説明

廃石綿の処理装置及び方法、石綿固化添加剤、安定型燃料用ペレット製造装置及び方法、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置及び方法

【課題】 建築物や車両の解体・改修工事に伴う石綿除去工事によって発生する廃石綿(吹付アスベスト)等を、現場で安全性の高い非飛散性石綿剥離体に加工して、一般廃棄物として簡易に処理できる廃石綿の処理装置を提供すること。
【解決手段】 飛散性石綿剥離体10を搬送する搬送ユニット20と、石綿固化添加剤32を収容する石綿固化添加剤収容ユニット30と、搬送ユニット20で搬送される石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する安定型変換ユニット40とを備える。
【効果】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排出工場から排出される廃石綿や、建築物や車両の解体・改修工事に伴う石綿除去工事によって発生する飛散性廃石綿(吹付アスベスト)等を、特別管理産業廃棄物処理によることなく、現場で安全性の高い非飛散性石綿剥離体に加工して、一般廃棄物として簡易に処理できる廃石綿の処理装置及び方法に関する。また、本発明は、廃石綿の処理装置及び方法に用いて好適な石綿固化添加剤に関する。また、本発明は、廃石綿の処理装置及び方法において生成される飛散性石綿剥離体と石綿固化添加剤とを一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する場合に、特に一体固化した非飛散性石綿剥離体が高カロリであるために燃料用ペレットとしても利用できる態様に用いて好適な、安定型燃料用ペレット製造装置及び方法に関する。更に、本発明は既に特別管理産業廃棄物処理によって処理済の場合に用いて好適な、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除去工程から排出される廃石綿等の処理工法では、先ず現場で除去された石綿等を二重のプラスチック袋に詰めて、専用車両に積載して管理型の最終処分場へ搬送して埋立ていた。また現場にて、廃石綿等をセメント固化することも併せて行われていた。しかし、廃石綿等のセメント固化は処理すべき廃石綿の増量につながってしまい、作業工程上非能率的であるため、特に建築物解体・改修工事現場から廃石綿を除去する場合には、作業担当者が採用をためらい、特許文献1に開示されているような無害化処理工法の方が好まれている。
【0003】
即ち、建築物解体・改修工事現場から廃石綿を除去する場合には、作業工程上能率を高めるために、例えば特許文献1に開示されているような、無害化処理装置が提案されている。(1)廃石綿等排出工場から排出される廃石綿等に対しては飛散防止処置をする。また、建築物解体・改修工事現場からの排出物は直接二重のプラスチック袋に詰めて、中間処理場へ搬送する。(2)中間処理場では溶融施設内の溶融炉内へ搬送して来た排出物を袋ごと直接投入し、1500℃以上の炉温で溶融固化する。固化された廃石綿の「スラグ」及び「カレル状」内にはアスベスト繊維は溶融され皆無となり無害化される。(3)溶融固化後、無害化されたスラグ等は特別管理産業廃棄物の範囲から離れ「ガラスくず及び陶磁器くず」に該当する物質となるために安定型最終処分場に埋立てることが出来る
【0004】
【特許文献1】特開平10−337547号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者が施工状況を観察して鋭意研究したところ、上記の無害化処理装置には更に改善の余地のあることが判明した。即ち、建築物解体・改修工事現場からの排出物は直接二重のプラスチック袋に詰められるが、そもそも飛散性廃石綿(吹付アスベスト)は比重が軽いため、これを圧縮して飛散性廃石綿(吹付アスベスト)を「ガラスくず及び陶磁器くず」に該当する性状に変化させた場合に比較して、容積が100倍程度に膨張している。そこで、飛散性廃石綿を詰めたプラスチック袋の容積も100倍程度に膨張するため、一台の特別管理産業廃棄物専用車両に積載して、中間処理場へ搬送するにしても、搬送コストが増大する。
【0006】
また、廃石綿除去作業担当者にとっては、特別管理産業廃棄物専用車両を用いた搬送コストと、中間処理場での無害化処理コストを考慮すると、直接管理型の最終処分場へ搬送して埋立処理することも簡易迅速な処理としては完全に劣後する訳ではないので、一定割合で行われている。すると、廃石綿(吹付アスベスト)を圧縮して「ガラスくず及び陶磁器くず」に相当する性状に変化させる場合に比較して、容積が100倍程度に膨張した状態で管理型の最終処分場で数十年程度の長期間の保存が行われることになる。しかし、管理型の最終処分場管理者の立場に立つと、飛散性廃石綿を詰めたプラスチック袋を長期間占有・管理する必要があると共に、数十年程度経過しても廃石綿は安定な物質であるため、その発がん性において危険性は変化しないから、無害化処理の要請は少なくない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するもので、第1の目的は、建築物や車両の解体・改修工事に伴う石綿除去工事によって発生する廃石綿(吹付アスベスト)等を、現場で安全性の高い非飛散性石綿剥離体に加工して、一般廃棄物として簡易に処理できる廃石綿の処理装置及び方法を提供することである。第2の目的は、廃石綿の処理装置及び方法に用いて好適な、石綿固化添加剤を提供することである。第3の目的は、高炉やボイラーのように安価で大量の熱エネルギーを必要とする分野に用いられる安定型燃料用ペレットの製造装置に関し、特に建築物や車両の解体・改修工事に伴う石綿除去工事によって発生する廃石綿(吹付アスベスト)等を現場で安全性の高い安定型燃料用ペレットに加工して、安価で大量の熱エネルギーを供給する安定型燃料用ペレット製造装置を提供することである。第4の目的は、管理型の最終処分場へ搬送して埋立処理された、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工して、一般廃棄物として簡易に管理できる廃石綿の処理装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の目的を達成する本発明の廃石綿の処理装置は、例えば図1に示すように、飛散性石綿剥離体10を搬送する搬送ユニット20と、石綿固化添加剤32を収容する石綿固化添加剤収容ユニット30と、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する安定型変換ユニット40とを備える。典型的には、飛散性石綿剥離体は、建築物解体現場又は改修工事現場の壁面又は天井面に吹き付けられた石綿剥離体を、剥がす際に生成される。
【0009】
このように構成された装置においては、搬送ユニット20は、飛散性石綿剥離体10を搬送して、安定型変換ユニット40まで搬送する。石綿固化添加剤収容ユニット30には、石綿固化添加剤32が収容されている。安定型変換ユニット40は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する。例えば、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40は、トラックに積載した状態で一体に建築物解体現場又は改修工事現場まで移動でき、建築物解体現場又は改修工事現場で発生した飛散性石綿剥離体10を、現場で非飛散性石綿剥離体に加工することができ、非飛散性石綿剥離体を最終処分場や中間処分場に搬送する作業が簡便に行える。
