廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置及び残渣スラッジ混合成形体
【課題】廃プラスチック油化処理システムの副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易な固形燃料にする残渣スラッジ混合成形装置を提供する。
【解決手段】廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、前記熱分解装置にて分離した残渣と前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えているので、副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易でかつ燃焼排ガス中に粉塵を含まない固形燃料を提供できる。
【解決手段】廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、前記熱分解装置にて分離した残渣と前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えているので、副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易でかつ燃焼排ガス中に粉塵を含まない固形燃料を提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチック油化処理システムの副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易な固形燃料に成形する廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置及び残渣スラッジ混合成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱分解ガス化処理装置においては、プラスチック廃棄物(以下、廃プラスチックと称する)は、熱分解装置において溶融、熱分解され、熱分解ガスと残渣とを発生させる。
【0003】
熱分解ガスは、後処理装置にて燃料ガス化処理され燃料ガスとして回収され利用される。また、油分の多い熱分解ガスは生成油回収塔(蒸留塔)等によって蒸留され、軽質油、中質油,重質油等に分留,回収され、或いはそのまま凝縮して分解油として回収され、燃料として利用される。
【0004】
最近では、廃プラスチック油化処理装置において回収した廃プラスチックを分解油として回収し、この分解油を精油所の原油等に混ぜてフィードストリックリサイクルを行う等、限られた石油資源を如何に有効にリサイクルできるか等実用化研究が推進されている。
【0005】
図11は特許文献1に開示された廃プラスチック油化処理システムの概略構成図である。
熱分解装置12はバーナ部12bにて燃料(回収分解油等)を燃焼させて生成した燃料ガスによって、廃棄物投入機10を経て投入された廃棄物を加熱するとともに、分解ガス(油ガス)と残渣とに分解するようになっている。分解ガスは凝縮装置15(分解ガスエゼクタ等)にて液体油(回収油等)を噴射して、分解ガスを凝縮させる。凝縮した分解油は分解油ドラム16にて一時貯留される。なお、このシステムの例では、分解ガス中には、凝縮装置15によっても凝縮しない軽質ガス成分も存在するが、この軽質ガス成分は分解油ドラム16の上方から軽質ガス配管17を経て加熱燃焼装置(排ガス燃焼装置)20に送られ、ここで完全燃焼し、この高温排ガスの排熱を排熱ボイラー40で蒸気、温水等として回収し、排熱利用できるように構成されている。なお、11は回転スクリュー、13は油ガス配管、14は排ガス配管、22は温度センサ、23は燃料供給量調整部、24は燃料供給量制御部、30は払出し管、31は油循環管、32,33は燃料供給管、36はポンプ、41はブロア、42は排気ダクトである。
【0006】
図12は実用化されている現有の廃プラスチック処理システムの熱分解装置から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送システムの概略構成図である。
【0007】
廃プラスチック処理装置内の廃プラスチックを油ガスと残渣とに分離する熱分解装置12から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送装置60において、熱分解装置12から排出された残渣は、残渣回収搬送装置60で残渣貯留ホッパー130まで搬送される。一方、熱分解装置12にて発生した生成ガスを凝縮装置15にて凝縮させ、凝縮した分解油を分解油ドラム16に回収する。この分解油中には、一部カーボン等のスラッジを含有しているため、分解油ポンプ36にて排出する際、分解油冷却器37にて冷却後、デカンタ等のスラッジ分離器38にて分離回収されたスラッジは、スラッジ移送ポンプ39にて残渣貯留ホッパー130まで移送される。
【0008】
残渣貯留ホッパー130内には、溜まった残渣に直接水を注入する注水機構133が設置され、撹拌機131下部にはサークルフィーダ132が設置されている。サークルフィーダ132下部には残渣排出バルブ130vを設置することにより、残渣貯留ホッパー130内に溜まった残渣に注水機構133より水分を加えながら撹拌機131を駆動し撹拌することや、残渣貯留ホッパー130から排出された残渣が飛散しない状態に全体の湿分を調整することで、残渣を安定して排出できるようにする排出残渣湿分調整機構等を備えている。
【0009】
残渣排出バルブ130vを介して排出された残渣は、その下部の着脱可能なジャバラ&カップリング継手130jを介して残渣回収コンテナ50に貯留される。残渣回収コンテナ50を搬出する際は着脱可能なジャバラ&カップリング継手130jを取外し、残渣回収コンテナ50をフックロール車で搬出でき、同一或いは別な残渣回収コンテナ50をフックロール車で搬入、組替えできる構成としている。残渣貯留ホッパー130上部に排気用のバグフィルタ40fを設置し、運転中、バグフィルタ40fの表面に付着した残渣を残渣貯留ホッパー130内に払い落とすことができ、残渣貯留ホッパー130から残渣回収コンテナ50まで残渣を排出する際に発生する残渣の粉塵が外部に排気されるのを防止している。なお、50vはバルブ、50jはジャバラ、50tは検出器、50a,60は制御部である。
【0010】
ここで、熱分解装置12にて分離した残渣は、カーボン主体の微小粒子状態で一般焼却炉等の焼却処理物に混ぜて燃焼させることはできるが、その場合でも排ガス処理工程にバグフィルタ等の集塵設備を設置していない燃焼設備では排ガス中に粉塵が含まれる等の問題がある。また、比較的オープンな電気炉等の助燃材として利用する場合は、微小粒子状態のままで吹き込み投入すると、カーボンの多くは集塵設備側に吸引され、燃料としての効果が充分に発揮されないばかりか、集塵設備の詰まり等の原因となる。
【0011】
また、微小粒子状態のままで安定燃焼させるバーナ等の固形燃料として利用するには、バーナ等に定量供給するのが難しく、バーナが閉塞しやすい等の問題がある。
【0012】
一方、分解油ドラム16に回収された分解油には一部スラッジ等の微小固形分を有しているため、スラッジ分離装置38を通すことによりスラッジを分離、除去する。分離したスラッジは残渣と同程度の高発熱量を有するので、固形燃料等として有効利用することが可能であるが、このままでは流動点の高い重質油が混入しており常温では固まってしまうため、取扱いが難しい等の問題がある。
【特許文献1】特開2002−173690号公報
【特許文献1】特開2003−89430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、廃プラスチック油化処理システムの副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易で燃焼設備で利用しやすい固形燃料にし、また、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定に燃焼でき、カーボン主体の微小粒子状態のままでは集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まない残渣スラッジ混合成形品を製造する残渣スラッジ混合成形装置及び残渣スラッジ混合成形体を提供することである。
【0014】
