説明

広告機能を有する記録媒体

【課題】広告を確実に視聴者に視聴してもらえるような新たな広告の提供の仕組みを提供すること。
【解決手段】情報処理装置に着脱自在に装着されるメモリカードに、広告データを格納するための広告データ記録部と、メモリカードが情報処理装置に装着されているときに、広告データの再生を制御する再生制御手段および再生制御手段の制御に従って情報処理装置において再生された広告データの視聴履歴に関する視聴情報をメモリカードに記録する視聴情報記録手段として情報処理装置の制御部を機能させるための広告制御プログラムを格納したプログラム記録部とを新たに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部またはスピーカの少なくとも一方を有する情報処理装置に着脱自在に装着される記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
企業が自社の製品やサービスの広告を消費者に提供する方法としては、広告を依頼する企業がテレビ番組のスポンサーとなって放送局に広告料を支払い、このテレビ番組の前後や途中に広告を放送してもらう方法が一般的である。
【0003】
ところでデジタル放送においては、従来のアナログ放送と比較してはるかに多くのテレビ番組が同時に放送される。その結果、視聴者にとって興味のあるテレビ番組が複数のチャンネルで同じ時間帯に放送されることが多くなる。そうすると視聴者は、視聴中のテレビ番組が広告(CM)に切り替わると、自分にとって興味のある別のテレビ番組を放送中のチャンネルにチャンネルを切り替えてしまい、広告が視聴者に提供されないことが多い。
【0004】
また、視聴者がテレビ番組をビデオレコーダやDVDレコーダに代表される番組録画再生機器に記録した後に再生して視聴する場合は、広告の部分は早送りされたりスキップされたりして、広告が視聴者に提供されないことが多い。
【0005】
広告が視聴者に提供されないケースが増えて広告の視聴率が低下すると、広告を提供する企業が期待している効果、すなわち自社の商品やサービスを視聴者に紹介することで視聴者の関心を引き付けて消費を促すという効果が薄れてしまうことになる。
【0006】
上記の問題を解決するために、広告データをHDDに予め記録しておき、テレビ起動時やチャンネル切り替え時等に、その広告データに基づいて広告を表示するシステムが考えられている(特許文献1)。このシステムによれば、テレビ起動時やチャンネル切り替え時にも視聴者に広告を提供することができるので、広告の効果を高めることができる。
【特許文献1】特開2001−230996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、広告を依頼する企業が放送局に対して支払う広告料は、スポンサーとなったテレビ番組の視聴率に応じて決定されるのが一般的である。これは、視聴率が、単にあるテレビ番組を見ていた人の数を表すだけではなく、広告を依頼した企業にとっては潜在的な消費者の数、すなわち市場規模を示しているものであり、広告の効果を予測する上での唯一の物差しとなっているからである。
【0008】
しかしながら実際には、テレビ番組を視聴している全ての視聴者が、そのテレビ番組の前後や途中に挿入される広告を興味を持って見ている訳ではない。例えば、広告が挿入される時間帯は画面から視線を外したり、別のチャンネルのテレビ番組を視聴したりする視聴者もいる。また、番組録画再生機器の中には、テレビ番組を録画する際に広告部分をカットして録画する機能を備えたものや、録画した番組を再生する際に広告部分を早送りもしくはスキップする機能を備えたものがあり、このような番組録画再生機器に録画されたテレビ番組については広告は視聴されないことになる。
【0009】
よって、広告の効果が、単に広告が放送されただけで生まれるものではなく、視聴者に視聴されることによって初めて生まれるものであることを考えると、広告の効果を予測する上での物差しとして視聴率を利用することは適切であるとは言い難い。
【0010】
広告を依頼した企業にとっては、放送局に支払う広告料に見合った広告の効果が得られるのかどうかが重要である。しかしながら上記のように、テレビ番組の視聴率という情報は、広告の効果を予測する上での物差しとしては適切とは言えないため、広告の効果をより正確に予測できるような新たな広告の提供の仕組みが望まれる。
【0011】
また、広告を依頼した企業にとっては、自社の商品やサービスに無関心な視聴者に対して広告を提供するよりも、自社の商品やサービスに関心を持っている視聴者に対して広告を提供する方が高い効果が得られるので望ましい。一方、広告の視聴者にとっても、関心の全く無い商品やサービスの広告を視聴するよりも、関心のある商品やサービスを視聴する方が、自身にとってメリットが大きい。しかしながら、テレビ放送を利用した広告の提供は、不特定多数の視聴者に向けて提供されるという点で、広告を依頼した企業にとっても視聴者にとっても好ましいとは言い難い。よって、広告の対象となる商品やサービスに関心を持っている視聴者に対して広告を提供できるような新たな広告の提供の仕組みが望まれる。
【0012】
それゆえに本発明の目的は、広告を確実に視聴者に視聴してもらえるような新たな広告の提供の仕組みを提供することである。また、本発明の他の目的は、広告の効果をより正確に予測できるような新たな広告の提供の仕組みを提供することである。また、本発明のさらに他の目的は、広告の対象となる商品やサービスに関心を持っている視聴者に対して広告を提供できるような新たな広告の提供の仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0014】
本発明の記録媒体は、表示部またはスピーカの少なくとも一方を有する情報処理装置に着脱自在に装着される記録媒体であって、広告データを格納するための広告データ記録部と、前記記録媒体が前記情報処理装置に装着されているときに前記情報処理装置の制御部によって自動実行されるプログラムであって、前記広告データ記録部に格納されている広告データの再生を制御する再生制御手段、および前記再生制御手段の制御に従って前記情報処理装置において再生された広告データの視聴履歴に関する視聴情報を前記記録媒体に記録する視聴情報記録手段として前記制御部を機能させるための広告制御プログラムを格納したプログラム記録部とを備える。
