説明

干渉を防止するための復調の変更

静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する方法において、トランスミッタ信号が、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によって送信される。結果として生じた信号が、静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信される。結果として生じた信号は、トランスミッタ信号に対応する。第1の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって取得される。第2の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって取得される。位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへの切り替えが行われる。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づく。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2010年2月26日に出願され、本非仮出願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許仮出願第61/308864号の優先権及び利益を主張するものであり、この米国特許仮出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002]本願は、2010年7月30日に出願され、本非仮出願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許仮出願第61/369617号の優先権及び利益を主張するものであり、この米国特許仮出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
[0003]本願は、本非仮出願の譲受人に譲受された、代理人整理番号SYNA−20091207−A1Aの、「Varying Demodulation to Avoid Interference」と題され、2011年2月24日に出願されたJoseph Kurth Reynoldsらによる米国特許出願第 号に関連する。本明細書において繰り返されない限り、この関連特許出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0004】
[0004]本願は、本非仮出願の譲受人に譲受された、代理人整理番号SYNA−20091207−A1Bの、「Shifting Carrier Frequency to Avoid Interference」と題され、2011年2月24日に出願されたJoseph Kurth Reynoldsらによる米国特許出願第 号に関連する。本明細書において繰り返されない限り、この関連特許出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0005】
[0005]本願は、本非仮出願の譲受人に譲受された、代理人整理番号SYNA−20091207−A1Cの、「Sensing During Non−Display Update Time to Avoid Interference」と題され、2011年2月24日に出願されたJoseph Kurth Reynoldsらによる米国特許出願第 号に関連する。本明細書において繰り返されない限り、この関連特許出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0006】
[0006]近接センサーデバイス(通例、タッチパッド、タッチスクリーン、又はタッチセンサーデバイスとも呼ばれる)を含む入力デバイスが、さまざまな電子システムで広く使用されている。概して、近接センサーデバイスは、面によって境界が定められる場合が多い感知領域を含み、その感知領域内で、近接センサーデバイスは、1つ又は複数の入力オブジェクトの存在、位置、及び/又は動きを判定する。近接センサーデバイスは、電子システムに対するインターフェースを設けるために使用され得る。例えば、近接センサーデバイスは、(ノートブック又はデスクトップコンピュータに一体化された、又はそれらのコンピュータの周辺機器の不透明なタッチパッドのような)比較的大型のコンピューティングシステムのための入力デバイスとして使用されることが多い。近接センサーデバイスは、(セルラ電話に一体化された不透明又は透明なタッチスクリーンのように)比較的小型のコンピューティングシステムで使用されることも多い。
【発明の概要】
【0007】
[0007]静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する方法において、トランスミッタ信号が、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によって送信される。結果として生じた信号が、静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信される。結果として生じた信号は、トランスミッタ信号に対応する。第1の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって取得される。第2の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって取得される。位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへの切り替えが行われる。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づく。
【0008】
[0008]一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する方法において、第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号が、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極(combination electrode)によって送信される。複合電極は、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される。複合電極によって第1のトランスミッタ信号を送信することから、複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えが行われる。切り替えは、ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更することによって行われる。第2のトランスミッタ信号は、第2の周波数を有し、切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて行われる。
【0009】
[0009]一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の方法において、トランスミッタ信号が、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって送信される。複合電極は、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される。トランスミッタ信号は、ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2回遷移する。ディスプレイデバイスの表示は、更新期間中に更新される。結果として生じた信号が、非表示更新期間中に、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのレシーバ電極によって受信される。結果として生じた信号は、トランスミッタ信号に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]この「図面の簡単な説明」で言及される図面は、はっきりと記されない限り縮尺を合わせて描かれていると理解されるべきでない。「実施形態の説明」に組み込まれ、「実施形態の説明」の一部を形成する添付の図面は、本発明のさまざまな実施形態を示し、「実施形態の説明」とともに、以下で検討される原理を説明する役割をし、同様の符号が同様の要素を表す。
【図1A】[0011] 本発明の実施形態による、例示的な電子システムと結合される例示的な入力デバイスの構成図である。
【図1B】[0012] 一実施形態による、入力デバイスの感知領域のすべて又は一部を生成するために利用され得る例示的なセンサー電極パターンの一部を示す図である。
【図1C】[0013] さまざまな実施形態による複合電極の異なる例を示す図である。
【図1D】[0013] さまざまな実施形態による複合電極の異なる例を示す図である。
【図1E】[0014] さまざまな実施形態による入力デバイスの例を示す図である。
【図2】[0015] 一実施形態による、受信された結果として生じた信号のサンプルを復調して静電容量式センサーの干渉感受性(interference susceptibility)を改善するように構成された静電容量式測定システムの例を示す図である。
【図3A】[0016] 一実施形態による、送信されたトランスミッタ信号の周波数と同じである復調周波数を用いた静電容量式センサーの波形を示す図である。
【図3B】[0017] さまざまな実施形態による、干渉感受性を改善するために、送信されたトランスミッタ信号の周波数とは異なる感知復調周波数をそれぞれが有する例示的な波形を示す図である。
【図3C】[0017] さまざまな実施形態による、干渉感受性を改善するために、送信されたトランスミッタ信号の周波数とは異なる感知復調周波数をそれぞれが有する例示的な波形を示す図である。
【図3D】[0017] さまざまな実施形態による、干渉感受性を改善するために、送信されたトランスミッタ信号の周波数とは異なる感知復調周波数をそれぞれが有する例示的な波形を示す図である。
【図4】[0018] さまざまな実施形態による、入力デバイスで利用され得る第1の例示的な処理システムを示す図である。
【図5A】[0019] さまざまな実施形態による、静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する例示的な方法の流れ図である。
【図5B】[0019] さまざまな実施形態による、静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する例示的な方法の流れ図である。
【図6】[0020] 一実施形態による、複数の表示行を有する表示を備えるディスプレイデバイスを示す図である。
【図7】[0021] さまざまな実施形態による、入力デバイスで利用され得る第2の例示的な処理システムを示す図である。
【図8】[0022] さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する例示的な方法の流れ図である。
【図9】[0023] さまざまな実施形態による、非表示更新時間中の遷移を伴う3つのトランスミッタ信号を示す図である。
【図10】[0024] さまざまな実施形態による、入力デバイスで利用され得る第3の例示的な処理システムを示す図である。
【図11A】[0025] さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の例示的な方法の流れ図である。
【図11B】[0025] さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の例示的な方法の流れ図である。
【図11C】[0025] さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0026]以下の実施形態の説明は、限定ではなく例として与えられる。さらに、上述の背景若しくは概要、又は以下の実施形態の説明に示されるいかなる明示的又は暗黙的理論によっても拘束される意図はない。
検討の概要
【0012】
[0027]本明細書において、本発明のさまざまな実施形態が、利便性の向上を容易にする入力デバイス及び方法を提供する。本明細書に記載のさまざまな実施形態において、入力デバイスは、静電容量式センサーデバイス、ディスプレイデバイスと連携して若しくはディスプレイデバイスの近くで使用される静電容量式センサーデバイス、又は1つ若しくは複数のコンポーネントの使用を共有する一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスである可能性がある。
【0013】
[0028]検討は、本明細書に記載のさまざまな実施形態が実装され得る例示的な入力デバイスの説明から始まる。この後、検討は、3つの節に分割される。第1節は、干渉を防止するための復調の変更について検討し、結果として生じた信号を異なるやり方で復調するためのいくつかの技術を説明する。第1の例示的な処理システム及びその処理システムのコンポーネントが、第1節で説明される。第1の処理システム及びその処理システムのコンポーネントの動作が、静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する例示的な方法の説明と併せてさらに説明される。第2節は、干渉を防止するための搬送波(carrier)周波数の切り替えについて検討し、第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号から第2の周波数を有する第2のトランスミッタ信号への切り替えについて説明する。第2の例示的な処理システム及びその処理システムのコンポーネントが、第2節で説明される。第2の処理システム及びその処理システムのコンポーネントの動作が、一体化された静電容量式センサー及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する例示的な方法の説明と併せてさらに説明される。第3節は、干渉を防止するための非表示更新時間中の感知について検討し、いくつかの非表示更新期間及び感知技術を説明する。第3の例示的な処理システム及びその処理システムのコンポーネントが、第3節でやはり説明される。第3の処理システム及びその処理システムのコンポーネントの動作が、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた感知の例示的な方法の説明と併せてさらに説明される。
例示的な入力デバイス
【0014】
[0029]図1Aは、本発明の実施形態による例示的な入力デバイス100の構成図である。入力デバイス100は、電子システム150に入力を与えるように構成され得る。本明細書において使用されるとき、用語「電子システム」(又は「電子デバイス」)は、情報を電子的に処理することができる任意のシステムを全体的に指す。電子システム150の一部の非限定的な例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子ブックリーダ、及び携帯情報端末(PDA)などのすべてのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータを含む。さらなる例示的な電子システム150は、入力デバイス100及び別個のジョイスティック又はキースイッチを含む物理的なキーボードなどの複合的な入力デバイスを含む。さらなる例示的な電子システム150は、データ入力デバイス(リモコン及びマウスを含む)及びデータ出力デバイス(ディスプレイスクリーン及びプリンタを含む)などの周辺機器を含む。その他の例は、リモート端末、キオスク、及びビデオゲーム機(例えば、ビデオゲームコンソール、ポータブルゲームデバイスなど)を含む。その他の例は、通信デバイス(スマートフォンなどのセルラ電話を含む)及びメディアデバイス(テレビ、セットトップボックス、音楽プレーヤ、デジタルフォトフレーム、及びデジタルカメラなどのレコーダ、エディタ、及びプレーヤを含む)を含む。加えて、電子システム150は、入力デバイスのホスト又はスレーブである可能性がある。
【0015】
[0030]入力デバイス100は、電子システム150の物理的な一部分として実装される可能性があり、又は電子システム150から物理的に分かれている可能性がある。必要に応じて、入力デバイス100は、以下、すなわち、バス、ネットワーク、及びその他の有線又は無線相互接続のうちの任意の1つ又は複数を用いて電子システム150の一部と通信することができる。例は、インターインテグレイテッドサーキット(Inter−Integrated Circuit)(IC)、シリアル周辺機器インターフェース(Serial Peripheral Interface)(SPI)、パーソナルシステム2(Personal System 2)(PS/2)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、無線周波数(RF)、及び赤外線データ協会(Infrared Data Association)(IrDA)を含むがこれらに限定されない。
【0016】
[0031]図1Aにおいて、入力デバイス100は、感知領域120内で1つ又は複数の入力オブジェクト140によって与えられた入力を感知するように構成された近接センサーデバイス(「タッチパッド」又は「タッチセンサーデバイス」と呼ばれることも多い)として示されている。例示的な入力オブジェクトは、図1Aに示されるように指及びスタイラスを含む。
【0017】
[0032]感知領域120は、入力デバイス100がユーザ入力(例えば、1つ又は複数の入力オブジェクト140によって与えられたユーザ入力)を検出することができる、入力デバイス100の上、まわり、中、及び/又は近くの任意の空間を包含する。特定の感知領域のサイズ、形状、及び位置は、実施形態ごとに幅広く変わり得る。一部の実施形態において、感知領域120は、入力デバイス100の表面から空間内に向かって1つ又は複数の方向に、信号対雑音比が十分に正確な物体検出を妨げるまで広がる。さまざまな実施形態において、この感知領域120が特定の方向に延びる距離は、1ミリメートル未満のオーダー、ミリメートルのオーダー、センチメートルのオーダー、又はそれよりも大きなオーダーである可能性があり、使用される感知技術の種類と、所望の精度とによって大きく変わり得る。したがって、一部の実施形態は、入力デバイス100のどの表面とも接触していない、入力デバイス100の入力面(例えば、タッチ面)と接触している、ある量の加えられた力若しくは圧力を伴って入力デバイス100の入力面に接触している、及び/又はこれらの組み合わせの入力を感知する。さまざまな実施形態において、入力面は、中にセンサー電極が存在するケーシングの表面によって提供されるか、センサー電極に張られた表面シート(face sheet)によって提供されるか、又は任意のケーシング、ディスプレイ用のレンズ窓などである可能性がある。さまざまな実施形態において、エアギャップが、表面シートとセンサー電極の間に存在する可能性がある。一部の実施形態において、感知領域120は、入力デバイス100の入力面上に計画されるとき、長方形である。一部の実施形態において、センサー領域は、少なくとも1つの入力オブジェクトに関する2次元位置情報を決定し、少なくとも1つの入力オブジェクトに関する1次元位置情報及び少なくとも1つの入力オブジェクトに関する0次元位置情報を決定するために使用され得る複数の下位領域を備える可能性がある。感知領域及び応答の構成は、動的であり、及び/又はユーザ入力、外部通信に応じて決まるか、若しくは処理システム110に基づく可能性がある。
【0018】
[0033]入力デバイス100は、感知領域120内のユーザ入力を検出するためにセンサーコンポーネントと感知技術の任意の組み合わせを利用することができる。入力デバイス100は、ユーザ入力を検出するための1つ又は複数の感知素子を備える。いくつかの非限定的な例として、入力デバイス100は、静電容量式、エラスタンス式(elastive)、抵抗式、誘導式、表面弾性波式、及び/又は光学式の技術を使用し得る。
【0019】
[0034]一部の実装は、1次元、2次元、3次元、又はそれを超える次元の空間に広がる画像を提供するように構成される。一部の実装は、特定の軸又は平面に沿った入力の射影を提供するように構成される。
【0020】
[0035]入力デバイス100の一部の静電容量式の実装においては、電界を生成するために電圧又は電流が印可される。近くにある入力オブジェクトは、電界の変化をもたらし、電圧、電流などの変化として検出され得る容量性カップリングの検出可能な変化を生じる。
【0021】
[0036]一部の静電容量式の実装は、静電容量式感知素子のアレー又はその他の規則的若しくは不規則なパターンを利用して電界を生成する。一部の静電容量式の実装においては、別個の感知素子が、より大きなセンサー電極を形成するためにオーム性の短絡により一緒に接続され得る。一部の静電容量式の実装は、一様な抵抗性がある可能性がある抵抗シートを利用する。
【0022】
[0037]一部の静電容量式の実装は、センサー電極と入力オブジェクトの間の容量性カップリングの変化に基づく「自己容量(self capacitance)」(又は「絶対容量(absolute capacitance)」)感知方法を利用する。さまざまな実施形態において、センサー電極近くの入力オブジェクトが、センサー電極近くの電界を変化させ、したがって、測定される容量性カップリングを変化させる。1つの実装において、絶対容量感知方法は、基準電圧(例えば、システムの接地)に対してセンサー電極を変調する(modulate)ことによって、及びセンサー電極と入力オブジェクトの間の容量性カップリングを検出することによって動作する。
