説明

帳票管理方法及び帳票管理システム

【課題】 印刷時に管理番号をシステムで採番できない場合であっても、帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けを可能とした帳票管理方法及び帳票管理システムを提供すること。
【解決手段】 帳票印刷手段12により、管理番号をバーコード14としてプレ印刷された帳票用紙13を使用して印刷データを印刷し、印刷後にバーコードリーダ15で、帳票のバーコード14を読み取り、帳票関連付け手段16により、印刷データと帳票の管理番号を関連付けるようにしたので、印刷時に管理番号をシステムで採番できない場合であっても、帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷帳票を管理番号により管理するために、印刷データと管理番号を関連付けさせる帳票管理方法及び帳票管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種書面の電子管理が広く行われるようになった。このような電子管理では、各種の帳票を電子データで管理し、必要時この電子データを印刷用データとして読み出し、所定事項を書き込んだ後、印刷するものである。この場合、印刷された帳票には管理番号を付して管理するのが一般的であり、そのための提案もなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来、上述のように管理番号を用いて、印刷帳票とシステムとを関連付ける場合、印刷時にシステムで採番した管理番号を帳票に出力して、その値で関連付ける方式が多く用いられてきた。しかしながら、その管理番号がシステム外で管理されている等、システムで採番できない場合においては、前述の方式は使用できず、新たな方式が必要になった。
【特許文献1】特開2003−281152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、管理番号を用いて、印刷帳票とシステムとを関連付ける場合、印刷時にシステムで採番した管理番号を帳票に出力して、その値を管理するという方式では、システム外で管理されている帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けは不可能であった。
【0005】
本発明の目的は、印刷時に管理番号をシステムで採番できない場合であっても、帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けを可能とした帳票管理方法及び帳票管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の帳票管理方法は、予め保持されている帳票の印刷データを読み出し、この印刷データを管理番号がバーコードとして予め印刷されている帳票用紙に印刷し、この印刷後に印刷された帳票用紙の前記バーコードをバーコードリーダで読み取り、このバーコードによる管理番号を前記印刷された帳票の管理番号として、前記印刷データに対応させて登録することを特徴とする。
【0007】
また、本発明方法では、複数の印刷データをそれぞれ帳票用紙に順次印刷する単位を1バッチとし、この1バッチの印刷で使用される帳票用紙に予め印刷されているバーコードによる管理番号は連番であり、印刷後のバーコードリーダによるバーコードの読み取りは、前記1バッチの先頭帳票と最終帳票とについて行い、先頭帳票と最終帳票間の帳票の管理番号については、前記読み取ったバーコードによる管理番号をもとに算出し、これら管理番号を前記各印刷データに対応させて登録する。
【0008】
本発明の帳票管理システムは、帳票を印刷するための印刷データが予め保持されている帳票情報データベースと、この帳票情報データベースから印刷対象の印刷データを読み出し、この印刷データを管理番号がバーコードとして予め印刷されている帳票用紙に印刷する帳票印刷手段と、この帳票印刷手段によって印刷された帳票用紙の前記バーコードを読み取るバーコードリーダを有し、この読み取られたバーコードによる管理番号を前記印刷された帳票の管理番号として前記印刷データに対応させて登録する帳票関連付け手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明システムでは、帳票印刷手段は、複数の印刷データをそれぞれ帳票用紙に順次印刷する単位を1バッチとし、この1バッチの印刷で使用される複数の帳票用紙に予め印刷されているバーコードによる管理番号は連番である。また、帳票関連付け手段は、前記1バッチの先頭帳票と最終帳票とのバーコードをバーコードリーダによって読み取り、先頭帳票と最終帳票間の帳票の管理番号については、前記読み取ったバーコードによる管理番号をもとに算出し、これら管理番号を前記各印刷データに対応させて登録する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管理番号をバーコードとして予め印刷された帳票用紙を使用して帳票データを印刷し、印刷後にバーコードリーダで、帳票のバーコードを読み取り、印刷データと帳票の管理番号とを関連付けるようにしたので、印刷時に管理番号をシステムで採番できない場合であっても、帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による帳票管理方法及び帳票管理システムの一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