【0015】
前記視聴情報記録手段は、広告データの再生回数、累計再生時間、更新回数のうちの少なくとも1つの情報を前記視聴情報として前記記録媒体に記録してもよい。
【0016】
前記広告制御プログラムは、前記視聴情報記録手段によって前記記録媒体に記録された視聴情報に基づいて視聴ポイントを算出して当該視聴ポイントを前記記録媒体に記録する視聴ポイント算出手段として前記制御部をさらに機能させてもよい。
【0017】
前記再生制御手段は、前記情報処理装置に前記記録媒体が装着されたときに、前記広告データ記録部に格納されている広告データを再生してもよい。
【0018】
前記記録媒体は、任意のデータを記録可能なユーザ記録部をさらに備え、前記広告制御プログラムは、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われているか否かを検出するデータ転送検出手段として前記制御部をさらに機能させ、前記再生制御手段は、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われていることが前記データ転送検出手段によって検出されたときに、前記広告データ記録部に格納されている広告データを再生してもよい。
【0019】
前記広告制御プログラムは、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われていることが前記データ転送検出手段によって検出されたときに、当該データの転送完了までの残り時間を取得する残り時間取得手段、および前記残り時間取得手段によって取得された残り時間に基づいて、前記広告データ記録部に格納されている複数の広告データの中から前記残り時間において再生すべき広告データを選択する広告データ選択手段として前記制御部をさらに機能させてもよい。
【0020】
前記広告制御プログラムは、前記広告データ記録部に記録されている前記広告データを、前記視聴情報記録手段によって前記記録媒体に記録された視聴情報に基づいてネットワーク経由で更新する広告データ更新手段として前記制御部をさらに機能させてもよい。
【0021】
前記記録媒体がメモリカードであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、本発明の記録媒体を購入したユーザが記録媒体を情報処理装置に装着して利用する際に、記録媒体に記録されている広告データに基づいて情報処理装置において広告が再生される。したがって、広告の再生時にはユーザが情報処理装置の近くにいるため、ユーザに確実に広告を視聴させることができる。
【0023】
また、上記のようにして広告が再生されると、その履歴を示す視聴情報(例えば、再生回数、累計再生時間)が記録媒体に記録される。この視聴情報を広告の依頼者もしくはメモリカードの製造・販売業者がユーザから収集し、収集した視聴情報に応じた特典(商品・サービス・割引券・金券・ポイントなど)をユーザに与えるようにすれば、ユーザに広告を熱心に視聴してもらうことが可能となり、広告の効果を高めることができる。
【0024】
また、視聴情報を広告の依頼者もしくはメモリカードの製造・販売業者がユーザから収集することによって、実際に広告が再生された回数を把握することも可能となるため、従来のテレビ放送のCMと比較して、広告の効果をより正確に予測することができる。よって、広告の依頼者がメモリカードの製造・販売業者に支払うべき広告料を適切に算定することが可能となる。
【0025】
また、広告の依頼者もしくはメモリカードの製造・販売業者がユーザから収集した視聴情報を分析することによって、ユーザの嗜好を把握することが可能となり、ユーザが関心を抱いている商品またはサービスの広告を提供することが可能となる。
【0026】
また、メモリカードの製造・販売業者は、広告の依頼者から受け取る広告料を考慮してメモリカードの販売価格を従来よりも安く設定することが可能となるため、ユーザにとって魅力的な価格でメモリカードを販売することが可能となる。
【0027】
また、メモリカードの製造・販売業者は、ユーザから収集した視聴情報に応じて、広告の依頼者から広告料を受け取ることが可能となるため、メモリカードの販売時の一時的な収入だけでなく、広告料として継続的な収入を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の種々の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメモリカード10と、このメモリカード10を装着するためのメモリカードスロット23を有する情報処理装置20の外観を示す図である。情報処理装置20には、画像を表示するための表示部21と、音声を出力するためのスピーカ22が設けられている。
【0030】
なお、本発明はメモリカードに限らず、ポータブルHDDや光ディスクなどの任意の記録媒体に適用することができる。また、情報処理装置としては、図1に示すようなノートパソコンに限らず、デスクトップパソコン、DVDレコーダ、デジタルカメラなど、表示部またはスピーカの少なくとも一方を有する任意の装置を利用することができる。
【0031】
図2は、情報処理装置20とメモリカード10の内部構成を示す図である。情報処理装置20は、CPU24と、メモリ25と、HDD26と、入力部27と、通信部28と、表示部21と、スピーカ22と、メモリカードスロット23を備えている。メモリカード10は、広告データ記録部11と、広告制御プログラム記録部12と、視聴情報記録部13と、ユーザ記録部14を備えている。
【0032】