【0010】
本発明の廃石綿の処理装置において、好ましくは、飛散性石綿剥離体10は、剥離作業等において湿潤処理されており、破砕機14のような破砕機能を有する手段により湿潤処理された飛散性石綿剥離体10aを空気搬送可能な形状に揃えて、搬送ユニット20により空気搬送又はコンベヤ搬送される構成とするとよい。一般に、飛散性石綿剥離体の飛散防止のために、石綿剥離体の作業室を負圧に保つ必要があるため、搬送ユニット20には粉体輸送に適した空気搬送を用いるのが良いが、飛散性石綿剥離体10が湿潤処理されている場合は、破砕機14により湿潤処理された飛散性石綿剥離体10aを空気搬送可能な形状に揃えて、空気搬送又はコンベヤ搬送するのがよい。
【0011】
本発明の廃石綿の処理装置において、好ましくは、石綿固化添加剤32は、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34であり、安定型変換ユニット40は、ペレット状の非飛散性石綿剥離体に成型する減容処理機45を有するとよい。微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34は、資源有効利用促進法のもと、再生利用に供される。減容処理機45は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するものであるが、プラスチック34は150℃〜200℃程度の比較的低い温度で軟化し、この軟化温度は加圧された状態ではさらに低下するので、飛散性石綿剥離体10を非飛散性石綿を含む非飛散性石綿剥離体に加工する。
【0012】
本発明の廃石綿の処理装置において、好ましくは、安定型変換ユニット40は、ペレット状に成型する減容処理機45と、減容処理機45により成型されたペレット状の固形物の周囲にのり状の膠着性物質を覆い、又はプラスチック・フィルムで周囲を被覆するペレット被覆ユニット48を有し,当該ペレット被覆ユニットによって非飛散性石綿剥離体に加工する構成とするとよい。非飛散性石綿剥離体への加工の際に、例えばRDFやRPFのようなペレット状の固形物に成型する場合には、ペレット状の固形物における石綿の飛散防止を確実にするために、ペレット被覆ユニット48を用いて、ペレット状の固形物の周囲にのり状の膠着性物質を覆っても良く、またプラスチック・フィルムで周囲を被覆してもよい。
【0013】
本発明の廃石綿の処理装置において、好ましくは、さらに、搬送ユニット20は、安定型変換ユニット40に供給する飛散性石綿剥離体10を、搬送に用いる空気から分離する空気フィルタを備えるとよい。搬送ユニット20は、飛散性石綿剥離体10を安定型変換ユニット40まで空気搬送するものであり、全ての飛散性石綿剥離体10が安定型変換ユニット40で非飛散性石綿剥離体に加工されるのが望ましい。他方で、空気搬送に使用された空気は飛散性石綿剥離体10を含有しない安全な状態で環境中に排出される必要がある。そこで、搬送ユニット20には飛散性石綿剥離体10を搬送に用いる空気から分離する空気フィルタが設けられる。空気フィルタには、バグフィルタやHEPAフィルタを用いるとよい。
【0014】
上記第1の目的を達成する本発明の廃石綿の処理方法は、例えば図2に示すように、建築物解体現場又は改修工事現場の壁面又は天井面に吹き付けられた石綿含有体を、剥がして生成された石綿剥離体10を搬送ユニット20で搬送し(S110・S112)、石綿固化添加剤収容ユニット30に石綿固化添加剤32を収容し(S108)、搬送ユニット20で搬送される石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、安定型変換ユニット40に供給して一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する(S114)工程を備える。
【0015】
上記第2の目的を達成する本発明の石綿固化添加剤32は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10に添加される石綿固化添加剤32であって、安定型変換ユニット40により、飛散性石綿剥離体10と一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するために用いられるもので、安定型変換ユニット40は、ペレット状の非飛散性石綿剥離体に成型する減容処理機45であり、石綿固化添加剤32は、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34であって、減容処理機45によって減容処理の際に、石綿固化添加剤32が軟化又は液化して、石綿剥離体と一体に添加されて、冷却により固化して非飛散性石綿剥離体に加工される。
【0016】
本発明の石綿固化添加剤32によれば、石綿固化添加剤32として微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を使用しているので、例えば飛散性石綿剥離体と一体固化させる材料として、スラグ・ガラス・溶融金属を使用する場合に比較して、安定型変換ユニット40の使用温度を比較的低温に抑えることができる。そして、安定型変換ユニット40では室温乃至100℃程度の比較的低温であるため、トラックに積載した状態でも処理能力を高く維持できる。
【0017】
上記第3の目的を達成する本発明の安定型燃料用ペレット製造装置は、例えば図1に示すように、飛散性石綿剥離体10を搬送する搬送ユニット20と、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を収容する石綿固化添加剤収容ユニット30と、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容されたプラスチック34とを、一体固化して安定型燃料用ペレットに加工する減容処理機45とを備える。
【0018】
このように構成された装置においては、搬送ユニット20は、飛散性石綿剥離体10を搬送して、安定型変換ユニット40まで空気搬送する。石綿固化添加剤収容ユニット30には、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34が収容されており、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34は高い熱エネルギーを有している。減容処理機45は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容されるプラスチック34とを、一体固化して安定型燃料用ペレットに加工する。例えば、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・減容処理機45は、トラックに積載した状態で一体に建築物解体現場又は改修工事現場まで移動でき、建築物解体現場又は改修工事現場で発生した飛散性石綿剥離体10を、現場で安定型燃料用ペレットに加工することができると共に、安定型燃料用ペレットを需要先である高炉やボイラー施設に搬送する作業が簡便に行える。
【0019】