【0023】
[0038]一部の静電容量式の実装は、センサー電極間の容量性カップリングの変化に基づく「相互容量(mutual capacitance)」(又は「トランスキャパシタンス(transcapacitance)」)感知方法を利用する。さまざまな実施形態において、センサー電極近くの入力オブジェクトが、センサー電極間の電界を変化させ、したがって、測定される容量性カップリングを変化させる。1つの実装において、トランスキャパシタンス式の感知方法は、1つ又は複数のトランスミッタセンサー電極(つまり「トランスミッタ電極」又は「トランスミッタ」)と1つ又は複数のレシーバセンサー電極(つまり「レシーバ電極」又は「レシーバ」)の間の容量性カップリングを検出することによって動作する。トランスミッタセンサー電極は、トランスミッタ信号を送信するために基準電圧(例えば、システムの接地)に対して変調され得る。受信センサー電極は、結果として生じた信号を受信するのを容易にするために基準電圧に対して実質的に一定に保たれることができる。結果として生じた信号は、1つ若しくは複数のトランスミッタ信号に、及び/又は環境からの干渉の1つ若しくは複数のソース(例えば、その他の電磁信号)に対応する(1つ又は複数の)影響を含み得る。センサー電極は、トランスミッタ若しくはレシーバ専用である可能性があり、又は送信と受信の両方のために構成される可能性がある。
【0024】
[0039]図1Aにおいて、処理システム(又は「プロセッサ」)110は、入力デバイス100の一部として示されている。処理システム110は、感知領域120内の入力を検出するように入力デバイス100のハードウェアを動作させるように構成される。処理システム110は、1つ若しくは複数の集積回路(IC)及び/又はその他の回路コンポーネントの一部又はすべてを備え、一部の実施形態において、処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコードなどの電子的に読み取り可能な命令も備える。一部の実施形態において、処理システム110を構成するコンポーネントは、入力デバイス100の(1つ又は複数の)感知素子の近くなどに一緒に配置される。その他の実施形態において、処理システム110のコンポーネントは、入力デバイス100の(1つ又は複数の)感知素子の近くの1つ又は複数のコンポーネントと物理的に分かれており、別の場所の1つ又は複数のコンポーネントである。例えば、入力デバイス100は、デスクトップコンピュータに結合された周辺機器である可能性があり、処理システム110は、デスクトップコンピュータの中央演算処理装置及び中央演算処理装置とは別個の1つ又は複数のIC(おそらく、関連するファームウェアを有する)上で実行されるように構成されたソフトウェアを備える可能性がある。別の例として、入力デバイス100は、電話に物理的に一体化されている可能性があり、処理システム110は、電話の主プロセッサの一部である回路及びファームウェアを備える可能性がある。一部の実施形態において、処理システム110は、入力デバイス100の実装に専用である。その他の実施形態において、処理システム110は、ディスプレイスクリーンを動作させること、触覚アクチュエータ(haptic actuator)を駆動することなどのその他の機能も実行する。一部の実施形態において、処理システム110の電子的に読み取り可能な命令は、電子システム150によって更新されることができ、電子システム150は、有線通信及び無線通信を介して処理システム110の電子的に読み取り可能な命令を更新することができる。
【0025】
[0040]処理システム110は、処理システム110の異なる機能を処理するモジュールの一式として実装され得る。各モジュールは、処理システム110の一部である回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを備える可能性がある。さまざまな実施形態において、モジュールの異なる組み合わせが使用され得る。例示的なモジュールは、センサー電極及びディスプレイスクリーンなどのハードウェアを動作させるためのハードウェア動作モジュールと、センサー信号及び位置情報などのデータを処理するためのデータ処理モジュールと、情報をレポートするためのレポートモジュールとを含む。さらなる例示的なモジュールは、入力を検出するように(1つ又は複数の)感知素子を動作させるように構成されたセンサー動作モジュールと、モード変更ジェスチャなどのジェスチャを識別するように構成された識別モジュールと、動作モードを変更するためのモード変更モジュールとを含む。一実施形態において、処理システム110は、処理システム110の電子的に読み取り可能な命令の制御された更新のためのモジュールを備える。
【0026】
[0041]一部の実施形態において、処理システム110は、直接1つ又は複数のアクションを引き起こすことによって、感知領域120内のユーザ入力(又はユーザ入力がないこと)に応答する。例示的なアクションは、動作モードを変更することと、カーソルの移動、選択、メニューナビゲーション、及びその他の機能などのGUIアクションとを含む。一部の実施形態において、処理システム110は、電子システム150の一部に(例えば、処理システム110とは別個の電子システムの中央処理システムが存在する場合にはそのような別個の中央処理システムに)入力(又は入力がないこと)についての情報を与える。一部の実施形態においては、電子システム150の一部が、処理システム110から受信された情報を処理して、モード変更アクション及びGUIアクションを含むあらゆる範囲のアクションを容易にするなど、ユーザ入力に基づいて動作する。一実施形態において、処理システムは、測定レート及び/又はレポートレートを削減した低電力モードで動作するように構成され得る。さまざまな実施形態において、低電力モードは、削減されたトランスミッタのスキャンレート、削減されたフレームレート、削減されたバックライト電力、同様のトランスミッタ信号による複数のトランスミッタの同時駆動などを含み得るがこれらに限定されない。
【0027】
[0042]例えば、一部の実施形態において、処理システム110は、感知領域120内の入力(又は入力がないこと)を示す電気信号を生成するように入力デバイス100の(1つ又は複数の)感知素子を動作させる。処理システム110は、電子システム150に与えられる情報を生成する際に電気信号に対して任意の適切な量の処理を行うことができる。例えば、処理システム110は、センサー電極から得られたアナログ電気信号をデジタル化することができる。別の例として、処理システム110は、フィルタリング又はその他の信号の調整を実行することができる。さらに別の例として、処理システム110は、情報が電気信号と基準の間の差を反映するように、基準を差し引くか、又はその他の方法で基準を考慮することができる。さらに別の例として、処理システム110は、位置情報を決定すること、入力をコマンドとして認識すること、手書き認識を行うことなどが可能である。
【0028】
[0043]本明細書において使用されるとき、「位置情報」は、絶対位置、相対位置、速度、加速度、及びその他の種類の空間情報を全体的に包含する。例示的な「0次元」位置情報は、近/遠又は接触/非接触情報を含む。例示的な「1次元」位置情報は、軸に沿った位置を含む。例示的な「2次元」位置情報は、平面内の動きを含む。例示的な「3次元」位置情報は、空間内の瞬間速度又は平均速度を含む。さらなる例は、空間情報のその他の表現を含む。例えば、位置、動き、又は瞬間速度を経時的に追跡する履歴データを含む1つ又は複数の種類の位置情報に関する履歴データも、決定及び/又は記憶され得る。
【0029】
[0044]一部の実施形態において、入力デバイス100は、処理システム110によって、又は何らかのその他の処理システムによって動作させられる追加的な入力コンポーネントを用いて実装される。これらの追加的な入力コンポーネントは、感知領域120内の入力に関する冗長な機能、又は何らかのその他の機能を提供する可能性がある。図1Aは、入力デバイス100を用いた項目の選択を容易にするために使用され得る、感知領域120の近くのボタン130を示す。その他の種類の追加的な入力コンポーネントは、スライダ、ボール、ホイール、スイッチ、光学式近接センサーなどを含む。ある実施形態において、追加的な入力コンポーネントの使用は、ディスプレイ上にフレーム機能を示すことによって、又は入力デバイスからの位置情報を用いて意図しないユーザ入力を拒否することによってやはり容易にされ得る。反対に、一部の実施形態においては、入力デバイス100は、いかなるその他の入力コンポーネントも用いずに実装される可能性がある。
【0030】
[0045]一部の実施形態において、入力デバイス100は、タッチスクリーンインターフェースを備え、感知領域120は、ディスプレイスクリーンの有効領域の少なくとも一部と重なる。例えば、入力デバイス100は、ディスプレイスクリーン上を覆う実質的に透明なセンサー電極を備え、関連する電子システム150のためのタッチスクリーンインターフェースを提供することができる。ディスプレイスクリーンは、ユーザに対して視覚的なインターフェースを表示することができる任意の種類の動的ディスプレイである可能性があり、任意の種類の発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、エレクトロルミネセンス(EL)、又はその他のディスプレイ技術を含み得る。一実施形態において、ディスプレイは、ドット反転、ライン反転、フレーム反転、又はその他の方法を含み得る。さまざまな実施形態において、ディスプレイは、DC Vcom信号又はAC Vcom信号を備える可能性がある。さらなる実施形態において、ディスプレイは、パターン化垂直配向(patterned vertical alignment)、インプレーンスイッチング、プラントゥラインスイッチング(plan to line switching)、又はその他の広視野角の改良を備える可能性がある。入力デバイス100及びディスプレイスクリーンは、物理的要素を共有する可能性がある。例えば、一部の実施形態は、表示及び感知のために同じ電気的コンポーネントの一部を利用することができる。別の例として、ディスプレイスクリーンは、部分的に又は完全に、処理システム110によって動作させられ得る。さまざまな実施形態において、ディスプレイデバイスに対する全ピクセル更新は、表示フレーム(display frame)と呼ばれることがある。表示フレームは、プログレッシブ方式で更新される(例えば、それぞれの表示ピクセル行を1行ずつ更新する)か、又はインターレース方式で更新される(例えば、第1の期間中に表示の第1の半分が更新され、第2の期間中に表示の第2の半分が更新される可能性がある。さまざまな実施形態において、静電容量式感知のために使用される表示更新時間の一部は、複合電極の整定時間(settling time)によって、信号対雑音比又は干渉によって制限される可能性がある。一実施形態において、この時間は、整定時間及び任意の許容範囲(tolerance)に基づく可能性がある。整定時間は、RC時定数としてモデル化され得る。複合電極のいずれかの変量(variable)を減らすことによって、整定時間を削減することができる。さらに、許容範囲を小さくすることによっても、整定時間を削減することができる。さまざまな実施形態において、より薄い層、より広い若しくはより狭い電極、又は異なる接続方法(例えば、複数の接続若しくは追加的な高伝導性のジャンパー)を使用して、電極を異なる層に配置することによって、RC時定数は小さくされ得る。
【0031】
[0046]本発明の多くの実施形態は完全に機能する装置との関連で説明されるが、本発明のメカニズムは、さまざまな形態のプログラム製品(例えば、ソフトウェア)として配布されることができることを理解されたい。例えば、本発明のメカニズムは、電子的なプロセッサによって読み取り可能である情報保持媒体(例えば、処理システム110によって読み取り可能な非一時的なコンピュータ可読及び/又は記録可能/書き込み可能情報保持媒体)上のソフトウェアプログラムとして実装及び配布され得る。加えて、本発明の実施形態は、配布を行うために使用される媒体の特定の種類に関係なく等しく適用される。非一時的な電子的に読み取り可能な媒体の例は、さまざまなディスク、メモリスティック、メモリカード、メモリモジュールなどを含む。電子的に読み取り可能な媒体は、フラッシュ、光学、磁気、ホログラフィック、又は任意のその他のストレージ技術に基づく可能性がある。
【0032】
[0047]一部の実施形態は、ポリエチレンテレフタラート(PET)上の2層インジウム錫酸化物(ITO)の構造を利用する。PET、ITOセンサー、及び(LCDの一部としての偏光素子を含み得る)その他の材料の幅及び厚さなどの寸法は、信号対雑音を改善し、干渉を少なくするように大きさを決められ得る。感知領域120のセンサーパターンは、電極の構成の中でもとりわけ、実質的に直線状の電極、パターン化された電極、及び/又は厚い棒状のトランスミッタ電極の上の二股の(又はそれより多い)レシーバ電極を含み得る。その他の実施形態においては、トランスミッタ電極がパターン化され得る。外部配線が、センサーパターンを取り囲むPCB(プリント回路基板)に引き回されることができる。その他の実施形態は、追加的な接地又は遮蔽を目的とする保護層を伴うか又は伴わないガラス上の単層ITOを含む。金属などのITO以外の導体も、使用され得る。さまざまな実施形態において、導体は、銀ナノワイヤ、有機導体(例えば、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))又はカーボンナノチューブ)を含み得る。(エアギャップを伴わない若しくは伴う)表面シート又は「窓」レンズが、センサー電極の上に配置され得る。一実施形態において、レシーバ電極は、ディスプレイのレンズ上に、又はディスプレイのカラーフィルタ基板(カラーフィルタガラス)上に配置され得る。
【0033】
[0048]図1Bは、一実施形態による、入力デバイスの感知領域のすべて又は一部を生成するために配置され得る例示的なセンサー電極パターンの一部を示す。図示及び説明を明瞭にする目的で、単純な長方形パターンが示される。感知パターンは、お互いに重なり合い、基板180上に配置される複数のレシーバ電極170(170−1、170−2、170−3、...170−n)及び複数のトランスミッタ電極160(160−1、160−2、160−3、...160−n)からなる。その他の実施形態において、複数のレシーバ電極170(170−1、170−2、170−3、...170−n)及び複数のトランスミッタ電極160(160−1、160−2、160−3、...160−n)は、お互いに重なり合い、複数の(又は張り合わされた)基板上に配置される。タッチ感知ピクセルは、トランスミッタ電極とレシーバ電極が交わる位置に中心が置かれる。一部の実施形態において、レシーバ電極は、見えにくくするようにパターン化され得る。一部の実施形態において、電気的にどこにも接続されていない電極が、見えにくくするためにレシーバ電極又はレシーバ電極の一部の間にパターン化され得る。一部の実施形態において、トランスミッタ電極は、複合電極であり、表示機能を提供するようにパターン化される。さまざまな実施形態において、タッチ感知は、入力デバイス100のどの表面とも接触していない、入力デバイス100の入力面(例えば、タッチ面)と接触している、ある量の加えられた力若しくは圧力を伴って入力デバイス100の入力面に接触している、及び/又はこれらの組み合わせである可能性がある、感知領域120内の任意の場所の入力オブジェクトを感知することを含む。
【0034】
[0049]通常、何らかの形態の絶縁材料がトランスミッタ電極160とレシーバ電極170の間に配置されることが理解される。一部の実施形態において、トランスミッタ電極及びレシーバ電極は、基板180の両側に、又はさらには互いに近接して積み重ねられる別個の基板に配置され得る。本明細書に記載の一部の実施形態において、基板組立体180は、ディスプレイデバイスのディスプレイ内に配置された基板である。例えば、基板組立体180は、液晶ディスプレイ(LCD)のスタックアップ(stack up)で使用される基板である可能性がある。一実施形態において、トランスミッタ電極160及びレシーバ電極170は、基板組立体180の同様の層に配置される可能性があり、トランスミッタ電極は、基板組立体180の第2の層に配置された複数のジャンパーを備える。別の実施形態において、トランスミッタ電極160は、基板組立体180の第1の層に配置され、レシーバ電極170は、基板組立体180の第2の層に配置され、ジャンパーは必要とされない。一部の実施形態において、トランスミッタ電極160及びレシーバ電極170は、ディスプレイのカラーフィルタ基板層に配置され得る。別の実施形態において、レシーバ電極170は、カラーフィルタ基板層に配置される可能性があり、トランスミッタ電極160は、ディスプレイのTFT(薄膜トランジスタ)基板層に配置される可能性がある。別の実施形態において、レシーバ電極は、ディスプレイデバイスの保護層、偏光子層、レンズガラス、又は任意のその他の層に配置され得る。さらに別の実施形態において、レシーバ電極は、トランスミッタ電極の上の任意の層に配置され得る。
【0035】
[0050]処理システム110は、人の指又はスタイラスなどの入力オブジェクトが近づけられるときに、トランスミッタ電極とレシーバ電極の間の容量性カップリングの変化を検出することができる。センサーが複数のトランスミッタ電極(例えば、トランスミッタ電極160)又は複数のレシーバ電極(例えば、レシーバ電極170)を備えるとき、複数の容量性カップリングが、空間的に分散されるようにして形成される。そのような複数の容量性カップリングの一組の測定は、静電容量「フレーム」(capacitive “frame”)又は静電容量「画像」(capacitive “image”)と呼ばれることが多い。そのような静電容量「画像」は、特定の期間中の容量性カップリングの大きさを表す。連続的な静電容量「画像」は、連続的な期間中の容量性カップリングの大きさ又は変化を表す。一実施形態において、順々にトランスミッタ電極を作動させる(excite)ことは、静電容量式センサーデバイスのスキャンと呼ばれることがある。そのような連続的な画像は、物体が感知領域中をくまなく動くのに合わせて物体の動きを追跡するために使用され得る。連続的な画像が取り込まれるレートは、静電容量式センサーのフレームレート又はレポートレートとして知られる。さまざまな実施形態において、静電容量フレームレートは、表示フレームレートとは異なる可能性がある。一組の測定は、複合電極の異なるグループ及び/又はレシーバ電極の異なるグループに関連する静電容量「画像」内の複数の「ピクセル」のカップリングの変化を独立に測定することを含み得る。一実施形態において、基準静電容量「画像」が、容量性カップリングの変化を判定するために使用される。複数の静電容量基準「画像」が、使用される可能性がある。基準画像の選択は、複合電極の送信グループに対する表示ピクセル行の相対的な位相(phase)に関連する可能性がある。複数の基準が、圧縮されたフォーマット及び未圧縮のフォーマットを含むさまざまなフォーマットで記憶され得る。圧縮されたフォーマットは、基準間の差、又は基準のスケーリングされたバージョン、フィルタリングされたバージョン、及び符号化されたバージョンを含み得る。一実施形態において、2つ以上の静電容量「画像」が、単一の表示フレームから収集され得る。さまざまな実施形態において、トランスミッタ電極及び複合電極は、静電容量画像が独立に駆動されたトランスミッタグループから決定され得るように、実質的に独立した符号化スキームを用いて駆動され得る。
【0036】
[0051]一部のディスプレイデバイスの実施形態において、トランスミッタ電極160は、静電容量式センサーデバイスとディスプレイデバイスの間で共有される。一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの一実施形態において、トランスミッタ電極160は、静電容量式センサーデバイスのためのトランスミッタとして、及びさらにディスプレイデバイスのディスプレイの表示更新のための共通電極(ドライバ(driver))として動作する。一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのそのような実施形態において、各トランスミッタ電極160(例えば、160−1)は、「複合電極」と呼ばれる可能性がある。さまざまな実施形態において、各共通電極は、セグメント分けされたVcom電極の1つのセグメント又は複数のセグメントである。一部の実施形態において、セグメント分けされたVcom電極のセグメントは、ディスプレイの空間的に関連する表示ピクセル行又は表示行と呼ばれることがある。一実施形態において、表示領域の一部が、静電容量式に測定され得る。別の実施形態において、これは、ディスプレイの非表示更新時間中に行われる。さらに別の実施形態において、表示領域全体が、十分な長さの単一の切れ目のない非表示更新時間中に測定又はスキャンされ得る。さまざまな実施形態において、ディスプレイ全体が、単一の表示フレーム中に測定され得る。その他の実施形態において、静電容量式センサーは、表示領域の一部のみを更新することに関連するより速いレポートレートを有する可能性がある。
【0037】
