説明

広帯域近距離無線通信装置及び方法

ミリメートル波帯域で指向性アンテナを用いて広帯域近距離無線通信を行う装置及び方法に関し、一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質、及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質に基づいてリレイ動作タイプの変更を決定し、前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野はミリメートル波帯域で指向性アンテナを用いて広帯域近距離無線通信を行う装置及び方法に関し、より詳しくは、WLAN(Wireless Local Area Network)またはWPAN環境のように予約ベースチャネルアクセスを支援する無線システムで、指向性アンテナを用いる場合に通信信号を中継する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリメートル波(millimeter wave:mmWave)帯域(57−66GHz)は全世界的に周波数リソースの不足を解決するための方案として提示されている。
【0003】
ミリメートル波は、短い波の長さ、高い周波数、広帯域、そして大気成分との高い交流などの固有な特性を有する。ミリメートル波の長所は、超広帯域を用いることによって高いデータ送信率を取得できる点、直進性が強くて周辺干渉に極めて強く、且つ保安性が優れ、周波数の再使用が容易である点などが挙げられる。また、波長が短いため各種の素子の小型化及び軽量化が可能である点が挙げられる。
【0004】
一方、ミリメートル波の短所は、酸素分子による吸収及び雨による減衰現象によって伝播距離が短く、直進性の特徴によって可視距離(line of sight)が確保されなければならないという点である。
【0005】
このようなミリメートル波の短所を補完するために指向性アンテナが用いられる。指向性アンテナは、電力を特定方向に集中させてアンテナの利益効率を高めつつ、通信可能な範囲を拡張させることができる。しかし、指向性アンテナを用いる場合にも、可視距離が確保されない場合には信号の送信距離、信号の反射及び信号の障害物貫通による信号の減衰損失が大きい。
【0006】
したがって、可視距離が確保されない場合にも信号の減衰損失を最小化しながら通信を行う技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、予約ベースチャネルアクセスを支援する無線システムで、リレイ動作タイプを迂回経路及び直接経路のチャネル状態に応じて、リンクスイッチングタイプとリンク協力タイプ間の変更を可能にする装置及び方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に形成されたリンクの品質に応じて、リンクスイッチングタイプまたはリンク協力タイプにデータフレームを送信することによって、可変的な無線チャネル状態に効率よく対処する装置及び方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に形成されたリンクの品質に応じて、リンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに
データフレーム送信方式を変更することによって、リンク協力タイプで発生した目的ノードのアンテナ利益損失を減らす装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質に基づいて、リレイ動作タイプの変更を決定するステップと、前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップと、前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信するステップとを含む。
【0011】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、MACヘッダフィールド、アクションカテゴリフィールド、アクション値フィールド、ダイアログトークンフィールド、リレイ動作タイプフィールドを含むアクションフレームであってもよい。
【0012】
前記リレイ動作変更応答メッセージは、MACヘッダフィールド、アクションカテゴリフィールド、アクション値フィールド、ダイアログトークンフィールド、状態コードフィールドを含むアクションフレームであってもよい。
【0013】
前記リレイ動作タイプフィールドは、リンク協力ビットフィールド、リレイリンクビットフィールド、予約ビットを含んでもよい。
【0014】
前記リンク協力ビットフィールドは、リンク協力タイプを表示するために1と設定され、リンクスイッチングタイプを表示するために0と設定され、前記リレイリンクビットフィールドは、前記リンク協力ビットフィールド値が0と設定された場合に有効な値を有し、迂回経路でリンクスイッチングを開始する場合に1と設定され、直接経路でリンクスイッチングする場合に0と設定されてもよい。
【0015】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンク協力タイプとして動作する状態において、直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するように決定し、前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0016】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が0と設定され、リレイリンクビットフィールドは1と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノード及び前記リレイノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために、所定のビットが設定された状態コードフィールドを含んでもよい。
【0017】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リレイノードにデータフレームを送信するステップをさらに含んでもよい。
【0018】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンク協力タイプとして動作する状態において、迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するように決定し、前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記目的ノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記目的ノードからリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0019】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が0と設定され、リレイリンクビットフィールドは0と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために所定のビットが設定された状態コードフィールドを含んでもよい。
【0020】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記目的ノードにデータフレームを送信するステップをさらに含んでもよい。
【0021】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンクスイッチングタイプとして動作する状態において、前記リレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更するように決定し、前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0022】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が1と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノード及び前記リレイノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために所定のビットが設定された状態コードフィールドを含んでもよい。
【0023】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リンク協力タイプ方式に基づいて前記リレイノード及び前記目的ノードにデータフレームを送信するステップをさらに含んでもよい。
【0024】
前記目的ノードは、前記ソースノード及び前記リレイノードからデータフレームを同時に受信するように、アンテナパターンが前記リレイノード及び前記ソースノードに同時に指向するよう設定されてもよい。
【0025】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間に送信時点の調整手続の実行有無を判断するステップと、前記送信時点の調整手続が行われていない場合、前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間に送信時点の調整手続を行うステップとをさらに含んでもよい。
【0026】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、前記リレイノードからリンク測定報告フレームを受信するステップをさらに含み、前記リンク測定報告フレームは、前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報を示す第1リンクマージンエレメント及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報を示す第2リンクマージンエレメントを含んでもよい。
【0027】
本発明の他の一実施形態に係る他の広帯域近距離無線通信方法は、前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報に基づいて、前記リレイノード及び前記目的ノードへのフレーム送信に用いられる変調及びコーディング方式を変更するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、リレイ動作タイプの変更が決定されれば、ソースノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信するステップと、前記受信した前記リレイ動作変更要求メッセージを目的ノードに送信するステップと、前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを前記目的ノードから受信するステップと、前記受信した前記リレイ動作変更応答メッセージを前記ソースノードに送信するステップとを含む。
【0029】
前記目的ノードに送信するステップは、リレイノードのMACアドレスをMACヘッダの送信アドレスに設定し、前記目的ノードのMACアドレスを前記MACヘッダの受信アドレスに設定し、前記リレイ動作変更要求メッセージを送信してもよい。