また、本発明の他の課題は、残渣スラッジ混合成形品を製造することにより、廃ラスチック油化処理システムのゼロエミッションをも可能にし、他のシステムとの融合を図れることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置の発明は、廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置には、スラッジと残渣とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置には、スラッジと残渣と水とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置に供給する水の量は、当該混合装置に供給する残渣とスラッジの量に応じた比率に制御することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置の下流には混合物バッファタンクを設置し、その下流に定量供給装置を設置し前記成形装置に供給する混合物の量が一定になるようにしていることを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記成形装置は、粒状に固形化する造粒装置であることを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記成形装置で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ、或いは袋状のコンテナバックの少なくとも一方に貯留し、この貯留したコンテナ或いはコンテナバックを搬送車で利用施設まで搬送できるようにしたことを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置で成形された固形物を、加熱用固形燃料として利用することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の加熱用固形燃料を加熱用固形燃料利用設備、スチーム発生用ボイラー、或いは汚泥処理システムの燃料として利用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、残渣、スラッジを持ち運びが容易でかつ燃焼設備で利用しやすい固形燃料とし、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定燃焼でき、燃料設備の集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まない残渣スラッジ混合性系成形品を製造する廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置を提供できる。また、残渣、スラッジ、受け入れ固体材料をまとめて固形燃料化することにより、搬送、利用先での作業環境が向上し、粉塵による発火等の危険性が解消される。更に、残渣スラッジ混合成形品を製造するに際し、添加物として廃プラスチック処理システム以外からの種々の処理生成物も受け入れられようにし、廃プラスチック処理システム以外も含めたゼロエミッションをも可能とし、他のシステムとの融合を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明の第1実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aは、熱分解装置12にて分離した残渣に、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジの一部または全部を混ぜ合わせ混合物を作る混合装置201aと、その下流にその混合物を成形するための成形装置202とを備えている。
【0027】
混合装置201aは、残渣とスラッジとをよく混合するために、図12のような残渣貯留ポッパー130内に回転撹拌羽根131を設置する構造、或いは、残渣ポッパー下部のロータリー羽根等を設置し内部を流動させる構造にする。一般に、スラッジは流動点の高い重質油が混ざっており、スラッジが硬く固化している場合には、固化しているスラッジを破砕機等で砕き、混合装置201aに供給する。
【0028】
成形装置202は、一定の径に成形加工する造粒機、一定の板厚に圧縮成形加工する圧縮成形機、型に入れて圧入加工する圧入成形機等がある。
本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aは上記のような構成であるので、残渣とスラッジとの混合が容易にでき、その混合物を成形することができる。
【0029】
図2は本発明の第2実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200bは、熱分解装置12にて分離した残渣に、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジとが或る一定の混合比率で混合装置201aに供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備えている。定量供給装置203、204としては、スクリューフィーダ方式、ストレートフィーダ方式、サークルフィーダ方式等がある。また、この定量供給装置203、204には加熱器等を設置し、スラッジの流動性を高めるような構造としてもよい。スラッジと残渣とを混合する際、各々の比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。
【0030】
本実施例の残渣スラッジ混合成形装置200bのように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備えることにより、残渣とスラッジとを或る一定比率で残渣スラッジ混合装置に供給することができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0031】
図3は本発明の第3実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200cは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置201bと、その下流にその混合物を成形するための成形装置202とを備えている。
【0032】
混合装置201bは、残渣とスラッジと水とをよく混合するために、図12のような残渣貯留ポッパー130内に回転撹拌羽根131を設置するのと同様の構造、或いは、残渣ポッパー下部のロータリー羽根等を設置し内部を流動させる構造にする。一般にスラッジは流動点の高い重質油が混ざっており、スラッジが硬く固化している場合には、固化しているスラッジを破砕機等で砕いた後、混合装置201bに供給する。
成形装置202の型式としては、一定の径に成形加工する造粒機、一定の板厚に圧縮成形加工する圧縮成形機、型に入れて圧入加工する圧入成形機等がある。
【0033】
本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200cは上記のような構成であるので、残渣とスラッジと水との混合が適性かつ容易にでき、その混合物を成形することができる。
【0034】
図4は本発明の第4実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図4に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200dは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置203、204、205を備えている。混合装置201bの下流にその混合物を成形するための成形装置202を備えている。残渣とスラッジだけでなく、水も或る一定の混合比率で添加することにより、硬度の高い成形物を製造することができる。
【0035】
定量供給装置203、204の型式としては、スクリューフィーダ方式、ストレートフィーダ方式、サークルフィーダ方式等が、水の定量供給装置205としては、流量調整弁等がある。
【0036】
スラッジと残渣と水とを混合する際、各々の混合比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。このように、スラッジと残渣と水との各々に定量供給装置203、204、205を備えることにより、スラッジと残渣と水とを或る一定の混合比率で残渣スラッジ混合装置に供給することができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0037】