メモリカード10の広告データ記録部11には、広告依頼者が自社の商品またはサービスを宣伝するための1つ以上の広告データが記録される。広告データ記録部11に記録される広告データは、動画像データ(MPGファイルなど)であってもよいし、静止画像データ(JPGファイルなど)であってもよいし、音声データ(WAVファイルなど)であってもよい。また、広告データ記録部11には必要に応じて、各広告データに関する情報、例えば広告依頼者の情報、広告対象の商品やサービスの情報、広告データのデータサイズ、広告データのバージョンが、広告データに関連付けて記録される。なお、メモリカード10をデジタルカメラに装着して利用する場合には、デジタルカメラで撮影された画像データがメモリカード10の予め定められたディレクトリ(例えば、DCF(Design rule for Camera File System)規格で定められているDCIM(Digital Camera IMages)ディレクトリ)に順次保存されるのが一般的である。そこで、このディレクトリの一部の領域を広告データ記録部11とし、そこに広告データを記録した状態でメモリカード10をユーザに販売するようにすれば、ユーザがデジタルカメラに設けられたモニタで画像を閲覧する際に、一緒に広告データも閲覧させることができるようになり、ユーザによる広告データの視聴の機会を増やすことができる。
【0033】
メモリカード10の広告制御プログラム記録部12には、広告データ記録部11に記録されている広告データの再生を制御するための広告制御プログラムが記録されている。この広告制御プログラムは、ユーザがメモリカード10をメモリカードスロット23に装着したときに情報処理装置20のCPU24によってメモリ25にロードされて自動実行される。広告制御プログラムの詳細については後述する。
【0034】
なお、ユーザがメモリカード10をメモリカードスロット23に装着したときに広告制御プログラムが自動実行されるためには、メモリカード10に記録されたプログラムを自動実行する機能を情報処理装置20が有している必要がある。例えば、情報処理装置20においてWindows(登録商標)のOS(Operating System)が動作している場合には、メモリカード10のルートフォルダに「Autorun.inf」ファイルを記録しておくことで、ユーザがメモリカード10をメモリカードスロット23に装着したときに、メモリカード10に記録されている任意のプログラムを情報処理装置20のCPU24に自動実行させることができる。
【0035】
メモリカード10の視聴情報記録部13には、広告制御プログラムに従って情報処理装置20において再生された広告データの視聴履歴に関する視聴情報が記録される。この視聴情報は、視聴情報記録部13において広告データが再生される度に更新される。視聴情報の詳細については後述する。
【0036】
メモリカード10のユーザ記録部14は、ユーザが自由に使用することができる記憶領域である。ユーザは例えば、デジカメで撮影した画像データや、携帯音楽プレイヤーで再生するための音楽データや、ワープロソフトで作成した文書データをユーザ記録部14に保存することができる。
【0037】
次に、上記のようなメモリカード10を利用することによって新たに可能となるビジネスの一例を図3を参照して説明する。
【0038】
広告依頼者は、広告データを作成し(S11)、作成した広告データをメモリ製造・販売業者に提供する(S12)。メモリカード製造・販売業者は、メモリカード10を製造し(S21)、製造したメモリカード10のプログラム記録部12に前述の広告制御プログラムを記録する(S22)。さらにメモリカード製造・販売業者は、メモリカード10の広告データ記録部11に広告依頼者から提供された広告データを記録し(S23)、このメモリカード10をユーザに販売する(S24)。このときの販売価格は、後にメモリカード製造・販売業者が広告依頼者より受け取る広告料を考慮して、通常のメモリカードの販売価格よりも安い販売価格に設定される。
【0039】
メモリカード製造・販売業者よりメモリカード10を購入したユーザは、このメモリカード10を情報処理装置20に装着して使用する(つまり、ユーザ記録部14に対してデータを書き込んだり、ユーザ記録部14からデータを読み出したりする)(S31)。前述のように、メモリカード10を情報処理装置20に装着すると、広告制御プログラムが自動実行され、広告制御プログラムに従って広告データが再生され、メモリカード10の視聴情報記録部13に視聴情報が記録される。ユーザは、メモリカード10を何度か使用した後、メモリカード10をメモリカード製造・販売業者(またはメモリカード製造・販売業者から業務を委託された業者)の店頭に持参する(S32)。メモリカード10は情報処理装置20に着脱自在であって、しかも容易に持ち運びが可能であるため、店頭に持参するのが容易である。
【0040】
メモリカード製造・販売業者は、ユーザが持参したメモリカード10を店内に設置された管理装置に接続して、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報を管理装置内の記憶装置に読み込む。そして、読み込まれた視聴情報に応じてポイントを算出し、算出されたポイントをユーザに付与する(S25)。このポイントは、ユーザがメモリカード製造・販売業者からメモリカードなどの商品を購入する際に金銭の替わりとして使用することができる。
【0041】
さらにメモリカード製造・販売業者は、管理装置内の記憶装置に読み込まれた視聴情報に応じて広告料を算出する(S26)。広告依頼者は、メモリカード製造・販売業者によって算出された広告料をメモリカード製造・販売業者に支払う(S13)。
【0042】
以上のように、視聴情報に応じてユーザにポイントが付与されることで、ユーザに広告を熱心に視聴してもらうことが可能となり、広告の効果を高めることができる。
【0043】
また、広告依頼者がメモリカード製造・販売業者に支払うべき広告料が視聴情報に応じて決定されるため、広告料を適切に算定することが可能となる。
【0044】
また、メモリカード製造・販売業者は、広告依頼者から受け取る広告料を考慮してメモリカードの販売価格を従来よりも安く設定することが可能となるため、ユーザにとって魅力的な価格でメモリカードを販売することが可能となる。ただし、この場合、ユーザが広告データを勝手に削除して、その空いた領域を自由に使えるようだと、メモリカードの販売価格を安く設定する意味が無い。そこで、広告データ記録部11内の広告データの全部または一部については、ユーザが自由に削除できないようにする(例えば、特別なデータ書き換えソフトウェアを利用しなければ削除できないようにする)のが好ましい。
