説明

床暖房パネル、及び当該床暖房パネルを備えた床暖房設備

【課題】熱媒体流通管の膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つ熱媒体流通管の配設パターンを従来よりも幅広く実現することができる床暖房パネル、当該床暖房パネルを備えた床暖房設備を提供する。
【解決手段】床暖房パネル1は、パネル本体2の片面に、複数の隆起部3が互いに等しい方向に沿って形成されており、隣り合う2つの隆起部の間には、温水パイプを配置することができる凹溝4が形成されている。パネル本体2は、隆起部3の一方の先端3aよりも更に、隆起部3の伸長方向に沿って、凹溝4の開口径Wの少なくとも2倍ほど伸びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱式の床暖房パネル、及び当該床暖房パネルを備えた床暖房設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
床暖房設備は、床暖房パネルに与えられる熱によって暖房対象である床を暖房する。例えば、コンクリート床あるいはコンクリート床上に張られた下地合板のような床下地上に、木質系床材に電気ヒータあるいは温水用パイプ等の発熱源を組み込んだ床材を配置するようにした床暖房が知られており、その一つの形態として、発熱源として温水を用い、ガス給湯器のような温水発生源からの温水を温水循環用のパイプを通して循環させるようにしたものが実用化されている。
【0003】
特許文献1には、そのような床暖房が記載されている。図20は、特許文献1に記載されている床暖房設備に設けられた床暖房パネルPを示している。床暖房パネルPには、図20に示すように、加熱用長尺体としての熱媒体流通管(不図示)を配管するための溝部102が形成された板状基材103を有している。板状基材103は、矩形板状の直線基材部分104の複数枚と、直線基材部分104の幅とほぼ同一の幅を備えた湾曲基材部分105の複数枚とから構成されている。板状基材103における溝部102は、平行またはほぼ平行な複数の上方が開口した凹入状の直線溝部102aと、複数の直線溝部102aの一端部でそれらの直線溝部102aにわたって熱媒体流通管を配管するための上方が開口した凹入状の湾曲溝部102bとから構成され、直線基材部分104に設けられた直線溝部102aと湾曲基材部分105に設けられた湾曲溝部102bとにわたって、熱媒体流通管を蛇行状に配管するように構成されている。湾曲基材部分105における湾曲溝部102bは、同じ形状に形成されており、その湾曲溝部102bは、直線基材部分104の幅方向に隣接する直線基材部分104において、一方側に隣接する直線基材部分104における直線溝部102aにわたって熱媒体流通管101を配設することも、他方側に隣接する直線基材部分104における直線溝部102aにわたって熱媒体流通管101を配設することも、また、同一の直線基材部分104における直線溝部102aにわたって熱媒体流通管を配設することも可能な形状に構成されている。
【0004】
また、特許文献2には、温水用パイプPの循環路の形状に対応した凹溝を裏面に形成した複数の床材を用いた構成が記載されている。図21(a)は、この構成を示した断面図である。直線状の凹溝202と該凹溝202を被覆する裏面シート204を持つ床材Aの該凹溝202に温水用パイプPを敷設し、続いて、端部同士を接続して温水の循環路を形成した後に、先に取り外しておいた端末用床材を床下地に固定して温水式暖房床を実現している。上記端末用床材としては、図21(b)に示す構成の床材を用いることができる。
【特許文献1】特開2003−194346号公報(2003年7月9日公開)
【特許文献2】特開平10−253085号公報(1998年9月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにパイプを敷設する構成の床暖房パネルにおいては、パイプの膨張や収縮に対応可能な構造が求められている。また、パイプの配設パターンの自由度を高め、複雑な形状の床へ設置可能となる床暖房パネルを提供することが求められている。さらに、単位面積当たりの敷設率を高くすることも求められている。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パイプの膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つパイプの配設パターンを従来よりも幅広く実現することができる床暖房パネル、及び当該床暖房パネルを備えた床暖房設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る床暖房パネルは、上記の課題を解決するために、少なくともパネル本体の片面に、当該片面に沿って互いに等しい方向に伸びているとともに、互いに平行に並んだ複数の隆起部が設けられており、隣り合う当該隆起部と隆起部との間が、熱媒体流通管を配置するための、上記等しい方向に沿って伸びる凹溝として構成されている蓄熱式の床暖房パネルであって、上記等しい方向に沿った上記隆起部の2つの先端のうちの少なくとも一方の先端は、上記床暖房パネルの端よりも内側に形成されており、上記床暖房パネルを上記等しい方向に対して垂直な方向に切断して上記凹溝をみたときに、上記パネル本体が、上記一方の先端から上記床暖房パネルの上記端に向けて、当該凹溝を構成している一方の上記隆起部と他方の上記隆起部とにおける互いに等しい隆起高の位置における長さのうちの最大の長さよりも少なくとも2倍の長さを有して伸びていることを特徴としている。
