説明

廃棄物処理設備および廃棄物処理設備における回収熱の利用方法

【課題】メンテナンスコストの低減、稼働率の向上、並びに発電量の向上を可能ならしめるようにした廃棄物処理設備を提供する。
【解決手段】廃棄物処理炉2と、排ガスの熱を利用して高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラ3と、排ガス中の飛灰等のダストを捕捉するバグフィルタ5と、ダストが除去されたダスト除去ガスを煙突9に送る誘引送風機8と、前記廃熱ボイラ3で生成された高圧蒸気を利用して発電機を駆動する蒸気タービンを備えてなる廃棄物処理設備1において、前記バグフィルタ5と前記煙突9との間に、前記ダスト除去ガスの熱を回収して前記廃棄物処理炉2に供給する炉用空気を予熱するガス式空気予熱器10を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水汚泥、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を焼却、熱分解ガス化、溶融等により減容化処理する廃棄物処理設備および廃棄物処理設備における回収熱の利用方法に係り、特に、メンテナンスコストの低減、稼働率の向上、並びに発電量の向上を可能ならしめるようにした廃棄物処理設備および廃棄物処理設備における回収熱の利用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、下水汚泥、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物の減容化と灰の無害化を同時に実現することを可能ならしめると共に、廃棄物の処理性能の向上、一酸化炭素の排出量の削減のために、排ガスの熱を回収して、ガス化炉や溶融炉に供給する燃焼用空気や溶融用空気を予熱するようにした廃棄物処理設備がある。このような廃棄物処理設備としては、例えば後述するものが公知である。
【0003】
先ず、従来例1に係る技術は、廃棄物焼却炉の排ガス処理設備であって、この排ガス処理設備は、その配列を示す図の図5に示すように構成されている。即ち、焼却炉50から排出された排ガスの流路に高温用酸性ガス除去剤を投入する高温用酸性ガス除去剤投入装置52と、高温用酸性ガス除去剤が投入された排ガスを導入して集塵処理を行う高温集塵装置51と、この高温集塵装置51から排出された排ガスを導入して熱回収する廃熱ボイラ54と、この廃熱ボイラ54から排出された排ガスを導入して有機塩化化合物を分解する触媒反応器55と、この触媒反応器55から排出された排ガスから熱回収する熱回収装置56と、熱回収後の排ガスから有害成分を除去する活性炭吸着塔57とから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
従来例2に係る技術は、煙突を利用したごみ焼却炉用空気の予熱方法であって、このごみ焼却炉用空気の予熱方法は、煙突の排ガス放出用内筒を流れるごみ焼却炉排ガスと空気との熱交換により、排ガスの熱を利用して空気の余熱を行い、予熱された空気を焼却炉に供給するものである。より詳しくは、空気の予熱方法を示すフロー図の図6(a)と、煙突の断面図の図6(b)に示すように構成されている。即ち、煙突67内の排ガス放出用内筒68の外側にロックウール等の保温材69が被覆され、そして空気室70が排ガス放出用内筒68と外意匠壁71との間に形成されており、焼却炉72に供給する燃焼用空気を煙突67の空気室70を利用して予熱するものである。
【0005】
予熱する空気は、煙突67の下方にある開閉できるベント62から空気室70に供給され、誘引送風機66で排ガス放出用内筒68に送込まれた排ガスの熱で徐々に暖められながら上昇し、暖められた空気は、上部出口74から送風機73により焼却炉72に供給されるように構成されている。前記排ガス放出用内筒68の外面は低温腐食を防ぐために、この排ガス放出用内筒68の内壁の壁温度が酸露点温度(約140〜150℃)以上になるようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
従来例3に係る技術は、ダイオキシン類の発生を防止しながら、ごみ焼却時の排ガスから排熱を回収する「ごみ焼却時の排ガス処理方法」である。より詳しくは、排ガス処理方法の工程図の図7に示すように、焼却炉81から排出される800〜950℃の高温の排ガスがガス急冷塔82に導入され、大量の水を噴射してダイオキシン類生成温度域以下の150〜200℃まで一挙に冷却される。次いで、大量の水蒸気を含有する低温の排ガスが集塵機83に導かれて煤塵が除去された後、低温の排ガスから排ガス冷却用冷却水への貫流熱を直接電力に変換する熱電素子が組込まれている熱交換管を備えた排熱回収塔85に送られる。
【0007】
そして、前記排熱回収塔85の熱交換管を流れる排ガス冷却用冷却水との熱交換による低温の排ガスの顕熱、潜熱の回収によって排ガスの温度が60℃前後まで下げられて煙突86から大気中に放出される。一方、前記熱電素子により低温の排ガスから排ガス冷却用冷却水への貫流熱が電力に変換されると共に、電力負荷93でごみ焼却プラントの運転に利用される。また、前記排ガス冷却用冷却水を冷却塔87でさらに冷却した後、冷却水槽88に貯水すると共に、この冷却水槽88内の冷却水を冷却水ポンプ89で再び排熱回収塔85に送って冷却水温度を30℃で保持する。そして、排熱回収塔85の下部に溜まる凝縮水、および前記冷却水槽88内の冷却水を、冷却水槽90を介して前記ガス急冷塔82に導入して高温の排ガスの急冷に活用する(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2001−212430号公報