図1はシステムと印刷帳票との関連付け方式の構成図である。
【0013】
図1において、11は帳票情報データベースで、各種の帳票を印刷するための印刷データがそれぞれ保持されている。12は帳票印刷手段で、帳票情報データベース11から印刷対象の印刷データを読み出し、この印刷データを帳票用紙13に印刷する。各帳票情報が印刷される帳票用紙13−1,13−2,・・・,13−10には、バーコード14による管理番号が予め印刷(以下、プレ印刷と呼ぶ)されている。
【0014】
15はバーコードリーダで、帳票印刷手段12によって帳票に関する印刷データが印刷された帳票用紙12上のバーコード13を光学的に読み取る。16は帳票関連付け手段で、上記バーコードリーダ15を有し、このバーコードリーダ15により読み取られたバーコード14による管理番号を、印刷された帳票の管理番号として、前記印刷データに対応させて帳票情報データベース11に更新登録する。
【0015】
次に動作を説明する。関連付けに当っては、帳票印刷手段12により帳票情報データベース11から印刷データを入手して、帳票用紙13に印刷する。各帳票用紙13には管理番号がバーコード14としてプレ印刷されている。印刷後は、バーコードリーダ15にてバーコード14を読み取り、印刷データと帳票の管理番号を関連付けて、帳票情報データベース11に反映する。
【0016】
この関連付け動作を、図2によってより具体的に説明する。帳票印刷手段12は、前述のように、帳票情報データベース11から読み出した印刷データを帳票用紙13に印刷するが、1回の帳票出力単位をバッチとする。1バッチ内には複数の印刷データが存在する。すなわち、1バッチにより複数(この例では10個)の印刷データがそれぞれ帳票用紙13−1,13−2,・・・,13−10に順次印刷される。
【0017】
また、この1バッチの印刷で使用される複数(10枚)の帳票用紙13−1,13−2,・・・,13−10にプレ印刷されているバーコード14(管理番号)は昇順の連番(10001,10002,・・・,10010)である。
【0018】
帳票関連付け手段16は、前述のように、バーコードリーダ15によって、帳票が印刷された帳票用紙13−1,13−2,・・・,13−10のバーコード14を読み取るが、読み取るバーコード14は、1バッチの先頭帳票と最終帳票とのバーコード14のみである。先頭帳票と最終帳票間の帳票の管理番号については、前記読み取ったバーコードをもとに算出し、これら管理番号を各印刷データに対応させて登録する。
【0019】
すなわち、先ず、帳票印刷手段12により、1バッチにおいて複数の印刷データを印刷する。この後、印刷済みの1バッチを選択する。印刷された1バッチの各帳票13−1,13−2,・・・,13−10には昇順の連番による管理番号がバーコード14としてプレ印刷されており、そのバッチの印刷データのデータ番号(印刷順における先頭と最終:この例では「1」と「10」)が、図示のように、帳票関連付け手段16の画面に表示される。
【0020】
この画面の管理番号(開始)の項目には、バーコードリーダ15により読み込まれた、対象バッチの先頭帳票13−1のバーコード14(管理番号:10001)が表示される。同画面の管理番号(終了)の項目には、同じくバーコードリーダ15により読み込まれた、対象バッチの最終帳票13−10のバーコード14(管理番号:10010)が表示される。これにより、印刷データのデータ番号「1」「10」とバーコードによる管理番号「10001「10010」とが関連付けられる。
【0021】
なお、途中(開始〜終了の間)のデータ番号の関連付けは、前述のように、同一バッチ内における印刷順に、管理番号(開始)をもとにして自動的に算出する。
【0022】
帳票関連付け手段16は、このようにして関連付けた情報を帳票情報データベース11に更新登録して処理を終了する。
【0023】
このように、印刷データと帳票の管理番号の関連付けをすることにより、システムから帳票の特定が可能になった。またバーコードリーダを使用することにより、キー操作と比較して操作のスピードアップが可能となった。さらに、1バッチ内の管理番号(開始)と管理番号(終了)のみを読み込み、途中の関連付けは自動算出とすることで、この面でも操作のスピードアップが可能となった。
【0024】
