説明

帰宅支援装置、帰宅支援方法および帰宅支援プログラム

【課題】災害発生時、状況に応じて支援品と支援拠点を帰宅困難者に割り当てることで、帰宅困難者に支援品を的確に支給する帰宅支援装置、帰宅支援方法および帰宅支援プログラムを提供する。
【解決手段】登録者の現在位置の情報を取得して、現在位置と帰着目的地の位置を用いて帰宅経路と距離を求め、該距離が閾値を超えているとき登録者を帰宅困難者として選出し、選出した帰宅困難者に支給する支援品と支援品ごとの数量を求め、選出した帰宅困難者の現在位置から最寄りの支援拠点で、かつ帰宅困難者に支給する支援品と支援品各々の数量が支給可能であるかを求め、選出した帰宅困難者の連絡先に検出した支援拠点と支援品と支援品各々の数量を通知し、検出した支援拠点において帰宅困難者に支援品が支給されたとき、検出した支援拠点に関連付けられている支援品の数量から帰宅困難者に支給した数量を減じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帰宅困難者の帰宅を支援する帰宅支援装置、帰宅支援方法および帰宅支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時において、首都圏では交通、輸送機関の麻痺により、多数の帰宅困難者の発生が予見される。そこで、帰宅困難者が徒歩により帰宅する場合、帰宅路において帰宅困難者は地方公共団体、企業などから、予め指定された支援品を支給する支援拠点で、食料配給など様々な支援品を受給する方法が提案されている。なお、支援拠点は、例えば、仮設のテント(店舗など)やコンビニエンスストアなどの店舗が考えられる。
【0003】
しかし実際には、支援時に支援拠点付近に居合わせた帰宅困難者は支援品を受給しやすいが、支援拠点から離れている帰宅困難者は支援品を受給することが困難である。また、帰宅困難者以外の人でも支援拠点において支給を受けられてしまう。さらに、帰宅困難者の事情、例えば帰宅までの想定時間、距離、年齢・性別などを考慮した平等な支給をすることが困難である。
【0004】
すなわち、従来の帰宅困難者の支援において、帰宅困難者各々の事情が考慮されておらず、支援品の受給は支援拠点に早く辿り着いた人から先取りになるため、帰宅困難者に対して平等な支給となっていない。また、最悪の場合は、支援品の争奪や商店への略奪、支援が受給できないことによる帰宅困難者の身体の安全性が脅かされる可能性も考えられる。
【0005】
例えば帰宅困難者を支援する技術として次のような技術が知られている。その技術では、情報提供端末において帰宅困難者が入力した自宅位置特定情報を、帰宅困難者の現在位置情報と共に情報管理サーバへ送信する。情報管理サーバは、上記情報提供端末から送られた帰宅困難者の自宅位置特定情報及び現在位置情報と、予め記録されている地図情報、帰宅支援施設の位置情報、通行止め情報、危険箇所情報及び有効帰宅支援施設間距離を基に、通行止め及び危険箇所が反映する。かつ、情報管理サーバは、帰宅ルート中に有効帰宅支援施設間距離以内の間隔で帰宅支援施設を経由するように設定された最適帰宅ルートを探索する。そして、この探索により得られた最適帰宅ルートを地図上に投影して情報提供端末へ送り表示させ、かつ帰宅途中において帰宅困難者に対し必要な支援を行える。
【0006】
また、災害発生時に被災者のニーズと避難所状況とを加味して、限られた物資を適正に分配可能にし、物資の提供を行う物資提供団体を適正に選択、決定する技術が知られている。例えば、帰宅困難者を支援する避難所側装置が、被災者自身が入力するニーズ情報、避難所側の責任者等が入力する避難者の人数、避難所周辺の被災状況等の避難所情報を受付けて自治体側装置へ送信する。自治体側装置は、ニーズ情報、物資提供団体の在庫量等を元に、各避難所に対する適正な物資分配を行い、過去の物資提供量、避難所別の1人当りの平均物資消費量等を考慮して、再び各避難所に対する適正な物資分配を行いその結果を登録する。自治体側装置は、避難所と物資提供団体の拠点との距離、物資の在庫量等を指標として、優先的に物資を提供する団体を選択、決定し、物資提供団体が決定すると、当該物資提供団体へ、物資提供先である避難所住所、必要な量等の物資手配情報を送信する。
【0007】
また、例えば帰宅困難者を支援する技術として、被災者が使用する被災者端末と支援物資の供給者が使用する供給者端末とが通信ネットワークを介して災害支援装置と接続可能な災害支援システムが知られている。災害支援装置は、供給者端末からの物資の備蓄情報を受付けてシステムの備蓄情報を更新・管理する備蓄管理手段を備える。また、災害支援装置は、被災者端末からの物資の支援要求を受付けて避難地区別の要求情報を集計・管理する要求管理手段を備える。災害支援装置は、さらに避難地区別の集計要求とシステムの備蓄情報とを比較し、配給可能であることにより、供給者端末に対して支援物資の配給指示を行う支援処理手段とを備える。この災害支援装置を用いることにより、管理者の高度な意思決定を必要とせずに、システムの備蓄物資を各被災地区に過不足なく円滑に供給指示を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−46919号公報
【特許文献2】特開2006−188331号公報
【特許文献3】特開2004−157843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、災害発生時、状況に応じて支援品と支援拠点を帰宅困難者に割り当てることで、帰宅困難者に支援品を的確に支給する帰宅支援装置、帰宅支援方法および帰宅支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施の態様のひとつである帰宅支援装置は、記録部と支援管理部を備えている。記録部は、登録者に支援品を支給する支給拠点ごとの位置を示す情報と、管理する上記支援品の数量を関連付けて記録する支援品管理データベースと、上記登録者の帰着目的地の位置を示す情報及び連絡先を記録する個人データベースと、距離ごとに上記支援品の数量を関連付けて記録する支援品データベースと、を備えている。
【0011】
支援管理部は、個人データベースを参照して上記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、上記登録者について取得した上記現在位置を示す情報と上記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求める。支援管理部は、該距離が予め定められた閾値を超えているとき上記登録者を帰宅困難者として選出し、該帰宅困難者に支給する上記支援品を、該帰宅困難者について上記求めた距離を用いて上記支援品データベースを参照して求める。そして、支援管理部は、該帰宅困難者の上記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する上記支援品が支給可能な支援拠点を、上記支援品管理データベースを参照して検出し、上記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求める。次に、支援管理部は、該連絡先に検出した上記支援拠点と上記支援品と上記支援品各々の数量を通知する。そして、上記検出した支援拠点において上記帰宅困難者に上記支援品を支給したとき、上記支援品管理データベースに記録している、上記検出した支援拠点に関連する上記支援品の数量から上記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる。
【発明の効果】
【0012】
実施の態様によれば、災害発生時、状況に応じて支援品と支援拠点を帰宅困難者に割り当てることで、帰宅困難者に支援品を的確に支給することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1のシステムの一実施例を示す図である。
【図2】処理部の一実施例を示す図である。
【図3】帰宅支援装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
【図4】個人データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図5】位置情報データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図6】支援対象者を選出する処理の一実施例を示すフロー図である。
【図7A】Aは支援品決定処理の一実施例を示すフロー図である。
【図7B】Bは支援品データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図8】選定者データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図9】通知処理の一実施例を示すフロー図である。
【図10】支援品管理データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図11】支給管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図12】再選出処理の一実施例を示すフロー図である。
