電均一性を向上させる必要がある。
【0012】
これに対し、特許文献2及び特許文献3は、鋸歯状の放電電極を先端部ごとに分離し、各放電電極に電気抵抗体を接続する技術を開示している(以下、独立放電針方式と記す)。このような構成にすることで、印加電流量が多い放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が大きくなるので、印加電圧が小さくなって、コロナ放電が制限される。一方、印加電流量が少ない放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が小さい分、印加電圧が大きくなってコロナ放電が促される。したがって、この独立放電針の技術によれば、放電電極ごとのイオン流のばらつきが少なくなり、帯電均一性が向上する。さらに、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても十分な帯電均一性が得られるので、オゾン発生量を低減することもできる。
【0013】
このような独立放電針方式における抵抗体の構成方法としては、図11(A)、(B)に示すように、各放電電極101にチップ抵抗103を接続する方法や、チップ抵抗103の代わりにフィルム状の一体型抵抗をコモン給電電極(単に給電電極ともいう)102と放電電極101との間に配置し、異方性導電膜などで接続するといった方法がある。後者の一体型抵抗の場合、コストが比較的安価になるというメリットがある反面、抵抗体の均一性、特に長手方向におけるバラツキが起こりやすく、これが放電不均一の原因となる場合があった。
【0014】
このような課題に対して、特許文献4は、図12に示すように、歯部113a及び基部113bからなる櫛歯状のコモン給電電極113を絶縁性基材112上に設け、コモン給電電極113の歯部113a間に放電電極110を配し、放電電極110とコモン給電電極113の歯部113aとの間を抵抗体111で接続する方法を開示している。この方法によれば、放電電極110の両側の抵抗体111を通じて給電が行われるため、抵抗体111の長手方向にバラツキが存在しても、抵抗のばらつきが平均化されるため、放電の均一性が向上するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6−11946号公報
【特許文献2】特開平5−2314号公報
【特許文献3】特開平8−160711号公報
【特許文献4】特開平7−181781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記特許文献4に記載の方法を用いて検討を行ったところ、以下の問題があることが分かった。図12において、コモン給電電極113の巾Aを1mm、放電電極110の巾Bを1mm、放電電極110ピッチPが4mmの場合、コモン給電電極113と放電電極110とを結ぶ抵抗体111の長さLは1mm(=(ピッチP−巾A−巾B)/2)程度となる。しかし、4mmの電極ピッチでは電極ピッチに起因する周期的な帯電ムラが生じる場合もあり、さらに均一性を確保するには放電電極ピッチを狭める必要がある場合がある。例えば2mmピッチにすると、抵抗体111の長さLは0mmとなってしまうため、放電電極110やコモン給電電極113の巾を細くする必要がある。例えば放電電極110とコモン給電電極113の巾をそれぞれ0.5mmとすると抵抗体111の長さLは0.5mmとなり、抵抗体111の長さLが非常に短くなってしまう。
【0017】
このように抵抗体長さLが大きく取れない場合には、以下のような課題が生じる。抵抗体と各電極との接続には異方性導電膜シートや所定の大きさに形成された導電シートなどを用いるが、電極巾が狭いと貼付面積も小さくなり、必要な接着強度が得られない場合がある。さらに貼付位置のズレによって実効的な抵抗体長さが変化してしまうが、仮に貼付精度が±0.1mmであっても、抵抗体長さが1mmの場合ならば20%の変動、0.5mmならば40%の変動が生じてしまう。
【0018】
また接着強度を上げるために抵抗体の巾を大きくすることも考えられるが、巾が広く、長さが短い抵抗体で必要な抵抗値を得ようとすれば抵抗率の高い材料を使用しなければならない。一般に抵抗率が高い材料ほど、抵抗バラツキも大きくなる傾向があるため、本来の目的である抵抗の均一化作用を打ち消す恐れがある。また独立放電針方式では各抵抗に流れる電流によって抵抗両端には電位差が生じる。例えばA3サイズの画像形成装置において、帯電巾が320mm、総コロナ放電電流量が600μAと設定した場合、放電電極ピッチを4mmに設定すると、放電電極本数は80本となり、一本の放電電極に約7.5μAの電流が流れる。よって片側の抵抗体には約3.8μAずつ流れるため、その抵抗が1GΩの場合、抵抗両端の電位差は約3.8kVになる。この場合、抵抗体の長さが1mmとなるため、放電電極とコモン電極間での絶縁破壊が生じ、放電が起こってしまう場合がある。
【0019】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極と、該各放電電極と抵抗体を介して接続された給電電極とを備え、該給電電極と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極の突起部でコロナ放電させる帯電装置であって、前記抵抗体は、前記複数の放電電極の配列方向に一体的に形成され、前記給電電極から前記各放電電極への給電経路のうち最短となる給電経路上に前記抵抗体が非導通となる非導通部を設けたことを特徴としたものである。
【0021】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、円形状又は楕円形状の貫通孔であることを特徴としたものである。
【0022】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、千鳥状に配置されていることを特徴としたものである。
【0023】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、前記各放電電極と前記給電電極とを結ぶ最短給電経路に対して、軸対称の形状で配置されていることを特徴としたものである。
【0024】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、前記給電電極は、前記各放電電極の方向に凸部が形成されており、該凸部で前記抵抗体と接触していることを特徴としたものである。
【0025】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体及び該抵抗体の非導通部を被覆する被覆部材が設けられていることを特徴としたものである。
【0026】
第7の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体は、基材上に形成されており、該抵抗体の表面は、セラミック又はガラスで被覆されていることを特徴としたものである。
【0027】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記給電電極及び前記抵抗体は、基材上に一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0028】
第9の技術手段は、第8の技術手段において、前記各放電電極と前記抵抗体とを電気的に接続するための接続用電極を有し、該接続用電極、前記抵抗体、及び前記給電電極は、前記基材上に一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0029】
第10の技術手段は、第7〜第9のいずれか1の技術手段において、前記基材は、セラミック又はガラスで形成されていることを特徴としたものである。
【0030】
第11の技術手段は、第1〜第10のいずれか1の技術手段における帯電装置と、静電潜像を担持する像担持体とを備え、前記帯電装置によって前記像担持体を帯電させることを特徴とした画像形成装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、各放電電極と給電電極との間の最短経路上に抵抗体が非導通となる非導通部を設けることにより、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】帯電装置及び感光体ドラムの外観を模式的に表した図である。
【図3】本発明を適用した帯電装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明の帯電装置と比較例としての帯電装置との違いを説明するための図である。
【図5】本発明による抵抗体の非導通部の一例を示す図である。
【図6】本発明による抵抗体の非導通部を千鳥配置した例を示す図である。
【図7】本発明による抵抗体の非導通部の好ましい配置例を説明する図である。
【図8】本発明による給電電極の構成例を示す図である。
【図9】本発明による抵抗体の被覆構成の一例を示す図である。
【図10】本発明による給電電極及び接続用電極の構成例を示す図である。
【図11】従来技術を説明するための図である。
【図12】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置の好適な実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。図中、1は画像形成装置で、該画像形成装置1は、静電潜像を担持する像担持体である感光体ドラム11と、感光体ドラム11を感光させる帯電装置12とを備える。画像形成装置1は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、及びブラック(b)の4色のトナー像を順次重ね合わせて多色トナー像を形成し、当該多色トナー像を記録材に定着させることで画像を形成する、タンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像形成部2と、中間転写部3と、2次転写部4と、記録材供給部5と、定着部6と、スキャナ部7と、図示しない制御ユニット部とを含む。
【0035】
スキャナ部7は、原稿台と、光源と、CCD(電荷結合素子)センサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には、透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(アナログ信号)に変換する。
【0036】
CCDセンサ9は、変換部と、転送部と、出力部とを含む。変換部は、反射光である光信号を電気信号に変換する。転送部は、クロックパルスに同期して、電気信号を順次出力部へ転送する。出力部は、電気信号を電圧信号に変換し、増幅し、低インピーダンス化して出力する。
【0037】
画像形成装置1の全動作を制御する制御ユニット部は、制御部と、演算部と、記憶部とを含み、上記のようにして得られたアナログ信号に、公知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7によって読み取られた原稿の画像情報は、制御ユニット部に送られて各種画像処理が施され、デジタル信号に変換された後、制御ユニット部の記憶部に記憶される。記憶部に記憶された画像情報は、出力指示に応じて記憶部から読み出され、後述する光走査ユニット13に転送される。
【0038】
スキャナ部7によれば、原稿台に載置された原稿は光源によって照明され、照明された原稿からの反射光が、CCDセンサ9によってアナログの画像情報に変換される。アナログ信号の画像情報は、制御ユニット部によってデジタル信号化され、記憶部に記憶される。
【0039】
トナー像形成部2は、可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bと、光走査ユニット13とを含む。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向、すなわち矢印27の方向における上流側からこの順番で一列に配置される。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、デジタル信号として入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、静電潜像にトナーを供給して各色のトナー像を形成する。
【0040】
可視像形成ユニット10yは、イエロー(y)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10mは、マゼンタ(m)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10cは、シアン(c)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10bは、ブラック(b)の画像情報に対応するトナー像を形成する。このように、各色に応じて設けられる可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bについて、色ごとに区別する場合は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付し、総称する場合は、参照符号の末尾にアルファベットを付さないこととする。可視像形成ユニット10を構成する各部材についても同様とする。
【0041】
可視像形成ユニット10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像部14と、ドラムクリーナ15と、1次転写前帯電部16と、1次転写部22と、感光体除電部33とを含む。
【0042】
感光体ドラム11は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。感光体ドラム11は感光層を含み、感光層の表面において、静電潜像ひいてはトナー像を担持する。
【0043】
感光体ドラム11には、例えば、アルミニウムなどからなる導電性基体と、導電性基体表面に形成される感光層とからなるものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状の導電性基体を好ましく使用できる。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。
【0044】
有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、または、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む樹脂層が挙げられる。
【0045】
導電性基体と感光層との間には、下地層が介在してもよい。また、感光層の表面には感光層を保護するための表面層(保護層)が設けられてもよい。