【0045】
また、メモリカード製造・販売業者は、ユーザから収集した視聴情報に応じて広告依頼者から広告料を受け取ることが可能となるため、メモリカードの販売時の一時的な収入だけでなく、広告料として継続的な収入を得ることが可能となる。
【0046】
なお、図3において、広告依頼者およびメモリカード製造・販売業者の処理の一部については、広告依頼者の管理装置およびメモリカード製造・販売業者の管理装置が実行するようにしてもよい。例えば、広告依頼者の管理装置は、広告データを作成する機能、広告データを通信手段を通じてメモリカード製造・販売業者の管理装置に送信する機能、メモリカード製造・販売業者の管理装置から通信手段を通じて広告料を示すデータを受信する機能、広告料を決済する機能を備えていればよい。これらの各機能は、広告依頼者の管理装置の制御部により実行される管理プログラムによって実現しても良い。同様に、メモリカード製造・販売業者の管理装置は、メモリカード10のプログラム記録部12に広告制御プログラムを記録する機能、広告依頼者の管理装置から通信手段を通じて広告データを受信する機能、受信した広告データをメモリカード10の広告データ記録部11に記録する機能、ユーザが持参したメモリカード10の視聴情報記録部13から視聴情報を読み出す機能、メモリカード10の視聴情報記録部13から読み出した視聴情報に応じてポイントを算出する機能、算出されたポイントに応じてユーザの所有ポイント数(ユーザ毎の所有ポイント数は、メモリカード製造・販売業者の管理装置内の記憶装置に記録されている)を更新する機能、メモリカード10の視聴情報記録部13から読み出した視聴情報に応じて広告料を算出する機能、算出された広告料を示すデータを通信手段を通じて広告依頼者の管理装置に送信する機能を備えていればよい。これらの各機能は、メモリカード製造・販売業者の管理装置の制御部により実行される管理プログラムによって実現しても良い。
【0047】
なお、本実施形態では、広告データ記録部11に予め広告データが記録された状態でメモリカード10がユーザに販売されるが、本発明はこれに限らない。変形例として、ユーザがメモリカード製造・販売業者の店頭でメモリカード10を購入する際に、広告データ記録部11に記録すべき広告データをユーザに選択させるようにしてもよい。この場合、例えば、メモリカード製造・販売業者の店頭に設置された管理装置に店員またはユーザがメモリカード10を装着すると、提供可能な広告データの一覧が管理装置の画面に表示され、その中からユーザに1つまたは複数の広告データを選択すると、選択された広告データが管理装置からメモリカード10の広告データ記録部11に転送される。このように、広告データ記録部11に記録される広告データをユーザが選択可能とすることにより、ユーザは、興味のある商品またはサービスの広告データを視聴することができるため、ユーザと広告依頼者の両方にとって利点がある。この場合、広告データ記録部11に記録された広告データの個数または合計データサイズに応じて、メモリカード10の販売価格を割り引くようにしてもよい。
【0048】
以下、図4および図5のフローチャートを参照して、情報処理装置20のCPU24の動作について説明する。
【0049】
図4は、情報処理装置20のHDD26に記録されているプログラムに基づくCPU24の処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
ステップS41で、CPU24は、メモリカードスロット23にメモリカード10が挿入されたかどうかを判断し、挿入された場合には処理はステップS42に進む。
【0051】
ステップS42では、CPU24は、メモリカードスロット23に挿入されているメモリカード10に自動実行プログラム(前述の広告制御プログラム)が記録されているかどうかを判断し、自動実行プログラムが記録されている場合には処理はステップS43に進み、自動実行プログラムが記録されていない場合には処理はステップS45に進む。
【0052】
ステップS43では、CPU24は、自動実行プログラムをメモリ25にロードする。
【0053】
ステップS44では、CPU24は、メモリ25にロードした自動実行プログラムの実行を開始する。なお、この自動実行プログラムの実行処理の詳細については後述する。
【0054】
ステップS45では、メモリカードスロット23からメモリカード10が抜かれたかどうかを判断し、メモリカード10が抜かれた場合には処理はステップS46に進み、メモリカード10が抜かれていない場合には処理は自動実行プログラムの実行を継続する。
【0055】
ステップS46では、自動実行プログラムの実行を終了し、処理はステップS41に戻る。
【0056】
以上のような処理により、情報処理装置20のCPU24は、メモリカードスロット23にメモリカード10が挿入されている間、このメモリカード10のプログラム記録部12に記録されている広告制御プログラムを実行することができる。
【0057】
図5は、メモリカード10のプログラム記録部12に記録されている広告制御プログラムに基づくCPU24の処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
ステップS51では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11に、情報処理装置20において再生可能な広告データが存在するかどうかを判断し、情報処理装置20において再生可能な広告データが存在する場合には処理はステップS52に進み、存在しない場合には広告制御プログラムの実行を終了する。
【0059】
