説明

底部腐食検知装置及び底部腐食検知方法

【課題】 底部腐食を適切に判断することができ、底部腐食以外の被検査体が固有的に有する構造との識別を確実に行うことができる底部腐食検知装置を提供する。
【解決手段】 被検査体に当接されて、屈折角10°〜25°の角度で超音波を入射し反射エコーを受信する斜角超音波探触子12と、受信した反射エコーに対して、該反射エコーの特徴情報を抽出する特徴情報抽出部24と、被検査体の基準の底部位置情報を抽出する底部情報抽出部26と、底部情報抽出部26の底部位置情報から底部腐食からの反射エコーと底部腐食以外の被検査体固有の構造からの反射エコーとを識別し、得られた反射エコーが底部腐食からのものであると識別された場合に、前記特徴情報抽出部からの反射エコーの特徴情報から底部腐食の進行程度を判定して、進行度を出力する進行度判定部27と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール等の被検査体の底部腐食を検知する底部腐食検知装置及び底部腐食検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の底部腐食検知装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1では、レールの頂面に当接される超音波探触子を備え、該超音波探触子から屈折角10°〜25°の範囲にある縦波超音波をレール内へ入射し、レール底部の腐食部で散乱した超音波の一部を該超音波探触子で受信するようにしている。そして、超音波探触子で受信した信号が所定閾値よりも大きい場合に、底部腐食が存在すると判定している。これにより、底面エコーの影響を受けずに、レール底部の腐食で散乱された超音波を比較的良い感度で受信することができ、腐食の存在を知ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−305111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際に底部腐食が発生していたとしても、その進行程度は様々な筈である。しかしながら、従来は、受信信号と所定閾値との比較により一律に底部腐食の有無を判定していただけで、その進行程度を知る手段が確立されておらず、その後の底部腐食対策への指針とすることが困難であるという問題があった。
【0005】
また、レール底部付近の超音波の散乱源としては、図9(a)に示したように底部腐食の他に、図9(b)に示したレールの溶接によって底部が盛り上がる溶接余盛があり、このような溶接余盛があった場合に、正常であるにもかかわらず、底部腐食があるものと誤って検出するおそれがある、という問題があった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、底部腐食を適切に判断することができ、底部腐食以外の被検査体が固有的に有する構造との識別を確実に行うことができる底部腐食検知装置及び底部腐食検知方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被検査体に当接されて、屈折角10°〜25°の角度で超音波を入射する超音波探触子を備え、該超音波探触子が反射エコーを受信することにより底部腐食を検知する底部腐食検知装置において、
受信した反射エコーに対して、該反射エコーの特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
被検査体の基準の底部位置情報を抽出する底部情報抽出手段と、
前記底部情報抽出手段の底部位置情報から底部腐食からの反射エコーと底部腐食以外の被検査体固有の構造からの反射エコーとを識別し、得られた反射エコーが底部腐食からのものであると識別された場合に、前記特徴情報抽出手段からの反射エコーの特徴情報から底部腐食の進行程度を判定して、進行度を出力する進行度判定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記反射エコーの特徴情報が、反射エコーのエコー高さまたはビーム路程に関する情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のものにおいて、前記超音波探触子は、被検査体に対して移動しながら順次超音波を入射しており、
連続的に得られる反射エコー群を抽出する連続エコー抽出手段をさらに備え、
前記特徴情報抽出手段は、反射エコー群から特徴情報を抽出するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の前記特徴情報が、反射エコー群の中の最大エコー高さ、反射エコー群の中の最小ビーム路程を持つ反射エコーのビーム路程、反射エコー群の平均的ビーム路程、または反射エコー群の中の最大エコー高さを持つ反射エコーのビーム路程に関する情報であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のものにおいて、前記進行度判定手段は、基準の底部位置と、反射エコーのビーム路程から得られる反射源の位置との比較を行い、反射源が底部よりも手前の所定範囲にあるときには底部腐食と判定し、反射源が底部よりも遠いときには底部腐食以外の被検査体固有の構造であると識別することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のものにおいて、被検査体に当接されて、当接面に垂直に超音波を入射する第2の超音波探触子を備え、該第2の超音波探触子が底面エコーを受信し、