【0008】
上記の構成を備えた床暖房パネルは、熱媒体流通管(パイプ)の膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つ熱媒体流通管の取りまわしパターンを従来よりも幅広く実現することができる。
【0009】
具体的には、本発明に係る床暖房パネルによれば、上記等しい方向に沿って伸びる凹溝が形成されていることから、この凹溝に熱媒体流通管を配置することができる。そして、上記等しい方向に沿った上記隆起部の2つの先端のうちの少なくとも一方の先端は、上記床暖房パネルの端よりも内側に形成されており、上記床暖房パネルを上記等しい方向に対して垂直な方向に切断して上記凹溝をみたときに、上記本体が、上記一方の先端から上記床暖房パネルの上記端に向けて、当該凹溝を構成している一方の上記隆起部と他方の上記隆起部とにおける互いに等しい隆起高の位置における長さのうちの最大の長さよりも少なくとも2倍の長さを有して伸びている。
【0010】
これにより、まず、或る1つの凹溝と、例えば当該或る1つの凹溝の隣に位置する凹溝とに、1本の熱媒体流通管をU字形状に曲げて配置したとき、U字形状に屈曲部分を配置するパネル本体は、凹溝の幅よりも広いスペースで形成されていることから、熱媒体流通管に温水などを通した際に熱媒体流通管が膨張・収縮しても、熱媒体流通管の屈曲部分が破裂したり、配置状態に不都合が生じにくくなる。ここで、配置状態の不都合とは、例えば、熱媒体流通管の屈曲部分を、熱媒体流通管1本が配置できる幅を有する溝に配置した場合、熱媒体流通管の膨張・収縮によって、熱媒体流通管の屈曲部分が溝から外れて、所望の暖房性能を実現することが困難になることをいう。本発明の構成によれば、そのような不都合が生じにくく、暖房機能の信頼性を向上させることができる。
【0011】
そして、上記の構成によれば、或る1つの凹溝に配置された長い1本の熱媒体流通管を考えたときに、この熱媒体流通管をU字形状に曲げて、当該或る凹溝とは異なる別の凹溝にも配設する際、上記隆起部の上記一方の先端において、当該熱媒体流通管を、当該或る凹溝の隣の凹溝、あるいは更に隣の凹溝等、所望の凹溝に配設することができる。
【0012】
従来技術の構成の場合は、パネルにおける、熱媒体流通管のU字に曲げた部分を配置する箇所には、熱媒体流通管1本分の幅の溝が、例えば隣の凹溝に続くように既に形成されている。そのため、仮に上記のように熱媒体流通管を、或る凹溝の隣の凹溝、あるいは更に隣の凹溝等のように配設しようとした場合、熱媒体流通管が配設されない凹溝が生じてしまうことになる。すなわち、従来技術の場合は、熱媒体流通管の配設パターンの種類は事前に制限されていることになる。これに対して、本発明の構成によれば、熱媒体流通管の屈曲部分を配置する部分が広く構成されているため、従来と比較して、配設パターンに自由度がある。
【0013】
また、本発明に係る床暖房パネルは、上記床暖房パネルの上記端には、当該端に沿って、上記片面から突出した突出部が形成されていることが好ましい。
【0014】
これにより、上記片面から突出した突出部が、熱媒体流通管を屈曲させたときの屈曲部分と接触して屈曲をより適切にガイドすることができるとともに、接触することによって、熱媒体流通管の熱を上記突出部によって蓄熱することができる。
【0015】
また、本発明に係る床暖房パネルは、上記隆起部の上記一方の先端は、上記床暖房パネルの上記端に向けて凸のラウンド形状を有しており、上記突出部における上記隆起部の上記一方の先端との対向部分は、上記ラウンド形状に沿って、上記床暖房パネルの上記端に向けて凹の形状となっていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記突出部と、上記隆起部の上記先端の上記凸のラウンド形状とが、熱媒体流通管の屈曲をガイドすることができる。
【0017】
また、本発明に係る床暖房パネルは、上記突出部には、上記凹溝の延長線上に、当該突出部における当該凹溝との対向位置から上記床暖房パネルの端までを貫く切り欠き部が設けられていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、上記凹溝と、上記突出部の上記切り欠き部とが一直線上にあることから、上記凹溝に配置した熱媒体流通管を、そのまま上記切り欠き部に通して床暖房パネルの端に引き出すことができる。すなわち、本発明によれば、本発明に係る床暖房パネルを、上記凹溝の延設方向に沿って3つ以上並べて、その3つを上記凹溝の延設方向に沿って1本の熱媒体流通管を配置させることができる。具体的には、第1、第2、第3の(本発明に係る)床暖房パネルをこの順で上記凹溝の延設方向に沿って並べて、第1の床暖房パネルの凹溝に配置される熱媒体流通管を、上記切り欠き部と通して第2の床暖房パネルの凹溝に配置し、更に上記切り欠き部と通して第3の床暖房パネルの凹溝に配置することができ、第3の床暖房パネルの端において、上記隆起部の上記一方の先端から伸びたパネル本体において当該熱媒体流通管をターン(屈曲)させて、第3の床暖房パネルの別の凹溝を通って、切り欠き部、第2の床暖房パネル、切り欠き部、第1の床暖房パネルの順で配置することができる。