【0030】
前記ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質を測定するステップと、前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報示す第1リンクマージンエレメント、及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報を示す第2リンクマージンエレメントを含むリンク測定報告フレームを前記ソースノードに送信するステップとをさらに含んでもよい。
【0031】
本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法は、リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを受信するステップと、前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを送信するステップとを含む。
【0032】
前記メッセージを受信するステップは、ソースノードと目的ノードとの間の直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、リレイノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信し、前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間の迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、前記ソースノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信してもよい。
【0033】
前記メッセージを受信するステップは、前記リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更が決定された場合、リレイノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信してもよい。
【0034】
前記メッセージを送信するステップは、ソースノードと目的ノードとの間の直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、リレイノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信し、前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間の迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、前記ソースノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信してもよい。
【0035】
前記メッセージを送信するステップは、前記リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更が決定された場合、リレイノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信してもよい。
【0036】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信装置は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質、及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質に基づいて、リレイ動作タイプの変更を決定する制御部と、前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを送信する送信部と、前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信する受信部とを備える。
【0037】
前記制御部は、リンク協力タイプとして動作する状態において、直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するよう決定し、前記送信部は、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記受信部は、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0038】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リレイノードにデータフレームを送信してもよい。
【0039】
前記制御部は、リンク協力タイプとして動作する状態において、迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するよう決定し、前記送信部は、前記目的ノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記受信部は、前記目的ノードからリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0040】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記目的ノードにデータフレームを送信してもよい。
【0041】
前記制御部は、リンクスイッチングタイプとして動作する状態において、前記リレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更するよう決定し、前記送信部は、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、前記受信部は、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信してもよい。
【0042】
前記制御部は、タイマーに設定された時間が経過する前、前記リンクスイッチングタイプから前記リンク協力タイプに前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、従来のビーム形成パラメータ値及び送信時点調整パラメータ値を再使用し、前記タイマーに設定された時間が経過した後、前記リンクスイッチングタイプから前記リンク協力タイプに前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、ビーム形成手続及び送信時点の調整手続を再度行ってもよい。
【0043】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リンク協力タイプ方式に基づいて前記リレイノード及び前記目的ノードにデータフレームを送信してもよい。
【0044】
本発明の他の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信装置は、前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質、及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質を測定するリンク品質測定部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明によると、予約ベースチャネルアクセスを支援する無線システムで、迂回経路及び直接経路の状態に応じて、リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプとリンク協力タイプ間の変更を可能にする。
【0046】
また、本発明によると、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に形成されたリンクの品質に応じて、リンクスイッチングタイプまたはリンク協力タイプにデータフレームを送信することによって、可変的な無線チャネル状態に効率よく対処することができる。
【0047】
また、本発明によると、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に形成されたリンクの品質に応じて、リンク協力タイプからリンクスイッチングタイプにデータフレーム送信方式を変更することによって、リンク協力タイプで発生した目的ノードのアンテナ利益損失を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法で用いられるリレイ動作変更要求メッセージ及びリレイ動作変更応答メッセージのアクションフレームを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更される一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更される他の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更される一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法をソースノードの観点で示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法をリレイノードの観点で示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法を目的ノードの観点で示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
WLANとWPANでは競争方式と非競争方式でデータを送信する方法が提供される。WLANのAP(Access Point)またはPCP(Personal basic service set Control Point)及びWPANのPNC(Pico−Net Coordinator)は、データを送信する時間領域を競争区間と非競争区間とに区別する。
【0051】
競争区間では、ネットワーク全ての装置がチャネルを取得するためにCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式に基づいて競争を行う。
【0052】
非競争区間では、AP、PCPまたはPNCがポーリング(Polling)方式あるいはスケジューリング情報を送信する方法を用いて、ネットワークの特定端末が非競争区間の特定の時間領域でデータを送信するようにする。
【0053】
本発明では、ソースノード、リレイノード及び目的ノードが非競争区間でソースノード−目的ノード間の直接経路と、ソースノード−リレイノード−目的ノード間の迂回経路の信号品質状態に応じて、リレイ動作タイプを変更してデータ及び制御情報を送受信する装置及び方法を提供する。
【0054】
以下の説明において、ソースノードは、データフレームの送信を開始するノードまたは端末を意味する。リレイノードは、ソースノードから送信されるデータフレームを受信し、受信したデータフレームを目的ノードに送信するノードまたは端末を意味する。目的ノードは、ソースノードがデータフレームを送信する対象となるノードまたは端末を意味する。
【0055】