前記底部情報抽出手段は、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置で受信する底面エコーのビーム路程から前記底部位置情報を求めることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の前記底部位置情報が、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置で受信する複数の底面エコーのビーム路程の統計的代表値から求められることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、被検査体に屈折角10°〜25°の角度で超音波を入射して、その反射エコーを受信することにより底部腐食を検知する底部腐食検知方法において、
受信した反射エコーに対して、該反射エコーの特徴情報を抽出する工程と、
被検査体の基準の底部位置情報を抽出する工程と、
前記抽出した底部位置情報から底部腐食からの反射エコーと底部腐食以外の被検査体固有の構造からの反射エコーとを識別し、得られた反射エコーが底部腐食からのものであると識別された場合に、前記抽出した反射エコーの特徴情報から底部腐食の進行程度を判定して、進行度を出力する工程と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、底部位置情報を用いることにより底部腐食と底部腐食以外の被検査体固有の構造とを識別することができ、且つ、反射エコーの特徴情報から、腐食の進行程度を判定するために、例えば、腐食の進行程度によって、進行程度が小である場合には様子を見るようにし、進行程度が大である場合には被検査体の交換を行なうようにする、といった指針とすることができるようになる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、エコー高さは反射源の有効反射面積に比例するものと考えられるので、反射エコーの特徴情報として、反射エコーのエコー高さに関する情報とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。または、ビーム路程(超音波が伝播した片道の距離)は反射源の位置に対応し、底部腐食が進行していれば、反射源の位置が底面よりもより当接面に近づくはずであるために、反射エコーの特徴情報として、反射エコーのビーム路程に関する情報とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、反射エコーが連続的に得られる場合、それは、同一の反射源からの反射エコーであると考えられるので、その反射エコー群から特徴情報を抽出することにより、腐食の進行程度を判定することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、反射エコー群の最大エコー高さは反射源の最大有効反射面積に比例するものと考えられるので、反射エコーの特徴情報として、最大エコー高さに関する情報とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。または、反射エコー群の中の最小ビーム路程は、最も腐食が進行している部分であると考えられるので、反射エコーの特徴情報として、反射エコー群の中の最小ビーム路程を持った反射エコーのビーム路程とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。または、反射エコー群の中の平均的ビーム路程は、腐食が進行している平均部分であると考えられるので、反射エコーの特徴情報として、反射エコー群の中の平均的ビーム路程とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。または、反射エコー群の最大エコー高さは反射源の最大有効反射面積に比例するものと考えられるので、反射エコーの特徴情報として、反射エコー群の中の最大エコー高さを持った反射エコーのビーム路程とすることにより、底部腐食の進行度を判定することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、底部腐食は、超音波探触子から見て必ず底部よりも手前の所定範囲にあり、被検査体がレールである場合の溶接余盛といった底部より下方にある被検査体固有の構造は、超音波探触子から見て必ず底部よりも遠い位置にあるので、底部位置と反射エコーのビーム路程から得られる反射源の位置との比較により、底部腐食かそれ以外であるかを識別することができる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置において得られる底面エコーのビーム路程によって、底部位置情報を抽出するので、被検査体の高さが経年変化によって初期の基準値から変化している場合であっても、正しい底部位置情報を得ることができる。