【特許文献2】特開平8−110037号公報
【特許文献3】特開平6−129212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例1に係る廃棄物処理炉の排ガス処理設備では、高温集塵装置51でダストと酸性ガスを捕捉した高温用酸性ガス除去剤とが除去された排ガスの熱を熱回収装置56で回収するが、高温集塵装置51が焼却炉50の直後に配設されていて、排ガスの温度が850℃以上であり、高温集塵装置51内のクリンカ(半溶融状態の灰)の付着により目詰まりを起こす可能性があるので現実的ではない。また、熱回収装置56に導入される排ガスの温度が350℃で、高温であり、廃熱ボイラ54による熱回収が不十分であると考えられる。なお、熱回収装置56により回収された回収熱の利用については説明されていない。
【0009】
上記従来例2に係るものは、煙突67の排ガス放出用内筒68と外意匠壁71との間に形成されている空気室70を利用して、焼却炉72に供給する燃焼用空気を予熱するものである。従って、メンテナンスは高所作業となるため、メンテナンスコストが嵩むだけでなく、火傷防止のための保温材69が巻かれていて空気を高温に予熱することができないので、通常の熱交換器に比較して熱の回収効率も劣るという問題がある。もし、熱回収効率を上げるための保温材69を巻かない場合は、筒身表面温度が200℃程度と高くなり、安全上問題があると共に、予熱温度によっては排ガス放出用内筒68内に入ることができない場合が想定される。
【0010】
上記従来例3に係るものは、排ガスが過冷却(140〜150℃→60℃)されてしまうため低温の排ガスからの熱回収となり、排ガスからの熱回収率が極めて低いという問題がある。また、熱回収塔の熱交換管に多数の熱電素子を組込む必要があるのに加えて、個々の熱電素子のそれぞれから発電された電力を取出さなければならず、構造が複雑で設備のメンテナンスコストが嵩むという問題がある。さらに、通常、高温空気燃焼、高温溶融の達成のために、例えば炉用空気を200℃まで加熱するが、加熱するための熱源は廃熱ボイラから発生する高圧蒸気であった。このように、高圧蒸気が炉用空気の昇温に使用される関係上、発電機を駆動する蒸気タービンに使用される高圧蒸気の量が減少し、発電量の低下を招いているため、近年の温室効果ガスと呼ばれるCO排出量の削減のために、さらなる発電量の向上が求められている。
【0011】
従って、本発明の目的は、メンテナンスコストの低減、稼働率の向上、並びに発電量の向上を可能ならしめるようにした廃棄物処理設備および廃棄物処理設備における回収熱の利用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る廃棄物処理設備が採用した手段の要旨は、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を減容化処理する廃棄物処理炉と、この廃棄物処理炉から排出される排ガスの熱を利用して高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラと、この廃熱ボイラから流出する排ガス中の飛灰等のダストを捕捉して除去するダスト除去手段と、このダスト除去手段によりダストが除去されたダスト除去ガスを煙突に送る誘引送風機と、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して発電機を駆動する蒸気タービンを備えてなる廃棄物処理設備において、前記ダスト除去手段と前記煙突との間に、前記ダスト除去ガスの熱を回収して前記廃棄物処理炉に供給する炉用空気を予熱するガス式空気予熱器を配設したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項2に係る廃棄物処理設備が採用した手段の要旨は、請求項1に記載の廃棄物処理設備において、前記ガス式空気予熱器と前記廃棄物処理炉との間に、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気を予熱する高圧蒸気式空気予熱器を配設したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項3に係る廃棄物処理設備が採用した手段の要旨は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の廃棄物処理設備において、前記ガス式空気予熱器の上流側に、このガス式空気予熱器に供給する炉用空気を、前記蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収して予熱する低圧蒸気式空気予熱器を配設したことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項4に係る廃棄物処理設備が採用した手段の要旨は、請求項3に記載の廃棄物処理設備において、前記ガス式空気予熱器と前記高圧蒸気式空気予熱器の間と、前記ガス式空気予熱器と前記低圧蒸気式空気予熱器の間とを、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気の一部を還流させる還流路で連通させたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項5に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