【0046】
図2は、帯電装置12及び感光体ドラム11の外観を模式的に表した図である。帯電装置12は、感光体ドラム11に臨み、感光体ドラム11の軸方向に沿って配置される。帯電装置12は、放電電極123と、シールドケース124とを備える。
【0047】
放電電極123は、高圧電源と接続される電極である。放電電極123は、複数の突起部が一方向に配列され、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じるように構成されている。
【0048】
シールドケース124は、感光体ドラム11に臨む壁部に開口部を有する箱状部材である。シールドケース124は、内部空間を有し、当該内部空間に放電電極123が設けられる。シールドケース124は、感光体ドラム11の軸方向が長手方向となるように配置され、当該長手方向に直交する断面形状が略コの字状となる。
【0049】
シールドケース124は、接地されるか、または図示しない電源と接続される。電源と接続される場合、シールドケース124には、放電電極123に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、0kv〜1kVの範囲内である。
【0050】
本実施形態の帯電装置12は、コロトロン式の帯電装置として例示しているが、帯電装置12としては、スコロトロン式の帯電装置を用いてもよい。帯電装置12がスコロトロン式の帯電装置である場合、上記の構成に加え、放電電極123と感光体ドラム11との間に薄板状の金属からなるグリッド電極が設けられる。グリッド電極は、2mm〜7mmの範囲内で、放電電極123の突起部から離隔して設けられ、例えば4mm離隔して設けられる。
【0051】
上記のグリッド電極は、厚み方向に貫通するように形成される複数の貫通孔を有し、バイアス電源と接続される。グリッド電極には、バイアス電源から、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、画像形成に必要な値に適宜制御され、範囲としては300V〜1kVである。
【0052】
帯電装置12によれば、高圧電源から印加される電圧によって、放電電極123の突起部においてコロナ放電を生じる。より詳細には、放電電極123の全体に印加される電流量の絶対値が200μA〜1000μAの範囲内となるように、上記の範囲内で、放電電極123への印加電圧が制御される。
【0053】
この際、被帯電物をいずれの極性に帯電させるかによらず、帯電装置12のコロナ放電によって被帯電物に向かうイオン流が生じる。
【0054】
また、図1において、光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11y,11m,11c,11b表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光13y,13m,13c,13bをそれぞれ照射し、感光体ドラム11y,11m,11c,11bそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。
【0055】
現像部14は、現像ローラと、規制ブレードと、現像槽と、攪拌ローラとを含む。現像ローラは、現像槽によって軸線回りに回転可能に支持されるローラ状部材である。現像ローラは、現像槽の感光体ドラム11に臨む面に形成される開口部から、その一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11表面に近接するように設けられる。
【0056】
現像ローラは、図示しない固定磁極を内包しており、この固定磁極によって、現像ローラ表面に現像剤を担持する。現像ローラは、現像ローラと感光体ドラム11との近接部(現像ニップ部)において、担持した現像剤を感光体ドラム11表面の静電潜像に供給する。現像ローラは、感光体ドラム11と逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ表面と感光体ドラム11表面とが同じ方向に移動する。
【0057】
現像ローラは、図示しない電源と接続され、当該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ表面の現像剤は、静電潜像に円滑に供給される。
【0058】
規制ブレードは、一端が現像槽によって支持され、他端が現像ローラ表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材である。規制ブレードは、現像ローラ表面に担持される現像剤層の層厚を均一化する。
【0059】
現像槽は、感光体ドラム11に臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽は、その内部空間に攪拌ローラを備え、現像剤を貯留する。現像槽には、現像剤の消費状況に応じて、図示しない現像剤補充手段から現像剤が補充される。現像剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤であってもよい。
【0060】
攪拌ローラは、現像槽の内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラは、回転駆動によって、現像槽内の現像剤を現像ローラの表面周辺に送給する。
【0061】
現像部14によれば、現像槽内の現像剤が、攪拌ローラによって現像ローラ表面に送給され、当該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は、規制ブレードによって層厚が均一化される。その後、感光体ドラム11との電位差によって、感光体ドラム11表面の静電潜像に現像剤が選択的に供給され、感光体ドラム11表面に画像情報に対応するトナー像が形成される。
【0062】
1次転写前帯電部16は、感光体ドラム11表面に形成されたトナー像を帯電させる帯電部である。この1次転写前帯電部16としては、例えば、帯電装置12と同じものを使用してもよい。
【0063】
1次転写部22は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。1次転写部22は、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11に対向し、かつ、中間転写ベルト21の感光体ドラム11と接する面とは反対側の面に圧接する。1次転写部22には、例えば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。
【0064】
金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
【0065】
1次転写部22は、図示しない高圧電源と接続される。1次転写部22には、高圧電源から、感光体ドラム11の表面に形成されるトナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、感光体ドラム11表面に形成されるトナー像は、中間転写ベルト21の表面に転写される。
【0066】
ドラムクリーナ15は、感光体ドラム11表面のトナー像が中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11表面に残存する現像剤を除去、回収する。
【0067】
感光体除電部33は、ドラムクリーナ15によって現像剤が回収された後の感光体ドラム11を除電する。感光体除電部33には除電ランプなどの照明手段を用いることができる。
【0068】
トナー像形成部2によれば、帯電装置12によって感光体ドラム11が帯電する。光走査ユニット13は、記憶部に記憶されるデジタル信号の画像情報に対応するレーザ光を、帯電した感光体ドラム11に照射し、静電潜像を形成する。現像部14は、静電潜像に現像剤を供給し、感光体ドラム11表面にトナー像を形成する。このトナー像は、1次転写部22によって、中間転写ベルト21に1次転写する。
【0069】
中間転写部3は、転写ベルトクリーナ17と、転写ベルト除電部18と、中間転写ベルト21と、支持ローラ23,24,25とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。中間転写ベルト21は、感光体ドラム11から転写したトナー像を担持しながら、感光体ドラム11と略同一の周速度で矢印27の方向に回転移動する。中間転写ベルト21は、例えば、167〜225mm/sで回転移動する。
【0070】
中間転写ベルト21には、例えば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料はポリイミドに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。
【0071】
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。支持ローラ23,24,25には、例えば、アルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。
【0072】
支持ローラ24は、感光体ドラム11bより中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接し、2次転写ニップ部を形成する。また、支持ローラ24は、電気的に接地される。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を張架する役割とともに、中間転写ベルト21上のトナー像を記録材に2次転写させる役割を有する。
【0073】
転写ベルトクリーナ17は、支持ローラ24より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。転写ベルトクリーナ17は、中間転写ベルト21上のトナー像が記録材に転写された後に、中間転写ベルト21上に残存するトナーを除去する部材である。
【0074】
転写ベルトクリーナ17は、クリーニングブレードと、図示しないトナー貯留容器とを含む。クリーニングブレードは、中間転写ベルト21のトナー像を担持する面に圧接し、当該面上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレードには、例えば、弾性を有するゴム材料(ウレタンゴムなど)などを使用できる。トナー貯留容器は、クリーニングブレードによって掻き取られたトナーなどを一時的に貯留する容器状部材である。
【0075】
転写ベルト除電部18は、転写ベルトクリーナ17より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側、かつ、感光体ドラム11yより上流側に設けられる。転写ベルト除電部18は、中間転写ベルト21上の残存トナーが転写ベルトクリーナ17によって除去された後に、中間転写ベルト21を除電するブラシ状部材である。
【0076】
中間転写部3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成される各色のトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像を担持する面における所定位置に重ね合わされて、多色トナー像が形成される。この多色トナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録材に2次転写される。2次転写後、中間転写ベルト21上に残留するトナー、オフセットトナー、紙粉などは転写ベルトクリーナ17によって除去される。残留トナーなどの除去後、中間転写ベルト21は転写ベルト除電部によって除電される。
【0077】
記録材供給部5は、レジストローラ19a,19bと、ピックアップローラ20と、記録材カセット26とを含む。記録材カセット26は記録材8を貯留する。記録材8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP用フィルム、葉書などがある。記録材8のサイズには、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどがある。
【0078】
ピックアップローラ20は、記録材8を搬送路Sに1枚ずつ送給するローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは、中間転写ベルト21上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録材8を送給する。
【0079】
記録材供給部5によれば、記録材カセット26内に貯留される記録材8が、ピックアップローラ20によって1枚ずつ搬送路Sに送給され、さらに、レジストローラ19a,19bによって2次転写ニップ部に送給される。
【0080】
2次転写部4は、2次転写前帯電部32と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写前帯電部32は、中間転写ベルト21上に担持された多色トナー像を帯電させる帯電部である。2次転写前帯電部32としては、例えば、帯電装置12と同じものを使用してもよい。
【0081】
2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接するように設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ28は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動する。2次転写ローラ28は、例えば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。
【0082】
金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
【0083】
2次転写ローラ28は、図示しない高圧電源と接続される。2次転写ローラ28には、高圧電源から、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像は、2次転写ニップ部において、記録材8の表面に転写される。
【0084】
2次転写部4によれば、中間転写ベルト21上の多色トナー像は、記録材供給部5から送給される記録材8に2次転写される。未定着の多色トナー像を担持する記録材8は、定着部6に搬送される。
【0085】
定着部6は、排紙部29と、定着ローラ30と、加圧ローラ31とを含む。定着ローラ30は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。定着ローラ30の内部には、ハロゲンランプなどの加熱手段が設けられる。定着ローラ30は、記録材8に担持される未定着の多色トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録材8に定着させる。
