説明

帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

【課題】電子写真装置の帯電部材であって、振動起因のスジ状画像とCセット起因の横線画像の発生を共に抑制した帯電部材を提供することにある。
【解決手段】導電性基体の上に少なくとも弾性層を有する帯電部材であって、弾性層が、バインダーとバインダーに分散された中空粒子とを含有している。前記中空粒子は、図1に示す一般式(1)から(4)のいずれかを構成単位として有する重合体とヒンダードフェノールとを含有するシェルを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」と呼ぶ)に使用される帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置において、電子写真感光体(以下、「感光体」と呼ぶ)の帯電方式として、感光体に接触又は近接配置した帯電部材に電圧を印加することによって感光体を帯電する接触帯電方式が多く採用されている。
【0003】
ところで、接触帯電方式を採用した電子写真装置における課題の一つとして、電子写真装置の稼働に伴う帯電部材の振動に起因する電子写真画像へのスジの発生がある。これは、帯電部材の振動によって帯電部材による感光体の帯電が不安定になることが一つの原因と考えらえる。このような振動の課題に対して、特許文献1では、弾性層の硬度及び比重を制御して、振動吸収性を高めた帯電部材を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−209236号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】高分子と低分子からなる有機ハイブリッドの動的粘弾性 日本ゴム協会誌,Vol.76(2003)No.5 pp.167−172
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年の電子写真装置のプロセススピードの高速化に伴い、帯電部材に加わる振動は増大する傾向にあり、本発明者らは、帯電部材の振動への対策には、未だ改善の余地があるとの認識を得た。そこで、本発明者らは、帯電部材の振動に起因する上記の課題について、帯電部材の構成および構成材料によって解決すべく鋭意検討した。
ここで、本発明者らは、非特許文献1の開示に基づき、弾性層に極性基を有する樹脂とヒンダードフェノールとを含有させることを検討した。すなわち、非特許文献1には、ヒンダードフェノールによる制振効果の発現について記載されている。
しかしながら、かかる弾性層を有する帯電ローラを用いて電子写真画像の形成を行ったところ、帯電ローラの弾性層に圧縮永久歪み(以下、「Cセット」と呼ぶ)が生じた場合に、当該Cセットに起因する横スジが電子写真画像が発現し易くなることがわかった。
【0007】
Cセットとは、帯電部材と感光体を接触させたまま長期間放置した場合、帯電部材の感光体との当接位置に生じる容易には回復しない変形をいう。そして、Cセットの生じた帯電部材を用いて感光体を帯電させた場合、帯電部材と感光体とのニップ近傍において生じる放電状態が帯電部材のCセット発生部分とCセット非発生部分とで異なるため、Cセット発生部分にかかる帯電の結果が電子写真画像に横スジとして現れてくると考えられる。 そして、極性基を有する樹脂とヒンダードフェノールとを含有してなる弾性層は、粘度が上昇し、Cセットが生じやすくなることが判明した。
そこで、本発明は、振動の抑制によって、電子写真画像への振動起因のスジの発生を抑制すると共に、Cセットに起因する電子写真画像へのスジの発生をも抑制し得る帯電部材の提供に向けたものである。
また、本発明は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジおよび高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の帯電部材は、導電性基体の上に少なくとも弾性層を有する帯電部材であって、弾性層は、バインダーとバインダーに分散された中空粒子とを含有している。前記中空粒子は、図1に示す一般式(1)から(4)のいずれかを構成単位として有する重合体(以下「極性基を有する重合体」と呼ぶ)とヒンダードフェノールとを含有するシェルを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、振動起因およびCセット起因の画像欠陥の発生をより良く抑制することのできる帯電部材を得ることができる。また、本発明に係るプロセスカートリッジ及び電写真装置によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る中空粒子を構成する重合体の構成単位の一般式である。
【図2】本発明の帯電部材の説明図である。
【図3】本発明の帯電部材の弾性層の模式図である。
【図4】本発明に係るヒンダードフェノールの構造式である。
【図5】極性基を有する重合体とヒンダードフェノールとの水素結合の説明図である。
【図6】本発明の帯電部材を適用できる電子写真装置の概略図である。
【図7】本発明の帯電部材を適用できるプロセスカートリッジの概略図である。
【図8】クロスヘッドを用いた押出装置の概念図である。
【図9】プランジカット式研磨機の概念図である。
【図10】本発明の帯電部材(帯電ローラ)の電気抵抗値の測定方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<帯電部材>
本発明の帯電部材は、ローラ形状、平板形状、ベルト形状等の形状を取ることができる。以下、図2に示す帯電ローラを例示して、本発明の帯電部材の構成について説明する。
帯電ローラは、導電性基体1と、導電性基体1の上に形成された弾性層2を有する。弾性層2は、図3に示すようにバインダー3と中空粒子4を含有する。中空粒子4は、シェル5と中空部6から構成される。シェル5は、内部に極性基を有する重合体とヒンダードフェノールを含有している。中空粒子4は、シェル5に存在する極性基を有する重合体とヒンダードフェノールによって、振動吸収性が付与されている。
【0012】
帯電部材が振動を吸収することで、帯電部材と感光体の接触状態が安定化する。帯電部材と感光体の接触点近傍で発生する帯電が均一になり、スジ状画像が抑制される。中空粒子の振動吸収性が向上する理由は、極性基を有する重合体がヒンダードフェノールと水素結合することによって、振動エネルギーが熱エネルギーに変換されるからである。
また、中空粒子のシェル中にヒンダードフェノールを含有させることによって、弾性層の粘度の上昇を抑制することができる。これにより、弾性層の圧縮変形が低減して、Cセット起因の横線画像の発生が抑制される。
【0013】
<シェル>
本発明の中空粒子のシェルは、極性基を有する重合体である。極性基を有する重合体とは、下記に示す一般式(1)から(4)のいずれかを構成単位として有する重合体のことである。
一般式(1)を構成単位として有する重合体は、メトキシカルボニル基を有する重合体である。R1は、水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基である。アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、2−エチルプロペン酸メチル、2−ブチルプロペン酸メチル、2−プロピルプロペン酸メチルのいずれかを単独か、あるいはその他の公知な重合性単量体を含む2種類以上と組み合わせた重合体を例示できる。
【0014】
【化1】