[0052]複合電極160が利用される多くの実施形態において、1つ又は複数のその他のコンポーネントが、静電容量式感知機能とディスプレイ機能の間にやはり一体化され、共有される可能性がある。例えば、処理システム110も、静電容量式感知機能及びディスプレイ機能一部の又はすべての特徴を調整及び/又は制御するために、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイス内で共有され得る。図示されていないが、一実施形態において、その他の表示ピクセル行の電極が、トランスミッタ電極160とレシーバ電極170の間に、又はそれらの上に層を設けられ得る。図6のディスプレイデバイス600は、表示ピクセル行の一例を示す。さまざまな実施形態において、表示は、更新されるべきピクセルの行を選択し、ピクセル(又はサブピクセル)のアレーを包含するその行に関連する共通電極に対する個別に制御されるソースドライバによって選択されたピクセルに対する電圧を駆動すること(又は電流を制御すること)によって更新される。一実施形態において、複数の表示ピクセル行に関連する共通電極が、単一の複合電極へと組み合わされることができ、その複合電極に対する実質的に同じ電圧が、表示更新と静電容量式感知の両方のために処理システム110によって各表示ピクセル行に印可される。
【0038】
[0053]ここで図1Cに目を向けると、図1Cは、重なり合わない複合電極160−4〜160−7の異なる位相のグループ(又は組)を示す。図1Cに見られるように、複合電極160−4〜160−7のグループは、セグメント分けされたVcom電極の異なるセグメント(又は表示ピクセル行)を備える。
【0039】
[0054]図1Dは、複合電極160−8〜160−11の異なる位相の重なり合うグループを示す。図1Dに見られるように、複合電極の各グループは、複合電極の別のグループとセグメント分けされたVcom電極の少なくとも1つのセグメント(又は表示ピクセル行)を共有する。160−4〜160−11は複合電極のグループと呼ばれるが、その他の実施形態においては、160−4〜160−11は、複合電極、又はセグメント分けされたVcomのセグメントのグループと呼ばれる可能性がある。さまざまな実施形態において、フレーム又はそのフレームの一部をスキャンするために、複合電極の各グループが異なる時間に駆動される可能性があり、又は複合電極のうちの少なくとも2つが同時に駆動される可能性がある。さらに、共通電極は、一部のディスプレイ(例えば、インプランスイッチング(IPS)若しくはプラントゥラインスイッチング(PLS))においてはTFTガラスに配置される可能性があり、又は一部のディスプレイ(例えば、パターン化垂直配向(PVA)若しくはマルチドメイン垂直配向(Multi−domain Vertical Alignment)(MVA))のカラーフィルタガラスの底部に配置される可能性がある。
【0040】
[0055]一部の実施形態において、処理システム110は、表示のフレームの更新に関連する非表示更新時間(例えば、垂直帰線消去期間)中に異なる時間に複合電極の2つ以上のグループを用いて送信する(例えば、複合電極の第2のグループが定常電圧で駆動される間に複合電極の1つのグループを用いて送信する)ように構成され得る。
【0041】
[0056]ここで図1Eに目を向けると、図1Eは、複合電極161、レシーバ電極170、処理システム110−1、処理システム110−2、及び同期メカニズム191を備える入力デバイス195を示す。処理システム110−1は、レシーバ電極160と結合され、レシーバ電極161を用いて結果として生じた信号を受信するように構成される。その他の実施形態において、処理システム110−1は、複合電極161の一部又はすべてと結合される。1つのさらなる実施形態において、入力デバイス195は、トランスミッタ電極を備え、処理システム110−1は、それらのトランスミッタ電極と結合される。処理システム110−2は、複合電極161と結合される。一実施形態において、処理システム110−2は、画像の表示を制御するための表示制御回路を備える。表示制御回路は、ピクセルソースドライバ(図示せず)を通じて表示ピクセル電極に1つ又は複数のピクセル電圧を印可するように構成される。表示制御回路は、共通電極に1つ又は複数の共通駆動電圧を印可するようにやはり構成され得る。一実施形態において、共通駆動電圧は、画像表示制御の駆動サイクルと同期して反転するか、又は反転しない可能性がある(例えば、ライン反転)。一実施形態において、複合電極は、複合ソースドライバ及び静電容量式センサーのトランスミッタである可能性もある。一部の実施形態において、レシーバ電極は、ソースドライバ電極と機能を共有する可能性もある。一実施形態において、処理システム110は、処理システム110−1及び処理システム110−2を備える。別の実施形態において、処理システム110−1及び処理システム110−2は、単一の処理システムの集積回路及びモジュールとして実装され得る。
【0042】
[0057]処理システム110−1は、静電容量式感知を制御するように構成されることができ、処理システム110−2は、表示更新を制御するように構成されることができる。処理システム110−1は、同期メカニズム191を介して処理システム110−2と結合され得る。処理システム110−1及び処理システム110−2は、同期メカニズム191を介して互いに通信することができる。一実施形態において、処理システム110−2は、同期信号に応答して感知領域をスキャンするために変調される複合電極の組を変更することができる。一実施形態において、処理システム110−1は、レシーバのサンプリングと同期された信号を、同期メカニズム191を介して処理システム110−2に与えることができる。別の実施形態において、処理システム110−2は、トランスミッタ信号(ディスプレイ基準電圧)を、複合電極を駆動するのに共用できる別のトランスミッタ信号に切り替えることができる。一実施形態において、ディスプレイ基準電圧は、同期メカニズムを介して処理システム110−1に与えられることができ、処理システム110−1は、その基準電圧を、複合電極で駆動されるべきトランスミッタ信号として使用することができる。その他の実施形態において、同期メカニズム191は、処理システム110−1と処理システム110−2の間で基準信号を共有することができる。同期信号は、複合電極のために表示と共用できるタイミングを生成するために処理システム110−1と処理システム110−2の間で共有され得る。一実施形態において、ピクセル行タイミング及び垂直フレームタイミングを示すことができる同期信号が、共有され、同期のために使用され得る。その他の実施形態において、同期信号は、異なるトランスミッタ電極を直接駆動するか、若しくは異なるレシーバ電極で受信するため、又は入力要素(例えば、ボタン、スクロールストリップなど)を初期化するためなど、処理システム110−1又は110−2のいずれかの中でその他の目的のために使用されることもできる。処理システム110が処理システム110−1及び処理システム110−2を備える一部の実施形態において、同期メカニズムが、処理システム110によって備えられ、複合電極のために表示と共用できるタイミングを生成ことができる。さまざまな実施形態において、ディスプレイのVcomが、ディスプレイ基準共通電圧である。そのような実施形態において、基準電圧は、複合電極のために表示と共用できる同期電圧をもたらすために処理システム110−1と処理システム110−2の間で共有され得る。一実施形態において、表示と共用できる同期電圧は、表示動作を著しく妨げることがない、静電容量式感知のために与えられるトランスミッタ信号を含む。一実施形態において、表示された画像は、著しい目に見える表示の欠陥を含まない。別の実施形態において、表示と共用できる同期電圧は、ピクセル更新時間中に静電容量式感知を妨げないピクセル更新電圧を含む。ある実施形態において、これは、静電容量式センサーシステムの著しいレポート位置の誤りを引き起こさないことを含む。
【0043】
[0058]さまざまな実施形態において、表示更新と静電容量式感知の間の干渉を防止するために、処理システム110は、表示更新時間中、電圧の遷移(例えば、エッジ)の発生及び駆動を中止することができる。別の実施形態において、処理システム110は、「雑音の多い」表示更新時間中、処理システム110のレシーバ回路のゲートをオフにするか、又は復調を中止することができる。その他の実施形態において、表示更新と静電容量式感知の間の干渉を防止するために、処理システム110−1及び/又は処理システム110−2は、表示更新時間中、電圧の遷移(例えば、エッジ)の発生及び駆動を中止することができる。表示更新時間は、同期メカニズム191を介して処理システム110−2から処理システム110−1に伝達され得る。さらに別の実施形態において、処理システム110−2は、「雑音の多い」表示更新時間中、処理システム110−1のレシーバ回路のゲートをオフにするか、又は復調を中止するように同期メカニズム191を介して処理システム110−1に信号を送ることができる。
【0044】
[0059]別個のディスプレイ駆動電子機器(例えば、処理システム110−2)と静電容量式感知電子機器(例えば、処理システム110−1)の間の同期は、同期メカニズム191(例えば、電子パルスを運ぶ電極)を用いたシステム間の通信によって実現され得る。一部の実施形態において、トリガーシステムが、処理システム110−1及び処理システム110−2が別個のクロックドメインを有する場合に同期を可能にすることができる。トリガーシステムは、オシロスコープで利用可能である標準的なモード(例えば、遅延時間、アクティブ時間、トリガーホールドオフ時間など)と似た標準的なモードを有する可能性があるか、又はより普通の再生技術を使用する可能性がある。その他の実施形態において、ベクトルテーブル、LUT(ルックアップテーブル)などが、トリガーイベント及びタイミングを生成する際に使用され得る。その他の実施形態において、タイミング回復信号(例えば、遅延ロックループ、位相ロックループなど)が、同期のために使用され得る。さらにその他の実施形態において、処理システム110−1は、複合電極上の遷移をもたらす(例えば、変調する)こと、ゲーティング(gating)、又はどの電極が変調されるかを選択すること(例えば、複合電極の組を選択すること)のために同期信号を伝達することもできる。同期信号は、イベントを引き起こすことができるか、又は空間を節約するためにより複雑な信号(例えば、TFTガラスのためのシフトレジスタのクロッキング)を駆動することができる。一部の実施形態において、接地基準電圧が、処理システム110−1と110−2の間で伝達される。その他の実施形態において、接地に対するその他の電圧(例えば、Vcom、Vcom+、Vcom−などの共通ディスプレイ電圧)も、伝達され得る。そのような伝達される基準は、どちらかの処理システムが、複合電極を駆動し、表示性能に対する静電容量式感知のあらゆる悪影響、又は静電容量式感知の性能に対する表示更新のあらゆる悪影響を減らすことを可能にすることができる。
【0045】
[0060]結合190−1は、複数の複合電極が一緒に結合され、それから、処理システム110−2と結合され得ることを示す。そのような構成において、複数の複合電極は、同様のトランスミッタ信号で同時に駆動され得る。結合190−2は、個々の複合電極が処理システム110−2と個々に結合され得ることを示す。結合190−3は、個々の複合電極と処理システム110−2の間のカップリングがスイッチを備え、スイッチが開いているとき、対応する複合電極が駆動されず、スイッチが閉じているとき、対応する複合電極が駆動され得ることを示す。一部の実施形態において、スイッチは、さまざまなディスプレイ電圧及びそれらの電圧に関連する生成する電子機器に結合することができる。結合190−4は、複合電極のどちらかの端部が処理システム110−2と結合され得ることを示す。別の実施形態において、複合電極は、結合190−6及び190−1によって示されるように、両端で処理システム110−2と結合され得る。別の実施形態において、複合電極は、両端で処理システム110−1と結合され得る。結合190−5は、複合電極が処理システム110−1と結合され(例えば、駆動され)得ることを示す。さらなる実施形態において、複合電極は、処理システム110−1と処理システム110−2の両方と結合され得る。
第1節
干渉を防止するための復調の変更
【0046】
[0061]図2は、受信された結果として生じた信号のサンプルを復調及びフィルタリングして静電容量式センサーの干渉感受性を改善するように構成された静電容量式測定システム200の実施形態を示す。以下の説明全体を通じて、復調するは、復調することとフィルタリングすることの両方を指す可能性がある。1つの例示的な静電容量式測定システムが示されるとしても、その他の知られている(例えば、離散時間及び連続時間)静電容量式測定システムの復調器(demodulator)及びフィルタも、使用され得る。一実施形態において、電荷が、トランスミッタ信号の遷移中に(例えば、トランスミッタ信号がHighからLowに、LowからHighに、又はその他の同様の電圧に変更されるときに)蓄積され、電流が、感知される静電容量Cを通じて伝達され、積分増幅器210の反転入力と出力の間に結合される電荷蓄積キャパシタCFBに蓄積される。基準電圧Vrefが、積分増幅器210の非反転入力と結合される。CFBの電圧出力は、伝達される電荷に応じて変わる。CFBのこの電圧出力は、増幅器210によって積分される。何らかの「積分」時間、Tintの後、ある量の電荷が蓄積され、電圧出力のサンプルが取得され、復調される。積分時間は変動する可能性があるが、その時間が任意のその他のセンサーの時定数と比較して実質的に長くない場合、蓄積される電荷はTintに依存する可能性があり、このことは望ましくない。一実施形態において、センサーが電荷の伝達を遅らせる場合、積分時間及びリセット時間は、トランスミッタの遷移に対してやはり遅らせられる可能性がある。
【0047】
[0062]蓄積キャパシタの電圧出力は、積分の後、変動する可能性がある「リセット」時間Tresetの間にリセットされ得る。一実施形態において、リセットは、スイッチTresetを閉じることによってCFBから蓄積された電荷を取り除くことにより行われ得る。これは、出力電圧をその「ゼロ」状態に戻す。ここで、「ゼロ」状態は、Vref、信号が何も積分されていないときの平衡出力値である。その後、反対の極性の電圧の遷移が起こると、電荷が蓄積されて、CFBの出力でサンプリングされる別の電圧を生じることができる。したがって、多くの実施形態において、TSAMPLE=TDEMOD/2以下であるが、これは必須ではない。その他の実施形態において、連続時間復調及びフィルタリングが使用される可能性もあり、又はトランスミッタ期間(transmitter period)ごとに単一の遷移極性(transition polarity)が使用される可能性がある。
【0048】
[0063]同じ又はさまざまな重みのより多くの復調は、オーバーサンプリング、高調波キャンセル(harmonic canceling)、相関二重サンプリング、又はDC感知単一極性一定重みづけ(DC sensitive single polarity constant weighting)を含み得る。2つの出力電圧サンプルが、復調周波数(又はその他の可変のタイミング)でそれらのサンプルを組み合わせて静電容量の測定値を得ることによって復調器211でフィルタリングされ得る。その他の感知方法も、説明された実施形態の本質を変えることなく使用され得る。例えば、その他の波形(例えば、台形)、静電容量式電流伝達測定(例えば、電流増倍(current multiplication))、又は復調方法(例えば、ヘテロダイン検出)が、本明細書に記載のものに加えて使用され得る。また、その他の復調及びリセットスキームもあり得る。一実施形態において、リセットのステップは、存在しない可能性がある(例えば、そのリセットのステップは、長さが0であるか、又は連続的である可能性がある)。以下で説明されるように、干渉の防止を容易にするために、復調のタイミング(例えば、TDEMOD及び復調周波数)がトランスミッタ信号のタイミング(例えば、TSIGNAL及びトランスミッタ周波数)と異なることを可能にすることが有利である可能性がある。干渉の防止を容易にするために、トランスミッタ周波数がディスプレイデバイスの行更新レート(又はディスプレイデバイスの単一の色に関する部分的な行更新)と異なることを可能にすることも有利である。一実施形態において、トランスミッタ周波数は、遷移及び/又は復調されたサンプルの間の周期の逆数である。
【0049】
[0064]図3Aは、送信されたトランスミッタ信号の周波数と同じである復調周波数を用いた静電容量式センサーの波形310Aを示す。それぞれの遷移は、単一の表示ピクセル行の更新をもたらす。さまざまな実施形態において、それぞれの遷移中に、複数のセグメント分けされたVcom電極のセグメント(例えば、複合電極の組)を用いて送信することが可能である。したがって、トランスミッタ電極のブロック(グループ又は組)は、複数の表示ピクセル行に対応する1つ又は複数のVcom電極のセグメントからなる可能性がある。これらの表示ピクセル行は、隣接している必要はない。複合電極が利用される一実施形態において、静電容量式感知のためのトランスミッタ信号の周波数及びディスプレイデバイスの更新は同じであり、したがって、干渉感受性スペクトル(つまり、干渉感受性対周波数)は決まっている可能性がある。一実施形態において、表示行ごとの1つ又は複数の遷移が起こり得る。遷移は、行の更新と更新の間、又は表示行のピクセル若しくはサブピクセルの更新と更新の間に起こり得る。一実施形態において、遷移は、ソースドライバが行の複数のピクセル又はサブピクセルに多重化される時間の間に起こる。別の実施形態において、遷移は、ディスプレイソースドライバが実質的に分離されるときに、表示行の選択が更新された後、非表示更新時間中に起こり得る。
【0050】
[0065]Vcom波形310Aに関連するタッチセンサー復調動作のタイミングの例が、図3Aに示される。記号表350(この表は図3B、3C、及び3Dにも当てはまる)によって示されるように、復調器のサンプルは、X、丸の中のX、又は空の丸で印をつけられ、信号310は、方形波の線で表され、水平矢印は、積分間隔Tintの長さを表し、垂直矢印は、復調の極性を表す。一実施形態において、復調されるサンプルのフィルタリングは、一様に重みづけされ得る。一実施形態において、中間サンプルは無視され得る(例えば、大きさ0で重みづけされてフィルタリングされる)。
【0051】
[0066]図3A〜3Dにおいて、丸のないXは、電圧の遷移に続く積分期間の後に発生する復調サンプルを示す。これらの復調サンプルは、新しい情報を含み、「信号サンプル」と呼ばれる。一方、丸の中のXは、電圧の遷移の積分なしに発生する。これらの復調サンプルは、「暗黙的サンプル(implicit sample)」と呼ばれ、新しい信号情報を何も含まない可能性がある。暗黙的サンプルは、図3Aに示されるように、リセット期間の後、ただし、次の電圧の遷移の前に発生し得る。これらの暗黙的サンプルは、個々にフィルタリングされるか又はされない可能性がある。一実施形態において、暗黙的サンプルは、2つの信号サンプルの間の差及び暗黙的サンプルの間の距離に基づいて区別をつけてフィルタリングされ得る。暗黙的サンプルは、例えば、二重相関サンプリング(double−correlated sampling)を実施するために使用され得る。しかし、暗黙的サンプルは、干渉情報を含む可能性があり、したがって、干渉感受性スペクトルをフィルタリングし、干渉感受性スペクトルに影響を与えるために重要である。ラベル「TSAMPLE」が、一組のサンプルが取得され、フィルタリングされ得る(例えば、合計される、低域通過フィルタリングされるなど)期間を定めるために利用される。ラベル「TCYCLE」が、トランスミッタ信号周波数の周期を定めるために利用される。
【0052】
[0067]復調信号サンプルは、電圧の遷移によって引き起こされた結合電荷の伝達を積分することによって生成され得る。一実施形態において、復調信号サンプルは、暗黙的サンプルと信号の積分の終わりとの間を積分することによって生成され得る。表示を妨げないために、又は表示に静電容量式感知の邪魔をさせないように、1つの電圧の遷移(又は2つ以上が使用されるときには複数の遷移)は、表示行の更新に関連する非表示更新期間中に発生するように時間を決められ得る。一実施形態において、ピクセル更新期間中のサンプリングは、多重化された赤−緑−青(RGB)画像データによって引き起こされる干渉などの表示からの干渉がこの時間中にレシーバ電極に注入される可能性があるのでやはり避けられる。一実施形態において、変調される複合電極の位置は、更新のために選択されるピクセルのラインと相互に関連付けられる可能性がある。一実施形態において、積分時間の開始は、伝播遅延に対処するためにトランスミッタの遷移から遅らせられる。一実施形態において、伝播遅延は、ディスプレイデバイスのスイッチング時間に起因する。
【0053】
[0068]図3Aに示されるように、タッチセンサーの各行は、少なくとも1つの表示ラインが更新される間に発生する1つ又は複数の電圧の遷移を含み得る。一実施形態において、電圧の遷移は、非表示更新期間中に発生する。別の実施形態において、電圧の遷移は、非表示更新期間中に、次の表示ピクセル行が更新される前に発生する。図3Aの実施形態によれば、1つの遷移が、サンプリングされる新しいレシーバ電極(例えば、レシーバ電極160−1)の前に、1つの表示行が更新されるときに発生する。しかし、単一のレシーバ電極がサンプリングしている間に複数の表示行が更新されるとき、復調器の出力を含むようにフィルタリングされる複数の遷移が存在する。一実施形態において、複数の複合電極(又は組若しくはグループ)が、非表示更新時間中に同じ電圧の変化で駆動され、表示更新時間中に同じ異なる電圧(例えば、Vcomなどの共通電圧)に駆動される可能性がある。その他の実施形態において、図9に関連して説明されるように、波形は、表示ピクセル行の更新に関連する非表示更新時間中に(例えば、行が更新された後に発生する水平帰線消去期間中に)発生するように時間を決められる複数の遷移を有する可能性がある。別の実施形態において、複数の遷移は、表示フレームの間の表示の非垂直帰線消去期間中に発生するように時間を決められる。少なくとも1つの表示ピクセル行又はフレームが更新された後、レシーバ電極が、次の表示ラインが更新される前にサンプリングされ、復調される。さまざまな実施形態において、空間的に分かれた表示行に関連する複合電極の複数の独立したブロックが、感知領域をスキャンするために表示行の更新と更新の間、又は表示フレームの更新と更新の間の異なる時間に変調され得る。変調器(modulator)は、複数の入力オブジェクトを個々に追跡するために、スキャンされた静電容量「画像」又は静電容量測定値の空間的アレーを構成するために複数のレシーバセンサー電極170によって実質的に同時に復調及びフィルタリングされ得る。