【0086】
定着ローラ30としては、例えば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材を使用できる。芯金を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、例えば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるが、芯金からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。
【0087】
弾性体層を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないが、耐熱性に優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
【0088】
表面層を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーの吸着性が低いものであれば特に制限されない。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。
【0089】
加圧ローラ31は、定着ローラ30の鉛直方向下方において、定着ローラ30に圧接された状態で回転自在に設けられるローラ状部材である。定着ローラ30と加圧ローラ31との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ31は、定着ローラ30の回転駆動に従動して回転する。加圧ローラ31は、多色トナー像の記録材8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録材8に対して押圧することによって、多色トナー像の記録材8への定着を促進する。
【0090】
加圧ローラ31としては、例えば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材が使用できる。芯金、弾性体層および表面層としては、それぞれ、定着ローラ30の芯金、弾性体層および表面層と同じものを使用できる。また、加圧ローラ31の内部には、定着ローラ30と同様に、加熱手段が設けられてもよい。
また、排紙部29は、多色トナー像が定着した記録材8を貯留するトレイ状部材である。
【0091】
定着部6によれば、記録材8に担持される未定着の多色トナー像は加熱溶融し、記録材8に定着する。多色トナー像が定着した記録材8は、排紙部29に排紙され、画像形成は完了する。
【0092】
画像形成装置1は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、例えば、画像形成装置1の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と、演算部と、制御部とを含む。制御ユニット部の記憶部には、画像形成装置1の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、例えば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
【0093】
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置1に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
【0094】
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
【0095】
制御部及び演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置1内部における各部材にも電力を供給する。
【0096】
図3は、本発明を適用した帯電装置12の構成例を示す図である。図3(A)は帯電装置12を側面から見たときの図、図3(B)は図3(A)の帯電装置12をY方向から見たときの図、図3(C)は図3(A)の帯電装置12をX方向から見たときの図である。本例ではスコロトロン式の帯電装置を例示して説明するものとし、この帯電装置12は、大きく分けて、放電電極123,抵抗体(電気抵抗体ともいう)127,及び給電電極129を含む放電電極素子と、この放電電極素子を保持する放電電極保持部材122と、シールドケース124と、グリッド電極121とを備える。帯電装置12は、給電電極129と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極123の突起部でコロナ放電させ、被帯電物を帯電させる。
【0097】
本発明の主たる特徴部分は、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させることにある。このための構成として、帯電装置12は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極123と、各放電電極123と抵抗体127を介して接続された給電電極129とを備え、抵抗体127は、複数の放電電極123の配列方向に一体的に形成され、給電電極129から各放電電極123への給電経路のうち最短となる給電経路(以下、最短給電経路という)上に抵抗体127が非導通となる非導通部128を設けている。すなわち、非導通部128は、抵抗体127が不連続となる部分であり、この不連続部分には電流が流れない。
【0098】
図3に示すように、放電電極素子はシールドケース124の内部空間のほぼ中央に配置され、シールドケース124との絶縁が保たれるように樹脂等の絶縁体から成る保持部材122によって固定される。放電電極素子は、複数の突起部が一方向に配列された複数の放電電極123と、給電電極129と、接続用電極125と、電気抵抗体127と、セラミック基材126とを備える。なお、このセラミック基材126はガラス基材であってもよい。
【0099】
セラミック基材126上に、給電電極129と接続用電極125を印刷で形成し、さらに図3(A)に示すように抵抗体127の一部が重なるように形成し、これを焼成することで一体に形成されている。抵抗体127との重なり幅は0.5mm〜1mm程度確保すれば安定した通電状態を維持できる。なお、上記基材の材料としては、有機物であれば耐酸化性に優れた材料も好適である。例えば、ポリイミドまたはガラスエポキシ等の樹脂を使用することができる。また、無機物であれば、マイカ集製材やアルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。なお、耐食性の面を考えれば、基材の材料として無機系のほうが望ましく、さらに成形性や電極形成の容易性、耐湿性の低さ等を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。
【0100】
また、基材の厚みは強度や寸法の制約などを考慮すると、0.2〜1.0mm程度が好適である。また電極の材料としては、例えば、タングステンや銀、パラジウム、銅、ニッケル、金、白金、ステンレス、あるいはこれらの合金など、導電性を有するものを使用することができる。また各端子部は電極材料をそのまま用いれば、作業工程が増えず低コストに出来るが、場合によってはメッキ処理などを行ってもよい。
【0101】
抵抗体127は、各放電電極123と給電電極129とを接続するものである。これによって、高圧電源と放電電極123とが電気的に接続される。抵抗体127は、例えば、半導電のフィルム、セラミック抵抗体などを用いることもできる。本例ではセラミック抵抗体を用いている。抵抗体127の高さは帯電装置12の寸法制約にもよるが2〜10mm程度が適当であり、本例では4mmとした。また本発明の特徴部分である抵抗体127の非導通部128は、給電電極129から各放電電極123への最短給電経路上に、例えば、楕円形状の抵抗体127の無い部分(貫通孔)を形成している。抵抗体127の抵抗値は、任意の放電電極123の両脇の給電経路を接地(ガード)した状態で、例えば、印加電圧500Vで250MΩ〜2GΩであり、好ましくは500MΩ〜1GΩである。
【0102】
放電電極123は、半田付けや異方性導電膜(ACF)の熱圧着によって、接続用電極125に固定される。また本例では抵抗体127の表面を覆うようにコート層を設けている。これは水分付着などにより抵抗体127の非導通部128をリーク電流が通ることを防止するためである。例えば、後述の図9(B)に示すような構成とし、コート層としては数μm〜数十μmのガラスを用いている。
【0103】
放電電極123は、帯電装置12の長手方向に放電を発生する突起部が延設されている。放電電極123は、例えば、ステンレス材からなり、エッチングによって、突起部先端の曲率が10μm〜30μm程度の尖りになるように形成される。なお、放電電極123の材料としては、ステンレスに限らず、インコネル、タングステン、銅、鉄などを用いることができる。さらに、放電電極123の表面には、ニッケル、クロム、金、もしくは白金めっき、またはニッケルを下地にした金めっき(Ni−Auめっき)などの加工を施しても良い。またエッチングに限らず、プレス等によって形成しても良い。
【0104】
放電電極123の厚さは0.05mm〜0.20mmの範囲内で、放電電極123の突出方向(突起部からシールドケースの開口に向かう方向)の長さは、1mm〜4mmの範囲内で、放電電極123の配列方向における楔状の電極の幅は0.5mm〜2.0mmの範囲内で、それぞれ適宜設定することができる。放電電極123の厚さ、長さ、および楔状電極の幅のいずれについても、この範囲よりも小さ過ぎる場合は放電電極123の強度が低下して好ましくなく、大き過ぎる場合は突起部先端の尖りが鈍くてコロナ放電が安定しなくなるので好ましくない。
【0105】
また、放電電極123には複数の突起部が所定の突起間距離Pの間隔で配置される。図3において、楔状の放電電極123のピッチPは、1mm〜8mmの範囲内で設定できる。ピッチPが小さ過ぎると、コロナ放電を生じる電極と、生じない電極とが現われる場合があり、放電の不均一を招く。また、ピッチPが大き過ぎると、各放電電極123から発したイオン流の広がりが十分でなく、ピッチに起因した帯電ムラが生じやすくなり、好ましくない。
【0106】
なお、放電電極素子の長手方向の大きさは、帯電装置12の帯電幅と同等でも良いし、複数の小素子を組み合わせたものでも使用可能である。小素子の場合、各素子の給電電極を接続することで帯電装置12の長手方向全域にわたって給電することが可能である。
【0107】
シールドケース124には、ステンレス材や鉄にニッケルめっきを施したものを使用できる。シールドケース124の開口部の幅は、8mm〜30mmの範囲内で適宜設定することができる。シールドケース124の厚さは、0.5mm〜2mmの範囲内で設定できる。放電電極保持部材122は絶縁性を有する樹脂であれば良く、例えば、ポリカーボネート樹脂やABS(アクリルブタジエンスチレン樹脂)などを用いればよい。
【0108】
放電電極123は、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの楔状の電極の突起部においてコロナ放電を生じる。高圧電源からの印加電圧は、被帯電物をいずれの極性で帯電させるかによって異なるが、印加電圧の絶対値としては、4kV〜10kVの範囲内に制御される。また、放電電極素子と帯電装置の他の部材との距離によっても、必要な印加電圧は異なるが、トランスコストの観点および安全性の観点から最大値(絶対値)は10kV以下とすることが好ましい。
【0109】
以上のような放電電極123を備える帯電装置12によれば、帯電均一性が向上し、帯電ムラを抑えることができる。以下の図4に基づいて、本発明の帯電装置と比較例としての帯電装置との違いを説明する。なお、図4(A)〜(C)は比較例としての帯電装置の構成例を示し、図4(D)〜(F)は本発明の帯電装置12の構成例を示す。
【0110】
まず、比較例としての帯電装置について説明する。図4(A)に示すように、各放電電極123′(以下、放電電極P1′〜P5′とする)は非導通部のない一体状の抵抗体127′を介して、給電電極129′に接続されている。この場合、放電電極P1′〜P5′への給電は給電電極129′との最短経路となる略直線状の給電経路を通して行われる。図4(B)に示すように、各放電電極P1′〜P5′の給電経路の抵抗をそれぞれR1′〜R5′とすると、一体状の抵抗体127′が元来持っている抵抗バラツキが抵抗R1′〜R5′に反映され、図4(C)に示すような長手方向に抵抗分布をもつ。このバラツキが大きいほど帯電均一性もばらつき、画像上に欠陥をもたらしてしまう。
【0111】
これに対して、本発明の帯電装置12の場合、図4(D)に示すように、給電電極129から各放電電極123(以下、放電電極P1〜P5とする)への最短給電経路の途中で抵抗体127を一部除去し、抵抗体127の非導通部128を設けている。この非導通部128によって各放電電極P1〜P5への主たる給電経路は2つに分けられる。すなわち、各放電電極P1〜P5に対して、それぞれP01とP12を通る給電経路、P12とP23を通る給電経路、P23とP34を通る給電経路、P34とP45を通る給電経路、P45とP56を通る給電経路に分けられる。例えば、放電電極P3への給電経路はP23とP34を通ることになる。
【0112】
上記において、P12,P23,P34,P45はそれぞれ放電電極P1,P2の中間点、放電電極P2,P3の中間点、放電電極P3,P4の中間点、放電電極P4,P5の中間点を示す。そして、放電電極P1と中間点P12との距離と、放電電極P1と端点P01との距離は等しいものとする。同様に、放電電極P5と中間点P45との距離と、放電電極P5と端点P56との距離は等しいものとする。
【0113】
図4(E)に示すように、各放電電極P1〜P5の両端に位置する点P01,P12,P23,P34,P45,P56に相当する部分の抵抗をそれぞれR01、R12,R23,R34,R45,R56とすると、放電電極P1〜P5への給電経路の抵抗R1〜R5は隣接している抵抗R01〜R56の合成抵抗となる。よって抵抗体127が元来持っている抵抗バラツキは平均化され、図4(F)に示すように抵抗バラツキの平均化効果を得ることができ、帯電均一性を向上させることができる。
【0114】
また、図4(D)に示すように、抵抗体127を放電電極P1〜P5の配列方向と垂直な方向に配しているため、放電電極P1〜P5の配置ピッチPに影響されることなく、抵抗体127の長さLを比較的自由に設定できる。これにより、前述の図12で説明した従来技術における課題を克服することができる。つまり、抵抗体の品質が安定する条件での使用が可能で、かつ、放電電極と抵抗体の接続部のわずかな位置ズレの影響を受けにくく設定できるため、放電電極とコモン(給電)電極間の抵抗バラツキを抑えて使用することが可能となる。さらには、放電時に抵抗体に流れる電流により発生する抵抗両端の電位差に対する耐圧を十分確保でき、安定した放電を行うことができる。