【0019】
ここで、仮に、上記切り欠き部が設けられていない床暖房パネルを用いた場合、これを上記と同じように3つ並べたとしても、上述した本発明のように1本の熱媒体流通管を3つの床暖房パネルに渡って一直線に配置することはできない。すなわち、本発明の場合、1本の熱媒体流通管の配置形状が、直線部分であっても、ターン部分であっても、本発明の床暖房パネルの構造で対応することができる。よって、直線部分及びターン部分それぞれに別の床暖房パネルの構造を採用する必要がある構成と比較して、汎用性が高い。
【0020】
また、後述するように、本発明の床暖房パネルは、好ましくはブロー成型によって製造される。そのため、上述したように本発明の構成によれば、1つの鋳型を準備すれば、上記した直線部分の床暖房パネルも、ターン部分の床暖房パネルも製造することができ、効率的な製造、及び製造コストの低減を実現することができる。
【0021】
また、本発明に係る床暖房パネルは、中空構造体の内部に蓄熱材料を充填した構成であることが好ましい。
【0022】
蓄熱材料は蓄熱する温度において相変化を起こす等、形態が大きく変化するものが多い。そのため、蓄熱材料を内部に充填することにより、蓄熱材の相変化に対応することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る床暖房設備は、上記の課題を解決するために、上記した構成の床暖房パネルと、上記凹溝に沿って配置される熱媒体流通管と、上記熱媒体流通管に流通させる媒体を加熱する加熱手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成を備えた床暖房パネルは、上述したように、熱媒体流通管(パイプ)の膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つ熱媒体流通管の取りまわしパターンを従来よりも幅広く実現することができるため、信頼性の高い暖房機能を実現できる。そのため、このような床暖房パネルを具備することによって、汎用性の高い床暖房設備を提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、熱媒体流通管の膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つ熱媒体流通管の取りまわしパターンを従来よりも幅広く実現することができる床暖房パネル及び当該床暖房パネルを備えた床暖房設備を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の一形態について図に基づいて説明する。尚、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲が以下の実施形態及び図面に限定されるものではない。
【0027】
〔第1の形態〕
(1)床暖房パネル
図1は、本形態における床暖房パネル1の構成を示した図である。図1の(a)は、本形態における床暖房パネル1の上面図である。尚、説明の便宜上、位置を示すためにA・B・C・Dを付している。また、図1の(b)は、図1の(a)に示した床暖房パネル1の下面を示した図であり、図1の(c)は、(a)に付したA・B・C・Dのうちの辺A−C側の側面図であり、(d)は、辺B−D側の側面図である。
【0028】
図1に示す本形態における床暖房パネル1は、コンクリート床やコンクリート床上に張られた下地合板のような床下地の上に配置することによって、床上面を暖めるために用いることができ、発熱源である後述する熱媒体流通管を組み込む態様となった床暖房パネルである。
【0029】
本形態の床暖房パネル1は、中空構造体の内部に蓄熱材料が充填された構成となっている。図1の(a)及び(c)に示すように、床暖房パネル1の側部には、中空構造体の内部と、外部とを連通する開口部1aが設けられており、この開口部1aから、中空構造体の内部に蓄熱材料を流入させ、当該内部に充填し、蓄熱式の床暖房パネルとすることができる。開口部1aには蓋が設けられていてもよい。
【0030】
上記中空構造体としては、樹脂、金属等が挙げられるが、加工性がよく軽量であることから熱可塑性樹脂からなるものが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。軽量で高剛性であり加工性が良好であること等から、プロピレン系樹脂が特に好ましい。
【0031】
本形態においては、床暖房パネル1の温度が25〜35℃の温度範囲において、当該床暖房パネルの蓄熱量が200〜2000kcal/mとなるように中空構造体及び蓄熱材料の組成物及び充填量が設定されていることが好ましい。尚、本明細書における蓄熱量とは、床暖房パネル1の単位面積当たりの蓄熱量を意味する。
【0032】
上記蓄熱材料としては、硫酸ナトリウム10水和塩(融解熱251kj/kg)、塩化カルシウム6水和物(融解熱192kj/kg)、酢酸ナトリウム3水和物(融解熱264kj/kg)、チオ硫酸ナトリウム5水和物(融解熱197kj/kg)、リン酸水素二ナトリウム12水和物等の塩水和物がある。また、パラフィンC18(融解熱243kj/kg)、同C20(融解熱247kj/kg)、同C22(融解熱157kj/kg)、ワックス等の有機物化合物等を蓄熱材料の主材として用いることができる。