ソースノードは、2種類のリレイ動作タイプに応じて目的ノードにデータフレームを送信する。2種類のリレイ動作タイプには、リンクスイッチングタイプ(Link Switching type)とリンク協力タイプ(Link Cooperating type)がある。
【0056】
リンクスイッチングタイプは、直接経路または迂回経路のうち1つの経路を用いてデータフレームを送信し、使用経路に問題が発生して使用しない他の経路にスイッチングしてデータフレームを送信する方式である。前述の問題は直接経路または迂回経路上に障害物が存在して信号の伝達が封鎖されたり、信号の品質が予め設定された基準以下である場合を意味する。
【0057】
リンク協力タイプは、直接経路及び迂回経路の全てを用いてデータフレームを送信する方式である。ソースノードは直接経路を介して目的ノードにデータフレームを送信し、ソースノードは迂回経路を介して目的ノードに同一のデータフレームを送信する。目的ノードは、2つの経路を介して同時に受信する信号を結合して受信データを復元する。迂回経路を用いる場合、中間にリレイノードがソースノードからデータフレームを受信して目的ノードに送信するため、目的ノードが2つの経路を介して同時に信号を受信するためには送信時点の調整手続(Transmission Time−Point Adjustment、TPA)が行われなければならない。
【0058】
リンクスイッチングタイプでは、直接経路と迂回経路の信号品質が同時に悪い場合にデータ送信経路を頻繁に変更しながらも、目的ノードにおける受信状態は良好ではないという問題がある。
【0059】
リンク協力タイプでは、直接経路または迂回経路のうち1つの経路に問題が発生した場合、継続してリンク協力タイプを行うと、目的ノードは問題が発生した経路を介してデータを受信できないため、割り当てられた時間リソースを浪費する問題がある。また、目的ノードは、リレイノード及びソースノードから同一のデータを同時に受信するため、アンテナパターンをリレイノード及びソースノードの方向に分割して形成することから、アンテナ利益が2つの方向に分散する。したがって、直接経路または迂回経路のうち問題が発生した経路についてはアンテナ利益の損失が発生し得る。
【0060】
したがって、ソースノードは、直接経路または迂回経路のうち問題が発生した場合に応じて、リンクスイッチングタイプまたはリンク協力タイプを適切に用いてデータを送信する必要がある。
【0061】
図1は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信システムを示す図である。
【0062】
本発明においてソースノード110、リレイノード120、目的ノード130は、リンクスイッチング(link switching)機能及びリンク協力(link cooperating)機能を行う。
【0063】
ソースノード110は目的ノード130との関係において、リンクスイッチングまたはリンク協力を行うために必要な使用可能なリレイノード120に関する情報をAPまたはPCPに要求して取得してもよい。ここで、APまたはPCPは、リレイノード120に関する情報を目的ノード130にも伝達してもよい。
【0064】
図1を参照すると、ソースノード110は、リンクスイッチングタイプまたはリンク協力タイプでデータを送信する場合、目的ノード130からデータ受信に対する確認応答メッセージ(以下、ACKフレーム)を受信し、目的ノード130にデータが正しく送信されたことを確認する。一般に、目的ノード130は、直接経路113を介してソースノード110にACKフレームを送信する。
【0065】
ソースノード110は、目的ノード130から予め設定された時間の間に連続的なACKフレームを受信できなければ、直接経路113または迂回経路115で信号の伝達が封鎖されたり、信号品質が所定の基準未満に劣化されたと判断してもよい。また、ソースノード110は、ソースノード110とリレイノード120との間のリンク111品質、リレイノード120と目的ノード130との間のリンク121品質、及びソースノード110と目的ノード130との間のリンク113品質を測定する。ソースノード110は、ACKフレームの受信の有無だけではなく、各リンクの信号品質の測定結果に基づいていずれかのリンクに問題が発生したかを判断する。
【0066】
ソースノード110、リレイノード120及び目的ノード130のそれぞれは、リンクスイッチングタイプ及びリンク協力タイプで他の機能を行う。したがって、リンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに、またはリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプにリレイ動作タイプを変更するためには、ソースノード110、リレイノード120及び目的ノード130間に動作変更のためのシグナリングを行わなければならない。
【0067】
動作変更のためのシグナリングの一例として、ソースノード110は、リレイ動作変更要求(Relay Operation Change Request、以下ROC Request)メッセージ及びリレイ動作変更応答(Relay Operation Change Response、以下、ROC Response)メッセージをリレイノード120及び目的ノード130と送受信してもよい。シグナリングの具体的な例は、図3から図5を参照して説明する。
【0068】
図2は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法で用いられるリレイ動作変更要求メッセージ及びリレイ動作変更応答メッセージのアクションフレームを示す図である。
【0069】
図2Aは、リレイ動作変更要求メッセージを構成するアクションフレーム(action frame)を示す。アクションフレームは、MACヘッダ(Medium Access Control Header、MAC Header)フィールド、アクションカテゴリ(Action Category)フィールド、アクション値(Action Value)フィールド、ダイアログトークン(Dialog Token)フィールド、リレイ動作タイプ(Relay Operation Type)フィールド210を含む。
【0070】
MACヘッダフィールドは、リレイ動作変更要求メッセージを送信する装置の送信アドレス及び前記リレイ動作変更要求メッセージを受信する装置の受信アドレスを含んでもよい。アクションカテゴリフィールドは、指向性アンテナを用いて広帯域近距離通信を行うカテゴリに設定され、アクション値フィールドは、前記リレイ動作変更要求に既存に割り当てられた値に設定され、ダイアログトークンフィールドは0ではない値に設定される。リレイ動作タイプフィールド210は、リンク協力タイプまたはリンクスイッチングタイプの有無を示し、より詳しくは図2Bを参照して説明する。
【0071】
図2Bは、リレイ動作変更応答メッセージを構成するアクションフレームを示す。アクションフレームは、MACヘッダ(Medium Access Control Header、MAC Header)フィールド、アクションカテゴリ(Action Category)フィールド、アクション値(Action Value)フィールド、ダイアログトークン(Dialog Token)フィールド、状態コード(Status Code)フィールド220を含む。
【0072】
MACヘッダフィールドは、リレイ動作変更応答メッセージを送信する装置の送信アドレス及び前記リレイ動作変更応答メッセージを受信する装置の受信アドレスを含んでもよい。アクションカテゴリフィールドは、指向性アンテナを用いて広帯域近距離通信を行うカテゴリに設定され、アクション値フィールドは前記リレイ動作変更応答にすでに割り当てられた値に設定され、ダイアログトークンフィールドは、対応するリレイ動作変更要求メッセージのダイヤルトークンフィールドの値に設定される。
【0073】
状態コードフィールド220は、リレイノードまたは目的ノードのリレイ動作タイプの変更に対する承認有無を示す。前記承認有無は、予め設定された値が設定されて表現してもよい。例えば、リレイ動作タイプの変更を承認する場合には0、承認しない場合には37のような値が設定されてもよい。リレイノードからリレイノード及び目的ノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む状態コードフィールド220を受信する場合には、リレイノード及び目的ノードの全てを承認する場合にのみ、リレイ動作タイプの変更が承認された状態コードフィールド220を受信する。2つのうち1つでも拒絶する場合には、リレイ動作タイプの変更が拒絶された状態コードフィールド220を受信する。
【0074】
図2Cは、リレイ動作変更要求メッセージのリレイ動作タイプフィールド210を示す。リレイ動作タイプフィールド210は、リンク協力(Link cooperating)ビットフィールド230、リレイリンク(Relay−link)ビットフィールド240、予約ビット250を含む。
【0075】
リレイ動作タイプフィールド210は、リンク協力ビットフィールド230、リレイリンクビットフィールド240及び予約ビット250を含む1バイトフィールドであってもよい。
【0076】
リンク協力ビットフィールド230はリンク協力動作を示すために1と設定され、リンクスイッチング動作を示すために0と設定されてもよい。リレイリンクビットフィールド240は、リンク協力ビットフィールド230が0と設定された場合に、すなわち、リンクスイッチング動作の場合に有効な値を有して迂回経路でリンクスイッチングを開始する場合に1と設定され、直接経路でリンクスイッチングを開始する場合に0と設定されてもよい。予約ビット250は追加的な活用を備えて予め確保したビットである。
【0077】
図3は、本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更される一例を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS310において、ソースノード、リレイノード及び目的ノードはリンク協力タイプとして動作している。
【0079】
ステップS320において、リンク協力タイプとして動作中に直接経路で問題が発生してソースノードはリンクスイッチングタイプにリレイ動作タイプの変更を決定する。ここで、直接経路で発生する問題は、ソースノードと目的ノードとの間に信号送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合を意味する。ソースノードは、目的ノードからACKフレームの受信の有無及び測定されたソースノードと目的ノードとの間のリンク品質に基づいて直接経路上の問題を検出することができる。
【0080】
ステップS331において、ソースノードは、リレイノード及び目的ノードがリンクスイッチングタイプとして動作するよう動作を変更するためのシグナリングを行う。直接経路上に問題が発生したため、ソースノードは、迂回経路を用いるためリレイノードにリレイ動作変更要求(ROC Request)メッセージを送信する。ここで、リレイ動作変更要求メッセージを構成するアクションフレームのリレイ動作タイプフィールドでリンク協力ビットフィールドは0に設定され、リレイリンクビットフィールドは1に設定される。リンクスイッチングタイプでリレイ動作タイプを変更し、迂回経路でリンクスイッチングを開始するためである。