【0115】
図5は、本発明による抵抗体の非導通部の一例を示す図である。図5(A)、(B)に示すように、抵抗体127の非導通部128は、円形状又は楕円形状の貫通孔とすることが好ましい。一方、図5(C)に示すような矩形状や、図示しない三角や菱形形状など、角部分を有する形状の場合、抵抗体127の非導通部128の角部分の周縁では電界集中が発生し、異常放電を起こし、抵抗体の損傷や不要なノイズ発生など、望ましくない現象が発生する場合がある。図5(A)、(B)に示す円形状や楕円形状のように角部のない形状とすることで、このような不具合を回避でき、異常放電を抑えて安定した給電を行うことができる。
【0116】
図6は、本発明による抵抗体の非導通部を千鳥配置した例を示す図である。このように、抵抗体127の非導通部128を千鳥状に配置しても良い。図6(A)及び図6(B)は円形状の非導通部128を千鳥状に配置した例であるが、図6(A)と図6(B)とでは千鳥のパターンが異なっている。また、図6(C)及び図6(D)は横長の楕円形状の非導通部128を千鳥状に配置した例であるが、図6(C)と図6(D)とでは千鳥のパターンが異なっている。例えば、図6(A)に示すような千鳥配置とすることで、給電経路が抵抗体127の長手方向に分散しながら進むため、抵抗体127が元来持つ抵抗分布をより均一化しやすい。また、給電経路も長くなるため、抵抗を高抵抗化しやすく、抵抗バラツキが比較的小さい低めの抵抗率の材料を用いることも可能となるため、抵抗の均一化をより効果的に行うことができる。
【0117】
また、上記例において、図6(C)に示すように横長の楕円としてもよく、給電経路の分散や経路長の延長効果をより高めることも可能である。ただし、あまり極端な楕円とすると、曲率の大きい部分では電界集中が進む傾向になるため、異常放電のリスクとのバランスを考慮して選定するのが望ましい。
【0118】
図7は、本発明による抵抗体の非導通部の好ましい配置例を説明する図である。図7に基づいて、抵抗体127の非導通部128の好ましい配置例について説明する。図7(B)に示すように、各放電電極123と給電電極129とを結ぶ最短給電経路(軸J)に対して、非軸対称の位置に非導通部128を配置してしまうと、給電経路長の短い部分が主たる給電経路になってしまい、十分な抵抗均一化効果を得ることができない。つまり、非導通部128を設けない状態に近くなってしまうため、図7(B)のような非軸対称の配置構成は好ましくない。これに対して、図7(A)の例では、各放電電極123と給電電極129とを結ぶ最短給電経路(軸J)に対して、非導通部128が軸対称の位置に配置されている。この場合、各放電電極123への給電経路の両脇に位置する給電経路長がほぼ等しく、両脇の抵抗体127の寄与がほぼ半々となり、十分な抵抗均一化効果を得ることができる。
【0119】
図8は、本発明による給電電極の構成例を示す図である。図8(B)はベタ状の給電電極を用いた構成例であり、抵抗体127に給電電極129が長手方向に渡って全域接続されている。このような構成の場合、給電経路129は図8(B)に例示しているように、非導通部128の直下だけでなく、各放電電極間の任意の箇所からも給電経路が発生し、給電経路の巾が広くなり、給電経路の抵抗が低くなってしまう傾向にある。また、給電経路が直線的になるため、給電経路の分散による抵抗均一化効果を低減させてしまう。
【0120】
これに対して、図8(A)に示す構成の場合、給電電極129は、各放電電極123の方向に凸部が形成されており、凸部で抵抗体127と接触している。このように、給電電極129の凸部より給電を行うことで、凸部の巾によって抵抗をある程度制御でき、また、給電経路も図8(A)に示したように左右に分散されやすくなるため、抵抗均一化効果を高めることができ、より均一な放電を行うことができる。
【0121】
図9は、本発明による抵抗体の被覆構成の一例を示す図である。抵抗体127の非導通部128に水分などが付着し、非導通部128の表面を電流が流れるようになると、給電経路が分散化されず、抵抗を均一化できなくなる恐れがある。このような問題を回避するために、図9(A)、(B)に示す構成としてもよい。図9(A)に例示する構成は、フィルム状の抵抗体127及び抵抗体127の非導通部128に対してその両面を絶縁性フィルム等の被覆部材130でラミネート被覆したものである。この図9(A)の構成は比較的安価にでき、特別な装置が不要であるため簡便に製造できるメリットがある。
【0122】
また、図9(B)に例示する構成は、セラミック(またはガラス)基材126上に印刷などで抵抗体127を形成し、その抵抗体127の表面からセラミック(またはガラス)などのコート(被覆)層131を設け、一体焼成したものである。この図9(B)のような構成の場合、コート層131の抵抗体127への密着性も高く、より強固なコート層とすることができ、水分の影響を排除する能力をより高めることが可能となる。本構成を採ることで、非導通部128の絶縁性を安定に維持できるため、本発明による抵抗均一化効果をより高めることができる。
【0123】
図10は、本発明による給電電極及び接続用電極の構成例を示す図である。図10(A)に示すように、給電電極129及び抵抗体127をセラミック基材126上に一体的に形成してもよい。本例の場合、各放電電極123は接続用電極を介さずに抵抗体127に直接接続される。この図10(A)に例示する構成では、給電電極129をセラミック基材126上に印刷等で形成し、さらにその上から抵抗体127を形成して、一体焼成したものであり、給電電極129との電気的接続がより安定なものになる。
【0124】
また、抵抗体127と給電電極129との位置関係は印刷精度で維持できるため、その重なり長さを小さく設定しても安定した接触部を構成することが可能となる。また、接着強度について考慮する必要がなくなるため、抵抗体127の全長のうち、抵抗体127として有効に作用する部分の長さを大きく採ることができ、コンパクト化にも貢献できる。また、本構成の場合、放電電極123側は異方性導電テープやスリット状の導電性テープを用いて抵抗体127と固定すればよい。
【0125】
さらに、図10(B)に示すように、接続用電極125、抵抗体127、及び給電電極129をセラミック基材126上に一体的に形成してもよい。本構成のメリットとしては、放電電極123を固定する場合に半田付けを利用することができるため、放電電極123と抵抗体127との間の電気的接続をより安定化できる。
【0126】
このように、本発明による帯電装置によれば、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、安価な抵抗体でも抵抗バラツキを抑えて、帯電均一性を向上させることができるため、低コストな帯電装置を提供することができる。
【0127】
なお、上記の効果を確認するために、前述の図2に示したように、感光体ドラム11を、帯電装置12により帯電させ、表面電位計を用いて表面電位のバラつきを確認した。この結果、非導通部128を持つ抵抗体127を用いて良好な均一性を得ることができた。
【0128】
本発明による画像形成装置1によれば、上記において説明した帯電装置12を備えるので、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、本発明による帯電装置12は、帯電均一性が向上するため、放電ギャップ(放電電極ピッチ)を狭めることが可能となる。これによって、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても十分な帯電均一性が得られるため、オゾン発生量を減少させることができ、また、帯電装置12をコンパクトに構成することができる。
【0129】
ここで、本発明による帯電装置12は、感光体ドラム11を帯電させる用途以外でも使用することができる。例えば、画像形成装置1が備える1次転写前帯電部16及び2次転写前帯電部32は、移動する被帯電物を帯電させるものであるが、感光体ドラム11の場合と同様に、本発明による帯電装置12を適用することができる。
【0130】
最後に、本発明の範囲は、上述した実施形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示される。上述した実施形態の説明はすべての点で例示であり、本発明の範囲は他のすべての実施形態を含むものである。すなわち、本発明は、上述した実施形態の一部または全部を、特許請求の範囲内および特許請求の範囲と均等の範囲内において変更した、すべての実施形態を含むものとする。
【符号の説明】
【0131】
1…画像形成装置、2…トナー像形成部、3…中間転写部、4…2次転写部、5…記録材供給部、6…定着部、7…スキャナ部、8…記録材、9…CCDセンサ、10…可視像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…光走査ユニット、14…現像部、15…ドラムクリーナ、16…1次転写前帯電部、17…転写ベルトクリーナ、18…転写ベルト除電部、19…レジストローラ、20…ピックアップローラ、21…中間転写ベルト、22…1次転写部、23,24,25…支持ローラ、26…記録材カセット、28…2次転写ローラ、29…排紙部、30…定着ローラ、31…加圧ローラ、32…2次転写前帯電部、121…グリッド電極、122…放電電極保持部材、123…放電電極、124…シールドケース、125…接続用電極、126…セラミック基材、127…抵抗体、128…非導通部、129…給電電極。
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置及び画像形成装置に関し、より詳細には、コロナ放電方式によって被帯電物を帯電させる帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、感光体を帯電させる帯電装置、トナー像を記録用紙に静電的に転写させる転写装置、記録用紙を静電的に剥離させる剥離装置などに、コロナ放電方式の帯電装置(コロナ放電装置)がよく用いられている。
【0003】
このコロナ放電装置としては、感光体、記録用紙などの被帯電物に対向する開口部を有するシールドケースと、シールドケース内部に張設される放電電極とを備える所謂コロトロン式の放電装置が知られている。コロトロン式の放電装置は、高電圧を印加されることによって、放電電極においてコロナ放電を生じる。コロナ放電によって発生するイオン流は、被帯電物へと向かい、これによって放電電流が生じ、その結果、被帯電物は一様に帯電する。
【0004】
また、コロナ放電装置としては、コロトロン式の放電装置の構成に、放電電極と被帯電物との間に設けられるグリッド電極を加えた所謂スコロトロン式の放電装置も知られている。スコロトロン式の放電装置は、コロナ放電の際に、グリッド電極に所定の電圧が印加されることによって、被帯電物をより一様に帯電させることができる。
【0005】
コロナ放電装置以外の帯電装置としては、半導電性のローラまたはブラシからなる帯電部材を被帯電物に接触または近接対峙させ、帯電部材と被帯電物との間に電圧を印加することによって、被帯電物を帯電させる接触帯電装置が知られている。この接触帯電装置によれば、放電領域が、被帯電物と帯電部材との接触部近傍に形成される微小空隙に限られるので、コロナ放電装置に比べ、放電電流を少なくすることができる。
【0006】
コロナ放電装置は、放電を安定化させるために大量の放電電流を流す必要があり、その結果、大量のオゾンが発生してしまうという問題があるのに対して、接触帯電装置は、放電電流量を削減できるので、オゾンの発生確率が減少する。
【0007】
しかしながら、接触帯電装置では、被帯電物との接触、電気的ストレスなどによって帯電部材の磨耗、劣化が起こりやすく、帯電工程の高速化および帯電部材の長寿命化が難しいという問題がある。また、汚れ、環境条件、経時変化などによる帯電部材の特性変化によって、帯電特性が劣化しやすいという問題もある。
【0008】
また近年、感光体上で多色画像を重ね合せる技術(IOI:Image On Image)が開発されている。この技術では複数色の位置ずれが起こりにくく、また転写工程が1回で済むため画像劣化を起こしにくく、高品位な画像形成性能に優れている。この技術では、接触帯電方式を用いることができないため、非接触でかつ均一性の高い帯電方法が必要とされる。
【0009】
これらの事情から、コロトロン式の放電装置、スコロトロン式の放電装置などのコロナ放電装置において、オゾン発生量の減少、長寿命化、帯電特性の向上などが図られている。
【0010】
例えば、特許文献1は、コロナ放電装置の放電電極を、鋸歯状の放電電極とした帯電装置を開示している。鋸歯状の放電電極のように、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置は、放電電極先端部に電界が集中しやすく、かつ放電ポイントも少なくなるので、印加する電圧が比較的低電圧でコロナ放電が可能であり、オゾンの発生を抑制することが可能である。
【0011】
ただし、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置では、放電電極先端部の磨耗、先端部への放電生成物の付着などによって放電状態のばらつきが引き起こされ、コロナ放電装置の長手方向において帯電電位にムラが生じる、すなわち、帯電均一性が低下してしまう。そのため、このようなコロナ放電装置の帯電均一性を向上させる必要がある。
【0012】
これに対し、特許文献2及び特許文献3は、鋸歯状の放電電極を先端部ごとに分離し、各放電電極に電気抵抗体を接続する技術を開示している(以下、独立放電針方式と記す)。このような構成にすることで、印加電流量が多い放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が大きくなるので、印加電圧が小さくなって、コロナ放電が制限される。一方、印加電流量が少ない放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が小さい分、印加電圧が大きくなってコロナ放電が促される。したがって、この独立放電針の技術によれば、放電電極ごとのイオン流のばらつきが少なくなり、帯電均一性が向上する。さらに、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても十分な帯電均一性が得られるので、オゾン発生量を低減することもできる。
【0013】