【0015】
一般式(2)を構成単位として有する重合体は、アセトキシ基を有する重合体である。R2は、水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基である。ビニルアセテート、メチルビニリデンアセテート、エチルビニリデンアセテート、ブチルビニリデンアセテート、プロピルビニリデンアセテートのいずれかを単独か、あるいはその他の公知な重合性単量体を含む2種類以上と組み合わせた重合体を例示できる。
【0016】
【化2】

【0017】
一般式(3)を構成単位として有する重合体は、シアノ基を有する重合体である。R3は、水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基である。アクリロニトリル、メタクリルニトリル、2-シアノ-1-ブテン、2-シアノ-1-ヘプテン、2-シアノ-1-ヘキセンのいずれかを単独か、あるいはその他の公知な重合性単量体を含む2種類以上と組み合わせた重合体を例示できる。
【0018】
【化3】

【0019】
一般式(4)を構成単位として有する重合体は、クロロメチル基を有する重合体である。エピクロロヒドリンを単独で、あるいはその他の公知な重合性単量体を含む2種類以上と組み合わせた重合体を例示できる。
【0020】
【化4】

【0021】
本発明の効果を得るためには、中空粒子のシェルを構成する重合体の側鎖が、メトキシ基、カルボニル基、アセトキシ基、シアノ基の群からなる少なくとも一つを含有する必要がある。これは、上記の側鎖と後述するヒンダードフェノールの水酸基との間で、水素結合を効率良く形成させるためである。側鎖の電気陰性度により、水素結合形成の効率が高まっていると推測している。側鎖の含有率は、重合体の単量体総重量に対して20〜100重量%であることが望ましい。より望ましくは、60〜100重量%である。
本発明の重合体の分子量は、特に限定しないが、1万〜100万程度であることが望ましい。より好ましくは、5万〜50万程度である。
【0022】
<ヒンダードフェノール>
ヒンダードフェノールとは、水酸基近傍にtert−ブチル基等の嵩高い置換基を有するフェノールを示す。具体的には、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H−1)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H−2)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H−3)、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](H−4)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(H−5)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン(H−6)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](H−7)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、1−[2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を例示できる。上記(H−1)〜(H−7)に関しては、図4に構造式を示す。
【0023】
本発明の効果を得るためには、中空粒子のシェルはヒンダードフェノールを含有する必要がある。この理由は前述の重合体の側鎖とヒンダードフェノールの水酸基が、水素結合を形成するからである。
ヒンダードフェノールは水酸基の隣に少なくとも一つのtert−ブチル基を有する必要がある。この理由は、図5に示すように、重合体の側鎖とヒンダードフェノールの水酸基の水素結合を強固なものにすることができるからである。tert−ブチル基は、電子供与性により、水酸基の分極を促進する。これにより、重合体の側鎖との水素結合形成の効率を高めることができる。同時に、一旦、水素結合が完成すると、tert−ブチル基はその嵩高さゆえに、重合体の側鎖が乖離することを妨げる。上記の理由により、この強固な水素結合の形成により、高い振動吸収効果が発現されると考察している。
【0024】
ヒンダードフェノールの中でも、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H−1)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H−2)は、図5に示すように、その分子構造、分子量が、重合体間の架け橋となりやすいため、より強固な水素結合が形成するため、振動吸収性が増大する。
【0025】
<中空粒子>
本発明の中空粒子は、内部が気泡であり、シェルが極性基を有する重合体とヒンダードフェノールを含有した粒子である。このような粒子を製造する方法として、熱膨張性マイクロカプセルを加熱膨張させる方法がある。
熱膨張性マイクロカプセルは、樹脂の内部に内包物質を含有する粒子である。内包物質は、加熱すると気化して粒子を膨張させる。これにより、中空粒子となる。あらかじめ加熱膨張させた中空粒子を添加しても良いし、弾性層に添加してから加熱膨張させても良い。
【0026】
生産性を考慮すると、弾性層の加熱加工時に熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる方法が望ましい。加熱加工時の温度条件やカプセル発泡特性を制御することにより、シェル構造を維持した状態で安定に弾性層を成形することができるからである。膨張したマイクロカプセルも利用することができるが、比重が小さいため分散しにくく加工性が劣る。
【0027】
<中空粒子の粒径>
中空粒子の粒径は10μm〜500μmであり、より好ましくは50μm〜200μmである。中空粒子の粒径が10μm未満である場合、中空粒子の振動吸収性が弱くなり、振動起因のスジ状画像が生じやすくなる。中空粒子の粒径が500μmを超える場合、中空粒子の剛性が弱くなり、Cセット起因の横線画像が生じやすくなる。
【0028】
熱膨張性マイクロカプセルを用いて中空粒子を製造する場合、中空粒子の粒径は、加熱・膨張時の温度や反応時間によってコントロールすることができる。
中空粒子の粒径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡等を用いて観察した中空粒子の断面から計測して求めることができる。
【0029】
<シェルの厚さ>
シェルの厚さ(シェル壁の厚さ)は50nm〜10μmであり、より好ましくは100nm〜1μmである。シェルの厚さが50nm未満である場合、中空粒子の振動吸収性が弱くなり、振動起因のスジ状画像が生じやすくなる。また、シェルの厚さが厚くなり(10μm超)、中空粒子の中空部の体積が減少すると、中空粒子の振動吸収性が弱くなり、振動起因のスジ状画像が生じやすくなる。
【0030】
熱膨張性マイクロカプセルを用いて中空粒子を製造する場合、シェルの厚さは、重合性単量体と内包物質の比率等によってコントロールすることができる。
シェルの厚さは、光学顕微鏡、電子顕微鏡等を用いて観察した中空粒子の断面から計測して求めることができる。
【0031】
<弾性層>