【0054】
[0069]図3Bは、干渉感受性を改善するために、トランスミッタ信号の周波数とは異なる感知復調周波数を有する例示的な波形を示す。一実施形態において、干渉感受性を改善するために、トランスミッタ信号の周波数とは異なる復調周波数が、使用される。一実施形態において、これは、復調に追加的な暗黙的サンプルを含めることによって可能にされる。図3A、3B、及び3CにおいてTrepeatによって示される時間は、図3Aのサンプリング時間、並びにさらに図3B及び3Cの繰り返されるサンプルの組の間の時間である。
【0055】
[0070]図3Bにおいて、復調周波数は、サンプルタイミングの間に発生するサンプルの数を(例えば、TSAMPLEの間の2つのサンプルからTSAMPLE1の間の4つのサンプルに)増やすことによって変更される。すべてのトランスミッタ信号の遷移の間に必ずしもサンプリングをしないことによってサンプルの数を減らすことも可能であることに留意されたい。また、TSAMPLE1ごとのサンプルの数が、サイクルごとに変更される可能性がある。続くサイクルの位相も、サイクル(TCYCLE)ごとに変調され得る。一実施形態において、サンプルの重みづけが、信号を異なるやり方で復調することによって干渉を防止するために、続くサンプルにおいて変更され得る。
【0056】
[0071]図3Cは、送信されたトランスミッタ信号の周波数とは異なる復調周波数を有する別の例示的な波形を示す。(Tsample2で取得されるサンプルによって示される)図3Cの復調されるサンプルの間のサンプル時間は、(Tsample1の間に取得されるサンプルによって示される)図3Bのサンプル時間よりも短く、したがって、図3Cの復調周波数は、繰返し時間(TREPEAT)が同じであるとしても図3Bの復調周波数よりも高い。
【0057】
[0072]復調周波数を変えることによって、干渉スペクトル内の異なる高調波を打ち消すことができる。複数の復調サイクルが1つのVcomの遷移(例えば、1つの水平表示行)期間中に発生する可能性がある方法が、以下で説明される。さらに、積分(図3AのTint)、リセット時間、及びサンプリングレートが、位相、振幅、及び周波数で変調し、それによって、干渉感受性スペクトルを変えるように調整され得る。例えば、復調サインが、変更されることができ、トランスミッタ信号の相対的な位相、TRESET、及びTintが変更されることができる。また、復調における周波数及び位相の変調が、干渉感受性スペクトルを拡散し、干渉に対する強さの向上を可能にするために使用され得る。一実施形態において、サンプルの重みづけが、干渉に対する強さを向上するために変更される(すなわち、増やされる、減らされる、又はサインを変えられる)可能性がある。また、復調の結果は、これらに限定されないが、例えば、無限インパルス応答(IIR)フィルタ及び有限インパルス応答(FIR)フィルタ、連続時間フィルタ、並びに帯域通過フィルタを用いてフィルタリングされ得る。その他の実施形態において、第2の復調器が、フィルタリングの後にさらに使用され得る。一部の実施形態において、入力デバイスの干渉感受性は、受信された結果として生じた信号を上述の方法のうちの2つ以上を用いて復調することによって変えられる可能性がある。
【0058】
[0073]一実施形態において、干渉の防止は、センサーの復調周波数を変えることによって、及び受信された信号をトランスミッタ信号の各半サイクルの間に(1つの遷移しか持たないトランスミッタ信号に関してさえも)2回以上サンプリングすることによって実現される可能性があり、これらのことは、はるかに多くの種類の復調及び周波数が使用されることを可能にする。一対の信号サンプルが250kHzの復調周波数(それぞれの復調の極性について2μsの間隔)を有する可能性があるが、電圧の遷移は50kHz(25kHzのトランスミッタ信号周波数の各エッジ)でしか発生し得ないある例について考える。これは、4つの復調サンプルに対して1つの正の信号サンプル及び1つの負の信号サンプルをもたらし(2つの信号サンプル及び2つの暗黙的サンプルが存在することになる)、各信号サンプルの対は、40μsの完全なトランスミッタ変調サイクルにおいて20μs離間される。一部の実施形態において、その他のサンプルの重みづけに関係なく、遷移信号(transitions signal)を含むサンプルの和が、同様にフィルタリングされ、静電容量信号(capacitive signal)に対する応答は、同じままである。
【0059】
[0074]一部の実施形態において、図3Dに示されるように、正の復調される信号サンプルと負の復調される信号サンプルの間で取得されるゼロ信号(中間サンプル)が存在し得る。図3Dによって示される実施形態においては、正の復調される信号サンプルと負の復調される信号サンプルの間に7つの中間サンプルが存在する。中間サンプルは、処理中に使用されるか又は使用されない可能性がある、復調器周波数の部分的サイクルである可能性がある。これらの中間信号を盛り込むことは、入力デバイスの干渉感受性を変えるが、信号応答は必ずしも変えない。例えば、一実施形態において、中間サンプルを盛り込むことは、短い積分時間のためにDCで0になる(積分時間によって設定される包絡線を有する)250kHzの結果として生じた信号から外れた50kHzの感受性側波帯(susceptibility sideband)をもたらす。同じ結果として生じた信号を用いた単一対復調スキーム(single pair demodulation scheme)及び二重復調スキーム(double demodulation scheme)(又はより高次のsinc、成形、若しくはFIR復調ループ)に関する干渉感受性スペクトルは、十分に直交しており(例えば、あまりピークが重ならず)、(1+2N)x25kHzにピークを持つ第1のスペクトル及びNx50kHzにピークを持つ第2のスペクトルを含む。したがって、これらの2つの復調スキームの間の選択をする能力は、送信されるトランスミッタ信号の周波数が実質的に固定されているときでさえも、復調周波数切り替えによって効果的な干渉の防止を可能にする。さまざまな実施形態において、復調周波数がトランスミッタ信号の周波数と異なるとき、復調された結果は、十分に定常的な電圧になく、その結果は、選択的にフィルタリング又は復調され、再びフィルタリングされる可能性がある。さらに、さまざまな実施形態において、復調周波数は、トランスミッタ信号の周波数に関連して変わる。その他の実施形態において、フィルタは、復調周波数とトランスミッタ信号の周波数の間の周波数の差に関してフィルタリングするように変更され得る。
【0060】
[0075]さらなる実施形態において、複数のさらに高いレートのサンプルが、結果として生じた信号の各遷移の周辺で取得され、受信された結果として生じた信号の位相と周波数の両方の変調を可能にすることができる。例えば、一実施形態において、図3Dにおいて中間サンプルとしてラベル付けされたいくつかのサンプルが、周波数感受性(frequency susceptibility)を変えるために信号の計算に含められ得る。これらのサンプルは、アナログ形式で取得される(例えば、キャパシタにサンプリングされる)か、又はデジタル形式で取得される(例えば、アナログデジタルコンバータ(ADC)を用いてサンプリングされる)ことができる。
【0061】
[0076]復調スキームを変更することは、1つのスキームを用いているときに干渉が何らかの所定のレベルを超えていることが認められるときに行われ得ることが理解される。これが起こるとき、代替的な復調スキームが使用されることができる。一部の実施形態において、1つ又は複数の復調スキームが備えられる可能性があり、最も干渉が少ない復調スキームが選択され、使用されることができる。これは、以下の段落でより詳細に説明される。
第1の例示的な処理システム
【0062】
[0077]図4は、さまざまな実施形態による、入力デバイス(例えば、入力デバイス100)で利用され得る第1の例示的な処理システム110Aを示す。処理システム110Aは、1つ若しくは複数のASIC、1つ若しくは複数のIC、1つ若しくは複数のコントローラ、又はこれらの何らかの組み合わせで実装され得る。一実施形態において、処理システム110Aは、入力デバイス100の感知領域120を実装する複数のトランスミッタ電極(又は複合電極)及び複数のレシーバ電極と通信可能なように結合される。入力デバイス100の一実施形態において、処理システム110Aは、トランスミッタ回路405と、レシーバ回路415と、復調回路425と、復調種類セレクタ435とを含む。一部の実施形態は、計算回路445を追加的に含む。
【0063】
[0078]トランスミッタ回路405は、感知領域に配置される1つ又は複数のトランスミッタ電極(又は複合電極)を用いてトランスミッタ信号を送信するように動作する。所与の時間間隔において、トランスミッタ回路405は、複数のトランスミッタ電極のうちの1つ又は複数を用いてトランスミッタ信号(波形)を送信することができる。トランスミッタ回路405は、複数のトランスミッタ電極のうちの1つ又は複数のトランスミッタ電極を、そのようなトランスミッタ電極を用いて送信していないとき、接地に、又は基準電圧(例えば、Vcom若しくは何らかのその他の基準電圧)などの一定の電圧に結合するためにやはり利用され得る。トランスミッタ回路は、感知領域をスキャンするために、異なる時間に異なるトランスミッタ(複合)電極をスキャンすることができる。トランスミッタ信号は、方形波、台形波、又は何らかのその他の波形である可能性がある。さまざまな実施形態において、図9の波形910、920、及び930が、トランスミッタ回路405によって駆動され、トランスミッタ電極/複合電極を用いて送信され得る波形のいくつかの例を示す。波形910、920、及び930は、複数の遷移(例えば、2つ以上)が、送信されたトランスミッタ信号の波形において行われ、それらの遷移が非表示更新期間(例えば、水平帰線消去期間又は垂直帰線消去期間)中に発生するように時間を決められる可能性があることを示すことが留意されるべきであり、以下でさらに説明される。非表示更新時間中、遷移は、表示更新にいかなる影響も与えないが、タッチ感知のためのサンプリングを行うための追加の遷移を行う。別の実施形態において、遷移は、表示更新期間と同期している(例えば、行のピクセルの更新又は表示フレームの更新と実質的に同時である)可能性がある。
【0064】
[0079]レシーバ回路415は、1つ又は複数の送信されたトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号をレシーバ電極によって受信するように動作する。受信された結果として生じた信号は、トランスミッタ電極によって送信された(1つ又は複数の)トランスミッタ信号の何らかのバージョン(例えば、結合電荷)に対応し、それを含む可能性がある。しかし、これらの送信されたトランスミッタ信号は、要因の中でもとりわけ、浮遊容量、干渉(雑音)、及び/又は回路の欠陥のために、結果として生じた信号において修正、変更、又はフィルタリングされる可能性があり、したがって、それらのトランスミッタ信号の送信されたバージョンとはわずかに又は大きく異なる可能性がある。結果として生じた信号は、ある時間間隔の間に1つ又は複数のレシーバ電極で受信され得る。一実施形態において、結果として生じた信号は、トランスミッタ信号がトランスミッタ電極を用いて送信されていない間に受信される可能性がある。そのような実施形態において、結果として生じた信号は、周囲/環境からの干渉の量を判定するために使用され得る。図3A〜3Dは、(例えば、結合電荷を測定するために電流が積分された後の)レシーバ回路415によって受信される結果として生じた信号のサンプリングを示す。一実施形態において、結果として生じた信号をトランスミッタのスキャンの異なる位相でフィルタリングすることが、静電容量式感知領域の異なる位置で静電容量の変化を測定するために使用され得る。
【0065】
[0080]復調回路425は、受信された結果として生じた信号を復調するように動作する。さまざまな実施形態において、復調回路は、復調器及びフィルタを備える。復調回路425は、結果として生じた信号を複数の違った手法で復調するように構成され得る。一実施形態において、結果として生じた信号は、ユーザ入力によって影響を受ける。例えば、受信された結果として生じた信号は、ユーザ入力によって振幅、位相、又は周波数に影響を受ける可能性がある。これは、復調回路425が、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得すること、結果として生じた信号を、結果として生じた信号が復調された第1の手法とは異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得することなどを可能にする。さまざまな実施形態において、復調の第1の手法及び第2の手法は異なり、その理由は、復調回路425が、第1の手法では第2の手法に比べて異なるようにサンプルを重みづけすること、復調回路425が、第1の手法では第2の手法に比べて異なる位相のサンプルを取得すること、復調回路425が、第1の手法では第2の手法に比べて異なる数のサンプルを利用すること、及び/又は第1の手法では第2の手法に比べて異なる時間間隔が、復調回路425によって使用されるサンプル間に存在することである。結果として生じた信号を復調するための異なる手法の例が、図3A〜3Dに示されている。さらに、その他の実施形態において、復調回路425は、第1の結果として生じた信号を、第1の手法及び第2の手法とは異なる第3の手法で復調するようにさらに構成され得る。さらなる実施形態において、復調回路425は、第1の結果として生じた信号を任意の数の手法で復調するようにさらに構成される可能性があり、それぞれの手法は異なる。連続時間復調器において、復調は、振幅、周波数、又は位相が変わり得る。さらに、さまざまな実施形態において、復調された信号のポストフィルタリングは、帯域幅、(1つ又は複数の)遮断周波数、又は位相が変わり得る。さまざまな実施形態において、ポストフィルタリングは、サンプリングの前の第2の復調を含み得る。
【0066】
[0081]復調種類セレクタ435は、位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへ処理システム110Aを切り替えるように動作する。さまざまな要因が、そのような切り替えをいつ行うべきかを決定するために使用され得る。一実施形態において、復調種類セレクタ435は、そのような切り替えの根拠を少なくとも部分的に干渉の量に置く。切り替えは、(例えば、事前に設定された干渉の量を超えるか又は超えない)第1の復調された出力の干渉の量に基づく可能性がある。切り替えは、第1の復調された出力の干渉の量を第2の復調された出力の干渉の量と比較し、干渉の量が最も少ない復調された出力を利用することに基づく可能性もある。その他の実施形態において、切り替えは、測定された干渉の安定性又は一定性に基づく可能性もある。一部の実施形態においては、同様の比較及び切り替えが、3つ以上の異なる種類の復調された出力の間で行われ得る。一実施形態において、干渉の量は、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によって駆動されていないか、又はトランスミッタ電極若しくは複合電極を用いて送信されていない時間の間の周囲/環境からの干渉の測定値である。別の実施形態において、干渉の量は、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によって駆動されていないか、又はレシーバの復調及びフィルタ帯域内でトランスミッタ電極若しくは複合電極を用いて送信されていない時間の間の周囲/環境からの干渉の測定値である。別の実施形態において、干渉の量は、ユーザ入力信号が存在しない(例えば、任意の入力オブジェクトへの無視できるカップリングが存在する)と判定される時間の間の信号電力の変化の測定値である。例えば、復調種類セレクタ435は、レシーバ回路415に、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によってどのトランスミッタ電極を使っても送信されていない期間中に第2の結果として生じた信号を受信するように指示することができる。次に、復調種類セレクタ435は、復調回路425に、この第2の結果として生じた信号を第1の手法及び第2の手法のうちの1つで復調することによって第3の復調された出力を取得するように指示する。復調種類セレクタ435は、この第3の復調された出力に存在する干渉の量を判定し(及び周囲からの干渉が存在する周波数も判定する可能性がある)、使用する復調の種類の選択にこの量を使用することができる。その他の実施形態において、復調種類セレクタ435は、復調回路425に、第2の結果として生じた信号を第1の手法と第2の手法の両方で復調することによって第3の復調出力及び第4の復調出力を取得するようにさらに指示することができる。さらなる実施形態において、復調種類セレクタ435は、復調回路425に、第2の結果として生じた信号を複数の異なる手法で復調することによって任意の数の復調出力を取得するようにさらに指示することができる。復調器種類セレクタ435は、各復調出力の干渉を互いに比較し、干渉の量が最も少ない復調の種類を選択することによって復調の種類を選択するように構成され得る。その他の実施形態において、復調種類セレクタ435は、各復調出力の干渉の量を所定の量と比較し、所定の量未満の復調の種類を選択するように構成される。さまざまな実施形態において、トランスミッタ回路405は、トランスミッタ電極(複合電極)の変調を変更して復調器の効果を最適化することもできることに留意されたい。
【0067】
[0082]一実施形態において、含まれるとき、計算回路445は、トランスミッタ電極とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリング(transcapacitive coupling)の変化の測定値を決定するように動作する。次いで、計算回路は、トランスキャパシタンスカップリングの変化のこの測定値を使用して、感知領域120に対する入力オブジェクト(もしあれば)の位置を判定する。変化の測定値は、復調回路425によって取得される復調された出力に基づいて決定される。一実施形態において、干渉の量が所定の量を超えないとき、第1の復調された出力が使用される。一実施形態において、干渉が所定の量を超える、第2の復調された出力が使用される。どの復調された出力を使用すべきかの選択は、一部の実施形態において、上述の方法で復調種類セレクタ435によって行われる。一実施形態において、1つ又は複数のフィルタリングされた又は圧縮された基準が、容量性カップリングの変化を判定するために使用され得る。
【0068】
[0083]一部の実施形態において、処理システム110A、及びその処理システム110Aが一部である入力デバイス100が、ディスプレイデバイスなどの電子システム150に配置されるか、又は電子システム150と通信可能なように結合される可能性がある。1つのそのような一体化された実施形態において、トランスミッタ電極は、(例えば、ディスプレイデバイスのディスプレイと一体化されるタッチスクリーンデバイスのための)表示更新機能とタッチ感知機能の両方をサポートするための複合電極として利用される。したがって、トランスミッタ回路405によってこれらの複合電極で駆動されるトランスミッタ信号は、表示更新とタッチ感知の両方の目的で働く。
静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する例示的な方法
【0069】
[0084]図5A及び5Bは、さまざまな実施形態による、静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する例示的な方法の流れ図500を示す。例示を目的として、流れ図500の説明において、図4の処理システム110Aのコンポーネントに対する参照がなされる。一部の実施形態においては、流れ図500に示された手順のすべてが実施されるわけではない。一部の実施形態において、示された手順に加えてその他の手順が実施され得る。一部の実施形態において、流れ図500に示された手順は、図示された及び/又は説明された順序とは異なる順序で実施され得る。
【0070】