このような独立放電針方式における抵抗体の構成方法としては、図11(A)、(B)に示すように、各放電電極101にチップ抵抗103を接続する方法や、チップ抵抗103の代わりにフィルム状の一体型抵抗をコモン給電電極(単に給電電極ともいう)102と放電電極101との間に配置し、異方性導電膜などで接続するといった方法がある。後者の一体型抵抗の場合、コストが比較的安価になるというメリットがある反面、抵抗体の均一性、特に長手方向におけるバラツキが起こりやすく、これが放電不均一の原因となる場合があった。
【0014】
このような課題に対して、特許文献4は、図12に示すように、歯部113a及び基部113bからなる櫛歯状のコモン給電電極113を絶縁性基材112上に設け、コモン給電電極113の歯部113a間に放電電極110を配し、放電電極110とコモン給電電極113の歯部113aとの間を抵抗体111で接続する方法を開示している。この方法によれば、放電電極110の両側の抵抗体111を通じて給電が行われるため、抵抗体111の長手方向にバラツキが存在しても、抵抗のばらつきが平均化されるため、放電の均一性が向上するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6−11946号公報
【特許文献2】特開平5−2314号公報
【特許文献3】特開平8−160711号公報
【特許文献4】特開平7−181781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記特許文献4に記載の方法を用いて検討を行ったところ、以下の問題があることが分かった。図12において、コモン給電電極113の巾Aを1mm、放電電極110の巾Bを1mm、放電電極110ピッチPが4mmの場合、コモン給電電極113と放電電極110とを結ぶ抵抗体111の長さLは1mm(=(ピッチP−巾A−巾B)/2)程度となる。しかし、4mmの電極ピッチでは電極ピッチに起因する周期的な帯電ムラが生じる場合もあり、さらに均一性を確保するには放電電極ピッチを狭める必要がある場合がある。例えば2mmピッチにすると、抵抗体111の長さLは0mmとなってしまうため、放電電極110やコモン給電電極113の巾を細くする必要がある。例えば放電電極110とコモン給電電極113の巾をそれぞれ0.5mmとすると抵抗体111の長さLは0.5mmとなり、抵抗体111の長さLが非常に短くなってしまう。
【0017】
このように抵抗体長さLが大きく取れない場合には、以下のような課題が生じる。抵抗体と各電極との接続には異方性導電膜シートや所定の大きさに形成された導電シートなどを用いるが、電極巾が狭いと貼付面積も小さくなり、必要な接着強度が得られない場合がある。さらに貼付位置のズレによって実効的な抵抗体長さが変化してしまうが、仮に貼付精度が±0.1mmであっても、抵抗体長さが1mmの場合ならば20%の変動、0.5mmならば40%の変動が生じてしまう。
【0018】
また接着強度を上げるために抵抗体の巾を大きくすることも考えられるが、巾が広く、長さが短い抵抗体で必要な抵抗値を得ようとすれば抵抗率の高い材料を使用しなければならない。一般に抵抗率が高い材料ほど、抵抗バラツキも大きくなる傾向があるため、本来の目的である抵抗の均一化作用を打ち消す恐れがある。また独立放電針方式では各抵抗に流れる電流によって抵抗両端には電位差が生じる。例えばA3サイズの画像形成装置において、帯電巾が320mm、総コロナ放電電流量が600μAと設定した場合、放電電極ピッチを4mmに設定すると、放電電極本数は80本となり、一本の放電電極に約7.5μAの電流が流れる。よって片側の抵抗体には約3.8μAずつ流れるため、その抵抗が1GΩの場合、抵抗両端の電位差は約3.8kVになる。この場合、抵抗体の長さが1mmとなるため、放電電極とコモン電極間での絶縁破壊が生じ、放電が起こってしまう場合がある。
【0019】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極と、該各放電電極と抵抗体を介して接続された給電電極とを備え、該給電電極と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極の突起部でコロナ放電させる帯電装置であって、前記抵抗体は、前記複数の放電電極の配列方向に一体的に形成され、前記給電電極から前記各放電電極への給電経路のうち最短となる給電経路上に前記抵抗体が非導通となる非導通部を設けたことを特徴としたものである。
【0021】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、円形状又は楕円形状の貫通孔であることを特徴としたものである。
【0022】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、千鳥状に配置されていることを特徴としたものである。
【0023】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体の非導通部は、前記各放電電極と前記給電電極とを結ぶ最短給電経路に対して、軸対称の形状で配置されていることを特徴としたものである。
【0024】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、前記給電電極は、前記各放電電極の方向に凸部が形成されており、該凸部で前記抵抗体と接触していることを特徴としたものである。
【0025】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体及び該抵抗体の非導通部を被覆する被覆部材が設けられていることを特徴としたものである。
【0026】
第7の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記抵抗体は、基材上に形成されており、該抵抗体の表面は、セラミック又はガラスで被覆されていることを特徴としたものである。
【0027】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記給電電極及び前記抵抗体は、基材上に一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0028】
第9の技術手段は、第8の技術手段において、前記各放電電極と前記抵抗体とを電気的に接続するための接続用電極を有し、該接続用電極、前記抵抗体、及び前記給電電極は、前記基材上に一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0029】
第10の技術手段は、第7〜第9のいずれか1の技術手段において、前記基材は、セラミック又はガラスで形成されていることを特徴としたものである。
【0030】
第11の技術手段は、第1〜第10のいずれか1の技術手段における帯電装置と、静電潜像を担持する像担持体とを備え、前記帯電装置によって前記像担持体を帯電させることを特徴とした画像形成装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、各放電電極と給電電極との間の最短経路上に抵抗体が非導通となる非導通部を設けることにより、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】帯電装置及び感光体ドラムの外観を模式的に表した図である。
【図3】本発明を適用した帯電装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明の帯電装置と比較例としての帯電装置との違いを説明するための図である。
【図5】本発明による抵抗体の非導通部の一例を示す図である。
【図6】本発明による抵抗体の非導通部を千鳥配置した例を示す図である。
【図7】本発明による抵抗体の非導通部の好ましい配置例を説明する図である。
【図8】本発明による給電電極の構成例を示す図である。
【図9】本発明による抵抗体の被覆構成の一例を示す図である。
【図10】本発明による給電電極及び接続用電極の構成例を示す図である。
【図11】従来技術を説明するための図である。
【図12】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置の好適な実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。図中、1は画像形成装置で、該画像形成装置1は、静電潜像を担持する像担持体である感光体ドラム11と、感光体ドラム11を感光させる帯電装置12とを備える。画像形成装置1は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、及びブラック(b)の4色のトナー像を順次重ね合わせて多色トナー像を形成し、当該多色トナー像を記録材に定着させることで画像を形成する、タンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像形成部2と、中間転写部3と、2次転写部4と、記録材供給部5と、定着部6と、スキャナ部7と、図示しない制御ユニット部とを含む。
【0035】
スキャナ部7は、原稿台と、光源と、CCD(電荷結合素子)センサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には、透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(アナログ信号)に変換する。
【0036】
CCDセンサ9は、変換部と、転送部と、出力部とを含む。変換部は、反射光である光信号を電気信号に変換する。転送部は、クロックパルスに同期して、電気信号を順次出力部へ転送する。出力部は、電気信号を電圧信号に変換し、増幅し、低インピーダンス化して出力する。
【0037】
画像形成装置1の全動作を制御する制御ユニット部は、制御部と、演算部と、記憶部とを含み、上記のようにして得られたアナログ信号に、公知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7によって読み取られた原稿の画像情報は、制御ユニット部に送られて各種画像処理が施され、デジタル信号に変換された後、制御ユニット部の記憶部に記憶される。記憶部に記憶された画像情報は、出力指示に応じて記憶部から読み出され、後述する光走査ユニット13に転送される。
【0038】
スキャナ部7によれば、原稿台に載置された原稿は光源によって照明され、照明された原稿からの反射光が、CCDセンサ9によってアナログの画像情報に変換される。アナログ信号の画像情報は、制御ユニット部によってデジタル信号化され、記憶部に記憶される。
【0039】
トナー像形成部2は、可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bと、光走査ユニット13とを含む。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向、すなわち矢印27の方向における上流側からこの順番で一列に配置される。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、デジタル信号として入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、静電潜像にトナーを供給して各色のトナー像を形成する。
【0040】
可視像形成ユニット10yは、イエロー(y)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10mは、マゼンタ(m)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10cは、シアン(c)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10bは、ブラック(b)の画像情報に対応するトナー像を形成する。このように、各色に応じて設けられる可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bについて、色ごとに区別する場合は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付し、総称する場合は、参照符号の末尾にアルファベットを付さないこととする。可視像形成ユニット10を構成する各部材についても同様とする。
【0041】
可視像形成ユニット10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像部14と、ドラムクリーナ15と、1次転写前帯電部16と、1次転写部22と、感光体除電部33とを含む。
【0042】
感光体ドラム11は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。感光体ドラム11は感光層を含み、感光層の表面において、静電潜像ひいてはトナー像を担持する。
【0043】
感光体ドラム11には、例えば、アルミニウムなどからなる導電性基体と、導電性基体表面に形成される感光層とからなるものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状の導電性基体を好ましく使用できる。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。
【0044】
有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、または、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む樹脂層が挙げられる。
【0045】
導電性基体と感光層との間には、下地層が介在してもよい。また、感光層の表面には感光層を保護するための表面層(保護層)が設けられてもよい。
【0046】
図2は、帯電装置12及び感光体ドラム11の外観を模式的に表した図である。帯電装置12は、感光体ドラム11に臨み、感光体ドラム11の軸方向に沿って配置される。帯電装置12は、放電電極123と、シールドケース124とを備える。
【0047】
放電電極123は、高圧電源と接続される電極である。放電電極123は、複数の突起部が一方向に配列され、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じるように構成されている。
【0048】
シールドケース124は、感光体ドラム11に臨む壁部に開口部を有する箱状部材である。シールドケース124は、内部空間を有し、当該内部空間に放電電極123が設けられる。シールドケース124は、感光体ドラム11の軸方向が長手方向となるように配置され、当該長手方向に直交する断面形状が略コの字状となる。
【0049】