【図13】本実施形態がコンピュータとして実現される場合の構成を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1のシステムの一実施例を示す図である。図1のシステムは、帰宅支援装置1、端末A_2a、端末B_2b、端末C_2c、支援端末A_3a、支援端末B_3bを備えている。帰宅支援装置1は、通信部5、処理部6、記録部7、入出力部8などを備えている。
【0015】
通信部5は、ネットワーク4を介して端末A_2a、端末B_2b、端末C_2c、支援端末A_3a、支援端末B_3bと通信を行う。なお、端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cは、便宜上端末2と呼ぶこともある。支援端末A_3a、支援端末B_3bは、便宜上支援端末3と呼ぶこともある。
【0016】
通信部5は、例えば、無線送信部、有線送信部、無線受信部、有線受信部などを備えている。無線送信部、無線受信部は、無線Local Area Network(LAN)、携帯電話、Personal Handy phone System(PHS)などの端末A_2a、端末B_2b、端末C_2c(無線通信機)と通信をしてもよい。また、有線送信部、有線受信部は、公衆回線やLANを介してPersonal Computer(PC)などの利用者端末と通信をしてもよい。
【0017】
処理部6は、予め記録部7に記録されている登録者の位置情報(現在位置:登録者位置情報)を端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cから取得し、各帰宅困難者の現在位置から目的位置(例えば、帰着目的地として自宅、宿泊先、会社、学校など:目的位置情報)までの距離を求める。その求めた距離を用いて、支援が必要な帰宅困難者を選出する。このとき、現在位置から目的位置までの距離が閾値を超えているとき、現在位置から目的位置までの想定時間が閾値を超えているとき、年齢、性別などを基に、帰宅困難者への支援優先度を、高く設定する。例えば、20kmを越える帰宅困難者であれば支援優先度を高くする。また、帰宅困難者の目的位置まで距離が同じであっても、年齢、性別に基づき、支援優先度を変更する。また、処理部6は、各支援拠点(支援端末A_3a、支援端末B_3bが設置されている場所)に準備されている支援品の品目やその数量と選出した帰宅困難者数に基づき、帰宅困難者各々に配布する支援品を決定する。例えば、支援品は現在位置から目的位置までの距離などに基づき、標準消費カロリーなどを参考に食料品や水の量を決定する。また、支援品は天候、気温などによっても決定することができる。例えば、雨であれば雨具を用意し、気温が低ければ懐炉、衣料品などを用意することが考えられる。
【0018】
また、処理部6は、帰宅困難者各々の位置情報と上記支援内容に基づき、選出した帰宅困難者に対して、支援の受給場所と受給内容を、選出された帰宅困難者各々の端末に通知する。例えば、支援内容は電子メールなどを用いて送信する。上記帰宅困難者の選出においては、各帰宅困難者の動的な変化情報を求め、支援優先度の順位の変更を自動で行う。変化情報は、例えば、歩行速度の低下、周辺対象者との歩行速度の比較結果などである。また、気象条件(天候、気温など)の変化に合わせて、支援内容、支援拠点、支援頻度(複数の場所で、支援品を小出しにする)を動的に変更し、対象の帰宅困難者に伝達する。
【0019】
帰宅支援装置1の通信部5は、支援拠点における帰宅困難者への支援品の受け渡し結果と支援品の数量を支援端末A_3a、支援端末B_3bから受信して、処理部6が適時支援品の在庫の管理を行う。処理部6は、帰宅困難者の位置情報の変化や支援品の数量の変化に対応し、予め設定した間隔で帰宅困難者の選出を繰り返し、通信部5を介して該当する帰宅困難者の端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cへの支援のための通知を送信する。また、処理部6は、割り込み処理として、帰宅困難者の集中が予見される場所および必要な支援品の数量を求め、求めた結果を通信部5を介して支援端末A_3a、支援端末B_3bへ送信し、支援者に提示する。
【0020】
さらに、処理部6は、求めた帰宅困難者の集中が予見される支援拠点において、支援拠点での支援品の不足が予見される場合、帰宅困難者の事情に応じて、支援拠点を調整する。このように、各支援拠点での支援品の支給状況、支援対象者の受け取り状況など、受渡しの予定、実績を管理し、結果をフィードバックすることにより、支援の精度を向上させる。
【0021】
なお、災害の終結後、各帰宅困難者の支援品の受け取り結果、各支援拠点における受渡し結果(支援品の数量、受渡し日時)、当日の気象条件などの実績データを帰宅支援装置1のパラメータ情報として取り込み、記録部7に記録する。なお、このパラメータ情報を反映させることにより、次に災害が発生したときの支援の精度を向上させることにつながる。また、処理部6は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いてもよい。
【0022】
記録部7は、後述する各種データベース(後述する個人データベース25、位置情報データベース26、選定者データベース27、支援品管理データベース28、支援品データベースなど)を記録している。また、記録部7は、プログラム、テーブル、データなどが記録されている。また、記録部7は、例えばRead Only Member(ROM)、Random Access Memory(RAM)、ハードディスクなどのメモリである。また、記録部7は、パラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、ワークエリアとして用いてもよい。
【0023】
入出力部8は、図示していない入出力装置などと接続され、帰宅支援装置1の管理者と複数の帰宅困難者が通信をする場合などに用いられるものである。入力部には、例えば、キーボード、マウスなどの入力装置が接続され、出力部には、例えば、液晶モニタやプリンタなどが接続されている。また、入出力部8は、帰宅困難者支援を行う利用者(例えば、地方公共団体などの職員)が、支援状況の確認や支援を行うための操作を行う。
【0024】
端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cは、帰宅支援装置1、支援端末A_3a、支援端末B_3bと通信を行う。帰宅支援装置1から通知(例えば、電子メールなど)を受信した帰宅困難者の端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cは、指定の各支援拠点で通知内容を(電子メールの内容)を、帰宅困難者に提示する。例えば、電子メールの内容に含まれるQRコード(登録商標)などを印字して提示する。または、端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cと、支援端末A_3a、支援端末B_3bとの間で通信を行い、通知内容を読み取らせてもよい。なお、端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cは、例えば、無線端末、Personal Computer(PC)などが考えられる。端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cは、Global Positioning System(GPS)などを備え、帰宅支援装置1の記録部7に予め登録されている登録者の現在位置を帰宅支援装置1に知らせるため、登録者位置情報を送信する。
【0025】
支援端末A_3a、支援端末B_3bは支援拠点に設置され、帰宅困難者の端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cから通知内容を読み取る。例えば、印字されたQRコードをスキャナなどにより読み込むことが考えられる。支援拠点では、帰宅困難者に上記通知内容の読み取り、読み取った内容に基づいて支援品を帰宅困難者に支給する。支援端末A_3a、支援端末B_3bは、帰宅困難者に支援品を支給したことを示す情報と支給した支援品の数量を含む情報を生成して、帰宅支援装置1へ送信する。すなわち、支援端末A_3a、支援端末B_3bは、帰宅支援装置1の記録部7に予め登録されている支援拠点の各支援品の現在の数量、支給結果などを帰宅支援装置1に知らせるため、支援品管理情報を送信する。支援品管理情報とは支援品を支給したことを示す情報であり、例えば、帰宅困難者の識別子に、支給結果、支援品の支給完了の情報などを関連付けた情報などである。なお、支援端末A_3a、支援端末B_3bは、例えば、無線端末、Personal Computer(PC)などが考えられる。
【0026】
処理部6について説明する。