[0085]流れ図500の510において、一実施形態では、トランスミッタ信号が、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によって送信される。一実施形態において、トランスミッタ回路405が、トランスミッタ信号を駆動する。トランスミッタ信号は、方形波、台形波、又はその他の波形などの波形である。一部の実施形態において、静電容量式センサーデバイスがディスプレイデバイスのディスプレイと連携して利用される、及び/又はディスプレイデバイスのデバイスと一体化されるとき、トランスミッタ信号は、そのトランスミッタ信号が、ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する2つ以上の遷移を含むように送信され、時間を決められる。一部の実施形態において、処理システム110は、表示のフレームの更新に関連する非表示更新時間(例えば、垂直帰線消去期間)中に異なる時間又は位相で複合電極の2つ以上のグループを用いて送信する(例えば、複合電極の第2のグループが定常電圧で駆動される間に複合電極の1つのグループを用いて送信する)ように構成され得る。1つのそのような実施形態において、ディスプレイデバイス(例えば、そのディスプレイデバイスの1つ又は複数の表示行)は、静電容量式センサーデバイスの感知領域に少なくとも部分的に重なる。
【0071】
[0086]流れ図500の520において、一実施形態では、結果として生じた信号が、静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信される。上述のように、結果として生じた信号は、トランスミッタ信号に対応する。一実施形態において、結果として生じた信号は、レシーバ回路415によって受信センサー電極から受信される。
【0072】
[0087]流れ図500の530において、一実施形態では、第1の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって取得される。一実施形態において、復調回路425が、結果として生じた信号を、その復調回路425が復調することができる複数の異なる手法のうちの第1の手法で復調することによってこの第1の復調された出力を取得する。
【0073】
[0088]流れ図500の540において、一実施形態では、第2の復調された出力が、結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって取得され、第2の手法と第1の手法とは互いに異なる。一実施形態において、復調回路425が、結果として生じた信号を、その復調回路425が復調することができる複数の異なる手法のうちの第2の手法で復調することによってこの第2の復調された出力を取得する。復調の第1の手法及び第2の手法は異なる可能性があり、その理由は、第2の手法では第1の手法とは異なるようにサンプルが重みづけされるため、第2の手法では第1の手法とは異なる位相でサンプルがサンプリングされるため、第2の手法では第1の手法とは異なる数のサンプルが使用されるため、及び/又は第2の手法が第1の手法とは異なる1つ若しくは複数のサンプル間時間間隔を利用するためであることが理解される。
【0074】
[0089]流れ図500の550において、一実施形態では、方法は、位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへ切り替える。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づく。一実施形態において、復調種類セレクタ435が、いつ、どの種類の復調に切り替えるべきかを決定する。一実施形態において、干渉の量は、第1の復調された出力の干渉の測定値に基づく。一実施形態において、干渉の量は、第2の復調された出力の干渉の測定値に基づく。量は、互いに、又は所定の尺度と比較され得る。一実施形態において、干渉の量は、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によって送信されていない時間の間の周囲/環境からの干渉の測定値である。例えば、レシーバ回路415が、帯域内トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によってどのトランスミッタ電極/複合電極を使っても送信されていない期間中に、レシーバ電極から第2の結果として生じた信号を受信する。例えば、一実施形態において、復調信号及び送信されたトランスミッタ信号は、結果として生じた信号が実質的に0であるように位相がずれている(実質的に直交している)可能性がある。一実施形態において、これは、レシーバ電極を用いて受信する間、トランスミッタ電極を用いてトランスミッタ信号を送信しないことに等しい可能性がある。一実施形態において、ユーザ入力信号の影響が、送信されたトランスミッタ信号とは無関係に存在する可能性がある干渉と区別され得る。一実施形態において、復調回路425が、この第2の結果として生じた信号を第1の手法及び第2の手法のうちの1つで復調し、第3の復調された出力に存在する干渉の量を判定することによってこの第3の復調された出力を取得する。次に、第3の復調された出力からのこの干渉の量が、使用するために複数の異なる種類の復調(例えば、第1の種類、第2の種類など)の中から選択をするための根拠として使用される。
【0075】
[0090]流れ図500の560において、一実施形態では、方法は、干渉の量が第1の量未満であるとき、第1の復調された出力に基づいてトランスミッタ電極とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定する手順をさらに含む。一実施形態において、これは、復調種類セレクタ435が、干渉の量が第1の所定の量未満であるときに処理システム110Aによって使用される復調の種類を選択することを含む。次いで、計算回路445が、(もしあれば)トランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定する。
【0076】
[0091]流れ図500の570において、一実施形態では、次に、流れ図500の560で決定されたトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値が、計算回路445によって感知領域120に対する入力オブジェクト(もしあれば)の位置情報を決定するのに使用される。
【0077】
[0092]流れ図500の580において、一実施形態では、方法は、干渉の量が第1の量を超えるとき、第2の復調された出力に基づいてトランスミッタ電極とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定する手順をさらに含む。一実施形態において、これは、復調種類セレクタ435が、干渉の量が第1の所定の量を超えるときに処理システム110Aによって使用される復調の種類を選択することを含む。次いで、計算回路445が、(もしあれば)トランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定する。
【0078】
[0093]流れ図500の590において、一実施形態では、次に、流れ図500の580で決定されたトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値が、計算回路445によって感知領域120に対する入力オブジェクト(もしあれば)の位置情報を決定するのに使用される。
第2節
干渉を防止するための搬送波(トランスミッタ信号)周波数の切り替え
【0079】
[0094]図6は、複数の表示行610及びそれらの表示行610のそれぞれの更新時間を有するディスプレイを備えるディスプレイデバイス及びタイミング600を示す。一実施形態において、物理的な行の電極が、ディスプレイの上から下まで関連するピクセルを順に更新するために使用される。ピクセル(又はピクセルカラーチャネル)の更新が、左から右に示される。一実施形態において、複数の表示行610に関連する共通電極が、静電容量式センサーデバイスの感知領域に少なくとも部分的に重なる。一実施形態によれば、さらに示されているのは、表示ピクセル行の各ピクセル更新時間640の終わりの非表示更新時間650である。非表示更新時間650は、ディスプレイデバイスの表示ピクセル行の更新に関連する。一実施形態にしたがって、表示ピクセル行610の下に、非表示更新時間620がやはり示されている。示されるように、ライン更新時間630は、少なくともピクセル更新時間640と非表示更新時間650の合計である。非表示更新時間650は、水平帰線消去期間又は非更新時間と呼ばれることもあり、非表示更新時間620は、垂直帰線消去期間(ライン又は行)と呼ばれることもある。一実施形態において、異なる行に関連する非表示更新時間は、異なる可能性がある。例えば、一実施形態において、異なる行に関連する非表示更新時間は、ディスプレイデバイスを外部ソースと同期するために異なる可能性がある。例えば、前のフレームの最後の行とフレームの最初の行の間の非表示更新時間は、単一のフレームの第1の行と第2の行の間の非表示更新時間よりも長い可能性がある。
【0080】
[0095]ディスプレイデバイス600のトランスミッタ信号周波数(搬送波信号周波数)は、表示フレームリフレッシュレート(フレームレート)、表示ピクセル行610の数、ピクセル更新時間640、非表示更新時間650、及び非表示更新時間620の関係に基づく可能性がある。さらに、たとえ図6が、各表示ピクセル行のピクセル行更新時間640の後に発生する非表示更新時間を示すとしても、その他の実施形態においては、非表示更新時間はその他の時間に発生する可能性があり、及び/又は複数の非表示更新時間が各表示ピクセル行で発生する可能性がある。さまざまな実施形態において、複数のピクセルが、ピクセル行更新時間中に更新され得る。例えば、非表示更新時間は、表示ピクセル行の各ピクセルチャネルを更新した後(例えば、それぞれの赤、青、及び/又は緑カラーチャネルを更新した後)発生し得る。さまざまな実施形態において、非表示更新時間は、表示ピクセル行ごとに(例えば、1番目と2番目で又は最後と最初で)変わり得る。一実施形態において、行の選択は、ディスプレイドライバ一体型コントローラ(Display Driver Integrated Controller)(DDIC)によって(行として)選択された薄膜トランジスタ(TFT)ガラス上のトランジスタを使用することを含み得る。DDICは、TFTガラスに配置され、チップオングラス(COG)接続によって表示ピクセル行に電気的に結合され得る。一実施形態において、(異方性導電膜(ACF)によって接続された)別個の配線が、ホスト処理システムに、及び処理システムのその他の要素に信号を搬送することができる。
【0081】
[0096]ライン更新時間630を変えることによって、非表示更新時間650を調整することによって、及び/又は垂直帰線消去ラインの数を調整することによって、同期されたトランスミッタ信号周波数が、表示フレームリフレッシュレートを変えることなく干渉を防止するために切り替えられるか、又は変調されることができる。そのような実施形態において、1つの復調周波数又は複数の復調周波数が、干渉の防止を行いながら、トランスミッタ信号周波数と同様に切り替えられることができ、さまざまな同期方法が、同様であることを維持するために使用されることができる。水平行タイミング及び垂直フレームタイミングを示すことができる同期信号が、共有され、同期のために使用され得る。さらに、表示ピクセル行ごとの複数の水平帰線消去期間が使用されるとき、それぞれの時間を個別に変えることができる。ディスプレイデバイスにおいては、表示品質を保つために(例えば、ちらつき、色ずれ、又はその他の視覚的に認識され得る問題を防止するために)ピクセル更新時間640及び表示フレームリフレッシュレートを維持することが望ましい場合が多い。ディスプレイデバイスのための処理システムと静電容量式センサーデバイスのための処理システムの間の、又はそれらの処理システム内の同期シグナリングが、水平リフレッシュレートの同期を維持し、垂直帰線消去期間の長さを制御し、トランスミッタ信号周波数の変更要求を管理し、又はトランスミッタ信号周波数が変わり得ることを示すために使用されることができる。一実施形態において、そのような同期は、共通の処理システムを利用して、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて静電容量式タッチ感知及び表示更新を実行することによって容易にされる。別の実施形態において、同期された信号が、静電容量式感知デバイスとディスプレイデバイスの間で共有される。一実施形態において、この信号は、ディスプレイの表示ライン又はピクセルタイミングに基づいて生成され得る。一実施形態において、この信号は、ディスプレイのフレームタイミングに基づいて生成され得る。
【0082】
[0097]ディスプレイデバイス600が、表示ピクセル行ごとに15μsのピクセル更新時間640及び表示ピクセル行ごとに約5μsの水平帰線消去期間を伴う800表示ピクセル行610を有する例について考える。そのような実施形態において、ライン更新時間は、20μsであり、(例えば、ラインごとに1/2サイクルを用いるライン反転法に関して)約25KHzのVcom搬送波周波数に対応する。この例において、合計810行に対して10垂直帰線消去ラインが存在する。したがって、フレームリフレッシュレートは1/(810*20μs)であり、これは約60Hzである。一実施形態において、表示をビデオソース又は画像ソースに同期するために、追加的なラインが追加されることができるか、又はラインが取り除かれることができる。
【0083】
[0098]静電容量式センサーの干渉感受性を変えるために、第1の周波数を有するトランスミッタ信号が、第2の周波数を有する第2のトランスミッタ信号に切り替えられることができ、第1の周波数と第2の周波数は異なる。第1の周波数を有するトランスミッタ信号から第2の周波数を有する第2のトランスミッタ信号に切り替えるために、ライン更新時間630と、非表示更新時間650と、非表示更新時間620の数とが、一定又は実質的に一定のフレームリフレッシュレート、及び各表示ピクセル行の一定のピクセル更新時間640を維持するために調整され得る。この例にしたがうと、10パーセント高い27.5kHzのトランスミッタ信号周波数に対して、ピクセル更新時間640を15μsで一定に保ち、約60Hzの一定のフレームリフレッシュレートを維持するためには、ライン更新時間630は約18μsであり、より短い非表示更新時間650は約3μsである。したがって、ライン更新時間630を変更するために、非表示更新時間650と、非表示更新時間620の長さ(例えば、等価な行の数)とが、変わる。この例に基づけば、800表示行及び10垂直帰線消去ライン並びに20μsのライン更新時間を有するディスプレイデバイスに関して、表示のフレームリフレッシュの間に更新されるべき810総ピクセル行(表示行+垂直帰線消去ライン)が存在する。18μsのライン更新時間のためには、3μsの水平帰線消去期間を伴う900総ピクセル行が必要とされ、表示ピクセル行610の数が、ディスプレイの解像度に基づいて一定である(この例においては800ピクセルライン)ので、垂直帰線消去期間の長さ(例えば、同等のラインの数)が、10ラインから100ラインに増やされる。したがって、トランスミッタ信号の周波数を切り替え、干渉の防止のために復調周波数を同様に切り替え、この例においては、フレームリフレッシュレートを変えることなく約10%のライン周波数切り替えを行うことが可能である。その他の実施形態において、ライン更新時間630、及び非表示更新時間650、及び非表示更新時間620の数が、別々に変えられることもでき、システムの干渉感受性をやはり変えることができる。別の実施形態において、複数の非表示更新時間が、各非表示更新時間中に複数の遷移を伴って単一の表示フレームにおいて発生する可能性がある。一実施形態において、静電容量画像が、2つの別個の垂直帰線消去期間に対して測定される可能性がある。第1の垂直帰線消去期間は、表示フレームピクセル行の第1の部分に関連する可能性があり、第2の垂直帰線消去期間は、表示フレームピクセル行の第2の部分に関連する可能性がある。第1の部分及び第2の部分は、インターレースされるか、又は連続的である可能性がある。そのような実施形態において、静電容量測定フレームレートは、表示フレームレートとは異なるレートである可能性がある。
【0084】
[0099]さまざまな実施形態において、垂直帰線消去ラインのうちの1つ又は複数の長さが、やはり変えられ得る。その他の実施形態において、複数の遷移が受信され、ユーザ入力によって引き起こされたトランスミッタ電極とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化を判定するために使用され得る。一実施形態において、信号が、水平非表示更新時間又は垂直帰線消去ラインの変化を示すためにディスプレイデバイスと静電容量式感知デバイスの間で共有され得る。一実施形態において、トランスミッタ周波数及び復調周波数が、非表示更新時間を変えることなく変更され得る。一実施形態において、非表示更新時間中に複合電極が送信している(及び/又はレシーバ電極が受信している)時間の量(例えば、継続時間)が、変更される(例えば、一定のサイクル数を維持するが、トランスミッタの周波数を変える)。一部の実施形態において、測定の間の間隔(例えば、継続時間)が、変更され得る。さまざまな実施形態において、複数の水平非表示更新時間(水平帰線消去期間)が、変更され得る。さらに、トランスミッタ信号が、実質的に同時に2つ以上の複合電極(又は複合電極の組)で送信され得る。複合電極は、空間的に離れているか、又は互いに隣接している可能性がある。一実施形態において、複数の複合電極がトランスミッタ信号を用いて駆動されるとき、少なくとも1つのトランスミッタ信号が、水平帰線消去期間中に遷移を含む。一実施形態において、トランスミッタ信号は、更新されている表示ピクセル行から空間的に分かれている複合電極(又は複合電極の組)で駆動され、非表示更新時間中にのみ発生するのではなく、非表示更新時間外に発生する遷移を有する可能性がある。
第2の例示的な処理システム
【0085】
[00100]図7は、さまざまな実施形態による、入力デバイス(例えば、入力デバイス100)で利用され得る第2の例示的な処理システム110Bを示す。処理システム110Bは、1つ若しくは複数のASIC、1つ若しくは複数のIC、1つ若しくは複数のコントローラ、又はこれらの何らかの組み合わせで実装され得る。一実施形態において、処理システム110Bは、入力デバイス100の感知領域120の複数のトランスミッタ電極(又は複合電極)及び複数のレシーバ電極と通信可能なように結合される。入力デバイス100の一実施形態において、処理システム110Bは、トランスミッタ回路405と、レシーバ回路415と、継続時間チェンジャー755とを含む。一部の実施形態は、表示更新回路765、及び/又は図4の処理システム110Aで示されたその他のコンポーネントのうちの1つ若しくは複数(例えば、計算回路445)をさらに含む。
【0086】
[00101]処理システム110B、及びその処理システム110Bが一部である入力デバイス100が、ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス600)などの電子システム150に配置される、及び/又は電子システム150と通信可能なように結合される。1つのそのような一体化された実施形態において、複合電極が、(例えば、ディスプレイデバイスのディスプレイと一体化されるタッチスクリーンデバイスのための)表示更新機能と静電容量式感知機能の両方をサポートするために利用される。したがって、トランスミッタ回路405によってこれらの複合電極で駆動されるトランスミッタ信号は、表示更新と静電容量式感知の両方の目的で働く。図1Bのセンサーパターン(複合電極160及びレシーバ電極170)をディスプレイデバイス600(図6)の表示ピクセルライン610で覆い、それらの表示ピクセルライン610と一体化することは、そのような実施形態の一例である。その他の実施形態において、レシーバ電極及びトランスミッタ電極は、ディスプレイ電極の上に(例えば、カラーフィルタガラス、ディスプレイレンズ、又はディスプレイの若しくはディスプレイ外の別の基板上に)配置され、トランスミッタ電極は、ディスプレイデバイスの一部ではない可能性があり、複合電極ではないが、トランスミッタ電極は、ディスプレイとやはり同期される可能性がある。
【0087】
[00102]トランスミッタ回路405は、感知領域/ディスプレイに配置される1つ又は複数のトランスミッタ電極又は複合電極のトランスミッタ信号を駆動するように動作することができる。所与の時間間隔において、トランスミッタ回路405は、複数の複合電極のうちの1つ又は複数のトランスミッタ信号(波形)を駆動することができる。一実施形態において、トランスミッタ信号は、第1の周波数を有する。一実施形態において、複合電極の同じ組(又はグループ)が駆動される時間間隔は、1つの半サイクル(単一の遷移)及び1つの非表示更新時間である可能性があり、又は複数の(半)サイクル及び複数の非表示更新時間の間である可能性がある。一実施形態において、選択される複合電極の空間的選択は、重なり合うようにしてスキャンすることができ、複合電極の組のセグメント分けされたVcom電極のセグメントが、2つの連続する非表示時間に駆動される可能性がある。別の実施形態において、選択される複合電極の空間的選択は、重なり合わないようにしてスキャンすることができ、複合電極のセグメント分けされたVcom電極のセグメントが、連続する非表示更新時間中ではなく、第1の非表示更新時間中に駆動される可能性がある。一実施形態において、40個の複合電極の組(例えば、複合電極のブロック)が、2デューティサイクル(例えば、20行の時間)駆動される可能性があり、続く20サイクルで、複合電極の異なる重ならない組(例えば、異なるブロック)が、駆動される可能性がある。異なる数の複合電極が、各組を形成する可能性があり、組の中の複合電極及び異なる複合電極は、異なる極性で駆動される可能性がある。一実施形態において、異なる数の複合電極が、各組を形成する可能性があり、組の中の複合電極及び異なる複合電極は、異なる電圧で駆動される可能性がある。そのような実施形態において、組からの信号は、同様に変調され、組として復調される。