弾性層は、バインダーと中空粒子が必須成分である。それら以外に導電性材料、可塑剤、増量材、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を任意に用いることができる。中空粒子の含有量は、バインダー100質量部に対して2質量部から50質量部、より好ましくは5質量部から30質量部の範囲が適当である。
【0032】
<バインダー>
弾性層に適用できるバインダーとしては、以下のものを挙げることができる。アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム等が使用できる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましいバインダーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴムである。これらのバインダーは、中空粒子が含有するヒンダードフェノールと界面近傍で水素結合を形成することができる。ゆえに、中空粒子とバインダーの摩擦が大きくなり、さらに振動抑制性が高まる。
【0033】
<導電性材料>
弾性層に適用できる導電性材料としては、電子導電材とイオン導電剤の二種類がある。電子導電材としては、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物、金属系微粒子、カーボンブラック、及び、カーボン系微粒子等が挙げられる。また、これらを、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。電子導電材の中でも、長期間に渡って電気抵抗を維持できることからカーボンブラックが好適に用いられる。弾性層が含有する電子導電材の量は、バインダー100質量部に対して2質量部から200質量部、好ましくは5質量部から100質量部の範囲が適当である。
【0034】
イオン導電剤としては、過塩素酸リチウムの如き無機イオン物質、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートの如き陽イオン性界面活性剤、ジメチルアルキルラウリルベタインの如き両性イオン界面活性剤、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウムの如き第四級アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩等が挙げられる。これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。弾性層が含有するイオン導電剤の量は、バインダー100質量部に対して0.01質量部から5質量部、好ましくは0.1質量部から2質量部の範囲が適当である。
【0035】
<導電性基体>
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる表面層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属等で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
【0036】
<熱膨張性マイクロカプセルの製造方法>
重合性単量体、ヒンダードフェノール、内包物質を混合し、この混合物を界面活性剤や分散安定剤を含む水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法によって得られる。必要により重合開始剤、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、熱可塑性樹脂、有機フィラーを添加してもよい。
【0037】
懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましい。また、分散機等で懸濁してから、耐圧容器に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁させてもよい。重合温度(℃)は、50〜120が好ましい。重合は、大気圧下で行ってもよいが、内包物質等を気体状にさせないようにするため加圧下(大気圧+0.1〜1MPa)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過等によって、固液分離及び/又は洗浄してもよい。固液分離や洗浄する場合、この後、シェルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕してもよい。
【0038】
乾燥及び粉砕は、既知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサー等を使用できる。また、乾燥及び粉砕は粉砕乾燥機等によって同時に行うこともできる。水性媒体、界面活性剤及び分散安定剤は、熱膨張性マイクロカプセルの製造後に洗浄濾過等により除去してもよい。
重合性単量体、ヒンダードフェノールに関しては、前述に準ずる。
【0039】
<内包物質>
内包物質としては、ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、塩化エチル、臭化メチル、メタノール、エタノール、ブタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等が例示できる。これらのうち好ましいのはイソペンタン、イソヘキサン、n−ヘキサンである。内包物質の使用量は、構成単位とする重合性単量体100質量部に対して、5〜50質量部が好ましい。
【0040】
<重合開始剤>
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、重合性単量体に可溶の開始剤が好ましく、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤等を使用できる。これらのうち、アゾ開始剤が好ましく、さらに好ましくは2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及び2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、特に好ましくは2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。重合開始剤を用いる場合、この使用量は、構成単位とする重合性単量体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
【0041】
<界面活性剤>
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン等)、カチオン性界面活性剤(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等)、ノニオン性界面活性剤(アジピン酸ジエタノールアミン縮合物、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン及びステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩等)及び両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等)が含まれ、これらの界面活性剤の他に、高分子型分散剤(ポリビニルアルコール、デンプン及びカルボキシメチルセルロース等)を使用することができる。界面活性剤を使用する場合、この使用量は、構成単位とする重合性単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