【0081】
ステップS333において、リレイノードは、リレイ動作変更要求メッセージを受信した後、受信したリレイ動作変更要求メッセージを目的ノードに送信する。リレイノードは半二重方式(Half−Duplex)によってソースノードから前記メッセージを受信した後、前記受信したメッセージを目的ノードに送信する。リレイノードは、リレイノードのMAC(Medium Access Control、MAC)アドレスをMACヘッダの送信アドレス(Transmitter address、TA)に設定し、目的ノードのMACアドレスを前記MACヘッダの受信アドレス(Receiver Address、RA)に設定し、リレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0082】
ステップS335において、目的ノードは、リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答(ROC Response)メッセージをリレイノードに送信する。リレイ動作変更応答メッセージは、目的ノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を示す状態コードフィールドを含んでいいる。
【0083】
ステップS337において、リレイノードは、リレイ動作変更応答メッセージを受信した後、受信したリレイ動作変更応答メッセージをソースノードに送信する。ここで、ソースノードに送信するリレイ動作変更応答メッセージには、目的ノード及びリレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を示す状態コードフィールドが含まれている。目的ノード及びリレイノードの全てを承認する場合、リレイ動作タイプの変更を承認する所定のビットが状態コードフィールドに設定される。目的ノードまたはリレイノード2つのうち1つでも拒絶する場合には、リレイ動作タイプの変更を拒絶する他の所定のビットが状態コードフィールドに設定される。
【0084】
ステップS340において、ソースノードは、リレイ動作変更応答メッセージを介して目的ノード及びリレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を決定する。目的ノード及びリレイノードがリレイ動作タイプの変更を承認した場合、ソースノードはリレイノードにデータフレームを送信する。すなわち、ソースノード、リレイノード及び目的ノードは迂回経路でリンクスイッチングタイプとして動作する。目的ノードまたはリレイノードのうちの1つでもリレイ動作タイプの変更を拒絶した場合、ソースノードは継続してリンク協力タイプで動作しなければならない。その後、予め設定された条件に応じてリレイ動作変更シグナリングを行う。
【0085】
図4は、本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更される他の一例を示すフローチャートである。
【0086】
ステップS410において、ソースノード、リレイノード及び目的ノードはリンク協力タイプとして動作する。
【0087】
ステップS420において、リンク協力タイプとして動作する間に迂回経路で問題が発生し、ソースノードはリンクスイッチングタイプにリレイ動作タイプの変更を決定する。ここで、迂回経路で発生する問題は、ソースノードとリレイノードとの間、またはリレイノードと目的ノードとの間に信号送信が不可能であるか、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、またはリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合を意味する。ソースノードは、目的ノードからACKフレームの受信の有無及び測定されたソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、測定されたリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質に基づいて迂回経路上の問題を検出することができる。
【0088】
ステップS431において、ソースノードは、目的ノードがリンクスイッチングタイプとして動作するように動作変更のためのシグナリングを行う。迂回経路上に問題が発生したため、ソースノードは直接経路を用いるため目的ノードにリレイ動作変更要求(ROC Request)メッセージを送信する。ここで、リレイ動作変更要求メッセージを構成するアクションフレームのリレイ動作タイプフィールドでリンク協力ビットフィールドは0に設定され、リレイリンクビットフィールドは0に設定される。リンクスイッチングタイプにリレイ動作タイプを変更し、直接経路でリンクスイッチングを開始するためである。
【0089】
ステップS433において、目的ノードはリレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答(ROC Response)メッセージをリレイノードに送信する。リレイ動作変更応答メッセージには、目的ノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を示す状態コードフィールドを含んでいる。目的ノードが承認する場合、リレイ動作タイプの変更を承認する所定のビットが状態コードフィールドに設定される。目的ノードが拒絶する場合には、リレイ動作タイプの変更を拒絶する他の所定のビットが状態コードフィールドに設定される。
【0090】
ステップS440において、ソースノードは、リレイ動作変更応答メッセージによって目的ノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を決定する。目的ノードがリレイ動作タイプの変更を承認した場合、ソースノードは目的ノードにデータフレームを送信する。すなわち、ソースノード及び目的ノードは直接経路でリンクスイッチングタイプとして動作する。目的ノードがリレイ動作タイプの変更を拒絶した場合、ソースノードは継続してリンク協力タイプとして動作しなければならない。その後、予め設定された条件に応じてリレイ動作変更シグナリングを行う。
【0091】
図5は、本発明の一実施形態に係るリレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更される一例を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS510において、ソースノード、リレイノード及び目的ノードはリンクスイッチングタイプとして動作する。
【0093】
ステップS520において、リンクスイッチングタイプとして動作する間にイベントが発生すると、ソースノードはリンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更を決定してもよい。ここで、発生するイベントは、タイマーに予め設定された時間の経過を含んでもよい。タイマーに予め設定された時間が経過すると、ソースノードは、リンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更を決定してもよい。また、迂回経路と直接経路との間のリンクスイッチングが予め設定された基準以上に頻繁に発生する場合を含んでもよい。迂回経路と直接経路との間のリンクスイッチングが予め設定された基準以上に頻繁に発生する場合は、迂回経路のリンク品質及び直接経路のリンク品質がそれほど良好ではないことを意味するため、リンク協力タイプへの変更を介して優れた品質の信号を受信することができる。
【0094】
ソースノードは、目的ノードからACKフレームの受信の有無及び測定されたソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、測定されたリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質及び測定されたソースノードと目的ノードとの間のリンク品質に基づいてリレイ動作タイプの変更を決定する。
【0095】
ソースノードは、リンクスイッチングタイプとして動作しながら、使用しない直接経路または迂回経路のリンク品質を測定する。測定結果、使用しない経路のリンク品質が所定の値以上であれば、リンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更を決定する。
【0096】
ステップS530において、ソースノードは、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間にリンク協力タイプとして動作するための指向性アンテナを利用したビームの形成可否を判断する。ソースノード、リレイノード及び目的ノードは、指向性アンテナを用いて通信を行うため通信を行うための前提条件として、ソースノードとリレイノードとの間に、そしてソースノード、リレイノード及び目的ノード間にビーム形成の手続が必要である。
【0097】
ステップS540において、ソースノード、リレイノード及び目的ノードはビームが形成されていない場合、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間にビーム形成手続を行う。
【0098】
ステップS550において、ソースノードは、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に送信時点の調整手続(Transmission Time−Point Adjustment、TPA)が行われたか否かを判断する。ソースノード、リレイノード及び目的ノード間にリンク協力タイプとして動作するためには送信時点の調整手続が成功的に行われなければならない。
【0099】
送信時点の調整手続は、ソースノードに送信するフレームとリレイノードで送信するフレームが目的ノードで同時に、またはサイクリックプレフィックス(Cyclic prefix)内で受信されるよう、ソースノード及びリレイノードのフレーム送信時点を調整する手続である。フレームの送信時点は、ソースノードとリレイノードとの間の電波遅延時間、目的ノードとソースノードとの間の電波遅延時間、目的ノードとリレイノードとの間の電波遅延時間を考慮して調整され得る。
【0100】
また、送信時点の調整手続は、ソースノード及びリレイノードの周波数オフセット調整過程を含んでもよい。
【0101】
ステップS560において、ソースノード、リレイノード及び目的ノードは送信時点の調整手続が行われていない場合、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に送信時点の調整手続を行う。
【0102】
ステップS571において、ソースノードは、リレイノード及び目的ノードがリンク協力タイプとして動作するよう動作変更のためのシグナリングを行う。ソースノードは、リンク協力タイプで直接経路及び迂回経路の全てを利用するため、迂回経路を用いるためにリレイノードにリレイ動作変更要求(ROC Request)メッセージを送信する。ここで、リレイ動作変更要求メッセージを構成しているアクションフレームのリレイ動作タイプフィールドにおいてリンク協力ビットフィールドは1に設定される。