ステップS52では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている広告データに基づいて、再生すべき広告データをユーザに選択させるための広告データ選択画面を作成し、表示部21に表示する。広告データ選択画面には、メモリカード10の広告データ記録部11にどのような広告データが記録されているのかを示す情報(例えば、各広告データの広告依頼者名と、商品またはサービス名)が一覧表示されており、ユーザは、この広告データ選択画面を参照して、視聴したい広告データを入力部27を通じて選択することができる。なお、再生すべき広告データをユーザに選択させる替わりに、再生すべき広告データをCPU24が自動的に選択しても良い。この場合、CPU24は、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報に基づいて、例えば再生回数が最も少ない広告データを選択するようにしてもよい。
【0060】
ステップS53では、CPU24は、ユーザが入力部27を通じて選択した広告データの再生を開始する。なお、広告データが動画像データまたは静止画像データである場合には、表示部21の画面全体を使って広告を再生しても良いし、表示部21の画面の一部領域だけを使って広告を再生しても良い。広告データが音声データである場合には、スピーカ22を使って広告を再生する。なお、広告データの再生は、情報処理装置20のHDD26に記録されているソフトウェア(動画像再生ソフトウェア、静止画像再生ソフトウェア、音声再生ソフトウェア)を利用してもよいし、広告制御プログラム自体がこれらのソフトウェアの機能を有していてもよい。
【0061】
ステップS54では、広告データの再生時間をカウントする。
【0062】
ステップS55では、CPU24は、広告データの再生が終了したかどうかを判断し、広告データの再生が終了した場合には処理はステップS56に進み、まだ再生中である場合には処理はステップS54に戻る。なお、広告データの再生の終了タイミングは、例えば、広告データが動画像データや音声データである場合には、広告データが最後まで再生されたときであり、広告データが静止画像データである場合には、ユーザが入力部27から広告データの表示の終了指示を入力したときである。
【0063】
ステップS56では、CPU24は、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報を更新する。図6は、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録される視聴情報の一具体例を示している。広告データ識別情報は、広告データを識別するための情報である。再生回数は、広告データが再生された回数である。累計再生時間は、広告データが再生された累計時間である。例えば、ある広告データが10秒ずつ2回再生された場合、累計再生時間は20秒となる。更新回数は、広告データが更新された回数である。広告データの更新の詳細については後述する。広告データ記録部11に広告データを追加した回数や広告データ記録部11から広告データを削除した回数などの情報が視聴情報に含まれていてもよい。
【0064】
ステップS56における視聴情報の更新処理が終了すると、処理はステップS52に戻り、CPU24は、表示部21に広告データ選択画面を表示し、次に再生すべき広告データをユーザに選択させる。
【0065】
以上のような処理により、メモリカードスロット23にメモリカード10が挿入されたときに、ユーザによって選択された広告データが再生され、広告データが再生されたことに応じて、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報が更新される。このようにして更新された視聴情報は、ユーザの嗜好を反映したものとなる。図6の例では、ユーザはX社の商品Aに興味を持っているが、Y社のサービスAについては興味を持っていないことが分かる。メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報は、例えばユーザがメモリカード10をメモリカード製造・販売業者の店頭に持参したときに、メモリカード製造・販売業者の管理装置内の記録装置に読み込むことによって、メモリカード製造・販売業者がユーザから収集することができる。こうして収集した視聴情報は、ユーザに付与するポイントの算出のために利用したり、広告料の算出のために利用したり、新たな広告データを作成する際の参考材料として利用したりすることができる。
【0066】
なお、本実施形態では、ユーザに付与するポイントをメモリカード製造・販売業者が算出する例を説明したが、本発明はこれに限らない。変形例として、情報処理装置20のCPU24が広告制御プログラムに基づいて、メモリカード10の視聴情報記録部13の視聴情報を更新する際に、視聴情報に基づいてポイントを算出し、算出されたポイントを視聴情報記録部13に記録するようにしてもよい。この場合、メモリカード製造・販売業者は、ユーザが店頭に持参したメモリカード10の視聴情報記録部13に記録されているポイントを管理装置で読み出し、読み出したポイントに応じてユーザにポイントを付与すればよい。このように、情報処理装置20のCPU24が広告制御プログラムに基づいてポイントを算出し、その算出結果を情報処理装置20の表示部21の画面に表示するようにすれば、ユーザは、メモリカード製造・販売業者の店頭にメモリカード10を持って行かなくても、獲得予定のポイント数を確認することができるようになり、ユーザにとって便利である。
【0067】
なお、視聴情報に基づくポイントの算出方法としては、例えば、再生回数と再生時間と更新回数に基づいてそれぞれ以下のようにポイントを加算する。
(再生回数に基づくポイントの加算)
各広告データの再生回数に応じてポイントが加算される。ただし再生回数が多くなるほど、加算されるポイント数が減る。
例:1回目の再生時→+5ポイント
2回目の再生時→+4ポイント
3回目の再生時→+3ポイント
4回目の再生時→+2ポイント
5回目の再生時→+1ポイント
6回目以降の再生時→ポイントの加算は無し
(再生時間に基づくポイントの加算)
各広告データの再生時間に応じてポイントが加算される。加算されるポイント数は、広告データが再生された時間に比例する。ただし、一定回数以降の再生時(例えば6回目以降の再生時)にはポイントは加算されない。
(更新回数に基づくポイントの加算)
