説明

建具

【課題】製造や組立等に要する手間を軽減しつつ枠体の剛性を確保することができる浴室出入り口用の建具を提供すること。
【解決手段】開口部6Aにおいて第1上枠21の面材保持部213を切除して切除部214を形成し、この切除部214を介した換気経路24によって浴室と脱衣室とを連通させることで、開口部6Aと戸袋部6Bとで別部材を用いなくてもよくなり、上枠2を構成する部材種別を少なくして製造や加工、組立に要する手間を軽減させることができる。そして、第1上枠21の第1係合部216と第2上枠22の第1被係合部226とを係合させるとともに、第1上枠21の第2係合部218と第3上枠23の第2被係合部233とを係合させて上枠2が組み立てられることで、上枠2の剛性や強度を高めることができ、建具枠6全体の剛性を確保しつつ組立時の固着箇所を削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室と脱衣室との出入り口に用いられる建具に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室出入り口用の建具として、建具枠と、この建具枠に開閉自在に支持された障子とを備え、上枠の内部に浴室と脱衣室とを連通させる換気経路が形成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された建具では、建具枠における上枠が複数の部材を組み合わせて中空状に形成され、この中空空間が換気経路とされるとともに、換気経路を閉塞または開放可能な弁部材が回動自在に上枠に支持されることで、障子を閉じていても脱衣室からの空気を浴室に取り込んで換気できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−231664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の建具における上枠は、上下に離隔して設けられる第1および第2上枠と、第1上枠の浴室側端部に係合しかつ第2上枠の浴室側に対向する第3上枠と、固定面材が設けられる戸袋側にて第1上枠の下側に係合される面材保持部材と、戸袋側にて第1上枠と第2上枠との隙間を閉鎖する閉鎖部材と、開口側にて第1上枠と第2上枠との隙間に開閉自在に設けられる換気弁とを有して構成され、第1〜第3上枠、面材保持部材および閉鎖部材の5種類の部材がそれぞれアルミ形材から形成されている。このため、上枠を構成する部材種別が多くなり、各部材の製造、加工および組み立てに要する手間のみならず、部材の在庫管理や配送等に要する手間も増加してしまうという不都合があった。また、従来の上枠では、第1および第2上枠の各々と縦骨の上端部とをビス止め固定することで、建具枠の剛性を確保する構造としているため、組み立てに要する手間がさらに増加してしまうという不都合もあった。
【0005】
本発明の目的は、製造や組立等に要する手間を軽減しつつ枠体の剛性を確保することができる浴室出入り口用の建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、上枠と左右の縦枠とを有した枠体と、この枠体に開閉可能に支持された少なくとも1枚の面材とを備え、浴室と脱衣室との出入り口に用いられる建具であって、前記枠体には、前記左右の縦枠間にて上下に延びる縦骨が架設されるとともに、この縦骨と前記左右の一方の縦枠との間に設けられる開口部と、前記縦骨と前記左右の他方の縦枠との間に設けられる戸袋部とが形成され、この戸袋部には固定面材が支持され、前記上枠は、前記左右の縦枠間に架設される第1上枠と、この第1上枠に沿って前記左右の縦枠間に架設される第2上枠とを有して構成され、前記第1上枠は、前記左右の縦枠間に延びる第1上枠本体と、前記戸袋部において前記第1上枠本体から下方に延びかつ前記固定面材の上端縁を保持する面材保持部と、この面材保持部に形成される第1係合部と、前記開口部において前記面材保持部が切除された切除部とを有して構成され、前記第2上枠は、前記面材を左右に案内する上レールと、前記第1上枠本体と間隔を介して対向する延出面部と、この延出面部に形成されて前記第1係合部に係合される第1被係合部とを有して構成され、前記第1上枠と第2上枠との間には、前記切除部を介して前記浴室と脱衣室とを連通させる換気経路が形成されていることを特徴とする。
【0007】
ここで、面材としては、四周框組みした内部にパネルを取り付けた障子であってもよく、また板状の部材から構成されたものでもよい。さらに、面材は、1枚で構成されてもよく、2枚以上の複数枚で構成されてもよい。また、上レールの数は1本に限らず、面材の枚数等に応じて複数本で構成されてもよい。
