説明

廃熱回収装置及び方法

【課題】バッテリの大型化を防止しつつ長寿命化を図ることができる廃熱回収装置及び方法を提供する。
【解決手段】廃熱回収装置1は、エンジンEの廃熱によって加熱された冷媒によって駆動されるタービン発電機20と、タービン発電機20で発電された電力を回収するバッテリ30と、冷媒を循環させるポンプ15と、エンジンEの温度及びエンジンEを介した冷媒の温度を検出する温度センサ40a,40bと、温度センサ40a,40bの検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合にはその検出温度に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御し、温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度を超えた場合にはバッテリ30の負荷状態に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御する制御装置50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する廃熱回収装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等が備える内燃機関(エンジン)は燃料を燃焼させて動力を取り出しているため、エンジンからは未利用の廃熱エネルギーが大量に放出される。この廃熱エネルギーを回収して再利用することによって省エネルギーを実現すべく、従来から様々な廃熱回収装置が提案されている。従来の廃熱回収装置の代表的なものにランキンサイクルを利用したものがある。この廃熱回収装置は、例えばエンジンを冷却する冷却系統が密閉された構造であり、エンジンからの廃熱によって気化した冷却水(蒸気)によってタービンを駆動することによって廃熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収するものである。
【0003】
図4は、エンジンの起動時における従来の廃熱エネルギー回収方法を説明するための図である。図4において、符号T100が付された折れ線は、エンジン冷却水の温度の経時変化を示す折れ線である。また、図4において、符号E100が付された折れ線は、バッテリに回収される廃熱エネルギー(電力)の経時変化を示す折れ線である。尚、図4において、符号E101が付された折れ線は負荷(例えば、前照灯やエアコン)で消費される電力の一例を示す折れ線であり、符号E102が付された折れ線はバッテリから放電される電力の一例を示す折れ線である。
【0004】
時刻t0でエンジンが起動されたとすると、時間の経過とともにエンジンの温度が上昇し、これに伴ってエンジン冷却水の温度(符号T100が付された折れ線参照)も徐々に上昇する。エンジンが起動された直後は、エンジン冷却水の温度がさほど高くないため、エンジンから放出された廃熱エネルギーの回収は行われない(符号E100が付された折れ線参照)。このため、負荷で必要となる電力は、バッテリから放電される電力によって賄われる(符号E100,E101が付された折れ線参照)。
【0005】
時刻t100でエンジン冷却水の温度が予め設定された閾温度に達したとすると、それ以降はエンジン冷却水の温度が一定になるようにエンジン冷却水の流量等が制御される。また、時刻t100以降は、エンジン冷却水が上記の閾温度に達しているため、エンジンから放出された廃熱エネルギーの回収が行われる(符号E100が付された折れ線参照)。廃熱エネルギーの回収が行われることによって、バッテリは、回生された電力と負荷で消費される電力との差の分(符号Q100で指し示す斜線部分の電力)だけ充電されることになる。尚、従来の廃熱回収装置の詳細については、例えば以下の特許文献1を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−270522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の廃熱回収装置は、エンジンがある程度温まった後に(エンジン冷却水の温度が上述した閾温度に達した後に)廃熱エネルギーの回収を行っており、エンジン及びエンジン冷却水の温度がさほど高くないエンジンの起動直後は廃熱エネルギーの回収を行っていない。このため、廃熱エネルギーの回収が可能になるまでは負荷で必要となる電力の全てをバッテリで賄う必要があり、バッテリの大型化を招くという問題がある。
【0008】
また、従来の廃熱回収装置は、エンジンがある程度温まるまでは全く廃熱エネルギーの回収を行わず、エンジンがある程度温まった直後に一定量の廃熱エネルギーの回収を急激に行っている。このため、廃熱エネルギーの回収が行われる前後において、バッテリに対して大電力の放電・充電が繰り返されることになり、バッテリの寿命が短くなるという問題もある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、バッテリの大型化を防止しつつ長寿命化を図ることができる廃熱回収装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の廃熱回収装置は、エンジン(E)の廃熱によって加熱された冷媒によって駆動される発電機(20)と、該発電機で発電された電力を回収するバッテリ(30)と、前記冷媒を循環させるポンプ(15)とを備える廃熱回収装置(1)において、前記エンジンの温度及び前記エンジンを介した前記冷媒の温度の少なくとも一方を検出する検出器(40a、40b)と、前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には前記検出器の検出温度に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御し、前記検出器の検出温度が前記閾温度を超えた場合には前記バッテリの負荷状態に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御する制御装置(50)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の廃熱回収装置は、前記制御装置が、前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には、前記検出器の検出温度が上昇するにつれて前記バッテリに回収される電力が多くなるように前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御することを特徴としている。