図2は、処理部6と記録部7の一実施例を示す図である。処理部6は、情報取得部21、経路算出部22、支援管理部23を備えている。情報取得部21は、端末2、支援端末3から送信される情報を取得して記録部7に記録する。端末2から送信される情報は、登録者位置情報などである。支援端末3から送信される情報は、支援品管理情報である。経路算出部22は、記録部7の登録者位置情報と目的位置情報を用いて選出された帰宅困難者の帰宅経路、帰宅経路から求められる距離を求める。支援管理部23は、後述する図3に示すステップS4〜S8の処理を行う。
【0027】
図3は、帰宅支援装置1の動作の一実施例を示すフロー図である。ステップS1では、通常時(災害発生前)に情報取得部21が、通信部5または入出力部8を介して個人情報を取得し、記録部7の個人データベース25(個人DB)に記録する。図4は、個人データベース25のデータ構造を示す一実施例を示す図である。個人データベース25は、「登録者ID」「基本情報」「メールアドレス」「支援優先度」「支援対象フラグ」「最終受け取り日時」などの情報を有している。「登録者ID」には、登録者を識別するための識別子が記録されている。本例では「0000001」「0000002」「0000003」・・・「0000999」が記録されている。「基本情報」には、「登録者ID」に関連付けられ登録者の氏名、年齢、性別、住所、生年月日などの基本情報が記録されている。本例では、基本情報を「XXXXXXXX」・・・「XXXXXXXX」として表しているが、例えば、「氏名/年齢/性別/住所/生年月日・・・」などの情報を登録者ごとに記録されている。なお、基本情報は住基システム(住基データベース24(住基DB))と連携してさせて管理してもよい。また、住基システム側で管理してもよい。また、「基本情報」に含まれる住所の情報を通常は登録者の帰宅先(目的位置情報)とする。ただし、出先などで災害が起きることも考えられるため、宿泊先などを帰宅先として登録してもよい。「メールアドレス」には、登録者の端末と通信するための連絡先が記録されている。本例では、メールアドレス「XXXX@XXX.XXX」・・・「XXXX@XXX.XXX」を連絡先としているが特に限定されるものではない。なお、便宜上「XXXX@XXX.XXX」・・・「XXXX@XXX.XXX」と記しているが、実際には連絡先は登録者ごとに異なる。ただし、家族などの場合は連絡先が同じことも考えられる。「支援優先度」には、災害時に支援する登録者の優先度が記録されている。例えば、支援優先度として「1」「2」「−」などの優先度を設けて、登録者ごとに支援優先度を割り付ける。「1」は最優先者、「2」は最優先者以外の選定者、「−」は未選定者などを表している。通常時は、災害が発生していないので、例えば、基本情報の年齢、性別に基づいて支援優先度を求めて記録してもよい。災害発生時は、登録者の現在位置情報、目的位置情報を用いて帰宅経路の距離を求めて、動的に支援優先度を決める。例えば、帰宅経路の距離が長い登録者から順に支援拠点を決める。「支援対象フラグ」は、現在帰宅困難者として選定されているか否かが記録されている。本例では「1」のとき選定されているとし、「0」のとき選定されていないことを表している。通常時は、すべて「0」が記録されているが、災害発生時には選定するか否かを動的に判定してフラグを変化させる。「最終受け取り日時」には、支援品を受け取った日時が記録されている。本例では、便宜上「YYYYMMDD:hhmm」・・・「YYYYMMDD:hhmm」が記録されているが、実際には「/20102/9/10:41」などの日時が記録されている。本例では、災害発生時に、登録者「0000001」は、まだ支援品を受け取っていないため「−」が記録されている。登録者「0000002」「0000003」は、「YYYYMMDD:hhmm」にすべての支援品を受け取っていため、「支援対象フラグ」が「1」から「0」になっている。登録者「0000999」は、まだすべての支援品を受け取っていないため、最後に支援品を受け取った日時「YYYYMMDD:hhmm」が記録されている。
【0028】
ステップS2以降の処理は、災害が発生したことを想定している。
ステップS2では災害が発生すると情報取得部21は、災害が発生したことを気象情報(気象庁など気象計測をしている団体などから得られる情報)、災害発生情報(災害が発生した場所、災害状況などの情報)を、通信部5を介して取得する。次に、情報取得部21は、登録者位置情報を記録部7の位置情報データベースに記録する。例えば、端末2それぞれから送信された登録者位置情報を検出して記録する。
【0029】
登録者位置情報を取得するための方法について説明する。情報取得部21は、気象情報、災害発生情報などに基づいて災害が発生したことを検出する。次に、情報取得部21は災害が発生したことを登録者の端末2に通知する。例えば、この通知に登録者位置情報を返信することを登録者に促す情報を含めてもよい。また、この通知を取得すると自動で登録者位置情報を帰宅支援装置1に返信するようにしてもよい。また、端末2自身が、災害が発生したこと検出して帰宅支援装置1に送信してもよい。次に、帰宅支援装置1の通信部5を介して処理部6の情報取得部21は、登録者の端末2から送信された登録者位置情報を取得する。
【0030】
図5は、位置情報データベース26のデータ構造を示す一実施例を示す図である。位置情報データベース26は、例えば「登録者ID」「緯度(現在)」「経度(現在)」「取得日時(現在)」「緯度(前回)」「経度(前回)」「取得日時(前回)」「距離」「想定時間」などの情報を有している。「登録者ID」には、登録者を識別するための識別子が記録されている。本例では「0000001」「0000002」「0000003」・・・「0000999」が記録されている。「緯度(現在)」「経度(現在)」には現在の登録者の位置が記録されている。本例では「緯度(現在)」には便宜上「35.XX.XX」「35.XX.XX」「35.XX.XX」・・・「35.XX.XX」が記録されている。実際には度分秒が記録されている。「経度(現在)」には便宜上「139.XX.XX」「139.XX.XX」「139.XX.XX」・・・「139.XX.XX」が記録されている。実際には度分秒が記録されている。「取得日時(現在)」には登録者位置情報を取得した日時が記録されている。便宜上「YYYYMMDD:hhmm」・・・「YYYYMMDD:hhmm」が記録されているが、実際には「/20102/9/10:41」などの日時が記録されている。「緯度(前回)」「経度(前回)」には前回の通信日時に登録者がいた位置が記録されている。本例では「緯度(前回)」には便宜上「35.XX.XX」「35.XX.XX」「35.XX.XX」・・・「35.XX.XX」が記録されている。実際には度分秒が記録されている。「経度(前回)」には便宜上「139.XX.XX」「139.XX.XX」「139.XX.XX」・・・「139.XX.XX」が記録されている。実際には度分秒が記録されている。「取得日時(前回)」には登録者位置情報を取得した日時が記録されている。便宜上「YYYYMMDD:hhmm」・・・「YYYYMMDD:hhmm」が記録されているが、実際には「/20102/9/10:41」などの日時が記録されている。「距離」には、後述するステップS3で経路算出部22が求めた、現在位置から目的位置までの距離が記録される。本例では、「10km」「20km」「30km」・・・「35km」などが記録されている。「所要時間」には、後述するステップS3で経路算出部22が求めた、登録者が現在位置から目的位置までにかかる所要時間が記録される。本例では、「1時間」「3.5時間」「4.5時間」・・・「6時間」などが記録されている。
【0031】
ステップS3で経路算出部22は、登録者位置情報の示す現在位置から目的位置までの経路、距離、所要時間を求める。例えば、位置情報データベース26の登録者位置情報と個人データベース25の目的位置情報を用いて帰宅経路を求める。さらに、求めた帰宅経路の距離を求め、次に、登録者の目的位置に到着するまでの所要時間を求める。求めた結果は記録部7に記録する。経路は、登録者が帰宅するにあたり最適と考えられる帰宅経路を既存の技術により求める。また、災害により通行止めとなっている場所や危険な場所を避けて帰宅する帰宅経路を算出することが望ましい。その場合、例えば帰宅支援装置1は登録者にどの経路で帰宅するかを問合せて、登録者に経路を選択させてもよい。また、帰宅経路を算出する場合に、登録者の移動速度を用いる場合、例えば、一定時間に登録者が進んだ距離から求めることが考えられる。
【0032】
ステップS4ではステップS3の結果を用いて支援管理部23が支援対象となる帰宅困難者を選定し、ステップS5では帰宅困難者への支援品、支援品各々の数量を決める。ステップS6では支援管理部23が各帰宅困難者へ支援拠点と、支援品、支援品各々の数量を通知する。ステップS7では各支援拠点において帰宅支援者が支援品を受け取ったことを支援端末3が帰宅支援装置1にする通知する。帰宅支援装置1は該通知を受信すると、支援管理部23が支援品、支援品各々の数量を最新の状態に更新する。ステップS8では、既に支援品を受け取った帰宅困難者や、支援拠点の支援品の数量などの最新の状態を加味して、支援管理部23が再度帰宅困難者を選出する。