図5は本発明の第5実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200eは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備え、さらに流量調整制御装置205aを備えている。この流量調整制御装置205aは残渣とスラッジの各々に設けた定量供給装置203、204の供給量の信号を受け取り、混合装置201bに供給する残渣とスラッジの各供給量に合せて水の供給量を制御できるように構成されている。
【0038】
混合装置201bにてスラッジと残渣と水とを混合する際、各々の比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。本実施形態のように、残渣とスラッジの各供給量に合せて水の供給量を逐次監視しその監視値により水の供給量を制御できる流量調整制御装置205aを設置することにより、スラッジと残渣の投入量に合った最適な比率で水を混合させることができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0039】
図6は本発明の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図6に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200fは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置203、204、205を備えている。混合装置201bにて混合された混合物を一旦混合物バッファタンク206aに落とした後、混合物バッファタンク206aの下部に設置された混合物定量供給装置206bにより定量的にその下流の成形装置202に供給するように構成されている。
【0040】
本実施形態は上記したように構成されているので、混合物定量供給装置206bより定量的にその下流の成形装置202にスラッジと残渣と水を供給できるので、成形装置202での成形加工をより安定的に行うことができる。
【0041】
ところで、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の成形装置202にて成形する形状としては、板状、棒状、粒状加工等があるが、燃焼設備で燃焼しやすく、微粉炭が舞上がらないφ4mmからφ10mm程度の粒状に加工することが、燃焼性、搬送性に優れていることから、最適である。
【0042】
粒状加工機械としては、ペレットミル、型による圧縮成形加工機等が適している。また、成形装置として粒状に固形化する造粒装置を用いると、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい造粒物とすることができる。
【0043】
図7は本発明の第7実施形態の残渣スラッジ混合成形装置に係る混合成形物の回収装置の概略構成図である。
【0044】
図7に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置に係る混合成形物回収コンテナ300は、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aから200fの成形装置202で成形された固形物を貯留できるようになっており、このコンテナ300を搬送車、例えばフックロール車301に積載して、残渣スラッジ混合成形装置から利用施設まで搬送できるようにしたものである。この混合成形物回収コンテナ300を成形装置の下部に設置して、成形装置で固形化加工された造粒物等を別の手段で移し換えることなく、そのまま搬送することができる。
【0045】
また、混合成形物回収コンテナ300の上部には取付けノズル302が設置されており、成形装置202から排出される造粒物がそのまま混合成形物回収コンテナ300に入れられるよう、伸縮継手304の下部にワンタッチで取付け取外し可能なカップリング303が設置され、成形装置202と混合成形物回収コンテナ300との取合いを容易にするように構成されている。
【0046】
なお、フックロール車301による残渣の搬送方法については、特開2003−89430(廃プラスチック残渣搬送装置)にて既に出願済であり、この方法を成形装置で固形化加工された造粒物にも適用できる。
【0047】
図8は本発明の第8実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図である。
図8に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムは、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置220の成形装置202で成形された固形物を袋状のコンテナバック310に貯留し、このコンテナバック310を利用施設まで搬送できるようにしたものである。
【0048】
成形装置で成形された固形物は固形物搬送コンベア305にて持ち上げられ、コンテナバック固形物出口バルブ312を経由して下流の袋状のコンテナバック310に落とされる。コンテナバック310の下部にはコンテナバック計量計311が設置されており、コンテナバック内に溜まった固形物の重量を検知し、規定値に達したら、固形物搬送コンベア305の固形物出口バルブ312を閉にし、コンテナバック310を封じて、利用先に移送される。また、コンテナバック310に詰めたまま一時保管することも可能である。また、新たな空のコンテナバック310をセットし、コンテナバック固形物出口バルブ312を開にして、またコンテナバック310内に固形物を溜め込む。
【0049】
図9は本発明の第9実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図である。
図9に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムにおいては、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置220の成形装置202で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ300と袋状のコンテナバック310の両方に貯留できるようにし、この混合成形物回収コンテナ300とコンテナバック310の何れでも利用施設まで搬送できるようにしたものである。
【0050】
成形装置202で成形された固形物は固形物搬送コンベア305にて持ち上げられ、下流の混合成形物回収コンテナ300か、或いは袋状のコンテナバック310の両方に貯留できるようになっている。
【0051】
本実施形態の場合は、固形物搬送コンベア305にて搬送された固形物は、まずコンテナバック固形物出口バルブ312を経由してコンテナバック310に落下するようになっている。但し、固形物をコンテナバック310に入れる必要のない場合やコンテナバック310を入替え作業している場合等はコンテナバック固形物出口バルブ312を閉にし、固形物搬送コンベア305からコンテナバック310へは落下せず、その下流の混合成形物回収コンテナ300に落下するようにする。
【0052】
混合成形物回収コンテナ300の下部には混合成形物回収コンテナ計量計321が設置されており、混合成形物回収コンテナ300内に溜まった固形物の重量を検知し、規定値に達したら固形物搬送コンベア305から混合成形物回収コンテナ300への混合成形物回収コンテナ固形物出口バルブ322を閉にし、混合成形物回収コンテナ300は利用先に移送される。
【0053】
図10は本発明の第10実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の固形物利用システムの概略構成図である。
【0054】
図10に示すように、本実施形態においては、残渣スラッジ混合成形装置200の成形装置202にて成形した成形物を、加熱用固形燃料利用設備400に搬送し、加熱用固形燃料として利用するようにしたものである。
【0055】
粒状に造粒した固形燃料を加熱用固形燃料として燃焼できる加熱用固形燃料利用設備400に供給することにより、燃焼ガスを廃プラスチック処理システム外の加熱源として供給することができる。このように成形した固形燃料を廃プラスチック処理システム外の加熱用固形燃料として利用することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを廃プラスチック処理システム外の加熱源として有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立するだけでなく、周辺の設備も含めたゼロエミッション地域を確立することができる。