また、本発明の廃熱回収装置は、前記制御装置が、前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えた場合には、前記バッテリの負荷の増減に応じて前記バッテリに回収される電力が増減するように前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御することを特徴としている。
また、本発明の廃熱回収装置は、前記冷媒が、前記エンジンの内部に供給される第1冷媒と、前記ポンプによって循環され、前記発電機の上流側で前記第1冷媒との熱交換によって蒸発するとともに、前記発電機の下流側で前記第1冷媒との熱交換によって凝縮される第2冷媒とからなることを特徴としている。
本発明の廃熱回収方法は、エンジン(E)の廃熱によって加熱された冷媒によって発電機(20)を駆動し、該発電機で発電された電力をバッテリ(30)に回収する廃熱回収方法であって、前記エンジンの温度及び前記エンジンを介した前記冷媒の温度の少なくとも一方を検出する検出器(40a、40b)の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には、前記検出器の検出温度に応じてポンプ(15)による前記冷媒の循環量を制御する第1ステップ(S11)と、前記検出器の検出温度が前記閾温度を超えた場合には、前記バッテリの負荷状態に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御する第2ステップ(S13)とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には検出器の検出温度に応じてポンプによる冷媒の循環量を制御し、検出器の検出温度が閾温度を超えた場合にはバッテリの負荷状態に応じてポンプによる冷媒の循環量を制御しており、エンジンの起動直後の冷媒の温度が低い状態でも可能な限り廃熱エネルギーを回収でき、また、バッテリの充放電量を抑制することができるため、バッテリの大型化を防止しつつ長寿命化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による廃熱回収装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による廃熱回収方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による廃熱回収方法を説明するための図である。
【図4】エンジンの起動時における従来の廃熱エネルギー回収方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による廃熱回収装置及び方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による廃熱回収装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の廃熱回収装置1は、冷媒循環機構10、タービン発電機20(発電機)、バッテリ30、温度センサ40a,40b(検出器)、及び制御装置50を備えており、エンジンEから放出される廃熱エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ30に回収する。
【0014】
冷媒循環機構10は、第1循環機構11、第2循環機構12、蒸発器13、及び凝縮器14を備えており、冷媒を循環させてエンジンEを冷却しつつエンジンEから放出される廃熱エネルギーを回収するとともにタービン発電機20を回転駆動する。第1循環機構11は、配管P11〜P15、手動バルブB、及びサーモスタットTHを備えており、エンジンEの内部に供給されてエンジンEを直接冷却する冷媒(第1冷媒)を循環させる。第2循環機構12は、配管P21〜P24及びポンプ15を備えており、第1循環機構11を循環する冷媒との間で熱交換を行うとともにタービン発電機20を回転駆動する冷媒(第2冷媒)を循環させる。
【0015】
蒸発器13は、第1循環機構11を循環する冷媒の熱を第2循環機構12を循環する冷媒に移動させ、第2循環機構12を循環する冷媒(タービン発電機20に供給される冷媒)を蒸発させる。凝縮器14は、第2循環機構12を循環する冷媒の熱を第1循環機構11を循環する冷媒に移動させ、第2循環機構12を循環する冷媒(タービン発電機23から排出される冷媒)を凝縮させる。
【0016】
上記の第1循環機構11、第2循環機構12、蒸発器13、及び凝縮器14の具体的な接続関係は以下の通りである。第1循環機構11が備える配管P11は、エンジンEと蒸発器13とに接続されており、エンジンEから排出される冷媒を蒸発器13に導く。配管P12は、蒸発器13と配管P13,P14の一端とに接続されており、蒸発器13を介した冷媒を配管P13,P14に導く。尚、配管P12には、配管P12の流路を手動で開状態又は閉状態にする手動バルブBが設けられている。
【0017】
配管P13は、他端がエンジンEに接続されており、配管P12からの冷媒の一部をエンジンEに導く。配管P14は、他端が凝縮器14に接続されており、配管P12からの冷媒の残りを凝縮器14に導く。尚、配管P14には、冷媒の温度によって開状態又は閉状態になるサーモスタットTHが設けられている。配管P15は、凝縮器14と配管P11とに接続されており、凝縮器14を介した冷媒を配管P11に導く。つまり、第1循環機構11は、蒸発器13を介して温度が低下した冷媒を、配管P12,P13を介してエンジンEに供給するとともに配管P12,P14を介して凝縮器14に供給し、エンジンE及び凝縮器14を介して温度が上昇した冷媒を、配管P11,P15によって蒸発器13に導く構成である。
【0018】