【0033】
ステップS4(選出処理)について、図6を用い帰宅困難者(支援対象者)を選出する処理の一実施例について説明する。
図6は、支援対象者を選出する処理の一実施例を示すフロー図である。ステップS601では支援管理部23が、ステップS3で求めた結果である目的位置までの距離、所要時間に基づき、支援対象者となる対象者を選出する。例えば、位置情報データベース26の「距離」「所要時間」を用いて、「距離」に記録されている値が閾値以上である登録者を支援対象者として選出する。または、「所要時間」に記録されている値が所要時間閾値以上である登録者を支援対象者として選出する。なお、距離と所要時間のそれぞれの情報が、距離の閾値と所要時間の閾値を超えている登録者を支援対象者として選出してもよい。例えば、登録者(年齢、性別)のうち、目的位置までの距離が25km以上であり、目的位置までの所要時間が5時間以上である登録者を、最優先者として選出する。
【0034】
ステップS602では、支援管理部23が個人データベース25の「基本情報」の値(年齢、性別、身体能力などのいづれか)と位置情報データベース26の「距離」「所要時間」を参照して、最優先者以外の登録者を選出する。例えば、最優先者以外の登録者を、年齢が15歳以下または60歳以上であり、目的位置までの距離が15km以上であり、目的位置までの所要時間が4時間以上である登録者を選出する。このとき、個人データベース25の「支援優先度」に最優先者であることと、最優先者以外の帰宅困難者であることを記録する。本例では、図4に示すように最優先者に「1」を、最優先者以外の帰宅困難者に「2」を割り付けている。
【0035】
ステップS603では、支援管理部23がステップS602で選出した帰宅困難者に対応する個人データベース25の「支援対象フラグ」の位置に、支援対象者であることを示すフラグなどを記録する。図4の例では、帰宅困難者に関連付けて「支援対象フラグ」に「1」を割り付ける。
【0036】
ステップS5(支援品決定処理)について、図7Aを用い帰宅困難者(支援対象者)へ支給する支援品とその数量を決定する処理の一実施例を説明する。
ステップS701では支援管理部23が、各地の気象条件、気象情報、時間帯などの情報に基づき、受給係数を決定する。受給係数は、例えば、受給品目の決定処理を行う際にリアルタイムで上記情報を受信し、支援品の品目ごとに決定する。また、例えば支援品のひとつである備蓄品A(例えば、水、お茶など)について受給係数を決める場合、各地の気象条件を用いて夏期、冬期は1.1倍とし、時間帯を用いて夜間は1.05倍とし、気象情報を用いて雨、雪のときは1.1倍にして支給する。各地の気象条件、気象情報は、(気象庁など気象計測をしている団体などから得られる情報)から、ネットワークなどを介して取得する。
【0037】
ステップS702では支援管理部23が、ステップS6で選出した帰宅困難者の情報を用いて、帰宅困難者各々に支給する支援品とその支援品の数量を決定する。ただし、ステップS705から超過率のフィードバックがある場合は、超過率分を減じる。例えば、支援品とその支援品の数量は、個人データベース25の基本情報の年齢、性別、身体能力、現在位置から目的位置までの距離などに基づいて、予め決められた支援品データベース29を記録部7に記録しておく。
【0038】
図7Bは支援品データベース29のデータ構造の一実施例を示す図である。「支援条件」「支援品」などの情報を有している。「支援条件」には、年齢、性別、身体能力、現在位置から目的位置までの距離のいずれかが記録されている。本例では、「20km」「30km」・・・「60歳以上/20km」「15歳以下/20km」・・・が記録されている。「支援品」には、「支援品目コード」「数量」が記録され、「支援品目コード」には支援品が記録されている。本例では、「支援品目コード」に「SIEN−1」「SIEN−1」・・・「SIEN−1」「SIEN−1」・・・、「SIEN−2」「SIEN−2」・・・「SIEN−2」「SIEN−2」・・・が記録されている。また、「数量」には「1」「1」・・・「1」「1」・・・、「1」「1」・・・「1」「1」・・・が記録されている。例えば、年齢が60歳以上で、距離が20km以上あれば、食べ物(例えば、おにぎり1個、パン1個など)と飲み物(例えば、水500ml、お茶500ml)などを支援品として決める。また、年齢が15歳以下で、距離が20km以上あれば、食べ物(例えば、おにぎり1個またはパン1個など)と飲み物(例えば、水250mlまたはお茶250ml)などを支援品として決める。ただし支援品データベースの記録内容は上記に限定されるものではない。また、個人データベース25、に、支援品の初期値を記録する場所を確保し、基本情報を用いて、食べ物(例えば、おにぎり1個、パン1個など)と飲み物(例えば、水500ml、お茶500ml)など記録しておいてもよい。また、後述する超過率のフィードバックがある場合は、例えば、超過率が0.8であれば水500mlを400mlに変更する。
【0039】
ステップS703では支援管理部23がステップS702で求めた帰宅困難者ごとの支援品各々の総量を求める。例えば、支援品データベース29を参照して帰宅困難者ごとの支援品各々の総量を求める。
【0040】
ステップS704で支援管理部23は、支給する予定の支援品ごとに式1の条件を満たしているかを判定する。式1の条件を満たしているときステップS706(Yes)に移行し、満たしていないときステップS705(No)に移行する。
支援品の総量<支援品の総備蓄量×配布係数 (式1)
配布係数:1以下の値(例えば、0.6)
【0041】
送備蓄量は、各支援拠点に備蓄している支援品各々の総量を示す。配布係数は、状況の変化に対応するために用いる値である。例えば、登録者であるが選出されていない帰宅者や、登録者以外で支援品を取得しようとする非対象者がいる場合が想定されるため、選出された帰宅困難者に支援品が支給されなくなることがある。そこで、予め支援品ごとの総備蓄量に配布係数を積算した値を用いることにより、支援品ごとの総備蓄量を少なく見積もり、選出された帰宅困難者に支援品が支給されなくなるリスクを回避する。図7Aでは配布係数として支援品ごとの総備蓄量の60%(配布係数:0.6)を使用している。なお、配布係数は0.6に限定されるものではない。
【0042】
ステップS705で支援管理部23は、超過率を計算してステップS702にフィードバックする。超過率は式2に従って求める。
超過率=(支援品の総量−備蓄量)/備蓄量 (式2)
備蓄量:支援品の総備蓄量×配布係数
【0043】
ステップS706で支援管理部23は、決定した帰宅困難者に支給する支援品と支援品の数量を記録部7に記録する。例えば、選定者データベース27に記録する。
【0044】
図8は、選定者データベース27のデータ構造を示す一実施例を示す図である。選定者データベース27は、例えば「登録者ID」「支援拠点ID」「支援品」などの情報を有している。「登録者ID」には、登録者を識別するための識別子が記録されている。本例では「0000001」「0000002」「0000003」・・・「0000999」が記録されている。「支援拠点ID」には、支援拠点を識別するための識別子が記録されている。本例では「K1」「K2」「K3」・・・「K999」が記録されている。「支援品」は、「支援品目コード」「数量」を有している。「支援品目コード」には、登録者IDと支援拠点IDに関連付け支援品を識別するためのコードが記録されている。本例では、選出されている登録者「0000001」「0000002」「0000999」などに「SIEN_1」に対応する支援品と「SIEN_n」に対応する支援品が支給される。また、「数量」は「支援品目コード」にそれぞれ関連付けられ記録される。本例では、登録者「0000001」「0000002」「0000999」の支援品「SIEN_1」には数量「1」がそれぞれ関連付けられて記録されている。支援品「0000001」「0000999」の「SIEN_n」には数量「1」が関連付けられて記録されている。支援品「0000002」の「SIEN_n」には数量「2」が関連付けられて記録されている。
なお、天候、気温などを考慮して帰宅困難者(支援対象者)へ支給する支援品とその数量を決定してもよい。
【0045】
ステップS6(通知処理)について、図9を用い帰宅困難者(支援対象者)へ支援品が支給される支援拠点と支援品と支援品各々の数量を通知する処理の一実施例について説明する。
【0046】