法が採用した方法の要旨は、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を減容化処理する廃棄物処理炉と、この廃棄物処理炉から排出される排ガスの熱を利用して高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラと、この廃熱ボイラから流出する排ガス中の飛灰等のダストを捕捉して除去するダスト除去手段と、このダスト除去手段によりダストが除去されたダスト除去ガスを煙突に送る誘引送風機と、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して発電機を駆動する蒸気タービンを備えてなる廃棄物処理設備における回収熱の利用方法において、前記ダスト除去ガスの熱をガス式空気予熱器により回収して前記廃棄物処理炉に供給する炉用空気を予熱することを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項6に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法が採用した方法の要旨は、請求項5に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法において、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気を前記廃棄物処理炉に供給するに際して、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気の熱を利用する高圧蒸気式空気予熱器で予熱することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項7に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法が採用した方法の要旨は、請求項5または6のうちの何れか一つの項に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法において、前記ガス式空気予熱器に供給する炉用空気を、前記蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を低圧蒸気式空気予熱器により回収して予熱することを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項8に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法が採用した方法の要旨は、請求項7に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法において、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気の一部を、還流路を介して前記ガス式空気予熱器と前記低圧蒸気式空気予熱器の間に還流させ、前記低圧蒸気式空気予熱器により予熱された炉用空気に合流させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項5に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法では、廃棄物処理炉に対して、ダスト除去手段でダストが除去されたダスト除去ガスの熱を回収するガス式空気予熱器によって予熱された炉用空気が供給される。
【0021】
従って、本発明の請求項1に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項5に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法によれば、ガス式空気予熱器が腐食したり、ダストで目詰まりしたりするようなことがないから、廃棄物処理設備のメンテナンスコストの低減、および稼働率の向上が可能になる。そして、従来未利用であったダスト除去ガスの熱で炉用空気を予熱することにより、廃熱ボイラから発電機を駆動する蒸気タービンに対して多くの高圧蒸気を供給することができる。従って、発電量の増大に大いに寄与することができ、結果的にCO排出量削減に寄与することができる。
【0022】
本発明の請求項2に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項6に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法では、ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気は、廃熱ボイラで生成された高圧蒸気の熱を高圧蒸気式空気予熱器で回収して予熱する。
【0023】
従って、本発明の請求項2に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項6に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法によれば、高圧蒸気式空気予熱器による炉用空気を予熱するための熱量を少なくすることができ、廃熱ボイラから高圧蒸気式空気予熱器に供給する高圧蒸気の供給量を少なくすることができる。そのため、多くの高圧蒸気を、発電機を駆動する蒸気タービンに供給することができるから、発電量がそれほど減少するようなことがない。一方、廃棄物処理炉に対して供給する炉用空気をより高温にすることができるので、廃棄物処理炉への補助燃料の減少に寄与することができる。