このような本発明によれば、第1上枠と第2上枠との間から切除部を介して浴室と脱衣室とを連通させる換気経路を形成したことで、この換気経路による浴室の換気を実施することができ、浴室の快適性を確保することができる。そして、第1上枠に面材保持部を形成するとともに、この面材保持部を切除して形成した切除部によって換気経路を構成することで、従来のように別体とした第1上枠と面材保持部材とを係合させる必要がなくなり、部材種別を少なくすることができ、製造や加工、組立に要する手間を軽減させることができる。
【0008】
この際、本発明の建具では、前記上枠における第1上枠と第2上枠との間には、当該上枠の略全長に渡って前記換気経路を閉塞可能な弁部材が設けられ、この弁部材は、前記第1上枠本体に回動自在に支持されるとともに、前記第2上枠に当接することで前記換気経路を閉塞可能かつ浴室側に回動することで当該換気経路を開放可能に構成されていることが好ましい。
ここで、弁部材は、重力によって閉塞側に回動しかつ浴室の換気扇等による負圧によって開放側に回動するものであってもよいし、手動によって回動されるものであってもよいし、さらには適宜な駆動手段によって回動されるものであってもよい。
このような構成によれば、上枠の略全長に渡って弁部材を設ける、すなわち換気経路の脱衣室側開口の略全幅を弁部材で覆うことで、脱衣室側から換気経路内部を見えなくすることができ、建具の意匠性を高めることができるとともに、浴室に向かって吸気側となる脱衣室側の開口幅を拡げることができる。さらに、上枠の略全長に渡って弁部材を設けることで、従来のように別体とした閉鎖部材が不要にでき、部材種別をさらに少なくして製造や組立に要する手間をより一層軽減させることができる。
【0009】
さらに、本発明の建具では、前記上枠は、長手方向中間部が前記縦骨に支持され、前記面材保持部は、前記第1上枠本体の浴室側端部から下方に延びて形成され、前記第1係合部は、前記面材保持部の脱衣室側側面に形成され、前記延出面部は、前記上レールよりも見込み方向浴室側に延びて形成され、前記第1被係合部は、前記延出面部の浴室側端部に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1上枠の中間部が縦骨に支持されるとともに、第1上枠の第1係合部に第2上枠の第1被係合部を係合させることで、第1および第2の上枠を縦骨で支持して上枠の強度を高めることができ、枠体の剛性を確保することができる。また、第1係合部および第1被係合部は、開閉可能に支持された面材と固定面材との間の部分を利用して形成されているため、見込み方向においてコンパクトな上枠とすることができる。
【0010】
さらに、本発明の建具では、前記上枠には、前記開口部において前記第1上枠の浴室側に位置する第3上枠が設けられ、この第3上枠は、前記一方の縦枠と前記縦骨とに渡って架設される第3上枠本体と、前記第1上枠の切除部に係合される第2被係合部と、前記第2上枠の浴室側に所定の隙間を介して対向する垂下片部とを有して形成され、この垂下片部と前記第2上枠との隙間に前記換気経路が延長されかつ当該換気経路の浴室側開口が下向きに形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、浴室側に設けた第3上枠の垂下片部によって、換気経路の浴室側開口を下向きに形成することで、浴室側に取り込む空気を下向きに流入させて面材に沿って浴室に導入することができ、利用者に直接当たらないようにして快適性を向上させることができる。さらに、換気経路の浴室側開口が下向きに形成されることで、浴室側から見た場合に換気経路が垂下片部によって覆われることになり、換気経路への水の浸入が防止できるとともに、利用者から換気経路が見えないことで浴室側からの意匠性も良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る浴室出入り口用の建具を示す横断面図である。
【図2】前記建具の縦断面図であり、図1に矢視II−II線で示す断面図である。
【図3】前記建具の縦断面図であり、図1に矢視III−III線で示す断面図である。
【図4】前記建具の上枠周辺を拡大して示す縦断面図である。
【図5】前記建具の上枠および縦骨周辺を示す斜視図である。
【図6】前記上枠および縦骨周辺を示す斜視図である。