【0103】
ステップS573において、リレイノードはリレイ動作変更要求メッセージを受信した後、受信したリレイ動作変更要求メッセージを目的ノードに送信する。リレイノードは、半二重方式(Half−Duplex)でソースノードから前記メッセージを受信した後、前記受信したメッセージを目的ノードに送信する。リレイノードは、リレイノードのMAC(Medium Access Control、MAC)アドレスをMACヘッダの送信アドレス(Transmitter address、TA)と設定し、目的ノードのMACアドレスを前記MACヘッダの受信アドレス(Receiver Address、RA)と設定し、リレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0104】
ステップS575において、目的ノードは、リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答(ROC Response)メッセージをリレイノードに送信する。リレイ動作変更応答メッセージは、目的ノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を示す状態コードフィールドを含んでもよい。
【0105】
ステップS577において、リレイノードはリレイ動作変更応答メッセージを受信した後、受信したリレイ動作変更応答メッセージをソースノードに送信する。ここで、ソースノードに送信するリレイ動作変更応答メッセージは、目的ノード及びリレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を示す状態コードフィールドを含んでもよい。目的ノード及びリレイノードの全てを承認する場合、リレイ動作タイプの変更を承認する所定のビットが状態コードフィールドに設定される。目的ノードまたはリレイノード2つのうち1つでも拒絶する場合には、リレイ動作タイプの変更を拒絶する他の所定のビットが状態コードフィールドに設定される。
【0106】
ステップS580において、ソースノードはリレイ動作変更応答メッセージによって目的ノード及びリレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を決定する。目的ノード及びリレイノードがリレイ動作タイプの変更を承認した場合、ソースノードは、リレイノード及び目的ノードにデータフレームを送信する。ただし、ソースノードは、送信時点の調整手続によって調整された時間に応じてリレイノード及び目的ノードに同一のデータフレームを送信する。したがって、目的ノードは、ソースノード及びリレイノードから同一のデータフレームを同時に受信する。ここで、目的ノードは、ソースノード及びリレイノードからデータフレームを同時に受信するよう、目的ノードのアンテナパターンがソースノード及びリレイノードに同時に指向するように設定されてもよい。また、目的ノードのアンテナパターンはステップS540において、ソースノード及びリレイノードに同時に指向するように予め設定されてもよい。
【0107】
目的ノードまたはリレイノードのうちの1つでもリレイ動作タイプの変更を拒絶した場合、ソースノードは継続してリンクスイッチングタイプとして動作しなければならない。その後、予め設定された条件に応じてリレイ動作変更シグナリングを行う。
【0108】
図6は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法をソースノードの観点で示すフローチャートである。図6で示す広帯域近距離無線通信装置はソースノードに対応する。
【0109】
ステップS610において、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作タイプの変更を決定する。広帯域近距離無線通信装置は、目的ノードから予め設定された時間の間にACKフレームが受信されない場合、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、リレイノードと目的ノードとの間のリンク品質及びソースノードと目的ノードとの間のリンク品質に基づいてリレイ動作タイプの変更を決定する。
【0110】
リレイ動作タイプの変更はリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更されてもよく、リンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更されてもよい。リンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更される場合は、直接経路に問題が発生する場合と、迂回経路に問題が発生する場合とに区別される。
【0111】
広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作タイプの変更が決定されれば、動作変更のためのシグナリングを行わなければならない。ソースノード、リレイノード及び目的ノードは、リンク協力タイプで行う機能とリンクスイッチングタイプで行う機能が互いに異なる。したがって、リレイ動作タイプが変更されることになれば、ソースノード、リレイノード及び目的ノードが変更される動作タイプに対して備えなければならない。また、各ノードの状況に応じて変更される動作を実行できない場合もあるため、変更される動作の承認有無も決定されなければならない。したがって、ソースノード、リレイノード及び目的ノードは、動作変更のためのシグナリングによって上記のような承認の有無を確認することができる。
【0112】
ステップS620において、広帯域近距離無線通信装置は、リレイ動作変更要求(Relay Operation Change request、ROC request)メッセージを送信する。
【0113】
リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置は、迂回経路を用いるためリレイノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0114】
リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置は、直接経路を用いるため目的ノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0115】
リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置は、直接経路及び迂回経路を全て利用するためリレイノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0116】
ここで、リレイ動作変更要求メッセージはアクションフレームから構成され、アクションフレームのリレイ動作タイプフィールドのうち、リンク協力ビットフィールドを介してリンク協力タイプまたはリンクスイッチングタイプが設定される。また、リレイ動作タイプフィールドのうち、リンクスイッチングタイプに変更される場合、リレイリンクビットフィールドを介して迂回経路でリンクスイッチングが開始されるか、直接経路でリンクスイッチングが開始されるかが設定される。
【0117】
ステップS630において、広帯域近距離無線通信装置は、リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答(Relay Operation Change response、ROC response)メッセージを受信する。
【0118】
リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリレイノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。リレイノードは目的ノードから前記リレイ動作変更応答メッセージを受信し、ソースノードに再び伝達する。
【0119】
リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置は目的ノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。
【0120】
リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリレイノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。
【0121】
リレイ動作変更応答メッセージは、状態コードビットフィールドを介してリンクスイッチングタイプまたはリンク協力タイプに用いられるノードのリレイ動作変更に対する承認有無を設定する。承認または拒絶にそれぞれ対応するビットが状態コードビットフィールドに設定されてもよい。
【0122】
ステップS640において、広帯域近距離無線通信装置は、リレイ動作変更応答メッセージを介してリレイ動作タイプの変更に対する承印加否を判断する。リレイ動作タイプの変更が承認されれば、関連するノードに対してデータフレームを送信する。
【0123】
リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、リンクスイッチングタイプへの変更が承認されれば、広帯域近距離無線通信装置はリレイノードにデータフレームを送信する。
【0124】
リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、リンクスイッチングタイプへの変更が承認されれば、広帯域近距離無線通信装置は目的ノードにデータフレームを送信する。
【0125】
リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更される場合、リンク協力タイプへの変更が承認されれば、広帯域近距離無線通信装置はリレイノード及び目的ノードにデータフレームを送信する。ここで、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作変更が承認されれば、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に送信時点の調整手続(TPA)の実行有無を判断し、送信時点の調整手続が行われていない場合に送信時点の調整手続を行う。また、広帯域近距離無線通信装置は、リレイ動作変更が承認される前にもリレイノード及び目的ノード間に送信時点の調整手続(TPA)の実行有無を判断し、送信時点の調整手続が行われていない場合に送信時点の調整手続を行う。
【0126】
また、広帯域近距離無線通信装置は、リレイノードからリンク測定報告フレーム(Link Measurement Report frame)を受信する。リンク測定報告フレームは、第1リンクマージンエレメント(the first link margin element)及び第2リンクマージンエレメント(the second link margin element)を含んでもよい。第1リンクマージンエレメントはリレイノードで測定されたソースノードとリレイノードとの間のリンク品質情報を示し、第2リンクマージンエレメントはリレイノードで測定されたリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質情報を示す。