【0088】
[00103]別の実施形態において、20個の複合電極の組が1半サイクル駆動される可能性があり、次いで、複合電極の新しい重なり合う組が駆動される。複合電極の第2の組は、1複合電極だけインクリメントされ、1つを除くすべての複合電極が、重なり合う。その他の実施形態において、これらの組は、異なる数の複合電極が重なり合うようにその他の量だけインクリメントされ得る。
【0089】
[00104]一実施形態において、複合電極は、処理システム110若しくはDDICに直接結合されるか、又は選択トランジスタ(selection transistor)及び仲裁トランジスタ(arbitration transistor)を介して接続される可能性がある。電極は、処理システム110のトランスミッタ回路に異なる又は複数の点で(例えば、左端、右端、又は両端で)結合され得る。トランスミッタ信号は、方形波、台形波、又は何らかのその他の波形である可能性がある。図9の波形910、920、及び930は、トランスミッタ回路405によって送信され得るトランスミッタ信号のいくつかの例を示す。波形910、920、及び930は、複数の遷移(例えば、2つ以上)が、送信されたトランスミッタ信号の波形において行われ、それらの遷移が非表示更新期間(例えば、水平帰線消去期間又は垂直帰線消去期間)中に発生するように時間を決められる可能性があることを示すことが留意されるべきであり、以下でさらに説明される。帰線消去期間中、遷移は、表示更新に対して最小限の影響しか与えないが、タッチ感知のためのサンプリング(復調)に十分な遷移をもたらすことができる。
【0090】
[00105]レシーバ回路415は、送信されたトランスミッタ信号(例えば、遷移)に対応する結果として生じた信号をレシーバ電極によって受信するように動作する。受信された結果として生じた信号は、トランスミッタ電極によって送信された(1つ又は複数の)トランスミッタ信号の何らかのバージョンに対応し、それを含む可能性がある。しかし、これらの送信されたトランスミッタ信号は、要因の中でもとりわけ、浮遊容量、干渉(雑音)、及び/又は回路の欠陥のために、結果として生じた信号において修正又は変更される可能性があり、したがって、それらのトランスミッタ信号の送信されたバージョンとはわずかに又は著しく異なる可能性がある。駆動されたトランスミッタ電極(複合電極)の異なる組に対応する結果として生じた信号の復調は、異なるタイミング(例えば、遅らされた若しくは延長された積分及びサンプリング)を含む可能性があるか、又は代替的に、それらのタイミングは、すべて実質的に同様である可能性がある。結果として生じた信号は、ある時間間隔の間に1つ又は複数のレシーバ電極で受信され得る。一実施形態において、低電力モードでは、より少ないレシーバ電極が使用される可能性がある。図3A〜3Dは、レシーバ回路415によって受信される結果として生じた信号のサンプリングを示す。一実施形態において、結果として生じた信号は、結合静電容量に対するユーザ入力の影響によってやはり変えられ得る。
【0091】
[00106]持続時間チェンジャー755は、ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新時間の継続時間を変えるように動作することができる。これは、水平帰線消去期間、又は垂直帰線消去ラインの数(若しくは垂直帰線消去期間の継続時間)のうちの1つ又は複数の変化である可能性がある。一実施形態において、継続時間の変化は、干渉の量に基づいて継続時間チェンジャー755によって開始される。例えば、継続時間チェンジャー755は、周囲からの干渉を測定することを含む、復調種類セレクタ435に関連して説明された方法のうちの任意の方法で干渉の量を測定し、比較することができる。継続時間の変化は、複合電極によって第1のトランスミッタ信号を送信することから、複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こす。第2のトランスミッタ信号は、第1のトランスミッタ信号の第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する。継続時間の変化は、ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変更しない。「実質的に〜ない」によって意味されるのは、リフレッシュレートが、ディスプレイデバイスを見る人に対する見え方、及び任意の画像/ビデオ同期に対する最小限の影響を目に見えて変えない、枠にリフレッシュレートの小さな割合を足した範囲、又は枠からリフレッシュレートの小さな割合を引いた範囲内に維持されることである。一実施形態において、継続時間チェンジャー755は、結果として生じた信号が復調される時間の長さを変えるか、又は結果として生じた信号(例えば、垂直帰線消去期間中に駆動された複合電極に対応する結果として生じた信号)の復調された組の間の時間の長さを変えるように動作し得る。さまざまな実施形態において、結果として生じた信号は、一定の数の復調サイクルを維持するために異なる継続時間の間及び/又は異なる周波数に関して復調され得る。
【0092】
[00107]一実施形態において、継続時間チェンジャー755は、ディスプレイデバイスのピクセル表示行(又はフレーム)の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすこと(例えば、水平帰線消去期間の長さを増やすこと、又は垂直帰線消去ラインの数を増やすこと)によって少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更する。一実施形態において、継続時間チェンジャー755は、ディスプレイデバイスのピクセル表示行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすこと(例えば、水平帰線消去期間の長さを減らすこと、又は垂直帰線消去ラインの数を減らすこと)によって少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更する。一実施形態において、監視されたLCD信号(例えば、ティアイネーブル(Tear Enable)(TE)水平行タイミング信号又は垂直フレームタイミング信号)が、送信のために使用される水平帰線消去期間及び垂直帰線消去期間を検出、予測、及び変更するために使用され得る。
【0093】
[00108]ディスプレイ更新回路765は、第1のトランスミッタ信号及び第2のトランスミッタ信号をディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって表示更新機能を実行するように動作する。例えば、第1の及び第2のトランスミッタ信号は、ディスプレイデバイスを更新するために利用されており、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極として同時に使用されている複合電極を用いて送信され得る。
一体化された静電容量式センサー及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する例示的な方法
【0094】
[00109]図8は、さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する例示的な方法の流れ図800を示す。例示を目的として、流れ図800の説明において、図7の処理システム110Bのコンポーネントに対する参照がなされる。一部の実施形態においては、流れ図800に示された手順のすべてが実施されるわけではない。一部の実施形態において、示された手順に加えてその他の手順が実施され得る。一部の実施形態において、流れ図800に示された手順は、図示された及び/又は説明された順序とは異なる順序で実施され得る。
【0095】
[00110]流れ図800の810において、一実施形態では、第1のトランスミッタ信号が、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって送信される。複合電極は、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される。第1のトランスミッタ信号は、第1の周波数を有する。一実施形態において、トランスミッタ回路405が、複合電極によって送信される第1のトランスミッタ信号を駆動する。
【0096】
[00111]流れ図800の820において、一実施形態では、複合電極によって第1のトランスミッタ信号を送信することから、複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えが行われる。一実施形態において、トランスミッタ回路405が、第1のトランスミッタ信号を駆動する。一実施形態において、切り替えは、上述の方法で継続時間チェンジャー755によって行われる。切り替えは、ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更すること(例えば、1つ若しくは複数の水平帰線消去期間を変えること、又は垂直帰線消去ラインの数若しくは継続時間を変えること)を含む。一実施形態において、切り替えは、複合電極の組が静電容量の変化を測定するために駆動される時間の長さを変更すること、又は複合電極の駆動される組の間の時間を変更することを含む。例えば、継続時間チェンジャー755が、ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間(例えば、1つ若しくは複数の水平帰線消去期間又は垂直帰線消去ライン)の継続時間を増やすか又は減らすことができる。第2のトランスミッタ信号は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する。一部の実施形態において、トランスミッタの変調の繰り返し周期又は変調のサイクル時間が異なるか、又はパルス幅が異なる。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生し、ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変更しない。つまり、一部の実施形態において、フレームリフレッシュレートは、全く変わらないか、又はそうでなければ、ディスプレイデバイスを見る人にはっきりと認知されない何らかの小さな量だけ変わり得る。第1のトランスミッタ信号と第2のトランスミッタ信号の間で、リフレッシュレートにこれよりも大きな変更を加える可能性があるが、大きな変更は、ディスプレイデバイスを使う人/見る人、又はそのデバイスとのビデオ若しくは画像同期を用いる使う人/見る人に対してその変更が引き起こす可能性がある任意のあり得る悪い視覚的影響を防ぐために重みづけされるべきである。
【0097】
[00112]第1の及び第2のトランスミッタ信号は、方形波、台形波、又はその他の波形などの波形である。一部の実施形態において、第1のトランスミッタ信号及び第2のトランスミッタ信号のどちらか又は両方が送信され、(1つ又は複数の)信号がトランスミッタ信号が使用されているディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する2つ以上の遷移を含むように時間を決められる。
【0098】
[00113]830において、一実施形態では、流れ図800の方法は、信号周期の一部の間第1のトランスミッタ信号を使用してディスプレイデバイスを更新する手順をさらに含む。一実施形態において、例えば、ディスプレイ更新回路765が、第1のトランスミッタ信号と第2のトランスミッタ信号の両方をディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって表示更新機能を実行するように動作する。例えば、第1の及び第2のトランスミッタ信号は、(例えば、ライン反転ディスプレイ用に)ディスプレイデバイスを更新するために利用されており、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極として同時に使用されている複合電極を用いて送信され得る。一実施形態において、第1の及び第2のトランスミッタ信号は、(例えば、DC Vcomドット反転ディスプレイ用に)表示フレームの一部に関してディスプレイデバイスを更新するために利用されることができ、非表示更新時間中に送信するために利用されることができる。
【0099】
[00114]840において、一実施形態では、流れ図800の方法は、結果として生じた信号をレシーバ電極を用いて受信する手順をさらに含み、結果として生じた信号は、第1のトランスミッタ信号に対応する。一実施形態において、例えば、結果として生じた信号は、レシーバ電極によって受信され、回路415と通信可能なように結合されることができる。その他の実施形態において、レシーバ電極は、干渉を測定するために、結果として生じた信号をトランスミッタ信号が送信されていないときに受信することもできる。
【0100】
[00115]850において、一実施形態では、複合電極とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値が、決定される。第1の測定値は、手順840において受信される結果として生じた信号に基づいて決定される。例えば、計算回路445が、(もしあれば)トランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定することができる。
【0101】
[00116]860において、一実施形態では、位置情報が決定される。この位置情報は、手順860の第1の測定値に基づいて決定される。例えば、計算回路445が、感知領域120に対する入力オブジェクト(もしあれば)の位置情報を決定することができる。
第3節
干渉を防止するためのディスプレイの非表示更新時間中の感知
【0102】
[00117]一部の実施形態において、トランスミッタ信号は、信号対雑音比及び干渉感受性を改善するために、非表示更新時間(例えば、水平帰線消去期間又は垂直帰線消去期間)中にピクセル行更新の前に2回以上遷移させられる可能性がある。その他の実施形態において、非表示更新時間は、表示ラインの行更新と行更新の間、及び/又はその他の時間に発生する可能性がある。さまざまな実施形態において、表示フレームは、プログレッシブ方式又はインターレース方式で更新され得る(例えば、第1の表示フレーム中は、表示の第1の半分又は部分が更新され、第2の表示フレーム中は、表示の第2の半分又は部分が更新され、2つの半分又は部分がインターレースされる)。一実施形態において、第1の非表示更新時間が、表示フレームの第1のピクセル行の更新に関連し、第2の非表示更新時間が、表示フレームの第2のピクセル行の更新に関連する。一実施形態において、第1の非表示更新時間が、表示フレームの第1のインターレースされた部分の更新に関連し、第2の非表示更新時間が、表示フレームの第2のインターレースされた部分に関連する。一実施形態において、同じ非表示更新時間が、フレームレート(又はフレームレートの一部)で繰り返され、非表示更新時間のあらゆる変化は、目に見える影響を最小化するために最も小さな空間的分離で行われる。
【0103】
[00118]図9は、さまざまな実施形態による、非表示更新時間中の遷移を伴う3つのトランスミッタ信号910、920、及び930を示す。図9において、トランスミッタ信号910は2つの遷移を有し、トランスミッタ信号920は3つの遷移を有し、トランスミッタ信号930は4つの遷移を有する。これらのトランスミッタ信号910、920、930のそれぞれは、表示行に関連する非表示更新時間(例えば、図9に示されるライン更新前時間又はライン更新後時間)中に遷移が発生するように時間を決められた遷移を有する。さまざまな実施形態において、トランスミッタ信号910、920、930は、ピーク振幅の半分(例えば、((Vcom+)+Vcom−)/2)に等しい平均出力を有する可能性がある。平均電圧を((Vcom+)+Vcom−)/2)付近に維持することは、表示品質に良い影響を与える可能性がある。一実施形態において、平均Vcom電圧は、DC Vcom電圧である。
【0104】
[00119]図9は、2遷移トランスミッタ信号910、3遷移トランスミッタ信号920、及び4遷移トランスミッタ信号930が2つ以上の信号サンプルの対をもたらす可能性があることを示す。その他の実施形態において、その他の数の遷移が使用される可能性もある。一部の実施形態において、5つ以上の遷移が使用される可能性があり、電極の2つ以上の組がスキャンされる可能性がある。一実施形態において、21以上の遷移が使用される可能性がある。奇数個の遷移を有するトランスミッタ信号(例えば、920)は、ディスプレイがライン反転を使用してスキャンされる(例えば、Vcom電圧が、ピクセル表示行をスキャンするときに2つの電圧の間を交互に変わる)ときに(概して)使用される。2、4、6、又はそれを超える遷移などの偶数個の遷移を有するトランスミッタ信号(例えば、910、930)は、ディスプレイがドット反転を使用してスキャンされる(例えば、Vcom電圧が、ピクセル表示行をスキャンするときに一定の電圧に戻る)ときに(概して)使用される。正のサンプルと負のサンプルの両方が、単一の遷移しか存在しないときでさえも復調され得るか、又はより少ないサンプル(例えば、反対の若しくは同じ極性の2つのサンプルのみ)が、より多くの(例えば、3つ若しくは4つの)遷移が発生し、すべての遷移の振幅が同じである必要はないときでさえも使用され得る。二重サンプリングが、上述のように重なり合わない感受性の曲線を可能にする。別の実施形態において、継続時間の変化が、表示フレームの2つ以上の非表示更新中の遷移の継続時間を変える可能性がある。そのような実施形態において、復調される遷移の数は、異なる感知周波数で一定に維持されることができる。
【0105】
[00120]一実施形態において、有効な遷移の最大数が、複合電極の整定時間に対応する。さらに、その他の実施形態において、ピクセルを更新するための時間の最大量が、複合電極の整定時間にやはり対応する。その他の実施形態において、複合電極の整定時間が改善される(例えば、短縮される)とき、遷移の数及び/又は非表示更新時間の量は、増やされ得る。一実施形態において、複合電極の整定時間は、各複合電極を、複合電極の長さに沿った1つ又は複数の位置の1つ又は複数の低インピーダンスドライバに結合することによって改善され得る。さらに、その他の実施形態において、レシーバ電極の整定時間が、処理システム110を各レシーバ電極の長さに沿った2つ以上の位置で結合すること、各レシーバ電極の厚さ及び/若しくは幅を増やすこと、さらなる低抵抗材料を使用すること、又は各レシーバ電極の抵抗若しくは静電容量を減らすための任意のその他の手段を使用することによって改善され得る。
第3の例示的な処理システム
【0106】
[00121]図10は、さまざまな実施形態による、入力デバイス(例えば、入力デバイス100)で利用され得る第3の例示的な処理システム110Cを示す。処理システム110Cは、1つ若しくは複数のASIC、1つ若しくは複数のIC、1つ若しくは複数のコントローラ、又はこれらの何らかの組み合わせで実装され得る。一実施形態において、処理システム110Cは、入力デバイス100の感知領域120の複数の複合電極及び複数のレシーバ電極と通信可能なように結合される。入力デバイス100の一実施形態において、処理システム110Cは、トランスミッタ回路405と、レシーバ回路415とを含む。一部の実施形態は、復調回路425、復調種類セレクタ435、計算回路445、継続時間チェンジャー755、及び/又は表示更新回路765のうちの1つ又は複数をさらに含む。
【0107】
[00122]処理システム110C、及びその処理システム110Cが一部である入力デバイス100が、ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス600)などの電子システム150に配置される、及び/又は電子システム150と通信可能なように結合される。1つのそのような一体化された実施形態において、複合電極が、(例えば、ディスプレイデバイスのディスプレイと一体化されるタッチ感知デバイスのための)表示更新機能と静電容量式感知機能の両方をサポートするために利用される。したがって、トランスミッタ回路405によってこれらの複合電極で駆動されるトランスミッタ信号は、表示更新及びタッチ感知の両方の目的で働く。図1Bのセンサーパターン(複合電極160及びレシーバ電極170)をディスプレイデバイスの表示ピクセルラインで覆い、それらの表示ピクセルラインと一体化することは、そのような実施形態の一例である。
【0108】
[00123]トランスミッタ回路405は、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって送信されるトランスミッタ信号を駆動するように動作する。トランスミッタ信号は、表示更新期間中と、さらにディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中との両方で、低インピーダンストランスミッタを用いて送信される。一実施形態において、例えば、トランスミッタ回路405は、図9のトランスミッタ信号920などのトランスミッタ信号を駆動し、トランスミッタ信号は、ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に(例えば、表示行の後の水平帰線消去期間中に、又はフレームで更新される最後の表示行の後の垂直帰線消去期間中に)少なくとも2回遷移する。一実施形態において、トランスミッタ回路405は、複数の複合電極(例えば、複数のピクセル行)で同時に送信するように構成される。