【0042】
<分散剤>
分散安定剤としては、有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子等)、シリカ(コロイダルシリカ等)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム及び水酸化マグネシウム等が挙げられる。分散安定剤を使用する場合、この使用量(重量%)は、構成単位とする重合性単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
【0043】
<熱膨張性マイクロカプセルの粒径>
熱膨張マイクロカプセルの粒径は、0.1μm〜150μmが好ましく、より好ましくは10μm〜40μmである。熱膨張性マイクロカプセルの形状は、針状や扁平状でもよいが、膨張性の観点等から、球状であることが好ましい。また、粒径に関しては、分級等を行うことにより、所望の粒径、粒度分布に制御することが可能である。
【0044】
<弾性層の形成>
弾性層を形成するための材料は、バインダー、導電性材料、熱膨張性マイクロカプセルあるいは中空粒子、その他各種添加剤等を混練機で混練して原料ゴム組成物を作製する。混練機としては、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等が挙げられる。
原料ゴム組成物から弾性層を形成する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、接着剤を塗布した導電性基体を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物を被覆して、導電性基体と弾性層材料を一体的に押出して作製する。クロスヘッドは、一般に電線や針金の被覆に用いられている装置であり、押出機のシリンダのゴム排出部に取り付けて使用されるものである。
【0045】
また、ゴムチューブを形成し、接着剤を塗布した導電性基体を該チューブに挿入し、接着する方法が挙げられる。また、接着剤を塗布した導電性基体に未加硫のゴムシートを被覆し、金型内で加硫を行う方法が挙げられる。
【0046】
<研磨加工>
また、得られた帯電部材の表面を研磨してもよい。所定の外径寸法を形成する円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機などを用いることができる。プランジカット方式のNC円筒研磨機は、トラバース方式に比べ幅広な研削砥石を用いるため加工時間が短くすることができ、また研削砥石の径変化が少ないので好ましい。
【0047】
<表面層>
本発明の帯電部材に塗工・加熱を施して表面層を形成してもよい。表面層は、原材料の塗工液を塗工して形成する。塗工方法としては、垂直型リング塗工法、ディッピング塗工法、浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロールコート法、カーテンコート法又はグラビア印刷等が挙げられる。その中でも垂直型リング塗工法やディッピング塗工法が最も用いられる。表面層の厚さは、1μm〜100μm程度が好ましい。より好ましくは、10μm〜30μm程度である。
【0048】
<物性値とその測定方法>
本発明の帯電部材の電気抵抗、表面粗さ、硬度については、特に限定はしないが以下に示す範囲にあることが好ましい。電気抵抗は、金属ドラムに当接して200Vの電圧を印加する方法において、10Ω〜10Ωであることが好ましい。表面粗さは、接触式表面粗さ計によるRzが0.1μm〜50μmであることが好ましい。硬度は、アスカーC硬度計で20〜70であることが好ましい。
【0049】
<電子写真装置>
電子写真装置は、感光体、感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、トナー像を転写材に転写する転写装置、感光体の上の転写トナーを回収するクリーニング装置、定着装置等から構成されている。定着装置は、トナー像を転写材に定着させる。その概略図を図6に示す。
感光体7は、導電性基体の上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体7は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ8を有する。帯電ローラ8は、感光体7の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源から所定の直流電圧を印加することにより、感光体7を所定の電位に帯電する。
【0050】
感光体7に静電潜像を形成する潜像形成装置9は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体7に画像情報に対応した露光光を照射することにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、感光体7に近接又は接触して配設される現像ローラ10を有する。感光体7の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーによる反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。
【0051】
転写装置は、接触式の転写ローラ11を有する。感光体7からトナー像を普通紙などの転写材12に転写する。転写材12は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材13、回収容器を有し、転写した後に、感光体の上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落として回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置14は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材12に定着させ、転写材12を機外に排出する。
【0052】
<プロセスカートリッジ>
図7に示すように、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを用いることもできる。すなわち、帯電部材(帯電ローラ8)が被帯電体(感光体7)と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジである。また、電子写真装置は、少なくとも、プロセスカートリッジ、露光装置及び定着装置を有する。
【実施例】
【0053】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
製造例A−1 −熱膨張性マイクロカプセル1の作製−
重合反応容器に、水8Lと、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製)8質量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.2質量部を添加し、水性分散媒体を調製した。
【0054】
【表1】