【0127】
また、広帯域近距離無線通信装置は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質情報及びリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質情報に基づいて、リレイノード及び目的ノードへのフレーム送信に用いられる変調及びコーディング方式(Modulation and Coding Scheme)を変更してもよい。すなわち、広帯域近距離無線通信装置は、迂回経路のリンク品質に応じてリンク品質に適する方式によってフレームを変調及びコーディングする。
【0128】
また、広帯域近距離無線通信装置は、別途のリレイ動作変更要求/応答メッセージのシグナリングなしで、送信するデータフレームのヘッダ情報にリンク協力ビットフィールド及びリレイリンクビットフィールドを追加して送信することで、リレイ動作タイプの変更をシグナリングしてもよい。これによって、メッセージのシグナリングによりデータフレームの伝達が中断されるという短所を克服することができる。
【0129】
図7は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法をリレイノードの観点で示すフローチャートである。図7で示す広帯域近距離無線通信装置は広帯域近距離無線通信システムのリレイノードに対応する。
【0130】
ここで、広帯域近距離無線通信装置は、リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更を決定する場合、及びリンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更を決定する場合に用いられる。
【0131】
ステップS710において、広帯域近距離無線通信装置はソースノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信する。
【0132】
ステップS720において、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作変更要求メッセージを目的ノードに送信する。
【0133】
ステップS730において、広帯域近距離無線通信装置は、目的ノードからリレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信する。
【0134】
ステップS740において、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作変更応答メッセージをソースノードに送信する。
【0135】
広帯域近距離無線通信装置は、ソースノードと目的ノードとの間でリレイ動作変更要求メッセージ及びリレイ動作変更応答メッセージを伝達する。
【0136】
また、広帯域近距離無線通信装置は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、及びリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質を測定する。また、広帯域近距離無線通信装置は、リンク測定報告フレームをソースノードに送信する。リンク測定報告フレームは、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質情報を示す第1リンクマージンエレメント、及びリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質情報を示す第2リンクマージンエレメントを含む。
【0137】
図8は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信方法を目的ノードの観点で示すフローチャートである。図8で示す広帯域近距離無線通信装置は広帯域近距離無線通信システムの目的ノードに対応する。
【0138】
ステップS810において、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作変更要求メッセージを受信する。
【0139】
リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリレイノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信する。
【0140】
リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はソースノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信する。
【0141】
リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリレイノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信する。
【0142】
ステップS820において、広帯域近距離無線通信装置はリレイ動作変更応答メッセージを送信する。
【0143】
リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリンクスイッチングタイプ変更承認の有無を決定し、リレイノードにリレイ動作変更応答メッセージを送信する。
【0144】
リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリンクスイッチングタイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリンクスイッチングタイプ変更承認の有無を決定し、ソースノードにリレイ動作変更応答メッセージを送信する。
【0145】
リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリンク協力タイプに変更される場合、広帯域近距離無線通信装置はリンク協力タイプ変更承認の有無を決定し、リレイノードにリレイ動作変更応答メッセージを送信する。
【0146】
図9は、本発明の一実施形態に係る広帯域近距離無線通信装置のブロック図である。図9を参照すると、一実施形態に係る広帯域近距離無線通信装置は、リンク品質測定部910、制御部920、送信部930及び受信部940を備える。
【0147】
リンク品質測定部910は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、リレイノードと目的ノードとの間のリンク品質及びソースノードと目的ノードとの間のリンク品質を測定する。
【0148】
制御部920は、リレイ動作タイプの変更を決定する。制御部920は、目的ノードから予め設定された時間の間にACKフレームが受信されない場合、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、リレイノードと目的ノードとの間のリンク品質及びソースノードと目的ノードとの間のリンク品質に基づいてリレイ動作タイプの変更を決定する。
【0149】
制御部920はリンク協力タイプとして動作する状態で、直接経路または迂回経路で問題が発生した場合、リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するよう決定する。ここで、直接経路または迂回経路で発生する問題は、ソースノードと目的ノードとの間に信号を送信できないか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合を意味する。
【0150】
制御部920はリンクスイッチングタイプとして動作する状態でイベントが発生する場合、リレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更するよう決定する。ここで、発生するイベントは、タイマーに予め設定された時間の経過を含んでもよい。制御部920はタイマーに予め設定された時間が経過すると、リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更されるよう決定してもよい。また、迂回経路と直接経路との間のリンクスイッチングが予め設定された基準以上に頻繁に発生する場合を含んでもよい。
【0151】
また、制御部920は、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間にビーム形成手続の実行有無を判断し、ビーム形成手続が行われていない場合にビーム形成手続を行うように決定してもよい。
【0152】
また、制御部920は、リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプに変更される前にリンク協力タイプで行われた場合、前記リンク協力タイプで取得したビーム形成パラメータ値を再使用してもよい。制御部920は、タイマーを用いてタイマーに設定された時間が経過する前に、リンクスイッチングタイプからリンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更が決定されれば、既存に取得したビーム形成パラメータ値を再使用してもよい。また、制御部920は、タイマーに設定された時間が経過した後、リンクスイッチングタイプからリンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更が決定されれば、新しいビーム形成パラメータ値を取得するためにビーム形成手続を再度行ってもよい。
【0153】
また、制御部920は、ソースノード、リレイノード及び目的ノード間に送信時点の調整手続(Transmission Time−Point Adjustment、TPA)の実行有無を判断し、送信時点の調整手続が行われない場合に送信時点の調整手続を行うよう決定してもよい。
【0154】
また、制御部920は、リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプに変更される前にリンク協力タイプで行われた場合、前記リンク協力タイプで取得した送信時点調整パラメータ値を再使用してもよい。制御部920は、タイマーを用いてタイマーに設定された時間が経過する前にリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更が決定されれば、既存に取得した送信時点調整パラメータ値を再使用してもよい。また、制御部920は、タイマーに設定された時間が経過した後、リンクスイッチングタイプからリンク協力タイプにリレイ動作タイプの変更が決定されれば、新しい送信時点調整パラメータ値を取得するために送信時点の調整手続を再度行ってもよい。
【0155】
また、制御部920は、ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質情報及びリレイノードと目的ノードとの間のリンク品質情報に基づいて、リレイノード及び目的ノードでのフレーム送信に用いられる変調及びコーディング方式(Modulation and Coding Scheme)を変更してもよい。
【0156】
