説明

廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法

【課題】廃棄物の焼却残渣等をプラズマにて溶融処理するにあたり、COの発生を抑えながら、生成される溶融スラグ中のPb含有量及びNOx発生量の低減を達成することを可能にする。
【解決手段】プラズマを用いて廃棄物の焼却残渣を溶融処理する方法であって、溶融炉10内に供給した焼却残渣を、酸素含有ガスを作動ガスとするプラズマ発生装置30により生成したプラズマによって溶融処理することと、これにより生じた溶融スラグ12を溶融炉の外部に排出して回収することと、前記溶融炉内に供給される溶融残渣に炭素源を添加することとを含む。その添加量は、炭素源による前記溶融炉内の酸素の吸収により当該溶融炉内の酸素濃度が4%以上10%以下となるように決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ゴミや産業廃棄物の焼却残渣などをプラズマトーチ等のプラズマ発生装置を用いて溶融処理するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ゴミや産業廃棄物の焼却残渣などを溶融処理する方法として、例えば特許文献1に記載されるようにプラズマを用いるものが知られている。この方法では、プラズマトーチを具備する溶融炉内に前記焼却残渣等が投入され、この溶融炉内で当該焼却残渣等の溶融処理がなされる。この溶融により発生した排ガスは溶融炉外の排ガス処理装置に送られ、溶融スラグは前記排ガスとは別に前記溶融炉から搬出される。
【特許文献1】特公平7−52006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記溶融炉から排出される溶融スラグは再利用に供されることが好ましいが、当該溶融スラグ中におけるPb(鉛)の含有量が多いと当該再利用は著しく制限されることになる。従って、かかる溶融スラグ中の鉛含有量の低減が重要な課題となる。
【0004】
また、前記のようなプラズマを利用した溶融炉では、きわめて高温(例えば1300℃)での加熱が行われるため、当該プラズマを発生させるための作動ガスに含まれる酸素の化学反応によるNOxの発生は避けられず、その抑制も重要な課題となる。
【0005】
前記溶融スラグ中のPb含有量及びNOx発生量を低減させる手段として、前記特許文献1に記載されるように前記溶融炉内に別途炭素源を添加して炉内雰囲気を還元化することが考えられる。この還元は、スラグ中の鉛の還元によりその揮発を促進するとともに、NOxの発生の抑制にもつながる。
【0006】
しかし、その反面、前記還元による炉内の酸素濃度の低下は、CO(一酸化炭素)の発生を促進する。このCOの発生量が多いと、前記溶融炉に二次燃焼室を設ける必要が生じ、しかも、この二次燃焼室ではダストによる閉塞が起こり易いという新たな問題を引き起こす。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、廃棄物の焼却残渣等をプラズマにて溶融処理するにあたり、COの発生を抑えながら、生成される溶融スラグ中のPb含有量及びNOx発生量の低減を達成することを可能にする溶融処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために前記溶融炉内の酸素濃度とCO発生量との関係に着目した。その結果、当該酸素濃度を4%以上とすることにより、当該酸素濃度が4%未満である場合に比べてCO発生量の著しい低減を図ることができる一方、当該酸素濃度が10%を超える領域では当該酸素濃度の増加に伴うCO発生量の低減はほとんど見られないという知見を得ることができた。その一方、前記酸素濃度と溶融スラグ中のPb含有量及びNOx発生量との関係については、当該酸素濃度が増えるほど当該Pb含有量及び当該NOx発生量が増加することを確認した。
【0009】
本発明は、このような観点からなされたものであり、プラズマを用いて廃棄物の焼却残渣を溶融処理する方法であって、酸素含有ガスを作動ガスとするプラズマ発生装置を具備する溶融炉内に前記焼却残渣を供給することと、前記溶融炉内で前記プラズマ発生装置が生成するプラズマによって前記焼却残渣を溶融処理し、これにより生じた溶融スラグを炉外に排出して回収することと、前記溶融炉内に供給される焼却残渣に炭素源を添加するとともに、その添加量を、当該炭素源による前記溶融炉内の酸素の吸収により当該溶融炉内の酸素濃度が4%以上10%以下となるように決定することと、を含むものである。