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、底部位置情報を、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置における複数の底面エコーのビーム路程の統計的代表値とすることによって、底部腐食の影響を受けた底面エコーのビーム路程に起因する基準底部位置の誤差を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の底部腐食検知装置及びその方法の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、この底部腐食検知装置は、被検査体であるレール1の頂面に当接しレール1の頂面上を移動しながら屈折角10°〜25°で超音波パルスをレール1内部に入射し、その反射エコーを受信する斜角超音波探触子12と、被検査体であるレール1に当接しレール1上を移動しながら当接面である頂面に垂直に超音波パルスをレール1内部に入射し、その底部エコーを受信する垂直超音波探触子14と、を備えるセンサ部10を有している。
【0024】
また、この底部腐食検知装置は、センサ部10と共に移動し、その移動距離を測定するエンコーダ等からなる移動距離センサ16を有している。
【0025】
底部腐食検知装置は、さらに、センサ部10及び移動距離センサ16に接続され、センサ部10からの受信信号及び移動距離センサ16からの距離信号を受信して、その処理を行なう信号処理部20を有している。
【0026】
信号処理部20は、超音波送受信部22、反射エコー検出部23、特徴情報抽出部24、底部情報抽出部26、進行度判定部27、移動距離演算部28、表示部30及び記録部31を備える。
【0027】
超音波送受信部22は、センサ部10の移動中に一定間隔で送信信号を送出するとともに、センサ部10における探触子12、14で受信される受信信号をそれぞれ増幅して出力するものである。尚、増幅率は、斜角超音波探触子12と垂直超音波探触子14とでそれぞれ得られる受信信号に対して異なる増幅率とすることが可能である。
【0028】
反射エコー検出部23は、図2に示したように、ゲート回路を通じて超音波送受信部22が出力する受信信号から所定の検出時間範囲内にあるものだけを抽出し、かつ、その受信信号レベルを所定の検出レベルと比較し、この受信信号レベルにおける検出レベル以上の部分を反射エコーとして検出して、デジタル信号に変換して、後述の移動距離演算部28からの移動距離情報と共に出力するものである。この所定検出時間範囲は、底部付近で反射して戻った受信信号を抽出することができる範囲とする。尚、ここでも、斜角超音波探触子12と垂直超音波探触子14とでそれぞれ得られる受信信号と比較する検出レベルは、異なる検出レベルとすることが可能である。
【0029】
特徴情報抽出部24は、反射エコー検出部23からの斜角超音波探触子12で受信された反射エコーから得られる情報の中で特定の情報を抽出し、特徴情報を求めるものである。この特徴情報とは、1つの反射源の特徴を表す情報であり、底部腐食か否かの違い及び底部腐食の進行度を反映した情報である必要がある。その具体的な情報内容については、後述する。
【0030】
底部情報抽出部26は、反射エコー検出部23から出力される垂直超音波探触子14で受信された反射エコー即ち底面エコーによって、そのビーム路程つまり底部位置(または深さともいう)を求めるものである。
【0031】
進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で抽出した特徴情報及び底部情報抽出部26で抽出した底面エコーのビーム路程つまり底部位置情報から、斜角超音波探触子12で受けた反射エコーの反射源が腐食であるかどうか、及び腐食である場合に、進行程度がどの程度であるかの腐食の進行度を判定するものである。
【0032】
移動距離演算部28は、移動距離センサ16からの信号を受信して、受信信号をカウントするなどして、移動距離を演算し、移動距離情報を出力するものである。
【0033】
表示部30は、CRT、LCRなどで構成され、進行度判定部27で判定した腐食についてその位置などと共に腐食の進行度の判定結果を画面表示するものである。
【0034】
記録部31は、任意の記憶装置で構成され、判定した腐食の位置及び腐食の進行度の判定結果を記憶し、または、印刷したハードコピー(記録紙)を出力するものである。
【0035】
以上の信号処理部20の反射エコー検出部23、特徴情報抽出部24、底部情報抽出部26、進行度判定部27及び移動距離演算部28は、ゲート回路、A/D変換器、カウンタ、CPU、メモリ、I/O回路及びデバイスコントローラ等で構成することができる。
【0036】
次に、この実施形態の構成における動作について説明する。図1及び図2に示したように、センサ部10が検査対象のレール1上を接触しながら移動し、移動距離が移動距離センサ16で検出される。この際、超音波送受信部22は、移動距離演算部28または移動距離センサ16からの信号に基づいて、移動しながら一定間隔で送信信号をセンサ部10に出力し、センサ部10内の探触子から超音波パルスがレール1へ放射される。この超音波パルスがレール1の底部腐食または底部などで反射し、センサ部10内の探触子12、14で受信される。