なお、1バッチの印刷中に紙切れが発生すると、1バッチ内の印刷データに関連付く帳票の管理番号が連番にならない。例えば、図3で示すように、1バッチの印刷データ数が10個であり、印刷を開始してから2つ印刷データを帳票用紙13−1,13−2に印刷したところで用紙切れが発生したとする。この場合、新たに用紙を装填して印刷を再開するが、新たな印刷用紙にプレ印刷されたバーコード14の管理番号は、用紙切れとなった帳票用紙の管理番号と連番にならないことがほとんどである。図の例では、新たな帳票用紙の13−3〜13−10のバーコード14は、管理番号10020〜10027の連番となっている。このため、1バッチ印刷における管理番号は、開始から終了までの一連の連番にはならない。
【0025】
このような場合は、帳票の管理番号の連番が途切れた単位で、複数回数の関連付けを行うことで処理できる。すなわち、連番が途切れる以前の帳票は、データ番号「1」「2」であるから、これらのバーコード14をバーコードリーダ15リーダで読み取り、その管理番号10001,10002を関連付ける。また、連番が途切れたあとの新たな帳票用紙に印刷されたデータ番号は「3」〜「10」であり、この新たな先頭帳票13−3のバーコード14(管理番号:10020)と最終帳票13−10のバーコード14(管理番号:10027)とを読み込み、これらデータ番号と管理番号との関連付を行う。途中(開始〜終了の間)のデータ番号「4」〜「9」の関連付けは、前述のように、新たな先頭帳票の管理番号を基に、印刷順に自動的に算出した管理番号を関連付する。
【0026】
これにより、1バッチの印刷の途中で連番が途切れても、問題なく印刷データのデータ番号「1」〜「10」と、途中で途切れた管理番号との関連付けが行われる。
【0027】
これらの結果、印刷時に管理番号をシステムで採番できない場合であっても、帳票管理番号による、システムと印刷帳票との関連付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による帳票管理システムの一実施の形態を示す構成図である。
【図2】同上一実施の形態における1バッチ単位の動作説明図である。
【図3】同上一実施の形態における1バッチ単位の動作中に連番が途切れた場合の説明図である。
【符号の説明】
【0029】
11 帳票情報データベース
12 帳票印刷手段
13 帳票用紙
14 バーコード
15 バーコードリーダ
16 帳票関連付け手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め保持されている帳票の印刷データを読み出し、この印刷データを管理番号がバーコードとして予め印刷されている帳票用紙に印刷し、この印刷後に印刷された帳票用紙の前記バーコードをバーコードリーダで読み取り、このバーコードによる管理番号を前記印刷された帳票の管理番号として、前記印刷データに対応させて登録することを特徴とする帳票管理方法。
【請求項2】
複数の印刷データをそれぞれ帳票用紙に順次印刷する単位を1バッチとし、この1バッチの印刷で使用される帳票用紙に予め印刷されているバーコードによる管理番号は連番であり、印刷後のバーコードリーダによるバーコードの読み取りは、前記1バッチの先頭帳票と最終帳票とについて行い、先頭帳票と最終帳票間の帳票の管理番号については、前記読み取ったバーコードによる管理番号をもとに算出し、これら管理番号を前記各印刷データに対応させて登録することを特徴とする請求項1に記載の帳票管理方法。
【請求項3】
帳票を印刷するための印刷データが予め保持されている帳票情報データベースと、
この帳票情報データベースから印刷対象の印刷データを読み出し、この印刷データを管理番号がバーコードとして予め印刷されている帳票用紙に印刷する帳票印刷手段と、
この帳票印刷手段によって印刷された帳票用紙の前記バーコードを読み取るバーコードリーダを有し、この読み取られたバーコードによる管理番号を前記印刷された帳票の管理番号として前記印刷データに対応させて登録する帳票関連付け手段と、
を備えたことを特徴とする帳票管理システム。
【請求項4】
帳票印刷手段は、複数の印刷データをそれぞれ帳票用紙に順次印刷する単位を1バッチとし、この1バッチの印刷で使用される複数の帳票用紙に予め印刷されているバーコードによる管理番号は連番であり、
帳票関連付け手段は、前記1バッチの先頭帳票と最終帳票とのバーコードをバーコードリーダによって読み取り、先頭帳票と最終帳票間の帳票の管理番号については、前記読み取ったバーコードによる管理番号をもとに算出し、これら管理番号を前記各印刷データに対応させて登録する
ことを特徴とする請求項3に記載の帳票管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−31236(P2006−31236A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207035(P2004−207035)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】