本発明の安定型燃料用ペレット製造装置において、好ましくは、飛散性石綿剥離体10は、剥離作業等において湿潤処理されており、破砕機14により湿潤処理された飛散性石綿剥離体10aを空気搬送可能な形状に揃えて、搬送ユニット20により空気搬送又はコンベヤ搬送される構成とするとよい。また、本発明の安定型燃料用ペレット製造装置において、好ましくは、減容処理機45に加えて、減容処理機45により成型されたペレット状の固形物の周囲にのり状の膠着性物質を覆い、又はプラスチック・フィルムで周囲を被覆するペレット被覆ユニット48を有し,当該ペレット被覆ユニットによって非飛散性石綿剥離体に加工する構成とするとよい。また、本発明の安定型燃料用ペレット製造装置において、好ましくは、さらに、搬送ユニット20は、安定型変換ユニット40に供給する飛散性石綿剥離体10を、搬送に用いる空気から分離する空気フィルタを備えるとよい。
【0020】
上記第3の目的を達成する本発明の安定型燃料用ペレット製造方法は、例えば図3に示すように、建築物解体現場又は改修工事現場の壁面又は天井面に吹き付けられた石綿含有体を、剥がして生成された石綿剥離体10を搬送ユニット20で搬送し(S210・S212)、石綿固化添加剤収容ユニット30に微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を収容し(S208)、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容されるプラスチックとを、減容処理機45に供給して一体固化して安定型燃料用ペレットに加工する(S214)工程を備えている。
【0021】
上記第4の目的を達成する本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置は、例えば図5に示すように、石綿固化添加剤32を収容する石綿固化添加剤収容ユニット30と、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する安定型変換ユニット40と、安定型変換ユニット40にて、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から石綿剥離体を除去する除去フィルタ50とを備える。
【0022】
このように構成された装置においては、例えば、石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40・除去フィルタ50は、トラックに積載した状態で一体に管理型の最終処分場まで移動できる。そして、埋立処理された可とう性容器76を搬出又は掘り出して、安定型変換ユニット40に投入する。安定型変換ユニット40は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する。除去フィルタ50は、安定型変換ユニット40にて、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から飛散性石綿剥離体を除去する。しかして、安定型変換ユニット40は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体を、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工して、一般廃棄物として簡易に管理できる状態(非飛散性石綿剥離体)に加工できると共に、除去フィルタ50によって飛散性石綿剥離体の環境中への飛散も防止される。
【0023】
本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置において、好ましくは、安定型変換ユニット40は、ペレット状に成型する減容処理機45と、減容処理機45により成型されたペレット状の固形物の周囲にのり状の膠着性物質を覆い、又はプラスチック・フィルムで周囲を被覆するペレット被覆ユニット48を有し,当該ペレット被覆ユニットによって非飛散性石綿剥離体に加工する構成とするとよい。
【0024】
上記第4の目的を達成する本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理方法は、例えば図6に示すように、管理型の最終処分場へ搬送して埋立処理された、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体を、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工する廃石綿の処理方法であって、石綿固化添加剤収容ユニット30に石綿固化添加剤32を収容し(S304)、安定型変換ユニット40により、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工し(S310)、除去フィルタ50にて、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体10を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から飛散性石綿剥離体10を除去する(S314)工程を有している。
【発明の効果】
【0025】
本発明の廃石綿の処理装置及び方法によれば、建築物解体現場又は改修工事現場で発生した飛散性石綿剥離体を、現場で石綿固化添加剤を用いて非飛散性石綿剥離体に加工することができ、非飛散性石綿剥離体を最終処分場や中間処分場に搬送する作業が簡便に行える。また、本発明の廃石綿の処理装置に用いられる搬送ユニット・石綿固化添加剤収容ユニット・安定型変換ユニットは、トラックに積載した状態で一体に建築物解体現場又は改修工事現場まで移動できる態様としているので、トラック積載により廃石綿の処理装置の機動性も高くなる。
【0026】
また、本発明の石綿固化添加剤によれば、石綿固化添加剤として微粒子形状又は粉砕されたプラスチックを使用しているので、例えば飛散性石綿剥離体と一体固化させる材料として、スラグ・ガラス・溶融金属を使用する場合に比較して、安定型変換ユニットの使用温度を比較的低温に抑えることができる。この点、スラグ・ガラス・溶融金属においては、飛散性石綿剥離体を溶融状態に近く維持する必要があるため、1000℃程度に維持する必要があるが、このような高温をトラックに積載した状態の安定型変換ユニットで安全に維持するには、断熱材の重量や容積が過大となって、安定型変換ユニットの処理能力が著しく低いものとなる。また、安定型変換ユニットの処理能力が低くなると、建築物解体現場又は改修工事現場での処理時間が増大して、使い勝手も悪くなる。他方、石綿固化添加剤として微粒子形状又は粉砕されたプラスチックを使用する場合には、安定型変換ユニットでは室温乃至100℃程度の比較的低温であるため、トラックに積載した状態でも処理能力を高く維持できる。
【0027】
本発明の安定型燃料用ペレット製造装置によれば、建築物解体現場又は改修工事現場で発生した飛散性石綿剥離体を、現場で安定型燃料用ペレットに加工することができると共に、安定型燃料用ペレットを需要先である高炉やボイラー施設に搬送する作業が簡便に行える。また、本発明の安定型燃料用ペレット製造装置に用いられる搬送ユニット・石綿固化添加剤収容ユニット・減容処理機は、トラックに積載した状態で一体に建築物解体現場又は改修工事現場まで移動できる態様としているので、トラック積載により安定型燃料用ペレット製造装置の機動性も高くなる。
【0028】