表1に示した配合組成物からなる油性混合液を水溶性分散媒体に添加し、更に水酸化ナトリウム0.8質量部を添加することにより、分散液を調製した。
【0055】
得られた分散液をホモジナイザーで4000rpm×1分間攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器(20L)内へ仕込み、加圧(0.2MPa)し、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、濾過と水洗を繰り返した後、乾燥して製造例A−1の熱膨張性マイクロカプセルを得た。これを熱膨張性マイクロカプセル1とする。
<熱膨張性マイクロカプセルの粒径の測定>
熱膨張性マイクロカプセル1を純水100mlに分散させて、レーザー散乱式粒度分布測定装置(商品名:LA−920、堀場製作所製)を用いて測定した。測定結果は、25μmであった。(表22参照)
【0056】
製造例A−2 −熱膨張性マイクロカプセル2の作製−
【表2】

表2に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、29μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル2とする。(表22参照)
【0057】
製造例A−3 −熱膨張性マイクロカプセル3の作製−
【表3】

表3に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、28μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル3とする。(表22参照)
【0058】
製造例A−4 −熱膨張性マイクロカプセル4の作製−
【表4】

表4に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、23μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル4とする。(表22参照)
【0059】
製造例A−5 −熱膨張性マイクロカプセル5の作製−
【表5】

表5に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、29μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル5とする。(表22参照)
【0060】
製造例A−6 −熱膨張性マイクロカプセル6の作製−
【表6】

表6に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、24μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル6とする。(表22参照)
【0061】
製造例A−7 −熱膨張性マイクロカプセル7の作製−
【表7】

表7に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、31μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル7とする。(表22参照)
【0062】
製造例A−8 −熱膨張性マイクロカプセル8の作製−
【表8】

表8に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、27μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル8とする。(表22参照)
【0063】
製造例A−9 −熱膨張性マイクロカプセル9の作製−
【表9】

表9に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、25μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル9とする。(表22参照)
【0064】
製造例A−10 −熱膨張性マイクロカプセル10の作製−
【表10】

表10に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、28μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル10とする。(表22参照)
【0065】
製造例A−11 −熱膨張性マイクロカプセル11の作製−
【表11】

表11に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、15μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル11とする。(表22参照)
【0066】
製造例A−12 −熱膨張性マイクロカプセル12の作製−
【表12】

表12に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、18μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル12とする。(表22参照)
【0067】
製造例A−13 −熱膨張性マイクロカプセル13の作製−
【表13】

表13に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、20μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル13とする。(表22参照)
【0068】
製造例A−14 −熱膨張性マイクロカプセル14の作製−
【表14】

表14に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、25μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル14とする。(表22参照)
【0069】
製造例A−15 −熱膨張性マイクロカプセル15の作製−
【表15】

表15に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、29μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル15とする。(表22参照)
【0070】
製造例A−16 −熱膨張性マイクロカプセル16の作製−
【表16】

表16に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、25μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル16とする。(表22参照)
【0071】
製造例A−17 −熱膨張性マイクロカプセル17の作製−
【表17】

表17に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、26μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル17とする。(表22参照)
【0072】
製造例A−18 −熱膨張性マイクロカプセル18の作製−
【表18】

表18に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、19μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル18とする。(表22参照)
【0073】
製造例A−19 −熱膨張性マイクロカプセル19の作製−
【表19】