各広告データの更新回数に比例してポイントが加算される。ただし、ポイントが加算されるのは広告データの更新時ではなく、更新後の広告データが最初に再生された時点である。
【0068】
次に、広告データの更新について説明する。
【0069】
本実施形態では、広告データ記録部11に予め広告データが記録された状態でメモリカード10がユーザに販売されるが、ユーザがメモリカード10を購入してから日数が経過するにつれて、広告データ記録部11に記録された広告データが時代後れになって陳腐化してしまう。このような陳腐化した広告データを再生することは、ユーザにとっても広告依頼者にとってもあまり有益なことではない。そこで、広告データ記録部11に記録された広告データを必要に応じて新しい広告データに更新できるようにすることが望ましい。以下、広告データの更新方法の2つのバリエーションを説明する。
【0070】
広告データの更新方法の第1のバリエーションは、ユーザがメモリカード10をメモリカード製造・販売業者の店頭に持参し、広告データを店頭で更新してもらう方法である。この場合、メモリカード製造・販売業者の店頭に設置された管理装置にメモリカード10を接続すると、管理装置の制御部は、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている広告データと、管理装置の記憶部に記録されている広告データとを照合し、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている各広告データに対応する、より新しいバージョンの広告データが管理装置の記憶部に存在するかどうかを判断する。なお、このような判断を行うためには、各広告データにはバージョンもしくは作成日を示す情報が付加されている必要がある。上記判断の結果、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている広告データのうち、より新しいバージョンの広告データが存在するものについては、管理装置の制御部は、この新しいバージョンの広告データを上書きすることによって広告データを新しいものに更新する。このとき、管理装置の制御部は、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報において、対応する広告データの更新回数を更新する。
【0071】
広告データの更新方法の第2のバリエーションは、メモリカード10を情報処理装置20のメモリカードスロット23に挿入した状態で、通信部28を通じて情報処理装置20が広告データ配信サーバにアクセスして、広告データ配信サーバから新しいバージョンの広告データをダウンロードする例である。これを実現するためには、例えば、メモリカード10のプログラム記録部12に記録される広告制御プログラムに、図7のフローチャートが示すような処理を情報処理装置20のCPU24に実行させるためのプログラムコードを組み込めばよい。以下、図7のフローチャートを参照して、広告データ配信サーバから新しいバージョンの広告データをダウンロードする場合のCPU24の処理の流れを説明する。
【0072】
ステップS61では、CPU24は、入力部27から広告データの更新指示が入力されたかどうかを判断し、更新指示が入力された場合には処理はステップS62に進む。なお、更新指示は、メモリカード10が情報処理装置20に装着されている間は常に受け付けても良いし、表示部21に広告データ選択画面が表示されている間だけ受け付けてもよい。さらには、ユーザからの更新指示を待つことなく、メモリカード10が情報処理装置20に装着されたときに毎回自動的に更新チェックを行うようにしてもよい。
【0073】
ステップS62では、CPU24は、通信部28を通じて広告データ配信サーバに接続要求信号を送信し、情報処理装置20と広告データ配信サーバとの接続を確立する。
【0074】
ステップS63では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている広告データの中から、まだ更新チェックしていない広告データを1つ選択する。
【0075】
ステップS64では、CPU24は、ステップS63で選択した広告データの広告データ識別情報とバージョン情報(もしくは作成日情報)を広告データ配信サーバに送信する。広告データ配信サーバは、情報処理装置20から受信したこれらの情報に基づいて、広告データを管理するために内部に保持しているデータベースを検索し、その検索結果を情報処理装置20に送信する。
【0076】
ステップS65では、CPU24は、広告データ配信サーバから検索結果を受信し、ステップS63で選択した広告データについて、より新しいバージョンの広告データが存在するかどうかを判断し、より新しいバージョンの広告データが存在する場合には処理はステップS66に進み、より新しいバージョンの広告データが存在しない場合には処理はステップS69に進む。
【0077】
ステップS66では、CPU24は、新しいバージョンの広告データを広告データ配信サーバからダウンロードし、メモリ25に一時的に格納する。
【0078】
ステップS67では、広告データ配信サーバからダウンロードした新しいバージョンの広告データを、メモリカード10の広告データ記録部11に上書きすることによって、古いバージョンの広告データを新しいバージョンに更新する。
【0079】
ステップS68では、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報において、更新が完了した広告データの更新回数を1だけ増やす。
【0080】
ステップS69では、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている全ての広告データについて更新チェックが完了したかどうかを判断し、まだ更新チェックをしていない広告データが存在する場合には処理はステップS63に戻り、全ての広告データについて更新チェックが完了していた場合には処理はステップS61に戻る。
【0081】