本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置によれば、埋立処理された可とう性容器を搬出又は掘り出して、安定型変換ユニットに投入する。安定型変換ユニットでは、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニットに収容される石綿固化添加剤とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工し、しかして、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工して、一般廃棄物として簡易に管理できる状態に加工できる。また石綿固化添加剤収容ユニット・安定型変換ユニット・除去フィルタは、トラックに積載した状態で一体に管理型の最終処分場まで移動できる態様としているので、トラック積載により廃石綿の処理装置の機動性も高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明の廃石綿の処理装置を説明する構成図である。図において、建築物2のボイラー室等の壁面や天井面には、吹付けアスベスト4が、断熱性や防火性を高めるため吹付けられている。改修作業員6は、建築物2の改修工事現場で吹付けアスベスト4を壁面から剥離する作業を担当する。飛散防止シート8は、アスベスト4の剥離作業領域を周囲の環境から隔離するために用いられるもので、例えば厚さ2〜3mm程度のプラスチック製シートが用いられる。飛散性石綿剥離体10は、飛散防止シート8で囲われた領域内で発生するもので、改修作業員6が吸い込まないように、防塵対策がとられている。防塵対策は労働衛生環境の保持のために必要とされるもので、いわゆる中皮腫防止の観点から、剥離作業の前にアスベスト4の湿潤処理を行って、飛散性石綿剥離体10が作業環境中に飛散することを防止する。防塵対策の具体的な内容は、吹付けアスベスト4に湿潤処理用の糊状物質を塗布したり、プライマーと呼ばれる前処理剤を吹付ける。飛散防止シート8で囲われた作業環境内は負圧状態に維持されており、飛散性石綿剥離体10が周囲に漏洩することを防止する。そこで、飛散防止シート8で囲われた室内においては、飛散性石綿剥離体10は、湿潤な塊状の飛散性石綿剥離体10aと、空気中に浮遊する飛散性石綿剥離体10bの2類型で存在する。
【0031】
搬送ホース12は、飛散防止シート8で囲われた作業領域と搬送ユニット20とを接続するもので、環境中に飛散性石綿剥離体10が漏れないように気密性を備えている。破砕機14は、飛散性石綿剥離体10が湿潤処理されている場合に、飛散性石綿剥離体が大きな湿潤塊10aとなっているため、空気搬送に適さない場合の前処理に用いられる。破砕機14は、湿潤処理された飛散性石綿剥離体10aを適宜の大きさに揃えて、空気搬送可能な形状にして、搬送ホース12での搬送を可能とするもので、例えばペレット成型機能を有するとよい。また、搬送ホース12に代えて、コンベヤ輸送としてもよい。この場合、浮遊している飛散性石綿剥離体10bの飛散防止のために、搬送コンベヤ全体を周囲に対して囲うことで隔絶すると共に、搬送コンベヤ全体を飛散防止シート8で囲われた領域内よりも負圧に保つ。
【0032】
廃石綿の処理装置は、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40により構成されるもので、トラック60に積載した状態で一体に建築物解体現場又は改修工事現場まで移動できる。そこで、建築物解体現場又は改修工事現場で発生した飛散性石綿剥離体10を、現場で非飛散性石綿剥離体に加工することができ、非飛散性石綿剥離体とすることで最終処分場や中間処分場に搬送する作業が簡便に行える。
【0033】
ここで、搬送ユニット20は、飛散性石綿剥離体10を捕集する捕集フィルタ22、環境に排出する空気に飛散性石綿剥離体10が含まれないようにろ過を行う排気フィルタ24、搬送ホース12から搬送ユニット20に飛散性石綿剥離体10を含む空気を搬送する搬送ポンプ26、捕集フィルタ22で捕集された飛散性石綿剥離体10を安定型変換ユニット40に搬送する搬送パイプ28を有している。捕集フィルタ22には、例えばろ過式集じん器(バグフィルタ)を用いる。バグフィルタは、鋼製の箱の中にろ布を多数組み込んだ構造をしており、本体、ろ布、払い落とし装置、灰の抽出コンベア等から構成されている。ろ布は、ガラス繊維等を円筒形に加工したもので、いわば掃除機の紙パックを大きくしたようなものである。入口ダクトから入った排ガスは、その中に含まれる飛散性石綿剥離体10がろ布の表面で捕集され、きれいになって出口ダクトから出てゆく。ろ布上に堆積した飛散性石綿剥離体10は、一定の時間ごとにインジェクタパイプから吹き出す高圧の空気により、払い落とされる。払い落とされた飛散性石綿剥離体10は、コンベアにより外部へ抜き出され、飛散性石綿剥離体10処理設備へ送られる。
【0034】
排気フィルタ24には、例えばHEPAフィルタを用いる。HEPAフィルタは、High
Efficiency Particulate Air Filterの略であり、日本語では、高性能エアフィルタという。空気あるいは排気中に含まれる微粒子を高性能で捕集するフィルタであり、原子力施設等の排気設備などで使用されている。一般には定格風量に対し、粒径0.15μmのジオクタルフタレート(DOP等)粒子を99.97%以上の効率で捕集するものをいう。例えば、原子力施設においては、管理区域内の空気を換気し、換気後の空気は気体廃棄物として排気設備から排出するが、排気中の放射性微粒子を除去するためにHEPAフィルタが使用されている。
【0035】
石綿固化添加剤収容ユニット30は、石綿固化添加剤32を収容するものである。ここで、石綿固化添加剤32は、例えば微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を用いるとよい。微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34は、資源有効利用促進法のもと、再生利用に供される。石綿固化添加剤収容ユニット30には、例えば搬送用にハンドラ(図示せず)や空気搬送機が用いられる。ハンドラ(図示せず)には、例えばロボットアームが用いられ、先端の把持部で石綿固化添加剤収容ユニット30のプラスチック廃棄物を掴み、石綿固化添加剤収容ユニット30から漏斗口41まで回転して、把持部で掴んでプラスチック廃棄物を漏斗口41に落とし、再び漏斗口41から石綿固化添加剤収容ユニット30まで回転する。
【0036】
安定型変換ユニット40は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するもので、安定型変換ユニット40は、ペレット状の非飛散性石綿剥離体に成型する減容処理機45であるとよい。減容処理機45は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34を一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するものであるが、プラスチック34は150℃〜200℃程度の比較的低い温度で軟化し、この軟化温度は加圧された状態ではさらに低下するので、飛散性石綿剥離体10を非飛散性石綿剥離体に加工できる。減容処理機45では、例えばRDFやRPFのようなペレット状の固形物に成型する。そこで、ペレット状の固形物の周囲に石綿の飛散防止を確実にするために、のり状の膠着性物質を覆っても良く、またプラスチック・フィルムで周囲を被覆するペレット被覆ユニット48を設置してもよい。
【0037】