【0033】
尚、本発明に係る床暖房パネルは、上記の形態に限定されるものではなく蓄熱材そのものからパネル本体を構成してもよい。
【0034】
本形態の床暖房パネル1は、パネル本体2の片面、すなわち図1の(a)に示す上面に、複数の隆起部3と、凹溝4と、突出部5と、切り欠き部6とが設けられた構成となっている。
【0035】
ここで、図1の(b)に示す本形態の床暖房パネル1の下面の構造は特に限定されるものではなく、平坦であってもよく、溝が形成されていてもよい。あるいは、パネル本体2の上面と同じ構成が設けられていてもよい。本形態の床暖房パネル1の下面には、後述する陥入部と、溝とが形成されている。
【0036】
上記パネル本体2は、本形態の床暖房パネル1の床面積を規定することになる外形を構成しており、床面積に相当する大きさ(図1の(a)及び(b)に示す面の面積)は特に制限されるものではないが、例えば、図1の(a)の辺A−C及び辺B−Cの長さを250mmとして、辺A−B及び辺C−Dの長さを800mmとする長方形状に構成することができる。また、上記中空構造体の肉厚は1mmとすることができる。
【0037】
このようなパネル本体2の上面には、図1の(a)に示すように、複数の隆起部3が設けられている。隆起部3は、当該面から垂直方向に隆起しており、隆起部3同士は、当該面に沿って互いに等しい方向に伸びているとともに、互いに並行に並んでいる。具体的には、長方形状であるパネル本体2(床暖房パネル1)の長辺である辺A−B及び辺C−Dに沿って伸びている。
【0038】
図2(a)は、図1の(a)及び(b)に示す切断線P−P´にて床暖房パネル1を切断した状態を示した矢視断面図である。図2(a)に示すように、或る隆起部3と、これと隣り合う別の隆起部3との間は、所定の幅を有して互いに離間している。すなわち、隣り合う隆起部3と隆起部3との間が、後述する熱媒体流通管を配置するための、上記等しい方向に沿って伸びる凹溝4として構成されている。具体的には、凹溝4はいずれも、図1の(a)に示すように、長方形状であるパネル本体2(床暖房パネル1)の長辺である辺A−B及び辺C−Dに沿って互いに平行に形成されている。尚、隆起部3の上面は、図2(a)に示すように平坦である。
【0039】
図2(b)は、図2(a)の部分拡大断面図である。隆起部3の上記上面と、凹溝4の底部までの長さは、特に制限されるものではないが、例えば7.5mmとすることができる。この長さは、換言すれば、凹溝4の深さに相当し、また、隆起部3の隆起高に相当する。また、隣り合う隆起部3同士は、互いに隆起高が等しい。また、隣り合う凹溝4の間隔は互いに等しくてもよいが、互いに異なっていてもよい。例えば、凹溝4同士の間隔は67.5mmとすることができる。また、隆起部3の上記上面から、パネル本体2の下面(図1の(b))までの厚さは、12mmとすることができる。
【0040】
床暖房パネル1の切断線P−P´における断面でみた凹溝4の形状は、U字型である。すなわち、隆起部3の隆起面(凹溝4を構成する面)は、図2(b)に示すように湾曲している。
【0041】
上述したように、隆起部3同士は、図1の(a)に示すように、長方形状であるパネル本体2の長辺である辺A−B及び辺C−Dに沿って伸びているが、ここで注目すべきは、隆起部3の伸長方向に沿った一方の先端3aが、床暖房パネル1の辺B−D端部(以下、これをパネル本体2の端2bと記載する)よりも内側に位置している点にある。また、上記一方の先端3aは、図1の(a)に示すように、パネル本体2の端2bに向けて凸となったラウンド形状を有している。以下、図3に基づいて、詳述する。
【0042】
図3は、図1の(a)及び(b)に示す切断線S−S´にて床暖房パネル1を切断した状態を示した矢視断面図である。切断線S−S´は、或る1つの隆起部3における床暖房パネル1の辺B−D方向の幅のちょうど半分の位置に相当し、上記した凸となったラウンド形状をなした先端3aを含む位置に相当する。
【0043】
図3に示すように、隆起部3の上記一方の先端3aは、パネル本体2の端2bよりも内側に位置している。すなわち、パネル本体2が、上記一方の先端3aよりも更に端2bに向けて伸びている。一方の先端3aから端2bに向けて伸びているパネル本体2の長さを長さYとしたとき、隆起部3の伸長方向に対して垂直な方向に切断して凹溝4をみた凹溝4の開口径、すなわち、図2(b)に示す凹溝4の開口径をWとすると、長さYは、開口径Wの少なくとも2倍の長さ(Y≧2W)の関係が成立するように構成されている。例えば、凹溝4の開口径Wが10mmの場合、パネル本体2は、隆起部3の一方の先端3aから20mm伸びている。
【0044】
また、図1の(a)及び(b)に示す切断線T−T´にてパネル本体2を切断した状態を示した矢視断面図を図4に示す。切断線T−T´は、辺B−Dと平行である。図4に示すように、パネル本体2の上面2cは、端部にまで及んでいる。
【0045】
また、本形態では、隆起部3の一方の先端3aからパネル本体2の端2bに向けて、図3に示すように長さYのパネル本体2が伸びた先に、パネル本体2の上記上面2cから突出した上記突出部5が形成されている。すなわち、隆起部3の一方の先端3aと突出部5との互いの対向部分は、パネル本体2の上面2cによって長さYを有して離間されている。
【0046】