【0109】
[00124]レシーバ回路415は、結果として生じた信号を、非表示更新期間中に(例えば、遷移が行われているときの水平帰線消去期間中に)レシーバ電極を用いて受信するように動作する。結果として生じた信号は、上述のようにトランスミッタ信号に対応するが、送信されたトランスミッタ信号の一部又はすべての内容に加えて干渉(雑音)又はその他の入力を含む可能性がある。一実施形態において、送信されたトランスミッタ信号は、2つ以上の表示行更新に関連する可能性がある。一実施形態において、一連の20の行更新が、20個の複合電極の同じ組が同様の変調で駆動される間に発生する。
【0110】
[00125]一実施形態において、処理システム110Cは、複合電極(又は複合電極の組)とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの第1の測定値が結果として生じた信号に対応すると判定し、トランスキャパシタンスカップリングのこの第1の測定値を、感知領域120に対する入力オブジェクト(もしあれば)の位置情報を決定するのに使用する。一実施形態において、これらの機能は、処理システム110Cに含まれる場合には計算回路445によって実行される。
【0111】
[00126]一実施形態において、処理システム110Cは、一体化された静電容量式センサー及びディスプレイデバイスのディスプレイデバイス部分のための表示更新信号を送信する。表示更新信号は、複合電極に結合されたピクセル更新電極を用いて送信される。一実施形態において、この機能は、処理システム110Cに含まれる場合には表示更新回路765によって実行される。一実施形態においては、同期パルスが、別個の静電容量式感知デバイスと別個のディスプレイデバイスの間で伝達される。一実施形態において、同期された信号は、表示フレームの位相に基づく。さまざまな実施形態において、同期された信号は、更新されている表示ピクセル行、フレーム周期、又はフレーム周期の倍数に基づく。一実施形態において、クロック周波数が、静電容量式感知デバイスとディスプレイデバイスの間で共有され得る。クロック周波数は、ピクセルクロック又は分割されたピクセルクロックを含み得る。
【0112】
[00127]一実施形態において、処理システム110Cは、図4及び処理システム110Aに関連して既に説明されたように、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、結果として生じた信号を、結果として生じた信号を復調する第1の手法とは異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得することができる復調回路425を含む。
【0113】
[00128]一実施形態において、処理システム110Cは、図4及び処理システム110Aに関連して既に説明されたように、位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへ復調回路を切り替えることができる復調種類セレクタ435を含む。切り替えは、1つ又は複数の復調された出力中に処理システム110Cによって検出される干渉の量に少なくとも部分的に基づく可能性がある。
【0114】
[00129]一実施形態において、処理システム110Cは、図7及び処理システム110Bに関連して既に説明されたように、ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更することができる継続時間チェンジャー755を含む。これは、水平帰線消去期間、又は垂直帰線消去ラインの期間のうちの1つ又は複数の変化である可能性がある。一実施形態において、継続時間の変化は、干渉の量に基づいて継続時間チェンジャー755によって開始される。別の実施形態において、継続時間の変化は、(例えば、静電容量式感知処理システムとディスプレイドライバの間の)同期信号によって開始される。例えば、継続時間チェンジャー755は、周囲からの干渉の測定を含む、復調種類セレクタ435に関連して説明された方法のうちの任意の方法で干渉の量を測定し、比較することができる。継続時間の変化は、複合電極によって第1のトランスミッタ信号を送信することから、複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こす。第2のトランスミッタ信号は、第1のトランスミッタ信号の第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する。継続時間の変化は、ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変更しない。「実質的に〜ない」によって意味されるのは、一実施形態においては、リフレッシュレートが、プラス1ヘルツ又はマイナス1ヘルツの枠内に維持されることである。この枠は、プラス0.5ヘルツ若しくはマイナス0.5ヘルツのようにより小さいか、又はプラス3ヘルツ若しくはマイナス3ヘルツのようにより大きい可能性がある。さまざまな実施形態において、表示フレームリフレッシュレートは、表示画像又は表示ビデオソースを用いて制御され、それらのソースと同期される可能性がある。1つのそのような実施形態において、これは、フレームごとにフレーム内の異なる非表示更新時間の継続時間を変更する可能性がある。
一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた感知の例示的な方法
【0115】
[00130]図11A〜11Cは、さまざまな実施形態による、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の例示的な方法の流れ図1100を示す。例示を目的として、流れ図1100の説明において、図10の処理システム110Cのコンポーネントに対する参照がなされる。一部の実施形態においては、流れ図1100に示された手順のすべてが実施されるわけではない。一部の実施形態において、示された手順に加えてその他の手順が実施され得る。一部の実施形態において、流れ図1100に示された手順は、図示された及び/又は説明された順序とは異なる順序で実施され得る。
【0116】
[00131]流れ図1100の1110において、一実施形態では、第1のトランスミッタ信号が、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって送信される。複合電極は、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される。第1のトランスミッタ信号は、第1の周波数を有し、ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2つの異なる信号電圧に少なくとも2回遷移する(例えば、図9のトランスミッタ信号910、920、及び930参照)。一実施形態において、トランスミッタ回路405が、複合電極によって送信される第1のトランスミッタ信号を駆動する。第1のトランスミッタ信号は、フレーム時間の一部の間、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのディスプレイ部分を更新するための表示更新信号として働くことができる。一実施形態において、トランスミッタ回路405は、非表示更新時間中に、第2の行に関連する第2の送信されるトランスミッタ信号を駆動する。
【0117】
[00132]流れ図1100の1120において、一実施形態では、ディスプレイデバイスの表示のピクセルが、更新期間中に更新される。一実施形態において、表示更新回路765が、トランスミッタ信号がピクセル更新時間(例えば、図6のピクセル更新時間640参照)中に送信されている間にこの更新を実行する。
【0118】
[00133]流れ図1100の1130において、一実施形態では、結果として生じた信号が、非表示更新期間中に、一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのレシーバ電極によって受信される。上述のように、結果として生じた信号は、第1のトランスミッタ信号に対応する。一実施形態において、結果として生じた信号は、本明細書において既に説明された方法のうちの任意の方法でレシーバ回路415によって受信される。
【0119】
[00134]1140において、一実施形態では、流れ図1100の方法は、結果として生じた信号に基づいて、複合電極(又は複合電極の組)とレシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定する手順をさらに含む。一実施形態において、計算回路455が、トランスキャパシタンスカップリングの変化のこの第1の測定値を決定する。
【0120】
[00135]流れ図1100の1150において、一実施形態では、方法は、1140で決定されたトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値に基づいて、感知領域に対する入力オブジェクトの位置情報(もしあれば)を決定する。一実施形態において、この位置情報決定機能は、計算回路455によってやはり実行される。
【0121】
[00136]530において、一実施形態では、流れ図1100の方法は、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得する手順をさらに含む。一実施形態において、復調回路425が、結果として生じた信号を、その復調回路425が復調することができる複数の異なる手法のうちの第1の手法で復調することによってこの第1の復調された出力を取得する。
【0122】
[00137]流れ図1100の540において、一実施形態では、第2の復調された出力が、結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって取得され、第2の手法と第1の手法とは互いに異なる。一実施形態において、復調回路425が、結果として生じた信号を、その復調回路425が復調することができる複数の異なる手法のうちの第2の手法で復調することによってこの第2の復調された出力を取得する。復調の第1の手法及び第2の手法は異なる可能性があり、その理由は、第2の手法では第1の手法とは異なるようにサンプルが重みづけされるため、第2の手法では第1の手法とは異なる位相でサンプルがサンプリングされるため、第2の手法では第1の手法とは異なる数のサンプルが使用されるため、及び/又は第2の手法が第1の手法とは異なる1つ若しくは複数のサンプル間時間間隔を利用するためであることが理解される。
【0123】
[00138]流れ図1100の550において、一実施形態では、方法は、位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへ切り替える。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づく。一実施形態において、復調種類セレクタ435が、いつ、どの種類の復調に切り替えるべきかを決定する。一実施形態において、干渉の量は、第1の復調された出力の干渉の測定値に基づく。一実施形態において、干渉の量は、第2の復調された出力の干渉の測定値に基づく。量は、互いに、又は所定の尺度と比較され得る。一実施形態において、干渉の量は、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によって送信されていない時間の間の周囲/環境からの(非センサー)干渉の測定値である。例えば、レシーバ回路415が、トランスミッタ信号がトランスミッタ回路405によってどの複合電極を使っても送信されていない期間中に、レシーバ電極から第2の結果として生じた信号を受信する。一実施形態において、復調回路425が、この第2の結果として生じた信号を第1の手法及び第2の手法のうちの1つで復調し、第3の復調された出力に存在する干渉の量を判定することによってこの第3の復調された出力を取得する。次に、第3の復調された出力からのこの干渉の量が、使用するために複数の異なる種類の復調(例えば、第1の種類、第2の種類など)の中から選択をするための根拠として使用される。
【0124】
[00139]820において、一実施形態では、流れ図1100の方法は、複合電極によって第1のトランスミッタ信号を送信することから、複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替える手順をさらに含む。一実施形態において、トランスミッタ回路405が、第1のトランスミッタ信号を駆動する。一実施形態において、切り替えは、上述の方法で継続時間チェンジャー755によって行われる。切り替えは、ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更すること(例えば、1つ若しくは複数の水平帰線消去期間を変えること、若しくは垂直帰線消去ラインの数を変えること)、又は非表示更新時間中の1つのトランスミッタの継続時間(例えば、複合電極で送信する時間、若しくは送信と送信の間の時間)を変更すること含む。例えば、継続時間チェンジャー755が、ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間(例えば、1つ又は複数の水平帰線消去期間)の継続時間を増やすか又は減らすことができる。第2のトランスミッタ信号は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生し、ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変更しない。つまり、一部の実施形態において、リフレッシュレートは、全く変わらないか、又はそうでなければ、ディスプレイデバイスを見る人にはっきりと認知されない何らかの小さな割合だけ変わり得る。一例において、リフレッシュレートは、1Hz未満の何らかの量だけ変わり得る。第2のトランスミッタ信号によってリフレッシュレートにこれよりも大きな変更を加える可能性があるが、そのような変更は、ディスプレイデバイスを使う人/見る人に対してその変更が引き起こす可能性がある任意の悪い視覚的影響を防ぐために重みづけされるべきである。別の実施形態においては、第1の複合電極でトランスミッタ信号を送信する継続時間が、変更される。さらなる実施形態においては、第2の複合電極でトランスミッタ信号を送信する継続時間が、変更される。さらに別の実施形態においては、第1の複合電極及び第2の複合電極が、同時に変調される。
【0125】
[00140]第1の及び第2のトランスミッタ信号は、方形波、台形波、又はその他の波形などの波形である。一部の実施形態において、第1のトランスミッタ信号及び第2のトランスミッタ信号のどちらか又は両方が送信され、(1つ又は複数の)信号がトランスミッタ信号が使用されているディスプレイデバイスの第1の部分(例えば、第1のピクセル行又は行の組)の更新に関連する非表示更新期間中に発生する2つ以上の遷移を含むように時間を決められる。一部の実施形態において、第1のトランスミッタ信号及び第2のトランスミッタ信号は、トランスミッタ信号が使用されているディスプレイデバイスの第2の部分(例えば、第2のピクセル行又は行の組)の更新に関連する。
【0126】
[00141]一実施形態において、流れ図1100の方法は、第1のトランスミッタ信号を使用してディスプレイデバイスを更新することをさらに含む。一実施形態において、例えば、ディスプレイ更新回路765が、第1のトランスミッタ信号及び第2の電気信号をディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって表示更新機能を実行するように動作する。例えば、第1の及び第2のトランスミッタ信号は、ディスプレイデバイスを更新するために利用されており、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極として同時に使用されている複合電極を用いて送信され得る。
【0127】
[00142]したがって、本明細書において説明された実施形態及び例は、本発明及び本発明の特定の応用を最もうまく説明するため、及びそれによって当業者が本発明を実施し、使用することを可能にするために示された。しかし、当業者は、上述の説明及び例が、説明及び例示のみを目的として示されたことを認めるであろう。示された説明は、網羅的であるように、又は本発明を開示された形態に厳密に限定するように意図されていない。
【0128】
[00143]好ましくは、本明細書において説明されたすべての要素、部分、及びステップが含まれる。当業者に明らかであろうように、これらの要素、部分、及びステップのうちの任意のものが、その他の要素、部分、及びステップによって置き換えられるか、又は完全に削除され得ることを理解されたい。
【0129】
[00144]概して、本明細書は、静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する方法において、トランスミッタ信号が、静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によって送信されることを開示する。結果として生じた信号が、静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信される。結果として生じた信号は、トランスミッタ信号に対応する。第1の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって取得される。第2の復調された出力が、結果として生じた信号を第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって取得される。位置情報を決定するために第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために第2の復調された出力を使用することへの切り替えが行われる。切り替えは、干渉の量に少なくとも部分的に基づく。
【0130】
概念
[00145]本明細書は、少なくとも以下の概念を開示した。
概念1.
静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する方法であって、
前記静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信するステップと、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信するステップと、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調するサブステップによって第1の復調された出力を取得するステップと、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調するサブステップによって第2の復調された出力を取得するステップと、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるステップとを含む、方法。
概念2.
前記干渉の量が第1の量未満であるとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む概念1に記載の方法。
概念3.
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む概念1に記載の方法。
概念4.
トランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信する前記ステップが、
前記トランスミッタ信号がディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含むように前記トランスミッタ信号を送信するサブステップであり、前記ディスプレイデバイスが前記静電容量式センサーデバイスの感知領域に少なくとも部分的に重なる、サブステップを含む概念1に記載の方法。
概念5.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なるようにサンプルを重みづけすることを含む概念1に記載の方法。
概念6.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なる位相でサンプリングすることを含む概念1に記載の方法。
概念7.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なる数のサンプルを利用することを含む概念1に記載の方法。
概念8.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なるサンプル間時間間隔を利用することを含む概念1に記載の方法。
概念9.
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、前記第1の復調された出力の測定値に基づく、サブステップを含む概念1に記載の方法。
概念10.
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、前記第2の復調された出力の測定値に基づく、サブステップを含む概念1に記載の方法。
概念11.
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、第3の復調された出力の測定値に基づき、前記第3の復調された出力が、第2の結果として生じた信号を前記第1の手法及び前記第2の手法のうちの1つで復調することによって取得され、前記第2の結果として生じた信号が、トランスミッタ信号が前記トランスミッタ電極によって送信されていない期間中に前記レシーバ電極によって受信される、サブステップを含む概念1に記載の方法。
概念12.