【0037】
この受信信号は、超音波送受信部22で増幅されて、反射エコー検出部23に出力される。反射エコー検出部23では、図2に示した所定の検出時間範囲内及び検出レベル以上の受信信号を反射エコーとしてデジタル信号に変換して、出力する。
【0038】
反射エコーは必ずしも超音波の送信毎で検出される訳ではなく、散乱反射源がなければ、斜角超音波探触子12からの受信信号は所定の検出レベルよりも小さくなり、反射エコーは得られず、また、底部腐食により底部が水平面でなくなっていると、垂直超音波探触子14からの受信信号は所定の検出レベルよりも小さくなり、反射エコーは得られない。
【0039】
底部情報抽出部26は、反射エコー検出部23からの垂直超音波探触子14の反射エコー即ち底面エコーからそのビーム路程、言い換えれば底部位置に関係する値を求める。このビーム路程または底部位置は、超音波パルスが垂直超音波探触子14からレール1へ放射されてから、底面で反射して受信されるまでの伝播時間の1/2と等価である。
【0040】
ここで、ビーム路程を求めるときの受信される時点としては、パルス幅のある反射エコーを受信している間の任意の時点とすることができるが、反射エコーの前縁、つまり検出時間範囲内において受信信号が検出レベルを超えた時点、とするか、または、反射エコーのエコー高さが最大値となる時点とすることができる。
【0041】
底部情報抽出部26では、センサ部10の一定間隔の移動毎に得られる底面エコー全てのビーム路程、リアルタイムで処理を行なっているときの最新の複数の底面エコーのビーム路程、または今着目している斜角超音波探触子12で反射エコーが得られた被検査体における当接位置の近傍位置で受信する複数の底面エコーのビーム路程を取り込み、これらの複数の値に対して統計的処理を施して統計的代表値を求める。統計的処理とは、例えば単純平均または移動平均とすることができる。或いは、複数の値の中の最頻値または中間値とすることができる。こうして、統計的処理により底部位置情報を得ることができる。
【0042】
但し、底部位置情報に関しては、既知または演算により得られる規定値とすることができる場合には、垂直超音波探触子14を省略することが可能であり、底面抽出部26は規定値を抽出する。しかしながら、レール1の摩耗等により、通常、実際のレールの高さは規定値とは異なることが多いため、垂直超音波探触子14を用いて底部位置情報を求めることが好ましい。
【0043】
また、最新または近傍位置における複数の底面エコーのビーム路程の統計的代表値をとることによって、現在着目している移動位置近傍の正常な底部位置情報を正確に得ることができる。底部腐食が発生している部分では垂直超音波探触子14の受信信号レベルが小さくなり、底面エコーは途切れ途切れになると予想されるが、その部分で検出された底面エコーは、底部腐食によって底部位置が正常の場合に比べて高くなり、基準とするべき底部位置からずれる可能性がある。しかしながら、統計的処理によって底部位置情報を求めることにより、その影響を排除または低減することができる(図3参照)。
【0044】
次に、特徴情報抽出部24では、反射エコー検出部23からの斜角超音波探触子12の反射エコーから、底部腐食か否かの識別に使用でき底部腐食の進行度を反映した特徴情報を抽出する。ここで、特徴情報として、次の情報を例示することができる。
【0045】
(1) 斜角超音波探触子12の反射エコーのエコー高さとビーム路程
(2) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射して連続的に斜角超音波探触子12から反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最大エコー高さとビーム路程
(3) 斜角超音波探触子12の反射エコーのビーム路程
(4) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最小ビーム路程を持つ反射エコーのビーム路程
(5) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の平均的ビーム路程
(6) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最大エコー高さを持つ反射エコーのビーム路程
尚、ここで(1)〜(6)においてビーム路程を求めるときの受信時点の決め方としては、各場合に応じて、底部情報抽出部26の処理で説明したように、パルス幅のある反射エコーを受信している間の任意の時点とすることができるが、反射エコーの前縁、つまり検出時間範囲内において受信信号が検出レベルを超えた時点、とするか、または、反射エコーのエコー高さが最大値となる時点とすることができる(図2参照)。反射エコーの前縁に対応する時点を受信された時点とした場合には、ビーム路程が最短の反射源からの反射を確実に捕らえることが可能になり、反射エコーのエコー高さの最大値となる時点を受信された時点とした場合には、感度の影響を受けずに、安定した情報を得ることが可能になる。