ステップS901では、支援管理部23が支援対象者の受渡し場所の支援拠点を決定する。例えば、個人データベース25の「支援対象フラグ」を参照して「1」が記録されている帰宅困難者を抽出し、該帰宅困難者に関連付けられる位置情報データベース26の最新の緯度、経度を抽出する。次に、最優先者から順次、各支援拠点の住所を支援品管理データベース28と当該帰宅困難者の緯度、経度を照合し、現状位置から支援拠点までの距離と支援品に基づき、各支援対象者の支援拠点を仮に決定する。仮に決定した支援拠点は、帰宅経路上の最寄りにある支援拠点にする。例えば、選出した帰宅困難者の現在位置から第1の範囲内にある最寄りの支援拠点で、かつ帰宅困難者に支給する支援品と支援品各々の数量が支給可能であるかを、支援品管理データベース28を参照して検出する。なお、第1の範囲は、帰宅経路に沿って目的位置の方向に広げた範囲である。すなわち、単に現在位置に近い順とすると帰着地と逆方向の配給場所も選定されてしまい、帰宅支援とならないため、帰宅経路に沿って目的位置の方向に広げる。なお、支援拠点は現在の帰宅困難者の位置から3kmの範囲にあり、帰宅経路上の最寄りに仮に決定することが望ましい。ただし、支援拠点検索の範囲は3kmに限定されるものではない。また、帰宅困難者が既に通った帰宅路を引き返すことがないように、現在位置から目的位置の方向に3km内の帰宅路の支援拠点を仮に決定する。
【0047】
図10は、支援品管理データベース28のデータ構造を示す一実施例を示す図である。支援品管理データベース28は、例えば「支援拠点ID」「支援拠点位置」「支援品」などの情報を有している。「支援拠点ID」には、支援拠点を識別するための識別子が記録されている。本例では「K1」「K2」「K3」・・・「K999」が記録されている。「支援拠点位置」には、支援拠点の位置が記録されている。本例では、住所が記録されている。なお、本例では便宜上「本○○市○○区・・・」を示している。また、支援拠点として緯度、経度を示してもよい。「支援品」は、「支援品目コード」「数量」を有している。「支援品目コード」には、登録者IDと支援拠点IDに関連付け支援品を識別するためのコードが記録されている。本例では、選出されている登録者「0000001」「0000002」「0000999」などに「SIEN_1」に対応する支援品と「SIEN_n」に対応する支援品が支給される。また、「数量」は「支援品目コード」にそれぞれ関連付けられ記録される。本例では、登録者「0000001」「0000002」「0000999」の支援品「SIEN_1」には数量「300」「250」・・・「6000」がそれぞれ関連付けられて記録されている。本例では、登録者「0000001」「0000002」「0000999」の支援品「SIEN_n」には数量「4000」「200」・・・「6000」がそれぞれ関連付けられて記録されている。
【0048】
ステップS902では、支援管理部23が対象の帰宅困難者に仮に決定した支援拠点において、支援品を支給可能か否かを判定する。支給可能であるときはステップS908に移行し、支給できない場合にはステップS903に移行する。例えば、仮に決定した各支援拠点に対応する支援品管理データベース28の「支援品目コード」と「数量」を参照して、選出された帰宅困難者へ支給する各支援品があるかを判定する。次に、判定した支援拠点に、対象の帰宅困難者に支給するための各支援品が必要な数量あるかを判定する。必要数量あれば、対象の帰宅困難者へ支給する支援拠点が決定する。なお、支援品が複数ありひとつの支援拠点ですべての支援品が揃えられない場合は、支援拠点を分けて支給してもよい。支援品を支給できない場合は、支援拠点の再決定処理をする。
【0049】
ステップS903で支援管理部23は、仮に決定する支援拠点検索の範囲を広げ、再度仮に決定する支援拠点を決定する。なお、帰宅経路上の方向に範囲を広げる。例えば、現在位置(緯度、経度)に基づき、帰宅経路上の周辺において支援拠点検索の範囲内の支援拠点を、仮の支援拠点として再決定する。例えば、ステップS901で3kmの支援拠点検索の範囲で支援拠点を検索したのであれば、ステップS903では4kmの範囲内で検索をすることが考えられる。ただし、支援拠点検索の範囲は4kmに限定されるものではない。
【0050】
ステップS904では、支援管理部23がステップS903で仮に決定した支援拠点と目的位置までの距離を求める。
【0051】
ステップS905では、支援管理部23が仮に決定した支援拠点から目的位置までの距離が、予め設定された支援打切距離値以内であるときステップS906(No)に移行し、支援打切距離値を越えているときはステップS907(Yes)に移行する。例えば、ステップS903で仮に決定した支援拠点と目的位置との距離が1km(支援打切距離値)以内であれば、仮に支援を受けられなくても、そのまま目的位置まで帰れると判定する。1km以上離れている場合は、仮に決定した支援拠点を探すためにステップS907に移行する。
【0052】
ステップS906では、対象の帰宅困難者を帰宅困難者から外す。例えば、個人データベース25の「支援対象フラグ」の「1」を「0」にして、帰宅困難者であることを取り消す。
【0053】
ステップS907で支援管理部23は、ステップS903で仮に決定した支援拠点それぞれにおいて支援品が支給可能であるか否かを判定する。支給可能であればステップS908(Yes)に移行し、支給することはできない場合にはステップS903(No)に移行する。なお、支給可能か否かの判定はステップS902と同じように判定することが望ましい。
【0054】
ステップS908では、支援管理部23が支援品情報と支援拠点を記録部7に書き込み、支援拠点の支援品の数量を減算する。すなわち、支援品と支援拠点が決定すると、選定者データベース27の「支援拠点ID」と支援品目コード」「数量」が帰宅困難者の「登録者ID」に関連付けられて書き込まれる。また、帰宅困難者に支援品が支給されると該当する支援拠点における支援品の数量を減算する。例えば、支援品管理データベース28の対象の支援拠点の「支援拠点ID」に関連付けられている対象の支援品の「数量」から支給される数量だけ減算する。
【0055】
ステップS909では、支援管理部23が全の帰宅困難者に対して支援品の支給割り当てをするための処理を完了したかを判定し、完了していればステップS910(Yes)に移行し、完了していなければステップS901(No)に移行する。例えば、個人データベース25を参照して支給割り当てを判定する。
【0056】
ステップS910では、支援管理部23が選定者データベース27を参照して連絡用の通知(例えば、支援拠点、支援品、支援品の数量などの情報を含んだ情報)を作成して、端末A_2a、端末B_2b、端末C_2cに送信する。
なお、天候、気温などを考慮して支援拠点を決定してもよい。
【0057】
ステップS7(支給管理処理)について、図11を用い支援品の支給管理処理の一実施例の説明をする。
ステップS1101で帰宅困難者であることを確認する際に、帰宅支援装置1は、支援端末3から帰宅困難者の有する端末2から受信したステップS910で送信された通知に含まれていた帰宅困難者の登録者IDを受信する。そして、帰宅支援装置1の個人データベース25を用いて帰宅困難者であることを支援管理部23が判定する。そして、帰宅支援装置1は、判定結果を支援端末3に送信する。
【0058】
ここで、支援拠点の支援端末3と帰宅支援者の有する端末2の通信は、ステップS910で送信された通知を受信した通知の内容を支援拠点の支援端末3に送信する。支援端末3は、端末2から送信された通知を受信すると、通知の内容を参照して帰宅困難者であるか否かを判定する。例えば、通知としてQRコードを読み込み帰宅困難者の確認をしてもよい。また、支援端末3は、帰宅支援装置1から帰宅困難者であるか否かを判定するためのデータを予め支援端末3の備える記録部に記録しておき、支援端末3側で帰宅困難者であるか否かを判定してもよい。
【0059】
ステップS1102で支援管理部23は、最優先者(最優先の帰宅困難者:支援優先度「1」)、その他の選出者(帰宅困難者:支援優先度「2」)、選出者以外(支援優先度「−」、登録者以外も考えられる)であるかを確認する。最優先者であればステップS1103に移行し、その他の選出者であればステップS1104に移行し、選出者以外であればステップS1105に移行する。例えば、支援管理部23は、帰宅困難者であることを確認する際に、支援端末3から受信した通知に含まれる帰宅困難者の登録者IDを帰宅支援装置1に送信する。そして、帰宅支援装置1の個人データベース25などを用いて帰宅困難者の支援優先度を判定する。なお、判定結果を支援端末3が受信してもよい。なお、支援端末3に、帰宅支援装置1から帰宅困難者の支援優先度を判定するためのデータを取得して、予め支援端末3の備える記録部に記録しておいてもよい。
【0060】
ステップS1103では、支援管理部23が最優先者(ケース1)であると判定したとき、支給結果に基づいて最優先者の登録処理を行う。最優先者の登録処理とは、例えば、まず各支援端末3から送信される帰宅困難者の登録者ID、支給結果、支給完了の情報を関連付けた支援品管理情報を帰宅支援装置1が受信する。次に、支援管理部23は、受信した支援品管理情報の登録者IDに関連付けられている個人データベース25の「支援優先度」の「1」を「−」に変更する。また、支援管理部23は「支援対象フラグ」を「1」から「0」に変更する。