送信部930はリレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求(Relay Operation Change request、ROC request)メッセージを送信する。
【0157】
送信部930は、リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更する場合、迂回経路を用いるためリレイノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0158】
また、送信部930は、リンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更する場合、直接経路を用いるため目的ノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0159】
また、送信部930は、リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更する場合、直接経路及び迂回経路を全て利用するためリレイノードにリレイ動作変更要求メッセージを送信する。
【0160】
受信部940は、リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答(Relay Operation Change response、ROC response)メッセージを受信する。
【0161】
受信部940は、リンク協力タイプで直接経路に問題が発生してリレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更する場合、リレイノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。リレイノードは、目的ノードから前記リレイ動作変更応答メッセージを受信し、ソースノードに再び伝達する。ここで、送信部930はリンクスイッチングタイプへの変更が承認されれば、リレイノードにデータフレームを送信する。
【0162】
また、受信部940はリンク協力タイプで迂回経路に問題が発生してリレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更する場合、目的ノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。ここで、送信部930はリンクスイッチングタイプへの変更が承認されれば、目的ノードでデータフレームを送信する。
【0163】
また、受信部940は、リンクスイッチングタイプでイベントが発生してリレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更する場合、リレイノードからリレイ動作変更応答メッセージを受信する。ここで、送信部930は、リンク協力タイプへの変更が承認されれば、リレイノード及び目的ノードにデータフレームを送信する。
【0164】
また、受信部940は、リレイノードからリンク測定報告フレーム(Link Measurement Report frame)を受信する。
【0165】
本発明の実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されることができる。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであったあり、コンピュータソフトウェア当業者に公示されて使用可能なものであったりする。
【0166】
上述したように、本発明は、限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明が上述した実施形態に限定されることはなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正および変形が可能である。
【0167】
したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されて決定されてはならず、添付する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定められなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質に基づいて、リレイ動作タイプの変更を決定するステップと、
前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップと、
前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信するステップと、
を含むことを特徴とする広帯域近距離無線通信方法。
【請求項2】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、MACヘッダフィールド、アクションカテゴリフィールド、アクション値フィールド、ダイアログトークンフィールド、リレイ動作タイプフィールドを含むアクションフレームであることを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項3】
前記リレイ動作変更応答メッセージは、MACヘッダフィールド、アクションカテゴリフィールド、アクション値フィールド、ダイアログトークンフィールド、状態コードフィールドを含むアクションフレームであることを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項4】
前記リレイ動作タイプフィールドは、リンク協力ビットフィールド、リレイリンクビットフィールド、予約ビットを含むことを特徴とする請求項2に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項5】
前記リンク協力ビットフィールドは、リンク協力タイプを表示するために1と設定され、リンクスイッチングタイプを表示するために0と設定され、
前記リレイリンクビットフィールドは、前記リンク協力ビットフィールド値が0と設定された場合に有効な値を有し、迂回経路でリンクスイッチングを開始する場合に1と設定され、直接経路でリンクスイッチングする場合に0と設定されることを特徴とする請求項4に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項6】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンク協力タイプとして動作する状態において、直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するように決定し、
前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項7】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が0と設定され、リレイリンクビットフィールドは1と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、
前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノード及び前記リレイノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために、所定のビットが設定された状態コードフィールドを含むことを特徴とする請求項6に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項8】
前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リレイノードにデータフレームを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項9】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンク協力タイプとして動作する状態において、迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するように決定し、
前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記目的ノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記目的ノードからリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項10】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が0と設定され、リレイリンクビットフィールドは0と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、
前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために所定のビットが設定された状態コードフィールドを含むことを特徴とする請求項9に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項11】
前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記目的ノードにデータフレームを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項12】
前記リレイ動作タイプの変更を決定するステップは、リンクスイッチングタイプとして動作する状態において、前記リレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更するように決定し、
前記リレイ動作変更要求メッセージを送信するステップは、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記リレイ動作変更応答メッセージを受信するステップは、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項13】
前記リレイ動作変更要求メッセージは、リンク協力ビットフィールド値が1と設定されたリレイ動作タイプフィールドを含み、
前記リレイ動作変更応答メッセージは、前記目的ノード及び前記リレイノードの前記リレイ動作タイプの変更承認の有無を示すために所定のビットが設定された状態コードフィールドを含むことを特徴とする請求項12に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項14】
前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リンク協力タイプ方式に基づいて前記リレイノード及び前記目的ノードにデータフレームを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項15】
前記目的ノードは、前記ソースノード及び前記リレイノードからデータフレームを同時に受信するように、アンテナパターンが前記リレイノード及び前記ソースノードに同時に指向するよう設定されることを特徴とする請求項13に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項16】