以下、特徴情報として上記各場合の情報としたときの以降の処理について、説明する。
【0046】
例(1) 斜角超音波探触子12の反射エコーのエコー高さとビーム路程の場合
エコー高さは反射源の有効反射面積に比例するものと考えられる。底部腐食が進行していれば、反射源も大きくなるはずであるために、エコー高さは、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。
【0047】
特徴情報抽出部24では、探触子12から得られた反射エコーの最大値の受信信号レベルであるエコー高さ及び反射エコーのビーム路程を抽出する。さらに、ビーム路程から反射源の位置即ち深さを求める。図4に示したように、反射源の深さdは、反射エコーのビーム路程をL、屈折角をθとしたときに、
d=L・cosθ (1)
となる。
【0048】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で底面エコーのビーム路程から得られる基準の底部位置dと、の比較を行うことにより、反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。判定は、αを所定の値として以下の式で行う。
d<d+αのとき 反射源は底部腐食
d≧d+αのとき 反射源は溶接余盛 (2)
【0049】
d<d+αである場合には、反射エコーの反射源は底面よりも上方にあるので、反射エコーの反射源は底部腐食であると判断することができる。この場合、上記受信信号レベルに応じてその底部腐食の進行度を決定する。基本的には、受信信号レベルが高ければ、進行度は高いものと判定する。決定した進行度を表す情報を移動距離情報と共に表示部30に出力する。
【0050】
一方、d≧d+αである場合には、反射エコーの反射源は底面よりも下方にあるので、反射エコーの反射源は底部腐食ではなく、溶接余盛であると判断することができる。この場合、進行度の決定は行わない。溶接余盛であることを表す情報を移動距離情報と共に表示部30に出力するか、または何の情報も出力しない、とする。
【0051】
表示部30では、進行度判定部27からの情報を表示し、記録部31では進行度判定部27からの情報を記録する。
【0052】
例(2) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射して連続的に斜角超音波探触子12から反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最大エコー高さとビーム路程の場合
連続的に探触子12から反射エコーが得られた場合、それは、同一の反射源からの反射エコーであると考えられる。そこで、その反射エコーの中の最大エコー高さは、反射源の最大有効反射面積を表していると考えられ、底部腐食が進行していれば、その最大有効反射面積も大きくなるはずであるために、最大エコー高さは、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。
【0053】
この場合、信号処理部20は、図5に示すように、連続する反射エコーであるか否かを判定する連続エコー抽出部25を備える。連続エコー抽出部25は、探触子12で受信された反射エコーに対して、反射エコー検出部23で検出した反射エコーのBスコープ画像上での連続領域を抽出するものであり、つまり、得られた反射エコーが連続している反射エコーの1つである場合に、その連続する反射エコー群をラベリングして抽出するものである。
【0054】
このBスコープ画像は、図6に示したように、センサ部10の移動距離、即ち超音波パルスの入射位置とビーム路程とを縦横軸として反射エコーが存在する位置の画素の値をある一定値、例えば、「1」とし、又は、反射エコーの受信信号レベルに応じた値とし、反射エコーが存在しない位置の画素値を、例えば、「0」としたものである。
【0055】
このBスコープ画像上での連続領域、すなわち、Bスコープ画像上で相互に連結関係を有する反射エコーの画素の集合を一つの連続領域として抽出する。これは、例えば、ラベリングと呼称される画像処理手法を用いて行うことができる。このラベリングについては、例えば、「コンピュータ画像処理入門」(田村監修総研出版 1985年)に記載された連続領域ごとにラベル(番号)を割り付ける処理を用いることができる。または、別の方法として、当出願人が特許第3469389号で提案する「Bスコープ画像の連結領域抽出方法及び装置」記載の方法を用いることも可能である。
【0056】
以下、後者の方法に基づく連続領域抽出処理について簡単に説明する。まず、反射エコー検出部23で反射エコーが検出されるごとに、連続エコー抽出部25は、超音波パルスの入射位置とビーム路程で規定されるBスコープ画像上での位置に注目し、この位置と、すでに使用されている割付番号を最後に割り付けた反射エコーのBスコープ画像上での位置とを比較して、両者の距離が所定範囲である際に、検出した反射エコーに、すでに使用されている割付番号を割り付ける。また、前記の条件で検出した反射エコーにすでに使用されている割付番号が割り付けられなかった場合、前記検出された反射エコーに未使用の割付番号を割り付ける。