表19に示した配合に変更した以外は、製造例A−1と同様にして、熱膨張性マイクロカプセルを得た。得られた熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、30μmであった。
これを熱膨張性マイクロカプセル19とする。(表22参照)
【0074】
<中空粒子の作製>
製造例B−1 −中空粒子1の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子1を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。
【0075】
<中空粒子の粒径の測定>
中空粒子1を純水100mlに分散させて、レーザー散乱式粒度分布測定装置(商品名:LA−920、堀場製作所製)を用いて測定した。測定結果は、92μmであった。(表23参照)
【0076】
<シェルの厚さの測定>
走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−6480、日本電子製)により中空粒子1の断面を観察した。50個の中空粒子のシェルを直接測定し、その厚さを算術平均により求めた。測定結果は、0.8μmであった。(表23参照)
【0077】
製造例B−2 −中空粒子2の作製−
熱膨張性マイクロカプセル2 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子2を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、115μmであった。シェルの厚さは、1.2μmであった。(表23参照)
【0078】
製造例B−3 −中空粒子3の作製−
熱膨張性マイクロカプセル3 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子3を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、148μmであった。シェルの厚さは、4.0μmであった。(表23参照)
【0079】
製造例B−4 −中空粒子4の作製−
熱膨張性マイクロカプセル4 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子4を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、73μmであった。シェルの厚さは、0.5μmであった。(表23参照)
【0080】
製造例B−5 −中空粒子5の作製−
熱膨張性マイクロカプセル5 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子5を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、82μmであった。シェルの厚さは、0.6μmであった。(表23参照)
【0081】
製造例B−6 −中空粒子6の作製−
熱膨張性マイクロカプセル6 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子6を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、123μmであった。シェルの厚さは、1.0μmであった。(表23参照)
【0082】
製造例B−7 −中空粒子7の作製−
熱膨張性マイクロカプセル7 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子7を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、102μmであった。シェルの厚さは、1.1μmであった。(表23参照)
【0083】
製造例B−8 −中空粒子8の作製−
熱膨張性マイクロカプセル8 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子8を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、65μmであった。シェルの厚さは、0.3μmであった。(表23参照)
【0084】
製造例B−9 −中空粒子9の作製−
熱膨張性マイクロカプセル9 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子9を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、62μmであった。シェルの厚さは、1.1μmであった。(表23参照)
【0085】
製造例B−10 −中空粒子10の作製−
熱膨張性マイクロカプセル10 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子10を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、113μmであった。シェルの厚さは、0.8μmであった。(表23参照)
【0086】
製造例B−11 −中空粒子11の作製−
熱膨張性マイクロカプセル11 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子11を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、118μmであった。シェルの厚さは、0.9μmであった。(表23参照)
【0087】
製造例B−12 −中空粒子12の作製−
熱膨張性マイクロカプセル12 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子12を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、88μmであった。シェルの厚さは、1.3μmであった。(表23参照)
【0088】
製造例B−13 −中空粒子13の作製−
熱膨張性マイクロカプセル13 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子13を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、85μmであった。シェルの厚さは、1.2μmであった。(表23参照)
【0089】
製造例B−14 −中空粒子14の作製−
熱膨張性マイクロカプセル14 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子14を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、124μmであった。シェルの厚さは、3.5μmであった。(表23参照)
【0090】
製造例B−15 −中空粒子15の作製−
熱膨張性マイクロカプセル15 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子15を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、63μmであった。シェルの厚さは、0.4μmであった。(表23参照)
【0091】
製造例B−16 −中空粒子16の作製−
熱膨張性マイクロカプセル16 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子16を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、146μmであった。シェルの厚さは、2.0μmであった。(表23参照)
【0092】
製造例B−17 −中空粒子17の作製−
熱膨張性マイクロカプセル17 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子17を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、132μmであった。シェルの厚さは、1.5μmであった。(表23参照)
【0093】
製造例B−18 −中空粒子18の作製−
熱膨張性マイクロカプセル18 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子18を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、82μmであった。シェルの厚さは、0.6μmであった。(表23参照)
【0094】
製造例B−19 −中空粒子19の作製−
熱膨張性マイクロカプセル19 10kgを順風乾燥機で、加熱することにより中空粒子19を得た。加熱条件は、事前に100℃から180℃の範囲で、条件だしを行い、最も中空粒子の粒径が大きくなる温度で行った。中空粒子の粒径は、99μmであった。シェルの厚さは、0.9μmであった。(表23参照)
【0095】
<帯電ローラの作製>
製造例C−1 −帯電ローラ1の作製−
直径6mm、長さ258mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、東洋化学研究所社製)を塗布し、200℃の熱風炉内にて30分間静置して導電性基体を得た。
弾性層用のコンパウンド作製にあたり、まず、50℃に調節した密閉型ミキサーにて表20に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンドAを調整した。
【0096】
【表20】