【0024】
本発明の請求項3に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項7に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法では、炉用空気は蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収する低圧蒸気式空気予熱器で予熱されて、ダスト除去手段によってダストが除去されたダスト除去ガスの熱を回収するガス式空気予熱器に供給される。次いで、このガス式空気予熱器で予熱されて高圧蒸気式空気予熱器に供給される。
【0025】
従って、本発明の請求項3に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項7に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法によれば、ガス式空気予熱器が腐食したり、ダストで目詰まりしたりするようなことがないから、廃棄物処理設備のメンテナンスコストの低減、および稼働率の向上が可能になる。そして、ガス式空気予熱器から上記請求項2、または請求項6の場合よりも高温の炉用空気を高圧蒸気式空気予熱器に供給することができ、廃熱ボイラから高圧蒸気式空気予熱器に供給する高圧蒸気の供給量をより少なくすることができる。そのため、より多くの高圧蒸気を、発電機を駆動する蒸気タービンに供給することができる。さらに、今まで殆ど利用されなかった蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収するので、廃棄物処理設備全体の熱効率が一層向上する。
【0026】
本発明の請求項4に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項8に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法では、ダスト除去手段でダストが除去されたダスト除去ガスの熱を回収するガス式空気予熱器によって予熱された空気の一部が、還流路を介してガス式空気予熱器と低圧蒸気式空気予熱器の間に還流され、空気供給源から供給される炉用空気に合流する。そして、合流した炉用空気はガス式空気予熱器によって予熱されて高圧蒸気式空気予熱器に供給される。
【0027】
従って、本発明の請求項4に係る廃棄物処理設備、または本発明の請求項8に係る廃棄物処理設備における回収熱の利用方法によれば、ガス式空気予熱器が腐食したり、ダストで目詰まりしたりするようなことがないから、廃棄物処理設備のメンテナンスコストの低減、および稼働率の向上が可能になる。そして、ガス式空気予熱器から上記請求項3、または請求項7の場合よりも高温の炉用空気を高圧蒸気式空気予熱器に供給することができ、廃熱ボイラから高圧蒸気式空気予熱器に供給する高圧蒸気の供給量をよりより一層少なくすることができる。そのため、より一層多くの高圧蒸気を、発電機を駆動する蒸気タービンに供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法を実施する、本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備を、添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。
【0029】
図1に示す符号1は、本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備で、この廃棄物処理設備1は、後述するように構成されている。即ち、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を減容化処理する、後述する廃棄物処理炉2が配設されている。この廃棄物処理炉2は、廃棄物を加熱してガス化するガス化炉2aと,このガス化炉2aの下流側に配設され、このガス化炉2aから排出される排ガス中の灰等のダストを溶融する溶融炉2bとから構成されている。そして、前記溶融炉2bの下流側に、この溶融炉2bから排出されるガスの熱を利用して、300℃以上の高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラ3が配設されている。この実施の形態1の場合は、図1に示されているように、前記溶融炉2bと前記廃熱ボイラ3とは離れた位置に配設されているが、例えば前記廃熱ボイラ3が前記溶融炉2bの炉頂に設けられてなる一体構成であってもよく、特に分離構成でなければならないわけではない。
【0030】
前記廃熱ボイラ3の下流側に、この廃熱ボイラ3から排出される排ガスの温度を、例えば170℃まで低下させる減温塔4が設けられている。そして、この減温塔4の下流側に、この減温塔4から排出される減温後の排ガス中のHCl、SOx、ダイオキシン類を除去しながら、排ガス中の飛灰等のダストを捕捉し、捕捉した飛灰等のダストを分離して、系外に排出するバグフィルタ(ダスト除去手段)5が設けられている。さらに、前記バグフィルタ5の下流側に、廃熱ボイラ3にて発生する蒸気によりダスト除去排ガスを再加熱する再加熱装置6、再加熱されたダスト除去排ガス中のNOx、ダイオキシン類を分解・除去する触媒反応塔7、および後述するガス式空気予熱器10を介して誘引送風機8が設けられると共に、この誘引送風機8の下流側に、この誘引送風機8により誘引されたダスト除去後のダスト除去排ガスを大気中に放出する煙突9が設けられている。