シールドケース124は、接地されるか、または図示しない電源と接続される。電源と接続される場合、シールドケース124には、放電電極123に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、0kv〜1kVの範囲内である。
【0050】
本実施形態の帯電装置12は、コロトロン式の帯電装置として例示しているが、帯電装置12としては、スコロトロン式の帯電装置を用いてもよい。帯電装置12がスコロトロン式の帯電装置である場合、上記の構成に加え、放電電極123と感光体ドラム11との間に薄板状の金属からなるグリッド電極が設けられる。グリッド電極は、2mm〜7mmの範囲内で、放電電極123の突起部から離隔して設けられ、例えば4mm離隔して設けられる。
【0051】
上記のグリッド電極は、厚み方向に貫通するように形成される複数の貫通孔を有し、バイアス電源と接続される。グリッド電極には、バイアス電源から、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、画像形成に必要な値に適宜制御され、範囲としては300V〜1kVである。
【0052】
帯電装置12によれば、高圧電源から印加される電圧によって、放電電極123の突起部においてコロナ放電を生じる。より詳細には、放電電極123の全体に印加される電流量の絶対値が200μA〜1000μAの範囲内となるように、上記の範囲内で、放電電極123への印加電圧が制御される。
【0053】
この際、被帯電物をいずれの極性に帯電させるかによらず、帯電装置12のコロナ放電によって被帯電物に向かうイオン流が生じる。
【0054】
また、図1において、光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11y,11m,11c,11b表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光13y,13m,13c,13bをそれぞれ照射し、感光体ドラム11y,11m,11c,11bそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。
【0055】
現像部14は、現像ローラと、規制ブレードと、現像槽と、攪拌ローラとを含む。現像ローラは、現像槽によって軸線回りに回転可能に支持されるローラ状部材である。現像ローラは、現像槽の感光体ドラム11に臨む面に形成される開口部から、その一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11表面に近接するように設けられる。
【0056】
現像ローラは、図示しない固定磁極を内包しており、この固定磁極によって、現像ローラ表面に現像剤を担持する。現像ローラは、現像ローラと感光体ドラム11との近接部(現像ニップ部)において、担持した現像剤を感光体ドラム11表面の静電潜像に供給する。現像ローラは、感光体ドラム11と逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ表面と感光体ドラム11表面とが同じ方向に移動する。
【0057】
現像ローラは、図示しない電源と接続され、当該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ表面の現像剤は、静電潜像に円滑に供給される。
【0058】
規制ブレードは、一端が現像槽によって支持され、他端が現像ローラ表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材である。規制ブレードは、現像ローラ表面に担持される現像剤層の層厚を均一化する。
【0059】
現像槽は、感光体ドラム11に臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽は、その内部空間に攪拌ローラを備え、現像剤を貯留する。現像槽には、現像剤の消費状況に応じて、図示しない現像剤補充手段から現像剤が補充される。現像剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤であってもよい。
【0060】
攪拌ローラは、現像槽の内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラは、回転駆動によって、現像槽内の現像剤を現像ローラの表面周辺に送給する。
【0061】
現像部14によれば、現像槽内の現像剤が、攪拌ローラによって現像ローラ表面に送給され、当該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は、規制ブレードによって層厚が均一化される。その後、感光体ドラム11との電位差によって、感光体ドラム11表面の静電潜像に現像剤が選択的に供給され、感光体ドラム11表面に画像情報に対応するトナー像が形成される。
【0062】
1次転写前帯電部16は、感光体ドラム11表面に形成されたトナー像を帯電させる帯電部である。この1次転写前帯電部16としては、例えば、帯電装置12と同じものを使用してもよい。
【0063】
1次転写部22は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。1次転写部22は、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11に対向し、かつ、中間転写ベルト21の感光体ドラム11と接する面とは反対側の面に圧接する。1次転写部22には、例えば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。
【0064】
金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
【0065】
1次転写部22は、図示しない高圧電源と接続される。1次転写部22には、高圧電源から、感光体ドラム11の表面に形成されるトナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、感光体ドラム11表面に形成されるトナー像は、中間転写ベルト21の表面に転写される。
【0066】
ドラムクリーナ15は、感光体ドラム11表面のトナー像が中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11表面に残存する現像剤を除去、回収する。
【0067】
感光体除電部33は、ドラムクリーナ15によって現像剤が回収された後の感光体ドラム11を除電する。感光体除電部33には除電ランプなどの照明手段を用いることができる。
【0068】
トナー像形成部2によれば、帯電装置12によって感光体ドラム11が帯電する。光走査ユニット13は、記憶部に記憶されるデジタル信号の画像情報に対応するレーザ光を、帯電した感光体ドラム11に照射し、静電潜像を形成する。現像部14は、静電潜像に現像剤を供給し、感光体ドラム11表面にトナー像を形成する。このトナー像は、1次転写部22によって、中間転写ベルト21に1次転写する。
【0069】
中間転写部3は、転写ベルトクリーナ17と、転写ベルト除電部18と、中間転写ベルト21と、支持ローラ23,24,25とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。中間転写ベルト21は、感光体ドラム11から転写したトナー像を担持しながら、感光体ドラム11と略同一の周速度で矢印27の方向に回転移動する。中間転写ベルト21は、例えば、167〜225mm/sで回転移動する。
【0070】
中間転写ベルト21には、例えば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料はポリイミドに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。
【0071】
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。支持ローラ23,24,25には、例えば、アルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。
【0072】
支持ローラ24は、感光体ドラム11bより中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接し、2次転写ニップ部を形成する。また、支持ローラ24は、電気的に接地される。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を張架する役割とともに、中間転写ベルト21上のトナー像を記録材に2次転写させる役割を有する。
【0073】
転写ベルトクリーナ17は、支持ローラ24より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。転写ベルトクリーナ17は、中間転写ベルト21上のトナー像が記録材に転写された後に、中間転写ベルト21上に残存するトナーを除去する部材である。
【0074】
転写ベルトクリーナ17は、クリーニングブレードと、図示しないトナー貯留容器とを含む。クリーニングブレードは、中間転写ベルト21のトナー像を担持する面に圧接し、当該面上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレードには、例えば、弾性を有するゴム材料(ウレタンゴムなど)などを使用できる。トナー貯留容器は、クリーニングブレードによって掻き取られたトナーなどを一時的に貯留する容器状部材である。
【0075】
転写ベルト除電部18は、転写ベルトクリーナ17より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側、かつ、感光体ドラム11yより上流側に設けられる。転写ベルト除電部18は、中間転写ベルト21上の残存トナーが転写ベルトクリーナ17によって除去された後に、中間転写ベルト21を除電するブラシ状部材である。
【0076】
中間転写部3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成される各色のトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像を担持する面における所定位置に重ね合わされて、多色トナー像が形成される。この多色トナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録材に2次転写される。2次転写後、中間転写ベルト21上に残留するトナー、オフセットトナー、紙粉などは転写ベルトクリーナ17によって除去される。残留トナーなどの除去後、中間転写ベルト21は転写ベルト除電部によって除電される。
【0077】
記録材供給部5は、レジストローラ19a,19bと、ピックアップローラ20と、記録材カセット26とを含む。記録材カセット26は記録材8を貯留する。記録材8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP用フィルム、葉書などがある。記録材8のサイズには、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどがある。
【0078】
ピックアップローラ20は、記録材8を搬送路Sに1枚ずつ送給するローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは、中間転写ベルト21上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録材8を送給する。
【0079】
記録材供給部5によれば、記録材カセット26内に貯留される記録材8が、ピックアップローラ20によって1枚ずつ搬送路Sに送給され、さらに、レジストローラ19a,19bによって2次転写ニップ部に送給される。
【0080】
2次転写部4は、2次転写前帯電部32と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写前帯電部32は、中間転写ベルト21上に担持された多色トナー像を帯電させる帯電部である。2次転写前帯電部32としては、例えば、帯電装置12と同じものを使用してもよい。
【0081】
2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接するように設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ28は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動する。2次転写ローラ28は、例えば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。
【0082】
金属製軸体は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
【0083】
2次転写ローラ28は、図示しない高圧電源と接続される。2次転写ローラ28には、高圧電源から、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像は、2次転写ニップ部において、記録材8の表面に転写される。
【0084】
2次転写部4によれば、中間転写ベルト21上の多色トナー像は、記録材供給部5から送給される記録材8に2次転写される。未定着の多色トナー像を担持する記録材8は、定着部6に搬送される。
【0085】
定着部6は、排紙部29と、定着ローラ30と、加圧ローラ31とを含む。定着ローラ30は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。定着ローラ30の内部には、ハロゲンランプなどの加熱手段が設けられる。定着ローラ30は、記録材8に担持される未定着の多色トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録材8に定着させる。
【0086】
定着ローラ30としては、例えば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材を使用できる。芯金を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、例えば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるが、芯金からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。
【0087】
弾性体層を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないが、耐熱性に優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
【0088】