上記突出部5は、隆起部3と同じく、パネル本体2の上面2cに対して垂直方向に突出している。突出部5は、図1の(a)に示すように、パネル本体2の端2bに沿って形成されている。突出部5の高さは、隆起部3の隆起高と等しい、または実質的に等しい。突出部5の突出面(図1の(a)に示されている面)は、略平坦であり、隆起部3の上記上面と面一または実質的に面一となっている。また、突出部5における、隆起部3の一方の先端3aとの対向面は、一方の先端3aの上記ラウンド形状に沿って湾曲した形状を有している。
【0047】
突出部5は、後述する熱媒体流通管を屈曲させて配置したときに熱媒体流通管の屈曲部分と接触して当該屈曲をガイドすることができる。また、接触することによって、熱媒体流通管の熱は突出部5の内部に充填された蓄熱材料に蓄熱される。
【0048】
そして、本形態では、図1の(a)に示すように、突出部5における凹溝4との対向位置に設けられた切り欠き部6によって突出部5が分断された構成となっている。具体的には、本形態の床暖房パネル1の辺B−D側の側面である図1の(d)に示すように、突出部5は、辺B−D方向に、凹溝4と同じ幅Wを有する切り欠き部6によって突出部5が分断されている。すなわち、図1の(a)及び(b)に示す切断線Q−Q´にて床暖房パネル1を切断した状態を示した矢視断面図である図5をみると、本形態の床暖房パネル1は、パネル本体2の辺A−C側の端から辺B−D側の端まで平坦である。
【0049】
ここで、図3に示した断面構造には、隆起部3の一方の先端3aの近傍に隆起部3の上記上面と床暖房パネル1の下面とからそれぞれ陥入している陥入部7が設けられている。陥入部7は、図1の(a)及び(b)に示すように、複数の隆起部3の上面及び床暖房パネル1の下面に散在している。例えば、本形態では、図1の(a)及び(b)に示す切断線R−R´にて床暖房パネル1を切断した状態を示した矢視断面図である図6をみると、隣り合う凹溝4と凹溝4との間に2つの陥入部7が設けられている。
【0050】
陥入部7の拡大断面図を、図7に示す。複数の隆起部3の上面に設けられた陥入部7は、隆起部3の上面から床暖房パネル1の下面に向けて陥入しており、床暖房パネル1の下面に設けられた陥入部7は、床暖房パネル(パネル本体)の下面から隆起部3の上面に向けて陥入しており、両方の陥入部7は、隆起部3の上面と床暖房パネル(パネル本体)の下面とのほぼ中間位置において厚さ約1mmの壁(パネル本体の一部)を介して隣り合っている。陥入部7は、本形態の床暖房パネル1(図1)の強度を所望の強度に保つために用いられる。
【0051】
本形態の床暖房パネル1(図1)は、好ましくはブロー成形によって製造することができる。この方法は、特に、本形態のように中空構造体を成形する場合に有効である。中空の構造物を形成する際、中空ではない構造のものと比較して、強度が弱い。しかしながら、上記した陥入部7をもうけることによって、例えば床上からの重量物による圧縮に耐え得る圧縮強度や、高温となった際の内部からの圧力に耐え得る耐圧強度等が向上することになるため、床暖房パネル全体の強度を高めることができる。
【0052】
ここで、床暖房パネル1(パネル本体2)の下面には、図1の(b)に示すように陥入部7及び溝8が形成されている。この溝8は、パネル本体2の片面に設けられた凹溝4(図1の(a))と平行に設けられているが、図2(a)に示すように、切断線P−P´での断面図に示すように、溝8と凹溝4との位置は、一致しておらず、図2(a)に示すように互い違いに配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、溝8と凹溝4との位置は、一致していてもよい。尚、図1の(a)に示す切断線X−X´にて床暖房パネル1を切断した状態を示した矢視断面図である図8をみると、溝8と陥入部7とが図示するように一致している。
【0053】
次に、床暖房パネル1の配置について説明する。一般に、上述したような床暖房パネル1は、複数を配列して、配列した状態で1本の熱媒体流通管を配置する。配列したものは、好ましくは1800mm×900mmの面内に収まるように構成される。例えば、上述したような辺A−Bが800mmの床暖房パネル1を横に2枚並べて1600mmとして、床暖房パネル1の辺A−Cは250mmなので、床暖房パネル1と床暖房パネル1との間45mmにスペーサー10を設けて、床暖房パネル1を縦に3枚並べて840mmとすることができる。図9は、この構成を示している。並べた床暖房パネル群に1本の熱媒体流通管を配置するために、横に2枚並べた床暖房パネル1同士は、互いの突出部5が隣り合わないように配置される。熱媒体流通管を配置した状態については、後述する。
【0054】
また、例えば辺A−Bが550mmの本形態の床暖房パネルを用いた場合は、1800mm×900mmの面内に収まるためには、床暖房パネルを横に3枚並べて1650mmとする必要がある。図10はこの状態を示している。この際、本形態の床暖房パネル1は、図1の(a)に示すように、切り欠き部6が設けられているので、辺A−Cから辺B−Dまで、熱媒体流通管を一直線に配置することができる。そのため、本形態の床暖房パネルを横に3枚並べた場合であっても、熱媒体流通管を1枚目の端から3枚目の端まで一直線に配置することができる。横に並んだ3枚のうちの中央(2枚目)の床暖房パネル1は、突出部5の位置が左右反対になってもよい。また、本発明はこれに限定されるものではなく、中央の床暖房パネルは、一直線の凹溝が形成されているのみの構造を有したものを採用することもできる。