【0031】
前記ガス式空気予熱器10は、図示しない空気供給源から供給され、前記ガス化炉2aに供給するための燃焼用空気、および前記溶融炉2bに供給する溶融用空気、つまり燃焼、溶融用空気(炉用空気)Arを、前記バグフィルタ5、再加熱装置6、触媒反応塔7を介して排出されるダスト除去ガスの熱を回収して予熱する熱交換器から構成されている。このガス式空気予熱器10によって予熱された燃焼、溶融用空気Arは、前記廃棄物処理炉2のガス化炉2aと、溶融炉2bに供給されるように構成されている。そして、前記廃熱ボイラ3から排出される高圧蒸気は、図示しない発電機を駆動するための図示しない蒸気タービンに供給され、発電のために消費されるように構成されている。
【0032】
以下、本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備1の作用態様を説明する。即ち、図示しないピット内に貯留されている都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物が図示しない廃棄物供給装置から所定量ずつ切出されてガス化炉2aに供給される。このガス化炉2aに供給された廃棄物は、このガス化炉2a内における加熱によってガス化され、一酸化炭素等の可燃ガス、チャー、灰分等のダストと共に、このガス化炉2aから下流側の溶融炉2bに供給される。この溶融炉2bに供給された灰分は、この溶融炉2bで溶融されて溶融スラグとなり、この溶融炉2bの下部に設けられた図示しないスラグ排出口から図示しないスラグ冷却槽内に排出されて冷却される。
【0033】
前記溶融炉2bから排出され、飛灰等のダストを含む高温の排ガスは前記廃熱ボイラ3、および前記減温塔4を経て、排ガス中のHCl、SOxを除去するための消石灰等のアルカリ系薬剤、およびダイオキシン類を除去するための活性炭等の吸着剤がガス入口に供給されているバグフィルタ5に供給される。そして、このバグフィルタ5に供給された排ガス中のHCl、SOx、ダイオキシン類が消石灰等のアルカリ系薬剤、活性炭等の吸着剤により除去されると共に、灰分等のダストが捕捉される。次いで、HCl、SOx、ダイオキシン類、ダストが除去されたダスト除去ガスが再加熱装置6で再加熱される。そして、再加熱されたダスト除去ガスが触媒反応塔7に導入され、ここにおいてダスト除去ガス中のNOx、ダイオキシン類が分解・除去された後、前記ガス式空気予熱器10、前記誘引送風機8を経て煙突9から大気中に放出される。
【0034】
本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備1では、都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物は上記のような経緯を経て減容化され、然るべき処置が講じられることにより無害化されて処理される。このような廃棄物処理設備1による廃棄物の処理工程中において、前記廃棄物処理炉2のガス化炉2aと、溶融炉2bに、前記バグフィルタ5で腐食成分であるHCl、SOx、ダストが除去されると共に、触媒反応塔7によりNOx、ダイオキシン類が除去されたダスト除去ガスの熱を回収するガス式空気予熱器10により予熱された燃焼、溶融用空気Arが供給される。
【0035】
従って、本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備1によれば、前記ガス式空気予熱器10がプレート式の熱交換器であっても、腐食成分で腐食するようなことがなく、また排ガス中の飛灰等のダストにより目詰まりするようなことがないから、廃棄物処理設備1のメンテナンスコストの低減と稼働率の向上が可能になる。これに加えて、高い熱伝導率を長期間維持し続けることができ、ガス式空気予熱器10を小型化することができるから、廃棄物の処理コストの低減に対しても大いに寄与することができる。
【0036】
さらに、前記廃熱ボイラ3で生成した高圧蒸気を、図示しない発電機を駆動する図示しない蒸気タービンに供給することができる。従って、廃棄物処理設備1全体の熱効率が向上し、発電量の増大に対して大いに寄与することができるという優れた効果を得ることができる。換言すれば、CO排出量削減に寄与することができ、地球温暖化の改善に対して大いに貢献することができる。
【0037】
本発明の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法を実施する、本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理設備を、添付図面を参照しながら説明する。図2は本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。なお、本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理設備は、図1と図2との比較において良く理解されるように、高圧蒸気式空気予熱器が付加されたところにあり、これ以外は上記実施の形態1に係る廃棄物処理設備と同構成であるから、同一のものには同一の符号を付して、主として相違する点について、同一のものは同一名称を以って説明する。
【0038】
即ち、本実施の形態2に係る廃棄物処理設備1aでは、ガス式空気予熱器10によって予熱された燃焼、溶融用空気Arは、後述する高圧蒸気式空気予熱器11に供給されるように構成されている。前記高圧蒸気式空気予熱器11は、前記廃熱ボイラ3から供給される300℃以上の温度の高圧蒸気の一部の熱を回収して、前記廃棄物処理炉2のガス化炉2aと溶融炉2bとに供給する燃焼、溶融用空気を、予め設定された温度になるまで予熱する熱交換器から構成されている。なお、前記廃熱ボイラ3から排出される高圧蒸気の殆どは、図示しない発電機を駆動するための図示しない蒸気タービンに供給され、発電のために消費されるように構成されている。
