説明

建築材料

【課題】 目地部を有する建築材料において耐水性を向上させる。
【解決手段】 表面材5が目透かし加工された建築材料において、目地部は溝15を有する凹部8が切削され、該溝15には合成樹脂を充填する。充填する合成樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の紫外線、電子線硬化型樹脂が挙げられる。本発明ではウレタン系の常温硬化型や紫外線硬化型樹脂を用いている。表面材5としては、メラミン樹脂化粧板や、ジアリルフタレート樹脂化粧板、ポリエステル合板、突板化粧板

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玄関の扉、キッチンの扉等に使用できる建築材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばドアに表面材、例えばポリエステル化粧材を突き付け加工する場合があった。しかしながら、寸法精度、作業の熟練度の影響から突き付け部分が重なったり、隙間が生じることがあり、表面材から芯材に至る深さで溝を切削して目透かしにし、隙間の部分には砥の粉を使用していた。
【特許文献1】特開2004−27616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、砥の粉にて補修した部分は表面に塗装を施しても耐水性に劣り、そのため長期間ドアを使用すると雨水の影響で目地部の塗膜の割れ、表面材への水分の浸透による変色などが生じることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記の課題を解決するために検討されたもので、芯材3の表面に表面材5が目透かし加工され、目地部には溝15を有する凹部8が切削され、該溝15には合成樹脂が充填されてなる建築材料9である。
【発明の効果】
【0005】
目地部に砥の粉の代わりに合成樹脂を塗布することにより耐水性が大幅に向上する。また、合成樹脂として紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂を用いることにより作業性が向上する。
【0006】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明によるドアの正面図、図2は図1中の線A−A´に沿う断面図、図3は図2中の点線で囲んだ部分の拡大図である。
【0007】
ドア本体に用いる芯材3としては、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、集成材、LVL(単板積層材)などの木質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更には、アルミニウム板、ペーパ−ハニカムコア、アルミニウムハニカムコア、ロールコアなどと木質系基材を複合化したものなどが挙げられる。本発明では厚み30mmの集成材を芯材3とし、表裏には厚み0.6mmのアルミニウム板2が、更にアルミニウム板2の表裏には厚み4mmの表面材5が接着加工されている。
【0008】
表面材5としては、メラミン樹脂化粧板や、ジアリルフタレート樹脂化粧板、ポリエステル合板、突板化粧板、金属箔貼り化粧板、押し出し成型、注型等により得られる合成樹脂板も使用することができる。本発明では表面材5としてMDF(中密度繊維板)を基材としたポリエステル化粧材を用いている。
【0009】
目地部は溝15を有する凹部8が切削してメリハリのあるものとし、溝15には合成樹脂が充填されている。充填する合成樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の常温、紫外線、電子線硬化型樹脂が挙げられる。本発明ではウレタン系の常温硬化型や紫外線硬化型樹脂を用いている。とりわけ硬化の速い紫外線硬化型樹脂が好ましい。
【0010】
溝15に合成樹脂硬化物6形成された後には凹部8にエナメル塗装が施されMDFの色を露出せず、耐水性を持たせる。エナメル塗装後は全面に塗装が施される。塗料にはアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系の塗料が用いられる。本発明ではアクリルウレタン樹脂系の透明塗料が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ドアの正面図
【図2】図1中の線A−A´に沿う断面図。
【図3】図2中の点線で囲んだ部分の拡大断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 基材
2 アルミニウム板
3 芯材
4 化粧層
5 表面材
6 合成樹脂硬化物
8 凹部
9 建築材料
11 エナメル塗膜
12 クリア塗膜
15 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材3の表面に表面材5が目透かし加工され、目地部には溝15を有する凹部8が切削され、該溝15には合成樹脂が充填されてなる建築材料9。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−190155(P2008−190155A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23690(P2007−23690)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】