【0055】
床暖房パネル群は、コンクリート床やコンクリート床上に張られた下地合板のような床下地の上に、当該床暖房パネルの隆起部形成面を床下地と対向させるようにして配置することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、床下地と床暖房パネルとの間にウレタンなどの断熱素材からなるマットを配置してもよい。
【0056】
(2)暖房設備
上記の床暖房パネル1を備える本形態の暖房設備について、図11を用いて説明する。
【0057】
図11は、本形態の暖房設備の構成について示した図である。図11に示すように、本形態の暖房設備20は、上記床暖房パネル1と、熱媒体流通管21と、加熱手段22とを備えている。
【0058】
上記加熱手段22は、図11に示すように、圧縮機23と、熱媒循環配管24と、膨張弁25と、室外熱交換器26と、貯湯タンク27と、給湯水循環配管28と、ポンプ29と、給湯用熱交換器30と、第1温水循環配管31と、ポンプ32と、第2温水循環配管33と、ポンプ34と、床暖房用熱交換器35とを有している。例えば、二酸化炭素(CO)等の熱媒ガスを高温・高圧に圧縮するための圧縮機23に、熱媒を循環させる熱媒循環配管24が接続されている。この熱媒循環配管24には圧縮されて凝縮された熱媒液を減圧膨張するための膨張弁25及び室外空気の熱を吸収するための室外熱交換器26が接続されている。一方、室外の所定位置には温水を貯留するための貯湯タンク27が配設され、この貯湯タンク27に接続された給湯水循環配管28にはポンプ29が接続され、給湯水循環配管28及び熱媒循環配管24には給湯用熱交換器30が接続されている。そして、この給湯用熱交換器30によって、熱媒循環配管24内を流れる熱媒の熱を利用して給湯水循環配管28内を流れる給湯水を加熱するようになっている。
なお、貯湯タンク27には加熱された給湯水を取り出す蛇口が設けられると共に、減少した水を補給するための給水配管が接続されている。
【0059】
貯湯タンク27には温水(給湯水)をポンプ32によって循環させるための第1温水循環配管31が接続されている。一方、室内の床には上述した構成の床暖房パネル1が配設され、床暖房パネル1には上記熱媒体流通管21が蛇行するように配設されている。この熱媒体流通管21の両端部には温水をポンプ34によって熱媒体流通管21に循環させるための第2温水循環配管33が接続されている。第1温水循環配管31及び第2温水循環配管33に床暖房用熱交換器35が接続されている。そして、床暖房用熱交換器35によって第1温水循環配管31内を流れる温水の熱により熱媒体流通管21及び第2温水循環配管33を流れる床暖房用の水を加熱するようになっている。
【0060】
図12は、図9に示した床暖房パネル群に熱媒体流通管21を配設した状態を示している。また、図13は、図10に示した床暖房パネル群に熱媒体流通管21を配設した状態を示している。尚、これらの配置は、一例に過ぎず、他の配設パターンであってもよい。図14は、図9に示した床暖房パネル群に、図12の配設パターンとは異なるパターンで配設した状態を示している。また、図15は、横に3列、縦に4列並んだ床暖房パネル群を用いて、当該床暖房パネル群に熱媒体流通管21を配設した状態を示している。
【0061】
熱媒体流通管21としては、図2(b)に示した床暖房パネル1の凹溝4の大きさに合わせたものを用いればよく、図2(b)に示した凹溝4の開口径Wが10mmものであれば、温水を流通させた状態での熱媒体流通管の径が10mmとなるものを用いればよく、凹溝4の開口径Wが7.5mmものであれば、温水を流通させた状態での熱媒体流通管の径が7.5mmとなるものを用いればよい。ここで、「温水を流通させた状態での熱媒体流通管」とは、温水が流通していない状態において熱媒体流通管は収縮したものであってもよいことを示唆している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、温水の流通の如何を問わず、熱媒体流通管の径が常に同じであるものであってもよい。
【0062】
熱媒体流通管21としては、特に制限されないが、耐久性の観点から架橋ポリエチレンチューブを用いることが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、塩化ビニル製のものや、シリコン製のものであってもよい。
【0063】
また、本形態の床暖房パネル群への熱媒体流通管21の配設方法は、特に限定されるものではなく、図1の(a)に示した凹溝4に沿って熱媒体流通管を嵌め込みながら、例えば粘着テープのような固定手段を用いて、固定する方法を採用することができる。また、熱媒体流通管が所定のパターンで予め貼り付けられているシートに、床暖房パネルの凹溝4(図1の(a))が形成されている面を対向させるようにして配置して、熱媒体流通管を嵌め込んでもよい。
【0064】
以上のように、本形態に係る暖房設備に設けられた床暖房パネルは、図1の(a)にし示したように、或る凹溝4と、例えば当該或る凹溝4の隣に位置する凹溝4とに1本の熱媒体流通管をU字形状に曲げて配置したとき、凹溝4の幅よりも広いスペースで形成されているパネル本体2に、屈曲した部分が配置されることから、熱媒体流通管に温水などを通した際に熱媒体流通管が膨張・収縮しても、熱媒体流通管の屈曲部分が破裂したり、配置状態に不都合が生じにくく、所望の暖房性能を実現することができる。