【0010】
この方法によれば、前記焼却残渣への炭素源の添加によって前記溶融炉内の酸素濃度を4%以上とすることにより、当該酸素濃度を4%未満とする場合(すなわち炉内雰囲気をほぼ完全に還元する場合)に比べて炉内でのCO発生量の著しい低減を図る一方、当該酸素濃度を10%以下にするまで炉内雰囲気を還元することで、焼却残渣に含まれるPbの揮発の促進により溶融スラグ中のPb含有量を低減させることができるとともに、NOx発生量も低減させることができる。
【0011】
この発明において、前記炭素源は前記溶融炉内で前記焼却残渣に添加されてもよいが、前記溶融炉の外部で前記焼却残渣に添加され、この焼却残渣と混合された状態で前記溶融炉内に供給されることが、より好ましい。このように予め焼却残渣と混合された状態で溶融炉内に供給される炭素源は、当該焼却残渣の周辺の雰囲気を集中的に還元することができるので、炭素源の添加量を抑えながら前記焼却残渣中のPbの揮発を有効に促進することが可能である。すなわち、炭素源の添加により溶融スラグ中のPb含有量の低減を図りながらも、当該炭素源の添加量を抑制することでCO発生量のさらなる低減を図ることができる。
【0012】
特に、前記焼却残渣と前記炭素源との混合物がスクリューフィーダにより前記溶融炉内に供給されれば、当該スクリューフィーダの攪拌機能によって前記焼却残渣と前記炭素源との混合が促進され、当該炭素源によるPbの揮発促進効果がさらに高められる。
【0013】
前記焼却残渣に添加される炭素源としては0.5mm以上4mm未満の粒径をもつコークスが好適である。このように4mm未満の粒径をもつコークスは、大粒径のものと比べて溶融対象である焼却残渣との接触面積が大きく、よって、焼却残渣中のPbの揮発をより効果的に促進することができる。また、粒径が0.5mm未満のダスト状のものと異なり、Pbの揮発を促進する前に炉内Oと反応することがほとんどなく、その大部分が前記Pbの揮発に寄与することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、プラズマ式の溶融炉に供給される廃棄物の焼却残渣への炭素源の添加量を適正化することにより、COの発生を抑制しながら溶融スラグ中の鉛含有量及びNOx発生量を有効に低減することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明に係る廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法を実施するためのプラズマ溶融装置を示す。この装置は、溶融炉10と、この溶融炉10に廃棄物の焼却残渣(例えば主灰、飛灰またはその混合物)を供給するための供給装置20と、前記溶融炉10内で前記焼却残渣を溶融するためのプラズマを生成するプラズマトーチ30とを備える。
【0016】
前記供給装置20は、前記溶融炉10の側壁から当該溶融炉10内に前記焼却残渣を供給するものであり、当該焼却残渣を収容してこれを適量ずつ降下させるホッパー22と、このホッパー22から降下する焼却残渣を前記溶融炉10内へ水平方向に搬入するスクリューフィーダ24とを含む。このスクリューフィーダ24は、螺旋状の羽根を有する本体スクリュー26と、これを収容する供給管28とを有し、前記本体スクリュー26は、その回転により前記焼却残渣を前記供給管28を通じて前記溶融炉10内に送り込む。
【0017】
前記プラズマトーチ30は、前記溶融炉10の天壁に組み付けられ、酸素含有ガス(例えば空気)を作動ガスとして前記溶融炉10内にプラズマを発生させる。このプラズマは、前記供給装置20から供給される焼却残渣を高温(例えば1300℃)にて加熱、溶融し、溶融スラグ12を生成する。
【0018】