【0056】
また、本実施形態の残渣スラッジ混合成形体の利用として、スチーム発生用ボイラー410で利用することが可能である。
【0057】
粒状に造粒した固形燃料を燃焼できる燃焼用固形燃料バーナ220にこの固形燃料を供給することにより、この燃焼ガスをスチーム発生用ボイラー410の加熱源として利用することができる。スチーム発生用ボイラー410の加熱温度は、スチームの利用形態により最適な設計し温度設定する。また1つのボイラーの加熱のみでなく、複数のボイラー等でカスケード利用する等設計上の工夫をすることもできる。
【0058】
このように加熱用固形燃料をスチーム発生用ボイラー410の加熱源として利用することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを廃プラスチック処理システム内外のスチーム加熱源として有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立するだけでなく、熱エネルギーの有効利用を図り、周辺の設備にもスチームとして熱エネルギーを供給することができる。
【0059】
さらにまた、本実施形態の残渣スラッジ混合成形体の利用として、汚泥処理システム420で利用することが可能である。
【0060】
粒状に造粒した固形燃料を汚泥処理システム420における汚泥燃焼設備等の汚泥の助燃材として供給することができる。汚泥燃焼設備等に搬送する際、固形燃料で粉塵が発生しないため、固形燃料加工していない場合に比べ、取扱いが非常に容易になる。また、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定燃焼でき、カーボン主体の微小粒子状態のままでは集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まれず、操業に影響を与えない。更に、従来汚泥のみを処理していた汚泥処理システムにおいても、汚泥以外の固形燃料が処理できることになり、システム効率を高めることができる。
【0061】
このように燃焼ガスを汚泥処理システムの汚泥燃焼設備等の汚泥助燃材として供給することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、油中スラッジ、或いは、ガス化溶融処理システムから回収されるチャ−、残渣、粉塵等の一部、或いはこれらの組合せでまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを汚泥処理システムの汚泥燃焼設備等における汚泥の助燃材として供給することにより有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図2】本発明の第2実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図3】本発明の第3実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図4】本発明の第4実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図5】本発明の第5実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図6】本発明の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図7】本発明の第7実施形態の残渣スラッジ混合成形装置にかかる回収装置の概略構成図。
【図8】本発明の第8実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図。
【図9】本発明の第9実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図。
【図10】本発明の第10実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の固形物利用システムの概略構成図。
【図11】従来の廃プラスチック油化処理装置システムの概略構成図。
【図12】従来の廃プラスチック処理装置内の熱分解装置から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送のシステムの概略構成図。
【符号の説明】
【0063】
1…廃プラスチック油化処理システム、10…廃棄物投入機、11…回転スクリュー、12…熱分解装置、12b…バーナ部、13…油ガス配管、13a…分解ガス(油ガス)配管、14…排ガス配管、15…凝縮装置(分解ガスエゼクタ等)、16…分解油ドラム、17…軽質ガス配管、20…加熱燃焼装置(排ガス燃焼装置)、30…分解油払出し管、32、33…燃料供給管、36…分解油ポンプ、37…分解油冷却器、38…スラッジ分離器、39…スラッジ移送ポンプ、40…排熱回収ボイラー、41…排ガス吸引ブロア、42…排気ダクト、50…残渣回収コンテナ、50a…バグフィルタ、60…残渣搬送装置、130…残渣貯留ホッパー、130a…残渣貯留ホッパー投入口、130j…ジャバラ&カップリング継手、130m…回転モータ、130v…残渣排出バルブ、131…回転撹拌羽根(撹拌機)、132…サークルフィーダ、133…注水機構、134…不活性ガス供給機構、134v…不活性ガス供給バルブ、200…残渣スラッジ混合成形装置、201…混合装置、202…成形装置、203、204、205…定量供給装置、206a…混合物バッファタンク、206b…混合物定量供給装置、300…混合成形物回収コンテナ、301…フックロール車、302…取付けノズル、303…カップリング、304…伸縮継手、305…固形物搬送コンベア、310…コンテナバック、311…コンテナバック計量計、312…コンテナバック固形物出口バルブ、321…混合成形物回収コンテナ計量計、322…混合成形物回収コンテナ固形物出口バルブ、400…加熱用固形燃料利用設備、410…スチーム発生用ボイラー、420…汚泥処理システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチック油化処理システムの副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易な固形燃料に成形する廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置及び残渣スラッジ混合成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱分解ガス化処理装置においては、プラスチック廃棄物(以下、廃プラスチックと称する)は、熱分解装置において溶融、熱分解され、熱分解ガスと残渣とを発生させる。
【0003】
熱分解ガスは、後処理装置にて燃料ガス化処理され燃料ガスとして回収され利用される。また、油分の多い熱分解ガスは生成油回収塔(蒸留塔)等によって蒸留され、軽質油、中質油,重質油等に分留,回収され、或いはそのまま凝縮して分解油として回収され、燃料として利用される。
【0004】
最近では、廃プラスチック油化処理装置において回収した廃プラスチックを分解油として回収し、この分解油を精油所の原油等に混ぜてフィードストリックリサイクルを行う等、限られた石油資源を如何に有効にリサイクルできるか等実用化研究が推進されている。
【0005】
図11は特許文献1に開示された廃プラスチック油化処理システムの概略構成図である。
熱分解装置12はバーナ部12bにて燃料(回収分解油等)を燃焼させて生成した燃料ガスによって、廃棄物投入機10を経て投入された廃棄物を加熱するとともに、分解ガス(油ガス)と残渣とに分解するようになっている。分解ガスは凝縮装置15(分解ガスエゼクタ等)にて液体油(回収油等)を噴射して、分解ガスを凝縮させる。凝縮した分解油は分解油ドラム16にて一時貯留される。なお、このシステムの例では、分解ガス中には、凝縮装置15によっても凝縮しない軽質ガス成分も存在するが、この軽質ガス成分は分解油ドラム16の上方から軽質ガス配管17を経て加熱燃焼装置(排ガス燃焼装置)20に送られ、ここで完全燃焼し、この高温排ガスの排熱を排熱ボイラー40で蒸気、温水等として回収し、排熱利用できるように構成されている。なお、11は回転スクリュー、13は油ガス配管、14は排ガス配管、22は温度センサ、23は燃料供給量調整部、24は燃料供給量制御部、30は払出し管、31は油循環管、32,33は燃料供給管、36はポンプ、41はブロア、42は排気ダクトである。