静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであって、
前記静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信するように構成されたレシーバ回路と、
復調回路であり、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された、復調回路と、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ前記復調回路を切り替えるように構成された復調種類セレクタとを備える、処理システム。
概念13.
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記測定値を利用するように構成された計算回路をさらに備える概念12に記載の処理システム。
概念14.
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記測定値を利用するように構成された計算回路をさらに備える概念12に記載の処理システム。
概念15.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なるようにサンプルを重みづけするように構成されている前記復調回路を備える概念12に記載の処理システム。
概念16.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なる位相でサンプリングするように構成されている前記復調回路を備える概念12に記載の処理システム。
概念17.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なる数のサンプルを利用するように構成されている前記復調回路を備える概念12に記載の処理システム。
概念18.
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なるサンプル間時間間隔を利用するように構成されている前記復調回路を備える概念12に記載の処理システム。
概念19.
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
静電容量式感知デバイスのレシーバ電極であり、前記複合電極の近くに配置され、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記複合電極及び前記レシーバ電極と通信可能なように結合された処理システムであり、
前記複合電極によってトランスミッタ信号を送信し、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信し、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得し、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるように構成された、処理システムとを備える入力デバイス。
概念20.
前記処理システムが、
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定し、
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第2の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記第1の測定値及び前記第2の測定値のうちの1つを利用するようにさらに構成される概念19に記載の入力デバイス。
概念21.
一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する方法であって、
前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信するステップであり、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される、ステップと、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変えるサブステップにより、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替えるステップであり、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、切り替える前記ステップが、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、ステップとを含む、方法。
概念22.
前記第1のトランスミッタ信号を用いて前記ディスプレイデバイスを更新するステップをさらに含む概念21に記載の方法。
概念23.
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号をレシーバ電極によって受信するステップと、
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定するステップと、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するステップとをさらに含む概念21に記載の方法。
概念24.
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことを含む概念21に記載の方法。
概念25.
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことを含む概念21に記載の方法。
概念26.
前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替える前記ステップが、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを変更しない概念21に記載の方法。
概念27.
前記第1のトランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む概念21に記載の方法。
概念28.
静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであって、
複合電極を用いて第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路であり、前記複合電極が、表示更新とタッチ感知の両方のために構成される、トランスミッタ回路と、
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極を用いて受信するように構成されたレシーバ回路と、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成された継続時間チェンジャーであり、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、継続時間チェンジャーとを備える、処理システム。
概念29.
前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの表示更新機能を実行するように構成された表示更新回路をさらに備える概念28に記載の処理システム。
概念30.
前記表示更新回路が、前記第1のトランスミッタ信号を前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって前記表示更新機能を実行するように構成される概念29に記載の処理システム。
概念31.
前記継続時間チェンジャーが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される概念28に記載の処理システム。
概念32.
前記継続時間チェンジャーが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される概念28に記載の処理システム。
概念33.
前記第1のトランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する少なくとも1つの非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む概念28に記載の処理システム。
概念34.
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定し、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するように構成される概念28に記載の処理システム。
概念35.
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
前記複合電極の近くのレシーバ電極であり、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記複合電極及び前記レシーバ電極と通信可能なように結合された処理システムであり、
前記複合電極を用いて第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信し、
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記レシーバ電極を用いて受信し、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成され、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、処理システムとを備えるタッチスクリーンデバイス。
概念36.
前記処理システムが、前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの表示更新機能を実行するように構成される概念35に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念37.
前記処理システムが、前記第1のトランスミッタ信号を前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって、前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの前記表示更新機能を実行するように構成される概念36に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念38.
前記処理システムが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される概念35に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念39.
前記処理システムが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される概念35に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念40.
前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する少なくとも1つの非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む概念35に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念41.
一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の方法であって、
前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によってトランスミッタ信号を送信するステップであり、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成され、前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2回遷移する、ステップと、
更新期間中に前記ディスプレイデバイスの表示を更新するステップと、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中に前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのレシーバ電極によって受信するステップとを含む、方法。
概念42.
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定するステップと、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するステップとをさらに含む概念41に記載の方法。
概念43.
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調するサブステップによって第1の復調された出力を取得するステップと、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調するサブステップによって第2の復調された出力を取得するステップと、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるステップとをさらに含む概念41に記載の方法。
概念44.
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む概念43に記載の方法。
概念45.
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む概念43に記載の方法。
概念46.
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、第3の復調された出力の測定値に基づき、前記第3の復調された出力が、第2の結果として生じた信号を前記第1の手法及び前記第2の手法のうちの1つで復調することによって取得され、前記第2の結果として生じた信号が、トランスミッタ信号が前記複合電極によって送信されていない期間中に前記レシーバ電極によって受信される、サブステップを含む概念43に記載の方法。
概念47.
前記トランスミッタ信号が第1の周波数を有し、前記方法が、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変えるサブステップにより、前記第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信することから、第2の周波数を有する第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替えるステップであり、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、ステップをさらに含む概念41に記載の方法。
概念48.
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間の継続時間を増やすことを含む概念47に記載の方法。
概念49.
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間の継続時間を減らすことを含む概念47に記載の方法。
概念50.
トランスミッタ信号を送信する前記ステップが、
前記トランスミッタ信号を、前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として送信するサブステップを含む概念41に記載の方法。
概念51.
ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に一体化された静電容量式センサーデバイス及び前記ディスプレイデバイスの複合電極によってトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路であり、前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間中に少なくとも2回遷移し、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される、トランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中にレシーバ電極によって受信するように構成されたレシーバ回路とを備える処理システム。
概念52.
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの第1の測定値を決定し、
位置情報の決定に前記第1の測定値を使用するように構成される概念51に記載の処理システム。
概念53.
前記トランスミッタ回路が、
前記ディスプレイデバイスのための表示更新信号を送信するように構成され、前記表示更新信号が、前記複合電極によって送信される概念51に記載の処理システム。
概念54.
復調回路であり、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された、復調回路と、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ前記復調回路を切り替えるように構成された復調種類セレクタとをさらに備える概念51に記載の処理システム。
概念55.
前記処理システムが、前記トランスミッタ回路を利用して第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信するように構成され、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成された継続時間チェンジャーであり、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ前記トランスミッタ回路を切り替えさせ、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、継続時間チェンジャーをさらに備える概念51に記載の処理システム。
概念56.
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
前記複合電極の近くのレシーバ電極であり、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記ディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであり、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2回遷移するトランスミッタ信号を、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間中に前記複合電極によって送信し、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中に前記レシーバ電極によって受信するように構成された、処理システムとを備えるタッチスクリーンデバイス。
概念57.
前記処理システムが、
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記測定値に基づいて位置情報を決定するように構成される概念56に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念58.
前記処理システムが、
前記ディスプレイデバイスのための表示更新信号を送信するように構成され、前記表示更新信号が、前記複合電極によって送信される概念56に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念59.
前記処理システムが、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得し、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるようにさらに構成される概念56に記載のタッチスクリーンデバイス。
概念60.
前記処理が、
第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信し、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成され、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記トランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する概念56に記載のタッチスクリーンデバイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式センサーデバイスのための干渉を防止する方法であって、
前記静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信するステップと、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信するステップと、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調するサブステップによって第1の復調された出力を取得するステップと、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調するサブステップによって第2の復調された出力を取得するステップと、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記干渉の量が第1の量未満であるとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
トランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信する前記ステップが、
前記トランスミッタ信号がディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含むように前記トランスミッタ信号を送信するサブステップであり、前記ディスプレイデバイスが前記静電容量式センサーデバイスの感知領域に少なくとも部分的に重なる、サブステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なるようにサンプルを重みづけすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なる位相でサンプリングすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なる数のサンプルを利用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調する前記サブステップが、
前記第1の手法とは異なるサンプル間時間間隔を利用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、前記第1の復調された出力の測定値に基づく、サブステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、前記第2の復調された出力の測定値に基づく、サブステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、第3の復調された出力の測定値に基づき、前記第3の復調された出力が、第2の結果として生じた信号を前記第1の手法及び前記第2の手法のうちの1つで復調することによって取得され、前記第2の結果として生じた信号が、トランスミッタ信号が前記トランスミッタ電極によって送信されていない期間中に前記レシーバ電極によって受信される、サブステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであって、
前記静電容量式センサーデバイスのトランスミッタ電極によってトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信するように構成されたレシーバ回路と、
復調回路であり、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された、復調回路と、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ前記復調回路を切り替えるように構成された復調種類セレクタとを備える、処理システム。
【請求項13】
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記測定値を利用するように構成された計算回路をさらに備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項14】
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記トランスミッタ電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記測定値を利用するように構成された計算回路をさらに備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項15】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なるようにサンプルを重みづけするように構成されている前記復調回路を備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項16】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なる位相でサンプリングするように構成されている前記復調回路を備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項17】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なる数のサンプルを利用するように構成されている前記復調回路を備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項18】
前記結果として生じた信号を第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された前記復調回路が、
前記第1の手法とは異なるサンプル間時間間隔を利用するように構成されている前記復調回路を備える請求項12に記載の処理システム。
【請求項19】
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
静電容量式感知デバイスのレシーバ電極であり、前記複合電極の近くに配置され、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記複合電極及び前記レシーバ電極と通信可能なように結合された処理システムであり、
前記複合電極によってトランスミッタ信号を送信し、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極によって受信し、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得し、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるように構成された、処理システムとを備える入力デバイス。
【請求項20】
前記処理システムが、
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定し、
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第2の測定値を決定し、
前記位置情報の決定に前記第1の測定値及び前記第2の測定値のうちの1つを利用するようにさらに構成される請求項19に記載の入力デバイス。
【請求項21】
一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスにおいて干渉を防止する方法であって、
前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によって第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信するステップであり、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される、ステップと、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変えるサブステップにより、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替えるステップであり、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、切り替える前記ステップが、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、ステップとを含む、方法。
【請求項22】
前記第1のトランスミッタ信号を用いて前記ディスプレイデバイスを更新するステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号をレシーバ電極によって受信するステップと、
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定するステップと、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するステップとをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことを含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替える前記ステップが、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを変更しない請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のトランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む請求項21に記載の方法。
【請求項28】
静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであって、
複合電極を用いて第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路であり、前記複合電極が、表示更新とタッチ感知の両方のために構成される、トランスミッタ回路と、
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記静電容量式センサーデバイスのレシーバ電極を用いて受信するように構成されたレシーバ回路と、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成された継続時間チェンジャーであり、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、継続時間チェンジャーとを備える、処理システム。
【請求項29】
前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの表示更新機能を実行するように構成された表示更新回路をさらに備える請求項28に記載の処理システム。
【請求項30】
前記表示更新回路が、前記第1のトランスミッタ信号を前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって前記表示更新機能を実行するように構成される請求項29に記載の処理システム。
【請求項31】
前記継続時間チェンジャーが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される請求項28に記載の処理システム。
【請求項32】
前記継続時間チェンジャーが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される請求項28に記載の処理システム。
【請求項33】
前記第1のトランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する少なくとも1つの非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む請求項28に記載の処理システム。
【請求項34】
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定し、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するように構成される請求項28に記載の処理システム。
【請求項35】
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
前記複合電極の近くのレシーバ電極であり、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記複合電極及び前記レシーバ電極と通信可能なように結合された処理システムであり、
前記複合電極を用いて第1の周波数を有する第1のトランスミッタ信号を送信し、
前記第1のトランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を前記レシーバ電極を用いて受信し、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成され、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、処理システムとを備えるタッチスクリーンデバイス。
【請求項36】
前記処理システムが、前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの表示更新機能を実行するように構成される請求項35に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項37】
前記処理システムが、前記第1のトランスミッタ信号を前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として使用することによって、前記複合電極を用いて前記ディスプレイデバイスの前記表示更新機能を実行するように構成される請求項36に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項38】
前記処理システムが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を増やすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される請求項35に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項39】
前記処理システムが、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する非表示更新期間の継続時間を減らすことによって前記少なくとも1つの非表示更新期間の前記継続時間を変更するように構成される請求項35に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項40】
前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行の更新に関連する少なくとも1つの非表示更新期間中に発生する少なくとも2つの遷移を含む請求項35に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項41】
一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスを用いた静電容量式感知の方法であって、
前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの複合電極によってトランスミッタ信号を送信するステップであり、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成され、前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2回遷移する、ステップと、
更新期間中に前記ディスプレイデバイスの表示を更新するステップと、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中に前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスのレシーバ電極によって受信するステップとを含む、方法。
【請求項42】
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の第1の測定値を決定するステップと、
前記第1の測定値に基づいて位置情報を決定するステップとをさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調するサブステップによって第1の復調された出力を取得するステップと、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調するサブステップによって第2の復調された出力を取得するステップと、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるステップとをさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記干渉の量が第1の量を超えないとき、前記第1の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記干渉の量が第1の量を超えるとき、前記第2の復調された出力に基づいて前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定するステップと、
前記位置情報の決定に前記測定値を使用するステップとをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項46】
位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替える前記ステップが、
前記干渉の量に少なくとも部分的に基づいて前記第1の復調された出力を使用することから、前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるサブステップであり、前記干渉の量が、第3の復調された出力の測定値に基づき、前記第3の復調された出力が、第2の結果として生じた信号を前記第1の手法及び前記第2の手法のうちの1つで復調することによって取得され、前記第2の結果として生じた信号が、トランスミッタ信号が前記複合電極によって送信されていない期間中に前記レシーバ電極によって受信される、サブステップを含む請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記トランスミッタ信号が第1の周波数を有し、前記方法が、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変えるサブステップにより、前記第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信することから、第2の周波数を有する第2のトランスミッタ信号を送信することへ切り替えるステップであり、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、ステップをさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間の継続時間を増やすことを含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変える前記サブステップが、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間の継続時間を減らすことを含む請求項47に記載の方法。
【請求項50】
トランスミッタ信号を送信する前記ステップが、
前記トランスミッタ信号を、前記一体化された静電容量式センサーデバイス及びディスプレイデバイスの前記ディスプレイデバイスを更新するための表示更新信号として送信するサブステップを含む請求項41に記載の方法。
【請求項51】
ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に一体化された静電容量式センサーデバイス及び前記ディスプレイデバイスの複合電極によってトランスミッタ信号を送信するように構成されたトランスミッタ回路であり、前記トランスミッタ信号が、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間中に少なくとも2回遷移し、前記複合電極が、静電容量式感知と表示更新の両方のために構成される、トランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中にレシーバ電極によって受信するように構成されたレシーバ回路とを備える処理システム。
【請求項52】
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの第1の測定値を決定し、
位置情報の決定に前記第1の測定値を使用するように構成される請求項51に記載の処理システム。
【請求項53】
前記トランスミッタ回路が、
前記ディスプレイデバイスのための表示更新信号を送信するように構成され、前記表示更新信号が、前記複合電極によって送信される請求項51に記載の処理システム。
【請求項54】
復調回路であり、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得するように構成された、復調回路と、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ前記復調回路を切り替えるように構成された復調種類セレクタとをさらに備える請求項51に記載の処理システム。
【請求項55】
前記処理システムが、前記トランスミッタ回路を利用して第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信するように構成され、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成された継続時間チェンジャーであり、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記第1のトランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへ前記トランスミッタ回路を切り替えさせ、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する、継続時間チェンジャーをさらに備える請求項51に記載の処理システム。
【請求項56】
表示更新とタッチ感知の両方のために構成された複合電極を備えるディスプレイデバイスと、
前記複合電極の近くのレシーバ電極であり、タッチ感知のために構成された、レシーバ電極と、
前記ディスプレイデバイスと通信可能なように結合された処理システムであり、
前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する非表示更新期間中に少なくとも2回遷移するトランスミッタ信号を、前記ディスプレイデバイスの行更新に関連する前記非表示更新期間中に前記複合電極によって送信し、
前記トランスミッタ信号に対応する結果として生じた信号を、前記非表示更新期間中に前記レシーバ電極によって受信するように構成された、処理システムとを備えるタッチスクリーンデバイス。
【請求項57】
前記処理システムが、
前記結果として生じた信号に基づいて、前記複合電極と前記レシーバ電極の間のトランスキャパシタンスカップリングの変化の測定値を決定し、
前記測定値に基づいて位置情報を決定するように構成される請求項56に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項58】
前記処理システムが、
前記ディスプレイデバイスのための表示更新信号を送信するように構成され、前記表示更新信号が、前記複合電極によって送信される請求項56に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項59】
前記処理システムが、
前記結果として生じた信号を第1の手法で復調することによって第1の復調された出力を取得し、
前記結果として生じた信号を前記第1の手法と異なる第2の手法で復調することによって第2の復調された出力を取得し、
干渉の量に少なくとも部分的に基づいて、位置情報を決定するために前記第1の復調された出力を使用することから、位置情報を決定するために前記第2の復調された出力を使用することへ切り替えるようにさらに構成される請求項56に記載のタッチスクリーンデバイス。
【請求項60】
前記処理が、
第1の周波数を有する前記トランスミッタ信号を送信し、
前記ディスプレイデバイスの少なくとも1つの非表示更新期間の継続時間を変更するように構成され、継続時間の前記変更が、前記複合電極によって前記トランスミッタ信号を送信することから、前記複合電極によって第2のトランスミッタ信号を送信することへの切り替えを引き起こし、前記第2のトランスミッタ信号が、第2の周波数を有し、前記変更が、前記ディスプレイデバイスのリフレッシュレートを実質的に変えず、前記変更が、干渉の量に少なくとも部分的に基づいて発生する請求項56に記載のタッチスクリーンデバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公表番号】特表2013−521548(P2013−521548A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555162(P2012−555162)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/026142
【国際公開番号】WO2011/106575
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502161508)シナプティクス インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】