前記溶融炉10は、前記溶融スラグ12を出滓するためのスラグ出滓口14を有する。このスラグ出滓口14は、前記供給装置20が接続される側壁と反対側の側壁において当該供給装置20と略同等の高さ位置に形成される。従って、溶融炉10内で発生した溶融スラグ12は前記スラグ出滓口14よりも下側の炉底部に溜められ、その余剰分が前記スラグ出滓口14から炉外へ連続的に出滓される。この溢れ出た溶融スラグ12は図略のスラグ処理装置に搬入され、冷却、固化される。その固化物は適宜搬出されて再利用に供される。
【0019】
前記溶融炉10には、図略のガス排出口が設けられ、このガス排出口が適当な配管を介して排ガス処理設備32に接続される。前記溶融炉10内で前記焼却残渣の溶融により発生したガスは排ガスとして前記排ガス処理設備32に送られ、ここで適当な処理を受けた後に系外へ排出される。
【0020】
次に、この溶融処理装置において行われる焼却残渣の溶融処理方法を説明する。
【0021】
溶融処理の対象となる焼却残渣は、供給装置20のホッパー22に投入され、スクリューフィーダ24によって溶融炉10内に供給されるが、この方法の特徴として、ホッパー22内の焼却残渣には予め適量の炭素源が添加される。
【0022】
この炭素源は、前記溶融炉10内の雰囲気の還元(すなわち酸素濃度の低減)に寄与するものであればよく、例えばコークス、木質残渣物、木炭、廃プラスチックが好適に利用される。特に、0.5mm以上4mm未満の粒径をもつコークスは、予め前記焼却残渣に添加されることにより、後述のように、前記焼却残渣に含まれるPbの炉内での揮発を有効に促進することができる。
【0023】
この炭素源の添加量は、前記溶融炉10内のO濃度を4%以上10%以下にするように設定される。具体的に、この炭素源の単位時間当たりの添加量Ca[kg/h]は、以下のようにして算定することが可能である。
【0024】
いま、単位時間当たりに溶融炉10内に実質上入るOの量(実質O導入量)をQo[mN/h]、単位時間当たりに炉内に入るガスの総量(空気流入量)をQt[mN/h]とすると、炉内O濃度Doは次式にて表される。
【0025】
Do=100×Qo/Qt[%] …(1)
このうち、前記ガス総流入量Qtは、単位時間当たりに溶融炉10内に供給されるプラズマガス(空気)の量Qp及び溶融炉外から炉内にリークする空気の流量(リーク量)Qとの和(=Qp+Q)に等しく、プラズマガス供給量Qpは流量計により検出され、後者は溶融炉10の周辺での空気量の収支バランスの演算結果から求められる。
【0026】
一方、前記実質O導入量Qoは、実際に単位時間当たりに溶融炉10内に流入するOの流量(実O流入量)Qi[mN/h]から、単位時間当たりに溶融炉10内で前記炭素源により吸収されるOの量(すなわち還元量)Qr[mN/h]を減じたもの(=Qi−Qr)に等しく、実O流入量Qiは、前記空気流入量Qt(=Qp+Q)に空気中のO濃度(21%)を乗じたものに等しい。従って、前記(1)式は次のようになる。
【0027】
Do=100×[0.21(Qp+Q)−Qr]/(Qp+Q) …(2)
ここで、炭素源によるOの吸収とは、C+O=COという燃焼を意味する。互いに反応するCとOのモル比は1:1であるから、前記還元量Qrは、単位時間当たりに炉内に供給されるフリーカーボンの量に等しい。このフリーカーボンとは、酸素を消費することが可能な形態の炭素をいい、例えばCOのように無機物として固定されている炭素を除いた炭素を意味する。従って、このフリーカーボンの単位時間当たりの炉内への導入量(以下「導入フリーカーボン量」と称する。)をCi[kg/h]とすると、次の関係が成立する。
【0028】
Qr=Ci×22.4/12(炭素の元素量) …(3)
前記導入フリーカーボン量Ciは、単位時間当たりに炉内に供給される焼却残渣に含まれる未燃炭素量Co[kg/h]と、これに添加される炭素源中のフリーカーボンの量Ca[kg/h]との和(=Co+Ca)に等しいので、単位時間当たりに炉内に供給される焼却残渣の処理量をAs[kg/h]、これに含まれる未燃炭素の割合(この割合は化学分析により求めることができる。)をRc(%)、単位時間当たりに炉内に供給される炭素源の添加量をAt[kg/h]、これに含まれるフリーカーボンの割合(各炭素源によって異なる。例えばコークスなら80%)をRd(%)とすると、前記(3)式は次のようになる。
【0029】
Qr=(As×Rc+At×Rd)×22.4/12 …(4)