【0061】
ステップS1104では、支援管理部23がその他選出者(ケース2)であると判定したとき、支給結果に基づいてその他選出者の登録処理を行う。その他選出者の登録処理とは、例えば、まず各支援端末3から送信される帰宅困難者の登録者ID、支給結果、支給完了の情報を関連付けた支援品管理情報を帰宅支援装置1が受信する。次に、支援管理部23は、受信した支援品管理情報の登録者IDに関連付けられている個人データベース25の「支援優先度」の「2」を「−」に変更する。また、支援管理部23は「支援対象フラグ」を「1」から「0」に変更する。
【0062】
ステップS1105では、支援管理部23が選出者以外(ケース3)であると判定したとき、支給結果に基づいて選出者以外の登録処理を行う。選出者以外の登録処理とは、例えば、まず各支援端末3から送信される帰宅困難者の登録者ID、支給結果、支給完了の情報を関連付けた支援品管理情報を帰宅支援装置1が受信する。次に、支援管理部23は、受信した支援品管理情報の登録者IDに関連付けられている個人データベース25に登録されているか否かを判定する。選出されていない登録者である場合、「支援優先度」(「−」)を変更しない。また、支援管理部23は「支援対象フラグ」(「0」)を変更しない。ただし、選出者以外にどれだけの支援品を支給したかを、支援品ごとに記録してもよい。
【0063】
ステップS1106では、支援管理部23が支援拠点それぞれにおける、支援品各々の支給した総量を求める。ケース1、ケース2の場合、支援管理部23は支援品管理情報に含まれる支援拠点IDに関連付けられている支援品管理データベース28の「支援品」を参照して、支給結果を支援拠点の「数量」に反映させる。例えば、支給結果に支援品「SIEN_1」を1個帰宅支援者に支給したことが記録されていれば、支援品管理データベース28の「支援品目コード」を検索して「SIEN_1」を検知し、対応する「数量」から1を減算する。その他の支援品に関しても同じように支給した場合には、対応する「数量」から支給した数量の減算をする。
【0064】
また、ケース3の場合、登録者であれば支援管理部23は支援品管理情報に含まれる支援拠点IDに関連付けられている支援品管理データベース28の「支援品」を参照して、支給結果を支援拠点の「数量」に反映させる。登録者でない場合、支援管理部23は支援品管理データベース28の「支援品」を参照して、支給結果を支援拠点の「数量」に反映させる。上記説明した配布係数(状況変化用)より、選出者外の困難者が受け取りに来た場合の物資を確保してある。例えば、配布係数が0.6の場合、想定外の配布用に0.4が確保されている。
【0065】
ステップS1107では、支援管理部23が各支援拠点における、支援品各々の減少量と残数量を求める。減少量は、例えば、支援品各々の数量が変化するごとに求めてもよいし、定期的に求めてもよい。残数量は、例えば、ステップS1106で求めた支援拠点各々の現在の「数量」としてもよい。また、減少量と前回の数量を用いて支援品各々の減少率(減少量/前回の数量)を求める。
【0066】
ステップS1108で支援管理部23は、支援品各々の数量の減少率が閾値以内であればステップS8の再選出を行う処理に移行し、閾値以内でなければステップS1109に移行する。また、閾値以内でなければ、支援品を供給することが困難である支援拠点として記録部7に記録する。なお、上記閾値は、例えば、40%(比率であれば、0.4)などの値を用いることが考えられる。ただし、40%に限定するものではない。上記説明したように、例えば想定外の配布用に支援品の0.4の数量を確保していたとしても、帰宅困難者に支援品を支給できないことが想定されるため、このステップS1108の判定を行い、帰宅困難者にできる限り支援品を支給できるようにする。
【0067】
ステップS1109では、支援管理部23が現在の指定されている支援拠点のうち、支援品を帰宅困難者に支給することが困難な支援拠点を抽出し、抽出した支援拠点で支援品を支給される予定の帰宅困難者の位置情報を取得する。例えば、支援拠点で支援品を受け取ることができない帰宅困難者の位置情報は位置情報データベース26を参照して取得する。
【0068】
ステップS1110では、支援管理部23が現在の支援拠点より一定距離に有る支援拠点を抽出する。例えば、支援品管理データベース28を参照して現在の支援拠点から目的位置の間の一定距離(例えば、帰宅経路の方向の1km内)離れた場所に他の支援拠点があるかを判定する。ある場合にはステップS1111(Yes)に移行し、ない場合にはステップS8(No)に移行する。
【0069】
ステップS1111で支援管理部23は支援拠点の再決定を行う。例えば、帰宅困難者の現状位置とステップS1110で選択した支援拠点の位置が決められた範囲内にあるかを求める。さらに、帰宅困難者に供給する支援品各々とその支援品各々の数量が、ステップS1110で選択した支援拠点の支援品各々の残量でまかなえる支援拠点を決める。
【0070】
ステップS1112では、支援管理部23が現在対象となっている帰宅困難者の支援拠点が全て決定したかを判定する。全て決まっていればステップS8(Yes)に移行し、決まっていなければステップS1113(No)に移行する。
【0071】
ステップS1113で支援管理部23は支援拠点の検索範囲を広げる。なお、最優先者の中でも年齢を優先して、支援拠点の検索範囲を広げる。
ステップS8(再選出処理)について、図12を用いて再選出処理の一実施例を説明する。
【0072】
ステップS1201では、支援管理部23が複数の帰宅困難者の前回と現在の移動位置と経過時間から、平均移動距離と平均移動速度を求める。例えば、全ての帰宅困難者に対して平均移動距離と平均移動速度を求めてもいいし、ランダムに抽出した帰宅困難者の平均移動距離と平均移動速度を求めてもよい。ただし、前回の移動位置と前回からの経過時間は、災害発生時から現在の日時の間であれば特に限定するものではない。
【0073】
ステップS1202では、支援管理部23が帰宅困難者の前回と現在の移動位置から移動距離を求める。例えば、移動距離は位置情報データベース26などを参照して求める。
【0074】
ステップS1203では、支援管理部23が帰宅困難者の移動距離速度が平均移動距離速度×係数(例えば、0.3)より遅い場合、支給済みの有無に係らず帰宅困難者として再選出する。選出された場合ステップS1206(Yes)に移行し、選出されない場合ステップS1204(No)に移行する。係数は、移動速度がどれくらい低下したことを示す値である。
【0075】
ステップS1204では、支援管理部23が個人データベース25から帰宅困難者の支援対象フラグを取得して、ステップS1205で既に支給したか否かを判定する。支給済みでなければステップS1206(No)に移行し、支給済みであるときはステップS2(Yes)に移行する。
【0076】
ステップS1206で支援管理部23は、選出した支援対象者の個人データベース25も支援優先度などを変更する。すなわち、ステップS1203で選出された登録者は、例えば怪我や病気で動けないことが想定されるため、支援優先度を変更する。なお、このとき本当に怪我や病気で動けないことを確認するために、端末2に連絡をして確認してもよい。また、対象の支援対象者の周辺の登録者の移動距離なども求めて、同程度の速度で移動しているか否かを判定して、同程度の速度で移動していれば怪我や病気でないと判定してもよい。
【0077】
上記のように災害発生時、被災者ごとの現在位置から目的位置までの帰宅経路と距離を基に、支援拠点と支援拠点ごとの支援品各々の数量を求めて、各帰宅困難者に支援拠点と支援品について通知するため、支援品を的確に支給することができる。
【0078】
さらに、年齢・性別などを考慮し、支援拠点と支援拠点ごとの支援品各々の数量を求めて、各帰宅困難者に支援拠点と支援品について通知するため、支援品をさらに効率よく支給することができる。その結果、帰宅困難者を、安全且つ速やかに支援することができる。
【0079】
また、帰宅困難者を帰宅支援装置1により、支援拠点、支援品、数量を管理することができため、支援拠点において支援者の業務を軽減することができる。
なお、帰宅経路の距離が長い帰宅困難者(遠い人)ほど優先的に支援拠点を割り当てるという効果が得られる。
【0080】
また、支援品が必要な帰宅困難者に割り当たらないことや、支援品を実施する地方公共団体、企業なども、本来支援したい帰宅困難者に対する支援を行えるようになる。
また、災害発生時の支援品支給時の混乱(支援品争奪など)を回避することができる。
また、帰宅支援装置1を用いることにより、平等な支援の実施による混乱や支援品争奪の防止。
【0081】
本実施形態がコンピュータとして実現される場合の構成について説明する。
図13は、上記実施形態1で説明した装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