次に、20℃に冷却した二本ロール機にて表21に示した材料を15分間混練して、ゴムコンパウンドBを調整した。
【0097】
【表21】

続いて、図8に示すクロスヘッドを具備する押出機を用いて、導電性基体1を中心軸として、同軸上に円筒状に原料ゴム組成物を被覆した帯電部材を得た。外径は、直径(φ)9mmから10mmになるように調整した。押出機の温度は80℃から100℃になるように設定した。得られた帯電部材を熱風炉で加熱したのち、弾性層の端部を除去して、長さが224.2mmの弾性層を有する帯電部材を得た。熱風炉の温度は、150℃から180℃で帯電部材の外径が、12.5mm以上になるように調整した。
そして、前記帯電部材の弾性層の外周面を、図9に示すプランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨して、弾性層の外径を直径(φ)12mmに調整し、帯電ローラ1を得た。
【0098】
<電気抵抗値の測定>
電気抵抗値の測定方法は、図10に示す装置で行った。アルミドラムに帯電ローラを接触させ、接触面積が均一になるように導電性支持体の両端部に300gの加重をかけ、アルミドラムを回転させた。そして、帯電ローラは従動回転させながら300Vの直流電圧をかけて流れる電流を測定し、帯電ローラの電気抵抗値(Ω)を求めた。
帯電ローラは、N/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境に24時間以上放置した後に電気抵抗値を測定した。
【0099】
<硬度の測定>
硬度の測定は、以下の方法で行った。JIS K7312硬さ試験の規格に準じて、アスカーC型硬度を測定した。その測定は、「アスカーゴム硬度計C型」(商品名、高分子計器株式会社製)を用いて行う。アスカーC型硬度は、帯電ローラを無作為に6箇所測定し、その平均値である。
【0100】
<表面粗さの測定>
表面粗さの測定は、以下の方法で行った。JIS B0601−2001表面粗さの規格に準じて、十点平均粗さRzjisを測定した。その測定は、表面粗さ測定器「SE−3400」(商品名、株式会社小坂研究所製)を用いて行う。Rzjisは、帯電ローラを無作為に6箇所測定し、その平均値である。
【0101】
<中空粒子の粒径の測定>
走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−6480、日本電子製)により帯電ローラ1の断面を観察した。50個の中空粒子の粒径を直接測定し、その算術平均により中空粒子の粒径を求めた。
【0102】
<シェルの厚さの測定>
走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−6480、日本電子製)により帯電ローラ1の断面を観察した。50個の中空粒子のシェルを測定し、その厚さを算術平均により求めた。
【0103】
<密度の測定>
密度の測定は以下の方法で行った。JIS K6268の規定に準じて、密度を測定した。帯電ローラの密度を無作為に6箇所測定し、その平均値を求めた。各測定結果を表24に示す。
【0104】
製造例C−2 −帯電ローラ2の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル2 9質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ2を得た。帯電ローラ2について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0105】
製造例C−3 −帯電ローラ3の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル3 11質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ3を得た。帯電ローラ3について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0106】
製造例C−4 −帯電ローラ4の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル4 8質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ4を得た。帯電ローラ4について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0107】
製造例C−5 −帯電ローラ5の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル5 12質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ5を得た。帯電ローラ5について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0108】
製造例C−6 −帯電ローラ6の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル6 13質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ6を得た。帯電ローラ6について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0109】
製造例C−7 −帯電ローラ7の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル7 9質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ7を得た。帯電ローラ7について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0110】
製造例C−8 −帯電ローラ8の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル8 10質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ8を得た。帯電ローラ8について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0111】
製造例C−9 −帯電ローラ9の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル9 14質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ9を得た。帯電ローラ9について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0112】
製造例C−10 −帯電ローラ10の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル10 8質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ10を得た。帯電ローラ10について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0113】
製造例C−11 −帯電ローラ11の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル11 13質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ11を得た。帯電ローラ2について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0114】
製造例C−12 −帯電ローラ12の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル12 15質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ12を得た。帯電ローラ12について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0115】
製造例C−13 −帯電ローラ13の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル13 11質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ13を得た。帯電ローラ13について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0116】
製造例C−14 −帯電ローラ14の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル14 7質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ14を得た。帯電ローラ14について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0117】
製造例C−15 −帯電ローラ15の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル15 10質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ15を得た。帯電ローラ15について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0118】
製造例C−16 −帯電ローラ16の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル16 9質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ16を得た。帯電ローラ16について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0119】
製造例C−17 −帯電ローラ17の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル17 11質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ17を得た。帯電ローラ17について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0120】
製造例C−18 −帯電ローラ18の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル18 13質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ18を得た。帯電ローラ18について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0121】
製造例C−19 −帯電ローラ19の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、熱膨張性マイクロカプセル19 6質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ19を得た。帯電ローラ19について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0122】
製造例C−20 −帯電ローラ20の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子1 100質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ20を得た。帯電ローラ20について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0123】
製造例C−21 −帯電ローラ21の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子2 90質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ21を得た。帯電ローラ21について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0124】
製造例C−22 −帯電ローラ22の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子3 120質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ22を得た。帯電ローラ22について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0125】
製造例C−23 −帯電ローラ23の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子4 110質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ23を得た。帯電ローラ23について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0126】
製造例C−24 −帯電ローラ24の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子5 75質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ24を得た。帯電ローラ24について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0127】
製造例C−25 −帯電ローラ25の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子6 130質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ25を得た。帯電ローラ25について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0128】
製造例C−26 −帯電ローラ26の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子7 115質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ26を得た。帯電ローラ26について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0129】
製造例C−27 −帯電ローラ27の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子8 85質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ27を得た。帯電ローラ27について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0130】
製造例C−28 −帯電ローラ28の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子9 65質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ28を得た。帯電ローラ28について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0131】
製造例C−29 −帯電ローラ29の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子10 105質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ29を得た。帯電ローラ29について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0132】
製造例C−30 −帯電ローラ30の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子11 95質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ30を得た。帯電ローラ30について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0133】
製造例C−31 −帯電ローラ31の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子12 120質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ31を得た。帯電ローラ31について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0134】
製造例C−32 −帯電ローラ32の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子13 80質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ32を得た。帯電ローラ32について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0135】
製造例C−33 −帯電ローラ33の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子14 95質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ33を得た。帯電ローラ33について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0136】
製造例C−34 −帯電ローラ34の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子15 110質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ34を得た。帯電ローラ34について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0137】
製造例C−35 −帯電ローラ35の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子16 140質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ35を得た。帯電ローラ35について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0138】
製造例C−36 −帯電ローラ36の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子17 120質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ36を得た。帯電ローラ36について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0139】
製造例C−37 −帯電ローラ37の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子18 95質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ37を得た。帯電ローラ37について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0140】
製造例C−38 −帯電ローラ38の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、中空粒子19 130質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ38を得た。帯電ローラ38について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。
【0141】
製造例C−39 −帯電ローラ39の作製−
熱膨張性マイクロカプセル1 10質量部を、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(H-1) 40質量部に変更した以外は、製造例C−1と同様の方法で帯電ローラ39を得た。帯電ローラ2について、帯電ローラ1と同様にして各種の物性を測定した。なお、中空粒子の粒径、シェルの厚さの測定は実施しなかった。