表面層を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーの吸着性が低いものであれば特に制限されない。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。
【0089】
加圧ローラ31は、定着ローラ30の鉛直方向下方において、定着ローラ30に圧接された状態で回転自在に設けられるローラ状部材である。定着ローラ30と加圧ローラ31との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ31は、定着ローラ30の回転駆動に従動して回転する。加圧ローラ31は、多色トナー像の記録材8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録材8に対して押圧することによって、多色トナー像の記録材8への定着を促進する。
【0090】
加圧ローラ31としては、例えば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材が使用できる。芯金、弾性体層および表面層としては、それぞれ、定着ローラ30の芯金、弾性体層および表面層と同じものを使用できる。また、加圧ローラ31の内部には、定着ローラ30と同様に、加熱手段が設けられてもよい。
また、排紙部29は、多色トナー像が定着した記録材8を貯留するトレイ状部材である。
【0091】
定着部6によれば、記録材8に担持される未定着の多色トナー像は加熱溶融し、記録材8に定着する。多色トナー像が定着した記録材8は、排紙部29に排紙され、画像形成は完了する。
【0092】
画像形成装置1は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、例えば、画像形成装置1の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と、演算部と、制御部とを含む。制御ユニット部の記憶部には、画像形成装置1の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、例えば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
【0093】
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置1に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、例えば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
【0094】
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
【0095】
制御部及び演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置1内部における各部材にも電力を供給する。
【0096】
図3は、本発明を適用した帯電装置12の構成例を示す図である。図3(A)は帯電装置12を側面から見たときの図、図3(B)は図3(A)の帯電装置12をY方向から見たときの図、図3(C)は図3(A)の帯電装置12をX方向から見たときの図である。本例ではスコロトロン式の帯電装置を例示して説明するものとし、この帯電装置12は、大きく分けて、放電電極123,抵抗体(電気抵抗体ともいう)127,及び給電電極129を含む放電電極素子と、この放電電極素子を保持する放電電極保持部材122と、シールドケース124と、グリッド電極121とを備える。帯電装置12は、給電電極129と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極123の突起部でコロナ放電させ、被帯電物を帯電させる。
【0097】
本発明の主たる特徴部分は、独立した放電電極と給電電極間の抵抗バラツキを抑え、各放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させることにある。このための構成として、帯電装置12は、それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極123と、各放電電極123と抵抗体127を介して接続された給電電極129とを備え、抵抗体127は、複数の放電電極123の配列方向に一体的に形成され、給電電極129から各放電電極123への給電経路のうち最短となる給電経路(以下、最短給電経路という)上に抵抗体127が非導通となる非導通部128を設けている。すなわち、非導通部128は、抵抗体127が不連続となる部分であり、この不連続部分には電流が流れない。
【0098】
図3に示すように、放電電極素子はシールドケース124の内部空間のほぼ中央に配置され、シールドケース124との絶縁が保たれるように樹脂等の絶縁体から成る保持部材122によって固定される。放電電極素子は、複数の突起部が一方向に配列された複数の放電電極123と、給電電極129と、接続用電極125と、電気抵抗体127と、セラミック基材126とを備える。なお、このセラミック基材126はガラス基材であってもよい。
【0099】
セラミック基材126上に、給電電極129と接続用電極125を印刷で形成し、さらに図3(A)に示すように抵抗体127の一部が重なるように形成し、これを焼成することで一体に形成されている。抵抗体127との重なり幅は0.5mm〜1mm程度確保すれば安定した通電状態を維持できる。なお、上記基材の材料としては、有機物であれば耐酸化性に優れた材料も好適である。例えば、ポリイミドまたはガラスエポキシ等の樹脂を使用することができる。また、無機物であれば、マイカ集製材やアルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。なお、耐食性の面を考えれば、基材の材料として無機系のほうが望ましく、さらに成形性や電極形成の容易性、耐湿性の低さ等を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。
【0100】
また、基材の厚みは強度や寸法の制約などを考慮すると、0.2〜1.0mm程度が好適である。また電極の材料としては、例えば、タングステンや銀、パラジウム、銅、ニッケル、金、白金、ステンレス、あるいはこれらの合金など、導電性を有するものを使用することができる。また各端子部は電極材料をそのまま用いれば、作業工程が増えず低コストに出来るが、場合によってはメッキ処理などを行ってもよい。
【0101】
抵抗体127は、各放電電極123と給電電極129とを接続するものである。これによって、高圧電源と放電電極123とが電気的に接続される。抵抗体127は、例えば、半導電のフィルム、セラミック抵抗体などを用いることもできる。本例ではセラミック抵抗体を用いている。抵抗体127の高さは帯電装置12の寸法制約にもよるが2〜10mm程度が適当であり、本例では4mmとした。また本発明の特徴部分である抵抗体127の非導通部128は、給電電極129から各放電電極123への最短給電経路上に、例えば、楕円形状の抵抗体127の無い部分(貫通孔)を形成している。抵抗体127の抵抗値は、任意の放電電極123の両脇の給電経路を接地(ガード)した状態で、例えば、印加電圧500Vで250MΩ〜2GΩであり、好ましくは500MΩ〜1GΩである。
【0102】
放電電極123は、半田付けや異方性導電膜(ACF)の熱圧着によって、接続用電極125に固定される。また本例では抵抗体127の表面を覆うようにコート層を設けている。これは水分付着などにより抵抗体127の非導通部128をリーク電流が通ることを防止するためである。例えば、後述の図9(B)に示すような構成とし、コート層としては数μm〜数十μmのガラスを用いている。
【0103】
放電電極123は、帯電装置12の長手方向に放電を発生する突起部が延設されている。放電電極123は、例えば、ステンレス材からなり、エッチングによって、突起部先端の曲率が10μm〜30μm程度の尖りになるように形成される。なお、放電電極123の材料としては、ステンレスに限らず、インコネル、タングステン、銅、鉄などを用いることができる。さらに、放電電極123の表面には、ニッケル、クロム、金、もしくは白金めっき、またはニッケルを下地にした金めっき(Ni−Auめっき)などの加工を施しても良い。またエッチングに限らず、プレス等によって形成しても良い。
【0104】
放電電極123の厚さは0.05mm〜0.20mmの範囲内で、放電電極123の突出方向(突起部からシールドケースの開口に向かう方向)の長さは、1mm〜4mmの範囲内で、放電電極123の配列方向における楔状の電極の幅は0.5mm〜2.0mmの範囲内で、それぞれ適宜設定することができる。放電電極123の厚さ、長さ、および楔状電極の幅のいずれについても、この範囲よりも小さ過ぎる場合は放電電極123の強度が低下して好ましくなく、大き過ぎる場合は突起部先端の尖りが鈍くてコロナ放電が安定しなくなるので好ましくない。
【0105】
また、放電電極123には複数の突起部が所定の突起間距離Pの間隔で配置される。図3において、楔状の放電電極123のピッチPは、1mm〜8mmの範囲内で設定できる。ピッチPが小さ過ぎると、コロナ放電を生じる電極と、生じない電極とが現われる場合があり、放電の不均一を招く。また、ピッチPが大き過ぎると、各放電電極123から発したイオン流の広がりが十分でなく、ピッチに起因した帯電ムラが生じやすくなり、好ましくない。
【0106】
なお、放電電極素子の長手方向の大きさは、帯電装置12の帯電幅と同等でも良いし、複数の小素子を組み合わせたものでも使用可能である。小素子の場合、各素子の給電電極を接続することで帯電装置12の長手方向全域にわたって給電することが可能である。
【0107】
シールドケース124には、ステンレス材や鉄にニッケルめっきを施したものを使用できる。シールドケース124の開口部の幅は、8mm〜30mmの範囲内で適宜設定することができる。シールドケース124の厚さは、0.5mm〜2mmの範囲内で設定できる。放電電極保持部材122は絶縁性を有する樹脂であれば良く、例えば、ポリカーボネート樹脂やABS(アクリルブタジエンスチレン樹脂)などを用いればよい。
【0108】
放電電極123は、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの楔状の電極の突起部においてコロナ放電を生じる。高圧電源からの印加電圧は、被帯電物をいずれの極性で帯電させるかによって異なるが、印加電圧の絶対値としては、4kV〜10kVの範囲内に制御される。また、放電電極素子と帯電装置の他の部材との距離によっても、必要な印加電圧は異なるが、トランスコストの観点および安全性の観点から最大値(絶対値)は10kV以下とすることが好ましい。
【0109】
以上のような放電電極123を備える帯電装置12によれば、帯電均一性が向上し、帯電ムラを抑えることができる。以下の図4に基づいて、本発明の帯電装置と比較例としての帯電装置との違いを説明する。なお、図4(A)〜(C)は比較例としての帯電装置の構成例を示し、図4(D)〜(F)は本発明の帯電装置12の構成例を示す。
【0110】
まず、比較例としての帯電装置について説明する。図4(A)に示すように、各放電電極123′(以下、放電電極P1′〜P5′とする)は非導通部のない一体状の抵抗体127′を介して、給電電極129′に接続されている。この場合、放電電極P1′〜P5′への給電は給電電極129′との最短経路となる略直線状の給電経路を通して行われる。図4(B)に示すように、各放電電極P1′〜P5′の給電経路の抵抗をそれぞれR1′〜R5′とすると、一体状の抵抗体127′が元来持っている抵抗バラツキが抵抗R1′〜R5′に反映され、図4(C)に示すような長手方向に抵抗分布をもつ。このバラツキが大きいほど帯電均一性もばらつき、画像上に欠陥をもたらしてしまう。
【0111】
これに対して、本発明の帯電装置12の場合、図4(D)に示すように、給電電極129から各放電電極123(以下、放電電極P1〜P5とする)への最短給電経路の途中で抵抗体127を一部除去し、抵抗体127の非導通部128を設けている。この非導通部128によって各放電電極P1〜P5への主たる給電経路は2つに分けられる。すなわち、各放電電極P1〜P5に対して、それぞれP01とP12を通る給電経路、P12とP23を通る給電経路、P23とP34を通る給電経路、P34とP45を通る給電経路、P45とP56を通る給電経路に分けられる。例えば、放電電極P3への給電経路はP23とP34を通ることになる。
【0112】
上記において、P12,P23,P34,P45はそれぞれ放電電極P1,P2の中間点、放電電極P2,P3の中間点、放電電極P3,P4の中間点、放電電極P4,P5の中間点を示す。そして、放電電極P1と中間点P12との距離と、放電電極P1と端点P01との距離は等しいものとする。同様に、放電電極P5と中間点P45との距離と、放電電極P5と端点P56との距離は等しいものとする。
【0113】
図4(E)に示すように、各放電電極P1〜P5の両端に位置する点P01,P12,P23,P34,P45,P56に相当する部分の抵抗をそれぞれR01、R12,R23,R34,R45,R56とすると、放電電極P1〜P5への給電経路の抵抗R1〜R5は隣接している抵抗R01〜R56の合成抵抗となる。よって抵抗体127が元来持っている抵抗バラツキは平均化され、図4(F)に示すように抵抗バラツキの平均化効果を得ることができ、帯電均一性を向上させることができる。
【0114】
また、図4(D)に示すように、抵抗体127を放電電極P1〜P5の配列方向と垂直な方向に配しているため、放電電極P1〜P5の配置ピッチPに影響されることなく、抵抗体127の長さLを比較的自由に設定できる。これにより、前述の図12で説明した従来技術における課題を克服することができる。つまり、抵抗体の品質が安定する条件での使用が可能で、かつ、放電電極と抵抗体の接続部のわずかな位置ズレの影響を受けにくく設定できるため、放電電極とコモン(給電)電極間の抵抗バラツキを抑えて使用することが可能となる。さらには、放電時に抵抗体に流れる電流により発生する抵抗両端の電位差に対する耐圧を十分確保でき、安定した放電を行うことができる。
【0115】
図5は、本発明による抵抗体の非導通部の一例を示す図である。図5(A)、(B)に示すように、抵抗体127の非導通部128は、円形状又は楕円形状の貫通孔とすることが好ましい。一方、図5(C)に示すような矩形状や、図示しない三角や菱形形状など、角部分を有する形状の場合、抵抗体127の非導通部128の角部分の周縁では電界集中が発生し、異常放電を起こし、抵抗体の損傷や不要なノイズ発生など、望ましくない現象が発生する場合がある。図5(A)、(B)に示す円形状や楕円形状のように角部のない形状とすることで、このような不具合を回避でき、異常放電を抑えて安定した給電を行うことができる。