【0057】
この処理手順によって、Bスコープ画像上での連続領域ごとに異なる割付番号が割り付けられ、その連続領域が抽出されることになる。なお、連続させる条件として、反射エコーを有する際の画素が隣接するとともに、例えば、反射エコーを有する際の画素間に存在する反射エコーが無い際の画素が所定数以下であることを条件としても良い。この場合、反射エコーが多少欠落しても一つの連続領域とみなすことができる。
【0058】
特徴情報抽出部24は、連続エコー抽出部25で連続領域と見なされた複数の反射エコーから最大値の受信信号レベルであるエコー高さ及びその最大値をとる反射エコーのビーム路程を抽出する。さらに、ビーム路程から反射源の深さdを求める。
【0059】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で得られた底面エコーのビーム路程から得られる底部位置dと、の比較を行うことにより、前述の式(1)及び式(2)に準じて反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。尚、αの値は適宜調整するとよい。
そして、反射源が底部腐食である場合には、上記受信信号レベルに応じて進行度を決定する。基本的には、受信信号レベルが高ければ、進行度は高いものと判定する。
以下の処理は例(1)の場合と同様であるので説明を省略する。
【0060】
例(3) 斜角超音波探触子12の反射エコーのビーム路程の場合
ビーム路程は反射源の位置に対応する。底部腐食が進行していれば、反射源の位置が底面よりもより当接面に近づくはずであるために、ビーム路程は、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。
【0061】
特徴情報抽出部24では、探触子12から得られた反射エコーからビーム路程を抽出し、さらに、ビーム路程から反射源の深さdを求める。
【0062】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で得られた底面エコーのビーム路程から得られる底部位置dと、の比較を行うことにより、前述の(1)及び(2)式に準じて反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。尚、αの値は適宜調整するとよい。
そして、反射源が底部腐食である場合には、反射源の深さdに応じて進行度を決定する。基本的には、反射源の深さdが小さくなるほど、進行度は高いものと判定する。
以下の処理は例(1)の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
例(4) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最小ビーム路程を持つ反射エコーのビーム路程の場合
連続的に探触子12から反射エコーが得られた場合、それは、同一の反射源からの反射エコーであると考えられる。そこで、その反射エコー群の中の最小ビーム路程は、最も腐食が進行している部分であると考えられるために、最小ビーム路程は、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。
【0064】
この場合、信号処理部20は、連続する反射エコーであるか否かを判定する連続エコー抽出部25を備え、連続エコー抽出部25は、例(2)で説明したのと同じ処理手順で連続領域を抽出する。
【0065】
特徴情報抽出部24は、連続エコー抽出部25で連続領域と見なされた複数の反射エコーからその前縁または最大値をとって得られるビーム路程の中で最小のビーム路程を抽出し、さらに、ビーム路程から反射源の深さdを求める。図7は、そのBスコープ画像上で見た場合の反射エコー群とその特徴値との関係を表す図である。
【0066】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で得られた底面エコーのビーム路程から得られる底部位置dと、の比較を行うことにより、前述の(1)及び(2)式に準じて反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。尚、αの値は適宜調整するとよい。
そして、反射源が底部腐食である場合には、反射源の深さdに応じて進行度を決定する。基本的には、反射源の深さdが小さくなるほど、進行度は高いものと判定する。
以下の処理は例(1)の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
例(5) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の平均的ビーム路程の場合
連続的に探触子12から反射エコーが得られた場合、それは、同一の反射源からの反射エコーであると考えられる。そこで、その反射エコーの中の平均的ビーム路程は、腐食が進行している平均部分であると考えられるために、その平均的ビーム路程は、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。また、この平均的ビーム路程は、感度の影響を受けずに安定して得られる値となる。