この(4)式を前記(2)式に代入すれば、目標となる炉内O濃度Do(例えば7%)を得るための炭素源の添加量At[kg/h]を逆算することができる。
【0030】
このような炭素源の添加によって酸素濃度が調節された溶融炉10内でプラズマによる焼却残渣の加熱及び溶融が行われることにより、Pb含有量の低い溶融スラグ12を生成してこれを回収することができるとともに、炉内でのNOx発生量及びCO発生量をともに効果的に低減することができる。その理由は次のとおりである。
【0031】
1.CO発生量の低減について
図2は、図1に示される装置において、1350±50℃の運転温度で運転したときの炉内O濃度の測定値とCO濃度の測定値との関係を示したものである。この図に示されるように、炉内O濃度が4%以上の領域では同濃度が4%未満の領域に比べてCO濃度が著しく低い。従って、炉内O濃度を4%以上に制御することは、CO発生量を低減する上できわめて有効である。その一方、炉内O濃度が10%に達すればCOの発生はほとんどなく、それより炉内O濃度を増やしてもCO濃度の低減効果は変わらない。
【0032】
2.溶融スラグ中Pb含有量の低減について
図3は、前記と同様の条件で装置を運転したときの炉内O濃度の測定値と溶融スラグ中Pb濃度の測定値との関係をそれぞれ示したものである。ここで、溶融スラグ中Pb濃度は、水底の底質調査と同様の方法にて測定されたものである。具体的には、粉砕した試料に硝酸、塩酸、過塩素酸を加えてホットプレート上で加熱濃縮する処理と、これに硝酸及び塩酸を加えてホットプレート上で加熱溶解する処理とが行われた後、その処理済の試料を定容化してそのPb含有量をICP発光分析法により測定するという手法により、前記測定値が得られる。
【0033】
図3に示されるように、溶融スラグ中Pb濃度は前記炉内O濃度にほぼ比例して増大する。換言すれば、炉内O濃度を低く抑えるほど溶融スラグのPb含有量を低減することが可能である。これは、焼却残渣の周囲の酸素濃度が低減されることにより、当該焼却残渣に含まれるPbO(酸化鉛)の還元が促進され、Pbが例えばPbClとして揮発することが促進されるためであると考えられる。
【0034】
3.NOx発生量の低減について
図4は、同装置を同温度で運転したときの炉内O濃度の測定値と炉内NOx濃度との関係をそれぞれ示したものである。同図に示されるように、炉内NOx濃度は、前記溶融スラグ中Pb濃度と同様、前記炉内O濃度にほぼ比例して増大する。換言すれば、炉内O濃度を低く抑えるほどNOx発生量を低減することが可能である。
【0035】
以上の測定結果から、炉内CO発生量の抑制と、溶融スラグ中Pb含有量及びNOx発生量の低減とを両立させるためには、炉内O2濃度を4%以上10%以下の範囲に制御することが有効であるとの結論を得ることができる。
【0036】
なお、この炉内O濃度の制御は、前記のように炭素源添加量を運転条件(プラズマガス量Qp、リーク量Q、焼却残渣中に含まれる未燃炭素量Co等)に基いて算定するものに限られない。例えば炉内O濃度をセンサにて感知し、その結果に基づくフィードバック制御の演算により炭素源添加量の操作を行ってもよい。
【0037】
また、前記炭素源は前記焼却残渣と独立して溶融炉10内に供給されて当該溶融炉10内で前記焼却残渣に添加されてもよい。しかし、前記のように炭素源が溶融炉10の外部で焼却残渣に添加され、この焼却残渣と混合された状態で前記溶融炉10内に供給されることは、特に焼却残渣の周辺の雰囲気のO濃度を局所的に低減することを可能にし、より少ない炭素源量でPbの揮発を促進することができる利点がある。従って、溶融スラグ中のPb含有量を規定値以下に抑えるために必要な炭素源添加量を減らしてその分CO発生量のさらなる低減を図ることが可能である。特に、前記実施の形態のように前記焼却残渣と前記炭素源との混合物がスクリューフィーダ24により前記溶融炉内に供給されることでは、当該スクリューフィーダ24が前記焼却残渣と前記炭素源との混合を促進することにより、当該炭素源によるPb揮発促進効果をより高めることが可能になる。
【実施例】
【0038】
前記の実施の形態に係る方法において、炭素源として用いられるコークスの粒径がスラグ中Pb含有量の低減効果に与える影響を確認すべく、種々の粒径範囲をもつコークスを用いて実験が行われた。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