ここで、RDFとは、Refuse Derived Fuelの略であり、日本語では、ごみ固形燃料という。生ごみ・廃プラスチック、古紙などの可燃性のごみを、粉砕・乾燥したのちに生石灰を混合して、圧縮・固化したものをさす。乾燥・圧縮・形成されているため、輸送や長期保管が可能となり、熱源として利用される。石炭との混用が可能であり、セメント焼成にも利用できる。発熱量は、1kg当り約5000kcalで、石炭に近い。現行法の体系下では、原料が廃棄物であるために、RDFの製造は一般廃棄物の中間処理方法のひとつとみなされ、市町村が事業主体となって焼却処理されている。RDFを焼却する処理施設は、ダイオキシン類をはじめ、大気汚染物質の排出抑制措置がとられ、粉塵の飛散防止、廃ガス処理、ダイオキシンの濃度測定などが義務付けられている。なお、廃熱は電気、スチームなどに利用されている。また、RPFとは、Refuse Paper &
Plastic Fuelの略称で、一定形状で密度の高い固形燃料であるため、コークス、微粉炭等と同等の利便性を持ち、取り扱い、運搬・貯蔵性にも優れている。そして、発生履歴が明らかな産業廃棄物を原料として使用しているため、RDFと比べ安定した品質が得られるという性質がある。
【0038】
漏斗口41は、定量投入機42の入口に設けられたもので、プラスチック34が投入される。定量投入機42は、投入されたプラスチック廃棄物を、予め定められた一定量をロート型供給口43に搬送する。搬送には、例えば粉体輸送に適したブロワーを用いるとよい。微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34が、PET(ポリエチレンテレフタレート)やナイロンのような場合には、石灰石(炭酸カルシウム:CaCO)を漏斗口41に投入する為に、石灰石供給機(図示せず)を設けるとよい。
【0039】
プラスチック34としてプラスチック廃棄物を用いる場合には、プラスチック廃棄物がポリエチレンテレフタレートやナイロンの場合には、塩素を含有していないように思われる。しかし、プラスチック廃棄物として回収する場合には、塩素を含有する他の透明なプラスチックが混入しているのが実情である。そこで、石灰石に含まれるカルシウムが、プラスチック廃棄物の熱分解に伴って分離する塩素ガスと化合して、塩化カルシウムとなる。なお、炭酸カルシウムは、理論的には酸化カルシウム(CaO)56%と二酸化炭素(CO)44%で構成されているが、石灰石にはマグネシウム・アルミナ・珪酸・鉄など多少の不純物を含んでいる。
【0040】
ロート型供給口43では、減容処理機45の投入口44に、プラスチック34又はプラスチック34と石灰石の混合物を送る。減容処理機45は、例えばRDF形成機のように、粉砕されたプラスチック廃棄物を再度ペレット状に固化するものがよく、必要に応じて成形が容易に行われるように、プラスチック廃棄物が軟化するように、例えば80℃〜100℃程度に昇温するのがよい。減容処理機45でペレット状に固化されたプラスチック廃棄物は、輸送管路46を経て、安定型廃棄物保持槽47に送られる。ペレット被覆ユニット48を設ける場合には、減容処理機45でペレット状に固化されたプラスチック廃棄物を、のり状の膠着性物質で覆うか、或いはプラスチック・フィルムで周囲を被覆して、安定型廃棄物保持槽47に送られる。ここで、飛散性石綿剥離体10を非飛散性石綿剥離体に処理するとは、非飛散性アスベスト廃棄物と取り扱われることを意味し、また安定型廃棄物としての性状を有することをいう。飛散性石綿剥離体10は、廃棄物処理及び清掃に関する法律上の取扱いとして環境省の通達が存在する(例えば、環廃産発第050330010号、平成17年3月30日発布、環廃産発第0508220001号、平成17年8月22日発布)ので、この行政上の解釈に準拠する必要がある。
【0041】
このように構成された装置の動作を説明する。図2は、本発明の廃石綿の処理方法を説明するフローチャートである。まず、廃石綿処理装置を積載したトラック60を工事現場に乗り付ける(S102)。そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の飛散性石綿(吹付けアスベスト4)を剥がす壁面を飛散防止シート8で囲う(S104)。この際に、吹付けアスベスト4の湿潤処理を行い、作業環境中に剥離作業で生成された石綿剥離体10が、大気中に多量に遊離する事態を防止する。そして、改修作業員6は飛散防止シート8を介して剥離作業現場(建築物2)と搬送ユニット20を搬送ホース12で繋ぐ(S106)。続いて、改修作業員6は、石綿固化添加剤収容ユニット30の石綿固化添加剤32の収容状態を確認し(S108)、今回の作業に必要とされる量が収容されていない場合には石綿固化添加剤32を補充する。このようにして、廃石綿の処理作業の準備段階が終了する。
【0042】
そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)を剥がす(S110)。剥がした際の石綿剥離体10が湿潤処理によって大きな形状となり、空気輸送や粉体輸送に適さない場合には、破砕機14で石綿剥離体10を粒径数mm〜数cm程度に細かく破砕又は成型し、空気輸送や粉体輸送に適する適当な形状に揃える。そして、剥離作業で生成された石綿剥離体10は、搬送ホース12経由で搬送ユニット20に搬送されたり、搬送コンベヤにより搬送ユニット20に搬送される(S112)。そして、安定型変換ユニット40により、搬送ユニット20で搬送される石綿剥離体10と石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工される(S114)。この際に、ペレット被覆ユニット48等を用いて、減容処理機45でペレット状に固化されたプラスチック廃棄物を、のり状の膠着性物質で覆うか、或いはプラスチック・フィルムで周囲を被覆して、安定型廃棄物保持槽47に送るとよい。加工された非飛散性石綿剥離体は、ペレット状態として燃料として再利用することもでき、また安定型廃棄物として一般廃棄物として処理される(S116)。
【0043】
そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業は終了したか判断する(S118)。そして、剥離作業が未了であれば、S110に戻って、石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業を継続する。剥離作業が終了すれば、改修作業員6は、剥離作業現場2と搬送ユニット20を繋いでいた搬送ホース12を外し(S120)、飛散防止シート8を工事現場2から撤去する(S122)。撤去された飛散防止シート8や改修作業員6が着用された防塵服は、減容処理機45を用いて現場で、例えばRDFやRPFのようなペレット状の固形物に成型する。そこで、従来飛散性廃石綿の含有物として扱われていた撤去された飛散防止シート8や改修作業員6が着用された防塵服が、安定型廃棄物扱いですむ。そして、廃石綿処理装置の作業担当者は、廃石綿処理装置を積載したトラック60を、工事現場2から次の現場に移動させる(S124)。
【0044】