【図7】前記上枠の一部を省略して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る浴室出入り口用の建具としての片引き戸1を図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、片引き戸1は、繊維強化プラスチック製の浴槽(不図示)や浴室床(防水パン)、浴室壁W等からなる浴室ユニットで構成された浴室と、この浴室に隣接して洗面台や洗濯パン等(不図示)が設置される脱衣室との出入り口に用いられる建具である。この片引き戸1は、上枠2、下枠3および左右の縦枠4,5を枠組みした枠体としての建具枠6と、この建具枠6の内部に片引き形式に開閉可能に支持された1枚の面材である障子10とを備えて構成されている。
【0013】
建具枠6の上枠2、下枠3および縦枠4,5は、脱衣室の床材Fや三方の額縁材G等の建物側内装部材に固定され、当該建具枠6の中間部における上枠2と下枠3との間には、上下に延びる縦骨7が架設されている。従って、建具枠6には、一方(図1の左側)の縦枠4、下枠3、縦骨7および上枠2で囲まれるとともに障子10を開放した際に出入り用の開口となる開口部6Aと、他方(図1の右側)の縦枠5、下枠3、縦骨7および上枠2で囲まれるとともに開放した障子10を収納する戸袋部6Bとが形成され、戸袋部6Bには、固定面材としての樹脂パネル8が設けられている。
【0014】
障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13,14を四周框組みした内部に樹脂パネル15を嵌めこんで構成されている。そして、一方(図1の左側)の縦框13(戸先框)には、障子10を開閉操作するためのハンドル16が固定されている。このような障子10は、上枠2に設けられた上レール2Aと下枠3に設けられた下レール3Aとに、それぞれ上框11と下框12とが案内されて左右にスライド開閉できるようになっている。そして、障子10の閉鎖状態において、縦框13が気密材4Aを介して縦枠4に当接するとともに、縦框14がモヘア7Aに当接しかつ係合片7B,14A同士が係合し、さらに上框11がモヘア11Aを介して上枠2の上レール2Aに当接するとともに、下框12が気密材3Bを介して下枠3に当接することで、浴室と脱衣室との間の止水性が確保されるようになっている。
【0015】
次に、建具枠6における上枠2の構造について、図4〜図7も参照して詳しく説明する。なお、図7は、上枠2から第2上枠22の図示を省略したものである。
上枠2は、それぞれアルミ形材製の第1上枠21、第2上枠22および第3上枠23を有して構成され、第1上枠21は、左右の縦枠4,5間に架設されるとともに当該第1上枠21の中間部が縦骨7に支持され、第2上枠22は、上レール2Aを有するとともに第1上枠21の下側に沿って左右の縦枠4,5間に架設され、第3上枠23は、開口部6Aにおいて第1上枠21の浴室側に対向するとともに縦枠4と縦骨7との間に架設されている。さらに、上枠2は、第1上枠21と第2上枠22との間に設けられて後述する切除部214を介して浴室と脱衣室とを連通させる換気経路24と、当該上枠2の略全長に渡って設けられて換気経路24を開閉可能な弁部材としての換気弁25とを有して構成されている。
【0016】
第1上枠21は、上辺の額縁材Gに固定される固定片部211と、この固定片部211から浴室側に延びる見込み片部212と、見込み片部212の浴室側端部から下方に延びて樹脂パネル8の上端縁を保持する面材保持部213とを有し、開口部6Aにおいて面材保持部213が切除された切除部214が形成されている。そして、固定片部211と見込み片部212とは、左右の縦枠4,5間に渡って設けられ、これらの固定片部211および見込み片部212を有して第1上枠本体21Aが構成されている。また、面材保持部213は、戸袋部6Bにおいて縦枠5と縦骨7とに渡って設けられ、面材保持部213の縦骨7側の端部が縦骨7の脱衣室側側面7Cにビス止め固定されている。面材保持部213には、下方に開口して樹脂パネル8の上端縁を保持する保持溝215と、この保持溝215よりも脱衣室側にて断面略T字形を有し第2上枠22と係合可能な第1係合部216とが設けられている。また、見込み片部212には、その下面にて下方に開口し換気弁25を回動自在に支持するポケット217と、浴室側端部にて切除部214として切除されずに面材保持部213の一部が残されて第3上枠23と係合可能な第2係合部218とが設けられている。
【0017】