【0068】
この場合、信号処理部20は、連続する反射エコーであるか否かを判定する連続エコー抽出部25を備え、連続エコー抽出部25は、例(2)で説明したのと同じ処理手順で連続領域を抽出する。
【0069】
特徴情報抽出部24は、連続エコー抽出部25で連続領域と見なされた複数の反射エコーからその前縁または最大値をとって得られるビーム路程の平均を求め、その平均ビーム路程から反射源の深さdを求める。図8は、そのBスコープ画像上で見た場合の反射エコー群とその特徴値との関係を表す図である。
【0070】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で得られた底面エコーのビーム路程から得られる底部位置dと、の比較を行うことにより、前述の(1)及び(2)式に準じて反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。尚、αの値は適宜調整するとよい。
そして、反射源が底部腐食である場合には、反射源の深さdに応じて進行度を決定する。基本的には、反射源の深さdが小さくなるほど、進行度は高いものと判定する。
【0071】
以下の処理は例(1)の場合と同様であるので、説明を省略する。この平均的ビーム路程を特徴情報とした場合は、感度の影響を受けずに安定して得られる値とすることができ、安定した評価を行なうことができる、という利点がある。
【0072】
例(6) 被検査体であるレール1を移動しながら超音波を順次入射したときに、斜角超音波探触子12から連続的に反射エコーが得られたときの、それらの連続した反射エコー群の中での最大エコー高さを持つ反射エコーのビーム路程の場合
連続的に探触子12から反射エコーが得られた場合、それは、同一の反射源からの反射エコーであると考えられる。そこで、その反射エコーの中で最大エコー高さは、反射源の最大有効反射面積を表していると考えられ、底部腐食が進行していれば、その最大有効反射面積も大きくなるはずであるために、最大エコー高さは、底部腐食の進行度を反映する特徴情報となる。
【0073】
この場合、信号処理部20は、連続する反射エコーであるか否かを判定する連続エコー抽出部25を備え、連続エコー抽出部25は、例(2)で説明したのと同じ処理手順で連続領域を抽出する。
【0074】
特徴情報抽出部24は、連続エコー抽出部25で連続領域と見なされた複数の反射エコーの中で最大のビーム高さを持つ反射エコーの前縁または最大値をとって得られるビーム路程を求め、そのビーム路程から反射源の深さdを求める。
【0075】
次いで、進行度判定部27は、特徴情報抽出部24で得られた反射エコーのビーム路程から求めた深さdと、底部情報抽出部26で得られた底面エコーのビーム路程から得られる底部位置dと、の比較を行うことにより、前述の(1)及び(2)式に準じて反射源が底部腐食であるかどうかの判定を行う。尚、αの値は適宜調整するとよい。
そして、反射源が底部腐食である場合には、反射源の深さdに応じて進行度を決定する。基本的には、反射源の深さdが小さくなるほど、進行度は高いものと判定する。
以下の処理は例(1)の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
以上のようにして、底部腐食からの反射エコーを、溶接余盛といった底部腐食以外の被検査体の固有の構造に基づく反射源からの反射エコーと識別すると共に、底部腐食の進行度を評価することができるようになる。
【0077】
また、以上の例では、被検査体に対する移動と共にリアルタイムで底部腐食の進行度を決定することを主として想定して説明したが、これに限るものではない。被検査体に対して移動していきながら、反射エコーを順次受信し、特徴情報抽出部24、連続エコー抽出部25、底部情報抽出部26、進行度判定部27での処理は、遅れて行なうようにしてもよく、また、反射エコーの受信データを記録媒体に記録し、記録媒体を別の場所に運んで、特徴情報抽出部24、連続エコー抽出部25、底部情報抽出部26、進行度判定部27を構成するコンピュータにおいて、処理を行なうようにしてもよい。リアルタイムで処理を行なわない場合には、底部情報抽出部26で今着目する反射エコーに対する基準の底部位置情報を求める際に、着目する反射エコーが得られた当接位置の前後の近傍位置における底面エコーからの統計的代表値を決めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明によるレール底部腐食検知装置及び底部腐食検知方法の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】受信時間と反射エコーとの関係を表す図である。
【図3】(a)腐食部と(b)Bスコープ画像との関係を表し、Bスコープ画像において、細線は垂直超音波探触子からの底面エコーによる画像、太線は斜角超音波探触子からの反射エコーによる画像を表す。
【図4】反射源の深さ、反射エコーのビーム路程及び屈折角の関係を表す説明図である。
【図5】本発明によるレール底部腐食検知装置及び底部腐食検知方法の他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図6】Bスコープ画像上での連続領域に対応する反射エコー群を表す説明図である。