なお、本発明の廃石綿の処理方法で生成される非飛散性石綿剥離体を一般廃棄物として処理する場合だけでなく、生成される非飛散性石綿剥離体を安定型燃料用ペレットと積極的に評価することもできる。この場合、図1に示した本発明の廃石綿の処理装置を、安定型燃料用ペレット製造装置では次のように読み替える。まず、搬送ユニット20は、飛散性石綿剥離体10を搬送するもので、廃石綿の処理装置と同様である。次に、石綿固化添加剤収容ユニット30は、微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34(以下、『粒子化プラスチック』という)を収容するもので、廃石綿の処理装置と比較すると石綿固化添加剤32として熱エネルギーの高い微粒子形状又は粉砕されたプラスチック34に限定してある。減容処理ユニット40は、搬送ユニット20で搬送される飛散性石綿剥離体10と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容されたプラスチック34とを、一体固化して安定型燃料用ペレットに加工するもので、廃石綿の処理装置と比較すると安定型変換ユニット40としてプラスチック34に適合する減容処理機45を含む減容処理ユニット40に限定してある。
【0045】
図3は、本発明の安定型燃料用ペレット製造装置の使用方法を説明するフローチャートである。まず、安定型燃料用ペレット製造装置を積載したトラック60を工事現場に乗り付ける(S202)。そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の飛散性石綿(吹付けアスベスト4)を剥がす壁面を飛散防止シート8で囲う(S204)。この際に、吹付けアスベスト4の湿潤処理を行い、作業環境中に剥離作業で生成された石綿剥離体10が、大気中に多量に遊離する事態を防止する。そして、改修作業員6は飛散防止シート8を介して剥離作業現場(建築物2)と搬送ユニット20を搬送ホース12で繋ぐ(S206)。続いて、改修作業員6は、石綿固化添加剤収容ユニット30の粒子化プラスチック34の収容状態を確認し(S208)、今回の作業に必要とされる量が収容されていない場合には粒子化プラスチック34を補充する。このようにして、廃石綿の処理作業を兼ねる安定型燃料用ペレット製造装置の準備作業が終了する。
【0046】
そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)を剥がす(S210)。剥がした際の石綿剥離体10が湿潤処理によって大きな形状となり、空気輸送や粉体輸送に適さない場合には、破砕機14で空気輸送や粉体輸送に適する適当な形状に揃える。そして、剥離作業で生成された石綿剥離体10は、搬送ホース12経由で搬送ユニット20に搬送されたり、搬送コンベヤにより搬送ユニット20に搬送される(S212)。そして、減容処理ユニット40により、搬送ユニット20で搬送される石綿剥離体10と粒子化プラスチック34とを、一体固化して安定型燃料用ペレットに加工される(S214)。粒子化プラスチック34は80℃〜120℃程度で軟化するので、減容処理ユニット40により石綿剥離体10と容易に一体化し、その後自然冷却によりペレット状に固化する。この際に、ペレット被覆ユニット48等を用いて、減容処理機45でペレット状に固化されたプラスチック廃棄物を、のり状の膠着性物質で覆うか、或いはプラスチック・フィルムで周囲を被覆して、安定型廃棄物保持槽47に送るとよい。そして、加工された非飛散性石綿剥離体は、ペレット状態として燃料として再利用することができる(S216)。
【0047】
そして、改修作業員6は、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業は終了したか判断する(S218)。そして、剥離作業が未了であれば、S210に戻って、石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業を継続する。剥離作業が終了すれば、改修作業員6は、剥離作業現場2と搬送ユニット20を繋いでいた搬送ホース12を外し(S220)、飛散防止シート8を工事現場2から撤去する(S222)。撤去された飛散防止シート8や改修作業員6が着用された防塵服は、減容処理機45を用いて現場で、例えばRDFやRPFのようなペレット状の固形物に成型する。そこで、従来飛散性廃石綿の含有物として扱われていた撤去された飛散防止シート8や改修作業員6が着用された防塵服は、ポリエチレンのようなプラスチック製の場合が多く、高カロであるため、燃料として再利用するのに適する。そして、安定型燃料用ペレット製造装置の作業担当者は、安定型燃料用ペレット製造装置を積載したトラック60を、工事現場2から次の現場に移動させる(S224)。
【0048】
図4は、本発明の廃石綿の処理装置を、既に管理型の最終処分場で特別管理産業廃棄物として管理された飛散性石綿剥離体を、安定型産業廃棄物に加工する場合に用いる場合を示す構成図である。図において、管理型の最終処分場70では、擁壁72等によって囲うことで、埋立処理してある廃棄物が周囲環境に漏出しないように配慮していると共に、『特別管理産業廃棄物』である旨の表示板74が設けられている。個別の飛散性石綿剥離体は、プラスチック等の可とう性容器76に密封されている。
【0049】
廃石綿処理装置の作業員78は、例えば図4に示すような、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40を積載したトラック60で、管理型の最終処分場まで移動する。ここで、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40については、図1にて既に説明したところと同様である。管理型の最終処分場では、飛散性石綿剥離体が可とう性容器76に封入されている点で、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業と相違する。しかし、飛散防止シート8によって飛散性石綿剥離体10が封入されている点は、飛散性石綿剥離体が可とう性容器76に封入されている点と同様である。そこで、既に管理型の最終処分場で特別管理産業廃棄物として管理された飛散性石綿剥離体であっても、工事現場(建築物2)の壁面・天井面の石綿含有体(吹付けアスベスト4)の剥離作業と同様に廃石綿処理装置を用いて、飛散性石綿剥離体を安定型産業廃棄物に加工できる。この際には、管理型の最終処分場での飛散防止のために、作業現場の周囲を工事現場(建築物2)の場合と同様に、作業対象となる可とう性容器76付近を飛散防止シート8で囲う必要がある。また、可とう性容器76内の石綿剥離体10が湿潤処理によって大きな形状となり、空気輸送や粉体輸送に適さない場合には、破砕機14で空気輸送や粉体輸送に適する適当な形状に揃える必要がある。
【0050】
しかし、埋立処理された可とう性容器76に対して、さらに飛散防止シート8で囲うことは煩雑であるし、搬送ホース12で直接搬送ユニット20と可とう性容器76を繋ぐためには、可とう性容器76に開口を形成して接合する必要が生じて、必ずしも作業効率が高くない可能性がある。そこで、埋立処理された可とう性容器76を掘り出して、直接安定型変換ユニット40に投入して環境中に飛散性石綿剥離体が飛散しない状態で安定型産業廃棄物に加工することが考えられる。
【0051】
図5は、既に管理型の最終処分場で特別管理産業廃棄物として管理された飛散性石綿剥離体を、安定型産業廃棄物に加工するのに適した、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置の一例を示す構成図である。廃石綿処理装置の作業員78は、石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40・除去フィルタ50を積載したトラック60で、管理型の最終処分場70まで移動する。管理型の最終処分場70には、埋立処理された可とう性容器76を安定型変換ユニット40の漏斗口41まで搬送するクレーン式ハンドラ82のような搬送機が設けられている。ここでは、搬送レール80が管理型の最終処分場70からトラック60の駐車位置まで設置されており、搬送レール80に沿って移動するクレーン式ハンドラ82によって、可とう性容器76を搬送する。なお、クレーン式ハンドラ82に代えて、作業員78が可とう性容器76の搬送・投入作業を行っても良い。