【0006】
図12は実用化されている現有の廃プラスチック処理システムの熱分解装置から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送システムの概略構成図である。
【0007】
廃プラスチック処理装置内の廃プラスチックを油ガスと残渣とに分離する熱分解装置12から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送装置60において、熱分解装置12から排出された残渣は、残渣回収搬送装置60で残渣貯留ホッパー130まで搬送される。一方、熱分解装置12にて発生した生成ガスを凝縮装置15にて凝縮させ、凝縮した分解油を分解油ドラム16に回収する。この分解油中には、一部カーボン等のスラッジを含有しているため、分解油ポンプ36にて排出する際、分解油冷却器37にて冷却後、デカンタ等のスラッジ分離器38にて分離回収されたスラッジは、スラッジ移送ポンプ39にて残渣貯留ホッパー130まで移送される。
【0008】
残渣貯留ホッパー130内には、溜まった残渣に直接水を注入する注水機構133が設置され、撹拌機131下部にはサークルフィーダ132が設置されている。サークルフィーダ132下部には残渣排出バルブ130vを設置することにより、残渣貯留ホッパー130内に溜まった残渣に注水機構133より水分を加えながら撹拌機131を駆動し撹拌することや、残渣貯留ホッパー130から排出された残渣が飛散しない状態に全体の湿分を調整することで、残渣を安定して排出できるようにする排出残渣湿分調整機構等を備えている。
【0009】
残渣排出バルブ130vを介して排出された残渣は、その下部の着脱可能なジャバラ&カップリング継手130jを介して残渣回収コンテナ50に貯留される。残渣回収コンテナ50を搬出する際は着脱可能なジャバラ&カップリング継手130jを取外し、残渣回収コンテナ50をフックロール車で搬出でき、同一或いは別な残渣回収コンテナ50をフックロール車で搬入、組替えできる構成としている。残渣貯留ホッパー130上部に排気用のバグフィルタ40fを設置し、運転中、バグフィルタ40fの表面に付着した残渣を残渣貯留ホッパー130内に払い落とすことができ、残渣貯留ホッパー130から残渣回収コンテナ50まで残渣を排出する際に発生する残渣の粉塵が外部に排気されるのを防止している。なお、50vはバルブ、50jはジャバラ、50tは検出器、50a,60は制御部である。
【0010】
ここで、熱分解装置12にて分離した残渣は、カーボン主体の微小粒子状態で一般焼却炉等の焼却処理物に混ぜて燃焼させることはできるが、その場合でも排ガス処理工程にバグフィルタ等の集塵設備を設置していない燃焼設備では排ガス中に粉塵が含まれる等の問題がある。また、比較的オープンな電気炉等の助燃材として利用する場合は、微小粒子状態のままで吹き込み投入すると、カーボンの多くは集塵設備側に吸引され、燃料としての効果が充分に発揮されないばかりか、集塵設備の詰まり等の原因となる。
【0011】
また、微小粒子状態のままで安定燃焼させるバーナ等の固形燃料として利用するには、バーナ等に定量供給するのが難しく、バーナが閉塞しやすい等の問題がある。
【0012】
一方、分解油ドラム16に回収された分解油には一部スラッジ等の微小固形分を有しているため、スラッジ分離装置38を通すことによりスラッジを分離、除去する。分離したスラッジは残渣と同程度の高発熱量を有するので、固形燃料等として有効利用することが可能であるが、このままでは流動点の高い重質油が混入しており常温では固まってしまうため、取扱いが難しい等の問題がある。
【特許文献1】特開2002−173690号公報
【特許文献1】特開2003−89430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、廃プラスチック油化処理システムの副生成物として発生する残渣やスラッジを、持ち運びが容易で燃焼設備で利用しやすい固形燃料にし、また、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定に燃焼でき、カーボン主体の微小粒子状態のままでは集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まない残渣スラッジ混合成形品を製造する残渣スラッジ混合成形装置及び残渣スラッジ混合成形体を提供することである。
【0014】
また、本発明の他の課題は、残渣スラッジ混合成形品を製造することにより、廃ラスチック油化処理システムのゼロエミッションをも可能にし、他のシステムとの融合を図れることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置の発明は、廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置には、スラッジと残渣とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置には、スラッジと残渣と水とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置に供給する水の量は、当該混合装置に供給する残渣とスラッジの量に応じた比率に制御することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記混合装置の下流には混合物バッファタンクを設置し、その下流に定量供給装置を設置し前記成形装置に供給する混合物の量が一定になるようにしていることを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記成形装置は、粒状に固形化する造粒装置であることを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置において、前記成形装置で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ、或いは袋状のコンテナバックの少なくとも一方に貯留し、この貯留したコンテナ或いはコンテナバックを搬送車で利用施設まで搬送できるようにしたことを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置で成形された固形物を、加熱用固形燃料として利用することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の加熱用固形燃料を加熱用固形燃料利用設備、スチーム発生用ボイラー、或いは汚泥処理システムの燃料として利用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、残渣、スラッジを持ち運びが容易でかつ燃焼設備で利用しやすい固形燃料とし、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定燃焼でき、燃料設備の集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まない残渣スラッジ混合性系成形品を製造する廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置を提供できる。また、残渣、スラッジ、受け入れ固体材料をまとめて固形燃料化することにより、搬送、利用先での作業環境が向上し、粉塵による発火等の危険性が解消される。更に、残渣スラッジ混合成形品を製造するに際し、添加物として廃プラスチック処理システム以外からの種々の処理生成物も受け入れられようにし、廃プラスチック処理システム以外も含めたゼロエミッションをも可能とし、他のシステムとの融合を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明の第1実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aは、熱分解装置12にて分離した残渣に、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジの一部または全部を混ぜ合わせ混合物を作る混合装置201aと、その下流にその混合物を成形するための成形装置202とを備えている。
【0027】