【図7】例(4)におけるBスコープ画像上での反射エコー群とその特徴値との関係を表す図である。
【図8】例(5)におけるBスコープ画像上での反射エコー群とその特徴値との関係を表す図である。
【図9】(a)底部腐食と(b)溶接余盛の違いを表す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1 レール(被検査体)
10 センサ部
12 斜角超音波探触子
14 垂直超音波探触子
16 移動距離センサ
22 超音波送受信部
23 反射エコー検出部
24 特徴情報抽出部
25 連続エコー抽出部
26 底部情報抽出部
27 進行度判定部
28 移動距離演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体に当接されて、屈折角10°〜25°の角度で超音波を入射する超音波探触子を備え、該超音波探触子が反射エコーを受信することにより底部腐食を検知する底部腐食検知装置において、
受信した反射エコーに対して、該反射エコーの特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
被検査体の基準の底部位置情報を抽出する底部情報抽出手段と、
前記底部情報抽出手段の底部位置情報から底部腐食からの反射エコーと底部腐食以外の被検査体固有の構造からの反射エコーとを識別し、得られた反射エコーが底部腐食からのものであると識別された場合に、前記特徴情報抽出手段からの反射エコーの特徴情報から底部腐食の進行程度を判定して、進行度を出力する進行度判定手段と、
を備えることを特徴とする底部腐食検知装置。
【請求項2】
前記反射エコーの特徴情報は、反射エコーのエコー高さまたはビーム路程に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の底部腐食検知装置。
【請求項3】
前記超音波探触子は、被検査体に対して移動しながら順次超音波を入射しており、
連続的に得られる反射エコー群を抽出する連続エコー抽出手段をさらに備え、
前記特徴情報抽出手段は、反射エコー群から特徴情報を抽出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の底部腐食検知装置。
【請求項4】
前記特徴情報は、反射エコー群の中の最大エコー高さ、反射エコー群の中の最小ビーム路程を持つ反射エコーのビーム路程、反射エコー群の平均的ビーム路程、または反射エコー群の中の最大エコー高さを持つ反射エコーのビーム路程に関する情報であることを特徴とする請求項3記載の底部腐食検知装置。
【請求項5】
前記進行度判定手段は、基準の底部位置と、反射エコーのビーム路程から得られる反射源の位置との比較を行い、反射源が底部よりも手前の所定範囲にあるときには底部腐食と判定し、反射源が底部よりも遠いときには底部腐食以外の被検査体固有の構造であると識別することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の底部腐食検知装置。
【請求項6】
被検査体に当接されて、当接面に垂直に超音波を入射する第2の超音波探触子を備え、該第2の超音波探触子が底面エコーを受信し、
前記底部情報抽出手段は、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置で受信する底面エコーのビーム路程から前記底部位置情報を求めることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の底部腐食検知装置。
【請求項7】
前記底部位置情報は、判定対象である反射エコーが得られた被検査体の超音波探触子の当接位置の近傍位置で受信する複数の底面エコーのビーム路程の統計的代表値から求められることを特徴とする請求項6記載の底部腐食検知装置。
【請求項8】
被検査体に屈折角10°〜25°の角度で超音波を入射して、その反射エコーを受信することにより底部腐食を検知する底部腐食検知方法において、
受信した反射エコーに対して、該反射エコーの特徴情報を抽出する工程と、
被検査体の基準の底部位置情報を抽出する工程と、
前記抽出した底部位置情報から底部腐食からの反射エコーと底部腐食以外の被検査体固有の構造からの反射エコーとを識別し、得られた反射エコーが底部腐食からのものであると識別された場合に、前記抽出した反射エコーの特徴情報から底部腐食の進行程度を判定して、進行度を出力する工程と、
を備えることを特徴とする底部腐食検知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−220570(P2006−220570A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35273(P2005−35273)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000003388)株式会社トキメック (103)
【出願人】(504412451)株式会社トキメックレールテクノ (14)
【Fターム(参考)】