なお、上記の例では、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている広告データを新しいバージョンのものに更新する例を説明したが、同様にして、メモリカード10の広告データ記録部11に新しい広告データを追加したり、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されているいずれかの広告データを削除したり、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されているいずれかの広告データを別の新たな広告データに置き換えることができる。このとき、広告データ記録部11から削除すべき広告データまたは広告データ記録部11に追加すべき広告データは、ユーザによって選択されても良いし、コンピュータ(すなわち情報処理装置20、またはメモリカード製造・販売業者の店頭に設置された管理端末、または広告データ配信サーバ)によって自動的に決定されても良い。以下、図8のフローチャートを参照して、情報処理装置20のCPU24が、メモリカード10のプログラム記録部12に記録されている広告制御プログラムに基づいて、広告データの追加を行う例を説明する。
【0082】
ステップS71では、CPU24は、入力部27から広告データの追加指示が入力されたかどうかを判断し、追加指示が入力された場合には処理はステップS72に進む。なお、追加指示は、メモリカード10が情報処理装置20に装着されている間は常に受け付けても良いし、表示部21に広告データ選択画面が表示されている間だけ受け付けてもよい。
【0083】
ステップS72では、CPU24は、通信部28を通じて広告データ配信サーバに接続要求信号を送信し、情報処理装置20と広告データ配信サーバとの接続を確立する。
【0084】
ステップS73では、CPU24は、メモリカード10の視聴情報記録部13に記録されている視聴情報に基づいて、ユーザが興味を持っている広告提供業者、商品またはサービスを判断し、これらの情報を広告データ配信サーバに送信する。広告データ配信サーバは、情報処理装置20から受信したこれらの情報に基づいて、広告データを管理するために内部に保持しているデータベースを検索し、その検索結果(すなわちユーザの嗜好に合った広告データに関する情報)を情報処理装置20に送信する。
【0085】
ステップS74では、CPU24は、広告データ配信サーバから検索結果を受信し、追加すべき広告データを検索結果に基づいて決定して、その広告データを広告データ配信サーバからダウンロードし、メモリ25に一時的に格納する。
【0086】
ステップS75では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11の空き容量が十分かどうか(すなわち空き容量が追加すべき広告データのデータサイズ以上かどうか)を判断し、空き容量が十分である場合は処理はステップS78に進み、空き容量が不十分である場合は処理はステップS76に進む。なお、広告データ記録部11として利用可能な容量は、メモリカード10の全記憶容量であってもよいし、メモリカード10の全記憶容量のうちの予め決められた一定の割合の容量であってもよいし、ユーザ記録部14に記録されているデータの合計サイズに応じて可変であってもよい。
【0087】
ステップS76では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11の空き容量を増やすために、広告データ記録部11に記録されている広告データの中から削除すべき広告データを視聴情報に基づいて決定する。例えば、再生回数がすでに一定回数(例えば6回)に達している広告データが存在する場合には、この広告データを削除すべき広告データとして決定する。また例えば、累積再生時間が最も長い広告データを、削除すべき広告データとして決定してもよい。
【0088】
ステップS77では、CPU24は、ステップS76で削除すべきと決定された広告データを広告データ記録部11から削除し、処理はステップS75に戻る。
【0089】
ステップS78では、CPU24は、ステップS74で広告データ配信サーバからダウンロードした広告データを、メモリカード10の広告データ記録部11に記録し、処理はステップS71に戻る。
【0090】
(第2の実施形態)
上記の第1の実施形態では、メモリカード10が情報処理装置20のメモリカードスロット23に挿入されたときに、ユーザの選択指示を受けた後に、もしくは自動的に、情報処理装置20において広告が再生される例を説明したが、これから説明する第2の実施形態では、メモリカード10のユーザ記録部14に対するデータ読み書きが行われている間(すなわち、情報処理装置20とメモリカード10のユーザ記録部14との間でデータ転送が行われている間)に情報処理装置20において広告が再生される。
【0091】
以下、第2の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、メモリカード10のプログラム記録部12に記録されている広告制御プログラムのみなので、その他の構成に関する説明は省略する。
【0092】
図9は、メモリカード10のプログラム記録部12に記録されている広告制御プログラムに基づくCPU24の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の処理ブロックについては同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0093】
ステップS81では、CPU24は、情報処理装置20とメモリカード10のユーザ記録部14との間でデータ転送中かどうかを判断し、データ転送中であれば処理はステップS82に進む。
【0094】
ステップS82では、CPU24は、データ転送が完了するまでの残り時間を取得する。データ転送が完了するまでの残り時間は、例えば、転送処理対象となっているデータの合計データサイズと、その時点におけるデータ転送レートとから計算してもよい。
【0095】
ステップS83では、CPU24は、メモリカード10の広告データ記録部11に記録されている各広告データのデータサイズを参照し、ステップS82で取得した残り時間内で再生するのに適した広告データを選択する。例えば、残り時間が長い場合は再生時間の長い広告データを選択し、残り時間が短い場合は再生時間の短い広告データを選択する。