【0039】
本実施の形態2に係る廃棄物処理設備1aによれば、ガス式空気予熱器10により予熱された燃焼、溶融用空気Arは、廃熱ボイラ3で生成された高圧蒸気の熱を回収する高圧蒸気式空気予熱器11により熱された後に、前記廃棄物処理炉2のガス化炉2aと溶融炉2bとに供給される。従って、高圧蒸気式空気予熱器11による燃焼、溶融用空気Arを予熱するための熱量を少なくすることができ、廃熱ボイラ3から高圧蒸気式空気予熱器11に供給する高圧蒸気の供給量を少なくすることができる。そのため、多くの高圧蒸気を、発電機を駆動する蒸気タービンに供給することができるから、発電量がそれほど減少するようなことがない。一方、廃棄物処理炉2に対して供給する燃焼、溶融用空気Arをより高温にすることができるので、廃棄物処理炉2への補助燃料の減少に寄与することができる。
【0040】
勿論、本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理設備1aによれば、上記実施の形態1に係る廃棄物処理設備1と同様に、前記ガス式空気予熱器10がプレート式の熱交換器であっても、腐食成分で腐食するようなことがなく、また排ガス中の飛灰等のダストにより目詰まりするようなことがないから、廃棄物処理設備1aのメンテナンスコストの低減と稼働率の向上が可能になる。これに加えて、高い熱伝導率を長期間維持し続けることができ、ガス式空気予熱器10を小型化することができるから、廃棄物の処理コストの低減に対しても大いに寄与することができる。
【0041】
本発明の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法を実施する、本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備を、添付図面を参照しながら説明する。図3は本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。なお、本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備が上記実施の形態2に係る廃棄物処理設備と相違するところは、低圧蒸気式空気予熱器が付加されたところにあり、これ以外は上記実施の形態2に係る廃棄物処理設備と同構成であるから、同一のものには同一の符号を付して、主として相違する点について、同一のものは同一名称を以って説明する。
【0042】
即ち、本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備1bは、上記実施の形態2に係る廃棄物処理設備1aと、この廃棄物処理設備1aの前記ガス式空気予熱器10の上流側、つまりこのガス式空気予熱器10と、図示しない燃焼、溶融用空気供給源との間に、後述する低圧蒸気式空気予熱器12が配設されている。この低圧蒸気式空気予熱器12は、図示しない発電機を駆動する図示しない蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収することにより、前記ガス式空気予熱器10に供給する燃焼、溶融用空気Arを予熱する熱交換器から構成されている。
【0043】
本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備1bの場合においては、燃焼、溶融用空気Arは図示しない蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収する低圧蒸気式空気予熱器12と、ダスト除去ガスの熱を回収するガス式空気予熱器10とにより予熱される。
即ち、燃焼、溶融用空気Arが図示しない蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収する低圧蒸気式空気予熱器12により予熱されてガス式空気予熱器10に供給されると共に、このガス式空気予熱器10により、さらに予熱されて高圧蒸気式空気予熱器11に供給される。
【0044】
従って、本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備1bによれば、上記実施の形態1に係る廃棄物処理設備1の場合と同様に、前記ガス式空気予熱器10が腐食成分で腐食するようなことがなく、また排ガス中の飛灰等のダストにより目詰まりするようなことがないから、廃棄物処理設備1bのメンテナンスコストの低減、稼働率の向上が可能になる。そして、ガス式空気予熱器10からより高温の燃焼、溶融用空気を高圧蒸気式空気予熱器11に供給することができ、廃熱ボイラ3から高圧蒸気式空気予熱器11に供給する高圧蒸気の供給量をより少なくすることができるから、より多くの高圧蒸気を、発電機を駆動する蒸気タービンに供給することができる。さらに、今まで殆ど利用されなかった蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収するので、廃棄物処理設備全体の熱効率が一層向上し、CO排出量削減に対してより一層寄与することができるから、地球温暖化の改善に対して大いに貢献することができる。
【0045】