コンピュータのハードウェア1300は、CPU1301、記録部1302、記録媒体読取装置1303、入出力インタフェース1304(入出力I/F)、通信インタフェース1305(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス1306によってそれぞれ接続されている。
【0082】
CPU1301は、記録部1302に格納されている上記説明した帰宅支援装置1の各処理を実行する。
記録部1302(ROM、RAM、ハードディスクドライブなど)には、CPU1301が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。また、記録部1302は上記説明した記録部7の機能を有する。
【0083】
記録媒体読取装置1303は、CPU1301の制御にしたがって記録媒体1307に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体1307に記録媒体読取装置1303の制御で書き込まれたデータを記録させたり、記録媒体1307に記憶されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体1307は、コンピュータで読み取り可能なnon−transitory(非一時的)な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc (DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory (CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk (MO)などがある。
【0084】
入出力インタフェース1304には、入出力装置1308(例えば、タッチパネルなど)が接続され、ユーザが入力した情報を受信し、バス1306を介してCPU1301に送信する。また、CPU1301からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。
【0085】
通信インタフェース1305は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0086】
このようなハードウェア構成を有するコンピュータを用いることによって、上記説明した各種処理機能(実施形態で説明した処理(フローチャートなど))が実現される。その場合システムが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体1307に記録しておくことができる。
【0087】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体1307が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0088】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体1307に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記録部1302に格納する。そして、コンピュータは、自己の記録部1302からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体1307から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0089】
なお、帰宅支援装置1をApplication Service Provider(ASP)などにより実現することもできる。
また、帰宅支援装置を用いることにより、地方公共団体、企業のイメージアップをすることにつながる。
【0090】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施例は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
また、図2の住基データベース24は必ずしも備えなくてもよい。また、図3のステップS8は、必ずしも備えなくてもよい。
【0091】
以上実施形態1を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
登録者に支援品を支給する支給拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品の数量を関連付けて記録する支援品管理データベースと、前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報及び連絡先を記録する個人データベースと、距離ごとに前記支援品の数量を関連付けて記録する支援品データベースと、を含む記録部と、
前記登録者の現在位置を示す情報を取得し、前記個人データベースを参照して前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出し、該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて前記支援品データベースを参照して求め、該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品が支給可能な支援拠点を、前記支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知し、前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる支援管理部と、
を備えることを特徴とする帰宅支援装置。
(付記2)
前記支援管理部は、
前記帰宅困難者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて帰宅経路を求め、該帰宅経路に沿って前記帰着目的地の位置の方向に広げた範囲を前記第1の範囲にすることを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
(付記3)
前記支援管理部は、
前記登録者ごとの年齢、性別、身体能力のいずれかを含む基本情報を用いて、予め設定した距離、年齢、性別、身体能力のいずれかに該当する前記登録者を帰宅困難者として選出することを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
(付記4)
前記支援管理部は、
前記登録者の現在位置と前記現在位置に対応する日時と、前回の位置と前記前回の位置に対応する日時を用いて移動速度を求め、他の帰宅困難者の平均移動速度より遅い値に設定した閾値より、前記登録者の求めた前記移動速度が遅いとき、前記支援品を支給したかの有無に係わらず前記登録者を帰宅困難者に再選出することを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
(付記5)
登録者の現在位置を示す情報を登録者の端末から通信により取得し、記録部の個人データベースから前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出し、
選出した該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて距離ごとに前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録している前記記録部の支援品データベースを参照して求め、
該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品と前記支援品ごとの数量が支給可能な支援拠点を、前記登録者に支援品を支給する支援拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品の数量を関連付けて記録する前記記録部の支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知し、
前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる、
ことを特徴とする帰宅支援方法。
(付記6)
コンピュータに、
登録者の現在位置を示す情報を登録者の端末から通信により取得し、記録部の個人データベースから前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出する選出処理と、
選出した該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて距離ごとに前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録している前記記録部の支援品データベースを参照して求める支援品決定処理と、
該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品と前記支援品が支給可能な支援拠点を、前記登録者に支援品を支給する支援拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録する前記記録部の支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知する通知処理と、