第2上枠22は、上レール2Aを含んで上下に延びる見付け面部221と、この見付け面部221よりも見込み方向浴室側に延びる中空部222とを有して形成されている。見付け面部221の上端部には、中空部222よりも上方に突出した突出片部223が形成されている。中空部222には、その上面にて第1上枠21の見込み片部212下方に所定間隔を介して対向する延出面部224と、この延出面部224の下方に対向する底面部225と、当該中空部222の浴室側端部にて開口するC字溝状を有し第1係合部216に係合される第1被係合部226とが形成されている。このような第2上枠22は、上枠2の長手方向に沿って第1被係合部226に第1係合部216をスライド挿入して係合させることで、第1上枠21と連結されるようになっている。そして、第2上枠22の突出片部223上端縁と第1上枠21の見込み片部212との隙間によって、換気経路24の脱衣室側開口241が形成され、この脱衣室側開口241が換気弁25によって開閉可能に構成されている。
【0018】
第3上枠23は、第1上枠21の第2係合部218に係合されて取り付けられるアタッチメントであり、脱衣室側に開口した断面略C字形の第3上枠本体231と、この第3上枠本体231から下方に延びて第2上枠22の中空部222に所定の隙間を介して対向する垂下片部232と、この垂下片部232から脱衣室側に延びて第2係合部218に係合される第2被係合部233とを有して形成されている。第2被係合部233は、その先端部にて脱衣室側に開口するC字溝状の断面を有し、上枠2の長手方向に沿って第2被係合部233に第2係合部218をスライド挿入して係合させることで、第3上枠23が第1上枠21と連結されるようになっている。このような第3上枠23の垂下片部232と第2上枠22の底面部225および見付け面部221との隙間によって、換気経路24の浴室側開口242が下方に開口して形成されている。
【0019】
以上の上枠2によれば、換気経路24の脱衣室側開口241は、第1上枠21のポケット217に回動自在に支持された換気弁25によって開閉されるようになっている。この換気弁25は、脱衣室と浴室との気圧差によって開閉するもので、つまり脱衣室と浴室との気圧差がない場合には、換気弁25の下端部が突出片部223に当接して脱衣室側開口241が閉鎖されるように構成されている。一方、障子10を閉じた状態で浴室の排気ファン等を駆動して浴室の気圧が下がった場合には、図4に二点鎖線で示すように、換気弁25の下端部が浴室側に回動して脱衣室側開口241が開放され、脱衣室側から換気経路24内部に流入した空気が第1上枠21の切除部214を通って第3上枠23側に流れるとともに、第3上枠23の垂下片部232に沿って下降し、浴室側開口242から浴室内部に供給され、これによって浴室の換気が行われるようになっている。
【0020】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
すなわち、開口部6Aにおいて第1上枠21の面材保持部213を切除して切除部214を形成し、この切除部214を介した換気経路24によって浴室と脱衣室とを連通させることで、開口部6Aと戸袋部6Bとで別部材を用いなくてもよくなり、上枠2を構成する部材種別を少なくして製造や加工、組立に要する手間を軽減させることができる。そして、第1上枠21の第1係合部216と第2上枠22の第1被係合部226とを係合させるとともに、第1上枠21の第2係合部218と第3上枠23の第2被係合部233とを係合させて上枠2が組み立てられることで、上枠2の剛性や強度を高めることができ、建具枠6全体の剛性を確保しつつ組立時の固着箇所を削減することができる。
【0021】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、浴室出入り口用の建具として、片引き戸1を例示して説明したが、本発明の建具は、1枚の面材(障子)を有したものに限らず、2枚以上の面材が片引き形式に開閉自在に支持されたものでもよく、2枚の面材が各々逆方向に片引き形式に支持されて左右両側に面材収納部が形成された引き分け開放形式のものでもよい。また、可動面材(可動障子)の枚数が複数枚ある場合には、その枚数に応じて上レールが複数本設けられていればよい。
また、第1上枠21の第1係合部216と第2上枠22の第1被係合部226との係合形状は実施形態に限らず、第1係合部216をC字溝状とし、第1被係合部226を断面略T字形としてもよい。これと同様に、第1上枠21の第2係合部218をC字溝状とし、第3上枠23の第2被係合部233を断面略T字形としてもよい。さらに、係合部および被係合部の形状は、前述した形状以外であっても構わない。
【0022】