本発明の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法を実施する、本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備を、添付図面を参照しながら説明する。図4は本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。なお、本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備が上記実施の形態3に係る廃棄物処理設備と相違するところは、ガス式空気予熱器から流出する、予熱後の燃焼、溶融用空気の一部を、このガス式空気予熱器の燃焼、溶融用空気の入口側に還流させる構成にしたところにあり、これ以外は上記実施の形態3に係る廃棄物処理設備と同構成であるから、同一のものには同一の符号を付して、主として相違する点について、同一のものは同一名称を以って説明する。
【0046】
即ち、本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備1cは前記ガス式空気予熱器10と前記高圧蒸気式空気予熱器11の間と、前記ガス式空気予熱器10と前記低圧蒸気式空気予熱器12の間とが、前記ガス式空気予熱器10によって予熱された燃焼、溶融用空気の一部を還流させる還流路13を介して接続されている。なお、この還流路13の途中には図示しない誘引送風機が介装されており、この誘引送風機は図示しないスイッチの操作により駆動されるように構成されている。
【0047】
本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備1cの場合、前記バグフィルタ5によりダストが除去されたダスト除去ガスの熱を回収する前記ガス式空気予熱器10により予熱された燃焼、溶融用空気Arの一部が前記還流路13を介して、前記ガス式空気予熱器10と前記低圧蒸気式空気予熱器12の間に還流され、還流された燃焼、溶融用空気Arの一部は、前記ガス式空気予熱器10により再び予熱されて高圧蒸気式空気予熱器11に供給される。
【0048】
従って、本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備1cによれば、上記実施の形態1乃至3に係る廃棄物処理設備1,1a,1bの場合と同様、前記ガス式空気予熱器10がダストにより目詰まりするようなことがないから、廃棄物処理設備1cのメンテナンスコストの低減、稼働率の向上が可能になる。そして、ガス式空気予熱器10からより一層高温の燃焼、溶融用空気を高圧蒸気式空気予熱器11に供給することができ、廃熱ボイラ3から高圧蒸気式空気予熱器11に供給する高圧蒸気の供給量をより一層少なくすることができるから、より一層多くの高圧蒸気を、図示しない発電機を駆動する図示しない蒸気タービンに供給することができる。
【0049】
ところで、前記高圧蒸気式空気予熱器11の出口側と前記還流路13とを第2還流路14により連通させ、高圧蒸気式空気予熱器11から流出する燃焼、溶融用空気の一部を前記還流路13を介して前記ガス式空気予熱器10に還流させる構成にすることができる。このような構成にすると、前記ガス式空気予熱器10の入口の空気温度を上げることで、前記ガス式空気予熱器10の伝熱管の表面温度を上げることができるため、酸性ガスによる低温腐食を軽減できるという優れた効果を得ることができる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明の廃棄物処理設備に係る実施例を説明する。この場合は、ガス化炉2aと溶融炉2bとに供給する燃焼、溶融用空気の予熱に、高圧蒸気式空気予熱器11のみを用いた廃棄物処理設備の場合(以下、比較例という)と、ガス式空気予熱器10で予熱した燃焼、溶融用空気を高圧蒸気式空気予熱器11に供給する実施の形態2に係る廃棄物処理設備1aの場合(以下、本例という)との発電機による発電量を計算により求めて比較したものである。
【0051】
計算結果によると、高圧蒸気式空気予熱器11に供給する高圧蒸気の供給量が少なくて済み、供給量が少なくなった分だけ余分の高圧蒸気を蒸気タービンに供給することができるため、発電機による発電量は、1%程度増加することが判った。この場合、ガス式空気予熱器10の燃焼、溶融用空気の入口、出口温度、および条件は、高圧蒸気式空気予熱器11の出口温度は、下記のとおりである。
(1)ガス式空気予熱器
入口温度: 20℃
出口温度: 80℃(+ 60℃)
(2)高圧蒸気式空気予熱器
出口温度:200℃(+120℃)
【0052】
なお、以上の実施の形態1乃至4に係る廃棄物処理設備においては、廃棄物処理炉がガス化炉と溶融炉とから構成されてなる場合を例として説明した。しかしながら、これに限らず、本発明の技術的思想を廃棄物処理炉として廃棄物を焼却処理する焼却炉のみ、焼却炉で焼却された焼却灰を溶融処理する溶融炉のみを備えた廃棄物処理設備に対しても適用することができる。また、以上の実施の形態1乃至4に係る廃棄物処理設備においては、ガス式空気予熱器10を、バグフィルタ5により排ガス中のHCl、SOxが除去されると共に、飛灰等のダストが除去された排ガス中のNOx、ダイオキシン類を分解・除去する触媒反応塔7の下流側に配設した場合を例として説明した。しかしながら、ガス式空気予熱器10を前記バグフィルタ5の下流側に配設しても、以上の実施の形態1乃至4に係る廃棄物処理設備と同等の効果を得ることができる。
【0053】