前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間に送信時点の調整手続の実行有無を判断するステップと、
前記送信時点の調整手続が行われていない場合、前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間に送信時点の調整手続を行うステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項17】
前記リレイノードからリンク測定報告フレームを受信するステップをさらに含み、
前記リンク測定報告フレームは、前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報を示す第1リンクマージンエレメント及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報を示す第2リンクマージンエレメントを含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項18】
前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報に基づいて、前記リレイノード及び前記目的ノードへのフレーム送信に用いられる変調及びコーディング方式を変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項19】
リレイ動作タイプの変更が決定されれば、ソースノードからリレイ動作変更要求メッセージを受信するステップと、
前記受信した前記リレイ動作変更要求メッセージを目的ノードに送信するステップと、
前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを前記目的ノードから受信するステップと、
前記受信した前記リレイ動作変更応答メッセージを前記ソースノードに送信するステップと、
を含むことを特徴とする広帯域近距離無線通信方法。
【請求項20】
前記目的ノードに送信するステップは、リレイノードのMACアドレスをMACヘッダの送信アドレスに設定し、前記目的ノードのMACアドレスを前記MACヘッダの受信アドレスに設定し、前記リレイ動作変更要求メッセージを送信することを特徴とする請求項19に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項21】
前記ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質を測定するステップと、
前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質情報示す第1リンクマージンエレメント、及び前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質情報を示す第2リンクマージンエレメントを含むリンク測定報告フレームを前記ソースノードに送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項22】
リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを受信するステップと、
前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを送信するステップと、
を含むことを特徴とする広帯域近距離無線通信方法。
【請求項23】
前記メッセージを受信するステップは、
ソースノードと目的ノードとの間の直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、リレイノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信し、
前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間の迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、前記ソースノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信することを特徴とする請求項22に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項24】
前記メッセージを受信するステップは、前記リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更が決定された場合、リレイノードから前記リレイ動作変更要求メッセージを受信することを特徴とする請求項22に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項25】
前記メッセージを送信するステップは、
ソースノードと目的ノードとの間の直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、リレイノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信し、
前記ソースノード、前記リレイノード及び前記目的ノードの間の迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化して前記リレイ動作タイプがリンク協力タイプからリンクスイッチングタイプに変更が決定された場合、前記ソースノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信することを特徴とする請求項22に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項26】
前記メッセージを送信するステップは、前記リレイ動作タイプがリンクスイッチングタイプからリンク協力タイプに変更が決定された場合、リレイノードに前記リレイ動作変更応答メッセージを送信することを特徴とする請求項22に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項27】
ソースノードとリレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質、及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質に基づいて、リレイ動作タイプの変更を決定する制御部と、
前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、リレイ動作変更要求メッセージを送信する送信部と、
前記リレイ動作変更要求メッセージに対応するリレイ動作変更応答メッセージを受信する受信部と、
を備えることを特徴とする広帯域近距離無線通信装置。
【請求項28】
前記制御部は、リンク協力タイプとして動作する状態において、直接経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するよう決定し、
前記送信部は、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記受信部は、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項27に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項29】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リレイノードにデータフレームを送信することを特徴とする請求項28に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項30】
前記制御部は、リンク協力タイプとして動作する状態において、迂回経路で信号の送信が不可能であるか、リンク品質が予め設定された基準よりも悪化した場合、前記リレイ動作タイプをリンクスイッチングタイプに変更するよう決定し、
前記送信部は、前記目的ノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記受信部は、前記目的ノードからリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項27に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項31】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記目的ノードにデータフレームを送信することを特徴とする請求項30に記載の広帯域近距離無線通信方法。
【請求項32】
前記制御部は、リンクスイッチングタイプとして動作する状態において、前記リレイ動作タイプをリンク協力タイプに変更するよう決定し、
前記送信部は、前記リレイノードに前記リレイ動作変更要求メッセージを送信し、
前記受信部は、前記リレイノードから前記目的ノード及び前記リレイノードのリレイ動作タイプの変更承認の有無を含む前記リレイ動作変更応答メッセージを受信することを特徴とする請求項27に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項33】
前記制御部は、
タイマーに設定された時間が経過する前、前記リンクスイッチングタイプから前記リンク協力タイプに前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、従来のビーム形成パラメータ値及び送信時点調整パラメータ値を再使用し、
前記タイマーに設定された時間が経過した後、前記リンクスイッチングタイプから前記リンク協力タイプに前記リレイ動作タイプの変更が決定されれば、ビーム形成手続及び送信時点の調整手続を再度行うことを特徴とする請求項32に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項34】
前記送信部は、前記リレイ動作タイプの変更が承認される場合、前記リンク協力タイプ方式に基づいて前記リレイノード及び前記目的ノードにデータフレームを送信することを特徴とする請求項32に記載の広帯域近距離無線通信装置。
【請求項35】
前記ソースノードと前記リレイノードとの間のリンク品質、前記リレイノードと前記目的ノードとの間のリンク品質、及び前記ソースノードと前記目的ノードとの間のリンク品質を測定するリンク品質測定部をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の広帯域近距離無線通信装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−521738(P2013−521738A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556963(P2012−556963)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001509
【国際公開番号】WO2011/108886
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】