この実験は、炉内O濃度が10%、炉内温度が1350±50℃という炉運転条件下で行われた。また、使用されるコークスは予め篩により表1に示される4つのグループに分級され、それぞれのグループに属するコークスを炉内供給前の焼却残渣に予め添加することにより当該グループごとに実験が行われ、データ(スラグ中のPb含有量)が採取された。
【0041】
この実験の結果、前記表1に示されるように、炭素源として0.5mm以上4.0mm未満の粒径をもつグループのコークスを使用する場合に、スラグ中のPb含有量を最も減らすことができた。その理由は次のように考察される。
【0042】
1)コークスの粒径が小さいほど当該コークスと焼却残渣との接触面積が大きくなる。このことは、炭素源としてのコークスが焼却残渣中のPbの局所的な還元・揮発をより有効に促進する。
【0043】
2)しかし、粒径が0.5mm未満のダスト状のコークスは、焼却残渣中のPbの揮発促進に寄与する前に炉内Oとの反応によって消滅してしまうために、当該Pbの揮発促進に寄与することができる割合が少ない。
【0044】
3)結論として、0.5mm以上4.0mm未満の粒径をもつコークスが最もPbの揮発促進に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るプラズマ溶融装置の断面図である。
【図2】前記装置において得られた炉内O濃度の測定値と炉内CO濃度の測定値との関係を示すグラフである。
【図3】前記装置において得られた炉内O濃度の測定値と溶融スラグ中Pb濃度の測定値との関係を示すグラフである。
【図4】前記装置において得られた炉内O濃度の測定値と炉内NOx濃度の測定値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
10 溶融炉
12 溶融スラグ
14 スラグ出滓口
20 供給装置
24 スクリューフィーダ
30 プラズマトーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを用いて廃棄物の焼却残渣を溶融処理する方法であって、
溶融炉内に前記焼却残渣を供給することと、
前記溶融炉内に供給した焼却残渣を、酸素含有ガスを作動ガスとするプラズマ発生装置により生成したプラズマによって溶融処理し、これにより生じた溶融スラグを溶融炉の外部に排出して回収することと、
前記溶融炉内に供給される溶融残渣に炭素源を添加するとともに、その添加量を、当該炭素源による前記溶融炉内の酸素の吸収により当該溶融炉内の酸素濃度が4%以上10%以下となるように決定することと、を含むことを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法において、
前記炭素源は前記溶融炉の外部で前記焼却残渣に添加され、この焼却残渣と混合された状態で前記溶融炉内に供給されることを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法。
【請求項3】
請求項2記載の廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法において、
前記焼却残渣と前記炭素源との混合物がスクリューフィーダにより前記溶融炉内に供給されることを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法。
【請求項4】
請求項2または3記載の廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法において、
前記焼却残渣に添加される炭素源が0.5mm以上4mm未満の粒径をもつコークスであることを特徴とする廃棄物の焼却残渣の溶融処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−78242(P2010−78242A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247884(P2008−247884)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】