従って、上記実施の形態1乃至4に係る廃棄物処理設備は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在であるから、本発明の技術的思想の適用範囲は、上記実施の形態1乃至4に係る廃棄物処理設備の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る廃棄物処理設備の装置類配設状態を示すブロック図である。
【図5】従来例1に係り、廃棄物焼却炉の排ガス処理設備の配列を示す図である。
【図6】従来例2に係り、図6(a)は空気の予熱方法を示すフロー図であり、また図6(b)は煙突の断面図である。
【図7】従来例3に係り、排ガス処理方法の工程図である。
【符号の説明】
【0055】
1,1a,1b,1c…廃棄物処理設備
2…廃棄物処理炉,2a…ガス化炉,2b…溶融炉
3…廃熱ボイラ
4…減温塔
5…バグフィルタ
6…再加熱装置
7…触媒反応塔
8…誘引送風機
9…煙突
10…ガス式空気予熱器
11…高圧蒸気式空気予熱器
12…低圧蒸気式空気予熱器
13…還流路
14…第2還流路
Ar…燃焼、溶融用空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を減容化処理する廃棄物処理炉と、この廃棄物処理炉から排出される排ガスの熱を利用して高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラと、この廃熱ボイラから流出する排ガス中の飛灰等のダストを捕捉して除去するダスト除去手段と、このダスト除去手段によりダストが除去されたダスト除去ガスを煙突に送る誘引送風機と、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して発電機を駆動する蒸気タービンを備えてなる廃棄物処理設備において、前記ダスト除去手段と前記煙突との間に、前記ダスト除去ガスの熱を回収して前記廃棄物処理炉に供給する炉用空気を予熱するガス式空気予熱器を配設したことを特徴とする廃棄物処理設備。
【請求項2】
前記ガス式空気予熱器と前記廃棄物処理炉との間に、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気を予熱する高圧蒸気式空気予熱器を配設したことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理設備。
【請求項3】
前記ガス式空気予熱器の上流側に、このガス式空気予熱器に供給する炉用空気を、前記蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を回収して予熱する低圧蒸気式空気予熱器を配設したことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の廃棄物処理設備。
【請求項4】
前記ガス式空気予熱器と前記高圧蒸気式空気予熱器の間と、前記ガス式空気予熱器と前記低圧蒸気式空気予熱器の間とを、前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気の一部を還流させる還流路で連通させたことを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理設備。
【請求項5】
都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物を減容化処理する廃棄物処理炉と、この廃棄物処理炉から排出される排ガスの熱を利用して高圧蒸気を生成させる廃熱ボイラと、この廃熱ボイラから流出する排ガス中の飛灰等のダストを捕捉して除去するダスト除去手段と、このダスト除去手段によりダストが除去されたダスト除去ガスを煙突に送る誘引送風機と、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気を利用して発電機を駆動する蒸気タービンを備えてなる廃棄物処理設備における回収熱の利用方法において、前記ダスト除去ガスの熱をガス式空気予熱器により回収して前記廃棄物処理炉に供給する炉用空気を予熱することを特徴とする廃棄物処理設備における回収熱の利用方法。
【請求項6】
前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気を前記廃棄物処理炉に供給するに際して、前記廃熱ボイラで生成された高圧蒸気の熱を利用する高圧蒸気式空気予熱器で予熱することを特徴とする請求項5に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法。
【請求項7】
前記ガス式空気予熱器に供給する炉用空気を、前記蒸気タービンから排出される低圧蒸気の熱を低圧蒸気式空気予熱器により回収して予熱することを特徴とする請求項5または6のうちの何れか一つの項に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法。
【請求項8】
前記ガス式空気予熱器で予熱された炉用空気の一部を、還流路を介して前記ガス式空気予熱器と前記低圧蒸気式空気予熱器の間に還流させ、前記低圧蒸気式空気予熱器により予熱された炉用空気に合流させることを特徴とする請求項7に記載の廃棄物処理設備における回収熱の利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−91133(P2010−91133A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258526(P2008−258526)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】