【0116】
図6は、本発明による抵抗体の非導通部を千鳥配置した例を示す図である。このように、抵抗体127の非導通部128を千鳥状に配置しても良い。図6(A)及び図6(B)は円形状の非導通部128を千鳥状に配置した例であるが、図6(A)と図6(B)とでは千鳥のパターンが異なっている。また、図6(C)及び図6(D)は横長の楕円形状の非導通部128を千鳥状に配置した例であるが、図6(C)と図6(D)とでは千鳥のパターンが異なっている。例えば、図6(A)に示すような千鳥配置とすることで、給電経路が抵抗体127の長手方向に分散しながら進むため、抵抗体127が元来持つ抵抗分布をより均一化しやすい。また、給電経路も長くなるため、抵抗を高抵抗化しやすく、抵抗バラツキが比較的小さい低めの抵抗率の材料を用いることも可能となるため、抵抗の均一化をより効果的に行うことができる。
【0117】
また、上記例において、図6(C)に示すように横長の楕円としてもよく、給電経路の分散や経路長の延長効果をより高めることも可能である。ただし、あまり極端な楕円とすると、曲率の大きい部分では電界集中が進む傾向になるため、異常放電のリスクとのバランスを考慮して選定するのが望ましい。
【0118】
図7は、本発明による抵抗体の非導通部の好ましい配置例を説明する図である。図7に基づいて、抵抗体127の非導通部128の好ましい配置例について説明する。図7(B)に示すように、各放電電極123と給電電極129とを結ぶ最短給電経路(軸J)に対して、非軸対称の位置に非導通部128を配置してしまうと、給電経路長の短い部分が主たる給電経路になってしまい、十分な抵抗均一化効果を得ることができない。つまり、非導通部128を設けない状態に近くなってしまうため、図7(B)のような非軸対称の配置構成は好ましくない。これに対して、図7(A)の例では、各放電電極123と給電電極129とを結ぶ最短給電経路(軸J)に対して、非導通部128が軸対称の位置に配置されている。この場合、各放電電極123への給電経路の両脇に位置する給電経路長がほぼ等しく、両脇の抵抗体127の寄与がほぼ半々となり、十分な抵抗均一化効果を得ることができる。
【0119】
図8は、本発明による給電電極の構成例を示す図である。図8(B)はベタ状の給電電極を用いた構成例であり、抵抗体127に給電電極129が長手方向に渡って全域接続されている。このような構成の場合、給電経路129は図8(B)に例示しているように、非導通部128の直下だけでなく、各放電電極間の任意の箇所からも給電経路が発生し、給電経路の巾が広くなり、給電経路の抵抗が低くなってしまう傾向にある。また、給電経路が直線的になるため、給電経路の分散による抵抗均一化効果を低減させてしまう。
【0120】
これに対して、図8(A)に示す構成の場合、給電電極129は、各放電電極123の方向に凸部が形成されており、凸部で抵抗体127と接触している。このように、給電電極129の凸部より給電を行うことで、凸部の巾によって抵抗をある程度制御でき、また、給電経路も図8(A)に示したように左右に分散されやすくなるため、抵抗均一化効果を高めることができ、より均一な放電を行うことができる。
【0121】
図9は、本発明による抵抗体の被覆構成の一例を示す図である。抵抗体127の非導通部128に水分などが付着し、非導通部128の表面を電流が流れるようになると、給電経路が分散化されず、抵抗を均一化できなくなる恐れがある。このような問題を回避するために、図9(A)、(B)に示す構成としてもよい。図9(A)に例示する構成は、フィルム状の抵抗体127及び抵抗体127の非導通部128に対してその両面を絶縁性フィルム等の被覆部材130でラミネート被覆したものである。この図9(A)の構成は比較的安価にでき、特別な装置が不要であるため簡便に製造できるメリットがある。
【0122】
また、図9(B)に例示する構成は、セラミック(またはガラス)基材126上に印刷などで抵抗体127を形成し、その抵抗体127の表面からセラミック(またはガラス)などのコート(被覆)層131を設け、一体焼成したものである。この図9(B)のような構成の場合、コート層131の抵抗体127への密着性も高く、より強固なコート層とすることができ、水分の影響を排除する能力をより高めることが可能となる。本構成を採ることで、非導通部128の絶縁性を安定に維持できるため、本発明による抵抗均一化効果をより高めることができる。
【0123】
図10は、本発明による給電電極及び接続用電極の構成例を示す図である。図10(A)に示すように、給電電極129及び抵抗体127をセラミック基材126上に一体的に形成してもよい。本例の場合、各放電電極123は接続用電極を介さずに抵抗体127に直接接続される。この図10(A)に例示する構成では、給電電極129をセラミック基材126上に印刷等で形成し、さらにその上から抵抗体127を形成して、一体焼成したものであり、給電電極129との電気的接続がより安定なものになる。
【0124】
また、抵抗体127と給電電極129との位置関係は印刷精度で維持できるため、その重なり長さを小さく設定しても安定した接触部を構成することが可能となる。また、接着強度について考慮する必要がなくなるため、抵抗体127の全長のうち、抵抗体127として有効に作用する部分の長さを大きく採ることができ、コンパクト化にも貢献できる。また、本構成の場合、放電電極123側は異方性導電テープやスリット状の導電性テープを用いて抵抗体127と固定すればよい。
【0125】
さらに、図10(B)に示すように、接続用電極125、抵抗体127、及び給電電極129をセラミック基材126上に一体的に形成してもよい。本構成のメリットとしては、放電電極123を固定する場合に半田付けを利用することができるため、放電電極123と抵抗体127との間の電気的接続をより安定化できる。
【0126】
このように、本発明による帯電装置によれば、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、安価な抵抗体でも抵抗バラツキを抑えて、帯電均一性を向上させることができるため、低コストな帯電装置を提供することができる。
【0127】
なお、上記の効果を確認するために、前述の図2に示したように、感光体ドラム11を、帯電装置12により帯電させ、表面電位計を用いて表面電位のバラつきを確認した。この結果、非導通部128を持つ抵抗体127を用いて良好な均一性を得ることができた。
【0128】
本発明による画像形成装置1によれば、上記において説明した帯電装置12を備えるので、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、本発明による帯電装置12は、帯電均一性が向上するため、放電ギャップ(放電電極ピッチ)を狭めることが可能となる。これによって、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても十分な帯電均一性が得られるため、オゾン発生量を減少させることができ、また、帯電装置12をコンパクトに構成することができる。
【0129】
ここで、本発明による帯電装置12は、感光体ドラム11を帯電させる用途以外でも使用することができる。例えば、画像形成装置1が備える1次転写前帯電部16及び2次転写前帯電部32は、移動する被帯電物を帯電させるものであるが、感光体ドラム11の場合と同様に、本発明による帯電装置12を適用することができる。
【0130】
最後に、本発明の範囲は、上述した実施形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示される。上述した実施形態の説明はすべての点で例示であり、本発明の範囲は他のすべての実施形態を含むものである。すなわち、本発明は、上述した実施形態の一部または全部を、特許請求の範囲内および特許請求の範囲と均等の範囲内において変更した、すべての実施形態を含むものとする。
【符号の説明】
【0131】
1…画像形成装置、2…トナー像形成部、3…中間転写部、4…2次転写部、5…記録材供給部、6…定着部、7…スキャナ部、8…記録材、9…CCDセンサ、10…可視像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…光走査ユニット、14…現像部、15…ドラムクリーナ、16…1次転写前帯電部、17…転写ベルトクリーナ、18…転写ベルト除電部、19…レジストローラ、20…ピックアップローラ、21…中間転写ベルト、22…1次転写部、23,24,25…支持ローラ、26…記録材カセット、28…2次転写ローラ、29…排紙部、30…定着ローラ、31…加圧ローラ、32…2次転写前帯電部、121…グリッド電極、122…放電電極保持部材、123…放電電極、124…シールドケース、125…接続用電極、126…セラミック基材、127…抵抗体、128…非導通部、129…給電電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極と、該各放電電極と抵抗体を介して接続された給電電極とを備え、該給電電極と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極の突起部でコロナ放電させる帯電装置であって、
前記抵抗体は、前記複数の放電電極の配列方向に一体的に形成され、前記給電電極から前記各放電電極への給電経路のうち最短となる給電経路上に前記抵抗体が非導通となる非導通部を設けたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記抵抗体の非導通部は、円形状又は楕円形状の貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記抵抗体の非導通部は、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記抵抗体の非導通部は、前記各放電電極と前記給電電極とを結ぶ最短給電経路に対して、軸対称の形状で配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項5】
前記給電電極は、前記各放電電極の方向に凸部が形成されており、該凸部で前記抵抗体と接触していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項6】
前記抵抗体及び該抵抗体の非導通部を被覆する被覆部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項7】
前記抵抗体は、基材上に形成されており、該抵抗体の表面は、セラミック又はガラスで被覆されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項8】
前記給電電極及び前記抵抗体は、基材上に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項9】
前記各放電電極と前記抵抗体とを電気的に接続するための接続用電極を有し、該接続用電極、前記抵抗体、及び前記給電電極は、前記基材上に一体的に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の帯電装置。
【請求項10】
前記基材は、セラミック又はガラスで形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載された帯電装置と、静電潜像を担持する像担持体とを備え、前記帯電装置によって前記像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
それぞれが楔状の突起部を有し且つ互いに分離された複数の放電電極と、該各放電電極と抵抗体を介して接続された給電電極とを備え、該給電電極と接続された高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1つの放電電極の突起部でコロナ放電させる帯電装置であって、
前記抵抗体は、前記複数の放電電極の配列方向に一体的に形成され、前記給電電極から前記各放電電極への給電経路のうち最短となる給電経路上に前記抵抗体が非導通となる非導通部を設けたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記抵抗体の非導通部は、円形状又は楕円形状の貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記抵抗体の非導通部は、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記抵抗体の非導通部は、前記各放電電極と前記給電電極とを結ぶ最短給電経路に対して、軸対称の形状で配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項5】
前記給電電極は、前記各放電電極の方向に凸部が形成されており、該凸部で前記抵抗体と接触していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項6】
前記抵抗体及び該抵抗体の非導通部を被覆する被覆部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項7】
前記抵抗体は、基材上に形成されており、該抵抗体の表面は、セラミック又はガラスで被覆されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項8】
前記給電電極及び前記抵抗体は、基材上に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項9】
前記各放電電極と前記抵抗体とを電気的に接続するための接続用電極を有し、該接続用電極、前記抵抗体、及び前記給電電極は、前記基材上に一体的に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の帯電装置。
【請求項10】
前記基材は、セラミック又はガラスで形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載された帯電装置と、静電潜像を担持する像担持体とを備え、前記帯電装置によって前記像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−150080(P2011−150080A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10188(P2010−10188)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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