前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる支給管理処理と、
を実行させることを特徴とする帰宅支援プログラム。
(付記7)
前記帰宅困難者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて帰宅経路を求めて、該帰宅経路に沿って前記帰着目的地の位置の方向に広げた範囲を前記第1の範囲にすることを特徴とする付記5に記載の帰宅支援方法。
(付記8)
前記登録者ごとの年齢、性別、身体能力のいずれかを含む基本情報を用いて、予め設定した距離、年齢、性別、身体能力のいずれかに該当する前記登録者を帰宅困難者として選出することを特徴とする付記5に記載の帰宅支援方法。
(付記9)
前記登録者の現在位置と前記現在位置に対応する日時と、前回の位置と前記前回の位置に対応する日時を用いて移動速度を求め、他の帰宅困難者の平均移動速度より遅い値に設定した閾値より、前記登録者の求めた前記移動速度が遅いとき、前記支援品を支給したかの有無に係わらず前記登録者を帰宅困難者に再選出することを特徴とする付記5に記載の帰宅支援方法。
(付記10)
コンピュータに、
前記帰宅困難者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて帰宅経路を求めさせ、該帰宅経路に沿って前記帰着目的地の位置の方向に広げた範囲を前記第1の範囲として、支援拠点を検索する処理を実行させることを特徴とする付記6に記載の帰宅支援プログラム。
(付記11)
コンピュータに、
前記登録者ごとの年齢、性別、身体能力のいずれかを含む基本情報を用いて、予め設定した距離、年齢、性別、身体能力のいずれかに該当する前記登録者を帰宅困難者として選出する処理を実行させることを特徴とする付記6に記載の帰宅支援プログラム。
(付記12)
コンピュータに、
前記登録者の現在位置と前記現在位置に対応する日時と、前回の位置と前記前回の位置に対応する日時を用いて移動速度を求めさせ、他の帰宅困難者の平均移動速度より遅い値に設定した閾値より、前記登録者の求めた前記移動速度が遅いとき、前記支援品を支給したかの有無に係わらず前記登録者を帰宅困難者に再選出する再選出処理を実行させることを特徴とする付記6に記載の帰宅支援プログラム。
【符号の説明】
【0092】
1 帰宅支援装置
2 端末
3 支援端末
4 ネットワーク
5 通信部
6 処理部
7 記録部
8 入出力部
21 情報取得部
22 経路算出部
23 支援管理部
24 住基データベース
25 個人データベース
26 位置情報データベース
27 選定者データベース
28 支援品管理データベース
29 支援品データベース
1300 ハードウェア
1302 記録部
1303 記録媒体読取装置
1304 入出力インタフェース
1305 通信インタフェース
1306 バス
1307 記録媒体
1308 入出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録者に支援品を支給する支給拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品の数量を関連付けて記録する支援品管理データベースと、前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報及び連絡先を記録する個人データベースと、距離ごとに前記支援品の数量を関連付けて記録する支援品データベースと、を含む記録部と、
前記登録者の現在位置を示す情報を取得し、前記個人データベースを参照して前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出し、該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて前記支援品データベースを参照して求め、該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品が支給可能な支援拠点を、前記支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知し、前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる支援管理部と、
を備えることを特徴とする帰宅支援装置。
【請求項2】
前記支援管理部は、
前記帰宅困難者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて帰宅経路を求め、該帰宅経路に沿って前記帰着目的地の位置の方向に広げた範囲を前記第1の範囲にすることを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
【請求項3】
前記支援管理部は、
前記登録者ごとの年齢、性別、身体能力のいずれかを含む基本情報を用いて、予め設定した距離、年齢、性別、身体能力のいずれかに該当する前記登録者を帰宅困難者として選出することを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
【請求項4】
前記支援管理部は、
前記登録者の現在位置と前記現在位置に対応する日時と、前回の位置と前記前回の位置に対応する日時を用いて移動速度を求め、他の帰宅困難者の平均移動速度より遅い値に設定した閾値より、前記登録者の求めた前記移動速度が遅いとき、前記支援品を支給したかの有無に係わらず前記登録者を帰宅困難者に再選出することを特徴とする請求項1に記載の帰宅支援装置。
【請求項5】
登録者の現在位置を示す情報を登録者の端末から通信により取得し、記録部の個人データベースから前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出し、
選出した該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて距離ごとに前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録している前記記録部の支援品データベースを参照して求め、
該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品と前記支援品ごとの数量が支給可能な支援拠点を、前記登録者に支援品を支給する支援拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品の数量を関連付けて記録する前記記録部の支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知し、
前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる、
ことを特徴とする帰宅支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
登録者の現在位置を示す情報を登録者の端末から通信により取得し、記録部の個人データベースから前記登録者の帰着目的地の位置を示す情報を取得し、前記登録者について取得した前記現在位置を示す情報と前記帰着目的地の位置を示す情報を用いて現在位置から帰着目的地までの距離を求め、該距離が予め定められた閾値を超えているとき前記登録者を帰宅困難者として選出する選出処理と、
選出した該帰宅困難者に支給する前記支援品を、該帰宅困難者について前記求めた距離を用いて距離ごとに前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録している前記記録部の支援品データベースを参照して求める支援品決定処理と、
該帰宅困難者の前記現在位置から第1の範囲内にある、該帰宅困難者に支給する前記支援品と前記支援品が支給可能な支援拠点を、前記登録者に支援品を支給する支援拠点ごとの位置を示す情報と、管理する前記支援品と前記支援品各々の数量を関連付けて記録する前記記録部の支援品管理データベースを参照して検出し、前記個人データベースを参照して該帰宅困難者の連絡先を求め、該連絡先に検出した前記支援拠点と前記支援品と前記支援品各々の数量を通知する通知処理と、
前記検出した支援拠点において前記帰宅困難者に前記支援品を支給したとき、前記支援品管理データベースに記録している、前記検出した支援拠点に関連する前記支援品の数量から前記帰宅困難者に支給した支援品の数量を減じる支給管理処理と、
を実行させることを特徴とする帰宅支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−192062(P2011−192062A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58211(P2010−58211)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】