【0065】
また、或る凹溝4に配置された長い1本の熱媒体流通管を考えたときに、この熱媒体流通管をU字形状に曲げて、当該或る凹溝4とは異なる別の凹溝4にも配設する際、上記隆起部3の一方の先端3aにおいて、熱媒体流通管を、当該或る凹溝4の隣の凹溝4、あるいは更に隣の凹溝4等、所望の凹溝4に配設することができる。すなわち、従来技術の構成の場合は、パネルにおける、U字形状に曲げた熱媒体流通管の屈曲部分を配置する部分には、熱媒体流通管1本分の大きさの溝が、例えば隣の凹溝に続くように既に形成されている。そのため、配設パターンの種類は事前に制限されている。これに対して、本形態の構成によれば、熱媒体流通管の屈曲部分を配置する部分が広く構成されているため、従来と比較して、配設パターンに自由度をもたせることが可能である。
【0066】
さらに、近年、床暖房パネルとして、温水を通す「温水式」のものが多く利用されている。その理由としては、夜間(深夜)電力を用いて媒体(水)を加熱することによって省エネを実現できるという手法が注目されてきたためである。そして、この加熱された水(温水)の熱を効率的に利用するために、本形態は、上述したように蓄熱式のパネルを用いている。夜間に作成した温水を熱媒体流通管に通液して、蓄熱させておけば、暖房を長時間持続させることができる。
【0067】
また、上述したように、本形態の床暖房パネルは、突出部5と突出部5との間に切り欠き部6が形成されているため、凹溝4の伸長方向に床暖房パネルを3つ以上並べて配置しても、1本の熱媒体流通管を床暖房パネル群の一方の端から他方の端まで一直線に配置することができる。すなわち、上記の構成によれば、本形態の床暖房パネルは、凹溝4の伸長方向に沿って並ぶ複数の床暖房パネルのうち、床暖房パネルと床暖房パネルとの間に位置する、熱媒体流通管が直線状に配置される部分の床暖房パネルとして適用することができ、また、両端に位置する、熱媒体流通管がターンする部分の床暖房パネルとしても用いることができ、高い汎用性を有していると言える。また、床暖房パネル製造過程では、1つの鋳型を準備すれば、上記した直線部分の床暖房パネルも、上記したターン部分の床暖房パネルも製造することができ、効率的な製造、及び製造コストの低減を実現することができる。
【0068】
〔第2の形態〕
上記の第1の形態では、蓄熱材料を充填するために設けられた開口部1aが、図1の(a)及び(c)に示すように床暖房パネル1の側面に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、図16に示すように、開口部1a´がパネルの角に設けてもよい。
【0069】
また、上記の第1の形態の床暖房パネル1は、図3に示すように、隆起部3の一方の先端3aが、パネル本体2の上面2cから垂直方向に伸びた面を有している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。図17は、上記した第1の形態で用いた図3と同じ断面構成で見た、本形態のパネル本体2の上面2c、及び当該上面2cを挟んで対向する隆起部3の一方の端3aの面と突出部5との構造を示した図である。図17のように、隆起部3の一方の端3aの面と、突出部5における隆起部3との対向面は、湾曲している。このように湾曲している場合、隆起部3の一方の先端3aの面と、パネル本体2の上面2cとの境界から、パネル本体2の端部2bに向けて、凹溝4の開口径W(図2(b))の2倍の長さほどパネル本体2が伸びていればよい。
【0070】
〔第3の形態〕
また、上記の第1の形態では、図2(b)に示すように凹溝4の断面がU字型であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18に示すように、断面が円形の凹溝4´であってもよい。また、本形態では、隆起部3の一方の先端3aからのパネル本体2の伸び(図3のY)を、凹溝4の開口径Wによって規定しているが、図18に示すような形状の場合、開口径ではなく、凹溝を構成している一方の隆起部と他方の隆起部とにおける互いに等しい隆起高の位置における長さのうちの最大の長さをWとする。
〔第4の形態〕
また、上記の第1の形態では、図2(b)に示すように凹溝4の断面がU字型であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19に示すように、断面が四角の凹溝4´´であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る床暖房パネルは、熱媒体流通管の膨張・収縮に柔軟に対応でき、且つ熱媒体流通管の配設パターンを従来よりも幅広く実現することができる。従って、暖房パネルを備えた床暖房設備に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る床暖房パネルの構成を示した図である。
【図2】(a)は、図1に示す切断線P−P´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図であり、(b)は、(a)に示した構成の一部を拡大した拡大断面図である。
【図3】図1に示す切断線P−P´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図である。