【0096】
以上のような処理によって、情報処理装置20とメモリカード10のユーザ記録部14との間でデータ転送が行われている間、ユーザに広告を視聴させることができる。近年、メモリカードの記憶容量や、メモリカードに保存されるデータのデータサイズが大容量化しつつあり、データ転送に要する時間が長くなる傾向にある。しかも一般的に、データ転送中はユーザは手持ち無沙汰の状態になりがちである。そのような状態のときに広告データを再生すれば、ユーザは確実に広告に注目するので、広告の効果として非常に大きな効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、ユーザに対して広告を確実に視聴してもらえるような新たな広告の提供の仕組みを記録媒体を用いて実現するものであり、例えばメモリカードなどの記録媒体に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメモリカードと情報処理装置の外観図
【図2】メモリカードと情報処理装置の内部構成図
【図3】メモリカードを利用したビジネスの一例を示す図
【図4】情報処理装置のCPUの処理の流れを示すフローチャート
【図5】広告制御プログラムに基づく広告再生処理の流れを示すフローチャート
【図6】視聴情報の一具体例
【図7】広告制御プログラムに基づく広告更新処理の流れを示すフローチャート
【図8】広告制御プログラムに基づく広告追加処理の流れを示すフローチャート
【図9】本発明の第2の実施形態に係る広告制御プログラムに基づく広告再生処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0099】
10 メモリカード
11 広告データ記録部
12 プログラム記録部
13 視聴情報記録部
14 ユーザ記録部
20 情報処理装置
21 表示部
22 スピーカ
23 メモリカードスロット
24 CPU
25 メモリ
26 HDD
27 入力部
28 通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部またはスピーカの少なくとも一方を有する情報処理装置に着脱自在に装着される記録媒体であって、
広告データを格納するための広告データ記録部と、
前記記録媒体が前記情報処理装置に装着されているときに前記情報処理装置の制御部によって自動実行されるプログラムであって、前記広告データ記録部に格納されている広告データの再生を制御する再生制御手段、および前記再生制御手段の制御に従って前記情報処理装置において再生された広告データの視聴履歴に関する視聴情報を前記記録媒体に記録する視聴情報記録手段として前記制御部を機能させるための広告制御プログラムを格納したプログラム記録部とを備えた記録媒体。
【請求項2】
前記視聴情報記録手段は、広告データの再生回数、累計再生時間、更新回数のうちの少なくとも1つの情報を前記視聴情報として前記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
前記広告制御プログラムは、前記視聴情報記録手段によって前記記録媒体に記録された視聴情報に基づいて視聴ポイントを算出して当該視聴ポイントを前記記録媒体に記録する視聴ポイント算出手段として前記制御部をさらに機能させることを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体。
【請求項4】
前記再生制御手段は、前記情報処理装置に前記記録媒体が装着されたときに、前記広告データ記録部に格納されている広告データを再生することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体。
【請求項5】
前記記録媒体は、任意のデータを記録可能なユーザ記録部をさらに備え、
前記広告制御プログラムは、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われているか否かを検出するデータ転送検出手段として前記制御部をさらに機能させ、
前記再生制御手段は、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われていることが前記データ転送検出手段によって検出されたときに、前記広告データ記録部に格納されている広告データを再生することを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体。
【請求項6】
前記広告制御プログラムは、前記ユーザ記録部に対するデータの読み書きが行われていることが前記データ転送検出手段によって検出されたときに、当該データの転送完了までの残り時間を取得する残り時間取得手段、および前記残り時間取得手段によって取得された残り時間に基づいて、前記広告データ記録部に格納されている複数の広告データの中から前記残り時間において再生すべき広告データを選択する広告データ選択手段として前記制御部をさらに機能させることを特徴とする、請求項5に記載の記録媒体。
【請求項7】
前記広告制御プログラムは、前記広告データ記録部に記録されている前記広告データを、前記視聴情報記録手段によって前記記録媒体に記録された視聴情報に基づいてネットワーク経由で更新する広告データ更新手段として前記制御部をさらに機能させることを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体。
【請求項8】
前記記録媒体がメモリカードであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の記録媒体。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−59075(P2008−59075A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232497(P2006−232497)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】