【0052】
図において、石綿固化添加剤収容ユニット30は、石綿固化添加剤32を収容するもので、図1に示した廃石綿の処理装置と同様である。安定型変換ユニット40は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するもので、ここでは図1に示した廃石綿の処理装置と同様に、漏斗口41・定量投入機42・ロート型供給口43・投入口44・減容処理機45・輸送管路46・安定型廃棄物保持槽47・ペレット被覆ユニット48が設けられている。安定型変換ユニット40の周囲は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体が飛散しないように、密封筐体49で囲われている。なお、密封筐体49には、漏斗口41と輸送管路46付近に開口部があるが、飛散性石綿剥離体が外部に飛散しないように、負圧に保たれている。即ち、密封筐体49内部には、飛散性石綿剥離体が除去フィルタ50側に設けられた搬送ポンプ58で搬送される。
【0053】
除去フィルタ50は、安定型変換ユニット40にて、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から飛散性石綿剥離体を除去する。ここで、除去フィルタ50は、安定型変換ユニット40にて飛散した飛散性石綿剥離体10を除去フィルタ50に搬送する搬送ホース52、搬送ホース52で搬送した空気から飛散性石綿剥離体を捕集する捕集フィルタ54、環境に排出する空気に飛散性石綿剥離体が含まれないようにろ過を行う排気フィルタ56、搬送ホース52に飛散性石綿剥離体を含む空気を搬送する搬送ポンプ58を備えている。なお、捕集フィルタ54で捕集された飛散性石綿剥離体を安定型変換ユニット40の漏斗口41まで帰還させる搬送路(図示せず)を設けるとよい。
【0054】
このように構成された装置においては、埋立処理された可とう性容器76を掘り出して、クレーン式ハンドラ82等を用いて安定型変換ユニット40に投入する。安定型変換ユニット40は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体と、石綿固化添加剤収容ユニット30に収容される石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する。除去フィルタ50は、安定型変換ユニット40にて、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から飛散性石綿剥離体を除去する。しかして、安定型変換ユニット40は、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体を、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工して、一般廃棄物として簡易に管理できる状態に加工できると共に、除去フィルタ50によって飛散性石綿剥離体の環境中への飛散も防止される。
【0055】
図6は、本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理方法を説明するフローチャートである。まず、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置を積載したトラック60を管理型の最終処分場70に乗り付ける(S302)。そして、改修作業員6は、石綿固化添加剤収容ユニット30の石綿固化添加剤32の収容状態を確認し(S304)、今回の作業に必要とされる量が収容されていない場合に石綿固化添加剤32を補充する。このようにして、廃石綿の処理作業の準備段階が終了する。
【0056】
そして、作業員78は、管理型の最終処分場70の飛散性石綿が封入された可とう性容器76を搬出又は掘り出す(306)。搬出された可とう性容器76は、搬送コンベヤ等の適宜の搬送装置により安定型変換ユニット40に搬送される(S308)。そして、安定型変換ユニット40により、可とう性容器76内に封入された石綿剥離体10と石綿固化添加剤32とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工される(S310)。この際に、ペレット被覆ユニット48等を用いて、減容処理機45でペレット状に固化されたプラスチック廃棄物を、のり状の膠着性物質で覆うか、或いはプラスチック・フィルムで周囲を被覆して、安定型廃棄物保持槽47に送るとよい。加工された非飛散性石綿剥離体は、ペレット状態として燃料として再利用することもでき、また非飛散性石綿剥離体として一般廃棄物として処理される(S312)。また除去フィルタ50にて、可とう性容器76に封入された飛散性石綿剥離体10を処理する際に、可とう性容器76より生ずる空気から飛散性石綿剥離体10を除去する(S314)
【0057】
そして、作業員78は、管理型の最終処分場70での飛散性石綿が封入された可とう性容器76の処理作業は終了したか判断する(S316)。そして、処理作業が未了であれば、S306に戻って、飛散性石綿が封入された可とう性容器76の搬出・掘出作業を継続する。処理作業が終了すれば、作業担当者は、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置を積載したトラック60を、管理型の最終処分場70から退去させる(S318)。
【0058】
なお、上記の本発明の実施の形態においては、具体的な実施例を用いて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、当業者にとって自明事項の範囲内で設計された態様も含むものである。例えば、廃石綿の処理装置の実施例においては、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40をトラック60に積載した状態で廃石綿の処理作業を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40を建築物解体現場や改修工事現場の作業環境内に搬入して、廃石綿の処理作業を行っても良い。この場合には、廃石綿の処理作業が完了した後で、搬送ユニット20・石綿固化添加剤収容ユニット30・安定型変換ユニット40に付着した飛散性石綿を空気シャワー等で確実に除去し、再びトラック60に積載して次の現場に移動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の廃石綿の処理装置を説明する構成図である。
【図2】本発明の廃石綿の処理方法を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の安定型燃料用ペレット製造装置の使用方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の廃石綿の処理装置を、既に管理型の最終処分場で特別管理産業廃棄物として管理された飛散性石綿剥離体を、安定型産業廃棄物に加工する場合に用いる場合を示す構成図である。