混合装置201aは、残渣とスラッジとをよく混合するために、図12のような残渣貯留ポッパー130内に回転撹拌羽根131を設置する構造、或いは、残渣ポッパー下部のロータリー羽根等を設置し内部を流動させる構造にする。一般に、スラッジは流動点の高い重質油が混ざっており、スラッジが硬く固化している場合には、固化しているスラッジを破砕機等で砕き、混合装置201aに供給する。
【0028】
成形装置202は、一定の径に成形加工する造粒機、一定の板厚に圧縮成形加工する圧縮成形機、型に入れて圧入加工する圧入成形機等がある。
本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aは上記のような構成であるので、残渣とスラッジとの混合が容易にでき、その混合物を成形することができる。
【0029】
図2は本発明の第2実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200bは、熱分解装置12にて分離した残渣に、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジとが或る一定の混合比率で混合装置201aに供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備えている。定量供給装置203、204としては、スクリューフィーダ方式、ストレートフィーダ方式、サークルフィーダ方式等がある。また、この定量供給装置203、204には加熱器等を設置し、スラッジの流動性を高めるような構造としてもよい。スラッジと残渣とを混合する際、各々の比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。
【0030】
本実施例の残渣スラッジ混合成形装置200bのように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備えることにより、残渣とスラッジとを或る一定比率で残渣スラッジ混合装置に供給することができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0031】
図3は本発明の第3実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200cは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置201bと、その下流にその混合物を成形するための成形装置202とを備えている。
【0032】
混合装置201bは、残渣とスラッジと水とをよく混合するために、図12のような残渣貯留ポッパー130内に回転撹拌羽根131を設置するのと同様の構造、或いは、残渣ポッパー下部のロータリー羽根等を設置し内部を流動させる構造にする。一般にスラッジは流動点の高い重質油が混ざっており、スラッジが硬く固化している場合には、固化しているスラッジを破砕機等で砕いた後、混合装置201bに供給する。
成形装置202の型式としては、一定の径に成形加工する造粒機、一定の板厚に圧縮成形加工する圧縮成形機、型に入れて圧入加工する圧入成形機等がある。
【0033】
本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200cは上記のような構成であるので、残渣とスラッジと水との混合が適性かつ容易にでき、その混合物を成形することができる。
【0034】
図4は本発明の第4実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図4に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200dは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置203、204、205を備えている。混合装置201bの下流にその混合物を成形するための成形装置202を備えている。残渣とスラッジだけでなく、水も或る一定の混合比率で添加することにより、硬度の高い成形物を製造することができる。
【0035】
定量供給装置203、204の型式としては、スクリューフィーダ方式、ストレートフィーダ方式、サークルフィーダ方式等が、水の定量供給装置205としては、流量調整弁等がある。
【0036】
スラッジと残渣と水とを混合する際、各々の混合比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。このように、スラッジと残渣と水との各々に定量供給装置203、204、205を備えることにより、スラッジと残渣と水とを或る一定の混合比率で残渣スラッジ混合装置に供給することができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0037】
図5は本発明の第5実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200eは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置203、204を備え、さらに流量調整制御装置205aを備えている。この流量調整制御装置205aは残渣とスラッジの各々に設けた定量供給装置203、204の供給量の信号を受け取り、混合装置201bに供給する残渣とスラッジの各供給量に合せて水の供給量を制御できるように構成されている。
【0038】
混合装置201bにてスラッジと残渣と水とを混合する際、各々の比率が変動するとそれに伴い混合油分も変動するため、混合がうまくいかなくなるだけでなく、その下流の成形装置202での成形加工も安定的に行えなくなる。本実施形態のように、残渣とスラッジの各供給量に合せて水の供給量を逐次監視しその監視値により水の供給量を制御できる流量調整制御装置205aを設置することにより、スラッジと残渣の投入量に合った最適な比率で水を混合させることができ、混合、成形加工が安定的に行うことができる。
【0039】
図6は本発明の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図である。
図6に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200fは、熱分解装置12にて分離した残渣と、分解油ドラム等で回収後、油中スラッジ分離装置38にて分離したスラッジと、水とが或る一定の混合比率で混合装置201bに供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置203、204、205を備えている。混合装置201bにて混合された混合物を一旦混合物バッファタンク206aに落とした後、混合物バッファタンク206aの下部に設置された混合物定量供給装置206bにより定量的にその下流の成形装置202に供給するように構成されている。
【0040】
本実施形態は上記したように構成されているので、混合物定量供給装置206bより定量的にその下流の成形装置202にスラッジと残渣と水を供給できるので、成形装置202での成形加工をより安定的に行うことができる。
【0041】
ところで、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の成形装置202にて成形する形状としては、板状、棒状、粒状加工等があるが、燃焼設備で燃焼しやすく、微粉炭が舞上がらないφ4mmからφ10mm程度の粒状に加工することが、燃焼性、搬送性に優れていることから、最適である。
【0042】
粒状加工機械としては、ペレットミル、型による圧縮成形加工機等が適している。また、成形装置として粒状に固形化する造粒装置を用いると、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい造粒物とすることができる。
【0043】
図7は本発明の第7実施形態の残渣スラッジ混合成形装置に係る混合成形物の回収装置の概略構成図である。
【0044】
図7に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置に係る混合成形物回収コンテナ300は、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置200aから200fの成形装置202で成形された固形物を貯留できるようになっており、このコンテナ300を搬送車、例えばフックロール車301に積載して、残渣スラッジ混合成形装置から利用施設まで搬送できるようにしたものである。この混合成形物回収コンテナ300を成形装置の下部に設置して、成形装置で固形化加工された造粒物等を別の手段で移し換えることなく、そのまま搬送することができる。