第2循環機構12が備える配管P21は、ポンプ15と蒸発器13とに接続され、ポンプ15から排出される冷媒を蒸発器13に導く。配管P22は、蒸発器13とタービン発電機20とに接続され、蒸発器13によって蒸発された冷媒をタービン発電機20に導く。配管P23は、タービン発電機20と凝縮器14とに接続されており、タービン発電機20を介した冷媒を凝縮器14に導く。配管P24は、凝縮器14とポンプ15とに接続されており、凝縮器14を介した冷媒をポンプ15に導く。
【0019】
つまり、第2循環機構12は、ポンプ15から配管P21を介して供給される冷媒を、タービン発電機20の上流側に設けられた蒸発器13で蒸発させ、タービン発電機20を介した冷媒をタービン発電機20の下流側に設けられた凝縮器14で凝縮させる構成である。ここで、ポンプ15による冷媒の循環量を制御すれば、タービン発電機20の発電量を制御することができる。
【0020】
タービン発電機20は、第2循環機構12が備える配管P22,P23の間に接続されており、第2循環機構12によって循環される冷媒(蒸発器13で蒸発された冷媒)によって回転駆動され、その回転速度に応じた電力を発電する。バッテリ30は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の充電可能な二次電池であり、タービン発電機20で発電された電力(電気エネルギーに変換された廃熱エネルギー)を回収する。
【0021】
温度センサ40aは、エンジンEの温度を検出するセンサであり、温度センサ40bは第1循環機構11によって循環される冷媒(エンジンEから排出される冷媒)の温度を検出するセンサである。これら温度センサ40a,40bとしては、熱電対を用いた温度センサや、白金等の金属を用いた温度センサ、及びシリコン等の半導体を用いた温度センサ等を用いることができる。
【0022】
制御装置50は、温度センサ40a,40b、又は、前照灯やエアコン等の負荷Lの状態(負荷状態)に応じて、ポンプ15による冷媒の循環量を制御する。具体的に、制御装置50は、温度センサ40a,40bの検出温度が予め設定された閾温度(例えば、50〜60℃程度)を超えていない場合には、温度センサ40a,40bで検出される検出温度に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御する。例えば、温度センサ40a,40bの検出温度が上昇するにつれてバッテリ30に回収される電力が多くなるようにポンプ15による冷媒の循環量を制御する。上記の閾温度に達する前に、かかる制御を行うのは、エンジンEの起動直後の冷媒の温度が低い状態でも、可能な限り廃熱エネルギーを回収することでバッテリ30の大型化を防止するためである。尚、上記の負荷状態は、例えば負荷Lに流れる電流や負荷Lでの消費電力を測定することにより求められる。
【0023】
これに対し、制御装置50は、温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度を超えた場合には、負荷状態に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御する。例えば、負荷Lで必要になる電力の増減に応じて、バッテリ30に回収される電力が増減するようにポンプ15による冷媒の循環量を制御する。つまり、温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度を超えた場合には、負荷Lで必要となる電力がバッテリ30に回収されるよう制御される。かかる制御を行うのは、バッテリ30の充放電量の変動を抑制することでバッテリ30の長寿命化を図るためである。
【0024】
次に、上記構成における廃熱回収装置1の動作について説明する。図2は、本発明の一実施形態による廃熱回収方法を示すフローチャートである。また、図3は、同廃熱回収方法を説明するための図である。尚、図2に示すフローチャートは、エンジンEが起動されることにより開始される。
【0025】
図3中の符号T1が付された折れ線は、エンジンEの温度又はエンジンEから排出される冷媒の温度の経時変化を示す折れ線である。また、図3において、符号E10が付された折れ線は、バッテリ30に回収される廃熱エネルギー(電力)の経時変化を示す折れ線である。尚、図3において、符号E11が付された折れ線は負荷Lで消費される電力の一例を示す折れ線であり、符号E12が付された折れ線はバッテリ30から放電される電力の一例を示す折れ線である。
【0026】
エンジンEが起動されると、温度センサ40a,40bの検出温度が制御装置50に入力され、ポンプ15による冷媒の循環量が温度センサ40a,40bの検出温度に応じて制御されて、廃熱エネルギーの回収が行われる(ステップS11:第1ステップ)。ここで、図3中の時刻t0でエンジンEが起動されたとすると、時間の経過とともにエンジンの温度及びエンジン冷却水の温度も徐々に上昇する(図3中の符号T1が付された折れ線参照)。このため、制御装置50は、例えば、温度センサ40a,40bの検出温度が上昇するにつれてバッテリ30に回収される電力が多くなるようにポンプ15による冷媒の循環量を制御する(図3中の符号E10が付された折れ線参照)。
【0027】
以上の制御を行うことで、エンジンの温度上昇とともにバッテリ30に回収される電力も徐々に多くなる。すると、負荷Lで必要となる電力(図3中の符号E11が付された折れ線参照)のうち、バッテリ30に回収される電力で賄われる電力の割合が徐々に大きくなるため、バッテリ30から放出される電力が徐々に小さくなる(図3中の符号E12が付された折れ線参照)。
【0028】
次に、温度センサ40a,40bの検出温度が予め設定された閾温度に達したか否か(超えたか否か)が制御装置50で判断される(ステップS12)。温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度に達していないと判断された場合には、ステップS12の判断結果は「NO」になり、温度センサ40a,40bの検出温度に応じたポンプ15の制御が行われる(ステップS11)。
【0029】