上記帯電ローラ1〜39の各種物性の測定結果を表24に示す。
【0142】
<実施例1 −帯電ローラ1の画像評価−>
<振動起因のスジ状画像の評価>
電子写真装置として、キヤノン社製カラーレーザージェットプリンター(商品名:SateraLBP5400)を記録メディアの出力スピード200mm/sec(A4縦出力)に改造して用いた。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。プロセスカートリッジとして、前記プリンター用のプロセスカートリッジを改造して用いた。前記プロセスカートリッジから帯電ローラを取り外して、感光体ドラムに対して一端で2.5N、両端で5.0Nのバネによる押し圧力で、本発明の帯電ローラ1をセットした。N/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境で、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力して、ハーフトーン画像上に存在する振動起因のスジ状画像の評価を行った。評価の基準は以下の通りである。
【0143】
ランク1;スジ状画像が発生しない。
ランク2;スジ状画像が軽微に発生するのみ。
ランク3;一部にスジ状画像が帯電ローラのピッチで確認できるが、実用上問題の無い画質である。
ランク4;スジ状画像が目立ち、画質の低下が認められる。
帯電ローラ1は、スジ状画像が発生しなかった。(表25参照)
【0144】
<Cセット起因の横線画像の評価>
電子写真装置として、キヤノン社製カラーレーザージェットプリンター(商品名:SateraLBP5400)を用いた。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。プロセスカートリッジとして、前記プリンター用のプロセスカートリッジを改造して用いた。前記プロセスカートリッジから帯電ローラを取り外して、感光体ドラムに対して一端で4.9N、両端で9.8Nのバネによる押し圧力で、本発明の帯電ローラ1をセットした。
【0145】
このプロセスカートリッジを40℃、95%RHの環境に1ヶ月間放置(苛酷放置)した。次に、プロセスカートリッジをN/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境で6時間放置した後に、前記電子写真装置に装着し、同様の環境にて画像を出力した。出力した画像についてCセット起因の横線画像の評価を行った。評価の基準は以下の通りである。
ランク1;横線画像が発生しない。
ランク2;軽微な横線画像が認められるのみであり、帯電ローラのピッチでは確認できない。
ランク3;横線画像が帯電ローラのピッチで確認できるが、実用上問題の無い画質である。
ランク4;横線画像が目立ち、画質の低下が認められる。
帯電ローラ1は、横線画像が発生しなかった。(表25参照)
【0146】
<実施例2〜30、比較例1〜9 −帯電ローラ2〜39の画像評価−>
帯電ローラ1を表25に示した帯電ローラに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、振動起因のスジ状画像とCセット起因の横線画像の評価を行った。振動起因のスジ状画像の評価結果は、表25に示した。
【0147】
【表22】

【0148】
【表23】

【0149】
【表24】

【0150】
【表25】

【符号の説明】
【0151】
1.導電性基体
2.弾性層
3.バインダー
4.中空粒子
5.シェル
6.中空部
7.感光体
8.帯電ローラ
9.潜像形成装置
10.現像ローラ
11.転写ローラ
12.転写材
13.クリーニング部材
14.定着装置
15.アルミドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の基体、及び弾性層を有する帯電部材であって、
該弾性層は、バインダーと該バインダーに分散された中空粒子とを含有し、
該中空粒子のシェルは、
ヒンダードフェノールと、
下記一般式(1)から(4)で示される構成単位からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上の構成単位を有する重合体とを含有することを特徴とする帯電部材:
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式(1)から(3)中、R1、R2、R3は、水素原子または、炭素数1〜4のアルキル基である。)。
【請求項2】
前記ヒンダードフェノールが、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)からなる群から選ばれる1つまたは2つである請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】
感光体を一様に帯電させる帯電部材を備え、電子写真装置に着脱可能なプロセスカ−トリッジであって、
前記帯電部材が請求項1又は2に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項4】
感光体を一様に帯電させる帯電部材を備える電子写真装置であって、前記帯電部材が請求項1乃至3のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−159523(P2012−159523A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16969(P2011−16969)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】