【0045】
また、混合成形物回収コンテナ300の上部には取付けノズル302が設置されており、成形装置202から排出される造粒物がそのまま混合成形物回収コンテナ300に入れられるよう、伸縮継手304の下部にワンタッチで取付け取外し可能なカップリング303が設置され、成形装置202と混合成形物回収コンテナ300との取合いを容易にするように構成されている。
【0046】
なお、フックロール車301による残渣の搬送方法については、特開2003−89430(廃プラスチック残渣搬送装置)にて既に出願済であり、この方法を成形装置で固形化加工された造粒物にも適用できる。
【0047】
図8は本発明の第8実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図である。
図8に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムは、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置220の成形装置202で成形された固形物を袋状のコンテナバック310に貯留し、このコンテナバック310を利用施設まで搬送できるようにしたものである。
【0048】
成形装置で成形された固形物は固形物搬送コンベア305にて持ち上げられ、コンテナバック固形物出口バルブ312を経由して下流の袋状のコンテナバック310に落とされる。コンテナバック310の下部にはコンテナバック計量計311が設置されており、コンテナバック内に溜まった固形物の重量を検知し、規定値に達したら、固形物搬送コンベア305の固形物出口バルブ312を閉にし、コンテナバック310を封じて、利用先に移送される。また、コンテナバック310に詰めたまま一時保管することも可能である。また、新たな空のコンテナバック310をセットし、コンテナバック固形物出口バルブ312を開にして、またコンテナバック310内に固形物を溜め込む。
【0049】
図9は本発明の第9実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図である。
図9に示すように、本実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムにおいては、図1の第1実施形態から図6の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置220の成形装置202で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ300と袋状のコンテナバック310の両方に貯留できるようにし、この混合成形物回収コンテナ300とコンテナバック310の何れでも利用施設まで搬送できるようにしたものである。
【0050】
成形装置202で成形された固形物は固形物搬送コンベア305にて持ち上げられ、下流の混合成形物回収コンテナ300か、或いは袋状のコンテナバック310の両方に貯留できるようになっている。
【0051】
本実施形態の場合は、固形物搬送コンベア305にて搬送された固形物は、まずコンテナバック固形物出口バルブ312を経由してコンテナバック310に落下するようになっている。但し、固形物をコンテナバック310に入れる必要のない場合やコンテナバック310を入替え作業している場合等はコンテナバック固形物出口バルブ312を閉にし、固形物搬送コンベア305からコンテナバック310へは落下せず、その下流の混合成形物回収コンテナ300に落下するようにする。
【0052】
混合成形物回収コンテナ300の下部には混合成形物回収コンテナ計量計321が設置されており、混合成形物回収コンテナ300内に溜まった固形物の重量を検知し、規定値に達したら固形物搬送コンベア305から混合成形物回収コンテナ300への混合成形物回収コンテナ固形物出口バルブ322を閉にし、混合成形物回収コンテナ300は利用先に移送される。
【0053】
図10は本発明の第10実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の固形物利用システムの概略構成図である。
【0054】
図10に示すように、本実施形態においては、残渣スラッジ混合成形装置200の成形装置202にて成形した成形物を、加熱用固形燃料利用設備400に搬送し、加熱用固形燃料として利用するようにしたものである。
【0055】
粒状に造粒した固形燃料を加熱用固形燃料として燃焼できる加熱用固形燃料利用設備400に供給することにより、燃焼ガスを廃プラスチック処理システム外の加熱源として供給することができる。このように成形した固形燃料を廃プラスチック処理システム外の加熱用固形燃料として利用することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを廃プラスチック処理システム外の加熱源として有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立するだけでなく、周辺の設備も含めたゼロエミッション地域を確立することができる。
【0056】
また、本実施形態の残渣スラッジ混合成形体の利用として、スチーム発生用ボイラー410で利用することが可能である。
【0057】
粒状に造粒した固形燃料を燃焼できる燃焼用固形燃料バーナ220にこの固形燃料を供給することにより、この燃焼ガスをスチーム発生用ボイラー410の加熱源として利用することができる。スチーム発生用ボイラー410の加熱温度は、スチームの利用形態により最適な設計し温度設定する。また1つのボイラーの加熱のみでなく、複数のボイラー等でカスケード利用する等設計上の工夫をすることもできる。
【0058】
このように加熱用固形燃料をスチーム発生用ボイラー410の加熱源として利用することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、スラッジをまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを廃プラスチック処理システム内外のスチーム加熱源として有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立するだけでなく、熱エネルギーの有効利用を図り、周辺の設備にもスチームとして熱エネルギーを供給することができる。
【0059】
さらにまた、本実施形態の残渣スラッジ混合成形体の利用として、汚泥処理システム420で利用することが可能である。
【0060】
粒状に造粒した固形燃料を汚泥処理システム420における汚泥燃焼設備等の汚泥の助燃材として供給することができる。汚泥燃焼設備等に搬送する際、固形燃料で粉塵が発生しないため、固形燃料加工していない場合に比べ、取扱いが非常に容易になる。また、これらを単独の固形燃料として燃焼させても安定燃焼でき、カーボン主体の微小粒子状態のままでは集塵設備の詰まり等の原因となるのを防止し、燃焼排ガス中に粉塵を含まれず、操業に影響を与えない。更に、従来汚泥のみを処理していた汚泥処理システムにおいても、汚泥以外の固形燃料が処理できることになり、システム効率を高めることができる。
【0061】
このように燃焼ガスを汚泥処理システムの汚泥燃焼設備等の汚泥助燃材として供給することにより、廃プラスチック処理システムから回収される残渣、油中スラッジ、或いは、ガス化溶融処理システムから回収されるチャ−、残渣、粉塵等の一部、或いはこれらの組合せでまとめて燃焼設備で燃焼しやすい成形物とし、これらを汚泥処理システムの汚泥燃焼設備等における汚泥の助燃材として供給することにより有効利用することができ、ゼロエミッションプラントを確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図2】本発明の第2実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図3】本発明の第3実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図4】本発明の第4実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図5】本発明の第5実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図6】本発明の第6実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の概略構成図。