また、前記実施形態では、上枠2の略全長に渡って弁部材としての換気弁25を設けたが、これに限らず、例えば、開口部6Aにおける第1上枠21と第2上枠22との間に弁部材を設け、戸袋部6Bにおける第1上枠21と第2上枠22との間に開閉不能な閉塞部材を設けてもよいし、この閉塞部材に代えて、第1上枠21や第2上枠22と一体の閉塞片部を設けて脱衣室側開口241を閉塞してもよい。また、逆に、戸袋部6B側に弁部材を設け、開口部6A側に閉塞部材や閉塞片部等を設けてもよい。
また、前記実施形態では、第1上枠21の切除部214を開口部6Aの内法全幅つまり縦枠4と縦骨7との間隔全体に設けたが、切除部214の幅寸法としては、開口部6Aの内法幅の範囲で任意に設定することが可能であり、必要な換気量に応じて適宜に設定することができる。
【0023】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0024】
1…建具である片引き戸、2…上枠、2A…上レール、3…下枠、4,5…縦枠、6…枠体である建具枠、6A…開口部、6B…戸袋部、7…縦骨、8…樹脂パネル(固定面材)、10…面材である障子、21…第1上枠、21A…第1上枠本体、22…第2上枠、23…第3上枠、24…換気経路、25…換気弁(弁部材)、213…面材保持部、214…切除部、216…第1係合部、218…第2係合部、224…延出面部、226…第1被係合部、231…第3上枠本体、232…垂下片部、233…第2被係合部、242…浴室側開口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と左右の縦枠とを有した枠体と、この枠体に開閉可能に支持された少なくとも1枚の面材とを備え、浴室と脱衣室との出入り口に用いられる建具であって、
前記枠体には、前記左右の縦枠間にて上下に延びる縦骨が架設されるとともに、この縦骨と前記左右の一方の縦枠との間に設けられる開口部と、前記縦骨と前記左右の他方の縦枠との間に設けられる戸袋部とが形成され、この戸袋部には固定面材が支持され、
前記上枠は、前記左右の縦枠間に架設される第1上枠と、この第1上枠に沿って前記左右の縦枠間に架設される第2上枠とを有して構成され、
前記第1上枠は、前記左右の縦枠間に延びる第1上枠本体と、前記戸袋部において前記第1上枠本体から下方に延びかつ前記固定面材の上端縁を保持する面材保持部と、この面材保持部に形成される第1係合部と、前記開口部において前記面材保持部が切除された切除部とを有して構成され、
前記第2上枠は、前記面材を左右に案内する上レールと、前記第1上枠本体と間隔を介して対向する延出面部と、この延出面部に形成されて前記第1係合部に係合される第1被係合部とを有して構成され、
前記第1上枠と第2上枠との間には、前記切除部を介して前記浴室と脱衣室とを連通させる換気経路が形成されている建具。
【請求項2】
前記上枠における第1上枠と第2上枠との間には、当該上枠の略全長に渡って前記換気経路を閉塞可能な弁部材が設けられ、この弁部材は、前記第1上枠本体に回動自在に支持されるとともに、前記第2上枠に当接することで前記換気経路を閉塞可能かつ浴室側に回動することで当該換気経路を開放可能に構成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記上枠は、長手方向中間部が前記縦骨に支持され、
前記面材保持部は、前記第1上枠本体の浴室側端部から下方に延びて形成され、
前記第1係合部は、前記面材保持部の脱衣室側側面に形成され、
前記延出面部は、前記上レールよりも見込み方向浴室側に延びて形成され、
前記第1被係合部は、前記延出面部の浴室側端部に形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記上枠には、前記開口部において前記第1上枠の浴室側に位置する第3上枠が設けられ、この第3上枠は、前記一方の縦枠と前記縦骨とに渡って架設される第3上枠本体と、前記第1上枠の切除部に係合される第2被係合部と、前記第2上枠の浴室側に所定の隙間を介して対向する垂下片部とを有して形成され、この垂下片部と前記第2上枠との隙間に前記換気経路が延長されかつ当該換気経路の浴室側開口が下向きに形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−219955(P2011−219955A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88452(P2010−88452)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】