これに対し、温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度に達したと判断された場合には、ポンプ15による冷媒の循環量が負荷状態に応じて制御されて、廃熱エネルギーの回収が行われる(ステップS13:第2ステップ)。ここで、図3中の時刻t1で温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度に達し、その後に負荷Lで消費される電力(負荷状態)が変化したとすると、制御装置50は、その増減に応じてバッテリ30に回収される電力が増減するようにポンプ15による冷媒の循環量を制御する(図3中の符号E10,E11が付された折れ線参照)。
【0030】
このように、温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度を超えた場合には、負荷Lで必要となる電力がバッテリ30に回収されるよう制御される。このため、バッテリ30は、回生された電力と負荷Lで消費される電力との差の分(符号Q1で指し示す斜線部分の電力)だけ充電されることになる。
【0031】
以上の通り、本実施形態では、エンジンEの起動直後のように温度センサ40a,40bの検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には、その検出温度に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御することにより、エンジンEの起動直後の冷媒の温度が低い状態でも、可能な限り廃熱エネルギーを回収している。また、エンジンEが温まって温度センサ40a,40bの検出温度が閾温度を超えた場合には、バッテリ30の負荷状態に応じてポンプ15による冷媒の循環量を制御している。このため、バッテリの大型化を防止しつつバッテリの長寿命化を図ることができる。
【0032】
以上、本発明の一実施形態による廃熱回収装置及び方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、エンジンEの温度を検出する温度センサ40aと、エンジンEから排出される冷媒の温度を検出する温度センサ40bとの双方を備える例について説明した、しかしながら、これら温度センサ40a,40bの双方を設ける必要は必ずしもなく、何れか一方のみを備えていても良い。
【0033】
また、上述した実施形態では、エンジンEの廃熱エネルギーを回収する構成として、第1循環機構11及び第2循環機構12等からなる冷媒循環機構10を例に挙げて説明した。しかしながら、冷媒循環機構10は、図1に示す構成に制限されることはなく、エンジンEの廃熱エネルギーを回収し、回収した廃熱エネルギーによってタービン発電機20を回転駆動できるものであれば他の構成であっても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 廃熱回収装置
15 ポンプ
20 タービン発電機
30 バッテリ
40a,40b 温度センサ
50 制御装置
E エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの廃熱によって加熱された冷媒によって駆動される発電機と、該発電機で発電された電力を回収するバッテリと、前記冷媒を循環させるポンプとを備える廃熱回収装置において、
前記エンジンの温度及び前記エンジンを介した前記冷媒の温度の少なくとも一方を検出する検出器と、
前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には前記検出器の検出温度に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御し、前記検出器の検出温度が前記閾温度を超えた場合には前記バッテリの負荷状態に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする廃熱回収装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には、前記検出器の検出温度が上昇するにつれて前記バッテリに回収される電力が多くなるように前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御することを特徴とする請求項1記載の廃熱回収装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えた場合には、前記バッテリの負荷の増減に応じて前記バッテリに回収される電力が増減するように前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御することを特徴とする請求項2記載の廃熱回収装置。
【請求項4】
前記冷媒は、前記エンジンの内部に供給される第1冷媒と、
前記ポンプによって循環され、前記発電機の上流側で前記第1冷媒との熱交換によって蒸発するとともに、前記発電機の下流側で前記第1冷媒との熱交換によって凝縮される第2冷媒と
からなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の廃熱回収装置。
【請求項5】
エンジンの廃熱によって加熱された冷媒によって発電機を駆動し、該発電機で発電された電力をバッテリに回収する廃熱回収方法であって、
前記エンジンの温度及び前記エンジンを介した前記冷媒の温度の少なくとも一方を検出する検出器の検出温度が予め設定された閾温度を超えていない場合には、前記検出器の検出温度に応じてポンプによる前記冷媒の循環量を制御する第1ステップと、
前記検出器の検出温度が前記閾温度を超えた場合には、前記バッテリの負荷状態に応じて前記ポンプによる前記冷媒の循環量を制御する第2ステップと
を有することを特徴とする廃熱回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−41855(P2012−41855A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183195(P2010−183195)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】