【図7】本発明の第7実施形態の残渣スラッジ混合成形装置にかかる回収装置の概略構成図。
【図8】本発明の第8実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図。
【図9】本発明の第9実施形態の残渣スラッジ混合成形装置システムの概略構成図。
【図10】本発明の第10実施形態の残渣スラッジ混合成形装置の固形物利用システムの概略構成図。
【図11】従来の廃プラスチック油化処理装置システムの概略構成図。
【図12】従来の廃プラスチック処理装置内の熱分解装置から排出される残渣を回収、搬送する残渣回収搬送のシステムの概略構成図。
【符号の説明】
【0063】
1…廃プラスチック油化処理システム、10…廃棄物投入機、11…回転スクリュー、12…熱分解装置、12b…バーナ部、13…油ガス配管、13a…分解ガス(油ガス)配管、14…排ガス配管、15…凝縮装置(分解ガスエゼクタ等)、16…分解油ドラム、17…軽質ガス配管、20…加熱燃焼装置(排ガス燃焼装置)、30…分解油払出し管、32、33…燃料供給管、36…分解油ポンプ、37…分解油冷却器、38…スラッジ分離器、39…スラッジ移送ポンプ、40…排熱回収ボイラー、41…排ガス吸引ブロア、42…排気ダクト、50…残渣回収コンテナ、50a…バグフィルタ、60…残渣搬送装置、130…残渣貯留ホッパー、130a…残渣貯留ホッパー投入口、130j…ジャバラ&カップリング継手、130m…回転モータ、130v…残渣排出バルブ、131…回転撹拌羽根(撹拌機)、132…サークルフィーダ、133…注水機構、134…不活性ガス供給機構、134v…不活性ガス供給バルブ、200…残渣スラッジ混合成形装置、201…混合装置、202…成形装置、203、204、205…定量供給装置、206a…混合物バッファタンク、206b…混合物定量供給装置、300…混合成形物回収コンテナ、301…フックロール車、302…取付けノズル、303…カップリング、304…伸縮継手、305…固形物搬送コンベア、310…コンテナバック、311…コンテナバック計量計、312…コンテナバック固形物出口バルブ、321…混合成形物回収コンテナ計量計、322…混合成形物回収コンテナ固形物出口バルブ、400…加熱用固形燃料利用設備、410…スチーム発生用ボイラー、420…汚泥処理システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項2】
前記混合装置には、スラッジと残渣とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項3】
廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項4】
前記混合装置には、スラッジと残渣と水とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする請求項3記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項5】
前記混合装置に供給する水の量は、当該混合装置に供給する残渣とスラッジの量に応じた比率に制御することを特徴とする請求項4記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項6】
前記混合装置の下流には混合物バッファタンクを設置し、その下流に定量供給装置を設置し前記成形装置に供給する混合物の量が一定になるようにしていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項7】
前記成形装置は、粒状に固形化する造粒装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項8】
前記成形装置で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ、或いは袋状のコンテナバックの少なくとも一方に貯留し、この貯留したコンテナ或いはコンテナバックを搬送車で利用施設まで搬送できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置で成形された固形物を、加熱用固形燃料として利用することを特徴とする残渣スラッジ混合成形体。
【請求項10】
前記加熱用固形燃料を加熱用固形燃料設備、スチーム発生用ボイラー、或いは汚泥処理システムの燃料として利用することを特徴とする請求項9記載の残渣スラッジ混合成形体。
【請求項1】
廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジとを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項2】
前記混合装置には、スラッジと残渣とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジの各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする請求項1記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項3】
廃プラスチックを油化処理する機能を備えプラスチック廃棄物を油ガスと残渣とに分離する熱分解装置と、油ガスを凝縮させた分解油中のスラッジを除去する油中スラッジ分離装置を備えた廃プラスチック油化処理システムにおいて、
前記熱分解装置にて分離した残渣と、前記油中スラッジ分離装置にて分離したスラッジと、水とを混ぜ合わせ混合物を作る混合装置と、その混合物を所望の大きさ及び形状に成形する成形装置とを備えてなることを特徴とする廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項4】
前記混合装置には、スラッジと残渣と水とが或る一定の混合比率で当該混合装置に供給されるように、残渣とスラッジと水の各々に定量供給装置を備えてなることを特徴とする請求項3記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項5】
前記混合装置に供給する水の量は、当該混合装置に供給する残渣とスラッジの量に応じた比率に制御することを特徴とする請求項4記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項6】
前記混合装置の下流には混合物バッファタンクを設置し、その下流に定量供給装置を設置し前記成形装置に供給する混合物の量が一定になるようにしていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項7】
前記成形装置は、粒状に固形化する造粒装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項8】
前記成形装置で成形された固形物を混合成形物回収コンテナ、或いは袋状のコンテナバックの少なくとも一方に貯留し、この貯留したコンテナ或いはコンテナバックを搬送車で利用施設まで搬送できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の廃プラスチック油化処理システムにおける残渣スラッジ混合成形装置で成形された固形物を、加熱用固形燃料として利用することを特徴とする残渣スラッジ混合成形体。
【請求項10】
前記加熱用固形燃料を加熱用固形燃料設備、スチーム発生用ボイラー、或いは汚泥処理システムの燃料として利用することを特徴とする請求項9記載の残渣スラッジ混合成形体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−22184(P2006−22184A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200641(P2004−200641)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フックロール
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フックロール
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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