【図5】既に管理型の最終処分場で特別管理産業廃棄物として管理された飛散性石綿剥離体を、安定型産業廃棄物に加工するのに適した、可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置の一例を示す構成図である。
【図6】本発明の可とう性容器封入済み廃石綿の処理方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 飛散性石綿剥離体
12 搬送ホース
14 破砕機(ペレット成型器)
20 搬送ユニット
30 石綿固化添加剤収容ユニット
32 石綿固化添加剤
34 プラスチック
40 安定型変換ユニット(減容処理ユニット)
45 減容処理機
48 ペレット被覆ユニット
50 除去フィルタ
60 (廃石綿処理装置の積載・搬送用)トラック
70 管理型最終処分場
76 可とう性容器(飛散性石綿包装用の二重プラスチック袋)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛散性石綿剥離体を搬送する搬送ユニットと、
石綿固化添加剤を収容する石綿固化添加剤収容ユニットと、
当該搬送ユニットで搬送される飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容される石綿固化添加剤とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する安定型変換ユニットと、
を備える廃石綿の処理装置。
【請求項2】
前記飛散性石綿剥離体は、剥離作業等において湿潤処理されており、
破砕手段により湿潤処理された飛散性石綿剥離体を空気搬送可能な形状に揃えて、前記搬送ユニットにより空気搬送又はコンベヤ搬送されることを特徴とする請求項1に記載の廃石綿の処理装置。
【請求項3】
前記石綿固化添加剤は、微粒子形状又は粉砕されたプラスチックであり、
前記安定型変換ユニットは、ペレット状の非飛散性石綿剥離体に成型する減容処理機を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃石綿の処理装置。
【請求項4】
前記安定型変換ユニットは、ペレット状に成型する減容処理機と、この減容処理機により成型されたペレット状の固形物の周囲にのり状の膠着性物質を覆い、又はプラスチック・フィルムで周囲を被覆するペレット被覆ユニットを有し,当該ペレット被覆ユニットによって非飛散性石綿剥離体に加工することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の廃石綿の処理装置。
【請求項5】
さらに、前記搬送ユニットは、前記安定型変換ユニットに供給する飛散性石綿剥離体を、搬送に用いる空気から分離する空気フィルタを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の廃石綿の処理装置。
【請求項6】
建築物解体現場又は改修工事現場の壁面又は天井面に吹き付けられた石綿含有体を、剥がして生成された飛散性石綿剥離体を搬送ユニットで搬送し、
石綿固化添加剤収容ユニットに石綿固化添加剤を収容し、
当該搬送ユニットで搬送される飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容される石綿固化添加剤とを、安定型変換ユニットに供給して一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する、
工程を備える廃石綿の処理方法。
【請求項7】
搬送ユニットで搬送される飛散性石綿剥離体に添加される石綿固化添加剤であって、
安定型変換ユニットにより、飛散性石綿剥離体と一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工するための石綿固化添加剤において、
前記安定型変換ユニットは、ペレット状の非飛散性石綿剥離体に成型する減容処理機を有し、
前記石綿固化添加剤は、微粒子形状又は粉砕されたプラスチックであって、
前記減容処理機によって減容処理の際に、前記石綿固化添加剤が軟化又は液化して、前記飛散性石綿剥離体と一体に添加されて、冷却により固化して非飛散性石綿剥離体に加工されることを特徴とする石綿固化添加剤。
【請求項8】
飛散性石綿剥離体を搬送する搬送ユニットと、
微粒子形状又は粉砕されたプラスチックを収容する石綿固化添加剤収容ユニットと、
当該搬送ユニットで搬送される飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容されたプラスチックとを、一体固化して安定型燃料用ペレットに加工する減容処理機と、
を備える安定型燃料用ペレット製造装置。
【請求項9】
建築物解体現場又は改修工事現場の壁面又は天井面に吹き付けられた石綿含有体を、剥がして生成された飛散性石綿剥離体を搬送ユニットで搬送し、
石綿固化添加剤収容ユニットに微粒子形状又は粉砕されたプラスチックを収容し、
当該搬送ユニットで搬送される飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容されるプラスチックとを、減容処理機に供給して一体固化して安定型燃料用ペレットに加工する、
工程を備える安定型燃料用ペレット製造方法。
【請求項10】
石綿固化添加剤を収容する石綿固化添加剤収容ユニットと、
可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容される石綿固化添加剤とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工する安定型変換ユニットと、
前記安定型変換ユニットにて、前記可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、前記可とう性容器より生ずる空気から飛散性石綿剥離体を除去する除去フィルタと、
を備える可とう性容器封入済み廃石綿の処理装置。
【請求項11】
管理型の最終処分場へ搬送して埋立処理された、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を、特別管理産業廃棄物から安定型産業廃棄物に加工する廃石綿の処理方法であって、
石綿固化添加剤収容ユニットに石綿固化添加剤を収容し、
安定型変換ユニットにより、可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体と、当該石綿固化添加剤収容ユニットに収容される石綿固化添加剤とを、一体固化して非飛散性石綿剥離体に加工し、
除去フィルタにて、前記可とう性容器に封入された飛散性石綿剥離体を処理する際に、前記可とう性容器より生ずる空気から飛散性石綿剥離体を除去する、
工程を備える可とう性容器封入済み廃石綿の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−55348(P2008−55348A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236583(P2006−236583)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(593181823)三峰工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】