【図4】図1に示す切断線T−T´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図である。
【図5】図1に示す切断線Q−Q´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図である。
【図6】図1に示す切断線R−R´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図である。
【図7】図6に示した構成の一部を拡大した拡大断面図である。
【図8】図1に示す切断線X−X´にて床暖房パネルを切断した状態を示した矢視断面図である。
【図9】図1に示す床暖房パネルを複数配置した床暖房パネル群を示した上面図である。
【図10】図9とは異なる形式において、図1に示す床暖房パネルを複数配置して、その床暖房パネル群に1本の熱媒体流通管を組み込んだ状態を示した上面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る暖房設備の構成を示した図である。
【図12】図9に示す床暖房パネル群に、1本の熱媒体流通管を組み込んだ状態を示した上面図である。
【図13】図10に示す床暖房パネル群に、1本の熱媒体流通管を組み込んだ状態を示した上面図である。
【図14】1本の配設パターンの一例を示した上面図である。
【図15】1本の配設パターンの一例を示した上面図である。
【図16】図1に示す床暖房パネルの変形例を示した図である。
【図17】図1に示す床暖房パネルの変形例を示した図である。
【図18】別の形態の床暖房パネルの部分断面図である。
【図19】別の形態の床暖房パネルの部分断面図である。
【図20】従来例の構成を示した断面図である。
【図21】従来例の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 床暖房パネル
1a 開口部
2 パネル本体
2b 端部
2c 上面
3 隆起部
3a 一方の先端
4、4´、4´´ 凹溝
5 突出部
7 陥入部
10 スペーサー
20 暖房設備
21 熱媒体流通管
22 加熱手段
23 圧縮機
24 熱媒循環配管
25 膨張弁
26 室外熱交換器
27 貯湯タンク
28 給湯水循環配管
29 ポンプ
30 給湯用熱交換器
31 第1温水循環配管
32 ポンプ
33 第2温水循環配管
34 ポンプ
35 床暖房用熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともパネル本体の片面に、当該片面に沿って互いに等しい方向に伸びているとともに、互いに平行に並んだ複数の隆起部が設けられており、隣り合う当該隆起部と隆起部との間が、熱媒体流通管を配置するための、上記等しい方向に沿って伸びる凹溝として構成されている蓄熱式の床暖房パネルであって、
上記等しい方向に沿った上記隆起部の2つの先端のうちの少なくとも一方の先端は、上記床暖房パネルの端よりも内側に形成されており、
上記床暖房パネルを上記等しい方向に対して垂直な方向に切断して上記凹溝をみたときに、上記パネル本体が、上記一方の先端から上記床暖房パネルの上記端に向けて、当該凹溝を構成している一方の上記隆起部と他方の上記隆起部とにおける互いに等しい隆起高の位置における長さのうちの最大の長さよりも少なくとも2倍の長さを有して伸びていることを特徴とする床暖房パネル。
【請求項2】
上記床暖房パネルの上記端には、当該端に沿って、上記片面から突出した突出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の床暖房パネル。
【請求項3】
上記隆起部の上記一方の先端は、上記床暖房パネルの上記端に向けて凸のラウンド形状を有しており、
上記突出部における上記隆起部の上記一方の先端との対向部分は、上記ラウンド形状に沿って、上記床暖房パネルの上記端に向けて凹の形状となっていることを特徴とする請求項2に記載の床暖房パネル。
【請求項4】
上記突出部には、上記凹溝の延長線上に、当該突出部における当該凹溝との対向位置に切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の床暖房パネル。
【請求項5】
上記床暖房パネルは、中空構造体の内部に蓄熱材料を充填した構成であることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の床暖房パネル。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか1項に記載の床暖房パネルと、
上記凹溝に沿って配置される熱媒体流通管と、
上記熱媒体流通管に流通させる媒体を加熱する加熱手段とを備えていることを特徴とする床暖房設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−281690(P2009−281690A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136174(P2008−136174)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(597075823)住化プラステック株式会社 (37)
【Fターム(参考)】